自動車ローン借り換えプラットフォームのMotoRefiが10.4億円調達、パンデミックの中で収益6倍

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックが北米に拡大する1カ月前、自動車フィンテックのスタートアップであるMotoRefiは、新たに約900 万ドル(約9億3000万円)の資金で武装し、借り換えプラットフォームを大衆に提供しようと準備を進めていた。

CEOのKevin Bennett(ケビン・ベネット)氏と同社を支える投資家たちは、自動車ローンの総額が1兆2000億ドル(約124兆5000億円)に上る米国人にサービスを提供するチャンスがあると考えていた。彼らが予想していなかったのは、新型コロナウイルスによる需要の急激な増加と、パンデミックがもたらした不確実性と混乱だった。

2017年にQED Investorsから誕生したMotoRefiは、最適な金利を見つけること、以前の貸し手への返済、車両の所有権の再登録など、すべてのプロセスを処理する自動車借り換えプラットフォームを開発した。同社は、新型コロナに端を発した2つのトレンドの融合により、事業をターボチャージしてきた。経済全体でのフィンテックの採用が加速していることと、パーソナルファイナンスへの注目度が高まっていることである。

今、投資家たちは自動車ローンの借り換え需要の急増を最大限に活用するために、同社にさらに多くの資金を注ぎ込んでいる。

MotoRefiは米国時間1月22日、Moderne Venturesが主導するラウンドで1000万ドル(約10億4000万円)を調達したと発表した。Moderne VentureのパートナーであるLiza Benson(ライザ・ベンソン)氏が取締役会に加わることになる。

ベネット氏は、2020年の出来事についてこう語った。「多くの人が今、どうすればお金を節約できるのかと周りを見回しています。自動車ローンの借り換えは歴史的にパーソナルファイナンスの中では比較的認知度が低いカテゴリーですが、2020年にはそれに対する関心は本当に高まり、加速しました」。

たとえば自動車ローンの借り換えに関するGoogle検索は2020年、前年比で約40%増加したと同氏は付け加えた。

同社の収益は6倍に増加し、従業員は3倍の150人以上になり、プラットフォーム上の融資業者の数はこの1年で2倍になったという。MotoRefiは、2020年に2億5000万ドル(約259億円)以上の自動車ローンを借り換えたと同氏は述べた。

「実際には1年で2回の資金調達は計画していませんでした」とベネット氏は述べている。「しかし、市場の投資家の立場から見ると、成長はかなり目立っていました」。

ベネット氏によると、MotoRefiは現在42州とワシントンD.C.で事業を展開しているという。この新しい資本は、従業員の雇用とサービスの拡大に充てられる。

MotoRefiはこれまでに2400万ドル(約25億円)以上を調達している。同社は2020年2月、シリーズAラウンドで860万ドル(約8億9000万円)の資金を調達した。このラウンドはAccompliceとLink Venturesが共同で主導し、後に940万ドル(約9億8000万円)まで成長した。Motley Fool Ventures、CMFG Ventures(CUNA Mutual Groupの一部)、Gaingelsもこのラウンドに参加した。そのシリーズAラウンドは、MotoRefiが2019年3月に発表した470万ドル(約4億9000万円)のシードファンディングに続くものだ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:MotoRefiローン資金調達

画像クレジット:Tom Merton / Getty Images(Image has been modified)

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(翻訳:Nakazato)

中国政府が決済事業の規制案を発表、AntとTencentによる寡占を抑制

中国の決済業界における最近の一連の出来事は、Ant Group(アントグループ)とTencent(テンセント)による複占が揺らいでいる可能性を示唆している。

Ant Groupの急な新規株式公開の中止と、中国政府が同社の事業に修正を指示したことに続き、中国当局は先週、繁栄を続けるデジタル決済業界の寡占を抑制する計画を示す新たなメッセージを送った。

ノンバンク決済を規制するために、中国人民銀行(PBOC)が先週発表した一連の草案によると、1社でノンバンク決済市場の3分の1を占める場合、または2社の合計で半分を占める場合、国務院に属する反独占委員会から規制上の警告を受けるという。

一方、ノンバンク決済事業者1社でデジタル決済市場の半分以上を占める場合または2社で3分の2を超える場合は、独占状態にあるかどうか調査される。

2つの規則の違いは微妙であり、前者はノンバンク決済、後者はデジタル決済に焦点を当てている。

さらに当局が企業の市場シェアをどのように測定するのか、たとえば総取引額なのか、総取引量なのか、それともそれ以外の基準で判断するのかについては、規則では特定されていない。

市場調査会社のiResearch(アイリサーチ)によると、Ant GroupのAlipay(アリペイ)は2020年第1四半期に中国の第三者決済取引の半分以上を処理しており、Tencentは同期間に40%近くを処理していたという。

中国は決済大手への監視を強めており、一方で金融市場を国際的なプレイヤーに開放してもいる。2020年12月には、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が中国の合弁事業の完全所有権を取得した。そして2020年1月、PayPal(ペイパル)は現地の決済パートナーであるGoPay(国付宝)の残りの株式を買い取り、中国で1つの決済事業を100%支配する初の外資系企業となった

業界の専門家は、PayPalが中国内の決済大手を追うことはないだろうが、代わりにクロスボーダー決済の機会を探る可能性があると、TechCrunchに語った。つまり、Antのベテランチームによって設立されたXTransferなどの地元企業がいる市場だ。

AntとTencentは、他の中国インターネット企業との競争にも直面している。食品配達プラットフォームのMeituan(美団)や電子商取引プラットフォームのPinduoduo(拼多多)やJD.com(京東商城)、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)まで、様々な企業が独自の電子ウォレットを導入しているが、いずれもAntのAlipay(アリペイ)やTencent傘下のWeChat Pay(ウィーチャットペイ)に差し迫った脅威を与えるものではない。

PBOCの包括的な提案では、決済処理業者が顧客データをどのように扱うかについても定義している。ノンバンク決済サービスは、一定のユーザー情報や取引履歴を保存し、データチェックについて関係当局と協力することになっている。また、企業はユーザーの同意を得て、顧客のデータがどのように収集され、どのように使用されるかを明確にすることも求められている。これは不正なデータ収集を取り締まる中国の広範な取り組みを反映した規則だ。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:モバイル決済AlibabaAnt GroupTencentWeChat Pay中国独占禁止法

画像クレジット:Alipay via Weibo

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(翻訳:TechCrunch Japan)

デジタル証券プラットフォームiSTOXがシリーズAで約52億円調達、日本政策投資銀行やJICが新たに支援

デジタル証券プラットフォームiSTOXのチーフコマーシャルオフィサー、オイ・イー・チュー氏(画像クレジット:iSTOX)

プライベートエクイティ(PE)投資をより身近なものにすることを目指しているデジタル証券プラットフォームのiSTOXは、シリーズAラウンドに日本からの新たな投資家を追加し、総額5000万ドル(約52億円)を調達した。新たな投資家の中には、政府系の日本政策投資銀行と、産業革新投資機構のVC部門であるJICベンチャー・グロース・インベストメンツの2社が含まれている。

このほか既存の投資家であるシンガポール証券取引所(SGX)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス、韓国のHanwha Asset Managementに加え、十六銀行、モバイル・インターネット・キャピタルなどがラウンドに参加した。

2017年に設立され、ブロックチェーンインフラ企業のICHXが所有するiSTOXは、スタートアップ、ヘッジファンド、プライベート・デットなど、通常は少数の富裕層に限定されるプライベートキャピタルマーケットの機会を、より多くの機関投資家や適格投資家に開放することを目的としている(シンガポール国外の適格投資家にも、同国の基準に相当する資産と収入を保有していればサービスを提供できる)。iSTOXでは、ユーザーは100シンガポールドル(約7800円)からの少額投資が可能で、デジタル証券の保有とスマートコントラクトにブロックチェーン技術を用いることで手数料を低く抑えることができ、発行プロセスをより効率的かつ低コストにすることができるとしている。

iSTOXのシリーズAラウンドは、当初2019年9月に発表されていた。同社がシンガポール金融管理局(MAS)のフィンテック規制サンドボックスに参加していた際、タイの投資銀行Kiatnakin Phatra Financial Group(KKP)から非開示の金額を調達したと発表した。シンガポール政府は特にブロックチェーン技術を支持しており、フィンテック、データセキュリティ、ロジスティクスなどの分野での利用を商業化するためのイニシアチブを開始している。

iSTOXは2020年2月にサンドボックスプログラムを完了し、デジタル証券の発行・保管・取引を行うことがMASから承認された。今回の新たな資金調達は、すでに重慶市で契約を結んでいる中国をはじめ、現在発行案件に取り組んでいる欧州やオーストラリアなど、地理的な拡大に充てられる予定だ。またiSTOXは、投資家が「ひと口サイズ」で申し込める私募発行など、新たな投資商品の追加も計画しているという。

iSTOXの最高商務責任者であるOi Yee Choo(オイ・イー・チュー)氏は声明で、このように述べている。「キャピタルマーケッツは技術の進歩により急速に変貌を遂げています。規制当局であるMASと当社の機関投資家は先見の明があり進歩的で、この変化を心から支持しています」。

同社は、投資プロセスを民主化したいと考えているアジアのいくつかのフィンテックプラットフォームの1つだ。一般投資家向けにはBibitSyfe、Stashaway、Kristal.ai、Grab Financialの投資商品のようなアプリがある。

iSTOXは認定投資家や機関投資家を対象としているため、直接の競合相手としては、シンガポールに拠点を置くDBS Digital Exchange(DBSデジタル取引所)が挙げられるが、iSTOXの強みは、より多くの種類の資産を提供していることである。現在はファンドや債券の発行を行っているが、今年はプライベートエクイティやストラクチャードプロダクトの発行も開始する予定だ。また、同社の証券は完全にデジタル化されており、発行後にブロックチェーン上に記録されるのではなく、ブロックチェーン上で作成されるため、より迅速な決済時間を提供できるという。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:プライベートエクイティ投資iSTOX資金調達

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(翻訳:Nakazato)

金融予測スタートアップのSpringbox AIがアプリ公開、これまでに約2.1億円調達

AIを利用した金融予測アプリのSpringbox AIは、金融市場の投資サービスに代わるものとして設計され、金融市場の平均的なトレーダーを対象としたものになっている。このアプリのiOS版Android版が公開された。

アプリを作ったのは、ドイツ銀行、クレディ・スイス、UBS、BNPパリバで働いていた創業者チームだ。これまでにヨーロッパの個人投資家から200万ドル(約2億800万円)の資金を調達している。

アプリの利用にかかるサブスクリプション価格は1カ月49ドル(日本では5400円)で、市場予測のほか、株価・為替・先物市場のライブマーケットスクリーニング、取引関連ニュースなどさまざまなツールが含まれている。

Springbox AIの共同創業者であるKassem Lahham(カセム・ラハム)氏は「ブローカーの多くは簡単に儲かるという夢や神話を投資家に売り込むばかりで、結果としてセルフトレーダーの96%は資金を失って去っていきます。Springbox AIを利用すればトレーダーはデータを重視して成功を支援するアプリにアクセスできます」と述べている。

SpringboxはeToroのようなトレーディングアプリと競合するが、eToroはソーシャルトレーディングが中心でコミュニティ内の有能な投資家をフォローする仕組みになっている。Springboxはもう少し熟練したトレーダーを対象に設計されていると創業者チームは述べている。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Springbox AIAI

画像クレジット:Springbox AI

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(翻訳:Kaori Koyama)

米不動産販売が急増する中、IPOを間近に住宅ローンのBetter.comのCTOにダイアン・ユー氏が就任

パンデミックの影響で経済の大部分が壊滅的な打撃を受けたかもしれないが、活発な動きを見せている分野の一つに住宅販売がある。リモートワークや通勤パターンの変化にけん引されて、住宅販売は昨年急増し、全米不動産協会(National Association of Realtors、NAR)は、完全に計算されたあとの総量は過去14年で最高になると予測している

それはBetter Mortgage(SEOのためと思われるが、一般的にBetter.comとしてブランド化されている)にとっては朗報だった。同社によると、現在、月当たり30億ドル(約3118億円)の住宅ローンを引き受けており、それはVCの関心の高さにつながっている。最近では、数週間前にL Cattertonが主導した2億ドル(約208億円)のラウンドで同社の評価額は40億ドル(約4156億円)となった。同社はまた、昨年3月にパンデミックが始まって以来、4000人以上の従業員を新たに雇用している。

その新規雇用の一人であるDiane Yu(ダイアン・ユー)氏は、エンジニアリングと技術戦略をリードするCTOとして同社に加わる。彼女は、ComcastのAdvanced Advertising GroupでCTOとしてエンジニアリング部門を指揮した経験を持ち、広告ネットワークの分野で豊富な経験を持っている。彼女がComcast(コムキャスト)に入社したのは、彼女が以前に共同設立した、広告管理と最適化のためのツールを設計したFreeWheelと呼ばれるスタートアップ を、ケーブルTVとメディアのコングロマリットであるComcastが買収したことがきっかけだった。それ以前は、DoubleClickで10年近くエンジニアリングのリーダーとして働いていたという。

彼女の幹部採用は、昨年10月にCFOとして入社したKevin Ryan(ケビン・ライアン)氏の採用に続くものだ。ライアン氏は元モルガン・スタンレーの投資銀行家で、近年台頭してきた多くのネオ・モーゲージ・レンダーの1つであるRocket MortgageのIPOを主導した人物である。

これらの採用はすべて、数ヶ月前から憶測され、ライアン氏の採用後に噂が激化したIPOに向けての準備のためと思われる。住宅販売がピークに達し、引受業務が急速に成長している中、経営陣も肉付けされたBetterは、ついに公開市場で輝かしいデビューを飾ろうとしているのだろう。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:不動産テック

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(翻訳:Dragonfly)

TikTokの中国国内版「Douyin」が電子ウォレットサービスを開始

中国ではTencentのWeChat PayとAlibaba系列のAlipayが長くデジタルペイメントを支配しているが、両社は常に新しいチャレンジャーの挑戦を受けている。オンラインペイメントに新たに参入したのは、TikTokの中国国内版であるDouyin(抖音)だ。

DouyinではこれまでAlipayとWeChat Payで支払いができたが、ここにDouyin Payが加わった。

Douyinの広報は「Douyin Pay(抖音支付)は既存の主要な支払い方法をに追加されるものであり、最終的にはDouyinのユーザーエクスペリエンスを高めるものです」と述べている。

ペイメントはeコマース事業の成長が見られるDouyinにとっては自然なステップだ。たとえばリップスティックをインフルエンサーが紹介している動画を見ながら、ユーザーは商品のリンク先に行くことができる。インセンティブが大きければ、おなじみのWeChat PayやAlipayではなく、いずれDouyin Payで支払うようになるかもしれない。

eコマース大手のJD.comやフードデリバリーサービスのMeituan(美団)など、他のインターネット大手も自社のペイメント手段をユーザーに使ってもらおうとしているが、市場の寡占状態を打ち破るのは難しい。全体で見ると、中国の電子ペイメントの約90%をWeChat PayとAlipayが扱っている。

他のインターネット関連企業にも見られることだが、Douyinの親会社であるByteDanceはペイメント企業を買収することで待望のペイメントのライセンスを取得した。2020年9月に、ByteDanceの創業者であるZhang Yiming(張一鳴)氏の指揮する企業がペイメントソリューション企業のWuhan Hezhong Yibao Technology Co(武漢合衆易宝科技)を買収した。結果として、DouyinやToutiao(今日頭条)などのByteDanceのサービスがペイメント機能を提供できるようになった。

たとえばユーザーはDouyinのキャンペーンで現金がチャージされた電子レッドパケットを受け取り、その現金を自分の銀行口座に預けることができる。

Douyin Pay

Douyin Payは2月の旧正月を前にして良いタイミングで登場したように思える。旧正月に家族や友人は互いにレッドパケット(赤い封筒)を贈り合う。過去10年間でWeChatはお金が入った縁起の良い封筒の電子版を身近なものにし、これが初期のWeChat Payの飛躍につながった。

中国ビジネスニュースメディアのLatePostによると、DouyinはCCTV(中国中央テレビジョン)と契約し、同局の毎年恒例の大型広告イベントであるカウントダウン番組、Spring Festival Gala(春節聯歓晩会)の赤い封筒テクノロジープロバイダーになるという。創業からほどなくしてAlibabaのライバルとなったPinduoduo(拼多多)は2020年にこの契約をして、自社のペイメント利用者を増やそうと試みた。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:DouyinByteDance中国電子ウォレット

画像クレジット:Costfoto / Barcroft Media / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

ビジネスの「財務コントロールセンター」を構築を目指すシンガポールのVolopayがシードラウンド2.2億円を調達

シンガポールを拠点にビジネスのための「財務コントロールセンター」構築を目指すスタートアップVolopay(ボロペイ)は米国時間1月18日、シードラウンド投資210万ドル(約2億1800万円)を調達したことを発表した。このラウンドはTinder(ティンダー)の共同創設者Justin Mateen(ジャスティン・マティーン)氏が主導し、Soma Capital、CP Ventures、Y Combinator、VentureSouq、Razorpayの創設メンバーなどのエンジェル投資家が参加している。

この資金は人材雇用、製品開発、戦略的提携、Volopayの海外展開に使われる。2020年1月末には、オーストラリアでの事業を立ち上げる計画だ。現在はSmart Karma、Dathena、Medline、Sensorflow、Beamなど約100社のクライアントを有する。

2019年、Rajith Shaiji(ラジス・シェイジ)氏とRajesh Raikwar(ラジェシュ・レイクウォー)氏が共同創設したVolopayは、2020年、Y Combinator(ワイ・コントリビューター)のアクセラレーター・プログラムに参加した。最高経営責任者のシェイジ氏は、起業前、いくつものフィンテック企業に勤めていたが、特に複数の国に分散した経理部門にまたがる事業経費の照合方法に不満を募らせ、Volopayを立ち上げた。シェイジ氏とレイクウォー氏はともに、多くの企業、特にスタートアップや中小企業が、サブスクリプションや業者への支払いなど何種類もの経費の追跡に苦労する様子を見てきた。

Volopayのクライアントは、ほとんどがテック産業に属する従業員15〜150名の企業だ。Volopayのプラットフォームには、複数通貨対応の法人カード(VISAが発行)、国内および海外の銀行振り込み、自動支払い、経費管理ソフトウェア、会計ソフトウェアといった機能が組み込まれ、為替手数料や出費の照合が迅速に行える。

展開を促進するために、VolopayはAirwallex(エアーウォレックス)のAPIを導入している。その法人カードでは、テック企業の三大出費項目だとVolopayがいうソフトウェアのサブスクリプション、ホスティング、海外出張で最大2%のキャッシュバックが受けられる。また2020年11月には、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック中は中小企業を流動的な対応で支援する法人カードのためのカード部門を創設した。

クレジットカードや運転資金貸付のような従来型の信用取引と比較すると、VISA法人カードでも受けられるVolopayの信用枠は、クレジットの利用額に応じた固定料金構造を持つ魅力的なものになっているとシェイジ氏はいう。つまり、企業はいくら借りるかを事前に把握できるため、キャッシュフローの管理が楽になる。Volopayが提供している平均的な与信枠はおよそ3万ドル(約310万円)だ。

2020年7月にTechCrunchが取材して以来、Volopayは同プラットフォームでの総資金フローが前月比70%の伸びを見せているとシェイジ氏は話す。同社はまた2つの新機能もローンチした。クライアントが低い為替レートと安い手数料で国内外の送金が行える請求書支払い機能と信用供与だ。この請求書支払い機能は、現在、Volopayの総支払い額のおよそ40%を扱っている。一方、クレジット商品はカード利用額の30%を占めている。

シェイジ氏はTechCrunchに対して、Volopayがオーストラリア進出を決めたことを話してくれた。シンガポールよりもずっと大きな市場であることに加えて、「オーストラリアの中小企業は、有償ソフトウェアを利用した内部業務の効率化や事業の拡大に非常に慣れている」ためだ。さらに、現在のところオーストラリアには、Volopayのような支出管理とクレジットの両方を中小企業に提供する業者がないとも彼は指摘している。

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タグ:Volopayクレジットカード資金調達

画像クレジット:Volpay

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(翻訳:金井哲夫)

苦情が相次ぎCoinbaseがカスタマーエクスペリエンスの向上を約束、ビットコイン人気に追いつかず

Coinbase(コインベース)は問題を抱えている。Bitcoin(ビットコイン)への関心が価格とともに急上昇する中、引っ張りだこになったこの仮想通貨取引所は、気がつくとカスタマーサービスにアクセスできない顧客からの増え続ける怒りの的になっていたのだ。

Twitterをざっと見れば、すぐに話が伝わってくる。同社サービスの動揺したユーザーのひとりは、米国時間1月15日朝にこうわめき散らしていた。「ここ1ヶ月に複数の問題で$$$(大金)損した、いくつも未解決のケースがあるのに応答は0%って??いつ助けてくれるんだ、それとも知らないふりして忘れる方が簡単ってことか。上場して、そう簡単にはいかないぞ。もうすぐ[SEC](米証券取引委員会)に連絡するつもりだ」。

似たような苦情はたくさん(実にたくさん)見つかる。

完全な開示のために加えると、筆者も今週、同社のサポートスタッフに6通以上のメールを送り、10日間で1回ツイートした後、同社のカスタマーサービス業務の詳細を尋ねたが、何の回答も得られなかった。(私は2018年にEther(イーサ)を同プラットフォーム上で1ユニット購入し、2年近く前にロックアウトされていた自分のアカウントにアクセスしたいと思っていた。)

認められる点は、Coinbaseは米国時間15日に声明を発表し、サービスを改善すると約束したことだ。同社のカスタマーサクセス担当副社長であるCasper Sorenson(キャスパー・ソレンソン)氏は、同社のブログで、Coinbaseは「仮想通貨経済への関心が高まっているこの時勢に、より良いカスタマーエクスペリエンスを提供することを約束する」と書いている。 同社によると、これからチームの人員を増やし、(今は驚くほど少ない)セルフサービスのオプションを増やし、「ヘルプセンター」を拡大し、初めての投資家、経験豊富な投資家、そしてその中間のすべての人のためのワンストップショップとして、新しい教育サイト「Coinbase Learn」を立ち上げるという。

おそらく最も意味がある部分は、Coinbaseは今後数ヶ月のうちにCoinbaseの担当者とのライブメッセージングを開始すると言っていることだ。現在、Coinbaseはライブサポートをまったく提供していない。ヘルプサポートの電話回線は、アカウントの凍結を希望するユーザーのみが利用できるようになっており、自動化されている。(顧客への反応が遅いという事実は裏を返せば、規制された銀行と密接に連携しているCoinbaseが、セキュリティ問題に真剣に取り組んでいることと結びつくかもしれない。)

いずれにしても、同社は上場企業としてますます一般化してきたユーザーのためにはるかに多くのことをしなければならないだろう。規制当局が同社の不満な顧客に大きな関心を持つことは間違いないだろうし、そうでなければ既存の顧客や潜在的な顧客をライバルに失うことになるからだ。今では毎日記録的な仮想通貨の取引をしている国際的な決済の巨人PayPalから、Robinhoodのような投資ブローカーまで、選択肢は増え続けている(もう一つのますます主流になってきたオプションは、信託が店頭で公開されているGrayscaleのようなようなデジタル資産運用会社だ)。

この問題への更なる取り組みは、極めて遅い歩みに見える。Coinbaseは、ビットコインの浮き沈みの激しい変動に比例した苦情の急増に対処してきたと思われるが、サンフランシスコで設立されもうすぐ9年になるこの企業にとって、カスタマーサービスは継続的な問題となっていた。

2018年、Mashableは5ヶ月間のFOIAプロセスを経て、SECとカリフォルニア州事業監督局に提出された134ページの苦情を入手し、浮かび上がった実態は「新規投資家に市場を開放しているクリプトカレンシー空間の責任ある当事者ではなく、むしろ自社の成功に圧倒されている準備不足の企業」であったと当時報じている。

米国時間15日、Coinbaseのプロセスがどのように変化したのか、1200人以上の従業員のうち何人がカスタマーサポートに注力しているのか、最新の顧客数を共有できないのか、などの質問を受けたが、現在はSECが義務付けた沈黙期間中であるCoinbaseはコメントを差し控えた。

Crunchbaseによると、Coinbaseはこれまでに5億4730万ドル(約567億3000万円)のベンチャー支援を受けてきた。現在、最新のファンドで最大37億5000万ドル(約3887億4000万円)を調達しているTiger Global Managementは、Coinbaseのもっとも最近のプライベートラウンド、2018年にクローズした3億ドル(約311億円)のシリーズEを主導し、Coinbaseのポストマネー評価額を80億ドル(約8293億円)とした。

同社は昨年9月、創業者兼CEOのBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏が、社員が政治的な活動や議論を職場で行うことを公に禁止し、この方針に不快感を抱いた社員に退職金を提示したため、5%以上の社員が退職した。

約60人の従業員がこの申し出に応じたとCoinbase自身が後に明らかにしている。

CoinbaseのIPOは多くの人が待ち望んでいたが、ワシントンD.C.での(政権)変化が、同社や他の取引所に打撃を与える可能性がある。

Coinbaseの前最高法務責任者であるBrian Brooks(ブライアン・ブルックス)氏は昨年夏、通貨会計検査官事務所(OCC)の臨時責任者に任命されたが、彼は他の暗号通貨に配慮した取り組みの中で、銀行が暗号資産カストディアンと提携し、ステーブルコイン(Stablecoin)を使った決済を行うことができると宣言した解釈書や声明を発表した。

これらの手紙や発表がどれだけの重みを持つのか、はっきりとは明かされなかった。先週、ブルックス氏の最新の解釈書簡について質問を受けたFDICは、金融機関がブロックチェーン上のノードとして参加し、支払いを保存または検証することができると述べたが、電子メールでの回答の中で、コメントはないとも答えている。

先週、ブルックス氏の書簡が米国の金融政策の変更を示唆しているかどうかを尋ねられた米財務省は、TechCrunchの取材要請に応じなかった。

いずれにせよ、ブルックス氏の時代は終わった。新政権が誕生し、今週、ブルックス氏は辞任し、後任にはOCCで長いキャリアを持つBlake Paulson(ブレイク・ポールソン)氏が就任する。この交代で、仮想通貨に対するOCCの姿勢がどのように変わるのかという疑問が残る。

一方、SECのトップには元金融規制当局者であり、最近ではM.I.T.で教鞭をとっていたGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の社員でもあるGary Gensler(ゲイリー・ゲンスラー)氏が指名されると予想されている。また、先月、就任して3年で退任したウォール街の弁護士Jay Clayton(ジェイ・クレイトン)氏よりも、1兆ドル(約104兆円)規模のクリプトカレンシー市場への監視体制が強化されることも期待されている。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase 暗号資産

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(翻訳:Dragonfly)

経費精算を効率化する法人クレジットカードプラットフォームのMossが約26億円を調達

ドイツのスタートアップMoss(モス)は、Valar Venturesが主導したラウンドで2550万ドル(2100万ユーロ、約26億4000万円)の資金を調達した。既存の投資家であるCherry VenturesとGlobal Founders Capitalも参加している。Mossは、ドイツの中小企業向けにクレジットカードと支出管理プラットフォームを提供している。

同社は独自のリスクエンジンを開発し、企業のクレジットカードの限度額を割り出している。米国のBrexのように、Mossは従来の金融機関が提供するクレジットカードと比較して、より高いクレジットカード限度額を約束するという。

繰り返しになるが、Mossはプリペイドカードやデビットカードを提供しているわけではない。あくまでもクレジットカードに焦点を当てている。限度額の範囲内で利用し、月末に支払いをするサービスだ。使用し始めるのに、Mossのアカウントをトップアップ(前払い)する必要はない。

同社のクレジットカードはMastercardネットワーク上で利用できる。アドミンは、各従業員やチームごとに物理的なカードを発行することができる。また、オンラインでの支払いやサブスクリプションのためにバーチャルカードを発行することもできる。そしてカードごとに、異なる限度額を設定することが可能だという。

管理パネルからは、経費の追跡、特定の経費の検索、現在進行中のサブスクリプションの確認ができ、重複する経費を特定するのに役立つ。ユーザーは会計上の目的のために、各購入にレシートや情報を添付することができる。

Mossはこれまでに1000枚のクレジットカードを発行し、1万件の決済を処理してきた。現在、同社の顧客にはスタートアップやハイテク企業が含まれている。しかし、今回の資金調達ラウンドにより、Mossは他の業界にも程なく拡大していくと見込まれている。

MossはSpendeskRevolut Businessなどと競合している。これらの法人カード商品はデビットカードに焦点を当てている。クレジットカードを提供することが差別化する重要な特徴になり得るか、これから見どころだ。

関連記事:Flipkartがインドの5000店舗の小売店と提携し特典プログラム強化、支払いにも使える「SuperCoin Pay」発表

カテゴリー:フィンテック
タグ:資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

Flipkartがインドの5000店舗の小売店と提携し特典プログラム強化、支払いにも使える「SuperCoin Pay」発表

Flipkart(フリップカート)はインド時間1月18日、顧客が国内の多数の店舗で利用できるSuperCoin Pay(スーパーコイン・ペイ)をローンチした。同時にこのWalmart(ウォルマート)が所有する電子商取引の巨人は、世界第2位のインターネット市場でのユーザーベースを獲得し維持するために特典プログラムを強化した。

バンガロールを本拠地とする同社は、インド全土に広がるTimesPoints(タイムズポイント)、Peter England(ピーター・イングランド)、Cafe Coffee Day(カフェ・コーヒー・デイ)、Flying Machine(フライング・マシン)を含む5000以上の小売店と提携し、その顧客に対して「より大きな価値と選択肢」を与える、SuperCoin Rewardsという名の、Flipkart特典プログラム上での支払いに利用可能な仕組みを発表した。Flipkartの顧客は、その電子商取引プラットフォーム上で買い物をすると、SuperCoinを獲得することができる。

Flipkartによれば店舗で買い物をする際に、顧客はSuperCoinを使って請求額の全額を支払うことが可能になるという。そして従来の特典プログラムは、顧客を自身のプラットフォームに囲い込み、特典ポイントを自由に使うことを難しくしていたため、集客に苦労していたのだと指摘している。

同社の小売パートナーはファッション、食料品、食品 / 飲料、旅行、健康、ウェルネスなど、幅広いカテゴリーで事業を展開している。これらの小売パートナーはQRコードを提供し、Flipkartの顧客が特典ポイント(SuperCoin)を使って簡単に支払いができるようにする。

この動きは、インドの巨大な電子商取引企業たちが、国内の実店舗やデジタル店舗と積極的に提携していることに起因している。Amazon(アマゾン)も最近では、たとえばUrban Company(アーバン・カンパニー)、Domino’s(ドミノ)、BigBazaar(ビッグバザール)、More(モア)、Oyo Rooms(オヨ・ルームズ)、Licious(リシウス)、BookMyShow(ブックマイショウ)、Swiggy(スイギー)、RedBus(レッドバス)などで買い物をした際に、Amazon Payの顧客が利用できるクーポンや割引を提供するといった、提供の幅を広げている。

「オンラインショッピングとオフラインショッピングの境界線はますます曖昧になってきています。私たちの狙いは、どこで買い物をするにしても、消費者のショッピング体験をより実りあるものにすることです」と声明で語るのは、Flipkartの「成長と収益」担当副社長のPrakash Sikaria(プラカシュ・シカリア)氏だ。

「SuperCoinプログラムに参加することで、当社のパートナーは、真に統合された特典プログラムを通じて、Flipkartの3億人の顧客基盤の恩恵を享受することができるのです」と同氏は付け加えている。

Flipkartによれば、プラットフォーム上で、これまでに顧客が獲得したSuperCoinは10億以上だという。

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タグ:Flipkartインド

画像クレジット:Manish Singh / TechCrunch

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(翻訳:sako)

現在と将来の収入で限度額が決まるクレジットカードX1 Cardが12億円調達

X1 Card(エックスワンカード)は1200万ドル(約12億円)を調達する。同社はクレジットスコアではなく、現在と将来の収入に基づいて利用限度額を設定するクレジットカードを構築している。

この資金調達ラウンドはSpark Capitalがリードし、俳優Jared Leto(ジャレッド ・レト)氏、Box共同責任者Aaron Levie(アーロン・レヴィ)氏、Yelp共同創業者Jeremy Stoppelman(ジェレミー・ストッペルマン)氏、PayPal共同創業者Max Levchin(マックス・レヴチン)氏、Pixar元CFOのAli Rowghani(アリ・ロガーニ )氏も参加している。American Express(アメリカン・エキスプレス)のベテランであるAsh Gupta(アッシュ・グプタ)氏がアドバイザーとしてX1 Cardに加わっている。

X1 Cardは、これまでにウェイトリストに30万近くの登録があったと話す。筆者は2020年9月にX1 Cardについて記事を書き、多くの読者を引きつけた。なので30万という数字には驚かない。

X1 Cardは、異なる発想のステンレスVisaクレジットカードだ。カードを申し込むとき、クレジットスコアに基づいて利用上限額を決めるのではなくX1 Cardはその人の現在と将来の収入を参考にする。

同社はクレジットスコアシステムが時代遅れで、申込者の信用力を反映していないと考えている。だからこそ同社は利用制限額を算出するのにクレジットスコアを使っていない。それでもクレジットスコアは変化しやすい年率(12.9〜19.9%)に影響するが、それだけだ。

X1 Cardのクレジットカードには多くのソフトウェア機能がある。たとえばX1アプリからサブスクリプションを追跡でき、また自動で期限切れになるバーチャルカードを作ることができる(要クレジットカード)。返金の通知も受け取れる。

特典として、すべての購入で2倍のポイントを獲得する。もしヘビーユーザーで、年間1万5000ドル(約155万円)超のカード利用があればアップグレードして3倍のポイントを獲得することができる。口コミの要素もあり、友達を紹介すれば特典レベルがアップし、1カ月間ポイントが4倍になる。集めたポイントは提携小売店で使うことができる。

X1 Cardは多くの機能を約束し、そして現在、約束を現実のものとするために十分なキャッシュを銀行口座に持っている。カードが発行された後に同社が期待に応えるかは今後明らかになる。しかしクレジットスコアシステムが時代遅れなのは明らかだ。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:X1 Card資金調達

画像クレジット:X1 Card

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(翻訳:Mizoguchi

暗号資産領域スタートアップ「日本暗号資産市場」が4000万円を調達、一般向けERC20普及目指す

暗号資産領域スタートアップ「日本暗号資産市場」が4000万円を調達、一般向けERC20普及目指す

日本暗号資産市場は1月15日、約4000万円の資金調達を発表した。1月14日までのi-nest capitalを引受先とする第三者割当増資、村口和孝氏(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表)に対する株式譲渡、既存株主の新株予約権行使によるもの。

調達した資金は、サービス認知向上のためのマーケティング費用、ブロックチェーン周辺事業開発にかかる人件費にあてる。

具体的には、1月下旬販売の一般向けERC20前払式支払手段「JPYC」(JPYCoin)流通に向けたマーケティングや、JPYCやビットコインなどの流通のボトルネックとなるトークンウォレットの普及のための企画・開発を進める。

前払式支払手段とは、事前にお金(対価)を支払っておき、買い物時などに決済を行うもの。商品券やカタログギフト券、プリペイドカードなどが該当する。

また事業開発に際しては、監督当局と十分なコミュニケーションを取り、リーガル面に配慮しつつ、適切な法務コストをかけながら進めていく。

2019年11月創業の日本暗号資産市場は、「全てのニワトリ・タマゴ問題を解決する」をミッションに掲げるスタートアップ。2020年2月に古物商許可、3月に古物市場主許可を取得。

2020年8月、日本円・BTC・ETHで購入可能な事業者用前払式支払手段ERC20トークンであるICB(ICHIBA)の発行とともに、販売を開始。ICBは順調に流通量を増やしているという。

また同社は、ERC20前払式支払手段をさらに多く流通させるため、JPYCの発行および販売を2021年1月下旬に開始する。事業者向けのICBと異なり、JPYCは一般向けであるため誰でも入手でき、発行枚数は第一段階から1億枚を予定。Uniswapなどの二次流通市場での取引は、ICB同様に利用者が自由に行える。

暗号資産領域スタートアップ「日本暗号資産市場」が4000万円を調達、一般向けERC20普及目指す

日本暗号資産市場は、JPYCの発行により、日本国内でのブロックチェーンを活用した決済手段と物の取引のさらなる活性化を図るとしている。

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国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

みんなの銀行は1月14日、5月下旬予定のサービス提供開始に向けて、事業方針に関する発表会を開催した。同行は、2020年12月22日に銀行業の営業免許を取得、また2021年1月4日は国内初のデジタルバンクとして銀行システムの稼働を開始している。

みんなの銀行 取締役頭取 横田浩二氏(写真左)、取締役副頭取 永吉健一氏(写真右)

みんなの銀行 取締役頭取 横田浩二氏(写真左)、取締役副頭取 永吉健一氏(写真右)

みんなの銀行は、デジタル起点で発想し、ゼロベースで設計された次世代のデジタルバンク(チャレンジャーバンク)という。口座開設からATM入出金、振込など、全サービスがスマートフォン上で完結できる新しい銀行となっている。

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下のiBankマーケティングが提供するスマートフォン向け銀行公式アプリ「Wallet+」は、提供開始から4年間で130万ダウンロードを突破し、9つの地域金融機関とのアライアンスを実現。DXの加速・実現に向けたノウハウ・知見の蓄積が進んでいるという。

これらの経験を元にみんなの銀行は、シンプルかつデジタルに「銀行」そのものを「Re-Design」(再デザイン)、「Re-Define」(再定義)することで、国内初のデジタルバンクとしてのポジション確立を目指す。BaaS(Banking as a Service)による事業パートナーとのエコシステ
ム連携を通じて、「銀行」の枠組みを超えた新たな価値共創を目指していく。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

みんなの銀行では、FFG傘下のシステム開発子会社ゼロバンク・デザインファクトリー(ZDF)が構築した次世代バンキングシステム「Zerobank Core Solution」(ZCS)を利活用した事業運営を行う。

ZCSは、アクセンチュアを開発パートナーとして、国内の金融機関としては初めてGoogle Cloudが提供するGoogle Cloud Platform(GCP)を勘定系システムの構築基盤として採用。最新テクノロジーの活用を通じて構築されており、従来の銀行システムでは実現できない軽量かつ柔軟な次世代バンキングシステム、またクラウドネイティブに適したものとなっているという。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

ZCSはフルスクラッチで構築しており、「自動化前提のプロセス/行員オペレーション」「顧客データ中心のサービス・エコシステム」「マイクロサービス&APIアーキテクチャ」など従来型バンキングシステムとは一線を画す6つの特徴を採用。ZCS利活用によるシステム運用コストの最適化とともに、柔軟かつ迅速な商品サービスの開発・提供や、高度なセキュリティの下で様々なエコシステムとの柔軟な連携を進めることが可能。同行のミッション「みんなに価値あるつながりを。」のもと新たな価値提供を実現するとしている。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

また、デジタルネイティブ世代が抱える課題・ニーズを解決するため、「みんなの『声』がカタチになる」「みんなの『いちばん』を届ける」「みんなの『暮らし』に溶け込む(BaaS事業)」といった3点のサービスコンセプトを掲示。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

個人向け金融サービスの提供(B2C事業)を軸に「B2B2X事業」「バンキングシステム提供事業」の計3つの事業ドメインを段階的に展開。各事業の詳細は、今後の提供開始などのタイミングに合わせて改めて発表する予定。また個人・法人のニーズを満たすために、自行サービスのみならず、FinTech企業などとのサービス・機能連携も検討しているとした。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

事業ドメイン

  • B2C事業:全国のデジタルネイティブ世代をターゲットに、スマートフォンで完結する金融サービスを提供
  • B2B2X(BaaS)事業:みんなの銀行の金融機能・サービスを、APIを介して事業パートナー(主に法人)に提供
  • バンキングシステム提供事業:システム開発/運用業務の内製化を進め、システム・機能自体を提供/販売

B2C事業では、従来より銀行が提供してきた「バンキング機能」に加え、日常のお金のやり取りや管理をスマートフォンで手軽にできる「デジタルウォレット」アプリに一体化させた新しいモバイル専業銀行を目指す。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

普段使いのWallet(普通預金)機能とBox(貯蓄預金)機能を用意するほか、バーチャルデビットカードにより、チャージレスで口座直結の買物が可能。Record(アカウントアグリゲーション)機能では、他行口座やカード情報などを登録することで、お金まわりの情報を一元管理を行える。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

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国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

口座開設についても、来店不要かつ24時間365日いつでもスマホだけで完結できるようにしており、印鑑レス・郵送レス・カードレスで、アプリを財布代わりに利用できるという。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

また、サービスコンセプトのひとつ「みんなの『暮らし』に溶け込む」は、BaaS(Banking as a Service)事業を指すという。金融機能・サービスをAPIを通じて提供することで、事業パートナーの金融事業への参入を容易にし、事業パートナーが保有するチャネルなどを通じて、金融機能・サービスをオンデマンド型で提供することを可能にするとした。

国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」が事業方針を発表、5月下旬にサービス開始予定

これにより、例えば企業が従業員向けに金融サービスを搭載した「Wallet」を提供するなどが可能になる。各業種/各企業が抱える課題・ニーズに合わせたサービス連携により、事業パートナー企業は「顧客体験の向上」「収集したデータの利活用」「金融サービス提供による新たな収益源の獲得」といった大きく3つのメリット(ベネフィット)を享受できるとした。

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画像提供:みんなの銀行、撮影:菊地英二

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カテゴリー:フィンテック
タグ:銀行(用語)日本(国・地域)

反トラスト法に阻まれてVisaがPlaid買収中止、フィンテック関係者に落胆の声が広がる

報じられているようにVisaはフィンテックスタートアップPlaidとの買収交渉を打ち切った。すでに両者の間では合意があったが、これも無効とされた。消費者向けクレジットカードの大手がフィンテックのAPIを構築しているスタートアップをグループに組み込む可能性はなくなった。

合併に関して当初両者の合意が発表されたとき、買収額は53億ドル(約5510億円)とされた。買収交渉が行われていることを我々が報じたのはちょうど1年前、2020年1月13日だった。しかし2020年11月、米司法省はこの合併に反対した。司法省は「この買収は、在来の貯蓄口座およびさらに進歩的なオンラインデビットカードサービスの分野で、現在生じつつあるライバルを排除することになる危険性がある。したがってこの合併はライバル企業ならびに消費者の利益に反する」と主張した。

当初、VISAは「政府の見解は誤っている」と主張し、争う姿勢を見せていた。

しかし2021年1月12日になって両社は買収合意が正式に解消されたことを確認した。プレスリリースの中でVisaは「最終的には買収を実行できたかもしれないが問題の複雑性を考慮し、(訴訟になれば)解決まで長時間を要することになるのは不適切だと考えた」と述べている。

要するにVisaは手間がかかりすぎる、と嫌ったわけだ。

これに対してPlaidはもっと強気で社内向けのメモに「昨年には、Plaidを利用したサービスに対する需要が前例のないレベルに高まった」と書いている。2020年に始まったフィンテックブームによって一般消費者が無料の株取引アプリや「ネオバンク」に殺到したことを考えれば、昨年のPlaidの成長は驚くべきことではない。結局、PlaidのプロダクトであるAPIは消費者とフィンテック企業を仲介する位置にあるため、両者がいっそう緊密なトランザクションを望むならAPIスタートアップには強い追い風となる。

【更新】Plaidに取材し、今後、独立企業としての計画と、2020年に具体的にどれほどのスピードで成長したかを尋ねた。PlaidはTechCrunchに対して「2020年にはクライアントが60%増加し、4000を超えた」と回答している。顧客ベースの純ドル保有率が中程度だと仮定した場合、Plaidは昨年数百パーセントの成長を遂げた可能性がある。

VisaのPlaid買収は単に1つの取引の中止であることには違いないが、資金力豊富な既存大企業への買収という有利なエグジット(現金化)を狙っていたフィンテック分野のスタートアップやユニコーン企業は失望を隠せない。つまり米司法省による反トラスト法を根拠とした主張で買収が不可能になったわけでないが、大企業はスタートアップの買収により慎重にならざるをない。金持ちの大企業への売却というエグジットを考えていたフィンテックスタートアップ関係者にとって都合のいい話ではない。

これにより、今後、フィンテックスタートアップの買収金額は下がることになると予想される。フィンテックに重点をおくベンチャーキャピタルの意欲を削ぎ、スタートアップの資金調達にも逆風となる可能性がある。フィンテック関係者は、VisaのPlaid買収における高額の企業評価額が、ベンチャーキャピタルによるスタートアップへの投資ラウンドでの評価額にも反映すると期待していた。つまり買収がなくなればその逆、ということになるわけだ。

【Japan編集部】日常用語ではタータンチェックのような格子をPlaidと呼ぶためトップ写真はその模様の布地になっている。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:VisaPlaid買収反トラスト法

画像クレジット:Sarah Wardlaw / Unsplash

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

BBVAがオンラインバンキングSimpleの閉鎖をユーザーに通達、チャレンジャーバンキングアプリの統合が進行中

チャレンジャーバンキングアプリの世界では、いくつかの統合が進行中だ。ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は米国時間1月7日、2014年に1億1700万ドル(約122億円)で買収した(未訳記事)モバイルおよびオンライン決済アプリの先駆者であるSimple(シンプル)のユーザーに、サービスの停止と口座をBBVAの米国事業に移行することを計画していると伝えた。

この動きは、スタートアップ企業への積極的な投資や買収を行ってきたBBVAが、PNCとの合併に向けて事業を合理化するための継続的な取り組みの一環だ。PNCは2020年11月、BBVAの米国事業を116億ドル(約1兆2000億円)で買収すると発表した

Simpleは、米国時間1月7日の早い時間にユーザーに送信した通知の中で、BBVA USAがSimpleのアカウントを引き継ぎ、サービスを提供することになると述べている。この通知は多くのユーザーによってTwitter(ツイッター)で共有されており、次のように書かれている。

「BBVA USAはSimpleを閉鎖するという戦略的な決定を下しました。Simpleのお客様の口座に当面の影響はなく、現時点では何もする必要はありません。お客様の預金はすでにBBVA USAに保管されているため、適用される限度額を上限としてFDIC保険付きの口座として維持されます。将来的にはBBVA USAがお客様のSimpleアカウントに独占的にサービスを提供するようになりますが、それまではSimpleアプリまたはSimple.comのオンラインからアカウントと資金にアクセスすることができます」。

ユーザーには今後、BBVAへの移行に関するさらなる詳細が伝えられると、通知には続いている。Simpleの顧客の反応には、予想どおりの落胆が見られる。

Simpleのユーザーは、より迅速で現代的なサービスが受けられると思って他のプロバイダからSimpleに移行した。ネットバンキングのプロバイダを変更するのは面倒であり、多くの顧客は長年Simpleのサービスを使い続けているユーザーでもある。

Simpleは最終的には既存銀行の1つであるBBVAに買収された。スペインに本社を置くBBVAは世界最大級の銀行だ。BBVAの顧客よりも若い層のユーザーを引きつけるための、より現代的なサービスを提供する試みの一環として、Simpleは主にそのオーナーから独立(未訳記事)して運営が行われていた。

我々は、さらなるコメントをBBVAとSimpleの両方に求めた。シャットダウンを認めるBBVAの声明は、この記事の下部に掲載している。

今のところ、メールによる通知が直接顧客に変更を報せる唯一の告知であるようだ。Simpleのモバイルアプリ内でのアラートや、ウェブサイト上の告知掲載はない。

Simpleに現在どれだけのユーザーがいるかは不明だ。2014年に買収された時にはすでに約10万人のユーザーがいたため、時代に先駆けたスタートアップだったということもできるだろう。

Simpleの創業から現在までの数年間で、Nubank(ニューバンク)、Chime(チャイム)、Current(カレント)、N26、Revolut(レボリュート)、Monzo(モンゾ)などの、いわゆるネオバンクやチャレンジャーバンクの数と人気が世界中で爆発的に増加。かつては急進的なコンセプトのように見えたものが、今では当たり前のものになっている。

複数のサービスを組み合わせるために一連のAPIを活用し、既存の銀行のインフラを超えることができるネオバンクは、より機動的でより現代的なインターフェイスを、(モバイルアプリのような)より現代的なプラットフォームで提供する。

実店舗に足を運んだり、窓口で担当者相手に取引を行ったりといった銀行の伝統的な習慣をいくつもパスできる新しい銀行は、それらをアルゴリズムに置き換え、たとえば月々の支出を分析してお金を節約したり、資産運用のより良い方法を提案したりすることで、人々の財政管理を支援する。

Simpleを取り巻く出来事の変化は、より新しい「チャレンジャー」バンクのサービスを使うことの不安定さを表現しているともいえる。小規模なサービスには常にリスクがあり、既存のサービスのように堅実に存続できない可能性がある。少なくとも、そのように考えられている。近年の大規模な銀行危機は、このような考え方を明確に覆してきた。

Simpleは常に完璧だったというわけではなかった。同社は特定の機能、たとえばBill Pay(ビルペイ)(未訳記事)、銀行口座の種類(未訳記事)を予告なしに廃止することもあり、ユーザーはそれに代わるものを求めて奔走しなければならなかった。

問題は、ユーザーがBBVAに固執することに決めるか、それとも別のチャレンジャー(バンク)を探すか、あるいはその間にも現代化を進めている、名前の通った大手銀行のどこかに移行するか、ということになるだろう。今となっては、結局のところ、考えられる選択肢は山ほどあるのだ。

【更新】BBVAの声明は以下のとおりだ。

BBVA USA は、外部組織との既存および潜在的なパートナーシップを含め、戦略的優先順位とリソースの評価を常に続けています。差し迫ったPNCとの合併を機に、我々はBBVA USAの目標を再評価し、単独の会社としても、PNCと合併する場合についても、会社の将来にとって最も意味のあることに集中しているところです。

その結果、本日、いくつかの変更を加速し、Simpleの閉鎖を含めいくつかの業務を停止することにしました。これらの見直しは当社の通常のプロセスの一部であり、過去1年ほどの間にCovault(2020年)やDenizen(2019年)など、他のベンチャーを業績や経済状況に基づいて閉鎖してきました。

Simpleのお客様は、すでにBBVA USAとSimpleとで二重の関係をお持ちです。私たちはそれらのお客様を、受賞歴のあるBBVA USAモバイルアプリに移行させる予定です。これらのお客様は慣習的な取引条件に従い、買収が完了した時点でPNCの顧客となります。BBVA USAの一員として、Simpleのお客様は、BBVA Financial Toolsを含むBBVA USAの受賞歴のあるモバイルアプリとともに、より幅広い商品やサービスを利用することが可能になります。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:BBVASimple銀行チャレンジャーバンク

画像クレジット:Simple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

認知症者の資産凍結を防ぐ家族信託サービスを提供する「ファミトラ」が2.2億円調達

認知症者の資産凍結を防ぐ家族信託サービスを提供する「ファミトラ」が2.2億円調達

家族信託サービス「ファミトラ」を提供するファミトラは1月12日、第三者割当増資による2.2億円の資金調達を発表した。引受先は、Coral Capital、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタルの3社。調達した資金により、開発体制強化による効果的な支援の実現、銀行その他との連携を強め、一般の方にも広く使える家族信託ならびに関連サービスの提供を進める。

従来、一般的に家族信託を組成するには資産規模に応じて100万円超の高額な費用がかかるため、富裕層向けサービスとされてきたという。

同社は、2025年には認知症者数が700万人、2030年には認知症者の総資産額が200兆円を超えるとされる中、認知症に関連するお金のトラブルは今後増大していく一方と見られ社会課題となっていくと指摘。

そのため、家族信託を誰にでも手が届く老後の準備のスタンダードとするために、テクノロジーによるオペレーション効率化により、信託財産評価額が1億円未満の場合初期費用税抜4万9800円+年額費用税抜2万9800円から家族信託を始められるようにした。

認知症者の資産凍結を防ぐ家族信託サービスを提供する「ファミトラ」が2.2億円調達自身や家族が認知症になった際、「意思能力がない」とみなされるとあらゆる契約が行えなくなる場合があるという。老後の資金が必要になっても、自宅や保有株式の売却が行えなくなり、場合によっては、銀行口座が凍結されてしまうなど、認知症に関連した様々なお金のトラブルが発生してしまうことになる。

これを回避するための制度として成年後見制度があるものの、成年後見制度には「一度後見人が選任されると本人が亡くなるまで解任できない」「毎月数万円の費用がかかる」「資産管理において柔軟性に欠ける」「資産の管理を家族以外の手に委ねることになる」といった課題があるという。

同社は、その解決方法として、家族に自身の資産を委託する仕組み「家族信託」があるとしている。認知症になる前に家族間で信託を行うことで、認知症に関連するお金のトラブル回避、遺言などと同様の機能の達成など、老後の資産問題対策として利用できるという。

認知症者の資産凍結を防ぐ家族信託サービスを提供する「ファミトラ」が2.2億円調達

ファミトラは、教育系スタートアップ「manabo」を創業し2018年に駿台グループからのM&Aを受けた連続起業家の三橋克仁氏、高齢者に関心を持ちつつAIやブロックチェーンなど先端領域を専門とする早川裕太氏が創業。日本において「AgeTech」を推進しつつ、信託法に精通した弁護士も所属するなど、信託分野をはじめとする専門性の高い企業となっているとしている。

AgeTechとは、高齢者を支援する様々なテクノロジーの総称。IT先進国であるアメリカでも高齢化が問題となり、ヘルスケア産業の進展と共に注目を浴びている。

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ミレニアル世代と初心者に焦点を当てるインドネシアの投資プラットフォームAjaibが26億円調達

現在、取引数ではインドネシアで5番目に大きいと言われるオンライン投資プラットフォームのAjaib Group(アジャイブ・グループ)が、Li Ka-Shing(リ・カシン)氏が設立したベンチャーキャピタルのHorizons VenturesとAlpha JWCが主導したシリーズAで2500万ドル(約26億円)の調達を行ったことを公表した。以前からの投資家であるSoftBank Ventures Asia、Insignia Ventures、Y Combinatorもこのラウンドに参加しており、ラウンドは2回のクローズで完了した。

最高経営責任者(CEO)のAnderson Sumarli (アンダーソン・スマリ)氏と最高執行責任者(COO)のYada Piyajomkwan(ヤダ・ピヤジョムクワン)氏によって2019年に設立されたAjaib Groupは、ミレニアル世代と投資初心者に焦点を当てており、現在は月間100万人のユーザーを擁しているという。これまでの調達額は、2019年に行われた200万ドル(約2億1000万円)のシードラウンドを含め、総額2700万ドル(約28億1000万円)となっている。

インドネシアにおける株式投資の普及率は非常に低く、同国における資本市場の投資家はわずかに約160万人(The Jakarta Post記事)と人口の1%にも満たない(対照的に、Gallup社のデータによれば、米国人の約55%が株式を保有している)。

普及率が非常に低いことに加え、パンデミックの影響で個人投資家の資本市場への関心が高まっている(The Jakarta Post記事)ことから、特にミレニアル世代に焦点を当てたオンライン投資プラットフォームへのVCの関心に拍車がかかっているのだ。先週、インドネシアの投資アプリBibit(ビビット)がSequoia Capital Indiaが主導する3000万ドル(約31億3000万円)のグロースラウンドを発表し、また別のオンライン投資プラットフォームBareksa(バレクサ)は2020年に、決済アプリOVO(オボ)から非公開でシリーズBを受けたことを認めている(Deal Street Asia記事)。

Ajaib Groupの創業者は、低手数料の株式取引プラットフォームとして差別化を図るとともに、分散投資のための投資信託も提供しているという。Bibitは投資信託向けのロボットアドバイザーであり、Bareksaは投資信託のためのマーケットプレイスだ。

スマリ氏とピヤジョムクワン氏は、インドネシアの株式投資家率が低いのは、オフラインのブローカーを利用する高い手数料を支払う余裕がある富裕層が行うケースが一般的なためだと、電子メールでTechCrunchに語っている。Ajaib Groupは、株式投資についで学んだスマリ氏が、インドネシアに投資プラットフォームがないことに不満を感じたことをきっかけに、2019年に立ち上げられた。

米国のRobinhood(ロビンフッド)やブラジルのXP Investimentos(XPインファスティメンドス)のような企業に触発されたイAjaib Groupは、オフラインのブローカーや支店を一切持たない、モバイルファーストの株式取引プラットフォームとして誕生した。シンプルなユーザーインターフェース、アプリ内教育機能、投資アイデアを共有できるコミュニティ、低手数料などが、投資初心者やミレニアル世代にアピールしている。

初めてアプリを試してみる人は少額の投資を好むため、Ajaibは取引口座の開設にあたって最低残高を要求しない。ピヤジョムクワン氏は、「Ajaibで投資してから、2カ月以内に投資金額が3倍になるのが一般的です」と述べている。

Ajaib Groupのプラットフォームでは、株式取引用のAjaib Sekuritas(アジャイブ・セクリタス)と投資信託用のAjaib Reksadana(アジャイブ・レクサダナ)が提供されている。同社によると、Ajaib Sekuritasは2020年6月にローンチしてから、わずか7カ月で取引数でインドネシア第5位の株式証券会社になったという。

インドネシア政府とインドネシア証券取引所は、より多くの株式投資を奨励するための取り組みを開始した。Ajaib GroupのシリーズA資金の一部は、政府と協力してミレニアル世代に投資やファイナンシャルプランニングについて教育する「#MentorInvestai」キャンペーンに使用される。今回のラウンドの資金はまた、Ajaibの技術インフラや製品の拡充、エンジニアの雇用拡大にも投入される予定だ。

Ajaibはいずれ他の東南アジア市場にも進出する可能性があるが、近い将来ではインドネシア国内に多くのチャンスをみている。ピヤジョムクワン氏は「Ajaibの2人の創業者は、東南アジアの2大資本市場であるインドネシアとタイの出身で、この地域に対して強い情熱を抱いています」と語っている。「とはいえ当面は、投資浸透率がまだ低く、サービスを提供できるミレニアル世代の投資家が多いインドネシアに焦点を当てていきます」。

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(翻訳:sako)

ビットコイン擁護派がトランプ政権の性急な仮想通貨規制に反抗

全米のBitcoin(ビットコイン)ファンが、共通の敵である米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に対抗して結集している。

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の側近の1人であるSteven Mnuchin(スティーブン・ムニューチン)米財務長官は感謝祭以降、バイデン政権が2021年1月20日に就任する前に、いくつかの暗号通貨規制を押し通すために残業を続けている。

FinCEN声明では、金融規制を設ける理由について、テロ資金調達、制裁回避、麻薬や武器の闇取引を抑制する目的があると例のごとく列挙しているが、今回のような異例の緊急性(Coin Centerサイト)を正当化する新たな根拠については一切言及していない。

これらの規制案には、暗号通貨の取引所に、個人のウォレットに送信された3000ドル(約31万円)以上の取引を含む記録を保存し、さらに1日で1万ドル(約104万円)を超える価値の取引を行ったユーザーをFinCENに報告することを義務づける提案(The Verge記事)が含まれている。比較のために挙げると、銀行は1万ドル以上の現金引き出しがあると米国内歳入庁に報告しなければならない(Zacksのサイト)が、銀行システム自体の中で処理を行う必要はなく、顧客がシステムから引き出した現金をどこで使うかを監視する義務はない。

さらに、補足的なFinCENの声明(CoinDesk記事)では、米国人が外国のサービスプロバイダーで保有している暗号通貨の価値が1万ドルを超えた場合も、報告を求めることが提案されている。この2つ目の新提案は詳細がまだ漠然としているものの、財務省が数千ドル(数十万円)の価値に相当するビットコインを扱っている人について、顧客情報の把握に特別な注意を払いたいと考えていることは明らかだ。

電子フロンティア財団は、これを令状や疑惑なしに「より多くの金融監視を推進するもの」として、懸念を表明している(ビットコインのユーザーは、他の資産と同じように、すでに保有額を税務上申告する義務がある)。このように、6万5615人を超える暗号通貨擁護者が、FinCENに批判的な声明を提出した。その中には、Fidelity(フィデリティ)やSquare(スクエア)などの企業も含まれる。Squareの声明によると、同社は「当社のサービスに加入していない、または当社の顧客としてサインアップしていない人々『受取人』について、信頼性の低いデータを収集しなければならなくなる」と述べている。

ワシントンD.C.の非営利団体Coin Center(コイン・センター)は声明を発表し、この提案はまた、ユーザーが取引相手やネットワーク運営者を知らない可能性がある分散型サービスへの米国人のアクセスを制限するだろうと述べた。

Coin CenterのリサーチディレクターであるPeter Van Valkenburgh(ピーター・ヴァン・ヴァルケンバーグ)氏は、他の金融機関よりも多くのデータ収集要件を暗号通貨企業に課す規則に対して、通常の60日間のコメント期間ではなく、15日間のコメント期間しか認めなかったことからも、この提案は非常に異例であるとTechCrunchに語っている。

「この規則は、暗号通貨の取引所に、取引相手の名前や物理的な住所など、現金取引では必要のない余計な情報を収集し、保持し、報告することを求めるものです」と、同氏はいう。「今のところ我々がわかっている限り、新政権に移行する前にこのプロセスを完了させるスケジュールになっています。つまり、この規則が確定するということです。新政権が新しい規則を発令し、過去の規則を覆すことは可能ですが、それははるかに困難なプロセスです」とヴァン・ヴァルケンバーグ氏は語った。

2021年1月の第1週に就任したCynthia Lummis(シンシア・ルムミス)次期上院議員は、米財務省がこのように異常に短いコメント期間を設けているのは「ばかげている」とツイートした。同様に9人の議員が、冬休みを利用したこの早計なルール作りがプロセスの正当性を損なっていると警告する書簡を発表した。

これらの提案は唐突というだけでなく、調査が不十分と思えるほど曖昧なものでもある。Square Crypto(スクエア・クリプト)の開発者であるMatt Corallo(マット・コラーロ)氏とMIT Media Lab(MITメディアラボ)のディレクターであるNeha Narula(ネハ・ナルラ)氏は、FinCENの提案はビットコインのアドレスがどのように機能するかについての基本的な技術的概念を混乱させるとの声明を発表。そのため、このような規制を実施することは難しく、法外に高いコンプライアンスのための注意事項は、米国の企業に負担をかけることになると述べた。

「政治的な動機を見極めるのは常に難しいですが、公衆の噂では一貫して、これはムニューチンによる個人的な後押しであり、それ以上でも以下でもないことが示されています」とコラーロ氏は述べている。「Jane Yellen(ジャネット・イエレン)次期財務長官の発言やFinCENの新しいリーダーシップがどうなるかによって、我々は今後の数年間がどのようなものなるか、多くを学ぶことができるでしょう。イエレン氏が決められることはたくさんありますが、有益で実用的な規制を構築する仕事で、ムニューチン氏の土壇場の試みよりも悪いことにはならないでしょう」。

ヴァン・ヴァルケンバーグ氏は、トランプ政権が立法プロセスに従わない場合、Coin Centerをはじめとする暗号通貨業界の団体は、法廷で判決に異議を唱える準備ができていると述べた。すなわち米財務省は提出されたパブリックコメントを、この独善的なルール形成者たち自身が設定した日付の2021年1月7日までにすべて読み、検討する必要があるということだ。

「財務省はその後、すべてのコメントを考慮したと最終規則を発行する権限を、法律上は持っています」とヴァン・ヴァルケンバーグ氏はいう。「しかし、もし彼らがすべてのコメントを考慮しなかったことが明らかであり、新政権が発足する前に確定的な規則が公表されたと感じられたら、すべてのコメントを読んで考慮するという要件が満たされていないと法廷で主張するのは非常に簡単でしょう」。

現在の状況だと、現政権は次期政権に「混乱」を「背負い込ませる」つもりのようだと、ヴァン・ヴァルケンバーグ氏は語った。

【Japan編集部】本稿を執筆したLeigh Cuen(リー・クエン)氏は、ViceやBusiness Insider、Newsweekなどに寄稿しているニューヨーク在住の記者。

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タグ:Bitcoin暗号資産 / 仮想通貨コラム

画像クレジット:ismagilov/iStock / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

真のキャッシュレス社会実現のために必要な5つの改革

新型コロナウイルスのパンデミックが現状に挑戦し、私たちが通常の生活だと思っていたものを完全に変えた。だがこれにより、様々な方法で世界に適応・参加する新しい機会が生まれた。最初のトレンドの1つは、現金が受け入れられなくなったことだ。

最初は大したことがないように見えたキャッシュレス取引への移行により、私の顧客体験はシームレスになった。財布を持たずに過ごすようになってから、なぜ現金を持っていたのだろうと思うようにさえなった。

キャッシュレスライフはかなり長い間アジア諸国で広く採用されてきた。だが、新型コロナがパンデミックになるまで、米国全体で広く採用されることはなかった。キャッシュレス取引の便利さは理に適っているが、この便利さが商取引の他の側面を犠牲にしないことを私は願っている。

キャッシュレス取引への移行により、私の顧客体験はシームレスになった。

キャッシュレス支出に関する問題として真っ先に思い浮かぶのが、利用しづらい点、手数料、軽率な支出だ。真のキャッシュレス社会を実現するために、考慮すべき5つのポイントを挙げる。

1.現在、決済処理業者は優越的な地位を有し、顧客に手数料を課している

キャッシュレス取引のために、私たちはお気に入りのバリスタ、小さな会社、独立したブランドとの最後の直接的な本物のつながりを手放した。私がクレジットカードや電話を取り出して支払うとき、私と売り手の双方が支払う手数料のことは頭にない。かつては手数料などかからなかった取引を成立させるためにそうした手数料を払っている。売り手との直接的なつながりを失ったことで決済処理業者は優越的な地位を獲得し、最大3%の不当な料金を要求することを可能にした。

バーチャルな支払いでは、私の現金は基本的に私の電話の中にあり、バリスタは私の目の前にいるが、その取引は現金取引のようには運ばない。売り手は私との取引で手数料を支払う必要がある。コーヒーショップの現金売上が新型コロナ前の20%だとすると、今ではその20%になってしまった売上に対して手数料を支払う必要がある。悲しいことに、売り手は時間が経つとともに価格を引き上げるようになる。過去の経験からいえば、キャッシュレス取引を採用すると、結果として顧客に手数料が転嫁される。

一律の値上げを通じて、電子的でシームレス、そしてかつてないほど安全な取引を実現するためのコストをいつも顧客が負担し、売り手を救済している。さらに顧客は、あらかじめ決められた設定でデジタルでチップを渡すように「強制」される。情緒的な社会契約としてのチップの意味をすべて消し去ってしまった。このニューノーマルは、以前は顧客が現金3ドルで買っていたコーヒーに、デジタルトランザクションでは4ドルを支払うことを意味する。

2. プラットフォームは取引手数料をなくすために新しいモデルを採用しなければならない

ソフトウェアとインテリジェントプラットフォームが幅広く利用され、サービスのコストが常に削減されているのに、なぜそのコスト削減がデジタル金融取引にまだ反映されていないのか。顧客はキャッシュレス取引が現金取引と同じように機能するよう要求すべきだ。

手数料モデルを継続するとしても、定期的に利用し、忠実で、検証済みの顧客がクレジットのコストに加えて取引に多額のコストを常に(直接的または間接的に)支払うのはなぜか。取引が定期的か新規かによって区別されるべきで、それに応じた適切な料金があるはずだ。

3. 支出に意識的になるよう促すプロダクトエクスペリエンスにすべき

デジタルカードやクレジットカードで支払うと、他人のお金で支払ったように感じられる。これは危険性のある感覚だ。ユーザーはお金がすぐに出ていくのを見ることがない。コーヒーの通常価格が3ドルだとする。そのコーヒーを現金で買うこととカードやデジタルウォレットで支払うこととは非常に異なる経験だ。

ポケットにある現金に限りがあるとき、支出という物理的行為(および場合によっては精神的苦痛)にともなう金銭感覚は異なったものになり、クレジットカードやデビットカードから支出する目に見えないお金とは違い、価値が高くなる。多くの点で、私たちが現金で支払うときに感じる静かな痛みが、無意識のうちに私たちの支出についての意識を高めてきた。

4. アクセシビリティと利用をすべての人に拡張しなければならない

キャッシュレス社会の考え方は、これまでのところ、銀行口座のない人々や銀行サービスの利用が少ない人々を広く包摂するものではなかった。新しいモデルを支えるには、サービスの行き届いていない層がソフトウェアを利用できるようにする必要がある。ユーザーが食料品店に足を運び、レジ係に100ドルを渡して、バーチャルウォレットにお金をアップロードできるようにしなければならない。

また、友人がバーチャルウォレットに100ドルを送金できるようにする必要がある。キャッシュレス社会が機能するためには、バーチャル決済が容易かつ確実に機能し、現金と同じようにあらゆる場所で受け入れられなければならない。

5. オープンウォレットへの道

フードデリバリーアプリで15ドルの食べ物を注文し、結局合計で25ドルを超えてしまった経験はないだろうか。配送料金、チップ、税金に加え、配送アプリはクレジットカード会社や決済会社が請求する手数料を相殺するため、さらに料金を上乗せした価格を設定している。そうした追加料金を回避するため、LyftやUberなどのアプリはACH送金による独自のデジタルウォレットの導入し始めた。

悲しいことに、こういったウォレットが広く採用されるまで、消費者がメリットを享受する可能性は低い。消費者は特定のアプリでしか使えないウォレットをもう1つほしいとは思わないため、普及していない。

今後の方法

消費者に真の力を与えるには、GoogleとAppleの両方がオープンAPI支払いシステムを使用してデジタルウォレットを開発し続け、すべてのアプリが無料で安全にやり取りできるようにする必要がある。そうすればGoogleとAppleのウォレットは変貌し、クレジットカードのゲートウェイになるだけでなく、銀行口座のない人々や銀行サービスの利用が少ない人々に対し、より良いサービスが提供される。

対面で現金を補充できるオープンウォレットが利用可能になれば、銀行口座を持たない人々や銀行サービスの利用が少ない人々をさらにサポートすることになる。バーチャルウォレットにある現金を、アプリ、ウェブサイト、または実店舗で手数料を支払うことなく使えるはずだ。また、銀行口座からウォレットに現金をチャージしたり、給与の一部を電話の中のウォレットに直接入金したりできるはずだ。売り手もGoogleとAppleに手数料を払わなくて済むため、ウォレットからの支払いから恩恵を受けられる。

代わりにモバイルウォレットの作り手は、ユーザーと売り手の発見と紹介に注力する新しいビジネスモデルを導入し、売り手への紹介に対して課金することができる。

それほど遠くない将来、新しいAppleまたはGoogleの電話を入手すると、そこにはウォレットが入っていて、あらゆるアプリや実店舗での支払い、またピア・ツー・ピアの送金に手数料無料で使えるようになる。デジタルウォレット内のクレジットカード、またはむしろクレジットラインは、Affirmのような融資サービスを利用するようになる。そうなれば、携帯電話のウォレットを使用するだけで、ガムのパックから高級時計、さらにはクルマまで何でも購入できる。

ゴールドマンサックスとマスターカードだけがクレジット分野のプレイヤーであってはならない。単純な取引に適用されている時代遅れの料金モデルを変革するために、デジタルウォレットの分野でイノベーションが必要とされている。

【Japan編集部】 本記事ライターのWisam Dakka(ウィサム・ダッカ)氏は、AIを利用した自動検索、パーソナライズされた洞察、最新のピアツーピア共有、そして取引と購入履歴に基づくリワードをユーザーに提供するソーシャル金融アプリケーションであるMeemoの共同創業者。

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タグ:キャッシュレス決済

画像クレジット:simonlong/ Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

消費者金融サービスのSoFiがSPACとの合併を通じて上場へ

消費者金融サービスのスタートアップSoFi(ソフィ)は特別買収目的会社(SPAC)であるSocial Capital Hedosophia Holdings Corp Vとの合併を通じて上場する。Social Capitalはベンチャーキャピタル投資家Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が設立した一連のSPACの1社だ。

SoFiは合併を認め、声明によると同社のバリュエーションは86億5000万ドル(約8981億円)になる見込みだ。ここにはキャッシュ24億ドル(約2491億円)、確認された私募からの12億ドル(約1245億円)、SPACからの出資5億500万ドル(約524億円)、T. Rowe Priceがリードして2020年12月にクローズしたSoFiへの投資が含まれる。

SPACを通じてSoFiを上場企業にするという契約はここ数週間噂されていた。可能性のあるSPACとしてパリハピティヤ氏の名前を明らかにした最新のニュースは最初にロイターが報じている

元TwitterのCOOであるAnthony Noto(アンソニー・ノト)氏が現在率いるSoFiは、学生ローンでより良い融資条件を確保する手段を提供すべく、10年以上前に設立された。同社は商品をローンや投資、保険、そして現金や資産管理のツール(未訳記事)といった消費者向けのもに拡大してきた。2020年4月のGalileoの買収でB2Bの領域にも進出した。

SoFiは創業以来、何百万ドル(数億円)もの資金を調達し、直近のものはカタール投資庁やカタール拠点のプライベートエクイティとソブリンウェルスファンドがリードした2019年の5億ドル(約519億円)のラウンドだ。SoFiは直近では43億ドル(約4464億円)と評価された。

パリハピティヤ氏はSPACブームの祖としての功績がある。空白の小切手の会社としても知られるSPACは他の企業の合併や買収を目的として組成されている。ペーパーカンパニーが後に公開企業となる非公開企業との合併を意図してIPOで資金を調達する。過去18カ月で数多くのSPAC合併があった。

2017年にパリハピティヤ氏はSocial Capital Hedosophia Holdingsという自身の最初のSPACのために6億ドル(約623億円)を調達した。この資金は最終的に英国の宇宙旅行会社Virgin Galacticの49%の株式を取得するのに使われた。Social Capital Hedosophia Holdings Corp Vはパリハピティヤ氏の3つめのSPACだ。2つめのSPACは2020年にOpendoorと合併した。

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(翻訳:Mizoguchi