Facebookがコロナウィルス対応の影響を受けた「臨時雇用者」にも賃金支払いを約束

米国時間3月5日夜にMicrosoft(マイクロソフト)は、新型コロナウィルス蔓延のためのオフィス閉鎖に影響された時間給労働者への支払いを続けるという、すべての会社が追随してほしい取り組みを発表した。

どうやらFacebook(フェイスブック)も後に続くようだ。同社広報担当者のChloe Meyere(クロエ・マイエール)氏がメールに書いた内容を引用する。

我々は取引先とも密に検討を重ね、社員の健康と安全を最優先させることを確認した。Facebookは、自発的在宅勤務による業務縮小、オフィスの閉鎖、会社命令による自宅待機、あるいは病気のために働けない臨時雇用者に対して賃金の支払いを行う

マイクロソフトは、同社の決定を発表したブログで社長のBrad Smith(ブラッド・スミス)氏が次のように書いていた。

公衆の健康を守るための取組みにスピードアップが必要な一方、経済にスローダウンは許されない。我々は一企業として、公衆の健康を最優先するとともに、新型コロナウイルスによる経済と社会への影響に対して、会社としてできることを行う。大企業にとって可能なことが中小企業には必ずしも可能でないことを認識しているが、この種の取組みが可能な大企業は、実行を検討すべきだとわれわれは信じている

ワシントン州、カリフォルニア州など、新型コロナウイルスの症例が確認された地域では、いくつかのテック企業が社員に自宅勤務を促進している。Google(グーグル)、Lyft(リフト)Square(スクエア)などだ。新型コロナウイルスの影響は、Mobile World CongressやGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスなどの大規模イベントの中止も招いている

最近のテック企業には、22階層の労働者システムが出来上がっており、技術系や製品開発系のスタッフを自社のフルタイム社員として確保する一方、単純労働はサードパーティー企業に外注する傾向が高まっている。この階級制度とも言えるシステムはひんしゅくと怒りを買っており、テック企業の通勤バスが 公衆の面前で攻撃される事件さえ起きた。多くのあるいはすべての働き手を補償することは、広報的に有効であることも確かではあるが、素直に考えて倫理的に正しい行動だ。

おそらく今の状況は、テック企業が業務の内製化を増やす後押しになるだろう。Alphabet(アルファベット)の臨時雇用者への依存であれ、Facebookの管理業務の外注であれ、あるいは単なる運用スタッフの外部委託であれ、おそらく過剰な「インターナル・アウトソーシング」が行われている。それでも、少なくともパンデミックが起きても時間労働者への支払いはカットされない。低いバーであり、すべてのテック企業がクリアしているわけでもないが、何もしないよりはずっと良い一歩だ。

関連記事:米マイクロソフトは在宅勤務で仕事のない時給制現場労働者にも通常賃金を払い続ける

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SaaStrが開催地サンタクララ郡の新型コロナ対策に従い年次会議を延期

SaaS企業向けでは最大規模の会議を主催するベンチャー企業であるSaaStrは3月6日、国や地域の当局が新型コロナウイルス(COVID-19)を念頭に大規模な集会に懸念を示す中、SaaStr Annual 2020の延期を決定した。イベントは3月9日の週に開催予定だった。

米国カリフォルニア州サンタクララ郡は3月5日、ガイドラインの更新版を発行した。ガイドラインには「互いに至近距離で働く従業員の数を減らすこと。大規模な対面の会議の規模を小さくするか中止することを含む」とある。

SaaStrの創業者であるJason Lemkin(ジェイソン・レムキン)氏は「当社のチームはすでに開催の準備を整え、厳格な安全対策も導入している」と語った。「業界内では誰も実施していない水準の安全衛生対策を導入したが、郡の声明に従いスケジュールを変更する必要があった」とTechCrunchに説明した。

同社は今週初め、会社のウェブサイトにイベントの健康ガイドラインを概説する記事を掲載した。これには、流行地から来た参加者を許可しないこと、それを強制するパスポートチェック、体温チェックなどが含まれている。レムキン氏は下記のようにツイートした。

同社によると、このイベントは同社の今秋の会議に統合され、年次会議の規模を超えさらに大きくなるという。「サンタクララ郡およびCDC(米疾病予防管理センター)のガイダンスに従い、また世界中および米国での新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、SaaStr Annualの予定を見直し、2020年9月に開催される秋のイベントと統合して、新たにややカジュアルな『SaaStr Bi-Annual』として開催する」と同社は声明で述べた。

レムキン氏は3月7日、ツイッターで以下のように当局に対する不満を表明した。

このイベントには、PagerDuty(ペイジャーデューティー)のJennifer Tejada(ジェニファー・テハダ)やBox(ボックス)のAaron Levie(アーロン・レビー)など、SaaSの大御所の名前が挙がっていた。これは、あらゆる規模のSaaS企業が直面する問題を、一カ所に集まってパネル、インタビュー、セッションの形で議論するイベントだ。SXSWなどの多くのテクノロジー関連の会議も中止される。

画像クレジット:SaaStr

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(翻訳:Mizoguchi

米上院議員がUberやLyftなどに対し新型コロナの影響を受けるギグワーカーたちへの経済的配慮を要請

ギグエコノミー企業の中には、すでにその労働者間の新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散を防止するための措置を講じているところもあるが、米国バージニア州選出のMark Warner(マーク・ワーナー)上院議員は、そうした企業に対してウイルスの影響によって労働者たちが経済的苦境に陥らないような配慮も求めた。

「労働者が病気になるか、自己検疫(自宅待機)の状況に陥った場合には、その財政的苦境の可能性に対して、何らかの対応をとっていただきたいと、強くお願いしたいと思います」と同議員は書いている。「新型コロナウイルスの拡散を抑制するためには、経済的不安定性が労働者の皆さまに公衆衛生ガイダンスに従うことを躊躇わせるような事態にならないように、プラットフォーム企業の皆さまには率先して例を示し、対応していだくことが重要なのです」と続ける。

ワーナー上院議員は、UberやLyft、Instacart、Postmates、Grubhub、そしてDoorDashへ宛てた別々の手紙の中で、いくつかのアイデアを提示している。1つ目は、検査や自己検疫のために休暇を取る必要がある場合に、ギグワーカーが利用できる特別なコロナウイルス健康基金を設立することだ。また別のアイデアはたとえ通常の平均時間分の労働を行えない場合でも、労働者たちに通常の平均賃金を支払うというものだ。

「自らの責任に帰すことのできない健康上の緊急事態が、労働者とその家族に対して、過度の財政的負担をかけるべきではありません」と同議員は説明する。

UberはTechCrunchへのメッセージの中で、影響を受ける可能性のあるドライバーたちに補償を行うためのオプションを検討していると述べた。「私たちは公衆衛生コンサルの専門家と公衆衛生組織からの助言を受けている専任のグローバルチームを持っています。事業を展開する世界中の各市場で、必要に応じて対応を行うよう努めています」とUberの広報担当者は答えている。「私たちはチームはまた、コロナウイルスのために検疫状態に置かれたり診断されたりしたドライバーの皆さまに対して、個別に、あるいは基金を介して、または同業他社と提携して補償を行う方法を検討しています。上院議員には私たちの計画についての最新情報を提供し、議員からの手紙に直接の対応を続けます」と続けた。

Lyftの場合は、広報担当者による声明の中で、同社からワーナー上院議員のリーダーシップへの感謝を述べつつも補償の可能性については明示的に言及していない。「私たちは適切な行動を取ることに注力し、複数のシナリオを積極的に計画しているところです」とLyftの広報担当者は述べている。「政府当局者と調整を行う準備は整っています」と続ける。

一方DoorDashは、DoorDash配達員の福祉向上に役立つ「革新的なソリューション」について米国時間3月6日に上院議員と議論する予定だと述べている。「DoorDashのタスクフォースは、新型コロナウイルスの拡散に対抗して、コミュニティ全体の安全を保護するための、包括的な戦略の策定と実施に積極的に取り組んでいます」とDoorDashの広報担当者は述べている。「消費者の皆さま、配達員(Dashers)、そしてお店の方々に対して最新の公衆健康ガイドラインの提供を続けます。そして、アプリを用いてドアの前のどこに食べ物を置けば良いかを指定できる配達指示機能が使えることを、影響を受ける地域で周知しようとしています」と続ける。

また、非対面配達オプションの提供を開始したPostmatesは、米国疾病予防管理センター(CDC)からのガイダンスが更新されるたびに、その情報を労働者たちと共有すると述べている。さらにPostmatesは、同議員に対して「当社の柔軟な労働力の福利に投資する」計画を説明する予定であると述べた。

「コミュニティの健康と安全はPostmatesにとって最優先事項です。最新の予防措置を認識して貰うために、私たちはCDCの予防ガイダンスを配達を行う方々に向けてアプリ内で発信し続けます」とPostmatesの広報担当者は声明の中で述べている。「またPostmatesは本日、非対面でのお届けを指定するオプションも発表しました。私たちは引き続き、従業員、商店、消費者の皆さま、およびコミュニティのすべての方々が、手を洗ったり、調子が悪いときには外出を控えるといった、安全プロトコルに従うことを奨励して行きます」と続けた。

GruhHubも同様に、ドライバー、消費者、そしてレストランパートナーの、健康と安全に焦点を合わせていると述べている。「私たちはドライバーの安全性と福祉に対するワーナー上院議員の懸念を共有し、これらの重要な問題について上院議員と積極的に協力して行きます」と広報担当者は声明で述べている。

ギグエコノミー企業たちの対応への注目が集まったこのタイミングは、ギグエコノミー企業の多くがカリフォルニア州のギグワーカー保護法に対して対抗しようとしているタイミングに重なっている(この法律によって、企業はその労働者を独立請負業者として扱うことが難しくなる)。もし労働者たちがW-2従業員として分類された場合には、ヘルスケアや有給休暇などが与えられることになる。

ギグエコノミーの外の世界を見れば、例えばMicrosoft(マイクロソフト)やFacebookのような企業は、この方面に対してより積極的に行動している。たとえばマイクロソフトの場合、新型コロナウイルスの懸念によって仕事ができない場合でも、その時間給労働者に対して、通常の賃金を支払うことを約束している。Facebookも、マイクロソフトの発表後まもなく、懸念のあるこの時期に働けない臨時職員たちへの支払いを約束した。 SXSWも最近会議をキャンセルしたばかりだ。

TechCrunchはInstacartに連絡を取っている。なんらかの回答があれば記事を更新する予定だ。

画像クレジット: DoorDash / file photo

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(翻訳:sako)

大手テック企業が新型コロナの影響を受ける時間給従業員に賃金支払いを約束

Microsoft(マイクロソフト)の35日夜の動きに続き、米国の複数の大手テック企業が、新型コロナウイルスの感染拡大への企業の対応に影響を受ける時間給従業員の賃金を支払うことに同意した。

健康と安全の両方の観点から行動する企業の対応は正しい。一方で、作業の中断や短縮の影響を最も受ける時間給労働者が、自分たちにはどうしようもない事象に悪影響を受けないよう企業側が配慮することも正しい。

3月6日にTechCrunchが報じたように、Facebook(フェイスブック)は臨時労働者への支払いを約束した。Axiosのレポートによると、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)が追随する見込みだ。Apple(アップル)に問い合わせたが、コメントは返ってきていない。

Axiosへの声明の中で、Amazonは従業員に対して同様の取り組みを約束した。「従業員が在宅勤務を求められている間、シアトルとベルビューのキャンパスをサポートするすべての時間給従業員、例えばフードサービスや警備員、清掃スタッフなどに給与支払いを続ける。さらに、当社所有ビルに入居している地域の中小企業を支援するため、1カ月分の家賃を助成する」とのことだ。

GoogleとTwitterも同様の約束をしたと報じられている。

テック企業はこの問題をリードしており、その姿勢が労働団体から称賛の的となった。だが、ベイエリアに限らずさまざまな地域の権利擁護団体は、オフィス閉鎖によって賃金を失う時間給労働者が直面する打撃を緩和するよう企業に促している。

バージニア州の民主党上院議員であるMark Warner(マーク・ワーナー)氏がこの問題に注目した。ギグエコノミー企業のUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、Postmates(ポストメイツ)、DoorDash(ドアダッシュ)に対し、コロナウイルスの影響を受ける労働者に補償を提供するよう圧力をかけている。

「この問題が起きている間に労働者が病気になったり出勤を控えたりすることによって生ずる財政的困難に対処するよう強く求める」とワーナー氏は書いている。「新型コロナウイルスの拡散を抑制するために、プラットフォーム企業が模範となることが重要だ。公衆衛生ガイダンスに従った労働者に対し、経済の不確実性が彼らの重荷にならないよう約束すべきだ」と続ける。

画像クレジット:TechCrunch

参考:米マイクロソフトは在宅勤務で仕事のない時給制現場労働者にも通常賃金を払い続ける

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(翻訳:Mizoguchi

毎年40万人が参加するテック・音楽イベントSXSWが新型コロナの影響で中止

SXSWは、3月13日から22日にかけて米国テキサス州オースティンで開催される予定だったテックと音楽の祭典を新型コロナウイルス懸念のため中止すると正式に発表した。ただ、日程を変更しての開催を模索している。「先立って緊急事態を宣言したが、公衆衛生当局そして我々の衛生担当責任者の勧めに従ってSXSWを中止する命令を発出した」とオースティン市長Steve Adler(スティーブ・アドラー)氏は3月6日の記者会見で述べた。

SXSWは「市長の命令に従い、カンファレンスをキャンセルする」と説明している。「我々はイベントの日程変更を模索しており、SXSW EDUで始まる2020年のイベント参加者になるだけ早くバーチャルSXSWをオンラインで提供できるように努めている。登録済みの人、クライアント、参加者に可能な限り早く連絡を取り、FAQを公開する」。出席者やスポンサーが払い戻しを受けられるのかどうかは不明だ。

オースティン暫定保健局(Interim health authority)のMark Escott (マーク・エスコット)氏は、トラヴィス郡で新型コロナウイルス(COVID-19)感染のケースは確認されていないが、今回の中止は「嵐に見舞われるのに備えた、先を見越した措置」と話した。「SXSWに参加する人々はパネルやコンサートで互いに近い位置で長時間を過ごし、また登録している出席者は新型コロナウイルスにさらされている国内外から参加するため、SXSWの中止は正しい動きだ」エスコット氏は説明した。

SXSWでTexas Tribuneエディターのエヴァン・スミス氏と話すバラク・オバマ米大統領(2016年3月11日 / AFP / MANDEL NGAN)

今回のニュースの3日前には、アドラー氏が「現時点でSXSWの中止が安全確保につながるか、証拠はない」と発表するために記者会見を開いた。3月3日の時点でトラヴィス郡は新型コロナウイルス感染のケースはゼロだとしていた。

SXSWはテック、音楽、そしてテキサスの天候とビール、バーベキューを楽しみながら知り合いを増やすメディア業界が集まる場所として知られる。10年前は新しいソーシャルアプリを立ち上げるのにホットな場所だった。過去数年間はオタクっぽくも主流でもなくなり、SXSWは資金潤沢な企業が“クール”であることを示す場になっていた。

今年のカンファレンス中止を求める請願は5万4000人もの署名を集めた。起業家インフルエンサーのTim Ferris(ティム・フェリス)氏はアドラー氏にイベントの中止を求めた。SXSWは展示ブース購入者や出席者への払い戻しを拒んでいた。カンファレンスにフルにアクセスできるプラチナバッジは1550ドル(約16万円)する。

2019年のSXSWのステージで語る筆者と、インスタグラムの共同創業者Kevin Systrom氏、Mike Krieger氏(2019年3月11日、写真:Chris Saucedo/Getty Images for SXSW)

中止決定に先立ち、著名なスポンサーやスピーカー、パーティーオーガナイザーの多くが不参加を決め、カンファレンスは難しい状況に置かれていた。NetflixやApple、Amazon、Twitter、Facebook、LinkedIn、Google、Vevo、TikTok、Warner/HBO、そしてCNNなどはすべてイベントや製品発表、映画試写会、従業員による登壇をキャンセルしていた。

Google I/O、Facebook F8、GDC、Collisionトロント、MWC(モバイル・ワールド・コングレス)など、ほかの主要なテックカンファレンスの多くもすでに開催を中止したか、オンラインに移行した。マイアミのウルトラ・ミュージック・フェスティバル、そしてベルギーのトゥモローランドもキャンセルされた。Limeの会長、Joe Kraus(ジョー・クラウス)氏と筆者はSXSWでトークイオベントに出席する予定だったが、それもキャンセルとなった。

オースティンが受ける影響はかなり大きなものになりそうだ。SXSWは広大な敷地で開催される伝統的なフェスティバルではない。市内の何百もの場所でパネルやパーティー、コンサートなどが同時に開催される。特にミュージシャンにとっては日程調整による旅費はかなり高額で、またツアーのスケジュールはタイトだ。今回のキャンセルは収益面での負荷が大きく、日程再調整は難しい。何十万もの出席者の恩恵を受ける市内のバー、レストラン、小売店も売上に大きな打撃を受けることになりそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ対策でY Combinatorもデモデーをオンライン化する

シリコンバレーを代表するスタートアップアクセラレーターのY Combinatorが新型コロナウイルス、COVID-19に対する懸念から2020年のデモデーはオンラインで実施すると発表した。TechchCrunchはこれまでもデモデーを報じている。このイベントでは、100以上のスタートアップのデモにアメリカと世界のベンチャーキャピタリスト、ジャーナリストが参集してきた。

Y Combinatorはブログで「オンラインではデモデーのすべての側面を再現することはできないが、ファウンダー、投資家に最高の体験を提供すべく最善を尽くす」と述べた。この発表によれば、第30回のデモデーは事前に録画され、米国時間3月23日に投資家に公開される。

長い歴史があるデモデーは、独特の魅力があるイベントだ。Y Combinatorのアクセラレータークラスに参加したスタートアップのファウンダーたちにとって、この日は体験の頂点になる。大勢の聴衆が詰めかけ、小切手帳が開かれ、嵐のようにキーボードを打つ音がひびく。ファウンダーたちは何度も投資の申し出を受けるだろうし、ツイートされることも間違いない。リモート開催は残念ながらこうした興奮の一部を捨てることになる。

Work Life Venturesのファウンダー、Brianne Kimmel(ブリアン・キンメル)氏は、「YCに参加することができたスタートアップに対する投資家の意欲は高く、数十社の有望なスタートアップにはデモデーの数週間前にはすでに資金が提供される」と述べた。キンメル氏はYCの2016冬学期のクラスに参加しており、過去4回のデモデーには投資家として参加した。

「YCデモデーは初期段階のスタートアップエコシステムの頂点だが、多くの投資家はファウンダーがステージに登場するはるか前に支援したいチームを選び、支援している」とキンメル氏はいう。

キンメル氏は2019年のデモデーに先立ってTandemに投資した。2020年もすでにプロジェクト管理プラットフォームのAccordに投資しているという。

Y Combinatorはデモデーのオンライン化にともない、プレゼンのデジタル化以外にも、「各チームの経歴、背景をまとめた文書を追加し、プレゼンテーションスライドにアクセスできるようにする」という。また投資家とファウンダーチームが一対一のオンラインミーティングを実行することを支援するソフトウェアも提供する。

ベンチャーキャピタル、Fifty Yearsの創立パートナーであり、自身もY Combinatorの2012年夏学期のOBであるSeth Bannon(セス・バノン)氏は「ファウンダーはその投資家と今後10年間付き合っていかねばならないかもしれない。それを判断するには人と人との直接の対面が非常に重要だ」という。

バノン氏はTechCrunchのインタビューに対して「デモデーではごく数時間のうちに100人以上と直接話し合うことができた。とえはいえ、(オンライン化は)YCにとって正しい決断だと思う。ファウンダーとスタートアップコミュニティの安全を確保することが最優先だ。困難な決断を下したYCを称賛したい」と語った。

Handle(YC 2019冬)のCEOであるChris Woodward(クリス・ウッドワード)氏は「デモデーの当日に直接投資家に会えないことは打撃だと思うファウンダーもいるだろう。しかしデモデーの後に投資家とのもっと長いミーティングを設定するよいチャンスだと考えたほうがいいと思う」と語った。

他のテクノロジー系の大型カンファレンスも、新型コロナウイルス問題から開催をキャンセルしたりオンラインイベントに移行させたりしている。 米国時間3月5日に、B2Bソフトウェアを紹介するJason Lemkin(ジェイソン・レムキン)氏のカンファレンス、SaaStrが2020年9月に延期されると発表された。 アクセラレーターである500 Startupsもデモをオンライン化。参加チームのプレゼンはリアルタイムでストリーミングされるという。これらの決定は投資機会を完全に奪うことなくアクセラレーターを機能させていくことが狙いだ。

「過去15年間、スタートアップへの投資家はYCに参加したすべてのチームをサポートしてきた。今回のクラスでも同じことになると信じている」とY Combinatorは記事を結んでいる。

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滑川海彦@Facebook

米マイクロソフトは在宅勤務で仕事のない時給制現場労働者にも通常賃金を払い続ける

米国で新型コロナウイルス(COVID-19)の患者が増えるに伴い、一部の企業は社員にできる限り在宅勤務を求めている。しかしそれでは困るのが現場業務、とりわけ時間給で働いているスタッフだ。米国時間3月5日、Microsoft(マイクロソフト)は「ワシントン州ピュージェット湾と北カリフォルニアのすべてのベンダーの時給制サービスプロバイダーに通常の賃金を継続的に支払う。労務時間の減少は賃金の計算に勘案しない」と発表した

この発表はマイクロソフトの両地域の労働者だけを指しているが、同社は「新型コロナウイルスの影響下にあるこの国と世界のそのほかの部分についても同様の方式を前向きに検討する」と説明している。同社社長のBrad Smith(ブラッド・スミス)氏はブログで「「在宅勤務が可能な地域の従業員に同様の対応を求めている」とコメントしている。

同氏はさらに「その結果、該当地域ではマイクロソフトの日常業務に欠かせない時間給労働者の現場常駐ニーズを減らしている。例えば、マイクロソフトのベンダーのために働いている個人や、カフェのスタッフ、シャトルの運転手、および現場の技術やオーディオビジュアルのニーズをサポートしている人々だ。時間給の従業員が仕事を失うことの苦難は十分に承知している。その結果マイクロソフトは、すべてのベンダーの時給制サービスプロバイダーにサービスのニーズを減らしたこの期間中、通常の賃金を継続的に支払うことを決定した」とブログに書いている。

スミス氏はさらに「国民の健康を守る仕事は現状ではもっとスピードアップが必要だが、経済は減速が許されない。弊社は健康を最優先している企業ではあるが、同時に新型コロナウイルスが経済と社会に及ぼす影響にも対処していくつもりだ。大企業にできることが小企業にはできないこともありうると承知しているが、このようなやり方を採ることの可能な大企業は、それをぜひ検討していただきたい」と続ける。

新型コロナウイルスの患者が見つかった地域で従業員の在宅勤務を求めているワシントン州とカリフォルニア州のテクノロジー企業は同社のほかに、GoogleLyftSquareなどがある。また新型コロナウイルスの懸念により、MWC(Mobile World Congress)やGoogleのデベロッパーカンファレンスであるGoogle I/Oなど、大きなイベントも中止となった

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ拡大でGoogleがワシントン州の全従業員に在宅勤務を通達

今週Googleは、新型コロナウイルス(COVID-19)拡大の懸念が高まっていることから、ワシントン州の全従業員に在宅勤務を推奨する通達を出した。広報担当者はその事実をTechCrunchへのメールで認めた。地元の保健当局に相談した上での措置だ。

Googleはオフィスを閉鎖してはいない。在宅勤務推奨について公のコメントを出す予定もない。しかしこのニュースは新型コロナ拡大をかなり深刻に、そして広範に警戒していることを示している。Lyftは同様の措置を先に取っていて、サンフランシスコオフィスの従業員を在宅勤務としている。

Googleはワシントン州内にいくつかのオフィスを構えている。同州は米国においてウイルス拡大の懸念が最も深刻で、これまでに70人の感染が報告され、10人が亡くなった。シアトルとカークランドを擁するキング郡で最も感染例が多く、Googleはどちらの都市にもオフィスを置いている。

COVID-19はテクノロジーハブとなっている他の主要都市にも広がりつつあるが、今回の決断はおそらく初めてのものだ。Googleは今週初め、デベロッパー会議やI/Oなど人が直接顔を合わせるようなイベントを中止すると発表した。もっとも、新型コロナ感染拡大によって中止されるテック会議はI/Oだけでなく、先月のモバイル・ワールド・コングレスを皮切りに同様の動きが続いている。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

スーパーチューズデーの結果を受け、投資家はコロナウィルスの苦痛からバイデン氏の勝利へシフト

米国大統領予備選挙であるスーパーチューズデーの結果は民主党をリベラルと穏健派に分断したが、投資家は昨夜の結果を企業と市場の勝利と受け取った。

新型コロナウィルス(COVID-19)の米国内蔓延に伴う悪いニュースが続く中、米国時間3月4日のジョー・バイデン氏がスーパーチューズデーの民主党候補争いで先頭に立った知らせに、主要株式市場は急騰した。

ダウ平均株価は1173.45ドル、4.5%と大きく上昇して2万7090.86ドルに、Nasdaq総合指数は334ポイント、3.85%高の9018.09ポイント、S&P 500種株価指数は126.75ポイント、4.22%高の3130.12ポイントとなった。

バイデン氏の穏健な立ち位置は、バーモント州選出の上院議員であるバーニー・サンダース氏が推進するリベラル色の強い政策とは対照的だ。サンダース氏の、どうやって気候変動と戦い、医療業界を再建するかという立場は、バイデン氏が副大統領としても今年の大統領選遊説でも推している漸進主義(インクリメンタリズム)とは大きく異なっている。

このところ主要株価指標には苦難の日々が続いているが、ここ数日間、コロナウィルスの経済への影響に対する投資家の恐怖心は、米国政府が決然とした行動を起こし始めたことで収まりつつあるように見える。

米国時間2月28日に底をついて以来、ダウは1681.50ドル上昇し、Nasdaqは748.35ポイント、S&P 500は265.20ポイントそれぞれ上昇した。本日のニュースが上昇要因のひとつだ。

テック界の巨人である、Alphabet(アルファベット)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Microsoft(マイクロソフト)の各社は、市場が跳ね上がったその日にそろって株価を上げた。医療保険会社と薬品会社は、バイデン氏の勝利と、新型コロナウィルスの検査、治療、およびワクチンの可能性を含めた開発に対して米国政府が支出する新たな予算の両方を追い風に、この日特に目立った勝ち組だった。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google I/O 2020もまた新型コロナのために開催中止

Googleは、マウテンビューで5月に予定していたI/Oデベロッパー・カンファレンスの開催をキャンセルした。FacebookがF8をキャンセルし、Google自身も4月に予定されていたCloud Nextをデジタルオンリーのカンファレンスに移行した後ではさして驚きとはいえない。

I/Oは2020年5月12日から14日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスに対する懸念のためキャンセルされることとなった。Googleは参加予定者にキャンセルを通知するメールを送信した。

【略】

Cloud Nextカンファレンスと異なり、Googleはキーノートやスタートアップのプレゼンなどのセッションをリモートでストリーミングする計画を(今のところ)発表していない。ただしGoogleの声明はその可能性を排除してはいない。

参加者予定者にはチケット料金が払い戻され、2021年のイベントに参加する場合は「チケット購入の抽選」は免除される。 またこのキャンセルによるマウテンビュー近隣地区への経済的影響を緩和するためGoogleはスモールビジネスや生徒のSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリグ、数学)やコンピュータの学習振興を図る団体に100万ドル(約1億1000万円)の寄付を約束した。

Googleが2008年にI/Oカンファレンスをスタートさせて以来、今回が初めてのキャンセルとなる。当初はサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されていたが、会場はマウンテンビューのGoogle本社に近い野外劇場であるショアライン・アンフィシアターに移された。例年5000人前後がこのイベントに参加する。Googleは開発者向けの最新ツールと一般ユーザー向けのプロダクト多数をここで発表してきた。 2019年には、このイベントでPixel 3aも登場した。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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滑川海彦@Facebook

米食品医薬品局は新型コロナに対する認可前の検査方法を許可

FDA(米国食品医薬品局)は米国時間2月29日、全国の有力な大学病院や医療施設で、新しい診断技術を使った新型コロナウイルス(COVID-19)の検査を許可することになると発表した。

このFDAの新たな取り組みは、「さまざまな米国内の政府機関が、新型コロナウイルスが米国内で流行する危険に対してなんら効果的な対策を取っていない」という批評家による非難を受けてのもの。昨年12月上旬に中国の武漢で最初の症例が報告されて以来、潜在的なリスクが認識されていたにもかかわらず、準備ができていないという批判だった。

この新型ウイルスへの感染が、いよいよ米国内でも確認された状況の中、CDC(米国疾病対策予防センター)は、これまでわずか459件の検査しか実施していなかった。一方中国では、1か月前から新型コロナウイルスに対して、5種類の民間による検査が市場に登場し、すでに週に最大160万件の検査の実施が可能となっている。Science Magazineのレポートによると、韓国でもこれまでに6万5000人の検査が実施されたという。米国内での最初の検査は、欠陥のある試薬を含む検査キットが配布されたことで、キットそのものが役に立たなくなり機能しなかった。

ウイルス流行の可能性への対応を誤っているとして非難されているのはCDCだけではない。ワシントンポスト紙の記事によると、米国時間2月27日には、米保健福祉省に対して内部告発者による不平が提起された。それによると、同省は十数人の職員を十分な訓練と装備もなく、武漢に派遣して米国人の救出に当たらせたという。

そしてFDAは、米国内の研究センターに対して、まだ承認されていない新しい技術を利用することを認めることにした。全国の医療機関が実施できる検査数を緊急に劇的に増加させるためだ。

「この施策が、今回の公衆衛生上の緊急事態にあって、適切なバランスをとったものになると信じています」と、FDA長官のStephen M. Hahn(ステファン・M・ハーン)博士は、声明で述べている。「私たちは、臨床試験に先立って科学的なものであることを保証し、FDAから独立した批判的な見解にも耳を傾けていきます。これも、米国内の検査能力を急速に拡大するためです。EUA(緊急使用許可)を認可する基準は変更していません。今回の措置は、重大な公衆衛生のニーズに対して、動的に変貌する状況に迅速に対応し、適応するという私たちの公衆衛生に対するコミットメントを反映したものです」。

新しいポリシーにより、研究機関からのEUAリクエストに対する審査をFDAが完了する前に、同機関は検証されたCOVID-19診断の使用を開始できるようになると、FDAは声明で明らかにした。

HHS(米国保健社会福祉省)が、公衆衛生上の緊急事態、あるいはそうした事態が発生する重大な可能性を認めた際には、FDAはEUAを発行して医薬品の使用を許可し、病気の診断、治療、または予防に当たることができる。HHSの長官は、COVID-19コロナウイルスの流行は、まさにそのような緊急事態であると、2月4日に判断していた。

これまでのところFDAは、COVID-19に対する1つのEUAを認可し、すでにCDCや他の公衆衛生の研究施設で使用されていると、FDAは明らかにしている。

「世界的にCOVID-19が発生していることは懸念事項であり、米国内での検査能力を向上させる、今回のFDAの取り組みに感謝します」と、CDCの国立免疫及び呼吸器疾病センター(NCIRD)のセンター長であるNancy Messonnier(ナンシー・メソニエ)博士は述べた。

新しい診断検査法の開発は、BARDA(Biomedical Advanced Research and Development Authority=生物医学先端研究開発機関)によって管轄されている。これは、HHSオフィスの一部門であり、健康問題に対する準備と対応を担当している。

「このステップは、開発コストを削減し、より多くの検査機関で利用できるようにするためのプロセスを高速化し、民間での開発を促進する可能性があります。そして最終的には、人名の救助に貢献するでしょう」と、BARDAのRick Bright(ディレクター、リック・ブライト)氏は述べた。

カリフォルニア州レッドウッドに本拠を置くゲノムシーケンシング用デバイスメーカーのGenapsysのようなスタートアップや、ソルトレイクシティにある分子診断学のスタートアップ、Co-Diagnosticsは、それぞれすでに中国政府と欧州の検査機関からアプローチを受けている。

米国では、多くの大規模な上場企業やスタートアップが、新型コロナウイルスを検出するために利用可能な新しい診断ツールの開発に取り組んでいる。

「BARDAでは、この業界のパートナーを選定して迅速な診断方法を開発し、民間や病院の研究室、さらには開業医の診療所でも利用できるようにするつもりです。それにより、医療従事者とその患者が、行動を起こすために必要な情報を得られるようにします」とブライト氏は述べた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

政治的利益を狙いネット上で新型コロナウイルスに便乗する動き

現在の資本主義と民主主義では、他人の苦難に付け入るのに決して早すぎるということはないようだ。新型コロナウイルス(COVID-19)がその最新の証左だ。

ワシントン・ポスト紙は2月29日、コロナウイルスの発生に関連する陰謀説を流した200万件のツイートに関して国務省内の機関が報告書をまとめたと報じた。同紙が報じた報告書が言及するデマには、ウイルスはBill & Melinda Gates Foundation(ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団)が作り出したとか、中国政府が開発した生物兵器の成果だという内容が含まれている。

同紙によると、こうしたツイートは政府が調査したツイート全体の約7%を占めていた。重要なのは同紙が報じた通り、オンラインで広まった偽情報の一部が「意図的で組織的な活動」の結果のようだと報告書が指摘している点だ。

報告書の内容は、Check Point Software(チェックポイントソフトウェア)のようなサイバーセキュリティ会社が発している警告とも整合している。同社は今月初め、コロナウイルスの発生をテーマにして新しく立ち上げられたウェブサイトを追跡するレポートを発行した

同社のGlobal Threat Index for January 2020によると、「サイバー犯罪者は悪意のある活動を広めるために、世界中で高まる新形コロナウイルス拡散への関心を悪用して、コロナウイルス発生に関連付けたスパム攻撃を展開している」。同社は、Googleの検索キーワードとウイルスに関する「悪意のある議論」と同社が判断したものを比較し、それらが密接に相関していることを示した。

一例として、日本のウェブユーザーを標的としたハッカーが日本の障がい福祉サービス業者を装い、悪意のある電子メールにファイルを添付した。この電子メールには日本の複数の都市でのコロナウイルスの拡散に関する誤った情報が含まれており、ユーザーが電子メールの添付ファイルを開くと、モジュール型の自己増殖するトロイの木馬ウイルスがコンピュータにダウンロードされる。

電子メールによる攻撃は脅威の1つだが、セキュリティ会社が捉えたもう1つの脅威は、ウイルスに関連付けたドメイン名を持つ新しいウェブサイトだ。

同社はすでに「vaccinecovid-19.com」という偽のウェブサイトを見つけた。2020年2月11日に最初に作成され、ロシアで登録された。Check Pointによると「このウェブサイトは安全ではなく『コロナウイルスを検出する最高かつ最速のテストを1万9000ロシアルーブル(約3万2000円)という素晴らしい価格で』提供するとうたっている」。

Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Twitter(ツイッター)はすべて、「この病気の治療法を提供する」とうたう広告など、コロナウイルスに関する偽情報をプラットフォームから削除する措置を講じている。

今月初め、大手テック企業はWHO(世界保健機関)の代表者と会談し、オンライン上の偽情報や詐欺に対処する計画と協力方法について協議した。

Facebookは今週初め、同サイトで偽情報を広げる動きに対する継続的な対応について次の声明を発表した。

世界各国の保健当局がコロナウイルス(COVID-19)に関する新しいガイダンスと警告を発信する中、我々は国や地域の保健機関からの情報を人々へつなぎ、ウイルスに関する偽情報と有害なコンテンツの拡散を抑えるための作業を続けています。

人々を正確な情報と役立つリソースにつなぐ

Facebookでウイルスに関連する情報を検索すると、検索結果の上部に情報提供ポップアップが表示され、世界保健機関(WHO)などの保健専門組織にアクセスすることができます。Facebook上で過去数週間にわたり、この取り組みをすべての言語でグローバルに展開し、ユーザーをWHOのサイトに誘導しました。いくつかの国では、ユーザーを当該国の保健省のサイトに誘導しました。たとえば、米国では疾病対策予防センター(米CDC)からの情報にユーザーを誘導し、シンガポールではシンガポール保健省に誘導しています。さらに、WHOが人から人への感染と死亡を報告している国では、ニュースフィードの上部に追加情報を含む追加のメッセージを表示しました。

画像クレジット:PAU BARRENA / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ジュネーブ・モーターショーも新型コロナ感染拡大で急きょ中止

ジュネーブ・モーターショーが、新型コロナウイルスによる開催取り止めとなる最新事案となった。スイスで開催されるこのモーターショーは世界最大の車の展示会の1つで、例年さまざま々な国のハイエンドな自動車メーカーが、ニューモデルや斬新なコンセプトを発表する。他のモーターショーと同じくジュネーブ・モーターショーも展示するだけの場ではなく、一般の人も参加できる。

ジュネーブ・モーターショーの開催中止は、GSMAのモバイルワールドコングレス(MWC)、FacebookのF8カンファレンスといった大規模イベントキャンセルに続くものだ。今後予定されているニューヨーク国際オートショー(NYIAS)の主催団体はこれまでのところ、まだ中止は発表していない。NYIASはニューヨーク市で4月10〜19日に開催される。

これらのモーターショーは単に消費者向けに展示をするというものではない。自動車メーカーはショー参加や展示に大金を注いでいる。それぞれのショーで訴えるものを練るのに何年もかけていて、ショーがなければ自動車メーカーは最新モデルやトレンドを発表するために戦略を変更しなければならなくなる。

これまでジュネーブ・モーターショーは参加者らに病気の人を避けるよう呼びかけてきた。しかし最新のスーパーカーコンセプトを見るために人をかき分けなければならないような混み合ったホールでは、無理に近い。

「このようなことになり、残念に思う。しかし全参加者の健康が、我々そして展示者の最優先事項だ。これは不可抗力であり、ショー参加のために巨額の投資をしてきたメーカーにとって大きな損失だ。しかし彼らが今回の決断を理解してくれると確信している」と主催団体会長のMaurice Turrettini(モーリス・タレンティーニ)氏は声明文で述べた。

主催団体は中止作業と損失の計算を行っている。また「すでに販売されたチケットの代金は返金される」としている。

画像クレジット: Wikimedia Commons (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi

新コロナ感染拡大でゴールドマン・サックスが米企業ゼロ成長を予測、株式は再値下がり

新型コロナウイルスが経済成長に影響を及ぼすとの懸念から、米国株式市場は2月27日に再び大きく下げた。そして多くのテック企業が直近の売上高や業績予想に感染拡大の影響を盛り込み始めた。

正午の時点でダウ平均はおおよそ650ポイント下げ、ナスダックも240ポイント下げた。いずれも今年初めに達成した過去最高値からかなりの下落だ。

米国(北カリフォルニア)で初めて市中感染が報告されたのに伴い、ドナルド・トランプ大統領は昨夜、広がりつつあるコロナウイルス感染への政権の対応を国民に示した。大統領のスピーチは感情的なもので、世界そして米国が受けるコロナウイルスの影響はかなり大きく、想定していた以上長引くかもしれないとの懸念を抑制することはできなかった。

そして本日、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は、コロナウイルスの影響で米企業の2020年の利益成長率はゼロになる、との経済見通しを発表した。グローバル経済の落ち込みからして、多くのアナリストが最近の市場のレベルはデタラメだとするのに消極的だったことが明らかになった一方で、ゴールドマン・サックスがはっきりとさせた。

銀行はいま、他のアナリストグループの予測と反対の立場だ。つまり、マーケットの残りはゴールドマン・サックスのサイドにつき、もしくはより深刻にとらえていることを意味する。株式市場は、少なくとも今日の取引ではゴールドマン・サックスと同様に考えているようだ。

ハイテク株に目を向けると、今日の取引ではSaaSとクラウドの企業が再び大きく下げている。Bessemer-Nasdaqクラウド指数は今日1.45%下がった。直近の最高値からは10%超下がっている。公開SaaS企業の新たな株価は、連動するスタートアップやベンチャーキャピタルの業界にとってうんざりするものだ。公開ソフトウェア企業の価値がこれまでになく高まっていることもあり、スタートアップやベンチャーキャピタルはこの分野に大きく賭けてきた。

実際、投資家らは特定の価格/セールス方程式で値を算出するのに、時価総額の代わりに企業価値を使い、多くのSaaSやクラウド企業を直近の売上の12倍超に押し上げてきた。そうした数字は株式市場でリアルタイムに変更されている。これは数千億ドルにもなる未公開企業の株に影響を及ぼすことになる。

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナウイルス感染拡大懸念でNY株価が全面安、テックやSaaSで下げ大きく

欧州やアジア、中東で拡大している新型コロナウイルス感染の影響を懸念し、米国時間2月24日の米国株式市場は大きく下げて始まった。中でもテック株の下げ幅が顕著だ。株安の原因は明らか。週末に欧州や中国以外のアジアの国での患者数が急激に増え、ウイルス拡散を抑制するという望みが打ち砕かれることにりそうだからだ。

投資家らはグローバルでの流行と経済への影響を注視していることから、感染拡大は市場を揺るがした。中国は今週後半にも主要な経済指標を発表する見込みで、その内容は芳しいものではないとエコノミストはみている。

The Guardian(ガーディアン)の報道によると、中国の習近平主席は週末にコロナウイルスは「経済と社会にかなり大きな影響をもたらした」と話した。「中国政府はすでに中国全土の事業所へのダメージを最小限にするための方策をとっている」とも述べた。

一方、欧州では国際通貨基金(IMF)専務理事のKirstalina Georgieva(クリスタリナ・ゲオルギエヴァ)氏は「振興マーケット経済がコロナウイルスによって直面するかもしれない打撃を和らげるために、IMFは対策を講じる用意ができている」と話した。「COVID-19封じ込めと経済への影響を抑制するにはグローバルの協力が不可欠で、流行が長引き広範にわたればなおさらだ」とガーディアン紙にはある。

そうした警告が米国の株式市場を揺るがした。ダウ工業株30種平均は大きく下げて始まった。2月24日朝の主要インデックスは以下のとおりだ。

  • ダウ・ジョーンズ工業指数:マイナス2.92%、または846.17ポイント
  • S&P 500:マイナス2.73% またはマイナス91.18ポイント
  • ナスダック:マイナス3.57%またはマイナス336.69ポイント

テック業界をみると、我々のお気に入りのSaaSやクラウドの指数はマイナス2.98%だ。SaaS株は2月24日のマーケットにおいて最も価値のある公開株。そのため他の株に比べて上下する幅が大きい。明らかに本日は価値を下げていて、これはこの分野にとってかなり強力なサインになっている。

株価も本日は全面安だろう。これは今年上場を考えているAsanaAirbnbなどの企業にとって、そしてSquareやHP、Box、Salesforceなど今週決算を発表する企業にとっても悪いニュースだ。マーケットが不調なときに上場したい企業はない。売り出し価格を決めるのが難しくなり、圧力がかかって新規株式公開会社が受け入れ難いバリュエーションになる。決算を発表する企業にとっては、悲観論や恐怖が渦巻くマーケットでは注目を集めることはできない。

商況だけで済む話ではない。部品調達で中国に頼っているメーカーは部品供給不足に陥ることが予想され、短期的に製品やサービスの販売に影響を及ぼすかもしれない。中国にある工場は多くの労働者が隔離されているために閉鎖されていて、それは世界経済に大きな影響を及ぼす。状況が変わればさらに大きな影響が出てくるだろうが、少なくとも今週、全体的に悪い方向へとスタートを切った。

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(翻訳:Mizoguchi

ソニーも新型コロナウイルス感染拡大懸念でMWC出展取り止め

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、Mobile World Congress(モバイルワールドコングレス、MWC)への出展を取りやめる企業が相次ぐ中、Sony(ソニー)が同様の措置を取ることになった。

「お客様、ビジネスパートナー、メディアのみなさまそして社員の安全を最優先し、スペイン・バルセロナで開催されるMWC Barcelona 2020の出展と参加の取り止めるを決定しました」というプレスリリースをソニーは出した。

MWCは2月24日から27日にバルセロナで開催されることになっている。

予定していたプレスカンファレンスは2月24日午前8時30分(中央ヨーロッパ時間)にYouTubeのXperia公式チャネルを通じてリモートで開催する、とソニーは発表している。

「この困難な時期、みなさまのご理解とサポートに感謝しております」とも付け加えた。

ここ数日、Amazon、Ericsson、LG、NVIDIA、ZTEといった多くの企業が新型コロナウイルス感染拡大の懸念からMWC出展・参加を取り止めると発表した。

世界保健機関(WHO)は2020年1月、国際的に新型コロナウイルス感染拡大が懸念されるとして公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

この記事執筆時点で、ウイルス感染と死亡のほとんどは、ウイルスが最初に確認された中国国内でおこっている。湖北省武漢市で最初に症例が報告された。

ZTEXiaomi(シャオミ)を含むいくつかの中国テック企業は、新型コロナウイルス感染の懸念からMWC参加に際して、中国からの社員移動を制限し、参加前の一定期間、社員が自己隔離を実施するといった変更を加える、と明らかにしていた。

2月9日、MWC主催者のGSMAもまた出席者を守るために厳しいルールを発表した。湖北省からの参加は禁止し、中国からの参加者はMWCの14日前に中国外に滞在していたことを証明する必要がある、というものだ。

また、参加者は新型コロナウイルスの影響を受けた人と接触していないことを自己証明する必要がある、とGSMAは述べた。

2019年のMWCには198カ国から11万人が参加した。

GSMAは「さらなる対策も検討中で、我々は今後も状況を注視し、場合によっては追加措置もあり得る。我々はすばやい対応が求められる、刻一刻と変わる状況と戦っている」とも語った。

MWC参加者数はここ数年10万人を超えていたが、2020年のMWCではこれまで参加してきた企業が移動を再考せざるを得ない状況に直面しており、参加者数の減少が予想されている。

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(翻訳:Mizoguchi