グーグルがホームセキュリティ製品「Nest」カメラとドアベルを刷新、日本でも発売

Google(グーグル)は米国時間8月5日、そのホームセキュリティ製品に、最近の記憶の中では最も大きな刷新を行った。「Nest(ネスト)」シリーズのドアベルとカメラがアップデートされ、そのうちのいくつかは日本でも販売されることになった。

今回発表された製品は、数え方にもよるが最大で4モデル。その内訳は「Google Nest Cam(屋内用 / 電源アダプター式)」「Google Nest Cam(屋内、屋外対応 / バッテリー式)」「Google Nest Doorbell」「Google Nest Cam with floodlight」となっている。

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Nest Camは、まるでPixar(ピクサー)映画から飛び出してきたようなデザインが特徴だ。ベーシックなGoogle Nest Camは、第2世代の有線(電源アダプター式)デバイスで、屋内での使用のみを想定している。価格は99.99ドル(日本価格は税込1万2300円)。一方、179.99ドル(日本価格は税込2万3900円)のモデルはバッテリー内蔵で防水性能も強化されており、屋内でも屋外でも使用可能となっている。

Googleによると、1日に平均9〜12件の「イベント」が記録される家庭を想定した場合、バッテリーは1回の充電で約3カ月間持続するという。この数字は、通常の日にあなたの家でどれだけの動きがあるかによって、当然ながらかなり変動する。AI(人工知能) / ML(機械学習)は、設定によって人や動物の動き、荷物の配達などをトリガーにし、特定の活動を記録するように訓練されている。

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「MLを使って物体を認識するカメラを作るためには、まずMLモデルに何百万枚もの画像を見せる必要があります」と、Googleはブログに書いている。「私たちの新しいNestカメラとドアベルは、さまざまな環境や照明条件に対応するため、4000万枚の画像で訓練されました。最先端のTPUチップのおかげで、新しいカメラは1秒間に最大7.5回のMLモデルを実行し、信頼性と精度がさらに向上しました」。

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個人的にはGoogle Nest Doorbellの新しい流線型のデザインがとても気に入っている。このドアベルはバッテリー駆動なので、面倒な配線工事は不要で設置することができる。また、チャイムに配線をつながなくても、Nestスピーカーやスマートディスプレイなど、Wi-Fiで接続されたGoogleデバイスで、来客を知らせるように設定することができる。米国では販売が継続される有線式の「Nest Hello」とは異なり、Nest Doorbellはバッテリーの制約から連続録画はできない。バッテリーは平均して約3カ月間の使用が可能だ。価格は179.99ドル(日本価格は税込2万3900円)。

新しいNestデバイスは世界18カ国で予約が開始されており、米国では8月24日に発売される。日本ではGoogle Nest Cam(屋内、屋外対応 / バッテリー式)とGoogle Nest Doorbellが8月26日、Google Nest Cam(屋内用 / 電源アダプター式)は数カ月以内に発売予定となっている。なお、米国では屋外用カメラに外玄関灯を一体化したGoogle Nest Cam with floodlightも販売されるが、日本には導入予定がない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アマゾンも睡眠トラッキング、スマートディスプレイ「Echo Show」新型がレーダーを使った計測機能を搭載か

アマゾンも睡眠トラッキング、スマートディスプレイ「Echo Show」新型がレーダーを使った計測機能を搭載か米Amazonは7月9日(現地時間)、レーダーを利用しユーザーの睡眠計測を行う許可を連邦通信委員会(FCC)から取得しました。同社のHaloバンドなど、フィットネストラッカーを身に着けることなく、レーダーを利用して睡眠状態を監視できるようになります。ようするに、Googleが第2世代のNest Hubで行っているのと同じ機能です。

新型Google Nest Hub日本上陸、1万1000円で5月5日発売 睡眠トラッキング対応

AmazonはFCCへの申請に際し、この機能を搭載するのは、電源に接続したときにのみ動作する「非モバイルデバイス」だとしています。また、睡眠追跡だけではなく、運動障害や言語障害を持つ人でも利用できるジェスチャー操作にも対応するとのことです。

デバイスの具体的な内容やリリース時期などには触れていませんが、上記のことから、新しいEcho Showデバイスに搭載される可能性が高そうです。

Haloバンドのリリースや、AIによる体脂肪率や運動能力の測定など、ヘルスケア分野に力を入れているAmazonですが、睡眠のデータも当然無視できないという考えなのでしょう。今後のEchoデバイスは、単にスマートホームのハブや音楽再生デバイスというだけではなく、ヘルスケアのハブとしても機能していくのかもしれません。

(Source:FCC。Via BloombergEngadget日本版より転載)

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Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

「自然との共生をテクノロジーでドライブする」というミッションのもと、IoT製品を活用したクリーンエネルギーへのシフトを目指すNature(ネイチャー)は、スマートリモコンシリーズ「Nature Remo」(ネイチャーリモ)の最新機種「Nature Remo mini 2 Premium」(Remo-2B2)を7月7日より発売すると発表。直販サイトでの先行予約の受付を開始した。直販価格は6980円(税込)。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

「Nature Remo」は2017年から発売されているスマートリモコンのシリーズ。2020年9月のユーザーアンケート調査によると、NPS(顧客推奨度)は30ポイント、2020年10月の同社調べではユーザー満足度95%となっている。

その最新機種Nature Remo mini 2 Premiumは、赤外線リモコン付きの家電全般に対応し、スマートフォンによる操作を可能にする。同機種は温度センサーを備えており、スマートフォンで設置場所の気温がわかるようになっている(上位機種「Nature Remo 3」は温度・湿度・照度・人感センサーを搭載)。また、GPS・曜日・時間・温度による家電の自動制御も可能。「Google Home」「Amazon Echo」「Apple HomePod」といったスマートスピーカーと組み合わせれば、声で家電を操作できるようにもなる。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

ツヤ消しの黒いボディーは、黒いテレビ台の上に置くユーザーが多いことから、色合わせがしやすいという配慮によるものだが、赤外線を透過する特殊な塗料インクが使用されている。試行錯誤の上に実現したこの塗料により、赤外線の飛距離が従来製品「Nature Remo mini 2」(Remo-2W2)およびNature Remo 3(Remo-1W3)の1.5倍に伸びた。

Natureが赤外線飛距離1.5倍の新型スマートリモコン「Nature Remo mini 2 Premium」を7月7日より発売

創設者の塩出晴海氏は、2011年に東南アジアの石炭鉱山を訪れてその光景に衝撃を受け、同時に福島の原発事故を知り、分散化したクリーンな電力を普及させたいと思い、この事業を立ち上げる決心をした。2021年3月には、「Natureスマート電気」として電気小売事業に参入。「Nature Remo」と連携させることで、そのときどきの電気料金単価に応じて家電をコントロールするという省エネの取り組みも行っている。

Nature Remo mini 2 Premiumにおいても、Natureスマート電気の利用者は、電気代が高くなる時間帯にエアコンの温度を自動調節するなどの機能が使える。

「今後は次世代の電力インフラの構築により、ホームオートメーションからデジタル電力革命への発展を遂げ、電力の新しい未来を創造してまいります」とNatureは話している。

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グーグルが今夏ニューヨークに店舗を開設、ハードウェア販売に本腰

Google(グーグル)はここしばらく店舗を模索してきた。マンハッタン・ソーホー地区のポップアップ店舗をTechCrunchが紹介したのは4年以上前のことだ。しかし同社のブランドを冠した小売店舗はかなり限られてきた。同社がまずソフトウェアの会社であることを考えると、驚くことではない。

しかし今夏、同社は増えつつある小売店舗を展開する他のテック企業の仲間に加わる。初のGoogle Storeがニューヨークのチェルシー地区にある元ポート・オーソリティの建物にオープンする。このビルには同社のNYオフィスも入っている。

店舗開設はAppleやSamsungに続くものだ。2社とも近くに店舗を持っている(Amazonは本屋を展開しているが、それは少しアップタウンの方のエンパイア・ステート・ビル近くにある)。

競合するかのように、店舗はGoogleのハードウェア製品を中心に据える。つまり、PixelスマホやさまざまなNestデバイスなどだ。Googleの製品の提供はAppleやSamsungなどに比べるとまだかなり限定されているが、直近のFitbit買収完了は明るく照らされた商品棚にバラエティに富んだ商品を陳列するのに役立つはずだ。

初の小売店舗をオープンするのに、2021年は特に奇妙な年だ。Googleがチェルシーにかなりの面積の小売スペースをもってしばらく経つが、新型コロナウイルスが2020年店舗をオープンさせるという計画をほぼ台無しにした。しかしニューヨーク市は巨大な人口にかなりのスピードでワクチン接種を進めていて、2021年5月初めの時点で成人の41%が接種を完了した。

それでもGoogleは安全を優先している。ブログには以下のようにある。

Google Storeではマスク、手指消毒、そしてソーシャルディスタンシングが求められ、1日に数回全スペースを清掃します。顧客がショッピングの間、安全だと感じられるよう、入店できるゲストの数は制限されます。手軽なピックアップオプションも利用可能です。必要に応じて健康と安全に関する手順を展開するため、引き続き市や州、国の当局のガイダンスを遵守します。

店舗設置は、同社にとってよりハードウェア推進という大きな取り組みの一部のように聞こえる。ハードウェアは同社が遅れを取っている分野であり、特にモバイル部門においてはそうだ。Googleは初の店舗について「当社のハードウェア・ジャーニーにおける重要な次なるステップ」と表現している。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応Google Japanが第2世代Google Nest Hubの国内投入を発表しました。5月5日に発売予定、価格は税込1万1000円です。

グローバルでは3月22日に発表された本機の特長は、Google Pixel 4で初採用した「Soliレーダー」を搭載する点です。

Soliレーダーは、超低出力の電波を用いて、人の動きをトラッキングするもの。これを搭載することで、画面に触れず手の動きで再生・停止などを操作できるジェスチャー入力に対応します。

更にユニークなのが、Soliレーダーを睡眠トラッキングに応用した点です。本機をベッドサイドに置けばユーザーが眠っているかどうか、睡眠の状態を認識することができます。

第2世代Google Nest Hubが5月5日国内発売、税込価格1万1000円で睡眠トラッキング対応

また、内蔵マイクからの音をローカルで解析することで、睡眠中の咳やイビキも検出。体の動きや呼吸から推定した睡眠、咳の回数やイビキをかいていた長さなどから、トータルでの睡眠の品質を判定します。

オーディオ面では第1世代のGoogle Nest Hubと比較して低音を50%強化。カメラは非搭載のため、カメラ付きのGoogle Nest Hub Maxと比較すると、ビデオ通話などは利用できない反面、プライバシー面はより安心です。

第2世代Google Nest Hubの詳細は下記記事もご覧ください。

新Google Nest Hub発表

(Source:Google Japan BlogEngadget日本版より転載)

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グーグルが7インチディスプレイの新型Nest Hub発表、Soliレーダーが睡眠トラッキング用途で復活

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タグ:Google / グーグル(企業)Google Nest(製品・サービス)睡眠(用語)スマートディスプレイ(用語)日本(国・地域)

【レビュー】レーダーで睡眠をトラッキングする7インチの第2世代Google Nest Hub、やっとSoliの良い使い道が見つかった

Nest Home Hubは、初期バージョンがリリースされて2年半になるが、今でも市場に出ている製品の中では筆者のお気に入りのスマートスクリーンの1つだ。これは、このカテゴリーの製品の改善率が悪いということかもしれないし、Google(グーグル)が最初からかなりしっかりとした製品を作ったということかもしれない。堅牢だがシンプルな素材でできた筐体の外観は市場でもトップクラスだ。サイズもちょうどよく、機能面でもグーグルがじっくりと考えて作り込んだことがよくわかる。

こうした類の家電製品はこれまで何十年も(需要を維持しようと)毎年大きなアップデートを発表してきたため、消費者もそれを当たり前のことだとみなすようになっている。そういう意味では、今回の第2世代デバイスには少しがっかりした。新しい機能はほとんど見当たらない。睡眠トラッキング機能が追加され、スピーカーの低音パワーが強化されたが、正直にいってそのくらいしかない。

多分、今回の新バージョンで一番興味深いのは、グーグルのエンジニアが自ら課した制限の下でどのようにしてこの新機能を実現したのかという点だ。筆者は、リリース前のイベントでGoogle Home Hubを見て、カメラを内蔵しないことにした理由を尋ねたときのことをはっきり覚えている。グーグルやAmazon(アマゾン)などの企業はその頃、こうしたデバイスでできるかぎり多くの情報を収集することに注力していた。

画像クレジット:Brian Heater

筆者は当時、カメラを内蔵しないというグーグルの方針に賛辞を送った。そして今回の第2世代デバイスでその方針が維持されたことをうれしく思う(もちろん、容易にそう思えたのは、間もなくカメラ搭載型のNest Hub Maxがリリースされると知っていたからだ)。新しいEcho Hubもテストしてみたが、このデバイスは部屋中どこに移動しても追いかけてくる。これを見て、内蔵カメラを搭載しないというグーグルの考えをますます称賛する気持ちになった。

Nest Hubが人気のベッドサイドデバイスとなったのは、間違いなく、この「内蔵カメラを搭載しない」という決定があったからだ。寝ている姿やベッドで行うあらゆること(クラッカーを食べたり、ホラー映画を観たりなど)をカメラで撮影されて自分のことを学習されるのを嫌がる人は多いだろう。

人気のベッドサイドデバイスの第2世代を設計するとなれば、睡眠トラッキング機能を組み込むことなど誰でも思いつく簡単なことだ。しかし、問題がある。睡眠トラッキングにはカメラを使うのが至極当たり前の方法のように思えるが、カメラが内蔵されたらユーザーは間違いなくベッドサイドにこのデバイスを置くのを嫌がるだろう。では、どうすればよいか。運が良ければ、どこかの会社が大金を投入して開発したものの、何に使ってよいかわからないテクノロジーが見つかるかもしれない。

そんなテクノロジーが見つかる確率ははたしてどのくらいあるのだろうか。実は、グーグルにいればその確率は驚くほど高い。

Project Soli(Soli開発プロジェクト)は、グーグルによくある変わりだねプロジェクトの1つだ。Project Soliはクールなテクノロジーだが、どんな問題の解決に使えるか、用途を探しているところだった。チームが見つけた最初の問題は、ユーザーはタッチスクリーンに触り過ぎるという問題だったのだろう。そこでこのテクノロジーをPixel 4に組み込み、カスタムのポケモンゲームなどとやり取りできるようにした。しかしPixel 5がリリースされる頃には、このテクノロジーはほぼ忘れ去られていた。

画像クレジット:Brian Heater

カメラを使わない睡眠トラッキングがSoliテクノロジーの用途として非常に理に適っているのは明白だ(ただし、電子機器に組み込まれた実質的な小型レーダーをベッドの脇に置くというのは最初は奇妙な感じがするかもしれない)。グーグルの製品概要ページには以下のように記載されている。

Sleep SensingではMotion Senseを使ってディスプレイの最も近くにいる人の睡眠をトラッキングします。Motion Senseは低エネルギーレーダーを使って、動きと呼吸を検出します。Nest Hubには他のセンサーも内蔵されており、いびきや咳などの音、部屋の光や温度などの環境要因を検出します。Sleep Sensingはこのようにして、就寝時刻や睡眠時間だけでなく、睡眠の質も判定します。

関連記事:Amazon Echo Show 10レビュー、「回転するスクリーン」モーション機能は無効化していい

もちろん睡眠トラッキング機能を追加したからといって、このデバイスが家電製品の中でユニークな存在になるわけではない。あらゆる製品が睡眠関連機能をこぞって導入しているからだ。そして、それは当然の流れだと言える。多くの人が慢性的な睡眠不足に悩まされているためだ。新型コロナウイルス感染症のせいで睡眠不足になる人が増える随分前から、この傾向はあった。このデバイスを他社製品と比較してユニークなものにしているのは、ユーザーにもベッドにも触れないで睡眠トラッキングを実現できると謳っている点だ。

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ここ数年で数十台のフィットネストラッカーやスマートウォッチをテストしてきた経験から言わせてもらうと、手首にウェアラブルデバイスを装着して眠るのは最悪だと断言できる。ただでさえ睡眠不足で困っているのに、そんなものを付けたらとても寝られたものではない(睡眠不足でなければ、そもそも睡眠トラッキング機能などに興味を持たなかったとは思うが)。

筆者は、もし自分で本物の睡眠トラッカーを買うなら、マットレスの下に置くWithings Sleep Tracking Matのようなタイプの製品を検討するだろう。体に触れる感覚は最小限で済むし、ベッドの近くに画面を置く必要もない。睡眠トラッキング機能が追加されたという点だけで新しい Nest Hubをお勧めすることはできないが、ベッドの脇にスマートディスプレイを置くことを検討しているなら、このデバイスは市場で最高のモデルの1つであり、他のデバイスよりもはるかに購買欲をそそられる。

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Soliによる睡眠トラッキングの欠点の1つは、デバイスの設置場所の柔軟性に欠けるという点だ。例えば、筆者はナイトテーブルを持っていないため、間に合わせに椅子を使ってテストする必要があった。また、デバイスはベッドの(上側や下側ではなく)横、つまりマットレスと同じ高さに置く必要がある。また、画面は睡眠中、ユーザーから30~60センチメートルほど離れていなければならない。

キャリブレーションも実行する必要があるが、非常に簡単で、デバイスをあちこち動かさない限り、1回実行するだけで済む。筆者はこの1回のキャリブレーション実行時に、Echo Showの新しい機能の1つがNest Home Hubにはないことに気づいた。Echo Showでは画面の傾きを手動で上下に動かすことができる。これは大変使い勝手が良いので、今後、すべてのスマートスクリーン製品に導入されることを望みたい。

筆者は睡眠トラッキング機能を数日間使用してみて、非常に正確であることに気づいた。デバイスがベッドの端から60センチメートル離れていることを考えるとなおさらだ(ネタバレ:筆者はかなり寝相が悪い)。オンボードのウェルネス機能を使ってさまざまな情報を掘り下げて確認することもできる。睡眠時間や全体的な睡眠の質などの標準的な情報に加えて、夜中に咳をした回数、いびきをかいていた時間(分)の合計、夜中の呼吸数なども教えてくれる。

その他に利用可能な情報として、部屋の温度(まだあまり活用されていない組み込みの温度計を使用)、睡眠の質(覚醒 / 睡眠/ 不安定に分類される)などがある。こうした情報はかなり基本的なものだが、現在のハードウェアで最終的にどの程度詳細な情報まで掘り下げられるようになるのかは興味深いところだ。呼吸器の健康状態に焦点を当てていることを考えると、睡眠時の無呼吸を検出することなど簡単なように思えるが、それにはアップデートが必要になる可能性が高い。また、規制当局による精査の対象にもなる。

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睡眠に関する限り、既存のハードウェアを使って改善できる余地は十分にあるように思われる。グーグルによるFitbit(フィットビット)の買収が正式に締結された今、そのような改善を実現できる可能性は非常に高くなった。Fitbitの機能との緊密な統合を期待したい。現時点では、目覚まし時計や寝室のスマート照明などと睡眠との統合は慎重に検討する価値があるだろう。

グーグルは希望価格を50ドル(約5530円)下げて99ドル(日本では税込9900円)とした。これにより、今回のアップデートがかなりマイナーだったことに対する不満は確実に和らぐだろう。Nest Hubは、リリースから2年半経過したが、Googleアシスタントによるサポートやソフトウェアが提供されていることもあって、販売中の製品の中では今でも最高のスマートスクリーンの1つだ。今回の新バージョンは、筆者がお勧めする最高の睡眠トラッカーというわけではないが、近くに置いて使うスマートディスプレイや目覚まし時計を探しているなら、悪くない贈り物だと思う。

