実名グルメサービス運営のRettyがWiLなどから11億円の資金調達、月間ユーザー数は2000万人突破

Facebookアカウント連動による実名グルメサービス「Retty」を運営するRetty。同社は7月28日、WiL、ABCドリームベンチャーズ、既存投資家(EIGHT ROADS VENTURES JAPAN)を引受先とした約11億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。またRettyではあわせて、MAU(月間ユーザー数)が5月に2000万人を突破したことも発表した(2016年7月時点で2200万人)。

Rettyでは今回の資金調達を元に、開発者の確保やオフィス環境整備を行うほか、サービス改善や規模拡大を進める。

ちょうど1年前に開催した戦略説明会で月間ユーザー数1000万人と発表していたRetty。Retty代表取締役の武田和也氏によると、その後も1カ月に約100万人ペースでユーザーを増やしてきているという。口コミの投稿数は80万店・270万件で、「口コミが一定の数になって、(ユーザー増加の)カーブが大きくなってきた」(武田氏)という。また都内が中心だった口コミも、大阪や名古屋、福岡、札幌など地方都市でも増加しているという。ユーザーの属性は20代〜50代だが、中心となるのは30代。各種競合サービスと比較しても若い世代が利用しているという。

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このユーザー数増加の原動力は何か? 武田氏は流入経路の割合を非公開とした上で、「SEOの割合は大きい」と語る。またスマートフォン(ウェブ、アプリ含む)とPCで比較すると、スマートフォンからのアクセスが7割になっているという。同社では年内にも月間ユーザー数3000万人を目指す。

Rettyではナショナルクライアント向けのブランディング広告と店舗向けの集客支援サービスでマネタイズを進めている。売上は両事業で「ちょうど半々くらい」(武田氏)な状況だが、近い時期にも単月黒字化する見込みだという。「集客支援事業もユーザー数が1000万〜1500万人を超えた頃から認知も広がって伸びてきた。競合サービスに追加して導入を決めてもらっているイメージ」(武田氏)

ケータイ利用で数秒審査、新型クレジット決済「Paidy」がSBIなどから約16億円を調達

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事前登録不要でケータイの電話番号とメールアドレスだけで数秒で審査が完了し、オンライン決済で支払いができる新しいタイプのクレジットサービス「Paidy」を提供するエクスチェンジコーポレーションは7月27日、シリーズBとして1500万ドル(約15.8億円)の資金を調達したことを発表した。(※記事初出時1600万ドルと誤記していました。訂正してお詫びします)

今回の調達ラウンドでリード投資家を務めたのは、SBIインベストメントが運営するFintechファンドEight Roads Ventures Japan(旧Fidelity Growth Partners Japan)で、ほかに伊藤忠商事、Arbor Ventures(香港)、SIG Asia Investments(米国)も参加している。エクスチェンジコーポレションは2008年に元ゴールドマン・サックス日本法人のトレーダーだったラッセル・カマー氏らが設立し、P2PレンディングのAQUSHからスタートして、現在のサービスにピボット。2014年7月にシリーズAで330万ドルを調達した経緯がある。

エクスチェンジコーポレーションの説明によれば、Paidyは日本国内で1億人以上が利用可能な「リアルタイム・クレジット口座」だという。事前登録は不要で、利用者はメールアドレスと携帯電話番号を使って決済できる。SMSまたは自動音声で案内される暗証コードを本人認証として使っている。利用者は当月利用総額を翌月10日までにコンビニか銀行で支払う。加盟店への支払いはエクスチェンジコーポレションが保証する。エクスチェンジコーポレションは、機械学習を使った審査をしているという。

paidy02Paidyの加盟店は現在国内60万店舗以上。アディダスやリーボック、DEAN&DELUCA、Stores.jp、SHOPLISTなど、ファッションやスポーツウェア、コスメなどのブランド商品を扱う加盟店が増えているという。主要な加盟店ではPaidyの利用率は20〜30%。今回の投資ラウンドで新役員となるEight Roads Ventures Japan代表のデービッド・ミルスタイン氏は発表文のなかで「日本ではオンラインショッピングの約40%で代引きやコンビニ払いといったクレジットカード以外の決済手段が選択されている。このような日本特有の決済市場において、Paidyはより使い勝手の良い、直感的なソリューションを消費者に対し提供し、加盟店の利益やオペレーションの向上に貢献している」としている。

エクスチェンジコーポレーション代表のカマー氏も、今回リード投資家の1人で新役員として入っているEight Roads Ventures Japan代表のミルスタイン氏も、外資金融出身の日本在住歴の長い外国人。投資資金もドル建てということもあって、そうは見えないかもしれないが、日本市場をターゲットとした日本発のFintechスタートアップだ。SBIや伊藤忠が入った今回の大きな資金調達でどこまで普及が加速するか要注目だ。

AIがSNSから“現場の映像”を収集、「Newsdeck」にフジテレビが出資

  • spectee人工知能(AI)で事件や事故、災害の画像・動画をネット上から自動収集し、投稿者の許諾を得て報道機関に提供するサービス「Newsdeck」に、テレビ局からの注目が集まっている。

今年3月にアルファ版をリリースしたばかりだが、すでにNHKに加えてフジテレビやテレビ朝日などの民放キー局が導入。地方のテレビ局やウェブメディアも合わせて15社が報道で利用している。

運営会社のSpecteeは7月26日、フジテレビ系列のVC「フジ・スタートアップ・ベンチャーズ」をリードインベスターとする資金調達を実施したことを発表。金額は非公表だが、関係者によれば1億円前後とみられる。

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Newsdeckのダッシュボード画面。報道機関は「事件」「事故」「自然災害などの項目から画像や映像を検索し、ニュースで利用できる

AIで「火事」と「焚き火」を識別

Newsdeckは、TwitterをはじめとするSNSから事件や事故、災害に関する画像・動画をリアルタイムに収集し、AIが「火災」や「人身事故」「爆発」といった項目に分類する。

例えば、火災の画像を収集するにあたっては、あらかじめ「燃えている画像」「煙が出ている画像」「消防車の画像」などを学習させ、収集した画像が「火事」らしいかどうかを判定。火事と焚き火の画像もAIで識別できると、Specteeの村上建治郎社長は説明する。

「火を囲んで談笑しているか、火から離れて見ているのか、といった複数の要素と、過去の学習成果をかけあわることで、AIが一瞬で判断する。」

SNSの投稿を使う報道機関は通常、投稿者から個別に許可を得るが、Newsdeckも同じ。アルファ版公開当初はボットで定型文を送って許諾を求めていたが、「返信率が上がらなかった」ため、現在は人力でメッセージを送っている。

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新宿・ゴールデン街の火災で注目

Newsdeckが報道機関から熱視線を送られるきっかけとなったのは、4月12日に発生した東京・新宿ゴールデン街の火災だった。

ゴールデン街の火災では、現場に居合わせた一般人がTwitterに動画を投稿。その動画を番組で使用するために、多くのテレビ局が投稿者へ利用許諾を求めた。

その模様をまとめたTogetterによれば、最も早く利用許諾を求めたのはSpectee。Twitterに火災動画が投稿されてから、わずか3分後の出来事だった。

Specteeに続いたのはテレビ朝日で、動画投稿から10分後、TBSは20分後、フジテレビは2時間26分後と、AIと人力による収集能力の差が如実に表れた形だ。

スタッフをネットに貼り付けて動画や画像を探し、その都度、投稿者に許可を得るのは手間とコストがかかるーーそう考える報道機関がNewsdeckに依頼するケースが増えているようだ。

デマ投稿にどう対応する?

Twitterに事故や災害の第一報が投稿されるのは珍しくなくなったが、中には「デマ」が出回ることもある。

4月の熊本地震では「ショッピングモールが火災」といったデマ写真がTwitterで拡散。この情報に惑わされたフジテレビが震災特番の中で報道し、番組中に訂正したこともあった。

こうしたデマ投稿に対応するために、Newsdeckは過去に同じ画像や動画が投稿されていないかをフィルタリングする。「ネタ画像」の使い回しかどうかをチェックするためだ。

熊本地震では「ライオンが動物園から脱走した」というデマ写真もTwitterで拡散したが、これはヨハネスブルグの画像を使い回したものだった。

「自動収集した画像や映像は最終的にスタッフが目視する。それでもデマかどうか判断できないものは消防や警察の情報にも当たっている。」(村上氏)

報道機関に変わって画像の収集から権利処理までを肩代わりする

報道機関に変わって画像の収集から権利処理、情報の裏取りまでを肩代わりする

フジテレビと動画・画像キュレーションで提携

VCを通じて出資したフジテレビは、7月に「ネット取材部」を新設。同部署のコア機能として、Newsdeckの利用を見込んでいる。フジテレビ報道局での導入も進める。

子会社のフジテレビラボとも提携。視聴者投稿型サービス「FNNビデオポスト」とNewsdeckを統合して、動画・画像のキュレーション事業を年内に開始する。

「アジアでは勝てる」

今回の出資を受けてSpecteeは、台湾や香港、韓国、シンガポールの報道機関にもNewsdeckを売り込む。アジア進出にあたっては、フジテレビとともに出資したCBCのネットワークを活用し、その後は欧州と米国にも進出する。

国内に競合はないというが、海外に目を向けると、2015年7月にソフトバンクなどが1億ドルを出資したことでも話題になった米BanjoYouTubeと共同で報道映像を配信する米Storyfulなどがある。これら海外勢への優位点について、村上氏は次のように語る。

「権利処理や現場状況の聞き込みなど、投稿者との丁寧なやり取りが強み。この点は海外プレイヤーが抜けている部分。日本でもテレビ局をはじめ既存の顧客からは、AIの技術以上に、その点を評価いただいている。」

アジアの報道機関には「米大手テレビで採用されている」というよりも、「NHKで採用されている」という方が説得力があると村上氏は言い、アジアでは勝てると踏んでいる。「小資本でもレバレッジが効き、小さくても勝てるエリアを探してそこから欧州、米国を攻めていきたい。」

“現場の映像”の通信社

今後は、SNSの投稿を提供するだけでなく、ドローンで自ら映像を撮影したり、タクシーのドライブレコーダー(事件の現場近くに止まっていたタクシーで撮影した映像が役に立つことがあるらしい)などの映像も収集する考え。

収益源は報道機関が支払う月額料金。将来的にイメージしているのは、国内外の報道機関にニュースを配信する「通信社」の画像・動画版だ。

「日本では共同通信社がテレビ局と年間億単位で契約している。Specteeは国内外の報道機関と契約し、2018年までに売上高10億円を目指す。」

3タップで株を売買できるスマホ証券One Tap BUY、ソフトバンクから10億円の資金調達

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10年ぶりに新規設立されたスマートフォン特化のネット証券会社One Tap Buy。昨年開催の「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルでは、審査員特別賞とAWS賞を受賞。その後金融商品取引業者登録を完了し、6月にスマートフォン向け株式取引アプリ「One Tap BUY」をローンチしたばかり。そんなOne Tap Buyが7月25日、ソフトバンクから10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。両社は今後サービスの連携を図るとしている。

One Tap BUYは2013年10月の設立。代表取締役CEOの林和人氏は以前にも中国株取引のオンライン専業証券会社を立ち上げ、イグジットした経験を持つ人物。同社は3月にソフトバンクから資金を調達。それ以外にもモバイル・インターネットキャピタルやDBJキャピタル、オプトベンチャーズなどから資金を調達している。

提供するアプリのOne Tap BUYは「ロゴマークで銘柄を選ぶ」「売買する」「確認」の3タップで株式の売買が可能だ(通常、スマートフォンでオンライン証券を利用する場合は10タップ以上の操作が必要となる)。AppleやFacebookなど、30銘柄の米国株を1万円から購入可能。ポートフォリオの円グラフをタップで操作するなど、直感的なUIも特徴だ。2016年度内には日本株やETF(上場投資信託)の取り扱いも開始するとしている。

6月のローンチ以降、アプリのダウンロード数は3万5000件以上。ユーザーは20〜60代、特に20代後半〜40代前半が中心だという。特徴的なのは全ユーザーの半数以上が投資未経験者だということ。One Tap BUYでは「新しい個人投資家市場を開拓している」としている。

CRMと地図を統合して「サラリーマン巡回」最適化―、UPWARDが2億円を調達

自社プロダクトの資料ダウンロードが起こった瞬間に、その資料を閲覧している企業担当者のすぐ近くにいる営業マンに「○○ビル5階に訪問してご説明すべき」とスマホの地図で示せたら良くないだろうか?

最近横浜から東京・日本橋へオフィスを移転するとともに社名も変更したUPWARDがやっているのは、まさにこのCRMと位置情報の統合だ。マーケティング・オートメーションツールやCRMといったツールには、今のところ地図・位置情報を扱うレイヤーが欠けている。

2002年創業で受託中心の開発会社だった「オークニー」は社名を「UPWARD」へ変更し、改めて自社プロダクトで勝負する。受託開発中心だった横浜時代に区切りを付け、Draper Nexus Venture Partners日本ベンチャーキャピタル(NVCC)から総額2億円の資金調達を行ったことを今日発表した。

UPWARDはCRMと地図・位置情報の連携で実現したフィールドセールス向けのクラウドサービス。ツールとしては、iOSアプリがあるほかモバイルブラウザで動くHTML5版がある(次期プロダクトではReact Nativeの採用を検討しているそうだ)。すでに大手メーカーやサービス業を中心に、約140社でUPWARDは導入されている。グリコ、ダスキン、アサンテなどが顧客企業の例だ。直近での導入事例としても大手機械メーカーに全国で約1600人いるフィールドセールスマンが利用する行動支援サービスとして採用された。この機械メーカーでは一人の営業マンの担当エリアが大きいためUPWARDの採用は効率化のメリットが大きいという。

UPWARDの金木竜介CEOは、「都内で動く人のナビゲーションが提供されてない。いまは住所で検索して地図を見てるだけ。それで訪問している」と現状の非効率を指摘する。UPWARDではエリアごとの集計営業計画の立案効率的な訪問ルートの計算といったことができる。移動時間も考慮して直帰の設定も可能だ。「顧客とのアポ設定やターゲットリストの絞り込みは時間がかかっていて、これをマネージャーがやってたりするのが現状です。ここをオートメーション化していく」(金木CEO)。UPWARDは、もともとオークニーの受託時代から主にオープンソースを使ったサーバーサイドの地図情報システムに取り組んでいて「ある区画の顧客情報だけを引っ張ってくる」というような処理が得意という。


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UPWARDは2011年から動作しているプロダクトで、2013年にはセールスフォースと資本提携して3000万円の投資を受けた。その後、シリーズAでみずほキャピタルから3000万円、2014年のシリーズBでサイバーエージェント・ベンチャーズSMBCから8000万円、2016年に入って4月と6月にDraper NexusとNVCCからそれぞれ1.5億円、5000万円の合計2億円を調達した形だ。ピーク時30人だったときよりも社員数は12人と減ったが「筋肉質となった」と金木CEO。受託開発から急速な成長を目指すスタートアップへの脱皮には、変化に伴う「成長痛」もあったようだが、CRMへの位置情報レイヤーの統合は興味深い領域。セールスフォースから出資を受けていることもあるし、日本市場にとどまらず、新社名どおりUPWARDが上向きにスケールできるか注目だ。

解析サービスのユーザーローカル、クリムゾンG、YJ、EVから数億円を調達してAI事業を強化

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ウェブサイトのアクセス解析やビッグデータ解析サービスを提供するユーザーローカルは7月20日、クリムゾングループ、YJキャピタル、East Venturesからの資金調達を実施したことを発表した。詳細な金額は非公開だが、数億円に上るとしている。ユーザーローカルは2015年5月にもYJキャピタル、East Venturesから合計2億6000万円の資金調達を実施している。

ユーザーローカルは2007年に設立して以来、ユーザーのマウスの動きやタップなどをヒートマップで可視化する「User Insight」、ソーシャルメディアのマーケティング分析・管理ツール「Social Insight」、メディア運用者向けに記事コンテンツの分析ツール「Media Insight」などを提供してきた。これらの分析プラットフォームは20万以上のサイトで活用されており、ビジネス面でも「非常に好調に回っている状況」(ユーザーローカル代表取締役社長の伊藤将雄氏)

また同社は5月から人工知能ボットAPIを開発。これはプログラミングを行わなくともSNSの設定だけでLINE、Facebook、Twitter、Slackといった主要サービスにチャットボットを実装できるサービスだ。正式ローンチの時期は明記されていないが、サイトでは事前申し込みを受け付けており、すでに4000人の開発者に提供して、クローズドなテストが進められているという。

今回の資金調達は、この人工知能分野の拡充に向け、ディープラーニングや機械学習インフラの人材の採用を進める予定だ。2015年5月の資金調達以降、同社がさらにこの領域に踏み込むことに決めたと言っても過言ではない。伊藤氏は提供予定のプロダクトは「チャットボットだけではない」としているが、数カ月のうちにもプロダクトの正式ローンチを示唆した。

TechCrunchでは直近にもZEALSがメディア向けに提供するボット開発運用ツール「BOT TREE for MEDIA」などを紹介しているが、ボット用のAIエンジン、チャットのUIを利用したサービス(実は裏側はAIだけでなく、人力だったりすることもあるのだけど)などは国内でもその数を増やしつつあるようだ。

なお今回出資したクリムゾングループは代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏の個人資産管理会社。実は伊藤氏はユーザーローカルの設立以前に事業を楽天に売却した経験がある。そこからの繋がりもあって今回の出資に至っているようだ。

アプリ分析サービス「App Ape」運営のFULLER、4.2億円の資金調達でアジアに進出

Fuller共同代表の渋谷修太氏(左)と櫻井裕基氏(右)

Fuller共同代表の渋谷修太氏(左)と櫻井裕基氏(右)

アプリデータ分析サービス「App Ape」を展開するFULLERは7月19日、いばらき新産業創出ファンド投資事業有限責任組合、地方創生新潟1号投資事業有限責任組合、セガゲームス、VOYAGE VENTURES、Global Catalyst Partners Japan 投資事業有限責任組合(既存株主)、朝日新聞社(こちらも既存株主)を引受先とする総額約4億2000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FULLERは、2011年11月の設立。高専から筑波大学に進学した代表取締役の渋谷修太氏らが茨城県つくば市で立ち上げたスタートアップ(現在は茨城県柏の葉にあるコワーキングスペース「KOIL」に拠点を置いている)。2012年9月にリリースしたバッテリー・メモリ管理アプリ「ぼく、スマホ」をリリース。同アプリは現在100万ダウンロードを達成。このほかにもスマホの端末管理アプリを国内・アジアで展開している。

またこれと並行してアプリ分析サービスのApp Apeを提供。こちらのサービスは現在2000社以上(無料版含む)が利用しており、「昨年度は年商で億越え。2年前から比較すると5倍。成長はすごいので、早期に2ケタ億円を目指したい」(渋谷氏)という状況だという。もともとAndroid向け限定の分析サービスだったが、現在は一部iOS向けの分析機能も提供を開始している。

Fullerが今回の資金調達で目指すのは(1)海外展開、(2)事業提携、(3)地方創生の3点だ。

(1)については、すでに5月より韓国でApp Apeの展開を進めているが、これと新規事業をアジア圏に広く展開していく予定だ。また(2)関しては今回Fullerに出資したセガゲームス、VOYAGE VENTUREの親会社であるVOYAGE GROUPなどと提携した事業を展開していく予定だという。詳細は明らかにされなかったが、例えばセガゲームスはゲームアプリ向けのマーケティング支援ツール「Noah Pass」などを展開しているので、このあたりでの連携を進めるのではないだろうか。

(3)では、渋谷氏の出身地である新潟県に拠点を設立することなどを検討しているという。渋谷氏によると、「地方に残って働きたい」という高専卒エンジニアは多く。彼らとの接点作りを目指しているという。確か代表が高専出身のjig.jpなども、福井県で同じような取り組みを行っている。

なおFullerでは今回の資金調達発表に先駆け、6月に渋谷氏と創業メンバーである櫻井裕基氏の共同代表制に移行している。今後渋谷氏は海外進出と新規事業を担当。櫻井氏が既存事業を担当する。

ファッション雑誌さながらのアプリ「TOPLOG」が新たに2億円を調達

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トップモデル、トップスタイリスト、トップブランドを起用

ファッション誌が嫌いになったわけではないが、読んだ後に置き場に困る雑誌はめっきり買わなくなってしまった。スマホでファッション情報を見ようと思っても、ファッションアプリと謳うサービスの多くはファッション誌のようなクオリティーには及ばず、個人的には物足りなく感じている。今年3月にローンチした「TOPLOG」は、ファッション誌と同等のクオリティーを提供するファッションに特化したメディアアプリだ。実際のファッション誌で活躍する日本のトップモデル、トップスタイリストを起用した記事を提供し、TOPLOGはローンチから約4ヶ月で30万ダウンロードを達成している。本日TOPLOGは、2回目の資金調達で2億円をジャフコから調達したことを発表した。

TOPLOG_appTOPLOGの特徴はなんといってもコンテンツだろう。ファッション誌で人気のモデルを起用し、トップスタイリストによる企画が充実している。例えば、流行のファッションアイテムのコーディネートを紹介する記事やヘアアレンジ術を紹介する記事などがある。キュレーションメディアなどで多くみられるような文章が多めで、写真はフリー素材といった記事ではなく、それぞれの記事の企画からレイアウト、写真までこだわりが感じられる内容だ。コンテンツの制作にあたっては、実際にファッション誌の企画を手がけている制作会社やフリーで活躍するプロに依頼しているという。

また、TOPLOGのもう一つ特徴は、ファッション誌によくある読者へのプレゼント企画もあることだ。ユーザーは記事を読む度にチケットを入手でき、チケットを一定数集めると、その時々のプレゼントに応募することができる。この仕掛けでユーザーのエンゲージメントを促すことが期待できるだろう。自社コンテンツ以外にもLOVE、LIFE STYLE、GOURMET、ENTERTAINMENTといったタブでは提携メディアの記事をキュレートしている。

TOPLOGはブランドとのタイアップ記事でマネタイズを行う方針だとTOPLOGは説明する。タイアップ記事では、ブランドの商品のスタイリングを提供し、記事から直接そのブランドのECサイトへの誘導をかける形式だ。下記の画像はタイアップ記事の一つで、確かにタイアップしているブランドのアイテムしか出てこない。けれども、ユーザーが比較的簡単に真似できそうなコーディネートが提案されていて、読んでいても嫌味がなくコンテンツとして楽しめる印象だ。

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TOPLOGのタイアップ記事

大手アパレル会社で感じた課題からスタートアップに挑戦

TOPLOGの代表取締役の亀山隆広氏は、大手アパレル会社の立ち上げに関わり、同社の取締役を務めた人物だ。亀山氏は、ファッションブランドがファッション誌やウェブメディアへのプロモーションを行おうとしても、思うような費用対効果は得られづらいと話す。ユーザー自身がコーディネートを投稿して楽しむWEARiQONなどのアプリ、あるいは女性向けに多様な記事をキュレーションするMERYなどのメディアはあるが、ブランドの世界観を崩さずにウェブ上でプロモーショーンできる場所はほとんどないと前職で感じたことがTOPLOGを創業するきっかけになったという。TOPLOGではその課題を解決し、ユーザーにとってもファッション誌と遜色ないクオリティーでファッション情報を分かりやすく伝えることに重点を置いたメディアを目指すという。

TOPLOGは2014年10月に設立し、2016年2月に最初の資金調達でジャフコから2億円を調達している。これで累計調達額は4億円となった。前回の資金調達では、アプリの垂直立ち上げを狙ったプロモーションを重点に置いたが、今回はユーザーのデータベースも増えたことで、ユーザーが望むアプリの機能やコンテンツ開発に注力し、オーガニックな成長を目指す計画だという。TOPLOGは現在12名のチームで、その半数は開発人員だそうだ。ファッションに特化したコンテンツ制作を担うアパレルの専門家と開発を行うIT部門には、それぞれの専門性が違うためにコミュニケーション面での課題もあるが、そこを上手く融合していけるように注力していくと亀山氏は話す。TOPLOGは来年3月までに100万ダウンロードを目標としているという。アプリで購買意欲の高い層にリーチし、アパレル業界全体を元気にしていきたいと亀山氏は話す。

アプリはiOSAndroidの両方で展開している。

住宅ローン借換「モゲチェック」のMFSがシリーズAで2億円を調達

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MFS創業者の中山田明CEO

住宅ローン借換サービスを提供するFintechスタートアップのMFSが今日、グロービス・キャピタル・パートナーズからシリーズAラウンドとして、8.5億円のバリュエーションで総額2億円の資金調達をしたことを発表した。

MFSは2015年6月に住宅ローンの借換メリットをカンタンに計算してくれるアプリ「モゲチェック」をローンチし、その後の2015年9月にマネックス、電通デジタル・ホールディングス、電通国際情報サービス(ISID)の3社から総額9000万円の資金調達。2016年3月には専門家が借り換えのコンサルティングと、ローン申請代行をしてくれるリアル店舗窓口の「モーゲージ・ネクスト」を東京・京橋に開設している

今回の資金調達では、前回のCVCからの調達ラウンドと違って独立系VCがリードしている。これにはギアチェンジの意味もある。MFS創業者の中山田明CEOによれば、「明確に(エグジットのタイムリミットとなる)おしりが切られている。われわれは3年後の上場を目指します。2022年に上場のめどが立たなければ事業売却に同意するという投資契約になっている。独立系VCには経営的なサポートも期待している」と話している。

対人コンサルで借り換えのCVRは6〜7割

MFSのビジネスモデルはローンチ時から変化している。

もともとはアプリによる銀行へのローン申し込み顧客の送客により銀行側からフィーを受け取るビジネスモデルでスタートしたが、現在はリアル店舗へ収益モデルを変えている。以前TechCrunch Japanでも書いたことがあるが、住宅ローンにおける最も有利な借り換え条件の発見というのは面倒なシミュレーションを必要とする話。MFSでは随時金融機関の住宅ローン商品の情報を更新しているデータベースを使ったシミュレーションツールを自社開発して、このツールを見ながら借り換え希望者の相談に乗る窓口業務のモーゲージ・ネクストを3カ月ほど前に開始している。申請は複数行に対してMFSが代理で行ってくれるので、利用者は審査が通った最も条件の良い住宅ローンを選択できる。MFSのマネタイズは実際に借り換えをした顧客ごとに一律20万円のフィーを受け取るというもの。

中山田CEOによれば、4月から業務を開始した京橋店では、毎月50件前後の面談予約が入っていて、来店者で借り換えメリットがある人のうち6〜7割が実際に借り換えをしているという。来店者は日時を設定して専門家の話を聞きに来るくらいなので借り換える気があるのだ。コンバージョン率はかなり高い。残り3〜4割の離脱している人というのはローン審査に通らなかったか、自分で申請をする人ではないかという。

1件20万円、コンサル1人が5件やれば単店舗イーブン

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京橋の相談スペース

京橋の店舗では黒字化が見えている。

1カ月に50面接で30成約とすると600万円の売り上げになる。現在モーゲージ・ネクストの京橋店には、元銀行融資担当者など7人の専属コンサルがいる。人件費と店舗賃貸料で恒常的に月750万円ほどのコストがかかっている。つまり、1カ月で35件の成約が取れるとブレークイーブンだ。コンサル個々人で成約率に差はあるものの、コンサル1人あたり月5件という収益化ラインは、もう見えてきてるという。

第1号店の黒字化が見えていることもあり、調達した資金を使ってまずは東京各地、それから地方都市への店舗展開を進めていくという。「住宅ローンは地域性があります。各地の金融機関と密に連携していく」(中山田CEO)。支払いを残す住宅ローンは現在市場で1200万件あり、このうち600万件ほどが100万円以上の借換メリットがある潜在顧客層とMFSでは計算している。

アプリ収益化からリアル店舗へと軸足は移ったが、来店を促すのに一番効率的なのはモバイルアプリのモゲチェックであるため、今後も接客ボット搭載など機能強化を計画しているという。

個人の信用情報や審査ノウハウが蓄積

興味深いのは、銀行ローンの審査ロジックの知見や統計といったデータがMFSに蓄積しはじめていることだ。「これは実はどこも持ってないデータなんです」(中山田CEO)。年収や職業形態、勤続年数など「外形」によって審査に通りそう、通らないというのは、だいたい分かる。例えば、会社員で勤続5年で年収が600〜700万円のレンジなら変動金利で0.5%で、いくら借りられるといったように。

ただ、銀行によってローンの審査ロジックは結構ちがう。「無担保ローンが3つ」など一発で審査がアウトというのもあるそうだ。MFSは各銀行と話をしているうちに、そうした条件がだんだん分かって来たという。審査時に家族の構成を書かせる銀行もあれば、そうでないところもある。配偶者(多くは妻)の就業状況や子どもの年齢を聞いて家庭のキャッシュフローを推定しているところもある。

こうした審査基準に関する知見の蓄積があると、例えば60歳でローンを組む人が難しい人であっても、どういう条件を揃えると、どの銀行のどのローンの審査に通るといった「銀行への見せ方がより分かってくる」(中山田CEO)。これは結構おもしろいことで、MFSの顧客からみれば受験の合否判定のように、あらかじめ自分が通りそうな最も有利なローンが分かるということ。銀行からしても審査基準を満たさない申し込みが減って審査に受かる申込者が増えるのは良いことだ。借り換え申し込みの精度が上がっていくので、MFSは10月には借換だけでなく、新規借入時のコンサルへも業容を広げる予定という。いったんどこかの金融機関の審査にパスしている人に借り換えさせるのに比べると、新規借入のほうがずっと緻密な精度が必要。ハードルが高いそうだ。

ところでローン審査時に個人の信用情報を照会する先として、信用情報を扱うJICCCICKSCなどが従来からある。これらの機関は、カード、銀行など業界ごとに企業らが顧客情報を持ち寄って作ってきたデータベースと照会サービスを提供している。ただ、総量規制順守のために貸付総額上限を企業間でクロスチェックするためのデータ共有こそ一部で行っているものの、こうした機関が業界の壁を超えて情報を共有しあうインセンティブはない。一方、もしMFSのように独立した立場で個人の信用情報を蓄積していけるとすると、例えば顧客のクレジットに応じたプライシングなど将来的には違った価値を提供できる可能性がある。これはこれでFintech企業らしい発展もありそうだ。

(情報開示:MFS中山田明代表と、この記事を書いたTechCrunch Japanの西村賢は子どもを介した数年来の友人)

Front、Eメールの新境地を開拓するために1000万ドルを調達

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現在のEメールは破綻していると言っても差し支えないだろう。しかし、新しいEメールの発明とまではいかなくとも、もう少しマシなものにしたいと考えている Frontという名前のスタートアップがある。Frontは、企業向けにサポートや求人、問い合わせの代表アドレスに届くEメールに、複数人体制で対応可能なEメールサービスの提供を目的に設立された企業だが、Social Capitalをリード投資家として、シリーズAラウンドで1000万ドルの資金を獲得した。

このラウンドには、Stewart Butterfield(Slack)、Eoghan McCabe(Intercom)、Ilya Fushman、Pierre Valadeといったエンジェル投資家も参加している。Social CapitalのMamoon Hamidは、これまでにYammer、Slack、Box、Intercomと提携している。Frontが今回の資金調達でこのファンドに決めたのはそこに理由がある。

現在Frontのサービスを利用している企業は、LVMH、Mailchimp、Hubspotなど1000社を超える。また、同社は最近大規模アップデートを行い、Frontを利用した共同作業がより簡単になる多くの新機能を追加した。特に重要なのは、Frontが単に受信箱を共有する以上のことに挑戦した点だ。たとえば、多忙な各社のCEOは、Eメール対応を同僚に委任することができるようになった。あるいは、休暇中の1週間だけ、誰かに受信箱へのアクセス権を付与することもできる。

受信箱の共有は、Frontにとって最初の一歩にすぎないが、人々に同社に親しんでもらうという意味では良い一歩だった。しかし、Frontはさらに先に進もうとしている。全てがうまくいけば、たくさんのEメールに対処する必要のある人は誰でもFrontを利用したいと思うようになるだろう。

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Eメールの技術革新が止まって何年も経つ。Eメールに関して言えば、おそらく最後の有意義なイノベーションはGmailの登場だろう。スレッドやタグ、スター、アーカイブなどにより、多くの人がEメールを管理する方法が変わった。

