Ethereumブロックチェーン上で仮想仔猫の売買が流行、わずか数日で100万ドル以上の取引が行われた

わずか数日前にリリースされたCryptoKitties(暗号仔猫)は、基本的にはポケモンカードのデジタル版のようなものだが、Ethereumブロックチェーン上に構築されていることが特徴だ。ハイテク世界でよく見られるバイラル拡散のように、極めて急速に拡大している。

バンクーバーとサンフランシスコに拠点を置く、デザインスタジオAxiomZenによって開発されたこのゲームは、暗号通貨(仮想通貨)世界の最新の流行であり、おそらく近い将来には一般的な技術となるだろう。

人びとは途方もない額のリアルマネーを、このゲームに投入している。これまでに、およそ130万ドルが取引されているが、何匹もの仔猫がおよそ50ETH(約2万3000ドル)で取引され、そして「始祖の仔猫」は約246ETH(約11万3000ドル)で販売されている。このサードパーティのサイトが、このゲームでこれまでに行われた最大の取引を追跡している。そして、良いバイラル流行の常のように、取引価格は上昇しており、急激に変動している。現時点では、ゲームで最も安価な仔猫の価格は0.03 ETH(約12ドル)である。

ということで、おそらくわずかな現実的な価値しかもたないEtherを使って、疑いなく全く現実的価値のない資産を購入する人びとが現れたわけだ。2017年のインターネットへようこそ。

真面目な話、これは人びとがぬいぐるみの動物に対して、狂ったような金額を注ぎ込んでいたビーニーベイビーズの流行を少し思い起こさせる。しかし、この先もし人気が上がり続けるならば、現在買っている人たちは、転売したり、希少な仔猫を繁殖させたりすることで、収益を得ることができるかもしれない。もしくはビーニーベイビーズの末期に起きたように、程なく市場が崩壊し仮想的なレア仔猫に対する大量の暗号鍵を抱えることになるのかもしれない。

それでもゲームそのものについては、いくつかクールな点がある。そして価格の馬鹿さ加減を脇に置くことができるなら、これは実際初心者がEthereumブロックチェーンとやりとりをするためのクールな手段なのである。

まず、Ethereumブロックチェーン上でプレイしているので、ゲームを管理している中心的な存在はないことを理解することが重要だ。これは、ユーザーが文字通り自分の仔猫を所有していることを意味する。すべてが中央データベースに保存されていて、会社が倒産したときにはペットが削除されるようなNeopetsをプレイするのとは異なり、CryptoKittiesは分散されていて、Ethereumブロックチェーンの上で永遠に生き続ける。

このゲームは、AxiomZenによって書かれた5つのEthereumスマートコントラクトのセットを経て実行され、ユーザは自分自身のEthereumアドレスを使ってインタラクションを行う。現時点での最も簡単な方法は、Chrome拡張機能のMetaMaskを使うことである。これによってブラウザから直接Ethereumを送受信することができるようになる。そしてCryptoKittiesサイトに移動する。このサイトは基本的に彼らのスマートコントラクトと取引をする場所であり、仔猫たちを売買したり、繁殖させたりすることができる。

現時点ではEthereumネットワークの全トラフィックの約15%がこのゲームに利用されており、ネットワーク上で最も人気のあるスマートコントラクトとなっている。参考までに、ネットワークトランザクションの約8%を占める第2位は、人気のある分散型トークン取引所であるEtherDeltaのものだ。

このトラフィック量のために、CryptoKittiesで遊ぶことは難しくなっている。そして多くのトランザクション(仔猫の売買)が、通常の取引よりも長時間かかったり、複数のリトライが必要となっている状況だ。

このスケーリングの問題は、ゲームをすることを難しくしているだけでなく、Ethereumネットワーク一般の、真の懸念事項なのだ。ハイテク世界の中で流行っているだけの、たった1つのバイラルゲームがネットワークを遅くしてしまうとしたら、もしブロックチェーンは実世界アプリに広がったらどうなってしまうのだろうか?

ともあれ、ゲームそのものの話に戻ろう。まだわけがわからないって?私たちもそうだ。以下にそれがどのようなものかを説明しよう:

遊び方

ゲームは100匹の “Founder Kitties”(始祖仔猫)たちで始められた。そして15分おきに新しい”Gen 0″(世代0)の仔猫が生み出されている。それには最後に売れた5匹の仔猫の平均価格プラス50%の価格が付けられる。しかし販売価格誰かがその仔猫を買うまで、24時間に渡って下がり続ける。

そして誰でもオークションで仔猫を売ることができる。オークションに際しては、開始価格と終了価格を選ぶが、誰かが購入するまでやはり価格は下がり続ける。たとえば、私が1匹の仔猫をある日オークションに出すとする。開始価格は1ETH、終了価格は0ETHとしよう。もし誰かがオークション開始後12時間の時点で購入した場合、私は0.5ETHを手にすることになる。

仔猫は繁殖によって生み出すこともできる、これはゲームの中ではSiring(親になること)と呼ばれる。自分の仔猫を繁殖のために提示することができる。他の誰かがその仔猫を繁殖に使うことで、彼らは新しい仔猫を得て、こちらは手数料(ether)を手にする。あるいは、逆に自分の仔猫と誰かの仔猫を掛け合わせるために支払いを行うことも可能で、この場合にはetherを支払い、仔猫を得ることになる。

新しい仔猫を繁殖させるには、「クールダウンタイム」に従って1時間から最大1週間ほど時間が掛かる可能性がある。この時間は短ければ短いほど良い。なぜなら仔猫をすぐに売ってまた繁殖を行うことができるからだ。これは、これは「クールダウンタイム」が短い仔猫ほど、一般的に高く売れることを意味する。

それぞれの仔猫には、仔猫たちが持つことのできる違いの組み合わせを表現するための、256ビットのゲノムシーケンスが与えられている。それらが表しているのは、背景色、クールダウンタイム、鼻の横のヒゲ、顔の毛、縞模様などが含まれる。これらの遺伝子のいくつかは劣性である。すなわちストライプのない仔猫でもストライプを持つ仔猫を生み出すことができるということだ。

大事なことは、ゲーム側では遺伝シーケンスに希少価値を割り当てる、「希少度」は規定していないということだ。つまり、コミュニティは独自にどのような形質が希少なものであるかを、それに対して支払うプレミア価格によって決定しているのだ。たとえば、金色の背景を持つ仔猫は、その他の背景色の子猫よりも高く販売されている。

ユーザーが自分でカスタマイズすることができるのは、自分の仔猫の名前だけだ。しばしばその名前の部分が、珍しい属性(色とか世代とか)を宣伝するために使われている。

現時点では、あるCryptoKittiesサイト上の仔猫の実際の遺伝子シーケンスを知るための手段は存在しない。とはいえ、それはEthereumコントラクトの中にある完全にオープンなコードなので、誰かが仔猫の遺伝シーケンスを「読む」手段を発見して、それに基づいて繁殖の推奨をするようになるのは時間の問題だろう。またある程度のランダム性も加味されている。これによってあまり希少でない仔猫を持つ人でも、レアな仔猫を得るチャンスが出てくるので面白みが増す。

猫は繁殖するたびに世代が1つ増える。したがって、Gen 0(世代0)の子孫はGen 1(世代1)となり…以下同様だ。早い世代の仔猫たちは、単純に希少であるという無形の価値と、早い世代の方が一般にクールダウン時間が短いという有形の特性によって、より高額で取引されているように見える。

Axiomは、最初の100匹の仔猫を売ったことで回収したetherと、15分ごとに新しく生まれて売られる仔猫によって収益を得ている。また彼らは、すべてのオークションまたはSiring取引で、3.75%の手数料を徴収している。CryptoKittiesのウェブサイトを経由せず、スマートコントラクトと直接インタラクションして仔猫を売った場合には、3.75%の料金を支払う必要はない。

次は何だろう?

