GoogleがTimefulを買収してGoogle Appsにお利口なスケジューリングを

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Googleが、複雑なスケジューリングが簡単にできるアプリTimefulを買収した。ユーザ自身は大きな目標だけわかっていればよくて、細部で悩む必要がない。Timeful自身がユーザのスケジュールを分析して、ユーザの目標に当てはまる日時を見つける。Timefulが作った機能は今後Google Appsに統合され、アプリ自身は今後も入手可能だが、チームはGoogleのプロジェクトに専念するので、サポートの継続はないかもしれない。

Timefulはステルスでスタートし、KPCBやData Collective、Khosla Ventures、Ashton KutcherのA-Grade Venturesなどから資金を得ていたが、昨年3月にステルスを脱し、7月にはアプリを一般公開した。このアプリはユーザのやるべきことと、その時間要件を優先度の高い順に並べ、iCalやMicrosoft Exchange、Google Calendarなど既存のカレンダーアプリ上に配置する。ユーザがすでに決まっているスケジュールを入力し、その後新しい用件を加えようとすると、その重要度を勘案して妥当な日時を決めるのだ。

Timefulの中核的な技術は、機械学習を利用して、スケジューリングとGDT的なタスク管理を結びつける面倒な作業を、楽にしてくれる。多くの点でこのアプリは、Inboxがメールに対してやってくれることを、カレンダーに対してやってくれる、と言えるだろう。だからGoogleが買収したことも、理にかなっている。GoogleはAppsの能力を高めて、コミュニケーションと時間管理の大部分をオンライン化しようとしているからだ。

GoogleのGmail担当プロマネAlex Gawleyが、Timeful買収の意義をブログに書いている:

Timefulは、ユーザのスケジュールや習慣やニーズを理解して生活を組織化する、という感動的なシステムだ。ユーザがTimefulに、週に3回エクササイズをしたい、とか、来週の火曜日には銀行に電話しなければならない、などと伝えると、システムはユーザの既存のスケジュールや、やるべきことの優先度に基づいて、それらをカレンダー上に配置する。Timefulの技術はInboxのようなプロダクトにも応用できるから、そのこともすばらしい。単なるカレンダーを超えて、ユーザの生活と仕事と人間関係をクリエイティブに楽しく支えるサービスを、Timefulをベースに作っていきたい。

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Google、パスワードの使い回しを制限するためのChrome拡張機能をオープンソースで提供開始

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Googleが新しいChrome拡張機能をリリースした。Googleサイトで利用しているパスワードを、他のサイトで再利用しないように注意を喚起するためのエクステンションだ。パスワードアラート(Password Alert)という名前で、Chromeウェブストアにて入手することができる。この拡張機能をインストールしておくと、Googleサービスで利用しているパスワードを他サイトで使用しようとすると、警告が表示されるようになる。

GoogleのGoogle Apps for Workチームでセキュリティ部門のディレクターを務めるEran Feigenbaum曰く、Google社内でもこれと似たツールを数年にわたって利用してきているのだそうだ。

主な目的は、フィッシング被害を防ぐことにある。Feigenbaumによれば、Googleの社員ですらGoogleのログインページを偽装するフィッシングサイトに騙されてしまうことがあるのだそうだ。

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但し、このツールが役立つのはフィッシング詐欺に対する場面のみではなさそうだ。多くの利用者がさまざまなサービスで同じパスワードを使いまわしている中(もちろん、TechCrunch読者はそのようなことはしていないはずだが…)、悪意のハッカーは、なんらかの方法でひとつのパスワードを盗み取ればあらゆる情報にアクセスできるような状況にもなっている。

2段階認証も、そうした状況にストップをかけるのには有効な方法だ。GoogleのSecurity Keyを使うのも良い方法だろう。しかし、セキュリティについていろいろと考えている利用者以外にも、パスワードの使い回しをストップさせるという面で、このパスワードアラートも有効に機能するはずだ。

Feigenbaumの話によると、Google for Workではこのツールを使って、利用者のそれぞれにパスワードアラートの機能を提供することもできるのだとのこと。Google for Workのメンバーが、Google for Workのサイト以外で同じパスワードを使えば、アラートが表示されるようになる。

もちろん、パスワードアラートを使うのに、Google Apps for Workを使っている必要はない。多くの人が日常で利用しているであろうGoogleアカウントにて、正しく機能するようになっている(複数のGoogleアカウントを使い分けているような場合は、少々めんどうなことになるようではある)。

このパスワードアラートはオープンソースで提供され、他のブラウザ用のプラグインを開発することも可能となっている。

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(翻訳:Maeda, H

MesosphereがGoogleのKubernetesを“データセンターのためのオペレーティングシステム”に導入

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Googleは同社製のKubernetesを、大きなクラスタ集合やコンテナ集合を管理するための標準技術にしたいようだ。同じくコンテナに注力している、データセンターのためのオペレーティングシステムを自称するMesosphereも、クラスタ集合の一元管理のデフォルトの座をねらっている。だから両者は一見すると競合するようだが、しかし今日(米国時間4/22)のGoogleとMesosphereの発表によると、Mesosphereがこれからは、同社のDatacenter Operating System(DCOS)にKubernetesを統合する。

Google自身はデータセンターのクラスタ管理に同社製のBorgを使っている。GoogleがBorgの名を表に出したのはほんの数年前だが、最近では、KubernetesはBorgを大いに参考にしている、とおおっぴらに公言している。

GoogleのプロダクトマネージャCraig McLuckieはこう述べる: “Kubernetesは最初からこれらの機能を誰もが使えるために設計され、社内でBorgという名前で知られているシステムを作った技術者たちが、その開発を担当した”。

そしてこのたび両社のコラボレーションにより、KubernetesとMesosphereのそれぞれ良い点を合体させてデベロッパに提供できる。ターゲットは主に、企業だ。

かねてからMesosphereの売りは、どんなに大きなデータセンターでもまるで一台のコンピュータのように操作/管理できることにある。 MesosphereのベースになっているオープンソースのプロジェクトApache Mesosは、複数のマシンにわたるジョブ分散とジョブスケジューリングを担当し、リソース利用の最適化を図る。

このたびのMesosphereとKubernetesの統合により、デベロッパはMesosphereのDCOSのインタフェイスからKubernetesのクラスタを管理でき、KubernetesにはなかったMesosphereの高度な機能のすべてにアクセスできる(高い可利用性や高度なスケジューリングなど)。DCOSを使うと数千ものノードにわたってKubernetesをデプロイでき、それらのノードは、ベアメタルでも仮想マシンでも、あるいはオンプレミスでもクラウドでも、どこにあってもよい。

また、KubernetesとMesosphereの統合により、Kubernetesのアプリケーションはそのほかのデータセンターサービス(Hadoop、Cassandraなどなど)とクラスタをシェアできるので、企業としてはアプリケーションが複数あっても同じクラスタを複数設ける必要がなくなる。

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MesosphereのCEOで協同ファウンダのFlorian Leibertはこう述べる: “Googleとの協働により、クラウド起源のアプリケーションをどこででも動かすための、堅牢な共通スタックをパッケージできた。MesosphereのEnterprise KubernetesをMesosphere DCOSに統合したことにより、企業はクラウド起源のアプリケーションをSparkやHadoopなどを含む、リッチなマルチサービスの環境で、しかも、高い信頼性とセキュリティとエラスティックなやり方で動かせるためのアーキテクチャを、初めて持つことになる”。

Mesosphereは今後、Kubernetesに関しても企業向けサポートを提供して行く。この件でGoogleは、対顧客サポートを担当しない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、北米でMVNOに参入―通話とIMが月20ドル、データが1GB10ドル

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何ヶ月も前から流れていた噂は事実だった。先ほど、Googleは独自のセルラー・サービスを発表した。

現在までに判明した事実

  • プロジェクト名は“Fi”
  • 当初、Nexus 6向けに開始
  • 現在は招待オンリー。希望者はこちらに申し込む
  • SprintとT-Mobileのセルラー網を利用する。
  • 契約期間の縛りなし
  • 料金は通話とテキスト・メッセージについては月20ドルで無制限、データ通信に関しては1GBごとに10ドル。月3GBプランの場合、合計50ドルとなる。
  • 前払いしたデータ料金は月末に払い戻される。3GBプランのユーザーがその月に1.5GBしか利用しなかった場合、月末に15ドルが払い戻される。
  • Googleハングアウトと完全連動
  • WiFiテザリング可能
  • 現在のカバー地域は以下のとおり(モンタナは嫌われているようだ)。

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滑川海彦@Facebook Google+

Googleアルゴリズムのモバイル・フレンドリー化、今日から適用―Fortune 500企業の4割さえ順位下落

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Googleは今年に入って検索アルゴリズムに変更を加え、結果表示の順位決定にあたって、モバイル優先という要素を加えると 発表した。 つまりモバイル・デバイスの小さいスクリーン向けに表示が最適化されたページを持たないサイトの表示順位は下げられるという意味だ。今日(米国時間4/21)、Googleはこのモバイル・フレンドリー・アップデートを実行に移した。最近行われたテストによると、今回のアップデートでFortune 500にランキングされる大企業サイトの4割が影響を受けるという。

今日のGoogleの説明によると、 モバイル・フレンドリーであると認定されるためには、そのサイトのテキストはタップやズームなどの操作をしなくても可読性を保っていなければならない。またタップの対象となる要素はそれに必要なスペースが周囲に確保されていなければならない。またページの要素には操作不可能なものや水平にスクロールするものがあってはならない。要するに、モバイルデバイスから正常に利用できるようになっていなければならない。

またGoogleは、今回のアルゴリズムの変更はモバイルからの検索だけに影響するとしている。モバイル・フレンドリーであるかどうかは、サイト全体ではなく、個々のページごとに判断される。影響を受けるモバイル・デバイスはスマートフォンだけで、タブレットは含まれない。

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世界的な大企業の場合でさえ、スマートフォンの小さな画面では読みづらいサイトがまだ多数あるというのは驚くべきことだ。こういうサイトにモバイル向けの最適化を行わせるには、Google検索で順位を落とされるという脅しが確かに必要だったに違いない。

2013年のTechCrunch記事によれば、Fortune 100社の3分の2がモバイル・フレンドリーではなかったという。今年に入って行われたテストでも、対応の進展は遅かった。前述のようにFortune 500社のうちでモバイル・フレンドリーと認められたサイトは半数をわずかに超えた(52%)だけだった。

Top 20 Mobile Friendly Fortune 500

しかしこのような大企業(だけではないが)にとって、もはやモバイル対応は無視できないものだ。eMarketerによると 、世界のスマートフォン・ユーザーの数は今年中に19.1億人となり、2016年早々に20億人を超えるという。 そして2018年には世界の消費者の3分の2がスマートフォンを使うようになる。

この急激なモバイル・シフトは、Google自身も含めてあらゆるビジネスに大きな影響を与える。Googleの収益はモバイル・ユーザーがウェブサイトを訪問する際にGoogleの検索エンジンをどれだけ利用するか、そして結果的に広告を何回クリックするかに大きく左右される。しかしモバイルではユーザーは目的のコンテンツを探すのに検索エンジン以外のチャンネルを利用することが多くなっている。小さいスクリーンへの対応やプッシュ通知機能などモバイルOSに適応したネーティブ・モバイル・アプリの使い勝手がいいからだ。

そのため、Facebookのような巨大なモバイル・サイトの存在がGoogleのビジネスを脅かすまでになっている。eMarketerの記事によれば、2013年にはモバイル広告市場でGoogleは5割のシェアを持っていたが、2014年には46.8%に低下した。一方で、Facebookの2012年の5.4%から2014年の21.7%へ急成長している。

Googleがウェブサイトにモバイル・フレンドリーを強制する動機は、検索ユーザーの便宜を図ると同時に、モバイル化の流れの中でGoogleが自らの有用性を確保するという点にあるだろう。

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しかしモバイル・フレンドリー化は、一般ユーザーとGoogleだけでなく、サイトの運営者にも利益をもたらす。Branding Brandのレポート によれば、2015年第一四半期の全スマートフォン・とラフィクの約半数(43%)は検索によるトップ100サイトへのトラフィックが占めていた。しかもこの数字は直前の四半期から5%ポイントもアップしている。またスマートフォン最適ずみのサイトではオーガニック検索が全収入の25%を稼ぎ出している。

しかもモバイル・トラフィックは依然急増中だ。上記のレポートによれば、今年第1四半期のモバイル・トラフィックは対前年同期比で35%も増加しており、当期の全オンライン売上の28%がモバイル・デバイスによるものだった。ちなみに、Appleデバイスからの訪問者が全スマートフォンからの訪問者の59%を占めた。

Googleによれば、新アルゴリズムは今日から適用されるという。ウェブサイト管理者は、Mobile-Friendly TestMobile Usability report in Webmaster Toolsなどを利用してモバイル・フレンドリーであるかどうかをテストできる。もし「モバイル・フレンドリーでない」と判定された場合、そのページの表示順位は「モバイル・トラフィックの大幅な減少を招くことになるだろう」とGoogleは警告している。しかし最適化が行われると同時にGoogleは自動的に表示順位を再計算するという。

SearchEngineLandに掲載されたたいへん有益なFAQによれば、Googleのクローラーは数時間から最大72時間であらゆるサイトを巡回するが、Fetch as Google with Submit to Index を利用すれば即座に再クロールを実施させることができる。再クロールと同時にモバイル・フレンドリーと判定されたページは正当な順位で表示されるようになるとGoogleは説明している。

([原文へ] 翻訳 滑川海彦@Facebook Google+

Google、ネス湖のストリートビューを公開

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今日からちょうど81年前、Daily Mail紙はネス湖の怪獣として現在最も有名な写真を掲載した。未確認動物学におけるこの特別な日を祝して、Googleは今日(米国時間4/20)この著名な湖のストリートビュー画像を公開した。ネス湖の23マイルにわたる湖面および一部の水中画像をストリートビューで探索できる。

Googleによると、ネス湖の検索回数はバッキンガム宮殿よりも多い。おそらくそれは、王族が優雅な午後の紅茶を楽しむことを妨げるものではなく、ネス湖伝説の尽きることのない魅力を表しているのだろう。

いつも通り、GoogleはCatlin Seaview Surveyとチームを組んで水中画像を撮影した。

あなたが暗く濁った水の愛好者でない限り、ネス湖には見るべき水中風景が殆どない。

嬉しいことに、Catlinチームは殆どの画像を半分水に漬った状態で撮影してくれたので、実に美しい眺めが写し出されている。

そして、このGoogleの画像でネッシーを見つけられる可能性は低いので(私の知らないイースターエッグがない限り)、みなさんにはこれをお届けする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、QUICプロトコルでウェブをさらにスピードアップ

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聞いたことはないかもしれないが、あなたがChromeユーザーなら既にGoogleのQUICプロトコルを使っている可能性は高い。先週Googleが公表したところによると、ChromeからGoogleサーバーに送られるリクエストの約半数には、QUICが使われている。

いったいその何が重要なのか? QUICはGoogleによるUDPレベルの実験的低遅延インターネットプロトコルであり、UDPはゲーム、ストリーミングメディア、およびVoIPサービスでよく使われるプロトコロルだ。’QUIC’ という名前は Quick UDP Internet Connectionから来ている。

プロトコルの世界でUDP(およびQUIC)と比較されるのはTCPだ(Internet Protocol[IP]との組み合わせでインターネットの核となる通信言語となっている)。UDPはTCPより著しく軽量だが、その代わりにTCPよりもサポートしているエラー訂正サービスが少ない。これは送信サーバーが、例えばデータが届いているか、正しい順番で届いているかを調べるために、受信サーバーと頻繁にやり取りしていないことを意味する。UDPがゲームサービスに最適である理由はそこにある。この種のサービスではオーバーヘッドを減らして遅延を最小にすることが望まれており、もし最新のマウス動作をサーバーが受け取っていなければ、1~2秒を費して訂正する必要はない ― なぜならアクションはもう先へ進んでいるから。しかし、ウェブサイトのリクエストには向いていない、なぜなら全データが届いたことを保証できないからだ。

QUICにおけるGoogleの狙いは、UDPとTCPの良いところを取り、最新のセキュリティー技術と組み合わせることだ。

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通常のセキュアなTCP接続では、ブラウザーが実際にデータを受信し始めるまでに、2~3回やりとりが行われるのが普通だ。QUICを使うと、ブラウザーは過去にやりとりしたサーバーとは直ちに通信を開始することができる。さらにQUICは、輻輳(ふくそう)制御や自動再送信等の新機能を導入することによって純粋なUDPよりも信頼性を高めている。
Googleは、後にHTTP/2標準の基礎となったSPDYという、QUICKと同様の目的を持つ代替プロトコルを既に開発しているが、HTTP/2はTCP上で動作しているため同じ遅延問題を抱えている。

それならなぜGoogleは、TCPの改善に取り組まないかと疑問に思うのは当然だ。問題は、同社の指摘によると、TCPサポートはしばしばオペレーティングシステムに直接組み込まれていることにある ― そしてOSはGoogleの制御が一切及ばない部分である。「QUICなら新しいアイデアを実験してすぐに結果を見ることができる」とチームはこの方式を採用した理由を書いている。「効果が証明された暁には、QUICの機能がTCPとTLSに移行されることを望んでいる」。未だにインストールされているWindows XPの数を踏まえると、それは一夜にして起こることでないことは明らかだ。

もしGoogleが全く新しいプロトコルを設計すれば、インターネットの根幹を支える全マシンもそれを理解しなければならない ― しかし彼らが既に理解しているのはUDPだ。

2015-04-18_1036Googleによると、QUICはGoogle検索において、平均ページ読み込み時間で約3%の改善を見せている。大したことがないように聞こえるが、Google検索が既に最適化できるだけ最適化されていることを忘れてはならない。他のサイト ― 特に遅延の大きいウェブアプリ ― ではもっと大きな改善が見込める。YouTubeをQUIC経由で接続したユーザーは、ヒデオ視聴中に再バッファリングが約30%少なくなったという報告がある他、QUICの改善された輻輳制御およびUDPのロスリカバリーによって、非常に遅い接続のユーザーでも、QUICによるページ読み込み時間の改善が見られている。

Googleは、HTTP2-over-QUICを、将来の新たなインターネット標準としてIETFに提案する計画だと話している。

これは様々な意味でGoogleのSPDYへの取り組みと類似している。同社はあの時もまずChromeと自社サービス上でプロトコルのプロトタイピングを行い、その後HTTPの新バージョンの基盤として提案した。
なお、自分のChromeがQUICを使って接続しているかどうかを知るには、このブラウザー機能拡張をインストールすればよい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleは同社のプラットホーム上の広告の“大半を”6月30日までに暗号化する

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Googleは同社のオンラインサービスのすべてを、徐々にHTTPSで暗号化してきた。2008年にGmailがHTTPSになったときの大騒ぎを、おぼえておられるだろうか。

今朝のブログ記事で(米国時間4/17)同社は、今は広告をHTTPSにする作業を進めている、と言っている。すでにYouTubeの広告とGoogle検索の広告は“大多数のユーザにとっては”暗号化されているそうだ。またGoogle Display NetworkとAdMobとDoubleClickからの広告も、6月30日までにはその“大半が”暗号化され、これらのプラットホームで広告を買っている広告主には“広告をHTTPS化する”というオプションが提供される。

これらを暗号化する理由や目的の説明はないが、われ思うに、ターゲティング広告には個人化(パーソナライゼーション)のための機密情報があったりするので、暗号化した方がよい、ということだろう。Googleによればこれは、“HTTPS Everywhere”(どこでもHTTPS)という大きな全社的取り組みの一環であり、前にも言っていたように、検索のランキングのためには暗号化がきわめて重要なのだ。

Googleが言及しているIAB(Interactive Advertising Bureau)の最近のポストは、HTTPSに関しては広告業界全体が年内に完全に追随すべき、と宣言している。

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Chrome 43(ベータ)は外付けMIDIキーボードをサポート、新たなパーミッションAPIも

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WebのAudio APIを使った楽器のWebアプリケーションを、すでにいくつかご存知だろう。しかし今度のChromeはWebのMIDI APIをサポートしているので、それらの楽器アプリケーションや音楽アプリケーションがMIDIにも対応していれば、MIDIキーボードをブラウザにつないで演奏ができる。

ブラウザがユーザのお気に入りのデジタルオーディオワークステーションに取って代わるとは思えないが、しかしこれによってデモなどが楽しくなるし、Audio APIを使ってみたくなるデベロッパも増えるだろう。

今度のChromeのもうひとつのビッグな機能は、Permissions APIだ。これまでは、ユーザの位置を必要とするサイトにアクセスすると、Chromeはただちに、ブラウザのウィンドウの上部に小さなリクエストを出した。それがどんな、何の、サイトかまだ分からない時点でも。しかし今度からは、デベロッパが(サイト〜Webアプリケーションが)パーミッションのステータスを調べたり見たりできる。Googleによると、“これによってサイト側のコンテキストの中でパーミッションを求めることができるので、ユーザ体験が改善される”、という。

Chrome 43はまだベータだが、デベロッパがレガシーなサイトでセキュアなHTTPSのリクエストとセキュアでない接続をミックスできる新しい方法が提供される。“変更できない大量のレガシーのWebコンテンツをHTTPS化するのは大仕事になる。リンク先がセキュアでないリソースだったら、いちいちウォーニングが出たりする”、とChromeのチームが今日(米国時間4/16)書いている。今度の新しい機能により、セキュアでないリクエストを、ダウンロードが始まる前に自動的にセキュアなリクエストにアップグレードする。ユーザは安全になるし、混成コンテンツに対するウォーニングも出なくなる。

今日のアップデートに関する詳しい説明(changelog)はここにある

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GoogleのビッグデータサービスCloud Dataflowが公開ベータで一般利用可に、BigQueryはヨーロッパゾーンに対応

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Googleが今日(米国時間4/16)、ブラッセルで行われたHadoop Summitで、同社がクラウドから提供しているビッグデータプロダクトのアップデートを発表した。まず、公開ベータで立ち上がるCloud Dataflowは、大量のデータを処理するGoogleの新しいサービスだ。そしてビッグデータ(Googleが提供するビッグデータデータベース)へのクェリを提供するBigQueryが同社のヨーロッパデータセンターにも展開され、また行(row)レベルのパーミッションも導入される。

Cloud Dataflowがデビューしたのは昨年6月のGoogleのデベロッパカンファレンスだったが、これまではずっと非公開アルファで、一般に利用できるプロダクトではなかった。しかしこれからは、関心のあるデベロッパなら誰でもこのサービスをトライし、使用を開始できる。ただしまだベータだから、公式のSLAはない。

Googleのプロダクトマネージメント部門のディレクタTom Kershawによると、ビッグデータに対するGoogleの基本的なポリシーは、複雑性をできるかぎり取り除くことだ。これまで業界を苦しめてきたのは、ビッグデータの取り扱いがきわめて難しいことだった。企業は自分たちが毎日作り出しているデータに大きな価値があることをそろそろ理解してきたが、まだ多くのデベロッパがそれらのデータを扱うるツールの開発で難儀している。Kershawは曰く、“ビッグデータの利用は、もっと民主化される必要がある。Googleにはビッグデータ処理のためのソフトウェア資産が蓄積しているので、これからはそれらを、ものすごく使いやすい形で提供していきたい”。

Cloud Dataflowは、データをストリームとしても、あるいはバッチでも、処理できる。スケーリングは、ニーズに応じて自動的に行われる(ただしユーザが押しこむデータの量があまりにも膨大になったら、Googleからの“適正な”課金が行われる)。デベロッパはCloud Dataflowを利用するためのコードを一度だけ書き、そのあとはGoogleが彼らに代わってインフラストラクチャの設定や操作等をすべて行う。

Cloud Dataflowは一般ユーザ/デベロッパにとって新しいと言えるが、しかしBigQueryは2010年からある。しかし今日からは、ユーザは自分のデータをGoogleのヨーロッパデータセンターでホストできる。Kershawによると、これまでその要望がとても多かったそうだ。データに対するユーザの主権についてうるさいヨーロッパで、Googleがもっと早くそれをやらなかったのが、不思議なぐらいだ。

BigQueryのもうひとつのアップデートは、データベースが行(row)レベルのパーミッションをサポートすることだ。ささやかなアップデートのようだが、Kershawが言うように、実用レベルではとても重要な機能だ。

ひとつのビッグデータデータベースをいろんな部課が利用する、という企業が少なくない。でもたとえばマーケティング部門には、彼らが必要とするデータにはアクセスを許可しても、そのほかの機密性のあるデータにはアクセスさせたくない。ITはそのために、必要なデータのコピーを作って渡す、という方法を採ってきた。しかしそのコピーは通常、データベース本体のアップデートと同期しない。だからマーケティング部門は、正しくない古いデータを使うことになる。しかし行レベルのパーミッションがあれば、データベース本体に安全にアクセスさせられる。〔もちろん、列(column)レベルのパーミッションもある。〕

今回のアップデートにより、BigQueryはテーブル上の行を最大毎秒10万行読み込むことができる。ビッグデータ、たとえばログファイルの巨大な集まりなどを分析するときは、これぐらいのスピードが必要だ。実際、Kershawによると、BigQueryはその目的のためにも、よく使われているそうだ。

Googleのビッグデータツールは現在、BigQueryとCloud DataflowとメッセージングサービスCloud Pub/Subの三本柱だ。Google自身がかねてから、社内的にビッグデータのエキスパートだから、おそらく来月のGoogle I/Oではさらに新しいアップデートやビッグデータプロダクトが発表されるのではないかな。

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Google、Androidの汎用手書き入力アプリを公開。絵文字も認識

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今日(米国時間4/15)Google Researchは、最新プロジェクト、Google Handwriting Input公開した。これでAndroid 4.0.3以降のユーザーは、音声やお気に入りのキーボードに加えて、古き良き手書き入力をどのAndroidアプリでも使えるようになった。

GoogleHandwritingInputこの新しいツールは、82の言語と20種類の筆記体を識別できる。

私の手書き文字は判読不能で悪名高いが、Googleの新ツールはこの曲がりくねった筆記体の殆どを大きな問題もなく読み取った。活字体では事実上全く問題ない。

Handwriting Inputで気が利いているのは、手書きの絵文字も識別することだ(そう、私のウンコ絵文字もたちどころに認識した。

これがGoogle初の手書き認識でないことは指摘しておくべきだが、Android全体で使える手書き入力のサポートは初めてだ。以前からGoogleは、Google翻訳アプリ、モバイル検索およびGoogle Input Toolで手書き認識をサポートしている。

これが日常的利用でどこまで有用かは不明だ。最新のスワイプキーボードのおかげで、Androidでの入力はすでに十分高速で正確だ。しかしGoogleが指摘しているように、標準キーボードでの入力が難しい言語も数多く存在する。特にGoogleが例に挙げた、複雑な書体を持つ南アジア系言語や表意文字を用いる中国語等では、多くのユーザーにとって手書き入力の方が容易かもしれない。すでにGoogleはそれら多くの言語向けに専用の手書き入力方式を提供しているが、Google Researchチームによると、この新アプリは従来の取り組みを統合し、デバイス上、クラウドべースどちらによる文字認識も可能にした。

新アプリはGoogle Playストアで入手可能。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

デバイスが自分の視覚を持って行動できる時代に向けてビジョンプロセッサのMovidiusが$40Mを調達

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GoogleのTangoタブレットが使っているビジョンプロセッサ(vision processor, 視野プロセッサ, 視界プロセッサ)を作っているMovidiusが、Summit Bridge Capital(Atlantic Bridge CapitalWestSummit Capitalの共同事業)が率いるラウンドにより4000万ドルを調達した。これは、ファブレス半導体企業への投資としては近年で最大である。

このラウンドに参加した新しい投資家はARCH Venture PartnersとSunny Optical Technology Group、そして初期の投資家Atlantic Bridge Capital、AIB Seed Capital Fund、Capital-E、DFJ EspritそしてRobert Bosch Venture Capitalも参加した。

シリコンバレーとアイルランドとルーマニアにオフィスのある同社は、新たな資金をR&D努力の強化と技術者の増員、および、同社製の高速コンピュータビジョンプロセッサをデベロッパたちが有効活用するための、ソフトウェアツールの改良に投じる予定だ。

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MovidiusのCEO Remi El-Ouazzaneによると、今後の数か月で同社の製品がいくつかの消費者製品の中に見られるようになる。その多くは、有名ブランドの製品だ。まだ具体的には明かさないが、彼によると、Movidiusはとても良いタイミングで消費者市場にやってきたと言える。彼が挙げるのは、ドローンやVR(仮想現実)への関心の増大だ。どちらも、同社の技術が完璧にフィットしている分野だ。たとえばドローンが自動で飛べるのは、自分のまわりを正確に見られて衝突などを避けられる場合に限る。正しいビジョン処理に基づく衝突回避は、もっとも高価なプロ級のドローンでさえ、精度の高い実装がまだできていないほど、難しい。

VR(とMicrosoftのHoloLensのようなAR)の分野では、Movidiusは位置と人間の目の動きを追跡する主役になる。VR体験が本当にリアルで没入的であるためには、レイテンシのない高速なビジョン処理が欠かせない。今、主なヘッドマウントディスプレイのメーカーは5社あるが、同社はそのうち3社と協働している。

El-Ouazzaneによると、今日のようなベンチャーキャピタルの投資活動が盛んな時代においてすら、半導体企業の資金調達はきわめて困難である。“資金調達のためのバーの高さがものすごく高い”、と彼は言う。しかもビジョンプロセッサには今、Intel、Nvidia、Qualcommなどの既存勢力が関心を示している。それでも、これまでに蓄えたIPとソフトウェアツールへの注力により、Movidiusが当分先頭を走るだろう、と彼は言う。“価格とパフォーマンスとパワーでMovidiusには勝てない、と彼らに納得させることが、われわれの責務だ”、と彼は語る。

おもしろいのは、Movidiusが最初から、車載用などの市場を放棄していることだ。これらの市場では製品を出すためのリード時間があまりにも長すぎて、小さなスタートアップではそれだけのキャッシュフローをまかなえないからだ。“うちは、最先端技術を必要としている高成長市場に向かう”、とEl-Ouzzaneは言う。

国別では、中国が今後の同社の重要な市場になるだろう、という。“われわれに合っている先端技術製品の一部に関しては、中国が先頭を走ることになる、と確信している”、と彼は言う。“たとえばドローンのトップメーカーDJIは中国企業だし、カメラモジュールの最大のメーカーも中国だ”。そこで同社が中国におけるプレゼンスを加速するためには、主導的投資家たちが中国に強いことが望ましい。今回のラウンドでは、WestSummitとAtlantic Bridgeがそれに相当する。

同社の今後のロードマップとしては、まずMovidiusのビジョンプロセッサの次世代機が近く登場する。El-Ouazzaneによると、“うちはこれから、高速コンピュータビジョンの黄金時代へ入っていく”。近未来の最先端製品の重要部分は、まわりに何があるかが分かって知的な行動のできる製品となる。消費者製品でも、学術あるいは産業用の製品でも。新たに大きな資金を獲得したMovidiusは、そのための視界・視野技術を先頭に立って開拓していきたい、という。それが彼の言う、“黄金時代”の意味だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大企業は近づく「モバイルゲドン」に対応しているか?

Ready For Mobile Search?

(編集部注:Brad EwaldはBoulder Marketing Technologyのプリンシパル兼ファウンダー)

Googleは4月21日、自身がモバイルフレンドリーであると判定するサイトをモバイル検索にて優先するように、アルゴリズムに変更を加えるようになっている(「ハルマゲドン」にちなんで「モバイルゲドン」と呼ばれる。#Mobilegeddonのハッシュタグもある)。

モバイルフレンドリーであるためには、ブラウザ画面のサイズに応じて異なるレイアウトを表示する必要がある。ウェブへのアクセスにモバイルデバイスが用いられる比率が上がり続けている昨今にあって、「モバイルフレンドリー」なサイトを優先するというGoogleの方針は確かに意味のあることだろう。

2013年に行われたPure Oxygen Labsの調査によると、Fortune 100企業の3分の2がモバイルフレンドリーではなかったようだ。時は流れてモバイルゲドンも間近に迫った今日、そうした大企業はどのような対策をとっており、そして検索結果にどのような影響を及ぼすことになるのか調べてみようと考えた。

私たちが調査をしたのはフォーチュン500に名を連ねる企業だ。GoogleのPageSpeed Insights APIを用いて各サイトをクロールし、モバイルフレンドリーであるのかどうかを確認した。4月21日の段階で、検索アルゴリズムによりペナライズされる可能性があるサイトがどの程度あるものなのかを調査してみたわけだ。

結果、モバイルゲドンが非常に深刻な影響を及ぼしそうであることがわかった。すなわち、フォーチュン500企業のウェブサイトのうち44%がテストに不合格だった。ちなみに4%からはレスポンスが得られなかった。レスポンスが得られなかったサイトは、GoogleやBingなどのウェブボットからのアクセスを拒否しているケースが多いようだ。

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モバイルフレンドリーとは何か。SEOへの影響はあるのか。

モバイルデバイスの利用率がPCを凌駕するに従い、モバイル版のサイトをもたない企業がある種の不利益を被っていることは間違いない。Googleもこの流れに応じてモバイルフレンドリーなサイトを有利に扱うことを発表し、アルゴリズムの変更点を明らかにしている。詳細についてはたとえばモバイル検索に関するGoogleのブログ記事などに記されている。

モバイルフレンドリーなサイトとは、簡単にいえばブラウザの画面サイズに応じてレイアウトを変化させるサイトのことだ。サイトによってはPC版とは別にモバイルフレンドリーなサイトを用意しているところもある。しかし趨勢としては「レスポンシブデザイン」化することが求められている。

レスポンシブデザイン化したサイトでは、ブラウザの画面サイズに応じてコンテンツの表示方式がダイナミックに変化することとなる。たとえば画面サイズによってカラム数やメニューのレイアウト、画像の表示方法などが変化するわけだ。PC版と別にモバイル版を用意するのと比較して、レスポンシブデザインの方が新しいタイプのデバイスにも柔軟に対応することができ、またメンテナンスも容易となる。そしてSEO面でも効率的であるといえる。

モバイルフレンドリーであるかどうかのテスト方法

Googleは、指定したサイトをGoogleがモバイルフレンドリーであると判断するかどうかを示すモバイルフレンドリーテストというツールを用意している。あるいは、ブラウザのウィンドウサイズを変えてみるというだけでも、ある程度は理解できるかもしれない。ウィンドウを小さくしたときに、表示スタイルが変わるようであれば、サイトはレスポンシブであるのだろう。表示されているテキストやメニューが隠れてしまうようであれば、そのサイトはレスポンシブでないということになる。あるいはmobiletest.meでは、さまざまなデバイス上での見え方をエミュレートしたりできるようにもなっている。

SEOリスク ― 大企業もモバイルゲドンは影響するのか

モバイルフレンドリーにしないことで、どのようなペナルティーが課されるのかについてはドキュメントもいろいろと公開されている(TechCrunchにも関連記事が投稿されている)。対応方法についても各所で明らかにされている。しかし、フォーチュン500のような大企業については、そもそも知らない人などほとんどいないわけで、検索エンジンのアルゴリズムに対応する必要などないのではないかと考える人もいるだろう。また、IBMのようにウェブボットのアクセスを拒否しているところもある。さらにこうした大企業のサイトは膨大な数の被リンク(有料のものやオーガニックなもの)がある。SEO作業などはサイトランキングにほとんど影響を及ぼさない可能性もある。ただ、ネット上の消費行動はますますモバイルにシフトしつつあるのは確かであり、検索エンジンを意識せずとも、モバイルフレンドリー化をすすめる必要があるのは間違いないことであるように思われる(尚、ウェブボットを拒否するIBMのサイトはツールによる測定はできなかったが、画面サイズ変更による調査ではモバイルフレンドリーであることがわかった)。

私たちの行った調査で良いスコアを得たトップ20のサイトは以下の通り。

Top 20 Mobile Friendly Fortune 500

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(翻訳:Maeda, H

日本の裁判所が問題のレビューをGoogle Mapsから削除するようGoogleに命令

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日本で困ったニュースが生まれた。Googleが同社のGoogle Mapsサービスから、今訴訟案件となっている、顧客からのレビューを、削除するよう命令されたのだ。

今日(米国時間4/10)千葉地裁は合衆国のインターネット企業に、この国の某医院に対する二つの匿名レビューの削除を強制する仮差止命令を発行した。それらは同診療所におけるネガティブな顧客体験を記しているが、どちらのレビューも、Mapsサービス内のユーザ生成コンテンツに対してGoogleが課しているポリシーに違反していない。

本日の決定は医院からの名誉毀損訴訟に基づくもので、訴状には匿名のレビュワー(複数)を診療して、彼らの主張を否定している医師からの、宣誓供述書も含まれている。

裁判所はGoogleに、コンテンツを日本だけでなく全世界的に取り去るよう、命じている。

Googleは本誌TechCrunchに提供した声明で、“対応を検討している”と言っている。その中には命令に対する控訴も含まれるのだろう。

“弊社はビジネスのオーナーがレビューに応答できるためのツールを提供しており、また弊社のポリシーに違反するポストは取り下げているが、オンラインのレビューは人びとがビジネスに関する直接のフィードバックを掲出したり読んだりするための重要なツールであると信じている”、と同社は書いている。

公開されているコンテンツの削除は、つねに問題になる。とくに、その背後にあるプロセスがほとんど公式の否定だけという場合は、その否定がまた問題になる。救命や治療を職務とする医療専門家に関するフィードバックがWebから安易に消し去られるなら、本当に悪いことをしたビジネスや個人に対する正当なネガティブレビューも、Webから消し去られてしまう懸念が、当然ながら生ずる。

最近Googleは日本で、プライバシーや言論をめぐる失態をいくつか犯している。昨年は日本の裁判所が、ある人を犯罪に結びつけている検索結果を削除するよう、Googleに命じた。2012年に同社は、その自動補完機能が日本のプライバシー関連法に抵触すると判決され、修正を命じられた

以下は裁判所の仮処分決定書だ(日本語である):

Japan: Chiba District Court Google Injunction – 10 April

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleモデレーター、7月31日に閉鎖

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Google Moderator7月31日で終了する。オンライン、オフラインのイベント等でユーザーからの質問をまとめてランク付けするツールだ。

Moderatorは、2008年にスタートした後、何度かの大掃除の中を生き残ってきた。ホワイトハウスでも時折使われ、2012年の大統領選挙で大きく取り上げられた。しかしGoogleは、このサービスが望んでいたほど使われていないと判断したようだ。

Moderatorの開発はかなり前から停止していたようだ。同サイトにある最新の著作権表示は2011年で、Googleがここ数年行っているデザイン変更も適用されていない。大部分が2008年当時と同じ外観だ。

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様々な意味で、Moderatorがここまで生き残ったことが驚きだ。2011年にGoogleは当時のGoogle Labsプロジェクト ― Moderatorは元々ここで「20%プロジェクト」としてスタートした ― をいくつも削減したが、どうやらModeratorも候補になっていたようだ。

当初Moderatorプロジェクトを率いたKatie Jacobs Stantonは、後にオバマ政権の市民参加部門ディレクターとなり、現在Twitterのグローバルメディア担当VPを務めている。

Moderatorのユーザー ― プロジェクトの休眠状態から踏まえれば多いとは思えない ― は、3月30日からGoogle Takeoutで自分のデータをダウンロードできる。新たなコンテンツを作れるのは6月30日が最後で、7月31日に完全閉鎖される。

果たしてこれが単発の動きなのか、Googleで新たな「春の大掃除」が始まるのか興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

HisenseとHaierが149ドルのChromebookを発売、Asusからも珍種が

数週間前にはGoogleがChromebookの最高級機Chromebook Pixelのニューバージョンを発表して話題になった。今日(米国時間3/31)はChrome OSのエコシステムから、それとは真逆の2機種が生まれた: Haier Chromebook 11(Amazonで買える)と、Hisense Chromebook(Walmartで買える)だ。どちらも11.6インチ画面のChromebookで小売価格は149ドル、これまででもっとも買いやすいお値段のChromebookだ。

さらに、今日のGoogleの発表ではAsusが249ドルのChromebook/タブレットコンバーチブル機と、完全なChrome OSコンピュータを小さなHDMIスティックに収納したChromebitと呼ばれる製品を出すらしい。後者はIntelのCompute Stick.に似ているが、両製品とも発売日は未定だ。

Asusからはさらに、11.6インチで169ドルのChromebook、C201が出る。こちらはRockchipのクワッドコアプロセッサを搭載し、メモリ2GBと4GBのバージョンがあり、5月にAmazonから発売される。

最初に挙げたHaierとHisenseのChromebookもRockchip3288 SoC(system on a chip)を使用している。えっ!と思われた方もおられるだろうけど、Rockchipはまだそれほど知られている名前ではない。でもこの企業は、ある日突然夜逃げをするような連中ではない。2001年に創業された同社は、中国のファブレス半導体メーカーのトップ集団に属し、最近はIntelとの契約により、Atomのコアを使った製品を作ることになった。ただし3288 SoCはARMのチップで、32ビットクワッドコアのCortex 17が設計のベースだ。

Hisense Chromebook (1)

多くのユースケースにとって、3288は十分な閲覧スピードを提供するだろう。まだ実物を経験していないが、すでに多くのベンチマークでIntelの最新のAtomチップの一部を抜いている。

HisenseとHaierのChromebookは、基本的に同じだ: 2GBのRAMと16GBのeMMCフラッシュストレージ。どちらもUSBポートは2つ、SDカードリーダーにHDMI出力、720pのWebカメラ、WiFiとBluetoothあり。両機ともGoogleの音声コマンド”OK Google”が常時有効で、キーボードはGoogleがちょっといじったChromeキーボードだ。

Haierは149ドルバージョンのほかに、やや大型で電池交換可能なChromebookを出す予定だ(電池寿命10時間)。今の充電オンリーの機種では、Haierが10時間、Hisenseは8時間半を約束している。

低価格機は低価格機であるためにディスプレイをけちる。Rockchipの内蔵GPUは4K対応だそうだが、今回の両機のディスプレイは4Kにほど遠い。

重さはHaierのChromebookが2.54ポンド(11インチのMacBook Airとほぼ同じ)、Hisenseは3.3ポンド(こちらはChromebook Pixelとまったく同じ)。

両社は共に、安いけど頑丈だ、と主張している。たとえばHisenseには金属製のパームレストがあるから、もっと高価なオールプラスチック製のChromebookよりも良い感じだ。今回、体験レビューはまだ書けないけど。

これらのデバイスのローンチによって、Chrome OSのエコシステムはWindowsの世界と横並びになる。一部の報道によるとMicrosoftは、OEMたちがWindows 10のラップトップを149ドルで売りだすことを望んでいるらしい。

 

Asus Chromebook Flip

AsusのChromebook FlipとChromebit

Asus Chromebitは小売価格が99ドル以下になる。これもRockchipデバイスで、RAMは2GB、eMMCフラッシュストレージは16GBだ。つまりChromebookと同じ。だから、Chromebookをキャンディバー(棒飴)サイズのスティックに収めたものだ。Chromestickと呼ばないのが不思議だね。

HDMIスティックだから、外回りの社員に使わせたい企業や、屋内(〜店内)ディスプレイ用に使いたい企業が主なターゲットだ。GoogleもChromebox用にその手を考えている。格好のおもちゃとして飛びつくハッカーも、たくさんいるだろうな。

なお、今回は説明を書ききれなかったが、コンバーチブル機Chromebook Flipは上の写真だ。

Asus Chromebit

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleサイトを訪れるユーザーの5%は広告マルウェアに感染している

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Googleがカリフォルニア大バークレー校と協力して行った研究によると、Googleのサイトやサービスを訪れた人の5%が、ブラウザーにアドインジェクター[広告挿入ツール]を1つ以上インストールされていた。

マルウェアの中では、アドインジェクターは比較的無害に思われがちだ。例えば、Google検索ページに本来そこに属さない広告を挿入する。迷惑ではあるが危険とは感じられない。しかし、実はアドインジェクションのやっていることはLenovoのSuperfishがやっていたことと変わらず、Superfishはユーザーに大きなセキュリティー問題を引き起こした。実際、Chrome、Firefox、およびInternet ExplorerからGoogleサイトをアクセスした1億ページビューの分析に基づく本調査によると、問題のインジェクターの1/3は「正真正銘のマルウェア」に分類されている。

red warningこの種のアドインジェクターは正規のソフトウェアにバンドルされることが多いことから ― デスクトップアプリの開発者やダウンロードサイトは、これをインストーラーやダウンロードラッパーを使って比較的簡単に小遣い稼ぎができる方法だと認識している ― ユーザーの知らない間にインストールされる可能性が十分にある。

Googleおよびバークレーの研究者らの間では、アドインジェクターは現在あらゆる主要なプラットフォームおよびブラウザーに存在していると考えられている。今回1つ以上がインストールされていた5%のうち、1/3は同時に4種類が動作中で、半数は2種類が動いていた。他の人たちよりも少々ひっかかりやすいユーザーのグループがあることは明らかだ。

Googleは、結果データを発表し(詳細は5月1日に報告)、アドインジェクターへの注意を喚起すると言っている。

「望まないインジェクターは健全な広告エコシステムと相応れない」、とGoogleのセーフブラウジング担当エンジニア、Nav Jagpalが今日の声明に書いている。「あれはユーザーだけでなく広告主やサイト運営者をも困らせる悪い慣習の一環だ」。

この種のプログラムは、自らをブラウザーとウェブサイトの中間に挿入してウェブサイトのコードを書き換えるため、ブラウザーはどの広告が正規のものでどれがそうでないかを判断するのが難しい。

「広い意味で、ユーザーに表示される情報を最終的に制御するのは誰かという問題が益々重要性を帯びてきている ― これはデジタル世界が直面している最大の課題の一つだ」とUCバークレーEECS教授のVern Paxsonが今日の声明で指摘した。「アドインジェクションはユーザー操作の整合性を破壊し、いずれの対話者とも無関係な制御を密かに挿入する。そうやってこの争いの「前線」の一つとして機能する。

Googleは、この研究に基づき1400万ユーザーに影響を与えていたChrome機能拡張192種を既に禁止しており、現在同研究と同じ方法を使って、Chrome Web Store上の新規および更新された機能拡張を残らず検査していると言った。

Googleの広告およびブラウザー機能拡張の利用規約は、詐欺的アドインジエクターをかなり厳しく取締っているが(他の広告ネットワークも同様)、それを作っている会社の殆どはルールを守ることに熱心ではない。また、広告ネットワークも自分たちの広告がこういう形で使われていることを知らない場合が多いことも指摘しておくべきだろう。

Googleを始めとするブラウザーや広告のベンダーがこの問題の技術的解決策を見つけない限り、完全に消えることはないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップ上でパックマンがプレイできる!

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Googleが、Googleマップに新しいイースターエッグを埋め込んだようだ(恒例のエイプリルフール企画であるらしい)。今回は、なんと実在の場所の地図を使ってパックマンをプレイすることができるのだ。デスクトップでも、あるいはモバイルアプリケーション上でも遊ぶことができるようになっている。Googleマップのサイトを開くか、あるいはAndroidないしiOS版のアプリケーションを開いて、そしてパックマンがいる場所を探しだせばプレイできる。

モバイル版でプレイするにはGoogleによるヒント(なぞなぞ)を解く必要があるようだ。このヒントは先に示したリンク先に記述されている(訳注:PC版であればGoogleマップを開けば、どこであれ画面左下にパックマンのアイコンが表示される様子)。どうしても見つけられないという方は「Times Square」を検索してみると良いだろう。下の図に示したようなアイコンが見つかるはずだ。パックマンの操作は矢印キーないしスワイプ操作で行う。パックマンの進む方向を上下左右で指定することができる。

Screen Shot 2015-03-31 at 11.29.58 AM

パックマンは5匹(?)用意されている。ゲームオーバーに際しては得点をシェアする機能も用意されている。実在の場所でのパックマンをお楽しみあれ。

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(翻訳:Maeda, H

Gmail Androidアプリがアップデート―サードパーティーも含めてすべてのメール・アカウントが一括管理できる

今日(米国時間3/30)、GoogleはAndroid版Gmailアプリアップデートした。今回いちばん重要な変更点は、統一インボックスだ。複数のメール・アカウントを持っている読者が多いだろうが、これまではGmailアプリでいちいちアカウントを切り替えねばならなかった。 しかし統一インボックスの導入で、「すべてのインボックス」の表示を選択することができるようになった。これでわずらわしいアカウント切り替え操作の必要がなくなった。

mobile drawer shot copy

たいへん便利になったが、Googleがこの機能をローンチするまでにこれほど長くかかったのは少々驚きだ。iOSでは以前からAppleのメール・クライアントが同じ機能を提供している。

Googleによれば、新アプリでは検索の自動補完の精度も改良されているという。Googleはどのような点が改良かされたのか明らかにしていないが、どうやら既存のメールの内容をより詳しく分析することで自動補完により正確な候補を表示できるようになったということらしい。

もう一つの新機能は、Gmail以外のメール(Gmail for Androidはその名前とは違ってサードパーティーのメールをサポートしている)の送受信も簡単にできるようになったことだ。Yahooメール、 Outlook.com、 IMAP/POP利用のメールなどすべてのメールがGmailと同様に単一のインボックスから送受信し、管理ができる。

またワンクリックで添付ファイルをGoogleドライブに保存できるようになった。添付ファイルのプレビューも拡大された。

これらの新機能のGmail iOSアプリへの導入についてはまだ情報がない。

〔日本版〕 Gmailの日本版アプリもすでにアップデートされている。Google Play Storeからダウンロード可能。アプリをアップデートすると概要紹介ビデオを表示できる。また「他のメールアカウントを追加」の画面が表示される。後でアカウントを追加するにはアプリのホーム画面から三本横棒のアイコンをタップして一番下までスクロールし「設定」を開いて「アカウントを追加」を選択する。

Conversations View Final

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleとJohnson & Johnsonが共同でロボットがアシストする手術台を開発

GoogleとJohnson & Johnsonが、両社のパートナーシップにより、ロボットがアシストする高度な手術台を開発する、と発表した。この共同事業には両社の“能力と知財と専門的知識・技術”が注入され、Johnson & Johnsonの子会社で医療機器のメーカーEthiconも参加する。

発表声明の骨子は、ロボットを利用して人間外科医を、置換するのではなく補助する点にある。それが少なくとも、このパートナーシップの現段階の主題だ。発表声明から、その趣旨的な部分を引用してみよう:

ロボットがアシストする外科手術は、侵襲性がきわめて低い手術技法であり、外科医には手術行為の間により大きなコントロールとアクセスと正確性を提供し、一方患者にはトラウマと恐怖を最小化し、術後の快癒を早める。両社は新しいロボットツールの開発を探究し、外科医と手術室の専門スタッフに、今日最良の医療機器技術と最先端のロボット工学システム、および画像とデータの分析技術を組み合わせた能力を提供する。

ロボットがアシストする手術では一般的に、人間外科医がコンピュータや遠隔操作機器を介して器具をコントロールする。それにより、人間の手が行う場合よりも細かいコントロールと精度が得られる。またその手術は、手が行う場合よりも侵襲性が少なく、したがって回復も早い。

ここに記述されている新しい手術台は、おそらく、手術関連のデータ収集や分析にも利用されるものと思われる。それらのデータの蓄積が、今後長期的には、治療技術や外科技術の向上に貢献するだろう。これまで、一部のロボットアシスト手術でGoogle Glassが利用されたが、今回のGoogleの参加は、ロボットアシスト手術の運用コストの低減にも寄与することが期待される。

出典: Business Insider

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa