FCCがファーウェイとZTEを「安全保障上の脅威」に指定した背景

米国のFCC(連邦通信委員会)は中国のテレコム企業であるHuawei(ファーウェイ)を「国家安全保障上の脅威」に指定した。これにより米政府の補助金を受けているテレコム企業によるファーウェイとZTEの機器購入の禁止が公式化された。

FCCのAjit Pai(アジット・パイ)委員長は「証拠の重みがこの決定を支えている」と述べた。 パイ委員長によれば、政府諸機関と上院、下院の議員は以前から「これら中国のテクノロジー大企業は中国法の下にあるため、中国の情報機関に対する協力義務というリスクを抱えている」と主張してきたという。ファーウェイとZTEはこうした指摘をその都度否定している。

共和党任命のパイ委員長は別の声明で「我々は中国共産党が米国のネットワークの脆弱性を悪用して重要な通信インフラ侵入することを許すことはできないし、許すつもりもない」と述べている。

FCCの「国家安全保障上の脅威」という指定は発表と同時に発効したが、TechCrunchでも報じてきたように、ファーウェイ、ZTEの締め出しはすでに実施されているため、今回の指定が具体的に現状をどう変えるかはまだ明らかでなない。

昨年11月、FCCは「安全保障上の脅威と見なされる企業は政府のユニバーサルサービス資金を受け取る資格が一切ない」と発表している。 米国の通信インフラの接続性を改善するための機器およびサービスの購入を助成するためのFCCの施策の最も重要な部分が85億ドル(約9100億円)にのぼるこの資金の給付だ。

この際すでにファーウェイとZTEは「安全保障上の脅威」とに指定されたが、2社の不服申し立てもあり、この指定の根拠を数カ月以内に正式化することが必要となっていた。これが今回の発表の背景だ。

FCCの幹部は「11月の裁定はユニバーサルサービス資金の支出にのみ適用されるの」と説明している。

民主党推薦のFCC委員であるGeoffrey Starks(ジェフリー・スタークス)氏は公式声明で「ファーウェイ、ZTEに対する安全保障上の脅威指定は第一歩ではあるが、両者製のコミュニケーション機器がすでに大量に使用中であり、これらを特定して交換する必要がある」と説明した。

スタークス委員は次のような文書も出している(FCCの公式文書)。「米国の通信システムにリスクをもたらす機器を特定するために当委員会は重要な措置を講じた。しかしなすべきことはまだ多数ある。最大の問題は資金だ。議会は2019年に「安全で信頼できる通信ネットワーク法(Secure and Trusted Communications Networks Act)」を制定し、通信事業者が信頼できない機器から移行するために政府の支援を必要とすることを認めている。しかしまだ機器交換用のための資金の具体的な割り当てに至っていない」。

今回のFCCの指定は中国のテクノロジー企業を締め出すため動きの最新のものだ。 しかし、それは5Gのカバレッジを拡大するために取り組んでいる通信会社を窮地に置きます。しかしファーウェイとZTEは5Gテクノロジーで米国のライバル企業をはるかに上回っていると見られため5Gネットワークのカバー地域を拡大しようと努力中の米国のテレコム企業は難しい立場に置かれる。

ファーウェイとZTEはこれについてまだコメントを発表していない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国政府がZTEを贈収賄容疑で捜査中

ZTEの米国政府との闘いは、中国の大手スマートフォンメーカーHuawei(ファーウェイ)ほど目立ったものではない。しかし、同社はここ数年にわたり問題を抱えている。NBCが最初に報じ、その後にThe Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)が確認した今回の報道は、ZTEが贈収賄容疑で捜査されているという。

この問題はZTEが米国の対イラン制裁違反の罪を認めた、2017年の米国政府との和解に端を発している。同社は、数百万ドル相当の機器を約6年間に渡ってイランに出荷したとして、8億9200万ドル(約960億円)という巨額の罰金を科された。

TechCrunchはこの件を米司法省に問い合わせたが、最終的にコメントは拒否された。現在、ZTEからの正式な回答を待っているところだ。また同社はNBCに対して、以下の一般的な声明を出している。

ZTEは、法律上およびコンプライアンス上の義務を果たすべく全力で取り組んでいる。弊社のリーダーシップチームの最優先事項は、ZTEをグローバル市場で信頼できるビジネスパートナーにすることで、チームは誇るべき偉大な業績を上げてきた。これ以上のことをZTEがコメントするのは、適切ではないだろう。

模範的な解答だ。一方、今回の調査の詳細やスケジュールはまだ明らかになっていない。ZTEは罰金を科されたが、贈収賄容疑がその事前か事後かに関わらず、米国政府によるさらなる調査から除外されるわけではない。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

米連邦通信委員会が米通信会社に対しファーウェイやZTEの製品使用禁止を求める

FCC(米連邦通信委員会)は、「国家安全の脅威」と考えている企業の機器に流れる資金を断つ計画を最終的に承認した。対象となる企業はHuawei(ファーウェイ)とZTEだ。

通信インフラ展開のための購入代金を助成するのに使われるFCCのユニバーサルサービス基金の85億ドル(約9200億円)は、この2社の機器に一切当てられなくなる。

「我々は記録にある証拠と、行政ならびに立法府の長年の懸念に基づき、今回の措置をとる」とFCCのAjit Pai(アジート・パイ)議長は声明文で述べた。「2社とも中国の共産主義政権、そして軍事品と深く結びついている。そして両社とも、中国の情報部からの要求に協力し、そうした要求を秘密にする義務があるという中国の法律を守らなければならない。2社はこれまで知的財産の侵害、贈賄、汚職を行なってきた」。

この2社は数年間にわたって米国の綿密な調査の対象となってきたが、疑わしいハードウェアの販売にかかる容疑は漠然としたものだった。しかし2019年初めの物議を醸したファーウェイのCFOである孟 晩舟氏の逮捕によってヒートアップし始めた。言うまでもないが、2社はすべての容疑を断固として否定してきた。

中国と米国の関係がいっそう複雑になるにつれ、ZTEとファーウェイが米国で事業を展開し、米国企業と取引をするのはさらに難しいものになった。FCCの新しいルールは、実際には物事がエスカレートする前に委員会のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンワーセル)委員が提案していたものだ。

「これは難しいことではない」と今回の新ルールに伴う声明文でローゼンワーセル氏は述べている。「国の基金が国家の安全を脅かす機器の購入に使われるべきではないという結論に至るのに18カ月もかかったのはおかしい」。

しかし、政府が広く混乱している現状を考えると、細部を理解するのは難しいかもしれない。例えば、今年の夏、米企業がプロダクトをファーウェイに販売するのは違法になりそうだった。だがそうはならなかった。ちょうど昨日、何人かの上院議員は商務省がファーウェイと取引をしている企業にライセンスを発行したことに抗議した。

本日協議され、まだ承認されていない別の提案では、ユニバーサルサービス基金を受け取っている通信事業者に対し、すでに設置したファーウェイとZTEの機器を撤去することを求めている。