他の多くのバイラルプロジェクトとは異なり、CryptoKittiesのチームは、この大騒ぎには振り回されずに、このプロダクトを育てていくつもりだ。このゲームを主導するMack Flavelleは、チームは少なくとも1年分の改善プランを抱えていると私に説明した。その中で直近のものはウェブプラットフォームのUIの改善である。

彼らはまた、参加プロセスをより簡単なものにしたいと考えている。なぜなら、結局のところ、現在でも平均的な人にとってはMetaMaskをセットアップして、etherを売買し、そしてそれをネットワーク上で使用することは簡単ではないからだ。

このプロジェクトには、ゲームの現在の仕組みと、もう少し詳しい将来の計画についての説明を行う素敵なFAQが用意されている。

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(翻訳:sako)

Amazonプライム・ビデオに「ディックの電気の夢」登場――日本でも来年公開へ

Amazonは引き続きビデオ番組の製作に力を入れている。来年1月12日からフィリップ・K・ディック原作のオリジナル・シリーズ、Philip K. Dick’s Electric Dreams〔フィリップ・K・ディックの電気の夢〕が公開される

この全10作のアンソロジーはAmazonプライム・ビデオの会員向けで、それぞれの作品は原作者の意図に従って別個の世界観に基づく。

ディックはSFの歴史を通じて偉大な――よしんば最大でないとしても――作家と認められている。著作は50冊以上に上り、Guardianによれば、1年に11冊が刊行されたことさえあるという。

このAmazonプライムのアンソロジーは同じくディック原作の『高い城の男』のビデオ化に続くものだ。2018年にシリーズ3が公開される予定の『高い城の男』はプライムビデオのドラマとして最高の視聴回数を記録したという。

この勢いを持続させ、ディックの他の作品のビデオ化につなげるためにも『電気の夢』は重要だ。このアンソロジーはアメリカ、ドイツ、インド、イタリー、日本、ラテンアメリカ、スペイン、トルコその他の地域で公開予定が予定されている。

シリーズはオールスターキャストでアンナ・パキン、スティーブ・ブシェミ、ブライアン・クランストン、ジャネル・モネイ、テレンス・ハワード、モーラ・タイニー他が出演する。

一方、Amazon Studiosは最近セクハラ疑惑で大揺れしていた。しかもAmazonにエミー賞をもたらした『トランスペアレント』の主演、ジェフリー・タンバーが自身のセクハラを追求されて降板している

〔日本版〕ディックの原作の小説、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』他は邦訳が紙、Kindle版で入手可能。Maura Tierneyのアメリカでの発音は「ティアニー」に近い。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alphabet他から調達した7000万ドルで、UnitedMastersはレコード業界の革命を狙う

レコードレーベル(レコード会社)は時代遅れだ。彼らは、音楽が、CDを販売することから、楽曲のストリーミングを行い、コンサートチケットとグッズの宣伝を行なうようなった進化について行けていない。かつてのレーベルは、アーティストたちのためにアルバムを作成し、名声と、収入を得る手助けをするためのものだった。しかし、いまや誰でも録音をすることが可能になり、誰も音楽を「買う」ことはしない。現在では、ハイパーターゲット広告と分析技術を組み合わせたテクノロジー企業であることが必須なのだ。そして古いレーベルには、それを行なうエンジニアリングの才能が欠けている。

これが、 Interscope Recordsの元社長であるSteve Stouteが、密かにGoogleの親会社Alphabet、有名なベンチャー企業アンドリーセン・ホロウィッツ、そしてエンターテインメントの巨人20世紀フォックスから秘密裏に7000万ドルを調達した理由だ。

本日(米国時間11月15日)、彼のスタートアップであるUnitedMastersが表舞台に姿を現した。

UnitedMastersは、ミュージシャンたちに、搾取的なレコードレーベル取引に対する代替案を提供する準備を整えている。アーティストたちは彼らの音楽をSpotifyからYouTubeそしてSoundCloudに対して配信して貰うために、UnitedMastersに対して、これまでの例よりも安いレートで手数料を支払う。そして両者はアーティスト側に原盤権を残しながらロイヤリティを分け合うのだ。またUnitedMastersは全ての分析データを取り込み、視聴者を特定し、アーティストたちにCRMツールを提供し、チケットやグッズ販売のために、トップファンたちに対してピンポイントで宣伝を出す手伝いも行なう。

Stouteは、この計画は次のように説明する「音楽をゲームのように眺めてみて下さい。ゲームでは最も強い関心を抱いている人たち全てから、収益を挙げています。その理論と考えを音楽に持ち込みたかったのです」。ミュージシャンがたくさんのお金を稼ぐのは、そうした熱心なスーパーファンたちからなのだ。そして遂に、自分たちのアルバムを50回聴いてくれた人たちに、アーティストが売りたいものの広告を手間いらずで配信してくれる仕掛けを作り出した者が登場したということだ。

Stouteは既に、2004年以来、Translationという名のカルチャーメイカー向けの広告代理店に勤めていた。その会社はUnitedMastersのTranslation Enterprises部門として合流する予定だ。ミュージシャン以外にも、UnitedMastersは特定セグメントのリスナーに広告を出そうと考えるブランドたちとも協力する。例えば、アルコール大手であるディアジオが、有名プロデューサーのPuff Daddyと提携しているCîrocウォッカを、彼のファンたちに売り込むことを支援するといったことだ。

スタートアップ業界で世界最大のラップミュージックファンであるベン・ホロウィッツは、彼がUnitedMastersのボードメンバーに加わるというアイデアにすっかり魅了されている。「Steveの考えは、トップテクノロジー企業が顧客たちにマーケティングするように、もしミュージシャンたちが、簡単に自分たち自身を世界に向けてマーケティングできるとしたらどうだろうか?というものなのです」。ホロウィッツは、事前にTechCrunchと共有し、現在は公開されているブログ記事で、そのように述べている。「そのようなプラットフォームは、ミュージシャンたちを古いモデルへの依存から解放して、その収入を10倍に増やすことでしょう。そして、アーティストたちを本当に独立した存在にする一方で、アーティストとファンたちの間にこれまでにない親密さを作り出すことになるでしょう」。

Alphabetにスタートアップの7000万ドルのシリーズAを主導させたのは、ラリー・ペイジ自身だった。「世間の人びとは、ラリーが本当はドラマーだったことを知りません。彼はアーティストに対して深い感受性を持っているのです」とStouteは言う。ペイジは、ミュージシャンがたちが、最も多くのお金を使ってくれるファンたちを追跡したり、的を絞ったりすることができないということに驚いた。そこで、PageはGoogleの企業開発リーダーであるDavid Drummond(元ラジオDJ)と協力して、UnitedMastersが必要とする現金を投資したのだ。

Googleとその仲間たちは、極めて熱心にレコード産業界をひっくり返そうとしている。GV(Google Ventures)の最初の投資対象は、音楽配信および権利管理サービスであるKobaltだった。同社はアーティストたちの作品の公開を追跡し、ロイヤルティの徴収を行なうことを目的に2億ドル以上を調達した一方で、その子会社のKobalt Capitolは投資家たちが音楽著作権を買うためのプラットフォームを提供している。しかしKobaltは、パフォーマーたち自身がツアーのチケットやTシャツを売る際の面倒まではみてくれない。

ミュージシャンたちは一部の技術者たちとは違ってStouteを信頼している。ニューヨークのクイーンズに生まれた彼は、かつては地元の英雄であるNas and Mary J. Bligeのマネジメント行い、人気者に仕立て上げた経験を持つ。彼と話せば、他のミュージシャンたちがやられっぱなしになっていることに、彼がうんざりしているのだという、確かな感覚を得ることができる。彼はUnitedMastersを単なるソフトウェア会社以上のムーブメントのように捉えているのだ。

ミュージックテックを避けることはできない。敵ではないのだ

UnitedMastersの最初の動きが始まっている。現在アーティストたちは自分自身のYouTubeやSoundCloudアカウントを、同社のサイトに接続することで、「あなた自身のキャリアを成長させるためのパーソナライズドガイド」を受け取ることができる。その中には、ファン層の人口分布やツアーを組むべきルートへの洞察も含まれている。

UnitedMastersは現在、プロダクト、デザインならびにエンジニアリングの技術的才能を持つ人材たち、そして最初の独立系ミュージシャンたちの一群を積極的に募集している。約40人のチームの中には、元FacebookやDropbox出身のエンジニアたちを抱えている。その一方で、すでに約1000のパフォーマンスを扱っていて、デジタルネイティブになってビジネスを運営することを望む新鋭アーティストたちに的を絞っている。「独立してやっていけるようにすることがUnitedMastersの目標です。 25万人のChance The Rappersが必要なのです」と、グラミー賞を勝ち取った強烈なインディーズヒップホップアーティストを例に挙げながら、Stouteは語った。

最終的には、現在のレーベル契約を破棄して、長期的な可能性に賭け、自身のオリジナル音源の管理をしたいと思っているアーティストたちと契約を結ぶことができるだろう。キャッシュの前払いを行い、束縛し、そしてわずかばかりの収益分配を行なうのではなく、UnitedMastersはパートナーとして振る舞う。

現在のレーベルは、アーティストの収入の全部を取り上げてしまいたがることが多い。「レーベルは360契約(レーベルがアーティストに一定の金銭的援助を与える代わりに全ての音楽収入を管理すること)を始めました、CDの売り上げが落ちて利益が枯渇し始めたからです、しかし彼らが360サービス(十分なサービス)を提供してくれるわけではありませんでした」とStouteは憤慨してみせる。「私はなにもレコードレーベルを『悪人』に仕立て上げたいのではありません」と、やや表現を和らげながら、彼は宣言する「モデルを変えなければならないのです」。アーティストたちはしばしば、ストリーミングでは十分な収入を得ることができないと不満を述べることが多いが、Spotifyのような企業は収益のおよそ70%を支払っている。彼らが受け取るべき収入から大きく上前をはねているのがレーベルなのだ。

ストリーミングサービスに音楽を送り込むための、TuneCoreのようなサービスはすでに存在しているが、そうしたサービスたちはミュージシャンたちにより多くの分析結果を提供することで彼らに訴求しようとしている。 Spotifyはアーティストたちのための包括的な洞察アプリを立ち上げた 。また、既にたくさんの商品プラットフォームとチケットパートナーも存在している。しかし、UnitedMastersは、音楽ビジネスに現在欠けているデータ層になりたいと考えている。これによって、たとえば音楽レコメンデーションサービスのPandora上で、1曲毎の再生からはほんのわずかな収入を得ている中から、分析によってあるアーティストの強力なファンを発見することができる。このことでそのファンに対してFacebook上で広告を出して、サイン入りポスターを買ってもらったり、VIPチケットパッケージを購入して貰ったりすることができるのだ。

アーティストたちにこれまでとは別の道があると教えることがUnitedMastersにとっての最大の課題だ。多くのミュージシャンたちは、いまだにストリーミングを、ブランドとしての彼らのバンドのマーケティングの役に立つ、避けられない音楽配布の進化と捉えるのではなく、彼らのアルバムセールスを食い荒らす敵だと考えている。しかし、一旦アーティストたちが、自分たちはナイキとあまり変わないもので、彼らの曲はそのブランドのコマーシャルのようなものだと思うようになれば、彼らはリスナーたちとその情熱を購入につなげるための支援が必要だということに気が付くだろう。

オールドスクールであるレーベルと、KobaltやUnitedMastersのようなスタートアップの両方が入り込む余地が残されているのだ。しかし、いまやアーティストたちは、必要とする多様なサービスの全てを1つの会社もしくはレーベルから受け取ることができる存在となるよりも、彼ら自身をマーケティングとプロダクト専門家のチームを組み上げて経営する創業者のようなものとして捉え始めている。これにより、UnitedMastersのパートナーモデルは、コントロールを旧来の中央集権型のオーナーに預ける方法に比べて、徐々に魅力的なものに映っていくことになるのだ。

「素晴らしいアーティストになることが、アーティストにとっての大切な仕事なのです」とStouteは結論付ける。「アーティストたちをとりまくインフラは、彼らがもっと有利な割合で収入を得る手助けをしなければなりません、彼らの原盤を取り上げて所有してしまうのではなく」。

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(翻訳:Sako)

Niantic、ポケモンGOの次はハリー・ポッターと発表――噂のARゲームは来年リリースへ

Niantic LabsのポケモンGOは世界的ヒットとなった。モバイルデバイスで作動するロケーション・ベースのAR〔拡張現実〕テクノロジーと膨大なファンを持つIP〔知的財産〕を組み合わせたことが同社の大成功のカギだった。ならばハリー・ポッター・シリーズをテーマにしても同様の熱狂的なファンの反応を期待してもよいはずだ。

Harry Potter: Wizards Unite〔ハリー・ポッター:ウィザーズ・ユナイト〕と題されたARゲームは2018年にリリースされる。開発はNianticとWarner Bros. Interactiveおよびその新たな子会社のPortkey Gamesだ。

NianticがポケモンGOスタイルのハリー・ポッター・ゲームを開発しているという噂は昨年、同社がハリー・ポッターのゲーム化ライセンスを取得したときから出ていた。しかし近くゲームが公開されるという噂はすぐに否定され、オリジナル記事もウェブから削除された。

ハリー・ポッター・ゲームの存在はついに公式のものとなったが、詳細はまだ明かされていない。リリース時期についても「来年のいつか」というだけだ。ただし内容についてはNianticのARゲーム、Ingressの影響を強く受けたものになる。このゲームではプレイヤーは2つの陣営のいずれかに所属し、現実世界を広く歩き回り、パワーアップ・アイテムを集め、ポータル地点を守り、コントロール範囲を広げていく。

このIngressの仕組みはハリー・ポッターの世界観に非常にうまく適合する。IngressのSF的設定を剥がせばその骨格はハリー・ポッターをARゲーム化するために生まれたといっていいぐらいだ。また当初Ingressで(後にポケモンGOで)収集された位置情報データベースがそのままゲーム化に活用できるはずだ。

アップデート: Nianticの公式発表はこちら。Harry Potter: Wizards Unite

画像:Warner Bros.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

若き日のハン・ソロを描く映画、正式タイトル発表――‘Solo: A Star Wars Story’ は来年公開へ

スターウォーズ世界では若きハン・ソロを主人公とした映画の製作が進行中だ。このほとロン・ハワード監督がTwitterビデオで自ら大きなプラカードを抱えて正式名称を発表してくれた。そのタイトルはSolo: A Star Wars Storyだ。

この作品はスターウォーズ・シリーズの最初の公式スピンアウト作品、『ローグワン/スターウォーズ・ストーリー』を引き継ぐもので、スターウォーズ世界を背景とするがシリーズ本作とは別個のものとなる。つまりスカイウォーカー家を中心とした物語ではないが、『聖典』(スターウォーズ9部作)の世界を背景とする。

ロン・ハワード監督は下にエンベッドしたビデオでハン・ソロ映画はすでに撮影を終えたことを明らかにした。2018年年5月25日の公開に向けて編集などのポストプロダクションに入ることになる。この映画のオリジナルは『LEGO ムービー』だが、そのプロデューサー/監督のフィル・ロードとクリストファー・ミラーのコンビが製作に加わっていた(上の写真に写っている)。しかし先ごろ、2人はLucasfilmのプレジデントであり従ってスターウォーズ世界の最高司令官であるキャスリーン・ケネディとのクリエーティブ上の意見の相違を理由として製作チームを去った。.

撮影を終えたのでわれわれのスペシャル・メッセージをお届けする。 ロン・ハワード

この映画に出演するスターはハン・ソロを演ずるアルデン・エーレンライクを始め、エミリア・クラーク(ゲーム・オブ・スローンズ)、ドナルド・グローバー(スパイダーマン/ホームカミング)らだ。期待に違わぬ出来であると信ずる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ポルノサイトが人工知能でビデオをタグづけ――PornHubのシステムは出演者、場面を認識する

新しいテクノロジーを採用するのが速いのはポルノビジネスだという説がある。PornHub〔閲覧注意〕はこれが必ずしも伝説ではないことを示そうとしている。このサイトではこれまでは人力でビデオの分類、タグづけを行っていた。しかし毎日8000万の訪問者がある巨大サイトにアップされるビデオを手作業でタグづけするのは大変な作業だ。

そこで分類、タグづけのための人員を増やす代わりにPornHubではロボットを採用することにした。

PHubの副社長、Corey Priceは「われわれはファンに対してビデオやモデルに関する情報を迅速、正確に提供することによってユーザー体験を改良し、エンゲージメントをアップさせることを目指している」と語った。,そのためにはプラットフォームを最新のテクノロジーを用いて常にアップデートしていかねばならない。「サイトがナビゲーションしやすくなればユーザーがサイトに戻ってくる可能性が高くなる」という。

PHubが採用したコンピューター・ビジョン・システムは各シーンに登場する出演者を識別できるだけでなく、シーンの…なんというか、属性を認識することができる。このシステムの能力をTechCrunchのような真面目なサイトで具体的に説明するのは困難だが、ともあれシステムはリアルタイムでパフォーマーをタグづけし、パフォーマンスの種類も分類できるという。上のデモではモデルの名前が表示されている。下の画像では斜め横からでも人物を認識し、パフォーマンスの種類を分類している。

「現在われわれは50万本のフィーチャービデオでこのシステムを使っている。これにはユーザーがアップロードしたビデオも含まれる。2018年の初めまでには全ライブラリーをスキャンする予定だ。近くこのシステムはさらに多様な場面を正確に認識し、適切にタグ付けできるようになる」とPrice。

顔認識はかなり以前に開発されたテクノロジーで、現在はモバイル・アプリでも用いられているが、PHubのシステムが「ビデオをスキャンして場面を適切なカテゴリーに分類する」というのは一歩進んだ利用法だ。さて実際にどの程度正確なのだろう?

「非常に正確だ」とPriceは断言した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パシフィック・リムの続編、アップライジングの予告編が来た

パシフィック・リム:アップライジングの予告編が公開された。ロボットはさらにスマートになり、パイロットのジョン・ボイエガが英国英語を披露する。製作者は観客の好みを良く知っている。カイジュー・モンスターはさらに大きくなり、悪賢さも進化した。

大ヒットしたギレルモ・デル・トロ監督のオリジナルの続編は、予告編をみるかぎり、ストーリーはさらにジェットコースター的になっているようだ。戦闘は市街地を舞台に巨大なスケールで繰り広げられる。

第1作に比べると雰囲気は パワー・レンジャー〔日本の特撮シリーズ「スーパー戦隊」がベース〕に近いかもしれない。もっともだから悪いということにはならないが、注意しないと世界観をぶち壊しにしてしまう危険がある。ともかくうまく行っていることを祈ろう。私はパシフィック・リムの大ファンなので続編が次々に作られることを期待している。ワイルド・スピード・シリーズのカイジュー版になればいいと思っているのだが。

〔日本版〕情報によれば、菊地凛子が引き続き森マコを演じ、千葉真一の息子、新田真剣佑も出演するという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブレードランナー2049、公開近づく――オリジナルを超えないがやはり気に入った

続編を必要としない映画ということならブレードランナーはその筆頭だろう。

だいいち続編はあのロサンゼルスをどうやって描写したらいいのか? なるほど現実のLAは2019年になっても無数の飛行車が飛び回ったり巨大な日本語の電光広告が壁面を彩ったりすることはなさそうだ。しかし今でもブレードランナーのオリジナルは暗くシリアスなSF映画の教科書となっている。

さらに重要なことだが、オリジナルのエンディングは両義性の典型だった(少なくともリドリー・スコット版やファイナルカット版はそうだ)。

それでも今週末に公開されるブレードランナー2049は続編が陥りがちな罠を巧みに避けた作品になっている〔日本での公開は10/27〕。ブレードランナー2049はオリジナルと同様、それ自身で完結した物語となっており、シリーズ化といった方向に動く要素はない。
また安易な謎解きもしていない。オリジナルのエンディングが両義的であったのとまったく同じように2049のエンディングも両義的だ。【略】

ブレードランナー2049でもオリジナルと同様に人々はレプリカントについて「人間の魂を持っていない」として劣等性を叫ぶ。しかしそれがレプリカントの奴隷化を正当化するためのウソであることがオリジナルの場合よりもさらにはっきりと感じられる。

2049のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はロサンゼルス市そのものより、市外の光景を創造することにいっそう興味を惹かれたようだ。市外はオリジナルでも存在が暗示されていたが、実際には描写されていない。新ブレードランナーではほとんど無人で環境破壊により荒廃した広大な風景が写し出される。皮肉なことにブレードランナー2049はオリジナルよりもフィリップ・K・ディックの原作、『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』 に近い雰囲気だ。

ここまで私はストーリーにも登場人物にもほとんど触れてこなかった。これは映画を配給するワーナー・ブラザーズがレビュアーに対してネタバレをしないよう強く注意を喚起しているからだが、ライアン・ゴズリングのブレードランナーがオリジナルのエンディング以来市外に隠れ住んでたハリソン・フォードのリック・デッカードを探しに行くということは紹介しておいてもいいだろう。

ゴズリングは新しい主役にふさわしい演技をみせた。寡黙さ、有能さ、突き放した態度のミックスはドライブの主人公に通じるものがあるが、この映画ではさらに突然の暴力と怒りのシーンがさらに多くなっている。ハリソン・フォードは2049でもスターウォーズの新作で帰ってきたときの「気難しい老人」のイメージからそう遠くない。しかしフォードの感情表現はさすがだ。

この映画は全体として静かに進行する。ビジュアルの美しさを鑑賞するのに十分な上映時間がある(163分!)。もしかするといささか静かすぎ、いささか長過ぎるかもしれない。しかし私は美しく物悲しいSF映画の大ファンだ。ただしオリジナルのエンディングでのデッカードとレプリカントのリーダー、バティーとの対決は映画史に記憶される瞬間だと思うが、2049はそこまでは到達していないようだ。

私は感情を揺さぶられるという以上に映画の出来栄えに感心した(こればヴィルヌーブ監督の前作『メッセージ』にも言えることだ)。ブレードランナーのオリジナルは続編を必要としないという考えは変わっていないし、続編のインパクトはオリジナルには及ばないだろう。

それでもこれは良く考えぬかれた素晴らしいSF映画だ。もちろん料金を払って見る価値は十分にある。

〔日本版〕日本での公開は10月27日(金)から。公式サイトには「オリジナルとの間に何があったのか?」という疑問を埋める渡辺信一郎監督によるアニメが掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Angry BirdsのRovioが10億ドルのIPOを計画

Angry Birdsを覚えているだろうか?まあ、おそらくIPOを正当化できる位には沢山の人がまだ遊んでいるのだろう。

この人気のあるスマートフォンゲームの親会社であるRovio Entertainment(フィンランド)は、2週間以内のHelsinki Nasdaqでの株式公開の準備を進めている。そして、同社はIPOのための価格設定を、評価額およそ10億ドルとして算出した。これは彼らが望んでいると言われていた20億ドル以上の価格よりもずっと少ない。

しかし、同社が目標としている1株当たり10.25ユーロから11.50ユーロの価格で公開されれば、まだ「ユニコーン」になることができる。IPOでは約3000万ユーロ(現時点で約40億円)を調達することになる。

Angry Birdsアプリは2009年に発売されて以来37億回ダウンロードされている。昨年にはこのゲームの成功を利用して、映画”Angry Birds Movie”も制作された。

同社はAccel、Atomico、Felicis Venturesなどから、少なくとも4200万ドルの出資金を調達している。

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(翻訳:Sako)

任天堂がスーパーマリオオデッセイの詳細とスクエアエニックスの新作RPGのデモなどを公開

本日(米国時間9月13日)任天堂はゲーマーたちのために、ホリディシーズンまでをつなぐ数点のアイテムを発表した。同時にSNES Classicを買いたい人たちをなだめることも目的だ。発表されたのは最も期待されている登場間近のゲームたちの詳細と、スイッチ発表イベントで皆の注目を集めたスクエア・エニックスからの復活タイトル(覚えているだろうか?)のデモだ。

腹を空かせた3DS群衆に対して幾つかのエサを(ポケモンのアップデートや新しいオレンジと白の機種)投げ込んだ後、任天堂の説明はメインイベントへと移った。

私が気に入ったのはArchade Archives Mario Brosエディション。これにはマリオブラザーズは勿論含まれているが、昔懐かしいバルーンファイト、アイスクライマー、ピンボール、クルクルランド、パンチアウト!!、その他も含まれている。それらは皆(80年代にオリジナルNESにポーティングされたものとは違い)アーケード版に忠実で、複数プレイヤーをサポートしている。私は間違いなくこれを買うつもりだ。

新作「ゼノブレイド・クロニクルス2」のささやかなアナウンスと長めのオーバービューは素晴らしいものだ。そしてニンテンドーダイレクトビデオは相変わらず奇妙な名前の 「”‘Project Octopath Traveler”(仮称)」の紹介へと移る。

このRPGは、現代的なものと並んで古典的なアイデアとグラフィックをブレンドしている。かなりの見ものと言って良いだろう。スプライトと背景は、明らかにファイナルファンタジーVIから派生したものだが、これは(僭越ながら)このシリーズの頂点として考えられているものだ。しかし、非線形構造が実際のゲームプレイにより新しいアイデアを提供する一方、3Dライティングとカメラの効果が美しい2Dアートを飾っている。

楽しい驚きとして、このゲームにはSwitch eShopにデモが用意されている。私はこれを書きながらダウンロードを行っている。これは一種のβテストのようだ。プレイヤーたちは様々な局面で投票を求められる。これは単に皆をうまく巻き込みたいという意図で行われているもので、決して概念的に迷走しているわけではないということを祈ろう。

RPGセクションの後は、いよいよ待望のスーパーマリオオデッセイに関する新しい情報だ。私たちは来月27日にゲームが発売されることは知っている。誰もが今はその詳細に飢えている。そして私たちが分かったことは:任天堂は新しい雪国、ビーチ、そしてトロピカルな世界を見せてくれただけでなく、マリオに新しいコスチュームを与えることができるこれまで見たことのない能力も紹介してくれた。

ファイヤーフラワーやタヌキスーツなどを手に入れたときには、いつでもコスチュームを変えることができる。しかしこれらは正真正銘の衣装であったり、ある種のテーマに沿ったものであったり、単におふざけのものであったりする。これは、これまでにも知られてはいたものの、今回私たちはいくつか新しい衣装を手に入れた。おそらく少なくともこれまでマリオが着たことのないような(トップ画像)衣装も含まれている。

ゲームの中で出会う沢山のクレイジーな瞬間をキャプチャーできる素晴らしい写真モードは、良いオマケ機能だ。スマートフォンで共有するための合成モードさえ提供されている。

私はPAX Westでオデッセイを短時間だが2レベル分プレイしてみた。そして言えることは、とにかく本物を手に入れてじっくり自分のペースで遊びたくて仕方がないということだ。コントロールの感覚は素晴らしく、帽子を獲得するプレイは程なく馴染むようになる。まるでマリオ64の個々のレベルの持っていた魅力的を、その後のゲームのアイデアの密度と組み合わせたようなものだ。各レベルには数十個の月が隠されている。この数の多さはニンテンドー64版に含まれていた一握りのスターや秘密に比べるまでもない。

最後に、オデッセイと同時に格好良いスイッチバンドルが発売される。なのでもしこのゲームのために買い控えていたのならば(ゼルダじゃ心は動かされなかった?本当に??)、素敵な赤いジョイコンのペアを手に入れるチャンスだ。

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(翻訳:Sako)

SoundCloudに土壇場で救いの手――LjungはCEOから退く

ユーザー生成音楽のストリーミングサービス、SoundCloudは運営を継続するための資金調達ラウンド完了した。共同ファウンダーのAlex LjungはCEOを辞任するが会長には残る見込み。

新CEOにはVimeoの元CEO、Kerry Trainorが就任する。Mike WeissmanがCOOに就任し、SoundCloudの共同ファウンダーでCTOのEric Wahlforssは最高プロダクト責任者に留まる。ニューヨークの投資銀行、Raine Groupとシンガポールの国営ファンド、TemasekがシリーズFの資金調達に応じ、1億6950万ドルを出資した。

SoundCloudは先月、コスト削減のためとして社員の40%にあたる173人を突如解雇した。このときCEOのAlex Ljungは「運営資金が第4四半期の開始までしかない」と発表し、同社は瀬戸際状態にあることが明らかとなった。土壇場での資金調達に成功したことで、SoundCloudは新たな航海に出発する準備を整えるか、あるいは買収によって大企業の傘下という安全な港に停泊するか選ぶ余裕を得た。

SoundCloudは今回のラウンドについて会社評価額などの具体的な数値を明かすことを避けている。昨日(米国時間8/10)のAxiosの記事によれば、SoundCloudは投資前会社評価額1億5000万ドルで1億6950 万ドルのラウンドを実施したという。この会社評価額は前回のラウンドの会社評価額が7億ドルだったことからすると暴落といっていい。 今回のシリーズFでRaineとTemasekは清算の際の残余財産分配優先権(liquidation preference)を得たものとみられる。これは他の残余財産分配優先権すべてに優先し、シリーズEの投資家の優先権は40%減額された。他の投資家はこれで満足しているわけはないが、投資が紙くずになるよりはましだろう。

SoundCloudを崖っぷちから引き上げるのと引き換えにRaineは取締役会に2人分の席を得た。元音楽業界の弁護士でRaineのパートナーのFred Davis、同グループで音楽関係の投資を担当してきた副社長、Joe Puthenveetilの2人がRaineが取締役に就任する。

CEOから退くことになったのはLjungには不本意だろうが、取締役会の会長として会社の運営に関与を続けることができた。Ljungは「(この資金調達の成功は)SoundCloudが独立企業として力強く前進することを保証するものだ」と書いている。

SoundCloudでは、通年換算の売上高は1億ドルあるとしている。この売上高を確保できるのであれば、コストを低く抑えることで最終的にはブレークイーブンを達成できるかもしれない。そうなれば今回のような外部からの緊急投資に頼る必要はなくなる。

TechCrunchはSoundCloudの危機について先月報じた。【略】この報道を受けて、ファンやアーティストからSoundCloudを守ろうとする声が多数上がった。これはTwitterがビジネス上の理由からビデオサービスのVineを終了したときを思わせた。有名ミュージシャンのChance The Rapperは自らSoundCloudを援助する道を探った。Chanceや他の多くのインディーのミュージシャンはこのプラットフォームからデビューし名声を勝ち得ている。結局Vineとは異なり、SoundCloudは救われたわけだ。【略】

2011年にハリウッドのHollywood Hotelで開催された2011 TVサミットに参加したKerry Trainor。当時AOLのエンタテインメント担当上級副社長 (写真 Todd Williamson/WireImage)

Featured Image: TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

BlizzardとDeepMindがStarCraft IIをAI研究室として開放

StarCraft IIはここのところAlphabetのDeepMind AI研究のターゲットとなっていた。英国のAI企業(DeepMind)は、昨年からBlizzardのこのSF戦略ゲームに参加し、ゲームに基づいたオープンなAI研究環境を構築する計画を発表していた。この環境を用いて、誰もが世界のトップStarCraftプレイヤーに打ち勝つことのできるような、仮想エージェントの構築に参入することができるようにするためだ。そして今回、DeepMindとBlizzardは、その扉を環境に対して開いた。機械学習API、大規模なゲームリプレイデータセット、DeepMindのためのオープンソースのツールセットなどの新しいツールが提供される。

今回のStarCraft II APIのBlizzard側の新しいリリースには、クラウドの中で実行できるように作られたLinuxのパッケージだけではなく、WindowsとMacへのサポートも含まれている。それにはオフラインでのAI同士の対戦サポートも含まれ、さらにエージェントを教育するために匿名化された実際の人間によるゲームのリプレイデータも含まれている。これはまずは6万5000の完全なマッチデータから始まり、次の数週間のうちには50万以上になる予定だ。

StarCraft IIは基本的にAIの研究にとって非常に有用な環境だ、なぜなら、ゲームは複雑で多様であり、個別のマッチの勝利のために複数の道筋があるからだ。プレイヤーはまた、資源の管理や生成だけでなく、軍隊への指揮、守りを固める構造物の配備など、さまざまなことを同時に行う必要がある。さらに、ゲームボードに関するすべての情報がすぐに利用できるわけではない、つまりプレイヤーは敵の行動について仮定と予想を行わなければならないということだ。

それは実際に大規模なタスクだ、そこでDeepMindとBlizzardは、異なるサブタスクを「管理可能なチャンク」に分解する「ミニゲーム」も含めている。その中には特定のユニットの構築、リソースの収集、地図を用いた移動などを教えてくれるティーチングエージェントも含まれている。こうしてゲームを区分化することで、試合全体をマスターする複雑なエージェントを最終的に組み合わせる前に、個々の研究者たちからの技法を比較検証し詳細化してみることが可能になる。

ここでの目標は、StarCraft IIをどんな人間よりも上手くプレイできるAIを作り出すことだ。これはDeepMindが古の物理ボードゲーム囲碁に対して、AlphaGoソフトウェアで行なったことと同じ目標だ。DeepMindはこのことを通じて既存の研究を前進させたいと考えている、それゆえに大きなリサーチコミュニティへのアピールと、今回のようなツールのオープン化を行なったのだ。

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(翻訳:Sako)

8bitdoの大きくて美しいNES30 Arcade Stickは格闘ゲームの良い相棒

もし任天堂Switchのために、もう少しアーケードっぽいフィーリングを求めているのなら、8BitdoのNES30 Arcade Stickが決定版だ。このBluetoothコントローラーアクセサリーは、Switch以外にもさまざまなプラットフォームと互換性があり、ボタンやジョイスティックの感触に注意が払われ、本物のアーケードキャビネット体験を提供するために上手に作られたガジェットだ。またそれはとても大きい。もちろんそれは必ずしも悪いことではないのだが、知ってはおくべきことだろう。

NES30 Arcade Stickは、Switchコンソールを2個積み重ねたものよりも大きくて厚い。大きく頑丈なので、格闘ゲームの素早く強烈なコンボアクションの際に、しっかりと安定させるためには理想的だ。左側のジョイスティックはSanwaからのカスタムオプションが欲しいと思ったならば交換可能だ。ボタンはアーケードとしては標準的な30mmで、こちらももし満足できないときには交換することができる。

まあ、私のどちらかと言えば素人っぽい意見を述べるなら、これまで8bitdoはコントローラーに付属するジョイスティックとボタンに対しては上手くやってきている。それらは本物のアーケード体験を感じさせる。音も確かなボタンの叩き具合や、スティックを回転させるときの程よい抵抗感などがそうした体験を支えている。これは既存のSwitchコントローラーに比べて、特別な動きを行う際にはるかに優れた体験を与えてくれるもので、ウルトラストリートファイターIIだけでなく、Switchコンソール向けに再度リリースされる沢山の旧作SNKファイターズの楽しさもアップしてくれる。

コンソールには、専用のターボボタンと、X入力とD入力のモードを切り替えるスイッチもあり、付属の3メートルUSBケーブル(内蔵バッテリの充電にも利用可)を用いた、PCやRaspberry Pi向けの有線USBサポートも可能だ。わずか1、2時間の充電で連続18時間も遊ぶことが可能で、さらにBluetooth経由でWindows、Android、Mac、Swich、そしてSteamにワイヤレスで接続することもできる。

機能はさておき、NES30 Arcade Stickで最も良い点は、その外見上の魅力にあるかもしれない。NES(米国版ファミコン)にインスパイアされた色使いと造形の利用は、パッケージを本当に魅力的なものにしている。インテリアの趣味にもよるが、使用していないときにもコーヒーテーブルや、古風なキャビネットを飾る会話のネタにもなることだろう。

NES30 Arcade Stickは現在Amazonで、79.99ドルで予約注文が可能だ。出荷は8月20日に始まる。

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(翻訳:Sako)

全てのコンソールやPCに接続できるAll Controllerが、Kick Starterで出資を募集中

NES(米国版ファミコン)の時代、兄弟、従兄弟、友人に家に遊びに行くと、サードパーティ製のコントローラーを使わされることがあったことを覚えているだろうか?ジョイスティックが上手く動かせなかったり、モータルコンバットでどうしてキャラクターがキックを続けるのか、途方に暮れたりしたことはなかっただろうか?ということで、All Controllerを使えば問題は解決だ。

All Controllerは、原理的には、どのコンソールでも使用することのできるサードパーティー製品だ。マクロとスピードボタンを設定し、Xbox、PS4、あるいはSwitchに接続することができる。それはまた、連続40時間使用できるバッテリーを備え、PCに接続することもできる。

「コンソールへの接続は、カスタムUSBアダプタを接続するのと同じくらい簡単です」と開発者は言う。「このAll Controllerは、XBox 360、XBox One、PlayStation 3、PlayStation 4に接続できます。Nintendo Wii、Wii U、Switchへのサポートも追加されます。さらに、このUSBアダプタは、Windows、Mac、Linux、またはAndroidのゲームを無線で使える11種類のUSBドライバを内蔵しています」。

またチームは集まった金額に応じて、ジャイロスコープやその他の慣性センサーなどを含む、様々な機能追加の特典を予定している。箱から出した状態ですぐに、Xbox One、Xbox 360、PS3/PS4、PCで使うことができる。

なぜこのようなものが必要なのだろう?まあ、80カナダドルという価格は、それぞれのシステムに対して別々にコントローラを買っていくよりは安上がりだ。さらに、システムは16個のプロファイルを使い分けることが可能で、別々のシステムやゲーム用にボタンをマップしたり、スピードマクロやその他の特別なコンボを追加することもできる。

チームは現在(日本時間8月2日21時)約8万カナダドルを調達して目標の7万5000カナダドルをクリアした。出荷の予定は2018年3月だ。Gizmodoにハンズオンレポートが掲載されているが、それによれば実際に使えるしっかりしたゲームデバイスのようだ。

標準のPS4/Xboxコントローラーが持っているすべての機能を使えるわけではないが、コナミコマンドを素早く打ち込んだり、Mega Man(和名:ロックマン)の敵を素早く打ち倒す用途に利用することができる。少なくとも、自分は公式コントローラを使う一方で、兄弟や従兄弟にはこのコントローラーを渡しておくこともできるだろう。

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(翻訳:Sako)

ゲーム・オブ・スローンズ関係もリークか――HBO、サイバー攻撃で重大な被害

HBOはEntertainment Weeklyに掲載されたメールでハッキングを受けたことを確認した。ただし被害の範囲や程度は調査中という。

HBOのドラマではRoom 104と『ボーラーズ』(Ballers)がオンラインにリークし始めている。ただしHBOの看板番組、『ゲーム・オブ・スローンズ』のリークは確認されていない。ハッキングされたデータには『ゲーム・オブ・スローンズ』の未発表エピソードの台本が含まれているという情報もある。

これだけでもHBOにとっては深刻なダメージだ。同社は月曜に全社員宛にハッキングを受けたことを通知した。ハッカーはHBOの情報1.5TBを入手したことを認め、今後さらにリークを続けると主張している。

「すでに耳にしている社員も多いはずだが、HBOはサイバー攻撃の標的とされ、われわれが著作権を有する情報がハッカーの手に渡った」とHBOのCEO、Richard PlepleはEntertainment Weeklyが掲載したメールで述べている。「この種の侵入はあきらかに深刻でありわれわれすべてに不安を抱かせる事件だ。経営陣と優秀なテクノロジー・チームは外部の専門家と協力して昼夜を問わずわれわれの権利を守るするための努力を続けている。

2014年にソニーが大規模なハッキングの被害を被って以後、エンテインメント企業はサイバー攻撃に神経質になっている。しかし看板番組の製作の規模が巨大化するにつれ、関係者の範囲も広がり、人的ミスが起きる可能性も加速度的に深刻化している。新しい映画やテレビドラマが公開前にインターネットに情報がリークされる危険性はますます高くなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これがスピルバーグの新作”Ready Player One”の予告編だ

もしスティーブン・スピルバーグが一体どのようにReady Player OneのディストピアとVR中心の世界を描き出したのかに興味があるのなら、その最初の片鱗を上の予告編(San Diego Comic Conで公開されたバージョン)の中に垣間見ることができる。

この映画は、アーネスト・クラインの小説に基づいた作品だ(原題同じ、小説邦訳のタイトルは「ゲームウォーズ」)。この本はVRとゲームを描いた最高のフィクションだと何度も周りに勧められていた(申し訳ない、まだ読めていない!)。

ストーリーの主な要素の1つは、OASISという仮想世界だ。予告編の中に見るOASISは際立って視覚的特徴を持つものではないかもしれないが、とても楽しく派手な内容のように見える。あらゆるポップカルチャーのごった煮だ。

私はまた、途中登場した売り文句に何度か笑わされた、映画の予告編としてはありがちだとしても、随分大げさな煽りだったからだ。スピルバーグは受賞歴のある監督というだけでなく「映画を根本的に変革する者」(cinematic game-changer)だそうだ。そして、Ready Player Oneは単なる人気作ではなく「ポップカルチャーの聖杯」(holy grail of pop culture)だそうである。

ハリウッドレポーターによると、スピルバーグはComic Conでこの映画について、「私が熱心に関わっていた80年代と、私たちが好むか否かに関わらず、私たちを待ち受けている未来の間を、フラッシュバックしながら同時に描き出して行くのが素晴らしい」と語った。

ともあれ、判断は留保中ではあるが、期待はしている。なにしろスピルバークだ。The Matrixは別格として、VR映画の難易度はかなり下がっている。

Ready Player Oneは主役のウェイド・ワッツをタイ・シェリダンが務め、脚本はクラインとザック・ペンによるものだ。2018年3月30日に公開予定である。

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(翻訳:Sako)

複数のストリーミングサービスからコンテンツを検索し、見たものを管理してくれるReelgoodが正式ローンチ

Reelgoodはベータ運用を終了し、本日(米国時間7月17日)より正式にローンチした。このサービスはコードカッター(直接的には「ケーブルを切る者」という意味。ケーブルテレビのライバルになるストリーミングサービスたちを指す)たちの中から新番組を検索しお気に入りを管理してくれるサービスだ。250以上のストリーミングサービスを1つのインターフェイスから扱うことができる。生まれたのは、新しいストリーミング時代のテレビガイドのようなものだ。

当初、このスタートアップは、映画に焦点を当てたiPhone向けのソーシャルネットワーキングアプリケーションを2015年にリリースした。しかしチームはすぐに、現在のユーザーたちが直面しているストリーミングの真の問題は、コンテンツの発見であることを学んだ。番組や映画は複数のサービスを横断して広がっているため、何がどこにあるのかを把握するだけでなく、新しく見るものを探すことにも苦労する。

多くの人がそうしているように、もし複数のサービスをサブスクライブ(購読)しているならば、それぞれ独自のコンテンツのみを提供する、異なるアプリやインターフェイスの間をしばしば右往左往することになる。

Reelgoodの創業者David Sandersonは、この難問について以下のように述べている。

「これまで私たちは、私たちの都合ではなく、ビジネス側の都合に従う形でコンテンツへアクセスせざるを得ませんでした。ユーザーは視聴している番組の新しいエピソードがあるかどうかをチェックしたり、そのサービスで何を見ることができるかを知るために、毎夜毎夜ストリーミングアプリの間を行ったり来たりして、時間を無駄にさせられるべきではありません。それはすべて1つの場所になくてはならず、人びとと完璧なショーや映画の間に壁があってはならないのです」。

「飛行機のチケットを予約するのに、アメリカン航空、サウスウェスト航空、アラスカ航空などのウェブサイトをチェックすることは決してないでしょう。単にKayakを使うだけです」とSandersonは続ける。「なので、オンデマンドのサブスクリプションビデオでも同じ体験を得られるべきです。それこそが、まさに私たちがReelgoodでやっていることなのです」。

Reelgoodのウェブサイトが昨年の冬にベータ運用を開始した時には、Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどのいくつかのトップストリーミングサービスから、番組や映画を探し出すサービスを提供していた。

現在同サイトは、幅広いストリーミングサイトとアプリをカバーしている。多くの無償ソース、そして広告にサポートされたFox、CBS、ABC、CW、Crackleなどの多くのテレビ局なども含まれる。またFX、Starz、Showtime、HBOなどのケーブルテレビネットワークも同様に提供している。

Reelgoodサイトを初めて訪れたときに、無料の映画や番組探すオプションに加えて、現在購読しているサービスをチェックして、表示させたいサービスを設定することができる。

このサイトには、ジャンルやキーワード検索によるブラウジングを含む、視聴可能なコンテンツをフィルタリングおよび検索するための、さまざまなツールが用意されている。また、Netflixのようなお勧めコンテンツの行も表示されるが、これらはお好みのストリーミングソースの中から集約されたものだ。この中には、人気番組やトレンド番組、新しいテレビ、新しい映画、Netflixのトップピックなどのグループが含まれている。

Reelgoodの以前のバージョンにも同じような機能はあったものの、ベータ期間中に同社が学んだことは、ユーザーが最も気にしていることの1つは、既に見た番組のエピソードを追跡することだということだ。昔のテレビとは異なり、現在は特定の日時に番組にチャンネルを合わせる必要はなくなっている。しかしこれが意味していることは、視聴している全ての番組を覚えきれなかったり、どこまで見たのか、いつ新しいエピソードが見られるのかを把握できない可能性があるということだ。

Reelgoodを使えば、こうしたもの全てを“Watch Next”(次に見る)機能を通して、次に見るべき番組のリストを知ることができる。この機能を使用するには、フォローしている番組で”Track Series”(シリーズを追跡)ボタンをクリックし、どのエピソードを既に見たかを指定する。これはReelgoodだけにユニークな機能ではない。TV Timeのようなアプリもこのようなツールを提供しているが、Reelgoodはソーシャルコミュニティとの統合も行なっている。

また興味深いことに、Reelgoodは現在、以前Popcorn Timeで働いていた7人のチームメンバーを抱えている。このサービスは決して合法的とは言えないサービスで、海賊版コンテンツのためのNetflixと呼ばれたことさえあったものだ。実際Reelgoodは、Popcorn Timeと同様の問題を解決しようとしている。つまり、ワンストップショップを提供して、見たいものを簡単に見つけることができるようにしようというものだ。

Reelgoodで番組や映画を見るためにクリックすると、新しいウィンドウが開いて、目的のサービス上のそのビデオのページに直接アクセスできるようになる。

当分の間、同社はサービスに課金することは予定していない。その代わり、最近チームは、August Capitalに主導されSocial CapitalとHarrison Metalが参加したラウンドで350万ドルを調達した。これにより、スタートアップの総資金調達額は450万ドルになった。この資金は、収益を生み出すことに集中する前に、まずサイトにおけるユーザーエクスペリエンスを完璧にすることを可能にする。

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(翻訳:Sako)

ブレードランナー2049のトレーラー(予告編)が公開された

映画ブレードランナーの続編が10月6日に公開される。オリジナル版の公開から30年後だ。この最新のトレーラーは、今回のストーリーとこの何十年もの間に何が起きたのかをより明らかにしている。トレーラーでは主人公のライアン・ゴズリングの他に(悪玉役の)ジャレット・レトも登場し、さらにデヴィッド・バウティスタが(映画Drax the Destroyerの)Draxでの強いイメージを突き崩した良い演技を見せてくれる。

これはまたブレードランナー続編で使われる環境と撮影技術を示したものである。既に公開されていたスチル写真や動画同様に印象的なものだ。これまで見た限りでは「ブレードランナー2049」が偉大な映画であることに間違いはなさそうだ、そして見せ方を現代的にしながらも、30年前の雰囲気を残したバランスの取れた仕事が素晴らしい。

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(翻訳:Sako)

ストーリーを楽しめる没入型Star WarsホテルをDisneyが発表

すごーーーーい。ディズニーは私がくどくど言葉で解説しなくてもその凄さがわかる、とてつもなく素晴らしいものを発表した。没入型のStar Warsホテルだ。

詳細はまだほとんど分かっていないが、ディズニーはロサンゼルスで開催されたD23エキスポの最中に、この爆弾を投下した。

これまでに分かっていることは以下の通り:

  • 全ての従業員(あるいはディズニーパーク用語で言うなら「キャストメンバー」)は、コスチュームを着用してキャラクターになる。
  • それぞれのゲストにはストーリーラインが与えられる。ディズニーはこのことを「あなたの滞在のどの瞬間にも関わってくるものです」と表現している。
  • それは宇宙船の中にいることを模している。「窓」からは宇宙しか見ることができない。

つまりゲストに宇宙船で旅に出て貰い、乗船中(滞在中)「ずっと」冒険を楽しんで貰おうという趣向だ。

言い換えるならそれは…まあ…(誰もが想像できる範囲で言うならば)WestworldにStar Warsを足して、セクシーさと殺伐さを取り除いたようなものだ。

可能性は信じられないほど大きい。もし仮にこれがStar Warsをテーマにした第3者による思い付きの週末イベントだったとしても、私はわくわくを押さえられないだろう。それなのに、ディズニーのクリエイターたちの手やLucasfilm自身の公式認可のもとにこれが作られるなんて。ああ、もう、なんて素晴らしい!

私たちカリフォルニア人にとって残念なことに、ディズニーは今のところこれはフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドに登場するとしか言っていない。じゃあこれで。オーランド行きの飛行機のチケットを買ってくる。

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(翻訳:Sako)

誰かがR2-D2を200万ドル以上で落札

ルークよ済まない。だがR2-D2と君のライトセーバーには新しい持ち主がいるようだ。

砂漠の真ん中のSandcrawlerの前で行われた(ということにしておこう)オークションで、R2-D2を200万ドルを超える価格で落札した人がいるらしい。

「いや、ちょと待った。それは『あの』R2なのか?最初の三部作で用いられたあの?」

悲しいかな、誰もが知っている限り、その質問への答が本当に「はい」になることはない。オリジナルの映画の様々な状況に合わせて、複数のR2が製作されている。Kenny Bakerが中に入ったいくつか、アクションシーンに用いられたいくつか、などなど。一方シリーズが進むに連れて、それらのほとんどは、壊されたり必要に応じて別の用途に転用されたりしていった。

そしてこのユニットは、映画の中で用いられた多くのモデルの細々した部品をあつめて組み上げられ、出来上がった最終プロダクトは、全体としては「最も結果的に映画で使われた」ものだと言われている。それは以下のようなもので構成されている:

  • 「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」において、Kenny Bakerによってコントロールされた頭のドーム部分と接続眼レンズ
  • 「帝国の逆襲」で用いられた2本の脚、「エピソード1」のために作成された1本の脚
  • 「新たなる希望」で用いられたボディに装着されたアクセント/ディテール部品たち

おそらく含まれていないのは:王女の唯一の希望である彼女のホログラムだ。

ここでテセウスの船を思い出して、一体どれほどの部品を交換し、置き換えたら、それはもはやオリジナルではないと言えることになるのか、と問うことは可能だ。しかし、かつて1つの「もの」として決して存在したことのない「オリジナル」に関するそうした議論は、所詮お遊びに過ぎない。そしてこのような場合、美は大量のキャッシュを積み上げる人の目に宿るのだ。

オンラインオークションのページ(トップのイメージ)は最終的な入札額が230万ドルに達したことを示唆している。オークションハウスはそのFacebookページで、最終価格が275万ドルに達したと報告している(後者の金額は、おそらくオークション手数料他が足されたものだろう)。

一方、「新たなる希望」と「帝国の逆襲」で用いられたルークのライトセーバー(かつてアナキンが所有しておりその後自分で作ったものと置き換えたもの)には37万5000ドルの価格がついた。これは映画に使われて以降数十年の間に1、2の部品が欠けてしまっていたにもかかわらず、オークションハウスの当初の希望価格であった15万から25万ドルの価格を上回る、良い入札価格だ。しかし、これはあのルーク・スカイウォーカーのライトセーバーなのだ。

それぞれの出品の落札者が誰なのかは発表されていない。しかしおそらく彼らは、R2をすぐに家に持ち帰って、いつものオイルバスを使わせたわけではないというのは確かだろう。あなたがたが誰であれ、お分かりか:私は本当に羨ましい。

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(翻訳:Sako)