【コラム】フェイスブックのスマートグラスはGoogleのミスを乗り越える可能性が高い

Facebook(フェイスブック)は先日、ユーザー視点の動画を撮影できる待望のウェアラブルサングラスを発表した。この新製品に対して、多くの人たちから嫌悪的反応が寄せられているのはもっともだが、それにもかかわらず今回のローンチでFacebookが下した決断の1つにより、Google Glass(グーグル・グラス)が失敗した点を乗り越える可能性が高い。

Facebookは、ビジネススクールのカリキュラムを参考にしてRay-Ban(レイバン)と提携することで、効果的なアプローチを行った。新人のプロダクトマネジャーは、この教訓を忘れてはならない。

関連記事:フェイスブックがレイバンと共同でスマートサングラス「Ray-Ban Stories」発売、約3.3万円から

このことをよく理解するためには、まず、Google Glassを見直す必要がある。それは2011年に、一部のユーザーのみを対象としたプロトタイプとして発売された。ベータ版を発表する際の当時のGoogleのアプローチと同様に、ユーザーは1500ドル(約16万6000円)を支払って、この未来のように見え、そして感じさせるデバイスで、遊んだり試したりした。

Google Glassは、Time Magazine(タイム・マガジン)のその年のベスト発明品に選ばれたにもかかわらず、問題が山積みで、まさに未完成の製品だった。これまでに多くの人が、Google Glassの主な失敗は、明確なユースケースを持たずに新しい技術を発表した典型例だとコメントしている。Google Glassで人は一体何をするのだろうか?

またデザインは自社で行い、マーケティングは共同創業者であるSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏が、シリコンバレーからファッションウィークまで、あらゆる場所で着用している姿を見せながら、意図せずして広報活動を行った点も、Google Glassのローンチのまた別の重要な側面だ。実際、Googleは成功の波に乗って、予想されていた新しいおもちゃを提供したものの、結局明確な用途は示せていなかった。

さて2021年9月初旬に時間を進めよう。Facebookは新しいウェアラブルサングラスを発表したが、すぐにそして繰り返しGoogle Glassと比較され続けている。誰もが気になっているのは(隣の人が勝手に私を録画していないかということ以外に)、Facebookの試みがGoogle Glassのように大失敗してしまうのではないかということだ。しかし、サングラスのトップメーカーであるRay-Banと提携し、最も認知度の高いブランドの1つであるWayfarer(ウェイファーラー)を実際のウェアラブルとして採用したことが、Facebook版の成功につながる可能性がある。

Facebookは起業から10年以上が経過しているが、多くの大規模テクノロジー企業と同様に、自社のプラットフォームを時代遅れにしないためには、必然的に製品やサービスにおけるイノベーションの先端を探らなければならない。つまり、Facebookが検討する製品の立ち上げの多くは、リスクがあったり未知の状況というだけではなく、そもそもあらかじめ知り得ない世界へ進む必要があるのだ。何が違うのか?

Facebookをはじめとする多くのテクノロジー予測者が直面している問題は「Knightian uncertainty」(ナイトの不確実性)と呼ばれるものだ。1921年、Frank Knight(フランク・ナイト)博士が、リスクと不確実性の重要な違いを強調する研究を発表した。たとえばリスクとは、Facebookが2022年の広告収入の市場シェアもGoogleより高く保ち続けるために収益をいかに管理できるかなどだ。

両社ともに収益の成長は記録しているので、過去のデータを活用して、将来をかなり正確に予測することができる。ここで重要なのは、そうした予測のツールには強みがあり、それが意思決定に活かされているということだ。

だがこの状況と、Facebookのグラスが成功するかどうかを比べようとしても、これらはまったく違う状況なのだ。どのような歴史的記録を探すことができるだろう。1年目のApple Watch(アップル・ウォッチ)のような需要があるのだろうか?それとも、MicrosoftがiPod(アイポッド)に対抗しようとしたZune(ズーン)のようになるのだろうか?要するに、この製品の需要は不可知なのだ。そして不可知の状況に対する予測にはほとんど価値がないということだ(これがナイトの不確実性と呼ばれているものでもある)。

では、なぜFacebookには成功する可能性が残されているのだろうか。なぜなら、Facebookはもはやスタートアップではないものの、そのチャンスを広げるために起業家としての重要な手法を活用したからだ。つまり、Facebookグラスのローンチに際して、Ray-Banと提携するという効果的なアプローチを行ったことだ。

Googleが人々が求めているものは何かに想像力を巡らせて、新しいメガネのデザインを発明しようとしたのに対し、Facebookはすでにある程度定着しているデザインを活用した。企業や起業家が新しい製品やサービスを立ち上げようとして、予測ツールが上手く働かないときに、結果をコントロールするためには共同作業が重要になる。起業家が自分でコントロールできる、あるいはコントロールできる側面を活用することを促すこうした起業家の手法は、エフェクチュエーション(Effectuation)と呼ばれる。

そのためには、自分が何者であるか、何を知っているか、誰を知っているかから始める必要がある。Facebookは、人々がどんなメガネを好むかを予測したり、そうしたメガネのマーケティングを自ら学ぶのではなく、市場最大手であるRay-Banのノウハウを活用することを選んだ。

Facebookは、新製品の重要な不確実性を回避する手助けのできるパートナーを見つけて、不可知の世界へと踏み出したのだ。それだけでも、成功の可能性は高くなる。

結局のところ、新しい消費者製品のイノベーションは、信じられないほど不確実(リスクではない)で、ほとんどのものが失敗するだろう。つまり、たとえRay-Banとパートナーシップがあったとしても、他の多くのパラメータによって簡単に失敗する可能性があるということだ。しかしFacebookは、優れた起業家のように、今回の製品のローンチに際して重要な起業家的アプローチを活用することで、成功の可能性を高めようとしているのだ。

編集部注:本稿の執筆者Ashish Bhatia(アシシュ・バティア)氏は、ニューヨーク大学スターン校の経営学と起業家学の特任准教授であり、ビジネス、テクノロジー、起業家学の学士課程のアカデミックディレクター

関連記事
【レビュー】フェイスブックのスマートグラス「Ray-Ban Stories」は「おもちゃ」レベルを超えている
フェイスブックのスマートサングラス、撮影を知らせるLEDライトが非常に「小さい」と欧州当局が懸念

画像クレジット:Lucas Matney/TechCrunch

原文へ

(文:Ashish Bhatia、翻訳:sako)

Google Glassはエンタープライズ用のバージョン2で生き残りを目指す

Google Glassの登場は時期尚早だった。もちろん外でそれを身に着けていたら、イカれた人物として目立ちすぎるというのはあるが、まだ世の中はウェアラブルの拡張現実を受け入れるほど成熟していなかったのだ。しかし、この珍品はEpson(エプソン)やMicrosoft(マイクロソフト)などのおかげでエンタープライズアプリケーションの世界に蘇っている。

Googleもその波に乗る気だ。昨年5月に同社は、GlassのEnterprise Editionのv2を発表した。そして米国時間2月4日、同社はデベロッパーがヘッドセットを数社から入手できるようにした。昨年Google Xを卒業したこのAndroidデバイスは、ちょっとだけデザインをすっきりさせたが、Glassの最初期のバージョンにとてもよく似ている。

関連記事:ハードウェアをアップデートしたGoogle Glassの新モデルが登場

最初のモデルから7年が経ち、今やそのGlass Enterprise 2は決して安くない。パートナーのサイトでは1000ドル(約11万円)で販売されている。また、カードのテキスト表示や画像、QRスキャナーなどのアプリケーションもある。

上の記事で筆者のLucas(ルーカス)が書いているように、Glassのシステムは最近のHoloLensなどに比べると貧弱だ。HoloLensとは異なり、XRを楽しむようにはできていない。使い勝手はいかにも軽いので、それが求められる用途もあるだろう。例えば、土木建設の現場などでは、その場に応じた情報を現場作業員に伝えることができる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ハードウェアをアップデートしたGoogle Glassの新モデルが登場

Googleのヘッドマウント型スマートディスプレイ、Google Glassがついに普及の段階に入った。

Glassが最初に登場したのは2013年。Googleが思い描いていた未来の夢を具現化する役割を果たした。その後、一般ユーザー向けではなく、企業向けとして再定義されたが、今回ハードウェアのアップデートを受けて、Googleの親会社Alphabet(アルファベット)の研究部門Xのムーンショットファクトリから卒業することになった。これにより、多くの企業にとって手を出しやすい製品となることを目指している。

最初のコンシューマ向け製品は、一笑に付されてしまうほど未熟なものというわけではなかったものの、話題を振りまくのがせいぜいだった。企業向けのGoogle Glass Enterprise Editionは2年前に発表され、それ以降ビジネスユーザーの関心を得ようと、専任のグループがコツコツと開発に取り組んできた。

今回発表されたGlass Enterprise Edition 2のデザインは、前任機から大幅に変更されたようには見えないが、内部には注目すべき変更が加えられている。具体的には、OSとしてAndroidを採用し、Android Enterprise Mobile Device Managementをサポートするようになった。この変更だけでも、エンタープライズの顧客に重い腰を上げさせるのに十分な効果があるだろう。

チップセットをQualcommのAR/VR専用のXR1に変更したことにより、ソフトウェアのアップデートも可能となった。Googleによれば、新しいGlassでは「カメラの性能と画質が向上している」ということで、さらにUSB-Cによる接続も可能となっている。

MicrosoftのHoloLensのようなものと比較すると、Glass Enterprise Edition 2の機能はかなり限られている。ただしGlassは、ユーザーの周辺にあるものについての情報に、何の操作も必要とせず、簡単にアクセスできるようにすることに焦点を合わせたものなのだ。

Glassを担当するチームは、GoogleのAR/VRチームに合流した。この動きは、Googleがコンシューマ向けの製品の開発に注力するのを見直そうとしていることを象徴するものだろう。昨年、Googleはコンシューマ向けのVR製品のアップデートを最小限に抑えた。また、クリエイティブコンテンツの制作を担当するグループのいくつかを解散し、エンタープライズ向け、コンシューマ向け、ともに機械学習を最大限に活用するような製品の開発に注力することにした。

X部門を卒業したGlassチームは、これまでにムーンショットファクトリから巣立った他のチームと合流することになったわけだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Google Glassはまだ生きていた…3年ぶりのアップデートがリリース(Bluetoothサポートなど)

Google Glassesをまだ持ってる人は、そのホコリをはらいましょう。あの1500ドルのフェイスコンピューターが今日(米国時間6/21)、新たなアップデートで再びステージ中央に戻ってきた。

それは2014年9月以来のアップデートだが、まず付属アプリの“MyGlass”がアップデートされた。バグフィックスもいくつかあり、新たにBluetoothがサポートされた。そこで今回の“XE23”バージョンでは、キーボードやマウスなどのBluetoothデバイスをGlassに接続できる。

アプリのアップデートが昨日行われて、Glassのファームウェアのアップデートが今日なのは、オドロキだ。

では、Glassというプロジェクトは生きているのか? 実は、死んだことはまだ一度もないから、生きているのだ。もう誰も買えないし、そのWebサイトは2015年に閉鎖されたから、ドードー鳥の運命をたどっているかと思われたが、いなくなったわけではなく、ただ、消費者にあまり関心を持たれなかったあと、親元のGoogle Xを“卒業して”いたのだ。Googleは秘かにそれをエンタープライズ部門へ移していた。しかし、どうやらGoogleの誰かが、この、マニアを吸引する力のある消費者向けGlass製品の面倒を見ていたのだ。

これら二つのアップデートを今やる理由は、よく分からない。3年の沈黙のあと、急にアップデートするのもヘンだ。旧バージョンからどこかが劇的に変わったわけでもないのに。でもこのことは、同社の光学系を搭載したウェアラブルが、完全に忘れ去られてはいないことの証(あかし)だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

かつてSnapchatとして知られていた会社のカメラ組込サングラスに大問題―🎶 暗いところで使えない 🎶

2016-09-26-corey-hart-sunglasses-at-night

Snapはビデオカメラ組み込み拡張現実サングラスを発表した。ただし、問題がある。あちこちにぶつかるのが平気でないかぎり、夜は使えない。暗いコンサート会場やパーティーの撮影も無理だ。

Snapは「かつてSnapchatとして知られていた会社」だ。Princeの例に従ったかして今後はSnapと名乗るという(絵文字もPrinceスタイルに変えてはどうだろう ) ともあれ、Snapは私の取材に対して、「現在のバージョンは夜間の装着や使用を前提としていない」と確認した。カメラのレンズ自身がサングラス程度の透過性なので照度が低い環境では先が見通せないのだ。

これはSnapの拡張現実カメラが「おもちゃだ」という考え方を裏付ける。たしかにSnapのCEO、Evan Spiegelは Wall Street Journalのインタビューでガジェットを「おもちゃ」と呼んでいた。しかし「昼間の使用に限る」とは述べていないかった。

master_vid_stills_4_press_02

このサングラスは130ドルでこの秋中にリリースされ、装着者の視点で1回につき10秒の円形の動画を撮影できるという。しかし撮影は昼の屋外で催されるバーベキュー・パーティーとか野外コンサートに限るのが安全らしい。

将来のバージョンはクリアレンズないし光によって色が透過度が変わるレンズを装着し、夜間や屋内の撮影も可能になるかもしれない。このデバイスはSnapchatの熱狂的なファンのティーンエージャーの人気を呼ぶかもしれない。またサングラスを使ってくれるセレブを見つければプロモーションにいっそう有利だろう。

specs_coral

しかしSpecsデバイスは一部で期待されたほど画期的なテクノロジーを含んでいなかった。それでもSnapchatのユーザーが日々の生活の画像やビデオをコントロールし、共有する力を強化するる。エンジニアリングとプロダクトデザインの進化にともなって、将来のSpecsはGoogle Glassが実現に失敗したような役割、つまり、われわれが日常どこへ行くにも装着するようなデバイスになるかもしれない。

あまりにギーク的で嫌われたGoogle Glassや出来が悪かったFlipcamsとは違って、Specsを一般ユーザーに受け入れられるようなデバイスに進化させるためには、Spiegelは20億ドル以上といわれるSnapのベンチャー資金の相当部分を個人的な「おもちゃ」の改良のためにつぎ込む必要がありそうだ。

Snapサングラスカメラに関するTechCrunchの詳しい紹介記事

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

メルセデスベンツのRescue Assistアプリは、ARで救命に役立つ情報を教える

Mercedes-Benz Rescue Assist App ;

Mercedes-Benz Rescue Assist App;

メルセデスベンツは2013年11月以来、Bピラー(前から2番目のピラー)と給油口の内側にQRコードを印字している、これによって第一応答者(事故や災害現場に最初に駆けつける職員)や救急隊員たちは、Rescue Assistモバイルアプリを使い、事故に巻き込まれたメルセデスベンツに関する詳細な情報をすぐに得ることができる。最新の更新では既存のアプリに3D映像だけでなく、拡張現実(AR)も取り込まれ 、事故に際して救助活動に携わる人々は、さらにわかりやすい全体像を得ることができる。

新しいAR機能を使うことで、救急隊員は閉じ込められた乗客を解放するために車を切断するといった行為に際し、警戒すべき重要な部分などを含め、色分けされた内部コンポーネントを見ることができる。アプリは、燃料ライン、バッテリー、その他の電気部品などの配置を示し、車両を救命のために通常ではない方法で解体する際の、さらなる損傷や怪我のリスクを軽減する。

Rescue Assistアプリはまた、特定のモデル(メルセデスベンツの普通車やバンだけでなく、Fuso(ふそう)ブランドの商用車も含まれる)に関する適切な安全情報の概要を記したレスキューカードなどのリソースも提供する。

これは、多くの人々にGoogle Glassを、特定の業種向けに役立つツールとして思い描かせたARのユースケースの一種である( 緊急事態への対応は特に頻繁に引き合いに出された)。そうした機能を、救助隊員が持っている可能性の高いスマートフォン上の既存のアプリで使えるようにしたことは、おそらく技術のはるかに良い応用である。たとえそれがハンズフリーではないとしても。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Augmedixが1700万ドルを調達、Google Glassによって医療の現場に「再び人間味を持たせる」

doctor-patient-3

すでにGoogle Glassの一般消費者向けの販売は停止されているが、同製品のエンタープライズ向けのビジネスはペースを加速している。今日、Google Glassを利用したメディカルサービスの有力企業の一つであるAugmedixが、重要な資金調達を発表した。同社のCEOによれば、医師の顔をコンピューターの画面から引き離すことによって、医師と患者との交流に「再び人間味を持たせる」ことが目的だ。

サンフランシスコ発のスタートアップであるAugmedixが開発したプラットフォームでは、顧客である医師は患者のリアルタイムに医療データを集め、アップデートし、取り出すことができる。今回、その同社がストラテジック・ラウンドにて1700万ドルを調達した。

この資金調達のすごいところは、その出資者の顔ぶれだ。米国でもっとも規模の大きいヘルスケア企業の5社である、Sutter Health、Dignity Health、Catholic Health Initiatives(CHI)、 TriHealth Inc.が出資者であり、もう1社の名前はまだ公表されていない。これらの企業は、ヘルスケア業界において互いに競合する関係にある。このグループが運営する病院などの医療機関には合計で10万人の医師などの医療提供者が所属し、そこには何十万もの患者が通っている。Augmedixのアイデアは、インターネットに接続されたアイウェアをその医療従事者に提供するというものだ。

この資金調達はシリーズAの後に位置するが、シリーズBの前になる。(CEOのIan Shakilはインタビューで、このシリーズBでの資金調達はまだ開始していないと話した)。そして、この資金調達によって同社の合計調達額は4000万ドルとなった。前ラウンドで1600万ドルを調達したあと、Augmedixのバリュエーションは約1億ドルだった。Shakilは企業価値について公表をしていないものの、私に今回の資金調達は「前回より高い評価を得た、健全なアップラウンドだった」と話してくれた。私の理解では、現在のバリュエーションは1億2000万ドルから1億6000万ドルの範囲であり、おそらく後者に近い金額になるだろう。

Google Glass(とその他のウェアラブル端末)に対するおもな批判の一つは、顔にデバイスを取り付けることによって、交流している人からあなたを遠ざけるというものだ。話し相手もデバイスを装着した人と話をするのは嫌だし、着用者にしても目の前にいる人に集中することを妨げるからだ。

皮肉にも、現在までのAugmedixの成長の背景には、これとは正反対の理由がある。米国の医療システムが抱える大きな問題の一つは、医療従事者が入力し、参照しなければならない各患者ごとのデータの量が膨大であることだとShalkiは述べた。

「Google Glassを装着していない医師は、画面をクリックしたり、図面を描くことに長い時間を費やせねばならず、目の前の患者に集中することができません」と彼は話した。「Google Glassを使って情報を集め、参照することができれば、医師と患者とのより良い交流を促すことができます」。またShalkiは、Augmedixのシステムでは、「みなさんが思っている以上に素早くバックグランドで資料を処理し、そのプロセスに人間味を持たせます」と付け加えた。

これがストラテジック・インベスターたちを惹きつけたようだ。たとえ、それが競合と横並びに資金を投資することを意味するとしてもだ。

Dignity HealthのChief medical information officerであるDavin Lundquist博士は、「Dignity Healthは、外部とのパートナーシップの構築に取り組んでいます。それらのパートナーシップによって、テクノロジーが持つポテンシャルの有効活用ができます。そして、テクノロジーを医療の現場に適用することで、日々の治療において、患者と医療従事者がより良い決定を下すことができるのです」と述べた。「医師がGoogle GlassとAugmedixを利用することで、コンピューターに患者の医療データを入力する時間を省くことができ、より長く患者と接することができます。これによって医師は患者にもっと集中することができ、結果的に患者がより良い医療体験を得ることになるのです」。

Sutter Healthのバイスプレジデントであり、Chief of digital patient experienceでもあるAlbert Chan博士は、「私たちは、患者の皆様がSutter Healthに期待しているような、ハイクオリティで価値の高い医療経験を創り出す事を目指しています。そのために新しいテクノロジー・ツールとサービスを導入することで、より効果的でかつ安価な、患者用にカスタマイズされた治療を提供することができます」と語った。「特に、診察室における医療体験の価値を高めることにおいては、ウェアラブル端末には大いに期待できます。私たちは患者と協力していきます。そして、私たちのデジタル医療のイノベーターのネットワークが成長し、患者と医師の関係を新たな方法で強化することに価値を感じています」。

興味深いことに、「人間化」はこのシステムにおける患者側の側面に限ったことではない。Augmexが利用するソフトウェアは、人間によって構成された大規模なチームがバックエンドで情報を入力し、アップデートすることによって成り立っている。「現状では、このソフトウェアはAIや音声認識機能によってではなく、人間によって支えられています」とShalkiは語る。

しかし、今回調達した資金でAugmedixはその分野における新しいテクノロジーを取り入れたシステムを構築しようとしている、と彼は付け加えた。「将来的には自然言語処理をさらに取り入れたシステムを導入していくつもりです。それによってシステム効率を高めることができます」。Googleの自然言語処理テクノロジーを採用する可能性もあるが(Googleはこの分野に注力している)、Nuanceやその他の企業によるソリューションを採用するかもしれないと彼は話した。

これまで、そしてこれからもGoogle Glassはニッチな製品として扱われている。それでは、現時点でのAugmedixの規模はどれほどの大きさなのか?Shakilによると、現在は「数百の」医師がAugmedixのソフトウェアを搭載したGoogle Glassを利用しており、その大半はカリフォルニア州の南部および中部に集中しているという。この数字はそこまで大きなものには聞えないが、Shakilによると、それぞれの医師は毎月「数千ドル台の前半の金額」を支払っており、これによって「かなり正当な」年間収支が形成されているという。

来年までには数千の医師が同社のサービスを利用する予定だと話し、5年以内には1万人の医師を顧客にするというより大きな目標を語った。今回の新しい出資者たちが合計で10万人の医師や開業医を抱えていることと、これまでに彼らが医療のITに対して費やしてきた金額の大きさを考えれば、10%の市場シェアという数字はそう突飛なものでもないだろう。

現状ではGoogle GlassがAugmedixのビジネスの根幹ではあるが、長期的にはそれが必ずしもGoogle Glassだとは限らないようだ。いかにも、Google Glassはこの分野における先駆けではあるが(そして賢くもエンタープライズ版によってその敷居を下げたが)、それ以降、ユーザーに情報を与えるヘッドセットという分野において、世界は進歩した。現在では、FacebookのOculus、Meta、Microsoft、Samsungといった企業から生まれた拡張現実および仮想現実のハードウェアが存在している。

