複雑な行政手続きの方法が簡単にわかる「Graffer手続きガイド」、埼玉県横瀬町で試験運用開始

行政手続きを効率化するサービスを手がけるグラファーは3月5日、「Graffer手続きガイド」を埼玉県横瀬町に導入し「横瀬町 手続きガイド 試験運用版」として公開した。

Graffer手続きガイドは、スマホやウェブから質問に答えていくだけで必要な手続きがわかる住民向けの案内サービス。たとえば転入・転出手続きや、結婚・出生などライフイベント関連の手続きで悩んだ際に、スマホから選択式の質問にポチポチ答えていけば「何をすればいいか」「その手続きはどこにいけばできるか」がわかる仕組みだ。

特に初めての手続きであれば、具体的な方法はもちろん「そもそもどこに行けばいいんだっけ」と悩む人もいるはず。自治体によって該当する課の名前が違ったりもするので、僕も転入手続きをする際に迷った覚えがある。

手続きごとに、質問数と回答時間の目安が予めわかる(画像はウェブ版のもの)

質問は複数のチェックボックスにチェックを入れるタイプと、2択タイプがあり、該当するボタンをポチポチ押して行けばOK。画面の上部で進捗度も把握できる

最終的なアウトプット。各手続きはどの窓口に行けばできるのか、何を持っていく必要があるのかなどが記載

もちろんいくら住民側にとって簡単でも、ガイドを作成する側の担当者が使いこなせなければ意味がない。その点、Graffer手続きガイドの場合は複雑な手続きフローでも1枚のエクセルシートのみで管理できるのが特徴だ。考えうる手続きとその条件をシートに並べておくだけでよく、ITに詳しい担当者だけでも使いやすいという。

2018年11月より鎌倉市で試験運用版がスタートしていて、ライフイベント関連の手続きを行う市民の過半数が利用するなど反応は良いそう。横瀬町はそれに続く2つ目の事例となる。今回対象となるのは「転入」と「子育て支援」に関する手続きだが、今後も手続き書類の作成支援機能など機能追加や使い勝手の改善に取り組んでいく予定だ。

グラファーでは住民向けのサービスとして行政手続きの情報をまとめたウェブメディア「くらしのてつづき」や、住民票など各種証明書の請求をスムーズにする「Grafferフォーム」も運営。法人向けにはオンライン上で印鑑証明書や登記簿謄本を取り寄せられる「Graffer法人証明書請求」を展開している。

テスラ、GM、日産がEV税額控除の延長を求める連合に参加

TeslaとGMと日産を含む15社は、電気自動車の税額控除制度の改定を求める連合を結成した。

グループ名はEV Drive Coalitionで、自動車メーカーのほか、業界の巨人ABB、気候変動およびエネルギーのロビー団体、ChargePointらのEVインフラ会社などが参加している。

火曜日(米国時間11/13)正式発足したこのグループは、「長期にわたりより多くの消費者が恩恵を受け、米国のEV市場の成長を加速する」ために、国の電気自動車税額控除を変更する法案の通過を望んでいる。

現行の税額控除規定では、電気自動車を購入した消費者は7500ドルの控除を受けられる。このインセンティブはEVの普及を加速したとして評価されている。しかし、自動車メーカーが電気自動車を20万台売った時点から控除は減っていく。

Teslaはすでにその立場にあり、GMも近づいている。電気自動車専門メーカーは今年20万台目の電気自動車を納車した。この実績により、電気自動車を買った消費者に与えられる7500ドルの連邦税控除のカウントダウンがスタートした。同法の下ではTesla購入者は、新しいModel S、Model X、あるいはModel 3が12月31日までに納車されないと控除全額を受けられない。

2019年1月1日から6月30日までにTesla車を受け取った消費者は、3750ドルに減額された連邦税控除を受ける。それ以降は控除額は1875ドルに減り、最終的に控除はなくなる。10月時点でGMは19万7000台近くの電気自動車を売っている。

Tesla GM electric vehicle tax credit

EV Drive Coalitionは、メーカーごとに税額控除を受けられる人数の上限撤廃を求めている。

「連邦税額控除の気まぐれな制限によって、好きな車を買いたい消費者の選択が制限されている」とPlug In Americaの執行役員Joel Levinが声明で言った。「上限をなくすことで全メーカーに公平な競争の場を作ることが可能になり、消費者は自由で公正な市場で欲しい車を選ぶ自由を得られる。競争が増えることによってアメリカの革新と技術にいっそう拍車がかかる」
連合グループは、EV業界が成熟、成長するための時間が過ぎた後は、税額控除を段階的に廃止ことを支持している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランス政府のすべての省庁がTelegramやWhatsAppなどの利用を禁じられ国営メッセージングアプリの使用を義務付け

フランス政府によると、一般的に人気のある暗号化メッセージングアプリTelegramやWhatsAppなどが政府職員間でも使われているが、それらには外国からの盗聴等のリスクがありうるため、今年の夏以降、フランス政府が独自に開発した暗号化メッセージングサービスに全員が移行する。

Reutersの記事によると、大臣たちには、外国製でしかもサーバーがフランス国内にない暗号化アプリが使われることに対して懸念がある。デジタル省のスポークスウーマンは、こう語る: “アメリカやロシアなど外国によって暗号化されるのではない暗号化メッセージングサービスを見つける必要がある。Facebookの例にも見られるように、侵害の危険性はつねにあるのだから、われわれ自身が主体的に選択や開発をする必要がある”。

TelegramのファウンダーPavel Durovはロシア人だが、今は外国に亡命している。そして彼のメッセージングアプリは、暗号鍵をロシア当局に渡さなかったために、彼の母国ではブロックされている

WhatsAppはTelegramと違って、そのプラットホームの全域にわたってエンドツーエンドで暗号化されている。しかも、尊敬されているオープンソースのSignal Protocolを使っているが、しかしWhatsApp自身はアメリカのテクノロジー大手Facebookがオーナーであり、開発もアメリカで行われている(Signalも開発はアメリカ)。

その親会社Facebookは現在、大々的なデータ誤用事件の渦中にあり、その事件では何千万ものFacebookユーザーの情報が、ユーザーがそれを知ることも同意することもないまま、問題の多い政治コンサルタントに渡された。

デジタル省のスポークスウーマンによると、フランス政府内の約20名の閣僚と一般公務員が、その新しいメッセージングアプリを試しており、夏までには政府内の全員の使用が義務化される。

最終的には全国民が利用できるようになる、と彼女は付け加えた。

Reutersによると、スポークスウーマンはさらに、国が雇ったデベロッパーがそのアプリを、ネットからダウンロードして無料で使えるコードを使用して設計した、と述べた(すなわちオープンソースのソフトウェアを使ったようだ)。しかし彼女は、使用されたコードやそのメッセージングサービスの名前を挙げることを拒(こば)んだ。

先週の終わりごろZDNetが、フランス政府はTelegramのようなアプリの使用を別のもので置き換えたがっている、と報じた。しかしTelegramは、大統領のEmmanuel Macronも大ファンらしい。

その記事は、フランスのデジタル大臣Mounir Mahjoubiの発言を引用している: “今、安全な公共的メッセージングを開発している。それは私権のある提供物に依存しないものになる”。

報道によるとフランス政府はすでに、国防関連とIT関連のサプライヤーThalesが作った安全なメッセージングプロダクトを一部で使用している。ThalesのWebサイトには、スマートフォンのインスタントメッセージングアプリCitadelが載っていて、“プロフェッショナルたちが信頼しているメッセージング”であり、“多くの消費者向けメッセージングアプリのものと同じと分かる機能”を提供するとともに、“スマートフォンやコンピューター上の安全なメッセージングサービスと、エンドツーエンドの暗号化された音声通話やファイル共有など多くの関連機能がある”、と説明している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ニューヨーク市は住民にサイバーセキュリティアプリを無料で配布する

ひとつの都市(アトランタ)がサイバー攻撃されたこの怖ろしい週に、ニューヨークはその予防策を講じようとしている。

そのタイミングはあくまでも偶然だが、ニューヨーク市の市長Bill de Blasioは今日(米国時間3/29)、市民をとくにモバイルデバイス上のオンラインの悪行から護るための、一連のセキュリティツールを用意し、まずその第一弾を導入する、と発表した。

それがこの夏ローンチすると、ニューヨーク市の住民はNYC Secureと呼ばれる無料のアプリをダウンロードできる。このアプリはスマートフォンのユーザーに、ありうる危険を警報し、“悪質なWi-Fiネットワークからの遮断や、危険なWebサイトに行かないこと、悪質なアプリをアンインストールすることなど”の対策を教える。

アプリ自身が何かをやってくれることはないので、もっぱらユーザーが言われたアドバイスを守らなければならない。NYC Secureが個人を特定できる情報やプライベートなデータを集めることもない。

市はまた、その公開Wi-Fiネットワークのセキュリティも強化する。それは、悪いやつが暗号化されてない個人情報を盗むことで悪名高いターゲットだ。市は、Quad9というサービスを利用してDNSの保護を実装する。それは、Global Cyber Alliance(GCA)とIBMとPacket Clearing Houseが共作した無料のサイバーセキュリティ製品だ。

市のセキュリティ担当官Geoff Brownはこう述べる: “たえずユーザーのすきをねらっているサイバー犯罪者から前もって市民を護るためには、市民のデジタル生活の安全に投資する必要がある。サイバーセキュリティの脅威に対して免疫のある個人は存在しないから、今回の計画は、多くの場合大量の機密データが所在する個人のデバイスに、セキュリティの新しい層を加える”。

2017年の7月に市長命令で創設されたサイバー防衛団体NYC Cyber Command(NYC3)がこの新しいセキュリティツールの導入を担当し、それらの実装を監督する。

セキュリティ企業McAfeeのCEO Christopher Youngは、こう言う: “ニューヨーク市のこのような活動は、サイバー犯罪が増加していることへの市民の認識を強化し、自衛のための行動ができるようにする”。

国際的なビジネスハブで、文化の中心都市でもあるニューヨークは、さまざまな、ときには当市独特のサイバーセキュリティの脅威にさらされている。しかしそんな都市だからこそ、他の大都市のお手本になるような、市としての主体的なサイバーセキュリティ対策を展開できる、とも言えるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

政府系顧客の獲得を目指すMicrosoftがAzure StackとAzure Governmentを統合へ

政府系クライアントの増加策としてMicrosoftは、同社のハイブリッドクラウドプラットホームAzure Stackを本年半ばにAzure Governmentと統合する、と発表した。Azure Stackにより政府諸機関はAzureのクラウドコンピューティングプラットホームを各自のプライベートサーバー上で動かせるようになり、Microsoftの各種クラウドサービスにもアクセスできる。これによりクライアントは機密データをより容易に保護できるようになり、それにはオンプレミスのサーバーに保存されるべき秘密情報も含まれ、そしてデータをめぐる規制へのコンプライアンスも確保される。

Microsoft Azureは、公共部門の顧客獲得をめぐってAmazon Web Servicesと競合しており、その競合では2013年にCentral Intelligence Agencyにサービスを提供する6億ドルの契約を獲得した後者が先を走っている。その契約についてCIAのCIO John Edwardsが昨年、それによって同機関がレガシーソフトウェアをより効率的かつ低コストでメンテナンスできるようになったため、“これまでで最良の意思決定だった”、と述べている。

しかしながらMicrosoftはAmazonに追いつく気でおり、そこで両社とも最近では政府系クライアントのためのサービスの導入に追われている。たとえば昨年の秋にAmazonは、アメリカの諜報機関のニーズに応じた“秘密リージョン”の提供を発表した。AmazonによるAWS Secret Regionの発表は、MicrosoftによるAzure Government Secretの発表の直後に行われた。それもやはり、秘密のワークロードをサポートする。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これがミサイル飛来の誤警報を出したハワイのシステム――インターフェイスは90年代そのまま

政府が部内で利用するサイトについては誰もあまり高度なデザインは期待しない。機能すればよしとしている。しかしものには限度がある。ハワイの緊急警報システムは、私の見るところ、この限度を大きく踏み外している。誤ったミサイル警報で州全体がパニックを起こしかけるという重大な失態に関連しているのでなければ思わず笑ってしまうところだ。90年代のGeoCitiesもこれほどひどいインターフェイスではなかった。

Honolulu Civil Beatは問題のサイトのスクリーンショットを掲載した。これが土曜日に北朝鮮ミサイルについて間違った警報を発した州政府の警報システムののインターフェイスだ。

ひどいものだ。何の説明もないままリンクが列挙されているだけだ。訓練やテストと本物の警報がごたまぜになっていてとうてい判別がつかない。なるほどこれなら担当者が訓練を実施するつもりで本番警報を発令するリンクをクリックしてしまうというエラーが起きたのも不思議はない。

これは最新版なのでスクリーンショットのトップに「BMD False Alarm(弾道ミサイル防衛警報:間違い)」という行が追加されているのがわかる。システムが21世紀化されるまでは、ないよりはいいが、エラーに対する防波堤はこのバンドエイドだけということなのだろう。【略】

これほど重大な問題に対処するサイトがこんな具合であってはならない— Brian Schatz

さいわいなことに、州政府からFCC、ハワイ州選出のBrian Schat上院議員まで関係者全員がこの現状に大いに腹を立て、改善を要求している。しかしわれわれ他州の居住者も地元の警報システムがどういう状況になっているのか注意を払う必要があるようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ニューヨーク市が行政が利用する各種システムのアルゴリズムを監視する組織を作る

New York市が近く、行政の各部局が使用しているアルゴリズムの公正さを監視するタスクフォースを設ける。自動化システムのエキスパートと、それらのシステムのユーザーや受益者(ときには受‘害’者)代表から成るそのチームは、市が使っているアルゴリズムを精査して、説明責任を強化し偏向を避けるための推奨を行う。

平凡な名前のその設置条例は市議会で可決され、今は市長のデスクの上で署名を待っている。ACLUのニューヨーク支部も、これに賛同している

たとえば、“自動化決定システム(automated decision system)”(これは法律用語だ!)が、被告人の保釈の可否を決めている、としよう。しかしそのシステムの訓練データに偏向があったため、特定の人びとをほかの人びとよりも不法に依怙贔屓(えこひいき)している、としよう。

そんな場合タスクフォースは、この状況をどのように処理するかを書いたレポートを市へ提出する。そこにはたとえば、次のようなことに関する推奨事項があるだろう:

  • 被告人など関連する人びとが、自分の状況をアルゴリズムが評価した/しなかったことを、どうやって知るのか。人びとはその評価過程について、どのように報告されるべきか。
  • システムは特定グループ、たとえば高齢者や移民、障害者、少数民族などに特別の(好悪どちらかの)対応をしていないか。
  • もししているなら、そのような対応を受けた人びとに対し何をすべきか。
  • システムはその技術的細部と市によるそれらの使い方の両面で、どのように機能しているのか。
  • システムとその訓練データは、どのように文書化され保存されているのか。

タスクフォースは条例の署名後3か月以内に組織され、そこには“公正さと説明責任と自動化システムの透明性に関するエキスパートと、その自動化決定システムの影響を被る人びとを代表する福祉団体などの専門家”を、擁さなければならない。

つまり必要なのは大量の機械学習の専門家と数名の弁護士ではなく、ソーシャルワーカーや人権保護活動家などである。同じことを、ぼくも前に書いたと思う。

レポートは18か月以内に作成され、一般公開される。しかし、拙速は禁物。このようなシステムの評価はデータ集約的なタスクであり、評価のために複数の並行的な行政システムを作ることによって、人びとがシステムの割れ目に落ちてしまわないようにすることが、市民のための行政としてきわめて重要だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa