フランスが新型コロナで打撃を受けるスタートアップ救済に約4780億円注入

フランスのデジタル経済担当国務長官であるCédric O(セドリック・オ)氏と公的投資銀行のBpifranceは3月25日、スタートアップ向けの包括的な支援計画を発表した。フランスの一部のスタートアップは今後数カ月のうちに売上高や資金調達の問題に直面することが予想される。

フランス政府は、借り換えや流動性で一時的に橋渡しを行うべく、43億ドル(約4780億円)の予算を組んだ。「スタートアップは経済成長を担っている。雇用という点では特にそうだ」とオ氏は声明で述べた。「スタートアップはまた、遠隔診察アポイントメントやリモートワークのソリューション・デリバリーなど、(新型コロナウイルス感染拡大による)ロックダウン時に特に役立つ刷新的なプロダクトやサービスに取り組んでいる」。

フランス政府ははすでに広範な経済支援策を発表している。売上高減の企業は納税や家賃、公共料金の支払いをスキップできる。そして流動性支援に3200億ドル(約36兆円)をあてる。この中で企業は国の支援のもとにローンを組みやすくなる。

さらに重要なことに、もしスタートアップが操業停止を余儀なくされた場合、国は解雇を回避するために短時間労働制度を用意している。従業員の給料の84%を国が補填するというものだ。

そうでなくてもスタートアップは常に破産と隣り合わせている。だからこそフランス政府はスタートアップに照準を当てた追加のサポート策に踏み込んだ。

その策とは第1に、新たな資金調達ラウンドの最中だったスタートアップは、BpifranceのPIAを通じて橋渡しの資金を調達できる。一部のVCは契約内容を撤回するかもしれず、また別のVCは投資ペースを緩やかにするかもしれない。この対策としてBpifranceは8670万ドル(約96億円)を注入する。プライベート投資家も同額を共同投資する。

第2に、政府はスタートアップ向けの流動性支援も用意している。他の企業と同じく、スタートアップも3200億ドルの流動性スキームの中で借入ができる。借入可能な額はフランスで雇用している従業員の給与2年分もしくは年間売上高の25%のいずれか多い方となる。この総費用として22億ドル(約2445億円)を見込む。

第3に、スタートアップは付加価値税の還付と研究開発投資の税還付を早く受けられる。総額は16億ドル(約1780億円)を想定している。

第4に、Bpifranceは公的支援の支払いを素早く実施する。スケジュール前倒しで2億7000万ドル(約300億円)を支払う予定だ。

画像クレジット:Ludovic Marin / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナの影響で減便・運航停止ラッシュの中でカタール航空は提供座席を1万席増

国内、国際航空便を飛ばす多くの航空会社が、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、何千ものフライトをキャンセルしている一方、カタール航空は異なるアプローチをとっている。同航空は一部従業員の解雇を発表したものの、一部の路線でフライトを増やして提供する座席数を1万席増やした。

この輸送量の増加は、同航空のハブ空港があるドーハからパリ、パース、ダブリンへの臨時便運航、そしてフランクフルト、ロンドン・ヒースロー、パース便でのA380活用によるものだ。加えて、米国やアジアから欧州へのチャーター便も飛ばしている。

他の航空会社と異なり、カタール航空は米国を含む75都市へのフライトをまだ続けている。もっとも、各国が規制を強化する中で状況が急変しうることは認識している。

多くの点でカタール航空の決断は理解しにくい。中東における競合相手であるエミレーツ航空がほとんどの便の運航を取りやめ、米国の航空会社はいまやほんの一握りの国際便のみを運航しているといった状況を考えた時、特にそうだ。しかしカタール航空は、現在のミッションは「立ち往生している乗客を愛する家族や友人と再会させること」と主張する。同航空のデータがこれを裏付けている。「英国、フランス、ドイツへのフライトは提供座席の80%が売れたが、帰りの便の座席占有率はわずか36%だった。同航空は過去7日間で乗客10万人を運んだ」としている。

ここで見られる需要は明らかに自国に帰ろうとする乗客のものだ。そしてこの需要はおそらく長続きするものではなく、同航空もまた他の航空会社と同じく多くの路線の運航を取りやめることになる。しかし当面は上記のルートの多くでフライトをまだ提供する、数少ない航空会社の1つだ。これは同航空のドーハのハブがトランジット客向けにまだ営業しているために可能となっている。たとえば、エミレーツ航空とエティハド航空は飛行機を飛ばしたいはずだが、両航空会社のハブ空港は現在閉鎖され、シンガポールや香港といったメジャーなハブ空港は全トランジットを禁止している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

Ford、3M、GEが新型コロナ用の人工呼吸器やフェイスシールド製造へ

Ford(フォード)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の医療現場で働くスタッフや患者が必要としている医療機器の製造に関する最新の情報を発表した。ここには、3Mとの提携による電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)製造が含まれる。保護具の性能を確保し、増産に対応できるよう、両社が手がける既存のパーツを使用する新たなデザインとなっている。

Fordはまた、同社の3D印刷能力を活用してフェイスシールドも製造するとしていて、週10万枚の生産を見込んでいる。フェイスシールドは、最前線で働くヘルスケアスタッフが患者の咳やくしゃみを通じて広がるウイルスを含んだ飛沫から、自らを保護するためになくてはならない重要な保護用具だ。Fordは新たなフェイスシールドをデザインし、その性能を評価するために最初の1000ユニットを今週、デトロイト・マーシー大学、ヘンリー・フォード・ヘルス・システムズ、そしてミシガンのDMCサイナイグレース病院でテストする予定だ。想定通りの性能が確認できれば、今週末までに7万5000ユニットを製造し、来週以降はミシガン州プリマスにある生産施設の1つで週10万ユニットの製造を見込む。

さらにFordは、GEヘルスケア人工呼吸器の生産能力アップでGEと協業することにしている。この呼吸器のデザインは簡素化されたもので、大量生産が可能だ。こうした取り組みはヘルスケア必需品をめぐる米政府の要望に応えるためのもの、と同社は述べた。米国にフォーカスしたGEとの人工呼吸器プロジェクトに加え、Fordはまた英政府からの要請に基づき同国でも人工呼吸器の製造に取り組んでいる。そして、2020年初めに同社が米国から中国に送ったN95マスク16万5000枚を米国に送り返している。米国での需要が大きいからだと同社は説明。加えて、中国の状況は改善している。

週末にトランプ大統領はFord、GM、Tesla(テスラ)といった米国の自動車メーカーに、人工呼吸器や他のプロダクトをなるだけ早く生産するよう「ゴーサイン」を出したとツイートした。

「我々は米国と英国の政府と事前協議を行い、実現可能性について調べた」とFordの広報担当Rachel McCleery(レイチェル・マッククリーリー)氏はTechCrunchに述べた。「危機に立ち向かうため、皆がこれまで以上に力を合わせて国をサポートすることが必要だ」。

今回のアップデートに基づくと、Fordは貢献できる部分にかなり素早く取り組んでいる。同社は多くの需要がある医療備品を生産するために自前の施設、そしてパートナー企業の施設も使用するつもりだと24日の電話会見で述べた。そしてまた、生産能力と生産量をアップするために既存のパーツや設備を活用する。

例えばFordが生産するPAPRは同社のF-150トラックの冷却シート用の部品や3Mの既存のHEPAフィルターを使っている。こうしたPAPRはバッテリーで動く。1つのバッテリーで8時間駆動して空気中のウイルス微小物質をフィルターで除去できるため、N95マスクよりもかなりの利点がある。交換できる独立型のバッテリーパックは腰につける。生産のタイムラインや能力についてはというと、3MのグローバルテクニカルディレクターのMike Kesti(マイク・ケスティ)氏は、まだそれを確かめているところであり、特に新バージョンの生産に入る前にFordが既存のPAPRの生産をどれだけ補強できるかを精査している、と話した。

「Fordは我々の既存のユニットの生産能力拡大をサポートしてくれている」とケスティ氏は述べた。「今後数日から数週間で既存の製品の増産という形で成果が現れるだろう。しかし我々はFordが保有する部品、そしてNIOSH(米国立労働安全衛生研究所)の規格をクリアした弊社フィルターの活用でも緊密に連携している。可能な限り早期の生産拡大を目指す」。

Fordはまた、既存のN95マスクの生産拡大でもM3をサポートしている、とも同氏は述べている。

FordもGEも、現在取り組んでいる新しいタイプの人工呼吸器のタイムラインや予想される生産能力などは示していない。しかしGEヘルスケア副社長で品質責任者のTom Westrick(トム・ウェストリック)氏によると、発表できるよう鋭意進めているとのことだ。

「新たな人工呼吸器のでデザインやリリースに関する具体的なタイムライン、数字は持ち合わせていない。しかし明らかにこれはGE、そしてFordにとって最重要のものだ」と同氏は述べている。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:Mizoguchi

フィアットが新型コロナ対応で月100万枚マスク生産へ

Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は3月23日、数週間内にマスクの製造を開始し、救急隊員やヘルスケアワーカーに提供すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に対する自動車メーカーの対応としては最新の動きとなる。

FCAはTechCrunchに対し、中国にある工場の1つにマスク生産設備が設置され、主に米国、カナダ、メキシコに送られると明らかにした。1カ月にフェイスマスク100万枚を生産する計画だ。マスクはすべて警察、救急医療スタッフ、消防隊員、病院やヘルスケアクリニックの職員に提供される。

「警察や消防といったファーストレスポンダーやヘルスケアワーカーが今ほど重要なときはない」とFCAのCEOであるMike Manley(マイク・マンリー)氏は声明で述べた。「人工呼吸器の増産サポートに加えて、ヘルスケア業界に話を聞いて回ったところ、緊急かつ切実なフェイスマスクの需要が認められた。FCAグループ従業員に直ちにマスク生産のための設備設置と、新型コロナ感染を食い止めるために最も必要とされている人たちをサポートするよう命じた」

今回のFCAの動きは、建設会社に対しN95マスクの在庫を病院に寄贈するよう、Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領の先週の呼び掛けを受けたものだ。建設会社はこの求めに応じたとペンス副大統領はその後の記者会見で述べている。そしてApple(アップル)やFacebook(フェイスブック)、IBM(アイビーエム)、Tesla(テスラ)など他の企業も同様にマスクを寄付している。

新型コロナウイルスが引き起こすCOVID-19により、N95マスクや手袋、ガウンなどが不足している。

ペンス副大統領は建設会社に対し、ストックとして蓄えているN95マスクを地元の病院に提供し、新たなマスク注文は当面控えるよう要求した。N95マスクは0.3ミクロンの微小物質の少なくとも95%をブロックできることからその名がつけられているが、かなり不足している事態を受けての要求だ。

GM(ゼネラル・モーターズ)、Ford(フォード)、VW(フォルクスワーゲン)、Teslaなどの自動車メーカーも人工呼吸器の製造という複雑な課題に取り組み始めた。人工呼吸器もまたCOVID-19で入院している患者にとって重要な医療機器だ。この病気は肺を攻撃し、急性呼吸窮迫症候群や肺炎を引き起こす。確立された治療法がないため、患者の呼吸や闘病は人工呼吸器に頼っている。米国には16万台の人工呼吸器があり、これとは別に国家戦略備品として1万2700台があるとニューヨークタイムズ紙は報じた。

GMは20日、人工呼吸器のような呼吸ケア機器の増産をサポートするためにVentec Life Systemsと協業していると明らかにした。一方、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は先週、人工呼吸器についてMedtronicと話し合いを持ったと述べた。Medtronicも話し合いがあったことをツイッターで明らかにしている。マスク氏はこれより前に、SpaceXとTeslaが人工呼吸器の製造に取り組むとツイートしていたが、詳細は示していなかった。

画像クレジット: Joe Raedle / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

「東京五輪は延期」をIOCのパウンド委員が認める

USA Todayのインタビューで、IOCの委員でオリンピック放送機構機構会長のDick Pound(ディック・パウンド)氏が「IOCは2020年夏の東京オリンピック延期を決定した」と述べた。IOCのカナダ代表であり初代アンチ・ドーピング機構の初代会長としても著名なパウンド氏は延期の具体的内容については明かさなかったが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりオリンピックが2021年に延期される可能性を認めた。