Shalkiは、今後しばらくはAugmedixのサービスとビジネスはGoogle Glassに特化したものになると語る。(注: DCMやEmergenceなどのVCが同社に出資するなか、GoogleはAugmedixに出資していない)しかし同社は、Shalkiが言うところの「軽いAR」の利用実験もしているという。

Augmedixは、将来的に同社のプラットフォームに機能を追加して、患者と医師とのより良いコミュニケーションを実現したいと考えている。そういった機能の中には、「患者が家に帰って落ち着いてからも、医師の話をもう一度聞ける」という患者志向の機能や、セルフケアのデモンストレーションを提供する機能などが含まれる。

また同社は、医師に対するガイダンスも追加したいと考えている。たとえば禁煙治療や、その他の診療における重要なポイントを医師が思い出すことを助けるためだ。将来、このような機能が、たとえば手術など、ほかの領域にも導入されることも想像できる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

Google Glassの片めがね(モノクル)バージョンが特許を取得

google-glass-monocle

Google Monocleに心の準備をしておこう。合衆国特許商標庁はGoogleに、Google Glassの今後のバージョンと思われる製品に対し、新たな特許を認めた。それはMonocle(モノクル、片めがね)の名の通り、レンズが左右両方ではなく、片方しかないグラスで、耳ではなく、ヘアバンドで頭に装着する。

特許文書から引用しよう:

バンドの側面をユーザの頭の、こめかみの位置と、それに続く耳の位置、そして第三の接触位置として、頭の後部に接触するよう調節する。

バンドがこの三点でしっかり保持されるようになったら、グラスはその位置を維持する。問題は、このデバイスに対する世の中の関心だ。

思い出せば、Googleは1月にグラスの販売を中止した。その後同社は、このデバイスの開発を、中止ではなく“一時的に休止する”と発表した。

3月になると、本誌も報じたように、Googleはグラスの新しい市場開拓を開始した。とりわけGoogleは、グラスのユーザおよび売り先として、一般消費者ではなく企業を選んだ。

しかしその後は音沙汰がない。Googleがソフトウェアやハードウェアの改良を今でも続けているのか、それも分からない。でも今日の新しい特許を見ると、GoogleがGoogle Glassをまだあきらめていないことが分かる。

Screen Shot 2015-11-27 at 13.46.38

参考記事

出典: The Next Web

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Google Glassは生きている―エンタープライズ向け製品を開発中

2015-07-10-google-glass

Google Glassが復活するようだ。GoogleがGlassのアップデート版を開発しているというニュースが報じられた。ただし一般消費者向け製品ではなく、ターゲットはエンタープライズだという。

9to5googleによれば、新バージョンではディスプレイ・プリズムが大型化され、IntelのAtom CPUが採用された。また外部バッテリーに接続できるようになっている。いずれもエンタープライズ向けとして必須のアップグレードだろう。

この新モデルは最新のテクノロジーで従業員の生産性を向上させようとしている企業の関心を呼ぶだろう。ツイートを読んだりYouTubeを見たりするのではなく、業務に関連ある情報を表示させるわけだ。たとえば倉庫の従業員は作業指示を効率的に受けられるようになる。

また新モデルはAtom CPUの採用の効果もあってバッテリー駆動時間も延びているという。新しいGlassでのクロック速度は不明だが、AtomはほとんどのAndroid Wearデバイスに採用されて実績を挙げている。それでも外部バッテリー接続機能を追加するということは、Googleは勤務時間中常に装着して作動させるような使い方を考えているのだろう。

Glassのエンタープライズ版についての記事はこれが初めてではない。Wall Stree Journalも2014年にGoogleがGlassの企業向けモデルを2015年中にリリースするだろうとする記事を掲載している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Glassは生きている―エンタープライズ向け製品を開発中

2015-07-10-google-glass

Google Glassが復活するようだ。GoogleがGlassのアップデート版を開発しているというニュースが報じられた。ただし一般消費者向け製品ではなく、ターゲットはエンタープライズだという。

9to5googleによれば、新バージョンではディスプレイ・プリズムが大型化され、IntelのAtom CPUが採用された。また外部バッテリーに接続できるようになっている。いずれもエンタープライズ向けとして必須のアップグレードだろう。

この新モデルは最新のテクノロジーで従業員の生産性を向上させようとしている企業の関心を呼ぶだろう。ツイートを読んだりYouTubeを見たりするのではなく、業務に関連ある情報を表示させるわけだ。たとえば倉庫の従業員は作業指示を効率的に受けられるようになる。

また新モデルはAtom CPUの採用の効果もあってバッテリー駆動時間も延びているという。新しいGlassでのクロック速度は不明だが、AtomはほとんどのAndroid Wearデバイスに採用されて実績を挙げている。それでも外部バッテリー接続機能を追加するということは、Googleは勤務時間中常に装着して作動させるような使い方を考えているのだろう。

Glassのエンタープライズ版についての記事はこれが初めてではない。Wall Stree Journalも2014年にGoogleがGlassの企業向けモデルを2015年中にリリースするだろうとする記事を掲載している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ご心配かけましたが元気です―Google Glassはエンタープライズ分野を目指す

Google Glass死亡の噂は大いに誇張されていた。Google Glassは死んでいない。入院さえしていない。重病でもない。元気で働いている―ただしエンタープライズの世界でだ。

Google Glassはコンシューマを相手にするのを止めた。プライバシー侵害やら何やらあまりにノイズが多く、いちいち対処するのに飽き飽きしたのだ。Googleは1500ドルで消費者にGlassを販売するExplorerプログラムを1月に中止した。さすがのGoogleもGlassをコンシューマ向けのガジェットとして販売するのは無理だと悟った。

1月の四半期決算を説明する電話会見で、GoogleのCFO、Patrick PichetteGlassについてはリセットが必要だと語った。「プロジェクトが期待されたほどうまくいかない場合、辛い決断が必要になる。プロジェクトをキャンセルすることもある。そういうことは繰り返し起きている」と述べた。

このときどうやらGoogleはGlassをピボットさせることにしたようだ。「顔にカメラをくっつける馬鹿げたデバイス」とメディアがあざけっている間も、一部の人々はGl;assに商業的価値を認めていた。

「Glassは元気だ。CFOの〔1月の〕発言があったが、Glassチームは拡大している」とGoogle Glassを手がけるPristineのCEO、 Kyle Samaniは書いている。SamaniはPichetteはコンシューマ製品としてのGlassについて述べたので、ビジネスツールとしては着実に成長していると主張する。

「Googleはわれわれは以前よりさらに密接に協力している。われわれはGlassがエンタープライズ・ツールとして成功することを確信している」とamaniは述べた。

Glassを含むウェアラブルデバイス向けの人工知能プラットフォームを開発しているAPX LabsのCTO、Jay KimがTechCrunchに証言したところでは、Googleはパートナーに対してGlassをバルクで販売しているという。

Glassを身につけてバーやレストランに入るのは賢明な選択ではないことが判明した。しかし工場、オフィス、その他さまざまなビジネス現場ではGlassは重要な生産性ツールとして歓迎されている。そういう現場ではGlassを着けていないことで叱責されるかもしれない。

「おいミラー! Glassをどこへやった? またGlassをしていないところを見つけたらただじゃおかないぞ!」「すいません」

というようなことになるかもしれない。

Nestのファウンダー、Tony Fadellの指揮下に入ったことでGlassはより正しい扱いを受けるのではないか? 

いずれにしても、元気にやっています、ありがとう! 

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】


今日はGoogle Glassが買える最後の日


GoogleはGoogle Glassの実験を終えようとしている。本日(米国時間1/19)をもってGoogleはこの新奇なデバイスの販売を中止する ― 少なくとも現在のモデルは。Googleは、同製品の開発は継続中であることを明言しており、いずれ新しいバージョンが発売される可能性は極めて高い。

先週のニュースで、Google Glassが市場から引き上げられ、プロジェクトはGoogle Xチームから独立して単独プロジェクトになることが報じられた。今後は、元Apple幹部でNestのファウンダー、Tony Fadellがプロジェクトを率いる。

Glassの未来は、有能な人々の手に託された。

Google Glassは3年前の2012年4月、高らかなファンファーレと共に発表されたが、消費者の心を把むことはなかった。しかしGlassは多くの想像力あふれるアイデアを引きだし、それはGoogleの計画どおりだったのかもしれない。

Googleの広報担当者が先週本誌に話していたように、Glassが開発されたExplorerプログラムの根底にあるアイデアは、そのテクノロジーを人々がどう使うかを知ることだった。十分多くのフィードバックを ― 良否共に ― 受け取った今、Googleは未来バージョンのGlassに集中するためにプログラムを終了することを決めた。

現行バージョンのGoogle Glassは今後も動作し続けるが、公式ソフトウェアアップデートは望めないだろう。今日が公式に入手できる最終日であるが、本稿執筆時点でGoogle GlassはGoogle Playストアでいつも通り入手可能だ

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


次世代Google GlassはIntelチップを採用か?!

こちらのWall Street Journalの記事が事実であれば、GoogleはまだまだGoogle Glassに対して真剣に取り組んでいるようだ。記事に曰く、次世代Google Glassの開発に力を注いでいて、また次バージョンではテキサス・インスツルメンツに代えてIntelのチップセットを採用する見込みであるとのことだ。いまさら言うまでもないが、Google Glassには改善の余地が多くあった。たとえばバッテリー持続時間はあまりに短かったし、外観もあまりに無骨であった。オタク専用デバイスから脱却するためには、CPU性能の向上も欠かせないものであった。

現在のところ、次期バージョンについての詳細は明らかになっていない。ただ、チップはIntelのものに変わるらしい。これが事実であれば、2012年のプロダクトリリース以来、最も大きなバージョンアップであるとも言えるだろう。

これまでのところ、Google Glassはプロダクトとしての安住の地を見つけることなく、いろいろとアップデートを試しているという状況だ。たとえば度付き眼鏡に対応したり、あるいは搭載RAM容量を増やすというようなことを行なってきた。

Intelの方も、長らく等閑視してきたウェアラブルおよびモバイルへの興味をあらわにしてきているところだ。たとえば昨年のInternational CESではモバイルへの強い意欲を示し、かつウェアラブルデバイスのデモを行ったりもしていた。また、今年になってはおしゃれそうに見えつつ、それでもごく限られたニッチを対象とするウェアラブルであるMICAを世に送り出してもいる。Intelのモバイルおよびウェアラブル指向が本物であるのならば、Google Glassにチップを搭載することは、少なくともPR的には大成功と言えるようになることだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google Glass、ついに海外展開を開始

水曜日にマウンテンビューで開幕するI/Oデベロッパー・カンファレンスを目前に控え、Googleは現実拡張ウェアラブルデバイスであるGoogle Glassの国外販売を開始した。

これは4月にアメリカでの販売を招待制から、オープンなものに切り替えたのに続く措置だ。徐々に世界中の利用者に向け提供されていくことになるのだろう。

今回オープンとなったのはイギリスでの話で、これでマウンテンビュー風音声コントロールヘッドアップディスプレイを英国人も操作できるようになる。かなりの額(£1,000)を必要とはするが、Googleパワーを常に身に付ける人間カムコーダーとして活躍できるようになるわけだ。但し、知人をちょっとびっくりさせたいというだけならば、もう少し安い方法を考えた方が良いとは思う。

Google Glassの販売はGoogle Playにて行われる。依然としてExplorer Editionと呼ばれる早期体験希望者向けのベータ版という位置付けではある。Amazon Fire Phoneより高額で、利用する確かなメリットがなければなかなか手を出しにくいプロダクトではあるだろう。

それでも目の前に情報を投影させる機能を使うことにメリットが有ると考える人は、タンジェリンやスカイなどを含む5色から選ぶことができる。好みのフレームおよびシェードが同梱される。

(尚、ダイアンフォンファステンバーグのデザイナーフレームの販売も開始されたが、こちらは今のところアメリカ国内のみでの販売となっている。)

イギリス人向けGoogle Glassアプリケーションとしては、ガーディアン(Guardian)のものがある。最新ニュースやヘッドラインをGlassで確認することができる。また音楽検索アプリケーションのShazamや、フィットネスをゲーム化して楽しむZombies, Run!などは必携アプリケーションかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google Glass、デザイナーフレームを纏ってお洒落に再登場

Google Glassがダイアンフォンファステンバーグ(Diane Von Furstenberg)とパートナーシップを結んだ。これにより、Google Glassがお洒落になる。フレームデザインは5種類が追加となり、カラーバリエーションは8色が加わる。これらニュータイプは6月の23日から、Net-A-PorterやGoogle Glassストアで購入することができるようになる。

今回のプロダクトが、デザイナーと組んだマッシュアップの最初のものとなる。イギリスのアイウェア界の巨人であるLuxotticaとパートナー契約を結んでいることで、今後はレイバンやオークリーブランドのフレームが登場してくることだろう。そう、ちかいうちにGoogle Glassアビエイターが登場してくる可能性もあるわけだ。

もちろん、フレームデザインは変わったものの、コンピューティングを担う部分のハードウェアは従来版と同じものだ。新しいフレームに併せてカラリングは行われるものの、中身は変わらない。価格の方は、これまでの1500ドルよりも若干高額となり、1620ドルとなる予定だとのこと。

GoogleとしてはGoogle Glassを「テックおたく」以外の「一般の人」に広めたい考えがある。そのためにも「お洒落」さが必要になってくるわけだ。そのために、新たな外観で広い層の人の注目を集めようとしている。「プロダクト」ではなく「アクセサリー」としての地位を獲得したいと考えているわけで、そのためにお洒落なフレームを身にまとってみたというわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google GlassがTripItとFoursquareとOpenTable(その前はWord Lens)を統合して旅行の必需品をねらう

昨日(米国時間5/13)Google Glassを合衆国国内で一般販売すると発表したGoogleが、今日はとくに旅行者にとって便利と思われる新しい“グラスウェア”(Glassware)(つまりGoogle Glassのアプリのこと)を披露した。

旅行関連のグラスウェアは、これが初めてではない。昨年秋にはWord Lens for Glassが発表されているから、外国で看板などがわからなくてもWord Lensが翻訳をGoogle Glassの画面に表示してくれる。実はぼくは今日初めてWord Lensを使ってみたんだけど、とってもクールだ。でも今日披露されたグラスウェアは旅行だけじゃなく、近所のレストランを見つけたいときにも役に立つ。

それはともかくとして、Googleが今日のリリースで旅行を前面に打ち出したいことは事実のようだ。Glassのオーナーたち(”Explorers”)に、海外で撮った写真やビデオを#travelthroughglassというハッシュタグで共有するよう求めたほどだから。

今日のグラスウェアつまりGoogle Glassアプリは、TripItとFoursquareとOpenTableからのが主なものだ。ユーザがTripItのアカウントに接続するとGlassのライブカードにフライト情報やタイムラインが表示されるから、TripItアプリをいちいち立ち上げる必要さえない。これらのデータの一部はGoogle Nowにも行くけど、TripIt本体の情報の方が詳しい。

Foursquareのグラスウェアでは、チェックインしたいと言うとGlassが近くの場所のリストをスワイプさせてくれる。Foursquare本体は二つのアプリに分割されたから、近くのよく行く場所ならマニュアルのチェックインは要らない。またGlassでは、近くのレストランを一覧して、その中のどれかをOpenTableで予約できる。すでに予約してあったら、その店がリストのトップに出るので、変更もできる(上図)。

GoogleのGoogle Glass担当デベロッパお世話係(Developer Advocate) Timothy JordanとGlass案内係(Glass Guide) Soji Ojugbeleが見せてくれたデモの真似を自分でもやってみたが、全部で20分はかかったと思う。まあGlassの初心者でなければもっと短かっただろうけど。しかも今日は、いろんなアプリを試用するのにGlassを取り替える必要があった。Jordanは、それが簡単にはやくできることも、記者(ぼく)に示したかったのだ、と言った。

Jordanによると、今回の新しいグラスウェアによって、ユーザにはさらにGlassが身近に感じられたはずだ、という。たとえばバーに飲みに行っても、これまでのようにわざわざポケットからスマホを取り出してチェックインしなくてもよい。友だちがしらけずにすむね。もちろんバーテンや友だちと会話しているときは、いずれにしても無理だけど。あるいは、フライトに遅れそうなので空港で駆け足しているときでも、ゲート番号を確認するために立ち止まる必要がない。

今日のアプリの発表の、Googleからの説明はここにある

ところで、この夏Glassを身につけて旅をするつもりなら、その前にこんなネガティブな意見や、Googleからのアドバイス: Glassバカにならない方法なんか、読んでみるのもよいかもね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsung、Google Glass対抗製品を9月にリリース予定?!

まだいろいろな縛りがあるらしいものの、Google Glassはかなりの人が自由に入手できるプロダクトとなってきているようだ。いろいろなハードルがありながらも、一応は「パブリック」なプロダクトとなった様子。そのような状況の中、Googleのライバルたらんとする競合メーカーも同様のデバイスをリリースする予定にしているらしい。Business Korea(via Business Insider)が伝えるところによればSamsungの従業員から「Gear Glass」という名前のデバイスが、今秋にベルリンで行われるIFAエレクトロニクスショーに出品されるという情報が寄せられたとのことだ。

「Gear Glass」というのはアイウェア部分とイヤホン部分を備えたヘッドセットデバイスであるとのこと。Samsungが推進するTizen OSを搭載したものなのだそうだ。Tizenは現在Samsungの腕時計型デバイスのGearシリーズで用いられている。昨年リリースされた第一世代のGalaxy Gearシリーズから、OSの変更があったわけだ。ウェアラブルデバイスについてみた場合、Tizenには消費電力が低いというメリットがある。充電器に繋いでおく時間が、より短くて済む。

ちなみにSamsungは、ウェアラブルデバイスについて「Gear」というシリーズ名を使用していく意向であるようだ。発表されるらしいGear Glassについては、この「Gear」という名称を使うらしいということ以外、実は詳細がわかっていない。ただ「Glass」の名前が示すように、インタフェースや利用法については、Google Glassと同じようなものであると想定して良いようだ。

今や、あらゆる企業がGlass型デバイスの開発を行っていると言っても過言ではない状況だ。マイクロソフトやAppleなどは各種関連特許を申請中で、EpsonやSonyなどもプロダクトのリリースを予定していると伝えられている。「マーケット」が確立する前に、そのシェアを奪い合う状況が生じつつあるといえるかもしれない。しかし企業というものは、新しいアイデアに飛びつくのがその使命だということもできる。自社の成功が保証されていないにしても、チャレンジせずにはいられない分野であるといえるのかもしれない。

*注:冒頭に掲載している写真は、ずいぶん前にSmasung Glassとして提示されたもの。リリース予定とされるデバイスのものでないことはご注意いただきたい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


今度こそGoogle Glassが期間限定なしに誰でも買えるようになった(アメリカのみ、在庫限り)

Googleは驚くほど静かにGoogle Glassの一般販売を開始した。アメリカの居住者は1500ドル払いさえすれば 、期間限定なしで(ただし在庫があるかぎり)、Google Glassを購入できるようになった。

しかしまだ「市販開始」とはいえないようだ。Googleは依然として「今回のGlassの販売もExplorerプログラムの一部 だ」と注意している。まだベータテストは続いている。

Googleの発表を引用すると、

われわれは依然としてExplorerプログラムを継続中であり、Glassのハードとソフトの改良に取り組んでいます。しかし今日からアメリカ居住者は誰でもGlassのExplorer Editionを購入できるようになりました(ただし在庫限り

この最後の「在庫限り」という注意書きにご注意。Googleはこの留保をつけることによって様子見を続けることができる。なにかあれば「在庫がなくなった」として販売を中断できる。

Glassの販売の道のりを振り返ると、当初は招待オンリーだった。その後友だちからの招待で買えるようになり、数週間前には短期間だが希望者誰にでも販売された。今回はまた一歩進めて、期間を限定せず、ただし一定数量に限って、一般販売を試みることになったわけだ。

申し込みはこちらから

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


PradaデザインのGoogle Glassはこんな感じ

「プラダを着た悪魔」という映画があった。その映画に思いを馳せたか、ドイツのテック系サイトであるCurved.deが、「PradaがGoogle Glassをデザインしたらどうなるか」という記事を掲載していた。ヨーロッパ人にとってみれば、そんなことを考えるのが楽しいことであるらしい。

CurvedはGoogle Glassを高く評価しているが、しかしデザイン的な工夫を凝らすことで、「テックファンにとっての聖杯」的アイテムとすることも可能だと考えているようだ。確かにそんな可能性はあるかもしれない。

Googleが世界最大のアイウェア製造業者であり、Bvlgari、Burberry、Chanel、D & G、Dolce & Gabbana、DKNY、Emporio Armani、Giorgio Armani、Miu Miu、Polo、Ralph Lauren、Paul Smith、Prada、Salvatore Ferragamo、Versaceなどにも製品を提供するLuxotticaと提携したのもそうした考えがあってにことだと思われる。

Curvedによる「想像Google Glass」は、PradaのAbsolutely Ornateという実在のサングラスをモデルとしたものだ。そこに、Pradaならこうするのではないかという想像要素を加えたものとなっている。

・メガネケースを介したワイヤレス充電
・カメラを中央に配置したシンメトリーなデザイン
・一方のみでなく、両方のテンプルへのバッテリー搭載
・画面投影にはピコプロジェクターを採用
・インタフェースのワイヤフレーム化

確かに、これはなかなか洒落た出来栄えであるように思えるが、如何だろうか。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Google、Glassを「かけてみる」プログラムをスタート

Google Glassに興味はあるが、かけると人からどう見えるか不安なあなた。Googleは、購入予定者がGlassの全4カラーモデルおよびチタンコレクションのすべてを、自宅で試せるプログラムを開始した。

残念ながら、このGlassは動作しないので、ユーザーインターフェースをいじってみることはできない。 9to5google reportsによると、使われるのは返却された製品で、USBポートを壊して充電できないようになっている。いずれにせよGoogleは、これらのユニットがユーザーの元に残ることは望んでいない。

プログラムは無料だが、クレジットカードには50ドルが課金され、機器を返却すると返金される。

Glassのサイトにはこのプログラムのことが書かれていない。詳細は、以前Googleに対してGlassの購入を考えていると伝えた潜在顧客にメールで送られたようだ。しかし、下に貼ったメールに載っている番号に電話すれば、誰でもプログラムに登録できるかもしれない。Googleは、みんなにGlassをかけてもらいたがっている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook