元アップルのエンジニアでオートコレクト開発者が初アプリの単語ゲームUp Spellを公開

元アップルのソフトウェア・エンジニアおよびデザイナーで、最初のiPhoneとタッチスクリーン用オートコレクト機能の開発にも携わったKen Kocienda(ケン・コシエンダ)氏は、自身初のiOSアプリ「Up Spell」(アップ・スペル)を開発した。テンポが速くて楽しい言葉のゲームで、2分間でできるだけ多くの英単語を綴るというもの。これには同氏が構築した専用の単語辞書が使われていて固有名詞も判定できる。アプリの売上げの一部は、地元のフードバンクに寄付される予定なので、ゲームでストレスを解消しながら社会貢献もできてしまう。

コシエンダ氏はこれまで、独立したiOSアプリを作ったことがなかったと話している。アップルで働いていたときは、彼が開発するコードはみな、大規模なiOSリリースに組み込むためのものだった。そこで、ゲームを作りたいと思い立った同氏は、目の前にあるアイデアの源に目をつけた。それは、タイピング、キーボード、オートコレクトの開発経験だ。

このゲームの単語辞書は、もともと英語と第二外国語として学ぶ人のための英単語集「New General Service List」(ニュー・ジェネラル・サービス・リスト)の基盤にすべく作られた。同氏は何週間もかけて、候補となる単語のリストを生成する細かいプログラムをいくつも制作した。例えば既存の単語に「s」を付けて複数形にするものなどだ。さらに何時間もかけてリストを精査し、使用する単語を選択した。

コシエンダ氏は、このゲームを面白いものにしたいと考えている。ほかの単語ゲームでは固有名詞が受け付けられないことに個人的にフラストレーションを感じていたのだ。

「PHARAOH(ファラオ)やPYRAMID(ピラミッド)は通っても、NILE(ナイル)やEGYPT(エジプト)はダメというゲームが多いのです。納得できません。どれも言葉なのに!」と同氏。

そこで彼は、何千もの固有名詞を含む独自のリストを作り、さらにスラングや略語も加えて幅を広げた。そのため、たとえばアポストロフィーを含む「S’MORES」も認められる。

固有名詞も含むさまざまな単語に対応することで、ほかの競合する単語ゲームとの差別化が図られたわけだが、このアプリのビジネスモデルもいまどきでは珍しいものになっている。一度だけ料金を支払ってダウンロードすればいいというものだ。

250円でダウンロードすれば、あとは永遠に遊べる。いまはスマホゲームの多くがフリーミアムモデルを採用している。アプリのダウンロードは無料だが、もっと面白くするために、または特定の機能を使えるようにするために、アプリ内コインやトークンの購入をしつこく迫られる。

コシエンダ氏がこのモデルを採用しなかったのは理由がある。「Up Spellは、特別な技を使わなくても2分間楽しめるゲームとして考案しました。ただ単語を綴るだけです。2020年は、誰にとっても厳しい年となりました。単語を綴る以外に何も考えないで済む2分間を手に入れることは、何よりのストレス解消になります。Up Spellが、みなさんの2020年に、ちょっとした意外な幸せを提供できればと思っています」と話す。

さらに、ダウンロード代金のうち25%は、San Francisco-Marin Food Bank(サンフランシスコ=マリン・フードバンク)に寄付されることも覚えておこう。同氏が住む地域の恵まれない人たちの食事を支援できる。

うまくいけばUp Spellのあとに、例えばサウンド合わせや色合わせなどのゲームが同様のモデルで続く可能性もある。

この新しいゲームは、ダウンロード時に1度だけ料金を支払うかたちでApp Storeから入手できる

カテゴリー:ゲーム
タグ:アップル、iPhone、Up Spell

画像クレジット:Up Spell

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(翻訳:金井哲夫)

自分だけのドリームチームで競い合うファンタジースポーツのSPORTS CROWNが1.2億円を調達

自分だけのドリームチームで競い合うファンタジースポーツのSPORTS CROWNが1.2億円を調達

新たなスポーツ観戦スタイルとして注目されているファンタジースポーツ「SPORTS CROWN」運営のSPORTS CROWN Pte. Ltd. (旧社名Rabona Pte. Ltd. )は、第三者割当増資による総額1.2億円の資金調達が完了したと発表した。累計調達額は1.9億円となる。

引受先は、大湯俊介氏(コネヒト 創業者)、中川綾太郎氏(newn inc. 代表取締役)、國光宏尚氏(gumi 取締役会長)、里見治紀氏(セガサミーホールディングス 代表取締役社長グループCOO)、見城徹氏(幻冬舎 代表取締役社長)、ベクトル。

今回調達した資金は、マーケティング強化、サービスの研究・開発に加え、エンジニアをはじめとする人材採用に積極的に投資する。今後の展開としては、集積したデータを活用した企業プロモーション、地域産業と連携した地方創生に一役を担えるようなスポーツテック領域におけるリーディングカンパニーを目指すとしている。

自分だけのドリームチームで競い合うファンタジースポーツのSPORTS CROWNが1.2億円を調達

ファンタジースポーツとは、自分の好きな選手を選んで架空のスポーツチームを編成し、活躍する選手などを予想するシミュレーションゲーム。

サッカーや野球、アメリカンフットボール、バスケットボールなど実際に行われているプロスポーツの中から活躍する選手を複数人予想し、自分だけのドリームチームを結成。実際の試合の結果に応じて選手の活躍ごとにポイントが振り分けられる仕組みになっており、ユーザー同士で同じように結成されたドリームチームの合計ポイントを競い合う。

海外におけるファンタジースポーツの市場は大きく、ファンタジー・スポーツ事業協会(FSTA)によると、米国でのユーザー数は約3200万人で参加者は年間平均で467ドルを費やし、総額150億ドルの一大市場を形成しているという。

2018年1月サービス開始のSPORTS CROWNは、新型コロナウイルスの影響で延期されていたプロスポーツ再開後もユーザー数を伸ばしており、日本最大級のファンタジースポーツに成長しているとした。

カテゴリー: ゲーム / eSports
タグ: SPORTS CROWNファンタジースポーツ資金調達

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Zyngaが超カジュアルゲームメーカーRollicの買収を完了、CEOはさらなる買収に意欲的

ソーシャルゲーム会社のZynga(ジンガ)は、この8月に、イスタンブールのRollic(ロリック)を買収すること(Venture Beat記事)を表明していた。Rollicは、ヒット作である「Go Knots 3D(ゴー・ノット3D)」や「Tangle Master 3D(タングル・マスター3D)」などの超カジュアルゲームを開発し展開している企業だ。そして米国時間10月2日、同社はその買収が完了したことを発表した。

はっきりさせておくと、ZyngaはRollicを、まだ完全には所有していない。その代わりに、ZyngaはRollicの80%を約1億8000万ドル(約189億6000万円)の現金で購入し、残りの20%を今後3年間で支払う予定だ。

取引の完了を見越して、CEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は、これがZyngaにとって超カジュアルゲームの世界への最初のステップであると語った。超カジュアルゲームとは、ゲームタイトルたちが示すように、プレイヤーがナイフを投げたり、結び目を解くといった、簡単なプレイをすることを前提としたゲームだ。

ジボー氏は、Rollicがこの分野で成功していると主張したが「最初の3年間は、誰もがそれを一時的な流行と呼んでいた」のである。彼は、何百人もの開発者のネットワークを組織することによって、ゲームを猛烈な速さでリリースするRollicの開発プロセスに特に感銘を受けたのだ。

「彼らはすでに、ある程度の規模と速さを持っていて、新しいことにもすぐに全力で取り組んでいましたが、それでも私たちと組むことでさらにすばやく成長することができると考えたのです」とジボー氏はいう。

彼はまた、オーディエンスの規模にも感銘を受けていた。統合後の会社は、月間アクティブユーザー数が合計1億6000万人に達するようだが、そのうち6500万人がRollicからのものだ。そしてジボー氏が指摘したように、アプリ開発者にユーザーがトラッキングをオプトアウトするできるようにすることを要求することにな、Apple(アップル)が検討している変更の後には、広告トラッキングなしで多数のユーザーにリーチし、ユーザーたちをマネタイズする能力がさらに重要になってくるだろう。

これは、Zyngaによるイスタンブールでの4回目の買収だ。実際、Rollicとの契約のわずか数カ月前に、同社はPeak Games(ピーク・ゲームス)に18億ドル(約1895億9000万円)を支払っている(未訳記事)。移動や対面での作業が限られている中で、新しいチームを迎え入れるのは難しくないかと質問されたジボー氏は、「対面時間ではなく、多くのZoom時間ズーム時間を必要としています」と答えた。

さらに彼は「この点について良かったことは、もちろん現在は明らかにとても悲劇的な状況で、在宅勤務環境は多くの点で大きなマイナスではありますが、ゲーム会社にとっては、状況はかなり良いことです。ですよね?この環境の中でも、ゲームを開発することはできます」。

ジボー氏はまた、同社はさらに多くの買収を行うことに関心があると語ったが、その戦略は「単に評価額を上げるためではありません」と述べた。Zyngaは、Facebook(フェイスブック)ゲームの波に最初に乗って以来、浮き沈みはあったものの、ジボー氏は同社が、最近の四半期(Venture Beat記事)で目覚ましい収益成長を遂げ、期待を上回ったと述べた。

「私たちにはまだ証明すべきことがたくさんあると思います」と彼はいう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Zynga  Rollic

画像クレジット:Zynga

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(翻訳:sako)

政治トロールに侵害されたPCゲームサイトが政治的Modの全面禁止を決断

PCゲームの改造を楽しむ人たちの最大のプラットフォームであり社交場でもあるNexusMods(ネクサスモッズ)は、トロールによるコンテンツであふれかえってしまったことを受け「私たちはこの不正なゴタゴタに関与しないことを決めた」として、米大統領選挙に関連するあらゆるコンテンツの投稿を禁止した。たしかに、そんなに大きなニュースではない。しかし、ソーシャルメディアで散見される(そして批判される)有害な行為が、政治とはまったく無関係のように見えるニッチな場所にまで蔓延していることを、これは私たちに教えてくれている。

「Mod」(改造という意味)とは、ゲームの新しい展開を自分で作って自分でインストールして楽しむ行為を指す。例えば、新しいキャラクターやレベルを作ったり、インターフェイスや難易度を調整したりといったことだ。NexusModsは、そうしたModゲームを最も多く集める活気あるコミュニティーだ。

だが残念なことに「Skyrim」に装飾用の壁掛けを追加するといったごく簡単なModですら、政治の代理闘争の場になっている。例えば、よく登場する敵キャラをトランプ支持者、つまり「暴徒」に置き換えるといったModがいくつも見られる。下の写真は、RedditユーザーのCipherx02さんが撮ったスクリーンショットだ。ユーザーたちは解説欄に偽情報を書き込んでいると彼は指摘している。

ケノーシャで抗議活動家を狙撃したカイル・リッテンハウスの写真を使ったModには、ボカシを入れています。本当にそんなヤツがいるんです!

このサイトのニュースページの記事でNexusModsの管理者は、政治的信条の偏りを一切見せないよう細心の注意を払いつつ、お馬鹿さんには手厳しいが、不満を表している。

このところ、現在米国の社会政治的問題に関連する挑発的なトロールModが多く見受けられるようになりました。大統領選挙が11月に迫る中、4年前と同じように、この傾向は強まるものと懸念されます。

アップロードされるModの質の悪さ、彼らが表明する二極化した観点、中傷や根拠のない事実無根の非難に頼らずにこうした問題を冷静に論議できるに足る知性も教育もない少人数ながら声高なユーザーがいるという事実(私たちの世界に巣食う大きな問題を暗示しています)から判断し、この不正なゴタゴタには一切関与せず、米国の社会政治的問題に関連するModを完全に禁止することを決めました。私たちには、この問題を適切に処理する時間も、気遣いも、意欲もありません。禁止措置は、9月28日以降にアップロードされたModに適用されます。次期大統領が就任した後に、この制限を見直すことにします。

普段なら政治的中立を保っているようなウェブ上のスペースにおいても、全般的に有害な言動に毒されていることは疑いようがない。FacebookやYouTubeとは違い、小さなサイトやコミュニティーは、大量のモデレーターを雇ったり、高度な機械学習ツールを活用して問題が小さいうちに摘み取ることなどできない。

したがって、完全禁止は唯一の有効な手段であり、やりすぎとは言えない。大統領選挙が近づくにつれ(おそらくその後もずっと)、小さなコミュニティーの多くは、どこかで線引きが必要となる。さもなければ、ドキシングや脅しや、感情的なインターネット野郎どもに目をつけられるなどの危険に晒されてしまう。
画像クレジット:TechCrunch

カテゴリー:ゲーム
タグ:選挙・政治

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンがゲームストリーミングプラットフォーム「Luna」を発表

米国時間9月24日、Amazon(アマゾン)はそのデバイスとサービスのイベントで、Google Stadia(グーグル・スタディア)やMicrosoft xCloud(マイクロソフト・エックスクラウド)に対抗する独自のクラウドゲーミングを発表した。その名も「Luna」(ルナ)だ。

同社は、月額5.99ドルの導入価格でアーリーアクセスを開始した。ユーザーはゲームをダウンロードすることなく、ワイヤレスでタイトルをストリーミング配信することができ、Windows、macOS、iOS(ウェブ経由)でプレイできるようになる。米国内のユーザーは、本日より早期アクセスをリクエストすることができる。

同社によると、少なくとも1つのソニックタイトルとRemedy Entertainmentの「Control」を含む50種類以上のゲームをLuna+アプリに収録してローンチする予定だという。Ubisoft(ユービーアイソフト)とも提携する予定だが、これらのタイトルにアクセスするにはユーザーが別途オプションに加入する必要があるようだ。サービス全体はAWSによって運営され、同社によるとユーザーは最大4K 60fpsのパフォーマンスでタイトルを楽しめるようになるという。

このプラットフォームの大きなセールスポイントの1つはTwitchとの統合だ。Lunaのシステムによって、ゲーマーはお気に入りのストリーマーがプレイしているのを見たばかりのタイトルに、すぐに飛び込めるようになるだろう。一方で、Lunaに存在する限られたサブセクションのタイトルをプレイするようにストリーマーを説得することに大きく依存することになる。グーグルはStadiaとYouTubeのゲームで多くの同じピッチを作った。しかし、その夢は完全にまだ実現されていない.

多くの Google Stadiaユーザーのようにアマゾンはまた、サービスに直接接続してレイテンシーを減らすためにカスタムコント ローラーを販売する予定だ。Alexa対応のLunaコントローラは、早期アクセス期間中に49.99ドルで販売される。

この参入により、今ではグーグル、マイクロソフト、アマゾンがそれぞれ新しいゲームプラットフォームを普及させるために競い合っている。開発者との既存の関係やマイクロソフトが所有するゲームスタジオのネットワークを考えると、同社が大きなアドバンテージを持っていることは明らかだが、プラットフォームの早期アクセス期間中にアマゾンが何を作り上げることができるかを期待したいところだ。

Amazon Hardware Event

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(翻訳:TechCrunch Japan)

日本マイクロソフトが「Xbox Series S」国内価格を税抜2万9980円に改定

日本マイクロソフトが「Xbox Series S」国内価格を税抜き2万9980円に改定

日本マイクロソフトは9月24日、「Xbox Series S」の日本国内における販売価格の改定を発表した。Xbox Series Sの国内販売価格は、税抜き3万2980円から、税抜き2万9980円となる。「Xbox Series X」は従来通り税抜き4万9980円で変更はない。両製品とも日本での予約受付は9月25日から開始し、全世界で11月10日に発売する。

日本マイクロソフトが「Xbox Series S」国内価格を税抜き2万9980円に改定

なお、9月24日午後9時から配信を行う「Xbox 東京ゲームショウ ショウケース」では、最新ゲームや日本国内パートナー、プレイヤーによるコンテンツ、Xbox関連サービスに関する最新情報を公開予定としている。

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IPO達成のUnity、ゲーム業界を越えた事業拡大を目指す同社の素顔とは

著者紹介:Eric Peckham(エリック・ペックハム)氏はMonetizing Media(マネタイジング・メディア)のニュースレターおよびポッドキャストの制作者で、TechCrunchの元メディアコラムニスト。

Unity Software Inc.(ユニティ・ソフトウェア、以下「ユニティ」)は、S-1上場申請書の提出を終え、ニューヨーク証券取引所に上場した。創業16年になるこのテック企業は、ゲーム業界では知らない者はいないほど有名だが、ゲーム業界以外ではほとんど知られていない。将来、インタラクティブな3Dメディアが、エンタテイメントや消費者向けアプリケーションだけでなく、オフィスや製造業ワークフローにまで広く利用される時代が来る。人類を待つそのような未来において基盤プラットフォームになることをもくろむユニティは、ゲーム業界を超えて業務拡大を図るべく、これまで数億ドル(約数百億円)の資金を注ぎ込んできた。

ユニティによるS-1上場申請書の提出に関する報道の大半は、同社の事業内容を正しく伝えていない。ユニティは誤解されやすい会社だ。まず、(ゲーム)開発者を除くほとんどの人は、ゲームエンジンとは一体何なのかを知らない。また、ユニティには数多くの収益源があることもあまり知られていない。さらに、ユニティと、しばしば競合企業として比較されるEpic Games(エピック・ゲームズ)がビジネス面で競合している領域はごく一部にすぎない。

筆者は昨年、サンフランシスコとコペンハーゲンにいるユニティの経営陣20人以上にインタビューし、業界内の多数の専門家たちにも話を聞いて、同社の創設と現在の高い人気を獲得するまでの経緯を探る詳細な記事を書いた。ユニティの最新の実態について紹介する2回シリーズの第1部となる本記事では、ユニティの事業内容、市場での地位、同社がR&Dの対象として重視している分野、そしてゲーム業界以外でも広く採用されているゲームエンジンが世界を席巻しつつある事実について説明してみたい。

第2部では、ユニティの財務状況を分析するとともに、同社がS-1上場申請書で自社をどのように位置付けて高い評価を獲得したのかを説明し、株価が強気で推移した場合の見通しと、弱気で推移した場合の見通しの両方について考える。

ゲーム業界の住人でユニティをよく知っている人は、今回の同社のS-1上場申請を見て、驚いた点がいくつかあったと思う。Asset Store(アセット・ストア)は上場には程遠い小さな事業だったのでは、と思ったかもしれない。しかし、ユニティは実は、インディーゲーム開発者向けのセルフサービスプラットフォームというよりは、むしろエンタープライズソフトウェア企業といったほうが正しく、広告配信ソリューションが収益の大部分を占めている。

ゲームエンジンとは

ユニティはもともと、ゲームエンジン開発会社だ。ゲームエンジンとはいわば、ゲーム用のAdobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)のようなもので、写真ではなく、ゲームの編集とインタラクティブ3Dコンテンツの作成に使用される。ユーザーはデジタルアセットを(大抵はAutodeskのMayaから)インポートし、各アセットの動作、キャラクター間の相互作用、物理特性、照明や、完全インタラクティブゲームを作成するためのその他さまざまな要素をガイドするロジックを追加する。クリエーターは、最終製品を、ユニティがサポートしている20のプラットフォーム(Apple iOS、Google Android、XboxとPlaystation、Oculus Quest、Microsoft HoloLensなど)のうち1つ以上にエクスポートできる。

この分野では、ユニティは、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)やZynga(ジンガ)などのゲームスタジオやパブリッシャーよりも、むしろAdobe(アドビ)やAutodesk(オートデスク)に近いといえる。

ユニティの事業内容

2014年にJohn Riccitiello(ジョン・リッチティエッロ)氏が共同創業者のDavid Helgason(デイビット・ヘルガソン)氏からCEOの職を引き継いて以来、ユニティはゲームエンジン以外の領域にも業務を拡大し、制作ソリューション(コンテンツ制作用ツール)と運用ソリューション(コンテンツの管理および収益化ツール)の2部門からなる組織編成となった。

制作ソリューション部門(2020年上半期の収益の29%を占める)

  • Unityプラットフォーム:フリーミアムサブスクリプションモデルで運用されるコアゲームエンジン。個人、小規模チーム、学生は無償で利用できるが、有名ゲームスタジオや他業界の企業は有料(料金は、Unity Plus、Unity Pro、およびUnity Enterpriseプレミアムの各プランによって異なる)。
  • エンジン拡張機能:特定の業界およびユースケース向けコアエンジンのツールや拡張機能のポートフォリオは増え続けている。例えば、VR開発用のMARS、BIMアセットと一緒に使用する建築/建設向けのReflect、CADデータインポート用のPixyz、映画バーチャルプロダクション用のCinemachine、アート自動生成用のArtEngineなどがある。
  • プロフェッショナルサービス:ユニティのエンジンやその他の製品を使用している企業ユーザー向けの、ハンズオンの専門コンサルティングサービス。ユニティは4月にFinger Food Studios(フィンガー・フード・スタジオ)を5500万ドル(約57億5000万円)で買収してコンサルティング業務の拡張を図っている。バンクーバーに拠点を置く社員数200人のフィンガー・フード・スタジオは、Unityを使う企業クライアント向けのインタラクティブメディアプロジェクトを構築している。

上記の3つの製品カテゴリの他に、ユニティは、S-1で別のコンテンツ制作サービス一式を「Strategic Partnerships & Other(戦略的パートナーシップなど)」として報告している(収益の9%を占める)。

  • 戦略的パートナーシップ:大手テック企業は、自社のソフトウェアおよびハードウェアとUnityを統合させ、その状態を維持するために、各種料金体系(定額、収益共有、ロイヤルティ)に従ってユニティに料金を支払っている。Unityは最も人気のあるゲーム構築プラットフォームであるため、例えば、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)にとっては、それぞれOculus(オキュラス)やPlay Store(プレイストア)がUnity互換であることが極めて重要となる。
  • Unityアセットストア:アーティストや開発者が、自分のコンテンツで使う、不気味な森などのデジタルアセットや、キャラクターの関節の動きをガイドする物理特性マテリアルなどを売買するユニティのマーケットプレイス。これにより、すべての要素をゼロから設計およびコーディングせずに済む。広く利用されているが、大手のゲームスタジオは、アセットストアのアセットをゲームのアイデアのプロトタイピング目的にのみ使用することが多い。

運用ソリューション部門(2020年上半期の収益の62%を占める)

  • 広告:2014年のApplifier(アプリファイアー)の買収により、ユニティは、モバイルゲーム用のゲーム内広告ネットワークを立ち上げた。このネットワークは、ユニファイド・オークション(ゲームが潜在的な広告主の中から最高入札額を獲得できるようにする売買同時入札オークション)により著しい発展を遂げた。ユニティは現在、世界最大のモバイル広告ネットワークの1つであり、月あたり230億件の広告を配信している。また、ユニティは、広告を出す、アプリ内課金を促す、何もせずに各プレーヤーの生涯価値を最大化する、といった方法の中から最適なものをリアルタイムで査定できる動的な収益化ツールも持っている。開発者はUnity IAP機能を使用してアプリ内課金(IAP)を管理できる。しかし、現時点でユニティはIAP収益の一部を徴収することはしていない。
  • ライブサービス:ゲーム開発者が、ユーザーの獲得、プレーヤーのマッチメイキング、サーバーホスティング、バグの特定などを容易に管理および最適化できるようにするためのクラウドベースソリューションのポートフォリオ。このポートフォリオは主に、Multiplay(クラウドゲームサーバーのホスティングとマッチメイキング)、Vivox(ゲームのプレーヤー同士の音声およびテキストチャットを行うためのクラウドホステッドシステム)、deltaDNA(キャンペーンプレーヤーをセグメント化してエンゲージメント、収益化、リテンションを向上)といった企業を買収することで拡充されてきた。また、AIモデルをトレーニングしてリアルワールドをバーチャルで再生する(またはゲームにバグがないかテストする)Unity Simulateも用意されている。ライブサービス製品は、従量課金制で、契約後一定の使用量に達するまでは無料で利用できる。

Unityと、Unrealなど他ゲームエンジンとの比較

ユニティは、もう1つの主流ゲームエンジンUnreal(アンリアル)の開発元であるエピック・ゲームズとよく比較される。以下に、この2社を特徴づける製品とサービスの概要を示す。ゲームエンジンの切り替えには大きなコストが伴う。というのは、開発者は通常、特定のエンジンに特化して使い続けるため、エンジンを切り替えて習熟するのに数か月はかかる可能性があるからだ。ただし、プロジェクトによって使うエンジンを変更する開発チームもある。既存のゲーム(または他のプロジェクト)を新しいゲームエンジンに移行するのは、広範なリビルドを必要とする大変な作業になる。

エピック・ゲームズ

エピック・ゲームズは、ゲーム開発、Epic Gamesストア、Unreal Engineの3つの主要事業を展開している。エピックゲームズの中核事業は自社ゲームの開発であり、2019年の同社の収益42億ドル(約4400億円)の大半は自社ゲーム(主にFortnite(フォートナイト))の販売によるものだ。Epic Gamesストアは一般ゲーマーがゲームを購入およびダウンロードできる消費者向けマーケットプレイスである。エピック・ゲームズは、Epic Gamesストアでの売上の12.5%をゲーム開発者から手数料として徴収する。

この2つの事業分野で、ユニティとエピック・ゲームズは競合していない。ユニティのIPOに関する報道の大半は、現在繰り広げられているエピック・ゲームズとApple(アップル)間の激しい争いがユニティに絶好の機会を与えたという切り口になっているが、これは見当違いだ。裁判所命令では、アップルが徴収しているフォートナイトのアプリ内課金の30%に相当する手数料を回避しようと試みたエピック・ゲームズに対する報復措置として、Unrealエンジンで開発されたiOSアプリをアップルがApp Storeから排除した行為に対し、排除の差し止めが言い渡された。しかし、ユニティは自社のアプリをApp Storeには一切登録しておらず、ゲーム用の消費者向けストアも持っていない。ユニティのゲームエンジンはiOS用またはAndroid用ゲームの開発者にとってすでにデフォルトの選択肢となっており、彼らにとって既存のゲームのエンジンを切り替えるのは現実的ではない。そのため、エピック・ゲームズがアップルと係争中だからといって、それがユニティにとって新しい市場参入機会となることはないのである。

ここで、UnityとUnrealのエンジンを比較してみよう。

誕生:Unrealは、1998年リリースのゲームUnreal用にエピック・ゲームズが開発した独自エンジンで、他のPCやコンソールスタジオにライセンス供与され人気が高まったことから、エピック社はゲームエンジンを自社の事業として展開することになった。Unityは、当時ゲーム不足のニッチ市場だったMacのゲームを構築するインディー開発者向けのエンジンとして登場し、コアゲーム業界では場違いと思われるような新興市場分野(小規模インディーゲームスタジオ、モバイル開発者、AR/VRゲームなど)に事業を拡大していった。

プログラミング言語:UnrealエンジンはC++プログラミング言語を基本としている。Unity(C#プログラミング言語が必須)に比べて広範なプログラミングが必要となるが、より自由なカスタマイズが可能で、その結果、高パフォーマンスを実現できる。

主要市場:Unrealエンジンは、PCおよびコンソールゲームの開発者たちの間で高い人気を誇っている。基本的には、プロフェッショナルによる大規模な高パフォーマンスプロジェクト志向のゲームエンジンだ。とはいえ、最近は、ARおよびVRの分野でも確固とした地位を築いており、フォートナイトの成功で、コンソール・PC対応ゲームをモバイル端末にも移植できることを証明した。Unityエンジンは、今やゲーム業界最大(かつ最速で成長している)セグメントであるモバイルゲーム市場を席巻している。モバイル市場におけるUnityのシェアは50%を超えており、この市場においてUnrealは一般的な代替エンジンにはなっていない。Unityは、ARおよびVRコンテンツでも60%を超える最大の市場シェアを維持している。

オーサリングの容易さ:どちらのエンジンもまったくの初心者にとっては簡単ではないが、基本的なコーディング能力があり、時間をとっていろいろと試し、チュートリアルも観た人であれば操作はかなり分かりやすい。Unityエンジンは、多額の予算を持つ大手スタジオに過度に集中してしまったゲーム開発を民主化するというミッションのもと、リリース当初から使いやすさを優先しており、オーサリングの容易さを引き続き研究開発の主要テーマに据えている。Unityエンジンが教育環境や、気楽なモバイルゲームを開発している個人または少人数のチームで広く採用されているのもそのせいだ。Unityエンジンでは、エンジンのソースコードを見ることはできるが、編集はできない(編集するにはエンタープライズ向けサブスクリプション料金を支払う必要がある)。おかげで開発者が重大なミスを犯すことはないが、その分、カスタマイズが制限される。Unrealエンジンは、Unityエンジンに比べて劇的に複雑というわけではないが、全体的にUnityよりも多くのコーディングと技術スキルが必要とされる。Unrealエンジンのコードはオープンソースなのでカスタマイズに制限はない。UnrealにはビジュアルなスクリプティングツールBlueprintが備わっているため、一部の開発作業がコードなしで行える。このツールは、複雑で高パフォーマンスなゲームを開発するためのノーコードソリューションではないものの(そのようなソリューションは存在しない)、デザイナーたちに高く評価されており、広く利用されている。ユニティも最近、無料の独自ビジュアルスクリプティングソリューションBoltをリリースした。

料金体系:Unityはフリーミアムサブスクリプションモデルで運用されており、他の製品ポートフォリオも持っているが、Unrealは、ゲームの売上の5%を徴収する収益共有方式で運営されている。両社ともゲーム業界以外の企業との料金設定については別途交渉としており、その内容については公開していない。

独自エンジン

大手ゲーム会社、とりわけPCおよびコンソール対応のゲームを開発している会社は、依然として独自の自社開発ゲームエンジンを使用していることが多い。しかし、独自エンジンを維持するのは大規模かつ継続的な投資となるため、こうした大手ゲーム会社の多くがUnrealまたはUnityのエンジンに切り替えて、より多くのリソースをコンテンツ作成に振り向け、各エンジンに習熟している大規模な人材プールを活用しようとしている。

その他のエンジン

他にも注目すべきゲームエンジンとして、Cocos2D(Chukong Technologies(チューコン・テクノロジー)が開発したオープンソースフレームワークで、中国、日本、韓国のモバイル開発者に強く支持されている)、Crytek(クライテック)のCryEngine(高い視覚的精度を備えた一人称シューティングゲームで人気)、Amazon(アマゾン)のLumberyard(ランバーヤード、CryEngineのソースから構築されたエンジンで、あまり広くは使用されておらず、筆者が話を聞いた開発者や経営幹部からはあまり高く評価されていない)などがある。

YoYo Games(ヨーヨー・ゲームズ)のGameMaker StudioやScirra(シッラ)のConstructはどちらも、プログラミングスキルのないアマチュアのゲーム開発者が簡単な2Dゲームを構築するのによく使用しているエンジンだ(Constructは特に、HTML5ゲームに使用されることが多い)。これらのエンジンのユーザーは、スキルが向上するとUnityまたはUnrealエンジンに乗り換えることが多い。

市場にはニッチなゲームエンジンが今でも多数存在している。各スタジオでそうしたエンジンが必要とされているからだ。また、自社のゲームが商業的に成功しなかった場合や、同じようなゲームを開発しているスタジオが存在するニッチ市場で適切なエンジンが不足している場合には、自社開発のエンジンをライセンス供与することがよくある。とはいえ、業界標準となっているUnityとUnrealという堅牢なエンジンと競合するのは極めて厳しく、ニッチなエンジンを使用する開発者を探し出すのも難しくなっている。

UGCプラットフォーム

例えばRoblox(あるいはManticoreのCoreやフェイスブックのHorizonなどの新規参入組)等、ゲームを制作およびプレイするためのユーザー生成コンテンツ(UGC)プラットフォームは、少なくともしばらくの間はUnityと競合しない。というのは、こうしたプラットフォームは閉じられたエコシステム内でゲームを作成するために極度に単純化されたプラットフォームであり、収益化の機会も本当に限られているからだ。UnityからこうしたUGCプラットフォームに移行するゲーム開発者たちがいるとすれば、それはUnityの無料枠を使用しているゲームマニアくらいだろう。

筆者は、UGCベースのゲームプラットフォームは、次のソーシャルメディアパラダイムの中心として、ゲーム中心型の仮想世界の中にしっかりと根を下ろすだろうという内容の記事をいろいろなところで書いてきた。しかし、ゲーム世界全体の成長とゲームの多様性を考えると、こうしたUGCプラットフォームは、ユニティのエンジンや広告ネットワークまたはクラウド製品を使っている従来型のスタジオの強力なライバルとなることなく、高い人気を維持できるだろう。

ユニティの技術革新における重要プロジェクト

DOTS

この3年間、ユニティは「データ指向テクノロジースタック(DOTS)」の開発を進めており、エンジンを構成する各モジュールを徐々にDOTS対応に変更している。

UnityのエンジンはC#言語で書かれたコードを中心に構成されている。C#は、C++よりも記述の抽象度が少し高いプログラミング言語であるため、学習も容易で時間の節約になる。ただ、このシンプルさには、メモリーを直接操作できないため命令をカスタマイズする自由度が低いという犠牲が伴う。一方、Unrealエンジンの標準であるC++言語は、自由にカスタマイズして高いパフォーマンスを実現できるが、その分、コーディング量もかなり多くなり、技術的なスキルも必要となる。

DOTSはこうしたトレードオフを解消するだけでなく、パフォーマンスの大幅な向上も実現しようとする取り組みだ。今日使用されている人気の高いプログラミング言語の多くは、「オブジェクト指向」言語である。オブジェクト指向のパラダイムでは、モノの特性をグループ化する。例えば、「人間」というタイプのモノには体重と身長が関連付けられるという具合だ。このほうが、人間が問題を考えて解く方法としては簡単だ。Unityは、C#のコードに注釈を付けられる機能を活用して、オブジェクト指向のコードを「データ指向」のコード(コンピューターの動作方法に合わせて最適化されたコード。上記の例でいえば、すべての身長とすべての体重をそれぞれまとめて扱うといった具合)に再コンパイルする方法を理解するための独自のブレイクスルーを達成したという。これにより、低レベル言語が1と0で構成された命令をCPUに伝えるリクエストの処理速度が桁違いに向上する。

これだけ効率が上がると、最先端のグラフィックを使ったかなり複雑なゲームやシミュレーションをGPU対応デバイスで高速実行できる。その一方で、もっとシンプルなゲームではファイルサイズを非常に小さくできるため、廉価モデルのスマートフォン、あるいはスマート冷蔵庫の液晶画面で動作するメッセンジャーアプリ内でも実行できるようになる。

UnityはDOTSをエンジンの各コンポーネントに順次組み込んでいるため、ユーザーはプロジェクトの各コンポーネントでDOTSを使用するかどうかを選択できる。同社のMegacityデモ(下の動画)では、すべての高層アパートのビルに備え付けられたエアコン室外機の回転するファンから、プレーヤーの動きに反応する空飛ぶ車まで、何万というアセットで構成されるSF都市が、DOTSによるリアルタイム・レンダリングで生成されている。

グラフィック

最前線のグラフィックテクノロジーとしては、ゲームやその他のインタラクティブコンテンツを、高速レンダリングで現実と見まがうほどリアルに描画するレイトレーシング(さまざまな表面に光が反射する実際の動作を模倣した照明効果)がある。こうした超リアルな描画はコンテキストによっては今でも実現可能だが、それには極めて高いCPU処理能力が必要となる。このような高度なグラフィック機能の用途として最初に浮かぶのは、映画など、リアルタイムでは描画されないコンテンツだ。以下は、UnityとUnrealそれぞれのレイトレーシング機能を使って作成されたBMWのデモビデオだ。デジタルバージョンだが、実際の車を撮影した動画とほとんど見分けがつかない。


レイトレーシングやその他の最先端のグラフィック機能を実現するため、ユニティは、2018年にHigh Definition Render Pipeline(HDレンダーパイプライン)をリリースした。これにより、GPUデバイス向けのより強力なグラフィックレンダリングが可能となり、コンソールやPCゲームおよび産業シミュレーションなど、ゲーム以外の用途でも高いビジュアルフィデリティを実現できる。(一方、同社のUniversal Render Pipeline(ユニバーサルレンダーパイプライン)は、モバイル端末などのローエンドハードウェア向けコンテンツを最適化する)。

次世代オーサリング

ユニティの研究開発チームは、ARまたはVRのヘッドセットが普及している現状を踏まえ、次世代のオーサリングツールに注力している。それを支えているのが「非技術系のユーザーでもユニティのツールのみを使い、ハンドジェスチャーや音声コマンドで3Dコンテンツを開発できるようになる未来を実現する」という同社のビジョンだ。ユニティは2016年に、このプロジェクトの初期コンセプトを示す動画を公開している(これは筆者が昨年、サンフランシスコのユニティ本社で見たデモ動画に似ている)。

ゲームエンジンが世界を席巻する

UnityとUnrealの両エンジンはすでにゲーム以外の領域でも使用されているため、「ゲームエンジン」という用語自体、広く利用されている現状を正しく表す言葉ではない。両社のエンジンはインタラクティブな3Dエンジンであり、事実上、想像できるあらゆるタイプのデジタルコンテンツに使われている。コアエンジンの用途は、映画のバーチャルプロダクション、自律走行車のトレーニングシミュレーション、自動車販売サイトでの車両のコンフィグレーター、インタラクティブなビルレンダリングなど多岐にわたる。

UnityとUnrealのエンジンは長い間、ゲーム以外の領域でさまざまな用途に利用されてきた。両社はこの5年間、自社のエンジンの用途を他業種に拡大することを最優先課題として事業を展開している。主なターゲットは、(1)建築、エンジニアリング、工事関連、(2)自動車および重工業、(3)映画業界の中企業および大企業だ。

映画やテレビコマーシャルの分野では、ゲームエンジンがバーチャルプロダクションに利用されている。アニメーションやリアルワールドのスキャンなどが(ビデオゲームと同じように)バーチャル環境としてセットアップされ、そこでは、仮想キャラクターとカメラビューを即座に変更できる。人間の俳優はバーチャル環境を背景に撮影され画面に映し出される。ディレクターとVFX制作チームは、最高のシーンが撮れるまで背景や時刻をリアルタイムで自由に変更できる。

Unityエンジンの商業利用は広範囲に及ぶ。CAD、BIM、その他の形式でアセットをインポートできる上、世界全体を構築しリアルタイムで変更をシミュレートできるからだ。エンタテイメント分野以外の主な利用分野として次の4つがある。

  1. デザインとプランニング:自社製品のインタラクティブ3Dモデルを世界中のオフィスから同時に(VR、AR、または画面で)操作し、材質、価格設定などの各コンポーネントにメタデータを添付できる。香港国際空港では、Unityエンジンを使用して、IoTデータに接続された各ターミナルのデジタルツインを作成し、乗客の移動やメンテナンス関連の問題などをリアルタイムで各ターミナルに通知できるようにしている。
  2. トレーニング、セールス、マーケティング:インタラクティブ3Dコンテンツを使用して、スタッフや顧客が以下を実行できるようにする。(a)工業製品の写真のようにリアルなレンダリング、(b)危険の多い製造現場に備えるためのVRトレーニング、(c)カスタムのデザインをリアルタイムで実行できるオンラインの自動車コンフィグレーター、(d)プロジェクト内のすべてのアセットにメタデータを設定し、操作に反応したり、ライトを変更したりできる、新しいオフィススペースの設計プラン。
  3. シミュレーション:リアルワールド環境をバーチャルで再現して(サンフランシスコの自律走行車の例など)、機械学習アルゴリズム用のトレーニングデータを生成し、各バッチで何千というインスタンスを実行する。グーグル傘下のDeepMind(ディープマインド)もUnity Simulationの顧客だ。また、ユニティとLGは、自律走行車向けのシミュレーションモジュールの開発で提携している。
  4. マンマシンインターフェイス(インタラクティブ画面):車載情報システム用のインタラクティブディスプレイやAR用ヘッドアップディスプレイを制作。2018年にユニティが電気自動車スタートアップBytonとコラボレーションを実施した際に紹介された

ゲーム業界を越えて事業を拡大するユニティの野心は最終的に、日常生活のあらゆる場面に関連してくる。フェイスブックのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、2015年にユニティ買収の意向を示した内部メモで、「VRとARは、モバイル後の次世代の主要コンピューティングプラットフォームとなるだろう」と書いている。Unityは現在、VR/ARコンテンツの開発と各種オペレーティングシステムおよびデバイスへの配信の主要プラットフォームとして確固たる地位を築いている。ザッカーバーグ氏は、Unityを「アバター/コンテンツのマーケットプレイスおよびアプリ配信ストア」などのミックスドリアリティ(複合現実)エコシステムで「重要プラットフォームサービス」を構築するための自然なプラットフォームと考えていたようだ。

ミックスドリアリティがメインのデジタル媒体となる時代へと向かう中、Unityがあらゆるミックスドリアリティアプリケーションを構築するための主要プラットフォームとしての地位を保ち続けるなら、ユニティは世界で最も重要なテック企業の1つとして注目を浴びることになる。業種を越えてあらゆる企業がアプリケーション構築の際に同社のエンジンの利用を検討するだろう。そうなれば、TAM(獲得可能な最大の市場規模)と収益化の潜在的能力は現在よりもはるかに高くなる。その利用範囲は、ザッカーバーグ氏の言うとおり、各種アプリに共通する消費者向け機能(認証、アプリ配信、決済など)にまで拡大する可能性がある。現に、その広告製品は利用範囲が拡張され、Unityで構築されたアプリ内のAR広告にまで利用されるようになっている。これが定着すれば、ユニティはAR時代で最大の広告ネットワークとなるだろう。

しかし、こうした壮大な構想の実現にはいくつもの課題をクリアする必要がある。第一に、ゲーム業界を越えた同社の事業拡大は、十分なトラクション(推進力を得るために十分な数の顧客数)を獲得するにはまだ時期尚早であり、顧客は一般にコンサルティングによる十分なサポートを必要とする。過去数年のユニティ関連の記事を読めば分かるが、取り上げられているゲーム業界以外の使用事例はどの記事でもほとんど同じであることに気づくだろう。つまり、大企業での導入事例はまだまだ少ないということだ。ユニティの知名度はまだ低く、そのエンジンでできることの市場での認知度を高めようとしている段階だ。同社の価値の将来性を示す証拠はいくらでもあるが、市場への浸透度はまだ不足している。

第ニに、「モバイル後の次世代の主要コンピューティングプラットフォーム」としてのAR時代の到来は優に10年は先の話だ。その間、既存の、そしてこれから出現するテック大手企業が、AR技術のさまざまな側面、オーサリング、サービススタックなどでその地位を高めてくるだろう。アップル、フェイスブック、グーグル、マイクロソフトは今でこそユニティと協力関係にあるが、いずれARにフォーカスした自社製エンジンでユニティと競合関係になる可能性がある(これら大手4社のいずれかがユニティ買収の動きに出れば、4社間でのユニティの中立的地位が失われることになるため、他社もほぼ間違いなく買収に名乗りを上げるだろう)。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Unity ゲームエンジン

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(翻訳:Dragonfly)

モバイルゲーム開発のPlaycoは設立後すぐユニコーンに、本田圭佑氏や孫泰蔵氏などが105億円出資

PlaycoGame Closure(未訳記事)共同創業者のMichael Carter(マイケル・カーター)氏、Zynga共同創業者のJustin Waldron(ジャスティン・ウォルドロン)氏、ゲームプロデューサーの大塚剛司氏とTeddy Cross(テディ・クロス)氏によって設立された新たなモバイルゲーミングスタートアップだ。

東京に本社を置く同社は米国時間9月21日にその存在を発表したばかりだが、すでにユニコーンだ。シリーズAラウンドで1億ドル(約105億円)を調達し、バリュエーションは「10億ドル(約1050億円)ちょっと」という。

シリーズAはJosh BuckleyとSequoia Capitalがリードし、Sozo Ventures、Raymond Tonsing(レイモンド・トンシング)氏のCaffeinated Capital、本田圭佑氏のKSK Angel Fund、孫泰蔵氏のMistletoe Singapore、Digital Garage、Will Smith(ウィル・スミス)氏のDreamers、Makers Fundなどが参加した。

PlaycoのCEOであるカーター氏は、同社が年内にゲーム第1弾を発表すると述べている。差し当たって同氏はPlaycoのビジョンを語る。それは「アプリストアで1つのゲームを2人で利用するのはかなり難しい」という事実を解決しようとしている、というものだ。特に、リンクだけが必要だったウェブやソーシャルゲーミングの初期に比べると、結局、アプリのダウンロードはかなり大きな障壁となっているという。

「我々はそれを取り戻したい」とカーター氏は話した。Playcoのタイトルでは、モバイルゲームを友達とシェアして遊んだりすることは、友達にテキストしたり電話したりするのと同じくらシンプルであるべきだと考えている。「本当に必要なのはハイパーリンクだけだ」。

クラウドゲーミング、HTML5 、Apple(アップル)の新たなApp Clipsのようなプラットフォーム特有のツールなど、モバイルでの「すぐにプレイ」経験を可能にするいくつかのテクノロジーを同氏は指摘した。そしてPlaycoのチームは「こうした最先端の技術を得意とする」と話した。同社は自前のゲームエンジンを作ったが、テクノロジーだけにフォーカスしているわけではないとも述べた。「それは最低限必要なものにすぎない」。

Playcoのプレジデントであるウォルドロン氏はゲームにおける次の大きなプラットフォームシフトになる、と主張する。ソーシャルゲーミングが新たなタイプのゲームを可能にしたように、完全に新しいジャンルを作る一方で、「今日最も人気があるジャンルの多くを新たに作り直す」必要があると語る。

「FarmVilleを例にとると、ローカルのコンソールゲームストアで広告されている農場がテーマのゲームはなかった」とウォルドロン氏は話した。「そうしたゲームはさほど売り込まない。農場ゲームのポスターを掲げても、誰もプレイしたいとは思わない」。しかし友達がデジタルの作物を送ってあなたを招待したら、あなたは絶対にプレイしたくなる。

カーター氏はインスタントプレイゲームはまた、ゲームそのものが少なくとも初見でかなりわかりやすいものでなければならない、と付け加えた。

「究極的には、ポートフォリオを構築するなかで、どうやったらさまざまな場所、都市に住み、さまざまな言語を話すあらゆる人にとってアクセスしやすいゲームにできるかを考えている」と同氏は述べた。「答えはこうだ。広くアピールするものでなければならない。これは、割合におもしろくてそれなりの機能を持つゲームを作ることはできない、ということにはならない。しかし最初の印象は、人々が簡単に取っ付けるようなものでなければならない」。

カーター氏はまた、スタートアップがシリーズAで巨額の資金を調達するのは尋常ではないことも認識しているが、資金調達により野心的であることでPlaycoはすぐに総勢75人のチームに成長することができたと述べた。

「才能ある人材を連れてくることが最も重要だ。資金調達のおかげで、本当に難しい決定を下す必要はなかった」と語った。

ゲームでどのように稼ぐかに関しては、Playcoは既存のビジネスモデルの多くを参考にする、との考えをウォルドロン氏は示した。

「車輪を再発明する必要はない。自身の直近の会社から学べることは素晴らしいものになる。我々はゲームが収益を上げられるよう多くの方法を作り出した。しかし現在利用できる新たなテクノロジーは新たなチャンスを生み出す。世界は大きく変わり、すべてが追いついたとは思わない」と同氏は話した。

カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Playco 資金調達

画像クレジット:Playco

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(翻訳:Mizoguchi

マイクロソフトがBethesda親会社を買収、Elder ScrollsやFalloutなどがクラウドゲーミングサービスへ

米国時間9月21日朝、マイクロソフトは現金75億ドル(約7840億円)でZeniMax Media(ゼニマックス・メディア)を買収する計画を発表(マイクロソフトプレスリリース)した。このゲーム持株会社は、Bethesesda Game Studios(ベセスダ・ゲーム・スタジオ)、id Software(イド・ソフトウェア)、ZeniMax Online Studios(ゼニマックス・オンライン・スタジオ)、Arkane(アーカネ)、MachineGames(マシンゲームス)、Tango Gameworks(タンゴ・ゲームワークス)、Alpha Dog(アルファ・ドッグ)、Roundhouse Studios(ラウンドハウス・スタジオ)などの著名なパブリッシャーの親会社だ。

この契約が承認されれば、The Elder Scrolls(エルダー・スクロールズ)、Doom(ドゥーム)、Fallout(フォールアウト)、Quake(クエイク)、Wolfenstein(ウルフェンシュタイン)、Dishonored(ディスオナード)、Prey(プレイ)、Starfield(スターフィールド)など、業界で最も注目されているタイトルのいくつかがマイクロソフトの傘下に入ることになる。

Xboxの責任者を務めるPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏はこのニュースを発表するブログで「彼らの素晴らしい作品はすべて、もちろん継続して成長していくでしょうし、マイクロソフトのリソースとサポートで彼らに力を与え、創造的なビジョンをより多くのプレイヤーに新しい方法で提供できるようにすることを楽しみにしています」と投稿している。

BethesdaのSVP(シニアバイスプレジデント)であるPete Hines(ピート・ハインズ)氏は、この買収についてパブリッシャー自身のブログで「Bethesda Softworksが最初に設立されてから34年間、世界、業界、そして当社は大きく変わりました。本日、それは再び変化しました。そして、この決定に疑問を投げかけてくるのはわかっています。しかし重要なのは、私たちは今でもBethesdaであるということです。昨日と同じように、何年も一緒に仕事をしてきたスタジオによって作られたゲームに取り組んでおり、それらのゲームは私たちによってリリースされます」と述べている。

今後数カ月の間にXboxとPlayStationの双方の新機種が予定されているため、このような契約の締結はタイトルの独占性の面でマイクロソフトを重要な位置に置くことができる。このような動きが最終的にThe Elder ScrollsやDoomのような大作が競合するシステムでどのような影響を与えるかについては、まだ議論されていない。

BethesdaのエグゼクティブプロデューサーであるTodd Howard(トッド・ハワード)氏は自身の投稿で、このような取引が実際にパブリッシャーのタイトルへのアクセス性を高めることになるとし、「我々の元々のパートナーシップと同様、今回の取引は1つのシステムや1つの画面以上のものです。私たちは、ゲームが持つ基本的な力、つながりを持ち、力を与え、喜びをもたらす能力に対する深い信念を共有しています。そして、それをすべての人に届けるべきだという信念を共有しています。画面の大きさ、コントローラー、あるいはコントローラーを使用する能力に関係なく、すべての人にそれをもたらすべきだと考えています」と説明している。

この動きにより、マイクロソフトのポートフォリオは15のスタジオチームから23のスタジオチームに拡大される。また、BethesesdaのタイトルがXbox Game Passに登録されることになり、現在マイクロソフトのゲームの未来を担う重要な要素と位置づけられているクラウドゲーミングサービスにとっては大きな勝利となるだろう。近日発売予定の「Starfield」のようなBethesdaのタイトルは、発売日にゲームパスの一部として利用できるようになる。また、マイクロソフトは今朝、同サービスの加入者数が1500万人を突破したことにも言及しており、これは4月に報告した1000万人から500万人も増加している。

2014年、Id Softwareの共同創立者であったJohn Carmack(ジョン・カーマック)氏がOculusに移籍したことを受けて、ZenimaxはFacebookを提訴(未訳記事)。この訴訟では、企業秘密の盗用を主張し、40億ドル(約4180億円)の損害賠償を求めていた。裁判所は、著作権侵害と契約違反についてはZenimaxを支持したが、企業秘密については支持しなかった。当事者は法廷外で和解(Variety記事)したという過去がある。

画像クレジット:Christian Petersen / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

インドのモバイルゲームプラットフォームMobile Premier Leagueが94億円を調達

インド・バンガロールを拠点とする、創業2年のMobile Premier League(MPL)が、eスポーツとモバイルゲームプラットフォームが急成長を示し、インド国外への拡大を目指す中で、9000万ドル(約93億9000万円)を新しい資金調達ラウンドで調達した。

SIG、アーリーステージテクノロジー投資家RTP Global、MDI Venturesが、MPLの9000万ドル(約93億9000万円)のシリーズCラウンドを主導し、既存投資家であるSequoia India、Go-Ventures、Base Partnersがラウンドに加わった。Times Internetと俳優のSalman Khan(サルマン・カーン)氏も、MPLの初期投資家だ。

今回の新しい投資によりMPLの調達総額は、1億3050万ドル(約136億1000万円)となった。この件に精通している人によれば、同社は3億7500万ドル(約391億2000万円)から4億ドル(約417億2000万円)の事前評価を受けていたという。

MPL は、さまざまなトーナメントをホストする、専業ゲームプラットフォームを運営している。ユーザー数が6000万人を超えるこのアプリは、他のゲーム会社のための公開プラットフォームとしても機能している。自分自身ではゲームを開発していないMPLは、現在アプリ上で、複数のスポーツにわたる約70種類のゲームをホストしている。

強奪だ!悪党どもだ!他の奴らを打倒してゲームに勝つことはできるか?インド発マルチプレイヤーシューティングゲームのRogue Heistが、MPLで間もなく登場!ちょっとばかり予告編を)

同社はまた、最近インドの多くの地域で流行り始めている(未訳記事)ファンタジースポーツ(実在のスポーツ選手の統計データを基にユーザーが仮想チームを組んで仮想対戦を行うゲーム)も提供している。

ファンタジースポーツはビジネスの一部に過ぎないものの、現実世界の試合のほとんどを中止させた新型コロナウイルスの流行は、ここ数カ月のスタートアップの成長を妨げたりはしていない。スタートアップは今年の3月以来それが4倍に成長したと主張し、20億回以上の現金取引がこれまでにアプリ上で記録されたという。

「私たちは、はるかに資金力のある百戦錬磨の10年選手の企業たちと戦っていますが、私たちの若いチームがここ数年間に達成したことは驚くべきことです。数年前Google Playストアに参加したとき、MPLはその時点でインドで最速で100万DAU(1日に利用したユーザー数)に到達したアプリでした」と同社のマーケティング担当上級副社長のAbhishek Madhavan(アビシェク・マダヴァン)氏はツイートした。

「私たちはまだ設立3カ月だったときに、Virat Kohli(ヴィラット・コーリ)選手と契約しました!私たちがPlayストアから退出したときには、成長を続けるのは非常に難しく、すべてのマーケティング指標が下降するだろうと言われました」。

MPLの共同創業者でCEOのSai Srinivas(サイ・スリニバス)氏は、TechCrunchの取材に対して、今回の新しい資金調達ラウンドでは、eスポーツの勢いが続き、eコマースの重要な機会が見え始めていることを確認できたと語った。

「eスポーツは、クリケットよりもはるか先にオリンピックに採用されると思います。そしてeスポーツの市場価値は、おそらく今後10年間で、すべてのフィジカルスポーツを合わせた市場価値を超えるでしょう」と同氏。

「現在のような困難な環境でも、ユーザーにさまざまな体験と社会的相互作用を提供している、プラットフォームコンセプトの成功とアクセシビリティに感銘を受けています。MPLの実績がそれを物語っていますので、チームの成長と拡大に合わせてサポートできることを嬉しく思っています」と声明で語るのはRTP GlobalのマネージングパートナーであるGalina Chifina(ガリーナ・チフィーナ)氏だ。

しかし、MPLがその一部でファンタジースポーツを扱うために、そのアプリはPlayストアでは入手できない。Playストアでは、オンラインカジノやその他の賭け事が禁止されているからだ。これはグーグルが先週、インドの金融サービスプラットフォームPaytmをアプリストアから8時間で削除した際に、繰り返し述べたガイドラインに基いている。スリニバス氏はグーグルとPaytmのエピソードに関するコメントは拒んだ。

同社は今後数カ月のうちに、インド国外に拡大する計画だとスリニバス氏は語った。彼は進出を狙う新しい市場の名をはっきりとは挙げなかったが、インドの隣国諸国ならびに日本と韓国がおそらくその一部になることは示唆した。

そのほか、ゲームカタログを拡大して、現在MPLにライセンスを販売、レベニューシェアを行ったりしているサードパーティの開発者に、より多くのマーケティングサポートを提供することを計画している。

画像クレジット:Mobile Premier League

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(翻訳:sako)

FaZe Clanがeスポーツの世界をリードし続ける理由

eスポーツの世界は急速に進化しており、それを牽引しているプロの組織も同様に進化している。FaZe Clanは世界で最も人気のある組織の1つだ。TechCrunch Disrupt 2020では、FaZe Clan(フェイズ・クラン)のCEOであるLee Trink(リー・トリンク)氏、投資家のTroy Carter(トロイ・カーター)氏、ユーチューバーやTwitchストリーマのNICKMERCS(ニックマークス)として知られるNick Kolcheff(ニック・コルケフ)氏に、変化する業界の状況について話を聞いた。モデレーターは、TechCrunchマネージング・エディターのJordan Crook(ジョーダン・クルック)が務めた。

投資家のカーター氏はまず、FaZe Clanへ興味を持った動機を「この投資プロセスは、通常とはまったく異なっていました。というのも、当時14歳だった息子に、私がFaZe Clanに投資することについてどう思うかを尋ねたところ、彼はとてもはしゃしだのです」と語った。

ベテランのストリーマーであるコルケフ氏には「彼の働く動機と、どのようにして制作を続けているのか」について聞いた。「私はもう10年ストリーマーをやっているので、今では日常です。長いストリームのあとは何日か寝てしまいます。私の心はとても鍛えられていて24時間年中無休で働いていますが、それがあなたの日課となり、あなたの人生となり、それが私にとってのものだと思っています」と語ってくれた。

コルケフ氏は、責任を持って行動するストリーマーの責任と、影響力が急速に拡大している若いストリーマーが直面する課題にも触れた。「多くの子供たちはインターネット上で急速に成長し、4〜5人の視聴者から数百〜数千人の視聴者を持つようなったときに、彼らはもっと注意しなければなりません」。

コルケフ氏にのNICKMERCSチャンネルは、Twitchのフォロワー数430万人、YouTubeの購読者280万人以上と、プラットフォーム全体でかなりのフォロワー数を獲得している、彼はプロとして競争をしながら、どのようにしてフォロワーを維持しているかについても話している。

「私にとってFaZeに参加することの最大の利点は、日々のストリームやYouTubeなどですべてのことで忙しいことだと思う」とコルケフ氏。「ほかの多くの団体は、配信作業に時間を割くよりも映像にもっと多くの内容を載せることを考えてきます。それはそれで間違いではないが、私の場合は映像にはもう十分な内容があるので、私がやっていることをサポートしてくれる人が必要なのです」と語る。

CEOのトリンク氏は、以前FaZe Clanに所属していたFortnite(フォートナイト)を得意とするeスポーツ選手であるTfue(ティーフェ)との最近の和解についても、15カ月の法廷論争の後で語っている。インタビューでは「スポンサー契約を結び、選手たちが契約に満足できるようにしたいと考えている」ことについても話した。

「この業界は非常に速いペースで動いているので、我々は継続して契約の見直しを行っています。契約には何が含まれているのか、何が権利なのか、何が義務なのかを監査し、年に数回見直しを行いますが、契約満了が伴う機会もあります。私たちは新しいことをしていますが、それは正しいことなのかはまだまだわかりません」と同氏。

トリンク氏は「業界は急速に進歩しており『完璧なものを手に入れる』ことは容易ではない」と語る。

「FaZe Clanと業界に対する私の哲学は1年前とは違っていて、半年前とも違っている」とトリンク氏。「我々は本当にドックイヤーのように生きているのです。私がCEOになってちょうど2年、私にとっては10年のような気がします」と締めくくった。

画像クレジット:PressFocus/MB Media / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Checkout.comは個人・企業向けネット決済のStripeと何が違うのか?

Checkout.comは長年知名度が低いままだったが、同社はこの1年で3億8000万ドル(約400億円)を調達(未訳記事)し、55億ドル(約5750億円)という驚異的な評価額に達した。同社は、取引の受け入れ、処理、不正行為の検出など、支払いに関連するすべてのことをワンストップで行えるショップを構築したい考えている。

同社の事業は、個人向けの決済プラットフォームであるStripe(ストライプ)に少し似ていると思うかもしれない。TechCrunch Disruptのインタビューで、Checkout.comの創業者兼CEOであるGuillaume Pousaz(ギヨーム・ポサーズ)氏に、Stripeやオランダ拠点のAdyen(アディエン)、そのほかの決済分野の企業と何が違うのかを尋ねた。すると、製品と市場へのアプローチに関しては、非常に異なる哲学に起因していることがわかった。

ポサーズ氏はまず「私たちはエンタープライズのみを扱っています。私たちは大手企業としか仕事をしていません。いくつかの例外はありますが、ほとんどが大手のみで、純粋にオンラインです」と説明する。

「私はかつて、StripeのCEOであるPatrick Collison(パトリック・コリソン)に会い、彼と冗談を言ったことがあります。私は『あなたは100万人の利用者を抱えているかもしれない。私は1200人の利用者を抱えていて、一人一人の名前を知っているし、彼らはみな毎年何千万ドルもの処理をしている』と言いました。だから、これは違うビジネスだと思います」とインタビューの後半で付け加えた。

Checkout.comは現在、銀行口座に大金を蓄えているが、そのレベルに到達するまでには長くてゆっくりとした道のりだった。同社は何年も前から存在しており、2012年には黒字化を達成。長年にわたって非常に慎重に運営してきたのだ。

会社の初期の頃の話をするとポサーズ氏は「チームは本当にゆっくりと成長していました」と振り返った。「今月1人の従業員を雇えますが、2人の従業員を雇うこともできます」と続ける。

現在でも同社は、可能な限りスリムな状態を維持しようとしている。「これは本当に規律の問題です。これらの企業はみな多額の資金を調達し、多額の資金を使います。私はこのモデルは正しいと思っています。私たちにとって、その規律と倹約を会社の運営に組み込むことは重要なことなのです」とポサーズ氏。

「資金を使っても問題ありません。ただ、資金を使うときには、それが賢明であることを確認しましょう。数打ちゃ当たるわけではありまえん。残念なことに、これはテクノロジー企業で多く見られるのです」と続ける。

Checkout.comが自社製品に投資しているのはそのためだ。同社の3分の2近くのスタッフが製品、IT、エンジニアリングに従事している。営業部門で働いているのはわずか13%で、これは競合他社と比べてもかなり少ない。

しかしなぜ同社は当時、何億ドルもの資金を調達できたのだろうか?「ある時点では検証が必要です。そして、その検証は私たちにとって本当に重要でした。Insight、DST、Coatue、GIC、Blossomがあれば、次元が変わります」とポサーズ氏は語る。

Checkout.comは各国の規制について、ブラジル、英国、フランス(不測の事態に備えて)、香港、シンガポールなどでライセンスを取得している。現在、日本など他の主要市場でもライセンスの取得を進めており、このプロセスは今後も続行される予定だ。

「規制当局は審査を非常に徹底している。あなたはいい人だから合格するのではなく、正しいプロセスを持っているから合格するのです」と同氏。

私はその考えに異議を唱え、Wirecardの破綻に言及したところ、同氏は「WirecardとCheckout.comは明らかに今は違う立場にいる」と考えていると述べた。

「私のお金はすべてJPモルガンに預けられている、それは非常に単純なことだ。フィリピンには銀行口座もないし、おかしなことになっている」とポサーズ氏。「Wirecardの話はとても大きいので、本当の問題を知るには監査人に質問するしかありせん。なぜなら、私が担当している監査法人(PwC)は、私に銀行取引明細書とすべてを見せるように要求します。調査は非常に徹底しており、非常に長いプロセスです」と説明した。「Wirecardがなぜ破綻しかかって?それはわからない」と彼は付け加えた。
画像クレジット:Daniel Acker / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

3Dゲームエンジン開発のUnityがIPO、正式な取引初日に株価が31%以上も上昇

ビデオゲームで稼ぐことはできないと言っていた人は、明らかにUnity Softwareの株価を見ていない。

正式な取引初日、同社の株価は31%以上も上昇した。1株当たり75ドルで始まり、68.35ドルで取引を終えた。Unityの株価上昇は、昨夜同社の株価が1株当たり52ドル(Business Wire記事)と、44ドルから48ドルのレンジ(未訳記事)を大きく上回り、それ自体が同社の当初の目標を上方修正したあとに来た。

「Pokémon GO」や「Iron Man VR」のようなゲームはUnityのソフトウェア開発環境に依存しており、同社のツールキットをサポートに使用しているほかの多くのモバイルゲームアプリケーションも同様だ。同社の顧客は、小規模なゲームパブリッシャーから、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)、Niantic(ナイアンティック)、Ubisoft(ユービーアイソフト)、Tencent(テンセントなどの大手ゲーム会社まで多岐にわたる。

UnityのIPOは、クラウドベースのビッグデータ分析会社のSumo Logic、データ特化型クラウドサービスのSnowflake、パッケージリポジトリのJfrogなどの評判のいいデビューIPOに続くものとなった。TechCrunchは米国時間9月18日の株取引の時間外にUnityのCFOであるKim Jabal(キム・ジャバル)氏に取材し、取引について少し掘り下げた。

同氏によると、機関投資家向けの会社説明会であるロードショーをZoomで開催したことに利点があるという。彼女のチームは1日に1つの地域に集中して業務に取り組む必要がないため、Unityでは特定の火曜日の朝、ボストンやシカゴで誰が暇だったかではなく、会社が会いたがっている人に基づいて時間を 「最適化」 できる。

ロードショーが対面ではなくデジタル形式でうまくいっていると聞いたのはジャバル氏が最初ではない。もし旧式のロードショーがこれからも生き残れば私たちは驚くが、民間のプライベートジェット会社は将来的にはビジネスを失うだろう。

取引自体についてジャバル氏は、従業員、価値、そして従業員が持つ同じ価値感について強調した。SECへの提出書類によると、UnityのIPOのユニークな点は現従業員と元従業員は「現執行役・現取締役」を除き、初日に所有株式の15%を売りに出せたことだ。

この行為は同社株への投資家の熱意を削ぐものではなく、むしろ早期の株価上昇に貢献した。結果、需給曲線の両サイドがより早く会社の真の価値に近づくことを可能にしたようだ。

UnityのIPO価格設定について同氏は、「データ駆動型のプロセス」と呼ぶものについて議論した。そのプロセスを採用した結果、IPO価格は上昇幅を超え、取引初日に上昇したが50%以下だった。これはIPOで期待以上のいい結果だ。

最後にSaaSオタクの方に向けてひと言。米証券取引委員会の言葉を借りれば、Unityの「ドルベースの純増率」は2020年に「非常に良好」から「優秀」になったという。

既存顧客の収益の拡大率を測定する「ドルベースの純拡大率」は、引き続き12カ月間の既存顧客の収益の拡大率を測定し、2018年12月31日時点の124%から2019年12月31日時点の133%、2019年6月30日時点の129%から2020年6月30日時点の142%へと成長し、この戦略の力を実証している。

私たちは聞かざるを得なかった。そしてその答えは「同社のプラットフォームの強さと、顧客がどのように時間をかけてUnityのサービスをより多く利用する傾向があるかの組み合わせであり、それは顧客とともに成長している」と同氏は説明する。2つ目のカギとなる要素は「ゲームを中心とした利用の増加」によってUnityに「追い風」を与えた2020年特有の状況だったという。

2019年と比較した2020年の自身のゲームレベルを見るとその差は明らかだ。

 

この記事で今週のIPO関連の話題は終了だ。次はPalantir、そしてAsanaが控えている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアは9月18日、任天堂の協力のもとNintendo Switchソフト「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」(Fit Boxing 2、国内版)および「Fitness Boxing 2 : Rhythm & Exercise」(海外版 発売元:任天堂)を12月3日に発売すると発表した。価格は税別5800円。全世界累計出荷販売本数が100万本突破したエクササイズゲーム「Fit Boxing」の最新作にあたり、トレーニングコースおよび楽曲が刷新、新機能や新インストラクターが追加されている。

Fit Boxing 2は前作からエクササイズメニューや楽曲を一新。ゲームスコアに応じてエクササイズ中の背景が変化する新要素「Zone」など演出面を強化し、さらに楽しくエクササイズに取り組めるようにしている。エクササイズの目的や時間を設定して毎日取り組むデイリーモードでは、その日の気分や体調に合わせて「いつも通り/軽め/重め」が選択できるようになったほか、2名同時プレイも可能。

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

また、プレイ実績に応じて解放され、目的達成をサポートするアチーブメント機能やプレイ時間を知らせてくれるアラーム機能、苦手なアクションを外せる仕組みなど、続けやすくなる仕組みが充実。前作のプレイ記録も引き継げる。

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

前作のインストラクターに加えて、3名のインストラクターが新たに追加された(CVは釘宮理恵、鬼頭明里、石田彰)。豪華声優陣がボイスを担当する計9名のインストラクターが、アクションのポイントを指導してくれたり、時には喝を入れたりするという。

前作Fit Boxingは、Nintendo Switch初のエクササイズゲームとして2018年12月に発売以降継続的に販売を伸ばし、2020年9月に全世界累計出荷販売本数100万本を突破。食事管理アプリ「あすけん」と連携し、食事管理をしながら「Fit Boxing」を30日以上プレイした方の減量効果の統計発表や、基本フォームを身につけるためのプロインストラクターによるレクチャー動画の発信など、利用者に「Fit Boxing」をよりよく活用して頂けるような発信も継続的に展開している。

「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」: ©Imagineer Co., Ltd.

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PlayStation 5は5.5万円で9月18日に予約受付開始、11月12日に待望の発売

リアルなイベントがまだ可能なら、今ごろはPlayStation 5についてもっと多くを知ることができるだろう。でもテクノロジー企業は今やイベントのスケジュールを自分で勝手に決められるから、ソニー)やマイクロソフトxはもっとゆるやかなスケジュールで自分のニュースを小出しにしている。その先陣を切ったマイクロソフトは、思い切った価格2種類の新発売機種、そして代金の分割支払制度(未訳記事)を打ち出した。

そして今度はソニーの番だ。米国時間9月16日のビッグイベントは、同社の次世代コンソールに関する未知の疑問にやや答えている。同社は最も重要な情報を、ぎりぎりまで発表しなかった。PS5は11月12日に日本では5万4978円(税別4万9980円)で発売される。光学式ドライブのないデジタルエディションの4万3978円(税別3万9980円)だ。販売店などの詳細はソニー公式ストアで順次告知される。

その日このコンソールが手に入るのは、北米地区と日本、オーストラリア、ニュージーランド、そして韓国だ。そのほかは1週間後の11月19日になる。この価格なら、PS5は新しいXboxと互角に競争できる。後者のSeries Xは同じ価格で、ローエンドのSeries Sは299ドル(約3万1500円)だ。マイクロソフトのコンソールはソニーより2日前の発売だから、この戦いは面白くなりそうだ。

ソニーのほうの価格はここ数カ月間、多くの人々の気持ちをヤキモキさせた。しかし、最初に石を投げたのがマイクロソフトでもPS5もすぐに追随する。マイクロソフトのゲーム部門にとっては気になることが多い。中でも価格は、意思決定の重要な要素だ。新型コロナウイルスの感染蔓延よる引きこもり需要でゲームへの支出は急増しているが、経済の低迷がいつまで続くかわからない状況では、高価な買い物をためらう人も多い。

このバーチャルイベントでも、主役はやはりPS5と同時に発売されるゲームのトレーラーやゲームプレイのデモだった。最初にキックオフしたのはFinal Fantasy XVIや、ビジュアル的には最高のSpider-Man: Miles Moralesなど大手フランチャイズのヒット作。後者は、橋の上の戦闘が真に迫っている。

この拡張版スパイダーマンは、PS5の発売と同じく今年のホリデーシーズンを狙っている。Call of Duty: Black Ops Cold Warもそうだ。こちらはトレーラーが新しくて、ラジコン車のアクションもある。

前から噂されていたハリー・ポッターのRPGは、やっと名前が決まって公式のトレーラーも出た。Hogwarts Legacy(ホグワーツ・レガシー)と呼ばれるタイトルは、 Wizarding World(魔法ワールド)の中の英雄譚のようだ。発売は2021年になる。

これは何だ?ノンフランチャイズのゲームか?。そう、それはBethesda(ベゼスダ)のDeathloopだ。時間がループするアドベンチャーゲームで、2021年半ばにリリースされる。人気バイオハザード氏リースの「バイオハザード ヴィレッジ」、英語タイトル名はResident Evil: Village(レジデント・イビル:ビレッジ)は不気味さでは合格のトレーラーだ。おそらく、トレーラーを見てわかることよりも、わからなくなることが多い。こちらも2021年の発売だ。

そのほかのタイトルは、Devil May Cry 5(デビルメイクライ5)のSpecial Edition、Oddworld: Soulstorm、そしてDemon Soulsのリマスターだ。そしてFortniteも、PS5の発売と同時に登場する。

画像クレジット: ソニー

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

インドのファンタジースポーツアプリ「Dream11」の親会社が230億円超を調達、クリケットトーナメントのメインスポンサーに

ファンタジースポーツアプリ「Dream11」の親会社であるインド・ムンバイに本社を置くDream Sportsは、世界第2位のインターネット市場でもあるクリケット好きの国で「エンドツーエンドのスポーツテック企業」と呼ばれている。同社は新たな資金調達ラウンドで2億2500万ドル(約237億円)を調達した。

今回のラウンドではTiger Global Management、TPG Tech Adjacencies(TTAD)、ChrysCapital、Footpath Venturesが、一次、二次の投資を通じて総額2億2500万ドルの資金を提供したことを、設立12年目のDream Sportsは明らかにしている。

今回の新たなラウンドによって「Dream Sportsの価値は25億ドル(約2638億円)以上になる」と情報筋はTechCrunchに語った。Dream11はこれまでに約3億2500万ドル(約343億円)を調達している。なお、ファンタジースポーツとは、特定のプロスポーツなどからユーザーがお気に入りの選手を選び、架空のチームを作って試合をするシュミレーションゲームのことで、ギャンブルと結びついていることも多い。

Dream11はクリケットの人気に乗じて、ディズニー(未訳記事)やFacebook(未訳記事)など複数の大手企業から大きな注目を集めている。同アプリは、ゲーマーが今後の試合で最高の選手を選ぶことができるように、そのファンタジーの部分を探求している。選んだチームの成績に応じて賞金を獲得することができるのだ。

Dream11は、世界で最も人気のあるスポーツイベントの1つであるインド・プレミアリーグ(IPL)のクリケットトーナメントの2020年シーズンのタイトルスポンサーでもある。このスタートアップは、以前は中国のスマートフォンメーカーのVivoが保有していたタイトルスポンサーの権利を3000万ドル(約31億円)の入札で獲得した。ちなみにVivoは、インドと中国という核武装国家間の地政学的緊張の中でスポンサーシップから突然撤退しなければならなかった。IPLの新シーズンは、新型コロナウイルスの発生に起因する遅延の数カ月後に今週後半に開幕する。

「スポーツ部門はインドで高い潜在成長力を持っている。ファン体験を向上させる大きな機会があり、Dream Sportsと提携してテクノロジーを活用することで、インドのファンと彼らの大好きなスポーツとのつながりを深めることができることに興奮しています」とTPGのマネージングディレクターであるAkshay Tanna(アクシャイ・タンナ)氏は声明で述べている。

近年Dream Sportsは、物販などのカテゴリーにも進出している。Dream Sportsの最高経営責任者兼共同創業者であるHarsh Jain(ハーシュ・ジェイン)氏は声明で「Dream Sportsは1億人以上のユーザーを獲得した」と主張する。ちなみにDream11アプリは、Google Playストアでは配布されておらず、人々がモバイル向けウェブサイトにアクセスするか、Androidアプリを別途インストール(サイドローディング)するしか利用する方法がない。

「地元で育ったインド企業として、我々は1億人以上のインドのスポーツファン、投資家、従業員、インドのスポーツエコシステム全体に価値を加え続けることを誇りに思っています。この2年間で、私たちはファンタジースポーツを超えて、スポーツコンテンツ、グッズ、ストリーミング、体験を提供する企業へと成長しました。私たちのビジョンは、スポーツテクノロジーとイノベーションを通じて、インドとインドのファンのために『スポーツをより良いものにする』ことです」とジェイン氏は付け加えた。

大手金融サービス会社であるAvendus Capitalは、今回の取引においてDream Sportsの財務アドバイザーを務めた。Dream11は、インドのファンタジースポーツ分野でニッチ市場を形成する唯一の企業ではない。Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インド)とTimes Internetが支援するMobile Premier Leagueも主要なプレイヤーであり、ここ数カ月でモバイルゲームにも進出している。Twitterが支援するShareChat(未訳記事)も、2020年初めにファンタジースポーツの実験をひっそりと始めた。

しかし、ファンタジースポーツはインドの一部ではまだ規制のハードルに直面している。アッサム、オディシャ、シッキム、テランガーナなどのインドのいくつかの州では、ファンタジースポーツ上での賭けが禁止されている

インドのゲーム市場の長年のアナリストであり、ニュースメディア「Mako Reactor」の発行者でもあるRishi Alwani(リシ・アルワニ)氏は「ファンタジースポーツビジネスの正統性を追求する試みが、ギャンブルではなくビデオゲームとして見られようと意図しているかどうかは重要ではない。インドのビデオゲーム開発者イベントのスピーカーパネルをざっと見ただけでもそれは明らかだ」とTechCrunchとの以前のインタビューで語っていた。

関連記事:韓国のPUBG開発元がインドでの配信停止から1週間後に中国Tencent Gamesとの配信提携を解消

カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:資金調達 インド Dream11 ファンタジースポーツ

画像クレジット:Robert Cianflone / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

CPU・GPUの次に知るべき、ノートPCの使い勝手を左右する最新インターフェイス

CPU・GPUの次に知るべき、ノートPCの使い勝手を左右する最新インターフェイス

ノートPCの性能はCPUやiGPU・dGPUが大きく左右するものの、操作性や使い勝手まで含めるとストレージとインターフェイスの影響も見逃せない。本稿は、最新GPUとCPUを活かす要素として、ストレージとインターフェイスについて取り上げる。

SSDを知るポイントは、ストレージ接続インターフェイスにある

まず、ノートPCのストレージは、ほぼ完全にHDDからSSDへ移行しているといえる状況だ。ただし、ストレージ接続インターフェイスによってアクセス速度の上限が異なっている点は、しっかりと押さえておきたいところだ。

現在、主なストレージ接続インターフェイスとしては、HDDと同じく転送速度6Gbps(実速度550MB/sec程度)の「SATA3(SATA 6Gb/s)」、また「PCI Express」(PCIe)がある。PCIeは、SSDに最適化された「NVMe」規格を通信プロコトルとして採用し、1000MB/secを超える読み書き性能を発揮するもので、2020年8月現在最も採用されている。

PCIe接続インターフェイスは、PCIeの世代やモードなどの仕様により定められた帯域幅によって転送速度が変わり、2020年8月現在、デスクトップ向けAMDプラットフォームで利用可能な「PCIe Gen4.0×4」の64Gbps(16Gbps×4)が最速となっている。PCIe Gen4.0×4は、対応SSDと組み合わせることで5000MB/sec前後のピーク性能を発揮する。

そしてノートPCを含め、PCIe接続インターフェイスの中でも主流の位置を占めるのが「PCIe Gen3.0×4」だ。これは、帯域幅32Gbps(8Gbps×4)で、ピーク性能は3000MB/secとなる。

このほか、転送速度16GbpsのPCIe Gen3.0×2も存在している。

M.2 NVMe SSDの「M.2」とは、何を指している?

ノートPC搭載SSDの性能にもよるため一概に言えないものの、ストレージ(SSD)のスペック欄に「PCIe」または「NVMe」といった記載がある場合は、1000MB/secを超える高速ストレージを搭載している可能性が大きくなる。

またストレージデバイスの形状としては、主にHDDで採用されている3.5インチ、モバイル向けHDD/SSD採用の2.5インチ、昨今主流になっているM.2形状の3種類がある。

SSDの主要メーカーのひとつ、SAMSUNGのNVMe SSD。ノートPC向けに開発されたM.2規格を採用している

SSDの主要メーカーのひとつ、SAMSUNGのNVMe SSD。ノートPC向けに開発されたM.2規格を採用している

M.2は、正確には端子形状の規格にあたり、接続インターフェイスとしてはSATA3(SATA 6Gb/s)またはAHCIと、NVMe(PCIeおよびNVMe)に対応している。ノートPCのスペック表などを見ると、「M.2 NVMe SSD」といった記載を見かけるはずだが、これは「M.2端子を採用した、(PCIe接続の)NVMe SSD」を意味している。

接続インターフェイスがSATA3なのか、あるいはNVMeなのかといった点は影響が大きく、ひと口にSSDといってもこの両者の性能は段違いだ。SATA3採用のM.2 SSDの場合、読み書き性能が550MB/sec程度になる点は注意しておこう。HDDより高速に読み書きできるものの、今後最新ノートPCを購入するのなら、何らかの意図がない限りSATA3採用SSDを積極的に選ぶ理由はないだろう。

PCIe Gen3.0×4、NVMe SSDのパフォーマンス例。外付けストレージを含め、SSDを一度体感するとHDDには戻れなくなる

PCIe Gen3.0×4、NVMe SSDのパフォーマンス例。外付けストレージを含め、SSDを一度体感するとHDDには戻れなくなる

Intelの次世代ストレージ技術「Optane Memory」

ノートPCの中には、ストレージに「Optane」と記載のあるモデルもある。これは、Intelの次世代ストレージ技術「Optane Memory」のことで、SSDに使われているNANDメモリーよりも高速・低遅延な「3D XPoint」メモリーをキャッシュとして活用している。

最新ノートPCでの採用例としては、低コストで大容量化しやすい3D QLC NANDメモリー採用SSDとOptane Memoryをひとつの基板に実装した、ハイブリッドSSD「Optane Memory H10」となっていることが多い。

Optane Memory H10のパフォーマンスは容量で異なり、1TBモデル(型番:HBRPEKNX0203A01)の公称ピーク値はリード2400MB/sec、ライト1800MB/secになる。

Intelの次世代ストレージ技術Optane Memoryを使ったOptane Memory H10

Intelの次世代ストレージ技術Optane Memoryを使ったOptane Memory H10

周辺機器の接続に利用するUSBも高速化

ストレージなど周辺機器を手軽に拡張できるインターフェイス「USB」も、ノートPCにおいて使い勝手に影響する要素のひとつだ。

USB規格はUSB4まで策定されており、最大転送速度が10GbpsのUSB 3.1 Gen2(USB 3.2 Gen2×1。2013年発表)の採用が広がりつつある。USB 3.×では規格名称が複数回変更となり、USB 3.0(転送速度5Gbps)→USB 3.1 Gen1→USB 3.2 Gen2となった。混乱しやすいが、覚えるしかないだろう。

また、年内にはモバイル向け第11世代Core i5/i7搭載ノートが登場予定で、これら製品のいくつかがUSB4を採用するとみられる。

USB規格

IntelとAppleが規格化したデータ転送速度40GbpsのThunderbolt 3も普及が進み、標準でサポートするモバイル向け第10世代Coreプロセッサ搭載ノートPCでは多くが搭載している。さらにAMDプラットフォームにも、Intel公式認証のThunderbolt 3コントローラーが提供されており、Ryzen Mobile 4000シリーズ採用の最新モデルの多くがThunderbolt 3を搭載している。

USB 3.2/3.1とThunderbolt 3ともに言えることだが、USB Type-C=USB 3.2/3.1とThunderbolt 3ではなく、USB Type-Cはあくまでコネクター形状の名称にあたる。規格だけでなく、映像出力を可能にする「Alternate Mode(Alt Mode)」や、最大100Wまでの出力に対応する「USB PD(USB Power Delivery)」規格といった機能も、それぞれ対応している必要がある。

ケーブル不要で高速ネットワークを実現できるWi-Fi6

最後のキーワードが、Wi-Fi6ことIEEE 802.11axだ。規格上の最大値は9.6Gbpsで、実機ベースではPCにおいて2402Mbps、スマートフォンなどでも1201Mbpsという高速な通信速度を実現している。

Wi-Fi6対応ルーターを導入することで、有線LANの1000BASE-T(1Gbps)を超える2.4Gbpsでリンクされる

Wi-Fi6対応ルーターを導入することで、有線LANの1000BASE-T(1Gbps)を超える2.4Gbpsでリンクされる

USB同様、最新ノートPCの多くはWi-Fi6を標準搭載しており、この高速通信を体感するには、Wi-Fi6対応の無線LANルーターが必須になる。追加投資は必要だが、2402Mbpsでリンクした際の実際のパフォーマンスは、1000Mbpsの有線LANと並ぶほどと、投資する価値は十分あるといえるだろう。

ネットワーク環境にもよるが、実際に有線LANを超える1.7Gbpsの実速度での通信を実現

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環境で異なるが、ネットワークを経由したファイルコピーも、200MB/sec近い転送速度を発揮する

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最新GPU・CPU

xCloudやStadiaのストリーミングゲームがアップルのApp Storeに並ぶための面倒なルール

Apple(アップル)は米国時間9月11日の朝、App Storeのルールに関する少々興味深いアップデートを発表した。中でも最も話題になりそうなのは、Microsoft(マイクロソフト)のxCloudやGoogle(グーグル)のStadiaといったクラウド上のゲームプラットフォームに関する部分だ。

この直前には、xCloudのApp Storeからの拒否に関して、マイクロソフトからの非常にオフィシャルな苦情を受けた後のことであるが、アップルはApp Storeのルールは、基本的にそのゲームのストリーミングプラットフォームを許可していないことを理由にこれを拒否している。ゲーマーたちからの激しい反発は、今回の発売がXboxプラットフォームの将来に向けてどれだけ期待されているかを考えると、注目に値する。この話題はまた、Epic Gamesがゲームストアでのアプリない課金に対する不満を募らせていたのと同時期のものになる。

アップルの時代遅れなApp Storeのルールに、アップデートが必要であることは明らかだが、彼らの解決策を見ていると、対応が容易な解決策を期待していたプラットフォーム運営者やゲーム開発者にとって、状況はきわめて面倒なものになっているのは明らかだ。

関連記事:Apple goes to war with the gaming industry(未訳記事)

要するにアップルはxCloudやStadiaのようなゲームストリーミングプラットフォームの運営は許可するが、ライブラリ内の各ゲームはそれぞれ別にApp Storeのリストに載っていなければならず、各タイトルはApp Storeから「ダウンロード」されなければならい。これらのゲームはそれぞれApp Store内で発見できるようになり、複数の複数のストリーミングプラットフォーム向けの同じゲームが複数のページに存在することもありうる。xCloudとStadiaにはそれぞれ独自の「カタログ」アプリがあるが、新しいタイトルを獲得したい場合は、ユーザーをAppl Storeに送り込まなければならない。

最終的にこのやり方では、ゲーム開発者にとってプラグアンドプレイが乏しくなり、開発者はアップルのアプリ内課金フレームワークと決裁システムを統合しなければならなくなる。また開発者は、アプリ内購入におけるアップルの取り分と、ストリーミングプラットフォームのために考案した他の取引のバランスを取る必要があることも意味する。それは複雑だが、iOSは非常に大きなプラットフォームであり、開発者にはし従う以外の選択肢はない。xCloudを強力にプッシュしているマイクロソフトにとってはとくにそうだ。

これはクラウドゲームプラットフォームにとっての理想的なソリューションからはほど遠いものだが、結局はこんな解決策に落ち着くしかなかったかもしれない。一応、サブスクリプションを購入するためのエントリーポイントが増えることになるので、これらのプラットフォームの人気拡大には貢献するだろう。アップルもさまざまな苦情に対してこの点を強調していたが、消費者がアップルからサブスクリプションを購入し、結果的にアップルに税を支払うことになるかもしれない。ユーザーはアプリを無料でダウンロードしてその後、サブスクリプションを促されるか、または、彼らが選んだストリーミングプラットフォームにログインするという形になるのだろう。

アップデートされたルールの条文を下に引用する。例によってアップルのルールは、細かいところまで正確さに固執している。

4.92 Streaming Games
Streaming games are permitted so long as they adhere to all guidelines — for example, each game update must be submitted for review, developers must provide appropriate metadata for search, games must use in-app purchase to unlock features or functionality, etc. Of course, there is always the open Internet and web browser apps to reach all users outside of the App Store.
4.9.1
Each streaming game must be submitted to the App Store as an individual app so that it has an App Store product page, appears in charts and search, has user ratings and review, can be managed with ScreenTime and other parental control apps, appears on the userʼs device, etc.
4.9.2
Streaming game services may offer a catalog app on the App Store to help users sign up for the service and find the games on the App Store, provided that the app adheres to all guidelines, including offering users the option to pay for a subscription with in-app purchase and use Sign in with Apple. All the games included in the catalog app must link to an individual App Store product page.

4.92 ストリーミングゲーム
ストリーミングゲームはそれらがすべてのガイドラインを遵守しているかぎり許可される。たとえば各ゲームのアップデートはレビューのために提出されなければならない、開発者は検索のための適切なメタデータを提供しなければならない、ゲームはアプリ内購入を使って新たな機能をアンロックしなければならない。もちろん、App Storeの外の全ユーザーにリーチするために、オープンなインターネットとウェブブラウザーアプリが常にに存在する。

4.9.1
各ストリーミングゲームは個別のアプリとしてApp Storeにページがあり、チャートや検索に表示され、ユーザーの評価やレビューがあり、ScreenTimeやその他のペアレンタルコントロールアプリで管理され、ユーザーのデバイスに表示されるように、個々のアプリとしてApp Storeに提出する必要がある。

4.9.2
ストリーミングゲームサービスは、ユーザーがサービスに申し込んでApp Storeでゲームを探すのに役立つカタログアプリをApp Storeで提供することができる。ただしアプリはユーザーにアプリ内課金によるサブスクリプションの支払いオプションを提供したり、「Appleでサインイン」で支払えるようにするなど、すべてのガイドラインを遵守していることが条件となる。カタログアプリに含まれるすべてのゲームは、個々のApp Storeの製品ページにリンクしていなければならない。

カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Apple App Store

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

モバイルdGPUの最高峰NVIDIA「GeForce RTX 2080 SUPER」とコスパに優れるAMD「Radeon RX 5500M」を試す

モバイルdGPU最高峰「GeForce RTX 2080 SUPER」とコスパに優れる「Radeon RX 5500M」を試す

ノートPCで最新ゲームを快適にプレイしたい場合、あるいは何らかのクリエイティブ作業に欠かせない存在が、外付けGPUなどとも呼ばれるdGPU(discrete GPU、ディスクリートGPU)だ。

今回は、モバイル向けのdGPUとしては最高峰に位置するNVIDIA「GeForce RTX 2080 SUPER」を搭載するハイエンドゲーミングノートPCと、AMDエントリーdGPUの「Radeon RX 5500M」を搭載したエントリー向けゲーミングノートPCを借り受けて、話題のゲームにおけるパフォーマンスをdGPUの独自機能とともに紹介していこう。

モバイル向けの最高峰dGPU、NVIDIA「GeForce RTX 2080 SUPER」

まずはハイエンドノートPCから見ていこう。使用したのは、MSI製15.6型ノート「GS66 Stealth(GS66-10SGS-020JP)」で、GeForce RTX 2080 SUPER Max Q Designに加え、8コア/16スレッドCPUのIntel「Core i9-10980HK」や、リフレッシュレート300Hz駆動に対応するフルHD液晶などを備えたeスポーツにベストな1台になっている。

価格38万円前後のMSI「GS66 Stealth(GS66-10SGS-020JP)」

価格38万円前後のMSI製15.6型ノート「GS66 Stealth(GS66-10SGS-020JP)」。GeForce RTX 2080 SUPER Max Q Design採用

モバイル向けの最高峰dGPUだけあって、「DEATH STRANDING」や「モンスターハンター:ワールド」といった重量級のゲームをフルHD解像度、最高描画品質でプレイ可能。「DEATH STRANDING」では平均フレームレート112fps、「モンスターハンター:ワールド」では平均85.7fpsと快適なゲーミングの指標となる60fpsを余裕でクリアーしている。

なおGS66 Stealthの場合、リフレッシュレート300Hz駆動の15.6インチ液晶ディスプレイを搭載している点にも注目したい。

リフレッシュレート60Hz以上で駆動し滑らかな表示を実現する、いわゆる「ゲーミング液晶ディスプレイ」は、今やプロゲーマーの多くが愛用しeスポーツ大会にも採用されている。最近は10万円台のエントリーゲーミングノートPCの数多くにも採用されつつある。

GeForce RTX 2080 SUPERなら、リフレッシュレート300Hz駆動という、非常に高い性能を備える液晶ディスプレイを活かしやすいのだ。例えば、今最も話題となっている軽量級FPS系ゲーム「VALORANR」の最高品質設定で平均229.1fpsとなった。さらにGPU負荷の高めな「FORTNITE」でも、高品質設定で163.1fpsという平均フレームレートとなり、滑らかな動きでのプレイが可能だ。

NVIDIA DLSSでフレームレート向上

光の表現のリアリティを向上させるレイトレーシングとともに注目されているのが、「DLSS」(Deep Learning Super Sampling)だ。

これは、GeForce RTXシリーズで利用できるAI(Tensor Core)を利用することで、画質のクオリティをなるべく維持したままフレームレートの向上を可能にするというものだ。従来は縦の解像度が1440ピクセル以上、例えば2560×1440ピクセルより上の解像度でないと使えなかったが、最新バージョンの「DLSS 2.0」ではフルHD(1920×1080ピクセル)でも利用可能になった。

NVIDIA DLSSを有効にすることで、表現がシャープになっている

NVIDIA DLSSを有効にすることで、表現がシャープになっている

実際に、DLSS 2.0対応の「DEATH STRANDING」を利用しDLSS有効時と無効時を切り替えてみると、有効時はフレームレートが20fps程度アップした。背景の滝の表現や、水面の表現がシンプルになっているものの、キャラはジャギーの減ったシャープな画になっている。

DLSS 2.0対応ゲームとGeForce RTX 2×00シリーズなら、クオリティを保ちつつ、快適なフレームレートでプレイすることを狙える。

DLSS 2.0に対応する「DEATH STRANDING」のワンシーン

DLSS 2.0に対応する「DEATH STRANDING」のワンシーン(有効化前)

同じシーンでDLSS 2.0を有効にした状態

同じシーンでDLSS 2.0を有効にした状態。背景の滝の表現、水面の表現などがシンプルになっているが、キャラはジャギーの減ったシャープな画になった印象だ

コストパフォーマンス良好なAMD「Radeon RX 5500M」

続いては、実売価格14万円前後の17.3型ノートPC、MSI製「Bravo-17(Bravo-17-A4DDR-010JP)」のパフォーマンスを見ていこう。エントリー向けながら、CPUに8コア/16スレッドのAMD「Ryzen Mobile 4800H」、dGPUにAMD「Radeon RX 5500M」を搭載しており、パフォーマンスの高さを期待できる。

優秀なコストパフォーマンスを発揮する、MSIの17.3型ノートPC「Bravo-17(Bravo-17-A4DDR-010JP)」。実売価格15万円前後

優秀なコストパフォーマンスを発揮するMSI「Bravo-17(Bravo-17-A4DDR-010JP)」。実売価格15万円前後。CPUがAMD「Ryzen Mobile 4800H」、dGPUはAMD「Radeon RX 5500M」というAMDづくしの製品だ

実際に試してみたところ、Radeon RX 5500Mはエントリークラスという位置付けながら、重量級の「DEATH STRANDING」でも「フルHD解像度・最高品質」で70.6fpsと、快適なゲーミングの指標となる60fpsを超えた。

また、人気MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」の公式ベンチマークでは、「非常に快適」を示す数値(7000)を超えるスコア10764(フルHD解像度、最高品質)を記録し、平均フレームレートも73.73fpsだった。これだけの数値であれば、不満を持つ方は少ないはずだ。

最高品質では最重量級ゲームとなる「モンスターハンター:ワールド」では、平均53.3fpsと60fpsを切ったものの、人気FPS系ゲーム「Rainbow Six Siege」は中品質で平均66.5fpsとなった。「FORTNITE」では中品質で151.3fpsというフレームレートだ。リフレッシュレート144Hzの高駆動プレイを実現しようとすると、ゲームや描画品質を選ぶことになるはずだが、多くのゲームを快適にプレイできるだろう。

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコア

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコア。フルHD解像度・最高品質で、スコアは10764を記録

AMDのフレームレート向上のキーワードは「FidelityFX」

NVIDIA DLSSと同様、画質のクオリティをなるべく落とさずにフレームレートを向上させる機能としてAMDが推しているものが「FidelityFX」だ。

ゲーム開発者向けライブラリーとして公開されているFidelityFXは、GPU選ばず、DLSS非対応のGeForce GTX 1×00シリーズなどでも使える。ゲーム側での対応は必要になるがミドルクラスやエントリークラスのdGPUで快適なゲームプレイを実現できるので注目といえる。

実際、「DEATH STRANDING」と「モンスターハンター:ワールド」でFidelityFXを有効にしてみると、フレームレートはそれぞれ20fps程度向上した。エントリークラスやミドルクラスのdGPUを搭載したゲーミングノートPCでは、FidelityFXへ対応しているかどうかが、快適なゲームがキーワードになるだろう。

「DEATH STRANDING」は、FidelityFXに対応

「DEATH STRANDING」は、FidelityFXに対応

DLSSと同じシーンで、FidelityFXを有効にした状態。高画質のまま、フレームレートがアップしていた

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「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」: © 2010 – 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
「DEATH STRANDING」: ©2019-2020 Sony Interactive Entertainment Inc. DEATH STRANDING is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS. All trademarks are the property of their respective owners.
PC version published by 505 Games. 505 Games and the 505 Games logo are registered trademarks of 505 Games S.P.A. Appearance in this game does not imply sponsorship or endorsement.
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Unityがゲーム開発者のためのクラウドコンテンツ配信サービスを開始

人気のリアルタイム3Dエンジンを開発しているUnity(ユニティ)が、米国時間9月10日、クラウドコンテンツデリバリー(Cloud Content Delivery)サービスを正式に開始した。エンジンとは独立したこの新しいサービスは、コンテンツ配信ネットワークとサービスとしてのバックエンドプラットフォームを組み合わせ、開発者のゲーム配布ならびにアップデートを支援する。ここでの目標は、Unityを利用する開発者(および他のゲームエンジンを利用する開発者)に、適切なコンテンツを適切なタイミングでゲームプレーヤーに提供するのに役立つ、ライブゲームサービスオプションを提供することだ。

Unityのプロダクト責任者であるFelix Thé(フェリックス・テ)氏が述べたように、ほとんどのゲーム開発者は現在標準的なCDN(Content Delivery Network)プロバイダーを使用している。だがそのことが意味しているのは、インストールとアップデートをよりダイナミックに自由に構成できるようにするには、自分たちでラストワンマイル(配信の末端部分)を作り込まなければならないということだ。または、ほとんどのゲーマーの証言を得られるように、開発者はゲームを大きなバイナリとして出荷することを選択することもある。その場合は、更新のたびにユーザーがその巨大なファイルを繰り返しダウンロードする必要がある。

「これは、新しいゲームコンテンツの適用が多少遅れてしまう可能性があることを意味します。なぜなら、必要なアップデートを実行することをユーザーに頼っているからです」とテ氏はいう。

新しいクラウドデリバリサービスはプラットフォームを問わず利用できるものの、チームは当面モバイルを中心に力を注ぐ。「私たちは、開始時に特定のセグメントに集中することを好んでいます。その後、どのように拡大していくかを決定していくことができます。現在、モバイルスペースには多くのニーズがあるのです 、他のものよりもずっと」とテ氏はいう。クラウドコンテンツデリバリーサービスの内容について説明するなら、例えば、開発者はどのバイナリをどのデバイスに送信するかを指定することができる。

標準的なCDNを使うことも1つの方法だが、テ氏がいうところの、ラストワンマイルデリバリーの部分で生じる開発者の苦労を、Unityは解決できると信じている。

「CDNを使うなら、コンテンツを手に入れることができるだけです。以上」とテ氏は語った。「しかし、もしそうだとしたら、ゲーム開発者としてビルドをテストしたい場合に、QAの準備は整っているでしょうか?これはまだQAの最中のものでしょうか?クラウドコンテンツデリバリーからダウンロードされるように割り当てたいビルドは異なっているかもしれませんよね。または米国向けにリリースする前に、カナダ向けに新しいダウンロード可能なコンテンツをソフトローンチしたいなど、どれも私たちのシステムを使えば実現できます。ビデオゲームを念頭に置いて作られたものなのです」。

チームは価格設定をシンプルに保つことにした。すべての開発者に必要なのは、下り料金と、ごくわずかなストレージ利用料金だ。地域ごとの価格設定もない。送信料は最初の50GBは無料で、次の50TBまでは1GBごとに0.08ドル(約8.5円)がUnityから課金される。なお50TBを超えた場合は0.06ドル(約6.4円)、500TBを超えた場合は0.03ドル(約3.2円)となる。

「私たちは、人びとがこれを見たときに『要するにどういう意味だろう?』と、心配しないようにしたいのです。そのためには料金計算ツールが必要です。実際にいくらコストがかかるのかをシミュレートする必要があります。しかし、開発者が素晴らしいコンテンツの作成に集中する必要があるという事実から、目をそらすことはしません」とテ氏は説明した。

このデリバリーサービスが、利用エンジンに依存しないことは強調しておく価値がある。もちろんUnityは、Unityエンジンを使って書かれたゲームのためにそれを使って欲しいと思っているが、それは必須条件ではない。これは同社の全体的な哲学の一部だとテ氏は主張する。

「私たちの使命は常に、開発を普遍的なものにして、何を選んだのかに関わらず、人びとが成功できるようにすることです」と彼はいう。「そして、ゲームの操作に関して言えば、通常ゲームエンジンの決定は、ゲームの操作が形として現れるずっと前に行われています。開発者の成功が、私たちが焦点を当てたいものの中心なのです」。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:Unity

画像クレジット:Unity / Getty Images

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(翻訳:sako)