「TikTok」の親会社ByteDanceはゲーム業界にどう切り込むか

ショート動画アプリ「TikTok」の親会社であるByteDance(バイトダンス)は、ここ数年、広告以外にも収益源を多様化し、数億人のユーザーを収益化する方法を模索している。その中で、ByteDanceはゲームもターゲットとしているが、ゲームといえば中国のインターネット経済において歴史的に「儲かる」ビジネスである。

市場調査会社Newzoo(ニューズー)の調査によれば、中国は世界最大のゲーム市場であり、2020年には408億5000万ドル(約4兆5000億円)の収益を生み出している。米国は369億2000万ドル(約4兆円)で、中国には及ばなかった。

利益が大きい分競争も激しく、ゲーム業界はTencent(テンセント)とNetEase(ネットイース)という2強が長期間市場を支配し、Mihoyo(ミホヨ)やLilith(リリス)のような小さなプレイヤーが躍進しつつある。市場調査会社のAnalysys(アナリシス)の2019年の調査では、Tencentが中国のゲーム市場の半分以上を独占し、NetEaseが約16%、37 Interactive(37インタラクティブ)が約10%を占めており、小規模なライバルたちに残された余地はほぼない。

この中で、ByteDanceは2021年2月、同社のゲーム事業に初めて「Nuversegame」というブランド名を付け、ウェブサイトを開設して邁進している。同社の戦略は、ジャンルを限定しないポートフォリオ、人材の大量採用、実証済みの収益化スキーム、そして国内および海外市場への同時展開である。Kevin Meyer(ケビン・メイヤー)氏は、ByteDanceでの在籍期間は短かったものの、ゲームを含む複数の海外事業を担当した。

関連記事:TikTokのCEO・ケビン・メイヤー氏が就任100日余りで辞任

ゲームに関しては「ダビデ」という立場のByteDanceではあるが、「ゴリアテ」に屈する気はないようだ。同社ゲーム部門の幹部の1人であるYan Shou(ヤン・シオウ)氏は、1年前にSNSに投稿した記事の中で次のように書いている。「ゲームはコンテンツビジネスだ。辛抱強く投資を続ければ、独占を打ち破ることができる」。

人材争奪戦

近年、ByteDanceは、BATの元従業員を大量に採用している。BATとは中国でもっとも名の知られた3大ハイテク企業Baidu(バイドゥ)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)の頭文字である。ヤン氏自身も、2015年のByteDance移籍以前は、Tencentで2年以上にわたり戦略を担当していた。変化の激しい中国のハイテク業界において、引き抜きや移籍はよくあることだが、ByteDanceの手厚い待遇は有名だ。将来ByteDanceが上場する際に受け取れるであろう従業員オプションに魅了される技術者も多い。

さらに、AlibabaやTencentは設立から20年以上が経過しており、キャリアアップの余地が限られていることに閉塞感を持つ野心的なスタッフもいるだろう。それに比べて、ByteDanceは設立から9年しか経っていない。北京を拠点とするテクノロジー企業のヘッドハンティング担当者は、ByteDanceはまだ急成長の段階にある、とTechCrunchに話す。

「設立から10年も経過していないというByteDanceの若さと、同社が産み出す新しいビジネスは、こういった技術者が夢を実現するための打ってつけのプラットフォームになる」とヘッドハンターはいう。

ByteDanceはゲーム分野でも積極的に採用活動を行っている。ある関係者によると、2020年のわずか1000人であった同社のゲーム部門の従業員数は、3000人近くまで増加しているという。これらの従業員は北京、上海、杭州、深圳など、中国の主要なハイテク拠点に散らばっており、ByteDance傘下のさまざまなゲームスタジオで仕事をしている。

3000人規模のチームとはどのぐらいの規模だろうか。中国第3位のゲーム会社である37 Interactiveは、2021年1月時点で約4000人のゲームスタッフを擁している(同社幹部談)が、この規模になるまでには10年の歳月を要した。ByteDanceがゲーム事業を模索し始めたのはわずか5年ほど前のことだ。

ByteDanceはこの記事についてコメントを控えている。

ゲームの工場

遅れて参入したメリットもある。Tencentをはじめとする先行企業のゲーム市場への取り組みは、ByteDanceの学習の機会となった。ByteDanceは、手軽なモバイルゲームから、変則的なデザインやテーマを持つインディーズタイトルまで、多様なジャンルを同時に手がけている。市場調査会社Niko Partners(ニコパートナーズ)のゲームアナリストであるDaniel Ahmad(ダニエル・アーマド)氏によれば、この取り組み方こそがByteDanceとTencentの違いである。Tencentは、2000年代にボードゲームやカードゲームに参入した後、徐々に他のジャンルにも進出し、世界最大のゲーム会社となった。

もちろん、最初から多様なポートフォリオを目指すことができるのは、ByteDanceのような資金力のある企業だけだろう。ショート動画アプリ「Douyin」(「TikTok」の中国版)やニュース収集配信サービス「Toutiao」を中心とした広告ビジネスをうまく活用し、70億ドル(約7600億円)以上を自己資本調達してきたByteDanceは、ゲームだけでなく、教育SaaSなどの水平展開にも資金を投入することが可能であった。

関連記事:中国ハイテク企業はどのようにして新型コロナウイルスと戦っているのか?

ByteDanceは、他のハイテク企業からの人材の引き抜きに加えて、中小企業を飲み込んで労働力を増強している。公開されている情報によると、2018年以降、同社は少なくとも11社のゲーム会社に投資しているが、そのうち6社は完全買収で、買収した資産や人材は、その後、同社のゲームスタジオに組み込まれている。ByteDanceでは買収による雇用も実績のある手法だ。「Douyin」の立ち上げに貢献したプロダクトマネージャーであるKelly Zhang(ケリー・チャン)氏も、自身の写真共有スタートアップがByteDanceに買収された後に同社に移籍している。

多くのゲーム会社と同様、ByteDanceの収益化スキームは、サードパーティタイトルの配信とオリジナル作品の制作という2つの柱で構成されている。高品質なゲームの開発には時間がかかるが、この収益化スキームにより、ゲーム部門は、自社の作品が金のなる木になることに賭ける一方で、ある程度の収益を得ることができる。カジュアルゲームはレベルアップのタイミングで配信される広告に最適である。複雑なゲームはユーザーのロイヤリティにつながるため、(広告よりも)アプリ内課金で収益を上げる方が自然である。

ByteDanceがライセンスをもつカジュアルゲームの中には、カーレースゲームの「Drift Race」、音楽ゲームの「Yinyue Qiuqiu」、パズルゲームの「Brain Out」など、これまでに中国のiOS無料ゲームのトップ10にランクインしたものがある。これらのコラボレーションはまだ大きな利益を生んでいるわけではないが、ユーザーを引きつけるという点で、同社のトラフィック戦略の実行可能性を証明している。

2019年、ByteDanceは同社のアプリ全体で15億人の月間ユーザーがいると発表した(アプリ間でユーザーが重複することもある)。ByteDanceがゲームをマーケティングする方法の1つは、ユーザーのコンテンツフィードにネイティブ広告を挿入することだ。「動画はインタラクティブで使いやすく、クリックしやすいため、従来の広告よりもはるかに高いコンバージョンを得ることができます」とNiko Partnersのアーマド氏はいう。

広告がユーザーに、スタンドアロンのゲームアプリのダウンロードを促す場合もあるが、DouyinとToutiaoは、WeChatや中国の多くの人気アプリと同様に、プラットフォーム内でサードパーティの「ミニアプリ」をサポートしている。ユーザーはWeChatと同じように、Douyinでもミニゲームをプレイすることができるというわけだ。

月間数億人のユーザーを抱えるByteDanceは、すでにユーザーの嗜好や行動を十分に把握し、どのようなゲームを推奨すればよいかを理解している。理論的には、視聴したり反応したりするユーザーが増えるほど、推奨はより正確になる。

同社のゲーム開発者ハンドブックによると「ByteDanceのアルゴリズムはターゲットを絞った推奨により、ミニゲームをさまざまな形で自動的にユーザーに提示する」「すべてのゲームには、公平かつ平等に、ユーザーに見てもらえるチャンスがある」とのことだ。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:ByteDance中国

画像クレジット:Games published by ByteDance

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Dragonfly)

任天堂とNianticがARの「ピクミン」シリーズ新作を共同開発

米国時間3月22日、Pokémon Goのから5年近く経つNianticは、任天堂との共同開発で同社のピクミンリーズの新作を開発すると発表した

Nianticによると、アプリは東京で開発し2021年後半にローンチするとのこと。

Nianticはプレスリリースで「このゲームのプレイには、ウォーキングを励まし、ウォーキングをもっと楽しくなるアクションが含まれている」と述べている。また、同社の拡張現実のプラットフォームを利用してリアルの世界をアプリの体験に盛り込まれているというが、おもしろそうだ。

