HPのTangoは、本のように見える書棚に隠せるプリンター

子供のころ、蓋を外して中に小銭を隠せるニセのジュース缶をもっていた。泥棒対策としてはあまり効果的ではなかった。まともな人間は本棚にジュースの缶を置かない。そもそも当時そのブランドのジュースを売っていたかどうかも定かではない。

HP Tangoの迷彩はもう少し論理的だ。このプリンターには、布地のカバーが用意されていて、正面から見ると題名のない本に見える——墓石の方が近いかもしれない。これは、「プリンターは持っているけど、そのことを知られたくない」人たちのためだ。

周囲に溶け込むために最大限の努力をしているのにもかかわらず、Tangoはプリンターとして悪くないルックスだ。堅牢で曲線的なデザインはミニマリスト的だ。ワイヤレスでスマートフワンと連携し、Alexaにも応答する。そうそうAmazonといえば、このプリンターにはInstant InkというDashボタン風の発注システムが内蔵されていて、3~10ドルでインクを注文できる。

プリンターの価格は149ドルまたは199ドルで、上に書いた布製カバーがついてくる。色は3種類から選べる。偉大な文学作品の書名をプリントすれば、隠蔽効果は真に完成すると思うのだが。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

OK Goの新曲ビデオでは557台の(曲とシンクする)プリンターと一緒にダンス

バンドのOK Goは、異様なほどクリエイティブなミュージックビデオで知られている。彼らにかかると、スクーターも、も、飛行機も、そしてルームランナーさえも、アートのような振り付けの素材になる。でも今回の彼らは、ちょっと古めだ。

新曲“Obsession”のビデオでOK Goは557台のプリンターの壁を作り、ビデオ全体の背景にしている。Gizmodoは、紙の無駄遣いに意味があるのか、と言っているが、そう言いたくなるのも分かる。でもしかし、OK Goは答を持っている:

“あなたがこれを見るころには、すべての紙が再生紙だ。売上はGreenpeaceのものになってる”、というテキストをビデオの冒頭でプリンターが紙にプリントする。

これで、紙の無駄遣いの心配はなくなったと思うから、彼らのアートで週末を楽しもう。

でもその前に、バンドが一言言っている:

このビデオでは、いろんな色が激しく点滅する。発作を起こさないように、注意していただきたい。YouTubeの画面の解像度を1440pか2160pにすると、良い映像になる(デスクトップでは画面右下の歯車のアイコンをクリックする)。“自動 HD”のままだと、画像が歪む箇所がある。色やパターンの変化が、激しすぎるからだ。つまり情報が多すぎてYouTubeの通常のHDの圧縮では無理な部分がある。われわれは、そのマトリックスを破ったのだ。24時間前から、YouTubeの善人たちがわれわれと一緒に、問題解決に取り組んでいる(ビットレートの制約の問題だ)。でも、解決には時間がかかりそうだし、今は感謝祭だから、みんな実家へ帰らなくちゃね。

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3000ドルで売れるフルカラーの3DプリンターをXYZPrintingが発表、コロンブスの卵のようなアイデア

家庭用のフルカラーの3Dプリントは長年、消費者とホビイストの究極の夢だった。これまで、小さな装身具などをプリントするのは楽しかったけど、多色のアクションフィギュアのようなものを作れたら、それこそ消費者用3Dプリントの革命だ。そして実は、インクジェットという技術によって、その革命の入り口あたりにすでに近づいているのかもしれない。

3Dプリンターの人気製品Da Vinciシリーズを作っているXYZprinting日本)は、2014年にレーザースキャナーでもある3Dプリンターを発売したが、今日(米国時間8/31)は定価3000ドルのDa Vinci Colorを発表した。それは、プリントしながらフィラメントに、インクジェット方式で着色していく3Dプリンターだ。それまでのフルカラー機は、ナイロンの粉末とか複数のフィラメントを混ぜることによって、フルカラーをシミュレートしていた。Da Vinci Colorは、プラスチックのオブジェクトのプリントに使われている熱したPLAフィラメントに色を単純にスプレーし、フルカラーのオブジェクトを作る。フィラメントのスプールは35ドル、インクは65ドルだ。

そして、極めつけの特長は、使える色数がほとんど無限であることだ。プレスリリースはこう言っている:

業界初の究極のフルカラー3Dプリンター、XYZprintingの3DColorJetソリューションは、da Vinci ColorがPLAフィラメント上にCMYKの色の飛沫を鮮やかに、正確に、高い精度で輝かせることを可能にする。このプリンターの技術は、最終的に完成した3D製品上に、1600万色のフルカラースペクトルを実現する。弊社独自のその技術は、インクジェット印刷によって実現する微細な色分けと、高度でプロフェッショナルな3Dプリント技術を組み合わせている。

 

このやり方をトライしたメーカーは過去にもあったが、それを単純で低コストな技術として完成させたのはXYZが初めてのようだ。なにしろこれは、プリンターの価格が単色の3Dプリンターとあまり変わらない。とりあえず、われわれとしては、それ以上望むものはないだろう。下のサンプルを見ても分かるように、このプリンターは小さな部分にも運転時に彩色できる。フィラメントを交換して色の帯をプリントするほかの製品とは、大違いだ。そういうマシンは、かなり派手な色のプリントは可能だが、色がそのうちあせてしまう。それに対してこちらは、ふつうのフィラメントでプリントできるから、大進歩だ。

このプリンターは今、$2999.95で予約販売中、店頭に出たら$3500になる。

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こんなものがついに出たことに、ぼくはコーフンしている。これで3Dプリントが家庭に大普及するとは思われないし、色を後から塗るやり方でも場合によっては十分だが、でも同社の技術がもっと進歩したら、たとえばデザイナーが自分の製品(建物でも玩具でもよい)のプロトタイプをいろんな色で簡単に試作するなんてことが、可能になるだろう。ふつうの3Dプリンターを2000年代のドットマトリックスプリンターだとすれば、こちらは21世紀のインクジェットプリンターだ。その巧妙なハッキング的技術は、確実に次の時代を開くだろう。

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炭素繊維とガラス繊維を使って鋼鉄よりも強度のある機械部品を3DプリントするMarkforgeのX3とX5

ボストンで3Dプリンターを作っているMarkforgedが、二つの新機種、X3とX5を発表した。どちらも、ふつうのフィラメント方式のプリンティングで、炭素繊維を満たしたオブジェクトを作れる。それらのオブジェクトには、スチール製のオブジェクトを置換できるほどの強度がある。

どちらの機種もレベリングとスキャンニングを自動的に行い、完全に同じオブジェクトをプリントできる。またどちらも、Markforged特製の特殊な熱可塑性ファイバーフィラメントを用い、X5の方は“ガラス繊維フィラメントの連続的供給”を行うので、通常のプラスチックよりも“19倍も強く10倍の硬度のあるオブジェクト”を作れる。つまり同じマシンで実用に耐える部品と実用に耐える工具の両方を作れるし、ガラス繊維のフィラメントのおかげで、それらは使用中に折れたりしない。あるユーザーは、わずか10分で、自転車の車輪の(チューブの)バルブを締めるバルブレンチ(下図)を作った:

次は悪いニュース。X3はたったの36990ドル、X5は49900ドルだ。Markforgedは、“国内の製造業企業”がターゲット、と言っている。良いニュースは、ユーザーのニーズの変化によっては、X3の機能をX5にアップグレードできること。またどちらも、製造業企業がプロトタイプではなく最終製品の生産に使えることだ。しかも、エンドユーザーの現場でも。

“顧客は、特定の部品が必要になったその日のうちに、強度とコスト要件を満たす部品を作れる”、とCEOのGreg Markは語る。

これらのプリンターは、Markforgedが最終的に目指している“物質転送システム”への途上にある。その複雑なスキャンニングと測定システムにより、ユーザーは遠方から3Dプリントのモデルだけを受信し、完全に同じものを自分の目の前に実現する。そのシステムにはフェイルセーフモードがあり、プリントが異常停止した場合にはレーザースキャナーがその原因を調べる。そしてプリンターはその箇所からリスタートする。同社は金属の3Dプリントについても独自の研究開発を行っていて、それにより複雑な機械の複雑な部品でも、実用に耐える強度のものをプリントできる。

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Blackbeltは無限に長いものを作れるベルトコンベア式3Dプリンター

ベルトコンベアーは昔から奇妙な冒険の舞台だった。チャーリー・チャップリンからルーシーまで、あのベルトに流されていく人や物はコメディーの花形だった。今は3Dプリントされた作品がBlackbeltの上を流れていくのを見ることができる。巨大オブジェクトをプリントするためのコンベア式3Dプリンターシステムだ。

BlackbeltのKickstarterキャンペーンはあと3日で始まる予定で、デスクトップ用システムが9500ユーロ、支持台付きの大型システムが1万2500ユーロになる見込みだ。プリントできる大きさは13インチ×13インチ×無限大、つまり車のサイドパネルや長い看板などもプリントできるという意味だ。異なる太さのプラスチックを射出する3種類のノズルを備えている。

詳しい説明はここで読めるが、基本的には3Dプリンティングを横に寝かせて面白いことができるシステムだ。例えば、通常このジェット機をプリントするには機首を支えるために多くの材料が必要になる。Blackbeltの技法を使うことによって、ベルトに触れた状態でプリントをスタートすることさえできれば、せり出したり、へこんだりしている物体もブリントできる。

このプリンターのプリント角度は独特で、プラスチックを先端部分にプリントすることができる。つまり、一般のFDMシステム(熱溶解積層法)のように底面から積み上げていくのではないため、支えのないものもプリントできる。Blackbeltは無限に長い物体をプリントするほかに、小さな物体を次々とプリントしてバスケットに落としていく使い方もできる。理論的には、地球を一周する長い蛇をプリントして、神話のウロボロスのように、自分のしっぽを食べるようにループさせることもできるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

生まれる前の赤ちゃんに手でさわれるIn Utero 3DのWaiting Without Barriersプロジェクト

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ポーランドのIn Utero 3Dは、とても愛らしいサービスを提供している。子宮の中の赤ちゃんの形を3Dプリントして、目の不自由なお母さんでも生まれる前の子どもを感じられ、目の健常なお母さんが超音波画像を見て感じるのと同じ喜びを体験できるようにする。

そのプロジェクトはWaiting Without Barriers(障碍のない待期)と呼ばれ、会社はポーランド北部にあるが、利用はヨーロッパ全域で可能だ。同社は1PLN(ポーランド新ズロチ)または1ユーロで、妊娠中のお母さんたちの赤ちゃんのレリーフをプリントする。ふつうの3Dプリンターを使い、モデルの超音波3D画像データに対して作為的な理想化をしないから、多くのお母さんが自分の子を初めて見たときと、まさに同じ体験を提供する。

すでにこういうことを数社がやっているが、しかしWaiting Without Barriersにはすばらしい理念があり、アイデアもすばらしい。プリントの質は、FDM(熱溶解積層法)プリントにしては良い方だ。

3Dプリントの人気はこのところ急落しているが、21世紀におけるもっともクールでもっとも将来性のある技術の一つだ、と今でも思う。まだ家庭でフォークや車をダウンロードしてプリントすることはできないが、小さなプラスチックとデジタルファイルで、自分の子どもを細部まで正確に感じることができるのは、すてきだよね。

出典: 3DPrintingIndustry

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トースターのように誰もが使える3Dプリンタを目指したSkriware、799ドルでフルオート

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まず、下のビデオをご覧いただきたい。アクション映画の予告編のナレーションを担当しているような男が、ちょっとおかしな英語で喋っているこのビデオは、これまでぼくが見たKickstarter上の売り込みビデオの中では、最高傑作だ。おっと、いきなり脇道に逸れてしまったが、このポーランド製の3DプリンタSkriwareは、これまでの3Dプリンタおよび3Dプリントのあり方に不満だった連中が作った。もうこれ以上、新しい3Dプリンタは要らないよ、という声も聞こえるが、Skriwareはもっともっと使いやすいソフトウェアとハードウェアを目指している。

目標は、ユーザにワンタッチシステムを提供することだ。ネット上にさまざまな、3Dプリントオブジェクトのマーケットプレースがある。そこから何かをダウンロードしてプリント物が出来上がるまで、ほとんど人手が介入しない。それはほかの家庭用3Dプリンタでもできるが、799ドルの機種にそんなフルオートの機能はなかった。

低価格化の鍵は、プリントヘッドの設計を単純化したことと、熱をあまり必要としない素材を使ったことだ。彼らは、焦点を使いやすさに絞った。3Dプリントの市場においては、それは新しい切り口だ。

“Skriwareは、できるかぎり使いやすくて、直観的に使える3Dプリンタを目指した。ゲームのフィギュアを作りたい小学生でも、孫にテレビドラマの超人的ヒーローの形をしたクッキーを作ってあげたいと思っているおばあちゃんでも、簡単に使えるプリンタを作りたかった”、と彼らは書いている。

発売は来年の4月だが、すでに完成度は高いようだ。ヨーロッパ製の、電脳内蔵の、デバイスだ。3Dプリンタを売るために、こんな仰々しいナレーションは要らないと思うが、たしかに3Dプリントの市場は、今や変化の時期だ。

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Makerarmは、レーザー加工、3Dプリント、お絵描き、切削、組み立てまで全部をこなすオールインワンロボット

Makerarmは、ロボティック3Dプリンター、レーザーカッター、インク描画プリンター、工作機械、組み立て装置を全部まとめて卓上に収め、およそどんなものでも作ることを約束する ― ノートパソコン一式も(今回は代わりに木製ブロックにTechCrunchロゴを削ってくれた)。

3DレーザーカッターのGlowforgeがこれに近いがレーザー加工だけだ。Makerbotは高品質の3Dプリントを大衆化したが、レーザーカットその他Makerarmにある機能はない。

さらにこのマシンは、通常もっと高価でMakearmに可能な作業の一つしかこなせない機種にしかできないような、高品質な作品も作ることができると言っている。高精度のジョイントと高出力レーザーを備えて高品質な彫刻を可能にした他、Makerarmの3Dプリンターは、3Dプリンターの中で最大の作業領域(直径 30インチ=75 cm)を持つという。

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共同ファウンダーのAzam ShahaniはTechCrunchに、自分の欲しかったオールインワンのソリューションがないことに気付いたのでMakerarmを作ったと語った。彼のマシンは他の3Dプリンターやレーザーカッターと同様のしくみで動く。クリエーターがデザインを選びマシンに読み込めば、後はMakerarmが仕事をする。

Makerarmは今日(米国時間10/6)Kickstarterでプロジェクトをスタートする。超早割予約は999ドルだが、以降2199ドルのフルセットMakerSpaceまで価格は上がっていく。

最近TechCrunchのスタジオでMakerarmが動作するところを見る機会を得た(その時にTechCrunchロゴを削り出した)。上のビデオでこのマシンに何ができるかをShahaniが説明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

写真プリンターとして機能するスマートフォン用ケースがKickstarterに登場

スマートフォンで撮った写真を直ちに印刷できるケースのことは既にお聞き及びだろうか。Pryntという名前で、いよいよKickstarterのキャンペーンページからプレオーダーできるようになった。早期割引プランは既にすべて予定数に達していて、今は99ドルの価格で手に入れることができるようになっている。

上のビデオにあるように、私たちはCESの会場でPryntを見せてもらった。初期モデルからマウント部を改良し、iPhone 6 PlusやGalaxy Noteなどのような大画面ファブレットにも対応できるようにしたそうだ。ちなみに見せてもらったときにはLightningないしUSBでの接続をサポートしておらず、目標としていた印刷速度である30秒にはまだ到達していないようだった。

夏に予定されている出荷開始の段階では、iPhone 5/s/c/6およびSamsung Galaxy S4/S5をサポートする予定となっている。カメラで撮影した写真を印刷するだけでなく、拡張現実機能をサポートするアプリケーションも用意されている。その件については11月の記事でも触れている。

Pryntアプリで写真を撮ると、シャッターを押す前後のビデオが撮られクラウドに送られる。プリントした写真をアプリのカメラで見ると、写真の上にPlayボタンが現れ、ビデオが再生される。

まるでSnapchatに、ビデオを見るための物理的キーが加わったような感じだ。セキュリティーを高めるために、隠しピクセル等のしかけを使い、写真の写真ではビデオが見えないようにすることも考えている。実際に見ると実に楽しい。

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(翻訳:Maeda, H


電子回路のプロトを手軽に作成できるAgIC、1億円の資金調達を実施

昨年開催した「TechCrunch Tokyo 2014」のスタートアップバトルで見事に優勝に輝いたAgIC。同社が約1億円の資金調達を実施した。

調達した資金のうち3600万円は借り入れ、6000万円が第三者割当増資となっている。第三者割当増資の割当先はIoT関連の投資を手掛ける鎌田富久氏が率いるTomyKのほか、East Ventures、中国のYoren、その他事業会社と個人投資家6人となっている。なおTomyKは前回のラウンドでもAgICに出資しており、今回は追加投資となる。またYorenとは、中国での広告関連事業における業務提携を実施。ちなみに日本のスタートアップとしては珍しいのだけれども、同社はプレスリリースでプレマネーバリュエーション(増資前評価額)5億円、優先株での資金調達だとも発表している。

AgICは、導電性の銀ナノインクを使ったペンと専用紙を使って電子回路を描き、電子工作をしたりハードウェアのプロトタイプを作成したりできるキットを日米で販売している。このインクと家庭用プリンタでも回路の作成が可能だ。同社では今後、電子工作向けのキットを始めとした製品ラインナップの拡充、電子工作のレシピ共有サービスの開発などを進めるとしている。


Pryntは、スマートフォンをポラロイドカメラに変えるケース


先週Haxlr8rのデモデーでデビューしたばかりのハードウェアスタートアップ、Pryntが、TechCrunch本社オフィスに立ち寄り、彼らのスマートフォンケースの最新プロトタイプを披露してくれた。ケースはプリンターを内蔵しているので、友達と撮ったセルフィーをその場でプリントできる。

このフランスの小さなスタートアップは、スマートフォンをミニ・ポラロイドカメラに変えようと1月から開発を進めてきた。多くの時間は、深圳(シンセン)を訪れて部品を調達し、Bluetoothで写真を送り感熱紙に印刷するシンプルなデザインの試作を繰り返すのに費された。

現在のバージョンは写真1枚のプリントに約50秒を要し、1回に1枚しか用紙を保持できないが、製品版では用紙を10~30枚内蔵し、印刷時間は30秒以下になる予定で、これはハードウェアの改善およびケースと端末を直接つなぐことによる。

PryntのCEO Clément Perrotは、ケースは来年初めにKickstarterで、わずか99ドルで販売する予定だと言っている。当初は画面サイズ4インチ台の主要機種をサポートする。現在Galaxy NoteやiPhone 6 Plusなどのファブレットに対応するマウントを開発中とのこと。

Pryntケースの魅力を増すかもしれない一つの機能は、カメラアプリに組み込まれた拡張現実機能だ。Pryntアプリで写真を撮ると、シャッターを押す前後のビデオが撮られクラウドに送られる。プリントした写真をアプリのカメラで見ると、写真の上にPlayボタンが現れ、ビデオが再生される。

まるでSnapchatに、ビデオを見るための物理的キーが加わったような感じだ。セキュリティーを高めるために、隠しピクセル等のしかけを使い、写真の写真ではビデオが見えないようにすることも考えている。実際に見ると実に楽しい。将来は、例えばネコの写真を撮り、それをアプリで見ると別のビデオが流れる方法も検討している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Squinkは、回路基板を印刷して部品も配置する3Dプリンター

3Dプリンターは、エンジニアが製品をテストするやり方を大きく変え、時間とコストの削減を可能にした。しかし、それらの製品の殆どに使われている部品も3Dプリントできるのだろうか?

Botfactoryのコンピューターエンジニア、Carlos Ospinaは、彼が出会った人々の殆どはそれが可能だとは信じなかったと言う。しかし彼は、みんなが間違っていたことを証明した。Squinkは、持ち運べる回路基板工場で、自宅にいながらにして数分のうちにプロジェクトをテストできる ― プリントのコストは2ドル程度だ。

先週 Kickstarterに登場したSquinkは、写真用紙やガラス等の特定の材料の上に導電性インクで回路をプリントする。Ospinaのチームは、3日間のうちにKickstarterで2万4000ドルを集めた。

回路基板の設計は、Squinkが接続されている時だけ使用可能なウェブベースのポータルを通じて行う。プリンターは、導電性接着剤のドットを印刷されたインクの上に載せ、トレイから部品を取ってきて、接着剤ドットに上に配置する。

BotfactoryとSquinkを作ったのは、NYU Polytechnic School of Engineering[ニューヨーク大学技術専門校]で出会ったエンジニアたちからなるグループだ。

興味のある回路基板をネットで見つけて、Squinkポータルに入力することもできる。

彼らは、Squinkで今の製造工程を置き換えようとしているのではなく、クリエイティブなプロセスを遅らせることなく、アイデアをすぐに試したい人のためのツールを作りたいと思っている。

「ほんの足がかりになればいいと思っています ― 今すぐ試して、うまくいったら工場で100枚基板を作ればいいのです」と、チームのロボットエンジニア、Nicholas Vansnickは言った。

プリンターには導電性インクカートリッジ、導電性接着剤シリンダー、および標準部品セットを付けて販売する計画だ。導電性インクカートリッジは1本で基板を100枚プリント可能。接着剤シリンダーは1回のみ使用可能。

他の部品を使いたいユーザーのために、同社のウェブサイトで販売する方法を検討していると、Ospinaは言った。

プリンターは現在まだプロトタイプで、デザインも未完成だ。彼らはKickstarterプロジェクト進行中も、引き続き製品を改善し携帯性や精度を高めていくつもりだ。

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紙の上を自走して印刷するZuta Labsのインクジェットプリンタロボット

今は3Dプリンタが大人気だが、イスラエルのハードウェアスタートアップZuta Labsは2Dのプリンタを、ちょいとおもしろくしたいと考えている。これまでのように、プリンタの上を紙が動くのではなく、紙の上をロボットのプリンタが動いて、道路に白い線をひく機械のようにインクを落としていく。

このZutaモバイルプリンタロボットは、今そのプロトタイプがKickstarterで人気を集めつつある。本格生産のための目標額は40万ドルだが、私がこの記事を書いている時点では28日を残してその半分あまりが集まっている。〔モバイル、moblie、“可動”という意味。〕

彼らのコンセプトは、プリンタを持ち運びできるほど小さくして、しかも大きな紙にも印刷できることだ。プリンタ本体のサイズは10cm x 11.5cmで、ポケットには入らないがバッグなら十分に入る。

このプリンタは、紙を食べてその上にインクを吐くのではなく、自分自身が紙の上を転がっていく。電池式で、USBで充電する。充電器を壁のソケットに差し込み、充電が終わったら本体だけを持ち運びできる。

電池寿命はフル充電で約1時間ぐらいのようだ。インクカートリッジは、1000ページ以上の印刷が可能だそうだ。HPのインクカートリッジをそのまま使えるので、高価な専用品は要らない。

Zutaのメーカーは曰く、A4の紙1枚で、印刷所要時間は平均40秒だそうだ。かなり遅いので、カフェで100ページのレポートを印刷しようとしたら、ラッテを2~3杯注文する必要があるだろう。

もちろん、紙はしっかり固定しないといけない。プロトタイプを本番の製品に仕上げるためには、紙の固定方法が最大の課題になりそうだ。

Zuta Labsは本誌にこう語った: “今後の技術課題はプリンタが紙の上を正確に動くことと、プリンタ自身が紙をしっかり固定できることだ”。

どうやれば、きれいなプリントを保証できるか? 同社曰く、“本体とその全方向動輪の重さ、そしてステッピングモーターの精度と安定度が鍵だ。動きとスピードと本体の位置の制御には、高精度の光学レーザーセンサを使用する”。

でも本体を重くしたら、ちょっと持ち運びに難があるね。

Zutaの筐体が水滴型をしているのは、そのコーナーを紙のコーナーに合わせるため。ご存知のように従来のプリンタには、紙を整列させるためのトレイやホルダーやガイドがある。Zutaにはないから、完璧な整列は期待しない方がよさそう。

というか、日常的なちょっとした気軽な印刷に向いている。子どものおもちゃにも、よいかもしれない。Kickstarterの支援者には180ドル、発売価格は200ドルだから安くはない。いまどきインクジェットプリンタは70ドルで買えるからね(そしてメーカーは“純正”インクカートリッジを高価にして稼ぐ)。

カラー印刷はできない(少なくとも一回の走行では)。カラー印刷ができないと楽しくない、と思う人もいると思うが、でも小さなロボットが紙の上に線や文字を落としていく様子を、楽しいと感じる人もいると思う。

資金が目標額に達したら、出資者に製品が届くのは2015年の1月の予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))