Gmailに「クイック設定」導入へ、受信トレイのカスタマイズが簡単に

Google(グーグル)は、Gmailに「クイック設定」(Quick Settings)メニューを導入することを発表した。新機能はGmailの使用体験をアップさせるために、ユーザーがメールの分類、発見、テーマや設定をカスタマイズするのを助ける。

新設されたオプションには、テキストの表示間隔を変更したり、受信トレイのタイプを選択したり、受信トレイにテーマを設定したり、閲覧ペインやオプションを追加したりする機能が含まれる。大部分は新機能ではないが、現在は「設定」メニューの奥深くに埋まっており、広く知られておらず利用者が少なかった。

Gmailの新しい「クイック設定」でメニューを開くと受信トレイの右側にオプションをポップアップ表示させることができる。またオプションを選択すると受信トレイが即座に更新され、どのように変更されるのかをすぐに確認可能だ。変更を保存する前に各種の設定やテーマを試せる。

当初、表示されるテキストなどの表示間隔をカスタマイズする機能、受信トレイのサンプルから好みのレイアウトのタイプを選択する機能が提供される。例えば、パワーユーザーに好まれている優先トレイでは、Gmailのデフォルト設定であるタブ表示、あるいは「未読」「重要」など好みのタイプのメールを優先表示することを選択できる。

つまりユーザーは直接「クイック設定」から閲覧ペインを有効にしたり、受信トレイに伝統的なメールクライアントのスタイルを与えたり、カラフルなテーマを適用してメールの雰囲気を明るくするなどが可能だ。

「クイック設定」の新設は従来の設定メニューには影響を与えない。ユーザーは従来どおり「設定」から詳細なオプションを選べる。「クイック設定」メニューのトップの「すべての設定を表示」ボタンをクリックすると、従来の設定画面にアクセスできる。

同社はG Suiteのアップデート発表の中で「こうしたオプションが見つけやすくなり、リアルタイムで探索できるようになった。更新がすぐに受信トレイに反映され、設定の内容を正確に知ることができる。ユーザーが自分にとて最適なGmailの設定を簡単にできるようになるものと考えている」と書いている

「クイック設定」はすべてのG Suiteユーザーと、個人のGmailユーザーにデフォルトで提供される予定だ。「即時リリース」ドメインのG Suiteユーザーの場合、グーグルは2020年5月26日から順次リリースを開始しており、ロールアウトは15日以内に完了する。「計画的リリース」ドメインのユーザーに対しては2020年6月22日からロールアウトされる。個人ユーザーにこのアップデートが公開される時期は明らかでないが、さほど待つ必要はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

人気メールアプリSparkが新デザインに

Readdleの人気メールアプリ、SparkのiOS版とAndroid版のデザインが一新された。Sparkのモバイル版は、これまでインターフェイスがちょっとごちゃごちゃしていた。それが今回のアップデートは、何よりもクリーンなデザインに重点を置き、そこにいくつかの新機能を加えたものとなっている。

まずデザインについて見てみよう。最新のSparkは、シンプルなヘッダーを使用して、ニュースレター、通知、個人のメールといったスマートセクションに分類している。背景がカラフルな角の丸い長方形よりも見た目はすっきりしている。

新しいデザインでは、空白部分も多いが、今回のアップデートでダークモードにも対応した。またスレッドをタップするだけで、そのスレッドのビューが更新されるようになっている。

新機能に関して言えば、まず送信者のプロフィール写真を、できるだけ受信トレイに自動的に表示しようとする。Vignetteと同様、一般的なウェブサービスから画像を引っ張ってくるのだ。たとえば、メールの送信者が、同じメールアドレスでTwitterアカウントを持っていれば、Sparkは自動的にTwitterのプロフィール画像を持ってきて受信トレイに表示する。

メールの受信トレイの扱い方は、人によってだいぶ異なる。そこでSparkでは、メールスレッドの下部に表示するボタンを選択できるようにした。たとえば、フォルダを頻繁に使用する人は、そこにフォルダボタンを配置すればいい。あるいは、そこにスヌーズボタンを置きたければ、それも可能だ。

さらに、iPadOS 13ならではの機能への対応も進んでいる。複数のSparkのインスタンスを、同時に開いておくことができる。たとえば、Split View(スプリットビュー)を利用して、1つの電子メールスレッド内でドキュメントを開き、2番目のSparkウィンドウを開いて別のワークスペースで受信トレイをチェックしたりできるようになった。またiPadOS上のSparkは、フローティングキーボードや、新しいiPadOSならではのジェスチャーもサポートしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

「キャリアメール」まだ4割のスマホユーザーが使用──MMD調査

eng-logo-2015かつては主要な連絡手段だった「キャリアメール」。スマホの普及後はLINEなどのメッセージアプリに押され、存在感が薄くなった印象も受けます。一方、MMD研究所の調査によると、スマホユーザーの約4割は、未だにキャリアメールを使い続けていることが明らかになりました。

MMD研究所はスマホユーザー2718人を対象に『メールやメッセージを1日にどれくらい送信するか』のアンケートを実施。その結果、全体の42.5%のユーザーは1日に1回以上、キャリアメールでメッセージを送信していることが明らかになりました。

●最も利用されているのはLINE

また「LINE」「SMS」「キャリアメール」のうち、最も利用されているのは「LINE」で、84.8%のスマホユーザーは、1日に1回以上LINEでメッセージを送信しているとのこと。

▲メッセージの種類別、スマホでメッセージを送信する回数のグラフ

なおSNSの利用割合もキャリアメール並となっていますが、今年5月には3キャリア共通のメッセージアプリ「+メッセージ」がリリースされており、その普及によって今後は利用割合の向上が見込めるかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

MailchimpがSquareと提携してユーザーのランディングページにeコマース機能を導入

メールによるニューズレターなどのマーケティングサービスを提供しているMailchimpが今日、Squareとのパートナーシップを発表して、これからはユーザーのランディングページにeコマースの機能を載せられるようになった。そういう、買い物機能のあるランディングページは、限定版のグッズを売ったり、期間限定のプロモーションなどを展開するチャネルとして、ふさわしいだろう。

Mailchimpのランディングページサービスはかなり前からあるけど、これまではメールアドレスを入手したり、人びとをお店へリンクすることが、主な目的だった。今回のパートナーシップでユーザーは完全なショッピングフローを構築でき、そこに決済機能も設けられる。

ユーザーが簡単にそんなランディングページを作れるために、Mailchimpは完成したデザインのテンプレートをいろいろ提供している。またドラッグ&ドロップによる決済ブロックビルダーもある。Squareは定額の料金を課金するが、Mailchimpのサービスとしては無料だ。

  1. 01-mc-choose-product

  2. 02-mc-design-page

  3. 03-mc-sell-stuff


しかし現状では、ひとつのランディングページでひとつの製品しか売ることができない。つまりショッピングカートの機能がないけど、そのぶん、セットアップはは簡単だ。だから同社はこの機能を、限定品を売るのに適している、とあえて言っている。でも今後は、ページの機能性を増やしていく予定だ。

Mailchimpによると、今では売上の50%がeコマースからだ。同社のユーザーは、2018年の前半に220億ドルあまりの製品を売った。

なお、Mailchimpは今年の初めに、ブランドイメージの一新を図った。それは、機能の多様化に伴い、メールサービスというイメージからぬけ出すためだ。今回の買い物できるランディングページも、そのために導入した機能の一環だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Gmail上で共有メールアドレスを管理できるChromeエクステンションHiver

Hiverは、jobs@yourcompany.comやsupport@、sales@といった一般的なメールアドレスで担当チームがコラボレーションするためのサービスだ。インボックス〔“受信トレイ”〕の共有といえばFrontがあるが、HiverではあらゆることがGmailの中で直接起きる。

たしかに、マルチプレーヤーのメーラーという点でFrontは優れているし、業績も良い。Frontはそれ自身がメールクライアントであり、その上でインバウンドのメールを共有できる。

しかし、新しいメールクライアントを使いたくないチームもある。Gmailのインタフェイスに慣れてしまって、ほかのに変えたくない人もいる。

HiverはChromeのエクステンションで、ユーザーのGmailのインボックスにたくさんの機能を加える。個人的インボックスだけでなく、チームのほかの人たちと共有するインボックスにもアクセスできる。メールを同僚の誰か一人に宛てたり、みんなが今何をしているかを見れたりする。

面倒なメールへの返事でヘルプが必要なときは、右カラムに注記を書き、@—の記法でチームメートに通知できる。コメントはすべてこのカラムに入るから、メールのスレッドが転送やCCでごたごたしない。

誰かが返事を書き始めるとHiveが衝突アラートを表示するから、顧客が返事を二通受け取るおそれがない。返事を早く書き送りたいときは、テンプレートを利用できる。メールを後で送る指定もできるし、ドラフト(下書き)を共有してみんなに見てもらえる。

最近Hiverは、単純なif/thenルールによる自動化を加え、会話を正しい人(宛先)に宛てたり、メールの分類を自動化したりできる。

Frontでもこういうことはすべてできるが、“Front for Gmail”を求める企業も少なくない。

Hiverは最近、Kalaari CapitalKae Capitalから400万ドルを調達した。インドの企業である同社は、社員がすでに50名いる。およそ1000社がHiverを使っていて、その中にはHubspot, Vacasa, Pinterest, Lyftなども含まれる。Hiverの顧客の多くは、アメリカの企業だ。

HiverはGmailがベースだから、使い続けるためにはG Suiteのユーザーであり続けなければならない。また、Hiverはモバイルよりデスクトップが向いている。モバイルアプリもすでにあるけど、機能はあまり多くない。

Hiverの機能は、SaaSとして提供される。料金は一人あたり月額14ドルからだ。自動化や、Salesforceの統合などは、さらに別料金になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの作成アクションによりGmailの中でいろんなSaaSアプリケーションを利用できる

最近Googleは、メールを送るときの省エネ省時間化に励んでいる。たとえばスマートレスポンス機能は、定型的な返事なら既製品で間に合わせようとする。先行入力(type ahead)機能は人間が文字をタイプする前にコンピューターが先回りしてその文字を入力する(意外と正確だ)。そして今日から一般公開で立ち上げたのが、作成アクション(compose actions)*と呼ばれる省時間機能だ。〔*: ‘作成’は、メールの‘作成’(compose)の意味。〕

それはG Suiteに導入される一種のコネクターで、メールの作成をしながらその中でほかのSaaS(Box, Dropbox, Egnyte, Atlassian Jiraなどなど)にリンクできる。ソフトウェア企業はよく、ほかのアプリケーションに切り替えなくても、自分のアプリケーションで仕事を続けながら、その中でほかのアプリケーションも使えることを強調するが、それと同じことを作成アクションはねらっている。

GmailとChatのプロダクトマネージャーAakash Sahneyが、ブログにこう書いている: “作成アクションにより、Gmailの中でメールを作成しながら、添付ファイルや参考データをどこかのクラウド上から加えたり、お気に入りのサードパーティアプリでこれから作るコンテンツで、メールを楽しくすることなどが容易にできるようになる”。

サービスへの接続はG Suiteの中でGmail Add-onツールを使って行なう。Gmailのワークフローの中にサードパーティ製のツールを簡単に統合できるために、GoogleはGmail Add-onを作った。目的のツールをアドオンとして認可したら、それがメールの作成ウィンドウにオプションとして現れる。それをクリックすればGmailから出ずにそのツールを使える。G Suiteのアドミンが、それらのアプリ/アプリケーションを、限定することもできる。

たとえば、BoxやDropbox、Egnyteなどのファイルやフォルダーを取り入れたいときは、そのアプリを認可してから、メールの作成ウィンドウに表示される作成アクションをクリックしてサービスにアクセスし、ファイルを利用する(下図)。

Gif画像提供: Google

Atlassianを統合すると、プロジェクトのファイルを直接、メールに挿入できる(下図)。

Gif画像提供: Google

それほどすごい機能ではないかもしれないが、これによって節約されるキータイプの量や操作の回数は、一日の作業量としては相当なものだ。目的のサービスとコンテンツを別ウィンドウで開くのではなく、メールの中で目的のコンテンツそのものをメールにコピペできたりするのだ。作成アクションをクリックしてGmailから直接、そのサービスにアクセスして。

作成アクションは、7月にGoogle CloudのNextカンファレンスで発表された。G Suiteのユーザーは、それを今日(米国時間10/18)から利用できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TwilioがメールのAPIを提供しているSendGridを$2Bで買収、オムニチャネルサービスの充実のためか

今や至るところで使われている通信プラットホームTwilioが今日(米国時間10/15)、メールのAPIを提供しているSendGridを、約20億ドルの株式取引で買収する、と発表した。これはTwilioのこれまでで最大の買収だが、どちらも業務の中心がデベロッパーにとって使いやすい通信プラットホーム(主にAPIの提供)の構築である、という点では共通している。

Twilioの協同ファウンダーJeff Lawsonが、今日の発表声明で述べている: “両社は同じビジョンと、ビジネスモデルと、同じ価値を共有している。デベロッパー向け通信プラットホームの二つのトップ企業がこうやって合体することは、一生に一度の機会であり、これにより、顧客のエンゲージメントの変革を志向しているすべての企業にとって、迷いなく選べるプラットホームが作られることになる”。

SendGridはTwilioの完全子会社になり、その普通株はTwilioの株式に変換される。両社は買収の完了を2019年の前半と見ており、それまでに当局の承認も得られると思われる。

Twilioの現在のフォーカスはオムニチャネルの通信にあり、言うまでもなくメールはその重要な要素のひとつだ。すでに同社は音声やビデオ、チャットなどでは豊富なサービスを提供しているが、これまではなぜか、メールが欠けていた。今回の買収で同社はいきなり、この分野の専門技術をデベロッパーに提供できることになり、サービスの種類が拡大される。

SendGridは、2017年に上場した。そのときの株価は、16ドルだった。今日では、買収の発表の前の時点で31ドル弱だったが、当然ながら発表と同時に急上昇した。それでも先月の36.5ドルより低いが、ご存知のように今株式市場は全体的に軟調である。

この発表は、Twilioの例年のデベロッパーカンファレンス(10/17-18)の直前に行われた。そのときには、SendGridについて詳しい話が聞けるのではないか。

本誌も今Twilioに詳しい情報を求めているので、何か得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

まだまだメールに起業機会あり、June.aiは効率的なメール分類サービスで$1.5Mを調達

メールは今なお、起業家にとって魅力的なターゲットのひとつだ。なんといってもメールは誰もが使っているし、しかも依然としてそれは、快適な使い心地とは言えない。

June.aiも、メールの使い方を変えようとする多くのスタートアップの仲間に加わろうとしているが、でもこの新人のアプローチはほかとちょっと違う。

協同ファウンダーでCEOのAllie Suttonによると、彼のチームは、人びとのメールの使い方そのものに目を向けているわけではない。むしろ彼らが着目しているのは、コミュニケーションと情報の流れの全体的な姿だ。そしてJuneが作ったのは、必ずしもメールをリプレースするのではなく、むしろ、メールサービスという古いシステムとの互換性のある〔==後方互換性のある〕プラットホームだ。

どういうことか、というと:

まず最初にJuneは、メールを他の人との会話であるものと、企業などからのメールに分類する。それらを二つの別々の受信箱へ入れる。そして情報的なメール、“Your Amazon Order has Shipped”(Amazonの注文が発送されました)や“Check In For Your Flight,”(あなたのフライトにチェックイン…搭乗手続き…してください)などのメッセージは、閲覧しやすいフィードに入れる。

一方コミュニケーションのメッセージは、メールというよりもむしろiMessageやIMのようなインタフェイスの受信箱に整理される。会話は相手の人別に分類され、スレッドや主題別にはしない。だから、特定の人との会話履歴の全貌が、スレッドにとらわれずに把握できる。ファイルもやはり、送り手の人別に分類される。

またJuneの‘gatekeeper’(ゲートキーパー、門番)機能を使って、ユーザーにメールを送ってくる企業や人を、簡単に縁断ち(脱会など)、承認、ブロック(受け取らない、無視する)などできる。

150万ドルの資金を獲得したJuneは、短期の売上を気にすることなく、宣伝やプロモーションに注力できる。

Juneは、Gmail, Yahoo!, Outlookなどのメジャーなメールサービスで使える。

Suttonによれば、最大の難題は採用者の拡大だ。

彼曰く、“みんな我流のやり方でメールを処理しているし、そのやり方は何年も何十年も続いている。うちのやり方ならもっと効率的な処理ができるんだけど、それを説明して分かってもらうのが難関だ。こっちの方が効率的だ、と納得してもらわなければならないからね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

RelikeでFacebookページから簡単にニュースレターを作れる

フランスのスタートアップ、Ownpageは最近、Relikeという新しいプロダクトをリリースした。 Relikeはメールによるニュースレターを簡単につくれるツールで、自分のFacebookのアドレスを入力すれば設定はそれでほぼ完了というシンプルさだ。

RelikeはFacebookページをスキャンして自動的に最近の投稿を収集する。ユーザーは一番人気があった投稿だけ使うこともできるし、マニュアルで投稿をピックアップすることもできる。

他のニュースレター・サービス同様、ユーザーはいくつかのテンプレートから好みのスタイルを選べる。発行の曜日や時間を指定し、連絡先からメールアドレスをインポートする。マニュアルでアドレスを追加することもできる。Mailchimpを使ったころがあるならこの手順には馴染みがあるだろう。

ただしRelikeは他のニュースレター・サービスを直接のライバルとするものではない。多くのメディア、企業のソーシャルメディア担当者、NPO、スポーツチームなどはすでにFacebookページを作成しているが、そのコンテンツはメールには結びついていなかった。

メールが月2000通以下で高度な機能を使わないならRelikeは無料だ。有料版は「料金と他の機能」のオプションからアクセスできる。料金は月額5ユーロ、プラス1000通ごとこに0.5ユーロだ。

Owonpage社の別のプロダクト、Ownpageはやはりニュースレター・サービスだが仕組みが異なる。 Ownpageはメディア企業がメールによるニュースレターを最適化するのに適したツールだ。同社はニュースサイトにおける閲覧履歴をモニターし、これをベースに読者の好みに応じた記事をピックアップしてメールによるニュースレターを作成する。

読者は自分の関心に合わせたテーラーメードのニュースレターを受け取ることになり、ニュースサイトそのものを再訪する可能性もアップする。。Les Echos、L’Express、20 Minutes、BFM TV、Le Parisienなどフランスの有力ニュースサイトにはOwnpageを利用しているところが多数ある。

Ownpageのファウンダー、CEOのStéphane Cambonは私の取材に対して、「RelikeはOwnpageから発展したプロダクトだ。Ownpageは読者がニュースサイトをブラウズしたデータからニュースレターを作成するものだったが、(ニュースサイトでなくとも)有能なソーシャルメディア担当者はクリック率を最大化するような魅力的な記事の書き方を知っている」と述べた(記事がページビュー稼ぎのクリックベイトになってしまう場合もあるかもしれないが)。

Ownpageではこの点に注目してRelikeを作ったのだという。これはメディア企業以外の小規模、非専門的なサイトを念頭に置いたものだ。現在Ownpageは両方のプロダクトを平行して運営している。将来はTwitter、Instagramもカバーし、ユーザーがニュースレターを受け取るための手順をさらに改善していくという。

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滑川海彦@Facebook Google+

Slackがメールの支配へ向けてAstroを買収

Slackが今日(米国時間9/24)、メールアシスタントAstrobotを抱えるベイエリアのスタートアップAstroを買収した、と発表した。これは、Slackのこれまでで最大の買収*で、企業のワークプレースの総合的プラットホームを提供するという同社のビジョンの実現に向かって、今度はメールとカレンダーが加わることになった。〔*: Astroの社員28名は、これまでで最多。〕

Slackは昨年から、今後の7年間ぐらいでチャット以外の企業のそのほかの通信機能も随時加えていく、と予言していた。しかしこの大望の実現のためには、企業ユーザーを今使っているメールなどからSlackへ移行させていく必要がある。

同社はこう書いている: “メールをSlackに統合するために必要ないくつかの段階を踏んできたが、今ではその相互運用性をもっとシンプルかつ強力にしなければならない、という段階に来ている。弊社の目標は、チームをチャットによる会話から彼らがもっとも生産的と見なすものへ、できるかぎり容易にシフトできるようにすることだ。Slackのチャネルの中にいても、あるいは特定の話題に関係のあるコンテキストやソフトウェアツールの中からでも、そのようなシフトが可能でなければならない。それらユーザーがよく使っているツールとしては、ServiceNow, Salesforce, Workday, Boxnなどが挙げられる。”

Astroは2015年に、Zimbraの協同ファウンダーAndy Pflaum, Roland Schemers, そしてRoss Dargahiが創業した。昨年同社は830万ドルを調達し、Astrobotをローンチした。それは、Slackのチャットプラットホームの中へ直接、メールとカレンダーを統合するSlackアプリだ。たとえばSlackを使っている状態で、メールとカレンダーの検索ができる。

Astroは買収を告げるブログ記事でこう書いている: “Slackにどうやってメッセージングやメールやカレンダーを統合するか、探求してきたが、それが実現したらワークプレースにおけるコミュニケーションに最大のインパクトを与えることが次第に明らかになり、われわれの最初のビジョンの実現のためにはSlackに加わるのが最良、との結論に達した”。

Mac, iOS, Android, Amazon Alexa, そしてSlack上のスタンドアローンのAstrobotアプリ/アプリケーションは10月に閉鎖し、また新規ユーザーの登録は直ちに無効になる。既存のユーザーはシンク機能により、新たなアプリにアクセスできる。同社のほぼ30名の社員は、Slackへ移籍する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Inbox by Gmailがその先進機能を新しいGmailに渡して来春閉鎖へ

新しいGmailのローンチが暗黙裡に予告していたように、今日(米国時間9/13)Googleは、Gmailのための実験的なメールクライアントInbox by Gmailを2019年3月末をもって閉鎖する、と発表した。

GoogleはInbox閉鎖の理由を、“Gmailに集中するため”としている。それは分かるけれども、Inboxが消えていくのは残念だ。それが開拓した新しい機能の多くは、新しいGmailの一部になっているのだから。

Googleは、Inboxによる実験を、今後も続けた方が良かったのではないか。同社がInboxを始めた動機も、そこにあったはずだ。すでに10億のユーザーがいる現用サービスの上でラジカルな実験をするのは難しい。でも今日の発表を見ると、これからは新しいものの試行もGmailでやっていくようだ。たとえばSmart Composeは、新しいGmailでデビューした(そのとき多くの評論家がInboxの消えゆく運命を予感した)。

新しいGmailにInboxの機能の多くがあるが、trip bundleがないのは残念だ。この便利な機能は、フライトやホテル、イベント、車の予約などの旅行日程情報をひとまとめにしてくれる。それは、Inboxの最良の機能のひとつだった。Gmailに来年早々に導入されるという説もあるが、どうかInboxの閉鎖の前にやっていただきたい。

というわけでInbox for Gmailは6か月後に閉鎖されるが、Googleは数年後にまた、メールの実験サービスを復活するかもしれない。それまでは、InboxからGmailへの移行ガイドでも読んでいよう。

[Smart Composeのメール作成機能がG Suiteに](未訳)

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Adobeのマーケティングツールはメールを送るベストのタイミングをAIが教えてくれる

Adobeの機械学習ツールAdobe Senseiが、マーケティングのためのメールを送る最良のタイミングを教えてくれるようになる。Adobe自身のの研究開発部門Adobe Researchから生まれたこの新しい技術は、近い将来に実用化されるようだ。

マーケターは、AdobeのメールマーケティングツールAdobe Campaignに、キャンペーンの開始日と終了日を教えると、Senseiが、メールが相手の受信箱に到着すべき最良の日時を見つける。そういうメールは消されたり無視されることが多いので、ツールは開封率の最大化を目指して最適化される。

Adobe Researchはさらに、メールの受信者がメッセージにどのように反応したかに基づいて、彼らを自動的に分類分割する技術にも取り組んでいる。これによりマーケターは、コミュニケーションの正しい頻度を判断できる、という。

これら二つのツールはどちらもまだ研究開発の段階だが、今日(米国時間8/22)ローンチしたいくつかの機能は、ユーザーが即利用できる。まず、ドラッグ&ドロップでメールのメッセージをデザインできる機能。そしてAdobe Campaignの動的レポーティング機能。さらに、Adobe Campaignのプッシュ通知の多言語化と高速化により、マーケターは短い時間により多くのメッセージを送ることができるようになった。

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Gmailの送信メール取り消し機能がAndroidにもやってきた

デスクトップに登場してから4か月後の今日(米国時間8/21)、Gmailで仕事や人間関係や自尊心を損なわずにすむ機能、送信メールの自己破壊機能がAndroidにもやってきた。それを見つけたのはAndroid Policeだが、Androidバージョン8.2のアップデートの一環として実装されたようだ。

仕組みは、デスクトップ版と同じだ。メッセージを送ると、小さなプログレスバーが画面の下に出て、右側に“UNDO”という言葉がある。

それ以降、あなたが人生の選択を考え直せる時間は約7秒だ。それを過ぎると、あなたは映画のモンタージュシーンのような、日に日に恐ろしさを増すバタフライ効果に何週間も何か月も苦しめられ、最後には道ばたで泥酔して死ぬことになる。

すべては、あの、愚かなメールのせいだ。あなたは、そうならずにすむかな、はたして。

UNDOをクリックしてB案を選ぼう。そうすると、そのメールの本文は下書きとして残る。あなたの未来は明るく、そして広い。そんなに難しくなかったでしょう? メールを絶対送るな、とは言ってない。それは単なるアホだ。次からは、言葉をもっと慎重に選ぼう、ということだ。ぼくの霊も、今後、あなたのことをずっと見張ってるだろう。それを、気にした方がよい。

この機能は今すでに有効だが、Gmailアプリの中からGmailの本人アドレスで出したメールに限るようだ。

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Valimailを使うとハッカーがメールであなたのボスになりすますことがなくなる

詐欺的な偽メールの到来を防ぐValimailが今日(米国時間7/11)、そのなりすまし撃退サービスに新しい機能を加えた。これで、悪質なハッカーたちがメールで自己を詐称することが、一層難しくなるだろう。

Valimailは最初、ユーザーの発信メールの信頼度を高める方向にフォーカスしていたが、Valimail Defendと呼ばれる新たなソリューションでは、偽の着信メールを利用する二つのタイプの攻撃に焦点を当てている。よく似た名前のドメイン(たとえばtech-crunch.com…本物はtechcrunch.com)を使うやつと、友だちなどへの“なりすまし”だ。後者は、たとえば同じ会社の中など、一見正しいアドレスを使用する。

ValimailのCEOで協同ファウンダーのAlexander García-Tobarは語る: “うちのクラウドファーストななりすまし撃退ソリューションは、最初から完全に自動化するつもりだった。その結果今では、顧客のドメインをなりすましから守る能力では最高、と評価されている。その最新の進化であるValimail Defendは、これまでの経験を踏まえて、エンタープライズや政府機関にメールのなりすましに対するもっとも進んだ保護を提供する”。

その新しいサービスは今年のQ3に可利用になり、既存のValimail Enforceブランドのソリューションを補完する。後者は、DMARCの強制やそのほかのテクニックで、発信メールの認証などのサービスを提供する。

セキュリティ侵犯の多くがなりすましメールを利用しているから、その対策は企業のセキュリティの最重要な目標になっている。しかしそういう詐欺的行為の多くは、ごく基本的なルールベースのアプローチで防止できる。しかしValimailの主張では、そういうルールの適用処理そのものは、機械学習を使う方がはるかに効果的である。

現在のValimailの顧客には、Splunk, City National Bank, Yelpnなどがいる。Yelpの技術部長Vivek Ramanはこう語る: “Valimailの自動化方式は効果的であると同時に効率的だ。ほかの方法は長時間かかる人海作戦が多いが、Valimailなら人手も時間も要らない。この次世代型の自動化なりすまし撃退技術には、とても感嘆している。Valimailは、完全なエンドツーエンドのソリューションだ”。

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新しいGmailのスマート機能は嫌いな人も少なくない、お節介で的外れでうるさい

Gmailは最近、デザインが一新された。新しい機能の多くはユーザーが無効にしたり無視できるが、返事を出さないままになっている古いメールを取り出して、返事をしなさいと勧める機能はどうだろう。それは、こんなやつだ:

[2日前に受信してるけど返事しないの?]

オレンジのテキストは、すぐに注意を惹く。しかも受信トレイの最上部に出るから、メールの並びの時系列が壊れる。

Gmailはしかも、そのメールはリプライすべきだったんだけど、あなたがぐずぐず延ばしてしまったんだ、という判断をしている。ソーシャルネットワークには、こんなうるさいコンテンツが山のようにあって、われわれを悲しませたり怒らせたりする。メールの受信トレイが、あなたに罪悪感を抱かせたり、ストレスを与えたりすべきではない。

仮にその提案が正しかったとしても、ちょっと気持ち悪いし、実装も雑だし、なんか自分がもう、自分の受信トレイをコントロールできなくなったのか、と思ってしまう。

今度のGmailのスマート機能は、どれもユーザーが無効にできる。スマートなカテゴリー分類なんて要らない、という人もいる。Gmailが重要メールと判断したメールを、上の方へ持ってこなくてもよい。ここで話題にしている、スマートな返信機能も、ぼくは要らない。誰もが必要とする唯一のスマート機能は、スパムフィルターだ。

メールのメッセージの並び方は、単純な時系列がいちばん便利だ。Instagramのユーザーも、時系列フィードを求める人が圧倒的に多い。しかしアルゴリズムで選択加工したフィードは、エンゲージメントや生産性を高めることもある。Googleはたぶんテストをして、Gmailがお知らせをしたら返信が増える、と判断したのだ。

でもぼくは、メールの価値はGmailのアルゴリズムではなく、自分で判断したい。ランク付けは、余計なおせっかいだ。

ぼくがVCなら、ぼくがジャーナリストなら、ぼくが大学の奨学金担当者なら、それぞれの仕事のために、重要なメールは自分で見分ける。Googleのおせっかいなアルゴリズムは要らない。サンフランシスコの電気スクーターも、Googleのスマート機能が仕掛けた/見つけたブームじゃない。自分にとって重要なことは、自分で分かるよ。

Gmailの新デザインがリークし始めたとき、ある同僚は、“まず、これらをoffにする設定の仕方を見つけたいね”、と言った。

このおせっかいな「返事は?」リマインダーをoffにするには、GmailのWebバージョンでは“Suggest emails to reply to”と“Suggest emails to follow up on”のボックスのチェックを消す。これで、あのいまいましいオレンジ色のテキストにおさらばできる。でも、そもそも最初からこれらのスマート機能は、デフォルトでoffになっているべきだ。

〔訳注: これは、rantと呼ばれるタイプのブログ記事です。個人的な不平や文句をたらたら述べるのが、rantです。〕

[Twitter上にも苦情殺到]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

WebサイトビルダーSquarespaceがユーザーのビジネスツールの一環としてメールマーケティングを提供

Webサイトビルダーの今や老舗Squarespaceが、初めてメールマーケティングツールを顧客に提供する。CEOのAnthony Casalenaとプロダクト担当ディレクターNatalie Gibralterによると、Squarespaceというプラットホームは徐々にシンプルなWebサイトビルダーであることを超えて、eコマースアナリティクスなどの機能を加えてきた。

Gibralterによると、目標はSquarespaceをWebでビジネスをしたい人の“オールインワンのプラットホーム”にすることだ。“マーケティングツールのもっと幅広いスイートを構想しているが、メールはその最初の出だしだ”、という。

しかしeメールマーケティングツールは昔からいろいろある。スタンドアローンのツールだけでなく、Weeblyなど競合するWebサイトビルダーにも、メールマーケティング機能がある。しかしCasalenaとGibralterによると、主なアドバンテージはSquarespaceがメールマーケティングをもっと大きなプラットホームに統合していることだ。

大きなプラットホームというのは、Casalenaによると、“eコマース機能は前からあるので、各サイトにはその顧客に関する情報(購入履歴など)の蓄積がある。ユーザーがブログを併設していれば、顧客との優れた接点がすでにある。それらはいずれも、シンプルで使いやすいし、最初から的(まと)を得ている”、のだそうだ。つまり、メールマーケティングを展開するための情報リソースとしてのインフラがすでにある、と言いたいのだ。

[eメールエディター]
Squarespace Email Editor

またSquarespaceは長年のWebサイト制作から学んで、メールビルダーも単純明快ですっきりとしたプロフェッショナルなツールを提供できているようだ。Gibralterがやってくれたデモからは、そう感じた。

そのメールビルダーは、テンプレートがあるのでそれをカスタマイズすることから始める。コンテンツはWebサイトやブログからインポートでき、応答性の良いレイアウトにより、デスクトップでもモバイルでも見栄えが良い。スマートフォン上でもメールの作成やエディットがやりやすい。ダッシュボードからマーケティングの全体を概観でき、過去のキャンペーンとその成果も分かる。古いレイアウトの再利用もできる。

また、Squarespaceのアナリティクスツールと統合されているので、メールがオープンされたことだけでなく、それがそのユーザーのWebサイトへのその後のトラフィックや購入アクションを生成したかも分かる。

GibralterによるとSquarespaceは、必要な情報開示をちゃんとやっているかなど、法的なコンプライアンスでもユーザーのビジネスを助けている。ユーザーが使っている色も保存して、今後の一貫したブランド構築を助ける。この、使用色の統一という機能はとても役に立つので、Webサイトビルダーの機能にもしたい、と言っている。

でもGibralterはさらに曰く、これはマーケティング機能の始まりに過ぎない。顧客のセグメンテーションやドリップキャンペーンも今後の予定に載っている。

メールマーケティングはまず既存の顧客への無料の展開からスタートする。本格的な開始は秋からで、料金は月額8ドルだ。

画像クレジット: Squarespace

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GmailのSmart Composeで簡単に英文レターが書ける

Googleは先週のI/Oデベロッパー・カンファレンスで ウェブ版Gmailのアップデートを発表した。われわれもSmart Composeというスマート自動補完機能を紹介した。この機能の実地テストがいよいよ始まった。

Smart Composeは文を書き始めると自動的にその後を補完してくれるAIツールだ。Googleはある書き出しでどういう文が続くかを多くの実例に基づいて推定する。実際に使ってみたところではI/Oで宣伝されたほど完全なものではない。しかしかなり便利なツールで、メール作成の手間はだいぶ減らしてくれそうだ。

この機能を使うにはまずGmailの設定でExperimental Accessを有効にする必要がある。

 

既存のSmart Replyはモバイルデバイスから定形返信をするには便利だが、使うとなにか虚しい気持ちがする。返信パターンもごく限られており、せいぜい数語程度のメールしか作成できない。これでは受け取った相手に「おそろしく不精なやつだ」と思われてしまうのではないか不安になる。しかし私は日頃たくさんのメールに返信する必要があるのでこの機能は時間の節約に効果的だ。新しいSmart Composeはもっと長い文が書けるが、トレードオフは同様だろうと思う。

現在Smart Composeの機能はまだ限られている(英文でのみ有効)が、提案が的中したときはほとんど魔法のようだ。しかし今のところ典型的な文しか作成できない。Googleが想定しているシナリオから外れたメールの場合、延々と文章を書いていても提案が一つもポップしないことがある。

Smart Composeは常套句が大好きで、作成される文は非常に典型的だ。たとえばHi、と打つと宛先人名が補完される。あまり知的な文章にはならないが手数が省けることは間違いない。しかし実験レベルでは初歩的でも、その後長足の進歩を遂げるのがGoogleのプロダクトの常だ。今後の改良が期待できる。

〔日本版〕日本で利用するには設定(歯車アイコン)からまず言語をEnglishに変更して保存しておく必要がある。その後、Settingを開きGeneralからExperimental Accessを有効にする。たとえば、afと入力するとafternoonが提案されるのでtabキーで確定する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Gmailにメジャー・アップデートが来た――自動消滅、スヌーズ、カレンダー統合など新機能多数〔日本語対応済〕

今日(米国時間4/25)、Googleはここ数年で最大となるGmailのアップデートを行った。Googleのフラグシップ・サービスの一つであるGmailに、テスト中だったものも含め多数の新機能が追加された。TechCrunchではその一部を今月上旬にいち早く紹介している。今回Gmailではデザインも一新されたが、既存のユーザーに違和感を与えることはないはずだ。

新機能はここしばらく続いていたリークのとおりなので大きな驚きはない。 またテスト中の機能のいくつか(すべてではない)が正式にGmailに採用されたのも予想どおりだった。しかし派手なメディア報道では見逃されがちだった細部の改良が重要だと思う。新設された右サイドバーからGoogleカレンダーが開けるようになった。またGoogle TasksやGoogle Keepとの統合も使い勝手の改善に大きく貢献している。

ともあれ順を追って見ていこう。 新Gmailでまず目につくのは受信トレイ(Inbox)そのものだ。メッセージの上にマウスポインターを乗せると、クリックしなくても右端にアーカイブ、削除、既読にする、スヌーズの各アイコンが表示される。スヌーズは今回新たに追加された機能だ。

スヌーズを選択すると、ドロッダウン・メニューでスヌーズ期間を今日中、明日、カスタムなどに設定でき、その期間終了時にメールが受信トレイに現れる。受信トレイを常にクリアしておきたいユーザーには便利な機能だ。受信トレイを空にしておいても、重要なメールは指定したタイミングで再表示される。メールを開いて読んでいるときはスヌーズ機能は使えない。

今回のアップデートでいちばん大きいのは「秘密モード」でメールを送信できるようになったことだろう。コンセプトはシンプルだ。送信者はメールが読める期間を指定できる。受信者はこのメールについて転送、コピー、ダウンロード、印刷が一切できない。期間終了後メッセージは自動的に消滅する。もちろん受信者がスクリーンショットを取るのを止める方法はないが、Googleの狙いはそこではない。受信側のデバイスが悪質なハッカーに侵入され、データが盗まれた場合でも、秘密モードで送信されたメールはすでに消滅していて安全だ。またさらにセキュリティーを高めるために個々のメールについても二段階認証を設定できる。受信者はメールを開く祭にGoogleが作成したパスコードをSMSで受信し、入力する必要がある。

もう一つの大きなアップデートは「重要メール通知」機能だ。これはGoogleが人工知能を用いて重要性が非常に高いと判断したメールについてのみメール着信の通知を行う。またGoogleは「購読解除」の提案も行う。ニュースレターなどを購読しているが、実際にはほとんど開かなくなっているという場合が多々ある。こうした際、Googleは購読解除を勧める。どうせ読まれないのであればニュースレターの発行者側にとっても無駄な手間となるのでこれは便利な機能だ。

さらにもう一つの重要アップデートは強化された新しいオフライン・モードだ。 GmailがProgressive Web Appsと呼ばれる高度なウェブ・アプリに移行したこともあり、オフラインGmailには最大で過去90日分のメールをローカルに保管し、検索することができるようになる。 ただしこの機能の公開は数週間後になる見込みだ。

新Gmailで私がいちばん便利だと感じたのは受信トレイ右側に新設されたサイドバーだ。ここにはGoogleカレンダーのウィジェットが常駐し、その日のスケジュールが一覧できる。また新しい日程を書き込むのも簡単だ。

右サイドバーにはメモアプリのGoogle KeepとGoogle TasksというToDoアプリも統合されている。残念ながら今のところKeepのメモをメールに添付したり、逆にメールをKeepにドロップしたりはできないようだ。Google Tasksはメールに多少連動しており、メールをTasksにドラグしてきて新しいタスクとすることができる。私は普段ToDoリスト管理にTrelloのアドオンを使っているし、Gmail自身のアドオンにもこの機能がある。とはいえサイドバーにTasksが統合されれば使いみちは広いだろう。

UIのデザインも一新されたが、行間も3段階に調整できるなど従来の機能はすべて維持されている。デフォールトがいちばん行間が広いが、添付ファイルの表示に新機能が追加されている。単にペーパークリップのアイコンで添付ファイルがあることを示すのではなく、件名の下に添付ファイルのアイコンとファイル名名の冒頭が表示される。

受信者はメール自体を開かずアイコンをクリックして直接添付ファイルを開くことができる。

繰り返しになるが、メッセージのソート、フィルター、スターを付けるなど従来のGmailの機能はほとんどすべて維持されている。メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムに自動的にメールを分類する機能が気に入っている場合は引き続き利用できる。またページの左下端にはハングアウト関係のアイコンが表示される。Googleがハングアウトで何を目指しているのかいまいち不明だが、ともあれここに表示されることになった。

新バージョンはGmailアカウントを持つユーザーすべてに向けて順次公開中だ。設定(歯車アイコン)に「新しいGmailを試す」というオプションが表示される。これまでのアップデートと同様、現在は「以前のGmailに戻す」ことが可能だ。将来ある時点でGoogleはGmailを完全に新バージョンに固定するのだろう。G Suiteの管理者が新バージョンを使う場合、G Suite Early Adopter Programを有効にしておく必要がある。

〔日本版〕記事本文では「メールを開いた状態でスヌーズできない」とあるが、訳者のアカウントではメールを開くと件名上部のバーに一連のアイコンが表示され、時計アイコンをクリックすればスヌーズが実行できる。逆に訳者のアカウントでは「自動消滅」機能は未公開。現在アカウントによって利用できる機能に差があるものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、AMPフォーマットをメールに拡大――対話的カレンダーやアンケートを含めることが可能に

Google AMP はモバイルページを高速で表示するためのオープンソース・フォーマットだが、Googleはウェブサイトのレシピやハウツーといった記事を越えて適用範囲をさらに拡大しようとしている。今日(米国時間2/13)、Googleは手始めとしてAMPストーリーを発表し、続いてAMPをメールに適用した

AMP(Accelerated Mobile Pages)のメールへの適用というのは一見奇異に感じれるかもしれない。メールの表示が遅いと文句を言う人間は少ないからだ(メールは大部分がテキストだ)。しかしGoogleによればAMPフォーマットはメールを現代化する上でもっとも適切なフォーマットだと主張する。「ニュース、ショッピング、電車、フライトなどを始めとして、メールは現代人が情報を得る上で欠かせないツールになっている。世界では毎日2700億通のメールがやり取りされている。AMP for Emailを利用すれば、メールに含まれる情報を魅力的かつ対話性が高いものにする。ユーザーはそうしたメールにリアルタイムで反応できる」とGmailのプロダクト・マネージャー、Aarash Sahneyは今日のブログ記事に書いている。

AMP for Emailを利用すれば、デベロッパーは、たとえば、対話的に日付を指定できるカレンダーをメールに挿入することができる。つまり会議の日程を決めるのに5回も6回もメールのやり取りをする必要がない。航空会社がAMPを利用すれば常に最新のフライト情報が得られるメールを送ることができる。またユーザーが別のサイトに移動せず、その場で記入して返信できるアンケートなども作成できる。

Googleはこの間メールの現代化を図るプロジェクトを多数実施してきた。たとえば2013年にはカスタマイズ可能なアクションボタンをGmailに追加している。そうした努力にもかかわらず、メールは全体としてそう変わっていない。特にAMP for Emailのような新しいフォーマットの場合、Googleのライバルのメール・プロバイダーがサポートを決めなければ広く普及しないだろう。

現在のところAMP for Emailはプレビュー版で、デベロッパーはGoogleの専用サイトにサインアップする必要がある。Gmailでのサポートは今年中の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

暗号化メールサービスのProtonMailがApple Mail, Outlook, Thunderbirdをサポート

Mr. Robotのお気に入りのメールサービスがこのたび、従来からあるメジャーなメールソフトをいくつかサポートすることになった。そのProtonMailがこのほど新たに発表したツールProtonMail Bridgeは、長年使い慣れているメールソフトを手放したくない人たちに、同社の比較的ニッチな魅力を提供する。

ProtonMailは、標準的な暗号化方式PGP(Pretty Good Privacy)がその核にある。それは従来なら、ユーザーが独自のアプリケーションやWebメールを使わないと、利用できなかった。しかしこれからは、Apple MailやThunderbird、OutlookなどIMAPとSMTPをサポートしているふつうのメールソフトも、バックグラウンドでProtonMail Bridgeを動かせば、ProtonMailのアカウントが有効になり、それにApple Mail等からアクセスできる。

それにより、ProtonMailの基本機能であるエンドツーエンドの暗号化が維持される。したがって、そのメールは、送信者と受信者しか読めない。またいわゆる“ゼロアクセス暗号化”により、メールサービスのプロバイダも、あなたのメールを(いくら読みたくても)読めない。

同社の発表声明は、こう書いている: “なによりも便利なのは、従来からのメールソフトを使ってるユーザーが、何もしなくてもよいことだ。今日ProtonMail Bridgeを動かすようになっても、メールの読み書きは昨日までとまったく同じで、変えなければならないことは一つもない。暗号化とその解読は、Bridgeがバックグラウンドでやるだけだ”。

なお、Bridgeにはちょっとした便利機能もある。メール本文の検索ができるし、複数のアカウントの管理もできる。ProtonMail自身は、便利だがやや不完全な暗号化メールソフトであり、同社がこれまで、何度も何度も言ってきたように、誰かがあなたのデバイスにアクセスできる状態では、暗号化は安全に寄与しない〔解読後のメールを読めちゃうから〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa