植物性流動食のKate Farmsが一般消費者市場への進出を目指す

Kate Farmsは、固形食を食べられない患者のために病院などが栄養補助食品として使っている植物性の流動食のサプライヤーだ。同社はこのほど、2300万ドルの資金を調達した。

会長でCEOのBrett Matthews氏によると、そのお金は消費者とヘルスケアプロバイダー双方からの、最近の大きな需要増に対応するための、生産能力の向上に充てたいという。

同社を創業したRichard Laver氏とMichelle Laver氏は、最初そのフォーミュラを娘のKateのために作った。脳性小児麻痺のKateは固形食を食べられず、市販のチューブ食もだめだった。その後企業のビジネスに育ったKate Farmsは、今では全米の病院に奉仕している。

Matthews氏は、息子が上部呼吸器系の疾患と自己免疫症に苦しんでいた。彼は最初、顧客として同社を知ったが、「自分の子が重症で、治療のためには食べ物がきわめて重要だった。同社の製品と医療品としての食品について、その後多くを学び、同社への参加と投資を決意した」、と語る。

Matthews氏は、Kate Farmへの最初の投資の次には取締役会の会長になり、そしてついに、CEOに登りつめた。

Kate Farmsはこれまでもっぱら、個人から資金を調達し、企業としての投資家とは縁がなかった。今回もその例に漏れず、資金は一連の大物投資家たちからやってきた。彼らの一覧は、次のようになる:

  • David Roux(Silver Lakeの共同創業者)
  • John Hammergren(McKessonの元会長で現CEO)
  • Gregg Engles(植物性乳製品代替食品のWhiteWave Foodsの元会長で現CEO)
  • Kristin Loomis(Lazardの元CEO、HHV-6 Foundationの常勤役員)
  • Pete Nicholas(Boston Scientificの創業者で元CEO)
  • Robert Zollars(Baxter Internationalの元社長、Diamond Foodsの会長、Cardinal Healthの執行副社長)
  • Celeste Clark(元Kellogg’s Global Nutritionのチーム管理団役員)

昨年調達を完了したそのお金は現在、COVID-19の疫病とそれへの政府の対応によって生じた需要増に応ずるための増産に使われている。Kate Farmsは、南カリフォルニアの高齢者配食事業に100万ドル相当の同社製品を寄贈している。サンタバーバラに本社のある同社は、100万ドルは22万5000食に相当する、と言っている。

同社の植物性で遺伝子組み換えでない流動食は、チューブ食(経管栄養)を必要とする子どもや大人の栄養状態を改善することが、臨床的に証明されている。Matthews氏によると、American Society for Parenteral and Enteral Nutrition(全米非経口および腸溶性栄養協会)の季刊誌に載った研究は、アトランタ胃腸病学連合が行なった臨床試験に基づいている。

氏は曰く、「小児科の市場では弊社製品が体重の増加を改善し、また、薬物耐性も改善している」そうだ。

Matthews氏によると、アメリカでは、チューブ食を必要とする人びとはおよそ70万名おり、そのほかにも同社製品によって栄養状態を改善できると思われる人びとが1億5000万名いる。その市場の大きさはアメリカでほぼ30億ドル、全世界では100億ドルだ。

でもKate Farmsは、もっと大きなご褒美を目指している。同社が声明で言っているように、植物性の乳製品代替食品の消費者市場の大きさは2017年で210億ドル、2024年には375億ドルに達すると予想されている。そしてUBS Investmentsによると、次の10年間には代替食肉が2018年の46億ドルから2030年には850億ドルに成長する。

「もちろん、今は医療食が中心だが、今後は大きく進化するだろう」、とMatthews氏は言っている。

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Nvidiaが高速コンピューティングのためのデータストレージと管理プラットホーム開発のSwiftStackを買収

Nvidiaは米国時間3月5日、SwiftStackを買収したことを発表した。同社はソフトウェアを中心にデータを保存し管理するプラットホームで、パブリッククラウドとオンプレミス、そしてエッジへのデプロイをサポートしている。

その最新のバージョンはAIとハイパフォーマンスコンピューティングおよびGPUなどによる) 高速コンピューティングのワークロードをサポートしており、Nvidiaの関心はもっぱらそこにあると思われる。

SwiftStackの共同創業者でCPOのJoe Arnold(ジョー・アーノルド)氏は、本日の発表声明で「SwiftStackのチームはAIコンピューティングの構築に傾注してきた。Nvidiaの有能な人びとと共に仕事をすることは、そんな我々にとって最高に素晴らしいことだ。同社の世界最高の高速コンピューティングのソリューションに貢献できる日が、待ち遠しい」と述べている。

買収の価額は公表されていないが、SwiftStackはこれまでシリーズAとBのラウンドで約2360万ドル(約25億円)を調達している。それらのラウンドをリードしたのはMayfield FundとOpenView Venture Partners、ほかにStorm VenturesとUMC Capitalが参加した。

2011年設立のSwiftStackは、ごく初期のOpenStack企業でもある。その大規模なオープンソースプロジェクトは、企業のデータセンターにAWSのようなプラットホーム管理能力を与えた。SwiftStackはOpenStackの中でもとくにオブジェクトストレージSwiftの最大のコントリビューターで、そのさまざまな関連サービスを提供した。しかし近年ではOpenStackの人気の衰えと共に、その関係も薄れていた。

現在のSwiftStackは、PayPalやRogers、データセンターのプロバイダーDC Blox、Snapfish、TechCrunchの親会社Verizonなどが主な顧客だ。Nvidiaも顧客である。

SwiftStackによると、今後もSwiftやProxyFS、1space、およびControllerのような既存のオープンソースツールのメンテナンスは継続する。

アーノルド氏は「SwiftStackの技術はすでにNvidiaのGPUによるAIインフラストラクチャの重要な部分であり、買収によってさらにその関係が強まるだろう」と説明した。

関連記事:OpenStackのストレージプラットホームSwiftによるオブジェクトストレージサービスSwiftStack1600万ドルを調達

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電気自動車の保有車両管理は新しい巨大市場、Electriphiが約4億円調達

企業などの保有車両の充電の管理や電動車のモニタリングを行うソフトウェアを提供しているElectriphi(エレクトリファイ)が、現在米国で増加している電動車両にソフトではなくサービスを提供するスタートアップの競争仲間に加わった。

サンフランシスコ拠点は同社はこのほど、350万ドル(約3億9000万円)を調達した。投資家は、Wireframe Ventures、Urban Innovation Fund、Blackhorn Venturesなどだ。Lemnos LabsとAcario Innovationも、このラウンドに参加した。

Electriphiのピッチは学校の校区に受けている。同社はカリフォルニア州サクラメントのツイン・リバース統合校区を同社の顧客の好例として挙げている。

同校区の輸送サービス部長であるTim Shannon(ティム・シャノン)氏は 「ツイン・リバース統合校区は電動スクールバスが北米で最も多い。今後数年以内にすべてのスクールバスを電動にしたい。重要な事業であり、信頼できるパートナーを見つけ、技術的に最先端の充電管理とデータ収集およびモニタリングの支援を確保しなければならない」と語る。

電気自動車の車両管理については、すでに手掛けている企業がいくつかあり、彼らは支援してくれる企業と資本に恵まれている。例えば、EVConnectやGreenLots、GreenFlux、AmplyPowerなどはすべてElectriphiと競合する。

Electriphiの共同創業者であるMuffi Ghadiali(ムフィ・ガディアリ)氏は、これまでChargePointのシニアディレクターとして高速充電のインフラストラクチャのためのハードウェアとソフトウェアの開発を率いてきた。この経歴が顧客の信頼を獲得すると期待されている。もう一人の共同創業者であるSanjay Dayal(サンジェイ・デイアル)氏は、Agralogics、Tibco、Xamplify、Versata、そしてSybaseなど前歴が豊かだ。

車両管理の市場は巨大で複数の企業が勝者になりそうだ。Wireframe Venturesのマネージングパートナーを務めるPaul Straub(ポール・ストラウブ)氏は、「企業や公共機関などが保有する業務用車両は米国だけでも数百万台ある。すべての米国人が、交通やデリバリーやサービスの手段としてそれらを頼りにしている。多くが今、電動車への移行を検討し始めているのでElectriphiの前途には巨大な商機がある」と投資家としての見解をコメントした。

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SoundCloudがアーティストディストリビューションプラットホームを買収

昨年はSpotifyが一連の買収で自己のサービス、中でもとくにポッドキャストのコンテンツの充実を図った。そして今度は、同じくヨーロッパの音楽スタートアップであるSoundCloudが、ここ数年の迷走にもかかわらず買収に意欲を示した。ベルリン出身の同社が選んだRepost Networkは、アーティストがSoundCloudをもっとも有効利用できるためのサービスだ。

契約の詳細は公表されず、買収が発表されたのもつい先週で、広く報じられることがなかったのも、たぶんSoundCloudには、今日の音楽ストリーミング市場のアウトサイダーというイメージがあるからだ。

かつては、アーティストのためのオンラインディストリビューションのパイオニアだった同社は、やがてスウェーデン出身のSpotifyが、2億あまりの月間リスナーを抱えるグローバルなサービスに育つのをただ指をくわえて見ていた。競合は、AppleやGoogle、それにPandora、Deezer、Jay-ZのTidalなどなどからも押し寄せてきた。

Soundcloudは18カ月ほど前に、シリーズFで1億6950万ドルを調達してひと息ついた。その投資はニューヨークの投資銀行Raine Groupとシンガポールの国有ファンドTemasekがリードした。

2017年8月に発表されたその資金調達は、SoundCloudを倒産から救う人工呼吸だった。その1か月前にはスタッフの40%をレイオフしてコストを切り詰めていた。その投資でトップも代わり、共同創業者のAlex Ljung氏に代わってVimeoのCEOであるKerry Trainor氏がCEOになった。新たなお金でSoundCloudの総調達額は4億7000万ドル近くになり、その投資前評価額は1億5000万ドルだったと言われている。前回の資金調達では7億ドルだったから大きく下がってしまった。

しかしそれでもなお、状況はこの買収に向けて熟していった。それはSoundCloudの二度目の買収だ。同社によると、トップアーティストたちがRepost Networkのツールにアクセスできるようになる。それらは、ストリーミングの配給、アナリティクスダッシュボード、そしてコンテンツの保護などだ。

リストラは苦悩の体験だったが、おかげでファンダメンタルズを重視できるようになった。買収の申請書類によると、2017年の売上は9070万ユーロで前年比80%の増加、損失は27%細って5140万ユーロになった。これらの結果はTrainorのCEO就任以降だが、さらにその後の現況を最新の数字で知りたいものだ。

SoundCloudの最初の買収は2012年までさかのぼり、そのときは1000万ドルで音楽管理のInstinctivを買った。

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この陽気なロボットは、自閉症児のセラピーに一役買う

LuxAIが作ったQTrobotという名の小さなロボットが、セラピストや両親と自閉症の子供たちとの橋渡しになるかもしれない。液晶画面の顔とロボティックアームを備えたロボットは、人との触れ合いを恐れる子供たちにとって居心地の良いセラピー環境を作ることができる。

プロジェクトの主体はルクセンブルグ大学のスピンオフ、LuxAIだ。彼らは今月末にRO-MAN 2018で成果を発表する。

「このロボットは、人間セラピストとロボットと子供の間に三角形のつながりを生むことができる」と共同ファウンダーのAida NazarikhorramがIEEEに伝えた。「子供は教師やセラピストとすぐに打ち解け、ロボットについて質問したりその行動に関するフィードバックをくれる」。

ロボットは自閉症児の不安を緩和し、「ハンドフラッピング」など多くの行動がロボットの存在によって減少したところを研究者らは観察している。

ロボットはアプリやタブレットよりも良い結果を生む、という点も興味深い。ロボットが具現的であることから、子供の注意を引き、iPadとアプリの組み合わせと比べて学習効果が高いと研究者らは考えている。言い換えると、子供達はタブレットで遊び、ロボットとは勉強する。

ロボットは完全自立で容易にプログラムが可能。一回の充電で数時間動作可能で3DカメラとCPUを内蔵している。

ロボットはセラピーの中心になるのではなく、セラピストと患者の接触を補助する役割を担う。これは優れた(かつ気の利いた)小さなテクノロジーが生んだ優れた研究成果であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

巨大AI企業SenseTimeがビデオ技術のMoviebookへ$199Mの投資をリード、その戦略的意図は…

SenseTimeは、45億ドルあまりの評価額で6億2000万ドルを調達し、評価額が世界最高のAI企業として知られているようだが、同社はしかし投資家でもある。この中国企業は今週、オンラインのビデオサービスをサポートする技術を開発している北京のMoviebookへのシリーズD、13億6000万人民元(1億9900万ドル)のラウンドをリードした。

Moviebookはこの前2017年に、シリーズCで5億人民元(7500万ドル)を調達した。今回のシリーズDは、SB China Venture Capital(SBCVC)が、Qianhai Wutong, PAC Partners, Oriental Pearl, およびLang Sheng Investmentらと共に参加した。〔SB==Softbank〕

SenseTimeによると、同社は投資と共にMoviebookとのパートナーシップも契約し、二社がさまざまなAI技術で協力していく。たとえば、エンターテインメント産業におけるAIの利用増大をねらった拡張現実技術などだ。

SenseTime Group Ltd.のオブジェクト検出/追跡技術が、2018年4月4日に東京で行われたArtificial Intelligence Exhibition & Conference(人工知能エキシビション&カンファレンス)でデモされた。このAIエキスポは4月6日まで行われた。写真撮影: Kiyoshi Ota/Bloomberg

声明の中でSenseTimeの協同ファウンダーXu Bingは、両社は、放送やテレビとインターネットのストリーミングなどからの大量のビデオデータを利用して、未来の多様な商機を開拓していく、と述べている。彼はまた、AIなどの新しい技術をエンターテインメント産業に導入していくことの持つポテンシャルを、強調している。

このような戦略的投資をSenseTimeが行なうのはこれが初めてではないが、今回がいちばん重要だろう。同社はこれまで、51VR, Helian Health, そしてリテールの巨人SuningからのスピンアウトSuning Sportsなどに投資している。

SenseTime自身は投資家たちから16億ドルあまりを調達しており、その投資家はAlibaba, Tiger Global, Qualcomm, IDG Capital, Temasek, Silver Lake Partnersなど、きわめて多様だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

マーケティングの天才たちはネット広告よりも古典的な〒郵便〒の感情的効果に着目

ロサンゼルスのPostieが抱(いだ)くビジョンによると、広告とマーケティングの未来はダイレクトメールにある。

10億ドルで買収されたDollar Shave Clubの大ヒットしたコマーシャルなど、数々のマーケティングを成功させたファウンダーたちが考えたのは、テクノロジーがそろそろ、未知の領域を開拓すべきだ、ということ。未知の領域とは、良質なターゲティング技術に支えられたダイレクトメールキャンペーンだ。

Postieは、オンラインのデータ収集と、オンデマンドの印刷と、郵便の技術、以上三つを結びつけて、最短24時間でオーダーを獲得する。同社によるとこの方法は、オンラインのターゲティング広告と同じ効果があるという。

このサービスを利用すると顧客(売り手)は、3億2000万以上の人びとの層別データや、関心事、行動などのデータにアクセスでき、それらによりダイレクトメールキャンペーンをターゲティングして、既存のCRM(customer relationship management)ツールとの統合もできる。

ファウンダーのDave FinkとJonathan Neddenriepは、昔インキュベーターScienceにいて、そのときFinkはDollar Shave Club, DogVacay, SpringRole, Wishbone, Hello Societyなどのマーケティングを6年間担当した。NeddenriepはScienceのCTOで、PositeでもCTOだ。

つまり昔のFinkは、オンライン広告(ネット広告)という大きなノイズの中で、ヴァイラルなメッセージが、できるだけ多くのオーディエンスに届くよう、苦労していた。それに比べると今回のダイレクトメールというメッセージは小さいが、しかしねらう市場は依然として大きい。

Finkはこう主張する: “高度にターゲティングされた郵便物という物理的な実体は、ネットでは不可能な感情的反応を喚び起こす。デジタルの場合と同じデータに基づくインサイトと定量的アプローチが、まったく新しいスケーラブルなメディアチャネルを切り開く”。

事実、21世紀になってもDMは死んでいない。Direct Marketing Associationの調査によると、2014年には、広告主や企業がダイレクトメールキャンペーンに460億ドルを支出した。そしてFinkと彼の仲間たちは、その数字がさらに伸びることを期待している。

しかも彼らは、一人旅ではない。すでにロサンゼルスのBonfire VenturesとCrosscut Venturesが、Postieに350万ドルを投資した。同社の事業の拡大にも、ダイレクトメールを利用できるだろうか?

画像クレジット: dvs / Flickr, Creative Commons 2.0のライセンスによる.

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