明らかに、小規模の通信事業者がこうしたルールに従うのは経済的にかなりの負担になる。ただ、これに対してはパイ議長が言うように策がある。それは「こうした要件による影響、特に小規模で地方の事業者への経済的負担を和らげるために、より信頼できるベンダーの機器に交換するコストの相殺を支援する払い戻しプログラムの導入を提案する」というものだ。

画像クレジット: Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi)

米通信委がファーウェイとZTEの設備排除を通信会社に要求へ

米連邦通信委員会(FCC)は、米通信会社大手がHuawei(ファーウェイ)とZTEの通信設備を使用することを禁止する方向で動いている。2社の設備の使用は「国家安全上の懸念がある」としている。

月曜日に明らかになった2つの要素からなる案は、まずFCCのUniversal Service Fund(補助金)を受けている通信大手が、中国の通信設備メーカーから設備を購入するのを禁じる。この補助金は低所得家庭へのサービスに支払われている。2つ目は、すでに使用されている2社の機器を交換するよう求めるものだ。

FCCは声明文で「通信会社が「より信頼できる」サプライヤーに乗り換えるのを支援するプログラムを提供する」と述べている。

「我々のネットワークが国家安全を害せず、経済セキュリティを脅かさず、そして我々の価値を傷つけることがないようにする必要がある」と共和党に指名されたFCCのAjit Pai(アジット・パイ)委員長は述べた。「中国政府は米国の安全を脅かそうと喜んで骨を折る姿勢を繰り返し示してきた」。

記者との話で、FCCは中国2社の通信機器を購入するのにUniversal Service Fundがいったいいくら使用されたのか明らかにしなかったが、多くの地方の小規模の通信会社がファーウェイの設備を購入するのにこの補助金を使用したと指摘した。

ファーウェイとZTEはすでに安全上の懸念がある企業リストに載っているが「今回の案は国家安全危機を伴わない他のサプライヤーを明示するプロセスを確立することになる」とFCCは述べている。

こうした動きは、国家安全上の脅威とみなされているテクノロジープロバイダーを政府が取り締まる最新のものとなる。中でも主な脅威とみられているファーウェイとZTEは密かに中国の情報機関の求めに応じ、米国のデータを監視やスパイ活動の危機にさらしているとされている。

こうした主張は、2012年に議会質疑を受けて浮上し、これらの企業には国家安全の脅威というレッテルが貼られた。今年初め、トランプ政権は政府機関がファーウェイとZTE、そしてHytera(ハイテラ)とHikvision(ハイクビジョン)から設備を購入することを禁止した。

ファーウェイとZTEは米政府の主張を一貫して否定してきた。パイ委員長はWall Street Journalのオプエド欄で「5Gと米国の安全に関して我々はリスクを取ることはできず、最善策を望む。我々のネットワークが国家安全を害せず、経済セキュリティを脅かさず、そして我々の価値を傷つけることがないようにする必要がある」と述べている。

民主党の委員Jessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンワーセル)氏は声明文で「FCCは、地方での展開をサポートするUniversal Service Fundが安全でないネットワーク設備購入に使われることがないのを確かなものにするため、提案から1年半して先に進む。しかし、Universal Service Fundを受けているところだけでなく、全ネットワークプロバイダーを対象とするサイバーセキュリティ政策が必要だ」と述べた。

「加えて、世界経済の中で、我々のネットワークが海外の安全でない設備とつながることにも留意する必要がある。世界中の設備の脆弱性に対抗できるネットワークをいかに構築できるか、研究を始めるべきだ」。FCCの案は11月19日に委員会で採決がとられる。

画像クレジットGetty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

中国ZTEは低価格のフラグシップ機で米国市場回帰を目指す

ZTEと米政府との関係は、中国のスマートフォンメーカーとして同業のファーウェイに比べるとあまり目立たないが、しかしそれでも十分な量の抗争がある。昨夏に同社は、制裁違反で10億ドル(約1058億円)の罰金を食らった。全体としても2018年は、米国におけるZTEにとって良い年ではなかった。

最大のスマートフォン市場である米国でミッドレンジのデバイスを売って好調だったZTEは、結局のところ大打撃を受けた。でも、Axon 10 ProでもってZTEはやっとその傷口を癒やし、ここ米国で再起しようとしている。ただしもちろん、貿易をめぐる2大国の緊張は安易な安心を許さない。

見た感じ、とてもしっかりしたデバイスのようだ。同社はこの製品を、OnePlusが母国で享受しているようなジャンルに位置づけたいらしい。お値段は549ドル(約5万8000円)だから、フラグシップ機が1000ドルを超えるようになった今のご時世において、ほっとするような価格だ。しかもデザインや機能では遜色がない。同社はOnePlusを価格的に新たな高級機に押し上げようとしているようだから、そのことも本機にとって有利だろう。

関連記事: OnePlus redefines premium with the 7 Pro(OnePlusの7 Proは新しいタイプの高級機、未訳)

画面サイズは6.47インチで、小さなカメラ用のノッチがあり、指紋リーダーも画面内にある。チップはQualcomm(クアルコム)のSnapdragon 855、バッテリーは4000mAhと強力だ。背面カメラは4800万画素、望遠、ワイドと3基ある。しかしヘッドフォンジャックはどこにもない。

米国で姿を消したHuawei(ファーウェイ)と違って、ZTEには多少の機会がありそうだ。ただしスマートフォン市場の落ち込みは、他社と同様に甘受しなければならない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

トランプ政権が連邦政府のファーウェイとZTEの製品・サービスの購入禁止へ

トランプ政権は米連邦政府のすべての機関がHuawei(ファーウェイ)、ZTE、他2社の製品およびサービスを購入することを禁止する。米政府は安全保障上の脅威だとして対して中国に貿易制裁を加えてきた。今回の措置はこれをさらに一歩進めた。

ホワイトハウスの行政予算管理局の広報担当者であるJacob Wood(ジェイコブ・ウッド)氏は昨年議会で承認された「国防権限法を完全に遵守する」」と述べた。国防権限法(NDAA2019)は米国の軍事予算を定めるもので、この中で中国に対する広汎な制裁を実施すべきことが要求されている。国防権限法は上下両院の圧倒的多数で可決された。

CNBCがウッド氏のコメントを最初に報じた

国防権限法の要求を受けてホワイトハウスが公布する新しい規則は8月13日に発効するものと見られる。この規則によれば連邦政府書記官諸機関は中国の有力テクノロジー企業であるファーウェイ、ZTE、Hytera(ハイテラ)、Hikvision(ハイクビジョン)の製品やサービスを購入することが禁じられる。これらの企業は創立以来中国政府と密接な関係を保ち、中国のためのスパイ活動を働く恐れがあるとして警戒されていた。国防権限法2019は2020年8月までに連邦政府がこれら4社と契約することを禁じる規則の制定を求めている。トランプ政権は1年前倒しで実施することになる。

ただし「安全保障上の脅威に当たらない」と判断された場合、連邦政府はケースバイケースで取引を承認することができる。

ファーウェイは以前から中国政府のためにスパイを働いたことはないしそのような能力はないと主張してきた。しかし政府、議会を含めて多くの専門家は同社は5G中継設備などのネットワーク機器は米国の通信インフラを中国のスパイ活動の下に置く危険性があると指摘している。ファーウェイはこうした批判を根拠がないものとして強く否定している。しかし英国政府は同社のテクノロジーは安全保障上極めて危険という判断を公表した。この問題が最初に注目されたのは.2012年に下院司法委員会が暫定的に安全保障上の脅威と認定したときだった。

ファーウェイの広報担当者であるChase Skinner(チェース・スキナー)氏は「予想されたことだ」としながらも「今後も法廷で異議を申し立てていく」とコメントした。

取材に対してZTEはからはコメントがまだない。

画像: Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

MITが制裁違反の嫌疑がかかるファーウェイならびにZTEとの協力関係を解消

マサチューセッツ工科大学(MIT)は米国時間4月3日、ファーウェイ・テクノロジーおよびZTEとの協力関係(研究プロジェクトならびに資金調達を含む)を停止することを発表した。2つの中国テック企業は、米国政府と制裁違反の嫌疑で争っている最中である。

MITの研究担当副学長であるマリア・T・ズーバー氏は、そのNew review process for ‘elevated-risk’ international proposals」(高リスク国際提案のための新しい審査プロセス)という公開文書の中で、最近MITは「特定の国々との協調関係。現在は中国、ロシア、そしてサウジアラビアに関しては、すべての国際プロジェクトが受け入れている通常の審査に加えて、さらなる教員ならびに管理部門による精査を受ける必要があると決定を下した」と表明している。

そして強化された審査プロセスの結果として、同大学は「制裁規制の違反に関する連邦政府の調査に鑑み、ファーウェイおよびZTE、またはそれぞれの子会社との新しい契約を受け入れたり、既存の契約の更新を行ったりしない。本学は、将来的には状況に応じて、これらの組織との協力関係を再検討する」と述べている。

1月に、オックスフォード大学は「最近数カ月間に高まった、ファーウェイと英国のパートナーシップを取り巻く一般市民の懸念」のために、ファーウェイからの資金調達を中止すると表明している。

ファーウェイとZTEは、米国下院情報委員会が調査を開始した2011年以降、米国政府からスパイリスクについて精査されてきた(後に米国市場から締め出されることが推奨された)。

しかし、中国との貿易戦争が激化するにつれて、米国政府は両社に狙いを定め始めた。昨年12月、ファーウェイの最高財務責任者であるメン・ワンシュー(孟晩舟)氏は、米国のイランに対する貿易制裁違反の容疑により、カナダで逮捕された(メン氏とファーウェイはその容疑を否定している)。昨年初め、ZTEはイランと北朝鮮に通信技術を販売することによって、制裁に違反したという米国での訴訟を解決するために、10億ドルの罰金を支払うことに合意ししている。

TechCrunchはファーウェイとZTEにコメントを求めている。

画像クレジット: Peter Spiro (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

ZTEも5Gスマホ「Axon 10 Pro 5G」を発表、背面に3つのカメラ、ディスプレイ指紋リーダーを搭載

今週バルセロナで開かれているMWCでは5Gスマホのリストが長くなりつつあるが、ここにさらに1つ加わった。ZTEがAxon 10 Pro 5Gを発表した。少なくとも中国と欧州で2019年上半期にリリースされる予定だ。もちろん、米国に関しては特殊事情がある。ZTEは、近年ファーウェイが置かれているのと同じような政治的“引火点”にいるわけではないが、米国当局の精密な調査の対象となってきた。

ファーウェイのようにZTEも自前の5Gネットワーク装備を手がけることで著しく恩恵を受けていて、テストという面では競争の一歩先をいっている。現在のところ、間もなく到来する次世代のワイヤレス技術のための端末の準備をキャリアと共に進めている。

実際、ZTEは今日のMWCキックオフで、Qualcommとともに実施したライブのプレゼンテーションも含め、自らの5G技術を披露した。

Axon 10 Pro 5Gは、リアに3つのカメラ、Uの字型をしたパンチホールベゼル、ディスプレイ指紋リーダーを搭載する。ZTEはまたBlade V10も今日発表した。高解像度のセルフィーがこれまで撮れなかったということで、この端末は32メガピクセルのフロントカメラを搭載している。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

常時素行調査の信頼のジレンマとファーウェイとソフトバンクのIPOの話

まず、スタートアップでの初めての素行調査、それからファーウェイの財務のトップの逮捕、ソフトバンクの新規株式公開(IPO)の応募開始、そしてTechCrunchのポッドキャストEquityの次の話の録音。これらすべては、2018年12月6日の木曜日の出来事だ。

TechCrunchでは、新しいコンテンツ形式を試すことにした。これは、その新しいスタイルの草稿になる。どうか、率直なご意見を賜りたい。気に入らない部分があれば、本記事の著者である私、Dannyに直接メールをいただきたい(danny@techcrunch.com)。

常時素行調査のジレンマ

私の同僚のJohn Biggsは、イスラエルに本拠地を置くスタートアップIntelligoシリーズA投資ラウンドについて取材をした。同社は、従業員が犯罪を犯したり、会社の規則を逸脱したときに、即座にわかるように常時素行調査を行うOngoing Monitoringを提供している。これまでは、人工知能と機械学習を使って素行調査を効率的に行うことに主眼を置いていたが、少し方向性が変わったようだ。

素行調査は巨大産業だ。サンフランシスコに本拠地を置くCheckrは、おそらくこの分野でもっとも名の知れたスタートアップだが、Crunchbaseによれば、Uberなどの企業が数千人の臨時職員を雇い入れることから、その必要に迫られて事前に1億4900万ドル(約168億円)の資金を調達した。Checkrは、今年の7月に、すべての従業員の問題行動を常時監視するためのContinuous Checkという製品を立ち上げている。

ここで、数週間前にOlivia CarvilleがBloombergに書いた記事を思い出して欲しい。従業員の経費を監視し、不正が疑われる者に警告を発する「アルゴリズム監査人」」が増えている現状を探った内容だ。

評判が傷つくことを恐れるアメリカの企業は、不正出資によって1年間に失われる経費の額は公表したがらない。しかし、4月に発表された不正検査士協会の報告では、分析の結果、2016年1月から2017年10月にかけて2700件の不正があり、損失額は70億ドル(約7890億円)にのぼるという。

しかしここで、ある疑問がわく。私たちは、犯罪と出資を常時監視されている。多くの企業は、ウェブのトラフィックと、電子メールやSlackやその他の通信を監視している。職場での私たちのあらゆる行動が覗かれ、「規範」に従うよう強制されている。

それでも、中国の社会信用システムには批判が集まっている。それだって、犯罪記録を監視して、財政的な不正がないかを見て、人々をそのスコアで評価するものではないか。いつになったら雇用主は、我々の「従業員としての善い行い」をスコア化して、Slackのプロフィールに載せてくれるようになるのか。

もちろん、どのスタートアップも企業も、素行調査をやりたがっているわけではない。だが避けることもできない。そこが難しいところだ。従業員の変化や不正を常に監視していることには、おそらく意味がある。もし、ボブが週末に人を殺していたら、月曜日の打ち合わせでボブに合うときには、そのことを知っておきたい。

しかし、常時監視が、従業員から求められるもうひとつのものを台無しにしてしまう恐れがあることを無視してはいけない。それは信用だ。職場での一挙手一投足を厳重に監視されるようになれば、従業員は、もし監視システムが職場の物を持ち逃げしても何も言わないなら、それは許されることだと勘違いするようになってしまう。監視がない場合は、信頼が頼りだ。監視の目に囲まれていたら、規範が行動の原則として刻み込まれる。規範にさえ違反しなければ、何をやってもいいと。

中国では、社会的信用がきわめて低いため、なんらかのスコア付けのメカニズムで代替することには合点がいく。しかし、スタートアップや技術系企業の場合は、信用という(監視されていなくても正しい行いをする)文化を築き上げることが成功の必須条件であると私は考える。だから、常時型サービスを契約する前に、私なら二度見をして、その潜在的な有害性を考える。

もし私がスタートアップの従業員だったら
中国出張はよく(よくよく)考える

 

写真:VCG/VCG Getty Imagesより

 

先週、トランプと習近平は、中国製品に対する関税の実施を延期することで合意し、月曜日にはアジアのタイムゾーンで中国(ハイテク)株が上昇傾向を見せた。私は、関税実施の延期は米中問題解決にはつながらず、そうする意味がわからないと記事に書いた

市場は中国経済のみならず、アメリカのリーダーシップについても判断を大きく誤っていると私は考える。

そして、とくにファーウェイとZTEの参入制限についてこう書いた。

これらの禁止措置が解かれることがあるのだろうか? アメリカの安全保障に関わる機関は、ファーウェイとZTEがアメリカ国内で機器を展開することを許さないだろう。それは、これまでと変わらない。率直に言って、この選択によって中国のすべての非関税障壁が取り除かれ、ファーウェイがアメリカに戻って来られたとしたら、アメリカの交渉係はそっぽを向く。

そのため、ファーウェイの財務のトップが、昨夜、アメリカの要請によりカナダで逮捕されたことは喜ばしい(彼女ではなく私にとって)。私の同僚、Kate Clarkはこう書いている。

世界最大の電気通信機器メーカーであり、世界第ニのスマートフォンメーカーでもあるファーウェイの最高財務責任者、孟晩舟(メン・ワンズー)は、The Globe and Mailが最初に報じたとおり、アメリカのイランに対する経済制裁に違反した疑いで、カナダのバンクーバーで逮捕された。

ファーウェイはこれが事実であることをTechCrunchに認め、ファーウェイの創設者、任正非(レン・ツェンフェイ)の娘でもある孟晩舟は、カナダへ向かう飛行機に乗り換えたニューヨークの東地区連邦裁判所から詳細不明の罪状で告発されたと話した。

トランプ政権が、関税以外に、どのような方法で貿易戦争を戦おうとしていたかが、これでわかった。中国でもっとも有名なハイテク企業を狙っただけでなく、ついでにその創設者の娘も捕まえるという、トランプ政権の強引な一手だ。

中国は、彼女の身柄の返還を求めている。

落とし所はここにある。中国は、劉昌明(リウ・チャンミン)のアメリカ国籍の2人の子どもたちの出国を拒み、父親が中国に戻って不正事件とされる問題で刑事司法手続きに従うまで、彼らを実質的な人質にしている。アメリカは、中国大手企業役員である有名な女性を拘束している。つまり報復だ。

2つの国を行き来するスタートアップの創設者や技術系企業の役員たちの、出国ビザや身柄引き渡しの心配をする必要は、私たちにはない。

ただ、これらの国を従業員が頻繁に往来している企業の渡航セキュリティー管理部門は、この話の展開に目を光らせておくべきだと私は強く思う。偶発的に「ちょっとした人質」にされる事件が多発し、二国間の仕事をずっと困難にする恐れが十分にあるからだ。

ざっとご紹介
ソフトバンクはIPOで多額の資金調達

KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images

 

Bloomberg日向貴彦の記事よると、ソフトバンクは新規株式のブックビルディングですでに完売し、2兆6500万円という膨大な資金を手にしたと伝えた。正式な価格は月曜日に決定され、12月19日に公開される。これは、孫正義にとっては決定的にして重要な勝利だ。彼にとってこの電気通信部門のIPOは、山のような借金のリスクをいくぶんでもソフトバンクから取り除くために(さらに、ビジョン・ファンドなどを通じた彼のスタートアップの夢への投資を続けるためにも)必要な処置だった。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの計算その2

Armanと私は、ソフトバンクのビジョン・ファンドには、いったいいくらあるのか、その複雑な計算について話し合った。詳細は、Jason RowleyがCrunchbase Newsに書いている

今年、米証券取引委員会に提出されたフォームDが、今朝、公開され、SBVFは、2017年5月20日の初回クロージングから、総額およそ985億8000万ドル(約11兆1130億円)を14の投資家から調達していることがわかった。去年に提出された書類では、およそ931億5000万ドル(約10兆5010億円)だった。つまり、ビジョン・ファンドはこの1年間で、54億3000万ドル(約6120億円)増えており、リミテッド・パートナーとして新たに6つの投資家が加わっている。

私が昨日話したように、このファンドの規模は「この50億ドルがファイナルクロージングに加わったとすると、970億ドル、正確には967億ドル(約10兆9000万円)となる」。今一度見直してみると、50億ドルは実際にクロージングされたようなので、990億ドル、正確には986億ドル(約11兆1154億円)となる。

次はなんだ

私は今でも次世代の半導体に魅せられている。そこに意見がおありの方は、私まで連絡して欲しい。danny@techcrunch.com

記事の感想

明日ならゆっくり読めそうだ。

読書記録

現在、私が読んでいるもの(少くとも読もうとしているもの)。

次世代半導体に関する長大な記事のリスト。近日公開。

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(翻訳:金井哲夫)

米、政府内でのHuaweiやZTEの機器使用を新国防法で禁止

米政府では今後、HuaweiやZTEを含む中国テック企業の特定のコンポーネントやサービスの使用が禁止される。トランプ大統領が今日、国防権限法の一環として法案に署名した。新法は2年以内に施行される。

新法は“あらゆるシステムの、重要であるものもしくは不可欠のコンポーネント”を含み、ユーザデータを経由したり閲覧したりするテックも含まれる。この新法はHuaweiやZTEの商品を徹底的に排除するものではないが、政府職員や政府とビジネスをしたいと考える契約業者は対象企業の最新テクノロジーを放棄する必要に迫られる。

国防権限法ではまた、今回の新法により機器を新しくする必要に迫られる企業に予算も割り当てる。

先月、ZTEは北朝鮮とイランへの輸出禁止に違反したとして米商務省と制裁のやりとりがあった。この制裁では、ZTEは米国のサプライヤーとの取引が禁止され、これにより経営は深刻な危機に陥った。この件は米国と中国との貿易戦争の主な論点となっていた。

米国の両党議員は制裁の見直しに反対し、ZTEを安全保障上の脅威とみなしているが、先月、共和党の上院議員はZTEに制裁を再び科すことを諦めている。これにより、国防権限法においてさほど厳しくない措置につながっている。

この件に関し、TechCrunchHuaweiとZTEにコメントを求めている。

HuaweiとZTEは、2012年の議会報告書以来、米国にとっては特に目立った脅威と位置付けられている。しかし今回の新法にはHytera CommunicationsやHangzhou Hikvision Digital Technology、Dahua Technologyといったビデオ監視や情報通信機器の中国企業も含まれている。

イメージクレジット: LLUIS GENE / Staff / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

‘死刑’を回避するのにZTEに残されたカードは少ない

7万5000人もの従業員を抱え、一時は時価総額200億ドルあった企業が刻々と最後の審判を迎えつつある。

それが今、中国の通信機器メーカーZTEが直面している状況だ。米国のテクノロジーを搭載する機器をZTEが米国の制裁に反してイランと北朝鮮に販売していたことが明らかになり、このためトランプ大統領はZTEを潰す、と決めた。その後、一転して潰さないと決めた。そして今週、米議会はZTEを潰すか、潰さないかを決めようとしている。この問題はもう終わり、と考えていたホワイトハウスにとってはかなり苦々しい展開だ。Tom Cotton(共和党、アーカンソー州選出)のような上院議員は今週「ZTEの行いをみれば、死刑が妥当だ」との声明を明らかにした。

この問題を深く掘り下げる前に、一歩下がって一体いま何が起こっているのかを考えてみよう。何百億ドルもの金、何万もの雇用がかかっているという、中国政府の息がかかったテック企業の1社であるZTEの運命について、米議会とホワイトハウスは政治的駆け引きを続けている。これを主導権争いと言わずして何と言うだろう。ここで忘れてはならないのは、立法府、行政府ともに同じ党が率いているという事実だ。

中国政府は、ZTEに救済策を与えるようトランプ政権に圧力をかけるため、クアルコム社のNXPセミコンダクタ買収の承認を棚上げにしてきた。この中国政府のメッセージをトランプ政権ははっきり認識し、これによりZTEに罰金10億ドルを科すという決定をし、事を先に進めようとした。

しかしながら、議会はそうしたロジックを知らない。クアルコム社のNXP買収成功と、米国の5G分野における支配、さらにはZTEの救済を関連づけて考えることはできないのだ。たったの3ステップなのだが、これは知の結集である議会にとって理解するには多すぎたのだろう。

ZTEへの死刑執行はもはや政治的な動きとなっている。さらにZTEにとって厄介なのは、こうした動きは二大政党によるものであるということだ。どちらかというと、共和党サイドより民主党サイドの方に強硬姿勢が強い。上院議員Chris Van Hollen(民主党、メリーランド州選出)は、ZTE救済について「この件の行方を見守っている世界に対し、米国の制裁に違反しても刑罰がないという誤ったメッセージを発信することになる。我々はそうさせてはならない」とThe Hillで述べている。

民主党にとって、貿易、安全保障、中国を材料にトランプ政権を叩くことは、選挙がある今年、政治的に強力な武器となる。トランプ政権がZTEと合意したことを受け、民主党はスタンスを若干修正し、この問題についてトランプよりも厳しく臨むよう議員に自由裁量を与えている。

皮肉にも、ーここで見方をクリアにしておくが、私は情報筋に基づいて書いているのではなく、戦略的な視点で指摘したいーZTEを救済するよう政府を使ったのはクアルコム社かもしれない。そうしたロビイストたちは、クアルコム社が年初にBroadcomに買収されるのを防いだが、今回の件に関しても議員たちが脅しのような姿勢を引っ込めなければ事態は修復不可能になるとして議会に働きかけた可能性がある。

ここで言う皮肉とは、議会における新たな貿易保護主義は、シンガポール拠点のBroadcomからクアルコムを守る役目があったということだ。国家安全保障という観点からクアルコムは買収されるのを阻止できた。しかし、同じ安全保障の懸念により最も重要な取引先を失うという事態に直面している。短期的視野の政治的判断は年初時には事態を前に進めたが、ここへきて難しい局面となっている。

中国政府の直接的な介入の他に、ZTEに残されたカードは少ない。まず、ファイナンシャル・タイムズによると、ZTEは中国の2つの銀行に107億ドルものローンを申し込んでいる。加えて、トランプ政権との合意に基づき、役員会に何人かの新メンバーを加えようとしている。これはスマートな対応だ。取り決めが実行されればされるほど、議会のZTEを潰そうとする動きは弱まるからだ。

ZTEはほかにも使える手を持っている。それは、米国への進出を拡大するというものだ。これは通信機器のHuaweiが米国マーケットに進出するのをほぼ禁じられたのと同様、履歴に矛盾するものだ。にもかかわらず、トランプ政権に優先権を与えようと、平和的提案として雇用や製造の拠点を米国に移そうとZTEが工作してきたことには驚かされる。これが実現すれば、議員の何人かはお膝元で雇用が増えることになり、結果的に強い支持を得ることになるわけだ。

もう一つの選択肢は、ZTEが経営の透明性を高めるということだ。またしてもHuaweiを引き合いに出すが、Huaweiと同じく共産党とのつながりが一度も十分に説明されておらず、ZTEのリーダーシップはかなり不透明だ。ZTEは、中国政府と中国経済にとって価値ある資産であり、もし情報を公開して今後透明性を高めるなら、議会の反発を和らげることができるかもしれない。

しかしZTEがこうした選択肢をとるとは考えにくい。中国政府が本当にZTEを救いたいのかについても確信が持てない。議会の命令による死刑執行があれば、中国全人代は人民に向け、どのような代償を払ったとしても経済発展は続けると発信することになる。ニューヨーク・タイムズのLi Yuanはこうした状況を中国のスプトーニク・モーメント(日本語版注:奮起せざるを得ない状況)と呼んでいる。これは言い得た表現だと思う。もし議会がZTEを潰せば、これは単に中国の大企業の終わりではなく開かれた経済の終わりを意味し、貿易面でのナショナリズム再台頭を招くことになる。

イメージクレジット: Liu Youzhi/Southern Metropolis Daily/VCG / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ZTEに罰金10億ドル

トランプ政権との激しい交渉の末、中国の通信機器大手ZTEが罰金10億ドルを支払うことに合意した。Wilbur Ross米商務長官が今朝(6月7日)発表した。この罰金は、イランと北朝鮮への通信機器の販売を禁止する米国の制裁に違反したとして、調査を経て課せられた。Ross長官はCNBCの朝の番組Squawk Boxでコメントしている。

ZTEにとってかなり堪える脅しだった。昨年の米国政府との話し合いでは、罰金11億9000万ドルを支払うこと、米国の規則に沿うよう社員を入れ替えることを受け入れていた。その後、トランプ政権は違反への制裁をさらに拡大し、米国の企業に対し、ZTEが販売する商品に必須の部品をZTEに7年間販売することを禁じた。この決定は、制裁前の段階で約7万5000人の従業員を抱え、企業価値200億ドルZTEを破綻させるものだった。

この制裁によりZTEはもう終わりかと思われたが、ドナルド・トランプ大統領は5月13日に救済策を提案したようだ。この日、トランプ大統領は商務省にZTEが“速やかに事業再開できる方策”を検討するよう命じるつもりだとツイートした。トランプ大統領は気まぐれの決断をすることで知られているが、この方向転換はDC関係者をかなり驚かせた。というのも国家安全当局は声を大にしてどのようなZTE救済策にも反対していたからだ。

10億ドルの罰金に加え、ZTEは抱えていた共産党リーダーを社外に出すなど、社員の入れ替えを行った。また、ZTEは、今後の違反に使われることになる4億ドルの保証金を出すことも了承したとされている。そして米国の監視チームがZTEと共同でコンプライアンスが適正かどうかも行う。

ZTEが今後どうなるか、というのは見えていない。米国と中国は過去数カ月にわたり関税、市場開放、2国間の赤字など貿易問題で行ったり来たりの交渉を展開している。米国は、今回のZTEへの罰金は法律に基づいた措置で、現在進行形の貿易に関する交渉には含まれていないという姿勢だ。

しかしながら消息筋によると、中国政府はZTEの件を少しでも有利に交渉できるよう、クアルコムのNXPセミコンダクターズの買収を意図的に妨げてきた。この買収案件を認めないのは世界で中国だけで、これにより買収はこの数週間進んでいない。これは、中国が米国と交渉するうえで重要な役割を果たした。

加えて、トランプ大統領は北朝鮮の指導者、金正恩と会談するために来週シンガポールへ赴く。中国の北朝鮮への影響力は、会談の成否に影響する。これは中国にとって、ZTE問題をめぐってトランプ政権と交渉するうえでさらに大きな材料だった。

ともあれ、トランプ政権はいま議会から大きな反発を受けている。両政党ともZTEの事業再開に反対だからだ。上院の野党リーダー、Chuck Schmer(民主党、NY州選出)は公の場で「議会の両党は今回の取り決めを阻止するために協力すべきだ」と述べた。上院議員Marco Rubio(共和党、フロリダ州選出)は取り決めを阻止しようと議会に提案書を出した。しかしZTEをめぐる両国間の交渉はほぼ最終段階となり、これらの議員のコメントは単に発言しただけで終わるのか、それとも議会の“大多数”が大統領の決断を覆す用意が本当にできているのか、今後明らかになる。

この件についてはこれまでも分析や詳しい情報を報じてきたが、状況は流動的で、新たな情報が入り次第アップデートする。

Image Credits: LLUIS GENE / Staff / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ZTEの米国での事業継続は罰金13億ドルと経営刷新が条件、とトランプ大統領

米国大統領ドナルド・トランプは、中国の通信機器メーカーZTEが北米で事業を継続するためには、罰金13億ドルの支払いと、経営陣の大幅刷新が条件だと述べた。

米国商務省は、ZTEがイランと北朝鮮との取引を禁止する法律を破ったとして、米国の企業にZTEへの部品販売を禁止する措置をとった。これを受け、ZTEは今月初めに米国での事業停止を余儀なくされ、極めて厳しい状況に置かれていた。

米国と中国は貿易面で摩擦を抱えており、ZTEは報復措置を受けていた。しかしトランプは今日、ZTEが事業を再開するのなら、それに見合うコストが発生すると述べた。それが13億ドルの罰金であり、経営陣や役員の刷新、高度なセキュリティの確保だ。

トランプはこれより前に、ツイッターでZTEの制裁見直しに言及していた。そして今日、政治的な要素が強いが、ZTEにチャンスを与える理由を明らかにした。

ZTEは7万人超の従業員を抱え、年間売上高は170億ドルを超える。そして中国政府とのつながりが強い。今月私が記事で書いたように、グローバル展開しているこの企業は、米国に大きな収益をもたらしている。消費者向けのサービスに目をうばわれがちだが、Qualcommのように部品を供給しているメーカーも恩恵を受けている企業の一つだ。もしZTE が明日にでもなくなったら、Qualcommにはかなりの打撃となるだろう。

トランプの主張はこうだ。ZTEは“USの部品を購入しなければならない”。つまり、ZTEとの取引は米国の部品メーカーにとって重要なものであると同時に、トランプ政権と中国との関係の中で鍵を握るものであることを意味している。

こうした状況であるにもかかわらず、ZTEに事業を再開させるかは大きな論争の的になっている。というのも、ZTEのように違法な行為があった場合、ほとんどの企業がもう一度チャンスを与えられることはないからだ。

ZTEは、イランと北朝鮮へ違法に輸出し、そのことについて虚偽の報告をして事実を隠蔽しようとした。しかし、最終的に違法性を認めた。トランプ政権の商務長官Wilbur Rossは4月に下記のように述べている。

ZTEは、対象リストについて米政権に虚偽の報告をし、一時猶予中にも虚偽報告を行い、さらには執行猶予中に再び虚偽報告した。ZTEは米国商務省を欺いた。従業員や幹部を懲戒処分にする代わりに、彼らにボーナスを支払っていた。こうしたとんでもない行為は看過できるものではない。

それにも増して、ZTEが中国政府と近い関係にあり、そのZTEの通信機器を米国の通信会社や保安当局が使用するというのは、米国の保安当局にとって長らく懸案だった。

FBI長官Chris Wrayの2月の上院情報委員会での発言は以下の通りだ。

我々は、米国と価値観を共有しない外国政府の息がかかった企業が、米国の通信ネットワーク分野で影響力を持つことに深い懸念を抱いている。

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(翻訳:Mizoguchi)

ZTE、米国の輸出規制に反発。「不当であり、容認できない」

eng-logo-2015ZTEは4月20日、米商務省から7年間の輸出規制を受けた件について、「不当であり、容認できない」との声明を発表しました。

この規制はZTEがイランや北朝鮮へ違法に通信機器を輸出していた件について、虚偽の報告を繰り返していたことを理由に、米商務省が発表したもの。これにより、米国企業がZTEに製品やソフトウェアなどを輸出・販売することが7年間禁じられます。

この規制の理由の一つとして挙げられているのが、対イラン・北朝鮮制裁措置違反に関与した社員35名の扱いです。

ZTEは問題の35名について、賞与を減額ないし懲戒処分することで同意していましたが、実際には賞与が満額支払われており、これを約束の反故だと強く非難されています。

しかしながらZTEの声明によると、この問題はZTE側の社内調査で発覚したもの。発覚後、速やかに米国側に報告し、是正措置がとられとのことです。にもかかわらず、米国側がこういった努力を無視して制裁を行うことは不当であり、容認できないとしています。

声明の中では、輸出規制はZTEの存続に深刻な影響を与えるだけではなく、多くの米国企業を含むZTEのパートナー企業にも損害を与えるものだと強く非難しています。

ZTEは、今後、必要であれば法的手段も講じるとしているほか、中国商務部も「中国企業の正当な利益を保護するため、必要な措置を講じる」との声明を出しています

米中貿易摩擦が深刻化するなかでの出来事なだけに、制裁合戦などに発展せず、早々に解決することを期待したいところです。

Engadget 日本版からの転載。

アメリカ製品の使用を禁じられたZTE、AndroidのライセンスでGoogleと相談中か

昨日(米国時間4/16)はZTEにとって厳しい一日だった。1年前、イランと北朝鮮に対する制裁を守らなかったことで有罪を認めた同社は、アメリカ商務省からさらなる鉄槌を喰らい、アメリカ企業は向こう7年間、同社に製品を売ることができなくなった〔虚偽報告で〕。

推定によると、それは同社製品に使われている部品の1/4以上に相当し、Qualcommなど有名大企業の製品も含まれる。また無形のアメリカ製品としては、同社Androidハンドセットの重要部位である、OSに関するGoogleのライセンスも含まれる。Bloombergの匿名情報筋によると、ZTEはモバイルのオペレーティングシステムの今後について検討するため、弁護士がGoogleの役員に会っている、といわれる。

有形部品の多くは、自国である中国のメーカーなどからも購入できるが、オペレーティングシステムはどうなるのか。まともな選択肢は、残されていない。たとえば、アプリなどをすべて同社が作って揃えなければならないだろう。OSそのものの開発にも、手を出さざるをえないかもしれない。

ZTEの一件がAndroidの今後の命運を左右するとは思われないが、Googleが失うものは大きい。アメリカ市場だけでも、同社製スマートフォンのマーケットシェアは12.2%で、Apple、Samsung、LGに次いで4位だ。Googleとしては、有力なハードウェアパートナーをできるだけ多くつなぎ留めておきたいのはやまやまだが、ただしそれは、商務省の逆鱗に触れない場合に限る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FBI、CIA、NSAはHuawei、ZTEの携帯利用に上院で警告

Huaweiがアメリカ市場に乗り込むには依然ハードルは高いようだ。今週に入って、FBI、CIA、NSAを含むアメリカの情報機関のトップ、6人は上院情報委員会で中国のメーカーHuawai、ZTEのスマートフォンに関して証言し、「アメリカ市民はこれらの製品、サービスを利用すべきでないと考えている」ことを明らかにした。

もちろんこれは今回急に出てきた話ではない。両社のトラブルが始まったのは2012年にさかのぼる。下院情報委員会は「両社の中国政府とのきわめて密接な関係は重大なセキュリティー・リスクとなり得る」と判断した。これを受けて、翌年、両社はアメリカ政府機関に対してスマートフォンを販売することを禁止された。

クリス・レイFBI長官は火曜日の公聴会でこの問題を念頭に置いて、 「われわれはアメリカと価値観を共有しない外国政府の影響下にある企業ないし組織がアメリカのテレコミュニケーション・ネットワークにおいて大きな影響力を得る危険性について強い懸念を持っている」と述べた。

Huaweiは政府の購入禁止措置を「アメリカにおけるビジネスを禁止しようとする」ものだと非難し、「Huaweiはアメリカ以外の170カ国の政府と消費者に信頼されている。セキュリティー・リスクは他のメーカーと同様だ」と述べて反論している。

今回の反論は先月のCESのキーノートで、HuwaeiのCEO、Richard Yuが「われわれは中国のキャリヤに信頼されている。またヨーロッパのキャリヤとも関係を築いている」と述べた内容を反映しているようだ。

アメリカのキャリヤを非難するこうしたアドリブの発言はAT&TがHuawaeiのスマートフォンを取り扱う契約を土壇場でキャンセルした直後に行われた。AT&Tのキャンセルは一部の議員がHuaweiのスマートフォン購入に対して強く警告したことが理由だとされる。アメリカにおけるスマートフォン購入の大部分はキャリヤ経由なので、これはHuaweiにとって大打撃となった。

現在、Huaweiはアメリカ市場でキャリヤ以外のチャンネルでの販売拡大に全力を挙げている。 しかしこのアグレッシブなマーケティングがさらにHuawaeiにトラブルをもたらす現象も起きている。
同社のフラグシップ機、Mate 10 Proが Best Buyのサイトに登場したのはHuaweiがFacebookで仕掛けたコンテストに起因する多数のフェイク・レビューが原因だとする指摘が浮上している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

政府契約企業のHuawei、ZTEの機器の使用禁止法案、米議会に上程

最近アメリカ市場におけるHuaweiのスマートフォンの取扱をAT&Tが拒否したところだが、Huawei、ZTEという世界最大規模の中国のテクノロジー企業の前途にさらに暗雲が現れた。

Huawei、ZTEの両社はスマートフォンが有名だが、ビジネスの中心はむしろテレコム・ネットワークに関連するデバイスの供給、運用にある。アメリカ議会に新たに提案された法案は、セキュリティー上の問題を理由として、連邦政府諸機関が両社製のネットワークデバイスを使用しているサービス・プロバイダーを利用することを一切禁止するものだ。

法案を提出したのはテキサス州選出のMichael Conaway下院議員(共和党)で、同議員は 選挙に対するロシアの干渉を調査するチームのリーダーでもある。 テレコム機器の販売でHuaweiは世界でトップ、ZTEは5位だが、アメリカでは両社に対する制裁が続いていた。これにはZTEのデバイスをアメリカ政府機関が購入することを禁止する2013年の法律などが含まれる。昨年は国防省が中国あるいはロシアのテレコム企業の機器を購入することを禁止することを狙う法律が提案されている

今回の新法案は、制裁をさらに一歩進め、アメリカ政府機関がHuaweiおよびZTE製の機器と関わりをもつことを一切禁止しようとするものだ。政府契約には下請けの長い連鎖があるが、両社の機器はそこから排除される。

この法案は、政府が以下のようなサードパーティー企業と契約することを禁じようとしている。

  • Huawei Technologies CompanyまたZTE Corporation(およびその傘下、関連企業を含む)〔以下、対象企業〕が製造したテレコミュニケーション機器を使用する企業
  • 対象企業が提供するテレコミュニケーション・ネットワークあるいは対象企業が製造した機器を用いるネットワークを提供する企業
  • テレコミュニケーション機器またはサービスを提供する企業であって、契約を所管する政府機関の責任者が(別に定める)外国政府の所有、管理、あるいは影響下にあると信じる合理的理由がある企業

TechCrunchはZTEとHuaweiにコメントを求めているが、この記事の執筆時点では回答がない。

Conawayの法案には、提案理由として【略】ZTE、Huaweiその他の中国企業が「中国共産党から直接の指示を受けている」とした政府機関の調査結果」やCIAのMichael Hayden元長官が「Huaweiは中国政府と極めて密接な関係にあり、外国におけるテレコミュニケーション事業において得た情報を広汎に政府と共有している」としたコメントを引用している。【略】

法案が実際に法律として成立するまでにはまだ長い道のりが控えているものの、ワシントンがますますZTEとHuaweiの排除に傾いていることは疑いない。

昨年、ZTEは10億ドルの罰金を課せられている。ZTEはアメリカのイランに対する経済制裁に違反してアメリカからイランにプロダクトを輸出した上に、連邦政府による調査に対して虚偽を申し立てたことを認め、罰金を支払うことでアメリカ政府と和解している。

シリア、キューバ、イラン、スーダンとのHuaweiのビジネスについてアメリカ商務省も関心を示している

@paulmozurが法案を発見した) 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ZTEは今度発売するスマートフォンの仕様とデザインをクラウドソーシングする

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スマートフォン市場で目立つことは難しい。ZTEの場合、最近の主な戦略は価格だった。この前はついに、お値段99ドルのAndroidファブレットまで出した。でも、そんな値下げ合戦は、山の頂上を目指す競争というより、山から転がり落ちて誰がまっさきに谷底まで落ちるか、の競争になってしまう。

そこで、この中国のスマートフォンメーカーはこのたび、外部からお知恵をいただく、という戦法に出た。今日同社がローンチを発表したProject CSXは、コミュニティの協力を求め、モバイルデバイスのデザインをオンラインフォーラムのZ-Communityから“クラウドソーシング”する。これは、OnePlusのデバイスが熱心なファンのあいだでヒットした例と似ているが、ZTEの場合は対象をファンに限定しない。

フォーラムの上で同社は、今度発売する新しいモバイルデバイスに関するアイデアを求める。そしてアイデアの投稿があるたびに、製品コンセプトを更新していく。また、今後完成して発売した製品については、優れたフィードバックに賞金を提供し、来年のCESに招待する。CESの方は、賞金ではなく、まあ、賞品のようなものだ。ただし、こんなルールがある:

モバイル製品のアイデアであること。2017年までの技術で、実現可能であること。一般消費者にとって買いやすい値段の製品になること。

中国に住んでる人は、一般発売よりも前に製品を入手できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

99ドルのFirefox OSスマートフォンOpen CがZTEから発売

オープンソースで、ロックされてなくて、1か月の電話料金よりも安いスマートフォンを欲しい人、この記事を読んでね。携帯電話器の有力メーカーZTEが、初めてのFirefox OS機をEbayでわずか99ドルで売っている。一流メーカーのしっかりした製品で、本当にオープンなOSの機種が欲しかった人には、絶対おすすめだ。

その前には昨年合衆国でリリースされたZTE Openという機種があった。今度の新機種Open Cは、それよりやや高規格になり、お値段も20ドル高くなった。

スペックもまあ、お値段相当で、カメラ3mp、プロセッサ1.2GHz、メモリ4GBは、いくつかのアプリには十分だろう。Rushのディスコグラフィなら全部載るかもしれない。むしろ呼び物はFirefox OSで、Androidとは違い、完全にオープンソースだ。このOSはMozillaのおそらく最後の力作になるかもしれないが、失敗したUbuntuフォーンのように、オープンソースコミュニティのアイドルになっている。

このOpen Cという機種はFirefox OSの最新バージョンが載っていて、適応型アプリ検索(adaptive app search)という機能がある。たとえば”Cafe”と入力すると、カフェを見つけるためのアプリを教えてくれる。そのほか、メジャーなスマートフォンOSにある機能はだいたいすべてある。ないものといえば、ライセンス料金と、Androidにつきまとう“見せかけ的なオープン性”だ。Googleの一種の閉鎖性により、メーカーによってGoogle PlayのストアやそのほかのAndroidのプロプライエタリな機能を使えなかったりする。中国のように、オープンソースのスマートフォンに人気があるけど、Googleのサービスの多くが使えないというところでは、Firefox OSがぴったしだ。99ドルという価格は、世界中どこへ言ってもお買い得だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


自分が伸びる場を見つけたFirefox OS: アプリはHTML5, デバイスは途上国低価格機

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ZTEの昨日(米国時間2/25)の記者会見の内容は旧聞ばかりだったが、少なくともこの中国のOEMの初のFirefox OSスマートフォンで遊ぶことはできた。低コストを第一目標とするこのOpenと呼ばれる機種は、ZTEのキャッチフレーズによれば、“冒険好きで新しいものを試したがっている若者たち”がターゲットだそうだが、どこがそうなのか?

Openの3.5インチディスプレイは、好悪両面がある。スワイプやタッチへの反応は速くてスムースだが、小さいからアクションに精度を要する(テキストの正しい場所をタップするときとか)。指の太い人は困るかもしれない。色の再現力はそれほどではないし、視野角も狭いが、まあお値段相当か。

Openの良い点は、まず、かわいいこと。余計な、ごちゃごちゃしたものがない。かどがまるいのも、かわいい。オレンジとブルーのソフトなプラスチックを着ていて、その色はなんとなくFirefoxを強調しているようだ。リアカメラは3.2メガピクセルの固定焦点だから、もちろん感動的な性能ではない。

率直に言ってこのハードウェアは、HPのSlate 7と同様に、派手なニュースになるネタがない。でも、それで当然だろう。この記事の画像からもお分かりと思うが、Openは明らかに途上国向けの製品だ。まずヨーロッパでローンチしてから、この夏にはラテンアメリカへ向かう。乗る馬(キャリア)は、Firefox OSの大スポンサーTelefonicaだ。まだ価格の発表はないが、Mozillaのエンジニアリング事業担当マネージャMichael Treeseによると、部品コストは総額で100ドル未満ぐらい、というから、最終価格も相当安いだろう。

そしてもちろん、気になるのはFirefox OSだ。記者会見で実機を試した時点では、最終リリースではなく、まだキャリアによるテストなどが待っている。でも、Firefoxのブート画面は、なかなかキュートだ。ブートはすぐ終わるから、ユーザがタップしたロック画面を出すのに待たされることはない。

Firefox OS(以下FFOSと略記)はこれまでの数か月で何度も見たから、ぼくにとっては見慣れたインタフェイスだ。ホーム画面をさっとスワイプすると、大量のHTML5アプリが出る。電話、メッセージング、Firefoxブラウザ、カメラの4つは大きな固定アイコンがある。ナビゲートは十分にスムースだが、たぶんハードウェアが非力なせいで、ひっかかる瞬間もある。アプリの立ち上げには、気になる遅さはない。

FFOSユーザにとっては、今からすでにかなりのアプリがある。FacebookとTwitterのFFOS専用アプリ、Pulse、AirBnB、SoundcloudなどなどはHTML5アプリがある。Firefox Marketplaceへ行けば、“数千本”ぐらいのアプリがすでにある。ただしMozillaが念を押して曰く、今のところFFOS機のユーザがアプリやコンテンツを入手できる場所は、ここだけだ。ユーザは主に途上国の人びとと想定されるから、彼らのお金の節約のために、 Mozillaはリアルタイムのネットワーク/トラフィックモニタツールを、同機にプレインストールしている。

あらゆる点から見て、Firefox OSには確かに将来性がある。もちろん、まだ磨き込みは必要だ。機能面で、Androidなどと互角に勝負できるか? それは、まだまだ。Mozillaも、その点は率直に認めている。

TreeseはFirefox OSの機能集合について、“まだ力の差があるが、1年で追いつきたいと考えている”、と述べる。短納期低価格機のプロであるZTEを味方に付けたことは、Mozillaの目標市場を考えると賢明な動きだ。まだ評価用の最終製品はないが、でもこのおちびさんは、価格とマーケティングが適正なら、大ブレークするかもしれない。
★この記事の原文で、スライドを見てください。

〔今週のFirefox OS関連記事:
Telefonica, T-Mobileが採用
Twitterアプリが登場
キャリア決済(通話料と合算)もサポート

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))