リサイクルロボット企業AMP Roboticsが最大73.2億円を調達か

Sequoia CapitalやSidewalk Infrastructure Partners(AMP Roboticsリリース)などの投資家たちが支援する、リサイクルロボット技術の開発企業AMP Robotics(AMPロボティクス)が、最大7000万ドル(約73億2000万円)規模の新しい資金調達を行おうとしているようだ。この情報は同社の計画を知る複数の情報源からもたらされた。

この新しい資金調達は、AMP Roboticsのパイロットプロジェクトや、同社の展開を飛躍的に拡大できる新しいパートナーシップが、継続的に成功していることを証明している。

11月初めに、同社はごみの仕分けロボットならびにリサイクルロボットに対する過去最大規模の新規注文を受けたことを発表した。

廃棄物処理会社Waste Connections(ウエイスト・コネクションズ)に対して、機械学習式リサイクルロボットシステムを24セット納品したこの注文は、同社のリサイクル技術の有効性のショーケースである。

これは、2020年初めにトロントのアパート複合施設で行われたパイロットプログラムに続けてやってきた取引だ。このパイロットプログラムでは、アパートの借り手たちが、自らのリサイクル活動の改善のために、AMP Roboticsによってモニターされているリサイクル活動を、ビルの貸し手と共有することができるようになっていた。

AMP Roboticの機械学習式ロボットが持つであろう可能性は否定できない。同社の技術は、従来のシステムでは決して行えなかったやり方で、そしてほとんどの廃棄物処理施設よりもはるかに低いコストで、連続的に廃棄物を分類することができる。

TechCrunchが以前にもレポートしたように、この技術は高密度ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを区別することができる。またロボットは色、透明度、不透明度、そして蓋、容器、折り畳み構造、カップなどの形状を分類することもできる。さらにはパッケージ上のブランドを識別することさえできるのだ。

AMPのロボットはすでに北米、アジア、ヨーロッパで配備されていて、最近ではスペインやカリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、ミネソタ州、ミシガン州、ニューヨーク、テキサス州、バージニア州、ウィスコンシン州などの米国全土でも導入されている。

今年の初めAMP Roboticsは、投資家のSidewalk Labsと協力し、トロントにある250ユニットを収容する1棟のアパートの入居者たちに、リサイクル習慣に関する詳細な情報を提供するパイロットプログラムを開始した。Sidewark Labsは、その廃棄物をCanada Fibers(カナダ・ファイバーズ)の材料回収施設に輸送している。この施設では、Canada Fibersの従業員とAMP Roboticsの両社がゴミを分類している。

廃棄物が分類され、整理され、記録されると、Sidewark は建物の住民に対して。彼らのリサイクル活動の結果がどのようなものであったかを報告する。

デンバーに拠点を置くAMP Roboticsが、その技術の早期商業化の資金を手にするために、Sequoia Capitalなどから1600万ドル(約16億7000万円)を調達したのは、ついこの間である2019年11月だ。

このときTechCrunchが報告したように、当時のリサイクル事業は(材料の品質に関わりなく)、一連の廃棄物を中国による買い上げに頼ることができていた。しかし約2年前、中国はもはや世界のゴミ捨て場として機能することをやめることを決定し(Yale大学リリース)、他の国から受け取ることができる原材料の種類に厳しい基準を定めた。

その結果、リサイクル施設での処理コストが高くなり、実際にゴミをより効率的に分別する必要が生じている。また当時は、失業率がゴミ仕分け施設での労働力を圧迫していた。この1年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが、リサイクル施設と廃棄物処理施設に「エッセンシャルワーカー」に分類されているにも関わらずさらなる圧力をかけている。

経済的現実を考慮した結果、リサイクル業者たちはAMPの技術に目を向けている。コンピュータビジョン、機械学習、ロボット自動化の組み合わせにより、施設での効率を向上させるのだ。

そして、ストリーム中の廃棄物を特定するAMPの技術力には、他の利点がある。最高経営責任者のMatanya Horowitz(マターニャ・ホロウィッツ)氏は2019年、TechCrunchに対して次のように語った。

「私たちの技術は、コーラ缶かペプシ缶か、スターバックスのカップなのかを識別することができます。それはリサイクル性を考慮した製品デザインを助けることができます。【略】私たちはそうしたデザインを行うひとたちからの関心が高い、レポート機能を構築しています」。

AMP Roboticsはこの記事へのコメントを拒否した。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:AMP Robotics資金調達リサイクル

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(翻訳:sako)

会員数200万人超え、チャレンジャーバンクCurrentが約137億円調達

6カ月足らずで会員ベースを倍増させた米国のチャレンジャーバンクCurrent(カレント)は米国時間11月24日、Tiger Global ManagementがリードするシリーズCラウンドで1億3100万ドル(約137億円)を調達したと発表した(Currentリリース)。本ラウンドによりCurrentの累計調達額は1億8000万ドル(約188億円)となり、バリュエーションは7億5000万ドル(約784億円)を超えた。

シリーズCラウンドには新規投資家のSapphire VenturesとAvenirも参加した。そしてFoundation Capital、Wellington Management Company、QEDなどの既存投資家も戻ってきた。

Currentは親が管理するティーンエイジャーのためのデビットカードとして始まった(未訳記事)。しかし2019年、同じバンキングテクノロジーを使って個人当座預金口座の提供も始めた。このサービスは現在、多くのモバイルバンキングアプリと競合する。これらのアプリは無料の借越、最低預金残高不要、迅速な振り込み、即時の支出通知、バンキング分析、スマホカメラを使った小切手入金、その他チャレンジャーバンクにとっていまやスタンダードとなっている基本的な機能を提供している。

2020年8月にCurrentは競合他社との差異化を図るためにポイントプログラムを導入した。2020年11月、競合相手にGoogle Payも加わった。

Currentが昨秋シリーズBラウンドを調達したとき、同社には50万超の口座があった。今日では会員数は200万人超だという。売上高も成長していて、前年比で500%増だと同社は11月24日明らかにした。

「Currentが提供するのに比類なく適している最高クラスのモバイルソリューションで安価なバンキングにアクセスしたいという明らかな需要を目にしてきました」とCurrentの創業者でCEOのStuart Sopp(スチュアート・ソップ)氏は資金調達に関する声明文で述べた。「当社は、毎月の給料を使い切るような生活をしている何百万という勤勉な米国人、そして従来の銀行で満足にサービスを受けられていない人の財政状況を改善するプロダクトの開発に取り組んでいます。新たに調達した資金で当社は引き続き、会員がより迅速にお金を確保したり、賢く消費したり、経済の不平等を縮めたりするためのミッションや成長、イノベーションを広げることができます」と付け加えた。

調達した資金はCurrentのモバイルバンキング商品のさらなる開発と拡大に使われると同社は話している。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Current資金調達

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(翻訳:Mizoguchi

ソフトバンクやGoogleが出資する中国のトラック版Uber「Manbang」が約1780億円を調達

Uber(ウーバー)のトラック版である中国のManbang(マンバン)は米国時間11月24日、新たなラウンドで17億ドル(約1780億円)を調達したと発表した。SoftBank Group(ソフトバンクグループ)や、Alphabet(アルファベット)のベンチャーキャピタルファンドCapitalGなどから19億ドル(約1990億円)を集めてから2年が経つ。

2021年にIPOを控えているManbangが10億ドル(約1046億円)の調達を模索していると、2週間前にThe Wall Street Journalが報じ、それに続くニュースだ。Manbangはこの件についてコメントは却下したが、CEOのZhang Hui(チャン・ホイ)氏は2019年5月に同社は上場を急いではいない、と述べている(新浪科技記事)。

Manbangは、2020年に黒字化を達成したと述べた。バリュエーションは100億ドル(約1兆455億円)に達すると2018年に報じられている。

トラック運転手と貨物輸送・金融サービスの業者をマッチングするアプリを提供するManbangは、2017年にライバル関係にあったYunmanmanとHuochebangが合併してできた会社だ。当時、中国は「シェアリングエコノミー」ブームで、統合と再編が始まった時期だった。

Manbangは最新のラウンドは、またもや有名な投資家を惹きつけた。ここにはSoftBank(ソフトバンク)のVision Fund(ビジョンファンド)、Sequoia Capital China、Permira、Fidelityが含まれ、このコンソーシアムがラウンドをリードした。その他にはHillhouse Capita、GGV Capital、Lightspeed China Partners、Tencent、Jack Ma(ジャック・マー)氏のYF Capitalなどが参加した。

ManbangはAlibaba(アリババ)とのつながりもある。Yunmanmanを創業したチャン氏はAlibabaの有名なB2B部門の出身だ。Manbangの会長Wang Gang(ワン・ガン)氏も配車サービス大手Didiのエンジェルラウンド調達に乗り出す前にAlibabaで働いていた。

Manbangは、同社のプラットフォームには認証済みドライバー1000万人超と荷主500万人がいると主張する。最新のラウンドで研究・開発にさらに投資し、マッチングシステムをアップグレードし、ドアツードアのような機能へとサービスの幅を広げることができる。

Sequoia(セコイア)はトラック配車事業に対してかなり強気で、Manbangへの投資は今回が6回目だ。欧州のプライベートエクイティファンドPermira(ペルミラ)にとって、Manbangへの投資は自社が展開するGrowth Opportunities Fund(PERMIRAリリース)の中国デビューとなった。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Manbang資金調達

画像クレジット:Manbang

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(翻訳:Mizoguchi

ネイリストに直接予約できるアプリの「ネイリー」が3億円を調達、登録ネイリスト1万⼈突破

ネイリストに直接予約できるアプリの「ネイリー」が3億円を調達、登録ネイリスト1万⼈突破

ネイリストに直接予約できるアプリ・サービス「Nailie」(ネイリー。Android版iOS版)を手がけるネイリーは11月25日、2回目の調達ラウンドとして、総額3億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はサイバーエージェント、SBCグループなど。今回の調達により、サービスの認知向上に向けたマーケティングの強化、事業の成長スピードをより加速させ、ネイリストの新たな働き方、ネイルアートの新たな楽しみ方を実現する。

Nailieは、ネイリストが投稿したネイル画像からデザインを探したり、気に入ったネイリストをワンタッチで直接予約、クレジットカード登録で簡単に決済まで可能なサービスおよびアプリ(登録費・掲載費ともに無料)。Nailieでは、様々なシーンのネイリストがそれぞれの個性を発信できる世界を目指しており、登録ネイリストが1万人を突破したという。

ネイリストに直接予約できるアプリの「ネイリー」が3億円を調達、登録ネイリスト1万⼈突破

ネイリスト(ネイリスト向けサイト)にとっては当日キャンセル、いわゆるドタキャンを防げる上、面倒な会計業務や売上管理も短縮可能になる。また、ユーザーに対して各サロンのウィルス対策の有無を細かく表示可能で、安心安全にネイルアートを楽しみやすくできる。

ネイリストに直接予約できるアプリの「ネイリー」が3億円を調達、登録ネイリスト1万⼈突破

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ネイリー資金調達(用語)美容(用語)日本(国・地域)

コーディングは口述で行う時代へ、Serenadeが2.2億円のシード投資を調達

数年前、Serenade(セレネード)の共同創設者Matt Wiethoff(マット・ウィートホフ)氏がQuora(クオーラ)の開発者だったころ、手が反復性のストレス障害と診断され、プログラムコードのタイピングができなくなった。そこで彼ともう1人の共同創設者Tommy MacMilliam(トミー・マクミリアム)氏は、AIを使って手を使わずに口述でコードが書けるツールを開発しようと決意。そうしてSerenadeが誕生した。

米国時間11月24日、同社はAmplify PartnersとNeoの主導による210万ドル(約2億2000万円)のシード投資を発表した。同時に、初の市販版製品となるSerenade Pro(セレネード・プロ)の発表も行なった。

「Serenadeは、コンピューターにダウンロードして使用するアプリです。Visual Studio CodeやIntelliJといった既存のエディターに統合すれば、あとは口でコードをいうだけです」と共同創設者のマクミリアム氏は私に話した。そこからは同スタートアップのAIエンジンが主導権を握り、口でいったことを文法上正しいコードに変換してくれる。

汎用の音声テキスト変換エンジンはすでに数多く出回っているが、コード入力の必要性に的を絞ってチューンされたものは見たことがないと彼は話す。非常に狭い市場を狙った製品に見えるかもしれないが、この使用事例は、そうしたテクノロジーを怪我を負っていない開発者も利用する時代の出発点に過ぎないと創設者たちは語る。

「私たちのビジョンでは、これがまさにプログラミングの未来なのです。機械学習によって、コーディングはこれまでになく早く簡単になりました。そして私たちのAIは、プログラミングに付き物の機械的な手作業を大幅に減らします。キーボードのショートカットや言語の細かい文法を覚える手間もなく、アイデアを自然な形で表現することに専念できます。それを私たちの機械学習が、あなたに代わって実際のコードに仕上げるのです」とマクミリアム氏は説明してくれた。

このスタートアップの従業員は現在5人だが、新製品の発売と新規の資金調達の力を借りて、2021年中には15〜20人に増やしたいと考えている。この会社を立ち上げるとき、彼らは多様性を大変に重視したとマクミリアム氏はいう。

「私たちの多様化戦略は、起業プロセス全体に行き渡っています。多様性がまず第一にあるのだと私は思っています。そのため、外へ出て、素晴らしい人たちと会うよう心がけています。世間には、素晴らしい人たちがたくさんいます。私たちの仕事は、Serenadeで働くことの素晴しさを彼らにわかってもらうことです」と彼は話す。彼らは、個人的な人脈を超えたさまざまな人材源に働きかけて多様な候補者グループを掘り出す。その後、多様性の高い従業員構成を築くという目標に沿った候補者との面接方法やスキルセットの審査方法を考える。

同社は、自分たちがコーディングをキーボードから口述に移行させるための手段だと自認している。今回の投資は、ユーザーのためのコミュニティを構築しつつ製品の開発を続ける資金となる。「私たちは、声でコーディングすることの価値を、どうしたらうまく説明できるか、どのようにデモをまとめ、どのようにこの製品に長けた人たちのコミュニティを構築して、それ(声のほうが早くコーディングできること)を示すべきかを、これから考えていきます」と彼は話していた。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Serenadeコーディング音声認識資金調達

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(翻訳:金井哲夫)

倉庫のバックヤード業務を効率化するSaaS「LOGILESS」の「ロジレス」がシリーズAで5億円調達

倉庫のバックヤード業務を効率化するSaaS「LOGILESS」の「ロジレス」がシリーズAで5億円調達

受注管理システム(OMS)や倉庫管理システム(WMS)など、EC事業で必須の倉庫のバックヤード業務を効率化するロジレスは11月24日、第三者割当増資により5億円の資金調達を完了したと発表した。引受先は、ALL STAR SAAS FUND、既存投資家Coral CapitalのCoral Growth。累計調達総額は5.5億円となった。

調達した資金で組織を拡大・強化していくとともにに、ECビジネスの物流業務効率化に欠かせないOMS(受注管理システム)と、WMS(倉庫管理システム)の一体型システムにあたるEC物流効率化SaaS「LOGILESS」の機能強化を進め、日本のEC業界・物流業界の発展に尽力するとしている。

ECビジネスの物流業務のうち、OMSはEC事業者が利用し、WMSは倉庫事業者が利用している。それぞれ別のシステムを利用している場合には、注文情報をシステム間で受け渡すためのCSVファイルなどの作成業務が毎日発生し、担当者の業務負荷が高く、スピーディな出荷を実現することが難しいという課題も発生する。

これら課題に対して、LOGILESSでは、ひとつのシステムをEC事業者と倉庫事業者が利用し、注文情報がほぼリアルタイムで連携されるため、土日や深夜の時間帯であっても自動で出荷指示を出せる。

またLOGILESSのシステムでは、ひとつのEC事業者に対して複数倉庫の紐づけが可能。これにより「配送地点が北海道の場合は東日本のA倉庫から、沖縄の場合は西日本のB倉庫から出荷」「常温商品はC倉庫から、冷凍商品はD倉庫から出荷」などの出荷指示が可能となる。この機能をうまく活用することで、配送コストや倉庫での商品管理コストの低減、配送リードタイム短縮を実現できる。

倉庫のバックヤード業務を効率化するSaaS「LOGILESS」の「ロジレス」がシリーズAで5億円調達

2017年2月設立のロジレスは、「物流危機からECの未来を守り、進化させる」をミッションにLOGILESSを提供。現在約300社のEC事業者と約50社の倉庫事業者が同社システムを利用中という。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:資金調達(用語)ロジレス日本(国・地域)

​経口補水液ベースの代替​スポーツドリンクのCure Hydrationが2.7億円調達

Cure Hydrationは、スポーツ飲料市場により健康的な代替品を提供するため、260万ドル(約2億7000万円)のシード資金を調達したことを発表した。

創業者兼CEOのLauren Picasso(ローレン・ピカソ)氏は、過去にJet.comのマーケティングディレクターを務めた経験があり、トライアスロンのトレーニング後、このマーケットに興味を持ったと話してくれた。その際、たくさんの水を飲んでも脱水症状になったことがよくあったという。

一般的には、Gatorade(ゲータレード)などを飲むのが電解質を補充方法だが、「健康的で効果的な電解質製品を探し始めたとき、市場にあるすべてのものがいまだに砂糖をベースに使用していることに気づきました」とピカソ氏はいう。たとえば20オンス(約590ml)のGatorade’s Thirst Quencherは36gの砂糖を含んでいる(Healthline記事)。

そこで、ピカソ氏とCure Hydrationのチームは、WHOの経口補水液を基にした新しい飲料(Cure Hydrationリリース)を開発した。ピカソ氏によれば、この経口補水液は「主にコレラなどの病気に苦しむ人々を助けるために使われています」とのことで「何百万人もの命を救い、点滴と同じくらい効果的に水分を補給できることが証明されている」という。

Cure Hydrationは経口補水液をベースに様々なフレーバー飲料を作っている(新フレーバーのRuby Riot GrapefruitとLaser Focus Matchaが加わった)。コアとなる成分にはココナッツウォーターとヒマラヤ産のピンクソルトが含まれており、すべてオーガニックかつビーガンで、一切、砂糖は加えていない。

画像クレジット:Cure Hydration

このスタートアップは、水に混ぜて飲む粉末でこれらの飲料を販売している。

同社のウェブサイトによると、価格は20.99ドル(14個パック、約2190円)で、定期購入の場合は16.79ドル(約1750円)だ(同社は収益の1%を女性のスポーツ非営利団体SheISに寄付している)。ピカソ氏によると、初期の利用者はアマチュアスポーツ選手や、慢性疾患などのために水分補給を必要とする人たちが多かったという。

この製品はCVS、Walmart、Whole Foodsといった店舗でも販売されている。ピカソ氏は、今回の資金調達を行った目標の1つは、Cure Hydrationの小売店舗を現在の全米4200店舗以上に拡大し続けることだと語っている。

彼女は水分補給以外の新製品開発も計画しているが、すべての製品が「科学に裏打ちされた」「おいしい」という同社の「指針」に忠実なものであるという。

同社には、消化器専門医のRoshini Rajapaksa(ロシニ・ラジャパクサ)博士、「Quench」の著者Dana Cohen(ダナ・コーエン)博士、栄養士で「The Sugar Detox」の著者Brooke Alpert(ブルック・アルパート)氏を含む医療諮問委員会がある。

このラウンドにはM3 Ventures、Litani Ventures、元テニスプレイヤーのAndy Roddick(アンディ・ロディック)氏、ラッパーのNas(ナス)、NBA選手のMatthew Dellavedova(マシュー・デラベドバ)、Casper CEOのPhilip Krim(フィリップ・クリム)氏、mParticle CEOのMichael Katz(マイケル・カッツ)氏、Thrive Market CEOのNick Green(ニック・グリーン)氏などが参加しており、Lererer Hippeauが主導した。

「現在、消費者は日々の生活の中で健康を優先し、効果的なだけでなく、より良い製品を求めています」と、Lerer Hippeau代表のCaitlin Strandberg(ケイトリン・ストランドバーグ)氏は声明で述べた。「ローレンは優れたオペレーターであり、製品の品質や有効性を損なうことなくWHOに承認された製品を市場に提供する能力に感銘を受けました。今回の資金投入と小売店の拡大により、Cure Hydrationの製品がさらに多くの人の手に渡ることを楽しみにしています」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Cure Hydration資金調達

画像クレジット:Cure Hydration

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AI・IoT・ロボット技術で睡眠の質に合わせ変形するベッド開発のAx Robotixが約1億円を調達

AI・IoT・ロボット技術で睡眠の質に合わせ変形するベッド開発のAx Robotixが約1億円を調達

世界初の変形し成長するベッド「Bexx」を開発するAx Robotixは11月24日、第三者割当増資による約1億円の資金調達を発表した。引受先はライフタイムベンチャーズ、インキュベイトファンド。今回の資金調達により、2021年末にローンチするロボットベッド「Bexx」に必要な開発メンバーの採用を強化する。

一般に、ベッド(マットレス)は購入後劣化していき、高機能化することはない。これに対してAx Robotixは、ベッドをロボット化(自在に変形可能)することで、使うほどユーザーの日々の睡眠の質、体調・体重増減などのデータを学習し最適化されていくサービスを提供する。横寝・仰向け寝、入眠時・熟睡時それぞれに最適と判断した形状に変形し、睡眠の質を従来の常識以上に引き上げるという。

同社は、「もっと精力的に働きたいのにコンディションの良し悪しに振り回されて悔しい思いをしている人」を救いたいとの思いから、睡眠の質を計測するIotセンサーと専用アプリを利用し、常に最適な形状を取り続け、毎日の睡眠の質を観測・向上させるソリューションを提供するとしている。これにより、人類の進歩を牽引するために寝る人すべてのパフォーマンスをさらに一段引き上げ、社会の発展に貢献していく。

AI・IoT・ロボット技術で睡眠の質に合わせ変形するベッド開発のAx Robotixが約1億円を調達

2019年4月創業のAx Robotixは、「快眠のその先へ」をコンセプトに、人類の進歩を加速させるロボットベッドを開発するエンジニア集団。開発中のベッド「Bexx」は、新機軸の変形構造とビッグデータを活用した睡眠ケアで、ひとりひとりの理想の睡眠を実現するまったく新しいタイプの寝具という。疲労回復のさらに先、人間の活力を呼び起こす眠りを目指している。

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タグ:Ax Robotix資金調達(用語)スリープテック睡眠(用語)Bexxロボティクス日本(国・地域)

石油由来樹脂・合成紙の使用量を大きく削減可能な新素材「LIMEX」開発のTBMが20.6億円を調達

石油由来樹脂・合成紙の使用量を大きく削減可能な新素材「LIMEX」開発のTBMが20.6億円を調達

TBMは11月24日、第三者割当増資として、20.6億円の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、アデランス、島精機製作所、Spotlight 1号(日本テレビ放送網、博報堂グループのquantumによる共同出資)、摂津倉庫、DCMホールディングス、電通グループ、日本コルマー、薬王堂、ヨドバシホールディングスなど(五十音順)。

今回の第三者割当増資の目的は、循環型社会の実現に向けた事業の発展を目指し、石灰石など無機物を主原料とするLIMEX(ライメックス)素材や、再生材料を50%以上含む資源循環を促進する素材「CirculeX」といった環境配慮素材の用途拡大、資源循環を実現するサプライチェーンの強化。関連領域における豊富なリソースを有する事業会社と連携することで、シナジーを創出し、資源循環のシステム構築を進める。

具体的には、同社の環境配慮素材を活用したパッケージなど製品の共同開発や導入、店頭など販売チャネルにおける販売拡大、市場における弊社素材の認知拡大のためのマーケティング、回収・再生に向けたサプライチェーンの構築などにおいて連携を進める。

LIMEXは、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材。日本でも自給自足可能で枯渇リスクの低い石灰石などの無機物を主原料としており、耐水性を備えることからプラスチックや紙の代替素材として、国内で5300以上の企業・団体で導入されているという。従来の素材の製造に必要な石油由来プラスチックや水、木材などの資源量を大きく抑制できることから、メニュー表(印刷物)やマスクケースなどで活用されているそうだ。単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する点も特徴としている。

また、昨今のプラスチック問題を背景に、世界中の既存設備で製造と活用ができる「LIMEX ペレット」の海外生産を本格的に開始。中国・河南省やモンゴル、東南アジアなどにおいて地産地消型のサプライチェーンを構築しながら、グローバル展開を推進している。

TBMは2020年、再生材料やプラスチック代替素材の世界的なニーズの高まりに対して、排出された廃プラスチックを適切に再生利用することを目的にした、再生材料を50%以上含む資源循環を促進する素材「CirculeX」を立ち上げ。これまで、LIMEX素材の回収・資源循環については、企業や自治体と協働して仕組みづくりを進めてきたが、さらに効率の良い循環型社会の実現に向けて、CirculeXも含めた資源循環モデルを構築していくとしている。

2020年10月には、再生材料を98%使用し、従来品と比較してCO2削減が可能なCirculeX製のごみ袋を販売開始。さらにTBMグループのバイオワークスとTBMは、ポリ乳酸の繊維でつくられた植物由来で肌に優しいマスク「Bio Face」を共同開発した。

またTBMは、一般消費者向けのEC「ZAIMA」を開始し、「Bio Face」やLIMEX製品などを販売している。

同社は今後も、企業や団体だけでなく、一般消費者も含めた様々なステークホルダーの環境配慮行動を支えるために、エコロジーとエコノミーの両立を追求し、サステナビリティ領域におけるイノベーションを推進していくとしている。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:環境問題(用語)CirculeXTBM代替プラスティックLIMEX資金調達(用語)日本(国・地域)

自動運転トラックで食料・生活雑貨などを運ぶGatikがカナダ小売大手Loblawと提携

「中距離」専門の自動走行車両スタートアップGatik(ガティック)は、顧客がオンラインで注文したグローサリー、食料や生活雑貨、日常品などをWalmart(ウォルマート)のために輸送するのに自動運転ボックス型トラックを使用している。そして現在、GatikはシリーズAで2500万ドル(約26億円)を調達し、小売大手Loblaw(ロブロー)との提携の下、カナダに進出する。

Gatikは米国11月23日、トロントに配置する5台の自動運転ボックス型トラックが2021年1月からLoblawの商品輸送に使われると発表した。共同の試験事業として、全車両にセーフティドライバーが乗り込む。トロントエリアで10カ月にわたって走行するこのトラックは、カナダでは初の自動運転配達車両となる。

「多くのカナダ人がオンライングローサリーショッピングに目を向けるようになっていて、当社のサプライチェーンをより効率的なものにする方法を模索してきました。中距離の自動走行車両による配達は素晴らしい例です」とLoblawのデジタル担当上級副社長Lauren Steinberg(ローレン・ステインベルグ)氏は声明文で述べた。「今回の展開により、トロント内の店舗のPC Expressオンライングローサリー注文の需要に対応するために、当社の自動化された商品選別施設から1日に複数回商品を出すことができます」。

自動走行車両を使って配達する他の企業と異なり、Gatikは消費者をターゲットとはしていない。その代わり、同社は大型の配送センターから小売店舗へと商品を運搬するのに自動走行トラックを使っている。Loblawとの事業では、GatikはFord(フォード)のTransit 350ボックストラックに冷蔵設備、リフトゲート、そして自社の自動走行ソフトウェアを搭載する。

「小売事業者はロジスティック業務における最大の非効率性が中距離の商品輸送にあることを知っています。自動化された商品選別施設と小売店舗の間の距離が典型的なものです」とGatikの共同創業者でCEOのGautam Narang(ゴータマ・ナラン)氏は声明文で述べた。「それこそがGatikが取り組み、成功している分野であり、当社が顧客にすぐさま価値を提供できる理由です。Loblawのサプライチェーンの重要な問題を解決すべく提携できることをうれしく思います」。

Gatikの「中距離」B2BへのフォーカスはWalmart、そしてGatikのシリーズAラウンドを共同でリードしたWittington VenturesInnovation Endeavorsといった投資家を引きつけた。既存投資家のDynamo Ventures、Fontinalis Partners、AngelPadとともに、FM CapitalとIntact VenturesもシリーズAラウンドに参加した。同ラウンドはLoblawとの提携と一緒に発表された。Gatikの累計調達額は2950万ドル(約31億円)になる。

同社は調達した資金を北米での業務の増強、そしてカリフォルニア州パロアルトとトロントの施設での雇用に充てる計画だ。小売事業者との提携と車両配置の拡大を進めている、とナラン氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GatikLoblawグローサリー自動運転資金調達カナダ

画像クレジット:Gatik

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(翻訳:Mizoguchi

プライマリ・ケアと救急医療の差を埋める動物病院Bond Vetが約17億円調達

ニューヨークのテクノロジー指向の動物病院Bond Vetが、シリーズAで1700万ドル(約17億8000万円)の資金を調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのは、Talisman Capital Partnersだ。

同社の診療所はニューヨーク市内に複数あり、動物の救急医療とプライマリ・ケアの間にあるギャップを埋めようとしている。そのために同社は、CityMDをお手本にしている。最近の新しい動物病院と違ってBondは、会員でなくても予約できる。飼い主は直接来院してもいいし、ウェブサイトやモバイルアプリから予約してもよい。

同社は、緊急医療とプライマリ・ケアの両方を提供する。また、定期的な予防注射や健康診断もする。

Bondは診療所の設計も独特で、床の摩擦係数を高くして子犬が滑らないようにしている。また診察台は、処置や検査の間に飼い主が毛むくじゃらのお友だちを、状況によっては近づいて見られるようにしている。

同社はバックエンドにテクノロジーを導入して、獣医や看護師が効率的に仕事ができるようにしている。たとえば従来のように看護師がメモやノートを書かなくてもよい。雑用をなるべくなくして、患者に集中できる時間を増やしている。

Bondにはリモート診療のサービスもあり、飼い主は予約する前や後にテキストメッセージで状態を伝えることもできる。場合によっては予約が不要になり、リモートのままで問題が解決することもある。

共同創業者でCEOのMo Punjani(モ・パンジャニ)氏の説明では、Bond Vetが実現した高い効率性により、顧客の費用負担も小さくなっている。プライマリ・ケアは他の動物病院とほぼ同等だが、救急医療は従来の救急動物病院と比べて非常に安価だ。

American Pet Products Associationの予測によると、ペットへの支出は来年1000億ドル(約10兆4570億円)を超える。ミレニアル世代は、これまでの世代と比べて動物のために高品質な製品やサービスを望むからだ。ペット関連のスタートアップはその波に乗ろうとしている。Bond Vetもその1つだ。

Bond Vetの社員は現在、診療所と本社を合わせて約100名、その80%が女性だ。

2019年の6月に創業したBondは、これまで1万5000頭ほどのペットを診てきた。今回の資金はテクノロジー部分のさらなる充実と、郊外方面への診療所の増設に使われる予定だ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Bond Vet資金調達

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(翻訳:iwatan.k.a. hiwa

3DプリントロケットのRelativity Spaceが520億円調達を正式発表、火星の産業化を目指す

3DプリントロケットのスタートアップであるRelativity Space(レラティビティー・スペース)は、シリーズDラウンドで5億ドル(約523億円)調達した(Business Wire記事)ことを米国時間11月23日に発表した(以前本誌が報じた内容を正式に認めた)。ラウンドをリードしたのはTiger Global Managementで、ほかにFidelity Management & Research Company、Baillie Gifford、Iconiq Capital、General Catalystなど多くの新規出資者が参加した。初の完全3Dプリント製軌道ロケット打ち上げを2021年に控える同社の総調達額はこれで7億ドル(約732億円)近くになった。

カリフォルニア州ロサンゼルス拠点のRelativity Spaceにとって、2020年はロングビーチに12万平方フィート(約1万1000平方メートル)の製造工場が完成した大きな年だった。同社のロケット製作技術は、現存する最大の金属3Dプリンターの開発と利用に基づくもので、3Dプリントプロセスの大部分を自社開発による無人ロボットシステムとソフトウェアが扱うことで、現場の人員が比較的少なかったため、新型コロナウイルスの影響は最小限で済んでいる。

今年、Relativityは米国政府と初の正式契約も結び、新規技術と宇宙開発のためのNASAのTipping Point契約の一環として、クライアントであるLockeed Martin(ロッキード・マーティン)のために極低温燃料管理システムの新たな実験を開始した。稼働を始めた同社の第3世代Stargate金属3Dプリンターは、世界最大だといわれている。

会社の野望は遠大であり、今回調達した巨額の資金は同社が2021年にいっそう攻撃的な成長を果たす糧になるだろう。現在新たなプロジェクトが地上、宇宙関連の両方で進行中だが、CEOでファウンダーのTim Ellis(ティム・エリス)氏は、Relativityのテクノロジーの今後の応用について、火星と火星での持続可能な運用を具体的に挙げている。

以前エリス氏は、Relativityのプリンターを他の大規模金属製造に適用する可能性を示唆したことがあり、現在の費用曲線はロケット製作に最も適しているが、技術が成熟すれば他の分野にも応用できると指摘した。火星であれ地球であれ、大規模3Dプリンターが将来有望であることに間違いはなく、Relativityは有利な位置につけているようだ。

我々は来たるTC Session: Space 2020イベントにエリス氏を迎え、今回の資金調達や会社の未来について質問するつもりだ。

関連記事:3Dプリンターを使ったロケット開発のRelativity Spaceが520億円調達

カテゴリー:宇宙
タグ:Relativity Space資金調達

画像クレジット:Relativity

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GitHubやSlackで使えるリモートワーク効率化ツールのFridayが2.2億円調達

リモートワークを効率的なものにしようとしているアプリFriday(フライデー)は、Bessemer Venture Partnersがリードした210万ドル(約2億2000万円)のシードラウンドのクローズを発表した。本ラウンドにはActive Capital、Underscore、El Cap Holdings、TLC Collective、New York Venture Partnersも参加した。

Luke Thomas(ルーク・トーマス)氏が興したFridayはGitHub、Trello、Asana、Slackなどチームが使用するアプリで使えるツールだ。チームのメンバーが必要な情報を必要な時に表面に出し、他のメンバーが取り組んでいることのトップにその情報をキープする。

FridayはDaily Planner機能を提供していて、ユーザーはその日の予定を組み、他の人とその情報を共有できる。また、ユーザーがルーティーンワークのアップデートをカスタマイズしたり自動化したりできるWork Routines機能もある。例えばSlackやGoogle Hangouts経由の毎週のアップデートや日々のミーティングはFridayアプリで行うことが可能で、わざわざ設定する時間、アップデートのメモ、Slackからの情報コピーといった手間をなくす。

Fridayではまた、ユーザーの日々あるいは週の目標が会社の達成すべき目標に沿うよう、組織やチームで共有する目標を設定できる。

加えて、Fridayユーザーはミーティングに費やした時間やチームの士気、生産性をプラットフォームの分析ダッシュボードで追跡できる。

Fridayは永年無料モデルとなっている。つまり個人ユーザーそして組織すらも好きなだけこのアプリを無料で利用できる。ゴールや分析といった機能、そして過去3週間の履歴確認など、より高度な機能は1人あたり月額6ドル(約630円)で利用可能だ。

Fridayにとって最大のハードルは、人々がFridayはAsanaやTrelloと競合していると勝手に思い込むことだった、とトーマス氏は話す。実際はまったく逆で、Fridayはあらゆる情報を1カ所に集約するそうしたプロダクトのトップレイヤーだ。

「最大の問題は、当社が玉石混交の分野にいることです」とトーマス氏は話した。「Zoom(ズーム)や他のビデオ会議ツールの表面にくるレイヤーにすぎないのにリモートワークツールだと称するツールがたくさんあります。良い意味で、そして前向きな意味でこの分野にはかなりの関心が寄せられていますが、それは混戦状態をくぐり抜けるために当社が一層努力しなければならないことを意味します」。

Fridayチームはまだ小さい。フルタイムで働くスタッフが4人だ。シードラウンドで得た資金を元にチームの規模を2倍にしたい、とトーマス氏は話す。同氏はチームのダイバーシティについての詳細を明らかにすることは却下した。

2020年初めにベータを立ち上げて以降、FridayはTwitter、LinkedIn、Quizlet、Red Hat、EAといった組織の従業員に使用されている、と話している。

今回のシードラウンドでFridayの累計調達額は250万ドル(約2億6000万円)になった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Friday資金調達

画像クレジット:Friday

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ時に不可欠なVRのトレーニング施設を製造工場の現場にもたらすTransfrが12億円調達

新型コロナウイルスにより米国全体で何百万人もの労働者が職場を追われた。企業が業績を回復するためには、良く練られた、持続可能な方法で従業員に再びスキルを身につけてもらう必要がある。ただし、トレーニングと採用は企業にとって数十万ドル(数千万円)の費用がかかる可能性があり、不安定な時期には正当化が難しい多額の投資になる。

Transfr(トランスファー)の創業者であるBharani Rajakumar(バラニ・ラジャクマール)氏にとって、職場を追われた労働者のジレンマは仮想現実テクノロジーを使う完璧なケースだ。Transfrは仮想現実(VR)を活用して、トレーニングのために製造工場の現場や倉庫のシミュレーションを作る。同社のプラットフォームの入門レベルでは、労働者には安全かつ効果的に作業を学ぶ方法が提供され、企業には大人数のスキルアップのニーズに対するソリューションが提供される。

Transfrはその中核に「教室からキャリアへのパイプライン」を構築しているとラジャクマール氏はいう。企業は必要なトレーニングに影響力を持っており、学生は職業訓練学校、現場、トレーニング施設内で入門レベルの従業員になることができる。以下は、研修生の体験についての同社のプレゼンテーションだ。

Transfrのコアテクノロジーはソフトウェアだ。ハードウェアに関しては、同社はFacebook(フェイスブック)のOculus QuestヘッドセットとOculus for Businessを使用している。これは一般的な顧客が店舗で入手できるハードウェアではない。

Transfrは、サービスとしてのソフトウェア(service-as-a-service)のライセンス料を企業に請求することで収益を上げている。ライセンス料は、従業員の規模によっては最大1万ドル(約100万円)になる。

Transfrは、メンターによるVRトレーニングプログラミングとして始った。以下に示すように、同社はバーテンダーから手術スキルまであらゆるコースを提供している。

職場を追われた労働者の訓練へと移行したのは、入門レベルの従業員との関係において誰が購買力を持っているかを理解したからだとラジャクマール氏はいう。つまり、より高度なスキルを持つ労働者から最も多くを得たのは企業だったのだ。

仮想現実は新型コロナのパンデミックにより全体として盛り上がり(未訳記事)を見せ、評価を上げたが、まだEdTechの創業者の間では広く採用されていない。 ラジャクマール氏は仮想現実がこのセクターにとって革命的になる可能性があると考えている。同氏は2017年にサンフランシスコで開催されたゲームの会議に参加したときに初めて仮想現実に触れた。

「ゲームとポルノがこのテクノロジーの2大産業だとは思いません」と同氏は述べた。「これが教育と学習にどう役に立つのか、誰も理解していないと思います」。

理科の授業で使える仮想現実シミュレーションを学校に提供しているLabster(ラブスター)は、2020年3月以来プロダクトの使用量が15倍に増加した。同社は8月にアジアに進出に向け資金調達を行った。

LabsterのCEOで共同創業者のMichael Jensen(マイケル・ジェンセン)氏は、Transfrのゲーミフィケーション(ゲームの要素を他の分野で活かすこと)とシンプルなUXは採用に向いていると述べているが、開発コストが同社の規模を拡大する上で最大の障壁になる可能性があると述べた。

「今日でも、安定していて洗練されたVRアプリケーションを開発するにはコストがかかりすぎます。当社を含むすべてのプレーヤーは、真に成功するために、再利用性、テスト可能性、スケーラビリティについて考える必要があります」

Transfrは作業シミュレーションのカタログを作成することでコストを削減しようとしている。「Transfrバーチャルリアリティトレーニング施設」といったところだ。同じ教材をさまざまな顧客が再利用できるため、新しい顧客ごとにゼロから始める必要がない。毎月、需要のある新しい仕事をトレーニング施設に追加し、拡大を続けている。3月以降、Transfrの顧客は4倍になった。

ただし最も注目すべきは、アラバマ州でのTransfrの最近の仕事だ。同社はアラバマ州全体のイニシアチブを支援している。同社のソフトウェアがスキル取得の目的でコミュニティカレッジシステムや産業労働者委員会で使用されている。そうした大規模な契約があって初めて、Transfrは労働者を訓練するという使命のために成長することができる。ラジャクマール氏は来年、2021年には10〜15の同様の契約を締結したいと考えている。

これは野心的な目標だ。達成に向けた資金調達の価値がある目標でもある。Transfrは米国時間11月19日、Firework Venturesがリードするラウンドで1200万ドル(約12億5000万円)を調達したと発表した。この資金は主に、Transfrのバーチャルリアリティシミュレーションのカタログ作成のために使用される。同社はまだ利益を上げていないが、ラジャクマール氏は、もっとゆっくりとした成長率で進むならば利益を計上できる「可能性がある」と述べた。

「新型コロナの前であれば、人々は当社のことを労働者の訓練に取り組む『善きサマリア人』だといったでしょう」と同氏は述べた。「新型コロナ後の世界で人々は、当社が不可欠だと言っています」。

関連記事:VR理科実験用ソフトでアジアに進出するLabster

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Transfr資金調達

画像クレジット:wacomka / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

俳優アシュトン・カッチャー氏のSound Venturesが第3のファンドで155億円超を調達へ

Ashto Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏とGuy Oseary(ガイ・オセアリー)氏が共同設立したSound Ventures(サウンドベンチャーズ)は3番目のファンドで1億5000万ドル(約155億8000万円)を調達する計画をまとめた書類を提出した。同社は2018年の2番目のファンドでも同じ金額の書類を提出している。

新しいファンド設立計画に関するコメント要求に対して、同社からの回答はない。Sound Venturesはレイトステージのスタートアップに高額の小切手を切ることで知られているが、基本的にステージにこだわらない。カッチャー氏の名前と高額な資金規模をよそに最近同社は比較的静かに行動している。

Sound Venturesのウェブサイトには、同社が「クリーンで多くの人が参加できる持続可能な次世代ビジネス」に特化したSOUNDWavesと呼ばれるファンドを運営していると書かれている。果たしてこの日の申請がSOUNDWavesのためなのかSound Veturesの主要ファンドなのか、それとも会社の新しい方針によって2つが統合されたものなのかははっきりしない。

2018年にカッチャー氏は、車よりもスクーターのほうが好きだとTechCrunch Disruptの壇上で語った(未訳記事)。「車はあたり構わず駐車します!あれはひどい!おかげで道路は渋滞し、行きたいところへ行くのが不可能になっています」とカッチャー氏は語った。注目に値するのは、Sound VenturesがBirdにも投資ししていることで、BirdはSPACによる上場を検討している(Bloomberg記事)ことを今週発表している。

2020年は出資の話題が続き、オハイオ州拠点の自動車保険会社、Rootが今年上場し(未訳記事)、そして、温かく迎えられた(未訳記事)。

マイクロモビリティーと保険の他にもSound Venturesは、フィンテック、エンタープライズ、govtech(ガブテック。行政テクノロジー)、メドテック(医療テクノロジー)インフラストラクチャーマーケットなどでチャンスを伺っている。同社はRobinhoodやGustoなどにも投資している。

新ファンドの申請は、Sound Venturesのチームが成長を続けている最中の出来事だ。2017年にSound VenturesはEffie Epstein(エフィー・エプスタイン)氏を雇い(未訳記事)、同氏はマネージングパートナー兼COOに就任した。エプスタイン氏の採用はSound Venturesが一般投資家以外にも目を向け始めたのを受けたものだ。他にはグロース投資家でStripeのグロースマーケティングを統括していたSusan Su(スーザン・スー)氏や、以前VICE MediaとMaverick Managementで働いていたKatherine Keating(キャサリン・キーティング)氏を採用している。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:資金調達

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オリックスがイスラエルの投資プラットフォームOurCrowdに62億円出資

オリックスは米国時間11月20日、イスラエルの 投資プラットフォームOurCrowd(アワークラウド)に6000万ドル(約62億円)の戦略的投資を行った、と発表した。そのお返しとして、OurCrowdはオリックスがOurCrowdのスタートアップネットワークにアクセスできるようにする。OurCrowd はまた、両社が日本とグローバルのマーケット向けに金融商品と投資機会を作ることでコラボすると話す。ここには、OurCrowdのベンチャーファンドと同社のポートフォリオにある企業へのアクセスが含まれる。

「オリックスは多様なビジネスや、さまざまな方法でOurCrowdを強化する金融サービスにおけるグローバルリーダーです」とOurCrowdのCEOであるJon Medved(ジョン・メドベジ)氏は発表で述べた。「ベンチャーキャピタルアセットクラスをさらに変革し、イノベーティブな企業に重要なアジアマーケットへの橋渡しを提供するというポテンシャルに心躍らせています」。

一方のオリックスは、米国を含む37カ国ですでに事業を展開しているが、イスラエルでの投資は今回が初となる。この件は、イスラエルでの日本の投資が急増をみせている中でのものだ。例えば2020年初め、イスラエルを代表する航空会社であるEL AL Israel Airlines(エル・アル航空)は東京への直行便を飛ばそうとしていた。パンデミックで直行便はキャンセルになったが、2国間の拡大するビジネス関係を示すものだ。

「イスラエルの最もアクティブなベンチャー投資家であり、世界で最もイノベーティブなベンチャーキャピタルプラットフォームの1つであるOurCrowdに投資することに興奮しています」とORIX UKのCEO、羽広潔氏は述べた。「当社はOurCrowdのアクティブパートナーとなり、すでに印象的なOurCrowdの成長を加速させるのをサポートするつもりです。その一方でイスラエルの優れたテックを日本の産業・金融部門にもたらします」。

これまでのところ、OurCrowdは22のファンドで220社に投資を行った。最も成功したエグジット例としてはBeyond Meat、Lemonade、JUMP Bike、Briefcam、Argusなどがある。オリックスもまた不動産、銀行、エネルギーサービスなどへの投資を行っていて、かなり充実したポートフォリオを持っている。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ORIXOurCrowd資金調達

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

食品ロス削減のためのフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

食品ロス削減のためのフードシェアリング「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

食品ロス削減のためのフードシェアリングサービス「TABETE」(タべテ。Android版iOS版)運営のコークッキングは11月20日、プレシリーズAラウンドのサードクローズとして、資金調達を実施したと発表した。引受先は、DDHoldings Venture Capital、中国電力、kemuri ventures、中川成久氏など。

今回の資金調達により、TABETEサービス開発の強化や展開エリアの拡大、「TABETEレスキューデリ」、「TABETEレスキュー掲示板」の規模拡大を通じ提供価値を最大化していく。

TABETEは、飲食店や小売店で廃棄の危機にある食事と、テイクアウト購入をしたい消費者とを直接マッチングさせる仕組み。まだおいしく食べられるのに「捨てざるを得ない危機」にある飲食店の食事を、ユーザーが「1品」から「美味しく」「お得」に購入することによって「レスキュー」できるプラットフォームとなっている。

20〜40代の働く女性を中心とした約32万人のユーザー・飲食店や惣菜店を中心とした約1400店舗に登録しており、累計で6万3000食以上の食品ロス削減に成功した。

TABETE レスキューデリは、商業施設内の店舗が当日の営業を終了した時点で余っている商品などを買い取って従業員向けに再販売する仕組み。営業時間内にロスを減らせるTABETEとの相乗効果で、多くの中食店が集う施設内でさらなる食品ロス削減を目指す。

TABTE レスキュー掲示板は、食品ロスになりそうな食べ物を全国からレスキューできる直送サービス。2020年秋から始動しており、生鮮食品などの食品ロス削減においても着実に成果を上げているという。

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カテゴリー: シェアリングエコノミー
タグ: コークッキング資金調達(用語)TABETE日本(国・地域)

Juggleが210万ドルを確保、上級管理職の「柔軟な働き方」を促進するSaaSマーケットプレイスの拡大を目指す

ご存知の通り、世界はCOVID-19パンデミックによって大きく様変わりし、一部のスタートアップ企業はビジネスモデルの軌道修正を余儀なくされている。一方で、創業当時は夢にも思わなかったものの、自社のビジネスモデルがこんな時代にほぼぴったりであることが明白になった企業もある。

わかりやすい例として、SaaSマーケットプレイスのJuggle(ジャグル)がある。元々はエグゼクティブレベルの女性が結婚や出産の後に仕事に柔軟に復帰しやすくするためのマーケットプレイスとして設計されたもので、その後さらに、自由に働きたい人やそういったタイプの人材を必要とする雇用主も対象に市場を広げてきた。パンデミックによって世界が一変した今、最も重要とされているのがまさにこの「柔軟性」である。

Juggleの発表によると、同社は英国と米国の投資家から210万ドル(約2億2千万円)の資金を集めたという。これには、英国有数のエンジェル投資家が含まれているほか、Oxford CapitalSocial Capital7percent Venturesも名を連ねている。その他にも、Oculusを支援したAndrew Gault(アンドルー・ゴート)氏、シリアル投資家のAndreas Mihalovits(アンドレア・スミハロヴィス)氏、Magic Ponyを支援したAndrew J. Scott(アンドリュー・Jスコット)氏、Casperを支援したCharlie Kemper(チャーリー・ケンパー)氏、Charlie Songhurst(チャーリー・ソングハースト)氏、Uberの初期メンバーのCurtis Chambers(カーティス・チャンバー)氏、企業家で投資家のPip Wilson(ピップ・ウィルソン)氏、東海岸投資家のRajiv Kapoor(ラジーブ・カプール)氏といったそうそうたる顔ぶれがそろう。

リモートワーク、パートタイム、役割分担など多くの企業が柔軟な働き方へ移行するのに伴い、Juggleは「9時から5時」の勤務時間を基本とする人たちではないプロフェッショナルと企業を結び付けている。

仕事における柔軟性とは、働く時間や場所はもちろん、ジョブシェアリングなどの働き方にも及ぶ。英国の1996年雇用権利法により、26週間以上勤務している従業員には理由に関係なく、柔軟な働き方を要求する制定法上の権利がある。つまり、Juggleにとって状況はそろっている。Avivaの2019年のレポートによると、英国の従業員の5分の1は受け入れられるはずがないと柔軟な働き方を要求するつもりはなく、35%はより柔軟な働き方を雇用主に要求しづらいと感じている。しかし、従業員の5分の1以上がより柔軟な働き方を求めて転職または部署を異動しており、約半分は自分のワークライフバランスのニーズに合った新たな役職が提示されれば変わることも検討するという。つまり、こういった人たちの受け皿となるプラットフォームを用意すれば、同社は他の方法では働きたくないと考えている多くのプロフェッショナル達を拾い上げることができるだろう。

プロフェッショナル達は同サービスにサインアップすると、求人ツールを使って求職の申し込みをスケジュールして管理できるほか、コーチングやサポートも利用できる。またJuggleは「スマートマッチング」や柔軟な働き方に備えるための必要な事務処理の機能も提供する。求人にJuggleを利用する企業は、柔軟な働き方に確実に対応できるか事前に調査されるため、雇用主と雇用者の双方にミスマッチが生じることはない。

かつてヘッドハンターであったRomanie Thomas(ロマニー・トーマス)氏が創設したJuggleの基本使命は、2027年までに企業の経営幹部の50%を女性にすることだという。2017年の創業以来、Juggleによる全職業斡旋の62%が女性であった。

画像クレジット:Juggle

「これまでシニアエグゼクティブのヘッドハンティングで数々の成功を収めてきましたが、その一方で優れた社員が出産のために退職し、なかなか復帰できない様子を見てきました。企業は申し分のない候補者でも、個人の要望に合わせた契約設定が面倒なために採用を見送り、社員は自分にとって最も効率的で生産性の高い方法で働けるようにするための変化を要求することはありません。柔軟性を持つことで人々はエネルギーとスキルを最大限に発揮できるため、これを実現できれば雇用主にとって莫大な利益になります」とトーマス氏は述べている。

Juggleには同社のB2Bプラットフォームを使っている多様な企業が集まっており、Reallife Tech、Hopster、Hubble、White-Hatなどがクライアントに名を連ねている。

7percent Venturesの創設パートナーであるAndrew Gault(アンドリュー・ゴート)氏は次のようにコメントしている。「現在のパンデミックは私たちの仕事のあり方に今後もずっと影響を及ぼしていくことでしょう。私たちが重大な変化の瀬戸際にすでに立たされていたとき、Juggleは先手を打って先回りしていました。多くの雇用主や雇用者が柔軟な働き方に目を向けるようになった今、Juggleは企業と人材を適正にマッチングし、幅広い知識を提供して柔軟な働き方を実現する態勢を完璧に整えています。データによると、優れた柔軟性はだれにとっても有益であり、また優秀な女性たちに上層の役割に就いてもらえるようになるため男女格差にも大きな影響を及ぼすことになるでしょう」。

TechCrunchのインタビューでトーマス氏は次のようにも付け加えている。「この会社自体、私の個人的な挫折とヘッドハンターをしていて企業の経営層に女性がいないことを肌で感じていたことから生まれました。企業にあるのは男性用の回転ドアだけのように見えました。男女比を均等にするには柔軟な働き方が重要です。Juggleで私たちが扱うセグメントは技術的なものではなく、一般的には技術プラットフォームの対象外です。しかし、プロフェッショナルが柔軟な働き方でキャリアを積上げられる環境を作ることには、製品としてのチャンスがあります。問題は実際には女性ゆえの問題ではなく、人間の問題なのです。私たちが女性ばかりに注目してしまうと、私たちがやっていることはすべて男女の役割を固定させてしまうことになります」。

同氏によるとJuggleは、現代の労働者の需要に適応していない従来型の人材紹介業界にもその手を伸ばすつもりだと言う。「私たちが直面している労働力の問題は技術プラットフォームを使って解決する必要があります。そもそも問題を作った従来型の業界だけでは何も解決しません」。

パンデミックを受けた今、性別や多様性に対する時代遅れの姿勢によって後れを取っているこれら既存の産業に立ち向かうスタートアップに終わりはないように思われる。

関連記事:SaaS管理サービスのBlissfullyが中企業向けの総合的なITサービスに事業拡大

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SaaS 資金調達 イギリス

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(翻訳:Dragonfly)

質屋のDXを目指すセール アンド リースバック「CASHARi」のガレージバンクが資金調達

質屋のDXを目指すセール アンド リースバック「CASHARi」のガレージバンクが資金調達

モノの価値を活用したファイナンスを実現する、個人向けセール アンド リースバックサービス「CASHARi」(カシャリ)を開発・運営するガレージバンクは11月19日、第三者割当増資による資金調達を実施したと発表した。引受先は、リード投資家のW venturesのほか、East Ventures、起業家・エンジェル投資家の有安伸宏氏。

今回の資金調達により、CASHARiの開発を推進するとともに、運営体制の強化に取り組む。

2020年1月設立のガレージバンクは、「モノの価値を、みんなの力に」をミッションとするスタートアップ。モノの価値を公正に評価し、その価値を即座に資金化する仕組みを整えることで、所有から利用へのシームレスな切り替えによる、信用情報に頼らない新たな個人向けファイナンスを実現するとしている。

質屋のDXを目指すセール アンド リースバック「CASHARi」のガレージバンクが資金調達

カシャリは、モノの価値を活用したファイナンスを実現する、C向けセール アンド リースバックサービス。

利用者は、簡単なアプリ操作だけで、ファッションアイテムやデジタルガジェットなどのアイテムの価値を確認し、そのまま資金化可能。カシャリは質屋のDXを目指したプロダクトで、申し込みに際し、対面でのやり取りやアイテムの発送はなく、一切の手続きはオンラインで完結する。資金の受け取りは、銀行振込以外に、銀行口座不要のセブン銀行ATMでの受け取りも選択可能。

質屋のDXを目指すセール アンド リースバック「CASHARi」のガレージバンクが資金調達

質屋のDXを目指すセール アンド リースバック「CASHARi」のガレージバンクが資金調達

またカシャリでは、そのほかフリマアプリとは異なり、アイテムを手放す必要がなく、リース料を支払うことでアイテムを使い続けられる。借入とも異なり、個人の信用情報に頼らないため、利用者の職業や収入などの審査もない。

これまでクローズドβを展開し、ビジネスモデルの検証を進めていたが、2020年11月にオープンβの提供を開始。さらなる検証を進める予定。

カテゴリー:フィンテック
タグ:CASHARiガレージバンク資金調達(用語)セール アンド リースバック日本(国・地域)

コロナ需要に沸くEdTech、言語学習アプリDuolingoが約36億円調達

TechCrunchは先週、これまでに5億回ダウンロードされた人気の言語学習アプリDuolingo(デュオリンゴ)が少なくとも22億1000万ドル(約2300億円)のバリュエーションで3500万ドル(約36億円)を調達中だと報じた。新型コロナウイルス感染症により人々が家で過ごす時間が長くなり、そしてスクリーンを介してやり取りするようになった結果、eラーニングや他の教育スタートアップが人気を集めている。巨額調達も相次いでいるが、今回の資金調達はそうした流れの中で最新の動きだ。

Duolingoの数字が公式に明らかになった。同社はT. Rowe PriceのスターだったHenry Ellenbogen(ヘンリーエレンボーゲン)氏によって2019年に設立されたDurable CapitalとGeneral Atlanticから3500万ドルを調達したことを認めた。これによりDuolingoのバリュエーションは24億ドル(約2500億円)になる。

この数字は、2020年初めにGeneral Atlanticが密かにDuolingoに1000万ドル(約10億円)を出資した際のバリュエーション16億5000万ドル(約1713億円)からすると、かなりの飛躍だ。

この理由の1つは一般マーケットだ。

EdTechは、対面授業ができないときに教える良い方法を模索する教育機関、リモートで働く従業員をトレーニングする方法を探している事業所、Netflix(ネットフリックス)を視聴したりFacebook(フェイスブック)でDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏について議論したりするだけでなくより生産的なことをしようとしている消費者、生徒が遠く離れたところにいる場合に理解するのが難しいコンセプトをどのように教えるかインスピレーションを得ようとしている教育者などからかなり注目され、活用されてきた。

Duolingoはその恩恵を受けてきた。追加のゲーム機能をアプリ内購入でき、そして広告をともなうフリーミアムのアプリであるDuolingoは、学習者(利用者)のベースが昨年30%成長し、ブッキングは100%増える見通しだ。

投資家が自信を深めたのは、そうしたトレンドがパンデミック前からDuolingoに見られていたことだった。過去3年間、100%の売上高成長を達成している。Sensor Towerによると、Duolingoの売上高は2019年から教育アプリとしては最も大きい。

ピッツバーグに拠点を置くDuolingoにとって米国が最大のマーケットで、ユーザーベースの20%を占める。しかしさまざまなマーケットで利用者を増やしている(筆者の夫はここロンドンでイタリア語を学んでいる)。アジアはいまユーザーベースの15%を占めている。アジアマーケットのもう1つの注目すべき点は、高等教育の入学手続きの一環としてDuolingoの英語テストを受ける人の数が15倍の成長をみせていることだ。

今後気になるのは、Duolingoがどのように次のステップに踏み出すかだ。同社は、reCAPTCHAの創業者Luis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏によって創業され、現在も同氏が率いている。同社の初期の事業モデルは、有料企業が出すテキストを語学学習者とアプリユーザーが翻訳するというアイデアに基づいていた。最近では広告とアプリ内のプレミアム機能で売上を出している。

同社はまた、大人以外の学習にも範囲を広げ、2020年初めに読み書きを学ぶ子どものためのアプリを立ち上げた。

それは収入源の多角化につながり、同社が上場するときには役に立つかもしれない。

「事業を目覚しく成長させながら当社が成し遂げてきた影響を誇りに思っています」とCEOのフォン・アン氏は声明文で述べた。

「Duolingoは、ミッションドリブン、素晴らしいカルチャー、時間が経つにつれかなり溶け込むことができる素晴らしい人々など、投資で望むことに応えるビジネスです」とDurable Capital Partners LPの投資責任者であるHenry Ellenbogen(ヘンリー・エレンボーゲン)氏は声明文で述べた。「ルイスは素晴らしい起業家であり、Duolingoの次なる成長のために提携できることをうれしく思います」。

「2020年4月に初めて投資しましたが、ルイスそしてDuolingoと提携を深めることに興奮しています」とGeneral AtlanticのマネージングディレクターTanzeen Syed(タンジーン・サイド)氏は述べた。「Duolingoは基礎となる学習テクノロジー、効果的で魅力的なプロダクト、そしてユーザーの情熱的なコミュニティを首尾よく構築しました。Duolingoはグローバルでのデジタル学習の加速に資金を注入しつつ、マーケットを牽引する地位を揺るぎないものにし、プロダクトやチーム、顧客ベースを拡充するさらなる機会を手にしています」。

EdTechスタートアップによる他の資金調達としては、Udacity(ユダシティ)が2020年11月初めに7500万ドル(約78億円)のデットラウンドを発表し、ようやく黒字化を達成したと述べた。10月にはKahoot(カフート)がソフトバンクから2億1500万ドル(約223億円)を調達したことを発表した。そして9月にはOutschool(アウトスクール)が5000万ドル(約52億円)を、Unacademyは1億5000万ドル(156億約円)を調達した。そしてEdTech大手Byju’s(ビジュース)はSilver Lakeから5億ドル(約519億円)を調達した。

これまで以上に大きなマーケットがオンライン教育を使いこなすようになり、小型の資金調達、新しいEdTechスタートアップの立ち上げ、そのほかにもこの業界の勢いを示す動きがみられる。

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(翻訳:Mizoguchi