Google CloudにKubernetes Engineの「オートパイロイット」サービスが登場

Google Cloudは米国時間2月24日、Google Kubernetes Engine(GKE)の新しい運用モードを発表した。そのモードではコンテナのクラスターの日常的な運用の多くを、Googleの技術者と自動化ツールに任せることができる。Autopilotと呼ばれるモードでは、クラスターとそのノードを管理するデイツー(実稼働初日)のすべての操作をGoogleが管理し、そのためのベストプラクティスとセキュリティを実装している。

新しいモードは、既存のGKE体験を拡張する。そのエクスペリエンスはすでに、クラスターを立ち上げるインフラストラクチャの多くを管理していた。Google Cloudが「スタンダード」と呼ぶそのエクスペリエンスは今後も可利用であり、ユーザーが構成を心ゆくまでカスタマイズでき、ノードのインフラストラクチャを手作業で用意し管理できる。

GKEのプロダクトマネージャであるDrew Bradstock(ドリュー・ブラッドストック)氏によると、Autopilotの基本にある考え方は、GoogleがGKEのためにこれまで開発してきたすべてのツールをまとめて、本番環境でのクラスターの動かし方を知っているSREチームに渡すことだ。それは、Googleの社内では前からやっていたこととなる。

ブラッドストック氏は次のように説明する。「Autopilotは、オートスケーリングとオートアップグレードとメンテナンスとデイツーの運用を一体的に縫い合わせて、さらに全体の強化も行う。これによって新しい顧客は極めて迅速に、デベロッパーやテスト、それにプロダクションのためのより良い環境を手に入れることができる。なぜなら、デイゼロから始めた彼らも、クラスター作成に要する5分間が終わればデイツーが完了しているからだ」。

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デベロッパーから見れば、何も変わっていない。しかしこの新しいモードはチームをKubernetesの管理から解放して実際のワークロードに専念させる。企業は依然としてKubernetesの利点を享受するが、ルーチン的な管理とメンテナンスの作業がなくなる。それは、Kubernetesのエコシステムの進化にともなって生じつつあったトレンドでもある。結局のところ、企業がKubernetesを有効に管理できる能力を身につけても、それが競争で優位に立てる差別化要因になることはまずない。

もちろん、Autopilotは有料のサービスだ。GKEの1時間0.10ドル(約10.6円)の定額料金に加えて、クラスターやポッドが消費するリソースが費目に加わる。なお、無料のGKEティアには74.70ドル(約7910円)のクレジットが付いている。GoogleはAutopilotクラスターのコントロールパネルには99.95%のSLAを提供し、マルチゾーンのAutopilotのポッドには99.9%のSLAを提供する。(公式ページ

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GKEのAutopilotは一連のコンテナ中心型のプロダクトをGoogle Cloudのポートフォリオに収めているが、そこには顧客のマルチクラウドをサポートするAnthosや、サーバーレス環境のCloud Runなどもある。ブラッドストック氏は、次のように説明している。「実はAutopilotはGKEの自動化という側面を利用する便宜だが、それはGoogle Cloudを動かすために使われていたものだ。今回はそれらのすべてを使いやすいパッケージにまとめることで、Kubernetesの初心者でも、非常に大きなコンテナ群を動かしている者でも、大量の時間と操作、計算処理すら節約できるようにした」。

そしてGKEはAnthosの鍵となるものだが、そのサービスの実体はむしろ、Googleの構成管理とサービスメッシュとその他のツールを、エンタープライズ自身のデータセンターに持ち込むものだ。GKEのAutopilotは少なくとも現在のところ、Google Cloudでしか利用できない。

ブラッドストック氏はさらに「サーバーレスの世界では、Cloud Runが独自の開発哲学を持つデベロッパーの間で人気が高い。例えばアプリケーションのインスタンスが0から1000に増えてまたすぐにゼロになったとしても何も心配する必要はなく、すべてをGoogleが管理する。どんな開発にとっても、それはすばらしいことだ。Autopilotは複雑なサービスというよりもむしろ、プラットフォーム全体を単純化して、ユーザーをKubernetesの有効利用に専念させる。また、もっと多くのものを制御できるようにしたり、1つの環境で大量のアプリケーションを動かすこともできる」という。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルが次期Androidアップデート内容を発表、危険なパスワードの警告機能やSMSの送信予約機能が追加

Google(グーグル)は米国時間2月23日、Android(アンドロイド)に搭載される6つの新機能を発表した。パスワードの検査機能とテキストメッセージの送信日時設定機能が新たに搭載された他、画面読み上げ機能「TalkBack」やGoogle マップ、Google アシスタント、Android Auto(アンドロイドオート)といった既存のアプリにも改良が施された。2021年春に導入されるこれら一連の小規模な最新アップデートは、iOSの「ポイントリリース」と似たもので、より大規模なアップデートの周期以外に、Androidに新機能や改善を加えるものだ。

まずセキュリティ面では、このアップデートはAndroid 9以降が作動しているデバイスに「Password Checkup(パスワード・チェックアップ)」と呼ばれる機能を統合させる。これは、ユーザーが入力したパスワードが、以前流出したことがものと一致すると警告を表示する。

この機能は、Androidユーザーがアプリやサービスに迅速にサインインするための「Autofil(自動入力サービス)」と連携して動作し、ユーザーがパスワードを入力すると、Password Checkupがそれを既知の漏洩したパスワードのリストと照合して信頼性を検査する。このリストと合致した場合はユーザーに警告し、変更を促す。

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このプロンプトから、直接Google パスワードマネージャーのページに移動し、これまで保存されたすべてのパスワードを見直して、同様の問題がないか確認することもできる。

この機能を使用するには、自動入力サービスを有効にする必要がある(設定 > システム > 言語と入力 > 詳細設定 > 自動入力サービスとタップし、「Google」が選択されていることを確認)。

今回のアップデートで導入される「メッセージ」の新機能は、頻繁にSMSを利用する人ならAndroidへの乗り換えを検討するかもしれない。それはSMSが発明されて以来、最も求められていた機能の1つ、テキスト送信の日時予約だ。

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この新しいスケジュール送信機能を使えば、いつでも時間がある時に先にメッセージを作成しておき、後でもっと最適な時間になってから自動的に送信するように設定しておくことができる。これは他のタイムゾーンにいる友人や家族、同僚にメッセージを送る場合など特に便利だ。こちらは仕事中でも、あちらは仕事を終えて、眠っていたり家族との時間を楽しんでいるかもしれない時、相手の都合が良さそうな時間を設定しておけば、迷惑をかけずに済む。また、メッセージを送るつもりだったことを夜遅くなってから思い出すことが多い人にも役立つだろう。

この機能を使用するには、いつものようにテキストを書いてから、送信ボタンを長押しして、メッセージを配信する日時を選択するだけ。ただし、Androidのメッセージアプリを最新バージョンにアップデートする必要がある。

今回のアップデートにおける主な改良の1つは、「TalkBack」という名前で知られるAndroidのスクリーンリーダー(画面読み上げ機能)を、目が見えない人や弱視の人にとって、もっと使いやすくすることだ。これまでもTalkBackでは、自分の声とジェスチャーでデバイスをナビゲートすることができ、読み、書き、メールの送信、ソーシャルメディアの共有、注文などを行うことができた。

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アップデートされたバージョン(TalkBack 9.1)では、新たに10を超えるマルチフィンガージェスチャーを採用。テキストの選択や編集、メディアの操作、ヘルプの取得など、一般的なアクションを実行することができるようになる。Googleによると、これはPixelとSamsung GalaxyのOne UI 3以降を搭載するデバイスで機能するという。

Googleは、TalkBackのマルチプルメニューがまぎらわしいというユーザーからのフィードバックにも応え、ユーザーが求めるシングルメニューに戻している。これはコンテキストメニューに対応し、一般的な機能には統一されたアクセスが提供される。

その他の改良としては、右上にスワイプすること25以上の音声コマンドが使える等の新しいジェスチャーが加わった他、読み上げコントロール機能ではページをスキップしたり、見出しのみを読んだり、一字または一句ずつ聞くことができるようになった。

ユーザーは、TalkBackのメニューや読み上げコントロールにオプションを追加または削除したりして、インターフェイスをカスタマイズすることもできる。さらに、TalkBackの点字キーボードにはアラビア語とスペイン語のサポートが追加された。

今春のアップデートではGoogleマップ、Googleアシスタント、Android Autoにも細かな改善が施されている。

マップにはダークモードが追加され、「設定 > Theme(テーマ)」で「Always in Dark Them(常にダークテーマ)」を選択すればデフォルトでダークモードを有効にすることもできる(訳者注:日本語版の表示がどうなるかは現時点では不明)。

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Googleアシスタントのアップデートでは、携帯電話がロックされているときや、部屋の中で手元から離れた場所にある時でもこの機能を使うことができるようになる。Googleアシスタントの設定で「Lock Screen Personal Results」(訳者注:こちらも日本語版の表示がどうなるかは現時点では不明)をオンにした後、必要なときに「Hey Google」と呼びかければよい。

また、Googleによれば、携帯電話がロックされているときに表示されるカードが、ひと目で読みやすいように変更されるという。

そしてAndroid Autoでは、カスタム壁紙の他、トリビアや「Jeopardy!(ジェパディ!)」のような「Hey Google」コマンドを使って音声で起動するゲームが追加される。

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起動画面には、連絡先にアクセスしたり、Googleアシスタントを使って天気の確認や温度の調整などが行えるショートカットも用意される。ワイドスクリーンを搭載するクルマでは、画面を二分割して、運転席側にマップ、助手席側にメディアコントロールを表示すること等も可能になる。

Android Autoの新機能は、Android 6.0以降を搭載しているスマートフォンとそれに対応した車載システムを搭載する車種で「今後数日以内に」利用可能になると、Googleは記している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GoogleがAI倫理研究チームを率いるマーガレット・ミッチェル氏を解雇

GoogleがMargaret Mitchell(マーガレット・ミッチェル)氏を解雇した。彼女はGoogleで倫理的AIの研究チームを立ち上げ、その共同先導者の1人だった。ミッチェル氏は解雇を、ツイートで発表している。

Googleは、TechCrunch宛ての声明でミッチェル氏の解雇を認めた。声明では次のように述べられている。

本管理者の行為を調査検討した結果、弊社の行動規範とセキュリティポリシーへの複数の違反があることが確認された。それには、企業秘密文書と他の従業員のプライベートデータの流出行為が含まれる。

Axiosによると、2021年1月にGoogleは、自動化スクリプトを使ってTimnit Gebru(ティムニット・ゲブル)博士に対する不当な扱いの事例を見つけようとしたとして、AI倫理学者であるマーガレット・ミッチェル氏の企業アクセスを取り消していた。ゲブル氏はGoogleを解雇されたと述べているが、Googleは彼女が辞職したと主張している。

2021年2月初めにミッチェル氏は、彼女の企業メールへのアクセスを切られた翌日、彼女がGoogleのプレスチームに送ったとされるメールを公開した。そのメールでは、ゲブル氏の解雇について触れており、「我が社のAIシステムが間違った人々の手にあった時代ににじみ込んだものと同じ人種差別と性的差別を基盤とするもの」のようだとミッチェル氏は主張している。

