オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルサービスを手がけるNearMe(ニアミー)は3月30日、空港と市内を結ぶ送迎サービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)について、北九州空港に本拠を置く航空会社のスターフライヤーと提携を開始。北九州空港と北九州市内をドアツードアで結ぶ空港版スマートシャトルの予約を、同日よりスタートしたことを発表した(前日までの事前予約制のため運行開始は4月1日から)。九州エリアでは、福岡空港の送迎シャトルに続いて2空港目となる。

NearMeは、独自のAIを活用し、2019年夏に空港送迎版の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)のサービスを開始。2022年2月、北九州市が行なう「スタートアップSDGsイノベーショントライアル事業(実証支援事業)」を通じ、北九州市内・苅田町と北九州空港をドアツードアで結ぶスマートシャトルの実証実験を実施した。今回その結果を受け、スターフライヤーの協力のもと北九州空港と市内を結ぶ送迎シャトルのサービス開始に至ったという。

nearMe.Airportは、北の新千歳空港から南の那覇空港まで、今回の北九州空港を含め全国13空港で利用できるようになった。

スマートシャトル」運行概要

  • サイトURLhttps://app.nearme.jp/airport-shuttle/
    ・多言語対応。現状は日本語と英語、今後は5カ国語対応予定
  • 利用方法:オンラインによる事前予約制。前日18時までに予約
  • 運行開始:2022年4月1日
  • 発着点:北九州空港←→北九州市内の指定箇所

料金

  • 北九州空港←→北九州市小倉南区、苅田町:1回2480円(税抜)/人から
  • 北九州空港←→北九州市小倉北区:1回3980円(税込)/人から
  • 北九州空港←→北九州市門司区:1回4980円(税込)/人から
  • オンライン決済が可能なのでチケット不要。飛行機遅延に伴う料金請求はなし
  • 各エリア内であれば乗降車場所問わず定額
  • 大人1名につき、12歳未満の児童2名まで半額適用

また同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

社会課題解決ビジネス創出プログラム「SENDAI NEW PUBLIC」デモデーが3月25日に開催

宮城県仙台市とベンチャーキャピタル(VC)のサムライインキュベートは3月15日、社会課題解決ビジネス創出プログラム「SENDAI NEW PUBLIC」のデモデーをオンライン開催すると発表した。開催日時は3月25日午前10時から午後1時(予定)。参加費は無料。プログラム採択者7名が事業事案を発表した後、審査の上優秀者には賞が贈られる。

SENDAI NEW PUBLICは、仙台市が取り組む「起業家を生み育てるエコシステム構築」の一環として、SDGsの達成につながる行政課題や地域課題の解決を目標に、採択された起業家やスタートアップの事業案の具現化を支援するプログラムだ。技術シーズを持つ研究者やスタートアップ企業について、「事業計画のブラッシュアップ」や「事業コンセプトの創出」「ニーズ検証」を支援するという。

またデモデー開催に合わせ、科学技術振興機構(JST)が運営する社会還元加速プログラム(SCORE)の一環として、事業アイデアのレクチャー、ワークショップ、相談会を行う「事業化人材発掘キャラバン」も実施される(こちらはオフライン開催)。

「SENDAI NEW PUBLIC」デモデー概要

  • 開催日:2022年3月25日
  • 開催時間:10時から13時(予定)
  • 開催場所:オンライン
  • 参加対象者:採択者の事業アイデアや技術に関心のある大手企業、中小企業、VC、自治体、大学の研究者
  • 参加費:無料
  • 申し込みhttps://snp2022.peatix.com/

成果発表者7名と発表テーマ(登壇予定順)

  • 菅野恵美氏
    所属:東北大学大学院 医学系研究科看護アセスメント学分野准教授
    発表内容:ナノ型乳酸菌を用いた生理痛緩和製品の開発
  • 酒井正夫氏
    所属:ゼロワ取締役CTO / 東北大学データ科学・AI教育研究センター准教授
    発表内容:地域の「活性化」と「スマート化」のための市民アクティビティ「視える化」サービス
  • 関口雄介氏
    所属:東北大学病院 理学療法士
    発表内容:リハビリテーションの質向上を目指す歩行診断AI
  • 金子萌氏
    所属:想ひ人代表取締役
    発表内容:ケアラー負荷軽減サービス
  • 松尾歩氏
    所属:東北大学大学院 農学研究科助教
    発表内容:DNA解析を活用した食品のトレーサビリティシステムの構築
  • 伊藤暁彦氏
    所属:横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
    発表内容:レーザーCVD技術を活用した薄膜セラミックス単結晶成長
  • 萩原嘉廣氏
    所属:東北大学大学院医学系研究科スポーツ・運動機能再建医学寄附講座准教授
    発表内容:カスタム型骨折用プレート製造

「事業化人材発掘キャラバン」概要

  • 開催日:2022年3月25日
  • 開催時間:13時30分~17時30分
  • 開催場所:スマートイノベーションラボ仙台
    (仙台市青葉区一番町2-8-1 NTT青葉通ビル東棟1F)
  • 参加対象者:自身の技術や研究成果を社会に役立てたい方
  • 参加費:無料
  • 応募ページ:https://snp-0325-1330.peatix.com/

CO2排出量可視化・脱炭素化クラウドENERGY X GREENなど手がけるbooost technologiesが12億円調達

CO2排出量可視化・脱炭素化クラウドENERGY X GREENなど手がけるbooost technologiesが12億円調達

クラウド型エネルギーマネジメントシステム「ENERGY X」と、CO2排出量可視化・脱炭素化クラウド「ENERGY X GREEN」を展開するbooost technologiesは2月2日、シリーズAラウンドにおいて、総額12億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、リードインベスターのグロービス・キャピタル・パートナーズ、また東京大学エッジキャピタル(UTEC)、 NTTドコモ・ベンチャーズ。調達した資金は、事業と組織拡大のための採用強化・プロダクト強化に充当される。CO2排出量可視化・脱炭素化クラウドENERGY X GREENなど手がけるbooost technologiesが12億円調達

booost technologiesは、「次世代に誇れる未来を創造し、社会のために役立つテクノロジー集団」であることをビジョンに掲げ、カーボンフリーな未来の実現を目指すクライメートテック(気候テック。Climate Tech)カンパニー。

