NVIDIAがAT&Tやサムスンとの提携によりGeForce NOWクラウドゲーミングのリーチを拡大

米国時間1月4日のCESでNVIDIAは、ゲームストリーミングサービス「GeForce NOW」を特に強調した。これは、Google(グーグル)のStadia(確かまだ存在する)、Amazon(アマゾン)のLuna、人気上昇中のMicrosoft(マイクロソフト)のXbox Cloud Gamingサービスなどに対抗するものだ。これらのサービスはすべて異なるビジネスモデルを採用しており、GeForce NOWでは、プレイヤーが他で購入したゲームを簡単にサービスに持ち込むことができる。NVIDIAは制限付きの無料ティアを提供し、サーバーへのアクセスには月額10ドル(約1160円)からの会費を徴収している。

同社は4日、いくつかの新しいパートナーシップとともに、2013年に発売されたElectronic Arts(EA、エレクトロニック・アーツ)の「Battlefield 4(バトルフィールド 4)」と2018年に発売された「Battlefield V(バトルフィールドV)」が同サービスでストリーミング配信可能になったというニュースを発表した。新しいタイトルのローンチ初日というわけではないが、おめでたい話ではある。

もっと重要なのは、NVIDIAがGeForce NOWのエコシステム全体を拡大し続けていることかもしれない。この場合、それはAT&Tとの契約を意味する。AT&Tは、5G「アンリミテッド」プランで5Gデバイスを使用する顧客に、6カ月間のGeForce NOWプレミアムメンバーシップを無料で提供するとのこと。NVIDIAは、両社が「5G技術革新のコラボレーターとしてタッグを組む」と言っているが、基本的にはマーケティング上の契約を交わしたということだ。5Gが約束するのは、結局のところ低遅延だ。

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リビングルーム向けにNVIDIAは、2021年から2021 LG WebOSを搭載したTVにベータ版を提供した後、Samsung(サムスン)とも提携し、同社のスマートTVにゲームストリーミングプラットフォームを提供していく。

「当社のクラウドゲーミングサービスは、Samsung Gaming Hubに追加されます。Samsung Gaming Hubは、ハードウェアとソフトウェアの架け橋となり、より優れたプレイヤー体験を提供する新しいゲームストリーミング・ディスカバリープラットフォームです」とNVIDIAは4日の発表で述べた。この契約について同社は、2022年の第2四半期にさらに詳しい情報を発表する予定だ。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

NVIDIAの次世代クラウドゲーミング「GeForce Now RTX 3080」は1440p/120fpsの超低遅延ストリーミングが可能に

NVIDIAは「デスクトップクラスのレイテンシー」と「PCまたはMacで最大120fpsの1440pゲーミング」を実現する次世代クラウドゲーミングプラットフォーム、GeForce Now RTX 3080を発表した。このサービスは、GeForce Now SuperPodと呼ばれる新しいゲーミングスーパーコンピュータにより提供され、価格は現在のPriorityの2倍となっている。

SuperPodは、NVIDIAによると「これまでに作られた中で最も強力なゲーミングスーパーコンピュータ」であり、3万9200TFLOPS、1147万7760個のCUDAコア、8960個のCPUコアを実現している。同社は、35TFLOPS、つまりXbox Series Xの3倍、または8コアのCPU、28GBのDDR4-3200 RAM、PCI-GEN4 SSDを搭載したPCとほぼ同等の体験を提供するとしている。

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そのため、MacやPCでは最大120fpsの1440pゲーミング、SHIELDでも4K HDRを見ることができるが、後者のリフレッシュレートについてはNVIDIAは言及していない。また、モバイルでも120fpsをサポートし「次世代の120Hzディスプレイをサポートします」とNVIDIAは述べている。これに対して、GeForce NowのPriorityレベルは、1080p / 60fpsに限定されており、最新のアップデートではAdaptive VSyncが利用可能だ。

また、バッファリングを低減するアダプティブシンクなどのトリックにより「クリック・トゥ・ピクセル(click-to-pixel)」のレイテンシーを56msまで短縮し、他のサービスやローカルの専用PCにも勝てるとしている。ただし、これはGeForce Nowのデータセンターまでの往復遅延(RTD)が15msであることを前提としており、そこは当然ながらインターネットプロバイダーや所在地に左右される。

NVIDIAの主張はさておき、モバイルデバイスでもPCでも、現行のGeForce Priorityレベルよりも明らかにスピードアップしている。しかし、そのスピードにはコストがともなう。GeForce Nowのプレミアムメンバーシップは、年間50ドル(約5700円)から始まり、最近では倍の100ドル(約1万1400円)に値上がりし、すでにかなり大きい要求になっている。しかし、RTX 3080メンバーシップは6カ月間100ドル(約1万1400円、約2倍の価格)で「数量限定」となっており、Foundersと優先的なアーリーアクセスが米国時間10月21日から始まる。とはいえ、謳い文句通りなら、いずれにしても新しいPCを買うよりは安い。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

NVIDIAが米国でのGeForce Nowのサブスクを月額約1000円に引き上げ

NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce Now」がサブスクリプションプランの変更を発表した。米国時間3月18日から、有料メンバーシップは月額9.99ドル(約1090円)、または年額99.99ドル(約1万900円)で「プライオリティ」メンバーシップという名称になる。

現在の「ファウンダー」メンバーは、サブスクリプションを継続する限りは現在の価格である月額5ドル(約545円)が維持される。サブスクリプションをやめると、その後は月額5ドルでは利用できない。

2020年にNVIDIAが初めてGeForce Nowの有料プランを導入した際、同社はユーザーに対し情報をある程度明らかにしていた。月額4.99ドル(約545円)で「ファウンダー」エディションを利用できるが、いずれかの時点でサブスクリプション価格を引き上げる意向があるとしていたのだ。ここにきてNVIDIAは方針を決め、有料サブスクリプションは月額9.99ドル(約1090円)の価値があると考えたようだ。

あまりご存じでない方のために説明すると、GeForce Nowでは近くのデータセンターにあるパワフルなゲーミングPCでゲームを始めることができる。データセンターで動作しているゲームが、自分のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、テレビにビデオストリーミングされる。iOSとiPadOSではウェブアプリを利用し、一部のAndroid TVでも動作する。コントローラーのボタンを押すとそのアクションがサーバーにリレーされて、ゲームを操作できる。数十ミリ秒で処理されるので、現時点のクラウドゲームエクスペリエンスとしては最もスムーズな部類だ。

Google StadiaやAmazon Lunaとは異なり、NVIDIAは自社のゲームストアを開設していない。GeForce Nowの利用者は、すでに自分が所有しているゲームを起動する。GeForce NowプラットフォームはSteam、Epic Games、GOG.com、Ubisoftに対応している。

ゲームパブリッシャーはGeForce Nowに登録する必要がある。つまりSteamのゲームを持っていても、すべて利用できるとは限らない。現在、GeForce Nowはリンク先のページに掲載されているおよそ800種類のゲームに対応している。

GeForce Nowは最初に無料で試用することができる。NVIDIAは無料メンバーシップを提供しており、これが無料トライアルと考えられる。まず無料のサーバーが利用できるようになるまでキューで待機しなくてはならない。これが5分か10分、15分かかることもある。

その後のセッションは1時間に制限されている。1時間プレイするとサーバーからはじかれる。ゲームを再開することはできるが、もう一度待たされる。

有料メンバーになるとゲームはほぼ瞬時に始まり、1回につき最長6時間プレイできる。6時間経過した後も、すぐに再開される。有料メンバーはRTXグラフィックスも利用できる。

仕様に関しては、NVIDIAはCPU、グラフィックカード、RAMの異なるいくつかの構成を用意している。Fortniteをプレイする場合はミッドレンジのPCでも極めて高度なグラフィックスを得られるので、最高の構成は使われないようだ。しかし「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」を起動すると、サービスは優先的にスペックの高い構成を使おうとする。

NVIDIAによれば、GeForce Nowは1000万人近くのユーザーを獲得したという。そのうちどの程度が有料サブスクリプションを利用しているかは公表されていない。

2020年にNVIDIAはデータセンターの数を倍増させた。現在はNVIDIAまたは各地のパートナーが運営するデータセンターが20カ所以上ある。NVIDIAは既存のデータセンターのキャパシティを拡張する他、アリゾナ州フェニックス、カナダのモントリオール、オーストラリアにデータセンターを新たに開設する計画だ。

ゲームをアカウントとリンクして起動しやすくしたり、積極的にゲームを事前にロードするなど、使い勝手にかかわるアップデートも実施される。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NVIDIAGeForce Nowクラウドゲームサブスクリプション

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

LGのスマートテレビでクラウドゲームGoogle StadiaとNVIDIA GeForce Nowが利用可能に

LGはCESのプレスカンファレンスで、2021年に向けたテレビのラインナップを説明することに大部分を費やした。同社のテレビにはより大型で、より薄型で、より明るい製品が期待できるようだ。ここでそれら新型モデルの仕様を書き連ねるつもりはない。しかし、特筆すべき新機能はいくつかある。

LGは自社のテレビにAndroid TVをOSとして使っていない。代わりにwebOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステムを採用しており、アプリ開発者はLGのスマートテレビ向けに専用バージョンのアプリをリリースしなければならない。そしてLGは今回、Google Stadia(グーグル ステイディア)とNVIDIA GeForce Now(エヌビディア・ジーフォース・ナウ)が同社の2021年モデルのテレビで利用可能になることを発表した。

GoogleのクラウドゲームサービスであるStadiaは、2021年後半に利用可能になる。ただし、全世界でというわけではなく一部の国のみだ。Stadiaが利用可能な国に住んでいれば、Chromecastのプラグを抜いてStadiaにアクセスできるようになる。

Stadiaは、クラウド上で動作するゲーム機のようなものだ。最寄りのデータセンターでゲームを購入して実行すると、その映像が自宅のテレビに直接ストリーミングされる。ゲームパッドの操作はサーバーを介してプレイ中のゲームに反映される。

NVIDIAのクラウドゲーミングサービスであるGeForce Nowは、2021年中に利用可能になる予定だ。こちらのサービスはSteam(スチーム)、Epic Games(エピック・ゲームズ)、GOG、Ubisoft Connect(ユービーアイソフト・コネクト)のライブラリを利用できるという点が少々異なる。

これまでNVIDIAは、NVIDIA Shield TVにGeForce Nowアプリを搭載した自社のセットトップボックスを優先してきたが、最近ではこのAndroid向けアプリがより多くのデバイスをサポートするようにアップデートされている。さらにwebOSをサポートすれば、Android TV以外へもますます拡大していきそうだ。

LGは2021年、webOSを新しいインターフェースにアップデートすることも発表した。画面下部にあったオーバーレイメニューは、フルスクリーンメニューに変更される。これによって、ユーザーは好みのアプリを見つけたり、ライブTVにアクセスしたり、いくつかのおすすめコンテンツを受け取ることができるようになる。そして広告にも使われるだろう。

ゲームをプレイしている時は、最も関連性の高い設定にアクセスするための新しいゲームメニューが表示される。たとえば現在プレイ中のゲームの種類(FPS、レースゲームなど)に応じて、このメニューからテレビのプロファイルを切り替えることができるようになるのだ。普通はゲームのジャンルに関わらず、できるだけ遅延を減らしたいと思うはずで、個人的にこの機能はあまり意味がないように思えるが。G-SYNCやFreeSyncに対応した機種を使用しているなら、これらの機能をオンにすることも可能だ。

有機ELテレビの新製品には、旧型プロセッサを搭載するエントリーラインの「A1」シリーズ、可変リフレッシュレートや低遅延などで現代のゲーム機にも対応した「C1」シリーズ、そしてラインナップの最上位モデルとして3種類のサイズ(77インチ、65インチ、55インチ)が用意された「G1」シリーズがある。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:LGスマートテレビGoogle StadiaNVIDIAGeForce NowクラウドゲームCES 2021

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(翻訳:TechCrunch Japan)