米国史上最悪の失業率にも株価は急騰

米国時間3月26日、米国が最近50年で最悪の失業率を記録したにもかかわらず、株価は急騰した。実体経済が受けた痛みは、新型コロナウイルス感染増加によるビジネス閉鎖を受けて政府がウォール街や企業、(いずれは)労働者に対して、2兆ドル(217兆円)の景気刺激策として資金を投じると決定したことで、投資家にとっては相殺されたかたちとなった。

計画の詳細とスタートアップ企業への影響はまだ明らかにされていないが、低金利の融資が利用可能になることで大企業、中小企業ともに資金の目処がつき、この国最大の都市で起きている長期にわたる封鎖が続いたとしても、破綻を免れることができるだろう。

数値の変化は以下のとおり。

  • ダウ平均株価は6.38%、1351.62ドル高の2万2552.17ドルで引けた。
  • S&P 500指数は6.24%、154.51ポイント上げて2630.07ポイントで終えた。
  • Nasdaq総合指数は5.60%、413.24ポイント上げて7797.54ポイントとなった。

テック株は市場全般にならって高値でこの日を終えた。Facebookは4.5%近く、Alphabet(Googleの親会社)は5.5%高値をつけた。Apple株も5%以上、Amazonも3%、それぞれこの1日で上昇した。

画像クレジット:Hiroshi Watanabe / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナウイルスのワクチンは長期間有効という研究結果

イタリアの研究者による新しい研究によれば、新型コロナウイルスのパンデミックの原因となっているウイルスの変異は比較的遅いという。言い換えれば、人間が感染することを防ぐ効果を持つワクチンが開発されれば地理的に広い範囲で有効なはずで、しかも比較的長期間にわたって効果が続くはずだと考えられる。

画像クレジット:Bloomberg/コントリビューター/Getty Images

この研究は、お互いに独立して仕事をしている2つの異なるチームによって実施された。1つは、ローマにあるLazzaro Spallanzani(ラザロ・スパランツァーニ)国立感染症研究所(IRCCS)、もう1つはAncona(アンコーナ)大学病院の生物医学および公衆衛生局(DSBSP)の法医学部門だ。それぞれ、イタリアの患者から採取したウイルスのサンプルについて、Thermo Fisher Scientificが開発した技術を使って遺伝子の配列を解読した。そして、これらのサンプルを、約2か月前の武漢での流行の際に採取された元のウイルスのサンプルから解読された基準のゲノムと比較した。

遺伝的変異の観点から言えば、これら2つのウイルスサンプルの違いはかなり少なかった。時期的に後となるイタリアのサンプルからは、5種の新しい異型が認められただけだった。この結果からは、SARS-CoV-2コロナウイルスが、複数の個人や集団にまたがる長い感染経路を経ても、それなりに安定した状態を保つことが、今のところは示される。

他のコロナウイルスが、短期間で変異する可能性があることを考えると、これは心強いニュースと言える。一般的な、毎年のインフルエンザを考えてみよう。これは、本質的に絶えず変異しているため、毎年新しいインフルエンザワクチンが開発されている。研究者は、毎年のインフルエンザシーズンには、時間との戦いの中で、どの突然変異株が最大の脅威をもたらすのかを予測し、ワクチンを適応させて、最新の予防接種を受けるよう、人々に促すのだ。

他のウイルスは、非常にゆっくりと変異するか、あるいはまったく変異しないかのどちらかだ。新型コロナウイルスは、どうやら前者に属するようだ。このイタリアの研究だけでなく、John Hopkins(ジョン・ホプキンス)大学や、他の世界中の健康科学研究者によって行われた研究も、同様の見解を支持してる。時間の経過による突然変異を、より包括的に追跡しようという、ある英国のコンソーシアムの取り組みによって、より明確な見解が得られるはずだ。

新型コロナウイルスのパンデミックに関して言えば、それを引き起こすウイルスの遺伝子構造の変化が遅いものであるという説を支持する研究結果は、非常に良い知らせだろう。ワクチンの開発には、まだ少なくとも1年はかかりそうだが、今回の研究結果からすれば、いったんワクチンが開発されれば、その効果は、地球上の広い範囲で、数年間は有効だろうと期待できるからだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Duolingoが新型コロナの影響を受け子供向け英語リテラシーアプリを無償公開

これまでDuolingoは語学教育に重点を置いてきたが、米国時間3月26日、3歳から6歳までの子供を対象にした英語リテラシーアプリ「Duolingo ABC」の無償提供を開始した。当初、同社はこのアプリを今年後半に発表する予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行に伴い、急遽ホームスクールに通うことになった子供を持つ親を支援するために、早期のローンチとなった。

この広告なしのアプリは現在、米国や英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド向けに提供されている。アプリには基本的な読み書きのスキルを教える300以上の短いレッスンが含まれている。今のところ、アプリは英語版かつiOS版のみが利用可能だが、Duolingoは将来ほかのプラットフォームもサポートする予定だ。

「我々は非識字という世界的な問題に取り組むために、Duolingo ABCを作成した」と、Duolingoの同業社兼CEOのLuis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏は語る。「読み書きを教えることで、人生を変えることができる。人々がどのように言語を学ぶのか、ゲーミフィケーションで学習者のモチベーションを保つ方法について、私たちが知っていることをすべて取り入れることによって、世界的な識字率の向上に貢献できると信じている」。

Duolingoが新しい言語を学びたい人への注力から手を広げているのは、興味深い。ABCはネイティブ・スピーカーだけでなく、他のコースよりもずっと若いユーザーにも焦点を当てている。これがDuolingoの幅広い教育分野への進出のきっかけになるのか、それとも単発のアプリになるのかが、注目される。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SF監督機関が新型コロナ感染拡大に伴いギグワーカーの保護強化へ

米国カリフォルニア州サンフランシスコ市の監理委員会は決議に基づき、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが続く間、ギグワーカーにより厚い保護と給付を提供するよう多くの立法機関に要請した。同委員会はまた、ギグワーカーが現在も外でフードデリバリーやライドシェアに従事していることを受け、サンフランシスコ市の労働基準執行局に対し、州議会法案第5号(AB5)に準拠した執行手続きを確立するよう求めた。AB5は、法律上は独立請負業者となる労働者の分類について定めている。

Gig Workers RisingWe Drive Progressが同委員会にこの決議を採択するよう働きかけた。Gig Workers Risingは以前、カリフォルニア州議会の議員らにAB5の施行を要請しており、それに続く動きとなる。今月初め、Gig Workers Risingはカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏と他州の当局へ書簡を送り、パンデミックの状況下で働く労働者保護のため介入を求めた。

「企業は新型コロナ感染拡大のかなり前からドライバーと乗客を危険にさらしてきた」とライドシェアのドライバーでGig Workers RisingのメンバーでもあるEdan Alva(エダン・アルバ)氏は3月24日、記者会見で語った。「大企業は最も弱い人々を食い物にしている」。

同氏は「ドライバーはいつも次の給料まで綱渡りで働いている。貯金する余裕はない」と述べた。「健康保険と傷病休暇がなければ、病気になったときに無理な選択肢しか残らない。病気のまま働けば自分だけでなく乗客も危険にさらす。自宅にとどまれば家と車を失い、生活が立ち行かない」。

同委員会はまた、サンフランシスコ市の弁護士であるDennis Herrera(デニス・ヘレラ)氏とカリフォルニア州法務長官のXavier Becerra(ザビエル・べセラ)氏に対し、有給の傷病休暇と失業保険を求める労働者に誤った分類が付される場合は、差し止め命令によって救済するよう求めた。

さらに同委員会は、公衆衛生局がライドシェアのドライバーとデリバリーワーカーのために最低限の健康安全ガイドラインを策定するよう要請した。また、カリフォルニア州労働長官のJulie Su(ジュリー・スー)氏には、この状況下でギグワーカーへのさまざまな給付に関するガイダンスを提供するよう求めた。

同委員会はギグワーカーが「多くの不確実性に直面している。住宅や食べ物の不安、ヘルスケアへのアクセス、衛生設備・保護具・安全に関する研修がないまま新型コロナウイルスに対処せざるを得ないことなどだ」と説明している。決議は、ギグワーカーを使う企業が「州や市の法律を無視し続けている結果、誤って分類された従業員を失業保険、有給の病気休暇、医療給付、労働者補償などの重要な福利制度へのアクセスがない状態に置いている」と述べている。

監督官のGordon Mar(ゴードン・マー)氏は3月24日の記者会見で、公衆衛生の危機が起きているのに労働者の権利を否定することは「不道徳」であると述べた。監督官のMatt Haney(マット・ヘイニー)氏は、公衆衛生を守るためにあらゆる手段を講じることが重要だと付け加えた。

「多くの我々のような労働者が人々の食べ物を運び、家庭に届けるよう指示されている」とヘイニー氏は記者会見で述べた。「企業にとってそうした労働者を確保することが、現在業務を遂行する上で不可欠だ。だが一方で、労働者は公平に扱われていない。経済的に疎外され、弱い立場に置かれている」。

ヘイニー氏は「この危機の間もギグワーカーは緊急対応が求められる仕事を続けている。買い物に行けない人に食べ物を届けたり、A地点からB地点まで人を運んだりしている」と語った。

Uber(ウーバー)、DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)などの企業が何もしていないわけではない。例えば、2週間までの傷病休暇を提供している企業もある。ただ、それが十分ではないということだ。

「TNC(UberやLyftのような一般ドライバーと乗客を仲介する会社)はこの国家緊急事態の中、ニューサム知事により生活に不可欠なサービスを提供する輸送システムの重要な一部として指定を受けた」とLyft(リフト)の広報担当者は声明で述べた。「Lyftは、人々を重要なサービスや商品と結びつけることにより、パンデミックの中で不可欠なサービスを提供する重要な役割を果たしている。この危機の最中に、TNCに雇用モデルの採用を強制すれば、数十万人分の仕事が広く失われ、社会的弱者のための基本的なサービスが直ちにストップしてしまう。ドライバーとリスクに直面しているコミュニティーが当社のサービスを最も必要としている今、それは害にしかならない」。

だがドライバーのMekela Edwards(メケラ・エドワーズ)氏は記者会見で、Lyftのヘルスケアの方針について懸念を表明した。同氏は、ドライバーが病院に行く患者を乗せるために必要とされるスキルやトレーニングを適切に受けていないと指摘した。

「乗客の乗降介助に備えたマスクや手袋などの保護手段は絶対ないと言える」とエドワーズ氏は語った。「会社がそれらを提供していると宣伝するようなら、その前にドライバーはそれが本当なのかしっかり確認する必要がある」

一方、有給の傷病休暇の要求が拒否されたというUberドライバーからの報告もある。TechCrunchは詳細を取材するためUberに問い合わせた。返信があり次第更新する。

画像クレジット:Photo by FREDERIC J. BROWN/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

一時停止していたChromeとChrome OSのリリースが再開

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて、Google(グーグル)は「作業スケジュールの調整のため」に、ChromeとChrome OSのリリースを一時停止すると発表したのはわずか1週間前のことだった。しかし米国時間3月26日の本日、同社は両ソフトウェアのリリースを再開すると発表した。

ブラウザが矢継ぎ早にリリースされる時代において、新しいリリーススケジュールの正確な詳細は、実際にはそれほど重要ではない。

ほとんどのChromeユーザーは、自分が実際にどのバージョンを使っているのかわからないだろう。しかし、ここで最も注目すべき変更点はバージョン82がキャンセルされたことだ。バージョン80は安定版としてリリースされており、バージョン81はベータ版の段階だ。そして4月7日頃にはバージョン81が安定版となり、その後にバージョン83が数週間前倒しされ5月中旬にリリースされ、バージョン82はなかったことになる。Chromeの詳細なリリーススケジュールはここで確認できる。

結局重要なニュースは、ChromeとChrome OSのリリースが非常に短い更新の休止から復帰したことだ。先週のグーグルの発表では、セキュリティアップデートを除いてより長い休止期間をが設けられるように見えたので、少し驚きだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルがLogicとFinal Cutの無料試用期間を30日から90日に延長

Apple(アップル)は米国時間3月26日、Final Cut Pro XとLogic Pro Xの無料試用期間を一時的に30日から90日に延長すると発表した。在宅を強いられている見込み客に、より長い試用時間を提供するためだ。

アップルのスポークスパーソンによると、同社はこの販促企画が「クリエイティブなMacユーザーの大きな利益になり、とくに新しい環境で創作と学習をする学生たちの助けになることを期待している」という。

新型コロナウイルス危機に際して無料試用期間を延長しているソフトウェア企業は、ほかにも多い。それらの中でアップルは特に、サブスクリプションが無料のため、これらのビデオ・オーディオ編集ソフトウェアを使い続けたい人は価格の全額を払うことになる。

Logic Pro Xの小売価格は199.99ドル、Final Cut Pro Xは299.99ドル。アップルによると、Final Cur Pro Xの無料試用期間の延長はすでに始まっているので、最近のダウンロードから延長になる。Logic Pro Xの無料試用期間延長は、数日後からだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ダイソンとGtechも新型コロナ対応で人工呼吸器を生産へ

世界中の企業が、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のスピードを抑制しようとしている政府や公衆衛生当局の求めに応じようと、生産ラインや事業モデルを変更している。そしてDysonとGtechも呼びかけに応じ、人工呼吸器に取り組んでいる。人工呼吸器をデザインし、性能の承認を受け、そして可能な限り早く生産するために、両社は掃除機やモーター駆動の空調機器で培った経験を活用している。

家電メーカーとして世界に名を馳せるDyson(ダイソン)は、CoVentという新たな人工呼吸器のデザインでThe Technology Partnership (TTP)と協業している。なるだけ早く、そして大量に製造することを念頭にしたデザインだ。そしてDyson創業者のJames Dyson(ジェームズ・ダイソン)氏が従業員に送り、TechCrunchにも共有された内部メールによると、COVID-19患者に安全でコンスタントな換気を提供するために、人工呼吸器にはDysonの既存のDigital Motorデザインと同社の空気清浄の製品を使用する。

Dysonは英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相からの人工呼吸器製造の要望に応えていて、最初に英政府から注文のあった1万台を納入するつもりだ。同社の人工呼吸器はまだテストする必要があり、製造プロセスも政府や英医薬品・医療製品規制庁(MHRA、米国のFDAに相当)に承認されなければならないが、Dysonは電子メールの中で「生産に入ることが差し当たっての急務だ」と述べている。国のヘルスケア当局とMHRAの専門家がデザインの全プロセスに関わっていて、素早く承認を得るられるはずだ、とも記している。

CoVentは臨床医が求める要素をクリアしている。ベッドに備えつけて使用できるほか、バッテリーで電力を供給しながら患者搬送中などあらゆる状況でフレキシブルに使える。Dysonの既存のDigital Motorデザインに若干手を加えたバージョンを使用しているため、生産に必要なファンは「かなりの量を用意できる」としている。

「Dysonのエンジニアと、TTPのパートナーたちが成し遂げたことを誇りに思う。この新たなデバイスが可能な限り早く生産され、病院に配備されることを望む」とダイソン氏は電子メールに書いている。「これは明らかに重大な国際危機だ。したがって国際的な取り組みに5000台を寄贈し、このうち1000台を英国に贈る」。

もう1つの英国の家電・掃除機メーカーGtechもまた、政府からの人工呼吸器製造の求めに応じるために、できることはすでにやったようだ。同社のオーナー、Nick Grey(ニック・グレイ)氏は2週間で人工呼吸器3万台を製造してほしいというリクエストを受けた、と述べた。このため、同社はただちに人工呼吸器のデザインに着手した。

Gtechのチームは、ストックが豊富な素材から簡単に入手できるパーツ、または在庫がありまだ組み立てられていないパーツで作ることができる人工呼吸器を開発した。鋼鉄製造とCNC機械サプライヤーを確保できさえすれば、1週間かそこらで人工呼吸器の生産を1日あたり100台のペースに加速させることができる、と同社は話している。

自社での生産に加え、同社は生産を加速させるために人工呼吸器のデザインを公開している。こうしたやり方で「数千台もの救急人工呼吸器が毎日製造されていはいけないという理由はない」と、グレイ氏はCTV Newsでのインタビューの中で述べている。Dysonのモデルと同じく、実際に使用されるようになる前にGtechのデザインも英政府や当局から評価や認証を受ける必要がある。

画像クレジット: Michael Nagle / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

隔離中だからこそ、メディアが真に「ソーシャル」な存在に

自慢なし、計画なし、ありのままの私たち

今までは、自己アピールなどのためにInstagramのストーリーにコンテンツを投稿していた人が多かった。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の拡がりとともに、それがなくなりかけているのである。誰も「クールなこと」をするために外出することはできないし、そもそもそうするべきではないと言われるだろう。

ハッピーアワーの写真や隔離中のディナーの計画をビデオチャットで共有することを除けば、日々の記録は止まってしまっている。奇妙なことだが、残っているものはずっと使ってきたソーシャルネットワークよりも、むしろソーシャルな印象を受ける。

Housepartyでつながる人たち

隔離中にHousepartyでつながる人たち(出典:StoicLeysのツイート)

話題となる材料が何もなく、できることはライブ配信くらいだ。新型コロナウイルスによって、最近の出来事を共有したいという欲求がかき消されてしまったようだ。外出もままならない退屈な雰囲気が漫然と広がっていく。今後のことがとても不確実なので、計画を立てることすらままならない状態だ。イベントや旅行の計画でワクワクしていても、外出禁止令が延長になればがっかりするだけであるのが目に見えている。今のことしか考えられないのである。

自慢することがなくなった状況で、ソーシャルメディアには何ができるだろうか。多くの人が、実は今こそ意外と面白いことに気付きはじめている。一種のスポーツになってしまったソーシャルメディアにおいて、多くの人はプレイの喜びを味わうのではなく、ただスコアボードをじっと見つめているだけだった。

だが、ありがたいことに、Zoomに「いいね」機能はない。

変わらないものはない。これに気付くと、何かを決めるときに他人の目を気にすることから自由になれる。大切なのは、見栄えや見た目ではなく、どのように感じるかとういうことだ。気持ちを落ち着かせ、笑い、孤独を和らげるのに役立つかどうか。そういうことこそ、本当にすべきことだ。家で読書、入浴、ボードゲームなどをするだけなら、何かを見逃してしまうのではないかとFOMO(取り残されることへの恐れ)を感じることもなくなるだろう。自分らしくさえあれば良いのだ。

社会的な生き物にとって、最も自然に感じるのは「つながっている」ということだろう。そしてそのつながりは、やったばかりのことを後からフィードで共有するのではなく、同じ時間を共有することによって感じられるものなのだ。真面目な目的を遂行するために開発されたプロフェッショナルなビデオ通話技術が、単に一緒にいたいという一見意味のなさそうな一体感を得るために使われているが、それはそれで良いのではないか。私たちの普段したいことは、幼少期に校庭や家の前でしていたこと「ただ遊ぶこと」なのだから。

Housepartyしよう!

その証拠に、グループビデオ・チャットアプリのHouseparty(ハウスパーティー)では、10代の若者たちが画面上に集まって、目的もなく時間をつぶしている光景を目にすることができる。新型コロナウイルスの拡大に伴い街が封鎖されているイタリアの場合、Housepartyは、1カ月前にはトップ1500にさえ入らないアプリだった。それが現在では、ソーシャルアプリの第1位、全体で第2位のアプリとなっている。他の多くの国でも、HousepartyはZoomに次いでチャートの上位を占めている。

先週の月曜日の3月16日に、Housepartyはすべてのチャートで1位を獲得した。TechCrunchがSensor Towerから入手した統計によると、Housepartyのダウンロード率が2月の平均値より323倍も高くなっているとのことだ。3月21日には、ポルトガル(371倍上昇)、スペイン(592倍上昇)、ペルー、アルゼンチン、チリ、オーストリア、ベルギー、英国で1位になったが、1週間前にはチャートにすら登場していなかったのだ。Apptopiaによると、Housepartyのスペインでのダウンロード回数は、3月1日時点で25回だったのが、3月21日には4万回に達したという。

Houseparty rockets

Housepartyは多くの国のチャートで1位に急上昇した

昨年、Housepartyは業績がかなり低調であり、6月にフォートナイトのメーカーであるEpic社に買収される前の時点では、米国のチャートで245位まで落ち込んでいた。しかし、第三者を介さずにつながりたいという需要が突然高まったため、Epic社が7月以降アップデートを怠っていたにも関わらず、Housepartyは活気を取り戻すことができた。

「Housepartyは、物理的に離れていても、なるべく人間的な方法で人々をつなぐように設計されている」と、スタートアップの共同設立者であるBen Rubin(ベン・ルビン)氏は述べている。「今はすべての人が孤立と不確実性を感じている。この重要な時期に、人間らしいつながりを何百万もの人々に提供できる製品が作れたことを、嬉しく思う」。

Houseparty以外でも世界中で人と直接つながることができるアプリの人気が急上昇している。スウェーデンでは、Googleハングアウトが優位を占めており、フランスでは、ゲーマー用チャットのDiscordが1位だ。オランダではMicrosoft Teamsが支配的である。Netflixを満喫した後、私たちに残された楽しみは、結局のところ、お互いだけなのだ。

地理的な制約とは無関係

すべての人が家に留まっている状況では、家のある場所はもはや何の意味も持たなくなる。友人の定義も、車で20分、電車で1時間といった範囲には限定されなくなるだろう。すべてのクラスがオンラインに移行したため、学生たちは皆Zoom大学に通うことになるなどと言われているが、同様にすべての人はZoom町の住人となったのである。通勤も短縮され、残っているのは招待URLの生成にかかる時間のみとなっている。

サンフランシスコ在住の筆者としては、バークレー湾の向こう側の友人でさえ、以前は遠く感じていたものだった。しかし今週は、普段遠すぎると感じていたシカゴやニューヨークなどの大切な人たちと、1時間ほどビデオ通話をすることができた。直接会ったことのない赤ちゃんを見て時間を過ごしたり、東海岸にいる両親とたびたび連絡することもできた。 両親との連絡は、今までにないくらい重要で緊急なものだった。

ZoomでボードゲームのCodenamesをしている

ニューヨークやノースカロライナの友人を相手に、ZoomでボードゲームのCodenames(コードネーム)をしている

通常、多くの時間をともにする相手は、周囲の知人たちだ。つまり、オフィスを共有している同僚たちや、たまたま近所に住んでいる友人たちといった具合である。しかし今や、各自がバーチャルな家族を選択し、構築するようになっている。考え方が変化しているのだ。つまり、自分にとって誰が役に立つか、面白い場所に招待してもらえるかといった基準ではなく、人間的な気持ちを感じさせてくれるのは誰かという基準への変化である。

John Legend Live

セレブたちも例外ではない。伝統的なポートレートや派手なミュージックビデオではなく、FacebookやInstagramライブで、普通の照明を使ったリアルな姿を見せるようになっている。John Legend(ジョン・レジェンド)が10万人の視聴者の前でピアノを演奏する傍らで、妻のChrissy Teigen(グリッシー・テイガン)はタオル姿のまま、何度も聞いたかのようにつまらなそうに座って「All Of Me」を聞いていた。これは、テレビで見るよりもリアルな光景だろう。

そして、連絡すべき相手に関する従来の考え方にとらわれることなく、今までの人生で付き合いのあった人たちに連絡する機会もある。大学時代のルームメイト、高校の仲間、影響を受けたメンターなどといった人たちが思い浮かぶかもしれない。さらに、もし今の試練の時期にまだ感情的な余力があるのなら、やるべきことはほかにもある。独身者や一人暮らしの人、街の中で細やかなサポートネットワークに恵まれていない人を誰か知っているだろうか。

そのようなつながりを作り直すことは、忘れかけている大切な記憶を取り戻すだけでなく、健全な思考を保つのにも役立つだろう。社会的な相互作用の中で仕事をし、遊んでいる人々にとって、外出禁止というのは孤独な監禁を意味しているからだ。孤立している人々に注意を払わなければ、精神衛生の危機はすぐそこである。

ミーム、危機に役立つ言語

しかし、そのようなつながりを保ち続けるにはエネルギーが必要で、簡単なことではない。ウイルスが健康と経済へ及ぼす影響のため、皆が不安でいっぱいになっている。筆者自身、朝ゆっくり起きて、1日の時間を短くしようとしたことが何度かあった。他愛もない世間話でも、不安を蒸し返すだけになってしまうため、話すことがなくなってしまうときもあるだろう。

幸いなことに、何も言わずにコミュニケーションがとれる方法がある。ミームを共有するのだ。

新柄コロナウイルスのミーム

義父が送ってきた画像。ミームが普遍的な言語になっていることがわかる

インターネット上では、新型コロナウイルスに反応して、世界中でブラックユーモアが大量に発信されている。インスタグラムのジョークアカウントに関するRedditスレッドのグループチャットから、25万人のメンバーを誇る「Zoom Memes For Quaranteens」のようなFacebookのグループまで、さまざま方法で危機を乗り切ろうとする動きがある。

ひきつった笑いでも、笑えないよりはましなのだ。ミームによって、忍び寄る不安や狂いそうになる気持ちを、生産的な何かに変えることができる。匿名なので、誰かが作ったものを気軽に共有することができるからだ。自宅隔離の間、人々に笑顔をもたらすことを目標に、ミームの作成に没頭することもできる。フィードとストーリーがなくなった後は、ミームを消費することこそ、新たな連帯の手段となるだろう。皆が一緒に体験しているこの地獄のような状況を、笑ってみるのもよいかもしれない。

コロナウイルスのミーム

流行の真っ只中で、ウェブの「精神的免疫システム」が始動したのだ。監禁状態で無抵抗になるのではなく、発達した「デジタル抗体」を開発し、孤独に立ち向かっている。コードネームのようなボードゲームを使えば、ビデオチャットにも彩りを添えられる。1回限りのライブストリームは、完全オンライン型の音楽フェスティバルとなり、ニューオーリンズやベルリンのサウンドを世界中に向けて配信している。ウェブ会議に対する「Zoombombing」という、新手の「荒らし」やいたずらさえ発生しているという。さらに、巨大IT企業に対する反発が始まって5年ほど経ったが、業界のリーダーたちにより、対等な関係のソーシャルセーフティネットや、客足が戻るまで中小企業が生き残るための対策なども立ち上げられている。

出来事は、共有するために探し求めるのではなく、隔離で残った唯一のもの、つまり自分自身を使ってイチから創作するものとなった。感染の波が過ぎ去った後も、この創造性のうねりや同時的な連帯感は強いままであってほしい。「見せびらかす」のではなく「姿を見せる」ことが、インターネットの最も良いところなのだから。

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(翻訳:Dragonfly)

新型コロナによるリモートワーク拡大化で米大都市中88地域で接続速度がダウン、一部では4割以上も

専門メディアによれば、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴うリモートワークを要求する法令や自宅での自己隔離の影響で米国の多くの都市でインーネットの接続速度がダウンし始めているという。

インターネット接続分析メディアのBroadbandNowによれば、米国で人口トップの200都市のうち88都市で過去1週間で何らかのネットワーク接続の劣化が生じている。10週間前と比較して、リモートワークのために自宅からインターネットにアクセスするユーザーが大きく増えており、ビデオチャットだけでなく、映画やテレビのストリーミング利用も増加している。同じく10週間前と比較して、一部の都市では、先週ダウンロード速度が40%以上も低下する事態が起きている。

ネット接続の悪化は新型コロナウイルスの流行の度合いとは一致しないようだ。

記事によれば、ロサンゼルス、シカゴ、ブルックリン、サンフランシスコなどの都市では、ダウンロード速度にほとんどないしまったく影響が見られない。シアトルも持ちこたえている。

ただ、新型コロナウイルスの流行の震源地の1つと考えられているしニューヨーク市では過去10週間平均と比較して先週はダウンロード速度が24%も低下した。とはいえ、ニューヨークの家庭用ネットワークでは接続速度の中央値は52Mbps近くを維持している。大部分の都市でネットワーク速度が持ちこたえるているのいいニュースだ。

ただし接続の劣化が見られた88都市のうち、20以上の都市で20%以上の落ち込みが見られた。各都市の状況は以下のとおりだ。

  • テキサス州オースティン(-44%)
  • ノースカロライナ州シャーロット(-24%)
  • ノースカロライナ州ファイエットビル(-22%)
  • フロリダ州フォートローダーデール(-29%)
  • フロリダ州ハイアリア(-21%)
  • テキサス州ヒューストン(-24%)
  • カリフォルニア州アーバイン(-20%)
  • ニュージャージー州ジャージーシティ(-25%)
  • ミズーリ州カンザスシティ(-25%)
  • ジョージア州ローレンスビル(-24%)
  • コロラド州リトルトン(-22%)
  • マリエッタ、ジョージア州(-29%)
  • フロリダ州マイアミ(-27%)
  • テネシー州ナッシュビル(-20%)
  • ニューヨーク州ニューヨーク(-24%)
  • ネブラスカ州オマハ(-24%)
  • カンザス州オーバーランドパーク(-33%)
  • カリフォルニア州オックスナード(-42%)
  • テキサス州プラノ(-31%)
  • ノースカロライナ州ローリー(-20%)
  • ニューヨーク州ロチェスター(-33%)
  • ミズーリ州セントルイス(-21%)
  • ミネソタ州セントポール(-29%)
  • カリフォルニア州サンノゼ(-38%)
  • アリゾナ州スコッツデール(-32%)
  • ワシントンDC(-30%)
  • ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム(-41%)

中でもダメージ大きく、40%以上の低下が見られたのは次の3都市だ。

  • テキサス州オースティン(-44%)
  • ノースカロライナ州ウィンストンセーラム(-41%)
  • カリフォルニア州オックスナード(-42%)

シリコンバレーの南端のサンノゼはこの範囲に近く、38%のダウンとなっている。

赤丸が接続速度低下が大きい都市

新型コロナウイルス危機に対応して、インターネットサービスのプロバイダーは、データ量の上限の停止、基本速度のアップ、低所得世帯への無料アクセスを開放などの努力を払ってきた。しかしネット利用の爆発的な増加に処理能力を対応させるのは難事だろう。

帯域幅を大きく食うサービスの1つが動画のストリーミングだ。米国における接続需要が高まるにつれ、サービス提供者はストリーミング動画の品質を低げ。使用するネットワーク容量の減少を図っている。例えば3月25日にYouTubeは、帯域幅の消費を抑えるためにSD接続をデフォルトにすると発表した。AmazonとNetflixもヨーロッパではストリーミングの品質を低下させている。しかし米国におけるネットワークのトラフィックが記録的レベルに達している にもかかわらず、Netflixは米国では同じことを約束していない。今日、Netflixは1時間にわたるサービスの中断を引き起こし、米国とヨーロッパの一部ユーザーに影響を与えた。

現在懸念されているのは、非都市地域が新しいリモートワークや自宅隔離の要求にどれだけと対応できるかという点だ。 こうした地域ではDSLのようなレガシー・テクノロジーによってインターネット接続が提供されていることが多い。 これまでのところ、BroadbandNowの報告によると、今のところこうした接続ももちこたえている油断はできない。

新型コロナウイルス 関連アップデート
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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Spotifyが新型コロナで影響を受けているアーティスト支援を開始、募金機能も

Spotifyは3月25日、新型コロナウイルス(COVID-19)危機に関連する新たな取り組みを発表した。新型コロナによって深刻な影響を受けているクリエイティブコミュニティの経済的支援を始める。ここにはウェブサイト上で一般から募る募金機能も含まれる。同社はまた、アーティストがSpotifyのアーティストプロフィールページ経由でファンから直接支援金を集められる機能も加える。一方、リスナー向けにはCOVID-19ニュース・情報ハブをアプリ内に設ける。

新しいSpotify COVID-19 Music Relief Projectは、音楽コミュニティーの中で助けを必要とする世界中の人に経済的支援を提供する認証された組織を推薦する。立ち上げに際しSpotifyはMusiCares、PRS Foundation、Help Musiciansと提携し、今後さらにパートナーを増やす計画だ。

同社はまた、Spotify COVID-19 Music Reliefページを通じて最大1000万ドル(約11億円)の支援金を集め、それを分配するとも話す。経済的支援が必要なアーティストはパートナーサイトで申込方法などの情報を確認できる。

「ストリーミングはアーティストにとってファンとつながる手段であり続ける一方で、アーティストが売上をあげる他の手段の多くはコロナ危機により棚上げされている」とReliefプロジェクトのページには記されている。「我々にできることとして、我々のコミュニティをサポートする手法を見つけるために世界中のクリエイターに経済的支援を行っている組織のリストを扱う」としている。

まだ立ち上がってはいないが、Spotifyはアーティストのための新たな募金機能も加えるべく取り組んでいる。この機能では、ファンが募金先を自分で選択できるようにする。アーティストが、助けを求めている他のアーティストのために直接支援金を募ることもできる。この機能はオプションで、参加しなければプロフィールページへの変更はない。他のサイトでの募金と異なり、Spotifyは手数料は取らないとしている。

もちろん、こうした危機の最中の支援金集めは問題を抱えることにもなりえる。というのも、多くのスキャマーが資金調達者になりすまして不正に稼ごうとしているからだ。アーティストもこうした詐欺の被害に遭うかもしれず、ファンをスキャマーへと向かわせることになるかもしれない。支援金を本当の支援団体から奪うことも考えられる。

個人の資金調達者は通常、自分自身が詐欺師ではなく不正も働いていないことを調べられる必要があるため、事はさらに厄介なものとなる。大規模に支援金集めをしているFacebookですら、新型コロナ拡大のために個人の支援金集めをレビューするスタッフの数が通常よりも少ないとユーザーに警告している。支援金集めをする人はまったくレビューされることがないかもしれないし、仮にレビューされるにしてもいつもよりも時間がかかるとも述べている。ただし、Spotifyのスタッフが減っていることや勤務体制が滅茶苦茶なために、この支援金集め機能はまだ展開されていない。スタッフは自宅から働いているが、新型コロナウイルスは全業種に影響を及ぼしていて、どの企業も影響から逃れられない。


そして、SpotifyはCOVID-19についてのニュースと情報にリスナーが接することができるようにする機能も加えた。アプリ内のハブを通じ、SpotifyはユーザーにABC New、BBC World Service、CNN、Foreign Policy、NPRなどのメディアのニュースやポッドキャストを案内する。

また、他企業と同様、Spotifyも政府や健康情報を扱う非営利団体などに広告スペースを提供している。

COVID-19 Music Relief ProjectCOVID-19ハブは3月25日から利用でき、アーティストの支援金集め機能はまだ準備中だ。

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(翻訳:Mizoguchi

Babbelが言語学習プログラムを米国の学生全員に無料で提供

現地時間3月25日、ドイツ・ベルリンを拠点とする有料言語学習アプリのBabbelが、新型コロナウイルスの流行が拡大する中、同社のサービスを3カ月間、米国の小学生から大学生を対象に無料で提供すると発表した。これまでにも同社は、同様の支援をイタリア、英国、ドイツ、スペイン、フランスの学生に対して提供していた。

同社のサービスでは現在、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ポーランド語、ロシア語、オランダ語、トルコ語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、インドネシア語、英語のコースが提供されている。サインアップしたい学生(または子供に学習させたい保護者)は、有効な学校のメールアドレスで登録するだけだ。

米国BabbleのCEOであるJulie Hansen(ジュリー・ハンセン)氏は「高校や大学の休校で影響を受ける学生の数は米国全土で日々増え続け、教育システムは今後数週間でさらに混乱すると予想される。学生たちが家にいることを余儀なくされているため、Babbelは今すぐ学生たちを支援する立場にあり、支援することがまさに我々の望みだ。世界中に懸念が広がる状況で、我々は分断ではなく、世界中の人々との共通点に気づかされている」と語る。

Babbelは筆者に対し、休校中の学生に言語スキルの練習を継続させたい学校からの需要が増えているとも語った。ただし、このような学生を除いても、Babbelの登録者数は全体に増えている。たいていの人は休暇に向けたこの時期に言語の基本を学ぼうとは考えないので、これはちょっとした驚きだ。

BabbelのCEOのArne Schepker(アーネ・シェプカー)氏は次のように述べている。「世界中の人々が在宅を強いられているため、我々のサービスでの学習活動は急激に増加している。これまで以上に多くの人々が現在、Babbelで新たな言語を学習し始めている。これは我々にとってたいへんうれしいことであり、謙虚な気持ちにもなる。我々が皆さんの生活を少しでも向上させる助けになれるなら、望外の喜びだ」。

Babbelの新規登録者数は、パンデミックが注目されるとあまり増えなくなり、その後、休校や在宅指示によって再び増え始める。これは各地で同様の傾向だ。既存の登録者にも同じような傾向があり、現在は全般にアクティブになっている。ただし当然のことながら、「旅行」は今回のパンデミックが始まる前に比べると新規学習者の動機にはなっていない。

人気の無料言語学習アプリのDuolingoも、同じようにユーザー数が増えている。Duolingoは筆者に対し、新規ユーザーは世界中で40%増加し、特に隔離対策を積極的にとっている国での伸びが大きいと述べた。先週だけで、米国では91%増加し、フランスやスペインなどヨーロッパの各国ではさらに大きく増加している。中国などでTOEFLやIELTSのテストセンターが閉鎖されていることに伴い、Duolingoの認定プログラムは中国と韓国で300%に迫る伸びとなっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Netflixが一時ダウン、新型コロナの影響による世界的なアクセス集中が原因か

Netflix(ネットフリックス)が世界中でダウンしており、主に米国とヨーロッパのユーザーに影響が出ている。Down Detectorによると、問題の報告は米国時間3月25日の水曜日、東部標準時午後12時頃から始まり、モバイル、PC、スマートテレビなど、さまざまなプラットフォームでストリーミングサービスに接続できない状態が続いている。

世界中の多くの人々が、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を食い止めるためのロックダウンや隔離措置を受けている間、Netflixによるエンターテイメントを楽しんでいる。Netflixのステータスページヘルプページの両方には、「現在、電話やチャットによるサポートの待ち時間が通常よりも長くなっている。後でもう一度試すか、オンラインヘルプセンターのよくある質問への回答を確認してほしい」と掲載されている。また、同社はカスタマーサポートのTwitterアカウントを通じて、問題に対処している。

3月21日、Netflixはネットワークをより効率的に利用するためのストリーミングサービスに対するEUの要求に応じて、トラフィックを25%減らす方法を開発し、イタリア、スペイン、ヨーロッパのその他の地域、そして英国に展開し、さらにインドを含む他の地域にも展開すると発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Zindiが新型コロナ対策に向け1.2万人のアフリカ人データサイエンティストを活用

ケープタウンを拠点とするクラウドソーシングのスタートアップZindiは、創業以来アフリカ中のデータサイエンティストのデータベースを構築してきた。

複雑な問題を解決するために、AIと機械学習を使用する1万2000人の人材がそのプラットフォームには登録されているが、現在同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)へのソリューションに対して賞金を提供しようとしている。

Zindiは、新型コロナウイルスの蔓延と混乱を食い止めることに焦点を当てた、オープンコンペティションを行っており、4月にはハッカソンを開催する予定だ。AI4Dが主催する現在のコンペティションは、データを使用して新型コロナウイルスの世界的な広がりを予測することができるモデルを、今後3ヶ月の間に作成することを、サイエンティストたちに課している。

コンペティションは 4月19日まで受付しており、提案されたソリューションはこの先の実際の数値で評価され、勝者は 5000ドル(約55万円)を受け取る。

このコンペティションは、差し迫った民間または公共部門の課題を集約し、解決策を求める人と問題解決者をマッチングさせることができるプラットフォームを構築するという、Zindiのビジネスモデルに合致している。

2018年に設立されたこのアーリーステージベンチャー企業は、企業、NGO、政府機関がデータ指向の課題を中心とした、オンラインコンテストを開催することを可能にしている。

Zindiのビジネスモデルは、アフリカ内外の著名な企業からの注目を集めている。これまでにコンテストを主催してきた企業として、Microsoft、IBM、そしてLiquid Telecomなどの名前を挙げることができる。南アフリカ政府やユニセフといった、公共部門の関係者も、交通安全や農業改革など、さまざまな課題に向けてZindiを利用している。

ケープタウンのZindiチーム

画像クレジット:Zindi

ZindiのCEOであるCelina Lee(セリーナ・リー)氏は、この新型コロナウイルスのような状況を正確に予想していたわけではないが、今回の事態は、彼女が南アフリカ人のMegan Yates(ミーガン・イェーツ)氏ならびにガーナ人のEkow Duker(エコウ・ダッカー)氏と、Zindiを共同設立した理由の1つなのだと考えている。

アフリカのデータサイエンスの専門知識を応用して、新型コロナウイルスのような複雑な健康危機の問題を解決できる能力の提供こそが、Zindiの存在理由だと、リー氏はケープタウンからの電話でTechCrunchに説明した。

「オンラインプラットフォームとして、Zindiは、データサイエンティストたちを、アフリカ全体および世界中から大規模かつ安全に、自宅から動員できる有利な立場にいます」と彼女は言う。

リー氏は、得られた知見によって、アフリカがエピデミックや病気の被害者であり、また発生源であると考える人が多くなったと説明した。「私たちは、アフリカが実際に、世界のソリューションに貢献できることも示したかったのです」。

新型コロナウイルスの登場によって、Zindiはその創業者、スタッフ、そして世界にも影響を及ぼしている問題を緩和するために利用されている。

南アフリカは3月20日に新型コロナウイルスのためにロックダウンが行われたために、リー氏はケープ・タウンで屋内避難を行いながら、TechCrunchと連絡を行った。Zindiの創業者は、新型コロナウイルスが世界的に広まったために、ニューヨーク在住の義理の家族や、サンフランシスコの家族も同様の状況で暮らしていると説明した。

リー氏は、同社が提供するチャレンジが、新型コロナウイルスの蔓延と共に、アフリカの国々が活用できるソリューションを生み出すことができると考えている。「ケニア政府は、ICTセクターの企業を参画させたタスクフォースを開始したばかりです。なので、関心を寄せて貰えるのではと思っています」と彼女は言う。

また4月からは、Zindiは新型コロナウイルスに焦点を当てた、6回の週末にわたるハッカソンを開始する。

アフリカでの新型コロナウイルスの現況を考えると、それはタイムリーなことかもしれない。大陸の国別感染者数は、3月上旬には1桁台だったが、先週には急増している。これを受けて世界保健機関(WHO)の地域責任者であるMatshidiso Moeti(マティシディソ・モティ) 博士 が、アフリカ大陸でのウイルス感染の急速な拡大に警告を発することになった。

3月25日の時点でのWHOの統計 によれば、サハラ砂漠より南の地域には1691人の新型コロナウイルス症例が確認され、29例のウイルスに関連した死亡が確認されている(先週の3月18日の時点では症例は463人、死者は10人だった)。

アフリカでの新型コロナウイルスの流行を受けて、各国やZindi のようなスタートアップは、より広範な対応の一環として、アフリカ大陸のテック企業を巻き込むように訴えている。ガーナ、ナイジェリア、ケニアの中央銀行とフィンテック企業は、世界保健機関がウイルスの蔓延の経路として注意を促した現金ではなく、モバイルマネーの利用を促進するための対策を採用している。

大陸最大のインキュベーターであるCcHubは、新型コロナウイルスとその社会的および経済的影響を抑制することを目的とした、技術プロジェクトのファンディングと公募を開始した

アフリカ全土を覆うeコマース企業Jumiaは、医療施設や従事者に物資を配送するために、同社のラストマイル配送ネットワークの提供をアフリカの各国政府に対して申し出ている。

ZindiのCEOであるリー氏は、同社の開催する新型コロナウイルス関連のコンペティションが、政策立案者たちがウイルスの蔓延と戦うための追加の手段を提供できることを期待している。

「今開催中のものは、うまくいけば、病気の広がりを予測し、国の高リスク地域をより正確に予測することができるように、政府に対して情報を提供することができるようになるはずです」と彼女は語った。
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画像クレジット: Sam Masikini via Zindi

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(翻訳:sako)

3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

米国マサチューセッツ州の3Dプリンターと3Dプリンティングの事業を展開するFormlabs(非上場)が新型コロナウイルス(COVID-19)の検査キット用に設計した綿棒が、近く米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)から認可される見通しだ。

綿棒や試薬など、検査キットのサプライチェーンがグローバルにおよぶので、検査を容易に拡大できないことが米政府が新型コロナウイルスの国内における感染の広がりを知る妨げになっていた。

FormlabsのCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)を務めるDavid Lakatos(デビッド・ラカトス)氏は「昨日FDAから通知を受け取り、これ(同社製の綿棒)がクラスワンの『人道機器向け治験適用免除』になった。ISO 135の非破壊検査でコントロールされる施設と設備で作られる限り、適用免除になる」と説明した。

患者は全米で見つかっているので、検査は疾病の広がりが速い地域が優先され、その他の地域には検査キットなどが行き渡らず、それらの地域では感染の広がりの全貌がなかなか把握できない。

綿棒に関しては問題がもっと複雑で、喉から手が出るほど必要な検査キットの部品なのにメーカーが少なく、これまでは米国で1社、イタリアで1社だけだった。

「約1週間半前に、弊社はこの取り組みに加わった」とラカトス氏は語る。

同氏によると「Formlabsには3Dプリンターが6万台あるので生産量を増やせるし、最近オハイオ州に買った工場では手術用クラスの高品質な製品も作れる」とのこと。

現在同社は、人間を使った試験を終えようとしており、オハイオの生産施設の能力を拡張している。同氏によると、同社が1日に供給できる綿棒の量は10万本だ。「そのプリンティングは開始しているが、検品でOKとなるまでは出荷しない」と説明する。

現在、綿棒の多くはパートナーの病院のマークがついているが、今後は大手流通企業とも協力して彼らの流通チャネルにもアクセスし、全米でおよそ3000病院に綿棒を納めたいという。

「なんと言っても、これら綿棒をぜひ世の中に出したい」と同氏は話す。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ対策で必需品を管理するマーケットプレイスがフランスでローンチ、仏政府も支援

フランス拠点のスタートアップであるMiraklはeコマースサイトと協力して、サードパーティーの販売者とマーケットプレイスを構築する企業だ。そして今回、同社は新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いで必要不可欠な物資の需供を一元化させる「StopCovid19.fr」というマーケットプレイスを開発した。フランス政府がこのプロジェクトを支援している。

多くのフランス企業が医療従事者や一般の人々を保護するために、手指の消毒剤やマスク、手袋、その他の必需品の製造を約束しているが、それはまた多くのサプライチェーンの課題を生み出している。つまり、どのようにして最も物資不足が深刻な病院が、必要不可欠な製品を確実に入手できるだろうか?

StopCOVID19.frは手の消毒剤から始まり、他の保護用品へも拡大する予定だ。これは、企業と公的機関が互いに対話するのを助ける。例えば、化学薬品会社は大量の手指の消毒剤を保管するために、包装メーカーと連携しなければならない。同様に、公立あるいは私立の病院は、各メーカーに直接連絡を取る時間を無駄にしたくない。

これは、オープンなマーケットではない。医療施設や新型コロナウイルスの保護製品に特化した工業会社に向けたものだ。フランス政府は、現在マーケットプレイスに掲載されているすべての販売主を審査した。アカウントを作成するには、ウェブサイト経由でMiraklに連絡する必要がある。

総合的なマーケットプレイスは、長期的に国内の在庫を分析するためにも不可欠なサービスになるかもしれない。特に、全国にマスクを配布し、新型コロナウイルスのロックダウンの終了に備えておくのに役立つ可能性がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルが1000万枚のマスクを医療従事者に寄付

Apple(アップル)の最高経営責任者(CEO)であるTim Cook(ティム・クック)氏は、自宅勤務中にTwitterに投稿したメッセージの中で、同社が1000万枚のマスクを寄付すると発表した。この数字は、先週発表された200万枚を大幅に上回るもので、さらに米国時間3月24日の昨夜に、ホワイトハウス記者会見でMike Pence(マイク・ペンス)副大統領が発表した900万枚という数字も大幅に上回っている。

「アップルはすでに1000万枚のマスクを調達し、アメリカの医療業界に寄贈している」と、Cook氏は動画の中で述べている。「最前線で働いている人々のすべての仕事に対して、我々は感謝を表明する」。

新型コロナウイルスがアメリカの人々に大きな影響を与える中、アップルは他のテック企業とともに、同国内で不足しているマスクを寄付している。寄付されたマスクの多くは、昨年のカリフォルニア州での大規模な山火事の後に、同州の労働安全衛生基準を満たすために備蓄されていたものだ。

なお、Ford(フォード)など他の企業も、生産設備を改造してマスクを追加生産している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米国食品医薬品局が新型コロナから回復した患者の血液を使った重篤患者の治療を許可

FDA(米国食品医薬品局)は、進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに対する実験的治療の適用に関する規定を変更し、「回復期血漿」が使えるようにした。これは、患者の生命が緊急かつ深刻な危機にさらされている場合に限られる。また、認定された治療法としての手順の承認ではなく、ケースバイケースで、極端な症状の場合にのみ適用できる緊急認可としてだ。また、いったん新型コロナウイルスに感染し、その後回復した患者から採取した血漿の有効性について、今後の研究のヒントになる手段としても位置付けられている。

画像クレジット:Bloomberg/コントリビューター/Getty Images

血漿とは、人間の血液の成分で、特に液状部分を指す。その中には、身体の免疫反応を生み出す抗体が含まれてる。血漿を、患者に直接輸血する方法は、新型コロナウイルス(およびそれを引き起こすSARS-CoV-2ウイルス)に対して提案されている他のすべての治療法と同様、本当に安全で、疾病と闘うために効果的なのかどうかを確かめるために必要な臨床試験を受けていない。

そうした臨床試験が完了していないにもかかわらず、FDAは、eINDS(Investigational New Drug Applicants、申請新薬治験)の免除を与え、この一時的な承認を認可した。それもCOVID-19が突きつける現状の公衆衛生上の脅威の大きさと性格を配慮してのこと。回復した患者から採取した血漿の使用に関しては、いくつかの前臨床および臨床試験が進行中だ。そこでは、回復期の血漿が実際にSARS-CoV-2に対して有効である、という可能性を示すいくつかの有望な兆候が認められている。

回復期の血漿が疾病を撃退するために提案され、実際に試みられたのは、もちろんこれが初めてではない。何らかのウイルスに感染し、その後回復した人は、通常、それに対する免疫を獲得する。水痘のように長期に渡って有効なものもあるが、毎年流行するインフルエンザのように短期間しか有効でないものもある。論理的には、すでに抗体を獲得している人から抗体を採取し、免疫系が十分な機能を発揮していない患者に輸血するのが、少なくとも理論上は可能であることは、むしろ当然のことと言える。

回復期の血漿を輸血することは、H1N1インフルエンザのほか、SARSやMERSの流行など、これまでも大規模な感染症の発生に対して使用されてきた。ただし、結果はさまざまだ。

新型コロナウイルスに対して血漿を使用する方法については、いくつかの研究プロジェクトが進行中だ。たとえば、中国の医療専門家チームが査読を受けていないドラフト版として発行した研究がある。これは、最近に回復した患者から提供を受けた血漿を輸血した10人の重症患者に関するもの。この研究では、10人のうち5人で、輸血後すぐに抗体レベルが「急激に増加」した。他の4人の患者については、それ以前から比較的高いレベルの抗体を持っていたが、それが維持された。その結果、7人の患者については、1週間以内にウイルスが検出されない状態となった。

これは、まだ正式な臨床研究ではないが、別の小規模の臨床診療の調査でも、同様の結果が示されてる。また、ドナーとレシピエントの両方に対応している医師が使用できるような、一連のプロトコルをまとめた医師と研究者のグループもある。それによって、あちこちで行われている研究の取り組みの足並みを揃え、医学界でこの問題に取り組んでいるすべての人が、共通の戦略で作業できるようにしようというものだ。

ニューヨーク州知事のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)氏は、州の保健機関が、回復期の血漿の試験を今週にも開始すると発表した。これについては、FDAの長官、スティーブン・ハーン(Stephen Hahn)博士も、先週のホワイトハウスのコロナウイルスに関するタスクフォースのブリーフィングで、早い段階で期待の持てる領域として言及している。

すべてのドナー患者は、検査を受けて、ウイルスを感染させるリスクがないことを確認する必要がある。また、通常の献血者としての資格を得る必要もある。これは、州および連邦政府の機関によって実施されている既存の規制に基づく検査による。初期の研究には、血漿輸血が予防的な効果を発揮することを示すものもある。つまり、まだウイルスに遭遇する前の健康な人にも有効だという。ただしFDAは、予防的な治療を明確に禁止している。

現在開発中の他のすべての治療法と同様、この方法も、まず効果を確かめ、それが一般的に適用可能であることを検証するためには、多くの試験と研究を必要とする。それでも、多くの研究者が、この課題に取り組んでいる。というのも、これまでのところ、症状がかなり重篤な段階に進んでいなけば、より効果的な方法であることが示されているからだ。回復期の血漿による治療は、けっして新しいものではなく、むしろ古典的な方法だ。それでも、比較的安全であるという利点がある。それは、通常の輸血と同様、ドナーがもはや活性化されたウイルスを保有していないことが確認された場合に限られるのはもちろんだ。というわけで、実用化までにまだ時間のかかる他の開発中の治療技術と並んで、今後の最新情報を見守るべき治療法と言えるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

新型コロナの自発的感染による免疫獲得の勧めをTwitterが削除

保守系のオンライン雑誌であるThe Federalistが「人々は意図的に新型コロナウイルスに自分を感染させるべきである」とツイートで勧めていた。Twitterはそのツイートを、Twitterのルール違反であるとして削除した。

その違反ツイートは米国時間3月25日の朝に投稿された。内容は「既存の枠から外れた考え方をすべき時だ。新型コロナウイルスに対する、常識を超えたやり方をすべきだ。それは、慎重にコントロールされた自発的な感染だ」というもの。

Twitterのスポークスパーソンは、そのツイートが同社の新型コロナウイルス関連の新しい規則に違反していることを確認した。

The Federalistが主張する自発的な感染とは、いわゆるPox Partyのことだ。Pox Partyとは、親が子供たちを1カ所に集めて、子供のころによくかかる病気に自分の子供にわざと感染させること。理屈としては、それによって子どもは免疫を獲得し、その後の人生で病気に苦しまない。大人になってかかったら重症になることが多いという。ツイートはそれを、すでに2万人あまりが死んでいる新型コロナウイルスでやろうと言っているわけだ。

国と州の政府はどちらも、在宅と自己隔離を命じている。それによってウイルスの拡散を抑え、保健医療体制の能力を超えた感染や発病の規模になることを防ごうとしている。

Vice誌の記事は、そのツイートを書いたDoug Perednia(ダグ・ペレドニア)氏はオレゴン州に住む無免許の皮膚科医だ、と言っている。

専門家たちはただちに、ペレドニア氏のツイートを批判した。オンラインの禁煙推進団体Cool Quitの医師でCEOのEugene Gu(ユージーン・グー)氏は、そのツイートを「危険かつ無責任だ」と非難した。しかも、人種差別的な言葉も使っている点をグー氏は「危険で嘘の医学的アドバイスを人種差別のチェリーで飾ったケーキだ」と表現している。

あるTwitterユーザーによると、今ではThe Federalist誌の記事へのリンクも有害としてブロックされているそうだ。The Federalist誌のスポークスパーソンからは、いまのところコメントは届いていない。

Twitterは新型コロナウイルス関連の全ツイートを1つひとつ専門家に諮ってチェックし、正確な情報だけが流布するよう努めている。また、ツイートに関するポリシーもアップデートして、新型コロナウイルスに感染するリスクを高めるようなツイートを禁じている。

関連記事:Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

安価な新型コロナテストを英研究チームが開発、30分で結果判明

英国のブルーネル・ユニバーシティ・ロンドン、ランカスター大学、サリー大学の研究者が開発した新たなタイプのテストでは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染をわずか30分で調べられる。この検査では、100ポンド(約1万3000円)しかしない手に持つタイプのハードウェアと、1人あたり5ドル(約550円)ほどの綿棒サンプルキットを用いる。ニワトリのウイルス感染をテストするのにフィリピンで使用された既存のテクノロジーを活用していて、今回研究者らが人間での新型コロナウイルス検査向けに作り変えた。研究チームは現在、大量生産に取り組んでいる。

新たなテストは当然のことながら実際に使用されるようになる前に、米食品医薬品局(FDA)のような各国の当局に承認される必要がある。しかしこのプロジェクトに関わっている研究者らは、いい反応が得られると自信を持っていて、「数週間以内に」提供することが可能だとさえ言う。ハードウェアそのものはバッテリーで作動し、スマートフォンのアプリに診断結果を表示する。テストするには鼻もしくは喉に使う綿棒が必要だが、サンプルをラボに提出する必要はない。

同様の手法を用いた現場で使えるテストの中にはすでに承認されたものがある。CepheidMesa Biotechの商品などだ。しかしこれらは高価な専用卓上型ラボを必要とし、ラボはヘルスケア施設に設置される。英国の科学者たちが開発したテストは高価ではないハードウェアを使用するというアドバンテージがあり、しかも1度に最大6人の検査に対応する。また、クリニックや病院に、もしかすると職場や家庭にも配備できる。

欧州や中国の一部の医療現場ではすでに、すぐに結果が得られるテストが使用されている。しかしこれらのテストは往々にして抗体の有無に頼る血清学的なものだ。

一方、英国の科学者たちのテストは分子によるもので、抗体ができる前でもウイルスのDNAの存在を検知できる。このテストは、自宅で自己隔離している無症状の個人のウイルス検査や、他のテストでは現在検査が優先されない不特定多数の人を調べるのに活用できるかもしれない。しかし新型コロナウイルスの市中感染という静かな広がりについての貴重な知見を提供することにもなる。

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(翻訳:Mizoguchi

英国の国民保険サービスが6500万円の資金提供をかけた新型コロナ技術コンペを開催

英国の国民保険サービス(NHS)のイノベーション推進機関であるNHSXは、この新型コロナウイルスのアウトブレイクの間、デジタル技術で人々を支えられるプロジェクトを提案したイノベーターやスタートアップに50万ポンド(約6500万円)を出資するコンペを実施する。この資金は、メンタル面のサポートや公的介護を必要とする人々、さらに長期間の自宅待機によって大きな影響を受ける人々への支援活動に集中的に提供される。

Techforce19(テックフォース19)と題されたことのコンペはNHSXが主催し、GovTech(ガブテック)系ベンチャー企業PUBLIC(パブリック)によって運営される。両者とも、このコンテストからは一切報酬を受け取らないという。

申し込み期限は4月1日午後12時まで。入選プロジェクトは4月3日に発表される。資金は、ひとつの団体につき2万5000ポンド(約330万円)まで。数週間以内にそのソリューションを大規模に展開できることが条件だ。次のようなプロジェクトが求められている。

  • 遠隔介護の提供。例えば、有資格の介護士と介護を必要とする人たちの位置からマッチングを行い、介護施設へ管理とケアを提供する。
  • 介護とボランティアの最適化。たとえば、人材募集、訓練、地域のボランティアを医療ワーカーと非医療ワーカーに選別するためのツールを開発する。または、国中の医療ワーカーとケアワーカーの需要を予測し、人材の派遣と管理を改善するためのツールを開発する。
  • メンタルヘルスの支援を改善。たとえば、メンタルヘルスのためのサービスや支援を探しやすくする。または、メンタルヘルスと心の健康を自己管理できるツールを開発する。
  • その他、この時期にサービス提供者の負担を軽減し、人々の不安を解消できるもの。

英保健大臣のMatt Hancock(マット・ハンコック)氏は、この資金提供についてこう話している。「家に留まり他人との接触を避けることが、このウイルスの感染拡大を低減するためにはぜひとも必要なことであり、結果的に命を守ることになります。しかし隔離は、特に高齢者、独居者、メンタルな問題を抱えている人、誰かを介護している人にとって容易なことではありません。家から出られない人のために、我々は今すぐにでも彼らを助ける方法を見つけなければなりません。そこで本日、私はこの国の強力な革新的テクノロジー分野のみなさんに、その挑戦を受けて頂くよう呼びかけます」。

NHSX長官Matthew Gould(マシュー・ゴールド)氏はこう話している。「テクノロジーは、新型コロナウイルスが引き起こす難題に対処する国家の取り組みにおいて、重要な役割を果たします。このコンペでは、隔離がもたらす問題のうち、デジタル技術で解決できそうなものに焦点が絞られています。これを通じてNHSXは、孤独やメンタル、その他の問題に苦しむ隔離被害者を数週間以内に救済できるよう、解決策の開発を加速化させます」。

英政府は、国内のすべての人たち、とりわけ70歳以上の高齢者、基礎疾患を持つ人、妊婦に対して、ウイルスの拡散を最小限に抑えるために他人との接触を避けるよう強く勧めている。癌患者など、ウイルスによって重大な影響が出る恐れのある人たちは、ウイルスから自らの身を「遮蔽」するために、12週間の自宅待機が求められている。

PUBLICのCEOを務めるDaniel Korski(ダニエル・コースキー)氏はこう話している。「新型コロナウイルスの拡大は、英国人の生活を突如として一変させました。私たちの多くは日常の行動が制限され、他人との接触を避けるために自宅勤務をしています。とくに社会的弱者の場合、社会からの隔絶と孤立には大きな代償が伴います。TechForce19が、今いちばん助けを必要としている人たちを救うための、いち早く展開できる技術の発掘に向けた有意義な一歩になることを期待しています」。

画像クレジット:Scar1984 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)