しかし、ほかの多くのことについては一向に代わり映えがしない。未だに一連のEメールを転送すると、同じスレッドで異なる相手との複数の会話を管理する羽目になる。誰かを追加する必要がある場合、Eメールのチェーン化は厄介なものになりうる。また、Eメールのプロトコルもずっと変化していない。

それでも、私が知る限り誰もが今でもEメールを使用している。Eメールは無くならないし、滅びる運命にもない。しかし、誰かが修正する必要がある。

Frontは、Eメールを複数人で扱うものに変え、通知やメンション、そして現代のコミュニケーションの標準機能(絵文字、タイプ中の表示など)によって受信トレイにソーシャルレイヤーを追加してきた。Frontは、他にも多くのサードパーティのサービスを統合している。

Eメールの再開発というのは、生半可な作業ではない。Frontにそれが可能なのかもわからない。一般に広まっているEメールに関して、劇的な変更を強制するには同社の規模が小さすぎるということは明らかだ。しかし、彼らなら止まってしまった時計の針を進められるかもしれない。

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(翻訳:Nakabayashi)

DeNA創業メンバ−が手がける学習基盤Quipper、既存株主から5億8000万円を調達

ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の1人である渡辺雅之氏によるクラウドベースの学習プラットフォーム「Quipper」。同サービスを手がける英Quipperが、既存株主であるベネッセホールディングス、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico等を中心に340万ポンド(約5億8000万円)の第三者割当増資を実施したと発表した。同社は2012年にも約3億6000万円の資金を調達している。

Quipperは2010年12月の設立。2011年にユーザー誰もが学習コンテンツを作成したり回答したりできる学習UGCサービス「Quipper Quiz」を公開し、サービスをグローバルに展開してきた。これまで30万問以上がプラットフォーム上で制作され、アプリの総ダウンロード数は850万件以上となっている。

2013年には日本オフィスを開設。ベネッセホールディングスとオンライン学習に関する実証実験を開始した。また主力サービスである「Quipper School」 は世界で3000人の教師が登録。1万以上のクラスで利用されている。このサービスは生徒の学習や宿題の管理ができる。また、KDDIと中高生向けの学習サービス「GAKUMO」も展開している。

アジア展開も積極的で、フィリピンやインドネシア、ベトナム、タイなどで事業に注力。すでにアジアの複数の国でKPIに満足している状況だという。今後はラテンアメリカへの進出も検討中だ。

Quipper今回の増資をもとに、Quipperではプラットフォームの機能充実を図るとともにグローバル展開を加速するとしている。


高所得者層をターゲットにするECサイトLUXA(ルクサ)がジャフコから5億円の資金を調達

luxa

LUXA(ルクサ)は高所得者層をターゲットとした、ちょっと贅沢な商品やサービスを提供するECサイトである。家電やコスメ、レストラン、歌舞伎のチケットなど様々な分野を取扱い、オンラインのアウトレットモールをイメージしている。

2010年に創業したこのスタートアップ(社名、サービス名同)が本日、新たな資金調達を実施したことを発表している。ジャフコが運営するジャフコ・スーパーV3からシリーズBとなる5億円の資金を調達した。ルクサは2010年11月にもジャフコから5億円を調達している。

LUXAはサービス開始から2年半で、現在の会員数は35万人。今回の資金を営業と集客の強化に充て、2016年末までに新規会員100万人、2016年の年間売上100億円を目指すとしている。

高所得者層をターゲットしているので、ユーザーの年齢層は30代後半から40代が多いそうだ。現在の売上高は公開されていないが、売上のうち70パーセントがリピーターからのものだというから、一度利用したユーザーを手放さずに上手く囲い込みができているのだろう。

このリピート率を支えているのが、バイヤーの目利き力だろう。LUXAはバイヤーが厳選した商品やサービスだけを提供している。単に高級なだけでなく、ユーザーがメリットを感じられるものを選ぶ商品の編成力を最も重視しているそうだ。

この他にも、日替わりでサイトに掲載する商品の数を限定し、タイムセール(主に72時間)形式で毎日サイトに訪れ、ウィンドウショッピングを楽しむような感覚を提供していることも高いリピート率に繋がっているのかもしれない。

最近ではどのサービスもスマートフォンからの流入が増えてきているが、LUXAも同じようだ。今年1月に関してはスマートフォン経由の売上高が前年同期比6倍となったそうだ。レストランやマッサージなどのサービスも多く取扱っているので、相性がいいのだろう。

今後の展開としては全てのジャンルを1つのサイトにまとめるのではなく、特定のジャンルに特化したサイトもオープンするそうだ。すでにアパレル・ファッションに特化したサイトも開設している。