新しいGmailのスマート機能は嫌いな人も少なくない、お節介で的外れでうるさい

Gmailは最近、デザインが一新された。新しい機能の多くはユーザーが無効にしたり無視できるが、返事を出さないままになっている古いメールを取り出して、返事をしなさいと勧める機能はどうだろう。それは、こんなやつだ:

[2日前に受信してるけど返事しないの?]

オレンジのテキストは、すぐに注意を惹く。しかも受信トレイの最上部に出るから、メールの並びの時系列が壊れる。

Gmailはしかも、そのメールはリプライすべきだったんだけど、あなたがぐずぐず延ばしてしまったんだ、という判断をしている。ソーシャルネットワークには、こんなうるさいコンテンツが山のようにあって、われわれを悲しませたり怒らせたりする。メールの受信トレイが、あなたに罪悪感を抱かせたり、ストレスを与えたりすべきではない。

仮にその提案が正しかったとしても、ちょっと気持ち悪いし、実装も雑だし、なんか自分がもう、自分の受信トレイをコントロールできなくなったのか、と思ってしまう。

今度のGmailのスマート機能は、どれもユーザーが無効にできる。スマートなカテゴリー分類なんて要らない、という人もいる。Gmailが重要メールと判断したメールを、上の方へ持ってこなくてもよい。ここで話題にしている、スマートな返信機能も、ぼくは要らない。誰もが必要とする唯一のスマート機能は、スパムフィルターだ。

メールのメッセージの並び方は、単純な時系列がいちばん便利だ。Instagramのユーザーも、時系列フィードを求める人が圧倒的に多い。しかしアルゴリズムで選択加工したフィードは、エンゲージメントや生産性を高めることもある。Googleはたぶんテストをして、Gmailがお知らせをしたら返信が増える、と判断したのだ。

でもぼくは、メールの価値はGmailのアルゴリズムではなく、自分で判断したい。ランク付けは、余計なおせっかいだ。

ぼくがVCなら、ぼくがジャーナリストなら、ぼくが大学の奨学金担当者なら、それぞれの仕事のために、重要なメールは自分で見分ける。Googleのおせっかいなアルゴリズムは要らない。サンフランシスコの電気スクーターも、Googleのスマート機能が仕掛けた/見つけたブームじゃない。自分にとって重要なことは、自分で分かるよ。

Gmailの新デザインがリークし始めたとき、ある同僚は、“まず、これらをoffにする設定の仕方を見つけたいね”、と言った。

このおせっかいな「返事は?」リマインダーをoffにするには、GmailのWebバージョンでは“Suggest emails to reply to”と“Suggest emails to follow up on”のボックスのチェックを消す。これで、あのいまいましいオレンジ色のテキストにおさらばできる。でも、そもそも最初からこれらのスマート機能は、デフォルトでoffになっているべきだ。

〔訳注: これは、rantと呼ばれるタイプのブログ記事です。個人的な不平や文句をたらたら述べるのが、rantです。〕

[Twitter上にも苦情殺到]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleは、そろそろユーザーを大人扱いしてもいい頃だ

Appleはもうわれわれを大人扱いしてもいい。この会社がiOSでスマートフォンに革命を起こしたことに疑いの余地はない。しかし、iOSが年を重ねるにつれ、そのユーザーも年を重ね、初めてのスマートフォンユーザーは減っている。この、コンピューターをポケットにというアイデア自身が新しいものだった頃は、ユーザーの自由を奪っていたのもわかる。しかし、Appleがスキューモーフィックなデザインから、抽象化を高めたフラットデザインへとiOS 7で移行しようとしているのと同じように、オペレーティングシステムをどう使いたいかに関して、もう少しユーザーを信用し、権限を与えるべきではないだろうか。

実際Appleは、Facebook Homeのようなものを許したことがない(あれはいずれにせよ醜悪たが)。しかし、そろそろAppleも、一部でもいいからデフォルトをApplアプリからサードパーティーのサービスに切り換えることをユーザーに許してもいいだろう。

その典型例はもちろんSafariだ。GoogleのChromeやOpera、その他ライバルブラウザーの多くは、様々な面でSafariより優れている。Goolge、Operaのいずれも、プロキシーサービスによってユーザーに通信費の負担を軽減させようとしている(ChromeではAndroidのベータ版で始まったばかり)。Appleも近々同じ機能を提供するのかもしれないが、ユーザーが標準ブラウザーを選択できてもいいはずだ。すでにGoogleは、Gmail for iOS等の自社アプリから、可能な場合にはiOSユーザーをChromeに転送しているが、殆どのアプリはこれをやっていないため、ブラウザーを切り替えても意味がない。

同じことはAppleマップにも言える。これは、標準のiOSアプリがライバルより劣っている例の最たるものだが、Yelpをはじめとする人気アプリが常に開くマップは今でもこれだ。マップはスタンドアロンで使いたいだろうから、乗り換えは多少楽だが、それでも本来不必要な手間だ。

アプリ以外では、そろそろAppleがサードパーティー製キーボードを許してくれると嬉しい。実際、標準のiOSキーボードは少々古くなってきた。いずれAppleも、(Googleと同じように)Swypeを真似てスワイプ型キーボードを作るに違いないが、選択の自由に関しても何かあってしかるべきだ。

私にはあのささやきが聞こえる:「だったらAndroidにすればいいじゃないか?」 真実はと言えば、おそらく私はそうする。長い間のトレードオフは、〈すばらしいユーザー体験(iOS)〉対〈よりオープンなシステム(Google)〉だった。今やGoogleのユーザー体験は事実上Appleと変わらず、サービスはずっと優れている。今Appleが決断すべきは、システムを封鎖し続けて体験を一人占めにするのか、あるいは、少しでもオープンにして、少しでもユーザーの選択肢を増やすかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)