Eclipse Foodsの純植物性アイスクリームがニューヨークとサンフランシスコの高級店に登場

植物性の代替食品が今ホットだ。食べ物の中で最もクールと言われるものにさえ、そのホットなやつは侵入してきた。それはアイスクリームだ。

植物性の乳製品を作るEclipse Foods(エクリプス・フーズ)が、若者に人気の高級アイスクリームブランドであるHumphry Slocombe(ハンフリー・スロコム)やOddfellows(オッドフェローズ)と契約して、その製品を原料に使ってもらえることになった。

これまであった植物性の乳製品は味や舌触りまで真似ていなかったが、Eclipse Foodsによると彼らの製品は動物の乳と区別がつかない。しかも、アレルギーを起こさない原料を使用している。

米国時間11月9日から、ニューヨークとサンフランシスコのお店の棚には、植物から作ったOddFellowsHumphry Slocombeの職人芸的アイスクリームがある。

Eclipse Foodsは350万ドルの資金を、Redditの共同創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オファニアン)氏と、彼の投資会社であるInitialized Capital、Gmailを作ったPaul Buchheit(ポール・ブックハイト)氏、そしてDaiya Foodsの元会長であるEric Patel(エリック・パテル)氏らから調達した。

オファニアン氏は声明で「また植物性食品に投資できてうれしい。創業者のAylon(エイロン)とThomas(トーマス)は食品科学のエキスパートだから文句なしだ。アイスクリームの品質は本物の乳製品で作ったものと区別できないし、今後もっともっと良くなるだろう。植物性食品のニーズは今高まっているし、このように値段が高くなくて、持続可能な作り方をされてて、そしてもちろんおいしい製品はそのニーズにぴったり合う」と語っている。

競合他社に比べるとEclipse Foodsの手法は単純明快だ。遺伝子を組み換えた原料は使っていない。植物性挽きの分野では、Impossible FoodsよりもBeyond Meatに似ている。

Eclipse FoodsのCEOであるAylon Steinhar(エイロン・スタインハート)氏は「同社は高価なバイオテクノロジーを使ってここまで来たわけではない。使ってるものは、植物と、機能性植物蛋白質に関するわれわれの専門知識と、複数の植物の単純な組み合わせ方だ」と語る。

創業者のスタインハート氏は、植物による食品革命を志す非営利団体のGood Food Instituteの専門科学者だった。相棒のThomas Bowman(トーマス・ボウマン)氏は、植物性食品の先輩企業JUSTの製品開発部長だった。Eclipse Foodsは高名なアクセラレーターであるY Combinatorから今年の3月にローンチした。

関連記事:Launching from YC, Eclipse Foods casts a long shadow over the $336 billion dairy industry(YC卒のEclipse Foodsが3360億ドルの酪農乳業界に挑む、未訳)

スタインハート氏によると「原料はコーンやキャッサバなど安いものばかりなので、今後の規模拡大にもあまり資本はいらない」とのこと。

現在同社が歩んでいるロードマップは、最初Pat Brown(パット・ブラウン)氏のImpossible Foodsで作られ、その後同じく植物性の蛋白質による代替食品を追究する数十社ものスタートアップによって複製されたものだ。それは、今回のアイスクリームの例が示すように、有名なシェフや職人芸的なブランドをパートナーとして、彼らの比較的高く売られている製品の仲間入りをすること。マクドナルドやバーガーキングのソフトクリームコーンや、ウェンディーズのあのおいしいフォレスティの路線ではない。

シンプルなバニラアイスクリームではなく、Eclipse Foodsの植物性アイスクリーム原液はOddFellowsではミソチェリーやオリーブオイル・プラムアイスクリームに使われ、Humphry Slocombeではスパイシーなメキシカン・ホットチョコレートに使われる。

同社の今後の計画では、Beyond MeatやImpossible Foodsのバーガーを売ってるような店舗でも売っていくつもりだ。ボウマン氏は「バーガーキングのどの店にもImpossible Whopperがあって、Carl’s Jr.のどの店にもBeyond Famous Starがあるような時代になったら、どのレストランでも純植物性のアイスクリームを扱うだろう。アレルゲンがないし、遺伝子組み換え作物を使ってないし、粘着剤も弾性剤も安定剤も何も使っていない」と語る。

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完全菜食主義者のためのオンライン食材店「Mylk Guys」は非菜食人種にも人気

ヴィーガン(Vegan、完全菜食主義者)のための食材をネットで売っているMylk GuysのCEOであるGaurav Maken(ガウラヴ・マケン)氏は、自分の会社を食べ物を買うだけの場所とは考えていない。スタートアップの起業家たちも、また既存の食品企業も、植物を使った食肉代替食品を探求し始めている今日のご時世の中では、次々と新しい健康食品が生まれてくるだろうから、同社はそれらのための試験場や、良い品物が生まれるためのプラットホームでありたい、と彼は考えている。

このたび、Khosla VenturesPear VenturesFifty Yearsなど、そのビジョンに共感する投資家たちが、同社に250万ドル(約2億7000万円)を投資した。

マケン氏は曰く、「うちの現状は、オンラインのグロサリーストアだ。しかしそのほかに、増大する地球の人口のために食品の生産能力を拡大する細胞培養肉や、遺伝子組み換え食品も今後は扱っていきたい」。

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マケン氏は、植物を使った食肉代替食品などよりも、顧客の持続可能な消費生活を支えるような製品を扱っていきたいと考えている。彼によると、実は同社の顧客の40%はヴィーガンではない。

同氏は「ヴィーガンのことだけを考えているのではない。むしろ考えているのは、持続可能な食品システムだ。うちの顧客は教育水準の高い消費者が多く、自分の食生活から悪い影響を受けたくない、と願っている。むしろ、食べることによってより健康にないたい、と思っている」とコメントしている。

現在扱っている製品はおよそ1300種類で、サプライヤーには顧客に関するデータ、どういう人たちか、好みや要望などを積極的に提供している。その点が、Amazonなどそのほかのオンラインリテイラーとの大きな違いだ。

マケン氏は「我々はアナリティクスを提供し、顧客データからの学び方を教えている。食品提供企業も、そろそろ、顧客ひとり1人に個人化されたビジネスを開拓すべきだからだ」と語る。

同社のトップセラーは、Sparrow Camembertのようなヴィーガンチーズや、一連のヴィーガンジャーキー、それにBeyondバーガーなどだ。

「ヴィーガン向けのようなニッチな食材でも、全国的な流通のためのプラットホームがあればそれを年商100万ドルや500万ドルのブランドに育てることができる。うちは、そのためのプラットホームでもある」とマケン氏は言う。

Mylk Guysは2018にローンチしてY Combinatorのアクセラレーター事業に参加した。今回得られた資金は、イーストコーストにおける営業とマーケティングの拡大に充て、とくに東部地区のための流通倉庫を確保したい、という。

持続可能な食品を消費者に直販するビジネスモデルは、ロサンゼルスに先例がある。2016年に1億1100万ドルを調達したThrive Marketは、持続可能な製品にフォーカスしたオンラインのグロサリーストアだ。

最近の報道が示しているように、持続可能なフードビジネスは今や成長業種だ。Ecovia Intelligenceの記事によると、Environmental Leaderの調査では有機食品の売上が2018年に初めて1000億ドルを突破した。

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スナックバーの破壊的創造、完全食を目指すSoylentが米国1兆億円規模の市場に参入

完全食を目指すSoylent(ソイレント)は、これまでの液状製品(飲み物)を捨てて、スナックバー的なパッケージ商品を発売する。

その熱量100カロリーのバーは植物性たんぱく質5グラムと36種の栄養素、そして消化を助けるプロバイオティクス(乳酸菌など)を含んでいる。チョコレートブラウニー、シトラスベリー、塩キャラメルの三種類がある。

それは同社の今年2つめの新製品だ。1月には食事の代わりになるシェーク製品としてSoylent Bridgeの1食バージョンを出した。スナックサイズのバーには、シェークや飲み物より大きな市場があるだろう。Research and Marketsのデータによると、スナックバーの2023年の売上は米国だけでも88億ドル(約1兆円)だそうだ。

CEOのBrian Crowley氏はこう言う。「これでかなり前進したと思うよ。持続可能な栄養をもっといいかたちで人々に届けられるんだから、大きな一歩だし、すごくうれしい。バー食の世界の破壊的創造だ。最初はドリンク製品で朝食を狙ったけど、今度の製品は完全な栄養をいつでもどこでも摂れる」。

Soylentのスナックバー

スナックバーへの進出はHuelのようなコンペティターとのSoylentの差別化にも寄与する。なお、Soylentという名前は、1960年代のSF小説「Make Room! Make Room!」に登場する大豆(soy bean)とレンズ豆(lentil)で作った食べ物に由来しており、のちに劇場で原作を有名にしたバージョンとは無縁だ(とファウンダーは強調したいのだ!)。

Huelはイギリスでローンチしたが、今ではロサンゼルスでよく見かける。昨年Highland Europeから2600万ドルを調達して、その栄養ドリンクとパウダーを主に米国市場で拡販したいらしい。一方フランスには固形スナックとシェークを売っているFeedがあり、ヨーロッパにおけるSoylent的スタートアップだ。

関連記事: Feed raises $17.4 million for its Soylent-like food products(Feedの資金調達、未訳)

ただしSoylentは今後も、機能性サプリのような世界へ赴く気はない。Crowley氏はこう言う。「Bulletproofsのようなものは、良質な科学の裏付けがあるんだろうけど、でもお金持ち相手だね」。

Crowley氏が望むのは、Soylentがすべての消費者のための安価で栄養価の高い代替食であり続けることだ。同社によると、バーの原料はこれまでのドリンクやパウダーと同じで、 多量養素(たんぱく質、炭水化物など)+26種のビタミンとミネラル、9種のアミノ酸、2種の必須脂肪酸、そしてオメガ-3とオメガ-6を含む。

さらに、消化を助けるためのプロバイオティクスと、3グラムの砂糖を加えている。現在、バーはケース入りでネット販売のみ。1ケースに30個入っている。

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有機食フードデリバリーのTrifectaがBeyond Meatの植物性ミートを採用

有機食のデリバリーサービスTrifecta(3連勝)がBeyond Meatと提携して、後者の植物性獣肉代替食材を前者の献立に利用していく、と両社が発表した。

同じ獣肉代替植物性食材でも、最大のコンペティターであるImpossible Foodsのようにレストランなど業務用を狙うのではなく、Beyond Meatは食料品店の通路から消費者直行を目指している。デリバリーサービスという業務ユーザーを経由するのは、今回が初めてだ。

Trifectaは、新たに食材に植物性蛋白質を採用することによって、ケトン・ダイエッターやヴィーガン、ベジタリアン、古代食ダイエターなどの人々のニーズに対応したい、と考えている。

TrifectaのCEOであるGreg Connolly氏は声明でこう述べている。「Trifectaは健康やフィットネスに関心のある人びとの間で急速に日常的定番のような名前になりつつある。すでに植物性食材の多い製品はあるが、高タンパク、低炭水化物、低飽和脂肪のものはまだない。だからBeyond Meatは、そんな我が社にとってぴったりの会社だ」。

Trifectaの食事セットやお弁当などは、USDA(米農務省)指定の材料で、しかも食肉は冷凍されず野生または草だけを食べていた動物の肉を使用している。また、消費者の多量養素(macronutrient)ニーズにも応じている。同社の食品は冷蔵庫で冷やされたケースに入れられ、完全に調理されすぐに食べられる状態で届けられる。同社の食事製品は米国すべての州で利用できる。

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バーガーキングとインポッシブル・フードが完全植物性インポッシブル・ワッパーを発売

植物性の代用肉を作っているImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)と、ファストフード大手Burger King(バーガーキング)が、インポッシブル・ワッパー(Impossible Whopper)を発売する。

ニューヨーク・タイムズの記事によると、Burger Kingがインポッシブル・ワッパーを売り出すのはセントルイス界隈のお店で、全国展開はそのあとになる(もちろん日本はまだ)。そしてこれは、手の込んだエイプリルフールのジョークではない。

インポッシブル・バーガーを最初に売ったのはBurger KingではなくてWhite Castle。同店は今でも、米国東北部地区でインポッシブル・スライダーを売っている。

関連記事: 完全植物性のひき肉が大衆的ハンバーガーショップに進出、菜食人口の増大にも対応

でも、肉なしパティのメーカーとパートナーする最大の挽き肉消費企業といえば断然、Burger Kingだろう。

代用肉市場におけるImpossibleの最大の競合相手で、完全植物性のパティを提供している上場企業Beyond Meatも、Carl’s Jr.に独自のビーフレスバーガーを提供している。

シリコンバレー出身のImpossible Foodsは、これまで快調だった。今年のCES(Consumer Electronics Show)では、高級レストランや大手の国際的ファストフードチェーン(複数)とも契約を結んだ

8年前の創業時にKhosla Venturesから700万ドルの支援を受けたImpossible Foods hasは、その後今日まで一部転換社債も含め3億8900万ドルの資金を調達した。最近ではシンガポール政府が支援するグローバルな大手投資企業Temasekや、中国の国有投資ファンドSailing Capital(中国共産党の金融サービス企業Shanghai International Groupが支えている)なども同社に投資している。

これをきっかけにBurger Kingは、代用鶏肉や、Memphis Meatsのような細胞培養肉など、そのほかの代用肉製品にも手を広げていくのか、今後を注目したい。

参考記事

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培養肉による食品革命を甲殻類のエビに広げるShiok Meats

自然由来のたんぱく質や肉に代わる人工的な食材は今、消費者の関心が高まり、その企業には何億ドルという資金が殺到している。しかしビーフやチキンを培養する企業は多くても、シーフードの人工製品に関心を向けている企業はほとんどない。

Shiok Meatsは、この状況を変えようとしている。同社はシード前の資金をAIM PartnersやBoom Capital、Ryan Bethencourtなどから調達し、来週はY Combinatorの仲間たちに加わってプレゼンを行う。

共同創業者ーのSandhya Sriram氏とKa Yi Ling氏はともに、シンガポール政府の科学技術研究局にいた幹細胞研究家で、居心地のいい政府のポストを完全に捨てて起業という高速レーンに乗ることにした。

二人が定めた目標は、食料品店の冷凍コーナーに収まっているエビの代替品を作ることだ。ついでに、スープに入れるエビ団子用に最初からみじん切り状のエビも作りたい。

シーフードのの全地球的な市場規模は巨大だが、とくにアジアと東南アジアは甲殻類が頻繁に食される。国連食糧農業機関の2015年の調査によると、中国の消費者だけでも360万トンの甲殻類を消費している。

しかし、エビの養殖の現状は、かなり汚いビジネスだ。その業界は劣悪な労働条件と不衛生な養殖池と環境破壊をこれまで頻繁に批判されている。AP通信社の特ダネ記事は、タイのシーフード業界に存在する現代の奴隷制を暴露した。

「最初にエビを選んだのはカニやロブスターに比べて扱いやすいからだ」とShriram氏は述べるが、今後は高級な甲殻類にも挑戦するつもりだ。

今は、もっぱらエビが対象だ。初期のテストはうまくいったし、製品のキログラム単価は5000ドル程度に抑えられる見込みだ。

5000ドルは高いと思われるかもしれないが、でも今製品開発が進んでいる培養ビーフに比べると相当お安いのだ。

「培養肉や人工肉に比べると、うちの人工エビは安い。あちらさんはどれも、数十万ドルというキログラム単価だから」とLing氏は言う。

同社は、3年から5年後には市販にこぎつけたいと考えている。最初は、アジア太平洋地域の消費者がターゲットだ。

具体的には、まず本国市場であるシンガポール、次は香港とインド、そして最終的にはオーストラリアでも売りたい、という。

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食材宅配のBlue Apron、ウォルマート傘下のJet.comとの提携で株価アップ

敵の敵は味方。今日(米国時間10/29よJet.com が発表した両スタートアップの提携はそれで説明がつく。同社は窮地に立つBlue Apronに手を差し伸べ、ニューヨークの同社顧客に食材セットを販売する

この提携により、Blue Apronの食材キット4種類がJet.comの「City Grocery」サービスの一部として利用可能になる。キットは6週間毎に循環し、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、ジャージーシティー、およびホーボーケンで当日あるいは翌日配達される。

Blue Apronにとって初めてのEコマースパートナーとなるJetは、このキットは同社顧客が何を食べたいか、どう作りたいかという「大規模なフィードバック」に基づいて作られたと言った。その狙いの一環として、キットはすべて30分以内で調理できる。

初回のメニューセレクションは以下の通り:

  • 牛肉のたたきステーキ、フレゴラサルタパスタのペパロナータ、グラナパダノチーズ(2人前、28 oz/794 g)——22.99ドル
  • デュカスパイスビーフ、タヒにドレッシングかけクスコ(2人前、41 oz/1162 g)——20.99ドル
  • トウガラシポップコーンチキン・スイートチリスロー添え、ジャスミンライス(2人前、32 oz/907 g)——18.99ドル
  • イタリアンファロサラダ・焼き野菜添え、モッツァレラ(2人前、32 oz/907g)——16.99ドル

「Blue Apronのオンデマンド料理キットを取り扱う最初のEコマース店舗としてニューヨークでスタートできることを大変喜んでいる」とJetのSimon Belsham社長が声明で述べた。「当社が最近開始したCity Grocery体験にこのオンデマンド商品が加わることで、人々の生活を便利にするわれわれのサービスや製品に新たなレイヤーを提供できる。これはJetが差別化を続けていくやり方を示す好例だ」

昨年遅くにBlue ApronのCEOになったBrad Dickersonも同調した。Dickersonは同社が「チャンネル拡大戦略」に力を入れていることを示唆した。

2017年は上場を果たしたにも関わらずBlue Apronにとって苦難の年だった。

当初15~17ドルと期待していた株価は10ドルで公示された。しかしもっと大きかったのは、AmzaonがBlue Apronの株式公開直前にWhole Foodsを買収したことだ。投資家はこの買収がBlue Apronに悪影響を与えることを懸念し、同社の顧客維持戦略の実効性に対してさらに疑問が募った。

それ以来Blue Apronの状況は悪化するばかりで、金曜日(米国時間10/26)の終値はわずか1.14ドルだった。しかしJetとの取引を巡ってプラスの要因が働いたのか、株価は時間外取引で22%近く上がったことをYahoo Financeが示している。

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完全植物性のひき肉が大衆的ハンバーガーショップに進出、菜食人口の増大にも対応

完全植物性の、がんもどきではなく肉もどきを作っているImpossible Foodsが、食肉のサプライチェーンに食い込もうとしている。同社の肉もどきで作ったバーガーもどきが、アメリカで最初のファストフードバーガーチェーンWhite Castleのメニューになるのだ。

そこで、ラリったヴィーガンのヒッピーたちも、同じくラリったスラッカーたちと一緒に、安くておいしいバーガーふう御馳走にありつける、というわけ。

その“Impossible Slider”という商品名の完全植物性ひき肉もどきは、バーガー1枚が1ドル99セント、ほかのメニューに含まれることもある。

ヴィーガン(vegan, 完全菜食主義者)専用の高級品だった肉もどきが、一般消費者向けのファストフードチェーンへ飛び込むなんて、ものすごく画期的だ。

同社のミッションが本物のひき肉と互角なコンペティターになり、最終的にはそれを駆逐することなら、そのバーガーの名前も今のUmami Burgerから堂々とImpossible Sliderに変わるべきだ。

前にも書いたが、同社は最近3億ドル近くの資金調達により、そのバーガーをアジアとアメリカ市場全域に売り込もうとしている。

Impossible Sliderがこれから売られるWhite Castleの店は、ニューヨーク-ニュージャージー回廊地帯とシカゴおよびその郊外の、140店だ。

Impossible FoodsのファウンダーでCEOのPatrick Brownは、声明文で述べている: “White Castleのビジネスモデルを真似ようとした連中は多かったが、だれも真似できなかった。競争の激しいファストフード業界で、それはすごいことだ。われわれもWhite Castleと密接に協働して、植物性の肉を今後大衆的な量産量販バーガーとして普及していく方法を学びたい”。

画像クレッジット: TechCrunch

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Hollywoodの人気スターで熱心な環境保護活動家Leonardo DiCaprioが植物性バーガーのBeyond Meatに投資

環境問題に熱心なハリウッドの名士たちの中でもとくにリーダー格のLeonardo DiCaprio(レオナルド・ディカプリオ)の名前が、ビーフを使わない植物性のバーガーBeyond Meatの、投資者たちのリストに載った。

Beyond MeatのCEO Ethan Brownが声明文で述べている: “Leonardo DiCaprioをBeyond Meatのファミリーに迎えたことに感動している。環境保護活動家としての彼の献身と役割は、弊社のBeyond Burgerのような植物から直接作る人工肉が、人間の健康と地球の気候と、自然資源および動物の福祉に大きく貢献するという共有ビジョンを反映している”。

実は、ole Leo〔愛称〕は初期の同社を助けたことがある。同社が植物性タンパク質材料の試作を繰り返していたとき、それらで作られたバーガーにフィードバックを提供したことがあるのだ。

“今後も彼の協力を継続的に得ながら、おいしくて満足感のある製品を、より多くの消費者に提供していきたい”、とBrownは言っている。

ole Leo自身は、自分が動物の肉を使わないための人工肉企業に投資したことをとても真剣に説明している。彼の声明は:

“畜産は大量の炭素を大気中に排出する。動物の肉から、Beyond Meatのような植物由来の肉に移行することは、気候への悪影響を減らすために人間が為しうることの中でも、もっとも効果の大きい方法のひとつである”。

Beyond Burgerは、全米で2000以上の店で売られている。その中には小売大手KrogerやAlbertsonsの店もある。

“植物から直接、おいしくてヘルシーな肉を作れる同社の能力は、結果的に、気候変動に対処しようとする消費者たちの日常的なアクションを助けている”、とDiCaprioは述べている。

Beyond Burgerは、BurgerFi, Epic Burger, Veggie Grillなどのファストフード店でも売られている。

Beyond Meatの新たな投資家には大スターのイメージというおまけがあるが、同社のコンペティターたちにはふところの豊かな投資家たちが付いている。たとえばImpossible FoodsにはBill Gatesが投資し、7500万ドルを調達している。また、プロテインを原料とする人工肉のMemphis Meatsや、植物卵のHampton Creekも、植物性バーガーに新たに参入している。

このように他社が巨額の資金調達をしている市場では、DiCaprioがもたらしたスターの威光だけではいまいち足りないね。

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デリバリピザのニューモデルZume Pizzaは製造を完全にロボット化、窯を乗せたトラックが地域に出張

Zume Pizzaは、ロボットを使ってスピードと品質を上げ、Pizza HutやDominoなど宅配ピザの老舗たちに勝とうとしている。これまでの2年間、ファウンダーのJulia Collinsは彼女のピザ製造ラインに次々と新しいマシンを導入して、味を犠牲にする小細工に依存することなく、一貫して合理化に努めてきた。

今日同社は、生地回し(dough spinner)〔参考動画〕を機械化する“Doughbot”を導入したことを発表した。この部分の機械化を機に、パロアルトにも進出し、当地でも、窯を搭載したトラック軍団と配達用スクーターによる分散デリバリ方式を試す気だ。

Doughbotは、ピザの製造工程を36秒短縮する。Collinsによると、装置自身は一般市販品だが、生地を傷めないためと、添加剤不要にするために、相当お金をつぎ込んだそうだ。

ピザは、生地を延ばすとき、生地が縮むのを防ぐために。特殊なオイルや化学製品を使うことが多い。しかし超強力なDoughbotを使えば、ふつうのオリーブオイルを塗るだけで十分だ。化学物質は使わない。

ピザ1枚につき数秒節約しても、たいしたことない、と思えてしまうが、Zumeのビジネスモデルにとってはとても重要だ。同社は、既存の大手チェーンのピザデリバリを完全に打ち負かしたいのだ。Zumaの場合、製造拠点は1都市1箇所、そして、ピザの入ったバッグ(複数)をティーンエイジャーが運転する1998年型Toyotaの後ろに積み込む方式ではなく、窯を搭載したトラックのきめ細かいネットワークを張りめぐらし、モペット(原付き自転車)で配達する(下図右)。トラックへのピザの補充は、それ専用のバンが担当する。

この分散型のピザデリバリは需要の変化に素早く対応できるし、また需要予測を有利に生かせる、とZumeは期待している。従来のピザデリバリは、新たな出店に際して、需要に対する‘賭け’をする。そしていったん出店したら、需要の変動に機敏に対応できない。製造能力は、つねに一定だ。

これに対してZumeは、窯を乗せたトラックの配置を変えることで、需要の変動に即座に対応できる。このやり方の欠点は、需要が急増したとき、ピザを作る拠点店のロボットたちが、ボトルネックになることだ。そして、そうならないためには、ピザの製造時間を短縮してスループットを上げるしかない。

かつてゼネラルマネージャーとしてUberEATSを指揮したSusan AlbanがこのほどZumeに加わり、その複雑なロジスティクスを担当することになった。今現在、ピザを焼くトラックは6台だが、パロアルト進出に備えて近く4台を増車する(現在はマウンテンビューのみ)。

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Starbucksがモバイルオーダーのみの店を本社内でテスト、システム改良のため

Starbucksがモバイルのオーダーシステムを導入したのは2015年だが、その後ある意味で同社は、自分の成功の犠牲者になった。人気店の顧客たちは、レジの列に並びたくないので、こぞってモバイルからのオーダーと前払いを選び、今度は“仮想行列”ができてしまった。場合によってはそれは、本物の行列より長いこともあった。そこでモバイルオーダーの改良を志した同社は、シアトルの本社内にテスト店として、オーダーはモバイルからのみ、という店を開いた。

Reutersの記事によると、本社内にある二つのカフェのひとつが、来週からモバイルオンリーになる。記事によると、そのビルにいる5000名の社員のモバイルからのオーダーはすべてその店へ行く。その店舗は改装され、受け取り窓口がよく目立つようになり、店内であなたのコーヒーを淹れているバリスタの姿もよく見えるそうだ。

Starbucksのアプリに、事前オーダー・後で受け取り、というシステムが加わったのは2015年の9月で、それ以降、人気が拡大した。アプリの中でメニューを選び、店を指定し、前払いをすると、受け取り予定時間を教えてくれる。コーヒーは受け取り窓口に置いてあったり、あるいは店内オーダーのときのようにバリスタが声をかけたりする。

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このスマートフォン制御ロボットは、エアーホッケーで人間を負かす

今はホリデーシーズン、ということは、ロボットが熟練技術で人間を負かすところを見るときだ。ロボットが肉の塊に勝った最新事例を見てみよう。この驚異のエアーホッケー・ロボットは、スマートフォンとArduinoボードとプロッター風のロボットアームからなる。

システムがテーブル上のパックを見て、パックの行く先へ移動するしくみだ。自陣ゴールへの攻撃を積極的にブロックし、たいていは人間に勝つことができる。

スマートフォンのカメラがコートを監視している。カメラが捕えたデータはスマートフォンでリアルタイムに処理される。パックと「プッシャー・ロボット」の位置(およびコート上のあらゆる要素の現在位置)を検出したスマートフォンは、ロボットが何をすべきかを判断し、Wi-Fi経由で命令を送る。

スマートフォンは拡張現実デバイスとなって、予測軌道やゲームに関わるあらゆる物体の位置を表示する。

この説明書に沿って自分専用のロボットを作ることもできる。作者のJJ RoboticsのJose Julioは、ソースコードも公開している。私にスキーボールで勝てるロボットを持ってきたら話をしてもいい。プラスチックのカエル一匹を手に入れるためにチケットを何百枚も買ってしまう誘惑をロボットが理解するまで、やつらに人生のことなど何もわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

人工肉スタートアップのMemphis Meatsは感謝祭のターキーも人工肉にしたいと願う

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Memphis Meatsは、今年の初めに人工肉のミートボールでスタートアップ世界の話題になった。今度同社は、ほかの肉にも挑戦しようとしている—たとえばターキー(turkey, 七面鳥)だ。

同社はこのほどIndiegogoのクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げ、未来の肉の姿とその味を一般大衆に教育することによって、毎年の感謝祭に屠殺される5000万羽近くの鳥たちの一部を救おうとしている。

私はIndiegogoのキャンペーンを記事にすることに、それほど熱心な方ではないが、同社の場合は、目的はターキーなどの肉を作るための資金を得ることではなく、啓蒙のためだ、という。資金に関してはMemphis Meatsはすでに、採取した動物の細胞をペトリ皿の中で培養するために、300万ドルのシード資金を獲得している。

動物をめぐる産業複合体は、この惑星と人類にとって非常に有害だ、とMemphis Meatsは言う。一個のハンバーガーを作るために660ガロンの水を消費し、そしてCDC(疫病管理センター)によれば、生肉は食品が媒介する疾病を起こす細菌の、主要な発生源である。そこで同社は、動物の細胞を培養して生物学的に同一の肉を作り、本物の肉だけど残酷さとは無縁で地球環境にフレンドリーな、食肉を提供しようとしている。

Memphis Meatsによれば、その“クリーンミート”が、スーパーの棚に並ぶようになるのは、5年後だそうだ。

Memphis Meatsには、その5年間にやることが、たくさんある。菜食主義者の友人たちに、人工肉を食べたいか聞いてみると、分からない、とか、気持ち悪いという人が多い。でもMemphis Meatsのような、培養によって作った動物製品は、菜食ではなく肉をふつうに食べたいけど、健康や環境上の理由から今は食べていない、という人たちには、理想的かもしれない。

しかしながら同社は、多くの消費者がその気になるためにはかなりの準備期間が必要だ、と認めている。同社は啓蒙活動の一環として、支援者からの寄付を募っており、その一口は3ドルから1000ドルまでだ。3ドル寄付すると–それはふつうのファストフードのバーガーの値段だが–、その人はMemphis Meatsから“チャンピオン”(champion, 主義主張の擁護者)の称号をもらえる。金額に応じて、ロゴ入りのステッカーや水筒、フーディー (hoodie, フード付きトレーナー)なども、もらう。1000ドルの人は、すべての賞品をもらって、Webサイトに名前が載る。

現在までに集まった寄付金は、700名近くの支援者から計52000ドル近い。これもまた、同社がベイエリアのラボで作っているターキーなどの人工肉の、将来的な市場化を支援する。

感謝祭に多くの人たちが人工肉のターキーを買うようになるのは、まだ遠い未来の話だと思うが、でも、もしかして、それほど遠くないかもしれない。

同社のスポークスパーソンはこう語る: “最初は挽肉状の人工肉を開発するが、成型肉も計画している。チキンブレストや、ステーキ、そしてまるまる一羽のターキー(“七面鳥の丸焼き”用)も、需要があれば作るだろう”。

同社からもらったビデオでは、グリルの上でビーフのようなものを焼いている。これの次がターキーか? では、あなたが生まれて初めて見る、Memphis Meats製のビーフ・ ファヒータ(fajita)をご覧いただこう:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))