MongoDBがマルチドキュメントのACIDトランザクションをサポート、三年がかりの大工事で

MongoDBがついに、マルチドキュメントのACID日本語)トランザクションをサポートすることになった。MongoDBのコミュニティは長年これを求めていたが、このプロジェクトを支えている企業(製品と同名のMongoDB, Inc.)がやっとその実装に取り組んだのだ。

発表は今日(米国時間2/15)の午後になるようだが、ACIDのサポートはこのNoSQLデータベースが夏にリリースするバージョン4.0でローンチする。しかしデベロッパーはそれまでベータを利用できるから、その使い方などを勉強できる。

基本的にMongoDBはドキュメントデータベースであり、デフォルトでは、この種のデータベースはACIDではない。マルチドキュメントのトランザクションなら、なおさらだ(ドキュメントのレベルではMongoDBはすでにACIDトランザクションをサポートしている)。しかし、マルチドキュメントに同時にライトするようなMongoDBの使い方をする企業はそう多くないから、それはこれまで、重要な案件ではなかった。

しかしそのために、MongoDBのユーザーの多くは今だに、リレーショナル・データベースをドキュメントデータベースと併用している。

むしろ、MongoDBの協同ファウンダーでCTOのEliot Horowitzによると、それこそがこのプロジェクトのメインの動機のひとつだった。“われわれがこれを必要としなかったのは、ドキュメントモデルはACIDトランザクションの必要性をなくすからだ。すべてではないが、ほとんどのね”、と彼は語る。しかしそれと同時に、ミッションクリティカルなユースケースのためのトランザクションが必要な場合も、明らかにある。またHorowitzによれば、MongoDBのユーザーの中にも、“いずれそれが必要になるのではないか”という不安をずっと抱えているデベロッパーがいる。今日のローンチは言うまでもなく、そんな不安を取り去る。

RedMonkの主席アナリストStephen O’Gradyはこう言う: “トランザクションのACIDが保証されることは何十年にもわたってリレーショナル・データベースの重要な特長だった。しかしそのためにユーザーは、トランザクションの確実性か、ノンリレーショナル・データベースが提供する柔軟性と多機能性か、という選択を強いられてきた。今回、マルチドキュメントのACIDトランザクションがサポートされたことにより、MongoDBは、ケーキを作るだけでなくそれを食べたいという顧客にも、奉仕できるようになった”。

Horowitzが強調するのは、単純にこの機能をデフォルトにするデベロッパーはいないだろう、ということ。むしろ多くのデベロッパーは、非常に特殊なユースケースの場合のみ、それを有効にするだろう。“これがMongoDBにライトするときのふつうの方法になるとは、思わないね”、と彼は言う。

この新しい機能の構築は複数年にわたる努力であり、三年前に、データベースのストレージエンジンの技術を持つWiredTigerを買収したことから始まった。しかしそれを有効にするためには、データベースシステムのほとんどあらゆる部位に手を加える必要があった。

試してみたい人は、ここでベータに参加しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

すでに1000社以上が参入、インバウンド業界のカオスマップとレポートをナイトレイが公開

インバウンド対策支援サービス「inbound insight」を提供するナイトレイは2月16日、国内のインバウンド業界のトレンドに関するレポートと、インバウンドソリューション企業をまとめたカオスマップを公開した。 

同レポートによると観光庁の発表では2017年の訪日外国人数は2800万人を超え、消費額も4.4兆円にのぼる。これはどちらも過去最高の数値だ。

日本政府でも「世界が訪れたくなる日本」を実現するため、2016年に「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定。訪日外国人数の目標値を2020年に4000万人、2040年に6000万人と設定している。

平成30年度の観光庁の予算をみても、約300億円と前年比で15%増加。デジタルマーケティングやビッグデータを活用したプロモーション強化、WiFi環境整備や手ぶら観光実現など受入環境整備へ多くの予算を充てるほか、民泊の整備やコンテンツの掘り起こしなどに向けて予算を確保しているとされる。

このような背景もありインバウンドソリューションサービスを提供している企業は1000社を超え、同社の言葉を借りるとまさに「カオスな状態」だ。

もちろんすべてのサービスが上手くいっているということはないが、2015年に楽天に買収されたVoyagin、2016年にフジ・メディア・ホールディングス傘下に買収されたジャパンインフォなどエグジットの事例もでてきている。同様にMATCHAが星野リゾートとの資本業務提携を締結したように、提携や資金調達の案件も増えてきている(ナイトレイも2017年に複数のVCから1.3億円を調達している)。

なお本レポートの完全版はナイトレイのサイトからダウンロードできる。

自動化技術の進展を横目に、Blinkistは人力で書籍要約を行っている

私が、ノンフィクションの新刊を、読みやすい要約と音声にしてくれる、Blinkistのことを耳にしたとき、最初はまあどうせ機械学習を応用した類のものだろうと考えた。しかし、ベルリンになるBlinkistの本社で、共同創業者のNiklas Jansenと話をしたところ、同社は依然として大幅に人力を採用しているということがわかり、嬉しさと共に驚きを感じた ―― そして実際、それこそが同社の成功の源なのだ。

Blinkistの基本的なアイデアは、ノンフィクションの新刊から最良のものを選び、その内容をそれぞれ1、2分で読める長さの幾つかの断片に凝縮して、本全体を合計15分程で読める”blink”(まばたき、一瞬)の集まりにまとめるということだ。タイトルは、ベストセラーや、トップ10リスト、そしてユーザーウィッシュリストや提案から選ばれて、定期的に追加されて行く。

特に変わったところはない。しかし、Blinkistが差別化しようとしているところは、これらの要約の品質にある。誰でも本を読んで、各章の概要を伝えることはできる。また、そのようなことを行ってくれる自動サマリーサービスも存在している。しかし、Blinkistの場合は、その分野をよく知っていて、その情報をどのように伝えれば良いかに精通した人物を選び出して、その作業を行うのだ。

しかし、出版されている様々なノンフィクションをフォローするためには、専門家、博士、著者たちの膨大なデータベースが必要ではないだろうか?もちろんそうだ。そして、そのようなデータベースを構築するところこそ、Blinkistが多大なリソースを投入した場所なのだ。

サブスクリプションサービスとしては既に安定した収入を得ているので、書籍を詳しく検討し、重要な部分を抜き出し、説得力のある方法でまとめるという、大切な仕事を依頼することのできる専門家の大きなネットワークを維持しながら、高品質な出力を行うことができている。しかしこれらの要約は網羅的なものは目指してはいない、それが「要約」(summary)と呼ばれている理由だ。

「重要なのは、Blinkistは対象の本を置き換えるつもりはないということです」とJansenは語る。「私たちは、Blinkistを実際の本への橋渡しと考えています。その後で、元の本を買いたくなる場合がいつでも出てきますからね」(もちろん、購入用のリンクが用意されている)。