ミッチェル氏のメール全文はここで読めるが、ゲブル博士のGoogle退職にはさまざまな考え方と組織が関わっていたことを詳しく説明している。ミッチェル氏の主張によると、ゲブル博士に起こったことは「今日のテクノロジーの中核にあるものと同じく浅慮に起因しているものであり、その問題の実例として役に立つものだ」という。

ミッチェル氏は次ぎのように書いている。

その解雇は、我が社のAIシステムが間違った人々の手にあった時代ににじみ込んだものと同じ人種差別と性的差別を基盤とするもののようだ。ゲブル博士の解雇のされ方は良いものではなく、それについて言われていることも良いものではない。そして解雇に導いた職場環境が、今も相変わらず、良いものではない。直接の上司であるJeff Dean(ジェフ・ディーン)とMegan Kacholia(ミーガン・カコリア)が自分の行為の責任を認めようとしない限り、会社全体が沈黙を守り、その沈黙は、ゲブル博士がこのように扱われるのは当然であるという恐ろしいメッセージを送っているかのようだ。彼女がまるで彼女の同僚に劣ると扱われた。それは、不合理な、いやそれよりも悪質な扱い方だ。彼女の研究論文が公に水準以下と定義されているようだ。彼女の研究成果が公に不十分と宣告されている。はっきりいってゲブル博士は、完全に不適切に扱われ、それは極端に無礼な行為であり、謝罪に値する。

書簡はさらに続けて、開発途上の技術である人工知能に対する倫理面からのアプローチや、ミッチェル氏が倫理的AIチームの先導者となり、次いでゲブル博士とともに共同先導者になった経緯、および結局のところそこで起きたことについて論じている。ミッチェル氏によると、2022年は「世界の指導的な科学者の1人を貶めた不正なシステムに関わってしまった者として、このようなことが二度と起きないように努めたい」という。

ミッチェル氏の解雇の直前にGoogleは、同社が責任を負う人工知能部門のトップとしてMarian Croak(マリアン・クローク)博士を任命したことを発表した。米国時間2月18日、Googleに問い合わせたが、ミッチェル氏の去就について何も情報が得られなかった。

関連記事:Googleが「責任あるAI」部門の新たなリーダーにマリアン・クローク博士を任命

Axiosによると、米国時間2月19日、Googleは、ゲブル博士の退職に関する調査結果を社内的に発表した。それは一般には公表されていないが、しかし、ダイバーシティとインクルージョンを強化するための新しいポリシーを実装する、とその中で述べているそうだ。

TechCrunchは現在、ミッチェル氏に問い合わせている。何か情報が得られ次第、本記事をアップデートする。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Google

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Googleが「責任あるAI」部門に新たなリーダーにマリアン・クローク博士を任命

Google(グーグル)は、Google Researchの「責任ある人工知能(AI)」部門のリーダーにMarian Croak(マリアン・クローク)博士を任命したと、Bloombergが米国時間2月18日に報じた。クローク博士はそれまで、同社のエンジニアリング担当副社長を務めていた。

クローク博士の新しい役職は、アクセシビリティ、社会的利益のためのAI、健康におけるアルゴリズムの公平性、脳の公平性、倫理的AIなどに取り組むチームを監督することだ。彼女の直属の上司は、Google ResearchのAIと健康部門のSVPであるJeff Dean(ジェフ・ディーン)氏になる。このニュースを認めたGoogleのブログ記事と動画の中で、クローク博士は次のように述べている。

この分野、責任あるAIと倫理の分野は新しいものです。ほとんどの機関はこの5年ほどで原則を策定してきましたが、それは非常に高レベルで抽象的な原則です。これらの原則の規範的な定義を標準化しようとすることに対して、多くの反対意見があり、多くの対立があります。誰が定義した公平性や安全性に、私たちは従うのか?現在、この分野では多くの対立があり、二極化していることもあります。私がしたいことは、人々に今よりもっと外交的な方法で、対話してもらうことです。そうすれば、私たちはこの分野を真に発展させることができるでしょう。

今回の件はすべて、Googleの倫理的AIチームで共同リーダーを務めていたTimnit Gebru(ティムニット・ゲブル)博士の辞職と、Googleの倫理的AIチームの創設者である研究者のMargaret Mitchell(マーガレット・ミッチェル)氏が企業アカウントをロックされた後の出来事だ。Axiosの報道によると、Googleは2021年1月、自動化されたスクリプトを使ってゲブル博士が虐待されていた例を探したとして、AI倫理研究家のマーガレット・ミッチェル氏の企業アクセスを無効化したという。Googleは彼女が辞職したと主張しているが、同社から解雇されたとゲブル氏は語っている。Googleは当時、Axiosに送った声明で次のように述べている。

当社のセキュリティシステムは、従業員の企業アカウントが信用性の問題により危険にさらされていることを検出した場合や、機密データの取り扱いを含む自動ルールが発動された場合、アカウントを自動的にロックします。今回の例では、昨日あるアカウントが数千ものファイルを流出させ、複数の外部アカウントと共有していることがシステムによって検出されました。我々は、その従業員に本日の早い段階でこのことを説明しました。

ミッチェル氏はまだアカウントをロックアウトされたままであり、Bloombergの記事を見て初めて組織再編のことを知ったと、2月18日にツイートしている。

私はこの記事で知りました。信用を取り戻してくれて本当に良かった。私は完全に消されてチームを奪われてしまったようです。

TechCrunchは、これがミッチェル氏にとって何を意味するのかを判断しようとGoogleに連絡を取ったが、同社は彼女についてのコメントを辞退した。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Google人事

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが最初のAndroid 12開発者プレビューを公開

Google(グーグル)がAndroid 11の最初の開発者プレビューを発表してからほぼ1年後、同社は米国時間2月18日、Android 12の最初の開発者プレビューを公開した。新型コロナウイルスの影響で、GoogleはAndroid 11のロールアウトを少し遅らせたものの、それによってAndroid 12がスケジュール通りにいかなくなるということはなかったようだ。初期の開発者プレビューということから予想されたとおり、今回の変更点のほとんどはフードの下にあり、それを操ってみたいと思う勇敢な非開発者のためのOTAアップデートはまだ用意されない。

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今バージョンにおけるハイライトは、現在明らかになっているものの中では(今後のプレビューサイクルを通じて、Googleがさらにユーザーインターフェイスの変更やUIの刷新を行う傾向にあることは留意すべきだ)AVIF(AV1 Image File Format)のような、より高画質のフォーマットにメディアを変換する機能や、速度と応答性が改善された通知などとなる。開発者向けには、プラットフォーム内の変更を個別に有効 / 無効に切り替えられる機能が用意された。これによって開発者は自分が作ったアプリの互換性を簡単にチェックできる。Googleはまた、Android 11の時に同様に、Platform Stability と呼ばれるマイルストーンをAndroid 12にも設定することを約束している。これはアプリに関わる変更点が最終的に確定したことを開発者に知らせるもので、2020年は7月にAndroid 11のBeta 2がリリースされたとき、Platform Stabilityに到達した。

「バージョンを重ねるごとに、我々はこのOSがよりスマートに、より使いやすく、より優れたパフォーマンスを発揮できるように、プライバシーとセキュリティを核に改良を続けています」と、Googleのエンジニアリング担当VPであるDave Burke(デイヴ・バーク)氏は述べている。「Android  12では、すばらしいユーザー体験を構築する新しいツールを提供することにも取り組んでいます。まず、アプリが最新の動画フォーマットに対応していない場合でも、簡単に動画や画像のリッチコンテンツをコピー / ペーストできるメディアトランスコーディング互換機能。また、プライバシー保護の追加、UIのリフレッシュ、アプリの応答性を維持するためのパフォーマンスの最適化も行っています」。

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明らかに、Android 12には数十の開発者向けアップデートが施されている。そのいくつかを詳しく見てみよう。

たとえばAndroid 12のWebViewに、GoogleはChrome(クローム)で動作するものと同じSameSite Cookieを実装する。同社は2020年、広告主がChromeで閲覧者のサイト間の行動を追跡することを困難にしたこの変更の導入を遅らせた。それは単に、あまりにも多くのサイトで問題が発生したからだ。現在はこの機能がChromeに完全に実装され、Androidチームも明らかにそう感じているため、WebViewに同じ機能を実装することが可能になった。これは他のアプリでもウェブコンテンツを表示するために使用される。

エンコーディング機能に関して、バーク氏は「モバイルデバイスにおけるHEVCハードウェアエンコーダーの普及にともない、カメラアプリは旧来のコーデックよりも画質と圧縮率が大幅に改善されたHEVCフォーマットで録画することが増えています」と指摘する。ほとんどのアプリがHEVCをサポートしているが、そうでないアプリのために、Android 12はHEVCをAVCにトランスコードするためのサービスを提供すると、バーク氏は記している。

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さらにAndroid 12では、画像やGIFに似た画像シーケンスを収めるコンテナとして、AV1 Image File Formatをサポートする。「他の最新の画像フォーマットと同様に、AVIFは動画圧縮コーデックからフレーム内エンコードされたコンテンツを利用します」と、バーク氏は説明する。「これは、JPEG などの古い画像フォーマットと比較して、同じファイルサイズでも画質が劇的に向上します」。

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毎回Androidの新バージョンがリリースされる度に、Googleは通知システムをいじくり回しているが、今回のリフレッシュでは「よりモダンに、より使いやすく、より機能的になる」とチームは約束する。バーク氏によれば、トランジションやアニメーションが最適化され、アプリが独自のコンテンツに合わせて通知をデコレートできる機能も備わるという。Googleはまた、以前に推奨していたような、中間にBroadcastReceiverやサービスを介さず、通知からアプリにユーザーを即座に移動させるシステムを実装するように開発者に求めている。

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Android 12では他にも、最大24チャンネルとなったマルチチャンネルオーディオ(音楽や他のオーディオアプリには間違いなく恩恵を受ける)や、空間オーディオ、 MPEG-Hサポート、音と触覚を結合させた効果(音に合わせて振動の強さや速さが変えられる。ゲームには間違いなく恩恵を受ける)などの機能サポートが向上する。また、ジェスチャーナビゲーションの改善や、その他多くの最適化、OS全体に渡る小変更などが施される。

Googleはまた、Project Mainlineにも引き続き力を入れている。これはAndroid OSのコア機能を、Google Playシステムを介してアップデートできる機能で、ハードウェアメーカーの遅れがちなアップデートを待たずに済む。

Android 12では、MainlineにAndroid Runtimeモジュールが加わることで、Googleがデバイスにコアランタイムとライブラリのアップデートを施すことが可能になる。「これによって我々は、ランタイムのパフォーマンスと正確性を向上させ、メモリをより効率的に管理し、Kotlin(コトリン)の操作を高速化することができます。システムをフルアップデートさせなくとも、これらのすべてが可能になります」と、バーク氏はいう。「また、既存のモジュールの機能も拡張しました。たとえばシームレスなトランスコーディング機能を、アップデート可能なモジュール内で提供しています」。

Android 12の変更について、すべての詳細はこちらで見ることができる。

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Android 12に自分たちのアプリを適応させたいと考えている開発者は、Pixel(ピクセル)のデバイスにシステムイメージをインストールして、今から作業を始めることができる。現在Android 12がサポートしている機種は、Pixel 3 / 3 XL、Pixel 3a/ 3a XL、Pixel 4/ 4 XL、Pixel 4a/ 4a 5G、Pixel 5のみだ。GoogleのAndroid Studioに用意されているAndroidエミュレータでもシステムイメージを使うことができる。

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タグ:GoogleAndroidAndroid Studio

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが機能していないアプリ「Trump 2020」を一時停止措置に

Google(グーグル)は、規則に違反したとしてTrump 2020選挙運動アプリのGoogle Play Storeでの扱いを一時停止した。Android Policeの報道を受けてGoogleはその事実を認めた。報道では、アプリはいかなるコンテンツも取り込めず、Storeから取り除かれたようだとされている。同アプリのAndroid版、iOS版ともに2020年11月の選挙後もオンライン上にまだあるが、アップデートされていない。これがアプリの安定性の問題につながったようだ。

たとえばAndroid版は2020年10月30日からアップデートされていない、と調査会社Sensor Towerは指摘する。

Android Policeの報道によると、アプリはまだ存在するがコンテンツを取り込むことができず、接続面での問題もある。この問題は報道にあるとおり、ユーザーがアプリをダウンロードすると、Tロゴが回転する最初のローディングスクリーンになるか、すぐにサーバーエラーが表示されるかだとTechCrunchは理解している。どちらにせよ、アプリの中身をまったく取り込まない。

Google Play Storeにある直近のユーザーレビューでも「開かない」「アプリは起動すらしない」「まったくひどい、機能しない」「接続確認を、というだけで開かない」などと問題が報告されている。とあるユーザーは「みんなのコメントに返事してください。ロードしていません」とデベロッパーに多くの苦情に対応するよう求めた。別のユーザーは「Googleが削除するまでは機能していた」と記し、この問題はGoogleの不手際だとほのめかした。

しかし、Googleは削除していない。Trump 2020 Androidアプリは実際にはGoogleが行動する前から問題を抱えていた。

たとえば1カ月ほど前のツイートでも同様の問題が指摘された。

GoogleはTechCrunchに対し、Play Storeで禁止にはなっておらず、機能していなかったために一時停止になっているだけだと述べている。もし問題が解決すれば、復活するかもしれない。Googleはまた、アプリを一時停止とする前に、このアプリのデベロッパーに連絡を試みたが、返事が一切なかったとも述べた。

「Trump 2020選挙運動アプリはこのほど機能を停止し、問題を解決してもらおうと複数回デベロッパーに連絡を取りました」とGoogleの広報担当は述べた。「人々はGoogle Playからダウンロードしたアプリが最低限のレベルの機能性を提供すると考えており、問題を解決しないなら機能しないアプリはストアから取り除く、というのが当社のポリシーです」。

Androidでの問題にもかかわらず、TechCrunchはiOS版アプリがまだ最初の立ち上げが可能で、サインアップで電話番号に確認コードを送れることを確認した。しかしアプリのメイン表示にいくと、エラーメッセージが表示される。ただし、過去のコンテンツをブラウズする能力に影響はない。

iOSのTrump 2020(スクリーンショット)

Sensor Towerは、Trump 2020アプリのAndroid版は2021年2月7日から新規インストールされていないようだと話す。同社はまた、同アプリのiOS版のインストールが150万回だったのに対し、Android版は約84万回だったと指摘した。

Trump 2020アプリの問題がニュースになるのは今回が初めてではない。

2020年の米大統領選挙までの数カ月、多くのTikTokユーザーがApp StoreユーザーレビューでTrump 2020アプリを貶めた(なぜか、Z世代ユーザーは低い評価のアプリは自動的にアプリストアから削除されると信じている。それは真実ではない)。しかしTikTokユーザーのそうした取り組みによって、Trump 2020アプリの全体評価は星1.2に落ち、Trump 2020陣営はアプリ評価のリセットを余儀なくされた。

大統領選はだいぶ前に終わったが、ユーザーはまだアプリに星1という低い評価をつけている。時にネット上の荒らし者たちは、その過程でちょっとしたユーモアを見せようとさえする。

とあるPlay Storeのレビュワーは「アプリは私の携帯のOSを乗っ取ろうとクーデーターを試みた」と書き込み、別の人はiOSで「私は2016年から十分苦しんだ」と記した。

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タグ:GoogleアプリDonald Trump

画像クレジット:Alex Wong / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple TV+がGoogle TVデバイスにやってくる、まずはChromecastから

Googleの米国時間2月18日の発表によると、Google TV対応Chromecastにより、Apple TV+のストリーミングサービスがGoogle TVでも観られるようになる。Googleによると今後数カ月後には、SonyとTCLのGoogle TVや、その他のAndroid TV対応のデバイスでも利用できるようになる。

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Google TVは2020年9月に、GoogleがChromecastのインターフェイスを参照する新しい方法として導入された。それにより、ストリーミングサービスやYouTubeからのライブTV、およびGoogleのその他のコンテンツサービスが1つのユーザーインターフェイスにまとまり、AppleやAmazonといった類似サービスとの競争力を強めた。現在、同プラットフォームはDisney+、Netflix、HBO Max、Peacock、Prime Video、CBS All Access、Hulu、Soing、そしてもちろんYouTubeなど、多くのメジャーストリーミングサービスをサポートしている。

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Apple TV+のサポートが追加され、すでに会員であるユーザーはオリジナル番組が観られるようになった。映画やドキュメンタリー、そして「Ted Lasso(テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく)」「For All Mankind(フォー・オール・マンカインド)」「Servant(サーヴァント ターナー家の子守)」「The Morning Show(ザ・モーニングショー)」「Dickinsonディキンスン 〜若き女性詩人の憂鬱〜」などのコンテンツも楽しめるようになっている。また、Appleで購入した映画や番組などのライブラリーにもアクセスできる。Family Sharing(ファミリー共有)も可能で、最大6名の家族がApple TV+とApple TVのチャンネルを共有することができる。

Google TVでのローンチに続き、米国のユーザーはGoogle TVのパーソナライズされたレコメンドでApple Originalを閲覧し、そのコンテンツを検索結果に表示することができる。ユーザーはGoogleアシスタントを使ってApple TVアプリを開いたり、Apple Originalのタイトル名でリクエストすることもできる。Apple TV+の番組もGoogle TVのウォッチリストに加えることができる。Googleによると、これらの機能はローンチ時ではなく「数カ月後」に登場するとのことだ。

今回の対応によりGoogle TVは、Appleのストリーミングサービスをサポートする最後の主要なストリーミングデバイスプラットフォームとなった。

Apple TV+は2019年にAppleの顧客向けにデビューし、その後、その同じ年も含めて、RokuデバイスAmazonのFire TVなど、Apple以外のプラットフォームにも展開した。今日ではそれは、SamsungやLG、Vizio、SonyなどのスマートTVと、PlayStation(PS4とPS5)やXbox(One、X、S)などのゲーム機、そしてWebでも利用できる。

Apple TV+は2019年11月にAppleユーザー向けに登場し、その後RokuデバイスAmazonのFire TVプラットフォームなど同社以外のプラットフォームでも展開された。本日からSamsung、LG、Vizio、SonyなどのスマートTVでも利用できるようになった。プレイステーション(PS 4およびPS 5)、Xbox(One、Series X、Series S)などのゲーム機、そしてウェブでも楽しめるようになる。

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タグ:Apple TV+Google ChromecastAppleGoogle

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

GoogleがClassroomなどのオンライン教育ツールに50以上のアップデートを予定、「Google Workspace for Education」に再ブランド

米国時間2月17日、Google(グーグル)はパンデミック下で利用とさらなる開発が加速するオンライン教育ツールGoogle ClassroomGoogle Meet、および次世代のG Suite for Educationを、Google Workspace for Educationとして再ブランドすることを発表した。同社の教育関連製品全体で50以上の新機能が追加され、生徒だけでなく、教育者と管理者のニーズを満たすことに焦点が当てられている。

Googleが最初にGoogle Classroomを公開した時、Learning Management System(LMS)を作る計画はなかった、という。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの中でGoogleは、多くの教育者がClassroomをオンライン学習の「ハブ」として使い始めたことを知った。現在このサービスは1億5000万人以上の学生、教員、学校管理者が使用しており、2020年の4000万人から急増している。

パンデミックに起因する利用拡大とユーザーフィードバックの結果、Googleは2021年に数多くの新機能をClassroomに導入する予定だ(公開時期はさまざま)。

Classroomをオンライン学習のハブとして使っている人たちのニーズに応えるべく、Classroom「アドオン」のための新しいマーケットプレイスは、教員が気に入った教育ツールやコンテンツを選び、生徒に直接割り当てることが可能でログインし直す必要はない。管理者はこれらのアドオンをドメイン内の他の教員のためにインストールすることもできる。

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また2021年中に管理者は、Student Information Systems(SIS、生徒情報システム)名簿の同期を使って事前にクラスの割当が可能になり、一部のSISユーザーでは、Classroomの成績を直接SISにエクスポートできるようになる。Classroom監視ログ(生徒の退室や到達などの状態を見る)やClassroomアクティビティーログ(生徒のクラスとのやり取りの確認)など新たなログ機能も追加される。

生徒たちが実際に学校に来ていれば、教員は遅刻している生徒を容易に見つけることができる。新たなClassroomツールは同じことをバーチャル学習でもできることを目指している。新しいStudent Engagement Tracking機能により、教員はその日にどの生徒が課題を提出したか、投稿にコメントしたかなど生徒がどのようにクラスとやりとりしているかを把握することができる。

画像クレジット:Google

インターネット環境が整っていない、あるいはまったく使えない生徒が在宅学習するためのツールもある。新しいClassroom Androidアプリを使えば、生徒は課題に取り組んだり、添付ファイルを開いたり、Goolgeドキュメントに書き込んだりすることがオフラインでも可能になる。作業内容は接続が復活すれば同期される。また生徒が写真を撮って課題をアップロードするときには、複数の写真を1つの文書にまとめたり、画像のトリミングや回転、ライティングの調整などができる。

Classroomはリッチテキスト形式もサポートする。太字、斜体、下線、箇条書きなどがウェブ、iOS、Androidすべてで利用できるようになる。

画像クレジット:Google

盗用を検出する独自性レポートが15言語で近く使えるようになる。英語、スペイン語、ポルトガル語、ノルウェー語、スウェーデン語、フランス語、イタリア語、インドネシア語、日本語、フィンランド語、ドイツ語、韓国語、デンマーク語、マレーシア語、ヒンディー語の各言語だ。

そしてGoogle自身の無料入門コンピュータサイエンスカリキュラム「CS First」が今すぐClassroomで利用可能だ。

Classroomだけでなく、Google Meetも教育者のニーズを念頭にアップデートされている。

数週間のうちに提供される必須機能の1つ、「mute all(全員ミュート)」ボタンは教室の支配を教員の手に取り戻す。4月からは生徒がいつ自分をミュート解除できるかも制御できるようになる。

画像クレジット:Google

他にも、誰が会議に参加できるか、チャットやスマホからの画面共有ができるかなどを確認、コントロールできる会議制御機能は2021年中に公開される。

4月から誰がビデオ通話に参加できるかのポリシーも管理者が設定できるようになり、離れた生徒同士の通信、教員のための専門能力開発、クラスへの外部講演者の招待などに関するルールを決められる。生徒はClassroomで作られたミーティングには教員が来るまで参加できない。一方、教員は教員間でクラス管理の負荷を分散できるように複数のホストを設定できる。

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Google Meetには生徒のエンゲージメントとインクルージョンに関する機能も追加される。生徒はエモジのスキントーンを選んで自分を表現したりクラス内でエモジで反応することができるようになる。使えるエモジは教員が制御できる。

画像クレジット:Google

そして、GoogleのClassroom、Meet、Gmail、カレンダー、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどからなるこの「G Suite for Education」は、「Google Workspace for Education」に再ブランドされる。現在世界で1億7000万人の生徒と教員が使っている各ツールそのものは変わらない。ただし、プランはさまざまなニーズに応えるべく2種類から4種類に増える。

無料バージョンは、Google Workspace for Education Fundamentalsと名前を変え、内容はほぼ変わらない。有料バージョンはGoogle Workspace for Education Standard、Google Workspace for Education Plus、およびTeaching and Learning Upgradeの3種類になり、最後のプランはFundamentalsまたはStandardに、Google Meetのビデオ通話や独自性レポートなどのClassroomツールを追加できる。

Standardは、FundamentalsにSecurity Centerによるセキュリティ強化、監視ログ、高度なモバイル管理などが加わる。Plusは他の3バージョンの全機能に加えて、高度なセキュリティと分析、教育・学習機能などが入る。

FundamentalsとPlusは本日より提供され、他の2つは2021年4月14日に公開予定。すでにG Suite for Enterprise for Educationを利用しているユーザーはEducation Plusにアップグレードされる。

一連の変更にともない、ストレージモデルも新しいプールドストレージオプションへになり、複数の教育機関にわたるストレージ資源の分配がやりやすくなる。新たなモデルは学校や大学にベースラインとして100TBのプールドストレージを提供し、全ユーザーで共有される。新たなストレージポリシーは2022年から新規ユーザーに適用され、既存ユーザーのGoogle Workspace for Educationでは2022年7月から有効になる。Googleは改訂されたモデルの影響を受ける教育機関は1%以下だろうと述べている。ベースライン(100TB)は1億文書分、あるいはプレゼンテーション800万件分、あるいは動画40万時間分に相当するサイズだという。

Googleは今後数週間のうちにGoogle Workspace for Education製品ラインのアップデートをいくつか計画している。Google Formsのドラフト保存(Fundamentals)、Google Meetのミーティング文字起こし(Teaching and Learning Upgrade)などだ。

ソフトウェア製品のアップデート以外にもGoogleは、40以上の新しいChromebooks(クロムブック)を発売する。LTE通信機能内蔵の常時接続モデルもある。Chromeのスクリーンリーダー、ChromeVoxもアップデートされ、新しいチュートリアル、ChromeVoxの検索、テキストの原語に基づいてスクリーンリーダーの声を自動的に変えるボイススイッチングなどだ。

子供のオンライン学習にさまざまな方法で参加している親は、子供のGoogle Workspace for Eductaionアカウントを、GoogleのペアレンタルコントロールソフトウェアであるFamily Linkに子供の個人アカウントとして追加できる。そうすることで、子供は学校のアプリやアカウントにログインできるが、親は子供が学習に専念するように他のアプリやデバイスの使用時間を制限できる。

【Japan編集部】SHARPもChromebookのパートナーになった。NECに続き同社からも今後、Chromebookが発売される。

カテゴリー:EdTech
タグ:GoogleChromebookGoogle Workspace for Education

画像クレジット:Thomas Park/Unsplash

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップアプリで駐車場や乗り換え料金の非接触支払いが可能に、全米400都市以上で

米国のドライバーは交通系ソフトウェア開発会社のPassportおよびParkmobileとの提携拡大により、Googleマップで路上駐車の支払いができるようになる。Google(グーグル)はまた、この非接触型支払い機能を公共交通機関の利用者にも拡大すると発表した。

Googleマップの駐車料金支払い機能はまずAndroid経由でボストン、シカゴ、ヒューストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、ワシントンD.C.を含む全米400都市以上に拡大される。また同機能はすぐにGoogleマップのiOS版でも利用できるようになる。乗り換え機能には、世界中の80以上の交通機関が含まれる。

Passportのオペレーティングシステムと統合された駐車機能は、2020年にオースティンで開始された。両社は当時、同機能が最終的に米国の他の都市でも展開される予定だと示唆していた。この拡大は予想されていたが、今では最も広く使われているナビゲーションアプリの1つに統合されることは、ノースカロライナをベースとするスタートアップのPassportにとって恩恵がある。同じことは、Googleマップにも組み込まれているParkmobileも同様だ。

GoogleマップのプロダクトマネージャーVishal Dutta(ヴィシャル・ドゥッタ)氏とGoogle PayのFausto Araujo(ファウスト・アラウホ)氏によると、その目的はドライバーがメーターに触れることなく駐車料金を支払うのを支援することであり、新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るうこの時代には魅力的な機能である。

iOSとAndroid版のGoogleマップを利用する際、米国の一部の都市のドライバーは目的地に近づくと、Google Payで駐車料金を支払うオプションが表示される。なおユーザーはGoogle Payアカウントを設定し、クレジットカードまたはデビットカードにリンクしておく必要がある。そしてドライバーはメーター番号と希望する駐車時間を追加し、Google Payを介して支払いを完了できる。駐車場の利用者は車両に戻ることなく、Google Payアプリからメーターに時間を追加することもできる。

Googleによると支払い機能の拡張により、世界中の80以上の交通機関の乗り換え料金が含まれるようになったという。「これで複数のアプリを切り替えることなく、旅行の計画や運賃の購入、乗車ができるようになります」と、Googleはブログ記事にて述べている。

乗り換えの支払いオプションは、ユーザーの方向に合わせてGoogleマップにポップアップ表示される。サンフランシスコのような場所では、ユーザーはGoogleマップから直接デジタルClipperカードを購入できるようになる。カードを購入したら、ユーザーは携帯電話をリーダーにかざすか、デジタルチケットを見せるだけよい。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogleマップ

画像クレジット: Olly Curtis/Future / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Googleマップとフランス政府によるホテルの格づけに違い、同社は罰金を支払いと修正

Google(グーグル)はフランスのホテルの格づけについて誤解を招く恐れがあるとして、110万ユーロ(約1億4000万円)の罰金を支払うことに同意した。

Googleは同社の検索エンジンやGoogleマップ上で適用されるホテルの格づけについて、独自の(アルゴリズムによる)評価システムを適用していた。しかし2019年、ホテル経営者からの多数の苦情を受けて、フランスの競争・消費・詐欺防止総局(D.G.C.C.R.F.)がこの評価制度の妥当性に対する調査を開始した。

この調査では、Googleがフランス観光開発機構(Atout France)の標準的な分類システムを、独自の基準の格づけシステムに置き換えていたことを明らかにした。これは7500以上の施設に適用されていた。

Googleの「五つ星」ホテルという概念は、フランス観光開発機構と同じではないと言って差し支えない。また競争・消費・詐欺防止総局は、観光客の宿泊施設を分類するGoogleの表示 ( 同じ「星」 という用語を1から5までのランクで使っている)は、消費者を混乱させること指摘した。

「この慣行は特に消費者に損害を与え、宿泊施設を予約する際に期待できるサービスのレベルについて誤解を与えました。また、誤ってフランス観光開発機構の公式ランクよりも下に表示されたホテル経営者に対する偏見をもたらしました」と、競争・消費・詐欺防止総局は制裁に関するプレスリリースで述べている。

競争・消費・詐欺防止総局はGoogleが欺瞞的なビジネス慣行に従事していたと結論づけ、検察官とともに米国時間2月15日に発表された制裁措置をGoogle Ireland(同社のヨーロッパ本社)およびGoogle Franceに対して提案した。

罰金の支払いに同意しただけでなく、Googleはフランスのホテルの格づけを変更し、フランス観光開発機構の公式格づけを表示することに同意した。これによりフランスの観光客は、Google マップの5つ星ホテルはオンラインのハッキング戦略に影響されていない、公式基準によるものだと確信できる。

Googleの広報担当者はTechCrunchに対して「私たちは現在、競争・消費・詐欺防止総局と合意し、必要な変更を行い、Googleマップおよび検索におけるホテルのフランスでの公式格づけのみを反映させています」と述べ、競争・消費・詐欺防止総局の決定を確認した。

関連記事:Google Playがアプリのレーティング方法を変更

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogleマップフランス

画像クレジット:Vincent Isore

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(文:Natasha Lomas、翻訳:塚本直樹 / Twitter

個人の位置情報をブローカーに売っていたX-Modeはアプリがストアから排除されてもユーザーの追跡を継続

これまでの発表よりもはるかに多い、何百ものAndroidアプリがユーザーの詳細な位置データをX-Mode(エックスモード)に送信していたことが判明した。X-Modeは位置データを米軍の請負業者に売ることで知られているデータブローカーである。

新たな調査によれば、そうしたアプリにはメッセージアプリ、無料の動画、ファイル変換ソフト、さまざまな出会い系サイト、宗教と礼拝用のアプリが含まれている。どれも、これまでに数千万回もダウンロードされているアプリである。

ExpressVPN Digital Security Labの主席調査員Sean O’Brien(ショーン・オブライエン)氏と、Defensive Lab Agency(ディフェンシブ・ラボ・エージェンシー)の共同創設者Esther Onfroy(エスター・オンフロイ)氏は、ここ数年のある期間にX-Modeのトラッキングコードが埋め込まれているAndroidアプリを200近く発見した。

一部のアプリは、つい2020年12月にAppleとGoogleがアプリからX-Modeを削除しないとアプリストアから排除することを開発者に通達した時点でも、まだ位置データをX-Modeに送信し続けていた。

しかし、排除が通達されてから数週間経っても、米国のある交通地図アプリは、依然として位置データをX-Modeに送信していたにも関わらずGoogle Playからダウンロード可能だった。このアプリは人気があり、すでに数十万回もインストールされている。

公開された新たな調査は、X-Modeと連携したアプリについて今までに行われた調査の中で最も大規模なものであると考えられている。通常の携帯電話用アプリから収集された位置データの利用権売買は数十億ドル(数千億円)規模の産業になっており、X-Modeはその産業で商売している数十社の企業の1つである。そうした位置データはたいていターゲティング広告を提供するために使用される。

先に米国諜報機関が商用の位置データの利用権を買い取り、米国人の過去の行動を、令状を取得する前に調査したことが報じられたばかりであるため、X-Modeには、政府の仕事との関係を疑う厳しい調査の目が向けられることになった。

X-Modeは、アプリ開発者にお金を払ってソフトウェア開発キット(SDK)と呼ばれる追跡用コードを使ってもらい、その代わりにユーザーの位置データの収集と引き渡しを請け負う。この追跡に関するユーザーのオプトインは、アプリの利用規約とプライバシーポリシーを承諾することにより成立する。ただし、位置データが最終的にデータブローカーの手に渡る可能性や軍の請負業者に販売される可能性があることを、X-Modeを使用しているすべてのアプリがユーザーに開示しているわけではない。

X-Modeが軍の請負業者(広い意味でとらえると米軍)と関係していることを最初に公表したのはMotherboard(マザーボード)だ。その報告では、世界中で9800万回以上ダウンロードされている有名な礼拝用アプリが詳細な活動データをX-Modeに送信したことが明らかになった。

2020年11月、Motherboardはさらに、これまで報告されていないイスラム教の礼拝用アプリQibla Compass(キブラ・コンパス)がX-Modeにデータを送信していたことを発見した。この発見はオブライエン氏の調査結果でも裏づけられており、さらにいくつものイスラム教徒向けのアプリにX-Modeが組み込まれていることが指摘された。Motherboardは、ネットワークトラフィックを分析することで、そうしたアプリの少なくとも3つはある期間にX-Modeに位置データを送信していたことを確認した。ただし、Google Playにある最新バージョンではすべて改善されている。Motherboardの記事全文はこちらで読むことができる

2020年、X-Modeの最高経営責任者Josh Anton(ジョシュ・アントン)氏は、CNNに対して、データブローカーは米国で2500万台のデバイスを追跡しており、Motherboardによって指摘されたSDKは約400のアプリで使用されていると説明した。

アントン氏はTechCrunchに次のように語っている。

X-Modeがほとんどの広告用SDKと同じようにモバイルアプリデータを収集していたことを考えると、X-ModeのSDKの排除はエコシステムに大きな影響を与えることになる。AppleとGoogleは、パブリッシャーの大部分が位置データの収集と使用に関する二次的同意を得ていたとしても、モバイルアプリデータの収集と使用に関するいち企業の能力をプラットフォームが決定できるという先例を作った。

最近、当社は、この問題に協力して解決する最善の方法を理解するためにAppleとGoogleに公式文書を送った。命を救うための位置データの使用と、位置データを活用した製品を開発するテックコミュニティの機能強化を両方とも継続して行うためである。当社は、AppleとGoogleが位置データの収集と使用に関して自分たちに当てはめている同じ基準をX-Modeにも適用することが重要であると考えている。

調査員は、X-ModeのSDKを使用しているアプリとの通信が行われたことが判明している新しいエンドポイントも公表した。オブライエン氏は、これが、ユーザーの位置データをX-Modeに送信しているアプリや送信履歴のあるアプリのさらなる発見に役立つことを期待している。

オブライエン氏は「私たちは、こうしたロケーショントラッカーのターゲットになっているかどうかを利用者が識別できるようになることを望んでいる。さらに重要なこととして、こうしたスパイのような行為を止めるよう強く求める。調査員は公共の利益のために調査結果を精査し、プライバシー、セキュリティ、権利への脅威を明らかにする必要がある」と語った。

TechCrunchは、調査結果に含まれていたアプリの中から、ダウンロード数の多い20数個のAndroidアプリを選び、そのネットワークトラフィックを分析した。既知のX-Modeのエンドポイントと通信していたアプリを探し、ある期間に位置データをX-Modeに送信していたアプリを確認するためである。

また、調査員によって特定されているエンドポイントを使用し、X-Modeと通信している可能性がある有名なアプリが他にもないか探すことにした。

その結果、Googleアプリストアの排除から抜け落ちているアプリを少なくとも1つ特定できた。

Googleによって削除される前にGoogle PlayにあったNew York Subway(画像クレジット:TechCrunch)

New York Subway(ニューヨーク・サブウェイ)はニューヨーク市の地下鉄網を案内する人気アプリで、これまでに25万回ダウンロードされ、Sensor Tower(センサー・タワー)によって提供されるデータを使用している。このアプリは、本記事の執筆時点でもまだGoogle Playに掲載されており、アプリストアが排除を通告してから更新されていないため、依然として位置データをX-Modeに送信していた。

アプリを読み込むと、広告、分析、市場調査のためにX-Modeへのデータ送信に同意するようユーザーを求めるスプラッシュスクリーンがすぐに表示されるが、アプリにはX-Modeの政府関係の活動については少しも説明されていなかった。

イスラエルに拠点を置くアプリメーカーDesoline(デソリン)に何度かコメントを求めたが、回答はなかった。ただ、問い合わせを行った少し後にこのメーカーはプライバシーポリシーからX-Modeに関する記載を削除した。本記事の執筆時点では、このアプリはGoogle Playから消えたままである。

Googleの広報担当者は、この会社がGoogle Playからアプリを削除したと説明している。

また、TechCrunchは、調査員が提供しているアプリの一覧を使用して、非常に人気のある2つのアプリMoco(モコ)とVideo MP3 Converterの旧バージョンを発見した。これまで累計1億1500万回以上ダウンロードされているが、いまだにユーザーの位置データをX-Modeに送信している。Google Play以外からAndroidアプリをインストールし、データをX-Modeに送信する古いアプリを実行しているユーザーにプライバシーリスクをもたらしている。

どちらのアプリメーカーにもコメントを求めたが回答はなかった。Googleは、同様の問題がある他のアプリが削除されたかどうかや、位置データをX-Modeに送信する古いバージョンのアプリを実行しているユーザーを保護するためにどんな対策を講じるかを、たとえその方法があるとしても説明しないだろう。

AppleのiOS用の対応するアプリや同じ名称のアプリについても調査したが、X-Modeのエンドポイントとの通信が検出されたものは1つもなかった。Appleに問い合わせたところ、排除を実施した後にいずれかのアプリをブロックしたかどうかについてのコメントは拒否された。

オブライエン氏は「スマートフォンのセンサーは、不当に利用すれば、私たちの活動、自由な表現、自主性を制限しかねない多くのデータを提供している。位置データの密かな収集は、人権に関わる重大な脅威をおよぼしている。生活の中で特にセンシティブな部分や、誰と一緒にいるかといったことを観察できるからだ」と語る。

最近公開された調査によって、一般的なスマートフォンアプリから何百万もの米国人の個人データが(ほとんどの場合、ユーザーの明示的な同意なく)収集・販売されている方法に関する新たな事実が明らかになる可能性がある。

米政府の監視機関は現在、事前に令状を取得することなくさまざまなデータブローカーから位置データを買い取って使用することに関して、米内国歳入庁(IRS)や米国土安全保障省(DHS)をはじめとするいくつかの連邦政府機関に対して捜査を行っている。先週、国防情報局の諜報分析官が米国人の位置データを保存している商用データベースの利用権を購入したことが明らかになった。

評論家は、政府が2018年の最高裁判決の抜け穴を使っていると指摘している。その判決は、法執行機関が令状なしで携帯通信会社から直接、携帯電話の位置データを取得することを禁止するものだった。

現在、政府は、ブローカーから直接購入できるものに対して令状が必要だとは考えていないという見解を示している。

厳しいプライバシー評論家として知られるRon Wyden(ロン・ワイデン)上院議員の事務所では以前、データブローカー産業について詳しく調べ、データブローカーを取り締まって罰金を科すために連邦取引委員会に新たな権限を付与する法律を過去に草案したことがある。

ワイデン氏は「米国人は位置データがクレジットカードと一緒にデータブローカーから誰かに売られている話にうんざりしている。業界の自主規制が機能していないのは明らかだ。連邦議会は、私が提出した『Mind Your Own Business Act』のような強力な法案を通して、データの販売を防ぐのに効果がある方法を利用者に提供し、米国人のプライバシーを侵害した企業に説明責任を求める権限を連邦取引委員会に与える必要がある」と語る。

関連記事:ジャーナリスト36人以上のiPhoneが「ゼロクリック」スパイウェアにハックされていたことが発覚

カテゴリー:セキュリティ
タグ:X-Mode位置情報アプリAppleGoogleApp StoreGoogle Play

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Dragonfly)

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能に

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能にJR東日本は2月10日、モバイルSuicaのサービスを3月21日にリニューアルすると発表しました。Android版を中心に、スマートフォン向けの新しいアプリになります。

Android版では、iOSでは対応済みの複数枚発行に対応するほか、おサイフケータイアプリとの連携によりモバイルPASMOとの使い分けも可能になります。端末変更の手続きもシンプルになるとのことです。

また、これまで出来なかったiOS(Apple PayのSuica)から、AndroidへのSuicaへの移行が可能になるなど、AndroidとiOSで機能差がなくなり、利便性が大きく向上しそうです。

「スマートフォン仕様の新しいアプリ」とうたっているので、従来のフィーチャーフォン時代のインターフェースは姿を消すことになりそうです。

JR東日本が「モバイルSuica」をAndroid版中心に3月21日リニューアル、PASMO併用可能に

なお、リニューアルに伴い、3月20日(土)午前11時頃~3月21日(日)午前7時頃までの間システムメンテナンスを実施し、一部のモバイルSuicaサービスが停止します。

現金チャージや設定済みのオートチャージ、チャージ済みSuicaの利用は可能ですが、アプリからのチャージや定期券、グリーン券の購入や払い戻しなどが行えなくなります。

リニューアルおよびシステムメンテナンスに関する注意点は、特設サイトで案内されているので詳細はそちらで確認をお願いします。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Android(製品・サービス)Google / グーグル(企業)Google Play(製品・サービス)JR東日本(企業)Suica日本(国・地域)

ミネアポリス警察がGoogleにジョージ・フロイド氏抗議行動者特定のため個人データを要求

ミネソタ州ミネアポリス市警察は、2020年に同署の警察官がGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏を死亡させた後に暴動を誘発した暴徒らのアカウント情報提出をGoogleに要求する捜査令状を取得した。

2020年5月に白人警察官に殺された黒人男性フロイド氏の死は、市内全域の何千人もの人々による平和的抗議行動を呼び起こした。しかし、すぐに暴動が沸き起こり、警察が暴動のきっかけだとしている傘をさしたガスマスク姿の男がミネアポリス市南部の自動車部品店舗の窓ガラスを破壊する動画が広がった。そのAutoZone店舗は、翌日以降に市内で起きた数十軒の放火事件の最初の被害者だった。

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この捜査令状によってGoogle(グーグル)は、フロイド氏死亡から2日後の5月27日に暴動が起きた時、同AutoZone店舗の「地理的地域内」にいたすべての人物のアカウントデータを警察に提出することを強制される。

この「geofence warrants(ジオフェンス令状)」あるいは「reverse-location warrants(逆ロケーション捜査令状)」などと呼ばれる捜査令状は、しばしばGoogleに対して発行されるが、主としてそれは、検索・広告の巨人が「位置情報履歴」をオンにしているアカウント保有者数十億人の位置情報を取得・保存している巨大データベースを持っているからだ。ジオフェンス令状によって警察は、犯行現場にデジタル捜査網を敷き、ある地理的地域に特定時間に侵入した人物の記録をテック企業から入手できる。しかし、こうした令状は罪のない通行人のアカウント情報も収集するため違憲であると批判する人たちもいる。

TechCrunchはこの令状の存在を、ミネアポリス市住民のSaid Abdullahi(サイード・アブドラヒ)氏から聞いた。同氏はGoogleから、彼のアカウント情報が捜査令状の対象であり、警察に提出される旨のメールを受け取った。

しかしアブドラヒ氏は、自分は暴動には関与しておらず、AutoZone店舗で暴動が起きた時に抗議行動のビデオを撮っていただけだと語った。

令状によると、警察がGoogleに要求したのは、5月27日午後5時20分から5時40分(中部標準時)の間にAutoZone店舗および同店駐車場の近くに存在した携帯電話あるいはデバイスの「匿名化された」アカウントデータであり、当時その場所には数十人が集まっていた。

ミネアポリス警察署の広報担当者であるJohn Elder(ジョン・エルダー)氏は本誌の取材に対し、現在捜査中であり、令状に関する個別の質問には、令状が発行された理由を含めて答えられないと語った。

警察の宣誓供述書によると、抗議行動はそれまで比較的平和的だったが、5月27日午後に傘をもったマスク男がAutoZone店舗の窓を割り始めて状況が変わった。同店舗はミネアポリス警察管区の通りを隔てた向かい側にあり数百人の抗議行動者が集まっていた、と警察は言っている。抗議行動者がマスク男と直面しているところの動画がいくつか撮影されている。

警察は膨大な人員を投入してその通称「アンブレラマン(傘男)」の特定を急いでいると語り、男が市内全域およ及んだ暴動のきっかけになったと言っている。

「これは、本署管轄区内外で一連の放火と略奪を起こすきっかけとなった火災である」と供述書に書かれている。騒動によって少なくとも2名が死亡した。宣誓供述書を書いたミネアポリス警察捜査官Erika Christensen(エリカ・クリステンセン)氏をインタビューすることはできなかった。

警察はアンブレラマンが「暴力を誘発する」ことのみを目的として「敵対心と緊張の雰囲気」を作り出したと非難している(TechCrunchは、容疑者が起訴されるかどうかわからないと警察が言っているため宣誓供述書へのリンクは掲載していない)。宣誓書は容疑者を、Aryan Cowboysと呼ばれる 白人至上主義集団、および数週間後にイスラム教徒女性が攻撃された事件とも関連づけている。

令状に書かれた時間帯に抗議行動を撮影した複数の動画に、窓ガラス破壊の場面が写っている。当時の別の動画には付近の数百人の人々が写っている。

全米の警察が、容疑者不明の犯罪解決にジオフェンス令状に頼る傾向が高まっている。警察は、犯罪が起きた地理的地域に侵入した潜在容疑者の特定に役立つとして令状の使用を正当化している。令状は通常「匿名情報」を要求するが、警察は特定の被疑者について詳細情報を再度要求できる。

法律で許可されると、Googleはアカウント保有者に対して、警察がそのユーザーのデータへのアクセスを要求していることを伝える。2019年の裁判所提出書類でGoogleは、受け取ったジオフェンス令状の数が2017年から2018年には1500%、2018年から2019年には500%以上増えたと述べているいるが、具体的な件数は明らかにしていない。

Googleは、2019年のある1週間に180件以上のジオフェンス令状を受け取ったと報じられている。Google広報担当者に最近の数字を要求したが、公式コメントを拒んだ。

人権擁護団体は包囲網的令状の使用を批判してきた。米自由人権協会は、ジオフェンス令状は「警察監視の憲法による審査を回避する」と批判した。バージニア州のある地方裁判所はジオフェンス令状を憲法に違反しているとし、データを収集された人物の大部分は捜査中の犯罪と「何ら関係ない」ためだと言った。

2020年に報じられた記事の中には、犯罪との関連は単に近くにいただけという人々の事例が複数あった。

NBC Newsの報道によると、フロリダ州ゲインズビル市のある住民は、彼のアカウント情報が強盗事件を捜査中の警察に渡されるとGoogleから伝えられた。しかしその住民は自身が強盗と関係ないことを証明することに成功し、それは携帯電話のアプリが彼の行動を追跡していたためだった。2019年、Googleはウィスコンシン州ミルウォーキー市で起きた複数の放火事件を捜査していた連邦警察に対し、1500件近くのユーザー情報をジオフェンス令状に応じて提供した。これは過去最大数のアカウントデータ提供だっと考えられている。

しかし立法者たちは抵抗を始めている。2020年ニューヨーク州の立法府は、州全体でジオフェンス令状を禁止する法案を提出し、警察が抗議行動者を標的にする危険性を挙げた。Kelly Armstrong(ケリー・アームストロング)下院議員(共和・ノースダコタ)は2020年に下院司法省委員会の聴聞会でGoogleのCEO Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏を厳しく追求した。「警察が一般逮捕状を持ってあらゆる場所であらゆる人々の情報を得られると知ったら、人々は恐怖に襲われるだろう」とアームストロングg氏はいう。
アブドラヒ氏はTechCrunchに、その日同氏は抗議行動のビデオを何本か撮ったこと、また弁護士を雇ってGoogleが彼のアカウント情報をミネアポリス警察に渡すのを防ごうとしていることを話してくれた。

「警察は、あの日あの場所にいた全員を犯人とみなしています」と彼は言った。「誰か1人が犯罪を犯した時、警察はブロック全体の人々を追いかけるべきではありません」。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Googleミネアポリス警察アメリカジョージ・フロイドコラム

画像クレジット:Stephen Maturen / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがスマホのカメラだけで心拍数と呼吸数を測定できる機能を3月より順次提供開始

Google(グーグル)は、ユーザーがスマートフォンにすでに搭載されているカメラのみを使用して、重要な健康の数値を測定できる機能を導入する。通常は専用のウェアラブルデバイスを使わないと測定できない人々の健康とフィットネスに関わる機能を、これらの機器を持たない人でも利用できるようにするのが狙いだ。2021年3月から導入されるこの機能は、最初はGoogleのPixel(ピクセル)スマートフォン専用だが、将来的には他のAndroid(アンドロイド)スマートフォンにも提供を拡大する計画だという。ユーザーはスマートフォンに搭載されているカメラを使うだけで、心拍数と呼吸数を測定できるようになる。

通常これらの数値を測定するためには、専用のハードウェアが必要だ。たとえばApple Watch(アップルウォッチ)や、Googleが買収したFitbitが製造しているフィットネストラッカーに搭載されている、赤や緑の光を使った心拍数モニターなどだ。Googleのハードウェアとソフトウェアのチームは、健康テクノロジーディレクターのShwetak Patel(シュウェタク・パテル)氏が率いるGoogle Health(グーグルヘルス)部門とともに、コンピュータビジョンを利用することで、スマートフォンのカメラだけでこれらの測定を可能にする方法の開発に成功した。同社によれば、その測定結果は臨床グレードの測定機器に匹敵するという(Googleはその測定結果を証明するための調査を行っている。学術誌を介して査読を求めているこの論文は、プレプリントとして公開されている)。

呼吸数については、「オプティカルフロー」と呼ばれる技術を利用しており、呼吸時に胸の動きをモニターして、そこから呼吸数を割り出す。健康状態の良い標準的な人と既存の呼吸器疾患を持つ人の両方を対象とした臨床検証研究では、Googleの測定したデータは、対象者全員の平均で、誤差が1分間に1呼吸以内という正確さを示したという。

心拍数については、Googleはまず、カメラを使ってユーザーの指先の「微妙な色の変化」を読み取り、そこから酸素を含んだ血液が心臓から体の他の部分に流れるタイミングを示す指標を得ている。同社のデータ検証(これも外部レビューの対象となっている)によると、様々な色の皮膚を持つ人々を対象に行った試験で、誤差の平均が2%以内に留まる精度を示したという。Googleは同じ技術が人々の顔の色の変化でも機能するように取り組んでいるが、こちらはまだ探索段階だという。

Googleは、これらの測定機能を3月中に、ユーザーがGoogle Fit(グーグルフィット)アプリを介して利用できるようにする予定だという。最初はGoogle自社製のスマートフォンであるPixelシリーズのデバイスのみで利用可能だが、その後「数カ月以内に」Android 6以降のOSを搭載する他社のスマートフォンにも適応機種を拡大する計画だと、同社は述べている。

グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

「チームは、日常的なスマートデバイスの可能性を解き放つ方法に取り組んできました」と、パテル氏はこの新機能に関するプレスブリーフィングで述べている。「これには、家庭内のスマートデバイスや、携帯電話、そしてそれらのデバイス内でますますユビキタスになり始めているセンサー類をどのように活用し、健康とウェルネスをサポートするか、ということが含まれています」。

ワシントン大学のコンピュータサイエンス教授であり、デジタルヘルスに関する研究でACM Prize in Computing Award(コンピューテングの技術開発に貢献した個人を称えるAMC賞)を受賞したパテル氏は、ユビキタスな消費者向けデバイスに搭載されている強力なセンサーが利用できるようになったことと、AIの進歩が相まって、日々の健康モニタリングがこれまで以上に身近なものになり得る、と語っている。

「ヘルスケアは今後、本当に重要な分野になると思います。病院の4つの壁で囲まれた中だけに留まらず、日常的な生活の中でも、自分の健康状態を測定し、そのフィードバックを得られるようになることは大事なことです」と、パテル氏はいう。

Googleがこれらの機能について、人々が自分自身で健康状態を監視するための使用を意図したものであると明示していることは注目に値する。つまりそれは診断や医療ツールとしての使用を意図したものではないということだ。それはこの種の機能にとってごく普通のことである。一般消費者の使用を意図したツールに、米国食品医薬品局による医療グレードのデバイス認証を取得することによる責務を引き受けたいと考えている企業は多くないからだ。そのため、Google Fitはこれらの測定結果に基づくガイダンスやアドバイスを一切提供していない。その代わりに、測定結果が医療用に意図されていないという一般的な免責事項を提示し、さらにユーザーがこれらの数値を確認した方がよい理由のいくつかについて、非常に高レベルの説明を提供している。

市場に出回っているウェルネスやヘルストラッキング専用の製品の多くは、たとえばOura Ring(オーラリング)のように、測定値に基づいてより多くのガイダンスと実用的なインサイトを提供している。Googleはこれらの機能について、情報の利用を完全にユーザーの手に委ねることにし、そこまで関与するつもりはないようだ。とはいえ、この測定値は、医師と共有するべき貴重なリソースになる可能性がある。特に潜在的な健康問題について懸念している場合は、従来の方法よりも便利で継続的に使用しやすい健康モニタリングの一手段となるだろう。

パテル氏は、センサーを組み合わせることで既存のデバイスのトラッキング機能をどのように強化できるか、その可能性を探ることにGoogleが興味を持っていると述べている。また、iPhoneにこの機能を提供する可能性があるかという質問には、今のところAndroidに注力しているが、最終的な目標は、確かに「できるだけ多くの人々」が利用できるようにすることだと答えた。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

巨大テック企業を規制する米国の新たな独占禁止法案の方針

民主党は議会両院の支配を固め、党の立法の優先順位が明らかになってきた。これまでのところ、テック規制状況再考への議員の関心は未だ健在のようだ。

Amy Kobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員(民主党・ミネソタ)は反トラスト法改革の新たな提案として、大型合併の障壁を増やし、国の反トラスト法執行要員を強化することを謳っている。クロブシャー氏の法案、Antitrust Law Enforcement Reform Act(反トラスト法執行改革法)は、さまざまな業界にわたる統合を対象とし、特に「支配的デジタルプラットフォーム」に重点を置いている。

「かつて米国は世界有数の反トラスト法を有していましたが、現在我が国の経済は深刻な競争問題に直面しています」とクロブシャー氏はいう。「もうこれ以上この問題を見ないふりをして既存の法律が適切であると願うことはできません」。

現在、クロブシャー氏は上院の反トラスト・競争政策および消費者の権利小委員会の長を務めている。これまでにも巨大テック企業に影響を与える改革に関心を示している議会の一角である。

新法案は、1914年に制定され競争に関わる法律の枠組みを作り現在も適用されているクレイトン反トラスト法を強化するものだ。具体的には、反競争的合併の評価基準を標準化し、「競争を大きく損なう重大なリスクを生む」契約を防ぐよう現在の文言を変更する。

目的は反トラスト行為の可能性を早期に発見することで、これは政府が現在、抱えている難問であり、現在国の規制当局は、合併後何年も経ってから独占状態に発展した案件の再評価を行っている。

また同法案は、競争を減少させる危険が生じないことの証明を、合併する企業に義務付けることによって政府の負担を軽減する。これらの規則が適用されるのは、時価総額50億ドル(約5269億4000万円)以上で50%以上の市場シェアを持ち、現在あるいは将来の競合相手を買収しようとしている会社だ。

さらにクロブシャー氏の提案は、クレイトン法を修正して、競合相手を不利に陥れる行為を禁止する条項も加えようとしている。直接的合併、買収のみならず、一部曖昧な領域のトラスト行為についても対象とする。

執行予算の欠如を掲げる同法案は、3億ドル(約316億2000万円)の追加予算を司法省反トラスト部門およびFTC(連邦取引委員会)につぎ込む。FTCでは、委員会内に市場と合併を調査する部門を設置するためのその資金を使用する。

法案は、全員が民主党上院議員で反トラスト小委員会のメンバーでもあるCory Booker(コリー・ブッカー)氏、Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)氏、Brian Schatz(ブライアン・シャーツ)氏、およびEd Markey(エド・マーキィー)氏が共同発起人となる。また現在は一党による取り組みだが、反トラスト改革は共和党ミズーリ州選出のJosh Hawley(ジョシュ・ホーリー)上院議員の支持も得られる可能性がある。同議員は巨大テック企業を標的にした反トラスト改革に今週になって関心を示した。ホーリー氏も上院の反トラスト小委員会のメンバーである。

クロブシャー氏は、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)といった大型テック企業の解体までは求めていないが、それはここ数年Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員とBernie Sanders(バーニー・サンダース)上院議員の支持を得ている行動だ。大型テック企業をターゲットにした複数州による訴訟の最中、FTCはFacebookに対する独自の訴訟を2020年末に提起し、同社の分割を要求している。

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カテゴリー:ネットサービス
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Cloudが次世代API管理プラットフォーム「Apigee X」を発表

Google(グーグル)は米国時間2月4日、2016年に買収したAPI管理プラットフォーム「Apgiee(アピジー)」の次期メジャーリリースとなる「Apigee X」を発表した。

「現在、私たちの周りに起きていることを見てみると、特に2020年3月に新型コロナウイルス感染流行が始まって以来、あらゆる種類の業界でデジタル活動の量が増え、あらゆる種類の活用事例が出てきています。そして、私たちが目にしていることの1つは、本当に高性能で信頼性の高い、グローバルなデジタルトランスフォーメーションプラットフォームの必要性です」と、Google Cloud(グーグルクラウド)のプラットフォーム責任者であるAmit Zavery(アミット・ザヴェリー)氏は筆者に語った。

同氏は、APIコール数が2020年より47%増加したことや、プラットフォームが年間約2.2兆件のAPIコールを処理するようになったことを指摘している。

今回のアップデートの核となるのは、Google CloudのAI、セキュリティ、ネットワーキングツールとのより深い統合だ。実際には、これによってApigeeのユーザーは、Google Cloudの24のリージョンにAPIをデプロイすることなどが可能になる。また、100以上のエッジロケーションで、Googleのキャッシングサービスを利用できるようになることを意味する。

画像クレジット:Google

さらにApigee Xは、GoogleのCloud ArmorファイアウォールおよびCloud Identity Access Managementプラットフォームと統合された。つまり、これによってApigeeのユーザーは、ファイアウォールやアイデンティティ管理のニーズに対し、サードパーティ製のツールを使用する必要がなくなるということだ。

「私たちはAI / MLベースの異常検知と運用管理を数多く行っています」と、ザヴェリー氏は説明する。「当社のAPIプラットフォームに多くの洞察を埋め込むことで、悪意のある意図や、APIコールやトラフィックに発生する可能性がある、あらゆる種類のものを予測することができます。私はこれを大きな改善だと考えています。特に運用管理、セキュリティ管理、脆弱性管理などの新機能を中核機能として提供することで、ビジネスとしてこれらすべてのことを心配する必要がなくなります。これはコア機能に付随するもので、デジタルフロントエンドのフロントドアが本当に輝く場所であり、顧客はそれに集中することができます」。

また、このプラットフォームは、GoogleのAI機能を活用して、ユーザーが異常を特定したり、ピークシーズンのトラフィックを予測したりするのに役立つようにもなる。ここでのアイデアは、顧客が標準の自動タスクの多くを自動化するのを支援し、もちろん、同時にセキュリティを向上させることである。

ザヴェリー氏が強調したように、API管理は今やアプリケーション間のトラフィックを管理するだけのものではない。Apigeeチームは、顧客のデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの管理を支援するだけでなく、「デジタルエクセレンス」と呼ばれるものについても考えている。「これは、単に『フロントエンドを持てる』ということだけでなく、顧客がやりたいと思っているすべての優れたことと、それをどうやって実現するかということを考えているということです」とザヴェリー氏は述べている。

「このような不確実な時代に、世界中の企業はAPI戦略を倍増させ、どこでも操作し、プロセスを自動化し、新しいデジタル体験を迅速かつ安全に提供するようになっています」と、Pitney Bowes(ピツニーボウズ)のチーフイノベーションオフィサーであるJames Fairweather(ジェームズ・フェアウェザー)氏は語る。「Apigee Xは、reCAPTCHA Enterprise、Cloud Armor(WAF)、Cloud CDNのような新しい機能でAPIを強化することで、我々のような企業がデジタルイニシアティブを拡張し、顧客、従業員、パートナーに革新的な体験を提供することを容易にしてくれるのです」。

カテゴリー:ソフトウェア
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画像クレジット:Michael Short/Bloomberg / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

GoogleのフィットネスアプリGoogle Fitに、スマホカメラを使った呼吸数・心拍数計測機能が加わります。

呼吸数の計測は、スタンドなどに立てたスマホのカメラで胸から上をとらえることで、服ごしの体の動きを画像認識で推測する仕組み。

Google Fitは従来から、スマホを持って歩いた際の位置情報や動きを使い、ウォーキング等の移動距離と歩数を推定して、運動量や消費カロリーの目安として記録する機能を備えています。

また Wear OSスマートウォッチやスポーツ・エクササイズ用ウェアラブルデバイスとの連携で心拍数などを記録することもできました。今回の新機能では、スマホのカメラだけで呼吸数や心拍を計測できるようになります。

心拍数のほうはスマホの背面カメラレンズに指先を載せて、血行による僅かな色の変化を捉える仕組み。こちらは古くから実用されている原理です。

(指先でなく顔などを撮影して心拍数を推定する技術は以前からあり、マイクロソフトも Kinect V2センサで商用化していましたが、今回のGoogle Fit 新機能では精度のためか周囲環境の影響を考慮したのか、呼吸と同時には取得できないようです)。

Google Fitのスマホカメラ呼吸数・心拍数計測機能は、来月からまずは Pixel スマートフォン向けに提供します。将来的には他のAndroid端末にも拡大する計画。

グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

心拍数の計測はスマートウォッチやフィットネストラッカーの多くが備えていますが、呼吸数はバンドを胸や腹部に装着したり、心拍と同じセンサで周期的な変動から推測したり、医学的に正確な計測にはチューブを口に加えたり、あるいは医療用のバイタルセンサやベビーモニターとして設置する専用機器であったりとさまざまな方法はあるものの、手軽な計測機器は普及していません。

スマホカメラだけで認識できるのは手軽で、機械学習や画像処理の勝利ともいえる一方、比較的狭い画角にちゃんと上半身を収め続ける必要があることや、画像処理で胸を動きを推定する原理から、運動をしながら測る用途には不向きです。

カメラの画角に依存しない心拍数・呼吸数モニタリング技術としては、ウルトラワイドバンドを含む電波で動きを捉える技術も研究から応用へと進んでいますが、いまのところ心拍・呼吸モニタ兼用WiFiルータは売っていません(広範囲の人感センサを兼ねるWiFiルータはLinksysが出しています)。

Googleも電波を使った人体の動き認識を研究しており、Pixel 4に搭載したSoliレーダーを今度は据え置きのNest Hubスマートディスプレイに搭載して、ジェスチャ認識や睡眠トラッキングに応用するうわさもあります。

Googleの新Nest Hubスマートディスプレイは Soliレーダー搭載、睡眠トラッキングに活用?

フィットネス用途はもちろん、睡眠時無呼吸やベビーモニター、健康管理でも呼吸数や動きの認識は重要であることを考えると、テレビやスマートスピーカー、ルーターが人間の動きやバイタルを常時監視するセンサを兼ねる未来は意外と早く来そうです。医療や介護的にはすばらしい技術であると同時に、以前なら大往生とみなされていた就寝中の急変による死が可視化されて「救急が間に合わなかった結果」になるかもしれませんが。

Google は新型コロナウイルス感染症への対応や、AI技術・モバイル技術が健康・医療に与える影響について研究者・技術者・臨床家が語るオンラインイベントThe Check Upも開催しています。

WiFi電波で脈拍・呼吸を計る「バイタルラジオ」、MITが開発。精度99% (2015年)

顔の動画像から脈拍を計測する技術、富士通研究所が開発 (2013年)

Xbox Oneの新Kinectは大幅進化、表情や心拍も認識。6人同時に全身キャプチャ(2013年)

Engadget日本版より転載)

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クラウドインフラ市場は2020年に13.6兆円に成長、リッチな企業はますますリッチに

2020年のクラウドインフラ市場は社会を反映した。世界で最もリッチな企業はますますリッチになり、マーケット最下層の企業はますます落ち込んだ。Synergy Research Groupのデータによると、クラウドインフラ市場は2019年の970億ドル(約10兆2400億円)から2020年は1290億ドル(約13兆6100億円)に成長した。

Synergyはまた、クラウドインフラ市場が第4四半期に370億ドル(約3兆9000円)に達し、第3四半期の330億ドル(約3兆4800億円)からアップし、前年同期比でも35%増だったと指摘した。

過去9カ月、筆者はあらゆる創業者たちからパンデミックがデジタルトランスフォーメーションを加速させており、その大部分はクラウドへのシフト促進だと耳にした。こうした数字は創業者たちの言葉を裏づけているようだ。

いつものように、ビッグ3はAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)だ。Alibaba(アリババ)が第4位に定着し、IBMは5位に後退した。しかしMicrosoftはライバルのAmazonよりも急成長していて、2020年末に初めてマーケットシェアが20%に達した。レドモンド拠点のソフトウェア大企業Microsoftのマーケットシェアは2017年から倍になったことを心に留めておいてほしい。これは驚くべき成長スピードだ。一方でGoogleとAlibabaのシェアはそれぞれ9%と6%だった。

画像クレジット:Synergy Research

Amazonはその点で興味深く、Synergyのデータでは4年連続でマーケットシェア33%前後で横ばいを維持しているが、急速に成長しているマーケットにおける3分の1であり、これはこの部門の拡大にともなって同社もパブリッククラウドの売上高を成長させ続けていることを意味する。

AmazonはAWSの第4四半期売上高127億4000万ドル(約1兆3400億円)で2020年を締めくくった。これは前期の116億ドル(約1兆2200億円)から増え、ランレートは初めて500億ドル(約5兆2700億円)を超えた。一方でMicrosoftの数字は決算から解析するのはいつも難しく、370億ドル(約3兆9000億円)の20%を計算すると74億ドル(約7800億円)で、これは前期の59億ドル(約6200億円)から増えている。

Googleは第3四半期の29億8000万ドル(約3200億円)から第4四半期は33億ドル(約3500億円)に増え、Alibabaは同時期16億5000万ドル(約1700億円)から22億2000万ドル(約2300億円)に増えた。

SynergyのプリンシパルアナリストJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏は、トップ企業は巨大で絶対的なマーケットシェア、それからクラウドプロバイダー間の大きなギャップで自社の周りをしっかりと固めていると話す。「AWSは過去10年大きなサクセスストーリーで、広範囲のIT部門企業との競争激化にかかわらずマーケットでかなり強固な地位をキープしています。これはAmazonとAWSの経営チームにとって、新体制になっても状況は変わらないと思わせるすばらしい証拠です」と同氏は筆者に語った。

ディンスデール氏は、Microsoftが相手としてAWSは相応しいライバルだが、いつかの時点で同社は成長の壁にぶつかる運命にあるとみている。「MicrosoftがAmazonとの差を縮め続けるのはもちろん可能ですが、MicrosoftのAzureが大きくなるにつれ、かなり高い成長率を維持するのは難しくなります。これは大数の法則です」。

一方、クラウドインフラ業界の下位のマーケットシェアは減少し続けている。「マーケットシェアで敗れた企業は小規模クラウドプロバイダーの集まりで、過去16四半期で13ポイントのマーケットシェアを失いました」とSynergyは声明で述べている。

しかし、こうしたプレイヤーにとってすべて負けではないとディンスデール氏は話す。「比較的小規模のプレイヤー(あるいは小さなマーケットシェアを持つ大企業)はニッチな特定マーケット(地理、サービスタイプ、顧客の部門に基づくもの)にフォーカスしたり、あるいは幅広い顧客に広範なクラウドサービスを提供しようと試みることができます。前者の企業は極めてうまく振る舞うことができ、後者の場合はかなり厳しいでしょう」と述べた。

Canalysの数字は少し異なり、クラウドインフラ市場が1420億ドル(約14兆9800億円)で、第4四半期は400億ドル(約4兆2200億円)としたが、各社のマーケットシェアはSynergyのものと同じだったことは記すに値する。

画像クレジット:Canalys

パブリッククラウドの売上高はある時点で意味を失うほどに大きくなったが、それでも世界中のIT支出に占める割合としては比較的小さいままだ。Gartnerの推計によると、世界の2020年のIT支出は3兆6000億ドル(約379兆8300億円)だった。つまり、そこでクラウドインフラマーケットが占める割合は3.85%にすぎないことを意味する。

次のことを少し考えてほしい。IT支出の4%以下が現在、クラウドインフラに向けられ、かなりの成長余地を残していて、数年のうちに何十億ドル(約何千億円)も成長する。

もちろん他のプレイヤーが参入してトップ企業を慌てさせればもっと興味深いものになるが、我々がコンピューティングについて想定している道中に予期せぬ何かやドラマティックなことが起こらない限り、差し当たってこのままトップ企業は猛烈な勢いで我が道を突き進んでいくだろう。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

米欧を結ぶグーグルの新海底ケーブル「Dunant」が稼働開始、通信容量250テラビット/秒

Google(グーグル)は米国時間2月3日、パートナーのSubComと共同で、バージニア州バージニアビーチとフランス大西洋岸のサンティレール=ド=リエを結ぶ、同社が所有する非公開の「Dunant(デュナン)」海底ケーブルが開通したと発表した

Googleがプロジェクトを最初に発表したのは、2018年半ばにさかのぼる。このケーブルは、初のノーベル平和賞受賞者であり、赤十字の創設者でもあるHenry Dunant(アンリー・デュナン)氏にちなんで名づけられた。当時は2020年にプロジェクトが稼働すると予想されていたが、大陸間の長い距離をケーブルでつなぐという複雑さ以外に、プロジェクトのリーダーたちはおそらく当時、パンデミックを計算に入れてはいなかったのだろう。

総延長約4000マイル(約6437km)のケーブルの通信容量は毎秒250テラビットで、「デジタル化された米国議会図書館全体を毎秒3回伝送するのに十分な容量」だという(米国議会図書館のデータサイズを参照として使うのは、この時点で少し時代遅れのような気もするが)。一部の古いケーブルとは異なり、Dunantは12本の光ファイバーペアを使用しており、帯域幅を最大化するための多くの技術革新と相まって、この数字を達成している。

Google Cloudのインフラストラクチャ担当シニアディレクターであるMark Sokol(マーク・ソコル)氏は、次のように述べている。「Googleは、止まるところを知らないクラウドサービスとオンラインコンテンツの爆発的な需要に対応するために尽力しています。記録的な通信容量と伝送速度を誇るDunantは、ユーザーがどこにいてもコンテンツにアクセスできるようにし、インターネット上で最も忙しいルートの1つを補完して、Google Cloudの成長をサポートしていきます。Dunantは、SubComとGoogle両社の従業員、パートナーそしてサプライヤーの献身がなければ実現しなかったであろうすばらしい成果といえます」。

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Dunantが稼働開始したことで、次にGoogleのケーブルが稼働するのは、ニューヨークとヨーロッパを結ぶGrace Hopper(グレース・ホッパー)ケーブルとなり、スペインのビルバオと英国のブードを結ぶことになる。グーグルが最初にこの新しいケーブルを発表したのは2020年7月のことで、同様にSubComと提携して敷設を進めている。こちらは2022年の開通を予定しており、合計16本の光ファイバーペアを備えている。

さらに、グーグルは南アフリカかとポルトガルを結ぶEquiano(イクイアーノ)ケーブルの建設も進めている。そのケーブルは2021年後半に開通する予定だ。

グーグルは自社所有のケーブルに加えて、ケーブルシステムを構築するためのいくつかのコンソーシアムのパートナーでもある。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:TechCrunch Japan)

Google Cloudは2020年に約5880億円の損失

Google(グーグル)は、Google Cloudへの大きな賭けを続けている。確かに売上の成長は加速しているが、損失も増えている。米国時間2月2日、親会社Alphabetの決算報告で、Googleは初めてGoogle Cloud事業部の営業利益と損失を公表した。それによると、2020年12月31日に終わるGoogleの2020会計年度でGoogle Cloudは56億ドル(約5880億円)の損失を計上した。売上は130億ドル(約1兆3650億円)だった。

一般的にクラウドコンピューティングは儲かる事業と思われているため、この数字は不吉なものだと感じられるかもしれない。しかし、違う見方もある。損失は増加している。2018年は43億ドル(約4515億2000万円)、2019年が46億ドル(約4830億4000万円)だった。しかし売り上げも強力に伸びており2018年は58億ドル(約6090億5000万円)、2019年は89億だ(約9346億8000万円)。ここで何よりもわかるのは、Googleがクラウド事業に対して重点に投資し続けているということだ。

CEOのThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏が率いるGoogleのCloud部門には、クラウドインフラストラクチャとプラットフォームサービスのすべてが含まれており、G Suiteと呼ばれていたGoogle Workspaceもある。同社は、ここに大きく投資し続けている。そもそもデータセンター自体が大型の投資であり、Googleは2020年に4つの新たなリージョンを立ち上げ、他にも着手している。ここに同社のコアサービスはあり、さらにいくつもの買収も行っている。

今回の決算報告でGoogle / AlphabetのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は次のように述べている。「クラウドにおいて、顧客はまだ移行の初期段階にあることがわかります。私たちは大きな未来を目にしています。そしれ間違いなく、市場のダイナミクスと市場の状況における私たちのモメンタムは、私たちが投資の規模と投資のペースについて考えている枠組みになります。いうまでもなく、そこに長くいる者ほど利得も貢献も大きい。規模の経済も、働き始めます。しかし、私たちはお客様が関心を持つすべての製品に対して、世界中のお客様にサービスを提供できるようにするために、確実に先行投資を行っています」。

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また、Google / AlphabetのCFOであるRuth Porat(ルース・ポラット)氏は次のように述べている。「主に検索とYouTubeが支えた第4四半期の強力なパフォーマンスにより、売り上げは569億ドル(約5兆9760億円)となりました。ここからわかるように、消費者も企業も年初の停滞から回復し活発になってきています。Google Cloudの2020年の売上は131億ドル(約1兆3758億円)で、大きな勢いが続いています。私たち、目の前の多様な成長機会のすべてに対して、価値を提供し続けるよう努めていきたいと考えています」。

決算報告でポラット氏は「長期の有意義な契約が多い」と、Workspaceが大企業で伸びていると述べている。

しかし現在のところ、前四半期に広告ビジネスが大きく回復したGoogleの中核ビジネスが、クラウド事業の拡大を支えている。

一方、シアトルでは本日、AWSが前四半期の127億4000万ドル(約1兆3378億円)の売上を報告し、35億6000万ドル(約3738億4000万円)の営業利益を計上した。2020年のAWSの営業利益は135億ドル(約1兆4177億円)になる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:決算発表GoogleGoogle Cloud

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)