CO2フリー電力などの調達・供給を可能にするENERGY Xの提供をはじめ、2021年にはエネルギー分野での専門性と知見を活かし、組織の脱炭素化に必要なCO2排出量の「可視化」「計画策定」「予実管理・オフセット」「報告レポート」を行えるENERGY X GREENをリリース。ENERGY X GREENは、リリース当初から上場企業を中心に導入され、脱炭素化を推進する各業界のリーディングカンパニーに利用されているという。

2022年4月よりプライム市場における非財務情報の開示義務化が開始されるにあたって、ENERGY X GREENを導入する企業は順調に増加しているという。その状況を受け、さらなる脱炭素化を加速させるため「ENERGY X GREENのプロダクト強化」「アライアンス・パートナーシップ構築のためのパートナーサクセス体制の強化」「導入先のお客様に対する支援体制の強化」を目指し、今回の資金調達に至った。

プロダクトの強化については、業界ごとに最適化した機能や、排出量可視化後の排出量削減のための機能を特に拡充させ、2030年のSDGsの達成、および2050年の実質的なカーボンニュートラル実現を加速化させることを目標にしたいという。

カキの養殖・技術DXなどを手がけるリブルが総額1億円調達、養殖技術の強化拡大を目指す

牡蠣(カキ)の人工種苗生産・販売から養殖・販売・スマート漁業化まで牡蠣関連事業に取り組むリブルは2月1日、第三者割当増資により総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は食の未来1号投資事業有限責任組合、SBプレイヤーズ、地域とトモニ1号投資事業有限責任組合、Less is design、瀬戸内Startups 1号投資事業有限責任組合、オプティマ・ベンチャーズ。

調達した資金は、水産業界においてニーズが高まっているという三倍体種苗の生産・供給能力の拡大と、養殖技術の見える化や生産作業の省力化・効率化(水産DX、スマート漁業、スマート養殖)、他地域漁場への技術展開にあてる。三倍体種苗とは、生き物が通常2組持つ染色体を3組持つ「産卵しない」牡蠣という。卵を作らないため身痩せすることがなく、通年で出荷することが可能。種なしブドウや種なしスイカが代表例とされる。

2019年よりリブルは、自社漁場においてシングルシード生産方式の実装可能性を模索し、新たな養殖技術の見える化に取り組んできた。シングルシード方式とは、ホタテの貝殻に密集した状態で付着した牡蠣を筏から吊り下げる従来型の養殖手法ではなく、牡蠣をかごに入れて1粒1粒バラバラの状態で養殖をする手法という。付着物が付きにくく、殻が綺麗に形成される。

従来の牡蠣養殖の手法では、天然採苗と養殖育成の過程で資材として使われるプラスチック部材の大量消費・流出が課題となっており、同社では、シングルシード生産方式への切り替えを通じて、経済性向上に加え、環境負荷を軽減した手法を全国に広める取り組みを展開している。これにより、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、「海の豊かさを守る」取り組みを続けていくとしている。

また、牡蠣養殖の要となる「種苗」において、天然種苗からのマーケットシフトに備え、研究開発を繰り返し、国内トップ水準を自負できる人工種苗の技術力を築いてきたという。今後、シングルシード生産方式におけるスマート養殖技術の他地域展開、高品質な三倍体種苗の供給の強化・拡大を展開していくため、資金調達を実施した。

2018年5月設立のリブルは、牡蠣養殖から日本の水産業の改革に取り組む水産領域スタートアップ。自社漁場を所有し養殖に取り組み養殖事業者目線でのニーズを熟知しているほか、種苗生産から成品生産販売・スマート漁業化まで一気通貫で取り組んでいる。日本の水産業に今一度誇りを取り戻すとともに、「世界一おもしろい水産業へ」をコンセプトにチャレンジを続けている。

植物肉スタートアップのDAIZが30億円のプレシリーズC調達、熊本・新工場による生産体制強化と国内外でさらに販路拡大

植物肉スタートアップのDAIZが総額30億円のプレシリーズC調達、熊本・新工場による生産体制強化と国内外でさらに販路拡大発芽大豆由来の植物肉(代替肉)「ミラクルミート」を開発・生産するDAIZは2月1日、プレシリーズCラウンドにおいて、第三者割当増資による総額30億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、日清食品ホールディングス、丸井グループ、三菱ケミカルホールディングス、長谷川香料、物語コーポレーション、東洋製罐グループホールディングスの事業会社6社と、インベストメントLab、三井住友海上キャピタル、グローバル・ブレインなどの金融投資家4社。累計資本調達額は60億5000万円となった。国内のフードテック・スタートアップとしては、最大級の資金調達額。また、植物肉市場の成長が著しい海外での事業展開を見据えており、現地生産拠点の確保のために2022年中に追加で数十億円規模のシリーズCラウンドの資金調達を計画している。

プレシリーズCラウンドで調達した資金は、ミラクルミートの生産体制の拡大と研究開発(R&D)の強化、グローバルでの事業展開、成長を支える人材採用などにあて、さらなる事業基盤の拡充を図る。生産体制の拡大として、2023年の稼働を目指して熊本県内に新工場を建設する計画が進行しており、現在の年間生産キャパシティ4000トンの5倍の年間2万規模になるという。

また、成長資金の獲得と提携企業との協業によりミラクルミートの商品開発や販路拡大、SDGs観点の差別化訴求などを推進する。

DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とした熊本発のフードテック領域のスタートアップ。DAIZが生み出した環境負荷が小さい次世代の植物肉ミラクルミートは、大手ハンバーガーチェーンや、大手スーパー各社、飲食店など50社を超える採用実績を持ち、味の素やニチレイフーズなどの大手食品メーカーとの共同開発も進めてきた。