私はまた、Blinkistがフィクションに関しても同じことをやるのではないかとも考えていた(そうだとすると読書の楽しみが台無しになると思いながら)。なにしろ、フィクションを読むという行為は、コアになる概念を学んだり、それがどのように実証され証拠立てられているかを知る行為ではないからだ。それは物語を体験するという行為だ。そして読む速度、言葉、そして会話がそこではとても大切だ。幸いBlinkistもこれを理解している。それがチームがそちらへ進まない理由なのだ。ということでノンフィクションは、はるかに論理的な選択肢なのだ。

ここで私は、現代のノンフィクションを、大量には読んでいないことを告白しなければならない。本当に。しかし、そうした本が決して私の興味を惹かなかったということではない。Blinkistは私のような人間にも向いているようだ、すなわち素早く好奇心が満たされることを望む読者たちに。

現代のスタートアップが人間の要素に大きく依存しているのを知ることは、元気付けられることだ。Blinkistに必要な費用は年間50ドルで、無料ではない。しかしそれを「人文系博士保全」ファンドだと考えることもできる。

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(翻訳:sako)

スタートアップが罹患する、自己正当化という病

【編集部注】Eric PaleyはFounder Collectiveのマネージングパートナーである。

スタートアップが失敗する理由は沢山ある。

残念ながら、時間が足りず、お金が足りなくなりました。

残念ながら、顧客は私たちの提供するものにあまり興味を持ちませんでした。

残念ながら、流通チャンネルが経済的に効率的ではありませんでした。

残念ながら、エンジニアリング(マーケティング、セールス、ファイナンスなど)の人選を間違えました。

残念ながら、ぎりぎりまで追い詰められてしまいましたので、これから起死回生の秘策を打つことにしました。

残念ながら、レイオフが士気を損なうと思ったので、あまりにも長期間現金を失い続けてしまいました。

残念ながら、最後の瞬間に条件規定書がご破算になって、お金が足りなくなりました。

残念ながら、私たちはビジネスを救ったであろう重要なアカウントを得ることができませんでした。

残念ながら、私たちはこれまでのあらゆる障害を常に克服して来ていたので、私たちは盲目的に次の障害も克服できると仮定していました。

これらは、私が投資家として聞いたことのある言い訳のほんの一例だ。通常は会社の資金がなくなった直後に聞かされることになる。

スタートアップの命運はどうにもならないときがある。使っているプラットフォームが、あなたの収益の流れを吸い上げることを一方的に決めたとか、国家がアプリを禁止したとかのように。しかし、いくつかの稀な状況を除いて、スタートアップの生死は主に創業者の手に握られている。

スタートアップは単に「お金が足りなくなる」のではない。そうではなく、彼らはお金がある間に、問題に対処することをずっと怠っていたのだ。失敗が先に起きるのではない。創業者が手遅れになるまで問題を自己正当化し続け、最も深刻な課題に対処するのを避けたときに失敗は起きる。

上記の問題のほとんどは、失敗した企業にだけではなく、成功したすべての企業にも、いずれかの時点で存在しているものだ。成功するか失敗するかの違いは、スタートアップがいかに迅速に問題に取り組めるかにかかっている。問題に早期に取り組むことで、スタートアップは進んで行く。問題が存在しないと自己正当化すれば、あなたのスタートアップもいずれ打ちひしがれた死体として転がるだけのことだ。

なぜ私たちは自己正当化するのか

創業者たちは、その意志にそって世界を変革し、皆を驚嘆させる。彼らが成功できる理由の一部は、ほとんどの人が気が付く前に未来を見ることができ、未来をデザインできる、うらやましいほどの想像力を持っていることによっている。これは強みだが、大きな弱点でもあるのだ。

成功した創始者は、未来を発明していることと、その未来が確実に到来するかどうかの間の矛盾に、うまく折り合いを付ける必要がある。創業者が何かが真であることを望んだからといって、そうなるわけではない。また創業者が一度正しかったからといって(「シリーズAをクローズするまでには私たちは30のVCに”No”を突きつけられました…」)、再び創業者が正しく成し遂げられるとは限らない(「…なので、シリーズBへ向けての拒絶反応たちを、私たちは打ち破っていく必要があります」)。

自己正当化は、成功を妨げる障壁を積極的に取り除いて行くべき道に立ちふさがる疫病である。

創業者は天を眺める目と、地にしっかりとついた脚を持つ必要がある。彼らは一気に未来を想像し、世界(顧客、従業員、応募者、投資家)がそのビジョンにどのように反応しているのかを、積極的に研究する必要がある。しかし残念なことに、ビジョナリーであることが、創業者自身に、現実を自己正当化で歪曲させて眺めるように誘惑するのだ。

自己正当化の兆候

自己正当化を見分ける最良の方法は、創業者が真剣に問題の答を探しているのか、それとも問題がなぜ重要でないのかを素早く説明して済ませようとしているのかを見ることだ。

自己正当化に陥る創業者たちは「 5つのWhy 」を使用して、なぜ否定的なデータが自分のスタートアップに当てはまらないのかを説明しようとする。一方賢明な創始者は、得られた事実にどのように対応しようかと努力を重ねるのだ。

対象分野や機能に深い専門知識を持つ人に出会った時、自己正当化した創業者はその人に話すのをやめ、その人からの入力が自分には関係ない理由を主張する。真剣な創業者なら、熱心に打ち合わせの場を設けようとする。そうした創業者は、その専門家の意見には賛同しないかもしれないが、その人の専門的な情報を掘り出すことにはオープンに臨むのだ。この分野の他の企業は何故その決断を下したのか?問題Xについて話すべき、最良の3人は誰か?優れたCEOは、企業が障壁を克服するのを助けることができる洞察を持っている人を、常に探し求めている。

自己正当化した創業者は、ある問題に対するアプローチをする際に、競合相手のものを模倣する傾向がある。たとえ、その競合相手がそれほど素晴らしい成功を収めていなかったとしても。真実に焦点を当てた業者は、競合他社の顧客を探し出して、彼らがなぜそんなにうまくやれているのかを調べようとする。

ベンチャー業界の不均衡なインセンティブも、創業者の自己正当化の傾向に寄与する。順調な成長を続けていて、ベンチャーキャピタルからの資金調達を考えている企業たちは、指数関数的カーブを描いて成長するためにビジネスに積極的に投資すべき理由を自己正当化する ―― たとえその成長曲線を確率を支持する証拠が乏しくとも。そうすることによって、これらの創業者たちは、彼らの前にあるデータを無視し、引き返すことが難しい自己正当化への道を歩み始める。

問題に立ち向かえ

スタートアップの失敗を外部要因のせいにしたくなる気持ちは理解できる。しかしその成功も失敗も、ほとんどは創業者の選んだ(もしくは選ばなかった)決定の結果なのだ。どんなスタートアップも、成功へ向かう道の上で、大きなチャレンジに出会う。スタートアップたちがこれらのチャレンジに対処する(あるいは予測する)スピードが、その結果を左右する。自己正当化は、成功を妨げる障壁を積極的に取り除いて行くべき道に立ちふさがる疫病である。ほとんどの創業者たちは、時間切れになってようやく自己正当化に気が付く。しかしそれでは遅すぎるのだ。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: IGOR NORMANN/SHUTTERSTOCK

ロシアの圧力でコンテンツを削除、Instagramは応じたがYouTubeは見合わせ

Instagramは、ロシアの反対勢力のリーダーAleksei Navalnyがポストしたコンテンツを、政府機関からの圧力によって取り下げたが、YouTubeはまだそうしていない。Navalnyらは、彼を黙らせようとする政治的な動き、と彼らが呼ぶものに従ったとして、Instagramを批判した。

この問題は、ロシアの副首相Sergei Prikhodkoを、彼が著名な企業家Oleg Deripaskaから豪華なヨット旅行などの接待を賄賂として受け取った、として非難するビデオがその焦点にある。 そのビデオはヨットの女性エスコートの一人がInstagramにポストし、のちに削除したビデオを、利用している。

Deripaskaはロシアの裁判所に提訴したが、その結果ビデオをWeb全体から削除する命令が下(くだ)った。命令の実際の発令者は、ロシアの通信を監督規制するお役所Roskomnadzor(ロシア連邦通信局)だ。

その命令に従って問題のコンテンツを削除したサイトやサービスのひとつがInstagramだ。するとたちまちInstagramは、Navalnyと彼の支持者たちからの非難の的になった。

[ロシアの無法に屈したInstagramよ恥を知れ!]

本誌は今、YouTubeとInstagramに、現状と今後のアクションについてコメントを求めている。FacebookはBBCに、規制当局の命令に従ったことを確認したが、政府のコンテンツ取り下げ要求への対応、という問題に関しては、一般論のような答しかない。

InstagramとYouTubeのポストに加え、ロシアの裁判所はNavalny自身のWebサイトをブロックするよう命じた。それは、彼が問題のコンテンツの取り下げを拒否したからだ。彼と支持者たちは、彼を黙らせようとするこの露骨な試みは、彼が来月の大統領選挙のボイコットを組織化しようとしているからだ、と見なしている。

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AR砂遊びなどを楽しめる次世代テーマパーク運営のプレースホルダ、TBSらから6億円を調達

体験型のデジタルテーマパーク「リトルプラネット」を展開するプレースホルダは2月15日、TBS、インキュベイトファンド、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資により、総額約6億円を調達したことを明らかにした。

リードインドベスターを務めたTBSは今回の出資によりプレースホルダ代表取締役の後藤貴史に次ぐ持分を保有し、プレースホルダは関連会社になるという。

リトルプラネットは「アソビがマナビに変わる」をテーマにした体験型のデジタルテーマパークだ。AR・VRやセンシング技術など最新のテクノロジーを取り入れて、子どもだけでなく大人でも楽しめる空間を提供している。

たとえば「SAND PARTY!」は砂場と映像を組み合わせた、“AR砂遊び”アトラクション。砂場の形状に応じて様々な演出が発生するほか、ARガジェットを使って宝箱を開けたり、見えない生き物を虫眼鏡でみるといった未来感のある体験を届ける。

ほかにも実際にはインクの出ないスプレーを使って壁やVR空間でラクガキができる「SPRAY PAINTING」や、リアル空間にデジタル積み木が融合するAR積み木「Little Builders」、ブロックを操作してキャラクターを目的地に導く過程でプログラミング脳を養える「WORD ADVENTURE」など、見ているだけでワクワクするアトラクションが並ぶ。

現在は東京都立川市にあるららぽーと立川立飛にて期間限定(2018年2月25日まで)でテーマパークを運営しているほか、7月20日からはハワイのワイキキ水族館でも展開する予定だ。

今後はパーク数の拡大のほか、TBSの持つエンターテインメントアセットを活用した新しいコンテンツ開発などにも取り組む方針。同社では「リトルプラネットを起点として、子どものやる気に火をつけ、創造力を駆使して新たな価値を作るきっかけを与えていけるエデュテインメント領域のリーディングカンパニーを目指します」としている。

なおプレースホルダは2016年9月の創業。代表取締役の後藤貴史氏はポケラボの創業者でもある、連続起業家だ。

ライブコマースはECの有力なチャネルとなるか、PinQulとTOKYO BASEがPB商品の共同販売へ

2017年は国内ライブコマースの“黎明期”と言える1年だった。多くのサービスが立ち上がり、「ライブコマース」という概念が一気に拡大。TechCrunch Japanでも11月に開催したTechCrunch Tokyo 2017でパネルディスカッションのテーマに取り上げ、関連するニュースも度々紹介してきた。

2018年は他の業界がそうであるように、各企業の優劣がはっきりしてくるのではないだろうか。昨年の秋には先駆者ともいえる「Live Shop!」運営のCandeeがプライベートブランドを始めるなど、新たな取り組みもみられた。存在感を増す事業者がでてくる一方で、撤退を決めるところもでてきそうだ。

PinQul(ピンクル)」を提供するFlattもこのライブコマース市場で事業を展開する1社。昨年10月にアプリをリリースし、11月からはプライベートブランド「P.Q. by PinQul」を始めた。

そんなFlattが次に取り組むのは、自社商品を販売したい事業者とタッグを組むことによるPinQulの本格的な拡大だ。

同社は2月16日、PinQulにてTOKYO BASEの新ブランド「SOCIAL WEAR」のライブ販売を実施することを明らかにした。ライブを行うのはInstagramのフォロワーが22万人を超える「にょみ。」さん。自身がプロデュースした洋服を2回の放送で販売する予定。1回目の配信は本日21時からだ。

Flattでは今後アパレル商材に限らず、自社商品を販売したい事業者や個人の募集を進めるという。

従来のメディアとは異なるライブコマースの可能性

今回ライブコマースに取り組むTOKYO BASEのSOCIAL WEARはかなりエッジの効いたブランドだ。

コンセプトは、日本生産がシュリンクしていく中「日本のファッション製造業を活性化させ、強い日本産業を取り戻す」こと。日本製にこだわり、生産は受注ベース。実店舗を持たずEコマースに特化したブランドで、60%の原価率を誇る。

これまではZOZOTOWNでのみ販売をしていたが、新たなチャネルとしてPinQulが候補にあがった。ライブコマースの特徴はテキストや画像に比べて、リッチでインタラクティブなコミュニケーションが可能になること。SOCIAL WEAR自体がユニークなストーリーを持つブランドということもあり、TOKYO BASEとしてもライブコマースとは相性がいいと踏んだようだ。

特に今回ライブ配信をするにょみ。さんが売るのは自らプロデュースした洋服。PinQulではすでに自身で手がけた商品を販売した配信者が複数人いて、約30分で1万1800円のセットアップが40着以上売れたという事例もある。FlattのCCOを務める豊田恵二郎氏も「語るべきストーリーがあるものほど向いている」と話す。

人とものを増やし、本格的に規模拡大を狙うフェーズへ

Flattではこれまで、ライブ配信を行うキー・オピニオン・リーダー(KOL)についても、扱う商品についてもかなり限定していた。

代表取締役CEOの井手康貴氏や豊田氏も以前から「実際に売れるか」を重視していると話していて、単にSNSのフォロワー数が多いだけの「インフルエンサー」ではなく、ファンからの信頼があり実際にものを売ることができるKOLを直接キャスティングしてきた。商品についても、あくまで「自分の気に入ったものを紹介してマネタイズできる仕組み」を目指して、むやみに広げることはなかった。

その考えを突き進めたひとつの結果が配信者によるプライベートブランドであり、実際にCVRも10%〜20%と「商品が売れる」仕組みができ始めているという。

その反面、今のやりかただけでは同社が目指す規模までは大きくならないという話もあった。そこで次なる一手として始めるのが、TOKYO BASEのように自社商品を販売したいと考える事業者との協業だ。

「これまでクオリティコントロールをものすごく大事にしてきて、実際CVR的にもいい数値がでている。今後もPBには力を入れていくが、それだけでは難しいのでB向け(事業者)にも拡大しないといけない。直近は配信者のハードルを下がるために裏側のシステムや体験の改善に全振りしてきて、ようやく拡大に向けた準備が整ってきた状況だ」(井手氏)

現時点でもすでに複数の企業からPinQulで商品を販売したいという問い合わせがきているそう。「ライフスタイル」などある程度の基準は設けつつも、アパレル業界以外の企業にもPinQulの提供を進める方針だ。共同でプライベートブランド商品を開発したり、熱量のある社員が販売をしたりといった可能性もあるという。同様にライブ配信者についても公募を開始し、放送数の拡大も目指す。

「今後企業がどのライブコマース(プラットフォーム)がいいかを比較するようになっていく。結局のところ『売れるかどうか』が見られているので、CVRを下げないという部分は徹底した上で規模を広げていきたい。特にファッション領域のKOLは自分たちがしっかりと巻き込み、ものについても『PinQulなら売れる』という状況を作っていきたい」(井手氏)

Google、軽量版「Gmail Go」をAndroid向けに公開

Googleは、主として新興市場向けに作られた同社アプリの軽量版、”Go” エディションに注目の製品を追加した。Gmail Goだ。他のGoアプリと同じく、スマートフォンのストレージ使用量が少なく、通常のGmailよりもモバイル通信のデータ量を節約する。

様々な記事のレポートよると、Gmail Goのダウンロードサイズは9.51MBで端末上で使用するストレージが約25MBなのに対して、通常のGmailはダウンロードが20.66MB、ストレージが47 MBだった。

アプリを試してみた一部ユーザーは、Gmail Goのスクロールは通常のGmailよりもスムーズでないと指摘している。また、同期の頻度を減らして通信料を節約している。

機能に関しては、GmailとGmail Goの間に大きな違いは見られない。

しかし,他のGoブランドアプリでは、必ずしもそうではない。たとえば、YouTube Goにはいくつか独自機能がありビデオをダウンロードしてオフライン視聴ができたり、ちかくの友達とシェアすることができる。Gmail Goの場合はAndroid Goで要求されているサイズと必要メモリーの条件を満たすように作られているだけのようだ。

Gmail Goは全ユーザー向けには公開されない。現時点で利用できるのはAndrod Oreo Goエディションの端末だけだ。

Goエディションアプリには他に、YouTube Go、Files Go、Google Go、Google Maps Go、Google and Assistant Goがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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リアルタイムの自己チェック機能のある3Dスキャナーは最初から正しい3Dモデルを作る

物の3Dモデルを作る方法はいろいろあるけど、その自動化となると、その物のまわりをぐるぐる回ってメッシュを作る、というものがほとんどだ。しかしここでご紹介するFraunhoferのシステムはもっとインテリジェントで、スキャンする物の特徴を事前に理解し、全体をスキャンするための効率的な動き方を自分で計画する。

ふつうは、スキャンが完了すると、ユーザーが相当時間をかけて点検しなければならない。たとえば出っ張りの部分がお互いを邪魔していないか、複雑な部分を正確にモデルしているか、などなど。欠陥を直すために、新たに調整した二度目のスキャンをすることもある。スキャナーに何らかの3Dモデルを事前にロードして、その物の形を教えるやり方もある。

Fraunhoferのコンピューターグラフィクス研究所(Institute for Computer Graphics Research)でPedro Santosが指揮したプロジェクトでは、システムが最初から自分の画像を自分で評価して、次の動きをプランする。

“われわれのシステムが独特なのは、各部位を自律的にリアルタイムでスキャンすることだ”、と彼はニュースリリースで言っている。またそれは、“どんなデザインのどんな部位でも測定できる。教えてやる必要はない”。

だからこのシステムなら、過去に一度も見たことのないパーツの、複製を一個だけ作ることもできる。カスタムメイドのランプや容器、ビンテージカーのドアやエンジンなども。

4月にハノーバーにたまたまいる人は、Hannover Messeへ行って自分で試してみよう。

画像提供: Fraunhofer

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、Lyftらと提携して危機支援機能を強化

FacebookはCommunity Help(社会支援)の取組み強化の一環として、Lyft、Chase、International Medical Corps、Save the Childerらの企業、団体と協力して、危機に瀕している人たちに食料、輸送、住居などの情報を容易に提供できる手段を提供する。

「われわれの優先課題は、人々の安全を守るためのしくみを作り、危機からの復旧復興に必要な支援を提供することだ」とFacebookの社会的利益プロダクト責任者、Asha Sharmaがブログに書いた。

Lyftなどの企業と組むことで、危機に陥っている人々が、Lyftの無料利用や、非営利団体Direct Reliefの支援物資についての情報を得ることができる。現在ほかに、Chase、Feeding America、International Medical Corps、The California Department of Forestry and Fireなどの組織が参加している。「数週間以内」には、他の企業に関する社会的支援の投稿もできるようにする、とFacebookは言っている。

「Lyftでは、安全で信頼性の高い移動手段を容易に利用できるようにすることに力を入れてきた」とLyftの社会的影響活動の責任者、Mike Massermanが声明で語った。「FacebookのCommunity Helpのしくみを利用して、危機の最中に支援を必要とする人々に輸送手段を提供し、地域社会の復興を支援する」

Facebookが社会的支援プロジェクトを立ち上げたのは昨年2月で、自然災害とビル火災の後に人々の日々の生活を支援することを目標に掲げた。自然災害とビル火災は、安否確認のためのSafety Check機能が発動する可能性のもっとも高い2種類の災害だ。

Safety Checkは2014年に導入され、災害が起きたとき、その地域にいる家族や有人の安否を簡単、迅速に伝えるために作られた。Safety Checkの一機能としてCommunity Help(社会的支援)をスタートして以来、約500件の危機に関して75万回以上の投稿、コメント、メッセージがあった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleがクラウドサービスのIoT基盤強化のためXivelyをLogMeInから買収

Googleが今日(米国時間2/15)、LogMeInからXivelyを買収することを発表した。これによりGoogle Cloudが既成のIoTプラットホームを持つことになり、それはGoogleの正式のプロダクトポートフォリオの一員にもなる。価額など、買収の条件は公表されていない。

買収を発表するブログ記事でGoogleは、それが成長著しいIoT市場への参入の契機であることを示唆している。同社によるその市場規模は、2020年におけるインターネットに接続された‘物’の数が200億に到達するという。XivelyによりGoogleは、デバイスの設計者がその設計プロセスの中へ直接、インターネットへの接続性を構築できるためのツールを入手することになり、またエンドユーザーアプリとインターネットに接続された物との間のクラウド-モバイル接続性も得られる…それがどんな接続であれ。

“この買収は、条件をまだ詰めている段階だが、Google Cloudのこれまでの能力を補完して完全に管理されたIoTサービスを提供し、それにより、世界中に分布しているデバイスからのデータに安全に接続して、その管理と取り入れができるようになる”、とGoogleのAntony Passemardがブログに書いている。

2014年にXivelyを1200万ドルで買ったLogMeInは、Googleによる買収を同社のブログ記事で認め、同社自身はIoTから撤退する、と発表している:

“そこで、当然の疑問として、これはLogMeInがIoTを去ることを意味するのか? それが、IoTの接続性プラットホームのことなら、そのとおり、われわれはそこから去る。Xivelyのチームを手に入れたGoogle Cloudには優れた技術があり、それを支えるプラットホームも厚く、またデベロッパーとの関係性も深くて親密なため、将来のプラットホームのリーダーとして、はるかに適している”。

おそらく、同社の考え方は正しいだろう。

先週Jive Communicationsを買収したばかりのLogMeInは今後、ユニファイド・コミュニケーションに集中するものと思われる。同じブログ記事に、こう書いている: “先週、Jive Communicationsの買収を発表したが、それにより弊社の、GoToMeetingやjoin.meなどから成るコラボレーションアプリの好評なポートフォリオに、今の市場で最良のクラウドテレフォニーサービスが加わることになる”。

一方Googleにとっては、Xivelyの完成されたプラットホームと優秀な技術者たちにより、そのクラウド事業がIoTの分野により強力な足場を築き、将来的に、クラウドビジネスのさらなる構築を助けるだろう。今月初めにGoogleは、全体としてのクラウド事業が10億ドルの四半期売上を達成した、と発表した。しかし今後のさらなる成長のためには、AWSやMicrosoftなどの、クラウド市場のリーダーたちに負けないだけの、将来性の大きい商材を必要とする。今回の買収は、それを得る努力の一環だ。物のインターネットのデバイスは、その構築と運用と、それらが吐き出す膨大な量のデータの管理のために、きわめて多様なクラウドリソースを必要とする。

同社は、XivelyのプラットホームをGoogleのセキュリティやアナリティクス、機械学習、スケールの能力などと組み合わせれば、IoTアプリケーションを同社のプラットホーム上に構築するためのツールを顧客に提供できる、と考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

HomePod用の革製コースター、20ドルで買えます

昨日(米国時間2/14)報じられたHomePodが木製塗装面に大きな痕を残すというニュースは、Appleのスマートスピーカーにとって大打撃だったが、ある非常に限られた特定製品カテゴリーにとってはまたとないチャンスになりそうだ。この記事が公開されるや否や似たような売り込みが50件は寄せられるに違いないが、Pad&Quillのサイトオーナー、Brian Holmesは誰よりも早くこの20ドルのレザー製コースターの予約販売を始めたことを知らせてきた。

私はこれを買うべきだと言っているわけではないが —— むしろ、おそらく買うべきではない —— もし欲しい人がいれば買うことができる。そして、事実これを使えばHomePodのシリコン製の底面が木材塗装面に円形の痕を残すのを防ぐことができる。これは、必要な製品ではない —— 苦労して稼いだ20ドルだけでなく、申し分なく美しい革の無駄遣いとさえ言えるかもしれない。

とはいえ、これは消費者のごく小さな隙間需要に対して、ミネアポリスでデザインされ熟練した職人が手作りした「最新技術の表面保護」で答えようという、アメリカ人の創意工夫と資本主義のマジックの証に違いない。決して人に見られることはないが、いつもそこにいてオーナーと塗装面のためにがんばっていることをあなたは知っている。つまるところ、そこが一番大切なところなのではないだろうか。

事実、もしハンドクラフトのHomePod用コースターに20ドル払うつもりなら、おそらく誰にも見られないようにしたほうがいい。出荷は来週からなので、それまではHomePodを安全な場所にしまっておくのがよいだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AI調理ロボットのMisoが1000万ドル調達――ハンバーガーチェーンにパテをひっくり返すFlippyが登場する

ロサンゼルスの近郊のパサデナに本拠を置くハードウェア・スタートアップのMiso Roboticsは投資家から強い信任を受けた。同社はAcacia Research CorporationがリーダーとなったシリーズBのラウンドで1000万ドルの資金を調達したことを明らかにした。このラウンドを含めてMisoが調達した資金総額は1400万ドルとなった。

同社ではこの資金を食品を扱うロボットの強化に用いるとしている。ハンバーガー調理を助けるロボット、Flippyは間もなくCaliBurgerチェーンの50店舗に出荷される。

TechCrunchは公式発表に先立ってCEO、共同ファウンダーのDave Zitoに電話でインタビューした。 「今回の資金調達の成功によってわれわれのAI利用キッチン・アシスタントの能力、規模はさらに拡大される。この見通しにわれわれは大いに興奮している。投資家は開発の初期にわれわれのプロダクトを調べて大いに感銘を受け、依然に倍して支援することを決めた」とZitoは語った。

MisoのロボットのAI四角から見たグリル上のハンバーガー・パテ

今回のラウンドで見逃せないのは、新しい投資家としてシカゴの有力企業Levyが加わったことだろう。同社はアメリカとイギリスでレストランやスポーツスタジアムその他のエンタテインメント施設に自販機サービスを提供している。Levyの参加は戦略的なものだ。同社はもっとも多忙な現場の人手不足問題の解消にAIロボットを利用しようとしている。

Zitoは「Levyがラウンドに参加したことは、調理済み食品への需要がますます増えつつあるトレンドを同社が非常に真剣に考えていることを意味する。現場ではスタッフがオーバーワークに陥っており、調理にロボットの手を借りられるということに皆大歓迎だ。スタッフの入れ替わりは激しく、消費者の要求は多様化している。そういう状況で価格を据え置くのはたいへん難しい」と述べた。

Misoは昨年9月のTechCrunch Disruptに参加し、開発の初期段階だったが、FlippyのロボティクスとAI視覚をデモしている。Misoでは数週間以内にパサデナのCaliBurgerの店頭で実際にFlippyを作動させて披露する予定だという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)</P

あるUNICODE文字がAppleデバイス上でアプリを破壊する――iOS、Mac、Watchの主要ソフトすべてに影響

TechCrunchはAppleのデバイスに深刻なバグがあることをつかんだ。

モバイルブラウザを提供しているAloha Browserの開発チームは多言語対応のニュースフィードを開発中に特定のUNICODE文字がAppleのアプリをクラッシュさせることを発見した。これはAppleのデフォールトのSan Franciscoフォントを利用している場合に発生した。アプリのクラッシュは英語以外のUNICODEの2文字によって引き起こされ、iPhone、iPad、Macの各機種のアプリばかりでなく、WatchOSでテキストを表示する場合にも影響する。

これらの2文字がアプリ内で表示されるとそのアプリは即座にクラッシュする。多くの場合、アプリは再起動できず、再インストールが必要になる。 TechCrunchは旧バージョンのiOSを搭載したiPhone、2台とiOS 11.2.5を搭載したiPhone、High Sierra搭載のMacBook Proそれぞれ1台ででこの現象を再現することができた。

このバグによってクラッシュするソフトウェアにはMail、Twitter、Messages、Slack、Instagram、Facebookなどメジャーなアプリが含まれる。われわれのテストではMac向けコピー&ペースト・プラグインのJumpcutもクラッシュした。当初、 Mac向けChromeは影響を受けないかと思われたが、やはりクラッシュした。Chromeも問題の文字を表示したアプリもその後起動せず、アンインストールと再インストールを必要とした。OSがクラッシュし、リスタートする場合もあった。

TechCrunchはAppleにバグフィックスのスケジュールを問い合わせている。新しい情報があればアップデートする予定だ。Aloha Browserのチームによれば、Appleもこのバグを認識しているという。Alohaのチーム以外からもバグ報告が上がっているもようだ。

Appleがテキストに含まれる文字が原因でアプリがクラッシュする「テキスト・ボム」現象に悩まされるのは今年に入ってこれで2度目だ。最初は1月にソフトウェア専門家のAbraham Masriが発見したiOSのバグで、特定のURLを含むテキストメッセージを送りつけられるとすべてのiPhoneがクラッシュした。これより前、2016年には、 ユーザーがCrashSafari.comのURLをクリックするとiPhoneやSafariがクラッシュした。2015年にはUnicode of Deathと呼ばれる現象が起きている。これはUNICODEのアラビア語の文字一部がiPhoneのメモリを占有して障害を起こすバグだった。今回われわれは「死のUNICODE 2.0」に遭遇しているようだ。

今回のテキスト・ボムは主要なアプリすべてに影響するため、原因となるUNICODE文字がソーシャルメディアその他のチャンネルを通じて広く拡散されると個人や組織を狙ったメールやテキスト・メッセージによって大混乱が引き起こされる可能性がある。バグは大部分のAppleのデバイスの上で作動する大部分の主要アプリをクラッシュさせる。早急にバグフィックスが提供されないと大問題になりそうだ。

[アップデート: Appleは早急にバグフィックスを提供することを確認した。このバグは現在のバージョンに影響しているものの、iOS、tvOS、macOS、 watchOSのそれぞれベータ版ではすでに修正されている。]

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MITの新しいチップはニューラルネットワークを電池駆動のガジェットの上でも動かせる

MITの研究者たちが開発したチップは、ニューラルネットワークをスピードアップするとともに、その消費電力を最大で95%も引き下げる。その基本的なコンセプトはチップの設計を単純化して、チップ上の複数のコンピューター間のデータの行き来をなくすことだ。

MITの院生Avishek Biswasのチームが開発したこの新しい方法の利点は、ニューラルネットワークをスマートフォンや家電製品やそのほかの機会器具類の上で動かせるので、膨大な電力を消費するサーバーが要らないことだ。

それがなぜ重要なのか? つまりそうなると、このチップを使っている未来のスマートフォンは、高度な音声認識や顔認識などを、ニューラルネットワークやディープラーニングをローカルに動かして実行できる。原始的なルールベースのアルゴリズムを使わずにすむし、データをクラウドに送って処理の結果をもらうことも、する必要がない。

センサーがデータを集めている現場で、必要なデータ処理をすべて行うことを、‘エッジにおけるコンピューティング’、エッジコンピューティングと呼ぶが、それが一般企業のレベルで実用段階になりつつある。この新しいチップ設計の方法は、今成長中の機会がさらに商用化大衆化していくとき、業界に大きなインパクトを与えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SignAllはゆっくりと、しかし着実に手話通訳プラットフォームを構築中

翻訳は難しい作業だ。2つの言語の距離が遠くなるほどそれは難しくなる。フランス語からスペイン語?それほど問題はない。古代ギリシャ語からエスペラント?かなり難しいだろう。しかし、手話は独特だ。そしてその翻訳の難しさも独特である。なぜならそれは話されたり書かれたりしている言語とは、根本的に異なるものだからだ。こうした事情から、SignAllは、アメリカ手話(American Sign Language:ASL)の正確でリアルタイムな機械翻訳を実現するために、何年も努力を重ねてきた。

AIとコンピュータビジョンに現在起きている進歩を考えれば、このような解くのが面白くて有益な問題は、既に一流中の一流どころが一斉に取り組んでいることだろうと想像するかもしれない。シニカルな市場拡大の観点から考えても、手話を理解できるEchoやテレビは何百万人もの新しい(そして感謝を捧げてくれる)顧客を引きつけることだろう。

しかし残念ながら、そうしたことは起こっていないようだ。それがこのブタペストを拠点とする小さな企業であるSignAllのような会社に、不自由な人びとへの利便性を提供するこの難しい仕事が残された理由だ。そして、手話をリアルタイムで翻訳することは、思われていたよりも複雑な作業であることが判明したのである。

CEOのZsolt Robotkaと最高研究開発責任者のMártonKajtárが、今年のCESに出展を行っていた。私はその場で、会社のこと、彼らが挑戦している課題、そしてこの分野がどのように発展していくのかについての話を聞いた(私は彼らが2016年のDisrupt SFにも出展していたことを知って嬉しくなった。残念ながらその時は彼らに会うことはなかったのだが)。

おそらく、このビジネスの中で私にとってもっとも興味深いことは、彼らが解決しようとしている問題がどれほど興味深く、そして複雑なものであるかということだ。

「これはマルチチャネルコミュニケーションなのです。実際に、大切なのは形や手の動きだけではないのです」とRobotkaは説明する。「手話を本当に翻訳したいのならば、上半身の動きと顔の表情をすべて追跡する必要があります。このことはコンピュータービジョンの部分を非常に難しいものにします」。

ちょっと考えただけでも、それは大変な作業である、わずかな動きも追跡することを考えるとそれは膨大な量となるだろう。現在のシステムはKinect 2を中心に置いて、3台のRGBカメラを1〜2フィートの位置に設置している。誰の話し方も少しずつ違っているように、ASLユーザーも少しずつ違った動作を行う。このためシステムは新しいユーザー毎に再調整をする必要がある。

「この複雑な構成設定が必要なのは、こうすることで異なる視点を持つことができ、そのおかげで時間と空間(リフレッシュレートとピクセル数)に対する、解像度の不足を補うことができるからです」とKajtárは語る。「ASLでは非常に複雑な指の動きを行うことができますが、手を骨格として捉える従来の手法は役に立ちません。何故なら指同士が重なるからです。そこで、サイドカメラを使用してこの重なりを解決しています」。

それでは十分でないと言うかのように、顔の表情やジェスチャのわずかな変化も、伝えられていることに加わる。例えば感情の追加や方向の指示などだ。そしてさらに、手話は、英語や他の一般的な話し言葉とは根本的に違っているという事実がある。これは単なる置き換えではなく、完全に翻訳なのだ。

「手話の本質は、連続した身振り(サイン)です。この性質から、いつ1つのサインが終わり、そしていつ次のサインが始まったかを区別することが難しいのです」とRobotkaは語る。「そして、それはまた非常に異質の言語でもあるのです。語彙から拾い上げて、単語単位で翻訳をすることはできません」。

SignAllのシステムは、順番に提示される個々の単語だけではなく、完全な文章を対象に動作を行う。サインを1つずつキャプチャして、翻訳していくシステム(性能が限定的なバージョンは存在している)は、言われていることに対して、間違った解釈や、過度に単純化された表現を生み出しやすい。行く方向を尋ねるような単純なコミュニケーションに対しては十分かもしれないが、本当に意味のあるコミュニケーションは、検知され正確に再現されなければならない、何層にも重なった複雑な階層で構成されているのだ。

これらの2つのコミュニケーションレベルの間のどこかを目指して、SignAllはギャローデット大学で、最初の公開パイロットプロジェクトを行おうとしている。このワシントンDCにある聴覚障害者のための学校は、ビジターセンターのリノベーションを行っている最中だが、SignAllはここに、訪問した健聴者が聴覚障害スタッフと対話できるようにできる翻訳ブースを設置する。

ギャローデット大学のビジターセンターに置かれたAignAll装備デスクの想像図

Robotkaは、これはシステムのテストを行うための良い機会だと語る。通常は情報提供は逆方向で、聴覚障害者の方が健聴者から情報を貰う立場だからだ。手話ができない訪問者は、喋ることもできて、(もしスタッフが読唇術を使えない場合には)その質問はテキストに変換される。そしてスタッフによる手話による応答はテキストに変換され、音声合成が行われる。

これは複雑なやり方に聞こえるし、実際技術的はとても複雑だが、現実的にはどちらの側の人間も普通にやっていること以上のことを行う必要はない。それで相手には理解して貰えるのだ。少し考えてみれば、これがどれほど素晴らしいことかが分かるだろう。

パイロットテストの準備のために、SignAllとギャローデット大学は協力して、現在使われているアプリや、大学固有の状況に関するサインのデータベースを作成している。全ての手話サインを表す包括的な3D表現は存在しない、そのため当面システムは配備された環境に応じて提供される。ドメイン特有のジェスチャーが順次データベースに追加されていくことになる。

ギャローデット大学の学長のRoberta Cordano(中央の灰色のセーターの人物)が、ブダペストのSIgnAllのオフィスを訪問したときの様子。彼女の向かって左後ろに立つのがRobotka、右端に居るのがKajtár。

「これらの3Dデータを収集するのは本当に大変でした。彼らの協力を得て、丁度作業が終わったところです」とRobotkaは語る。「インタビューを行い、そこで発生した会話を集めて、すべての言語要素とサインが集められるようにしました。私たちは、最初の2、3のパイロットプロジェクトで、同じようなカスタマイズ作業を繰り返すことになると考えています」。

この長期間にわたるプロジェクトは、技術の可能性と限界の両方を冷静に思い出させるものだ。もちろん、手話の自動翻訳が、コンピュータビジョン、機械学習、イメージングの進化によって可能になったことは間違いない。しかし、他の多くの翻訳やコンピュータービジョンタスクとは異なり、基本的な正確性を達成するだけでなく、人間中心主義の側面が確実に含まれるようにするために、大量の人間からの入力が必要とされるのだ。

結局のところ、こうした活動は単に私たちが外国のニュース記事を読んだり、海外でコミュニケーションを行う際の利便性に留まる話ではなく、多くの人が対面コミュニケーションとして考えている「会話」という手段から締め出されている人たちの、利便性に関わる話なのだ。彼らの運命を良くして行くことは、待つだけの価値がある。

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(翻訳:sako)

「あそびの発明」ニンテンドーラボ予約開始。自分で発明する Toy-Conガレージなど新情報公開

ニンテンドースイッチと段ボール工作を組み合わせた新しいトイ、Nintendo Labo (ニンテンドーラボ)の購入予約受付が始まりました。

任天堂直販のマイニンテンドーストアのほか、家電量販店やオンラインストア各社で第一弾製品「バラエティキット」「ロボットキット」、カスタマイズ用アクセサリの「デコルセット」を予約できます。発売は4月20日。

あわせて、これまで不明だった情報やスクリーンショットを含む新しい紹介映像も公開しています。

Gallery: Nintendo Labo (ニンテンドーラボ) 新映像 | 15 Photos

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任天堂が1月に発表した Nintendo Labo は、ニンテンドースイッチのアプリとダンボール工作キットを組み合わせた新発想のおもちゃ。

キャッチフレーズの『つくる、あそぶ、わかる』が示すように、段ボール工作とスイッチのゲーム、さらに動作原理の理解という、教育的な側面があるおもちゃです。

段ボールシートを画面の指示どおりに組み立てて、ニンテンドースイッチの着脱式コントローラ Joy-Con を装着することで、ピアノ・釣り竿・ハンドル・ドールハウスなどさまざまな形状の『Toy-Con』を「つくる」のが第一段階。

作ったトイコンで新しい操作のゲームを遊べることに加えて、Joy-Conの赤外線カメラやモーションセンサなど、段ボール工作とどう相互作用して動作しているのかを理解し、自分なりに変更を加え試行錯誤で遊び方を拡張する要素もあります。

さらに両キットに含まれる「 Toy-Conガレージ」モードでは、「何をすると」「どうなる」を組み合わせて、オリジナルな Toy-Con を作ることまで対応。

ボタンやセンサなどの入力と、振動や画面や音などの出力を対応させ、自作の工作と組み合わせることで、例ではコインの識別機やギター、動くおもちゃなどが作れることが示されています。

速報:『あそびの発明』Nintendo Labo発表。工作キットと任天堂スイッチを合体

価格は、釣り竿やピアノなど5種類+アルファのToy-Conが作れる『Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kit(バラエティ キット)』が税込7538円、身につけて体の動きをロボットに反映する『Nintendo Labo Toy-Con 02: Robot Kit(ロボット キット)』が8618円。

「段ボールに8000円!」という反響もありましたが、それぞれダンボールキットとニンテンドースイッチ用のゲームカード(組み立て解説、各ゲームやアプリ)が同梱された価格です。

マイニンテンドーストアでは、通常版に加えて「ダンボールキット+ソフトのダウンロード番号」をセットにしたダウンロード版も同じ価格で販売します。

ニンテンドーラボはソフトだけあっても成立しないためか、本体のeショップでダウンロード版ソフトのみの販売はしないとのこと。

Engadget 日本版からの転載。

スタートゥデイが3つの新発表――おかませ定期便、ZOZO販売員、新たな採寸アイデアを3億円で買い取り

プライベートブランド「ZOZO」の販売開始、ZOZOSUITの配送、スタートトゥデイ研究所の発足——ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが大きな発表をしたのはつい先日のこと。ただそこから1ヶ月も経たないうちに、また新たな構想が明らかになった。

スタートトゥデイは2月15日、3つの新たな発表を行った。1つ目がZOZOTOWNで「おまかせ定期便」を開始したこと、2つ目が在宅ワーク可能な「ZOZO販売員」の募集を開始したこと、そして3つ目がスタートゥデイ研究所にて、あるアイデアを3億円で買い取るということだ。

コーディネートした服の定期購入サービス

おまかせ定期便は本日から開始したZOZOTOWN内の新サービス。申し込み時に回答したアンケートをもとに、アパレル経験豊富なスタッフがスタイリングしたコーディネートを定期的に届けるというもの。合わせて注文履歴などを独自のアルゴリズムで解析することで、ユーザーに最適な服を届けることを目指す。ZOZOSUITで体型を計測していれば、そのデータも加味するという。

頻度は「1ヶ月ごと」「2ヶ月ごと」「3ヶ月ごと」の3つからから選べ、1度に送られる商品の数は5~10点。ユーザーはその中から気に入ったもののみを選んで購入できる。気に入らなかった商品は、無料で返品可能(商品到着から7日以内)。サービスの利用料金は購入した商品代金と200円の送料となる。

成果報酬もある在宅ワーク、ZOZO販売員

このおまかせ定期便にも関わるのが、こちらも本日から募集を開始したZOZO販売員だ。ZOZO販売員はおまかせ定期便のユーザーのために、50万点以上の商品からコーディネートを考える役割を担う。

管理画面から商品を選択し、着こなしのポイントなどをまとめたレターを作成する仕事で、自宅にいながら自分のペースで働くことが可能。コーディネートの作成につき600円が支給されるほか、売上に応じた成果報酬もあるという。

ZOZOSUIT超えの可能性を秘めたアイデアを3億円で買い取りへ

そして3つ目の発表は少し違ったテイストのものだが、もしかしたらTechCrunch Japanの読者にとってはもっとも興味深いものかもしれない。

個人や企業からファッションデータ・システム関連のアイデアや特許などを買い取り、実現・活用を目指す目的で発足したスタートトゥデイ研究所が、3億円であるアイデアを買い取ることを決定したという。

詳細は明らかになっていないが、発表によると「研究者3名からなる匿名のチームによる、採寸用ボディースーツ『ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)』よりも更に簡単に低コストで高精度な体型計測が可能となるアイデア」だということ。

本件はスタートトゥデイ研究所による買い取り案件の第1弾で、今後もアイデアや特許などの買い取りを検討していくとしている。

海洋浄化のスタートアップを育てたいSustainable Ocean AllianceにPineapple Fundが$1Mを投資

ひと月足らず前、嬉しいことに、私たちの海が直面する問題のテクノロジーによる解決、というものすごく狭いフォーカスを持つ新しいアクセラレーターについて書く機会があった。そして今日(米国時間2/14)は、そのアクセラレーターを抱える不思議な名前の団体Pineapple Fund(以下、Pineと略称)が、その海洋保全活動を支える資金として100万ドルを拠出したことを発表した。

そのSustainable Ocean Alliance(SOA, 持続可能な海洋連合)とOcean Solutions AcceleratorのCEOでファウンダーのDaniela Fernandezが、発表前にそのニュースを知らせてくれた。

“何も変わらないけど、すこし財団らしくはなった”、と彼女は言う。“お金のことで人にペコペコする時間が少なくなるし、実際の事業計画に割ける時間が増える”。

(しかしまだ何もない — 応募の締め切りを3月23日までに延ばしている。)

SOAのプレスリリースから引用すると: “SOAのビジョンは、世界中の若者からのすばらしいソリューションを、海の健康と持続可能性に貢献しスケーラビリティと実際の売上のある企業に変身させることだ”。

Pineは総額8600万ドルのファンドを作り、そこに数千件の応募があった。86という数字は英語の俗語として否定や拒否を意味するが、その否定の対象にならないものもあったようだ。それは、中でもとくに、地球だ。資金提供はSOAのほかに、The Water ProjectCharity: WaterWings for Conservationなどに対しても行われた。

嬉しそうな彼ら!: SOAのRachael McLellan, Daniela Fernandez, Craig Dudenhoeffer。

彼らにはbitcoinが送金され、そして現金化された。100万ドルから手数料や税金を引いた額がSOAの手に残る。Fernandez(上図中央)は、“非営利団体はまだ暗号通貨に対する用意がない”、と言うが、それは、もっと広く、テクノロジーを利用してやれることがたくさん待っている、という意味だろう。それ…暗号通貨の世界…は、デイトレーディングや詐欺的ICOのような、否定的側面ばかりではない。

話変わって彼女は曰く、“小さな活動が大きなお金を使えるのも、悪くないわ”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa