IBM、第3四半期売上は10億ドル減。クラウド人気のあおりを受けハードウェアが低迷

IBMは第3四半期の業績を発表し、売上は237.2億ドルと、前年同期の247.4億ドルを下回った。減少の要因は、ハードウェア部門の不調であり、クラウドサービスの人気上昇の打撃を受けた。9ヵ月期間の総売上は721億ドルで、前年同期間の752億ドルから4%減少した。

ハードウェアグループの売上はほぼ全体的に下落した。第3四半期のシステムおよびテクノロジー部門の売上は32億ドルで、対前年比17%ダウン。課税前利益は2.91億ドルから、損失1.67億ドルへと転落した。

システム売上全体は対前年比19%ダウン、Power Systemは38%ダウンだった。System Xは18%ダウン、Sysytem zメインフレームサーバー製品は6%アップ。System zのMIPS(100万命令実行毎秒)換算総配給コンピューティング能力は56%増加した。システムストレージの売上は11%減、マイクロエレクトロニクスOEMは1%増だった。

ソフトウェア売上は前年比1%増に留まり、ここでも第3四半期の売上停滞を象徴している。

「ハードウェア売上はトレンドに沿って減少している。クラウドコンピューティングからの打撃があった」、とConstellation Researchの共同ファウンダー、Ray Wangは語った。

IBMは、そのクラウドサービスへの取組みにおいて最大級の成功を収めている。クラウド売上は今年ここまでに70%以上伸びており、第3四半期の売上は10億ドルを超え、うち4.6億ドルがクラウドサービスとして提供された。

今後もクラウドサービスを選択する企業が増えるにつれ、IBMその他のエンタープライズ向け事業者にとってこの傾向は続くことが予想される。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GitHub for Windows、UI部分などをアップデート。更新時刻も相対時刻表示へ

GitHub for Windowsがアップデートされたようだ。GitHubのブログでは、今回のアップデートにより、一層軽快でわかりやすい仕組みを採用したとしている。細かな修正がいろいろと加えられてはいるようだが、目立つのはUI部分だ。

まず、基本的な動作を、たいていの人の世間常識に合わせた。すなわち古いものが左側に、そして新しいものが右側にくる配置としたのだ(たいていの国では、文字を左から右に記述する)。レポジトリにおいても、過去のコミットが左側に表示され、そして現在作業中のものが右側に表示される。

さらに、GitHub for Windowsからは横スクロールバーが消えることとなった。個人的には横スクロールバーもあまり気にならないが、しかし開発者の視点からみると異なるのかもしれない。長い「diff」表示ラインも折りたたまれて表示されるようになった。おかげで、あちこちにスクロールして表示を見る必要がなくなったわけだ。

また、作業の様子をよりわかりやすく把握できるようになった。たとえば、改変作業が行われた場合、作業の行われた日時を示すのではなく、相対時間が表示されるようになったのだ。つまり何らかの作業が行われたのが「たった今」(just now)なのか、15分前なのかが表示されるのだ。おかげで、属しているタイムゾーンによらずに作業の流れが把握できるようになった。

今回のアップデートは、さほど大きな変更が加えられているわけではない。開発者からリクエストの多かった使い勝手の面での改善を行ったというところだ。これまでよりも一層、メインの開発チームが所属するタイムゾーンなどを気にせずに、さまざまなプロジェクトの進行具合を把握しやすくなったと言うことができるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


スマートマシン: 知能と学習能力を持った第二次OAの波が大量の専門職を不要にする

スマートマシンが企業にもやってくる。でも、CEOたちには黙っていよう。Gartnerの調査によると、CEOたちの60%は、スマートマシンの普及によって15年後には数百万人の中間層の仕事が奪われる、という説は未来学者の幻想だ、と言っている。

この調査結果は、仕事の自動化とスマートマシンの出現がもたらす不安を反映しており、Gartnerによると、スマートマシンは2020年ごろには広く普及し、企業に大きなインパクトを及ぼすという。

CEOたちは、スマートマシンの到来が必然的であることを、見て見ぬふりしたいようだ。彼らのその見方は、自分で学習するインテリジェントエージェントやロボットが大量の仕事をするであろう未来に対する、ふつうの人の反応と同じだ。しかし幻想はむしろ彼らの方であり、現実には、人間は毎日の生活の中で実際にスマートマシンに適応していく。そのことには、疑問の余地がない。むしろ、そういうスマートマシンがなければ、労働者はほとんど仕事ができなくなる。クラウドサービスは、マシンが人間を置換しつつあることの、初期的な証拠だ。データセンターを持続的に稼働させるためには、マシンがさまざまなタイプのワークロードに(自動的に)対応できるようにプログラミングしておく必要がある。

Gartnerの報告書は、CEOたちはスマートマシンが何百万もの中産階級の仕事を次の数十年間で奪っていくという、事態の緊急性を認識していなくて鈍い、と言っている。Gartnerの調査部長Kenneth Brantは、仕事の破壊のスピードは新しい仕事が作られるスピードよりも速い、と書いている。

それがこれまでのオフィスオートメーション(OA)などと違うのは、システムが学習能力を持ち、専門的な仕事でもこなせることだ。Gartnerは、今後真っ先に人間の仕事でなくなるのが、これら専門的な仕事や作業だと見ている。とりわけIT部門では、優秀な専門技術者の経験と勘と手作業に頼っていたような部分が、今後は不必要になる。

対照的にこれから繁盛するのは、インテリジェントエージェント、仮想ヘルパー、エキスパートシステム、高度な機械学習を利用した各種サービスなどだ。Amazon、Google、GE、IBMなどが、競争に落後しないために人間ワーカーよりも多くのデジタルワーカーを求める企業に、これらを売り込むディーラーとして、しのぎを削る。

仕事を失った中間層が次はどこに新たな仕事を見つけ、あるいは作り出していくのか、その形はまだはっきりしない。いずれにしても、AppleのSiri、GoogleのHummingbirdアルゴリズム、IBMの高度に進化した自然言語処理などが指し示しているのは、今のCEOたちの多くが幻想と呼ぶものが、数年後には当たり前になっているような状況だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのインフラを模したクラウドオペレーティングシステムCoreOS をAndreessen HorowitzやSequoiaも支援

Y Combinator出身で、Linuxベースのクラウドオペレーティングシステムを提供するCoreOSが、Andreessen HorowitzとSequoia Capitalから資金を調達した。同社のプロダクトは、分かりやすく言うと、Googleが自社のクラウドインフラを構築し動かすために使っている独自のオペレーティング環境と機能的に相似のものだ。資金の額は公表されていないが、CEOで協同ファウンダのAlex Polviによると、金額は100万ドルと500万ドルのあいだだ。

2010年にCloudkickをRackspaceに売ったPolviによると、今回の資金は同社のオペレーティングシステムの違いとアドバンテージを顧客にアピールするために使っていく。オペレーティングシステム企業を航空会社にたとえると、Red Hatを古いタイプのユナイテッド航空(United Airlines)とすると、CoreOSは新しい格安航空会社サウスウエスト航空(Southwest Airlines)に相当する、という。強力なVCたちからの支援が得られた今後は、プロフェッショナルなサービスを充実し、また使いやすいインタフェイスを提供していきたい、とPolviは言っている。

CoreOSは軽量だが、大規模な展開に向いている。とくに、何千台ものサーバを分散管理する技術に関してはGoogleのChrome OSのやり方(後述)を参考にしている。UbuntuやRed HatDebianなどが、何年も前に開発され、サーバ数台から成る小規模な展開に向いているのに対し、CoreOSは今日の最大のニーズであるスケーラビリティを重視する。今のようにサーバ環境が複雑大規模になると、それらにちょっとしたパッチを当てることすら、たいへんな作業になる。しかしCoreOSでは、インフラのアップデートが自動的に行われる。それはちょうど、ChromeブラウザやChrome OSのアップデートが、ユーザが知らない間に行われるように。

CoreOSは、Linux用のアプリケーションコンテナDockerを使っている。これは、アプリケーションをクラウドインフラへ展開するためのツールとして、デベロッパたちのあいだで人気が盛り上がっている。Dockerはたとえば、アプリケーションのデータを、クラウドインフラを動かしているOS環境とシンクさせる、といったことを自動的にやってくれる。デベロッパが自分のデスクトップ上でやった仕事の結果が、Dockerによって自動的にシンクされアップデートされるのだ。

“このOSは小さくて軽いから、アドミニストレータが気にすべき要素がとても少ない”、とPolviは言う。“パッチも素早くやってのけるから、アドミンが実際に見るべき部分は最小限だ。通常は、単純に必要なものを展開するだけだ”。

CoreOSはリードオンリーなので、大量のサーバに対して、ポータビリティやアップデートの一貫性を維持できる。

CoreOsが参考にしたモデルは、Googleのオペレーティング環境だ。それは、従来の企業のIT環境とは相等に違っており、いろんな点で合理的かつ効率的だ。しかしRedMonkのアナリストDonnie Berkholzが、LinuxConの会場でぼくにこう言った: 今後CoreOsがぶつかる最大の難関が、企業における従来的な仕事のやり方だ。

PolviもBerkholzの意見に同意しているが、自分の方向性に関して自信を持っている。しかもAndreessenやSequoiaのような高名なVCが味方についたことは、鬼に金棒だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWS上のセキュリティ管理を視覚化して分かりやすくするDome9

Amazon Web Servicesのユーザインタフェイスを使っていると、このサービスが管理を拒む怪物に見えてくる。たとえばAWS上の数千のインスタンスの展開ステータスを見ることも至難で、手作業の部分が多い。

AWSの各インスタンスの展開の状況を視覚化して管理を容易にしようとする、新世代のインタフェイスがある。Dome9もその最新例の一つだ。同社が開発したClarityと呼ばれるツールは、AWS上のユーザ企業のセキュリティポリシーのビジュアルマップを提供する。そのために同社はAWSの仮想ネットワーク環境を視覚化し、AWSの仮想プライベートクラウドとセキュリティグループの構成を画像で見せる。

これは、AWS上で大規模な展開をしている企業にとって、とくに便利だ。そういう企業にとっては、インスタンスごとにセキュリティポリシーの状況を調べることがとりわけ難しい。そのための言語は謎めいているし、クラウドサービスを利用しているときには監視するポートの数も無限に近いと思われるほど多い。したがってセキュリティ担当のアドミニストレータは、毎日膨大な量のチェック作業に追われる。

とくに悲惨なのが、高度にエラスティックなAWSの環境を使っている成長著しいスタートアップやエンタプライズにおけるDevOpsやSecurityOpsの人たちだ。利用者の多いスタートアップのプライベートデータがパブリックになってしまっていたら、その影響たるやすさまじい。その企業のユーザのプライバシー保護がいい加減だった、ということになり、法廷沙汰になったり多量のユーザを失ったりする。

Dome9はすでに完成された企業で、Amazon Web ServicesやRackspace、Soft Layer(IBMが買収)、HP Cloudなどの上におよそ500の顧客がいる。競合企業はCloudPassageなどだが、セキュリティに限定されないもっと広い意味でのAWS視覚化サービスとしては、CloudCheckrCloudability、そしてNewvemなどがある。Newvemは先月、Datapipeに買収された。

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Google App EngineでのPHP利用がオープン化

Google App EngineにおけるPHPの扱いが「プレビュー」となった。招待制であったのが、完全にオープンとなったのだ。これにともなってPHPアプリケーションについても直ちに公開できるようになる。

Googleが4番めのランタイム限後としてPHPに対応したのは今年のGoogle I/Oにおいてのことだった。PHPは世界中で広く利用されており、Facebook、WordPress、そしてDrupalなどでも利用されている言語だ。

PHPへの対応を初めて以来、Googleではplug-in for WordPressや、またPHPを使ったファイルの読み書きの機能などを追加してきている。

PHP対応がオープンになったことで、開発者はGoogle App Engineを通じてPHPアプリケーションの開発、テスト、デプロイができるようになる。別の選択しとしては、これまでも使っていた人がいるであろうDevTableCodeEnvyを使い続けるという手もある。どちらも統合開発環境だ。また自前の開発環境があるのなら、ビルド、実行、デバッグまでを行ったのち、JetBrainのPHPStorm IDEを使ってGAEへのデプロイを行うこともできる。

Google I/OでPHPへの対応が発表されるまで、このPHP対応が最も多くリクエストされる機能だった。今回の「プレビュー」化も多くの人から歓迎されるアップデートとなるに違いない。

Web Technology Surveysによると、全ウェブサイトの81.2%でPHPが用いられているのだそうだ。但し、現在は急速な「モバイル化」ないし「クラウド化」などへ、さらなる真価を遂げつつある時期だとも言える。最近行われたZend PHP ConferenceにおいてもAPIモデル、ダイナミックなデータ構造、モバイル対応、クラウド内で完結する動作するアプリケーションについてに注目が集まっていた。

PHPに対応している他のPaaS環境としてはZendのPHP CloudJelastic、およびEngineYardなどがある。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon Web ServicesがCIAとNSAのクラウド入札競争でまたまたIBMに勝つ

Amazon Web Servicesは、IBMとの巨額な入札競争に勝って、合衆国諜報機関のクラウドインフラストラクチャを構築することになった。今日(米国時間10/7)公開された裁定の中で合衆国連邦請求裁判所Thomas Wheeler判事は、AWSはIBMと争っていたCIAとの契約を6億ドルで合法的に勝ち取った、と書いている。IBMにはこの裁定を上訴する計画がある。IBMは声明文の中で、同社の提供物の方が費用効果が高く、また同社には合衆国政府との協働における数十年の経験がある、と述べている。

会計検査院(General Accounting Office(GAO))が2月に、AWSはこの入札の基準をすべては満たしていないという報告を発表したため、このような抗争が生じた。IBMは入札過程に異議を唱え、GAOに契約の精査を求めていた。

CIAがGAOの推奨に従ったためAWSは、連邦請求裁判所に上訴した(7月)。CIAがGAOの推奨を受け入れなかった場合には、この問題は合衆国議会に回されるところだった。

なぜCIAがこのたび、GAOの推奨を拒否する決定をしたのか、それは不明だ。しかし同局が、AWSが提供する自動スケーリングとエラスティシティのため、AWSをベストチョイスとみなしたことは明らかである。

この敗退はIBMにとって大きな打撃だ。同社のインフラへの投資はかねてから大きいが、しかしそれでも、AWSと互角に立つことすらできなかったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


NoSQL DBのトップMongoDBが$150Mを調達…今やIBM御用達, Salesforceも投資に加わる

MongoDBがT. Rowe Price Associatesから1億5000万ドルを調達し、この投資ラウンドには新たにAltimeter CapitalとSalesforce.comが参加した。既存の投資家であるIntel Capital、NEA、Red Hat、そしてSequoia Capitalも、参加している。MongoDBは2007年の創業以来今日までで、累計2億3100万ドルを調達した。

競争がますます激しくなっているNoSQLのベンダたちの中で、知名度がトップの企業がMongoDBだ。そのほか、データベース業界全体としては、SQLの伝統的大手や、新技術であるインメモリデータベース、新方式のDaaS(database-as-a-service)サービスなどとも、同社は競合関係にある。MongoDBなどのNoSQLデータベースは、安価な日用品的なサーバから成る分散インフラを使用し、モバイルやWebのアプリケーションを作っているデベロッパたちに人気がある。MongoDBは(表などでなく)ドキュメント(文書)を使用するデータベースだ。データはさまざまなデータ構造として定義され、そのコード形式はXMLやJSON(JavaScript Object Notation)などと互換性がある。MongoDBがデベロッパに人気がある大きな理由の一つが、JSONなどとの互換性だ。彼らは自分の既存のスキルで、MongoDBを使うアプリケーションやサービスを開発できる。

MongoDBの人気は、そのグローバルなコミュニティが証明している。これまでの累計ダウンロード数は500万に達する。またその需要は、下図のように、求人数の推移にも現れている。MongoDB技術者の求人は、Cassandra、Redis、CoucDBなどを抜いてトップであり、検索数はHTML5に次いで二番目に多い。

新たな資金はMongoDB本体のサポートと、新たな管理サービスの展開に充てられる。後者には、データベースをスケールし管理していくための一連のツールやサービスが含まれる。これまでMongoDBは、そのスケーラビリティが批判されていた。またMongoDBのサービスは、オーケストレーション方面が弱い、とも言われていた。

管理サービスへの注力は、IBMとのパートナーシップを反映している。今月の初めにこの巨大テクノロジ企業は、同社が使うNoSQLデータベースとしてMongoDBを選んだのだ。

MongoDBの顧客の中には、Craigslist、MetLife、Salesforceなどがいる。本社はパロアルトにあり、支社はニューヨークとダブリンとシンガポールにある。そのほか、アトランタ、バルセロナ、ロンドン、シドニー、ワシントンDCにもオフィスがある。

新たな投資者の中にSalesforceがいることは、注目に値する。最近のSalesforceはマーケティングクラウドとモバイルアプリに力を入れようとしている。そこがMongoDBに投資したということは、同社がNoSQLを、これからのポストPC~モバイル時代の主要技術の一つと認めていることを表している。

MongoDBの現在の社員数は、世界全体で320名あまりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


仮想セキュリティ(アプリケーションの物理的な所在に依存しないセキュリティ)でIllumioが巨額を調達

トップクラスのVCたちとカリスマCEOたちに支えられたIllumioは、このところ続々と登場すタイプのスタートアップの一つだ。彼らの共通項は、われわれをマルウェアの劫火と悪魔のフィッシングから救い出すこと。

しかしそれはまるで新興宗教の一時的なブームのように、次々と現れるセキュリティスタートアップは、その多くが短命だ。彼らが急造したテント村に信者たちが群れ集まり、IPOという約束の地を期待する投資家たちが集(たか)る。彼らは約束する、保護を、暗号化を、データの遮蔽を、監視リポートを、エキスパートを、次世代型xxxxを、革新的なyyyyを。

では、Illumioはどうなのか? このステルスのセキュリティ企業はAndreessen Horowitzが800万ドルを投資し、またAll Things Dによると、SalesforceのCEO Marc BenioffとBoxのCEO Aaron Levieも投資している。VMwareの元CTOで今はGeneral CatalystのゼネラルパートナーであるSteve Herrodは、仮想マシン上のアプリケーション、いわゆる“アプリケーションの仮想化”を保護するこのサービスに3400万ドルを投資した、と今週のMediumに書いている

そしてそれは、Dockerの一件と酷似している。このオープンソースプロジェクトはRedHatが高く評価し、同社のOpenShiftに統合して、すでにRed Hat Fedora上で可利用になっている。

Dockerはそれ自身のメモリ、CPU、ディスクスペースを持つアプリケーションコンテナで、コードだけが移動し、仮想マシンやオペレーティングシステムは移動しない。コードはコンテナ内とクラウドサービスとデータセンターにまたがって臨機応変に移動する。

しかしIllumioはセキュリティサービス、Docker異なるデベロッパフレームワーク間やインフラストラクチャ間でコードをポートする方法だ。とはいえ両者間には、ポータビリティという市場の大きな要求を反映した類似点がある。

Herrodによると、アプリケーションは一つの場所に定住しない。それはデータセンターにあったり、クラウドにあったりする。セキュリティはアプリケーションと共に旅をする必要があり、現代のアプリケーションに特有のマッシュアップ形式を維持する必要がある。しかも多くのアプリケーションが、APIによってさまざまなサービスを組み入れている。それらは、要塞のようなもので守れる単純なアプリケーションではない。アプリケーションがあちこちに移動する今日においては、要塞の壁の背後は空だったりもする。要塞を作っても無駄だ。それは、攻撃されたら崩壊するジェリコの壁と同じだ。

先月のVMworldでは、Marc AndreessenとVMwareのCEO Pat Gelsingerが、セキュリティやクラウドに関して言葉を交わした。Gelsinger曰く、セキュリティとコンプライアンスのためにはデータセンターが重要だ。Andreessen曰く、データセンターはセキュリティの穴を突くハッキングに汚染され、データの破壊やバグ、ウィルスなどに慢性的に悩まされている。そして彼は、今も未来も、クラウドの方がはるかに安全だ、と主張した。

しかしクラウドは、単に別の物理的実体ではない。たとえばAmazon Web Servicesでは、顧客は自分の仮想プライベートクラウドを使ってデータセンターとクラウドサービス間でデータをやりとりする。またOpenStackは企業のデータセンターをパブリックなクラウドサービスに接続する。それらは巨大なメッシュであり、多孔性であり、壁はない。

Harrodはこう書く: “アプリケーションの保護のされ方は、今アプリケーションがどこで動いているか、どんなインフラストラクチャの上で動いているかなどから独立であるべきである”。その意味は、ネットワークの仮想化と同じく、セキュリティも具体的なインフラストラクチャに依存せずに最適化され、異状の警報や通知を行えるべきである、ということだ。

しかしこの分野に登場したのはIllumioが初めてではない。vArmourEmbraneなど、既存の競合他社も少なくない。そのような業界模様については、SDN Centralの今週の記事を読んでみよう。

また新しいテント村ができ、新しい説教師が登壇した。この、“アプリケーションはどこにでもある(application anywhere)”という新しい時代に、われわれに強い感銘を与え、長く生き残る宗派は、どれだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


なしくずし的に進む企業の脱PC→モバイル化: スプレッドシートコラボレーションのSmartsheetもAndroidアプリを

SaaSを提供しているサイトがAndroidアプリも出す、という例が増えている。モバイルアプリは依然としてiPhoneが支配的だが、モバイルへのシフトという世の中の流れはSmartsheetのような企業にも、モバイル化の拡大努力を否応なく強いている。

Smartsheetはエンタプライズ向けのコラボレーション型スプレッドシートをSaaSとして提供している。その同社が今日(米国時間9/17)、二つの理由により、初のAndroidアプリをローンチした。顧客の半数以上が同社のサービスにモバイルデバイスからアクセスしていることと、今ではアプリが重要な経営資源だからだ。

SmartsheetのCEOで社長のMark Maderによると、今では新規顧客の約50%がiPhoneやiPadで30日間無料の試用サービスをトライしたあとに登録している。そのコンバージョンレート(顧客化率)は、Webサイトの試用サービスでSmartsheetを知った人たちの3倍である。

SmartsheetのAndroidアプリは、リードオンリーではなく実際に仕事ができる。スプレッドシートのルック&フィールやコラボレーション機能はWebと同じで、ガントチャートやカレンダーなどの管理ツールもある。

しかし、ビジネスアプリケーションのモバイル化は、Smartsheetが初めてではない。2010年以降は、Zendeskなどの企業数社がAndroidアプリを提供している。ユーザが十分納得するような豊富な機能性を盛り込んでAndroidアプリを提供しても、もはやその一社だけの強力な差別化要因にはならない。

Mhelpdeskも、協同ファウンダのRyan ShankがTwitterで言ってるところによれば、ユーザの半分はAndroidからだ。彼によると、Mhelpdeskは修理や機器据え付けなど現場の技術者を支援するサービスなので、安いAndroidタブレットの利用が好まれているそうだ。このような、企業におけるAndroidの浸透はStrategy Analytics社の調査結果も示している。とくにAndroidタブレットは、安いことに加えてセキュリティが良くなっているので企業の採用が増えているという。また、個人でAndroidタブレットを買う人も増えていて、その多くが職場にも持ち込まれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ValveがLinuxベースのゲーム専用機SteamBoxを発売か?CEO曰く: ゲームの未来はLinuxにあり

今日(米国時間9/16)から行われるLinuxconの幕開けキーノートで、ValveのファウンダでCEOのGabe Newellが、ゲームの未来はLinuxにある、と言い、同社が来週実際に、Linuxをベースとするゲーム機を発表するらしきことを匂わせた。

彼がLinuxにそこまでの確信を持っているのは、同社のオンラインプラットホームSteamの経験からだ。昨年春のローンチ以来、すでにデベロッパたちがその上で198のゲームを作った。

彼によると、Steamの現状が示唆しているのは、ゲームがネットワークの、ひいてはオンライン経済の、ノードになる未来の姿だ。それらのノード(節点)の上で、企業ではなく個人が、様々な物やサービスを作り、共有し、交換していく*。〔*: それが、Linuxの開発史の姿そのものでもある。〕

Linuxのバラ色の未来が生まれた温床は実は、PCのベンダがプロプライエタリな技術で支配していた往年の日々だ。その壁を打ち破るためにオープンなシステムが出現し、プロプライエタリなハードウェアは徐々に影が薄くなっていった。今イノベーションを引っ張っているのはPCゲームだが、その中のもっとも興味深い開発はオープン技術のコミュニティから生まれている。

彼によると、プロプライエタリなシステムは業界に不和軋轢をはびこらせ、イノベーションの足かせとなる。たとえば、と彼は言う、今AppleでiPad用ゲームのアップデートを承認してもらうために、6か月もかかる。しかしLinuxをベースとするオープンな環境では、そんなとんでもない牛歩はありえない。

PC市場にも、同様の変化が訪れている。PCハードウェアの売上は年々減少しているが、PCゲームはそれに付き合って下降をたどることはなく、むしろ、オープンソースでイノベーションフレンドリーな環境で栄えている。またそのおかげで、昔のような、ゲームの制作者と消費者という明確な区別がなくなりつつある。たとえばTeam Fortressの場合は、コミュニティが作るコンテンツの方がValveのデベロッパが作るものよりも10倍も多い。

Newellは、彼が近未来のLinuxゲーム機によって構想しているらしいLinuxのリビングルームへの進出について、こう言った: ハードウェアはそれぞれ複雑なプロプライエタリなシステム(ドライバなど)を必要とするが、Linuxはそれらをすべて単一のシンプルで普遍的なものへと抽象化している。だから未来の開発環境として優位である。彼は、Linuxはモバイルとリビングルームとゲームを普遍的に一元化する、と言う。そして人びとも、それぞれ特殊な知識や特殊な周辺機器を必要とする複雑でプロプライエタリな製品よりも、シンプルで普遍的でオープンな、わかりやすくて使いやすいものを求めるだろう、と。以上が彼の、Linuxの未来はバラ色説の根拠だ。

前からの噂では、Valveが近くローンチするゲーム専用機はSteamBoxという名前らしい。もちろんそれは、Linuxマシンでもあるはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


LinkedInの時価総額がSalesforceを抜く―新たなエンタープライズ向けSaaSプロバイダのリーダーに

最近2週間続けてLinkedInの時価総額がSalesforce.comを上回っている。先週金曜のLinkedinの引け値は325億6000万ドルだったのに対してSalesforceは295億900万ドルだった。

SalesforceはSaaSの代表として長らくウォール・ストリートのお気に入りだった。SaaS企業として初めて年間売上10億ドルを達成したのもSalesforceだった。LinkedInの勃興で株式市場はエンタープライズ向けSaaS企業のリーダーとしてのLinkedInに注目する必要がでてきた。

Linkedinは基本的にビジネス・プロフェッショナルのソーシャル・ネットワークだ。しかし同社はCRM市場を始めとするSaaS分野で急速に売上を拡大している。LinkedInはネットワーク効果を最大限に利用することでSaaSプラットフォームとして他社との差別化に成功している。

これに対してSalesforceは本質的にLinkedInのようなネットワークではない。Salesforceは当初CRMpurattofo-muとして創立されたが、最近ではプラットフォームとしての役割に重点を移している。つまりその上で作動するアプリと、ExactTargetなどそうしたアプリのプロバイダーの買収に頼る成長戦略だ。Salesforceはサブスクリション収入をベースにするクラウド・サービスが成立することを初めて示した。この成功に刺激されて無数のSaaSプロバイダーが後に続いた。

これに対してLinkedInはビジネス的グラフのビッグ・データの分析、そのアルゴリズム開発に重点を置いて巨大なプラットフォームを形成しつつある。この夏FaberNovelが行った研究によれば、ビジネス取引の膨大なデータを蓄積、そこからデータマイニングによって隠れた関係を発見し、新しいサービスの市場を開拓してSaas方式でそれを顧客に販売するというのがLinkedInの成功の秘密だ。LinkedInはソーシャルネットワークと伝統的なSaaSテクノロジーを巧みに融合させて新たなビジネス・プラットフォームを作り出した。

Faber-Novelの調査によれば、LinkedInの売上の50%近くは各種の人材発見ソリューションによるものだという。LinkedInでは毎日平均3回もコードをアップデートするという極めて速い開発サイクルを採用している。クライアントに常に最新、最高のサービスを提供する姿勢も好調の原因だという。

また同社はセールス・マネージャーにソーシャルネットワークの効果的利用能力を与えるSales Navigatorツールでセールス・マネジメント分野にも参入している。これはLinkedInがSalesforceに直接競争を挑む姿勢しとして興味ふかい。

LinkedInhの投資家のBessemer Venture PartnersはSaaSプロバイダ各社の時価総額を2012年1月からモニタしてcloud indexとして発表している。それによるとLinkedInの時価総額はこの間に5倍になったが、Salesforce.comは2倍にとどまった。

ただし、現在のところ、SalesforceとLinkedInの関係は友好的だ。先週のTechCrunch DisruptカンファレンスのパネルディスカッションでLinkedInのCEO Jeff Weinerはわれわれの共同編集長Eric Eldonに対して「SalesforceはLinkedInの密接なパートナーであり、将来もその関係は変わらないだろう」と述べた。

エンタープライズ向けCRM分野に大きく参入しつつあるものの、LinkedInの本質は依然として人材ネットワークである。しかし同時に時価総額の点からはLinkedInがSaaSプロバイダーの新たなリーダーとなったことに注目する必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Webページの重要データをスプレッドシートに変えるImport.io, 人が読むWebから機械が読むWebへ

TechCrunch Disrupt San Francisco 2013のStartup Alleyに登場したImport.ioは、複数のWebページ上の重要なデータをスプレッドシートに変換して、より見やすく、そして(コンピュータ上で)使いやすくする、というサービスを提供する。

同社のCDO(Chief Data Officer) Andrew Foggの説明によると、Webページは本来、人間が“読む”ためのものである。でもマシンが情報を理解するためには、別の形式の方がよい。Import.ioを利用すると、データを手入力でクェリしたり、あるいはAPIからクェリすることができる。

彼らはこれまで長年、いろんなサービスを使ってWebサイトからデータをかき集めてきた。その苦労と不満の経験から生まれたのが、Import.ioだ。たとえばYahoo! Pipesは、いろんなWebサイトにアクセスして関連データを集めるシステムだった。Dapperは複数のWebページからデータをかき集めて、それらのコンテキストを構築するサービスだった。今日では、iftttZapierなどのサービスがデータコネクタを使って複数のアプリケーションをつなぎ合わせる。たとえばiftttを使うと、WebサイトからのフィードをSMSに結びつけるから、Webのアップデートをテキストメッセージでもらえる。

これらに比べるとImport.ioは新種のサービスで、これまで大量の手作業が必要だったデータの収集整理と、それらからの情報の取り出しを、素早くやってくれる。データの統合化は、今もっともホットな話題の一つだ。人びとは、複数のデータソースからの雑多なデータの集合に、価値を見いだし始めているからだ。だからImport.ioのようなサービスがこれからはデータの統合化を何らかの「形(かたち)」にして提供し、Web全体をマシンリーダブルなデータベースに変え、単なる“人が読むためのページ”以上の情報を、そこから取り出すことができるのだ。

Import.ioの実際のユースケースについては、上のビデオをご覧いただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSの脆弱性に起因するセキュリティ問題を自動的に検出/報告するJumpCloud

JumpCloudが今日(米国時間9/9)のTechCrunch Disrupt San Franciscoで、クラウドサーバ、中でもとくにAmazon Web Services(AWS)の深刻な脆弱性から身を守るための新しい方法をローンチした。

これまで非公開ベータだったこのサービスは、マシンデータを分析する新しい方法によって、ユーザのクラウド展開に関する通知やアラートを生成する。

AWSのサーバの、セキュリティの脆弱性は主に、旧来からのプロセスモデルに由来する。それは、今のソーシャルネットワークが使っているような、ユーザ名とパスワードを用いるモデルだ。したがって攻撃が日常的に頻繁に起こり、ときには壊滅的な結果をもたらす。

JumpCloudのサービスは、ユーザ管理にパフォーマンスチェックとアラートを組み合わせる。このサービスの管理プラットホームを介してユーザを保護し、そこにアドミニストレータのクラウドサーバキーを保存する。このプラットホームがパスワードの処理を抽象化し、顧客のサーバ上で小さなソフトウェアを動かすことによって攻撃を防御する。このようにしてユーザのサーバ上でエージェントを動かす方式は、New Relicがアプリケーションのパフォーマンス管理に使っている方法とほぼ同じだ。エージェントはサーバのデータを記録し、ネットワークの負荷に不審なスパイクが生じた、などの異変を監視する。

JumpCloudのCEO David Campbellは曰く、“New Relicがパフォーマンスのモニタリングのためにやっていることを、うちはセキュリティのためにやっている”。

このサービスは、ログ監視サービスLoggly日本語)にも似ている。Logglyは、サーバやルータなどのマシンからログデータ~監視データを集めて分析し、アドミニストレータにインフラの現在の稼働状況を見せる。JumpCloudはただデータを集めるだけでなく、それらに対して付加価値的な分析を行い、ノイズの中に有意な信号(往々にして危険信号)を見つける。たとえばサーバの負荷が一時的に急増したら、JumpCloudはそのことを信号として検出する。

“クラウドのデータをすべて分析して、ユーザが対応すべきアラームだけを提供する”、とステージ上のCampbellは言った。

ユーザはJumpCloudをPuppet日本語)やChefと組み合わせて使用し、自分のサーバをJumpCloudのデータセキュリティネットワークに自動的に加えることができる。つまり、会社がローンチするすべてのイメージが、最初からセキュリティを組み込み済みになる。

AWSは世界でもっとも多く使われているクラウドサービスだから、 JumpCloudにとっても大きな市場になる。でも、同社にとっての問題は、NSAのスパイ事件があって冷水を浴びせられたにもかかわらず、クラウドは伝統的にセキュリティに甘いプロバイダやユーザが多い世界だ。

たとえば、アドミニストレータによるパスワードの管理もルーズだ。AWSでは、公開鍵をAWSが持ち、秘密鍵をユーザ企業が持つ方式だが、Campbellによると、10社中9社が、秘密鍵(パスワード)を一度も変えたことがないし、システムにそのまま載っていることもある。もちろん、攻撃者にとっては、すごく見つけやすい。

問題の深刻さを調べるためにCampbellのチームは、ソーシャルネットワークから得た情報を利用してクライアントサイドのの攻撃を試みた。アドミンにおいしそうなリンクを提供して、それをクリックしたらCampbellらが仕掛けたサイトへ行く。Campbellらはそこで得た犠牲者の認証情報をもとに、顧客のサイトにアクセスして秘密鍵を盗むことができた。この攻撃の成功率は100%ではなかったものの、クラウドユーザにおけるセキュリティのルーズさが、相当なものであることが分かった。

アドミンたちは、内部的な問題を解決するためにオープンソースのツールを利用することが多い。CampbellによるとDevOpsのプロたちは、そういうその場しのぎのやり方ではなく、自分たちの仕事とユーザ体験を阻害しないような、より総合的/自動的な問題解決を望んでいる。

そこでJumpCloudのやり方は、DevOpsたちのアンチセキュリティな文化をそのまま容認している。つまりそれは、彼らがセキュリティに対してそれほど意識的にならなくても、問題を自動的に見つけてくれる方式だ。だからデベロッパたちは以前と変わらず、彼らが伝統的に重んじる文化、すなわちデータの自由な流れと、開発工程のスピードを、重視し享受できるのだ。

同社のサービスはフリーミアムなので、ベーシックなユーザ管理とパフォーマンスの監視、およびセキュリティのアラートのセットは無料だ。リアルタイムのアラートや、自動修復、問題の原因解析などを含むと、有料になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSにRedisのサポートが加わる; スケーラブルなデータストアではMicrosoftも頑張っているが…

Amazon Web ServicesにRedisのサポートが加わった。Redisはインメモリのキー-ヴァリューストアで、優れたキャッシング技術と複数のデータタイプのサポートでデベロッパに人気がある。このニュースはAWSのユーザにとっては重要だが、しかしAzureが昨日、独自のデータストアを発表したばかりだから新鮮さには欠ける。

RedisはAmazon ElastiCacheに組み込まれ、もう一つのキャッシングエンジンであるMemcachedと併存することになる。

Redisではデータがディスクに残るから、単なるキャッシュではなくデータベース的にも使える。つまりRedisのデータはマシンをリスタートしても消されていない。そのキー-ヴァリューストアは、たとえばキー-ヴァリューペアを指定してデータオブジェクトを呼び出せる。StackExchangeの説明を借りると、キーはたとえば「色」、ヴァリュー(値)はたとえば「赤」だ。キーはさらに、ユーザに結びついている。キーを指定して、データオブジェクトを取り出す。データベースをクェリするときはユニークなキーを指定して該当オブジェクトのあるノードから結果を取得する。

Redisはとくに、そのスピードとスケーラビリティで注目されている。分散インフラとの相性がよくて、AWSにはうってつけだ。その開発に参加しているデベロッパの一人が、Stack Overflowでこう言っている:

スケーラビリティのたいへん良いデータストアを複数のプロセスや複数のアプリケーション、あるいは複数のサーバで共有したいなら、Redisが最高だ。そのプロセス間通信は最強だ。クロスプラットホームやクロスサーバ、あるいはクロスアプリケーションで高速に通信できるから、非常の多くのユースケースにとって、理想的なチョイスだ。またそのスピードは、キャッシングレイヤとしてすばらしい。

対照的にWindows Azureのチームは、自力で機能の増強を続けている。AWSと互角な選択肢であることを、強調したいのだ。Windows Azureの開発を指揮しているScott Guthrieは、このサービスのアップデートに関して長い記事を書くことで有名だ。昨日(米国時間9/3)彼は、新たな分散キャッシュサービスについて詳細な紹介記事を書いた。

Windows Azureのアプリケーションはどれも、自分専用のサービスを使える。Guthrieのブログ記事によると、それらのアプリケーションは“WindowsやLinuxの仮想マシンでホストされているもの、Windows AzureのWebサイトやWindows Azureのクラウドサービスとして展開されているものなど、さまざまだ。Windows Azure Mobile Servicesも将来は使えるようになる”、という。Windows Azureのサービスは各アプリケーション個々にサービスしたり、あるいは単一のキャッシュサービスを複数のアプリケーションに共有させたりする。

とはいえ、現実はどうか。Gartner Researchは最近、各クラウドサービスを評価し比較するグラフを描くとき、AWSがずば抜けて高いところへ行ってしまうため、作図をやり直さなければならなかった。つまり、AWSはあまりにもダントツであり、しかもその状況は今後当分は続きそうだ。

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クラウドからログ管理を提供するLogglyが$10.5Mを調達, 第二世代製品ではデータの‘意味’の視覚化を充実

【抄訳】

ログ管理をクラウドからのサービスとして行うLogglyが、新たな投資家であるCiscoとData Collectiveから1050万ドルを調達した。Trinity VenturesとTrue Ventures、およびMatrix Partnersもこのラウンドに加わり、このサンフランシスコの企業の総資金額は2090万ドルになった。

同社のSaaSはどんなデバイスからでもログデータを取り、そのリアルタイムのトレンドなどを視覚化して報告する。ログの出所(でどころ)は、サーバ、ルータ、ストレージデバイスなどさまざまだ。それらを分析すると、ユーザが動かしているサービスやWebサイトの健康状態が分かる。ユーザは、eコマースのサイト、ゲームプラットホーム、SaaSプロバイダ、そのほかのインターネット企業、などなどだ。

今日(米国時間9/3)Logglyは、同社のサービスの自称“第二世代、ジェネレーション2”をローンチした。ユーザインタフェイスを一新し、新たな分析ツールと大規模な分散アーキテクチャにより、より大きなワークロードに対応し、今後の顧客ベースの拡大に備える。ポイント&クリック方式のトレンドグラフや自動化イベントパーシングと検索などが、この第二世代の新しい機能だ。このほかに、フィルタリング機能や、スプレッドシートふうのグリッドビュー、アラート、カスタマイズできる新しいダッシュボードなども盛り込まれた。

Logglyはクラウド企業なので、顧客も基本的にはインターネット企業だ。各種のSaaSプロバイダやeコマース企業、ゲーム、モバイル、広告などなど多様な業態が、いずれも日々、大量のログデータを処理している。一社で一日に150億イベントを生成するところも、珍しくはない。

CEOのCharlie Oppenheimerによると、同社はここ数か月の努力によって、Splunkのようなログデータ検索サービスとの差別化を図ってきた。その必要性を悟ったのは、ある会議で顧客に、重要なのは検索ではなく、今何が起きているかを知ることだ、と言われたときだ。そこで第二世代製品ではデータの視覚化に力を入れ、異変への即時対応ができるようにした。

Logglyは視覚化のためのツールとして、LinkedInのKafkaやTwitterのStormといったオープンソースの製品も利用している。

【後略】

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フラッシュメモリだけでストレージサービスを提供するPure Storageが大枚$150Mを調達

フラッシュメモリによる高速ストレージサービスを提供しているPure Storagが、T. Rowe PriceやTiger Global Managementおよび一般投資家たちが率いる投資ラウンドにより、1億5000万ドルを調達した。過去の投資家、Greylock Partners、Index Ventures、Redpoint Ventures、Samsung Ventures、およびSutter Hill Venturesもこのラウンドに参加した。これで同社の総資本は2億4500万ドルになる。同社の発表によると、今回の投資は同社をIPOに向かわせる契機になる。

今エンタプライズ市場ではフラッシュストレージがホットだ。ビッグデータ時代の顧客は、ハードディスクのようなメカニカルなストレージからは得られない高速なデータ転送を必要としている。ソリッドステートなフラッシュメモリには回転ディスクや読み書きアーム/ヘッドといった可動部品がないので、ハードディスクよりもはるかに高速にデータを移動できる。

Pure Storageはpure-flashな(==フラッシュメモリのみの)システムを提供することによって、今のデータ時代の商機に乗じようとしている。同社はストレージ技術のリーダーEMCと直接的に競合する。EMCのサービスのベースはあくまでもハードディスクによるストレージプールだったが、昨年XtremIOを買収してフラッシュ市場への一歩を踏み出した。また6月にはアプリケーションサーバ上に仮想SANを構築するScaleIOを買収して、“ソフトウェア定義型ストレージ”がもたらすスケーラビリティとエラスティシティ(伸縮自在性)にも積極的な色気を示している。

だからPure Storageがこのところ、巨額な資金導入に走るのも当然である。EMCのような強敵に対抗できるだけの、ストレージサービスのハードウェアベースを…ディスクではなくメモリで…構築する費用は相当なものである。

Network ComputingのHoward Marksは6月に書いた記事で、Pure Storageは競合他社であるIBMやViolin Memoryなどよりも深い機能集合を構築した、と言っている。しかし同社の事業規模がEMCやNetAppなどのそれに近いものになり、ストレージ市場にまた新しい巨人が誕生するのかどうか、それが同社の今後に横たわる最大の期待、あるいは疑問符だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、今年の世界のモバイル広告売上シェア、15.8%へ(昨年は5.35%)

最近モバイル分野でFacebookがビジネスを躍進させていることは秘密ではない。今日(米国時間8/28)、有力調査会社のeMarketerが発表したレポートによると、Facebookの世界のモバイル広告市場におけるシェアも急上昇中だ。

このレポートは今年のFacebookの世界のモバイル・インターネット広告のシェアが15.8%に達するものと予測している。 これは2012年の5.35%の3倍近い伸びだ。eMarketerによれば、2013年の世界のモバイル広告市場は昨年同期比で89%アップして166億5000万ドルになるという。

Facebookのモバイル広告の急成長は、モバイル・アプリを通じて、ニュースフィードの通常の投稿と同じ形式のニュースフィード広告を積極的に表示し、クリックスルー率を大きく高めたことが影響しているという。

Facebookがモバイル・アプリに広告を流し始めたのは去年のことだから、この成功にはいっそう驚かされる。先月の第2四半期の決算報告でFacebookはモバイル広告が全広告収入のなんと41%を占めると発表した。5月には3分の1、第1四半期には5分の1(23%)だったことを考えればその急成長ぶりがわかる。また第2四半期の決算報告には「近くモバイル広告の売上がデスクトップの売上を追い越すだろう」と書かれている。

Facebookのモバイル広告で特に好成績なのがアプリのインストールを勧める広告だ。5月にFacebookの広告プロダクト・ディレクターGokul RajaramがTechCrunchのインタビューに答えて、「モバイル・インストール広告は好成績を上げており、ユーザーの反応の質も高い」と述べた。つまりこれによって実際多くのアプリがインストールされているという意味なのだろう。

Facebookのモバイルでの躍進はあるものの、全体としてみれば依然Googleが世界のモバイル広告の王者だ。eMarketerの推計ではGoogleは全モバイル広告の53.17%のシェアを握っており、これは2012年に比べて微増だという。

GoogleはモバイルOSの主導権を握っており、Androidは世界のスマートフォンの80%にインストールされている。同時にプレインストールされたYouTubeが何千万というデバイスから広告売上を稼ぎ出しているわけだ。

ともあれ、Googleが世界のデジタル・パブリッシャーの王者であることは間違いない。 今年Googleは世界の全デジタル広告収入の33%を得るという。これは2012年の31.46に比べてわずかに増加している。Facebookは5.41%になるという。これに対してYahoo!は微減、Microsoftは昨年並みを維持しそうだとeMarketerでは推計している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NoSQLデータベースのCouchbaseが$25Mを調達してグローバル展開へ, 一番人気MongoDBとの差別化を強調

NoSQLデータベースのCouchbaseが2500万ドルを調達して、新しいエンタプライズ機能を構築するとともに、インド、中国、南アメリカなどに事業を拡張していく。このシリーズDのラウンドを仕切ったのはAdams Street Partners、これに既存の投資化Accel Partners、Mayfield Fund、North Bridge Venture Partners、およびIgnition Partnersが参加した。これで同社の資金総額は5600万ドルになる。

Couchbaseは独立のオープンソースプロジェクトだが、ApacheのApache CouchDBと、同じくオープンソースプロジェクトのmemcachedがその背景にある。

そのほかのNoSQL企業と同様にCouchbaseも、企業の評価がより戦略的になるに伴い、採用事例が増えている。最近ではますます、Couchbaseをミッションクリティカルなアプリケーション用、と考えるところが多い。

データベースを複数のデータセンターに分散している企業も珍しくないが、Couchbaseの最新リリースには、それら複数のデータセンターを横断してレプリケーション(複製)行う機能が加わった。また、新たなセキュリティ機能も加えた。

CouchbaseのCEO Bob Wiederholdによると、同社を他社と差別化するものは最小のレイテンシと最大のスループットだという。彼によるとキャッシングの層とデータベースの層が別々になっているところが多い中でCouchbaseは、この二つの層を一つにまとめた。そのためにCouchbaseにはMemcachedが組み込まれており、またストレージのためのディスクも高効率なものを使用している。

同社のこのような技術では、競合相手のMongoDBによくあるロッキングが起きない。もちろんデータベースがロックしたらパフォーマンスは大きく落ちる。…Wiederholdはそう主張する。

Wiederholdによると、CassandraやMongoDBのような競合製品との大きな違いは、そのピアツーピアネットワークのスケーラビリティが優れており、セットアップが自動化されていることだ。

Webアプリケーションやモバイルアプリの要求が、今変わりつつある。今では数百万ものユーザが同時にスリータイヤアプリケーションを使用する。アプリケーションはそういう、Web的スケールで稼働しなければならない。しかもそれらはデータが主役で、高速なスケールアップが必要とされる。

Couchbaseの技術は堅固なワールドクラスのテクノロジだが、最近IBMの認定製品にもなったMongoDBに比べると、まだ知名度が低い。しかしWiederholdは、人気競争には関心がない、ユーザのスケーラビリティをしっかり確保することが何よりも重要、と言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


長年の混乱に終止符, MongoDBのオーナー企業10genが社名をMongoDBに変更

NoSQLデータベースMongoDBの開発とサポートを行っている10genが、社名を製品名と同じMongoDBに変えた。同社によると、その目的は、オープンソースのデータベースプロジェクトと、それを支える会社とを、一体とするためである。新社名は、ただちに有効となる。

MongoDBは知名度の高いドキュメントベースのデータベースで、2007年に10genの傘下でローンチした。10genそのものは、オープンソースのクラウドのためのプラットホーム、という構想でスタートした企業だ。しかしその後同社はMongoDBをメインのプロダクトにすることに決め、実質的にデータベース企業になった。今回の社名変更に関して会長で協同ファウンダのDwight Merrimanは、社名と主製品名の統一がその目的、と語った。

MongoDBプロジェクトとそのコミュニティWebサイトmongodb.orgは、社名の変更の影響を受けない。10genのWebサイトは10gen.comからmongodb.comに変わった。

それは、もちろん良いことだ。10genという名前は、これまでひたすら、混乱を招いていた。改名は、MongoDBにとってというより、会社にもたらす今後のブランド効果が大きいだろう。

なおこのところ、企業経営がますますデータドリブン(data driven, データ駆動型)になるに伴い、NoSQL運動が飛躍的に成長している。関係データベースの支配は今も続いているが、それはクライアント/サーバの時代に設計されたものであり、数テラバイトものデータを処理するには適していない。膨大な量のデータ処理は、いまや例外ではなく企業ITの定番になりつつある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))