ポケモンGOはメディアから姿を消したが、このサンフランシスコのゲーム会社に今でも大きな売上をもたらしている。2020年の売上は10億ドル(約1090億円)を超えている。最近、モバイルゲームに食い込みたいと努力している任天堂は、同社のこれまでの大人気シリーズをベースとするゲームをいろいろリリースしてきたが、どれもポケモンGOほどの成功を収めていない。

Nianticはこれまでに5億ドル(約540億円)近くの資金を調達し、最近の評価額は40億ドル(約4350億円)だった。

任天堂と提携して@NianticLabsのリアルワールドARプラットフォームで作るモバイルゲームの開発を発表できるのはとてもうれしいことです。任天堂の人気キャラクターに新しい命が吹き込める。私たちがARアプリの独占パートナーになることも、喜ばしいことです。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:任天堂NianticAR

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

任天堂子会社NERDが「スーパーマリオ 3Dコレクション」で採用したエミュレーション技術など公表

任天堂子会社NERDが「スーパーマリオ 3Dコレクション」で採用したエミュレーション技術やディープラーニング紹介

Nintendo

スーパーマリオ35周年記念の1つとして発売された「スーパーマリオ 3Dコレクション」は、NINTENDO 64向け「スーパーマリオ64」、ニンテンドー ゲームキューブ専用の「スーパーマリオサンシャイン」、Wiiで発売された「スーパーマリオギャラクシー」の3世代マリオが1本に詰め合わされています。

これらをNintendo Switchに移植する上で影ながら貢献していたのが、任天堂の子会社でソフトウェアやミドルウェア開発に特化したフランスのNERD(Nintendo European Research and Development)でした。3本のマリオを任天堂の最新ハード上に再現するため、NERDがどのような技術を駆使したかが公式サイトで語られています。

NERDは任天堂のヨーロッパ研究開発部門として知られており、長年にわたって数々のプロジェクトを支えてきた存在です。Wii UのニンテンドーDSバーチャルコンソールやNewニンテンドー3DSの「3D立体視の調節機能」しかり、ミニファミコンやミニスーファミも元々はNERD開発チームが関わっていたプロジェクトが商品化したかっこうです。

さて今作でNERDによる主な貢献は3つ。まず独自のゲームキューブエミュレーション技術であり、「スーパーマリオサンシャイン」を動かすのに使われています。最大の課題の1つは、スイッチのカスタムプロセッサ上でGC(略称)の古いとはいえ強力なMPU(マイクロプロセッサ)をエミュレートすることで、ゲームをフル速度で実行するには多くの最適化トリックが必要だったと語られています。

2つ目が、「スーパーマリオサンシャイン」開発チームと協力して現代的な機能を追加したこと。これには16:9のHDレンダリングやJoy-Conによる新たな操作が含まれているとのことです。またゲーム内の画像は、NERD独自のディープラーニングエンジンによりHDにアップグレードされたと述べられています。

最後に「スーパーマリオサンシャイン」については、GCとWiiのハードウェアアーキテクチャが似通っていることを活用し、「グラフィックスとオーディオエミュレーション技術」を提供して移植を支援したとのことです。

現代のゲーム専用機は過去と比べれば強力になっているとはいえ、普及を前提とした価格からプロセッサや搭載RAMも抑えめとなり、レトロゲーム機といえども丸ごと仮想マシンとして再現するエミュレーションは荷が重いと思われます。そうした強力とは言い難いハード上で快適にゲームを動かすために培われた技術が、噂されているNintendo Switch Pro(仮)にも活かされるのかもしれません。

(Source:Nintendo European Research & Development(NERD)、via:Nintendo EverythingEngadget日本版より転載)

©1996-2021 Nintendo

関連記事
Preferred NetworksがCrypkoを含む深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発
任天堂が2021年3月期の決算発表、Switch累計販売数7987万台・あつ森累計3118万本に
AWSが任天堂の「Nintendo Switch Online」に採用されていることを発表
任天堂は次世代ノスタルジアの封印を剥がしたが、ファンは心配している

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:アニメーション(用語)スーパーマリオ(製品・サービス)ディープラーニング / 深層学習(用語)任天堂 / Nintendo(企業)Nintendo Switch / ニンテンドースイッチ(製品・サービス)

AppleとEpic Gamesの裁判の証人候補はいずれもほぼ役員リスト

AppleがゲームメーカーEpic Gamesとの裁判に向けて提出した証人リストには、まるで両社の役員リストのような顔ぶれになっている。この長期にわたる戦いは、モバイルアプリの決済にとって重要な分岐点になるかもしれない。

両者の対立は、Epic Gamesが「Fortnite(フォートナイト)」がAppleによる手数料徴収をバイパスするようデザインされたゲーム内支払いシステムを追加し、Appleがそのプロフィールをカットし、さらにApp Storeから追い出された2021年8月に始まった。

関連記事:アップルがフォートナイトを筆頭にEpic GamesのApp Storeアカウントを完全削除

Epic GamesはAppleに対して、モバイル決済に関する独占的慣行だと訴えている。一方、AppleはEpicが収益を上げるためにApp Storeの契約を破ったと主張している。

この文書は、Appleが2021年3月19日の夜遅くに提出したもので、両社のトップエグゼクティブの名が並んでいる。AppleはCEOのTim Cook(ティム・クック)氏、ソフトウェアエンジニアリング担当SVPのCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏、そしてAppleフェローのPhil Schiller(フィル・シラー)氏が、Epic GamesのほうにはTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏と副社長Mark Rein(マーク・レイン)氏、さらにMicrosoft、Facebook、NVIDIAの幹部の名前もある。

TechCrunchに提供された声明の中で、Appleは次のように述べている。

当社の上級幹部は、App Storeが過去12年間にわたって革新、世界の経済、顧客体験に与えてきた非常に好ましい影響を法廷で共有することを楽しみにしている。Epicが意図的に契約を破ったのは収益を上げるためだけだということが証明されると確信している。これによってEpicはApp Storeのセキュリティ機能を回避し、競争を減らし、消費者のプライバシーとデータセキュリティを大きなリスクにさらすことになった。

裁判は2021年5月3日に始まる予定だ。TechCrunchはEpic Gamesにコメントを求めている。

関連記事:フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic GamesApp Store裁判

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

NVIDIAが米国でのGeForce Nowのサブスクを月額約1000円に引き上げ

NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce Now」がサブスクリプションプランの変更を発表した。米国時間3月18日から、有料メンバーシップは月額9.99ドル(約1090円)、または年額99.99ドル(約1万900円)で「プライオリティ」メンバーシップという名称になる。

現在の「ファウンダー」メンバーは、サブスクリプションを継続する限りは現在の価格である月額5ドル(約545円)が維持される。サブスクリプションをやめると、その後は月額5ドルでは利用できない。

2020年にNVIDIAが初めてGeForce Nowの有料プランを導入した際、同社はユーザーに対し情報をある程度明らかにしていた。月額4.99ドル(約545円)で「ファウンダー」エディションを利用できるが、いずれかの時点でサブスクリプション価格を引き上げる意向があるとしていたのだ。ここにきてNVIDIAは方針を決め、有料サブスクリプションは月額9.99ドル(約1090円)の価値があると考えたようだ。

あまりご存じでない方のために説明すると、GeForce Nowでは近くのデータセンターにあるパワフルなゲーミングPCでゲームを始めることができる。データセンターで動作しているゲームが、自分のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、テレビにビデオストリーミングされる。iOSとiPadOSではウェブアプリを利用し、一部のAndroid TVでも動作する。コントローラーのボタンを押すとそのアクションがサーバーにリレーされて、ゲームを操作できる。数十ミリ秒で処理されるので、現時点のクラウドゲームエクスペリエンスとしては最もスムーズな部類だ。

Google StadiaやAmazon Lunaとは異なり、NVIDIAは自社のゲームストアを開設していない。GeForce Nowの利用者は、すでに自分が所有しているゲームを起動する。GeForce NowプラットフォームはSteam、Epic Games、GOG.com、Ubisoftに対応している。

ゲームパブリッシャーはGeForce Nowに登録する必要がある。つまりSteamのゲームを持っていても、すべて利用できるとは限らない。現在、GeForce Nowはリンク先のページに掲載されているおよそ800種類のゲームに対応している。

GeForce Nowは最初に無料で試用することができる。NVIDIAは無料メンバーシップを提供しており、これが無料トライアルと考えられる。まず無料のサーバーが利用できるようになるまでキューで待機しなくてはならない。これが5分か10分、15分かかることもある。

その後のセッションは1時間に制限されている。1時間プレイするとサーバーからはじかれる。ゲームを再開することはできるが、もう一度待たされる。

有料メンバーになるとゲームはほぼ瞬時に始まり、1回につき最長6時間プレイできる。6時間経過した後も、すぐに再開される。有料メンバーはRTXグラフィックスも利用できる。

仕様に関しては、NVIDIAはCPU、グラフィックカード、RAMの異なるいくつかの構成を用意している。Fortniteをプレイする場合はミッドレンジのPCでも極めて高度なグラフィックスを得られるので、最高の構成は使われないようだ。しかし「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」を起動すると、サービスは優先的にスペックの高い構成を使おうとする。

NVIDIAによれば、GeForce Nowは1000万人近くのユーザーを獲得したという。そのうちどの程度が有料サブスクリプションを利用しているかは公表されていない。

2020年にNVIDIAはデータセンターの数を倍増させた。現在はNVIDIAまたは各地のパートナーが運営するデータセンターが20カ所以上ある。NVIDIAは既存のデータセンターのキャパシティを拡張する他、アリゾナ州フェニックス、カナダのモントリオール、オーストラリアにデータセンターを新たに開設する計画だ。

ゲームをアカウントとリンクして起動しやすくしたり、積極的にゲームを事前にロードするなど、使い勝手にかかわるアップデートも実施される。

画像クレジット:NVIDIA

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NVIDIAGeForce Nowクラウドゲームサブスクリプション

画像クレジット:NVIDIA

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

FortniteなどのPvP対戦ゲームで相手を叩きのめす自分の能力に賭けてお金を稼げる1v1Me

Anthony Geranio(アンソニー・ゲラニオ)氏は過去13年間、ビデオゲームをプレイしてきた。26歳で初めての会社1v1Meを設立した彼は、以前プロゲーマーになろうとしたがうまくいかず、テック業界に目を向けたという。

ゲラニオ氏と共同設立者のAlex Emmanuel(アレックス・エマニュエル)氏は、TextNow、Skillshare、Grailedといった企業を渡り歩いた経験と、ゲームと起業という2つの情熱を組み合わせて新しい会社を立ち上げた。

「プログラミングを始めた理由は、いつか自分の上司になりたいと思ったからです」とゲラニオ氏はいう。ミッションを掲げたテック企業で働き年収20万ドル(約2200万円)を稼いでいても、まだ満たされていなかったと同氏は語る。

新型コロナウイルスのパンデミックにより、ゲラニオ氏とエマニュエル氏はついに決心した。ゲラニオ氏の友人たちはみんなロックダウンが始まると、オンラインポーカーをプレイしてお金を稼ぎ時間をつぶすようになった。ポーカーはやがて「Call of Duty(コール オブ デューティ)」に変わり、それが「Madden(マッデンNFL)」に変わり、今どきの子供たちがプレイしているものに変わっていった(筆者のゲーム時代は「モータルコンバットII」で終わっているのでそれらが何かは不明だが)。

ゲラニオ氏はその後On Deckプログラムに参加し、卒業すると投資家のドアを叩き始めた。そしてOn DeckをはじめVillage GlobalのErik Torenberg(エリック・トレンバーグ)氏、GeltVCのTurner Novak(ターナー・ノバック)氏、ShrugのNiv Dror(ニブ・ドロール)氏、SterlingVC、CrossbeamのAli Hamed(アリ・ハメッド)氏、UpNorthのCody Hock(コーディ・ホック)氏とCole Hock(コール・ホック)氏、Lightshed Ventures、Bettor Capitalなどの投資家から、200万ドル(約2億2000万円)以上の資金調達に成功した。また、Zynga(ジンガ)の共同創業者であるJustin Waldron(ジャスティン・ウォルドロン)氏、Brudの共同創業者であるTrevor McFedries(トレバー・マクフェドリース)氏、Ian Borthwick(イアン・ボースウィック)氏、Socially Financedの共同リーダーであるAlbert Cheng(アルバート・チェン)氏、Public.comのCOOであるStephen Sikes(スティーブン・サイクス)氏、Morgan Creek Digitalの創業者兼パートナーAnthony Pompliano(アンソニー・ポムプリアーノ)氏などの著名なエンジェルも同社に投資した。

関連記事:Roblox上初の大手ゲーム企業を目指すGamefam

同社はアプリストアでのアプリのローンチを招待制で行っており、最初のステージの招待は、すでに「Call of Duty」のようなゲームをプレイしているコンテンツクリエイターを対象としている。長期的な目標は、賭けを中心としたコンテンツクリエイターの創出だという。「賭けがエンゲージメントツールとなるようなネットワークを作ろうとしているのです」とゲラニオ氏は語る。

今のところ同社は、「Call of Duty」や「Fortnite(フォートナイト)」といったゲームへの賭けにのみ対応している。このサービスは、PlayStationやXboxでコンタクト情報を交換するマーケットプレイスとして機能する。賭けに勝つためには、参加者がそれぞれ銀行口座をリンクし、金額を決めて、1v1Meがそのお金を一旦エスクローに預ける。ゲーマーはTwitchでゲームを配信し、1v1Meがゲームを監視して勝者を決定する。ゲームが終了すると、勝者の口座にお金が振り込まれる。

同社は当初、NoisyButters(同社に投資もしている)、LunchtimeRLawVonniezugzなどのゲーマーとともにサービスを立ち上げるという。

1v1Meがコードを配布しているTwitter(ツイッター)をフォローするか、クリエイターを介して得られるサインアップや招待をバズらせるために、同社は週の終わりに最も多くのゲームで勝利した競技者に500ドル(約5万5000円)の賞金を与えるチャレンジも提供する。

Socially Financedの共同リーダーでDuolingoのプロダクトディレクターであるアルバート・チェン氏は次のように述べている。「YouTubeで働いていたとき、ファンを楽しませつつ自分のスキルを磨きたいと願う多くのゲームクリエイターに出会いましたが、その過程で大きなお金を稼ぐのは大変なことです。1v1は、eスポーツゲーマーが生計を立てるための最も有望なプラットフォームであり、私は彼らの道のりを支援することに興奮しています」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:1v1Me資金調達ギャンブル

画像クレジット:1v1Me

原文へ

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

Roblox上初の大手ゲーム企業を目指すGamefam

Robloxは2020年にものすごい成長を遂げてから米国時間3月10日に上場したが、同社の社員と投資家にとって良いニュースばかりではない。Gamefamのような他のスタートアップが、このプラットフォームの成功に乗じようとしている。

Robloxにはそのゲームプラットフォーム上に多数のデベロッパーとクリエイターのエコシステムがあり、その一部は共同で独自のチームやスタジオを作っている。2021年初めに同社のクリエイターのためのアクセラレーターを紹介する記事で、そんなチームを取り上げたことがある。しかしGamefamの創業者でCEOのJoe Ferencz(ジョー・フェレンツ)氏は、彼のスタートアップが「Roblox上で初めてかつ唯一のプロフェッショナルによるゲーム専門企業だ」と語っている。

関連記事:Robloxは開発者向けアクセラレーター講座で同社プラットフォームの新たな可能性を引き出す

2019年に創業したGamefanには現在、社員が37名いて、「Ultimate Driving」や「Hot Wheels Open World」といったライブゲームが8本ある。フェレンツ氏によると、さらに10本を開発中だという。これらのゲームは4800万の月間ビジターがいて、6桁の売り上げを上げている。

フェレンツ氏は同社のチームが「優秀な新進のRobloxクリエイターたちと共同で仕事をしているゲーム業界のプロフェッショナルたちである」と述べている。たとえば「Ultimate Driving」を開発したTwentyTwoPilotsは、Gamefamのクリエイティブディレクターだ。

フェレンツ氏自身は、UbisoftやMattelでマネージャーを務め、Hot Wheelsといったプロダクトのデジタルサイドを担当した。そしてその間に彼は、無料でプレイできるモバイルゲームの台頭を目にしたという。「次にこんな大きなプラットフォームシフトが起きるときには、自分もその中にいたい」と考えたとのこと。Robloxとそのユーザー作成ゲームで、彼はその願いを叶えた。

画像クレジット:Gamefam

同時にフェレンツ氏は、Robloxではクリエイターたちが無料プレイゲームの「慣行」から外れても良いことを賞揚している。つまり経済性を優先しないゲームデザインが認められる、ということだ。

「Robloxの実態は若い世代のためのメタバースだ。彼らはそこで、人間同士の共同体験というゲームを超えたものを見つけている。つまりそれぞれのゲームに、そのゲームにしかない独自の魅力的な没入体験が必要だからだ。モバイルの無料プレイゲームにはそれがない」とフェレンツ氏はいう。

もちろん、Robloxの魅力の一部は、個人のクリエイターが大きなチームやゲーム会社で仕事をするよう、強要されないことにある。ただし「スーパースター級のデベロッパーやクリエイターたちはますます大きいゲームを作りたがるし、その凝り方は急速なペースで進化している」とフェレンツ氏はいう。そうなるとチームも大きくなり「工数も増えて、パフォーマンスの高いチームをどうやって作るか、ポジティブなチームワークを育てるための人間関係をどうやって維持するかといった問題が生まれる」。

フェレンツ氏は「そうやってビジネスとして大きくなると、企業としての商機とか、マーケティング、オペレーションの専門チームなどが必要になり、その部分をうち(Gamefam)が提供する」という。

フェレンツ氏とGamefamの経営スタッフは数年前からRobloxと関わっているが、「付き合いは長いが、未だにそこでゲームをしている10歳や、自分でゲームを作り始める15歳が何を考えているのか、十分に理解しているとはいえない。とにかく彼らを尊敬し、頼りきるしかない」と同氏はいう。

 

フェレンツ氏よるとGamefamのやり方の基本は、クリエイターたちがゲームの開発過程を主導している状態を確実に維持することだとのこと。

「どのプロジェクトにも1人または複数のひらめきに富んだ先の読める人物が必要で、彼らが方向を決めていくべきだ。そして彼らを中心としてチームが構成され、コンセンサスを作り、彼らのビジョンの方向へ進んでいくべきだ」とフェレンツ氏は表現する。

フェレンツ氏によると、Gamefamは今後、他のプラットフォームにもゲームを提供していきたいと語る。ただしそれは、かなり先の話だ。

「私たちのフォーカスはUGC(ユーザー作成コンテンツ)のゲームであり、今日のUGCゲームで重要な場所といえばRobloxしかない。Robloxのチームと一緒になって大きなブランドとメディア事業を育てたい。今後、他にも有力なプラットフォームが出てくれば、そういうプラットフォームも検討するだろう。しかし当分は、Robloxが唯一の存在だ」とフェレンツ氏は語る。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GamefamRoblox

画像クレジット:Gamefam

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

PUBG Mobile開発元が印eスポーツ企業Nodwin Gamingに約24.3億円を投資

asdf人気ゲームタイトル「PUBG Mobile」の開発会社であるKraftonは、インドのeスポーツ関連会社のNodwin Gamingに2240万ドル(約24億3000万円)を投資し、米国時間3月9日に両社はKraftonがかつての主要な海外市場での存在感を維持するよう努めると語った。

インドのゲーム大手であるNazaraの子会社であるNodwin Gamingは、同国で最大級のeスポーツ企業としての地位を確立している。

グルガオンに本社を置くNodwin Gamingは現在、Blizzard Entertainment、Valve、Riot Games、ESLを含む複数の企業と連携し、イベントの開催、解説の提供、コンテンツの制作やライセンス提供、ブランドやスポンサーの獲得などを支援している。

Nodwin Gamingは最近アフリカに進出したが、国際市場での成長を加速させるため、新たな資金を投入するという。

KraftonとNodwinは、以前からお互いに協力してきた。両社は先週、アジアでPUBG Mobileのイベントを2回開催すると発表している。

「eスポーツは今後のスポーツエンターテインメントの成長にとって、大きな柱となるでしょう。スポーツ、エンターテインメント、テクノロジーのすばらしい交差点に位置し、インドのような国がその道を切り開くことができます。Kraftonが参加することでゲームとeスポートのメッカである韓国から、モバイルファーストなマーケットでインドから世界へと私たちが構築しているものを支持しています」と、Nodwin Gamingの共同創業者でありマネージングディレクターであるAkshat Rathee(アクシャット・ラッティー)氏は声明で述べている。

インドは2020年サイバーセキュリティ上の懸念を理由に、PUBG Mobileや中国と提携した他の数百ものアプリを禁止した。KraftonはインドでPUBG Mobileを復活させようと試みてきたが、まだうまくいっていない。

関連記事:インドが中国関連アプリさらに禁止、PUBGやBaiduほか100種以上に拡大

ユーザーのセキュリティに関する政府からの懸念を和らげるため、Kraftonは中国のパブリッシャーであるTencent(テンセント)との提携を解消したと述べた(また、Microsoftとのグローバルクラウド契約にも署名した)。Kraftonの企業開発の責任者であるSean Hyunil Sohn(ショーン・ヒュニル・ソン)氏は2021年3月初めに開催されたゲームカンファレンスで、同社がインドにPUBG Mobileを復活させるために「努力する」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

関連記事:韓国のPUBG開発元がインドでの配信停止から1週間後に中国Tencent Gamesとの配信提携を解消

KraftonのChanghan Kim(チャンハン・キム)CEOは声明で「KraftonはNodwin Gamingと提携して有望なeスポーツのエコシステムを育成し、インドのファンやプレイヤーと交流することを楽しみにしています」と述べた。

「このパートナーシップを機に、私たちはビデオゲーム、eスポーツ、エンターテインメントおよびテクノロジー業界の育成に向けた取り組みと貢献を維持するために、この地域でさらなる投資機会を模索します」。

カテゴリー: ゲーム / eSports
タグ:PUBG MobileKrafton投資Nodwin Gamingインド

画像クレジット:TAUSEEF MUSTAFA / AFP / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Epic Gamesが写真測量ソフトウェアメーカーのCapturing Realityを買収

Epic GamesはUnreal Engine開発者スイートの拡充を目的とした最近の一連の買収により、ゲームインフラのM&Aで急速に支配力を増している。米国時間3月9日、同社は環境やオブジェクトの3Dスキャンを処理する方法を改善するために、写真測量スタジオのCapturing Realityのチームを採用したと発表した。

なお、買収条件は明らかにされていない。

フォトグラメトリーでは複数の写真やレーザースキャンをつなぎ合わせてオブジェクトの3Dモデルを作成し、それを単一のファイルとしてエクスポートできる。コンピュータビジョンの技術が進化し、手動での調整を最小限に抑えられるようになったため、デザイナーは現実世界の環境をゲームに取り込むためにフォトグラメトリーを多用するようになっている。

フォトグラメトリーを使用することで、スタジオ開発者は同じような3Dアセットをゼロから作成するのにかかる時間の何分の一かの時間で、フォトリアリスティックなアセットを短時間で作成できる。フォトグラメトリーは衣類からクルマ、山まで、あらゆるものの3Dアセットをすばやく作成するために使用できる。3D空間に存在するすべてのものをキャプチャーでき、ゲーム機やGPUの出力能力が向上するにつれてレンダリングできるディテールのレベルが向上し、より詳細な3Dアセットを利用する必要性も高まっている。

スロバキアのブラチスラバに拠点を置くCapturing RealityはUnrealに機能が統合されても、独立して運営を続ける。EpicはCapturing Realityのサービスの価格を引き下げ、永久ライセンス料を1万5000ドル(約163万円)から3750ドル(約41万円)に引き下げたことを発表した。スタジオサイトに掲載されているFAQによると、同社は今後もゲーム以外のユーザーをサポートしていくという。

なお2019年にEpic Gamesは、開発者がアクセス可能な写真測量「メガスキャン」のライブラリをホストするQuixelを買収している。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic Games買収フォトグラメトリーCapturing Reality

画像クレジット:

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

マイクロソフトがXbox向けChromiumベースEdgeブラウザーのオープンテストを開始

マイクロソフトがXbox向けChromiumベースEdgeブラウザーのオープンテストを開始

Aaron Souppouris/Engadget

マイクロソフトは、最新ゲーム機Xbox向けのChromiumベースのウェブブラウザーEdgeを開発し、オープンテストを始めました。Xbox Inider Program内のAlpha / Skip Ahead Ringに属するXboxのテスターは、Xbox Series XおよびS、Xbox Oneで新しいEdgeブラウザーを試すことができます。

Xbox版Edgeは、まだマウス/キーボードが完全にはサポートされておらず、バグもまだ残されているものの、Xboxコントローラーでは十分に機能するとのこと。

Xbox版EdgeではそのベースであるChromiumブラウザーとの互換性によって、理屈上はGoogleのストリーミングゲームサービスStadiaの利用も可能になるはずです。また、ブラウザーゲームやSkypeその他のサービスの互換性も向上します。他のプラットフォームのEdgeと同じ同期エンジンを使用しているため、プラットフォーム間のデータ同期など、いまどきのインターネットの便利機能を享受できるようになるでしょう。

まだXbox版Edgeは完成には遠い位置にあるようですが、4K以上の解像度を持つ大画面テレビで使われることも多くなるであろうことを考えると、今後の使い勝手の向上如何ではゲーム機が家庭におけるウェブブラウジングの中心になる可能性も、もしかしたら高まるかもしれません。

なお、Xboxのライバル機PlaySation 5では、いまのところ簡単に利用できるウェブブラウザーは用意されていません。アプリの画面上にウェブページを表示する機能はあるので、将来的にPS5用の単体ウェブブラウザーが用意される可能性はありますが、少なくともこの記事執筆の時点においては、ブラウザー市場の大半を占めるChromiumベースという点も含め、Xboxのほうが優位な状況と言えるでしょう。もちろん、わざわざゲーム機でウェブサイトを見たりしないよという方には大した話ではないかもしれませんが。

(Source:The VergeEngadget日本版より転載)

関連記事
Microsoft Edgeの起動が高速に、バーティカルタブが利用可能に
マイクロソフトがXboxやPC用ゲームのアクセシビリティをテストする開発者向けサービスを開始
Xboxクラウドゲーミングが2021年春にiOSとPCに対応、iOSはブラウザー経由
Microsoft EdgeのLinux版プレビューが10月登場
Microsoft EdgeにPinterest統合、サイドバー検索、仕事利用時自動切り替えなど新機能が多数搭載

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Xbox / エックスボックス(製品・サービス)ウェブブラウザー(用語)Microsoft Edge(製品・サービス)

ZyngaがRPGゲーム分野に拡大を目指し「Torchlight III」のEchtra Gamesを買収

ソーシャルゲーム会社のZynga(ジンガ)は、ここ数年、特にモバイルとカジュアルパズルゲームでの活動を強化するために、30億ドル(約3210億円)以上を費やしてヨーロッパ(特にトルコとフィンランド)のさまざまなスタートアップ企業を買収してきた。しかし同社は米国時間3月3日、より没入型の、高度なグラフィックのクロスプラットフォーム体験へと方向転換し新たな展開を見せた。同社は、Steam、XBox One、PS4、Nintendo Switchで発売されている「Torchlight III(トーチライトIII)」を手がけたアクションRPGパブリッシャーであるサンフランシスコのEchtra Gamesを買収すると発表した。

Echtraのチームは、ZyngaのNaturalMotionスタジオと提携して新作タイトルのリリースに取り組むとのこと。それ以外の詳細は今のところ発表されていない。

取引の財務条件は非公開となっており、また、誰がEchtraを支援したのか、誰かに支援されたのかは明らかにされていない。

しかし、Echtraはある意味、冷酷に計算された金儲けではなく、情熱的なアイデアから構築されたゲームスタートアップの古典的な例であり、おそらく持つとすれば最高の類の会社だろう。

共同設立者兼CEOであるMax Schaefer(マックス・シェーファー)氏は以前「Torchlight(トーチライト)」オリジナルシリーズの開発者であるRunic Gamesに在籍し、またアクションRPGの金字塔「Diablo(ディアブロ)」などの開発者でもあった。Runicはその親会社であるPerfect Worldによって閉鎖されたため「Torchlight」フランチャイズにはまだ命が残っていると感じたシェーファー氏は、2016年にRunicの同僚や業界の他の開発者とともに、新会社Echtraを設立することにした。

関連記事:ソーシャルゲームZyngaのCEOがさらなる買収計画を語る

しかしそれは、Echtraが期待していたようにはうまくいかなかった。ゲームが早期アクセスを終了して一般に発売された後、新作はまちまちな評価だったゲームのデザイン、そしてバグに対する批判も見られた。

買収後の計画は、潜在的にはフランチャイズを構築し続けるためにEchtraのチームと専門知識を導入するということだが、より一般的には、Zyngaがクロスプラットフォームのゲームでフットプリントを拡大すること、またゲーム技術、特にRPGや他の没入型アプリケーションのためのプラットフォームとして現時点で最も使われているUnreal Engineで構築されたツールの面でZyngaを支援することになる。

ZyngaのCEOであるFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は声明でこう述べた。「Echtra Gamesのマックスと彼のチームは、これまでに作られた最も伝説的なゲームのいくつかを担当した経験があり、アクションRPGジャンルとクロスプラットフォーム開発の専門家です。Echtra GamesチームをZyngaファミリーに迎え入れることに興奮しています。この買収は、モバイルからPCおよびコンソールまで、当社の象徴的なライセンスおよびブランドを成長させ、Zyngaがリーチできる市場をさらに拡大するのに役立ってくれることでしょう」。

「Echtra GamesはZyngaファミリーに加われることをうれしく思います」とシェーファー氏は付け加えた。「我々は、クロスプラットフォームでのプレイがRPGとインタラクティブエンターテインメントの未来に不可欠であるというZyngaのビジョンを共有しており、この取り組みに我々の幅広い経験と能力を生かすことを楽しみにしています」。

パンデミックのせいで屋内や自宅で過ごす時間が増えているのだから当然といえば当然だが、ゲーム業界は、2020年の明るい場所の1つとなった。Zyngaは、その結果として、2021年2月発表された第4四半期の売上がアナリストの予想を上回ったことも含め、最近絶好調だ。その収益は6億1600万ドル(約659億円)で、四半期としては過去最高となっている。買収は最近の同社の戦略の主要な部分であると、ジボー氏は当時語っていた。

モバイル以外の、より没入型のRPGタイトルを目指すことは、野心的でより高額になる可能性がある事業であり、トルコのRollicの過半数株式を2億2800万ドル(約244億円)で、Peakを21億ドル(約2248億円)で、Small Giant Gamesの80%を7億1800万ドル(約768億円)で、そしてGram Gamesを2億9900万ドル(約320億円)で買収してきた近年の同社の買収とは方向性が目立って異なっている。

関連記事:Zyngaがトルコ拠点の超カジュアルゲームメーカーRollicの買収を完了、CEOはさらなる買収に意欲的

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga買収

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Aya Nakazato)

PS VR向け「Doom 3:VR Edition」が3月29日発売、PS4とPS5でプレイ可能

PS VR向け「Doom 3:VR Edition」が3月29日発売、PS4とPS5でプレイ可能

id Software/Bethesda

2004年に発売され、前作よりもホラー要素を増量しグラフィックも大幅に向上して人気を得たDoom 3がVRで帰ってきます。ベセスダ・ソフトワークスが、PS4+PS VR版『Doom 3 VR』を発表、3月29日に発売すると発表しました。プレイヤーは、火星を舞台にゾンビ化した人間やデーモンたちを相手に機関銃やチェーンソーなど多彩な武器で立ち向かうため、シューティングコントローラーを手に立ち向かいます。

ただの移植ではなく、VRならではのリーン(ピーク)動作やモーションコントロールで武器を構えたときの微妙な調整、真後ろに素早く振り返る180°クイックターンといった操作が可能。左腕に装着した端末で体力やアーマー、残弾数の確認が行えるところも、より未来的世界観への没入を高めます。

Doom 3は数週間前にOculus Quest向けにVR対応したバージョンがTeam Beefの開発によってリリースされたばかりですが、PS VR版は公式バージョンということもあり、完成度もより高くなっていることが期待されます。また拡張パック「Resurrection of Evil」「The Lost Mission」もVR向けに再構築され含まれます。

Doom 3はシリーズの中では大火力な武器で化け物をなぎ倒していくというよりは、心理的な恐怖感を強調した作風で、爽快感を求める向きには物足りないところもあるかもしれません。とはいえ、あまり激しすぎる動きでヘッドセットをふっとばしてしまう心配がないと考えれば、Doom 3のVR化は良い選択と言えそうです。

なお、発表時点では発売日は明らかにされたものの、度の国や地域を対象としたものか、価格はいくらかといったことはまだ情報がありません。ただ日本のPlayStationのブログサイトにも(翻訳ではあるものの)紹介記事がでていることから、日本でもプレイ可能になることが期待できそうです。

なお、Doomシリーズとしては、2017年にも『Doom VFR』がPS VR向けに発売されています。筋金入りのファンなら両方揃えてやり比べて見るのも一興かもしれません

(Source:PlayStationEngadget日本版より転載)

関連記事
ルンバを使って自宅のDoomレベルを作る「DOOMBA」
VoCore2は、小さなDoomをプレイできる小さなコンピューター
ビデオゲームのテクノロジーがニューラルネットの実用化に貢献した
MacBook Proの新しいTouch BarでDoomを走らせた勇者現る
科学者が人間を狩り殺すことを機械に教えている ‐ ただしDoomの中で

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:id Software(企業)Oculus Quest (製品・サービス)仮想現実 / VR(用語)Doom(製品・サービス)PlayStation 4(製品・サービス)PlayStation 5(製品・サービス)PlayStation VR(製品・サービス)

Amazonがモバイルゲームのビデオクリップを共有するGameOnアプリをiOSでもローンチ

モバイルゲームはデスクトップのようにコンテンツのストリーミングほどの需要はないが、でもAmazonはそこに、2020年に同社が買収したTwitchの支配を拡張するための市場を見ている。そこで同社は、2020年11月にAndroidバージョンを立ち上げた同社のストリーミング中心型のモバイルアプリを、AppleのAppStoreにもローンチした

ユーザーはそのアプリを使ってゲームプレイの30秒から最長5分までのビデオクリップを録画する。ゲームは録画機能のあるものなら何でもよい。録画といっても、実際にクリップが記録されるのはGameOnのライブラリで、そこへ直接記録される。そこに、後からコメントを加えたり、編集をしてからGameOnで公開したり、そのリンクを他のサイトのプラットフォームで共有することができる。

おもしろいことにGameOnのプラットフォームは、Twitchとは完全に無関係で、ブランドもチャンネルも異なる。Amazonはストリーマーたちと協力してモバイルゲームに全面的にフォーカスし、そのアプリにしかないチャレンジをアピールしている。同社によるとサービスは、1000以上のモバイルゲームに対応しているという。

開発者は最近ますます、デスクトップタイトルのより完全なモバイルへの移植を追究しているが、高度なコントロールができないため、それも難しい。しかしゲームプラットフォームがクラウドストリーミングのネットワークをiOSに持ち込もうとすると、そこではユーザーがゲームパッドでコントロールするモバイルネイティブのコンテンツとゲームの需要が増えることになる。しかしながら、実際にそうなるためには、AppStoreが今後このようなプラットフォームにもっと馴染んでいく必要がある。¥

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AmazonGameOniOS

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

初の「赤・緑」から25周年、ポケモンが新情報発表映像「Pokémon Presents」を2月27日0時配信

初の「赤・緑」から25年、ポケモンが新情報発表映像「Pokémon Presents」を2月27日0時配信

株式会社ポケモンは、新情報の発表映像『Pokémon Presents』を2月27日0時より配信します(26日(金)の夜24時)。予告は「約20分の映像で、最新情報をお届けするからお楽しみに!」

今年2021年の2月27日は、最初のポケモンゲーム『ポケットモンスター 赤・緑』が発売された1996年2月27日からちょうど25年にあたる記念日です。

記念日の「Pokémon Day」、しかも大きな節目にあたる年となれば、ポケモンファンが狂喜する大きな発表に期待です。Pokémon Presents はポケモン公式YouTubeチャンネルで視聴できます。

以下余談。ポケモンの本編は完全新作とその増補版(『サン・ムーン』に続いて『ウルトラサン・ウルトラムーン』)、あいだを縫うようにリメイク版(『赤・緑』が『ファイアレッド・リーフグリーン』)など、リリースサイクルがある程度予測できることから、新発表があるたびに「順番からしたら出るはず」の作品へ期待が集まる傾向があります。

しかし一方で、派生作品やゲーム以外の展開も多いため、ポケモンの新情報だからといって本編新作が発表されるとはかぎりません。

株式会社ポケモンおよび任天堂はリアル会場での発表会や事業戦略説明会、ネット上の映像発表などさまざまなチャネルで新情報をリリースしてきましたが、27日の「Pokémon Presents」と同名の映像配信イベントは2020年6月にも2回開催されています。

2020年6月17日と6月24日に配信されたのは『ポケモン新作発表会 Pokémon Presents』。今回予告されたのは『Pokémon Presents』。ソーシャルメディアなど公式の表記でも、以前は日本語の『ポケモン新作発表会~』が頭にあったのに対して、今回は単に『Pokémon Presents』のみです。

深い意味はない微妙な表記の変更なのか、それとも「ポケモン新作」、つまり「(未発表の)新作ゲーム」ではない新情報発表にも使うフォーマットとするための意図的な変更なのかは分かりませんが、任天堂が販売するポケモン本編ゲームの新作発表としては「ポケモンダイレクト」が使われることもあります。

今回は25年目のポケモン誕生日にあたる記念日だけに、ファンが驚くような新情報があるはずですが、とはいえ本編ゲームではないスピンオフや発表済みゲームの新コンテンツだったり、ポケモンGOやポケモンHOME や Newポケモンスナップやスマイルやカフェやユナイトやマスターズや、アニメや映画、トイやイベントやコラボの発表が主という可能性も大いにあります。

Nintendo Switchソフト「Newポケモンスナップ」4月30日発売

ポケモン事業戦略発表会、29日朝10時にネット中継。次世代プロジェクト発表 (2019年)

速報:ポケモン完全新作は『ポケットモンスター ソード・シールド』。スイッチで今冬発売 #ポケモン剣盾(2019)

Engadget日本版より転載)

©2021 Pokémon ©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。

関連記事
「ポケモンGO」恒例の旧正月イベントが開始、海外限定のケンタロスや初登場メガギャラドス出現
大型アップデート「Pokémon GO Beyond」発表、最大レベルが50に、新ポケモンも追加
NianticがポケモンGOユーザーがアップした画像データで独自の3Dマップ構築へ
任天堂がポケモン・ ソード・シールドのDL版エキスパンションパス発売開始
Twitterにポケモンの絵文字が登場!ハッシュタグで出現

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:ポケモン(企業・製品)ポケモンGO(製品・サービス)日本(国・地域)

「原神」や「Call of Duty」など中国のモバイルゲームは米国でも人気

米国では2020年来、新型コロナウイルス感染流行によって、外出を控えた人々が自宅でアプリを利用する機会が増えている。特にモバイルゲームがブームとなっており、その中でも中国のスタジオによって制作されたゲームが人気を集めている。

市場調査会社Sensor Tower(センサータワー)の新しい報告によると、米国のApp StoreとGoogle Play Storeでリリースされたゲームの第4四半期の収益は合計58億ドル(約6150億円)で、前年同期比34.3%増となり、世界のモバイルゲームの収益の4分の1以上を占めているという。

先の第4四半期には、米国におけるモバイルゲームの収益の20%が中国製のタイトルによるものだった。これにより、中国は事実上、米国におけるモバイルゲームの最大の輸入国となった。同期間中に米国で最も売れたゲーム上位100本の中で、中国のパブリッシャーは21本を占め、世界最大のモバイルゲーム市場であるこの国において、合計で7億8000万ドル(約827億円)の収益を上げた。これは2年前の3倍以上にも増えたことになる。

ランキングの上位には、Tencent(テンセント)とActivision(アクティビジョン)のコラボレーションによる一人称視点シューティングゲーム「Call of Duty:Mobile(コール オブ デューティ モバイル)」や、テンセントの「PlayerUnknown’s Battlegrounds(プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)」など、お馴染みの中国製タイトルが並ぶ。しかし、中国の小規模なスタジオも米国市場に急速に浸透している。

中国以外ではあまり知られていないゲーム会社のmiHoYo(ミホヨ)は、アニメ風キャラクターが登場するロールプレイングアクションゲーム「Genshin Impact(原神)」のヒットによって、同国のゲーム業界で注目を集めている。第4四半期には米国で6番目に高い収益を上げたモバイルゲームとなり、1億ドル(約106億円)以上の収益を記録した。

最も注目すべきことは、miHoYoが2011年の設立以来、独立したスタジオであることだ。テンセントのような業界の大物からの資金を欲しがる多くの新興ゲーム企業とは異なり、miHoYoこれまで、初期の段階からわずかな金額しか調達していない。また、テンセントや携帯電話ベンダーのHuawei(ファーウェイ)、Xiaomi(シャオミ)といった大手代理店を避け、中国の若者に人気の動画サイト「Bilibili(ビリビリ)」やゲームダウンロードプラットフォーム「Taptap(タップタップ)」で「原神」をリリースしたことでも物議を醸した。

2020年末から米国で最もインストールされたモバイルゲームの1つ、パズルゲーム「Project Makeover(プロジェクト・メイクオーバー)」の開発元であるMagic Tavern(マジック・タバーン)もまた、あまり知られていないスタジオの1つだ。清華大学の卒業生たちが設立し、世界各地にオフィスを構えるMagic Tavernは中国にルーツを持つスタジオの中で、米国のカジュアルゲーム市場に進出した最初のスタジオの1つとして認められている。KKRが出資するゲーム会社のAppLovin(アップラビン)は、Magic Tavernの戦略的投資家だ。

米国で人気が高い他のゲームにも、中国企業が直接所有しているわけではないにせよ、中国とのつながりを持っているものがある。「Shortcut Run(ショートカットラン)」と「Roof Rails(ルーフレールズ)」はフランスのカジュアルゲーム会社であるVoodoo(ヴードゥー)の作品だが、2020年にTencentから少額出資を受けている。Tencentはまた、若いゲーマー向けゲームプラットフォームであるRoblox(ロブロックス)の戦略的投資家でもあり、近日中にIPOを予定している。

関連記事:

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:スマホゲーム中国アメリカ

画像クレジット:Genshin Impact via Google Play Store

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルを介さずにモバイルゲームを配布しようとするArtieが10.6億円調達

モバイルゲームの提供形式を再考しようとしているArtieが米国時間2月17日、1000万ドル(約10億6000万円)の資金を調達したことを発表した。

今回の投資にはZyngaの創業者Mark Pincus(マーク・ピンクス)氏、Thirty Five VenturesのKevin Durant(ケビン・デュラント)氏とRich Kleiman(リッチクレイマン)氏、Raised In SpaceのScooter Braun(スクーター・ブラウン)氏、Shutterstockの創業者Jon Oringer(ジョン・オリンジャー)氏、Tyler Winklevoss(タイラー・ウィンクルボス)氏とCameron Winklevoss(キャメロン・ウィンクルボス)氏、Susquehanna International GroupのHarris Blitzer(ハリス・ブリッツァー)氏のSports & EntertainmentとThe Sixers Lab、GoogleのManuel Bronstein(マニュエル・ブロンスタイン)氏、そしてYouTubeの共同創業者Chad Hurley(チャド・ハーリー)氏といった大物が参加している。

今回の投資は、Artieの拡張現実でアバターを作るという元のビジョンからの転換を表している。CEOのRyan Horrigan(ライアン・ホリガン)氏によると、共同創業者でCTOのArmando Kirwin(アルマンド・カーウィン)が行き着いたのは、一緒に「もっと大きな問題を解決する」ためのゲームの配布技術を作ることだという。

問題の1つは、ゲーム開発者が「AppleのApp Storeの規則や制限を超える方法を探している(Fortniteを開発したEpic Gamesは今この問題で戦っている)というものだ。そこでArtieのプラットフォームでは、モバイルゲームをアプリをインストールせずに、ブラウザーやネット上の共有リンクからプレイすることができる

画像クレジット:Artie

アプリのないモバイルゲームというアイデアは、Artie独自のものではないが、ホリガン氏によると、他社がJavaScriptとHTML5だけなのに対して、ArtieはUnityをサポートしているため、カジュアルゲームハイパーカジュアルゲームというよりも)を開発できるだけでなく、最終的にはゲームをさらに深化させることができるという。

「クラウドゲームと同じように、Unityのゲームを私たちのクラウドで動かしていますが、グラフィックのレンダリングをクラウドで行い描画をプレイヤーにプッシュしていません。高度に最適化された組み込みのウェブブラウザーを介してリアルタイムでレンダリングされたアセットとアニメーションをストリーミングしています」とホリガン氏はいう。

これはつまり、App Store外で軋轢を生まない配布を行うのと同時に、クラウドゲームが直面している膨大なインフラコストやラグタイム(遅延)という問題を避けるが目的だ。

Artieは独自のゲームを開発してリリースしている。2020年後半には「Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)」のゲーム、ビアポンゲームなどを予定しており、2022年にはMMOゲームを計画している。さらに同社は、他の開発者が同社のプラットフォームを通じて配布できるようにするSDKもリリースする予定だ。

ホリガン氏によると、Artieの最初のゲームは無料で、ゲーム内課金が収益源だという。ゲーム上のプレイ状況はCookieを利用して記憶するが、ログインを作成することもできる。

同社は、ゲームに大物ミュージシャンや、スーパーヒーローのIPオーナーを起用しており、今後ゲーム開発のノーコード、ローコード化とArtieの配布プラットフォームを組み合わせることで、これらが大きなトレンドになると期待している。

「次世代のインフルエンサーたちと協力して、ローコードやノーコードのゲーム作りを普及させ、YouTube上で直接、彼らのオーディエンスに公開したい。ゲームが、ゲーム会社からではなく、好きなヒップホップスターから送られてきているという感覚は喜ばれるだろう。それを実現するプラットフォームがArtieなのです」とホリガン氏はいう。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Artie資金調達

画像クレジット:Artie

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトがXboxやPC用ゲームのアクセシビリティをテストする開発者向けサービスを開始

過去数十年の間に、ゲームがマニアのためのものから一般の人が広く楽しむものに成長してきたことで、障がいを持つ人々はより多くのゲームをプレイすることが可能になったのと同時に、プレイできないゲームも増えてきた。Microsoft(マイクロソフト)は、PCとXboxのゲームをさらに多くの人が楽しめるものにするために、新たに拡張されたXbox Accessibility Guidelines(エックスボックス・アクセシビリティ・ガイドライン)に沿っているか、ゲームを照らし合わせて確認する新しい社内テストサービスを開始した。

このMicrosoft Game Accessibility Testing Service(マイクロソフト・ゲーム・アクセシビリティ・テスティング・サービス)は現在稼働中で、WindowsまたはXboxプラットフォーム向けにゲームを開発している人は誰でも利用することができる。

「このサービスでは、専門家と障害を持つゲーマーで構成されるチームが、Xboxアクセシビリティガイドラインに照らしてゲームをテストします。当社の目標は、7営業日以内に正確でタイムリーなフィードバックを提供することです」と、同社のシニアゲーミングアクセシビリティプログラムマネージャーであるBrannon Zahand(ブラノン・ザハンド)氏は述べている。

これは無料ではないので(Microsoftはコストを明示していないが、おそらくプロジェクトによって異なるだろう)、資金を投じる前にどんなレポートになるのか知りたい場合は、アカウント担当者に相談すればサンプルを見せてくれるだろう。

しかし、このサービスでは、最終的に完成したコードを送る必要はない。「ゲームのアクセシビリティは、ゲーム開発の初期段階で実装する方がはるかに簡単です。ゲーム開発者には、コアUIとゲーム体験を組み込んだ代表的なビルドができたら。すぐに提出することをお勧めします」と、ザハンド氏は述べている。「また、すでに製品をリリースしていて、新しいアップデートやコンテンツ追加で新鮮味を維持しようと考えている開発者にとっても、このテストは価値があるでしょう。多くの場合、コンテンツをアップデートする際に、その一部として比較的小規模な調整や機能追加を行うことができますから、障害を持つゲーマーやアクセシビリティ機能を利用するゲーマーのための改良も施すことができるでしょう」。

このガイドライン自体は2020年1月に導入されたもので、ゲームを開発する際に考慮すべきヒントやチェック項目が何百も含まれている。今回公開された「2.0」バージョンでは、多くの改善点が盛り込まれており、このXboxブログの記事にまとめられている。

全般的にいうと、今回の変更では明快さと適用しやすさが改善され、開発者により直接的でシンプルなアドバイスを提供している。しかし、現在販売されているゲームの中には、このようなことが単に理論的に可能というだけではないことを示す多くの例がある。

今はこれが当たり前のようだ(画像クレジット:Microsoft)

このガイドラインには、UIから操作方法、難易度設定に至るまで、あらゆることが書かれており、興味のあるゲーマーにとっては説得力のある読みものとなっている。いくつかのゲームが、ゲームのコアに影響を与えずにアクセスを向上させるために、どれほどきめ細かな難易度や機能やモードの設定を導入しているのかを知ると、なぜ他のゲームはそうしないのかと不思議に思うようになる。

また、画面読み上げ機能ができるだけ多くの情報にアクセスできるようにするためには、メニュー画面やゲーム内のUIをどのように構成するのがベストなのかなど、より多くの重要なヒントも掲載されている。

いくつかの機能を追加したり減らしたりすることで、ゲームの「意図」した遊び方に支障をきたすのではないかという意見もある。実際、「DARK SOULS(ダークソウル)」シリーズのように難しくて融通が利かないことで有名なゲームが、どうやってそんな変更を優雅に統合することができるのか、想像するのに苦労する。

しかし、そんなことは頭が良い開発者たちに任せておけばよい。一方で、我々が話題にしているこれらのオプションは、実際、最もハードコアなゲームでさえ、ほとんどすべてが切り替えや調整が可能だ。異なる状況にある他人への配慮が欠けていることを口に出したり、感情を露わにする必要はない。

Microsoftは近年、ゲームのアクセシビリティに向けていくつかの取り組みを行ってきたが、その中でも最も顕著なものは、Xbox Adaptive Controller(エックスボックス・アダプティブ・コントローラー)だろう。これはジョイスティック、ボタン、トリガーとして機能するさまざまな補助デバイスを、同社のプラットフォームに接続できるようにするもので、これによってより多くの人々が、ゲームをプレイしやすい環境を整えることができる。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MicrosoftXboxアクセシビリティ

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ゲーマー同士の出会いを支援する2upがバレンタイン前にローンチ

ゲームとデートを同一視することはあまりないが、そうすべきなのかもしれない。特にパンデミックの影響でゲームの人気が高まる中、2upと呼ばれる新たなスタートアップは画面上でも画面外でもゲーマー同士がつながるのを支援するサービスをローンチしている。

このアプリは若い頃からゲーマーだった兄弟のStephanie(ステファニー)とLincoln Smith(リンカーン・スミス)によって設立された。

画像クレジット:2up

2upは出会い系アプリというわけではない。ユーザーはアプリ上で新しい友達、新しいチームメイト、ロマンチックな関係を探しているのかを指定することができる。また好きなゲーム機やプラットフォーム、好きなゲーム、対戦型かカジュアル型かといった情報を共有することで、興味のある相手を絞り込んでいくことが可能だ。

うれしいことに、2upは昔ながらの8ビットの美学でデザインされている。

このスタートアップは他のマッチングやデートアプリとは異なり、プレミアムサブスクリプションを通じて収益を得ることを計画している。プレミアム版では無制限のスワイプとチャームが提供される。チャームは「Super Like」のようなもので、ユーザーが興味のある相手の注意を引くのに役立つ。

ローンチ時点では、プレミアム 2upの月額利用料は19.99ドル(約2100円)、6カ月間の利用料は月12.49ドル(約1310円)、年間利用料は月8.49ドル(約890円)となる。

2upにはクエストもあり、日常的にアプリを利用したり、毎月のエンゲージメント目標を達成したりすることで報酬を得ることができる。クエストを達成した人はゲーミングヘッドセットやゲーミングチェア、新しいコンソールなどの賞品が当たる抽選会に参加することができる。

「2upはゲーマーを結びつけるネットワークです」と、ステファニー氏は語る。「コンソールにはたくさんの種類があり、それぞれにフォーラムやコミュニティがあります。私たちはすべてのものを統一して、全員を1つの場所に集めたいと考えていました。私たちは、もっと親密な何かが必要だということを知っていました。そして同じコミュニティが画面上でも画面外でも1対1でつながり、人々を結びつける方法を提供したいと考えていました」。

2upは設立当初から自己資金で運営されている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:2upマッチングアプリ

画像クレジット:2up

原文へ

(文:Jordan Crook、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ソーシャルゲーム用動画インフラの構築を目指すPowderが14.5億円を調達

Powder(パウダー)を紹介しよう。大好きなゲームの動画を簡単にシェアでき、好みの合う人たちをフォローしたり、会話ができるようにしてくれるフランスのスタートアップだ。同社はSerenaが主導するシリーズA投資1400万ドル(約14億5000万円)を調達した。

Powderはソーシャルゲーム用動画インフラの構築を目指している。すでに数多くのゲーマーコミュニティがTwitchやDiscordやRedditなどを使ってゲーム動画をシェアしているが、ゲームに特化して大きな支持を得ているモバイルアプリはまだ存在しない。

ゲーマー専用のInstagramやSnapchatといえないこともないが、Powderはそうした主流のソーシャルプラットフォームと似て非なる特別なツールを提供する。

Powderは、あらゆるプラットフォームの動画をキャプチャーできる。Powderのアカウントに接続すれば、ゲーム機でも録画ができて、これまでに取り込んだ動画の再生もできる。同社のデスクトップアプリを使えばパソコンで動画キャプチャーが行える。さらに、モバイルゲームの動画もキャプチャー可能だ。

同社では、好きなゲームの最も価値ある場面の特定にも挑んでいる。たとえば「Rocket League(ロケットリーグ)」のゴールの瞬間や「Fortnite(フォートナイト)」で最後まで勝ち残ったときなどだ。

録画した動画は、トリミングやフィルター加工が可能で、音楽やステッカーをつけてフォロワーにシェアできる。またそれを見た人たちは、リアクションやコメントをつけたり、メッセージを送ったりができる。

 画像クレジット:Powder

同社の調達額は総計で1800万ドル(約18億8000万円)だが、その調達物語は実に透明性が高い。2018年8月、同社はプレシードラウンド40万ドル(約4200万円)を、Kima VenturesとZenlyの共同創設者Antoine Martin(アントニー・マーティン)氏とAlexis Bonill(アレクシス・ボニル)氏から調達。2019年3月にGeneral Catalyst、Slow Ventures、Dream Machine、SV Angel、Brian Pokorny(ブライアン・ポコルニー)氏、Florian Kahn(フロリアン・カーン)氏、Guillaume Luccisanoから150万ドル(約1億5700万円)を調達した。

2020年5月ごろ、同社はシードラウンドの追加拡張で130万ドル(約1億3600万円)を、Alven Capital、Seraam Invest、Farmers、Maxime Demeure(マクシム・デムア)氏、Jean-Nicolas Vernin(ジーンニコラス・バーニン)氏、そして従来からの投資者の一部から調達した。BpifranceとCNCも同社に資金援助している。そして今回は、Serenaが1400万ドルのシリーズAラウンドを主導し、General Catalyst、Slow Ventures、Alven Capital、BpifranceのDigital Venture fund、Secocha Ventures、Turner Novak(ターナー・ノバック)氏、Kevin Hart(ケビン・ハート)氏が参加した。

ご覧のとおり、それは紆余曲折の長い道のりだった。というのも、Powderがゲームのためのソーシャルアプリというものを、すぐに思いついたわけではなかったからだ。同社はこれまで、数々の消費者向けアプリに挑戦してきた。数週間アイデアを練り上げては、うまくいかなければコンセプトを捨てるという繰り返しだった。しかし、どうやらPowderは、大量のダウンロードを促し大量のユーザーを誘い込む、強力なディストリビューションのメカニズムを発見したようだ。

「Powderの基礎となる考え方は、2019年12月に生まれました。当時すでにいくつかのプロジェクトに取りかかっていましたが、どれもあまりうまくいっていませんでした。そこで私たちは、まずコミュニティを作ってからアプリを開発するのが得策だと気づいたのです」と、共同創設者でCEOのStanislas Coppin(スタニスラス・コピン)氏は私に話した。彼は以前、音楽動画アプリMindieを開発した企業を共同創設している。

PowderはDiscordのサーバーとしてスタートし、数万人のメンバーを集めた。その後彼らは、そのコミュニティにアピールするアプリの開発に着手した。それは、コピンの言葉によれば「メタバースカメラ」だ。おかげでローンチ以来、そのiOSアプリのダウンロード数は合計15万件に上っている。

共同創設者はコピン氏の他に3人。Barthélémy Kiss(バルセレミー・キス)氏とYannis Mangematin(ヤニス・マンゲマチン)氏とChristian Navelot(クリスチャン・ナヴェロット)氏だ。従業員数は18名。このほどAndroid版もローンチされた。

 画像クレジット:Powder

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Powder資金調達ソーシャルゲーム

画像クレジット:Powder

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:金井哲夫)

ソーシャルゲームZyngaのCEOがさらなる買収計画を語る

Zynga(ジンガ)がなぜ、2020年の終わりに8億7500万ドル(約915億2000万円)の転換社債を発行したのか不思議に思っている人へ。会社はさらに買収するための「軍資金」を蓄えているところだとCEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は語った。

「ご存知のとおり、最近の当社は業界のコンソリデーター(混載業者)であり、今後もすばらしい会社、すばらしいカルチャー、すばらしいチームをZyngaに迎えるべく、攻めの姿勢を続けていきます」とジボー氏は私に語った。

2020年だけで、Zyngaはトルコ、イスタンブール拠点のゲーム会社を2つ、Peak Gamesを18億ドル(約1882億8000万円)で、Rollicを1億8000万ドル(約188億3000万円)でそれぞれ買収した(後者については当初会社の80%だけを買収した)。

関連記事:Zyngaがトルコ拠点の超カジュアルゲームメーカーRollicの買収を完了、CEOはさらなる買収に意欲的

「私たちにはこれまでに4、5つの成功例があります」とジボー氏はいう。「会社をスタートした時、私たちの電話に誰も答えませんでした。今連絡すると、多くのデベロッパーにとって私たちが目的地の1つとなっていると感じます」。

関連記事:Flashの最後の日、Adobe自身がサポートを停止

ジボー氏と私は、Zyngaの第4四半期決算について話した。同社は史上最高の売上6億1600万ドル(約644億2000万円)と純損失5300万ドル(約55億4000万円。ただし、もう1つの利益の基準である調整後EBITDAでは、9000万ドル[約94億1000万円]のプラスだった)を計上した。1日あたりアクティブユーザーは対前年比77%増の3600万人、月間アクティブユーザーは103%増の1億3400人だった。

将来に向けてZyngaは、2021年の売上を26億ドル(約2719億4000万円。対前年比32%増)、調整後EBITDA4億5000万ドル(約470億7000万円)と予測している。今後の買収によって事業が大幅に成長する可能性があるものの、同社の予測は「買収を仮定していない」とジボー氏は述べ、「私たちは有利な位置にいる、なぜなら2021年に買収を行おうと考えているが、交渉の必要はないからだ」とつけ加えた。

2021年には新しいゲームが揃っている。「Puzzle Combat」「Farmville 3」「Star Wars(スター・ウォーズ)」などだ。さらに同社はハイパーカジュアルなゲームの開発を続けていく他、クロスプラットフォームゲームを開発して海外への拡大、および広告ネットワークの構築も続ける計画だ。ちなみに、近く実施されるApple(アップル)のプライバシー規則変更はZyngaにとって追い風であることを同氏は示唆した。

関連記事:アップルのApp Tracking Transparency機能はデフォルトで有効に、早春にiOSで実装

「伝統的なマーケティングサービスの多くは、うまく生き残ることが難しいでしょう」とジボー氏はいう。「私たちは第1者データ企業(生み出すデータすべてが自分たちのゲームによるサービスから来る)であり、規模も大きいので【略】IDFA(広告主識別子)は我が社にとってチャンスなのです」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga買収

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Nob Takahashi / facebook