Square Offが丸められるスマートチェス盤を発表、チェスブームの追い風は吹くが注目の駒自動移動システムは未搭載

我々はここ数年、CESにおいてコネクテッドチェスのスタートアップであるSquare Offを取材してきた。ムンバイを拠点とするこのスタートアップは、ユーザーが世界中の対戦相手と物理的なチェスゲームをプレイできる技術を急速に改良しており、新しいモジュール式ゲームシステムの「Swap」もその1つだ。

米国時間1月11日のCESで発表されたロール式システムは、同社の製品にある程度のポータビリティを追加した。ただし、いくつかの魔法が失われている。持ち運びを容易にするために、丸めてバックパックに収納できるボードを採用した一方、自動移動する駒が犠牲になったのだ。駒の自動移動システムは、この技術を目立たせた大きな要素だった。

画像クレジット:Square Off

システムは今までどおりSquare Offの既存のAIとコネクテッドテクノロジーを利用しており、世界中の人々と対戦できる。対面で集まれない状況が続いていることと、Netflix(ネットフリックス)の大人気番組「The Queen’s Gambit(クイーンズ・ギャンビット)」の影響でチェスへの関心が高まる中、このスタートアップが新製品をローンチするには良いタイミングのように思える。

これまでの製品とは異なり、Square Offはクラウドファンディングサイトを経由せずに製品をローンチする。Square Offは2021年3月頃に製品を市場に投入する予定で、価格は199ドル(約2万1000円)だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Square OffCES 2021

画像クレジット:Square Off

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ゲーミングプラットフォームのRobloxが約3.7兆円の評価額7倍で資金調達、直接上場に向けて準備

ソーシャルゲームプラットフォームのRoblox(ロブロックス)は、巨額のシリーズH調達が評価額を295億ドル(約3兆665億円)まで引き上げ、世界で最も価値のある非公開企業の1つとなった。とはいえ、この会社が非上場企業でなくなる日は間近だ。

Altimeter CapitalとDragoneer Investment Groupが主導した5億2000万ドル(約540億5000万円)の資金調達は、Crunchbaseによるとこれまで累計3億3500万ドル(約348億円)強を投資家から調達していたRobloxにとって重大な資金流入となる。今回のラウンドには、Investment Group of Santa Barbara(IGSB)、ワーナー・ミュージック・グループ、そして多数の現存投資家も参加している。

2020年2月に同社は、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)が主導して1億5000万ドル(約156億円)のシリーズGをクローズし、評価額は40億ドル(約4160億円)となっていた。

Robloxは当初2020年のIPOを計画していたが、DoorDashとAirbnbの初日の大規模な株価上昇を受けて、同社の経営陣はスケジュールを再考したとAxiosが報じている。こうした初日の大きな株価上昇は、株式を売却した企業にとって多額の潜在的利益を失うことになるため、Robloxは同様の結果を避けようとしている可能性が高い。米国時間1月7日、同社は、直接上場による公開市場への参入を計画していることを発表した

Robloxの評価額が7倍に跳ね上がったということは、公開・非公開市場がいかにテック株に関し熱を帯びているかを示している。また、この評価額は、パンデミックのためより多くのユーザーがオンラインでソーシャルゲームプラットフォームを利用するようになった流れに乗って、同社がどのように利益を得るかを、投資家が予測していることを浮き彫りにするものだ。2019年の目論見書では、同社は1760万人のユーザーを抱えていたが、現在、Robloxは3100万人のデイリーアクティブユーザーがいるとしている。

関連記事:オンラインゲームプラットフォームのRobloxがAndreessen Horowitzから165億円調達、評価額4400億円に

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Roblox資金調達

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(翻訳:Nakazato)

Epic Gamesが老舗ゲーム開発ツール会社RAD Game Toolsを買収

Epic Games(エピック・ゲームズ)は米国時間1月7日、長年ゲーム開発のツールを作り続けてきたRAD Game Tools(RADゲームツールズ)の買収を発表した。RAD Game Toolsという会社は、あまり表には出てこないものの、長年にわたり多くのゲームタイトルでオープニングに登場するカラフルなBink Video(ビンク・ビデオ)のロゴは、多くのゲーマーが知っているだろう。

RAD Game Toolsの創設者兼CEOであるJeff Roberts(ジェフ・ロバーツ)氏は、発表の中で「Epicとは数十年前から一緒に仕事をしていますが、製品、ミッション、文化の面が一致していることから、次の段階として両社が手を組むのは自然なことです」と述べている。最近はその協力関係もますます強まっていたようだ。

エンジンとプラットフォームの緊密な統合は優れた標準となり、優れた標準は開発者たちに受け入れられるようになる。そのため、Epic GamesはSony(ソニー)と提携し、いち早くそのUnreal Engine(アンリアル・エンジン)に様々なコンポーネントを搭載し、次世代ゲームのための包括的な開発プラットフォームとして位置づけている。

画像クレジット:RAD Game Tools

RADは、その明らかに古風なウェブサイトが証明しているように、長年多くのゲームに関わってきた。「Bink(ビンク)」は、ゲームの世界で重要な高圧縮と高速レンダリングに焦点を当てたゲーム用のビデオコーデックだ。Oodle(ウードル)、Telemetry(テレメトリー)、Granny 3D(グラニー3D)、Miles Sound System(マイルズ) などは、素人には理解できない開発ツールだが、多くのファンがいることは間違いない。

エピックは今でこそ金儲けマシン「Fortnite(フォートナイト)」の生みの親として知られているかもしれないが、ゲーム開発会社として数十年におよぶ歴史があり、おそらくRADで働く人々のこともよく知っているだろう。そのことは今回の買収が行われる際の友好的な条件を説明するのに役立つかもしれない。

「RADは今後もゲーム業界、映画、テレビのパートナーをサポートしていきます。同社の販売・事業開発チームは、Unreal Engineを利用していない企業も含め、あらゆる業界の企業に自社製品のライセンスを維持・販売していきます」とEpic Gamesは発表の中で述べている。

そのため、BinkなどのツールはEpicの管轄外でも誰もが利用できるが、ほぼ確実にUnreal Engineのエコシステムとの統合が進むだろう。ゲーム開発のコストと複雑さが増すほど、簡略化するための方法が活用される。Epic Gamesは、Unreal Engineを最もグラフィック機能が強力な開発用エンジンにするだけでなく、最も統合されたエンジンにするために尽力している。

この買収に関するさらなる詳細とコメントをRAD Game Toolsに求めたが、Epicにそれが伝わり返答を断られた。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesRAD Game Tools買収

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:TechCrunch Japan)

マイクロソフトのARゲームMinecraft Earthが2021年6月末にサービス終了、新型コロナの影響

2019年を通してMicrosoft(マイクロソフト)のMinecraftはゲームにおける拡張現実(AR)構築を実験してきた。このゲームはPokémon GOと似ており、現実世界上にMinecraft Earth呼ばれる仮想世界を重ね合わせようとするものだった。そしてMinecraft Earthは2019年11月にようやく一般公開された。

ところが、あと数か月後にMinecraft Earthは閉鎖され、プレイヤーデータもすべて削除されることが発表された。

一体何が起きたのか?Minecraft Earthの開発チームはこう述べている。

Minecraft Earthは、プレイヤーがどこにでも自由に移動でき協力してプレイを楽しめるようデザインされました。ところが現在の世界の状況が、これをほぼ不可能にしてしまいました。私たちは、Minecraftコミュニティにいっそう大きな価値を与える別の領域にリソースをシフトすることを決定しました。これにともない2021年6月にMinecraft Earthのサポートを終了をするという難しい決断を下さざるを得ませんでした。

簡単にいえば、このゲームはパンデミックに撃墜された。Pokémon GOはすでに熱狂的かつ膨大な数のプレイヤーによって強力な基盤を築いている。しかも好奇心に駆られた新たなユーザーも、安定して流入している。しかし静止状態からいきなり時速100kmに加速することはできない。

では次にどうなるかというと、以下のとおりだ。

  • チームは最終アップデートを配信し、すべてのアプリ内課金メカニズムを削除する。同時にこのアップデートで、残る時間を最大限利用できるようゲームを簡単かつ高速にする。
  • 2021年6月30日にゲームはシャットダウンされる。インストール済みのアプリも動作しなくなる。翌7月1日にプレイヤーのデータがすべて削除される。
  • Minecraft Earth内で課金を行ったユーザーは金額に関わらずMinecraft Bedrockのコピーを無料で入手できる。またMinecraft Earthの仮想通貨ルビーの使い残しがあるプレイヤーは、Minecraftコミュニティのマーケットプレイスで利用できるMinecoinに交換できる(交換率は未発表)。

クールなコンセプトだっただけに、発表からわずか1年でシャットダウンが発表されたことは非常に残念だ。しかし他に方法はなかったのだろうか。

関連記事:Minecraft Earthが北米その他の地域で正式開始

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MicrosoftMinecraft Earth拡張現実

画像クレジット:Mojang

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Pokèmon GoのNianticがゲーマー用コミュニティプラットフォームのMayhemを買収

Pokèmon Goの開発で知られるNiantic(ナイアンティック)がサンフランシスコの小さなゲーミングスタートアップを買収した。同スタートアップは、ゲーマーが人気のタイトルについてのコミュニティを作るのをサポートするためのリーグ・トーナメント組織プラットフォームを構築している。

Crunchbaseによると、Mayhem(メイヘム)はY Combinatorの2018年冬クラスに参加して570万ドル(約5億9000万円)の調達に取りかかった。その他の出資者には2018年のシリーズAをリードしたAccelそしてAfore Capital、 NextGen Venture Partnersなどがいる。

MayhemのフォーカスはYCデビュー時からわずかにシフトした。デビュー当時、同社はeスポーツゲームプレイのビデオ並びにコーチユーザーがいかにパフォーマンスを向上させられるかを分析するVisorというサービスを発表した。そして同社はゲーマーが試合を見つけたり、同社プラットフォーム上でOverwatchのようなゲームのためのトーナメントを組織したりするのをサポートするコミュニティツールへとフォーカス全体をシフトさせたようだ。

Nianticは買収の取引条件を明らかにしなかった。

Mayhemのチームの「大半」はNianticに加わる。MayhemのCEOであるIvan Zhou(イヴァン・シュウ)氏はNianticのソーシャルプラットフォームプロダクトチームに、残るメンバーはプラットフォームエンジニアリングに入る。

Nianticは声明文で、買収が「当社のミッションの中心にある現実世界のソーシャルへのコミットメントを強化する」と主張した。

Nianticの最近の買収のほとんどがテクノロジーを駆使した拡張現実(AR)に集中しており、今回のようにコミュニティ組織にフォーカスしているテックの買収は興味深い。

Pokèmon Goは引き続きNianticのドル箱商品だが、その後の新作ではPokèmon Goほど口コミで成功しておらず、オーガニック成長は偶然手に入れられるほど簡単なものではない。コミュニティツールを構築するスタートアップの買収は、NianticがAR分野における野心と比類なきヒットのための広域プラットフォームの構築に努めている中で、自分たちの取り組みを前に進めるのに社外のテックを取り込む準備が整ったことを意味する。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Niantic買収

画像クレジット:Bloomberg/Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

任天堂が「ルイージマンション3」のゲームスタジオNext Level Gamesを買収

ゲーム大手のSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)はM&Aを戦略的成長計画の重要な一部としているが、任天堂は外部の人材を自社のビデオゲーム帝国に引き込むことに常に消極的だったように見える。しかし米国時間1月5日、同社は「Luigi’s Mansion 3(ルイージマンション3)」を開発したカナダを拠点とするデベロッパーのNext Level Gamesを買収すると発表した。

任天堂がスタジオを買収するのは、2007年に「Xenoblade Chronicles(ゼノブレイド)」の開発元であるMonolith Soft社を買収して以来のこととなる。

Next Level Gamesは10年間以上にわたり、任天堂がライセンスしたIPを独占的に開発しており、「Super Mario Strikers(スーパーマリオストライカーズ)」シリーズやモバイル版の「Metroid Prime(メトロイドプライム)」「ルイージマンション」など、同社のセカンドティアに位置するタイトルを数多く手がけてきた。

バンクーバーを拠点とするNext Level Gamesは、以前はファーストパーティIPの提供が少なかったが、Nintendo Switch向けの「ルイージマンション3」を発売して以来、大きな成功を収めている。最近の決算報告によれば任天堂は同タイトルを約800万本販売し、Nintendo Switchのトップセールスタイトルの1つとなったと発表している。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:任天堂Next Level Games買収

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

インドでソニーのPlayStation 5が2月2日に発売、パンデミックで被害を受けたサプライチェーン復活

Sony(ソニー)は米国時間1月1日に、インドでPlayStation 5を2月2日に発売すると発表、2020年、新型コロナウイルスのパンデミックで深刻な被害を受けたサプライチェーンのネットワークが、改善されたことを匂わせた。

同社によると、世界で2番目に大きなインターネット市場であるインドでは、予約販売を1月12日に始める。予約を受け付ける店舗はAmazon India、Flipkart、Croma、Reliance Digital、Games the Shop、Sony Center、そしてVijay Salesとなる。

PlayStation 5のインドでの価格は4万9990ルピー(約7万200円)で、ディスクドライブのないデジタル・エディションは3万9990ルピー(約5万6500円)ドルだ。一方、XboxはSeries Xがインドで685ドル(約7万800円)、Series Sが480ドル(約4万9600円)だ。この2つはインドで2020年11月に発売された。

それでも世界各地と同じく、Microsoft(マイクロソフト)はインドでも新しいXboxの需要に対応できないでいる。特にXbox Series Xは激しく品薄で、Amazon Indiaでそのページを見つけることすら難しい。

本日の発表は、PlayStationの熱心なファンの不安を和らげるだろう。一部のファン(私もその1人だが)は、インドがPS5の最初にマーケットに含まれないとわかってからは、グレーマーケットで高価な品物を入手していた。ファンはソニーとその代理店などに対して、インドでの発売に関して明確な発表がないことや、店によって離していることが違うことに不満を抱いていた。

ソニーは11月に、PS5のインドでの発売の遅れを、輸入に関する規制の所為にした。ゲームのニュースサイトであるThe Mako Reactorは今週初めに、SonyはインドでPlayStation 5のアクセサリーに関して保証や販売後のサポートを提供しないと報じている(The Mako Reactor記事)。それは、前世代機種でもあったことだ。

インドはまだ、本格的なゲーム専用機の大市場ではない。業界の推計によると、ソニーとマイクロソフトはインドで前世代のゲーム機を数十万台しか販売していない。インドは安価なAndroidスマートフォンが急増している(未訳記事)し、データ料金は世界一安いたため、最近では何千万人ものインド人がモバイルゲームを楽しんでいる。

関連記事:グーグルがインドの通信大手Reliance Jio Platformsに約4800億円出資

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:SonyPlayStationMicrosoftXBoxインド

画像クレジット:Phil Barker/Future Publishing/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトとEYがブロックチェーン基盤のXboxゲーム用著作権・ロイヤリティ管理システムを本稼働

マイクロソフトとEYがブロックチェーン基盤のXboxゲーム用著作権・ロイヤリティ管理システムを本稼働

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月20日~12月26日の情報から。

会計・税務関連サービスを提供するEY(アーンスト・アンド・ヤング)Microsoft(マイクロソフト)は、「Quorum」(クォーラム)ブロックチェーンを基盤とする、マイクロソフトのゲームに関する著作権・ロイヤリティ管理プラットフォームを機能拡張した。日本法人EY Japanが12月25日に報じた

同ブロックチェーンプラットフォームに関しマイクロソフトは、ゲームブランド「Xbox」のパートナー、アーティスト、ミュージシャン、ライター、その他コンテンツクリエーターのネットワーク向けに、ロイヤリティ契約の締結から支払・照合までを網羅する財務記録システムとして活用していく。EYは、契約関連の計算や取引処理を自動化できるようサポートする。

両社は共同で、2018年6月よりデジタルコンテンツの著作権とロイヤリティを管理するためのブロックチェーンプラットフォームを開発し、マイクロソフトおよび、マイクロソフトとパートナーシップを組むゲームパブリッシャー向けに、試験提供を続けてきた。

著作権やロイヤリティを多数扱うゲーム業界では、著者、作詞・作曲家、プロダクション関係者、ソフトウェアデベロッパーなど支払先が複数存在する。毎月、何万件・数十億ドルにのぼるロイヤリティが支払われている中、従来のロイヤリティ計算は、一般的にオフラインのデータソースを使用し、手作業で行われていたという。

両社が開発を進めてきたブロックチェーンプラットフォームは、他社に知的財産や知的資産をライセンス供与する企業や、ロイヤリティ契約に基づきクリエイターに対価を支払う業態の企業など、広範囲に適用できるよう設計。支払処理に時間を要するゲーム業界の著作権やロイヤリティの管理システムを合理化し、コストの削減を目指してきた。プラットフォームには、スマートコントラクトが組み込まれており、リアルタイムにロイヤリティを計算できるよう設計している。

ネットワーク基盤は、コンセンシス(ConsenSys)がオープンソースソフトウェアとして公開しているEthereum(イーサリアム)基盤のコンソーシアム型ブロックチェーンQuorum、Microsoft Azureのクラウドインフラ、ブロックチェーン技術を組み合わせ、合意内容の機密性が関係者全体で確保できるよう構築。

さらに拡張された今回のブロックチェーンプラットフォームでは、Microsoft Azureをベースにした人工知能(AI)を活用し、契約書のデジタル化を加速し、より迅速な契約書作成が可能になった。また、明細書と請求書をシームレスに生成し、それらをERP(総合基幹業務システム)に統合することで、ロイヤリティ決済の処理スピード、可視性、透明性を向上させている。拡張されたプラットフォームにより、ゲーム開発パートナーとの契約をすべてデジタル化し、ほぼリアルタイムでロイヤリティ計算を行うことで、処理時間を99%短縮する。

このブロックチェーンプラットフォームは、ソフトウェア業界で「ソークテスト」と呼ばれる、膨大なトランザクション下でのパフォーマンスをサポートするためのテストが行われ、1日あたり200万件の取引を処理できることが実証されているという。

今回の機能拡張により、マイクロソフトのグローバル・ファイナンス・オペレーションのゼネラルマネージャー Luke Fewel氏は「今回の拡張ソリューションの本稼働は、ブロックチェーンとスマートコントラクトのテクノロジーを活用したロイヤリティ決済の明るい第1歩となりました。これによって、拡張性を備えた財務およびオペレーションプロセスの合理化と、膨大な手作業によるスタッフの負担軽減、ゲームパートナーのエクスペリエンス向上が可能になります。引き続き、ロイヤリティ・エコシステム全体に本ソリューションを浸透させてプロセスの改善を図り、現代に即したファイナンスジャーニーを積極的に進めていきたいと思います」と語っている。

また、EYのグローバル・ブロックチェーン・リーダー Paul Brody氏は「ブロックチェーンは今後、企業間のやり取りのデジタル化になくてはならない重要な要素となるでしょう。今回、私たちは契約のデジタル化から財務上の未収金の計上に至るすべてのアクティビティの自動化とサイクルタイム短縮を進めました。この拡張バージョンの本稼働は、ブロックチェーンを活用したデジタル化の道のりにおいて大きな1歩となりました。このようなブロックチェーンソリューションは、ポイントツーポイントの統合からエコシステムレベルの自動化へとレベルアップする一助となります」と述べている。

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タグ:Ethereum(製品・サービス)EY / アーンスト・アンド・ヤングXbox / エックスボックス(製品・サービス)オープンソース / Open Source(用語)Quorumブロックチェーン(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)Microsoft Azure(製品・サービス)

AWSが任天堂の「Nintendo Switch Online」に採用されていることを発表

AWSが任天堂の「Nintendo Switch Online」に採用されていることを発表

アマゾン ウェブ サービス ジャパンは12月25日、任天堂の「Nintendo Switch」ソフト向け有料サービス「Nintendo Switch Online」において、AWS(アマゾン ウェブ サービス)が採用されていることを発表した。

AWSが採用されることで、任天堂のサービスはゲームプレイの需要拡大に応じて容易にスケールできるようになり、増加するサービス規模に対して柔軟な対応が可能としている。

AWSは2011年から任天堂に採用されており、ニンテンドー3DSやWii Uのオンライン機能においても活用されてきた。Nintendo Switchにおいても、プッシュ通知をはじめ、ゲームをダウンロードできるニンテンドーeショップなど様々な機能でAWSが利用されているという。

Nintendo Switch Onlineは2018年9月に開始。これらの実績が考慮され、AWSは、世界で2600万超える(2020年9月16日発表)会員が利用する「Nintendo Switch Online」にも採用された。

任天堂は、クラウド向けに構築されたMySQLに対応したリレーショナルデータベース「Amazon Aurora」と、コンピューティングエンジン「AWS Fargate」を利用しており、フルマネージド型のコンテナオーケストレーションサービス「Amazon Elastic Container Service」(ECS)でサーバーレスコンピューティングを実現している。

「オンラインプレイ」「セーブデータお預かり」「スマートフォン向けアプリ」などのサービスにAWSを活用。オンラインプレイに対応したタイトルのヒットを契機として飛躍的に伸びた会員数にも対応が可能となったとしている。

AWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、分析、ロボット工学、機械学習および人工知能(AI)、IoT、モバイル、セキュリティ、ハイブリッド、VRおよびAR)、メディア、ならびにアプリケーション開発、展開および管理に関する175種類以上のフル機能のサービスを提供。

AWSのサービスは、24リージョンにある77のアベイラビリティーゾーン(AZ)で利用可能。これに加え、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、スペイン、スイスを含む6つのリージョンにおける18のAZの開設計画を発表している。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)Amazon Elastic Container ServiceAmazon AuroraAWS Fargate任天堂 / Nintendo(企業)Nintendo Switch / ニンテンドースイッチ(製品・サービス)日本(国・地域)

ゲームチャットDiscordが145億円調達、月間アクティブユーザーは1.4億人

ソーシャルディスタンスの強制が続くことも大きな要因となってあらゆるコミュニケーションのリモート化は我々の社会、経済活動においてますます重要な地位を占めている。そこから利益を得ている企業には資金も集まってくるようだ。ゲーマーをはじめ多くの人に使われている人気チャットのプラットフォームであるDiscordがさらなる資金調達で1億4000万ドル(約144億8000万円)を調達し、月間アクティブユーザー数も1年前の2倍となる1億4000万人に達するという。

Discordに近い複数の情報源は今回のラウンドの会社評価額が70億ドル(約7238億円)だったと明かした。これはわずか6カ月前の評価額の2倍にあたる。

我々はDiscordがシリーズHラウンドの調達総額1億4000万ドル、評価額は70億ドルに達する見込みだと書いている。これは同社がデラウェア州当局提出した会社情報によるもので、最初に発見したのはPrime Unicorn Indexだった。つまりDiscordがすでに調達した1億ドル(約103億4000万円)にさらに4000万ドル(約41億4000万円)を調達する(そしておそらくはすでに調達した)ことを意味する(我々はアップデートでこの部分を確認した)。

Discordの共同創業者でCEOのJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏は声明でこう述べた。

信じられないほど多様なコミュニティがDiscordを集まる場所に選び、驚くほどの成長を達成できたことを光栄に思い、また身の引き締まる思いをしています。2021年に向けて、無料サービスと有料のサブスクリプション、Nitrの双方をさらに改善するために調達した資金役立てる予定です。

今回のラウンドはGreenoaks Capitalがリードし、Index Venturesも参加していることを複数の情報源が確認している。Greenoaks Capitalの創業者でマネージングパートナーであるNeil Mehta(ニール・メタ)氏は次のように述べている。

(Greenoaksは)ゲームをプレイするにも、レシピを共有するにも、ビジネス上で共同作業するにもコミュニティが集まるのに最適な場所がDiscordだと信じています。これは人々の交流の方法が限りなくイノベーションを続け、成長し、最終的には世界中の何十億もの人々をつなぐ場所となるはずです。Discordチームとのパートナーシップを長期的な続けることができることは幸運です。

PrimeUnicornのレポートは、数週間前のTechCrunchの記事を裏づけてる。情報源は同社が2020年11月末に最大70億ドルの評価額でラウンドを実施中だと確認した(我々はこの評価額が事実かどうか確認しようとしている)。

今回のラウンドの情報はしばらく前から流れており、一部では「未公開のスタートアップの上場を準備する「プレIPOラウンド」だとしていた。Prime UnicornはDiscordの今回のラウンドでの1株あたりの評価価格は280.2487ドルで、シリーズGでは144.1809ドルだったとしている。

同社の既存投資家はGreylock、IVP、Spark Capital、Tencent、Benchmarkなどだ。ラウンドHの1億4000万ドルを含めてスタートアップが調達した総額は4億2000万ドル(約434億3000万円)になる。

これほど大規模な資金調達は、コミュニケーションのためのバーチャルチャンンルが現在の我々の生活の重要な部分だというの証であるのはもちろんだが、Discord自体の急成長をも意味する。

Discordはもともと人気オンラインゲームをプレイする際のコミュニケーションチャネルだった。簡単にいえば、誕生当初はゲームの副産物だ。ジェイソン・シトロン氏とStanislav Vishnevskiy(スタニスラフ・ヴィシュネフスキー)氏はHammer&Chiselゲームスタジオの一部として、ゲーム(自身で開発したものはもちろん、サードパーティーのゲームも含めたすべてのゲーム)をプレイしながら戦術その他の情報を共有するツールとしてスタートした。

Amazon(アマゾン)が提供するゲームストリーミングサービスのTwitchやeスポーツののプラットフォームでは、プレイヤーと観客の双方が「今画面で何が起きてきるのか」についてリアルタイムで解説が得られる場所を持つことが特に重要になる。

今や本格的ゲームだけでなくカジュアルゲームも、マスマーケットをターゲットとしなければならない。そこでゲーマーのコミュニケーションツールも大規模化が自然の流れとなる。事実、Discordの成長は爆発的で、月間アクティブユーザー数は2020年は2倍の1億4000万人に達し、1日あたりのダウンロード数は80万に上るという。

DiscordはAmongUsのようなバイラルに人気が出たゲームで使われており、ゲーム以外の用途にも拡張されている。こうしたことが追い風の要因だろう。

同社は2020年初めに35億ドル(約3618億7000万円)の評価額で1億ドル(約103億4000万円)を調達しており、その時点でシトロン氏とヴィシュネフスキー氏は、Discordのプラットフォームがすでにゲームという分野を超えた存在になっていることを示唆した。両氏はこう述べている。

多くのユーザーにとってDiscordはもはやビデオゲームの付随サービスではないことが判明した。これは情報の交換にせよ、充実した時間を過ごすためにせよ、 単に親しい友だちと居心地よく会話するためにせよ、Discordが最適なツールとなっている。

しかしながら、ゲーム世界の外への成長は同時に痛みをともなうものでもあった。Discordは、プラットフォームで白人至上主義のような不快なメンバーと戦わざるを得なかった。同社はこうした戦いは峠を過ぎており、プラットフォーム上にBlack Lives Matterの主催者もいるし、そもそも非政治的なソーシャルメディアのインフルエンサーも多いと主張している。ただしすべての批判者を納得させるところまではいっていないようだ。まだ過去の話ではなく引き続き取り組むべき課題なのだろう。しかしこれは他のソーシャルプラットフォームも同じだ。

Data & Society Research Instituteのメディアバイアスの上席研究員であるJoan Donovan(ジョーン・ドノヴァン)氏は、数年前にSlate のインタビューで「Discordはが暴露や嫌がらせキャンペーンの組織化の中心」になっていると非難した。

ラウンドGの直後にラウンドHで1億4000万ドルもの資金調達が実施できたことは興味深い。同社とその投資家はDiscordがゲーマーだけでなく、オンラインに参加している多くの々のために優れたコミュニケーションのプラットフォームとなる明確な野心を持っていまる。ただしこれは巨額の資金を要する野心だ。

しかし野心の一部はすでに実現されている。Discordの画面共有機能がデスクトップからiOSとAndroidアプリに拡張されるという最近のニュースがいい例となる(Twitterが最近Squadを買収したことに似ている)。

ラウンドHの1億ドルの資金調達をリードしたIndexVenturesのDanny Rimer(ダニー・リマー)氏、「Facebookのように投稿をそのまま表示するのではなく、(Discordは)コンテキストを含めたコミュニティにおける有体験を提供します。Slackがビジネスチャットで果たしている役割をDiscordはソーシャル分野の会話で果たすでしょう」と述べている。

なおPrime Unicorn は、シリーズHラウンドでは「精算時に残余財産があった場合の分配をすべてのラウンドの参加者を同一権利として扱うパリパス方式によるものとしていることに注意するよう」促している。

Prime UnicornIndex_Discord_COI_12112020(デラウェア州提出文書・PDF)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Discord資金調達ゲーム

画像クレジット:Discord

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ニューヨーク・タイムズが拡張現実を使ったクロスワードパズルをInstagramで公開

The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が、名物のクロスワードゲームを拡張現実(AR)に持ち込んだ。同メディア会社は米国時間12月22日朝、AR対応の新しいゲーム「Shattered Crosswords」をInstagramで発表。プレイヤーは回転する砕けたクロスワードの破片をARで見つけて、手がかりを解くことができる。正しい視点に到達すると、プレイヤーはパズルの上にある破片の中に隠された単語を見つけることができる。

このコンセプトは「Polysphere」のような他の3Dパズルに見られるものと似ている。Polysphereは、表示されている破片をスワイプして回転させ、1つの絵を完成させるというものだ。しかし、ニューヨーク・タイムズの場合は、ゲーム体験全体を拡張現実で見ることができる。

この新しいゲームは、Facebook(フェイスブック)のARプラットフォーム「Spark」の技術を使って開発されており、ニューヨーク・タイムズがARゲーム体験を作るのはこれが初めてだと同社は述べている。

しかし、ニューヨーク・タイムズがAR技術を使うのはこれが初めてではない。

今秋、ニューヨーク・タイムズはFacebookとの複数年にわたる提携を結び、Instagram上でARを活用した一連のリポートを公開することに注力する(The New York Timesリリース)と発表した。このレポートは、AR技術を使って、よりビジュアルでインタラクティブな方法でストーリーを伝えるものだ。この新しい取り組みをサポートするために、ニューヨーク・タイムズは独自のARラボを設立。その十数人のスタッフがニュースルームの専任チームと協力して、ARジャーナリズムのコンテンツを開発している。

このARラボはこれまでに、女性参政権100周年フェイスマスクの有効性の裏にある科学カリフォルニアの山火事の報道などに関連したビジュアルストーリーの制作を支援してきた。

Facebookとの提携とは別に、ニューヨーク・タイムズは以前にもARを使った実験を始めている。たとえば2018年には、独自のiOSとAndroid向けアプリで、ストーリーを語るために拡張現実を使い始める(The New York Timesリリース)と発表した。

これまでニューヨーク・タイムズは、ソーシャルメディア上でプレイヤーを惹き付けるための方法として、Twitter(ツイッター)やFacebookなどのSNSプラットフォームで、クロスワードの「ライブ解答」を行ってきた。しかし、これらは独立したゲームでも、AR技術を使って作られたものでもなく、単なる視聴体験(Twitter投稿)に過ぎなかった。

とはいえ、この新しいゲーム自体には、ニューヨーク・タイムズによる興味深いARのデモということ以上の魅力は、限られているかもしれない。

パズルは小さくて単純すぎて、本格的なクロスワードファンにはアピールできないし、破片の中からヒントを見つけるにはジェスチャーや動きが必要で、時間が経つとイライラしてくる。また、Polysphereのようにスムーズに動かないことも気になった。

従来のモバイルゲームや一般的なクロスワードパズルと比較して、この手のパズルを度々楽しみたいという人がどれだけいるかはわからない。

この「Shattered Crosswords」ゲームは、Instagramアプリでニューヨーク・タイムズ(@nytimes)のプロフィールページを見ると、同社の他のARリポートと並んで「Effects」タブの下にある。iOSとAndroidの両プラットフォームで動作する。

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タグ:The New York Times拡張現実ゲームFacebookSpark ARInstagram

画像クレジット:The New York Times

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ロックダウンを追い風に急成長中のリトアニア発ゲーミングマーケットプレイスEnebaが8億円調達

ゲームや他のプロダクトを販売するゲーマーのためのマーケットプレイスEneba(エネバ)がPractica CapitalとInReach Venturesから800万ドル(約8億3000万円)を調達した。この資金調達はシードラウンドとシリーズAラウンドの「合体」だと形容されている。リトアニア発のEnebaの資金調達にはまたFJ Labsや、VintedのCOO、Mantas Mikuckas(マンタス・ミカッカス)氏のようなエンジェル投資家も参加した。この資金調達は、またもテックエコシステムにおけるバルト地方の存在感を際立たせている。これより前に、リトアニアは同国初のユニコーンであるVinted(ヴィンテッド)を輩出し、エストニアは同国のユニコーンリストにPipedrive(パイプドライブ、未訳記事)を加えた。

パンデミックでデジタルエンターテインメントへの移行が加速する中で、Enebaは米国でトラフィックを増やしてきた。学生時代の友人同士だった2人のリトアニア人であるVytis Uogintas(ヴィティス・ウーギンタス)氏とŽygimantas Mikšta(シギスムンド・ミクスタ)氏が2018年に立ち上げたEnebaは、「購入するのにワンクリック」のゲーマーエクスペリエンスと指紋テクノロジーといったセキュリティ機能でユーザー2600万人を獲得した。Enebaはまた、その地域でトレンドとなっているゲーミングプロダクトを表示するためにローカライズされたゲーミングエクスペリエンスを最適化している。Enebaのプラットフォームはリスクのある取引を減らし、返金プロセスを簡単にし、詐欺の脅威に対処するようデザインされている。

共同創業者でCMOのミクスタ氏は「先行きが不透明な時代にあってEnebaは多くの新規ユーザーを獲得しました。ユーザー数が10倍以上になったことは喜ばしい一方で、需要に応えるのに困難な点もありました。ユーザーの増加に適切に対応するために、チームを急いで130人に拡大しなければなりませんでした」と話した。

ゲームに関連するバーチャル商品やサービスがかなり詐欺や窃盗の影響を受けやすいことから、オンラインゲーミング分野でセキュリティは喫緊の課題となっている。Amazon(アマゾン)やeBay(イーベイ)、そしてGamestop(ゲームストップ)やGame.co.ukのような小売とEnebaは競合するが、同社はゲーム世界で売買する人のためにリスクのある問題を解決しつつ、ゲーマー向けにより良い、あつらえのオンライン購入エクスペリエンス提供してきたと考えている。

Practica CapitalのパートナーであるDonatas Keras(ドナタス・ケラス)氏は「ヴィティスとシギスムンドを支援することを楽しみにしています。事業を急拡大するにあたってそうしたかなりのスピードで実行できるEnebaの能力、そしてユニークな価値プロボジッションで信じられないようなプロダクトを展開する能力に感銘を受けてきたました」と述べた。

InReach Venturesの共同創業者であるRoberto Bonanzinga(ロベルト・ボナンジンガ)氏は「欧州ではゲーム分野で成功を収める企業を輩出する伝統を持っています。Enebaが無名で目立っていなかったときにAIプラットフォームのおかげで同社を発見できたことにかなり興奮しています。創業者2人が短期間の間に構築できたものに非常に感銘を受けました」と述べた。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Eneba資金調達

画像クレジット:Eneba

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(翻訳:Mizoguchi

フィンランド拠点のリモート物理ゲームサイトSurrogate.tvが約2.6億円調達

筆者がフィンランドのスタートアップSurrogate.tvの事業を知ったのは、2020年にマリオカート ライブ ホームサーキットのトーナメントをサイトで公開したときのことだった。任天堂の人気レーシングタイトルのIRL(現実世界)版は、同社のテクノロジーを示すのにぴったりだった。しかしリモート操作に遅れがあり、コントロールの問題が生じたことも確かだった。

このプラットフォームが提供している体験はもちろんマリオカートだけではなく、ピンボールからロボットバトル、クレーンゲームまでなかなか幅広い。体験の多様性がおそらくこのサービスの最大の強みだろう。

米国時間12月18日、Surrogate.tvは250万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを完了したと発表した。このラウンドを主導したのはSupernode Globalで、PROfounders、Brighteye Ventures、Business Finlandが参加した。同社は2019年にプレシードラウンドで200万ドル(約2億700万円)を調達したことを発表しており、今回はこれに続く調達となる。

同社の成果は、超低遅延のストリーミングとロボティクスの組み合わせにより、ストリーミングゲームサービスとしてユーザーがリモートで現実の物体を制御できるようにしたことだ。最近の例をもう1つ挙げると、Ubisoftとの連携がある。ユーザーはミニチュアのバイキング船を操作して屈強なHafþór Björnsson(ハフソー・ビョルンソン、上の動画に登場する俳優)と戦っている。そう、なぜか2020年に。

画像クレジット:Surrogate.tv

CEOのShane Allen(シェーン・アレン)氏はシード資金調達について「以前はこのような遠隔操作テクノロジーは極めて特殊な、主にエンタープライズのアプリケーションでしか利用できませんでした。この2回目の資金調達により、我々のテクノロジーを活用してこれまでは不可能だった体験を創出するエキサイティングな一連の取り組みを今後リリースできます」と述べた。

Surrogate.tvが自社のエンターテインメントサイトにとどまらず、さらに拡大してその遠隔操作テクノロジーを他社にも提供しようとしていることは間違いなさそうだ。人が集まるイベントが大幅に制限された2020年に、多くの企業がこうしたことを調査してきたはずだ。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:資金調達、Surrogate.tv

画像クレジット:Surrogate.tv

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(翻訳:Kaori Koyama)

「サイバーパンク2077」が大量のバグで発売停止、開発元CD Projekt Redとソニー、マイクロソフトが返金受付中

ソニーは、互換性の問題やバグに関する顧客からの大量の苦情や嘲笑の声が殺到したため、近年最も期待されていたゲームタイトルの1つ「Cyberpunk 2077」(サイバーパンク2077)をPlayStation Storeから削除した。

ソニーは、PlayStation StoreでCD Projekt Redのタイトルを購入したすべてのユーザーに全額返金すると発表したが、ユーザーはそれを要求する必要がある。先にCD Projekt Redは「サイバーパンク2077」が800万回以上予約注文されたと発表した。その翌日に同社はデジタル予約販売の収益だけで「サイバーパンク2077」の開発、マーケティング、プロモーションコストをすべて上回ったと発表している。

【更新】日本時間12月19日午前3時25分Microsoft(マイクロソフト)もまた、一部の「古いコンソール」のプレーヤーが「サイバーパンク2077」に満足していないことを認め(Twitter投稿)、Microsoft Storeでゲームを購入した希望者に返金を行うとしている。アップデートの時点で、「サイバーパンク2077」はまだXbox Storeに掲載されていたため、マイクロソフトは同ゲームをストアから削除していないようだ。

【更新】日本時間12月19日午前3時25分)

CD Projekt Redは、小売店で「サイバーパンク2077」のディスクまたはデジタルコピーを購入した顧客に払い戻しを行う意向であると述べている(未訳記事)。同社はツイートで「必要であれば自腹を切って」と述べた。BestBuyは顧客にも返金を提供している(Polygon記事)。

Niko PartnersのシニアアナリストであるDaniel Ahmad(ダニエル・アフマド)氏(Twitter投稿)は、待望のタイトルの上場廃止はゲーム業界では前例のないことだと述べた。「ゲーム業界において、このようなことは今までなかったと思います。似たようなこととしてはWarner Bros(ワーナー・ブラザース)が技術的な問題でPC版『‘Batman Arkham Knight(バットマン アーカム・ナイト)』の販売を中止したことだったが、これはパブリッシャー自身が行ったものだった。今回はプラットフォームが販売している」。

アフマド氏によるとCD Projekt Redが「サイバーパンク2077」の発売を1年遅らせることで、このような状態を避けることができた可能性があると述べている。「サイバーパンク2077」は発売前に3000万本以上のセールスを記録されると予想されていた。しかしゲームの状態と同社の対応がこのような事態を招いてしまいました」。

CD Projekt Redは「サイバーパンク2077」を7年に初お披露目し、何階も延期したあと2020年12月10日に発売した。CD Projekt Redの株価は、発売時点で13%以上下落している。

Sony Interactive Entertainment(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は「高いレベルの顧客満足度を確保するために努力しており、PlayStation Store経由で『サイバーパンク2077』を購入し、返金を希望するすべてのゲーマーに全額返金を始める」と述べている。同タイトルは他のプラットフォームでもバグや不具合に悩まされている

今週初め、CD Projekt Redは「PlayStation 4とXbox Oneでより良くプレイできるようもっと注意を払うべきだった」と認めている。同社は満足していないユーザーには返金を行うと述べたが、多くのユーザーから返金を受けていないという声が寄せられている。

「数カ月前から、このような事態になるとわからなかったわけはない」とNiko Partnersのアフマド氏はいう。「開発者やQAが問題点を指摘したり、(CD Projekt Redが認めたように)ゲームの最終版で英ゾうが意図的に隠されたり、削除されていました。ここから学ぶべきはたくさんあります」。

「重要なのは、管理・生産プロセスを改善する必要があるということです。数カ月の間、ずっと開発を続けても、ゲームが良いものにならないことがわかりました。開発者の健康だけでなく、ゲームにも悪影響を及ぼします。またパブリッシャーやプラットフォームホルダーのレベルでのマーケティング、認証、返金のガイドラインは、業界に大きな影響を与えるでしょう。CD Projekt Redがどのように反応し、長年にわたり同社が築き上げてきた信頼をどうやって取り戻すのか、興味深いところです」とアフマド氏は付け加えた。

関連記事:サイバーパンク2077は巨大な可能性を秘めたレトロかつ未来型ゲームだが発達途上

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:CD Projekt RedCyberpunk 2077PlayStationXbox

画像クレジット:CD Projekt Red

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ソーシャルゲームプラットフォームのRec Roomの人気衰えず、シリーズCで20億円超を調達

ソーシャルゲームのプラットフォームを運営するRec Roomが、新たな資金を獲得した。かつてはVR中心だったその世界を、すべてのメジャーなゲームプラットフォームに持ち込もうとしている。

同社はこのほど、Madrona Venture Groupがリードする2000万ドル(約20億6500万円)のシリーズCの資金調達を完了した。First Round CapitalやIndex、Sequoia、そしてDAGなど、これまでの投資家もこのラウンドに参加した。これで同社の調達総額は5000万ドル(約51億6400万円)近くになる。

同プラットフォームは、数年前から仮想現実のユーザーにソーシャルハブとゲームプラットフォームを提供してきた。最近の同社は「VRのRoblox」という定評を得ており、若いユーザー向けに規模を拡大してきた。今年はRec Roomとって好機だった。

CEOのNick Fajt(ニック・ファジット)氏の推計では、同社のユーザーは昨年の3倍に伸び、新しいプラットフォームへの強力な売り込みが功を奏してきたそうだ。今でもRec Roomのユーザーの主力はVRだが、2020年にはコンソールのユーザーベースが相当増え、来年中にはモバイルがRec Roomの一番普通の入り口になるとファジット氏は予想している。一方Androidでは、Rec Roomは相変わらず定着していない。

新年を迎える同社の大きな狙いは、創作ツールの拡大だ。ゲームのプレーヤーは創作ツールを使って、ゲームの中で独自の体験を作り出せる。同プラットフォームの1000万人の登録ユーザーの内の100万人あまりが、クリエイターツールを使ってエンゲージし、プラットフォーム上に400万室の部屋を作っている。ファジット氏の計画では、来年はクリエイターへの支払を増やして、2021年中には合計100万ドルを彼らのネットワークに支払える状態にしたいという。

Rec Roomの創作ツールはRobloxなど他社よりも、一般ユーザーにとって使いやすくしたいと考えており、そのためにはシンプルなツールを心がけ、普通のユーザーがそのクリエイションプラットフォームに時間を投資するようなものを考えているそうだ。

画像クレジット:Rec Room

ファジット氏はTechCrunchに対して「Robloxには素晴らしいビジネスがあります。それは否定できなません。しかし、表現の深さよりも表現の幅で勝負したいのです。Rec Roomの利用者はどんな人でも作れるようする予定です」と語る。

VR市場は成熟が遅いが、同氏は同社のルーツであるVRから近いうちに逃げ出す気はない。最近は人気のバトルロワイヤルモードRec Royaleを、新しいクエスト2に向けてアップデートしたばかりだ。また、iOS上のアップデートも実施した。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Rec RoomソーシャルゲームVR / 仮想現実

画像クレジット:Rec Room

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

人気の宇宙船での人狼「Among Us」がNintendo Switchにやってきた

これはびっくり!「Among Us(アマング・アス)」がNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)に5ドル(日本では税込520円)でやってきた。Switchバージョンにはクロスプラットフォームプレイ機能があり、PC、モバイル、Switchのプレーヤーが一緒にゲームをプレイできる。

このヒットゲームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に予想外のヒットとなった後、このゲーミングプラットフォームに登場した。2018年に公開された「Among Us」は、パンデミックの初期に熱心なユーザーを集め、現在も人気は上昇を続けている。

うちの子どもたちも、この瞬間にプレイしている可能性も十分ある。

このニュースは、任天堂が小さな会社のタイトルを紹介する配信映像であるIndie World Showcaseの最新号に掲載された。同社はこのタイトルをプレゼンテーションの最後に残していた。それも当然。「Among Us」は間違いなく現在、最もホットなタイトルの1つであり、あらゆるプラットフォームのゲーマーをひきつけているからだ。選挙前、Alexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス)下院議員はこのゲームを有権者を投票所に呼ぶためのプラットフォームとして利用しており、一時は同時ビュアーが43万5000人いた。

ゲームの価格は5.00ドル(日本では税込520円)で、現在NintendoのeShopからデジタル購入できる。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Among USNitendo Switch

画像クレジット:Among Us

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サイバーパンク2077:巨大な可能性を秘めたレトロかつ未来型のファンタジー ― サイバージャンクには目をつぶろう

開発者CD Projekt Redが提供する、「The Witcher 3(ウィッチャー3)」に続く待望の「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」の真のレビューを提供することは、実際のところほぼ不可能である。まず第1に、これはあまりにも規模が大きく、この数日間ではゲームを現実的に評価するには十分ではなかった。第2に、これが完成されたゲームになる前にレビューするのは間違っていると感じるほど、あまりにバグが多くてジャンクであった。そして最後に、結局誰もが買うことになるだろうからだ。

ウィッチャー3は、この10年で最も称賛されたゲームのひとつであり、「Breath of the Wild(ブレス オブ ザ ワイルド)」、「The Last of Us(ラスト・オブ・アス)」、「Dark Souls(ダークソウル)」と並ぶものだ。このゲームには精彩を欠いた戦闘、限られた範囲という欠点があったが、主に文章の改良、魅力的なキャラクター、プレイヤーの選択がもたらす効果により、オープンワールドで繰り広げられることを比類ないレベルで実現した。

「サイバーパンク2077」が発表されたのはいわゆるハネムーン期間中であり、それ以来、このゲームには度が過ぎた期待が集まっている。筆者には人々の期待に応えることはできなくともそれ自体はきわめて良いゲームになるだろうと思われる。

しかし、最近の論争は発売に暗い影を落としている。リリース前の危機的状況に対する開発者からの偽善的な非難、ゲームの多様性に関するいくつかの弁解不能な選択(人種差別されたギャングや性とトランス表現への疑わしいアプローチ)および遅延は、これが人々が望んでいた最高傑作とはならないかもしれないことを示唆している。

まず、このゲームはおそらく、少なくとも筆者がプレイしたプラットフォームであるPC上で、さらに数ヶ月磨きをかけるべきだったのではないかと思う。筆者は最初から、キャラクターのアニメーション化の失敗、空中に浮かぶオブジェクト、シミュレートされたオブジェクトが相互作用するオープンワールドのゲームに見られる、明らかな物理的ゆがみといったバグに遭遇した。最初のパッチで修正できるものもあるかもしれないが、これほど大きなゲームを完全にスムーズなものにするのは不可能に近いことは明らかだ。(筆者は40時間のキャンペーンを途中で終えたに過ぎないのだが、前作同様サイドクエストでかなり引き延ばされている)

これは残念なことだ。なぜならCD Projekt Redが創り出した世界は、テーブルトップRPGをベースにしているだけに豊かで愛情に満ちたものであることは間違いないからだ。これを説明するもっとも簡単な方法は、「サイバーパンク」という言葉から想起されるもの、ということだ。それ以上でもそれ以下でもない。

奇妙な未来の人々で埋め尽くされた混雑する通りの外観は、樽でしつらえた肉を提供するフードカートの間を移動し、サイバネティックな手足やハッキングツールのための浮遊するネオン広告の下で、怪しげな意図を持つ巨大企業によって監視されている。これらは、オリジナルのRPGだけでなく、時代の流れの中で「サイバーパンク」の一般的なイメージを作り出したBlade Runner(ブレードランナー)、Johnny Mnemonic(JM)、Strange Days(ストレンジ・デイズ/1999年12月31日)、Ghost in the Shell(ゴースト・イン・ザ・シェル)、Neuromancer(ニューロマンサー)、その他数十種類ものジャンルの作品から生まれたものだ。

この分野に精通していれば、驚くようなことはほとんどないだろう。それは多くの点で良いことではある。住み慣れた場所のように感じられるからだ。独自の限界を持っていたオリジナルの「Deus Ex(デウスエクス)」を除けば、どこかで見たことはあるが手に入ることはなかったアイデアが結晶化され広がっている。

しかし同時に、想像力と意欲の欠如が大きく感じられ、安易な方法でそれらのアイデアを更新しようとしているかに思える。人種的偏見に基づくギャングは、この時代にも将来にも、特に夜の街のような巨大な人種のるつぼの中では、このような区別が間違いなく消えていっていることを考えるとあまりふさわしくない。他の点では好感の持てるお友達のジャッキーとのステレオタイプ的な「メキシコのタフな男」的な会話は、例えば、荒坂のコーポレートホテルのスタッフの堅苦しい、日本らしさを思わせるしぐさのようなものだ。

ジェンダーについてもすっきりしない。PolygonKotakuのクィアレビュアーによるレビューは、筆者がここで伝えることよりもはるかに的を得たことを語っている。筆者はプレイヤーが外見を選択する際に持っている自由は、ゲームにおけるクィアネスのより良い表現に向けた重要な一歩であるものの、「自分がするようにではなく、自分が言うようにする」という感覚がある、ということには同意することができる。ゲームの別の場所では、性とジェンダーは、街角で数ユーロで誰でも身体改造できるこの世界では人種と性別は流動的で重要ではないという明確な合意に対し、退行的または矛盾した形で処理される。

この未来は、、未来志向ではあるが、限られた心の持ち主である、90年代のスマートな白人男性たちからもたらされたかのようである。そのせいか、とても居心地がいい。しかし「Ready Player One(レディ・プレイヤー1)」が示したように、これらの手法で達成できることには限界がある。

同時に、さまざまな形状、サイズ、色、傾向、その他のあらゆる人々で満たされた未来を創りあげるためなされた配慮を強調したいと思う。それが不運な規則性でつまずくとしても、ここに真の善意があることは明らかだ。

すでに800語も費やしてしまったが、読者は問いかけるだろう。「ゲーム自体はどうなのか。それは良いものなのか?」と。

良いものだが分類が難しい。一方で、登場人物が遭遇する多様な状況にアプローチする能力を形成する際に、どうしていいかわからなくなるほどの自由が存在する。ブルートフォース、ステルス、ハッキング、ガンプレイ、どれも実行可能だが、1つだけに絞るのはやめたほうがよい。例えば「純粋なハッキング」のアプローチは、その価値よりもはるかに退屈なものになるだろうし、「純粋なガンプレー」のアプローチも同様に的はずれなことになってしまう。

敵の基地を探索したり、街のチンピラをやっつけたり、あるいはこのゲームの非常に複雑な犯罪行為をくぐり抜けたりする際には、あらゆる状況に対して多くの選択肢があるが、他の手段に頼らずに切り抜けられるほど信頼できるものはない(いずれにしても早い段階ではない)。

都合の悪い場所に配置された警備員は目をハックされやすいかもしれないし、別の警備員は注意を引く無数のアイテムの1つに気を取られやすいかもしれない。しかし、最終的に失敗して弾丸が飛び始めても、そこから抜け出す方法をうまく見つけることはできないだろう。でも大丈夫。メスではなく、スイスアーミーナイフを手にしている。そのように振る舞おう。

これらすべてのミッションを引き受けるオープンワールドは充実している。おそらくあまりにも豊かだ。マップを開くとたくさんのアイコンが表示されるが、これはガンショップ、犯罪活動、探索する興味深い場所が不足することのない、大きくて密集した都市であることを知らせるUbisoft StyleのTo-Doリストというほどではない。マップを一般的な「ビデオゲームマップ」というよりも「この辺にリッパーがいるのか。携帯を確認させてほしい」と考える方が理にかなっているが、これは明らかにゲームマップだ。

また、多くのドライブを行うことになるが、このプロセスは「Grand Theft Auto 3(グランド・セフト・オートIII)」とほぼ同じくらいスムーズである。筆者は自身の車の操作にまったく不適切なキーボードコントロールを駆使しながら、パニックや事故を起こしたり、人を傷つけたり、交通を妨害したりしてきたが、あらゆる法律を遵守し、できるだけ注意を引かないようにした。ゲームのこの部分は「Assassin’s Creed: Odyssey(アサシン クリード オデッセイ)」の中で全地形対応型の馬車が、ゲームの中の多くの山道の1つを歩く愚かな不法者に恐怖と死をもたらすオブジェクトであったように、滑稽なほど前世代的に感じられた。

便利なGPS方向指示により(筆者がそれを呼び出した時画面外に消えてしまったものの)、ちょうど車を閉じ込めてしまいそうな狭いゲートのある、歩行者が大勢いる場所を通り抜けることができた。別のときには、車を筆者のいる場所に呼び寄せたが、すぐに遠くで爆発音と叫び声が聞こえた。30秒後に到着した車は完全に破壊され、片側のドアがなくなっていた。幸いなことに、見ていないときに不可解な方法で修復されるようだ。

しかし、自分がやるべきことをしているとき(つまりサイバーパンク的なことをしているとき)は、それが最新と呼べるようなものではないにしても、物事はもっとスムーズだ。筆者は、8年前に骨子が作られそれを何層にも積み重ね、いくつかの点で信じられないほどクールなシステムや環境を創出していながら、他の面では大きく後退したゲームをしているような感覚をずっと感じていた。銃撃戦は今日のどのシューターよりも良くなかったし、乱闘は「Skyrim(スカイリム)」品質であり、ハッキングはおそらく「デウスエクス」レベルであり、ステルスは「Metal Gear(メタルギア)」どころではない。しかし、これらのゲームのどれひとつとして、「サイバーパンク2077」ほどのシステムと環境の幅広さと豊かさを実際に提供したものはない。

最終的分析としては(この記事は非常に限定的で初期的なものだが)、このゲームは「GTA: Night City 2077」であり、全体として不完全であると言えるだろう。独自性がありながら完全に派生物的でもあり、未来的かつ退行的であり、広く開放的ながら痛みを伴う制約がある。最近の多くのAAAのゲームのように、「サイバーパンク2077」は多数の要素を含んでおり、お話にならない、というようなものでは決して無い。サイバーパンクのディストピアをうろつき、ハッキングや銃撃、策略、より良いアームブレード、眼球の代替品、未来の銃を入手したい何百万ものプレイヤーにとって、大きな魅力と価値がある。

筆者のレビューとして最も簡単な要約は、 完成後に「サイバーパンク」をプレイするのを楽しみにしているということだ。「ウィッチャー3」は、称賛だけでなくそのシステムに関する多くの批判もありながら、時間の経過とともにジャンルをリードするゲームに進化した。「サイバーパンク」 にもその可能性はあるが、現実的な問題があることは否定できない。忍耐力があるなら、最低でも数か月は静観して、このゲームの光るものが不完全な点によって閉ざされることのないようにしてほしい。将来のある時点で「サイバーパンク」 がゲームの要となるタイトルになると思うが、まだそうではない ― 2077年までには実現することを願うばかりだ。

関連記事:SteelSeriesがゲームコントローラー周辺機器販売のKontrolFreekを買収

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タグ:レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

SteelSeriesがゲームコントローラー周辺機器販売のKontrolFreekを買収

システムにスパイスを加えたいと考えているゲーマーに、10年近くにわたってゲームやゲーム機の周辺機器を販売してきたアトランタを拠点とするKontrolFreekが、ゲーム用周辺機器、アクセサリーのグローバルなメーカーであるSteelSeriesに買収された。

買収の条件は明かされていないが、KontrolFreekは同社の主力製品を200万台以上出荷しており、60カ国の9000以上の小売店で利用でき、16以上のオンラインマーケットプレイスで見つけることができる。

Billy L.Harbert(ビリー・L・ハーバート)氏とAshish Mistry(アシシュ・ミストリー)氏が共同設立したアトランタの投資会社BLH Venture Partnersから5万ドル(約520万円)の小切手を受け取って11年前に設立された会社としては、この買収は悪くない。ミストリー氏はVirtex Networksの共同創設者で、後にAir Defenseの初期チームメンバーとなった。

ハーバート氏とミストリー氏はどちらもゲームに熱心ではなかったが、ミストリー氏は周辺機器メーカーを販売する機会を見いだしていたと、ダイレクトメッセージで述べた。

「巨大な市場には大きなニッチ市場がある」とミストリー氏は書いている。

KontrolFreekを買収することにより、SteelSeriesは高性能コントローラーアクセサリーの主要販売企業の1社を自社製品ポートフォリオに組み込み、家庭用ゲーム機市場における地位をさらに強化する。SteelSeriesは2020年、ゲーム用3次元サウンドシステムを提供するA-voluteを買収している。

SteelSeriesは、400万人のコミュニティメンバーを誇るKontrolFreekのFreekNationコミュニティで、活発なユーザー生成メディアを手に入れたことになる。

「次世代コンソールがゲーム業界の第一線に立っているいまこそ、最高のゲーム体験と製品をコンソールゲーマーに提供する能力を最大化する絶好の機会です」とSteelSeriesのEhtisham Rabbani(エティシャム・ラバーニー)CEOは語った。「KontrolFreekの専門知識と世界的な人気により、同ブランドが世界中の新しいゲーマーを楽しませ、喜ばせ、支援するための新しい機会を開くことになるでしょう」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:SteelSeriesKontrolFreek買収

画像クレジット:KontrolFreek

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

EAがレースゲームに注力する英国の老舗ゲームスタジオCodemastersを1250億円で買収へ

誰もが取引が完了したと思っていた。Take-TwoはCodemastersを10億ドル(約1040億円)近くで買収することになっていたし、同社はCodemastersの取締役会とも合意に達していた。しかしElectronic Arts(EA)は土壇場になって計画を乗っ取り、さらに多くの資金を提供した。EAはCodemastersを12億ドル(約1250億円)で買収する計画だ。

Sky Newsは当初、EAがノックアウト入札を計画していると報じていた(Sky News記事)。その後、EAはCodemastersの取締役会と合意に達したことを正式に発表(Business Wire記事)している。

Codemastersを知らない人のために書いておくと、この英国のゲームスタジオは1986年に設立され、今日では最も古いゲームスタジオの1つとなっている。これまでに数十タイトルのゲームを開発・公開しており、近年は「DiRT」「DiRT Rally」「F1」「GRID」「Micro Machines」など、複数のフランチャイズにわたるレースゲームに注力している。

EAはCodemastersを1株あたり6.04ポンド(約838円)の全額現金取引で買収することを提案している。買収手続きは2021年第1四半期中(2020年1〜3月)に完了する見込みだ。

EAとレースゲームとの関係はこれまで激変してきた。最も人気のあるレースゲームの1つである「Need for Speed(ニード・フォー・スピード)」シリーズを生み出してきたが、ここ数年はレースゲームをないがしろにしてきたため、期待はずれのゲームを生み出している。

今回と同様に、EAは2004年に「Burnout」を開発したCriterion Gamesを買収した。しかしCriterion Gamesは現在、主に「Battlefield(バトルフィールド)」と「Star Wars Battlefront(スター・ウォーズ バトルフロント)」の第2スタジオとして機能している。

CodemastersはEAのサブスクリプションサービスであるEA Playを含む、同社の配信リソースを利用できるようになる。EA Playは、レーシングゲームに関心があれ興味深いサブスクリプションとして位置づけられている。

Take-Twoは買収に失敗するとは思っていなかっただろうが、会社経営はうまくいくだろう。同社は「GTA(グランド・セフト・オート)」や「Red Dead(レッド・デッド)」のRockstar Games、「Xcom」や「Civilization(シヴィライゼーション)」のFiraxis Games、「NBA 2K」の2K Sportsなど多くのスタジオを所有している。

2020年はビデオゲーム業界の統合にとって重要な年となった。Microsoft(マイクロソフト)はBethesda、id Software、Arkaneの親会社であるZeniMax Mediaを買収している。また同社はここ数年でDouble Fine Productions、Obsidian Entertainment、Ninja Theoryも買収している。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:EACodemasters買収

画像クレジット:Codemasters

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)あ

MTGが「レベル・レーシング」などの人気モバイルレースゲーム開発元Hutch Gamesを約390億円で買収

スウェーデンのMTGが、モバイルゲーム業界で重要な買収を行う。同社は「Rebel Racing(レベル・レーシング)」「F1 Manager」「Top Drives」などの人気モバイルレースゲームを開発しているロンドンに拠点を置くゲームスタジオであるHutch Gamesを買収すると発表したのだ。

MTGはすぐに2億7500万ドル(約286億円)を支払い、さらに業績に応じて1億ドル(約104億円)を支払うことで合意したというから、この買収はMTGにとって重要なものとなるはずだ。

MTGをよく知らなくても、その投資先企業を知っている人は多いだろう。ここ数年、MTGはESLとDreamHack(ドリームハック)を買収してeSportsのリーダーになった。

MTGはまた、人気の高いウェブベースのゲームやモバイルゲームの開発で知られるInnoGamesとKongregate(コングリゲート)も買収した。近い将来、さらに企業を買収する計画があるというため、これで終わりではないようだ。

MTGは発表の中で、この買収が理に適っている理由を説明している。Hutch Gamesは単一のゲームに集中しているわけではなく、成功を収めた多くのゲームを擁しているため、将来的にさらなる成長が見込めるという。

また、Hutch GamesはF1などの有名ブランドのライセンスも取得している。そしてMTGは「Rebel Racing」「F1 Manager」「Top Drives」にはまだ大きく成長する可能性があると考えている。基本無料のモバイルゲームは、いわゆるGames as a Service(サービスとしてのゲーム)、つまり継続的にアップデートを行うサービスとして提供されるようになっているため、長期的な人気を維持したいと考えるのは当然だ。

長期的な可能性に関していえば、Hutch Gamesは2021年と2022年に向けて、さらに多くのゲームを準備しているという。おまけに従業員のほとんどが開発者であるため、費用対効果の高いスタジオといえる。

2020年1月から9月までの間に、Hutch Gamesは5630万ドル(約58億5000億円)の収益と1330万ドル(約13億8000万円)の利息および税金控除前利益(EBIT)を生み出した。Hutch Gamesの投資家にはBacked VC、Index Ventures、Initial Capital、エンジェル投資家のChris Lee(クリス・リー)氏が含まれている。

基本無料で遊べるゲームが儲かることは、ご存じの通りだ。だからこそ、将来的には何らかの統合が行われることになるだろう。一部の企業は、豊富な資金力や借入金を利用して、多数のタイトルを取り揃えたり、あなたのスマートフォンの画面を長時間占領するゲームを、次から次へと作り出そうとするだろう。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MTG買収アプリモバイルゲーム

画像クレジット:Hutch Games

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(翻訳:TechCrunch Japan)