パウンド氏はUSA Todayにこう述べた。

「この(決定は)段階を踏む。我々はまずオリンピックを延期する。現在、スケジュールを変えることによって生じる影響すべてにどのように対処すべきか検討を始めているが、これは膨大な仕事だ。決定の詳細は(公式の発表として)4月中にも明らかにされるだろう。詳細はまだ決定されていない。しかし2020年のオリンピックは7月24日には開始されない。これは知っている」。

このインタビューは先週末、カナダとオーストラリアが20202年夏のオリンピックに選手団を送らないことを決定したことを受けたものだ。日本時間3月23日に日本の安倍晋三首相が、東京オリンピック延期の可能性を認めたところだ。完全な中止は主催国に甚大な経済的逆風となるため「到底採用できない」と安倍首相は付け加えた。オリンピックは世界のスポーツ界で最も権威ある大会であるだけでなく、ホスト国に巨大な経済的影響を与える。

IOCの広報担当者はこれまで「あらゆるオプションを検討中だ」という以発表を繰り返してきた。新型コロナウイルス流行の状況が今夏にどうなっているかを正確に予測することはもとより不可能だが、パンデミックが社会、経済のあらゆる側面に大きな影響を与え始めたため、オリンピックがこの夏予定どおりに開催される可能性はますます低くなっているようだ。

画像: KAZUHIRO NOGI/AFP / Getty Images

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[翻訳:滑川海彦@Facebook]

米司法省の新型コロナ関連初の摘発は偽ワクチンウェブサイト

米連邦検察は新型コロナワクチンを提供すると偽ったウェブサイトの暫定差止命令を申請し、承認された。司法省は本件を新型コロナウイルスによるパンデミック関連で最初の摘発だと説明している。

司法省は声明を発行し、新型コロナを巡る「混乱と蔓延する脅威に乗じて利益を得る」ために有線通信不正行為に関与したとされるウェブサイトに対して措置を講じたと語った。

TechCrunchが確認したところ、そのウェブサイトは世界保健機関(WHO)が「ワクチンキットを無償提供している」と偽り、無防備な被害者から少額の送料をだまし取っていた。ウェブサイトは被害者にクレジットカード情報を要求している。「実際には現在有効な新型コロナウイルスワクチンは存在せず、WHOはそのようなワクチンを配布していない」と司法省が声明に書いている。

連邦判事は同ウェブサイトの所有者に対して暫定差止命令を発行した。該当人物の名前は明らかにされていない。差止命令はサイトのドメインホストであるNamecheapに対しても、サイトをオフラインにするよう要請した。

司法省はウェブサイトの名称を公表しているが、TechCrunchは記載しない。同サイトは本稿執筆時時点ではアクセスが可能だったが、数時間後にNamecheapの広報担当者であるDerek Musso(ドレク・ムッソ)氏がサイトを停止したとTechCrunchに伝えた。

Jody Hunt(ジョディー・ハント)司法次官補は、「この国家非常時を私的利益目的に利用する犯罪行為を司法省は断じて容認しない。米国は政府のあらゆる手段を用いて、消費者をだます行為であれ、個人情報盗難であれ、マルウェア配布であれ、この最も卑劣な詐欺師たちを封じ込める」。

現在、世界中で30万件以上の新型コロナウイルスの感染例が確認されている。しかし各国当局ではいまだに検査機器が不足していることから、実際の感染者数はこれよりはるかに多いと見られている。

米国時間3月20日現在、米国では8000万人が厳重警戒下にあり、カリフォルニア州、ニューヨーク州、およびイリノイ州がこの呼吸器疾患の蔓延を食い止めようと努めている。新型コロナ蔓延によって、米国とカナダは双方が 国境閉鎖に同意し、米国は南側のメキシコ国境で不要不急の移動を禁止した。

米国時間3月19日、米国は全国民に対して前例のない「渡航自粛」を要請した。

画像クレジット:Kena Betancur / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォード、GM、テスラの人工呼吸器製造にトランプ大統領がGO

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大で人工呼吸器が不足している事態を受け、Ford(フォード)、GM(ゼネラルモーターズ)、そしてTesla(テスラ)による人工呼吸器製造にゴーサインが出た。トランプ大統領は22日、いかに有能かを示せと3社の経営トップに課題を突きつける文言でツイートを締めくくった。

新型コロナウイルスは呼吸困難を引き起こす病気であり、人工呼吸器は新型コロナウイルスの感染で入院する患者にとって必要不可欠な医療機器だ。新型コロナウイルスは肺へのダメージを引き起こし、急性呼吸窮迫症候群や肺炎につながりえる。臨床的に有効性が確認された治療法はまだなく、患者の呼吸や病気との闘いは人工呼吸器に頼っている。米国には16万台の人工呼吸器があり、これとは別に国家戦略備品として1万2700台があるとニューヨークタイムズ紙は報じた。

今回の動きは、ニューヨーク州のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)知事の嘆願を受けてのものだ。クオモ知事は22日朝、医療機器の確保を各州に任せるのではなく国が行うよう、連邦政府に嘆願した。国防生産法に基づいて企業に医療機器を製造させるようトランプ大統領に求める自治体当局は増えていて、クオモ知事はそのうちの1人だ。

国の管理がないために、州同士が医療機器を巡って争っているとクオモ知事は述べた。価格は上昇していて、その結果、ヘルスケアシステムをさらに逼迫させることになる。

トランプ大統領はすでに国防生産法を発動させているが、実際に使われてきたのかは不明だ。トランプ大統領は先週、記者会見で発動させていると述べたが、連邦緊急事態管理庁のトップ、Peter Gaynor(ピーター・ゲイナー)氏は3月22日記者に対し、大統領はいかなる企業にもまだ緊急補給品をつくるよう命じていないと話した。

いくつかの自動車メーカーは先週、人工呼吸器の製造が可能かどうかを調査していると話していた。米国では新型コロナウイルスが広がり、人工呼吸器のような医療機器を必要する病院が増えている。こうした事態を受け、GMは3月20日、人工呼吸器の増産サポートに向けVentec Life Systemsとともに取り組んでいると明らかにした。この提携では、新型コロナに対応する企業を調整するStopTheSpread.orgがひと役買った。

フォードは22日のTechCrunchへの電子メールで、人工呼吸器や他の医療機器の生産の可能性など、行政をサポートする用意はできていると語った。「米国や英国の政府と事前協議を行い、対応できるか調べている」と同社の広報担当のRachel McCleery(レイチェル・マッククルーリー)氏は述べた。「危機を前に国を支えるために力を合わせることが不可欠だ。そうすることでこれまでにも増して強くなる」。

SpaceX(スペースX)とTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk (イーロン・マスク)氏は3月21日、人工呼吸器のことでMedtronicと協議を持ったとツイートした。Medtronicはその後、協議の事実をTwitterで認めた。マスク氏はこれより前に、SpaceXとTeslaが人工呼吸器の製造に取り組むとツイートしていたが、詳細は示していなかった。この件についてテスラにコメントを求めることはできなかった。

画像クレジット: The Washington Post / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

電気自動車メーカーのRivanが新型コロナで全施設を閉鎖

Amazon(アマゾン)やFord(フォード)が支援する話題の自動車スタートアップRivian(リビアン)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受け、全施設を閉鎖する。

Rivanはミシガン州プリマスの本部やイリノイ州ノーマルの工場、そしてエンジニアが自動運転技術に取り組んでいるカリフォルニア州サンノゼとアーバインの拠点など、いくつかのロケーションで2000人超を雇用している。そして英国にもオフィスを構える。

同社は20日、給与雇用並びに時間給雇用の従業員は閉鎖の間も引き続き賃金は支払われると話した。大半の施設の出社率はこの1週間、2〜5%だったという。施設閉鎖の期間は現時点では未定、と広報担当は語った。

Rivanは2018年11月にLAオートショーで全電動のR1TピックアップとR1S SUVを発表するまで、ほとんどの時間鳴りを潜めてきた。しかしこのショー以降、同社は消費者の予約に加え、投資家、そしてフォードやAmazonといった企業顧客を集めてきた。

昨年12月に同社は4回目のラウンドとなる資金調達で新たに13億ドル(約1440万円)を獲得したと発表した。その前には、Amazonがリードする7億ドル(約780億円)、電気自動車テクノロジーのコラボレーション込みでのフォードからの5億ドル(約550億円)、Cox Automotiveからの3億500万ドル(約340億円)があった。

フォード傘下のラグジュアリーなブランドLincolnは「まったく新しい」電気自動車の開発でRivianと協業している。AmazonはRivianに電気自動車の配達バン10万台を発注し、2021年から納車される見込みとなっている。

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、自動車メーカーは状況がひどくなっている欧州や米国でのオペレーションを一時的に停止することを余儀なくされている。一方で、この感染が最初に始まった中国では、工場を再開し始めている。

今回の感染拡大に対する自動車メーカーの対応はさまざまだ。一部の企業は他社よりも早く操業を停止した。米国ではホンダが先頭を切って工場を閉鎖した。そしてフォードやGM、FCAのビッグ3は全米自動車労働組合(UAW)とタスクフォースを結成してその後に続いた。これらの自動車メーカーはタスクフォースの勧めに従って工場で新たな安全のための取り組みの導入を始めたが、UAWは工場を閉鎖するようプレッシャーをかけ続けた。何人かの従業員が新型コロナウイルスの検査で陽性となったのも工場停止への流れを加速させた。そして日産とフォルクスワーゲンも米国での操業を停止した。

Tesla(テスラ)はかなり粘っていた。3月19日にカリフォルニア州フリーモントにある工場を3月23日から閉鎖すると発表した。生産を停止するという判断は、アラメダ郡の当局が必要不可欠でない事業の停止を命令した数日ごのことだ。当局が、テスラの事業は必要不可欠ではない、と公に述べた後ですらテスラは操業し続けた。

同社はニューヨーク工場の操業も一時停止した。電動モーターやバッテリーを生産するネバダ州リノ近くのギガファクトリーはフルに稼働している。

テスラは3月18日に従業員に送った電子メールで「操業に関して政府の異なるソースからのガイダンスと相違があるため」操業を続けていると述べた。HR部門は電子メールで従業員に対し、もし職務が生産やサービス、納車、テストであるなら出社するよう呼び掛けた。

しかし3月19日までに、郡当局との面会の後に、同社は生産を停止すると発表した。テスラの充電インフラをサポートするオペレーションの一部や「車両とエネルギーサービスのオペレーション」なるものは工場で続く見込みだ。そこでは通常と同じく1万人以上が働く。

画像クレジット: Rivian

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(翻訳:Mizoguchi

Googleが米国向け新型コロナ情報ページ新設、他地域にも拡大へ

Googleは新型コロナウイルス(COVID-19)が他を圧倒的に引き離して今年の検索テーマのトップとなった。この強い関心に答えるための努力を最大限続ける」と発表した。

金曜夜、Googleは新型コロナウイルスによるパンデミック関連の最新情報のポータルページを立ち上げた。デスクトップ版、モバイル版とも多数の情報が提供されるだけでなく、「検索エクスペリエンス」も改善されているという。

Googleによれば新しいポータルは「ユーザーの情報ニーズの拡大に対応して設置されたものであり、新型コロナウイルスに関する基本的かつ有用な情報(症状、予防法など)にに加えて、多数のリンクとサイト内の機能する」という。

「新しい検索エクスペリエンス」というのは、検索キーワードによってヒットした記事がリストされるだけでなく、検索テーマに応じた政府組織や医療機関からの「権威ある情報」や最新情報、インフォミックスなどが表示されることをいうようだ。

Googleの検索担当プロダクトマネージャー、Emily Moxley(エミリー・モクスレー)氏は公式ブログで「(ポータルの)フォーマットは検索結果をわかりやすく整理し、ユーザーが情報やリソースをナビゲートするのを容易にする。また、新しい情報が出しだいすぐに追加していく」と書いている。

検索エクスペリエンスには、地元自治体等の相談、ヘルプ窓口のTwitterのアカウントのカルーセルへのリンク、WHO(世界保健機関)とCDC(米疾病管理予防センター)からのパンデミックに関するFAQを再掲したするセクションも含まれる。

新ポータルは当初英語で米国向けとしてスタートするが、Googleは「すぐにほかの地域と言語を追加する」と述べている。

【略】

インターネットには新型コロナウイルスが関するニセ情報、誤情報が山のように存在している。これがGoogleの検索やFacebook、Twitterなどのソーシャルメディアに入り込み、これらの悪質な情報が拡散される大きな原因を作っている。残念ながらランダムに検索したりクリックした結果がいつもNHS (国立保健サービス)など有益な情報をもたらサイトを表示するわけではない。

これに対してGoogleの新サイトは正しい情報を収集する努力を積極的に続けるという。

トップページには、最も重要な基本的事項が大きく表示される。ウイルスの概要、一般的に見られる症状、感染したりさせたりすることを防ぐためにできることのリストなどだ。下にスクロールすると世界の最新の状況がマップで表示される。統計や治療に関するセクションへも容易にジャンプできる。

新型コロナウイルスと戦うための医療や医薬品の研究開発には莫大な資金とリソースが投じられ、激しい競争が続いている。また募金運動も進行中だ。Googleのポータルのこれらに対応するセクションも状況の変化に応じて拡大されていくだろうと思う。

画像クレジット:Rost-9D / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナ危機で米国とメキシコ間の国境を閉鎖、貿易や商業は対象外

新型コロナウイルスの拡散を抑制するための移動制限に関する最新の取り組みとして、トランプ大統領はメキシコとの国境の閉鎖を命じた。ただし、必要不可欠な移動は対象外とする。先週初めには米国とカナダが互いの合意のもとに、必要不可欠ではない行き来を対象に少なくとも30日間国境を閉鎖すると発表した。急を要する重要な出張や商業輸送は含まれない。

トランプ大統領はすでにメキシコとの国境で米国への入国を最小に抑える策を取っている。CNNが今週初めに報じたように、移民や亡命希望者を阻止する追加の策だ。米国はまた、3月19日に自国民に対し国外へ移動しないよう警告を出した。大統領は国内移動の制限も感染拡大の状況によってはあり得るとした。

Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官は米国・メキシコ間の国境閉鎖を3月20日に発表し、その際、メキシコ政府と協調して閉鎖を決めたとした。トランプ大統領は、米国とメキシコの国境閉鎖は「不必要な移動」が対象で、貿易や商業、教育、医療などが目的のものは対象外だと述べた。この対応はカナダとの国境閉鎖をほぼ踏襲している。大統領はまた、メキシコが欧州からの空路入国を禁止し、米国の南部国境エリアを守ることになるとも付け加えた。

大統領は、越境移動の制限に関して、カナダ、メキシコとのそれぞれの国境が同様に扱われるとも述べた。米国・メキシコ間の国境閉鎖は3月21日からだ。

米国は3月21日午前零時から「CDC勧告」を導入する。これはCDC(米疾病予防管理センター)がどちらの国境でも、合法的な入国のための正式な書類を持っていない人に対して入国をその場で拒否できるようにするものだ。国境を超える際に税関・国境警備局の施設で行われてきたプロセスに置き換わるものとなる。この点についてトランプ大統領は後に「国境を越えようと試みた個人は国籍を有する国に戻ることになる」と明確にした。

これは究極の策だ。「『国境設備では現行のまま移民に対処しながら、新型コロナウイルス感染を回避するためのCDCの方針に従うことはできない』という問題を解決する措置」とホワイトハウスは説明している。これは政治亡命や難民認定を模索する個人をも拒否することを意味する。人道、そして人権という点で危険なものだ。それでも国立衛生研究所やホワイトハウスの新型コロナタスクフォースメンバーのAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士は3月20日の会見で、国境閉鎖という手段を効果的なものにするには、米国へのすべての入国に等しく適用されなければならないと話した。

画像クレジット:Omar Martínez / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

GMとVentec Life Systemsが新型コロナ拡大で人工呼吸器製造で提携

GMは3月20日、人工呼吸器など呼吸関連製品の増産をサポートするためにVentec Life Systemsとともに取り組んでいると述べた。米国中で新型コロナウイルス(COVID-19)感染が拡大していて、呼吸関連の医療機器は多くの病院で必要とされている。2社の提携は、新型コロナウイルスに対応する企業を調整するStopTheSpread.orgが橋渡しをした。

Ventecは人工呼吸器製造のために、GMの物流網、調達、製造における専門的な技術を活用する。両社ともいつから製造を本格化させることができるのか、どれくらいの人工呼吸器を製造できるのかといった詳細は明らかにしなかった。

GMの会長兼CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は声明で、迅速に生産を拡大するためにGMがVentecと緊密に連携を取っていると述べた。「我々はこの困難な時に貢献できる方策を引き続き模索する」とも付け加えた。

テストが広く行われるようになるにつれ、感染者数は急激に増えていて、人工呼吸器の需要は差し迫ったものになっている。症状がマイルドな人もいる一方で、肺炎を起こして入院する必要がある人もいる。

人工呼吸器の不足により、各車メーカーは医療機器の増産方法を検討している。Volkswagen(フォルクスワーゲン)とFord(フォード)はホワイトハウスと協議し、協力を約束したと報道されている。フォルクスワーゲンは3月20日、3Dプリンターを使って人工呼吸器を製造するための専門部署を設置したと述べた。

また、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は同日、Tesla(テスラ)とSpaceX(スペース)の従業員が「人工呼吸器に取り組んでいる」とツイートした。ただし彼はそうした人工呼吸器が必要とされるとは思っていない。この動きは、ニューヨークのBill de Blasio(ビル・デブラシオ)市長が新型コロナウイルスとの戦いに備える病院での人工呼吸器不足を緩和するのに力を貸してほしいと直接マスク氏に依頼したことを受けてのものだ。やり取りがあった翌日、経営する2社が人工呼吸器の製造に取り組んでいることをマスク氏がTwitterで明らかにした。

製造にどの工場が使用されるのか、どれくらいの量を製造できるのか、そしていつから生産を開始する予定なのかは明らかにされていない。

画像クレジット:Rachel Woolf

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(翻訳:Mizoguchi

シュワルツェネッガー氏の慈善団体にTikTokが3.3億円を寄付、新型コロナの影響による子供の食事支援のため

中国メディア企業のBytedance(バイトダンス)傘下でソーシャルメディア大手のTikTokは、慈善団体のAfter-School All-Stars(ASAS)に300万ドル(約3億3000万円)を寄付すると発表した。この団体は俳優でカリフォルニア州知事だったアーノルド・シュワルツェネッガー氏が創立したもので、この寄付金で新型コロナウイルス(COVID-19)の影響から公立学校が休校になり食事が難しくなっている家庭を支援する。

TikTokは米国時間3月19日に発表した声明で「ASASの支部がある米国60都市の家庭に、フードのバウチャーと、地元の食料品店で食料やその他の必需品の購入に使えるギフトカードを提供する」と述べた。

TikTok U.S.のゼネラルマネジャーを務めるVanessa Pappas(バネッサ・パパス)氏は、声明で「誰もが不安定な時期を過ごしていて、地域とグローバルの両方のコミュニティにおいて助けを必要としている人たちのために協力することがこれまでになく重要だ。ASASに対するこの支援は、より多くの学生が安全に食事の支援を受けられるようにするためのものだ。これだけで現在の状況による影響を緩和することはできないが、我々は社会的距離をとる必要性、仕事、登校できない子供のケアの間で不安を抱える保護者に安心してもらえるよう願っている」とコメントした。

ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、ニューアーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンなど、感染拡大で大きな影響を受けている都市の支部に、支援が提供される。この取り組みには、Food Land、Giant、Kroger、Publix、Ralphs、Safeway、Target、Walmartなどの企業が協力する。

TikTokは、食事の支援をさらに増やせるように、TikTokの従業員がASASに寄付をすると最大100万ドル(約1億1000万円)のマッチングギフトを提供することも発表している。

シュワルツェネッガー氏は「重大な局面においては早急な支援が不可欠で、最も弱い立場にある人々を助ける新しい方法を皆が考える必要がある。ASASのプログラムは休校に伴い休止しているが、我々は年間10万世帯への支援を続ける。私がASASを創立した1992年から常に、目標は支援を最も必要としている家族をサポートすることだった。TikTokの寄付により、支援を必要とする家庭に対して食料品やそのためのギフトカードを安全に提供する事業に優先して取り組めるようになり、深く感謝している」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

トランプ大統領肝入りの新型コロナ検査サイトは1週間経っても見つからず

米国時間3月13日となる先週の金曜日、トランプ大統領はペンス副大統領と、ホワイトハウスのコロナウイルス対策本部のコーディネーターであるDeborah Brix(デボラ・ブリックス)氏とともに、政府のウイルステスト戦略の核となる新しいウェブサイトを近々公開すると発表した。

このウェブサイトは、1700人のGoogle(グーグル)のエンジニアによって作成されると発表され、人々をウイルステストのロケーションに誘導するのを助けるために、「非常に迅速に用意される」はずだった。しかし1週間がたった今、Googleが作成するのかどうかもわからないこのサイトは、どこにも見当たらない。

多くの企業や団体が、新型コロナウイルスの症状をチェックできる基本的な検診ウェブサイトを開設しているが、全国規模のウェブサイトはまだ機能していない。

現存するのは、VerilyによるBay Areaでの比較的小規模なパイロットプロジェクトで、先週政府が約束したプロジェクトには最も近いが、全国規模ではない。我々はVerilyに、同社のサービスがこれまでにウイルステストへとどれだけの人を送ったのかについて、データを求めている。The Guardianは今週に入ってテストサイトを調査したが、ほとんど活動していなかった。

「Googleに感謝したい。同社はウェブサイトの開発を支援している」と、トランプ大統領は3月13日に語った。「過去のウェブサイトとは異なり、ウイルステストが必要かどうかを判断し、身近な場所でのテストを容易にするため、サイトは非常に迅速に作成される。

【中略】

Googleは現在1700人のエンジニアを抱えており、彼らによる進捗は目覚ましい」。

トランプ大統領は今週には「Googleのトップ」であるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏に電話をかけ、謝罪したと伝えた。この電話が実際にあったかどうかは確認できておらず、Googleもホワイトハウスも詳細を明らかにすることを望んでいないので、ピチャイ氏へと何を謝罪したのかは不明だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Netflixが新型コロナで職を失くした業界スタッフ支援のために111億円の基金を設立

エンターテインメント業界にとって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は映画館への影響だけではない。世界中でテレビや映画の制作も中止を余儀なくされている。Netflixにとっては「The Witcher」や「Stranger Things」といった、よく知れた作品の制作の中止も含まれている。

同社は、突然職を失ったキャストやクルーを支援するために1億ドル(約111億円)の基金を設けたと発表した。

発表文の中でNetflixのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は「何十万ものキャストやクルーが職を失った。電気技師や大工、運転手もだ。彼らの多くは時間給やプロジェクトベースで働いている」

基金の大半は「世界中にある我々のプロダクションで働いている人で、最も深刻な影響を受けている人」にわたると同氏は述べている。ただし、どういったかたちで支援するかはまだ検討中のようだ(Netflixは先週、一時停止となったプロダクションの労働者に、2週間分の給与を支払っていると同氏は話した)。

加えてサランドス氏は、Netflixが大きな制作拠点を置く国の職を失くしたクルーやキャストに支援金を提供するサードパーティーや非営利団体に1500万ドル(約17億円)を寄付するとも述べた。

寄付には、米国のSAG-AFTRA COVID-19災害基金、Motion Picture and Television基金、 Actors Fund Emergency Assistanceへの各100万ドル(約1億1100万円)が含まれる。カナダではAFCとFondation des Artistesに計100万ドル(約1億1100万円)が寄付される。その他の国に関しては、「Netflixは似たような救済措置を取るために既存の業界団体と連携をとっている」とサランドス氏は語った。

画像クレジット: Amanda Edwards / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

カリフォルニアで新型コロナの救援策としてアルコールの持ち帰り販売が可能に

カリフォルニア州アルコール飲料管理局(California Department of Alcoholic Beverage Control)は米国時間3月20日に、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症の流行に関する小規模企業への救援策を詳述した指示書で、小売業者による持ち帰り用のアルコール飲料の販売を一時的に許可した。これにより、これまでレストランやバーに課せられていたアルコールの店内販売に関する規制が解除されている。

バーはミックス飲料、カクテル、ビールまたはワインのような包装された液体の容器を、飲料が食事とともに購入される場合、顧客に販売できるようになる。持ち帰り用のアルコールを販売する場合は、飲み口やストローのためのホールがないフタや、キャップ付きの容器に入れる必要がある。

この通達によりアルコール飲料の販売禁止は一時的に解除されたが、これはカリフォルニア州によって課されていたオープン・キャリー法には影響しない。飲みものを購入して家までドライブし、安全な状況で楽しみたい場合には、飲みものをトランクに入れなければならない。つまり、ユーティリティコンパートメントやグローブコンパートメントではだめだ。また指示書によれば、公共の場所や開いた容器などの禁止されている場所では、アルコールを摂取することはできない。

他の救済措置としは、小売業者がドライブスルーやスライド式トレーを使って、アルコールを販売できるというものもある。これらは、追って通知があるまで有効だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ニューヨーク州が必要不可欠な職をのぞく全労働者の出勤を禁止

3月20日の記者会見で、ニューヨーク州のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)知事は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、住民に対し自宅に留まるよう命じた。知事は、往々にして無遠慮な印象を与える「屋内退避」という言葉を注意深く避けながらも、必要不可欠な業種をのぞく「すべての労働者の出勤禁止」も明らかにした。22日夜から適用される。

「我々が取れる最も思い切った行動だ」とクオモ知事は述べた。Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事率いるカリフォルニア州の3月19日の動きに続くものだ。クオモ知事は「単独での運動」は命令の対象外となるが、市民が命令を守るよう州は積極的な行動に出るとも述べている。大量輸送機関やレストラン、フードデリバリー、銀行は営業を続ける。ランドリーサービスについての質問にはクオモ知事は答えられなかったが、除外されるサービスのリストは午後にも公開される。

ソーシャルディスタンス(感染予防策として他人との物理的距離を保つこと)を積極的にとる人々の増加する需要に対処するため、州はインターネットサービスプロバイダーにデータ容量を無料で増やすよう依頼している。

「これらは法的な規則だ。法的拘束力を持つようになる」とクオモ知事は述べた。州は決定に従わなかった「必要不可欠でない」事業者に罰金を科す。「これは冗談ではない」とも付け加えた。人々が集まることに対する罰則は現段階ではないようだ。外出禁止の例外には、肉体・精神的な健康のためのものが含まれる。

クオモ知事はまた、かなり脅威的な感染者数の増加にも言及した。現段階でニューヨーク州では2900人の感染が確認されている。これらはすべて過去16日間に診断された。そして35人が新型コロナで死亡した。主に高齢者だ。「最も困難な問題は、人工呼吸器3万台が必要なことだ」とクオモ知事は説明した。「その他のことは二の次だ」。すでに手指消毒薬の製造を始めている同州は、マスクのような役立つヘルスケア製品を製造できる地元の事業所をサポートする。

すでに多くの医療機関の対応能力が限界にきているニューヨーク市は、患者を収容するためにニューヨーク州立大学、ニューヨーク市立大学、そしてジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンションセンターに目をつけている。クオモ知事はまた、事業所や住宅の立ち退きに関して90日の猶予措置を取る。

今回の出勤や外出を禁止する措置に期限はなく、クオモ知事は「2カ月、3カ月、あるいは4カ月」続くかもしれない、と付け加えた。

例外も含めた禁止命令の全文はここで閲覧できる。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Wheelsが新型コロナ対策で電動バイクレンタルを一時休止

新型コロナウイルス(COVID-19)流行の懸念が高まる中、Wheelsはペダルレス電動自転車のレンタルを3月末まで中止する決定を下したと米国時間3月19日に発表した。

「賛否さまざまな意見を検討した結果、最善の行動は電動バイクの貸し出しを3月末まで一旦停止し、その時点で再検討することたと決断した」と同社が今日の発表で語った。「念の為に言うと、われわれWheelsを始めとするマイクロモビリティー全般は、社会が今の危機と戦うのを手助けできる独自の立場にあると理解している。今回の一時休止は、その役割を果たす一歩となるものであり、これに関する楽しみなニュースをごく近いうちに発表するつもりだ」。

Wheelsは、このパンデミックの中で運用を中止した最初のマイクロモビリティー会社ではない。米国時間3月18日に、Limeは新型コロナの懸念を理由に一部地域での運用を中止した。一方、Spinは運用の継続を決定し、サンフランシスコの屋内避難令の中で必須の買い物をするための移動手段であることが理由だと語った。

Wheelsがこの決断に至ったのは、多くの利用者が他の公共交通機関やライドシェアリングよりもWheelsを好んでいるという事実があるものの、同社の現場作業員を保護し、「ウイルスの蔓延を防ぐためにできることは何でもする」ためだと同社は言った。また、一部の利用者が電動バイクを不可欠な用途以外に使っていることもWheelsは懸念している。

今月末、Wheelsはこの決定を再評価し、次期ステップとして何が最善かを改めて検討する。なおWheelsが運用を中止するのは、ロサンゼルス、サンディエゴ、マイアミ、オーランド、タラハシー、ダラス、オースチン、アトランタ、クリーブランド、ソルトレイクシティ、スコッツデール、テンピ、ストックホルム、マドリッド、およびバーゼルの各都市だ。

関連記事:Wheels raises $50 million for pedal-less e-bike share

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeが新型コロナウイルス向けハブを設け悪質動画の機先を制する

新型コロナウイルス(COVID-19)関連のアップデートを多くの人の目に触れやすくするため、YouTubeは米国時間3月19日、新型コロナウィルスの感染拡大と関係のある動画を集めたハブ、英語では「COVID-19 news」、日本語では「COVID-19に関するニュース」をウェブサイト上に設けた。

このような専用のシェルフ(棚)は、ユーザーにとって「権威あるコンテンツ」を広める目的がある。米国の場合、そこに紹介されるビデオはメディアも政府機関等も全国区的なソースからのものが多い。YouTubeからのツイートによると、今では16か国のYouTubeホームページ上にこんな棚がある。この機能は、Instagramなどが行っている新型コロナウイルスに関する啓蒙のための、ウェブサイトの部分的変更に倣っている。

過去にこのようなビッグニュースがあると、たいがい、YouTube上には悪趣味なビデオや陰謀説が氾濫した。今回新設されたニュースシェルフは、パンデミック関連のビデオではYouTube自身に強力な編集権があることを、世間に示す目的があるのかもしれない。

関連記事: Instagramはその拡散力を生かして正しい新型コロナ対策の伝達にひと役買う

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナによるリモートワークブームでSlack絶好調、47日間に7000有料ユーザーを獲得

米国時間3月19日、人気の企業内チャットサービス、Slackは2月1日から3月18日までの47日間に7000件の有料ユーザーを獲得したと発表した。Slackが 前四半期に獲得した有料ユーザーは5000件だったからこれは驚きだ。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により人々が自宅で仕事をすることを余儀なくされたため、リモートワークへの移行に役立つプロダクトはすべて需要が増加しているが、Slackも例外ではない。 TechCrunchではこの傾向に対し、ビジネスとしての成功は新規ユーザーのうちどれほどが有料契約を結んだかにかかっていると分析した

SEC(証券取引委員会)に提出された書類によれば、Slackはこの点でも成功している。Slackの株価は現時点で19%もアップしており、上げ相場の中でも突出している(今日の取引終了後に終値をチェックして必要ならこの記事をアップデートする)。Slackは前回の四半期決算のガイダンスが控えめだったため株価は出遅れぎみだった。

直近の四半期(会計年度としては2020年度の第4四半期)に、Slackは5000件の有料契約を追加し、契約数は第3四半期末の10万5000から11万に増加した。その後の47日で、Slackは有料ユーザーを6.4%増加させた。つまり毎週1%弱増加したわけだ。

Microsoft(マイクロソフト)は今日、SlackのライバルとなるMicrosoft Teamsの1日あたりアクティブユーザー(DAU)が4400万あったことを発表している。これはもちろんSlackよりはるかに大きな数だ。SECへの新しい文書の提出はSlackが投資家に対して最近の利益をアピールするばかりでなく、MicrosoftのPR攻勢に反撃する意図も含まれていたかもしれない。

Teamsは3月11日から3月18日までに1200万をDAUを得ており、Slackと並んでこれのプロダクトに対して極めて大きな需要があることこが見てとれる。

Slackの努力

Slackのトラフィックは急増しており、今日判明したように、ビジネス利用も増えているが、同時に同社ではサービスそのものに対しても有用な追加を数多く実施している。

例えば、ユーザー体験をさらにスムーズにするため、シンプルなインターフェイスを発表している。同社はこれまで以上にサービスの価値が高まっていると感じているだろう。実際、世界のどこでも自宅から仕事をするというトレンドが拡大する中、Slackはユーザーはこのプラットフォームを常に重視していきたとしている。

リモートワークのブームにシステムが対応できるかどうかについては、Slackは自信を持っているようだ。 先週、接続障害が発生したが1日で解決できた(Microsoft Teamsも最近何回かダウンしている)。

Slackはリモートワークによる影響ついてメモを発表し、「社員がオフィスから離れて働くようになっても、コミュニケーションのインフラ対する要求は変わらない。ユーザーがオフィス、携帯ネットワーク、または自宅の固定改選から接続しているかどうかばシステムの負荷にまったく影響しない」と述べた。

しかしSlackのユースケースはオフィス以外にも拡大しつつある。Slackは企業コミュニケーションに理想的と考えられれてきたが、社会的隔離の強制により利用の仕方は多様化するだろう。起業家を支援する人々、大学の同窓グループ、オンラインでの講義の受講をさらに有効活用したい学生など、さまざまなグループがSlackを利用することになる。

今後予想されるトレンドを考えれば、Slackは単なる仕事の生産性向上ツールではなく、むしろバーチャルなコミュニティとして位置づけられることになりそうだ。.

画像:Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ニューヨークの倉庫で働くAmazon従業員が新型コロナ陽性

このようなことが起こるのは時間の問題だった。TechCrunchが3月18日に取り上げたFreshDirectの記事で書いたように、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の最中にあってもすべての人が屋内退避できるわけではない。実際、多くの人が家の中にとどまるほどに商品を調達して消費者の玄関まで届ける役割を担う労働者に多くの負担をかけることになる。

Amazonは19日、ニューヨーク・クイーンズにある配送センターの従業員が新型コロナウイルスのテストで陽性だったことを明らかにした。同社は前日のうちに同じ施設で働く従業員に陽性のケースについてテキストで知らせた。The Atlanticが入手したテキストには、「我々の施設で新型コロナウイルス陽性のケースが本日確認されたことをお知らせする」とある。

同施設でのケースとしては初めてかもしれないが、最後のケースではないことはほぼ確かだろう。たとえ同社が自分自身のため、そして顧客のために病気初期に家にとじこもるよう従業員に勧めていても、従業員の多くは間違いなく出社する。そしてほとんど無症状の人がいるという問題もある。

この件についてTechCrunchはAmazonにコメントを求めている。テキストの中で同社は、DBK1施設の従業員は自宅に帰され、施設は消毒されたと書いている。昼間のシフトの従業員は自宅に帰された一方で、夜間シフトの従業員は出社するという報道を否定した。

同社の商品取り扱い能力はかなりのものであるにもかかわらず、Amazonは必要不可欠でないものを含む特定商品の出荷を制限していて、Prime Pantryからの出荷も一時的に取りやめている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi