米国人の半数はSNSが情報源、ただしその割合は減少

Pew Research(ピュー・リサーチ)の最新レポートによると、米国成人の約3分の1は、現在もFacebook(フェイスブック)から定期的に情報を得ているが、割合は2020年の36%から2021年の31%に減っている。この減少は、情報を何らかのソーシャルメディアから得ていると答えた米国人の全体的数字のわずかな減少を反映している。その割合も2020年の53%から2021年の48%へと5ポイント下がっている。

ここでいう「定期的に」は、調査回答者が「often(頻繁に)」あるいは「sometimes(時々)」情報をデジタルニュースから得ていると答えたという意味で、他の選択肢は「rarely(まれに)」「never(一切ない)」、および「don’t get digital news(デジタルニュースを見ない)」だ。

この変化は、テック企業が自社プラットフォームで誤情報の拡散を許していることについて厳しい監視下にある状況の中で起きている、とPewは指摘している。こうした批判はパンデミック期間中に増加し、ワクチンの忌避や拒否につながり、その結果誤情報を受け入れた多くの米国人の健康状態の悪化を招いた。

こうした問題に関わらず、さまざまなソーシャルメディアから定期的に情報を得ている米国人の割合は前年からさほど大きくは変わっておらず、ネットで日々のニュースを見る一部の人たちの習慣を反映している。

画像クレジット:Pew Research

定期的にFacebookで情報を得ている米国成人の3分の1に続いて、22%がYouTube(ユーチューブ)から定期的に情報を取得している。Twitter(ツイッター)とInstagram(インスタグラム)はそれぞれ13%および11%の米国人の定期的情報源だ。

しかし、多くのサイトにおいて自身のサイトを定期的情報源としているユーザーの数字がわずかに減少している、とPewは指摘している。これは、各サイトをニュース源として使っている米国成人のずっと小さな割合とは意味が異なり、サイト自身のユーザーベースがどう認識しているかを示している。ある意味でこれは、具体的には概して若いソーシャルメディア・ユーザーのニュース消費行動の変化を測ったものだと言える。

現在Twitterユーザーの55%が同プラットフォームから定期的に情報を得ており2020年は59%だった。一方Reddit(レディット)ユーザーの情報源としての同サイトの利用は42%から39%に減少した。YouTubeは32%から30%、Snapchat(スナップチャット)は19%から16%に減少した。Instagram(インスタグラム)はほぼ変わらず2020年が28%、2021年が27%だった。

今回、唯一ニュース源として成長したソーシャルメディアプラットフォームは、TikTok(ティックトック)だ。

2020年、ショートビデオプラットフォームのユーザーで定期的にそこで情報を取得している答えた人は22%だった。2021年には29%に増加した。

しかし全体的に見ると、これらのサイトのほとんどが米国の成人人口全体にごくわずかしか掴んでいない。米国人でReddit(7%)、TikTok(6%)、LinkedIn(4%)、Snapchat(4%)、WhatsApp(3%)、Twitch(%)を情報源としている人はいずれも10人に1人以下だった。

画像クレジット:Pew Research

サイトを利用しているユーザーの人口属性による違いもある。

白人成人は情報源としてFacebookとRedditに目を向ける傾向がある(それぞれ60%と54%)。黒人およびラテンアメリカ系成人は、Instagramを定期的情報源としている人の割合がかなり大きい(それぞれ20%と33%)。若年成人はSnapchatとTikTokに頼る傾向が強く、LinkedInを情報源とする人の過半数が四年制大学の学位を持っている。

もちろん、2021年7月26日~8月8日に実施されたPewの最新調査は個人の申告データに基づいている。つまり、被験者の答えはさまざまなサイトを情報源として使っていることに関するその人自身の認識に基づいている。これは、現実世界でユーザーがどれほど頻繁にニュースを読みにサイトに訪れるかの測定値とは異なる結果を生むことがある。利用の割合を過小評価する人も過大評価する人もいるからだ。

また、人はソーシャルメディアでニュースを読むことの予期せぬ影響を正しく理解できていない。見出しや投稿は扇動的なクリックベイト(クリックを誘う餌)に隠されてリアクションやコメントによるエンゲージメントを誘発しようとしている。そうした手口はしばしば強いリアクションを誘うことがあるが、必ずしも聞く価値のある人によるものではない。Pewによる最近の調査で、ソーシャルメディアニュース利用者は、選挙や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの重要な話題に関する事実の知識が少ない傾向があるという結果が出た。そしてソーシャルメディア消費者は過激な陰謀論に接する機会が多い(コメントを読んでいる人にとっては実に明らかだ)。

今回の調査の全標本数は、回答者1万1178名で、標本誤差範囲はプラス・マイナス1.4パーセンテージ・ポイントとなる。

関連記事:米国成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っていることが明らかに

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターのクリエイター向け機能「スーパーフォロー」、開始から2週間の売上はわずか66万円

Twitter(ツイッター)のクリエイター向けプラットフォーム「Super Follows(スーパーフォロー)」の幸先は芳しくない。公開から2週間の米国iOS売上は6000ドル(約66万円)ほどだった。Sensor Tower(センサータワー)提供のデータによる。そしてカナダでの売上はわずか600ドル(約6万6000円)ほどだった。収益のごく一部は、別のアプリ内購入の仕組みである「Ticketed Spaces(チケット制スペース)」による可能性もあるが、社外からこの部分を調べる方法はない。

Twitterが最初にスーパーフォローの計画を発表したのは、2月のAnalyst Dayイベントで、新たな収益ストリームを生み出す将来の取り組みの詳細を数多く予告していた。

関連記事
Twitterが同社初となる有料クリエイターサブスク機能「スーパーフォロー」発表、サービスの構造が劇的に変わる可能性
ツイッターがクリエイターのための収益化ツール「Super Follows」「Ticketed Spaces」を導入

現在、Twitterのビジネスは大きく広告に依存しており、スーパーフォローは同社の収益多様化に向けた数少ない方法の1つだ。Twitterはクリエイターがライブイベントを 有料で提供するTicketed Spaces(チケット制スペース)を提供している他、米国外ではパワーユーザー向けのプレミアム商品、Twitter Blue(ツイッター・ブルー)のテストを開始している

画像クレジット:Twitte

しかしクリエイターがターゲットのスーパーフォローは、主要ユーザー層に最も強くアピールするはずだ。

これは、クリエイターがフォロワーを集め、サブスクリプションを通じて直接収益を生むクリエイター経済を育てることで、Twitter自身の広告やブランド契約への依存を減らす試みの一環でもある。クリエイターたちがこのビジネスのために使うプラットフォームは、収益のごく一部を受け取ってクリエイターツール開発費に宛てる(Twitterの場合、取り分はわずか3%)。

この機能は、すでに有名人と一般の人々が同じタイムラインで、親しく付き合い会話しているプラットフォームであるTwitterにとって理に適っているように思えた。スーパーフォローは、ファンがお気に入りのクリエイター(ミュージション、アーティスト、コメディアン、インフルエンサー、ライター、ゲーム、あるいはその他のエキスパート)にもっと近づけるようにすることでアクセスを増やす。クリエイターは月額サブスクリプション価格を2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1100円)のいずれかに設定して、ファンに「舞台裏」コンテンツなどのボーナスを提供する。それらは、追加のツイートやQ&Aその他サブスクライバーとのやり取りで受け渡される。

画像クレジット:Twitter

サービス開始時点でTwitterは、スーパーフォローを少数のクリエイターに開放した。美容・スキンケアに特化したアカウント、@MakeupforWOC、星占いのアカウント、@TarotByBronx、スポーツ専門の@KingJosiah54、ライターの@myeshachou、インターネットパーソナリティーでポッドキャスターの@MichaelaOkla、スピリチュアルヒーラー@kemimarie、ミュージックチャートをツイートする@chartdata、Twitchストリーマーの@FaZeMew@VelvetIsCake@MackWood1@GabeJRuizおよび@Saulsrevenge、ユーチューバーの@DoubleH_YT@LxckTVおよび@PowerGotNow,そして暗号トレーダーの@itsALLrisky@moon_shine15などの面々だ。Twitterは、スーパーフォローを利用できるクリエイターは100人以下がと言っている。

クリエイション側の利用は限定されているが、クリエイターのサブスクライブはそうではない。米国またはカナダのTwitter iOSユーザーなら、支援したいクリエイターのアカウントをいくつでも「スーパーフォロー」できる。米国には 2021年第2四半期時点で、収益可能なデイリーアクティブユーザーが3700万人いる。もちろんiOSユーザーはその一部にすぎない。

それでもTwitterには、スーパーフォローのプラットフォーム開始時点で数百数千万人の「潜在」顧客がいた。現在の収益は、アプリ内購入ランキング上位の多くが、低い価格設定でコンテンツを提供しているクリエイターのものであることを踏まえると、利用しているのはわずか数千人程度のようだ。

画像クレジット:Twitte

Sensor Towerは、TwitterのiOSにおける米国消費者利用額である6000ドルは、9月最初の2週間(9月1~14日)に測定されたという。この期間前の8月25~31日、米国のTwitter iOSユーザーは100ドル(約1万1000円)しか消費していない。これはユーザーがチケット制スペースに支払った金額を表す数字だ。言い換えると、iOS消費者の利用合計6000ドルに占めるチケット制スペースの割合はごくわずかである可能性が高い。

スーパーフォローをサブスクライバーが利用できるもう1つの市場であるカナダでは、9月1~14日のTwitterのiOSアプリ内購入収益はわずか600ドルだった(これにはカナダとオーストラリアでテスト中のTwitter Blueのサブスクリプション収益も含まれている)。

全世界では、同じ期間にiOSのTwitterユーザーは9000ドル(約98万9000円)を消費しており、これにもチケット制スペースとTwitter Blueのテストによる収益が含まれる(クリエイターに直接支払う方法であるTwitterのTip Jarはアプリ内購入を経由していない)。

ハッシュタグの利用やコンテンツのリツイートのように、元々ユーザーがやっていたことを観察して開発された他のプロダクトと異なり、最近のTwitterの新機能の多くは、プラットフォーム上でのユースケースを再定義しようとしている。数多く売り込んでいる製品ラッシュの中でTwitterは、クリエイター向けだけでなく、eコマース読むコンテンツの整理ニュースレターのサブスクリプションコミュニティのソーシャル化オーディオによるチャットコンテンツの事実検証トレンドのフォローよりプライベートな会話などを提供している。

関連記事:Twitterがカードを利用した新しいオンライン通販機能をテスト中

スーパーフォローの遅いスタートは、何かを決めるにはまだ早すぎるというTwitterのポジションを示している。それも一理あるが、利用状況を追跡して、新しいプロダクトが幸先の良いスタートを切ったかどうか確認する価値があるだろう。

「これはスーパーフォローの始まりにすぎません」とTwitterの広報担当者がSensor Towerの数字に関するコメント要求に答えて言った。「私たちの最終目標はクリエイターが成功するための準備を整えることです。そのためにこの1巡目のでは少人数のクリエイターたちと密に働くことで、スーパーフォローで最高の体験が得られることを、広く公開する前に確認します」。

さらに広報担当者は、Twitterのスーパーフォローはクリエイターがスケールに合わせて収益を増やせるように設定されていることも指摘した。

「スーパーフォローでは、クリエイターは生涯の収益が5万ドル(約549万6000円)になるまで、アプリ内購入手数料差し引き後収益の最大97%を受け取れます。5万ドルを超えてからは、アプリ内購入手数料差し引き後収益の最大80%%を受け取れます」と広報担当者はいう。

画像クレジット:Twitter

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

新学期早々、学校の備品を盗むTikTok動画が米国で大人気

新学期が始まった。しかしなぜか、新学期はTikTokを使う子どもたちにとって、ネジ止めされていないものなら何でも盗んでいいシーズンなのだ。

TikTokの最新トレンドは社会的大混乱を招いており、「悪質ないたずら」で、ささやかな窃盗行為が相次いでいる。盗まれるのは手洗い所の石けん入れや、新型コロナウイルスの検査キット、手の消毒剤で、教室にあるハイテク製品など高価なものも盗まれている。

以下の動画は、Lil Bの「Ski Ski BasedGod」を編集したバージョンで、Mashableによると、米国時間9月13日にはTikTok上で約10万本の動画に登場し、#deviouslickというタグで1億7500万回以上の再生回数があった。

9月15日にはTikTok自身が動き出し、バイラルないたずらの検索結果を制限し、そのタグがついた動画を削除し「先生にはもっと優しくしよう」と呼びかけた。

TikTokの広報担当者は次のように語る。「コミュニティが安全性を維持し、責任ある創作を期待したい。犯罪的な行為をそそのかしたり、可能にするコンテンツは許可しない。このコンテンツは削除し、ハッシュタグと検索結果を弊社のコミュニティガイドラインへリダイレクトして、このような行為を阻止しています」。

どれが流されて、どれが正当なものなのかを知ることは困難だが、このトレンドは全米の教師や親がストレスを感じるほど大きなものだ。ラスベガスのある中学校では、生徒が制限速度の標識、火災報知器、石けん入れ、教室のプロジェクターなどを盗んだと学校管理者は報告している。また、オレゴン州のポートランドでは、少なくとも1つの高校で、建物全体の石けん入れがなくなった。

このトレンドは相当大きくて、国中の教師や親を困らせるに十分だった。ラスベガスの中学校では、速度制限の標識や火災報知器、石鹸入れ、教室のプロジェクターなどを盗んでいると学校管理者が報告している。オレゴン州ポートランドでは、少なくとも1つの高校で、全校の石鹸入れが消えた。パンデミックでみんなが苦しんでいる中での新学期として、良い光景とはいえない。

関連記事:TikTokが「牛乳ケースチャレンジ」の動画を禁止、危険性からユーザーを守るため

画像クレジット:CHANTAL VALERY/AFP via Getty Images/Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Twitchがボットを使ったハラスメントでユーザー2人を提訴

Twitch(ツイッチ)は米国時間9月6日の週に、同社のプラットフォーム上で自動化されたヘイト・ハラスメントキャンペーンを展開していたとして、2人の人物を提訴した。

往々にして黒人とLGBTQのストリーマーをターゲットにしているハラスメントはTwitchでは「ヘイトレイド」という独特の現象として現れる。Twitchではクリエイターは自身のストリームでオーディエンスを楽しませた後に他のフレンドリーなアカウントへとオーディエンスをよく誘導する。これは「レイド」として知られている慣行だ。ヘイトレイドはこの図式が逆向きになっているもので、嫌がらせの流入を阻止するために自由に使える十分なツールを持っているストリーマーを悩ませるためにボットを送り込む。

ヘイトレイドはTwitchの新しいタグ付けシステムを活用している。このシステムは簡単にコミュニティを構築したり、共感を呼ぶコンテンツを発見できるよう、多くのトランスジェンダーが要望してきたものだ。5月にTwitchは視聴者がストリームを「ジェンダー、性的指向、人種、国籍、能力、メタルヘルスなど」で区分けできるよう、350以上の新しいタグを加えた。嫌がらせを拡散しているアカウントは現在、人種的・性的差別、トランスジェンダーや同性愛に対する差別をストリーマーに送るためにそれらのタグを使っていて、明らかにクリエイターを支援するためのツールの不幸な誤った使用例だ。

訴状でTwitchはヘイトレイドを行う人のことを、プラットフォームの利用規約を回避する新しい方法を行き当たりばったりで試す「かなり強く動機付けられている」悪意ある個人、と表現した。同社は訴状でユーザー2人の名前「CruzzControl」と「CreatineOverdose」を挙げたが、本名を入手することはできなかった。このユーザー2人はオランダとオーストリアを拠点としていて、8月から行為は始まった。CruzzControlだけでヘイトレイドに関わっている3000ものボットアカウントにつながっていた、とTwitchは主張する。

Twitchが最近のハラスメントキャンペーンを影で操る個人の身元を特定することはできないかもしれない一方で、訴訟はTwitchで嫌がらせを送りつけている他のアカウントに対する抑止力となるかもしれない。

「我々はここ数週間で何千というアカウントを特定して禁止措置にしてきましたが、こうした悪意ある人たちは引き続き、当社の改善を回避するためのクリエイティブな方法に懸命に取り組んでいて、やめる気配はみられません」と訴状にはある。「この提訴がこうした攻撃と、他のユーザーを食い物にするツールの背後にいる個人の身元を明るみ出し、当社のコミュニティのメンバーに対する卑劣な攻撃に終止符を打つことにつながることを望みます」。

「この提訴は標的型攻撃を解決するために取られる唯一のアクションでは決してなく、また今回が最後になるわけでもありません」とTwitchの広報担当はTechCrunchに語った。「先回りした感知システムをアップデートしつつ出てくる新しい動きを解決し、また開発に何カ月も費やしてきた先回りの新しいチャンネルレベルの安全ツールを仕上げるために、当社のチームは休むことなく懸命に取り組んできました」。

Twitchの提訴に先立ち、一部のTwitchクリエイターはヘイトレイドの標的となったユーザーのためにソリューションを示さなかったと同社に抗議するために#ADayOffTwitchを組織した。この抗議に参加している人々は、ヘイトレイドからのストリーマー保護のために、クリエイターが流入してくるレイドを拒否したり、新しく作られたアカウントでのチャット参加者をスクリーンから追いしたりできるようにするなど、Twitchに決定的な措置を取ることを要求していた。抗議参加者はまた、1つの電子メールアドレスにリンクできるアカウントの数に制限を設けていないTwitchの規則にも注目した。これは抜け穴となっていて、簡単にボットアカウント軍団をつくって展開できる。

関連記事:動画配信サービスTwitchがプラットフォーム外でのユーザーの悪質な行為にルール適用へ

画像クレジット:Gabby Jones/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Instagramがお気に入りアカウントの投稿を見逃さない新機能「Favorites」を開発中

Instagram (インスタグラム)は、ユーザーが自分のフィードで頻繁に目にしたいような投稿をする特定アカウント選べるようにする「Favorites」という新機能を開発中であることを認めた。似たような機能はFacebook(フェイスブック)にはすでにあり、これまでよりも多くのNews Feedアルゴリズムのコントロールをユーザーに与えている。Facebookでは、ユーザーはFacebookページで最大30人を選び、自分のニュースフィードにそうした人の投稿が頻繁に表示されるようにすることができる。ただ、InstagramのFavoritesで何人まで選べるのかは不明だ。

Instagram Favorites機能は、リバースエンジニアのAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏によって開発中であることが明らかになった。同氏はInstagramの設定メニューにある新しいプッシュピンのアイコンや、新機能がどのように作動するかについての詳細を発見した。

パルッツィ氏がTwitterに投稿したスクリーンショットによると、ユーザーは自分がフォローしているInstagramアカウントで検索してFavoritesのリストを作ることができる。このリストはいつでも編集でき、ユーザーが誰かのFavoritesに加えられても通知されない、とInstagramは書いている。

展開して数年になるInstagramの「Close Friends」機能とプライバシーのレベルは同等だ。ユーザーはClose Friendsで、自分が選んだ特定のグループとよりプライベートで個人的なInstagram Storiesを共有できるよう、まったく別のフォロワーリストを作成できる。

パルッツィ氏は、Favoritesリストに連絡先を追加することができたが、その後Instagramフィードへの変化はまだ目にしていないと書いている。これは、この機能がまだ開発中であって、提供はすぐには始まらないことを暗示している。

「この機能はまだ開発中で、外部でテストを行っていない内部プロトタイプです」とInstagramの広報担当はTechCrunchに説明した。この機能についての具体的な情報を明らかにするのは却下した。

Favorites機能は、クリエイターコンテンツのためのホームとしての地位を確立するというInstagramの大きな計画に貢献するかもしれない。他のリークで、パルッツィ氏はInstagramが「Fan Subscriptions」を構築中であることも発見した。Fan Subscriptionsではユーザーが、とっておきのライブビデオやStoriesといったクリエイターのコンテンツに頻繁にアクセスするのにお金を払うことができるようにする。有料購読者には特別なバッジが与えられ、コメントしたりダイレクトメッセージを送ったり、あるいはクリエイターのStoriesを閲覧したときに名前が目立つよう表示される。

コンテンツにお金を払っているユーザーはチャンスを逃したくないはず、ということを考えると、そうしたユーザーに自分のフィードに頻繁に登場するクリエイターを「Favorites」にするツールを提供するのは理に適っていると言える。

Favorites機能はまた、Instagramからしばらく離れていた人が使用を再開したときに、フォローしているすべてのアカウントの直近の投稿やおもしろいアップデートではなく、お気に入りのアカウントで見逃した重要な写真やビデオを閲覧したいという場合にも有用かもしれない。

主なゴールではないだろうが、新機能は一般的なアルゴリズミックフィードについてのユーザーの不満を解決するのに役立つ可能性もある。

自分でコントロールできないアルゴリズムでInstagramの投稿を並べ替えしないことを好み、時系列順で見たいという人は多い。Favoritesはこの要望を追求していないようだ(ただ、Instagramは過去に時系列順のフィードをテストした)。しかしInstagramは少なくとも、ユーザーが最も目にしたいアップデートを提供する人の投稿を見逃さないようにする能力を提供する。

InstagramはFavoritesの開発に取り組んでいることを認めたが、必ずしもその機能が一般提供されるとは限らない。Instagram規模の企業は往々にして新しいアイデアのプロトタイプを作り、テストしたものの中から一部のみがリリースされる。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokとSnap元社員が作ったソーシャル音楽作成アプリmayk.itが約4.4億円調達

新型コロナパンデミックという世界的な大混乱を経験し、多くの労働者が自分のキャリアパスを再検討し始めている。TikTok(ティックトック)のグローバルマーケティング責任者を経て、Cameo(カメオ)のチーフ・マーケティング・オフィサーとなったStefan Heinrich Henriquez(ステファン・ハインリッヒ・ヘンリケス)氏もそのうちの1人だ。

「TikTok時代から音楽のことを考えていて、本当は自分で何かを作ってみたいと思っていたのですが、最終的に行動に移す勇気を出すまでにさらに1年かかりました。その後、パンデミックが始まったとき、多くの人が『自分は何のために生きているのだろう』というようなことを考えていたと思います」。とヘンリケス氏はいう。

ヘンリケス氏は、Snap(スナップ)のSpectacles(スペクタクルズ)のソフトウェアエンジニアだった共同設立者のAkiva Bamberger(アキバ・バンバーガー)氏とともに、2020年夏に「mayk.it(メイクイット)」の開発を開始した。米国時間9月7日、このソーシャルミュージックアプリがiOSに登場し、Greycroft(グレイクロフト)、Chicago Ventures(シカゴ・ベンチャーズ)、Slow Ventures(スロウ・ベンチャーズ)、firstminute(ファーストミニッツ)、Steven Galanis(スティーブン・ガラニス)氏、Randi Zuckerberg(ランディ・ザッカーバーグ)氏、YouTuberのMr.Beasts(ミスター・ビースト)のNight media(ナイトメディア)、Spotify(スポティファイ)初代CMOのSophia Bendz(ソフィア・ベンツ)氏、Cyan Banister(シアン・バニスター)氏、アーティストのT-Pain(ティペイン)氏、音楽業界のベテランZach Katz(ザック・カッツ)氏などの投資家から400万ドル(約4億3900万円)のシードラウンドを受けたことを発表した。

mayk.itは、人々がスマートフォンだけで音楽を簡単に制作、所有、そして共有できるようにしたいと考えている。ユーザーは、自分で作ったビートをアップロードするか、他のユーザーが作った既存のビートを選択して、ボーカルを加え(恥ずかしければ、ボイスエフェクトや少し古臭い歌詞制作ジェネレータも利用できる)、Giphy(ギフィ)からビジュアルを追加する。作ったものをアプリ上に投稿すると、他のユーザーがディスカバリーページで閲覧することができる。ディスカバリーページでは、ジャンルではなく、フィーリングやテーマによって音楽が分類されている。

mayk.itでは「ペットは今、何を考えていますか」「初恋の人についての歌を作ってください」など「アイデア」や創造性を刺激するものも用意されている。また、曲を左右にスワイプできるTinder(ティンダー)のようなタブもあり、気に入った曲があれば、コメント(応援の意味を込めて「エンカレッジメント(激励)」と呼ばれている)を残したり、リミックスしたりすることができる。

画像クレジット:mayk.it(スクリーンショット)

もちろん、自分の作品にもう少し真剣に取り組みたいと思っているクリエイターにとって、リミックスやコラボレーションは、所有権の問題を引き起こす。誰かが作ったビートに他のユーザーが歌を乗せた場合、それは誰のものになるのだろうか?mayk.itでは音楽を収益化することはできないが、それをエクスポートして他の場所で販売する権利はある。ヘンリケス氏によると、アプリ上のオーディオクリップや曲の制作に関わった人は誰でも等しく分け前を得ることができるそうで、ビートメーカーは利益の50%、シンガーは50%を得ることができる。mayk.itが利益を受け取ることはない。

現状、mayk.itにはアプリ内課金はないが、ヘンリケス氏は、将来的にはブランドと協力したり、アプリ内のマーケットプレイスを確立したりすることで、利益を得ることができるかもしれないと述べている。今のところ、mayk.itはシード資金を使って、新機能の追加、製品の改善、創造性を刺激するツールの構築に注力している。ヘンリケス氏は、LGBTQ+である創業者として、ユーザーがアプリのソーシャル機能を通じてコミュニティを見つけられることが重要だと考えていると付け加えた。

「YouTubeで働いていた頃は、Adobe Premiere(アドビ・プレミア)やAfter Effects(アフターエフェクツ)の知識が必要でした。そして、Musical.ly(ミュージカリー)やTikTokで学んだことは、これらのことを経験しなくてもビデオクリエイターや役者になれるということです。ゲームではRoblox(ロブロックス)が、デザインツールではCanva(キャンバ)がそれを実現していると思います」。

mayk.itは、音楽の作曲や共有ができるRobloxやCanvaのような存在になりたいと考えている。現在のところ、mayk.itでは、Ableton(エイブルトン)をマスターしたアーティストが作ったようなサウンドを作ることはできないが、mayk.itで作ったもので、簡単にTikTokで話題にすることはできる。

mayk.itはApp Storeで公開されているが、アクセス権を得るためのウェイティングリストがある。また「vibe check(バイブ・チェック)」で自分のスキルを試すこともできる。これは、曲を作って、既存のユーザーがあなたを受け入れてくれるかどうかを確認するためのものだ。自慢ではないが、私たちは合格した。

関連記事
Apple MusicはShazamの技術でDJミックス内の楽曲に対しきちんと使用料を払おうとしている
ミュージシャンが自分たちのために作ったiPhone用音楽録音アプリ「Tape It」登場
アップルがクラシック音楽配信サービスのPrimephonicを買収
画像クレジット:mayk.it

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Akihito Mizukoshi)

LinkedInが新ラーニングハブ、無料コース、ハイブリッドワーキングのための検索フィールドなどを導入

新型コロナウイルスのパンデミックを受け、雇用の世界に大きな変化が訪れた。仕事を探したり、ポジションを埋めてくれる人を見つけたり、あるいは単にプロとして成長したりすることは、今や私たちの多くにとって以前と同じものではない。そうした分野に対応するビジネスモデルを構築してきた企業も変化しているのは当然のことだ。9月9日、Microsoft(マイクロソフト)の社会人向けソーシャルネットワーキングプラットフォームであるLinkedIn(リンクトイン)は、時代の変化を先取りした一連のニュースを発表した。

LinkedInは、従業員にプロフェッショナルとしての能力開発などのトレーニングを提供する組織を対象とした、新しいラーニングハブを立ち上げる。また、LinkedInのメンバー向けに40のコースを無料で提供する。足元の変化に対応するためで、ハイブリッド・ワーキングへの適応方法、新しい時代においてより良いマネージャーになる方法、オフィスへの復帰方法、従業員がオフィスビルだけでなく自宅に分散している状況でのファシリティ管理の方法などのコースがある。さらに、労働環境の現状などを考慮に入れ、ユーザーが求人情報を掲載・検索する際に使う詳細な情報に調整を加え始めた。

ラーニングハブは、今年4月に初めてプレビューされ、限定的なベータ版として運用されてきた。9月9日、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏とLinkedIn社のCEOであるRyan Roslansky(ライアン・ロスランスキー)氏が主催する、仕事の世界の新しいトレンドについて議論する大きなイベントの一環として、このハブがより広く展開されることになった。

LinkedInは長年にわたって教育に取り組んできた。2015年にリモートラーニングプラットフォームのLynda(リンダ)を買収し、自社の教育戦略と専門能力開発のためのプラットフォームとしての戦略と地位を強化した。提携により大量のサードパーティーコンテンツを導入し(例えば、2018年にサードパーティー経由で約1万3000のコースを追加した)、スキル開発の概念を職業上のプロフィールと結びつけ、ユーザーのためにリサーチしたり、インタラクティブなツールを構築したりするなどしてきた。

本日発表した無料コース(10月9日まで無料)は、リモート環境からオフィス環境への移行を始める(あるいは考える)企業にとって役に立つ、時宜を得た動画群だが、より大きなプロダクトである「The Learning Hub」の発表は、その長い旅路の中で、単に誰かの役に立とういう試みではない。現在のLinkedIn Learning Proユーザーは、2022年7月まで、あるいはそれ以上の期間、無料で利用することができるという。これは、ビジネスに特化したサービスを提供し、企業の人事部を強く巻き込み、収益の柱の1つである採用関連を強化するという、同社の大きな取り組みにもつながっている。

学習体験プラットフォーム(LXP)として、LinkedInは独自のラーニングハブを再構築し、360Learning、Coursera for Business、Workday、Cornerstoneなど、数多くのプラットフォームと競争することになる。さまざまな組織が、自社やサードパーティーのプロフェッショナルトレーニングコンテンツを管理するために、そうしたプラットフォームを利用している。また、LinkedInは、雇用動向に関する自社のデータに加え、AIを活用し、組織やユーザー向けにコンテンツをパーソナライズするという。だが、企業の人事チームが求人情報を掲載したり、候補者を探したりするためのプラットフォームでもあるという事実が、このサービスをより安定したものにし、いろんなものが断片的になっている昨今、まとまりがあると感じられるかもしれない。

この点で、LinkedInが採用サービスに新領域を導入することも注目に値する。採用担当者は、仕事がリモート、ハイブリッド、オンサイトのいずれかを示すことができるようになり、近々、仕事を探している人も、新しい仕事に求める条件を示すことができるようになる。また、企業は、予防接種の必要性などに関して、自社の状況をより詳細に示すことができるようになり、物理的なオフィスが開いているかどうかを世界中(従業員、パートナー、顧客、関心のある人たち)に知らせることができるようになる。

こうした新しい領域は、小さなことのように聞こえるかもしれないし、少なくとも、私たちが今日生きていく上での関心事や状況にのみ関連しているように聞こえるかもしれない。だが筆者はそれ以上に注目すべきことだと思う。こうした領域は、LinkedInが考える(そして私たちの多くが感じている)、今日の私たちが仕事というものを捉える際に優先するものが何かを物語っている。このことは、LinkedInが、企業や個人のプロフィールにおける詳細な情報のうち何を、また、採用の際に利用できる詳細な情報というものを、考慮するのか、するとすればどのように、ということついて扉を開く。これは、LinkedInがすでに少し前から取り組んでいることで、6月にはプロフィールに代名詞を追加するオプションをユーザーに提供し始めた。こうしたことが重要なのは、もっと小さな企業が多く存在し、誰かがLinkedInを今の地位から引きずり下ろすよう求める声があるからだ。LinkedInが新しい形式に手を出したり、あるいは別の形式をやめたりするのは、同社がそうした状況に適応しようとしていることを示している。

カテゴリー:
タグ:

画像クレジットAli Balikci / Getty Images

[原文へ]

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

Twitterが「良いボット」を示す新ラベルのテストを開始

Twitter(ツイッター)は米国時間9月9日、アカウントが自分のプロフィールにラベルを追加して自らがボットであることを明らかにする新機能を発表した。この機能は、ニュースや公的機関の発表などをリツイートするボットのような自動アカウントと人間が運営しているアカウントを利用者が識別しやすくするために作られている。ただし、人間のふりをして誤情報やスパムを拡散することもある「良くないボット」を利用者が識別できるようには作られていない。

Twitterはボットにラベルを付けることを何年も検討してきた。

2018年にTwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は米上院情報委員会のヒアリングで、ユーザーにはTwitterプラットフォーム上で自分はボットと話しているのか人間と話しているかを「知る権利」があると考えているのかと質問された。ドーシー氏はツイートの背景をもっとわかるようにする必要があることに同意し、可能な範囲でボットの識別について検討しているとした。ただし同氏は、TwitterのAPIを利用しているボットに比べると、スクリプトで人間のように見せかけているボットは特定が難しいことも指摘した。

2020年にTwitterはついに計画を固め、人間が運営しているアカウントと自動化されているアカウントをユーザーが区別できるようにする新機能を今後導入すると述べた。2021年5月に同社がアカウント検証システムを開始したときに、憧れの青いバッジ以外にアカウントを区別する方法、つまりボットのラベルがまもなく登場するはずだとユーザーは思い出した。

関連記事:Twitterボットと追悼ユーザーが2021年に「新しいアカウントタイプ」に

画像クレジット:Twitter

Twitterは今回の発表で「良いボット」であることを示す新しい「自動アカウント」のラベルは500以上の開発者アカウントで利用できるようになると述べた。対象となる開発者アカウントは、Twitterの開発者全体にこの機能が広く公開される前にテストをしてフィードバックを提供する。当面はテストであるため、ラベル付けは必須ではない。

ただしTwitterは2020年に開発者向けポリシーを更新し、アカウントはボットか、何のアカウントで誰が運営しているかについてアカウントのプロフィールまたは経歴で示すように開発者に対して求めている。アカウントのラベルがあれば、開発者はこうした情報を経歴に書くより簡単にこのポリシーに準拠できるようになる。

TwitterはTechCrunchに対し、今回の実験結果に応じて、この機能を広く公開したら自動アカウントを運営する開発者全員に対してラベルを必須にするかもしれないと述べた。

画像クレジット:Twitter

念のために書いておくと、Twitterは良いボットを運営している人をまったく問題視していない。自動化によってアカウントから有用で関連性のある最新情報、あるいは楽しい情報が提供されていることを理解しているからだ。Twitterは今回の発表の中で同社お気に入りのボットのいくつかを称賛してさえいる。公共サービスアカウントの@earthquakesSF、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新情報を提供している@vax_progress、議会に提出された最近の100本の法案について進行状況を知らせるボットの@last100bills、アクセシビリティをテーマにしたボットの@AltTxtReminder、そしてメトロポリタン美術館のドローイングとプリントの部門からパブリックドメインの作品を紹介する@met_drawingsやおかしな新作絵文字を紹介する@EmojiMashupBotのように独自のやり方で価値を提供しているものが取り上げられた。

ここに挙げたボットはすべて初期のテストに参加する。

Twitterは、消費者のアカウントがIFTTTのような他社製ツールを使ってリンクなどのコンテンツを投稿するような自動化についてもあまり懸念していない。

Twitterのポリシーには「利用者が自らのアカウントで行った行為の責任、またはアカウントに関連付けられているアプリケーションが自動的に実行した操作の責任は、最終的に利用者本人が負うことになります。サードパーティーアプリケーションにアカウントへのアクセスまたは利用を許可する際には、そのアプリケーションの詳細を十分に調べて、どのような動作をするのか把握してください」と記載されている。さらに、ユーザーは自動化を利用する場合でもTwitterのガイドラインに従わなくてはならないと書かれている。

Twitterは最近、怒涛の勢いで新機能を公開している。ここ数日で、コミュニティ絵文字リアクション横幅いっぱいの写真と動画、フォロワーの「ソフトなブロック」を公開した。

同社は自動アカウントのラベルを広く公開する前のテストをどの程度の期間実施するかについては言及していない。

関連記事
ツイッターがついに「コミュニティ」機能導入、簡単に共通の関心事でつながれるように
ツイッターがツイートへの絵文字リアクションをトルコで試験
ツイッターがディスプレイいっぱいの写真・動画表示をテスト中
ツイッターが「ブロックせずにフォロワー解除」する機能をテスト中
画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

ツイッターがツイートへの絵文字リアクションをトルコで試験

Twitter(ツイッター)は現地時間9月9日、トルコで期間限定のTweet Reactions(ツイート・リアクション)の試験を開始した。トルコのユーザーは❤に加えて 、 、 、 を使ってツイートにリアクションできるようになる。しかし2015年にハートマークの意思表示がお気に入りマークのスターに取って代わったときのカオスを思い出せないのなら…こちらを読んでほしい

Twitterは2020年にダイレクトメッセージに絵文字リアクションを加えたが、今回試験するのは同じ絵文字ではない。ツイートのやり取りでFacebook(フェイスブック)のような方法を受け入れるとすればどのように反応するか、どのような絵文字を使いたいか、Twitterが3月にユーザーに調査したことを受けての今回の試験発表だ。調査で提案された絵文字には「同意」や「意義あり」のボタン、「嫌い」のボタン、Redditのような賛成と反対があった。しかしTwitterはユーザーが否定的な絵文字が返ってくることを懸念していることが調査で浮かび上がったことに気づいた。

関連記事:Twitterがフェイスブックのような「ハート」や「顔」の絵文字リアクション導入を検討中

Twitterが3月に調査した一連の絵文字(スクリーンショット:@WFBrother on Twitter)

「『不満』や『怒り』も人々がツイートを読むときに感じる一般的な感情で、一部の人はツイートに対して意見の不一致を表明したがりますが、当社はこれらの絵文字リアクションは今のところ使いません」とTwitterはプレスリリースで述べた。「当社の目的は常に、公での健全な会話を促進することであり、現在の絵文字のセットがどのように会話に影響を与えるのか様子をみたいと思います」。

2015年にリアクションを加えたFacebookと異なり、Twitterは調査で提案された「怒り」のリアクションをテストしていない。これはおそらく、ユーザーのネガティブな反応に関するためらいのためだろう。しかしそれでも、だ。もしあなたが悪意ある「ざまーみろ」的な反応を受け取ったことがないのなら、大したものだ。そして、絵文字リアクションなしにTwitterで論争が起こらないわけでもない。

画像クレジット:Twitter

絵文字リアクションが人々の感じていることを示す簡単な方法になり、望むらくは公的な会話の改善された表現と参加につながってほしい、とTwitterは話す。

Twitterは先週小さな変更を加えていて、今回のテスト内容は最新の機能にすぎない。関心事ベースのコミュニティや、フル幅の写真やビデオ、そしてフィードに突如現れる新しいセーフティ機能に気づいた人もいるかもしれない。今回の試験に関しては、追加の絵文字リアクションをテストする際に同社は引き続きコミュニティからのフィードバックを考慮する、と述べた。ユーザーの反応に基づき、テストを他の地域に拡大するかもしれない。

トルコのユーザーはこの機能をiOS、Android、ウェブで試すことができ、数日以内にトルコ全国で展開される。

関連記事
ツイッターがついに「コミュニティ」機能導入、簡単に共通の関心事でつながれるように
ツイッターがディスプレイいっぱいの写真・動画表示をテスト中
ツイッターが「ブロックせずにフォロワー解除」する機能をテスト中

画像クレジット: Twitter

[原文へ]

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが「ブロックせずにフォロワー解除」する機能をテスト中

Twitter(ツイッター)は米国時間9月7日、自分のフォロワーをブロックせずに解除できる機能を、ウェブ版でテストしていると発表した。Twitterユーザーには、フォロワーを完全にブロックすることなく、自分のツイートを見られないようにしたいと思うときがある。ブロックしてしまうと、そのフォロワーが自分のページに直接アクセスした場合、ブロックされていることが明らかになり、問題が生じるリスクがあるからだ。現在、この機能をテストできる一部のユーザーは、自分のプロフィールからフォロワーの一覧を表示し、解除したいフォロワーを選び、フォローボタンの横にある3つのドットのボタンをクリックして、ドロップダウンメニューから「このフォロワーを削除」を選択すればよい。今のところ、すべてのユーザーがこの機能を利用できるわけではない。

より簡単にフォロワーリストの管理ができるようにしています。現在はウェブでテスト中。ブロックせずにフォロワーを解除。

ツイッター・サポート

これまで、ユーザーは「ソフトブロック」と呼ばれる方法を用いてきた。それはまず、フォロワーを解除したいユーザーを一度ブロックし、それからブロックを解除するというやり方だ。こうすると、そのユーザーは自分のフォロワーリストから削除される。今回テストされている方法では、自分のフォロワーリストからしか削除できないので、あなたが特に人気の高いツイーターである場合、何千人もの名前をスクロールして探している人を見つけることは困難かもしれない。しかし、アプリ研究者のAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏によると、Twitterは、自分のフォロワーリストだけでなく、相手のプロフィールからフォロワーを解除する機能も開発しているとのこと。

#Twitter は、相手のプロフィールから直接フォロワーを解除するオプションに取り組んでいます 。

アレッサンドロ・パルッツィ

Twitterは、ウェブの安全性に焦点を当てたユーザー体験のアップデートに継続的な投資を行っていることを示している。先週には、このフォロワーを解除する機能を含め、一連のプライバシーツールに取り組んでいることを明らかにしていた。Twitterは他にも、30日、60日、90日を経たツイートのアーカイブ化や「いいね」を押したツイートの非表示、会話からの離脱などの可能性についても提案している。これまでも、Semiphemeral(セミフェメラル)のようなサードパーティ製のプログラムを使えば、古いツイートを自動的に削除したり「いいね」を取り消したりできたが、これらの機能がTwitterアプリ自体に組み込まれていれば、ユーザーは外部の開発者とデータを共有することなく、自分のデジタルプレゼンスを、より簡単にコントロールすることが可能になる。

関連記事
ツイッターがついに「コミュニティ」機能導入、簡単に共通の関心事でつながれるように
ツイッターがディスプレイいっぱいの写真・動画表示をテスト中
ツイッターが悪口や嫌がらせを自動的に除外する「セーフティーモード」のテストを開始
Twitterが有料サブスク「Super Follows」を米国で開始、数週間内にグローバル展開
画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターがついに「コミュニティ」機能導入、簡単に共通の関心事でつながれるように

Twitter(ツイッター)は、最新ニュースをフォローしたり、関心のある人たちが行っていることを追いかけたりするのに便利な場所だが、発見機能が比較的不足していることと、組織化されたコミュニティスペースがないために、積極的に探さない相手とつながることは困難だ。

Twitterはそれを変えようとしている。最近Twitterは新機能に熱心だが、その最新の実験は「Communities(コミュニティ)」というものだ。これは共通の関心事で簡単につながれるようにデザインされている。ユーザーは、この新しいソーシャルハブに参加して、通常のフォロワー相手ではなく、共通の関心を持つ他の人びとに向かって直接ツイートすることができる。こうしたツイートは今まで同様公開されたものだが、返信できるのは同じコミュニティの他のメンバーに限定される。

コミュニティはユーザーによって作られるようになるが、Twitterによれば今のところ「制限付き」であるため、ほとんどの人は自分のグループを開始するまでに数カ月待つ必要がある。最初期のコミュニティは「犬、天気、スニーカー、スキンケア、占星術」など、Twitterで人気があり一般的には穏やかなトピックを中心に展開する。Twitterのサンプル画像には、暗号資産、植物、黒人の女性写真家も含まれている。

テストは米国時間9月8日に始まり、iOSアプリの下部の専用の場所またはTwitter.comのサイドメニューにメニューが表示されるようになる。Twitterによれば、Android(アンドロイド)ユーザーもコミュニティのツイートを読むことができるようになるとのことだが「より多くの機能」も間もなく登場するらしい。おそらく、専用のアプリタブと、新しいグループに登録して参加する機能だ。

コミュニティは、指定されたモデレーターによって作成および管理される。モデレーターは、DMを介して他のユーザーをグループに招待したり、グループ内に投稿されたコンテンツを削除することができる。当初は招待がコミュニティ参加への唯一の方法だが、Twitterには、人びとが集いたい場所を簡単に見つけられるようにするための発見機能に対して、いくつかの大きな計画があるようだ。

TwitterのスタッフプロダクトマネージャーのDavid Regan(デイビッド・リーガン)氏はこの機能を発表したブログ投稿で「一部の会話はすべての人を対象としているわけではなくて、ユーザーが話したいことについて話したい人だけが対象です」と述べている。「……私たちは、公開されたやりとりを引き続きサポートし、人びとが自分の興味に合ったコミュニティを見つけられるように支援すると同時に、会話のためのより親密なスペースを作成したいと考えています」。

ソーシャルメディア上のユーザー主導のコミュニティスペース、特にアルゴリズムによる発見が組み込まれたコミュニティスペースでは、モデレートが大きな懸念事項となる。Twitterによると、コミュニティに投稿されたコンテンツは誰でも読んだり、報告したり、引用したりできるので、有害なコンテンツにフラグを立てるためには、プライベートFacebookグループのようにコミュニティのメンバーである必要はない。Twitterは、問題のあるコミュニティを積極的に特定するために「新しいレポートフローと特別の対応アクション」に取り組んでいると語っている。

コミュニティの導入は、クリエイターコミュニティの関心を引きたいTwitterの最近の取り組みを反映している。同社は今月初めに、有料サブスクリプションツールであるSuper Follows(スーパーフォロー)を展開し、また最近一部のユーザーを、音声部屋であるチケット制スペースのためのチケット販売へと招待した。また、現在一部のアカウントでのみ利用可能なTip Jar(チップジャー)と呼ばれる機能を使用して1回払いの投げ銭機能をテストしている。

今回の「コミュニティ」機能は、コミュニティ構築のためのよりダイナミックな場所としてプラットフォームを再考しようと苦しんでいるTwitterにとって、かなり大きな出発点だ。Twitterにサブコミュニティのための重要な場所を切り開くことで、同社はDiscord(ディスコード)やReddit(レディット)のようなプラットフォームの方向に徐々に進んでいるように見える。そうしたプラットフォームはすべてが自主モデレートされた関心ベースのコミュニティを中心に展開している。そうしたプラットフォームは、それぞれモデレート上の頭痛の種に取り組んでいるが、特定の関心主導型のコミュニティは、通常のTwitterでのやり取りが比較的浅くみえるほど、ユーザーを深い場所へ連れていく。

このコミュニティ機能の導入は、現時点で10年以上ほとんど変更されていない有名ソーシャルネットワークにとって興味深い方向性だ。テストが上手く行けば、コミュニティはユーザー間を結ぶメディアとなり、ソーシャルネットワークをもっとダイナミックな場所にすることができるだろう。だがそれは、Twitterが新たに生まれるサブコミュニティの成長を促すことと、それらを安全に保つことの間で適切なバランスをとることができる場合にのみ可能だ。

関連記事
ツイッターがディスプレイいっぱいの写真・動画表示をテスト中
Twitterが有料サブスク「Super Follows」を米国で開始、数週間内にグローバル展開
ツイッターが有料の「チケット制スペース」展開をiOSで開始
ツイッターがお気に入りのツイートに投げ銭できる「Tip Jar」機能搭載、まずは英語で

画像クレジット:Twitter

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

ツイッターがディスプレイいっぱいの写真・動画表示をテスト中

Twitter(ツイッター)は、より視覚的に没入感のあるユーザー体験の構築する方法を最新のテストで模索している。

フルワイドで表示される画像と動画は、同社が最近関心を示している方向性をさらに追究するものだ。Twitterは2021年初めに大画像の導入とトリミングコントロールを2つのモバイルアプリに導入した。多くの写真家やビジュアルアーティストは、Twitterが作品の共有によりフレンドリーなったと喜んでいた。

iOSでテスト中。
タイムラインの幅を超えたエッジ・トゥ・エッジのツイートで、写真やGIF、動画をより輝かせることができます。

Twitterは、2021年3月に写真と画像プレビューの大きな改善を初めてテストし、その2カ月後に大々的に展開したが、このテストプロダクトが定着するかどうかは、短い時間軸で判断する必要があった。

これまで左にかなり大きな余白ができていたのが、今回のテストでは、左から右へとフレームいっぱいにツイートが表示されるようになった。この変更により、画像や動画のサイズが大きくなり、フィードでの見栄えが良くなっている。また、ユーザーのプロフィール写真の右側にツイートが不必要に押し込まれることがなくなり、よりすっきりとしたモダンなデザインになっている。

この機能をテストするにあたり、Twitterは、従来のようにテキストだけで会話をするのではなく、写真や動画を使って会話して欲しいと考えている。結果は我々ユーザーの勝ちのようだが、Twitterのデザインがどう変わっても、必ずそれをけなすヘイトツイートを触発するのだ。そのうちみんな、表示が変わったことも忘れてしまうんだけどね。

関連記事
Twitterが表現を台なしにする「勝手な切り取り」減らす大きな画像表示とトリミングコントロールを実装
Twitterが画像プレビューの改良と写真トリミングの削減をテスト中
画像クレジット:Twitter

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

純粋に「写真を楽しむ」だけの写真共有アプリGlassは有料だが公開前から人気、iOS版リリース

Instagram(インスタグラム)はそのフォーカスを買い物、ビデオへと変えてきており、同社の製品責任者Adam Mosseri(アダム・モセリ)氏は6月に「もはやInstagramは単なる写真共有アプリではない」と発言したときはニュースになった。しかしソーシャル写真共有エクスペリエンスを求めているフォトグラファーはどうすればいいのか。

Facebook(フェイスブック)とPinterest(ピンタレスト)でプロダクトデザイナーを務めたTom Watson(トム・ワトソン)氏によると、フォトグラファーはしばらくの間、ソーシャルネットワークに欠いていた。だからこそワトソン氏は、共同創業者のStefan Borsje(ステファン・ボルシュ)氏とともに、フォトグラファーのためのサブスクリプションベースiOSアプリ「Glass(グラス)」を開発した。

「私は常に写真を愛してきました。Flickr(フリッカー)がYahoo(ヤフー)に買収されたのは、私にとっては悲しい出来事でした。私はオタクのような写真コミュニティが大好きなのです」とワトソン氏はTechCrunchに語った。「そして写真コミュニティはモバイル分野に入り込むためにInstagramを手に入れました。しかしFacebookがInstagramを買収したときに私はFacebookにいたのですが、必然的に今日のような事態になるだろうということは目に見えていたはずです」。

広告が入る無料のソーシャルメディアに慣れている人にとって、アプリに月額料金を払うというのは馴染みがないかもしれない。Glassは月4.99ドル(約550円)あるいは年29.99ドル(約3300円)かかるが、14日間の無料トライアルができる。それでも、Glassはお試しする人のApp Store決済情報をすぐに確認するので、トライアル期間が終わる前にGlassを削除することを忘れるかもと懸念する人は利用をためらうかもしれない。しかしこのモデルは意図的だ。ワトソン氏とボルシュ氏は、メンバー5人だけのチームで、ベンチャー資金や広告収入なしにアプリを構築しようとしている。チームはフォトグラファーのコミュニティに応えたいだけなのだ。

「ソーシャルサブスクモデルで何か違うことを始め、ベンチャー資金なしに自力で展開したかったのです」とワトソン氏は話した。「ベンチャー資金を受け入れて、はるか遠くに行くと何が起きるかという例を過去に目にしてきました。大規模展開するためにフォトグラファーコミュニティからどんどん離れていきます」。

画像クレジット:Glass

アプリを開いた瞬間から、Glassが写真そのものに注力しているのがわかる。フォトグラファーをフォローすると、気を散らすものを最小限に抑えるよう投稿が画像のフィードに表示される。写真がスクリーンいっぱいに表示され、写真を右にドラッグすると誰が投稿したのかを確認できる。画像をクリックすると、キャプションやその写真がどのように撮影されたのかについての情報が表示される。コメントを通じてソーシャル活動ができるが、写真に対する「ライク(好き)」はない。これは意図的なデザインだが、一部のユーザーはたとえ後のブラウジングのために画像をブックマークするのに役立つだけだとしても「ライク」ボタンを求めている、とワトソン氏は話す。今後数週間以内に、Glassは写真のカテゴリーなどのディスカバリー機能を立ち上げる。また、ユーザーが機能をリクエストしたり、他のユーザーのアイデアに意思表示したりできるフィードバックフィードバックボードも設ける。もしGlassが提案を追求することを選択すれば「進行中」と表示される。

まだ開始段階にすぎないが、GlassはEXIFデータ提供によってすでに自らをInstagramやVSCOから切り離している。EXIFデータは、Glassが惹きつけたい「写真オタク」にとってキャンディのようなものだ。EXIFデータはフォトグラファーがどのカメラを使ったのか、写真のISO、絞り値、シャッタースピード、焦点距離を示す。こうしたデータとコミュニティ感覚は、Flickrが初期に人々を惹きつけた要素だったが、Yahooが最大1テラバイトのデータを無料ユーザーに提供したとき、コミュニティというより個人的なアーカイブになった。そしてSmugMugが2018年にYahooからFlickrを買収したとき、無料ユーザー向けの写真は最大1000枚のみとし、有料プランにアップグレードしなければ無料ユーザーの写真を削除するかもしれないと警告してサービスを限定的にしようとした。

Glassはまた、アプリでさまざまな画像サイズを扱えるようにすることでフォトグラファーにアピールしている。最大アスペクト比は16:9で、これは標準のカメラ写真のサイズに対応する。しかしInstagramでは、四角の画像モチーフから移行した後ですら、大半のカメラからトリミングなしに縦写真を投稿することはできない。VSCO同様、Glassも各ユーザーのフォロワー数を表示しないが、コメントを見ることはできる。何人のフォロワーを抱えているかを見ることはできなくても、自分のアカウントを誰がフォローしているかはわかる。

「これは安全のために重要だと考えました。もし誰かがあなたをフォローすると、あなたはそのフォロワーが誰なのかを知る必要があり、ブロックできなければなりません」とワトソン氏は話した。「我々は最初からブロックしたり報告したりする機能を構築したかったのです」。

同氏は、これまでのGlassアプリのダウンロード数を共有するのは却下したが「反応に極めて満足している」とのことだ。同アプリは8月にウェイトリストを設け、9月1日からすべてのiOSユーザーへ提供を開始した。ウェイトリストの目的は熱狂を生み出すためではなく、むしろユーザーエクスペリエンスをスムーズなものにし続け、負荷がかかりすぎないようにするためだった。8月にウェイトリストが始まったとき、ワトソン氏はGlassが毎日数百もの招待状を送っているとTechCrunchに語った。

「私は長い間インターネットを利用してきました。そしてかつては心地よくて安全な場所があるという風に感じていました。このサブスクモデルをとることで、写真サービスが再びそういう風に感じられる場所になることを願っています」と話した。

関連記事:テストを経てInstagramが「ショップ」タブ内の広告をグローバルで開始

画像クレジット:Glass

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Chromeベータ版はよりパワフルな新しいタブページ、ウェブのハイライト、検索の変更を実験的に実施

Googleは米国時間9月1日、Chromeベータ版ブラウザの新バージョンを発表し、ユーザーインターフェースとデザインにいくつかの重要な変更を行った。新しいタブページでは、従来のお気に入りのウェブサイトへのショートカットだけではなく、過去のウェブ検索履歴を表示するカードが追加される。その他の変更点としては、検索結果のナビゲーションがより簡単になり、ウェブ上の引用文をハイライトして共有することができるようになる。

新しいタブページのアップデートは、Chromeベータ版ユーザーが最初に気づく変更点の1つとなるだろう。

このデザイン変更の背景にあるアイデアは、レシピやショッピングなどで利用していたサイトを思い出すために閲覧履歴を調べる必要なく、過去のウェブでのアクティビティにすばやく戻るということだ。また、Googleドライブの最近使ったドキュメントのリストにもすばやく戻ることも可能で、Googleのサービスとのクロスプロモーションにもなる。

画像クレジット:Google

ページには、単なるリンクではなく、Googleが「カード」と呼ぶものが表示され、例えば、最近訪れたレシピサイトでアイデアを探していたり、編集を終えなければならないGoogleドキュメントがあったり、ショッピングカートに入れたままになっている小売業者のウェブサイトにアクセスしたりすることができる。後者は、Googleがオンラインショッピングへの投資を拡大していることに関連している。Googleはすでに、商品リストを無料にしたり、Shopifyといったeコマースプラットフォームと提携したりすることで、この分野でのマーケットシェアを拡大しようとしている。

関連記事:Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携

Googleは、Amazonの広告ビジネスが急成長していることに懸念を抱いている。同社の「その他」カテゴリーの大部分を占めている広告事業は、第2四半期に前年同期比87%増の79億ドル(約8687億6000万円)を売り上げた。今回の変更は、Chromeの新しいタブを利用して、ショッピングを活性化させ、ユーザーの取引が完了することを期待してのものだ。

もう1つの変更は、ウェブでのリサーチをより簡単にすることを目的としている。Googleによると、ユーザーがプラットフォーム上で何かを検索する際、答えを見つけるために複数のウェブページに移動することがよくあるという。Android版Chromeで、アドレスバーの下に検索結果の残りの部分を表示する行を追加することで「戻る」ボタンをタップすることなく他のウェブページに移動できるようにしている。

画像クレジット:Google

Android版Chromeベータ版にも搭載された「quote cards(引用カード)」のテストも予定されており、ウェブサイトに上のテキストを使って、ソーシャル共有のための定型化された画像を作成することができる。ウェブサイトのテキストをスクリーンショットで残すことは、すでに一般的になっており、特にニュース記事の重要なポイントをTwitterやFacebook、Instagramといったプラットフォームのフォロワーと共有したい人にとって便利な機能だ。この新機能では、テキストを長押ししてハイライトした後「共有」をタップし、メニューから「カードを作成」をタップしてテンプレートを選ぶことができる。

すべての機能は、Chromeベータ版ブラウザの一部だ。実験を有効にするには、ブラウザのアドレスバーに「chrome://flags」と入力するか、実験ビーカーアイコンをクリックし、フラグを有効にする。これらの実験に関連するフラグは、#ntp-modulesフラグ(新しいタブページ)、#continuous-search(検索結果の変更)、#webnotes-stylizeフラグ(引用カード)だ。

これらの実験は、必ずしもChromeの機能として広く展開されるわけではない。その代わりにGoogleは新デザインのアイデアに関する大規模なユーザーフィードバックを集めており、一般公開前に機能を微調整できるようになっている。

関連記事
グーグルがRSSを復活させる
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
GoogleがCookieに代わる広告ターゲティング手段FLoCをChromeでテスト開始

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ツイッターが悪口や嫌がらせを自動的に除外する「セーフティーモード」のテストを開始

Twitter(ツイッター)が行う最新のテストは、このプラットフォーム上で嫌がらせに悩まされている人々にとって、待望の救済策となるかもしれない。

同社はこの新たなテストで「Safety Mode(セーフティーモード)」と呼ばれる機能を導入する。これはアカウントと、Twitterで悪名高い押し寄せる罵詈雑言リプライとの間に、一時的な防衛線を張るものだ。このモードは設定メニューから有効にすることができ、アルゴリズムによる選別を行って悪意の可能性を排除する。これは7日間継続する。

Twitterのプロダクトリーダーを務めるJarrod Doherty(ジャロッド・ドハーティ)氏は「私たちの目標は、有害な発言の蔓延と可視性を減らすことで、ツイートを受け取る側の個人を、これまで以上に守ることです」と、述べている。

画像クレジット:Twitter

とはいえ、セーフティーモードはまだ広範に展開されるわけではない。この新機能はまず、Twitterが「小規模なフィードバックグループ」と呼ぶ、約1000人ほどの英語ユーザーに提供される。

Twitterのアルゴリズムは、ツイートの内容(憎悪に満ちた言葉、同じことの繰り返し、一方的な言及など)と、アカウント同士の関係性を評価して、除外する発言を選定する。そのユーザーがフォローしているアカウントや、定期的にツイートをやり取りしているアカウントは、セーフティーモードのブロック機能の対象にはならない。

テストグループのユーザーは「プライバシーとセーフティー」の設定から、セーフティーモードをオンにすることができる。一度有効にすると、アカウントは7日間、このモードに留まることになる。7日の期間が終了した後は、再び有効にすることができる。

この新機能を開発するにあたり、Twitterはメンタルヘルス、オンラインの安全性、人権などの専門家に相談したという。Twitterが相談したパートナーは、この機能から恩恵を受ける可能性が高いアカウントを推薦することで、最初のテストグループに貢献することができた。Twitterはこの新機能のテストにおいて、女性ジャーナリストや社会から疎外されたコミュニティに焦点を当てたいと考えている。Twitterは、テストグループの基準を満たすアカウント、すなわちTwitterで最悪の衝動の受け皿となることが多いアカウントに連絡を取り始めるという。

Twitterは数カ月前、新たな悪口防止機能の開発に取り組んでいることを発表した。この機能には、ユーザーがタグ付けされたスレッドから自分を「unmention(アンメンション)」できるオプションや、連続的な嫌がらせを受けているユーザーが自分をメンションできないようにする方法などが含まれる。同社は当時、悪口が拡散している状況に対処するためのセーフティーモードのような機能の開発も示唆していた。

「Twitterで嫌がらせを受ける」というのは、残念ながらそれほど珍しいことではない。憎悪や罵倒がひどくなると、人々はTwitterから離れてしまい、長期間放置したり、完全にやめてしまう傾向がある。Twitterにとっても、それは好ましいことではない。嫌がらせに対する真の解決策を提供するには至っていないものの、同社は明らかに問題を認識しており、いくつかの実行可能な解決策に取り組んでいる。

関連記事
ツイッターが@mentionをユーザーが管理できる新しい攻撃防止ツールを検討
ツイッターのポリシー違反対応措置が2019年下半期に増加、新設されたTwitter Transparency Centerがレポート
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterが有料サブスク「Super Follows」を米国で開始、数週間内にグローバル展開

Twitter(ツイッター)は6月から申し込みを受け付けていたプレミアムなサブスクSuper Followsの提供を米国時間9月1日に開始した。

2月に発表していたこの機能では、ユーザーはお気に入りのアカウントを月額料金を払って購読し、特別なコンテンツにアクセスできるようになる。さまざまなソーシャルプラットフォームで収益化のオプションが増えつつあるが、クリエイターにとってはそこにまた1つツールが加わった格好だ。

関連記事
ツイッターがクリエイターのための収益化ツール「Super Follows」「Ticketed Spaces」を導入
Twitterが同社初となる有料クリエイターサブスク機能「スーパーフォロー」発表、サービスの構造が劇的に変わる可能性

このサービスを利用できるアカウントは、Super Followsサブスクの月額料金を2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1100円)から選んで課金できる。この価格は有料ニュースレターとほぼ同程度だ。クリエイターは一部のツイートを有料購読者だけに公開することができ、その一方で通常のツイートで無料フォロワーにもリーチし続けられる。

画像クレジット:Twitter

有料の購読者には特別のSuper Followerバッジが付けられ、ツイートの海の中で無料フォロワーとは区別される。バッジはリプライに表示され、Super Followerはサポートすることを選んだアカウントと直接やり取りできるようになる。Super Followsを利用しているアカウントは、プロフィールページにSuper Follows専用ボタンが表示される。

Super Followsは誰でも使えるわけではない。当面、申し込み制となっていてウェイトリストがある。申し込みはアプリのサイドバーにある収益化オプションから行える。ただし、フォロワー1000人超を抱え、過去1カ月に25回超のツイートをしている米国拠点のユーザーのみが申し込める。

米国とカナダ拠点のiOS Twitterユーザーは9月1日から一部のアカウントをSuper Followできるようになり、今後数週間以内にグローバルのユーザーにも提供される。クリエイターの側では、Super Followsは差し当たってiOSでのみ利用可能だが、Androidとデスクトップも「間もなく」サポートされる。

Super Followの収入は標準的なものとなるが、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)がアプリ内購入手数料として30%を徴収するとTwitterは話す。Twitterは、Super Followsを通じた売り上げに対し、最初の5万ドル(約550万円)までは手数料として3%を徴収する。これから活動を始めようとしているアカウント、あるいは有料のTwitter機能を他のクリエイター収入を補完する方法として活用している人にとって思いやりのある設定だ。売り上げが5万ドルを超えると、Twitterの取り分は20%になる。

Twitterにとって、Super Followsは一般提供につなげる初の収益化実験ではない。同社は5月、Cash Appや他の決済プラットフォームの統合を通じてアカウントが1度限りの支払いを受けられるTip Jarを導入した。テストは差し当たって「クリエイター、ジャーナリスト、専門家、非営利団体」などの対象アカウントに限定して行われている。

8月22日の週には、6月に有料のオーディオルーム機能に申し込んだユーザー向けにTicketed Spacesを導入した。Ticketed SpacesでのTwitterの手数料はSuper Followsと同じ設定で、ユーザーは高機能なチケット発行機能であるTicketed Spacesで1〜999ドル(約110〜11万円)の間で課金できる。

長期間のプロダクト停滞を経て、Super FollowsはTwitterの一連の動きの最新のものとなる。しかし同社はこの12カ月、失敗したFleetsのリリースと提供停止から、導入の兆しが見られる多くの人が何年もの間求めていたいじめ防止機能のようなものに至るまで、忙しくしていた。

ユーザーがプレミアムなコンテンツを提供して課金できるようにすることは、Twitterにとってかなり大きな変化だ。物いう株主がCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏を追放すると脅すまで、同社はほぼ動かなかった。また、コンテンツ制作でユーザーが稼げるようにするツールを多くのプラットフォームが加えるのにともない、熱が高まっているクリエイター分野への参入もTwitterにとっては大きな動きであり、クリエイターが継続して利用しそのプロセスで収入を生み出せるよう維持することが理想だ。

関連記事
ツイッターが有料の「チケット制スペース」展開をiOSで開始
最後のフリートを急げ!ツイッターの消滅型ストーリー機能がもうすぐ終了
画像クレジット:Twitter

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokがティーンエイジャーの親向けに教育リソースを提供、ユーザー保護強化で

TikTokはアプリ内のペアレンタルコントロール機能「Family Pairing」に、親がティーンエイジャーの子どもをこれまで以上にサポートできるようにするための教育リソースを加えた。同社が米国時間9月1日に明らかにした。2020年に世界中のユーザーへの提供が始まったペアリング機能では、子どものスクリーン使用時間や誰とダイレクトメッセージをやり取りできるかなどを設定できるよう、13歳以上の子どもを持つ親が自分のアカウントを子どものアカウントとつなげることができる。しかし同社のもとには、自分たちのデジタルライフへの親の関わりについても考慮して欲しいというティーンエイジャーからの声も届いた。

新しい教育コンテンツをつくるために、TikTokはオンラインセーフティに取り組む非営利団体Internet Mattersと提携した。同団体は、親にTikTokに関する状況やティーンエイジャーのソーシャルメディア使用について一般的な情報を提供すべく、ティーンエイジャーとのコラボで一連のリソースを開発した。

この取り組みの中で、Family Pairingのような機能を使う時、設定するルールを親に理解して欲しい、とティーンエイジャーはいう。また、ティーンエイジャーがオンラインに費やす時間について議論することにもオープンであって欲しいと思っている。ティーンエイジャーは親が境界線を定めることについては気にかけていない一方で、人生において大人からある程度の信頼を得たいと感じている。

また年齢を重ねるにつれ、ティーンエイジャーは自分のデバイスやソーシャルネットワークで自主権を持ちたくなる。そのため、与えられたプラットフォームで付け回されたくない、と親にいうことがあるかもしれない。

これは必ずしもティーンエイジャーが何か悪さをしているわけではない、と新しいリソースは親に説明している。ティーンエイジャーはただ、厳重な監視なしにオンライン上で友達とつるむことができる、と感じたいだけなのだ。これはパンデミック時代にある今日、オンライン体験の重要な部分になっている。パンデミックでは多くの若者が、実生活で友達と付き合ったり、対面でのグループ活動に参加したりする代わりに、これまでよりも長い時間を家で過ごしている。

画像クレジット:TikTok

ティーンエイジャーはまた、何かまずい状況になったときに、ひどく怒られたり親がパニックになったりするのでは、とびくびくせずに親を頼ることができれば、ともいう。もし規則を破れば相応の結果がともなうことをティーンエイジャーは知っているが、厄介な事態になったときに、怒るだけでなく親に一緒に解決策を考えて欲しいと思っている。

これらは至って簡単で常識的なアドバイスのように聞こえるが、子どものデジタルライフやソーシャルネットワークの使用に対するTikTok上の親の寛容度はさまざまだ。ティーンエイジャーが何を求め、どう感じているのかを説明している基本的なガイドラインが含まれるのは理に適っている。とはいえ、Family Pairingのようなペアレンタルコントロール機能を利用できるほどにテックに詳しい親はすでに最良のプラクティスの手がかりを得ているかもしれない。

画像クレジット:TikTok

加えて、ティーンエイジャーにフォーカスしたこの手のプライバシーセーフティコンテンツは、TikTokが若いユーザーの保護に取り組んでいるプラットフォームと自らを位置付けるのに使うためのものだ。最近大手テック企業が先んじようと試みている潜在的な規制を考えると、若いユーザーの保護はますます求められている。たとえばTikTokは2021年8月、アプリをより安全なものにするために若いティーンエイジャーのプライバシー保護をこれまでよりも強化すると発表したFacebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、YouTube(ユーチューブ)も同様の取り組みを展開している。

Family Pairing機能を介して自分のアカウントをティーンエイジャーのアカウントにリンクさせている親や保護者は、ティーンエイジャーが望んでいること、そしてデジタルリテラシーやオンラインセーフティに関する会話へのアプローチについて知ってもらうためのノーティフィケーションを受け取る、とTikTokは話す。Family Pairingを初めて使用する親にもこのリソースが案内される。

関連記事
Instagramが10代ユーザーのアカウントをデフォルトで非公開に、広告や望まない大人からの接触を制限
グーグルが検索やYouTubeなどの自社プラットフォームにおける未成年者保護を強化画像クレジット:Anatoliy Sizov / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

LinkedInがストーリーズ機能を廃止しショートビデオ機能を開発中

LinkedIn(リンクトイン)とTwitter(ツイッター)の共通点は何か?どちらも消滅型ストーリー機能を提供したが、はかなく消え去ることになってことだ。米国時間8月31日、LinkedInは同サービスのLinkedIn Stories(LinkedIn ストーリーズ)機能を9月30日で打ち切り、ショートビデオを投稿する別の方法の検討を開始することを発表した。

LinkedInは、ストーリーズの合間に流れる広告をすでに購入している可能性のある広告主に警告するために、来たるべき変更を告知した。それらの広告は代わりにLinkedInフィードに掲載されるが、自分のページで直接ストーリーズを宣伝したりスポンサーしていたユーザーは作り直す必要がある。

なんだよ。妻とはLinkedIn Storiesで出会ったのに。

LinkedInがStoriesを導入したのは2020年9月で、Twitterがその後廃止することになるFleets(フリート)を一般公開したのと同じ時期だった。今回の変更はウェブとモバイルの大がかりな改訂の一環で、在宅勤務のプロフェッショナルたちがつながりを保つためにZoom(ズーム)、BlueJeans(ブルージーンズ)、Teams(チームズ)などとの統合も行った。しかし同社によると、消滅型投稿はLinkedInではあまりうまく機能しなかったという。

関連記事:
最後のフリートを急げ!ツイッターの消滅型ストーリー機能がもうすぐ終了
LinkedInが大規模なデザイン更新の一環として、ストーリーズ機能の開始に加え、Zoom、BlueJeans、Teamsビデオの統合を発表

「Storiesの開発に当たり、ユーザーは自分のプロフィールに私的なビデオを載せたがらないだろうが、消滅型であれば投稿の障壁を下げられるだろうと想定していました」とLinkedInのプロダクト担当シニアディレクター、Liz Li(リズ・リ)氏はブログで述べている。「結果的に、ユーザーは職業的な話題を私的な形で紹介することで、個人の特性と専門知識の両方を見せられる永続的ビデオを作りたいことがわかりました」。

リ氏は、ユーザーが「魅力的なビデオを作れるもっとクリエイティブなツール」を欲しがっていることも付け加えた。Storiesにはスタンプやプロンプトを付加できるが、ユーザーはもっとクリエイティブな機能を求めていた。

もしLinkedInが計画どおりショートビデオ作成機能を追加すれば、TikTok(ティックトック)ライクなフィードを提供しているSnapchat(スナップチャット)やInstagram(インスタグラム)の仲間入りを果たすことになる。ユーザーがLinkedInとパーソナルなSNSに同じコンテンツを投稿することはほとんどないが、実際著名なTikTokユーザーがキャリアアドバイスや面接のヒント、履歴書の書き方などをシェアしている例もあるので、LinkedInがビデオに方向転換するのはさほど奇妙なことではないかもしれない。

画像クレジット:Ali Balikci / Getty Images

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】Facebookは独占企業だ、そうだろう?

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は米国時間8月19日、全国テレビに出演して「特別発表」を行った。そのタイミングはこれ以上ないほど興味深いものだ。この日はLina Khan(リナ・カーン)氏のFTC(連邦取引委員会)がFacebookの独占を解体するためにその訴訟を再提出した日である。

普通の人には、Facebookの独占は明白に見える。コロンビア特別区連邦地方裁判所のJames E.Boasberg(ジェームズ・E・ボースバーグ)判事が最近下した判決の中で述べているように「2010年の映画『The Social Network(ソーシャル・ネットワーク)』のタイトルを聞いて、それがどの企業に関するものなのかわからない人はいないだろう」。しかし、自明性は反トラストの基準ではない。独占には明確な法的意味があり、これまでのところリナ・カーン氏のFTCはそれを満たしていない。今回の再提出は、FTCの最初の襲撃に比べてはるかに実質的だ。しかし、まだ批判的な議論が欠けている。最前線からの意見をいくつか示したいと思う。

第1に、FTCは市場を正しく定義しなければならない。メッセージングを含むパーソナルソーシャルネットワークの定義だ。第2に、FTCはFacebookが市場の60%以上を支配していることを証明しなければならない。これを証明する正しい指標は収益である。

消費者に対する損害は、独占的な判断の試金石として広く認識されているが、当法廷はFTCに対し、Facebookが消費者に損害を与えていることを証明して勝訴するよう求めてはいない。しかしこれに代わる訴答として、政府は、Facebookがクリエイターエコノミーにおける賃金を抑制することで消費者に損害を与えている、という説得力のある主張を提示することができる。クリエイターエコノミーが本物なら、Facebookのサービス上にある広告の価値は、クリエイターの労働の成果によって生み出されているはずだ。ユーザー生成コンテンツがなければ、動画の前や投稿の間の広告を見る人はいないだろう。Facebookはクリエイターの賃金を抑制することで、消費者に損害を与えている。

編集部注:本稿はFacebook独占に関するシリーズの第1弾である。Cloudflareの最近のブログ記事で、Amazonの独占が業界に与える影響を説明しているが、感銘を受けるものがあった。おそらくそれは競争戦術だったのだろうが、筆者はこれをより愛国心に訴える責務であると心から確信している。複雑な問題についての議員や規制当局のための道しるべとなる。筆者の世代は、Eメールをほとんど使用しない議員が、私たちがまだ理解していない方法で長い間私たちの生活に浸透してきたプロダクトについて、私たちの時代の第一線の技術者たちに疑問を投げかけているのを、悲しみと不安の中で見てきた。筆者個人としても、また自社としても、このことから得るものはほとんどない。しかし、ソーシャルメディア新興企業の最新世代の参加者として、そして民主主義の未来を懸念する米国人として、私は挑戦する義務を感じている。

問題

裁判所によると、FTCは2つの部分からなる評価基準を満たす必要がある。FTCはまず、Neumann対Reinforced Earth Co.(1986年) においてD.C.巡回区控訴裁判所(控訴裁判所)によって立証された独占力をFacebookが有している市場を定義しなければならない。これは、メッセージングを含む、パーソナルソーシャルネットワークの市場だ。

次に、FTCは、Facebookがその市場の支配的なシェア、すなわち裁判所が定義する60%以上を占めていることを立証しなければならない。これはFTC対AbbVie訴訟(2020年)で第3巡回区控訴裁判所によって定められたものだ。この市場シェア分析の正しい測定基準は、紛れもなく収益であり、デイリーアクティブユーザー数(DAU)× 1ユーザーあたりの平均収益(ARPU)となっている。そしてFacebookは90%超を握っている。

FTCの問題に対する答えは、Snapchatの投資家向けプレゼンテーションを見れば明らかだ。

Snapchat 2021年7月 投資家向けプレゼンテーション「Significant DAU and ARPU Opportunity」(画像クレジット:Snapchat

これはFacebookの独占状態を示すグラフで、パーソナルSNS市場の91%を占めている。グレーのブロックは、FacebookのStandard Oil(スタンダード・オイル)事業部が掘削に成功した巨大な油層のように見える。SnapchatとTwitterは小さな石油試掘者であり、Facebookの規模とはほぼ無関係だ。Facebookがかつて両社を買収しようとしていたことは、市場の観測筋の誰もが認めるところだろう。

市場にはメッセージングが含まれている

FTCは当初、Facebookが「パーソナルソーシャルネットワーキングサービス」市場を独占していると主張した。この訴状では、Facebookの市場から「モバイルメッセージング」を除外しおり、その理由として「 (i) 交流のための『共有ソーシャルスペース』がなく(ii) ユーザーが知っているかもしれない他のユーザーを見つけて『友達になる』ためのソーシャルグラフを採用していない」ことを挙げている。

メッセージングはFacebookのパワーから切り離すことができず、これは正しくない。Facebookはこれを、WhatsApp買収、Messengerのプロモーション、SnapchatとTwitterの買収で証明している。いかなるパーソナルソーシャルネットワーキングサービスもその機能を拡張することができる。そしてFacebookの堀はメッセージングのコントロール次第である。

エコシステムの中で過ごす時間が長いほど、その価値は高くなる。ソーシャルネットワークにおける価値は、誰に対して求めるかに依存して、アルゴリズム的(メトカーフの法則)または対数的(ジップの法則)に計算される。どちらにしても、ソーシャルネットワークでは1+1は2よりずっと多い。

ソーシャルネットワークは、企業がより多くの機能を構築できるノードの数が増え続けることで価値が高まる。ザッカーバーグ氏はこの関係を「ソーシャルグラフ」という言葉で表現した。日本、韓国、中国におけるLINE、Kakao、WeChatの独占はこれを明確に証明している。彼らはメッセージングからスタートし、外部へと拡大し、パーソナルソーシャルネットワーキングの巨人となった。

今回の提出書類でFTCはFacebook、Instagram、Snapchatはいずれもパーソナルソーシャルネットワーキングサービスであり、3つの主要機能を利用していると説明している。

  • 「第1に、パーソナルソーシャルネットワーキングサービスは、ユーザーと友人、家族、その他の個人的なつながりをマッピングしたソーシャルグラフ上に構築されている」。
  • 「第2に、パーソナルソーシャルネットワーキングサービスには、多くのユーザーが個人的なつながりと対話し、1対多の『ブロードキャスト』形式を含む共有ソーシャルスペースで個人的な体験を共有するために定期的に使用する機能が含まれている」。
  • 「第3に、パーソナルソーシャルネットワーキングサービスには、ユーザーが他のユーザーを見つけて接続できるようにする機能が含まれており、各ユーザーが個人的な接続を構築して拡張するのを容易にする」。

残念ながら、これはほんの一部しか真実を語っていない。ソーシャルメディアの危険な領域では、FTCが明言に苦慮しているように、機能セットは日常的にコピーされ、クロスプロモーションされている。InstagramがSnapchatのストーリーをコピーしたことを忘れることができるだろうか?Facebookは、最初から市場で最も成功したアプリの機能を容赦なくコピーしてきた。Clubhouseと競合するLive Audio Roomsのローンチは、ごく最近の例にすぎないだろう。TwitterとSnapchatはFacebookのライバルである。

メッセージングは、コピーして破壊しようとするFacebookの広範で貪欲な欲求を示すために含まれなければならない。WhatsAppとMessengerはそれぞれ20億人と13億人を超えるのユーザーを擁している。機能コピーの容易さを考えると、WhatsAppの規模のメッセージングサービスは、数カ月もすれば本格的なソーシャルネットワークになる可能性がある。これこそがFacebookが同社を買収した理由だろう。Facebookのソーシャルメディアサービスの幅広さには目を見張るものがある。しかしFTCは、メッセージングが市場の一部であることを理解する必要がある。そしてそのことを認めたからといって、彼らの訴えの妨げにはならないだろう。

測定基準:収益はFacebookの独占を示す

ボースバーグ判事は、収益は個人のネットワーキングを算定するための適切な測定基準ではないと考えている。「●PSNサービスによって得られた総収益は、市場シェアを測定するための正しい測定基準ではありません。これらの収益はすべて別の市場、つまり広告市場で得られたものだからです」。同氏はビジネスモデルと市場を混同している。すべての広告が同じ布から切り離されているわけではない。今日の再提出で、FTCは「ソーシャル広告」を「ディスプレイ広告」と区別して正確に識別している。

しかしFTCは、収益を明確な市場シェア測定基準とすることを避けようとしている。代わりにFTCは「消費時間、デイリーアクティブユーザー数(DAU)、月間アクティブユーザー数(MAU)」を挙げている。Facebook BlueとInstagramがSnapchatとだけ競合する世界において、これらの測定基準はFacebookブルーとInstagramを合わせると60%の独占のハードルを超えるかもしれない。しかしFTCは、このような指標の選択を正当化するための十分に説得力のある市場定義の議論をしていない。Facebookは、DiscordやTwitterのような他の個人向けソーシャルネットワーキングサービスと比較されるべきであり、それらが市場に正しく含まれることで、消費時間やDAU / MAUというFTCの選択はその意味を失うことになる。

結局のところ、お金が王様なのだ。収益が重要であり、FTCが強調すべきことである。Snapchatが上記で示しているように、パーソナルソーシャルメディア業界の収益はARPU×DAUで計算されている。パーソナルソーシャルメディア市場は、エンタテインメントソーシャルメディア市場(FacebookはYouTube、TikTok、Pinterestらと競合している)とは異なる市場である。また、これはディスプレイ検索広告市場(Google)から切り離された市場でもある。すべての広告ベースの消費者向けテクノロジーが同じように構築されているわけではない。繰り返しになるが、広告はビジネスモデルであり、市場ではない。

例えばメディアの世界では、Netflixのサブスクリプション収入は明らかにCBSの広告モデルと同じ市場で競合している。News Corp.によるFacebookの初期のライバルMySpaceの買収は、従来のメディア広告市場を破壊するインターネットのポテンシャルについて多くを物語っている。Snapchatは広告を追求することを選んだが、Discordのような初期のライバルはサブスクリプションを利用して順調な伸びを見せている。しかし、その市場シェアはFacebookと比べると依然として低いものだ。

代替的訴答:Facebookの市場支配力がクリエイターエコノミーの賃金を抑制している

公正取引委員会は、独占の定義に関して、可能な限り小さい市場を主張してきた。Facebookが少なくとも80%を支配しているパーソナルソーシャルネットワーキングは(最も強い主張においては)エンターテインメントを含むべきではない。これは成功の可能性が最も高い、最も狭義の議論である。

しかし、彼らは代替案でより広い議論をすることを選択することができた、より大きなスイングをとるものだ。リナ・カーン氏がNew Brandeis運動を始めた2017年のメモの中でAmazonについて言及したことで知られるように、従来の経済的消費者有害性の評価基準は、ビッグテックがもたらす有害性に十分に対処していない。その害はあまりにも抽象的だ。ホワイトハウスのアドバイザーであるTim Wu(ティム・ウー)氏が「The Curse of Bigness(巨大企業の呪い)」の中で論じ、ボースバーグ判事が自身の意見で認めているように、独占禁止法は価格効果のみに依存するものではない。Facebookは、価格効果の悪影響を証明することなく分割できる。

しかしFacebookは、消費者に損害を与えてきている。消費者は、その労働がFacebookの価値を構成する労働者であり、低賃金である。個人的なネットワーキングをエンターテインメントを含むものと定義すれば、YouTubeは教訓的な例になる。YouTubeとFacebookの両方のサイトでは、インフルエンサーはブランドに直接課金することで価値を獲得できる。それはここでの話題ではない。問題となるのは、クリエイターに支払われる広告収入の割合である。

YouTubeの従来のパーセンテージは55%だった。YouTubeは、過去3年間でクリエイターと権利保有者に300億ドル(約3兆3000億円)を支払ったことを発表している。保守的にいうと、資金の半分は権利保有者に配分される。つまりクリエイターの平均収入は150億ドル(約1兆6500億円)、年間50億ドル(約5500億円)ということになるが、これはその期間のYouTubeの460億ドル(約5兆円)の収益のかなりの部分を占めることになる。言い換えれば、YouTubeは収益の3分の1をクリエイターに支払ったということになる(これは明らかにYouTubeの非広告収入は考慮していない)。

これに対してFacebookは、わずか数週間前に、年間10億ドル(約1100億円)というごくわずかな額のプログラムを発表し、変更を加えたばかりだ。確かにクリエイターたちは、インタースティシャル広告からいくらかの収入を得ているかもしれないが、Facebookはその収入の割合を公表していない。それは侮辱的なものになるからだろう。YouTubeの発表に相当する3年間で、Facebookは2100億ドル(約23兆1100億円)の収益を上げた。その3分の1は700億ドル(約7兆7000億円)、年間230億ドル(約2兆5300億円)に相当する額がクリエイターに分配される計算になる。

なぜFacebookはこれまでクリエイターに支払いをしてこなかったのか?その必要がなかったからである。Facebookのソーシャルグラフはあまりにも大きく、クリエイターたちはとにかくそこに投稿しなければならない──Facebook BlueとInstagramの成功がもたらす規模によって、クリエイターたちはブランドに直接販売することで収益化することができる。Facebookの広告はクリエイターの労働力によって価値がもたらされている。ユーザーがコンテンツを生成しなければ、ソーシャルグラフは存在し得ない。クリエイターたちは、自分たちで作ったスクラップ以上のものを受け取る資格がある。Facebookは、それが可能だという理由でクリエイターの賃金を抑制している。これが独占企業のやっていることなのだ。

Facebookのスタンダード・オイル精神

Facebookは長い間、ソーシャルメディアのStandard Oil(スタンダード・オイル)だった。ザッカーバーグは7月に、Robloxが開拓した市場であるメタバースに再び焦点を当てていることを明らかにした。パーソナルソーシャルメディアでの独占を達成し、エンタテインメントソーシャルメディアとバーチャルリアリティで競争した後も、Facebookの掘削は続いている。確かにFacebookは無料かもしれないが、その独占はクリエイターの賃金を抑制することで米国人に害を与えている。反トラスト法は、シャーマン法の下では、消費者被害は独占を証明するための必要条件ではないと規定している。独占は違法である。正確な市場定義と市場シェアを再提出することで、FTCはチャンス以上のものを手にしている。きっと勝利を収めるはずだ。

編集部注:本稿の執筆者Daniel Liss(ダニエル・リス)氏は、デジタル使い捨てカメラのソーシャルネットワークであるDispoの創設者兼CEO。本記事の前バージョンはSubstackに掲載されている。

関連記事
ソーシャルプラットフォームはタリバンの扱い方で歩調揃わず
米上院議員がFacebookに研究者のアカウントを停止させた理由の説明を求める
なんとフェイスブックがまたもプライバシー設定を変更
画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Daniel Liss、翻訳:Dragonfly)

友人・知人のつながりから転職先や副業先を探せるキャリアSNS「YOUTRUST」が4.5億円のシリーズB調達

友人・知人のつながりから転職先や副業先を探せるキャリアSNS「YOUTRUST」が4.5億円のシリーズB調達友人・知人のつながりから転職先を探せるキャリアSNS「YOUTRUST」を展開するYOUTRUSTは8月30日、シリーズBラウンドによる総額4億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、デライト・ベンチャーズをリードインベスターに、STRIVE、W ventures、ANRIとなっている。

2018年4月にサービスを開始したYOUTRUSTは、友人・知人を通じて転職先や副業先につなげられる、「信頼でつながる」キャリアSNS。プロフィールには友人からの紹介コメントが掲載され、「履歴書では伝わらない信頼が可視化」され、普段の仕事ぶりもアピールできるという。「転職サービス」ではなく、あえて「キャリアSNS」と自称しているのは、今すぐ転職を考えていなくても、投稿タイムラインやメッセージのやりとりで日常的に楽しめるプラットフォームだからだ。

転職や副業の意識が高い人と企業とのマッチングのほか、「転職に前向きな潜在層」がSNSとして利用するケースが浸透するなどして、アクティブユーザー数が増加し、「独自のユーザープールを活かした採用プラットフォーム」として月次経常収益は1年で10倍を超えたとのこと。

日本の1人あたりのGDPが世界30位となり、時間あたりの労働生産性はアメリカの6割にまで落ち込んだ原因のひとつには、「人材流動性の低さ」があるとYOUTRUSTは話している(IMF「World Economic Outlook Database」2021年4月版 1人あたりの購買力平価GDP(USドル)ランキング、公益財団法人 日本生産性本部2020年版「労働生産性の国際比較」)。勤続10年以上の従業員の割合が10%減ると潜在成長率が1.4ポイント高くなるとの日米欧35カ国を対象とした日本経済新聞の報告(2018年4月10日「『転職で賃金増』広がる」)があり、今後は人材の流動性が高まることが期待されている。そこでYOUTRUSTは、「日本型キャリアをゲームチェンジ」する存在を目指し、キャリアSNSの充実をはかるために今回の資金調達を実施したという。

具体的には、「キャリアSNS」のサービス改善、認知度拡大、新規ユーザーとクライアントの獲得、既存ユーザーのエンゲージメント向上のためのマーケティング強化に資金を投入する。

YOUTRUST代表取締役の岩崎由夏氏は、こう話している。「流動性が高く、個々人が自分のキャリアを自分でつくる時代がすぐそこまで来ています。 でもそれは怖い世界ではありません。YOUTRUSTが、履歴書では表現できなかったみなさんの信頼を可視化し、素敵なキャリアをサポートしてまいります」。