ジョブズ追放後のアップルが1990年にスピンオフした伝説のベンチャー「General Magic」とは?

ジョブズ追放後のアップルが1990年にスピンオフした伝説のベンチャー「General Magic」とは?スマートフォン誕生の知られざるドラマを描く米国ドキュメンタリー映画『General Magic』日本語字幕版の配信が、11日から各動画配信サービスにて開始されました。7つの米国映画祭で最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞し、シリコンバレーで「最も重要な失敗企業」と呼ばれた伝説的ベンチャーの物語が家にいながらにして観賞できるようになりました。

タイトルのGeneral Magicとは、アップルから1990年にスピンアウトしたベンチャー企業のこと。現代のスマートフォンの原型ともいえるPIC(Personal Intelligent Communicator)を考案し、開発に着手。そこに集まったのがMacintoshプロジェクトの代表的な開発者や後のAndroidの父(アンディ・ルービン)、iPodを手がけたアップルのテクノロジー担当上級副社長(トニー・ファデル)といった、シリコンバレーのスター達でした。

ジョブズ追放後のアップルが1990年にスピンオフした伝説のベンチャー「General Magic」とは?

このPICがどれだけ未来を期待されていたかといえば、アップル以外の米国企業としてはAT&Tやモトローラ、日本企業ではソニー、松下電器産業(現Panasonic)やNTTなども出資・提携していたほど。その成果は「Magic Cap OS」を搭載したソニー製の「Magic Link」などの形で製品化されており、1995年には新規株式さえ公開されました。

ジョブズ追放後のアップルが1990年にスピンオフした伝説のベンチャー「General Magic」とは?

しかし製品が高額すぎたことや、インターネットに接続できなかったこと(ちょうど90年代半ばに一般ユーザーもアクセス可能になっていた)動作が重くソフトウェアも不安定だったことが重なって販売台数は伸び悩み、株価も下落。最終的には2002年に破産し解散にいたっています。

そんなGeneral Magicの設立から17年後にiPhoneとAndroidが発表され(Androidは新規プラットフォームの概要のみ、搭載製品の発売は翌年)、どちらにも元General Magicメンバーらが重要な役割を果たしています。現代のスマートフォンは、かつての若者達が夢を追い続けた結果だったというわけです。

ジョブズ追放後のアップルが1990年にスピンオフした伝説のベンチャー「General Magic」とは?

映画『GENERAL MAGIC』は、そんな才能あるエンジニア達がスマートフォンの先駆けとなるPICの開発を進めながらも、やがて解散へ追い込まれていく過程を描いたもの。後にiPodやiPhone、AndroidやeBayを生み出した各メンバー達へのインタビューと、若きスティーブ・ジョブズも登場する当時の貴重な映像を交え、“壮大な失敗“が最終的に世界をどのように変えたのか、現代社会に求められるイノベーション(技術革新)を掘り下げた内容となっています。

さすがに90年代半ばの技術力ではPDAサイズに全ての処理能力を詰め込むのは不可能だったため、端末とサーバーのやり取りによりアプリケーションを実行する……という発想は、まさに今でいうクラウドの先取り。あまりに早すぎたゆえに志半ばに終わり、後に技術力が追いついてから開花した「最も重要な失敗」を追体験することで、考えを深めたいところです。

上映時間は90分。配信プラットフォームは以下の通りです。

AppleTV(iTunes store)/Amazon PrimeVideo/FOD/GYAO! ストア/Google Play/Youtube/クランクイン!ビデオ/J:COMオンデマンド/TSUTAYA TV/DMM.com/dTV/TELASA/ひかりTV/ビデオマーケット/music.jp/U-NEXT


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(Source:PR TIMESEngadget日本版より転載)

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タグ:iPhone(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Andy Rubin / アンディ・ルービン(人物)Andy Hertzfeld / アンディー・ハーツフェルド(人物)Android(製品・サービス)Kevin Lynch / ケビン・リンチ(人物)General Magic(企業)John Sculley / ジョン・スカリー(人物)Steve Jobs / スティーブ・ジョブズ(人物)Tony Fadell / トニー・ファデル(人物)Bill Atkinson / ビル・アトキンソン(人物)Megan Smith / ミーガン・スミス(人物)PDA / パーソナル・デジタル・アシスタント(用語)日本(国・地域)

量子ビジネス構築に向けCambridge QuantumとHoneywellが合弁会社を設立

つい先日、量子コンピュータへの参入を発表したばかりのHoneywell(ハネウェル)と、量子コンピュータのソフトウェア開発に注力しているCambridge Quantum Computing(ケンブリッジ・クォンタム・コンピューティング、CQ)は米国時間6月8日、Honeywellの量子ソリューション(HQS)事業とCQを新たな合弁会社という形で統合すると発表した

HoneywellはCQと長く提携しており、2020年CQに投資もした。今回のアイデアは、HoneywellのハードウェアとCQのソフトウェアに関する専門知識を合わせ、両社がいうところの「世界最高性能の量子コンピューターと、初の最先端量子オペレーティングシステムを含む量子ソフトウェアの完全な組み合わせ」を構築することだ。

2社(両社のプレスリリースでは「コンビネーション」と呼んでいる)は、2021年の第3四半期に取引が完了すると見込む。Honeywellの会長兼CEOであるDarius Adamczyk(ダリウス・アダムジク)氏が新会社の会長に就任する。CQの創業者でCEOのIlyas Khan(イリヤス・カーン)がCEOに就任し、現在のHoneywell Quantum Solutions(ハネウェル・クオンタム・ソリューションズ)の社長であるTony Uttley(トニー・ウットリー)氏は、新会社でもその役割を継続する。

HoneywellがHQSをスピンオフし、CQと統合して新会社を形成し、リーダーシップと財務面での役割を果たしていく構想だ。Honeywellは、新会社の過半数の株式を所有し、2億7000万〜3億ドル(約300〜330億円)を投資する。また、新会社との間で、量子ハードウェアの中核となるイオントラップの製造に関する長期的な契約を結ぶ。CQの株主は、新会社の45%を所有することになる。

画像クレジット:Honeywell

アダムジク氏は「新会社は業界最高の人材、世界最高性能の量子コンピュータ、初の最先端量子オペレーティングシステム、そして量子コンピュータ業界の未来を牽引する、ハードウェアに依存しない包括的なソフトウェアを有することになります。新会社は、量子コンピューター業界の爆発的な成長を支える重要なグローバルインフラを提供することで、短期間に価値を創造する上で非常に有利な立場にあります」と述べた。

2社は、量子ビジネスを成功させるには、大規模な投資に支えられ、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたワンストップショップを顧客に提示する必要があると主張している。2社は今回の統合により、それぞれの専門分野におけるリーダーとしての地位を確立し、事業を拡大するとともに、研究開発や製品ロードマップを加速することができるとしている。

「2018年にHoneywellの量子ビジネスを初めて発表して以来、多くの投資家から、このエキサイティングでダイナミックな業界の最前線にある当社の先端技術に直接投資したいという声を聞いてきましたが、今回、それが可能になります」とアダムジク氏は話した。「新会社は、急速な成長を促進するために必要な、新しい多様な資金源を大規模に確保する最良の手段となるでしょう」。

CQは2014年創業で、現在約150人の従業員を抱える。同社は2020年12月に発表した4500万ドル(約50億円)のラウンドを含め、合計7280万ドル(約80億円)を調達した。この最後のラウンドには、Honeywell、IBM Ventures、JSR、Serendipity Capital、Alvarium Investments、Talipot Holdingsが出資した。これは、異なる技術を使用しているものの、多くの点で新会社と直接競合しているIBMが、新会社の(小さな)一部を所有することになったことも意味している。

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画像クレジット:Honeywell

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが豪雨のようにアップデートを発表するも、ウォール街はあくび

米国時間6月7日に行われたApple(アップル)のWWDCでのキーノートには膨大な数の発表があった。新しいmacOSもあればwatchOSのリフレッシュがあり、iOSのニューバージョンプライバシー制御の改善FaceTimeのアップデート、そしてiCloud+もある。これだけあれば誰もが、自分が欲しかった何かを見つけることができるだろう。

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今回のAppleのキーノートは、大きな企業が巨大な企業になったときのものだ。プロジェクトの数が多すぎて、いくつかを詳しく紹介するということができない。プラットフォームの全員を顔見世して、それぞれについて少しのニュースを口にするだけだった。

Appleがどちらかというとソフトウェア方面、特にサービス分野での力作を披露したことは誰の目にも明らかだが、それにもかかわらずウォール街は冷たく肩をすくめただけだ。

それは普通のことだが、いつも少々の混乱をともなう。

投資家は、少なくとも理論上は将来のキャッシュフローを気にする。そういう将来のキャッシュフローというものは、プロダクトのアップデートやサービス、ソフトウェア、そしてハードウェアの売上の強力な成長から生まれる。まさしくAppleはそれを、ハードウェア以外のところで詳しく披露した。

そして見よ、ウォール街は将来の収益予想の原動力となるものを一瞥し、「お笑い草だ、誰がそんなものを重視するか」と言ったのだ。

Appleの株価はほとんど終日小幅下げで、おそくなって上がったのは同社のニュースのためではなく、NASDAQには取引終了にかけて上がる癖があるからだ。

以下が、YChartsでのAppleのチャートだ。

そしてNASDAQはこちら。

こんなものは、ChartMasterの人でもなければ、無視するだろう。しかし心配無用。このチャートは全体として何も言っていないから、あなたは何も見落としてはいない。Appleがチョイ下げで、NASDAQがチョイ上げだ。その後NASDAQはさらに上がり、Appleの株も一般的に追随する。わかりやすく言えばそういうことだが、しかしどうでもいいことだ。

Appleのすべてのプラットフォームの健康と人気を判断できるはずの、Appleのビッグなイベントがまた1つ終わった。それらの健康と人気こそが、稼ぎ頭のハードウェアの売り上げも押し上げるはずだ。しかしマーケットは、Appleの真の正しい価値を見積もる。これまでのすべての予測が今でもどんぴしゃり正しいため、どのような上げの変化も下げの変化も必要ない、という判断に賭けているのだ。

つまり、Appleはとても大きいため、GDPと一緒に成長すると投資家は単純に賭けている。それは、相手をお笑いのようにディスっているのかもしれないが、いずれにしてもAppleの今日のイベントをまだよく知らなかった人には、これらの記事がおすすめだ

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タグ:AppleWWDCWWDC2021株価

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

日本全体での防災・減災の強化を目指すOne ConcernがSOMPOと複数年の戦略的パートナーシップ締結

気候変動は世界各地で深刻化しているが、日本はその中でも特にチャレンジングなケースといえる。日本は大断層の上に位置するだけでなく、海面上昇により列島の浸水が進み、災害が発生しやすくなっている。10年前、東北地方太平洋沖地震と津波は数十億ドル(数千億円)の被害をもたらしたが、この悲劇からの復興は今でも国際関係の大きな火種となっている。

昨今、災害対策技術はベンチャーキャピタルの投資対象として重要な分野となっているが、新たなスタートアップがRaaS(Resilience-as-a-Service、サービスとしてのレジリエンス)分野に登場し、成長市場として幅広い関心が寄せられていることが証明された。

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地震、洪水、その他の自然災害に対するコミュニティの回復力と対応をモデル化し、シミュレーションするプラットフォームを構築しているOne Concern(ワンコンサーン)は米国時間6月3日、日本最大の保険会社の1つであるSOMPOのベンチャー部門SOMPOホールディングスから4500万ドル(約49億6000万円)を調達したと発表した。この投資はOne Concernの災害レジリエンスプラットフォームを日本市場に投入するための、総額1億ドル(約110億3000万円)の複数年契約の一部だ。

日本はここ数年のOne Concernの市場開発において、ある種宝石のような存在となっている。同スタートアップは、2019年末に秋元比斗志氏を日本法人代表取締役社長として採用した後、2020年2月に日本への進出を正式に発表した。2020年8月にはSOMPOとの戦略的パートナーシップを発表し、同保険会社のベンチャー部門が1500万ドル(約16億5000万円)を投資した。今回の契約は、そのパートナーシップをさらに拡大するものだ。

プレスリリースによると、One Concernはこの提携の一環として、日本で6つ以上の都市に同社のプラットフォームを販売するという。

CrunchbaseとSECファイリングによると、これまでOne Concernは、2015年10月のシードラウンド、2017年にNEAが主導した3300万ドル(約36億4000万円)のシリーズAラウンド、同じくNEAが共同で主導した3700万ドル(約40億8000万円)のラウンドと、3回の資金調達を行っていた。One Concernは、2015年に設立された。

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タグ:One ConcernSOMPOホールディングス資金調達自然災害気候変動日本

画像クレジット:Carl Court / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Aya Nakazato)

欧州のインシュアテックWefoxが4倍程度の申し込みを受け約3300億円の評価で715億円獲得

ドイツのスタートアップWefox(ウィーフォックス)が、Target GlobalがリードするシリーズCの資金調達ラウンドで6億5000万ドル(約715億円)を調達した。この資金調達ラウンドで、同社のポストマネーのバリュエーションは30億ドル(約3300億ドル)に達した。Wefoxは、家財保険、自動車保険、個人賠償責任保険などの個人保険商品に注力するデジタル保険会社だ。

「当初調達希望額をはるかに超えました。非常に迅速なプロセスとなり、実質的に4倍程度の申し込み超過になりました」と、共同創業者兼CEOのJulian Teicke(ジュリアン・テイッケ氏、写真右)は筆者に語った。

2019年12月、同社のバリュエーションは16億5000 万ドル(約1815億円)だと報じられた。そして同社は、今回の資金調達ラウンドは、史上最大のシリーズCラウンドの1つであり、より具体的には、インシュアテック企業にとって最大のシリーズCラウンドである可能性が高いと述べた。

「既存の大口投資家のほぼ全員が参加しました」とテイッケ氏は語った。OMERS Ventures、G Squared、Mountain Partners、Merian、Horizo​​ns Ventures、Eurazeo、Mubadala Capital、Salesforce Ventures、Speedinvest、CE Innovation Capital、GR Capital、Seedcampはすべて、今回のラウンドに再び参加した。新しい投資家には、FinTLV、Ace & Co、LGT、および関連するインパクト投資プラットフォームの Lightrock、Partners Group、EDBI、Jupiter、Decisive が含まれる。

「私たちは超多額の資金を調達しただけでなく、非常に短期間で資金を調達しました。すべてのコミットメントを得るのに合計4週間かかりました」と、共同創業者でCFOのFabian Wesemann(ファビアン・ベスマン氏、写真左)は筆者に話した。

Wefoxは、規模が拡大するにつれ開発を反復し、より多くの収益を生み出すことができると信じている。次のレベルに到達するには資本が必要だ。「私たちは、インターネット以前の時代には立ち往生していた5兆2000億ドル(約572兆円)の産業に取り組んでいます。私たちにとってのコア市場で業界をディスラプトする方法を見つけました」とテイッケ氏はいう。

だがWefoxは従来の保険会社と何が違うのか。同社は、消費者に直接保険を販売する会社ではない。ほとんどの保険商品は依然として代理店が販売しており、同社はこれがすぐに変わることはないと考えている。

Wefoxが自社の商品を独占的に販売する700の代理店を抱えるのはそのためだ。また、アソシエイトブローカーとも提携しており、約5000社が同社の商品を販売できる。

「業界の人々は、人間の代理店は死んだと言っているようですが、私たちは、人間の代理店がこれまで以上に重要であると考えています」とテイッケ氏は語る。

2020年だけでも、同社は1億4000万ドル(約154億円)の収益を上げた。同社グループの保険キャリアであるWefox Insuranceを見ると、2020 年に黒字となった。グループ全体では「2023 年までに利益を計上する予定です」とベスマン氏は述べた。

この急速な成長率と黒字への明確な道筋の両方が、Wefoxに野心的なロードマップがあることを示している。リヒテンシュタインでライセンスを取得したフルスタック保険会社として、Wefoxはライセンスを他の欧州諸国に持ち込むことができる。同社は現在 5カ国の市場に進出しており、近々イタリアへの拡大に取り組んでいる。

Wefoxは、新しい市場に加え損害保険、ペット保険、健康保険、生命保険などの新しい保険商品の販売を計画している。もしあなたが保険商品について考えているのであれば、Wefox がすでに取り組んでいる可能性がある。「2021年は約20の新しい保険商品を発売します」とテイッケ氏は述べる。

流通は各国で顧客と向き合う現地代理店が分散管理しているが、保険商品は集中管理されている。同社は、収益性によって商品に優先順位を付け、商品リストを上から1つずつ見ていく。

最後に、Wefoxは管理コスト削減に関して野心的な計画を立てている。同社は、共通のプロセスをアルゴリズムによって処理するべく自動化に投資してきた。現在、同社のプロセスの80%は自動で処理される。新商品を立ち上げる際にはプロセスを適応させる必要があるため、これは終わりのないプロセスとなる。

Wefoxは予防にも取り組んでいる。同社は、まず悪いことが起こるのを防ぐために、パリにAI チームを編成した。保険会社ではいつものことだが、カスタマージャーニーのすべてのレイヤーとステップを最適化して、既存の商品とは一線を画すことがすべてだ。

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タグ:Wefox保険資金調達ドイツ

画像クレジット:Wefox

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

欧州の物流業界に一石を投じる貨物フォワーディング企業Sennderが約88億円調達、評価額約1100億円超えに

2020年のeコマースの大ブームに加え、新型コロナウイルスの影響から物の移動をより効率的に行うことが求められていることもあり、貨物フォワーディング(貨物利用運送事業。貨物をどのように、どこへ運ぶかを手配するプロセスであり、その作業を支える技術のこと)は物流業界の中でも特に重要な分野となっている。この分野における大手企業の1つが、現地時間6月1日、この機会を生かすための資金を調達したことを発表した。

欧州地域の貨物輸送(特にトラック運送)に特化したデジタル貨物フォワーダーであるSennder(センダー)は、8000万ドル(約88億円)の資金を調達し、評価額が10億ドル(約1100億円)を超えたと発表した。

ベルリンを拠点とするこのスタートアップは、2021年に入ってから資金調達を繰り返している。2021年1月には1億6000万ドル(約176億円)の資金調達を発表しており、今回の8000万ドルでシリーズDラウンドをクローズした。今回の延長シリーズDはBaillie Gifford(ベイリー・ギフォード)が主導し、Hedosophia(ヘドソフィア)、Accel(アクセル)、Lakestar(レイクスター)、HV Capital(HVキャピタル)、Project A(プロジェクトA)、Scania(スカニア)が前回のシリーズDから参加している。

今回のラウンドによって、3億5000万ドル(約384億円)を超える資金を調達したSennderは、貨物輸送業者の中でも最も資金力のある企業の1つとなった。現在この分野は注目を浴びており、欧州のZencargo(ゼンカーゴ)も5月に4200万ドル(約46億円)を調達したばかりだ。競合企業には米国のFlexport(フレックスポート)などがある。

Sennderは有機的に成長を遂げているが、規模を拡大するためにいくつかの買収も行っている。これは、市場の活性化だけでなく、細分化が進んでいることの表れでもある。5月にはCars&Cargo(カーズ&カーゴ)を買収し、フランスとベネルクスでの存在感を強めた。2020年にはUber Freight Europe(ウーバー・フレイト・ヨーロッパ)とEveroad(エバーロード)を買収し、イタリアの郵政公社であるPoste Italiane(ポステ・イタリアーネ)との合弁会社も設立。欧州に同社は全部で8つのハブを持つことになった。

Sennderによれば、同社は今後もこの種の買収を行う計画で、現在のトラック1万2500台におよぶネットワークを拡大するために、DAX30(ドイツ株式指数)のうち10社、Euro Stoxx(ユーロ・ストックス)50のうち11社と提携し、2021年にはトラック100万台分以上の輸送量を見込んでいるという。

「2020年から2021年に向けて、すでに1件の買収と複数の戦略的パートナーシップの締結を行い、その勢いを維持できていることを喜ばしく思います」と、Sennderの共同設立者であるCEOのDavid Nothacker(デイビッド・ノーサッカー)氏は、声明の中で語っている。「私たちは欧州における事業を拡大し、より多くの運送者や荷主をSnnderのプラットフォームに取り込み、SaaSなどのデジタルサービスを拡大していきます。買収や戦略的提携もこの戦略の一環であり、今回の追加資金は適切な機会に資本投下する柔軟性を当社にもたらします。Baillie Giffordは、革新的な技術を持つ企業を次々と支援してきました。彼らの支援は、我々のチーム、技術、ビジネスモデルに対する信頼の証です」。

Baillie Gifford European Growth Trust PLCの共同マネージャーであるStephen Paice(ステファン・ペイス)氏は、次のように付け加えた。「欧州の物流業界に一石を投じるSennderチームの旅に参加できることをうれしく思います。Sennderの技術は、非効率性や不必要な二酸化炭素排出に悩まされている業界で、出資者や社会に多大な価値を生み出す可能性があると確信しています。これまでの実績に加えて、特に印象的だったのは、目的意識を持った起業家精神が同社内に浸透していることです。これが長期的な成功のための重要な要素となることは間違いありません」。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ソフトバンクが支援する建設の巨人「Katerra」が約2200億円以上を使い果たし事業を閉鎖

20億ドル(約2200億円)を超える資金を使い果たしたSoftBank(ソフトバンク)が支援する建設スタートアップのKaterra(カテラ)は、事業を閉鎖することを従業員に伝えた。The Informationの報道による。

2020年、同社は世界で8000人以上の従業員がいると述べていた。

カリフォルニア州メンロパーク拠点のKaterraは、2020年末倒産寸前まで追い込まれた時、不動産デベロッパーに安く建物を販売する同社ビジネスの有効性に苦悩していた。会社はパンデミックによる労働コストと材料コストの高騰が苦闘の原因だと主張した。その後SoftBankから2億ドル(約220億円)の救援資金を受け取り最後のチャンスを与えられた。SoftBankは数十億ドル(数千億円)を注ぎ込んだ後、同社の過半数株式を買い取ったと報道されている。

Katerraの転落は、SoftBankにとって2019年のWeWork IPO以来最大の華々しい失敗だ。SoftBankは2020年、テック株の大規模な復調のおかげで同社のVision Fund(ビジョンファンド)投資先企業の多くで利益を上げてきたが、ここ数カ月でで利益の一部は消失した。

Barron’s(バロンズ)による2021年5月のインタビューでCEOの孫正義氏は、KaterraおよびGreensill(グリーンシル)への投資を「後悔」していることを強調した。Katerraの出資者には他に、Khosla Ventures、DFJ Growth、Greenoaks Capital、およびCelesta Capitalがいる。

TechCrunchはKaterraにコメントを求めている。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nob Takahashi / facebook

サステナビリティに配慮しながら赤ちゃんにも優しいKudosのコットン製使い捨ておむつ

子育て経験のある人なら、使い捨ておむつの驚くほど狭い世界をよくご存知だろう。救いの手がやってくるかもしれない。

Kudos(クドース)は、使い捨ておむつをサステナビリティに配慮して再発明しようとするスタートアップだ。米国時間6月1日、240万ドル(約2億6000万円)のシードラウンドを完了した。出資者はFoundation Capital、XFund、PJC,Precursor Ventures、Liquid 2 Ventures、SV Angel、Underscore VC、Alpha Bridge Ventures、April Underwoodなどとなる。

共同ファウンダーでCEOのAmrita Saigal(アムリタ・サイガル)氏はKudosについて、Cotton Inc.の Cotton Naturalマークを取得した最初で唯一の赤ちゃん用使い捨ておむつだと説明した。赤ん坊の肌に触れるのがプラスチックではなく綿100%だからだ。また、現状の大手ブランド使い捨ておむつと比べて、植物由来材料を4倍多く使っている。

使い捨ておむつは多くの層で構成されている。Huggies(ハギーズ)、Pampers(パンパース)などの標準的紙おむつには、石油化学製品、ポリエステルなどの繊維をはじめ多くのプラスチックが使われている。事実、ある柔らかく感じている使い捨ておむつのトップシート(赤ちゃんの肌にふれる部分)も、ほとんどがプラスチックで作られている。

Kudosはその代わりにオーガニックコットンを使う。グリーンな材料を使うことに注力して、おむつの吸収部分には森林協議協会を通じて収穫された完全脱塩素の綿毛パルプを使っている。

それだけではない。性能はおむつの材料と同じく重要だとセイガル氏は説明し、多くの親たちは環境に優しい製品を使うことは性能を犠牲にすることだと思っている、と語った。親たちは自分の赤ん坊のための製品に関して、自分自身のためよりもずっと高い基準を持っている、と彼女は説明した。

「女性用ケア商品のことを考える時、私は環境に優しい製品を選ぶことがありますが、少々性能が落ちるのが苦痛であっても自分のことなので我慢できます」とセイガル氏はいう。「しかし親として、もし子どもに発疹ができれば自分の生活と睡眠に影響します。紙おむつに関して、親はサステナブルな製品に対して(自分のものと)同じ余裕を持てません」。

読者は気になっているかもしれない、私と同じく、この種の製品の防御力について。大手企業がもっとサステナブルなコットン製おむつを開発するのをどうやって止められるのか。

セイガル氏によると、大手ブランドはプラスチックからコットンに切り替えるために生産プロセス全体を見直す必要がある。実はセイガル氏はP&G(ピーアンドジー)で働いていたことがあり、KudosのおむつエンジニアリングアドバイザーであるJim Keighley(ジム・キーリー)氏(P&G時代の上司)ともそこで出会った。

キーリー氏は声明文で次のように語った。

大手ブランドは接着機械を完全に作り直す必要があります。どの会社でも使っている圧着技術はプラスチック由来の材料にしか使えないからです。それには多大な時間と予算の投資が必要で、市場のリーダーとして現行製品を製造している柔軟性を損なうことにもなります。

KudosはD2C(消費者に直接販売)サブスクリプションモデルを採用しており、赤ちゃんの身長、体重の変化に応じたサイズのボックスが月額78ドル(約8550円)で送られてくる。好みのボックス(3~5日分)を14ドル(約1530円)で単体購入することもできる。

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タグ:Kudos育児子どもサステナビリティコットンサブスクリプション資金調達

画像クレジット:Kudos

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(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】スタートアップの株式報酬を透明化するために米証券取引委員会はもっと努力するべきだ

編集注:本稿の著者Yifat Aran(イファット・アラン)博士はイスラエル工科大学の客員研究員で、ハイファ大学法学部の次期助教授。スタンフォード大学ロースクールでJSDを取得したが、そこではシリコンバレーのスタートアップにおける株式報酬に焦点を当てた論文を書いている。

ーーー

あなたが夢見ていた会社に就職が決まったとしよう。契約の交渉を始め、1つのことを除けばすべてが順調に進んでいる。その1つとは、その雇用主はあなたの給料が何の通貨で支払われるのかを明言しないことだ。米ドルかユーロか、あるいは日本円かもしれないが、あなたはとりあえず大丈夫だと信じ、正当な報酬が払われることを願うことになる。不条理に聞こえるかもしれないが、これが現在のスタートアップ企業の株式報酬市場の仕組みだ。

典型的なシナリオは、雇用主がオファーレターの一部としていくつかのストックオプションや譲渡制限付き株式ユニット(RSU)を提供するが、会社の総株式数については言及しないというものである。この情報がなければ、従業員は自分が付与された株式が0.1%なのか、0.01%なのか、あるいはその他の割合なのかを知ることができない。従業員はこの情報の提供を求めることができるが、雇用主には提供する義務がないため、多くのスタートアップ企業では提供していない。

しかし、それだけではない。適切な情報開示がなされていないため、従業員は、スタートアップ企業の評価情報の中でも最も重要な形式である、会社の資本政策表や残余財産分配優先権総額(会社が売却された場合に、従業員が支払いを受ける前に投資家に支払われる金額を決定するもの)をまったく知らないのだ。従業員はベンチャーキャピタルによる資金調達の負債性を考慮していないため、自分が付与された株式の価値を過大評価する傾向がある。これは、特にユニコーン企業の従業員に関係している。なぜなら、後期の資金調達でよく見られるタイプの条件は、会社の普通株式の価値に劇的な、そしてしばしば誤解を招くような影響を与えるからだ。

この問題を解決するために、規制当局は何をしてきたか?あまり多くのことはしていない。現行の規制では、大半のスタートアップ企業は、オプションプランのコピー以外の情報を従業員に提供することを免除されている。ただし、1年間に1000万ドル(約10億8885万円)以上の有価証券を従業員に発行するスタートアップ企業のごく一部は、最新の財務諸表(2年分の連結貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー、株主資本等変動計算書)を含む追加情報の提供が義務付けられている。これらの開示には、スタートアップ企業の機密情報が含まれている可能性が高いが、従業員が答えを求める評価の問題にはほとんど関係がない。会社の直近の公正な市場評価と、さまざまなエグジットシナリオにおける従業員の予想支払額の説明があれば、はるかに有益な情報を伝えることができるはずだ。

現行の規制の問題点は、単に従業員への情報提供が多すぎる、あるいは少なすぎるということではなく、その両方であり、それ以上の話なのだ。Johnny Mathis(ジョニー・マティス)とDeniece Williams(デニース・ウィリアムス)の歌の歌詞にあるように「多すぎ、少なすぎ、遅すぎ」なのである。この規制が義務づけるのは、あまりに多くの無関係で潜在的に有害な情報の開示と、あまりに少ない重要な情報の開示であり、情報は従業員が効率的に意思決定できない時期(従業員が会社に入社してから)に開示されている。

このような状況は、従業員自身にとってだけでなく、ハイテク産業の労働市場全体にとっても不健全である。人材は、あらゆる規模の企業が依存する希少資源だ。情報が不足していると、競争が妨げられ、従業員がより良い有望な機会を得るのが遅くなる。長い目で見れば、従業員の情報面での不利益は、エクイティインセンティブの価値を低下させ、スタートアップ企業にとっての人材獲得競争がますます厳しいものとなるのだ。

Columbia Business Law Review(コロンビアビジネス法レビュー)に掲載した記事「Making Disclosure Work for Startup Employees(スタートアップ企業の従業員のための情報開示)」で、私はこれらの問題は比較的簡単に解決できると主張した。100人以上の従業員に株式クラス(クラスは問わない)のうちの10%以上を発行するスタートアップ企業に対しては、エグジットのウォーターフォール分析に従って従業員の個別の支払いを開示することを義務付けるべきである。

ウォーターフォール分析は、キャッシュフロー分配の取り決めの内訳を説明するものだ。スタートアップ企業の資金調達の場合、この分析では、企業の株式が売却されたと仮定して、その収益を、普通株主が最終的に残余請求権(存在する場合)を受け取るまで、それぞれの清算優先順位に従って異なる持分クラスの株式に「滝」のように配分する。モデルに含まれる情報は非常に複雑だが、結果はそれほど複雑ではない。ウォーターフォールモデルでは、X軸に記入された各可能性のある「エグジット評価」に対して、従業員の個別の「支払い」がY軸に示されたグラフを作成することができる。この作成は資本政策表管理プラットフォームを使えば、マウスを数回クリックするだけで簡単にできる。

このように視覚的に表現することで、従業員は、背景にある数学や法律の専門用語がわからなくても、さまざまな範囲のエグジットの価値においてどれだけの利益を得ることができるかを理解することができる。このような情報があれば、従業員はルール701で義務づけられている従来の形式の開示を必要とせず、スタートアップ企業は財務諸表に含まれる情報が悪人の手に渡るリスクの心配をしなくて済む。重要なのは、従業員はエクイティ型報酬を含む仕事の機会を受け入れるかどうかを選択する前に、オファーレターの一部としてこの情報を受け取るべきだということだ。

2021年の初め、SEC(米証券取引委員会)はルール701の改訂案を発表した。この提案には多くの進歩が見られ、財務諸表の開示に代わるものも導入されている。従業員に1000万ドル(約10億8885万円)以上の有価証券を発行するスタートアップ企業に対しては、財務諸表の開示か、有価証券の公正な市場価値に関する独立した評価報告書の提供のどちらかを選択できるようにしている。本案によると、後者は、内国歳入法第409A条に基づく規則や規定に従っている独立した評価によって決定される必要がある。

これは正しい方向へ進む第一歩だ。公正な市場評価は、会社の財務諸表よりも従業員にとってはるかに有用なのだ。しかし、409A評価の開示はそれだけでは十分ではない。409A評価が非常に不正確であることは、シリコンバレーではよく知られていることだ。鑑定企業は依頼者である企業との長期的なビジネス関係を維持したいと考えており、また、評価は経営陣から提供された情報に基づくものであり、取締役会の承認が必要であることから、スタートアップ企業は評価結果をほぼ完全にコントロールすることができる。したがって、企業の409A評価は、結果を出すために使用されたウォーターフォール分析が含まれている場合にのみ、情報的な価値を持つ。さらに、SECの提案では、大多数のスタートアップ企業は(1000万ドル、約10億8885万円という基準を回避しさえすれば)意味のある情報開示を行わずに株式交付を行うことが可能だ。

30年以上にわたり、SECはスタートアップ企業の株式報酬の規制をほぼ完全に緩和し、人材獲得競争において株式に依存するスタートアップ企業のニーズの高まりに対応してきた。しかしSECは、雇用の仕組みの相手側、つまり株式報酬の価値に関する情報を求める従業員のニーズには、これまでも、そして今も、ほとんど注意を払っていない。今こそ、投資家としての立場にある従業員の保護を、証券規制体制の下で再検討する時期に来ているのではないだろうか。

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(文:Yifat Aran、翻訳:Dragonfly)

コロナ禍でむしろ育ち盛りの「インドア農業」Boweryがセレブの支援あり約326億円調達

ニューヨークを拠点とする垂直農法のスタートアップBowery Farmingは米国時間5月25日、3億ドル(約326億円)のシリーズC調達を発表した。このラウンドにより同社の資金調達総額は4億7200万ドル(約513億円)を超え、同社の企業価値は23億ドル(約2502億)となる。

Fidelity Management & Research Companyがこの大規模なラウンドをリードし、既存投資家であるGV(旧Google Ventures)、General Catalyst、GGV Capital、Temasek(テマセク)、Groupe Artémis(アルテミスグループ)が参加した。AmploとGaingelsも参加し、それに加えて、レーシングドライバーのLewis Hamilton(ルイス・ハミルトン)氏、バスケットボール選手でNBA選手会会長のChris Paul(クリス・ポール)氏、女優・映画監督のNatalie Portman(ナタリー・ポートマン)氏、有名シェフレストラン経営者のJosé Andrés(ホセ・アンドレ)氏、シンガーソングライター・俳優のJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏など、セレブ個人投資家も参加した。

今回の資金調達は、Boweryが2020年1月以降、750%の稼働率向上を謳うなど、実世界での目覚ましい成長を遂げていることを受けたものだ。同社はパンデミックに影響されるどころか、むしろ力強く育っているように見える。現在、同社の垂直農法による農産物は、Albertsons(Safeway、Acmeを含む)、Giant Food、Walmart(ウォルマート)、Whole Foods(ホールフーズ)などの大手チェーンを含む850の食料品店で販売されている。

画像クレジット:Bowery Farming

また2020年のパンデミックにともなう店舗シャットダウンの際には、Amazon Fresh(アマゾンフレッシュ)も必要不可欠となったeコマースでのフットプリントを拡大するのに大きく貢献した。

CEOのIrving Fain(アービング・フェイン)氏は、プレスリリースで次のように述べた。「Fidelityをはじめとする新たな投資家からの資金投入、および長期的な投資家パートナーからの追加支援は、現在の農業システムに対する新たなソリューションの重要なニーズと、当社のミッションを支援することで得られる大きな経済的機会を認めていただいたものです。今回の資金調達は、当社の継続的な事業拡大だけでなく、ビジネスの中核をなす独自技術の継続的な開発や、目の前にあるますます重要な機会に向けて迅速かつ効率的に事業をスケールしていく能力の向上にもつながります」。

画像クレジット:Bowery Farming

同社によると、この巨額の資金は、米国内の新たな場所にインドア(屋内)農場を拡大するとともに、従業員の増員や研究開発への投資に充てられるとのこと。前者にはペンシルバニア州ベツレヘムの工業地帯にある新しいサイトが含まれており、これまでで最大の規模になるという。

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タグ:Bowery農業垂直農業資金調達

画像クレジット:Bowery Farming

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

【インタビュー】恵まれない環境にいる起業家へのCompass創業者の助言、「成功したいのならプランBを用意してはいけない

CEO兼ファウンダーのロバート・レフキン氏(画像クレジット:Compass)

不動産テック企業であるCompass(コンパス)が2021年4月、新規株式公開に踏み切り数十億ドル(数千億円)の評価を受けた。

その際、TechCrunchのシニアエディターAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)は創業者兼CEOのRobert Reffkin(ロバート・レフキン)氏を取材し、テクノロジー市場が荒れ狂う最中でのデビューについて話を聞いている。

そして、筆者はそれとはまったく異なるトピックについてレフキン氏を取材した。ホームレスとして亡くなった父親を持ち、家族に縁を切られたシングルマザーの母親に育てられた同氏が起業家になるまでの道のりについてである。レフキン氏は一般の人とは異なる背景を持つ人々に希望を与えるということに情熱を注いでおり、それに関するも出版している。

この会話の中でレフキン氏は、同氏の考える成功の秘訣の他、若い起業家、特に恵まれない環境にいる起業家へのアドバイスなどを話してくれた。

このインタビューはわかりやすくするために編集されている。

TC:私の息子は今ティーネイジャーですでにビジネスを始めようとしているので、あなたがその歳の頃DJをしていたと聞いてとても興味深く感じています。最終的に何がきっかけで学校に関心を持つようになり、どうやって短期間で卒業することができたのでしょうか?

レフキン氏:あなたの息子さんは正しい道を歩んでいるようですね。起業家同氏として、私からの励ましの言葉を伝えておいてください。

母によると、私がDJビジネスを始めるのを許可したことで他の親から頭がおかしいと思われたそうです。しかし高校時代にDJビジネスで成功できたことで、自分自身と起業に対する情熱について知ることができました。それが最終的には自己紹介書に反映され、入学審査チームの数人との関係の形成につながり、コロンビア大学に合格することができました。

常に大きな夢を見るということが初めの一歩だと思っています。私の場合はニューヨークへの旅行がきっかけでした。その際にコロンビア大学を見学してすっかり気に入ってしまったのです。入学が難しいというのは分かっていましたし、実際、高校のカウンセラーには「出願料を払うだけ無駄だから応募するな」と言われました。その瞬間、コロンビア大学に行きたいという気持ちが、単に強い想いから絶対的なものに変わりました。学校そのものに魅力を感じたというだけではなく、私のような人間がチャンスを得るために戦うということに、より大きな意味があるように感じたからです。私の平均成績はCだったのですが、トップ大学についていくために必要な能力があることを示すためSATの準備に力を注ぎました。そしてありがたいことに、それが功を奏したのです。

高校や大学では、微積分や西洋文明を学ぶことが自分の人生や夢にどう関係するのか理解できなかったということもあり、成績では常にCをとっていました。学校で優秀な成績を収めても、世界で自分を際立たせることはできないと思ったのです。その一方で、起業家としての活動や夏のインターンシップでエネルギーを得ていました。現実の世界の方がはるかに理に適っていると感じたため、学校を卒業して本当の人生を始めるためにできる限り早く行動しました。

TC:恵まれない環境にいるシングルマザーに育てられたことが、男性として、また起業家としてのあなたをどう形成したと思いますか?また有色人種であることが自分の道にどのような影響を与えたと思いますか?

レフキン氏:子どもの頃は私と母だけでした。母はイスラエルからの移民で、私が黒人のために両親から勘当されていました。父は私たちを捨て、私が幼い頃にホームレスとして亡くなりました。私が起業家になったのには母が教えてくれたことが一番大きく影響しています。母が起業家精神を体現し「打ちのめされても必ず情熱を持って立ち直ること」という最も重要な原則の1つを教えてくれたのです。母は、男との悪縁、破産、営業の仕事からくる日々の拒絶などに直面しても、必ず立ち直ってきました。そのため、私には決して達成できないと誰かに言われても、そういう言葉に直面する準備ができていたのです。私は母のおかげで立ち直る方法を知っていたのです。

CEOのロバート・レフキン氏と彼の母親(画像クレジット:Ruth / Compass)

黒人でユダヤ人の私は、常に居場所がないと感じていました。高校や大学のほとんどのクラスで私は唯一の黒人でしたし、就職して間もない頃ほぼすべての会議において黒人は私1人でした。Compassのために資金調達をしていたときも、机の反対側に黒人がいるのを見たことはほとんどありません。しかし幸運なことに、今は亡きVernon Jordan(バーノン・ジョーダン)氏や、アメリカン・エキスプレスの元CEOであるKen Chenault(ケン・シェノルト)氏、ゴールドマン・サックスのリードディレクターであるBayo Ogunlesi(アデバヨ・オグンレシ)氏など、多くの黒人のメンターからすばらしいアドバイスを得ることができました。本当に強力なコミュニティがあり、皆がお互いに支え合っています。

TC:これまでにすばらしいメンターと出会ってきたようですが、こういった関係はどのようにして発展したのでしょうか?また、これらの関係性がどのように役立っていますか?

レフキン氏:子どもの頃、私は常に誰かのアドバイスを求めていました。片親家庭で育った私は、より良い生活を送るための助言や知恵をいつも探していたのです。高校生のとき母が非営利団体を紹介してくれたおかげで、世界にはどれほど多くの機会と支援があるかを知りとても驚きました。

私が人生で学んだ最も重要な教訓は、人からのフィードバックは贈り物であるということです。たとえ耳が痛いようなことであってもフィードバックは贈り物なのです。多くのメンターとの関係が深まったのは、他人は教えてくれないだろうと思うような、本当に厳しい率直な意見を私が求め始めたからです。そしてそのアドバイスを実際に受け入れて自分の人生に活かし、それがどのように役立ったかを伝えるようにしました。これをすることで2つの効果がありました。1つ目は、より正直で実用的なアドバイスが得られるようになり、より早く向上できるようになったこと。2つ目は、アドバイスをくれた人たちが私の成功や私が取り組んでいることの成功に、より大きな関心を寄せてくれるようになったことです。

メンターたちが与えてくれたもう1つのことは、世間からは成功できないと言われていても、私は成功できるのだという感覚でした。社長やCEOにアドバイスをしてきたバーノン・ジョーダン氏のような人に出会えたことが、私に大きな影響を与えてくれました。彼は私にとって父親のような存在でした。彼と出会ったのは私が23歳のときでしたが、当時の私には黒人がビジネスの世界で成功できるという実例を見たことがなかったため、よく理解できていませんでした。私がLazard(ラザード)に入社したとき、黒人の投資銀行家はジョーダン氏だけでした。彼はシニアパートナーというだけではなく、フォーチュン500の企業で取締役を歴代最多で務めたことで広く知られる伝説的な人物でした。彼は私に強い関心を寄せ、サポートやアドバイスをしてくれました。そして私に自分の居場所を感じさせてくれ、自分が望むような成功を収める道を示してくれたのです。

私は20代のときにAmerica Needs You(アメリカ・ニーズ・ユー)という非営利団体を設立し、何千人もの学生にメンターシップ、キャリア開発、大学進学支援を行ってきました。私の新刊「No One Succeeds Alone」は、私が多くのすばらしい人々から学んだ教訓を、すべての人に提供することで恩返しをするために書きました。私が収益のすべてを、若者が夢を実現するのをサポートする非営利団体に寄付しているのはそのためです。

TC:起業を志す若い人たち、特に恵まれない環境にいる人たちにアドバイスをお願いします。

レフキン氏:大学を卒業したばかりで最初の仕事に就いている、過小評価されているグループの人へのアドバイスは次のとおりです。

1)社会にも、同僚にも、そして自分自身にも、誰にも自分の夢を邪魔させないことです。誰かにスピードを落とせと言われても、スピードを上げたら良いのです。

2)これからの10年間、できる限り賢い人たちからできるだけ多くのことを学んでください。他の人がくれないような率直なフィードバックをくれるメンターを仕事や仕事の外で見つけてください。フィードバックは贈り物です。聞くのが怖いかもしれませんが、相手があなたにフィードバックいうのは、実はもっと難しいことなのです。だから率直にお願いして、自分がそれを受け止められることを知ってもらう必要があるかもしれません。

3)ネガティブな状況を、自分を奮い立たせるようなポジティブなエネルギーに変える方法を学んでください。あなたには無理だとか、あなたのいる場所じゃないなどと懐疑的なことや嫌味をいう人は必ずどこにでもいるものです。

TC:Compassの今後の動きを教えてください。

レフキン氏:真の成功をつかむためには、プランBを用意してはならないと信じています。CEOとして、Compassの2万3000人のエージェントと従業員のために100%尽くす必要があるのです。私のメンターの1人がかつて「シャワーテスト」という言葉を教えてくれました。シャワーを浴びているときに仕事のことをワクワクしながら考えていないようなら、その仕事はすべきでないという意味です。うれしいことに、私は自分たちが作り上げているこの会社にとても大きな情熱を持っているので、今でもシャワーを浴びながらCompassのことを考えています。弊社はこの8年間で多くのことを成し遂げてきましたが、本当の意味でのスタート地点に、まだ立ったばかりなのです。

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タグ:Compass不動産インタビュー

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

インド通信省が5G試験を承認、中国企業は含まれず

インドの通信省は5月4日、通信サービスプロバイダーに6カ月にわたる5Gテクノロジー試験の実施を許可したと明らかにした。中国を除く複数の国の12以上の企業に承認を与えた。

承認された通信会社にはJio Platforms、Airtel、Vodafone Idea、MTNLが含まれる。これらの企業は元々の設備メーカーやテックプロバイダーのEricsson、Nokia、Samsung、C-Dotと協業する、と通信省は述べた。加えてJio Platformsは自社開発のテクノロジーを使っての試験実施も認められた。

プレスリリースで通信省は中国について特に言及はしなかったが、この件に詳しい人物は中国大手企業HuaweiとZTEは承認を与えられなかったと明らかにした。

同省は、インドの優先順位とテクノロジーパートナーを選んだ通信サービスプロバイダーに承認を与えた、と述べた。実験スペクトルはミッドバンド(3.2〜3.67GHz)、ミリ波帯(24.25〜28.5GHz)、サブGHz帯(700GHz)などさまざまな周波数帯域が与えられている。プロバイダーはまた、5Gの実験を行うのに自社が所有する既存のスペクトル(800MHz、900MHz、1800MHz、2500MHz)を使うことも認められる。

「承認のレターには、5Gテクノロジーの恩恵が都市部だけでなく国中に行き渡るよう、各通信サービスプロバイダーが都市部に加えて過疎地や準都市部でも実験を行わなければならないと明記されています。通信サービスプロバイダーはすでに知られている5Gテクノロジーに加えて、5Giテクノロジーを使った試験も行うことが推奨されています」と通信省は声明で述べた。

「5G実験実施の目的には、特にインドの状況を踏まえた5Gスペクトル伝搬の特性の試験が含まれます。モデルチューニング、選んだ設備やベンダーの評価、在来技術のテスト、(遠隔診療や通信教育、AR・VR、ドローンベースの農業モニタリングなどの)応用テスト、5Gのスマホやデバイスのテストなどです」。

2020年Airtelは世界の企業と部品で協業するという考えにオープンだと述べた。「過去10〜12年、Huaweiのプロダクトは少なくとも当社が使ってきた3G、4Gにおいては、EricssonやNokiaよりも大いに優れていると私が自信を持って言えるところにまできました。当社はこれら3社すべてのプロダクトを使っています」とAirtelの創業者であるSunil Mittal(スニル・ミタル)氏は2020年の会議で述べた。同じパネルで、米商務長官Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏はインドや他の同盟国にHuaweiを避けるよう促した。

インドと中国の間では2020年、国境での小競り合いで地政学的緊張が高まった。同年初めに中国企業がインドの企業に投資しにくくなるよう法律を改正したインドはその後、TikTokやUC Browser、PUBG Mobileなど中国企業の200以上のアプリを禁止した。

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

Dellがまた大きなアセットを売却、BoomiをFrancisco PartnersとTPGに約4360億円で譲渡

Dell(デル)が2016年にEMCを巨額で買収した結果、負債の問題を抱えていることは広く知られているが、2021年数十億ドル(数千億円)規模で負債の一部削減に動いているようだ。最初のステップとして2021年4月、VMware(VMウェア)を別会社にスピンアウトした。この動きにより100億ドル(約1兆900億円)近くが削減されると見込まれる。

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米国時間5月2日夜、長く観測があった第2のステップへ踏み出した。Boomi(ブーミー)をプライベートエクイティ2社に40億ドル(約4360億円)で売却すると発表したのだ。TPGによるこの統合プラットフォーム会社の買収にFrancisco Partnersが加勢する。

Boomiは、Salesforceが2018年に65億ドル(約7090億円)で買収したMuleSoftと似たような会社だが、歴史は少し長い。どちらも異種システム間を接続し、統合の問題を抱える企業を支援する。Dellが何年にもわたるさまざまな買収で得た多数の会社を統合し機能させるためには非常に有用な資産のように見えるが、その必要性にキャッシュが勝った。

企業がサイロ化したシステムに閉じ込められたデータをより有効に活用する方法を模索する中、統合サービスの提供がますます必要とされている。Franciscoの幹部によると、Boomiがその役割を果たせる可能性があり、それが買収の主な理由の1つだ。

「アプリケーションとドメインのどんな組み合わせに対してもデータとワークフローを統合・接続できることはビジネスにおいて重要な機能です。あらゆる規模の企業がデータを最も価値のある資産に変えようとするとき、Boomiはその支援ができるポジションに位置していると確信しています」と、FranciscoのCEOであるDipanjan Deb(ディパンジャン・デブ)氏とパートナーのBrian Decker(ブライアン・デッカー)氏は声明で述べた。

ご想像のとおり、BoomiのCEOであるChris McNabb(クリス・マクナブ)氏は、新しい上司が同社の成長をどのように促進するかについて、前向きな姿勢を示した。「Francisco PartnersとTPGという一流の投資会社2社と提携することで、顧客がデータを使用して競争上の優位性を推進する能力を加速させることができます。これからの成長フェーズでBoomiは、顧客にさらに多くの価値を提供しながら、イノベーションと市場をさらに前進させる強みを持つポジションに立ちます」とマクナブ氏は声明で述べた。

上記のすべてはある程度真実なのかもしれないが、同社はまとまりのない大規模企業から離れ、プライベートエクイティ2社という機械装置に吸収される。この先どうなるのかは予測し難い。

Boomiは2000年に設立され、2010年にDellに売却された。現在1万5000人の顧客を抱えるが、Dellの負債については詳しく報じられている。Dellが最近実施したような数十億ドル(数千億円)の取引をつなぎ合わせてみれば、即座にカネの話になる。同社はVMwareの発表のときのように、この取引から得るキャッシュを負債の返済に充てるとは表明していないが、もちろん同じことが起こるはずだ。

買収取引は2021年後半に完了する予定だが、その前に通常要求される規制当局の審査を通る必要がある。

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画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがアフリカで4万人の開発者に奨学金を提供

Google(グーグル)は米国時間4月29日、アフリカで新たに4万人の開発者に奨学金を提供すると発表した。同社は技術系人材企業であるPluralsight(プルラサイト)およびAndela(アンデラ)と提携し、モバイルおよびクラウド開発分野の開発者を対象とした奨学金を提供する。

Googleの発表によると、同社はトレーニング終了時に上位1000人の学生(初級および中級の開発者)に全額の奨学金(とAndroidおよびクラウド開発者資格)を与えるとのことだ。

バーチャルイベントで行われた今回の発表は、Googleアフリカのブログ記事でも詳しく紹介されている。同社はアフリカのテクノロジー分野のエコシステムにおける主要な関係者を招き「インターネット経済全体で展開されている機会を検討し、この地域の開発者やスタートアップの支援に特別な注目を向けることにしました」と述べている。

Googleは開発者にチャンスを与えるとともに、アフリカのスタートアップ企業を対象としたアクセラレータプログラムの継続も発表。このGoogle for Startups Accelerator(グーグル・フォー・スタートアップス・アクセラレータ)プログラムは、2021年で6回目のコホートを迎えることになる。3カ月間のプログラムは6月21日に開始される予定で、応募受付は5月14日まで。今回のコホートも前回と同じく、バーチャルな環境でプログラムに参加することになる。

「2020年、新型コロナウイルスの流行を受けて、Google for Startups Accelerator Africaで初のバーチャルクラスが始まりました。これは初めてすべてがオンラインで行われたGoogleのアフリカ向けアクセラレータプログラムで、7カ国から集まった20社のスタートアップ企業が、メンタリングやワークショップを受けながら、自社のサービスを再定義する12週間のバーチャルな参加期間を終えました」と、Google for Startups Accelerator Africaの責任者であるOnajite Emerhor(オナジャイト・エマーホール)氏は、声明の中で述べている。「2021年の第6期生では、アフリカのテクノロジー系エコシステムの中で開発者やスタートアップを支援し、彼らが成長し続けるために必要なあらゆるアクセスとサポートを提供することで、引き続き当社の役割を果たしていきたいと考えています」。

以前はGoogle Launchpad Accelerator(グーグル・ローンチパッド・アクセラレータ)として知られていたGoogle for Startups Accelerator Africaは、アフリカの17カ国で最大50社のスタートアップを支援してきた。2020年には、ナイジェリアから8社、ケニアから6社、南アフリカから2社、ガーナ、チュニジア、エチオピア、ジンバブエから各1社、合計20社のスタートアップ企業が選ばれてプログラムに参加。今回の第6期生には、エジプト、セネガル、タンザニア、ウガンダなど、さらに多くの国からスタートアップ企業を選出する予定だ。

「起業家精神の成長は、特にアフリカという環境において非常に重要です。アフリカの開発者やスタートアップ企業は、アフリカ経済の変革に重要な役割を果たし、新たな機会を作り出して、私たちが望むアフリカ大陸の経済的・社会的発展への道を切り開きます。私たちは、アフリカのデジタル分野における並外れた可能性を認識しており、だからこそ、Googleはアフリカのスタートアップ企業にこのような重要な支援を提供することに力を注いでいます」と、Googleサブサハラアフリカ・アフリカのマネージングディレクターを務めるNitin Gajria氏は語っている。

開発者コミュニティは、アフリカにおけるGoogleの事業展開で、依然として最も重要な要素の1つだ。同社は現在、サブサハラ・アフリカの25カ国で120以上のコミュニティを運営している。発表されたばかりの奨学金プログラムの他、Google Developer Groups(グーグル・ディベロッパー・グループス)、Developer Student Club(ディベロッパー・ステューデント・クラブ)などのコミュニティに加え、ナイジェリアにはGoogle Developers Space(グーグル・ディベロッパー・スペース)を開設し、開発者と起業家や投資家が交流する場を提供している。

カテゴリー:その他
タグ:Googleアフリカ

画像クレジット:Google Africa

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

インドの小規模小売店の運転資金や在庫を支えるElasticRunが約80億円調達

インドの小規模小売12万5000店超が運転資金やトップブランドからの在庫を確保したり、売り上げを伸ばすためのeコマース会社と協業をサポートするスタートアップElasticRunが、現地時間4月28日、世界2番目のインターネットマーケットである同国でさらにリーチを伸ばすために新たに資金調達したと発表した。

インド・プネー拠点のElasticRun(イラスティックラン)は、既存投資家のAvataar VenturesとProsus Venturesが共同でリードしたシリーズDラウンドで7500万ドル(約80億円)を調達したと明らかにした。同じく既存投資家のKalaari Capitalも本ラウンドに参加し、創業4年になるElasticRunがこれまでに調達した資金は累計1億3050万ドル(約140億円)になった。インドの大都市や小都市、町、村に点在し、eコマース大手やスーパーチェーン小売業者と競合するのは難しいことがわかっている何百万もの小規模小売店は、同国における新しい取り組みの中心にある。

多くのeコマース企業、実在店舗チェーン、フィンテックスタートアップが巨大な未開拓の機会に目を向け、こうした家族経営の小規模店と先を争って協業しようとしている。

2019年の会議で事業について話すElasticRunの共同創業者でCEOのSandeep Deshmukh(サンディープ・デシムク)氏

ElasticRunは、在庫確保のために1カ月に数日は大きな街に足を運ばなければならないというのが典型的な小売店経営者が、信頼でき、そして手頃な価格の商品を大手ブランドから直接入手するのをサポートしている(リーチを大きく広げられるため大手ブランドはこのサポートを気に入っている)。

こうした小売店のオーナーはまた、商売が低調なときは特に何もせずに何時間も過ごす。ElasticRunはこの労働力を顧客への配達に有効利用するためにAmazonやFlipkartなどを含む最大のeコマース会社と提携することで、この空き時間問題も解決している(eコマース会社はこの取り組みに価値を見出している。というのも、小規模店はインドでは大きな存在であり、顧客にすばやくアクセスでき、往々にして独自の在庫を持っているからだ)。

Prosus Venturesのインド投資責任者Ashutosh Sharma(アシュトシュ・シャルマ)氏は、ElasticRunが可変容量でクラウドソースの配達モデルを構築したとTechCrunchに語った。このモデルは、配達するのに給料を支払う人の数を固定している他のプレイヤーとElasticRunが異なる点だ。ElasticRunがレールを敷き、数多くの新たな機会が出てきたとシャルマ氏は話した。

そうした機会の1つが、運転資本を小規模小売店に提供することだ。小売店の経営者は多くの場合、貯蓄がなく、在庫を補充する資金を確保するために既存の在庫を売る必要がある。ElasticRunは近年、こうした小売業者にクレジットを提供するために銀行やノンバンク金融会社と提携を結んできた。

ElasticRunは現在インドのほぼ全州の300超の都市で事業を展開している。12万5000店超と協業し、今後18〜24カ月で100万店へと拡大する計画だ、と共同創業者で最高テクノロジー責任者のShitiz Bansal(シティズ・バンサル)氏はTechCrunchとのインタビューで述べた。

ElasticRunの現在のランレートは約3億5000万ドル(約380億円)で、この数字は今後12カ月で10億ドル(約1090億円)に成長する見込みだとバンサル氏は話した。

共同創業者で最高執行責任者のSaurabh Nigam(サウラブ・ニガム)氏は、新たな資金調達で過去5年にわたる同社の成長の「有形便益」に初期の従業員がアクセスできるようにした、と述べた。

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

TechCrunch Japanのスタートアップコミュニティ「TC HUB」がStartPassと連携、メンバーに対して定期コンテンツ提供へ

僕たちTechCrunch Japanが運営するスタートアップコミュニティ「TC HUB」に新たなパートナーが加わったので紹介する。オンライン起業プラットフォームの「StartPass」を運営するStartPointだ。

今回のパートナーシップの詳細を説明する前に、まずはStartPassの説明をしよう。StartPassは有料のオンライン起業プラットフォームだ。同サービスでは、利用者である起業家が国内主要45社以上のキャピタリストや弁護士などの専門家とダイレクトに繋がれるほか、パートナーから提供された各種特典、週に1回程度の起業家向けのウェビナーなどを通して幅広い層の起業家への支援を行っている。

運営会社であるStartPoint代表取締役の⼩原聖誉氏は、みずからもイグジットを経験した起業家だ。同氏は2013年にスマホゲームのマーケティング支援やスマホゲームメディアの「ゲームギフト」を運営するAppBroadCastを設立。2016年4月には同社をKDDIグループのmediba事業を売却した。小原氏はその後、エンジェル投資家として数多くのスタートアップへの投資も経験。その中で感じた「(VCなどに)資本注入を起点にしたハンズオンのスタートアップ支援だけでなく、もっと幅広い層の起業家への支援を実現したい」という想いからStartPassを始めた。

TC HUBとの連携

今回のパートナーシップによりStartPointはTC HUBの「コミュニティパートナー」として参画する。それにより、TC HUBメンバーに対して以下のようなベネフィットを提供できるようになる。

  • TC HUBメンバーは、StartPassが毎週開催するウェビナーに月1回、無料で参加可能
  • StartPassと共同で定期的なウェビナー形式のイベントをTC HUBメンバー限定で開催

また、StartPassの参加メンバーに対してもTechCrunch Japan編集部への簡単なアクセスルートを用意する。

TC HUBでは今後もStartPointをはじめとしたコンテンツパートナーと連携してパートナーシップを広げ、TC HUBコミュニティメンバーに対してさまざまなベネフィットを提供していく予定だ。

定額制ブロードバンドで英国ISPの「反逆者」目指すCuckoo Internetが約6.5億円を調達

英国のブロードバンドプロバイダー市場を破壊することを目指しているCuckoo Internetは、RTP Globalが主導し、JamJar Investmentsが参加した600万ドル(約6億5000万円)の投資調達ラウンドをクローズした。また英国時間4月26日から、価格比較サイト「uSwitch」でサービスを開始する予定だという。

RTP Globalは、YandexやDelivery Hero(デリバリー・ヒーロー)、Datadogを早くから支援してきた。一方のJamJarは、Bulb、Deliveroo、Tails、Oatlyを支援している。その他の個人投資家には、MonzoやStripe(ストライプ)の元幹部らが含まれている。

Cuckooのセールストークは、シンプルなブロードバンドサービスで、単一プランである67Mb/sのファイバー契約を月単位の継続契約で提供し「隠された料金は一切なし」というものだ(2021年4月現在、月額29.99英ポンド / 約4500円)。

Cuckooの創業者兼CEOであるAlexander Fitzgerald(アレクサンダー・フィッツジェラルド)氏は、声明の中で次のように述べた。「ブロードバンド市場は壊れており、消費者は毎日のように搾取されています。2020年、何百万人もの人々が自宅で仕事をするようになったことで、高速で信頼性が高く、かつ手頃な価格のブロードバンドの重要性がより明確になりました。今回の資金調達により、(英国)全国の何万人もの人々のブロードバンドをシンプルにする支援ができることをうれしく思います」。

RTP GlobalのパートナーであるGareth Jefferies(ギャレス・ジェフリーズ)氏は次のように述べている。「消費者向けブロードバンドは、最大の市場の1つでありながら、最もサービスが行き届いていない市場の1つです。消費者は、顧客に不利な価格設定、柔軟性に欠ける契約、わざとらしいほどひどいカスタマーサービスにうんざりしています。保険やエネルギー、銀行で見られたように、差別化された商品パッケージと顧客に対する新たな敬意をもって、既存企業のシェアに食い込んでいこうとするチャレンジャープロバイダーが数多く登場してくるでしょう」。

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タグ:Cuckoo Internet資金調達ブロードバンドイギリス

画像クレジット:Cuckoo

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが米国に5年で46兆円超投資し2万人を新規雇用、ノースカロライナに新社屋

Apple(アップル)は米国4月26日朝、今後5年間で4300億ドル(約46兆4868億円)超を投資するという抜本的な計画を発表した。ここには米国の全50州での「経済的恩恵」が含まれ、同期間に2万人超の雇用を創出するとしている。

計画は2018年に同社が発表したものを拡大しており、元々の3500億ドル(約37兆8343億円)から20%引き上げた。計画の中心となるのは、待望のノースカロライナ社屋の建設だ。機械学習やAIのような新興分野に専従する3000人など、リサーチ・トライアングル首都圏への10億ドル(約1081億円)の投資が含まれる。

「イノベーションは長らくノースカロライナのコーリングカードでした。新しい社屋をリサーチ・トライアングルに建設するというAppleの判断は、ノースカロライナ州の良好なビジネス環境、ワールドクラスの大学、テックのスキルを持った労働者、そして多くの人がノースカロライナをホームと呼びたくなる友好的で多様なコミュニティの重要性を示しています」と州知事は共同声明で述べた。「この発表は州全域のコミュニティに恩恵をもたらします。経済を成長させ続け、 トランスフォーメーショナルな産業と高賃金の仕事をノースカロライナにもってくるために協業することを誇りに思います」。

Appleはまた、ローリー・ダーラム周辺エリアのコミュニティと学校のための1億ドル(約108億円)の基金と、インフラへの1億1000万(約118億円)の支出の概要も示した。

「回復と再建のこのときに、Appleは米国全50州のコミュニティに行き渡らせる長期投資で米国のイノベーションと製造へのコミットメントを倍増させます」とTim Cook(ティム・クック)氏は投資計画のニュースリリースで述べた。「当社は5Gからシリコンエンジニアリング、人工知能に至るまでの最先端分野で雇用を創出し、次の世代のイノベーティブな新規事業に投資します。そして、より環境に優しく公平な未来に向けて取り組みを進めます」。

Appleが拠点を構えるカリフォルニア州、それからコロラド州、テキサス州、ワシントン州、アイオワ州における取り組みの概要も示された。この中ではカリフォルニア州がまず最初に最大の恩恵を受け、サンディエゴのオフィスで5000人超を、カルバーシティで3000人超を新規に雇用する。インディアナ州とケンタッキー州、テキサス州はAppleが2017年に設置した50億ドル(約5405億円)のAdvanced Manufacturing Fundの一環としてすでに雇用を始めている。

今回のニュースの1週間前には、ウィスコンシン州がフラットスクリーンテレビを製造するはずだったFoxconn(フォックスコン)の工場を大幅に縮小する計画を発表した。Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏は大統領時代、クック氏を含むさまざまなテック企業のトップの機嫌を取る一方で、計画されていたFoxconnの工場を「世界8つめの不思議」と呼び、製造を米国に戻す計画の中心に据えていた。

関連記事:トランプ氏が強引に進めたFoxconnのウィスコンシン工場計画が大幅縮小

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タグ:Apple投資アメリカノースカロライナ

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

セレブが教えるオンライン講座MasterClass効果がEdTechに与える意味とは

MasterClassは、セレブが教える講座のサブスクリプションを販売する、エンターテインメントと教育の境界を行く会社だ。Serena Williams(セレーナ・ウィリアムズ)のテニス教室、Gordon Ramsay(ゴードン・ラムゼイ)の料理教室など、バーチャルだが、意欲的な内容だ。講師が直接話しかけてくるという滅多にない可能性もなくはないが(実際に起きたことがある)、基本的にはドキュメンタリースタイルのコンテンツを会員専用ページで提供する。

関連記事:セレブによる特別講座を提供するMasterClassが107億円調達、コンテンツ拡充へ

その構想は注目を集めた。MasterClassは資金調達を実施中であり、評価額は25億ドル(約2690億円)だとAxiosが報じており、TechCrunchも別の情報源から確認した。しかし、MasterClassが芯で捉えたこの成功は、果たして他者が再現できるものなのだろうか。

投資家はまちがいなくそう思っている。MasterClassの共同ファウンダーが設立したOutlier(アウトライアー)は、手頃価格のデジタルカレッジコースのために 3000万ドル(約32億円)のシリーズCを今週完了した。Outlierとそのファウンダーの古巣との類似点は少なくない。この会社は事実上、MasterClassの高品質映像技術を大学教育に応用しようとしている。そしてそれは、チェスの元世界チャンピオンであるGarry Kasparov(ガルリ・カスパロフ)が立ち上げた「チェス愛好家のためのMasterClass」の記事を私が書いてからわずか1週間後のことだった。

関連記事:大学の入門コースをオンラインで提供、単位も取得できるOutlier.orgが32億円調達、コロナ禍で需要増大

MasterClassのコピーが立て続けに2社、数千万ドル(数十億円)のベンチャーキャピタルを集めたことで、私はこのモデルを分野に特化させ、さまざまなニッチに適用できるのではないかと考えるに至った。2020年以来、Zoom Universityの成功を受け、EdTech(教育テック)はもっと魅力的でなくてはならないことがわかってきたが、どうすればよいかは正確なところはわかっていない。嗜好の共通する人たちのためのマイクロラーニングコミュニティを作る?それともゲーミフィケーション?向上のための学習と、単位を取るための学習とでは動機づけが異なる。Outlierが成功するためには、MasterClassのマジックを使って対面授業に匹敵する結果を出せることを大学に証明してみせる必要がある。それはより困難でかつ野心的な約束だ。

私のつたない意見はさておき、私はEdTechのファウンダー2人に、彼らがMasterClassの効果をどう見ているかを尋ね、私の直感を確認するべく話を聞いた。

言語学習のスタートアップ、Toucan(トゥーカン)のファウンダーであるTaylor Nieman(テイラー・ニーマン)氏。

私たちがToucanで活用しているこの「インビジブルラーニング」というテーマに注目するこれらのモデルのやり方は良いと思いますが、人々のとても忙しい日々から時間を奪うという、他の多くの消費者製品と同じ問題を抱えています。継続する時間との競争は、低い参加率と非常に高い脱落率に繋がります。プロダクト自身をまったくといってよいほど使わないでどんな学習結果が得られるのか、私は疑問に思っています。

高校生向けの学習プラットフォームであるFiveable(ファイバブル)のファウンダーAmanda DoAmaral(アマンダ・ドアマラル)氏。

MasterClassが、なぜ教育コンテンツはもっとエンターテインメントのように扱われるべきなのかを表していることは重要です。コンテンツ品質のハードルは以前よりずっど高くなっており、そのことがあらゆる学習に与える影響を見るのが楽しみです。

生徒のためには、彼らを総合的に支援する環境を作り、自由に共同作業出来る場所を与えることが重要です。若者たちにそういう場所が必要なことは明白ですが、学生が本当に必要としているのが何かを私たちは見失っていました。私の学校では、生徒の最悪の事態を想定したポリシーを作りました。これを変えたいのです。最善を想定し、積極的に生徒たちを守り、必要な時に行動を起こせる手段を作ります。

ともあれ、この良き日に考えるべきことがいくつかある。この記事の後半では、資金調達のことからいつかやりたくなるかもしれない求愛行動まで、ファウンダーへの戦術的アドバイスに焦点を当てる。

孔雀のダンス

孔雀のオスがメスの注意を引くためにいつ羽を広げるかはご存知だろう。スタートアップが買収されようとする時はどうだろう。先のEquityでは、Discord(ディスコード)がMicrosoft(マイクロソフト)の買収を断ったニュースを取り上げ、そもそもそんな話が存在したのか、単にこのオーディオゲーミングプラットフォームに対する投資家の関心を高めるためだったのかについて語った。

ポイント:複数の会社からの買収提案を断ったあと、オーディオ・ゲーミングの巨人はIPOを目指している

Discordはだけでなく、統合環境は一部のセクターにとって引き続きホットな話題だ。

関連記事:Discordがマイクロソフトによる買収を固辞、独自に新規株式公開を目指す

画像クレジット:VectorInspiration / Getty Images

ベンチャーキャピタルでさえ、未来はベンチャーキャピタルだけではなくなることを知っている

カナダ・トロント拠点のフィンテックスタートアップで、企業に非希薄的融資を行うClearbanc(クリアバンク)は、企業価値20億ドル(約2154億円)で1億ドル(約108億円)調達し、ブランドを変えた。Cleacoと改名したスタートアップは、単なる資金プロバイダーではなく、サービス・プロバイダーにもなろうとしている。

ポイント:この会社は2020年、プロダクト開発に大忙しで、評価計算機やランウェイ(資金の猶予)ツールなどのサービスを立ち上げた。それはClearbancが当初標榜していた20分の条件規定所や矢継ぎ早の投資からは一歩外れていた。私はいくつかの要因を記事に書いた。

Clearcoの最近のプロダクトの多くはまだ生まれたばかりだが、会社の成否はベンチャーキャピタルに代わる資金源を探しているスタートアップの成長全般にほぼ結びついている。AlgelList(エンジェルリスト)の成長が、新たなファンドマネージャーの成長に結びついているのと同じように、Clearcoの成長はY Combinatorからのシード資金以上の融資を求めるファウンダーの成長と明らかに関連している。

画像クレジット:Iaremenko / Getty Images

チャンスを売り飛ばすな

ファウンダーへの戦術的アドバイスというテーマの続きで、マーケティングについて話そう。Parkin ConsultingのプレジデントであるTim Parkin(ティム・パーキン)氏は、スタートアップのファウンダーが騒がしい環境の中で突出するためのツールとしてマーティングをどう使うかを説明した。差別化はかつてないほど困難であり、かつ不可欠だ。

ポイント:パーキン氏はマーテック(マーケティング技術)が2021年に起こす4つの変化,について、いくつかの逸話とインフルエンサーへの投資の重要性を絡めて概説した。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

TechCrunch周辺

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマゾンが手のひら決済「Amazon Oneスキャナー」をスーパーWhole Foodsに導入

Amazon(アマゾン)は新しい生体認証デバイス「Amazon Oneスキャナー」をWhole Foods店舗に導入する。小売大手Amazonは2021年秋、買い物客が手のひらをスキャンして店舗に入ることができるようにするAmazon Oneスキャナーを発表していた。顧客の手のひらの特徴はAmazonのキャッシュレスストアAmazon Goのような小売店の決済メカニズムに紐づけることができる。Amazon Go店舗では顧客は買い物して従来の精算プロセスを経ることなく店を後にできる。そして今、Whole FoodsでAmazon Oneスキャナーが精算時の決済手法として加わろうとしている。

つまり、顧客は購入の際、現金やクレジットカード、デビットカードで支払う代わりにリーダーに手のひらをかざすことを選択できる。

さしあたって、Amazon OneスキャナーはシアトルのマディソンブロードウェイにあるWhole Foodsの店舗に導入されるが、数カ月内にシアトル広域にあるさらに7つの店舗で展開される計画だとAmazonは話す。シアトルはAmazonが広範に展開する前に新しいテクノロジーを試すテストマーケットとなる。

2020年9月の導入以来、Amazon OneスキャナーはすでにAmazon Go、Amazon Go Grocery、Amazon Books、Amazon 4-star、Amazon Pop UpなどシアトルエリアにあるいくつかのAmazon店舗に導入された。「何千人」もの顧客が手のひらの特徴を登録したと同社は話す。

関連記事:アマゾンが手のひらをかざして入店・決済できるスキャナー「Amazon One」をシアトルの2店舗に導入

Whole Foods店舗への導入では、顧客はキオスク、あるいは参加店舗にあるデバイスでAmazon Oneに申し込むことができる。登録は片方の手のひら、あるいは両手のひらのどちらかを選ぶことができる。スキャナーは独特の手のひらの特徴を登録するのにコンピュータービジョンテクノロジーを使っていて、手のひらの特徴は客がデバイスに挿した決済用クレジットカードに紐づけられる。

異なるロケーションでAmazon Oneに登録した既存客は、サービスを使いたい店舗で再度クレジットカードを挿し込む必要がある、とAmazonは説明した。

加えて、顧客はWhole Foodsでの買い物でPrime会員割引を受けられるようにするために、将来Amazon Oneデバイス経由でAmazon One IDをAmazonアカウントとリンクさせることができる。

「Whole Foods Marketでは顧客のために買い物エクスペリエンスを改善すべく、新しくイノベーティブな方法を常に模索しています」とWhole Foods Marketのテクノロジー担当シニアバイスプレジデント兼テクノロジー最高責任者Arun Rajan(アラン・ラジャン)氏は導入についての声明で述べた。「Amazonと緊密に連携を取りながら、Prime会員割引、オンライングローサリー配達とピックアップ、無料の返品のようなメリットを顧客に提供してきました。決済の選択肢としてAmazon Oneを今日から加えることをうれしく思います。シアトルのマディソンブロードウェイの店舗にまず導入し、この決済手法を今後他店舗でも展開しながら顧客の意見を聞くのを楽しみにしています」と付け加えた。

もちろん、Amazonの生体テクノロジーでの追跡記録を考えると、デバイスには懸念もつきまとう。同社は生体顔認証サービスを米国の法執行機関に販売した。顔認証テクノロジーはデータプライバシー訴訟の対象だった。そしてRingカメラ会社は引き続き警察と提携している。またAlexaの音声録音を削除するというオプションを顧客は持たず、音声録音は無期限に保存されていることも明らかになった(Amazonは後にそれを変更した。そして公平のためにいうと、GoogleAppleも顧客の音声データを誤って取り扱っていた)。

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ちょうど4月20日、Amazonはロンドンエリアの美容室で別の小売とARテクノロジーをテストすることを発表した。このテストには顧客のイメージをとらえるカメラが含まれる。「顧客のデータ」の保持はしないと述べたが、美容室で集められる非パーソナルデータについての質問には答えなかった。

4月21日の発表の中で、AmazonはAmazon Oneデバイスが「複数のセキュリティコントロールによって守られていて、手のひらの画像はAmazon Oneデバイスに保存されることは決してない」と説明している。画像は暗号化されて、Amazonが顧客の手のひらの特性を作るクラウドのAmazon One専用の安全なエリアに送られる、とも話している。同社はまた、デバイスあるいはone.amazon.comでAmazon Oneから脱会する方法を顧客に提供する。脱会ではすべての決済が完了したときに生体情報も削除する。

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タグ:AmazonAmazon OneシアトルWhole Foods生体認証店舗

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi