人工肉スタートアップのMemphis Meatsは感謝祭のターキーも人工肉にしたいと願う

3137581906_912ebcba73_o

Memphis Meatsは、今年の初めに人工肉のミートボールでスタートアップ世界の話題になった。今度同社は、ほかの肉にも挑戦しようとしている—たとえばターキー(turkey, 七面鳥)だ。

同社はこのほどIndiegogoのクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げ、未来の肉の姿とその味を一般大衆に教育することによって、毎年の感謝祭に屠殺される5000万羽近くの鳥たちの一部を救おうとしている。

私はIndiegogoのキャンペーンを記事にすることに、それほど熱心な方ではないが、同社の場合は、目的はターキーなどの肉を作るための資金を得ることではなく、啓蒙のためだ、という。資金に関してはMemphis Meatsはすでに、採取した動物の細胞をペトリ皿の中で培養するために、300万ドルのシード資金を獲得している。

動物をめぐる産業複合体は、この惑星と人類にとって非常に有害だ、とMemphis Meatsは言う。一個のハンバーガーを作るために660ガロンの水を消費し、そしてCDC(疫病管理センター)によれば、生肉は食品が媒介する疾病を起こす細菌の、主要な発生源である。そこで同社は、動物の細胞を培養して生物学的に同一の肉を作り、本物の肉だけど残酷さとは無縁で地球環境にフレンドリーな、食肉を提供しようとしている。

Memphis Meatsによれば、その“クリーンミート”が、スーパーの棚に並ぶようになるのは、5年後だそうだ。

Memphis Meatsには、その5年間にやることが、たくさんある。菜食主義者の友人たちに、人工肉を食べたいか聞いてみると、分からない、とか、気持ち悪いという人が多い。でもMemphis Meatsのような、培養によって作った動物製品は、菜食ではなく肉をふつうに食べたいけど、健康や環境上の理由から今は食べていない、という人たちには、理想的かもしれない。

しかしながら同社は、多くの消費者がその気になるためにはかなりの準備期間が必要だ、と認めている。同社は啓蒙活動の一環として、支援者からの寄付を募っており、その一口は3ドルから1000ドルまでだ。3ドル寄付すると–それはふつうのファストフードのバーガーの値段だが–、その人はMemphis Meatsから“チャンピオン”(champion, 主義主張の擁護者)の称号をもらえる。金額に応じて、ロゴ入りのステッカーや水筒、フーディー (hoodie, フード付きトレーナー)なども、もらう。1000ドルの人は、すべての賞品をもらって、Webサイトに名前が載る。

現在までに集まった寄付金は、700名近くの支援者から計52000ドル近い。これもまた、同社がベイエリアのラボで作っているターキーなどの人工肉の、将来的な市場化を支援する。

感謝祭に多くの人たちが人工肉のターキーを買うようになるのは、まだ遠い未来の話だと思うが、でも、もしかして、それほど遠くないかもしれない。

同社のスポークスパーソンはこう語る: “最初は挽肉状の人工肉を開発するが、成型肉も計画している。チキンブレストや、ステーキ、そしてまるまる一羽のターキー(“七面鳥の丸焼き”用)も、需要があれば作るだろう”。

同社からもらったビデオでは、グリルの上でビーフのようなものを焼いている。これの次がターキーか? では、あなたが生まれて初めて見る、Memphis Meats製のビーフ・ ファヒータ(fajita)をご覧いただこう:

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。