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

グーグルが7インチディスプレイの新型Nest Hub発表、Soliレーダーが睡眠トラッキング用途で復活

驚きの復活だ。Google(グーグル)は米国時間3月16日朝、第2世代となる新型「Nest Hub(ネストハブ)」の発売を発表した。2018年に「Google Home Hub(グーグル ホーム ハブ)」という名前で登場したこのスマートディスプレイは、2019年にリブランディングされたにもかかわらず、これまで大きな変更はあまり見られなかった。今回登場した第2世代モデルも、先代から大幅にアップグレードされたわけではないが、見覚えがある(そしてほとんど忘れられていた)機能が搭載されている。

2019年末にPixel 4(ピクセル4)の発表とともに導入された「Project Soli」という技術について、その後あまり耳にすることはなかった。動きを感知するこの小型のレーダー技術は、発表から約4年を経てようやくデバイスに搭載され、大きなセールスポイントとして位置づけられていた。だが、これを利用するアプリケーションは非常に少なく「Motion Sense(モーション センス)」と呼ばれるジェスチャー検知機能や、専用に作られた奇妙なポケモンアプリなどがあったくらいだ。

関連記事:GoogleのPixel 4は進化したカメラで勝負する

そして、Soliは消えてしまった。2020年に発売されたPixel 5には、Motion Senseが搭載されていなかったのだ。家電製品では一度採用された機能が廃止されることは確かに珍しくないが、Googleが間違いなく時間とリソースを費やして開発した技術としては奇妙に思われた。

画像クレジット:Google

新型Nest HubでSoliが再登場したことは確かに予想外だったが、かつてモバイルアプリケーションで行った試みよりも、今度はようやくその意義が活かせるかもしれない。新型Nest HubにおけるSoliの主な用途は、初代Nest Hubからの最も大きな変更点である睡眠トラッキングだ。なぜSoliが使われたのかというと、Googleが既存の技術の新たな使い途を探していたからという理由だけではない(間違いなくそれもあるだろうが)。

新型Nest Hubには、初代と同様にカメラが搭載されていない。Googleがデバイスにカメラを搭載しないと決めたことは、新しいAmazon Echo(アマゾン エコー)が人の追跡機能を使って実際に部屋の中であなたの姿を追いかけるようになった今、この世界における一服の清涼剤のようにも感じられる。カメラが重要だと思うのであれば、これまでと同様に「Nest Hub Max(ネスト ハブ マックス)」を選択することもできる。しかしGoogleは、初代Nest Hubがベッドサイドに置かれることが多かった件に正しく言及している。

それはつまり、

1. ネットワークに接続されたデバイスにカメラを搭載することは、プライバシーに関する重大な懸念を生じさせる。

2. 睡眠トラッキングをするには理想的な場所である。

そこで考えたのが、

  1. カメラを使わずに睡眠トラッキングを行うにはどうすればいいのか?

それに対する簡単な答えは、ウェアラブルデバイスを使うことだ。Googleは、Fitbit(フィットビット)の買収を完了させたことで、その分野における足場をより強固なものにした。しかし、この買収が完全に定着するまでには、まだ時間がかかるだろう。また、筆者はこれまで多くのウェアラブルデバイスを試してきた者として、どんなに快適な製品であっても、手首に装着していない方がよく眠れると断言できる。睡眠トラッカーのせいで眠れないというのも確かに皮肉な話だが、だからといって気にしないようにすることも難しい。

Soli技術についての簡単な復習(Googleによる説明)

Soliは、超低電力の電波を発射し、対象となる場面から反射された信号を測定するFMCW(周波数連続変調)方式のミリ波レーダートランシーバーで構成されています。反射信号の周波数スペクトルには、場面内における物体の距離と速度が集約されています。この信号を処理することで、ユーザーの睡眠領域など特定の範囲を分離し、その領域内における大きな体の動作からセンチメートル以下の呼吸まで、幅広い動きを検出して特徴付けることができます。

画像クレジット:Google

つまり、基本的には、カメラによるセンシングをベッドサイドの小型レーダーと交換するという話だ。確かに、頭では理解しにくいかもしれない。ここで最も重要なことは、レーダーによるモーション・トラッキングでは、画像を収集するのではなく、動きに基づいたデータのみを収集しているということだ。

このSoliを使ったGoogleの「Sleep Sensing(スリーブ センシング)」システムは、10万時間以上の睡眠データを基に学習したもので、データの解析にはTensorFlow(テンソルフロー)が使われているという。これによって、最初の調整プロセスが完了した後は、シーリングファンのような人体以外の動きを排除することができる。睡眠トラッキングだけでなく、画面が徐々に明るくなるSunrise Alarm(目覚ましディスプレイ)やジェスチャーで目覚ましをスヌーズする機能など、従来のNest Hubにソフトウェアアップデートで展開された睡眠に関わるその他の機能も活用されている。

他にも、新しいスマートホームインターフェースなど、ソフトウェア面のアップデートが行われてる。しかし、全体的には、睡眠トラッキング以外の改善点は多くない。しかし、実際にはそれで全然構わない。初代Nest Hubは市場で最も優れたスマートディスプレイの1つだったからだ。

スピーカーは低音が向上するなどの改良が施されたというが、ほどんど変わっていない。画面サイズは初代と同じ7インチだが、デバイス全体のフットプリントは、スピーカーの改良に合わせて少し大きくなっている。また、本体の54%にポストコンシューマーリサイクル(消費者が製品を使用した後に回収された)プラスチックが使用されているという。

99ドル(約1万800円)という価格は、確かに適切だろう。Googleは初代Nest Hubから49ドル(約5350円)値下げした。米国では16日に予約受付が始まっており、30日に販売開始となる。

関連記事:グーグルはNest Hub MaxでEcho Showに真っ向から挑む

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

Natureの「Nature Remo」(ネイチャーリモ)はスマートリモコンにカテゴライズされる定番ガジェットだ。念のためおさらいしておくと、Wi-Fiと赤外線通信機能が搭載されており、スマートフォンから「Nature Remo」経由で、赤外線リモコンに対応したエアコン、テレビ、照明などの電子機器をコントロールできる。

初代のNature Remoが発売されたのが2017年10月16日。それからソフトウェア、ハードウェアがアップグレードされ、現在では4機種が現行モデルとしてラインナップ。また、Amazon Echo、Google Nest(旧Google Home)、Apple HomePodといったスマートスピーカーとの連携に対応している。

プログラミングの知識がある方なら、Nature Remoシリーズに対応する「Nature Remo API」が公開されている点も興味深いだろう(個人利用は無償で利用可。なおNatureは、FAQにおいてAPIの使用方法や組み込み方などは個別に案内しないとしている点に注意)。

2020年12月24日、シリーズ最新モデルとして「Nature Remote mini 2」が発売された。他モデルと比較しつつ、どのような点が進化したのかレビューしていこう。

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

対応家電、搭載センサーの異なる4モデルを用意

現在シリーズでは、「Nature Remo 3」「Nature Remo mini 2」「Nature Remo 2」「Nature Remo mini」の4製品が現行モデルとして販売されている。

Nature Remo mini 2の進化点は、まずBluetooth Low Energyに対応し、セットアップが簡略化されたこと。ただし、Nature Remo 3のようにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」との連携機能は利用できない。

ふたつ目の進化点はNature Remoシリーズのデザイン上のアイデンティティーだったボディー天面の丸いLEDライトを廃し、側面に小さなLEDライトを配置したこと。Natureによれば「寝室でも光を気にせずに使いたい」というユーザーの声に応えた変更とのことだが、側面のLEDは直接覗き込まないと点灯しているのかわからない。詳しくは後述するが、この仕様変更については評価が分かれると思う。

3つ目の変更点はNature Remo miniと比較して、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。広い部屋でも確実に家電をコントロールできるようになったわけだ。

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

  1. 6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

SSID選択・パスワード入力を省略したことで、セットアップが快適化

Nature Remo mini 2自体のセットアップの流れは下記の通り。

モデルの選択→USBケーブルを挿す→Bluetooth使用を許可→セットアップの実行→Wi-Fiパスワードの入力→設定完了

従来モデルではセットアップ時にNature Remo自体のSSIDを選択して、パスワードを入力しなければならなかった。一方Nature Remo mini 2では、多くのWi-Fiネットワークの候補から接続先を選ぶ必要がなくなり、パスワードを入力する手間をひとつ省けたのは、ネットワーク機器の設定に慣れていない方にとって大きな進化だ。

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

LEDライトはやはり天面にあってほしい

LEDライトの変更は、個人的には使い勝手が悪くなっていると感じた。従来モデルのLEDライトが明るすぎるという意見があること自体は理解できる。しかしネットワークや、Nature Remoのサービスのトラブルが発生した際にすぐ気づけるように、LEDライトはある程度目立ったほうがいい。

もし寝室で光を気にせず使えるようにするのであれば、正常に動作しているときはLEDライトを減光する、もしくは消灯するなどの設定を用意してもよかったと思う。側面のLEDライトはNature Remo mini 2だけの仕様であってほしいというのが率直な感想だ。

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気づけず、ストレスがたまりそうだ

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気付けず、ストレスがたまりそうだ

赤外線は壁に反射させても軽く7m(実測)まで到達

Nature Remo mini 2の進化点で個人的に最も気に入ったのが、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。Nature Remo mini 2の赤外線の飛距離について、スペック表に具体的な記載はないが、筆者が実際に試したところ壁に反射させても軽く7mは到達していた。反射による減衰がなければ、もっと遠くまで到達しているはず。部屋の中央のテーブルや壁などに設置しておけば、よほどの大豪邸でなければ部屋全体の家電をカバーできるはずだ。

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

Bluetoothを搭載しているのにQrio Lock、mornin’ plusと連携できないのは残念

Nature Remo mini 2は赤外線通信を利用するスマートリモコンとしては上位モデルと遜色ない。ただ、湿度・照度・人感センサーを利用する機能はともかく、せっかくBluetoothを搭載しているのにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」と連携できないのは残念だ。ハードウェア的に可能であるなら、ぜひともBluetooth機能をNature Remo 3と同等にアップグレードされることを期待したい。

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グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

GoogleのフィットネスアプリGoogle Fitに、スマホカメラを使った呼吸数・心拍数計測機能が加わります。

呼吸数の計測は、スタンドなどに立てたスマホのカメラで胸から上をとらえることで、服ごしの体の動きを画像認識で推測する仕組み。

Google Fitは従来から、スマホを持って歩いた際の位置情報や動きを使い、ウォーキング等の移動距離と歩数を推定して、運動量や消費カロリーの目安として記録する機能を備えています。

また Wear OSスマートウォッチやスポーツ・エクササイズ用ウェアラブルデバイスとの連携で心拍数などを記録することもできました。今回の新機能では、スマホのカメラだけで呼吸数や心拍を計測できるようになります。

心拍数のほうはスマホの背面カメラレンズに指先を載せて、血行による僅かな色の変化を捉える仕組み。こちらは古くから実用されている原理です。

(指先でなく顔などを撮影して心拍数を推定する技術は以前からあり、マイクロソフトも Kinect V2センサで商用化していましたが、今回のGoogle Fit 新機能では精度のためか周囲環境の影響を考慮したのか、呼吸と同時には取得できないようです)。

Google Fitのスマホカメラ呼吸数・心拍数計測機能は、来月からまずは Pixel スマートフォン向けに提供します。将来的には他のAndroid端末にも拡大する計画。

グーグルがスマホのカメラで心拍と呼吸数を認識する新機能発表、Pixelから提供スタート

心拍数の計測はスマートウォッチやフィットネストラッカーの多くが備えていますが、呼吸数はバンドを胸や腹部に装着したり、心拍と同じセンサで周期的な変動から推測したり、医学的に正確な計測にはチューブを口に加えたり、あるいは医療用のバイタルセンサやベビーモニターとして設置する専用機器であったりとさまざまな方法はあるものの、手軽な計測機器は普及していません。

スマホカメラだけで認識できるのは手軽で、機械学習や画像処理の勝利ともいえる一方、比較的狭い画角にちゃんと上半身を収め続ける必要があることや、画像処理で胸を動きを推定する原理から、運動をしながら測る用途には不向きです。

カメラの画角に依存しない心拍数・呼吸数モニタリング技術としては、ウルトラワイドバンドを含む電波で動きを捉える技術も研究から応用へと進んでいますが、いまのところ心拍・呼吸モニタ兼用WiFiルータは売っていません(広範囲の人感センサを兼ねるWiFiルータはLinksysが出しています)。

Googleも電波を使った人体の動き認識を研究しており、Pixel 4に搭載したSoliレーダーを今度は据え置きのNest Hubスマートディスプレイに搭載して、ジェスチャ認識や睡眠トラッキングに応用するうわさもあります。

Googleの新Nest Hubスマートディスプレイは Soliレーダー搭載、睡眠トラッキングに活用?

フィットネス用途はもちろん、睡眠時無呼吸やベビーモニター、健康管理でも呼吸数や動きの認識は重要であることを考えると、テレビやスマートスピーカー、ルーターが人間の動きやバイタルを常時監視するセンサを兼ねる未来は意外と早く来そうです。医療や介護的にはすばらしい技術であると同時に、以前なら大往生とみなされていた就寝中の急変による死が可視化されて「救急が間に合わなかった結果」になるかもしれませんが。

Google は新型コロナウイルス感染症への対応や、AI技術・モバイル技術が健康・医療に与える影響について研究者・技術者・臨床家が語るオンラインイベントThe Check Upも開催しています。

WiFi電波で脈拍・呼吸を計る「バイタルラジオ」、MITが開発。精度99% (2015年)

顔の動画像から脈拍を計測する技術、富士通研究所が開発 (2013年)

Xbox Oneの新Kinectは大幅進化、表情や心拍も認識。6人同時に全身キャプチャ(2013年)

Engadget日本版より転載)

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グーグルのNest Hub MaxでZoom利用が可能に、まずは米国、英国などで

Nest Hub MaxでZoomが利用できるようになった。Google(グーグル)は米国時間12月14日、人気のテレビ会議プラットフォームの登場についてブログ投稿で概要を説明し、米国や英国、カナダ、オーストラリアのユーザー向けに提供を開始したことを明かした。

この待望の機能は「アーリープレビュー」として提供されており、基本的にユーザーはワイドリリース前にファームウェアを受け取るためにオプトインする必要がある。ただ、グーグルはこれはベータ版ソフトウェアではなく、ワイドリリース版と本質的に同じ体験を提供すると主張している。

Zoom通話を使用するには、Nest Hub Maxの所有者は無料または有料のZoomアカウントが必要だ。ユーザーは自分のアカウントをデバイスにリンクし、Googleカレンダーに招待を追加して会議を開催する必要がある。またこの機能は、Nest Wifiの新機能(利用できる場合)を利用して、ワイヤレス帯域をテレビ会議に優先させる。

ZoomはFacebook(フェイスブック)のPortalでもすでに利用可能だ。Amazon(アマゾン)は2020年8月、同サービスをEcho Showデバイスに年内に対応させると発表したが、まだ具体的な日程は明らかにしていない。また一部のNest Hubは、プライバシー上の理由からカメラが搭載されていない。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

Googleアシスタント対応デバイスがいよいよApple Musicをサポート開始

Google(グーグル)は米国時間12月7日の朝、米国やイギリス、フランス、ドイツ、日本でGoogle NestなどのGoogleアシスタント対応スマートスピーカーやディスプレイに、Apple Musicのサポートを追加すると発表した(Googleリリース)。これによりNest AudioやNest Hub Max、Nest Miniを含むGoogleのスマートスピーカーでApple Musicの楽曲、アルバム、プレイリストを音声コマンドで再生できるようになる。

今回のアップデートにより、グーグル独自のスマートスピーカーは、Apple(アップル)のHomePodや新モデルのHomePod Miniだけでなく、2018年後半からApple MusicをサポートしているEchoのようなAlexa対応スマートスピーカーとの競争力を高めることができる。

グーグルのデバイスでApple Musicから楽曲をストリーミング再生するには、まずGoogle HomeアプリでApple Musicのアカウントをリンクしてから、オプションでApple Musicをデフォルトの音楽サービスとして設定する必要がある。すると、たとえば「Hey Google, play New Music Daily playlist(ヘイ、グーグル、新しいMusic Dailyのプレイリスを再生して)」や、「Hey Google, play Rap Life playlist(ヘイ、グーグル、Rap Lifeのプレイリストを再生して)」といった音声コマンドを使用したり、あるいは特定の曲やアーティスト、またはプレイリストをリクエストしたりできるようになる。

また、ユーザーはジャンルやムード、アクティビティに基づいてGoogleアシスタントに音楽のストリーミングを指示したり、「Hey Google, play my library(ヘイ、グーグル、自分のライブラリを再生して)」といって、Apple Musicに自分の曲のライブラリからストリーミング再生を指示することもできるようになる。

さらにApple Musicはマルチデバイス環境でも動作し、グーグル製デバイスの所有者が一度にすべてのスピーカーでストリーミングしたり、あるいは1つのデバイスから他のデバイスに音楽を移動したりできるようになる。

現在のところ、グーグル製スマートスピーカーのオーナーの多くはSpotify、Pandora、Deezerなどのサードパーティーのサービスを利用しており、これらはGoogle Homeアプリですでにサポートされている。しかし、Google Play Musicの長年のユーザーは同サービスが閉鎖(未訳記事)されYouTube Musicと統合されたことを受けて、新しいサービスに移行するかグーグルのエコシステム内に止まるかを決断しなければならなかった。その結果、以前Google Play Musicを利用していたユーザーの一部はライブラリ機能を利用するために、Apple Musicに移行した。

Apple Musicではユーザーが自分の音楽ライブラリに最大10万曲(Appleサポート)を登録できるが、これは一部のGoogle Play Musicのユーザーにとって魅力的だ。また、Apple Musicは7000万曲以上をオンデマンドで広告なしのストリーミングで提供している。

グーグルによると、Apple Musicのサポートは本日から対象デバイスに展開されるという。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

側面にスワイプやタッチインターフェイスを備えた新デザインのNestサーモスタットが登場、価格は約1万3700円

Google(グーグル)のNestユニットは米国時間10月12日、新型のサーモスタットを発売した。この129.99ドル(約1万3700円)のNest Thermostatは、同社の製品の中でも最も手頃なものの1つだが、その側面に新しいスワイプとタップインターフェイスを搭載した初の製品であり、また部屋の空き状況や人間がデバイスの近くにいることを感知できるグーグルのSoliレーダーテクノロジーを備えている。

Soliは注目に値する技術だが、今のところジェスチャーを使った制御のためには用いられていない。そうする代わりに、前面にしっかりとした鏡面仕上げを望んだデザインチームは、Nestではそれを純粋にモーションセンシングの目的に利用することにした。

49%再生プラスチックで作られたこの新しいサーモスタットはスノー、チャコール、サンド、フォグの4色のラインナップで提供される。同社はまた、新しいサーモスタットを取り付けるときに、壁の状態を気にしないようにできる14.99ドル(約1580円)のトリムキット(飾り枠)も発売する。

Nest製品リーダーであるRuchi Desai(ルチ・デサイ)氏は私に対して「この直感的な上下スワイプコントロールのおかげで魅力的なフォームを手に入れました。このおかげで、従来の温度計にあったような小さなボタンを押す代わりに、本当に自然に操作することができます」と語った。

この新しいバージョンは、Nestのリモートセンサーをサポートしていないため、主に小さなアパートやコンドミニアムのユーザーを対象としているということには注意が必要だ。これらのサポートが必要な場合には、Nest Thermostat E(市場では139ドル、約1万4700円)前後で見つけることができる)、またはフル装備のNest Learning Thermostatが必要になる。

学習機能についていえば、チームがこのリリースで強調している機能の中には、1日のさまざまな時間帯、およびさまざまな曜日におけるカスタム温度設定スケジュール機能がある。NestはこれをQuick Schedule(クイック・スケジュール)と呼んでいる。

「自動スケジュール機能を備えたNest Learning Thermostatと違って、今度の製品が実際に提供するのは温度プリセットを行う機能です、これを使ってお好みやライフスタイルに基づいてスケジュールを設定できます」とデサイ氏はいう。「温度をそのままに保つ自由度もあります。つまり制御と柔軟性が必要になった場合には、あらかじめ決められた設定を上書きできるのです」。こうした機能は、Ecobeeや他のNest競合他社の今どきのスマートサーモスタットのほとんどに見られるものとよく似ているが、Nestにとっては初めての機能だ。

このサーモスタットは、セービングファインダー機能を使って、ちょっとした最適化の余地を探し、追加のエネルギー節約につながるかもしれない小さな設定変更を提案することもできる。

新しいSoliレーダーチップが内蔵されているおかげで、デバイスはあなたが家にいないときに自動的に温度を下げることができる。チームがこのチップをジェスチャーコントロールのために使っていないのは残念だ。これはグーグルがPixel4スマートフォンで行っていることだが、チームによればユーザープロファイルに適合しなかったため、それは行わないことにしたという。

「これは、この製品をデザインする際に、私たちが下した非常に意識的な決定だったと思います。この製品ではユーザーを本当に念頭に置いていて、ユーザーにとって真に重要な機能に焦点を当てたかったからです。ジェスチャーによるコントロールはスマートホームにとっては新規のコンセプトで、ユーザーはアプリを通したコントロールを期待していました。私たちにとっては軽微な変更でも、ユーザーにとっては大きなアップグレードに感じられたのですよね。そして、今回サーモスタットに組み込んだ省エネ機能は、ユーザーから高く評価されたものでした。そこで私たちは、この製品に対してユーザーから高く評価してもらえた機能に焦点を当てることにしたのです」とデサイ氏は説明する。

おそらくNestは、より高価なサーモスタットの次のアップグレードで、このテクノロジーをさらに活用することになるだろう。今のところ、チャンスを逃しているようにも感じられるが、公平を期すためにいうならば、Pixel 4に組み込まれたSoliはほとんどギミックのように感じられる段階だし、Nestチームは少なくともここで実用的な用途を編み出している。

以前のものと同様に、Nestは新しいサーモスタットの設置にかかる時間は約30分程度であると請け合う。アプリが個々の設定ステップをガイドする、もし冷暖房システムが最新の基準に従っていると仮定するなら、プロセスは非常に簡単なものだ。

サーモスタットをリモートで制御するには、Google Homeアプリを使用する。このアプリにも、より多くのエネルギーを節約するのに役立つ多くのスマート機能が備わっている。

新しいサーモスタットは現在、米国では129.99ドル(約1万3700円)、カナダで179.99カナダドルら(約1万4500円)で入手できる。カナダではトリムキットの小売価格は19.99カナダドル(約1600円)だ。なおチームが指摘したように、公共サービスの提供するさまざまな販売奨励金制度を使えば、多くのユーザーは、住んでいる場所によっては、わずか数ドルでこれらを取得できる可能性がある。

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画像クレジット:Nest

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(翻訳:sako)

最新スマートスピーカーGoogle Nest Audioは手ごろだが十分な音質、専用アプリで複数台のステレオ化も可能

最初に言っておくと、Google Nest Audioは見た目より驚くほどの重量感がある。コンパクトなのだが高密度で、iPhoneよりもはるかに背が高くないフットプリントに多くのものを詰め込んでいる。重さは約1.2kgで、オリジナルのGoogle Homeの2.5倍の重さだ。いずれにせよ、グーグルが1万1550円というかなり手ごろな価格にもかかわらず、何かプレミアムなものを提供することに興味を持っていたことは明らかである。

Google Nest Audioにたどり付くまでかなりの時間がかかった。最初のデバイスが登場してから4年がたったが、これはスマートホームデバイスの世界では寿命のようなものだ。同社は一連の新製品を発表し小型版である 「Google Mini」 に重要なアップデートを提供したが、同社の主力スマートスピーカーである 「Google Home」 は芳香剤のようなデザインのまま放置されていた。

この4年間、グーグルはAmazon(アマゾン)ほどハードウェアのアップグレードに興味を示さなかった。これは、ハードウェアではなくソフトウェアが製品進化の中心にあると長い間主張してきた企業にとっては、それほど驚くべきことではない。しかし、グーグルでさえプレミアムオーディオのようなものに関しては、ソフトウェアでは限界があることを知っている。そこで、新しいデバイスが登場したわけだ。

Nest Audioの名前は、2つの重要なことを表している。第一に、同社のスマートスピーカー、スマートスクリーンラインの中で最後にNestの名称を採用し、2014年のNest買収をスマートホームブランドとして確固たるものにしたことだ。とはいえ、Nestブランドがグーグルのホーム製品のすべてを網羅しているわけではない。 新しいChromecastはグーグルブランドで今週発売されるなど一貫性がないが、特に誰も気にかけないようだ。

スピーカーとしての品質では、グーグルもアマゾンも同じような道をたどっている。第1世代のスマートスピーカーは、スピーカーよりもスマートさに焦点を当てていた。これらのデバイスは、スマートアシスタントを家庭に届けるための手段と考えられていたからだ。そのため、誰のホームステレオにも取って代わる代物ではなかった。

一方でApple(アップル)は、HomePodを同社の音声アシスタント機能であるSiriとともに家庭環境に持ち込み、同社が優れたオーディオ機器を提供できる限り、ユーザーがプレミアム製品に投資する意思があることを証明した。それに続いてアマゾンは、まず標準のEchoの音を強化し、さらに最近ではEcho Studioを発表した。なおサムスンもスマートスピーカーとしてSamsung Galaxy Homeがリリースするという噂もあるが、未発表のスピーカーでサムスンの対話型音声アシスタントのBixbyについてもあまり語られていない。

グーグルはNest Audioで、高音質をハイエンドスピーカーに限定すべきではないことを証明しようとしているようだ。Nest Audioは、元のGoogle Homeよりも30ドル安いが、Echoの現行価格と同じだ。内部はかなりアップグレードされており、Nest Miniで40mmだったフルレンジドライバは50mmになり、ウーファーが75mmはアップグレードされ、より強い低音を出せるようになっている。一方で2台のパッシブ・ラジエーターは、19mmのトゥイーターに交換されている。

私のアパートでは大きすぎるが、このスピーカーは大音量で楽しむことも可能で、グーグルによると初代Homeよりも75%も大きいとのこと。ただ、1台のスピーカーで大きなスペースをカバーするのは避けたほうがいいだろう。この手のスピーカーはほかのスピーカーと組み合わせるのが最適だ。ありがたいことにグーグルは、そのあたりの連携はうまくやってくれる。

いまのところ、Nest Audioは価格とサイズを考えると非常にクリアでフル機能なスマートスピーカーと言える。ニューヨークの1ベッドルームのアパートのリビングルームのようなスペースとしてはかなり良い音がするし、新しいEchoのようにどの方向からもかなり良い音が得られる。もちろん本棚の奥深くに置いておくこともできるが、濁った残響に悩まされるかもしれない。いずれにせよ、Googleアシスタントを採用したソニーのような優れたオーディオメーカーに対抗するには、グーグルがもっと努力しなければならないと考えていたことは明らかだ。

実は私は、デスクのパソコンの横に置かれているGoogle Home Maxのほうがずっと大きくて重いので好きだ。スピーカーの世界では、音を出すために空気をどう動かすかなど、いくつかの実用的な理由からサイズが本当に重要だ。とはいえ、現在Google Maxの価格でNest Audioを3台購入できるので、セットアップや家のレイアウトによっては検討に値するかもしれない。

グループとペアリングの機能は、これらのデバイスの購入を検討するための強力な理由の1つだ。「Googleホーム」アプリのセットアップはその点で非常にシンプルで、ホームオーディオシステムを手軽に構築できる。2つの同じスピーカーをペアにして、例えばコンピューターの画面の両側にステレオを作成することも可能だし、複数のスピーカーをグループにして空間を埋めることもできる。

とはいえ、まだかなりバグがある。その多くはWi-Fiと接続性の問題に起因しているが、すこしイライラすることもあった。ワイヤレスシステムは有線でシステムを配線するよりもはるかに簡単だがやはり信頼性は劣る。もちろん、ワイヤレスデバイスをインストールするほど、ホームネットワークにかかる負荷が大きくなる。

システムはいくつか微調整できる。アンビエントIQは、背景に音があるときにアシスタントの声を実際に上げる設定だ。メディアEQは、音楽であれポッドキャストであれ、聴いているものに応じてバランスを動的に調整し、後者の場合はボーカル出力を上げてくれる。

スピーカーのデザインは劇的に改善されている。オリジナルのGoogle Homeは、ジョンソンエンドジョンソンのグラード芳香剤のように見え、批判や嘲笑を受けたが、Nest Audioははるかに控えめだ。全体がファブリックで覆われており、その装飾と調和するようにデザインされている。率直に言って、これこそがスマートスピーカーがなすべきことだ。

本体色は5色が用意されており、ホワイト(チョーク)、ブラック、セージ、サンド、スカイとパステルカラーで、自宅のインテリアに合うものを見つけることができるだろう(日本のGoogleストアではホワイトとチョークのみ)。私はグーグルからブラックを借りたが、おそらく自分でもこの色を選んでいただろう。さらに、素材にはNest Miniのようにペッドボトルをリサイクルして作られている。

Nest Audioは長らく待ち望まれていた同社のスマートホームデバイスへのアップグレードであり、音に焦点を当てている製品だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:GoogleGoogle NestGoogle Nest Audioスマートスピーカー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:TechCrunch Japan)

NetflixがGoogleのスマートディスプレイNest Hubシリーズでも視聴可能に

スマートスクリーンでの動画再生に関して、Google(グーグル)は以前からAmazon(アマゾン)に大きく水をあけられている。一方で、YouTubeはこの種のデバイスにとって理想的なサービスだ。またアマゾンはEcho Showシリーズで映画やテレビを見るため手段を、自社のPrime Videoという形で提供している。

Google Nestシリーズでは2019年末にHuluも視聴することができるようになったが、米国時間7月21日には最も人気のあるプレミアムストリーミングサービスも追加される。今週からNest HubとNest Hub Maxでも、Netflixのサポートされるようになる。ユーザーはスマートホームデバイスでアカウントを登録し、音声コマンドやタッチ操作で番組を視聴できるようになる。アプリはジェスチャーでもコントロールでき、以前に再生した番組を中断した時点から再開できる。

もちろん、これらのデバイスが長時間の映画やテレビ番組の視聴に向いていないことはいうまでもない。しかし夕食の支度をしているときに、中断していた映画や番組の続きを見られるというのは確かに魅力的だ。そしてNetflixのようなサービスの追加は、間違いなくスマートディスプレイ市場における争いで、グーグルに大きなメリットをもたらす。

この機能は「(Netflixの)サービスとNestデバイスが利用可能な地域」でロールアウトされる予定だが、Lenovo(レノボ)のようなサードパーティー製のスマートディスプレイに対するサポートの有無や時期については、まだ発表されていない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

GoogleがスマートスクリーンのNest Hub Maxでグループビデオ通話をサポート

ビデオチャットは、Amazon Echo ShowやGoogle Nest Hub Maxなどのスマートスクリーンの大きなセールスポイントだ(MaxでないNest Hubには今だにカメラがない)。しかしMaxもこれまでビデオ通話は1対1でしかサポートされていなかった。 たいていの場合これで構わなかったが、パンデミックでソーシャルディスタンスが義務化され、多くの人が友人や家族から離れて過ごしているため、グループビデオチャットは生活に必須なサービスとなっている。

これが企業がZoomのようなビデオ会議アプリに殺到した理由だ。Zoomなどはこれまでビジネス専用だったが、そうした事情で一般ユーザーにも人気が高まっている。Googleももちろんここに可能性があることに気づいており、Nest Hub MaxのDuoにグループビデオを導入することを発表した。

今回、ビデオチャットは最大32人までサポートされた。スマートスクリーンの自動フレーミング機能(Facebookの同種のディスプレイにあるものと似ている)を利用して通話相手全員を表示することが可能だ。グループ機能はLG、JBL、LenovoなどサードパーティのGoogle対応スマートスクリーンにも搭載される予定だ。グループチャット機能を利用するにはモバイルアプリを介してDuoでグループを作成する必要がある。グループを作成した後は音声で起動できる。

グループのサポートはビジネス利用にも有利となる要素だ。スマートスクリーンのビジネスユースはこれまで可能性に留まっていた。しかし自宅が多くの人々のオフィスとなってきた現在、スマートスクリーンで会議やミーティングができれば大いに役立つ。G SuiteでGoogleアシスタントのベータに登録しているユーザーはGoogle Meetからビジネス会議に参加できる。

グループビデオは今後数週間かけて順次利用可能となる。

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滑川海彦@Facebook