大手企業と連携して日本の食品技術を結集させた「オールジャパン構想」のもと、さらに研究開発を重ねることで「ミラクルミート」の価値向上を図っているという。また、2021年5月には米国・ボストンにDAIZ初の海外子会社を設立し、欧米市場へ進出した。

ネクイノ・南海電鉄・泉北高速鉄道、生理用ナプキン無料提供サービス導入に向け駅トイレなどで今春から実証実験開始

オンライン診察でピルを処方するアプリ「スマルナ」(Android版iOS版)などを運営するネクイノ南海電鉄泉北高速鉄道は1月28日、南海電鉄の難波駅と商業施設、泉北高速の泉ヶ丘駅などの一部女性用トイレにおいて、生理用ナプキンを無償提供する実証実験を行うと発表した。期間は2022年春から約3カ月間の予定。駅の改札内にある女性用トイレに導入するのは関西の鉄道会社では初という。

実施場所のうち、駅については難波駅3階東、難波駅3階西、泉ヶ丘駅となっている。施設は、なんばパークス3階、なんばスカイオ10階、パークスタワー7階、なんばCITY従業員用の一部女性用トイレ。

この実証実験は、ネクイノが2022年3月頃から公開する専用アプリ(無料)をダウンロードのうえ起動し、女性用トイレに設置されたディスペンサーにスマートフォンをかざしてもらう(QRコードを読み取り)ことで、生理用ナプキンを無料提供するサービスを用いて実施するもの。専用アプリは、アプリストアからの事前ダウンロードに加えて、個室トイレ内のQRコードによるダウンロードも可能。

この取り組みを通して、ネクイノ、南海電鉄、泉北高速鉄道の3社は、多様な顧客の利便性向上を目的として生理用ナプキンを提供できる環境を整備し、利用者のニーズや意見などを把握し最適な形での導入を検討するとしている。

ネクイノは、医師や薬剤師、弁護士などの医療および関連法規分野に知見を持つ人材が集まり2016年6月に設立。ITを活用したオンライン診察をはじめ、健康管理支援、未病対策など、多様なライフスタイルや健康状態に合わせて選択活用できる医療環境を生み出している。スマルナのほか、マイナンバーカードと健康保険証をリンクさせるセキュアな個人認証システム「メディコネクト」の提供も行っている。

お魚サブスク「フィシュル」で魚の食品ロス削減を目指すベンナーズが3200万円調達、サービス認知拡大目指す

魚の食品ロス削減を目的としたお魚サブスクリプションサービス「Fishlle!」(フィシュル)を運営するベンナーズは1月17日、第三者割当増資による総額3200万円の資金調達を1月14日に完了したと発表した。引受先はアカツキ、セゾン・ベンチャーズ、エンジェル投資家の海野慧氏。

調達した資金は、フィシュルのデジタルマーケティングチャネルの確立とPR強化、ユーザビリティ向上のための商品ラインナップの拡充とカスタマーサポート体制強化、シリーズAラウンドに向けた人材採用強化にあてる。

ベンナーズは、魚の食品ロスを減らすことで「日本における水産業の発展」と「作り手、使い手、社会を豊かにすること」を目的に、お魚のサブスクリプションサービスを2021年3月よりECサイトでスタート。ライフスタイルの変化による消費者ニーズの多様化や、コロナ禍による人々の生活・行動様式の変動に対応し、衰退しつつある日本の魚食文化の再建を目標としているという。

フィシュルは、最適な味付けを施した上で、季節ごとに旬の魚のミールパックを定期便として届けるサービス。形の悪さや十分な水揚げ量がないといった、味には関係のない理由で規格外とされ価値が付かず通常の流通に乗らない「未利用魚」を積極的に利用することで、食品ロス削減と漁業者の収入の底上げも図っているそうだ。

またそうした形で、SDGs12条の「つくる責任 つかう責任 持続可能な方法で生産し、責任を持って消費する」とSDGs14条「海の豊かさを守ろう。持続可能な社会のために、海と海の資源を守る 海と海の資源を持続可能な方法で利用する」への貢献も目指している。

2018年4月設立のベンナーズは、食の三方よし「作り手、使い手、社会を豊かにすること」を目指す、福岡拠点のスタートアップ。フィシュルなどによる魚の食品ロス削減のためのプラットフォーム事業や卸売業を事業としている。

衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリGRASP EARTH ForestをRidge-iが開発

衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリ「GRASP EARTH Forest」をRidge-iが開発、違法な伐採を自動検出

AI・ディープラーニング領域のコンサルティング・開発を手がけるテックイノベーションファーム、Ridge-i(リッジアイ)は12月6日、衛星データを利用した森林伐採の進行状況を可視化できるアプリケーション「GRASP EARTH Forest」を開発したことを発表した。ヨーロッパの光学衛星Sentinel-2の観測データを利用し、約1週間の周期で全地球の変化を捉えることができる。

衛星データで世界中の森林伐採の状況を可視化できるアプリ「GRASP EARTH Forest」をRidge-iが開発、違法な伐採を自動検出

Ridge-iでは、GRASP EARTH Forest利用の実例として、千葉県南部の大規模開発を検出した様子を写真で示している。下の写真では、Google Map上で赤く塗られた箇所が森林伐採された地区を示している。2018年1月から2021年1月にかけて伐採が行われたと思われる場所だ。

GRASP EARTH Forestでは、伐採状況の時間的変化もグラフで示してくれる。下の写真は、指定した伐採箇所のグラフが表示されている。グラフの縦軸が植生指数(植物の量)、横軸が時間。これを見ると、2019年の一時期に急激に植生が減少している。そのことから、この時期に森林が伐採されたものと推測できる。

このアプリケーションで、違法な森林伐採や、許可量を超えた伐採などの自動検出が可能になるとRidge-iは話している。また、関心のある地域の状況のレポートを、ウェブアプリやPDFで定期的に提供することも可能とのことだ。下記リンクからトライアル版の申し込みができる。

https://deep-space.ridge-i.com/contact

データ活用支援のDATAFLUCTが2.5億円の資金調達、マルチモーダルデータプラットフォーム開発を強化

画像や動画、音声、文書などの異なる様式のデータを統合的に処理する「マルチモーダルデータ」の活用サービスを提供するDATAFLUCT(データフラクト)は11月22日、日本政策金融公庫の融資により2億5000万円を資金調達したことを発表。今回の資金調達は、「新株予約権付融資制度」を活用した融資により実施した。同制度は、新たな事業に取り組み株式公開を目指すベンチャー企業を対象に、融資と同時に日本政策金融公庫が新株予約権を取得することで無担保で資金を供給するというもの。これによりDATAFLUCTの資本性および負債性資金の累計調達金額は6億9000万円となった。

DATAFLUCTは2019年の創業以来、「データを商いに」というビジョンのもと、社会課題の解決を軸に各業界に特化したデータサイエンスサービスを展開。11月時点で公開したサービス数は20を超える。スタートアップの活躍が期待されるESGやSDGsの視点からも新たな課題に取り組み、7月には「脱炭素」を事業機会に変えるアイデアとして、決済データから消費のカーボンフットプリントを可視化するサービスを公開し、事業化に向けた取り組みを進めている。

企業の9割以上の企業がDXに着手できていないという現状の中(経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ)」)、DATAFLUCTは多数の大手企業のDXを支援してきた。今回調達した資金は、マルチモーダルデータプラットフォームサービスを中心とした新規サービス開発および既存サービスの強化、マーケティング強化にあてられる。構造化・非構造化を問わず、あらゆる種類のデータをつなげて資産化し、ノーコード、エンドツーエンドで活用できる環境を提供する「マルチモーダルデータプラットフォーム構想」の実現に向け、新規サービスの投入および既存サービスの強化に順次取り組む予定。

11月下旬には、ノーコードのエンドツーエンド機械学習プラットフォーム(マルチクラウドAutoML)「DATAFLUCT cloud terminal.」をリニューアル。12月中旬には新規サービスとして、社内に散在するデータや外部のオープンデータの集約のほか、非構造化データの構造化などの前処理をAI技術で実行しカタログ化するデータレイク/データウェアハウス「AirLake」(エアーレイク)を提供開始する予定。データ活用支援のDATAFLUCTが2.5億円の資金調達、マルチモーダルデータプラットフォーム開発を強化

今後も、SCM(サプライチェーンマネジメント)のための需要予測プラットフォームサービスやノーコード対話型BIプラットフォームサービスを投入し、オールインワンでソリューションを提供するため事業の強化を目指す。これまでに分析の材料とされていなかったデータを利用したり、データ同士を新たに組み合わせられる環境を提供することで、これまでにない洞察を獲得できる「データの資産化」を推進するサービスを継続的に開発し、専門知識や技術の有無にかかわらず利用できるUI/UXの採用によってデータ活用人材の拡張を図りたいという。

代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

発芽大豆由来の代替肉(植物肉)「ミラクルミート」を開発・生産するスタートアップ「DAIZ」は11月19日、物語コーポレーションとの資本業務提携を発表した。物語コーポレーションは、焼肉きんぐにおいて、ミラクルミートをベースにした新たな焼肉商材の共同開発とイノベーションを推進する。また、DAIZがミラクルミートを使用してレシピ開発した餃子・春巻きなどの商品を丸源ラーメンなど複数業態において展開を拡大させる。海外店舗においても、ミラクルミートを使用した商品の現地製造ならびに販路拡大を予定しているという。

物語コーポレーションは、国内において郊外ロードサイドを中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」、中国・上海では「蟹の岡田屋総本店」「熟成焼肉 焼肉王」など国内外16ブランド595店舗を展開する外食企業。物語コーポレーションが掲げる中期経営計画「ビジョン2025」では、2025年期に「アジアにおける業態開発型カンパニー」として、グループ売上高1500億円(直近2021年期実績:959億円)を目標とし、既存事業の強化や新事業、新業態の開発を推進している。

DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)をコア技術とするフードテック領域のスタートアップとして、環境負荷が小さなミラクルミートの研究開発・提供を通じて、タンパク質危機や地球温暖化の解決の一助となることを目指している。より多くの消費者へ、新たな肉として代替肉の認知向上を図り、サステナブルな食文化の啓蒙をするべく、今回の資本業務提携に至った。

SDGs(持続的開発目標)達成に対する取組みとして、地球環境に配慮した商品ニーズに対応するべく、環境負荷の小さミラクルミートを使用した新商品開発および販売を拡大させる。また「環境」「飢餓」などの課題解決に、より積極的に取り組みを推進するという。

DAIZによると、従来代替肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さ・油臭さ、肉に見劣りする機能性(栄養価)の点で課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。

これに対してDAIZの代替肉ミラクルミートは、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また、味や機能性を自在にコントロールする落合式ハイプレッシャー法で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。この発芽大豆を、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減したミラクルミートを製造しているという。

代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開へ

PETボトルを常温で分解し原料を高純度で回収する方式を産総研が開発、原料化温度を従来の200度以上から常温まで低下

産業技術総合研究所(産総研)は11月8日、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を常温で効率的に分解し、再利用を可能にする技術の開発を発表した。環境負荷やエネルギーコストが大幅に削減され、ペットボトルから新しい高品質なペットボトルを再生産する道が拓かれる。

PETボトルの再生方法には、熱で溶かして再成形する「マテリアルリサイクル」と、化学的に低分子化合物に分解して新たに製品化する「ケミカルリサイクル」とがある。マテリアルリサイクルは、回収されたPETボトルを分別して熱で溶解するが、不純物が混じり込むことが多く、溶解前の製品と同品質にすることが難しい。また、ケミカルリサイクルでは、一般に大量の薬剤や高温処理が必要であったため、コストも高く環境負荷も大きい。

PETボトルからまたPETボトルを作る「ボトルtoボトル」を実現するには、高純度な原料を高効率で回収できなければならない。それが可能なのはケミカルリサイクルだ。ケミカルリサイクルでは、PET樹脂はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとに分解される。しかし、この2つの原料は分解時と同じ条件で再び結合してPET樹脂に戻ってしまう。そのため、この2つを反応させないための工夫が必要となる。その反応を止めるには、大量の反応剤を投入する方法と、200度という高熱をかけてエチレングリコールを取り除く方法とがあるが、どちらも非効率だ。

今回、産総研が開発した方式はケミカルリサイクルだが、大量の薬剤も高温処理も必要としない。市販の飲料用PETボトルをフレーク状に粉砕した試料に、メタノール、炭酸ジメチル、アルカリ触媒であるリチウムメトキシドを適切な比率で混合し3時間ほど室温に置くことで90%以上が分解できるというものだ。反応温度を50度にすると、すべてのPETが分解した。この方法では、テレフタル酸ジメチルは簡単な精製によって99%以上が分離できる。また、エチレングリコールは炭酸ジメチルに捕捉され、高い割合で回収ができる。PETボトルを常温で分解し原料を高純度で回収する方式を産総研が開発、原料化温度を従来の200度以上から常温まで低下

分離したテレフタル酸ジメチルはPET樹脂に加工でき、テレフタル酸ジメチルはリチウムイオン電池の電解液などに再利用できる。リチウムメトキシドは反応後は不溶物として沈殿するため、簡単に分離、回収ができる。

今後は、このリサイクル方法の社会実装を目指し、触媒の改良、反応のスケールアップ、PET含有製品への適用可能性を検討するとしている。

UPDATER(旧みんな電力)が総額37.2億円のシリーズC調達、独自トレーサビリティシステムの高速化などに投資

日本初、アーティストの発電所から再エネ電気が買える「アーティスト電力」をみんな電気が始動

再生可能エネルギー事業「みんな電力」などを手がけるUPDATER(2021年10月1日にみんな電力より社名変更)は10月29日、第三者割当増資などにより新たに総額10.7億円の資金調達を実施したと発表した。

これにより、プレシリーズCラウンド15億円、シリーズCラウンド ファーストクローズ11.5億円とあわせ、シリーズCラウンド総額37.2億円の資金調達を完了した。また今回の資金調達により、累計資金調達額は約52.2億円となった。

引受先および借入先は、以下の通り。
・TBSイノベーション・パートナーズ2号投資事業組合(TBSホールディングスCVCのTBSイノベーション・パートナーズ)
・TIS
・ヒューリック
・プロトベンチャーズ2号投資事業有限責任組合(プロトコーポレーションCVCのプロトベンチャーズ)
・SuMi TRUSTイノベーションファンド(三井住友信託銀行とSBIインベストメントが共同設立したプライベートファンド)
・みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合(みずほキャピタル)
・W ventures
・進和テック
・日本政策金融公庫

調達した資金および事業パートナーとの連携により、主に以下の分野に注力する。
・ブロックチェーン(Stellar)技術を活用した、同社独自のトレーサビリティシステム「ENECTION2020」の書き込み機能の高速化・低コスト化・各事業への最適化
・ウェルビーイングを実現するエアテック事業「みんなエアー」のサービス開発
・SDGsの達成をはじめとした社会課題解決のための新規事業創出
・人材採用の強化

SDGsが募集テーマのMinecraftカップ2021全国大会の第2次地区ブロック審査会が11月開催

Minecraftカップ全国⼤会運営委員会は10月21日、「Minecraftカップ2021全国大会」日本各地の地区ブロック予選(1次審査)を通過した代表選手による2次審査会を開催すると発表した。11月7日より全国を5ブロックにわけて行なわれ、内容は1次審査通過者のプレゼンテーションと審査員による質疑応答となる。その模様はYouTube「Minecraft カップ」にて生配信される。審査基準と日程は以下の通り。続く最終審査会は2022年1月30日にオンラインでの開催を予定している。

作品募集テーマ「SDGs時代のみんなの家、未来のまち」

以下の3つのうち、1つ以上のSDGsの目標を取り入れてワールドを制作する。

  • 3:すべての人に健康と福祉を
  • 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 15:陸の豊かさも守ろう

審査基準

  • 構想力:既存の枠にとらわれない発想で作品テーマを構想できているか
  • 調査力:テーマに対して様々な調査を行えているか
  • 技術:プログラミングやレッドストーンが活用されているか
  • 計画力:計画を立てて取り組むことができるか
  • 作品完成度:上記をふまえて総合的に作品のクオリティが高いか

開催日時

  • 関西・中国ブロック:11月7日14:00〜16:00(予定)
  • 北海道・東北・その他ブロック:11月13日14:00〜16:00(予定)
  • 四国・九州・沖縄ブロック:11月14日14:00〜16:00(予定)
  • 東京ブロック:11月21日14:00〜16:00(予定)
  • 関東6県・中部ブロック:11月28日14:00〜16:00(予定)

Minecraftカップ2021全国大会は、「ひとりひとりが可能性に挑戦できる場所」をコンセプトに「Minecraft: Education Edition」(教育版マインクラフト)を用いて子供たちにプログラミング教育やデジタルなモノ作りに触れる機会を創出し、子供たちのプログラミング思考の熟成を目指して開催されているイベント。7月12日よりエントリーの受付を開始し、エントリー総数3087人のうち、チーム・個人を合わせて484作品が集まった。

1次審査は北海道・東北・その他関東6県・中部東京関西・中国四国・九州・沖縄の5ブロックに分かれており、10月8~22日までブロックごとの相互投票によって行なわれた。それぞれの作品も公開されている。

2次審査会は、地区ブロック担当のMicrosoft認定教育イノベーター(MIEE)によって行なわれる。内容は1次審査通過者による3分以内のプレゼンテーション動画配信と、2分間の質疑応答によって審査されその模様はYouTubeでリアルタイム配信される。結果は後日公式サイトにて発表される。

TC Tokyo2021「SDGs」セッションに代替肉を手がけるDAIZ取締役CTOの落合孝次氏が登壇

TC Tokyo2021「SDGs」セッションに代替肉を手がけるDAIZ取締役CTOの落合孝次氏が登壇12月2、3日にオンラインで開催される「TechCrunch Tokyo 2021」。本年度は、期間中、7つのテーマで国内・海外のスピーカーを招いたセッションが行われる。

「SDGs」をテーマにしたセッションでは、DAIZの取締役CTO、落合孝次氏が登壇する。モデレーターは、経済コンテンツアプリ・メディアPIVOTの竹下隆一郎氏。

DAIZは、2019年12月より発芽大豆由来の代替肉(植物肉)「ミラクルミート」の事業を展開するスタートアップ。ミラクルミートは、ハンバーガーチェーンやスーパーマーケット、食品メーカー、飲食店において採用が進んでいる。またミラクルミートにより生まれる、環境価値を活用したカーボンクレジットなどの新ビジネス創出の可能性を検証するなど、環境価値の創出を通じSDGsに貢献することも目指しているという。

これまでの代替肉は、主原料として大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)が利用されてきたため、「味と食感に残る違和感」「大豆特有の青臭さや油臭さ」「肉に見劣りする機能性(栄養価)」といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。これに対してDAIZの代替肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功している。

取締役CTOの落合孝次氏は、1967年生まれの近畿大学農学部卒。大手食品会社を経てカリフォルニア州ナパにてバイオベンチャーを2002年起業。その後、滋賀県長浜バイオインキュベーションセンターで本格的に活動開始。紆余曲折を経て現在はDAIZ取締役に就任。2019年4月熊本大学薬学部先端薬学教授に就任。

「TechCrunch Tokyo 2021」は、すでに参加者チケットは発売中。参加者チケットは2日間の通し券で、他の講演はもちろん新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチを繰り広げるピッチイベント「スタートアップバトル」もオンラインで楽しむことができる。本講演は英語でのセッションとなるが、日本語の字幕が入る。

チケット購入

本記事執筆時点では「早割チケット」は税込3500円、2021年12月31日までアーカイブ配信も視聴できる「早割チケット プレミアム」は税込3500円となっている。また、スタートアップ向けのチケット(バーチャルブース+チケット4枚セット)は後日販売予定だ。

オンラインでの開催で場所を問わず参加できるため、気になる基調講演を選んで視聴することもしやすいはず。奮ってご参加いただければ幸いだ。

3Dプリント義足事業を展開し日本発のグローバルスタートアップを目指すインスタリムが2.4億円のシリーズA調達

3Dプリント義足事業を展開し日本発のグローバルスタートアップを目指すインスタリムが総額2.4億円のシリーズA調達

3Dプリンティングおよび機械学習(AI)技術を活用し3Dプリント義足を海外で製造販売しているインスタリムは9月30日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額2億4000万円の資金調達を完了したと発表した。引受先はインクルージョン・ジャパン、Mistletoe Japan、慶應イノベーション・イニシアティブ、三菱UFJキャピタル、ディープコア。

インスタリムは、低価格・短納期の3Dプリント義足をフィリピンで製造販売する日本発のスタートアップ。単なる試供品の提供ではなく、事業化の前提となる「カスタム量産体制」(マス・カスタマイゼーション)が構築された3Dプリンター・CAD義足事業として世界初(同社調べ)としている。このカスタム量産体制とは、ユーザー個人のニーズに応じたカスタマイズと、大量生産並みの低コストな供給を両立する生産システムを指すという。義足の提供には患者ごとの断端(切断部)の形状に合わせた製造が不可欠であるため、世界的な普及には、低コストな大量生産とパーソナライズされた受注生産を兼ね備えた提供が不可欠としている。

同社は、今回の資金調達に加えて、経済産業省による事業再構築補助金、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による課題解決型福祉用具実用化開発支援事業などの支援を得ている。

これらにより、現在のフィリピンの首都圏に限られている販売網を地方都市にも複数拠点化し全国展開する。現地製造販売体制の強化やマーケティング施策を通じたグロースの実現も図る。また、より多くの層の人々が義足を購入し就業できるよう、初期出費を抑えたサブスクリプション販売形式を新たに構築するという。

さらに、次なる展開国としてインド(予定)での事業展開を目指す。アフターコロナの情勢に対応した、測定・試着・製品提供までを完全リモートによる非対面での義足製造販売システムの開発も進めるとのこと。

従来義足は、医学知識を持った義肢装具士がユーザーごとの体に合わせ医学的に最適な形状のものを手作りしていることから、価格30~100万円と高価で、また1カ月程度の納期を要しているという。このため、障害者への社会的支援が不十分な開発途上国においては、義足を購入できない方は仕事に就くなどの社会参画が困難となっており、深刻な社会課題となっているという。

そこでインスタリムは、3DプリンティングとAI技術により約1/10の水準の価格と納期を実現し、2019年よりフィリピンで製造販売を行なっている。コロナ禍による移動制限や経済状態の悪化が続いている中でもすでに400人以上のユーザーがおり、1600人以上(2021年8月現在。同社の義足が欲しいが、現在購入できないために引き続き情報提供を希望するという切断患者を掲載したウェイティングリストの患者数)が同社の義足提供を待っている状態という。

同社は、「必要とするすべての人が、義肢装具を手に入れられる世界をつくる」というビジョンの実現に向けて、日本発のグローバルスタートアップ、SDGsスタートアップとして社会課題の解決を目指すとしている。

 

大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

大塚食品は9月21日、大豆ミートから作られたお肉不使用の「ゼロミート」シリーズ4品をリニューアルし、これまで原料として使用していた卵を使わない「動物性原料不使用」の製品に切り替えると発表した。

2018年11月から販売されている「ゼロミート」シリーズは、「おいしい食感」を再現するために卵を使っていた。しかし、より多くの人に食べてもらうために研究開発を重ね、卵を使わずに、植物由来素材のおいしさを引き出した「おいしい食感」を出すことに成功したという。

今回リニューアルされるのは、「デミグラスタイプ・ハンバーグ」「チーズイン・デミグラスタイプ・ハンバーグ」(チーズを模した豆乳クリームを使用)、「ソーセージタイプ」「ハムタイプ」の4つ。

パッケージデザインを変更し、10月から全国の量販店、ドラッグストア、コンビニで順次展開される。大塚食品が大豆ミート採用の「ゼロミート」製品を卵を使わない動物性原料不使用製品にリニューアル

家具と家電のサブスク「CLAS」が約21億円調達、提供エリア・取り扱いジャンル・商品点数を拡大しマーケットプレイスとして加速

家具と家電のサブスク「CLAS」が約21億円調達、提供エリア・取り扱いジャンル・商品点数を拡大しマーケットプレイスとして加速

家具と家電のサブスクリプションサービス「CLAS」(クラス)を運営するクラスは9月8日、第三者割当増資による総額約21億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ、モノフルのグループ会社などとなっている。これによりクラスの累計資金調達額は約28億円に達した。

CLASは、家具や家電を月額料金440円(税込)でレンタルするサブスクリプションサービス。初期コストが抑えた上で(個人は送料・保証金も基本0円)、個人でも法人でも、必要なものを必要なだけ利用でき、ウェブ上だけで発注・交換・返却が行える。製品を提供するメーカーは100社を超え、自社のプライベートブランド家具も100点ほど用意されている。

返却された製品は廃棄されることなく、専門のリペア職人が修繕を行い再度貸し出しされるため、利用者にとっても製品を提供する業者にとっても、無駄のないサステナブルなシステムになっている。しかも製品提供する業者は、品物を売って終わりではなく、継続的な収益につながるビジネスにもなる。

現在のサービス対象地域は、法人向けは一部離島などを除く日本全国、個人向けは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県(大阪府・京都府・兵庫県は一部地域を除く)となっているが、今回調達した資金により、サービスの全国展開を目指し、各主要地域における商品発送・返却品回収の物流体制の構築を進めるという。

さらに、倉庫管理のDX化の推進、メーカーと事業収益を分配するレベニューシェア契約の積極的な締結、取り扱いジャンルと商品点数の拡大、個人向けと法人向けの商品を共通化するカートシステムの強化、サブスクリプション・マーケットの推進を実施する。また、これを実現するための人材を、2023年までに200人規模で採用するとのこと。

クラスでは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」の達成に向けた、循環型でサステナブルな「ものを捨てない社会づくり」の実現を目指すと話している。

アプリで集めたデータで「生物予報」という新たな社会インフラを、京大発の「バイオーム」が描く未来

地球温暖化が進行し、豪雨や猛暑などのリスクがさらに高まることが予想されている昨今、環境保全に向けて「自然環境のデジタル化」を進めているのが、京都大学発のスタートアップであるバイオームだ。同社は開発した「いきものコレクションアプリ『Biome(バイオーム)』」で取得したデータを基に、分布状況など生物の今後を予測する天気予報ならぬ「生物予報」として、新たな社会インフラになる狙いもあるという。生物予報で害虫被害などに対して事前に対策を打てるようにしていく考えだ。

代表の藤木庄五郎氏は、学生時代に熱帯のボルネオ島で2年以上キャンプ生活をしながら、原生林の調査を行ってきた。現地で取得したデータから生物多様性を定量化するアルゴリズムの開発に成功し、その成果から2017年3月に京都大学大学院博士号(農学)を取得。同年5月にバイオームを立ち上げた。

藤木氏は環境保全活動などによって利益を生む仕組みを作ることができれば、環境課題の解決を促進できると考えている。その仕組み作りの第一歩となるのが、同社が開発したアプリとなる。藤木氏に話を聞いた。

いきものコレクションアプリ「バイオーム」

バイオームアプリは、スマホから写真を投稿すれば、独自の名前判定AIにより、日本国内に生息するほぼすべての動植物(約9万2800種)を判別できる。AndroidiOSに対応し、無料でダウンロード可能だ。

正式リリースから2年以上が経った2021年6月時点で、延べ約27万ダウンロード、アプリ内の投稿数は142万件を超えた。8000件を超える投稿しているユーザーもいるという。

アプリは、画像を基にディープラーニングで学習させた見た目の情報で生き物の名前を判定しているが、もう1つ仕組みがある。投稿画像の位置情報と日時といったメタ情報も学習させている点だ。

「例えば、蝶は世界で約2万種いますが『東京の代々木公園で4月に撮影できる蝶』といった場合、10種類程度に絞り込むことができます。位置情報と日時を組み合わせていることが、私たちの特徴的な技術になります」と藤木氏は説明する。

国内にいる動植物約9万2800種の教師画像を個々の種ごとに大量に用意しなくてもとも、位置情報や日時のメタ情報を組み込むことで、精度の高い判定を行えるようにしている。

さらに、ユーザーがアプリで投稿するたび、生き物が「いつ、どこで、どのような」活動をしているかなど、これまで取得しづらかったリアルタイムデータが集まるのだ。

「バイオームはただ名前判定を行うアプリではありません。位置情報と日時で、分布状況などの情報も扱います。これらのデータを私たちが解析し、必要な人に適切なカタチで届け、保全活動などに紐づけていくことが、重要な役割でもあります」と藤木氏は語った。

データの提供先は産学官で多くの事例があるが、環境省との連携も進んでいる。温暖化による生き物への影響を調査するため、アプリを活用。2020年11月、温暖化の影響で生息分布が北へ移動しているような生き物や、開花時期が早まった植物などを、全国のユーザーに投稿してもらうキャンペーンを実施した。バイオームが集まったデータを解析し、同省に提供している。2021年夏からも同様のキャンペーンを実施する予定だ。

新たな「社会インフラ」を目指して

「今後は環境保全がさまざまな領域で重要な課題となっていきます」と藤木氏はみる。国内でもSDGsに取り組む動きが注目され、国内外でESG投資が増えている現状もある。

ただ、これまで生物多様性などの統一された評価方法はほとんど確立されておらず、行政や企業、団体などが手探りで環境保全に取り組んでいるというのが現状だという。

「生物分布データ」の不足が、原因の1つだと藤木氏は考えている。データが不足していれば、具体的な環境保護に関する活動やビジネスも曖昧なものになってしまう。

この問題に対し、アプリによって自然環境や生物多様性についてのデータを集めていくことで、バイオームは自然環境のデジタル化を進めていく。その上で、バイオームがビジネスプラットフォームを構築。生物多様性・環境の保全活動や、サステナブルなビジネスモデルの創出などのサポートをしていく考えだ。

さらにアプリを使って生物に関するビッグデータを蓄積していくことで、藤木氏は「生物の現状をリアルタイムで把握することはもちろん、生物の将来予想となる『生物予報』を可能にしていきたいと考えています」と話した。

藤木氏によると、生物予報は「ある地域で害虫がこの1週間で増加するため、農家は対策を講じてください」といったことも可能になるという。実現すれば、農家はもちろん、食品生産業界や化粧品業界など、農家から原材料調達している企業にとっても、生物予報は有益なものになる。

「生き物の現状がわかり、予測ができることはとても重要です。天気予報のような『生物予報』というサービスが、これからの社会インフラとして役立つはず。この仕組みを確実に作り上げることで、生物多様性、あるいは環境保全に関するビジネスを行う上で、なくてはならない社会インフラになっていきたいと考えています」と藤木氏は展望を語った。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:バイオームアプリ日本生物多様性SDGs

さくらインターネットが石狩データセンターの主要電力をLNG発電に変更、年間CO2排出量の約24%にあたる約4800トン削減

さくらインターネットが石狩データセンターの主要電力をLNG発電に変更、年間CO2排出量の約24%にあたる約4800トンを削減

クラウドコンピューティングサービスのさくらインターネットは6月21日、北海道石狩市・石狩データセンターの電力調達先について、LNG(液化天然ガス)火力発電を主体とする電力会社に6月より変更したと発表した。これにより、石狩データセンターの二酸化炭素(CO2)年間排出量を約4800トン削減できるという。

サーバー室面積5000平方m2以上、ラック単位の電力供給量が6kVA(キロボルトアンペア)以上の大規模データセンター、いわゆる「ハイパースケールデータセンター」は、IDC Japanが2021年5月に発表した調査報告によると、2021年から2025年までの日本国内での平均成長率は、床面積ベースで28.8%になると予測されている。またハイパースケールデータセンターは消費電力も大きく、「電力キャパシティベース」での年間平均成長率は面積ベースよりも高い37.2%と見積もられている。そのため、ハイパースケールデータセンターにはサステナブルな対応が求められている。

さくらインターネットの石狩データセンターは、2011年の開所以来、北海道の冷涼な気候を活かした外気による冷却や排熱利用など、サステナビリティーに積極的に取り組んできた。その影響で、都市型データセンターと比較して約6割まで電力量を削減しているという。今回、LNG火力発電に切り替えることで、二酸化炭素排出量は、従来の24%にあたる4800トンが削減可能となる。「『やりたいこと』を『できる』に変える」との企業理念の下、今後もサステナブルなデータセンター運営を通じて社会のDXを支えてゆくと、同社は話している。

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:SDGs(用語)さくらインターネット(企業・サービス)持続可能性 / サステナビリティ(用語)電力 / 電力網(用語)データセンター(用語)二酸化炭素排出量 / カーボンフットプリント(用語)日本(国・地域)

低糖質・高タンパクの冷凍弁当宅配「ゴーフード」が総額6000万円のプレシリーズA調達

低糖質・高タンパクの冷凍弁当宅配「ゴーフード」が総額6000万円のプレシリーズA調達

糖質で高タンパクのフードデリバリーサービス「GOFOOD」(ゴーフード)を運営するゴーフードは6月2日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額6000万円の資金調達を発表した。引受先は、ダイレクトマーケティングミックスと個人投資家の東信介氏。

2019年設立のゴーフードは、「糖質過剰症候群」という概念を提唱する清水泰行氏を顧問医師に迎え入れるなどして調理済み冷凍食品のデリバリーを展開してきた。Healty、Delicious、Easyの3つの特徴を掲げ、味の面でも「本格シェフによるこだわりの調理法」と「食品劣化を抑える冷凍方法」を採り入れている。

また、環境にも配慮している。冷凍食品技術は食品ロスの削減につながり、SDGsの17の目標のうち「1. 貧困をなくそう」、「2. 飢餓をゼロに」、「3. すべての人に健康と福祉を」に貢献できると同社は言う。さらに、弁当のパッケージには石灰由来の新素材LIMEX(ライメックス)を使用し、石油由来の樹脂の使用量を40%削減した。ちなみにLIMEXの第一プラントである白石工場は、再生可能エネルギー実質100%で運用されている。こうしたことから、「12. つくる責任つかう責任」、「13. 気候変動に具体的な対策を」、「14. 海の豊かさを守ろう」、「15. 陸の豊かさも守ろう」にも配慮していると同社は話す。事実、ゴーフードは、日本SDGs協会より、目標1、2、3、12に関して「SDGs事業認定証」を受けた。

新型コロナ禍のステイホームにより健康への配慮を支援するフードデリバリーの需要の拡大を実感したことから、ゴーフードは今回の資金調達を実施した。この資金で、新メニュー開発、人材確保、ネット注文の利便性向上、マーケティング施策の充実などを行い、スピーディーな事業拡大を目指すという。

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