Twitterが米大統領選挙に先立って候補者アカウントのセキュリティーを強化

Twitter(ツイッター)は米国大統領選挙に先立ち、一部のユーザーについて、強力なパスワードの強制を含めアカウントのセキュリティー強化措置を取ろうとしている。

「我々は米国内の著名人や選挙に関連する特定グループのTwitterアカウントについて、アカウントのセキュリティーを予防的に強化する追加措置を、本日(米国時間9月17日)から実施する。該当者にはアプリ内でTwitterから、今後必須あるいは強く推奨することになるセキュリティー対策について通知が送られる」とこの予防措置を発表したブログ記事に書かれている。

画像クレジット:Twitter

Twitterは先月、偽情報や選挙妨害と戦う取り組みを強化すると発表し、今週には投票を促進するための選挙ハブ設置を発表した。

これは、7月に発生したハッキング事件数十人の認証済みアカウントがアクセスされ暗号通貨詐欺に利用されたことを受け、選挙に向けて講じられてきたさまざまなセキュリティー対策の最新事例だ。

当然Twitterは、政治がらみで事件が繰り返されることを望んでいない。同社は、セキュリティー強化が必要なアカウントを以下に示した。

  • 米国行政機関員および国会議員
  • 州知事および州務長官
  • 大統領選挙運動員、政党党員、およびTwitter選挙ラベルを取得している下院、上院、および州知事の立候補者
  • 米国主要報道機関社員および政治ジャーナリスト

上記カテゴリーに入るユーザーは、強力なパスワードが必須になる。現在設定していない場合は、次回のログインで変更を促されるほか、「デフォルトでPasswordリセット保護が設定される」とTwitterは説明している。同社によると「この設定は、パスワードの再設定にメールアドレスと電話番号の確認を必須とすることで、不正なパスワード変更を防止するものだ」とのこと。

さらに同社は該当ユーザーに対して、不正ログイン防止をさらに強化するために二要素認証の利用を推奨している。ただし、二要素認証の有効化は必須とはしていない。

同社は上記アカウントに対して「予防的内部セキュリティー安全措置」と呼ぶ以下の追加対策を実施することも発表した。

  • システムおよびアカウント保有者が不審な行動に対して迅速に対応するための高度な検知および警告システム
  • 悪意のあるアカウント乗っ取り行為を防ぐログイン保護の強化
  • アカウントセキュリティー問題を迅速に解決するための、アカウント復旧支援の強化

さらに同社は米国時間9月17日、有害なグループを結成しようとするユーザーに対して、「プラットフォーム操作とスパムに関するポリシー」を適用する方法に関する詳細を発表した。同社は7月から陰謀グループの厳重取締りを始め、根拠のない戯言を拡散したアカウント数千件を削除した。こうした誤情報は「オフラインの被害につながった」とTwitterは表明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SNSは民主主義を守らなければならない、たとえ相手が大統領でも

「郵便投票に関する事実を見る」というなんでもない青いラベルから始まった。

先月、ドナルド・トランプ米大統領は、郵便による投票は不正を招くという事実無根の主張を繰り返しツイートした。これに対してTwitter(ツイッター)は、「市民の清廉性」と新型コロナウイルス関連の誤情報に関するポリシーに従ってファクトチェックを行い、主張が間違っていることを示すラベルを添付した。すると、トランプ大統領はソーシャルメディア企業を閉鎖に追い込むと脅しをかけてきた

これに続き同社は、警察官による暴行に関する大統領のツイートのひとつに対して、暴力を美化していることを根拠に、閲覧前に警告文を表示してツイートを隠す措置(The Guardian記事)を採った。すると大統領は、法的強制力がほとんどない大統領令を発して(Vox記事)ソーシャルメディア企業を黙らせようとした。米国時間6月8日、Facebook(フェイスブック)もこの喧嘩に巻き込まれ、同社の従業員はトランプ大統領の投稿に対する会社の無作為に抗議してバーチャルストライキを実施した。

トランプ大統領によるソーシャルメディアへの投稿は、しかし、主に米国内の黒人コミュニティーを標的とした有権者抑圧(The Guardian記事)や抗議者への暴力(Smithsonian Magazine記事)といった長く忌まわしい歴史の中の、つい最近の一要素に過ぎない。総合するに先週の出来事は、ソーシャルメディアがこうした民主主義への攻撃の最前線になったという厳然たる事実を、そしてデジタル偽情報への対処には、やるべきことがまだ山積みであることを浮き彫りにした。

暴力を美化するとの理由で大統領のツイートを非表示にしたTwitterの判断は、大きな注目を集めた。問題のツイートに含まれていた「略奪が始まれば銃撃が始まる」という一文は、そもそも1960年代に黒人が多く住む地域での攻撃的で差別的な警備方針で知られたマイアミの警察署長が言い出した言葉(NPR記事)を元にしている。しかし、抗議活動の参加者は「プロが統率している」とか「ANTIFAが率いる無政府主義者たち」といったトランプ大統領のツイートは、略奪や暴動はANTIFA(アンティファ、米国の反ファシズム運動)の活動家が組織しているという噂を広めることになったのだが、Twitterはどちらの投稿にもラベルを付けたり、非表示にしたり、削除したりはしなかった。同様の投稿がなされたFacebookも一切関与しないことを決めた。

同じく、Twitterがトランプ大統領の「不正投票」の偽情報にラベルを添付したことは、新たな進展だ。先週の火曜日に投稿されたツイートは、Twitterがトランプ大統領の発言にファクトチェックを行った最初のものとなった。もっとも、トランプ大統領はそのずっと以前から似たような主張を繰り返しているのだが。

ちょうど1週間前、ミシガン州とネバダ州の州務長官が郵便投票の範囲を広げようと違法な不正行為を働いたとの偽情報をツイート(NewYork Times記事)し、各州に補助金を削減すると脅しをかけた。大統領はまた「郵便による投票は『大量の不正と悪用』を、そして『偉大なる共和党の終わり』を招く」とFacebookに投稿した。郵便による投票と不正との間に関係性がなく、郵便投票がどちらかの政党に有利に働いたという証拠も一切ない(NewYork Times記事)にも関わらずだ。これに関しては、TwitterもFacebookも行動を起こさなかった。

新型コロナウイルスのパンデミックの最中に、郵便投票の信用を落とそうとデジタル偽情報を流すトランプ大統領の意図は、主に彼の選挙キャンペーンにおける投票者抑圧の歴史に関連している。2016年の大統領選挙に向けた準備期間中、トランプ大統領の選挙事務所のある上級幹部が「3つの大掛かりな投票者抑圧作戦が進行中だ」と口頭で漏らした(Bloomberg記事)ことがある。その一環として、同選挙事務所はFacebookの「ダークポスト」を利用した。特定のユーザーにしか表示されない投稿だ。

主に黒人の有権者をターゲットに選挙当日は家に留まるよう働きかけた。不気味なことに、これはソーシャルメディアを使ったロシアの選挙妨害工作(Brennan Center記事)と同調していた)。2020年の大統領選挙に向けて、トランプ陣営と共和党は、郵便投票を制限する大規模なキャンペーンを計画して(Washington Post記事)いる。政治的プロセスへの信用の低下を目的に不正投票に関する偽情報を流しているのは、この戦略の一部だ。

TwitterとFacebookの暴力と市民参加に関するポリシーは、少なくともソーシャルメディア上でのこれらの問題への対処にいくぶんか近づいてはいる。どのプラットフォームも、暴力の美化や奨励を禁じている(TwitterのGlorification of violence policy)。そして双方プラットフォームで(Forbes記事)では、いつ、どこで、どのように投票するかに関する間違った情報を含むコミュニケーションも、投票を妨害する有償広告も禁じている。

ところが、こうしたポリシーはこれまで公平に適用されてこなかった。どちらの企業も、これまで大統領の投稿内容の審査をしたことがなかった。特にFacebookは政治家の投稿を明示的にファクトチェックから除外したことで批判を浴びている。トランプ大統領の最近の危険な投稿に何も手を打たないことは、Facebookのポリシーが流動的である証拠だ。それが6月8日のストを招き、公民権活動のリーダーたちの非難を浴びる結果(Axios記事)となった。

TwitterもFacebookも、市民参加と暴力に関するポリシーは、デジタル偽情報の影響に対する一般からの圧倒的な抗議に応える形で導入している。たとえ合衆国大統領であっても、そこから免除される者がいてはならない。Twitterはこれを踏まえ、大統領の危険なツイートをファクトチェックし非表示するという小さな一歩を踏み出した。だが将来的には、TwitterもFacebookも、それぞれのポリシーの適用に一貫性を確保していく必要がある。たとえ、権力者に適用する場合においてもだ。

【編集部注】この記事は3人の著者の共著だ。Margaret Sessa-Hawkins(マーガレット・セッサ=ホーキンス)は、MapLight筆者であり、インターネット上の不正な政治的メッセージの影響を追求するジャーナリスト。Ann M. Ravel(アン・M・ラベル)はMapLightデジタル偽装プロジェクトのディレクターであり、連邦選挙管理委員元会議長。Hamsini Sridharan(ハムシニ・スリダラン)はMapLightプロジェクト・ディレクター。

画像クレジット:Blake Callahan / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

米国アイオワ州党員集会の投票結果を報告するスマホアプリがクラッシュ

米国アイオワ州党員集会の結果を報告するためのスマートフォンアプリがクラッシュし、米国大統領に出馬する民衆党候補を推薦する最初の投票結果の通知を遅らせた。

同州党員集会の投票結果は、州全体にいる代表者からスマートフォンアプリを通じて送られてくることになっていたが、結果が判明する直前に「品質管理」の問題が発覚した。

「3組の集計結果に不一致が見つかった」と同州民主党広報員のMandy McClure(マンディ・マクルーア)氏が語った。

「集計には、ITシステムだけではなく、結果の写真と文書記録も使い、すべての結果が一致することを確認して報告する数値の信頼性と正確性を確保する」と同氏は語り、「ハッキングや侵入ではない」と説明した。

「根拠となるデータと文書記録は確かなものであり、結果を報告するために時間がかかっているだけである」と広報担当者は語った。

一部報道によると、結果は米国時間2月4日になるまで確定しないという。

関連記事:Homeland Security hasn’t done enough to protect election infrastructure, says watchdog

1月にNPRは、このスマートフォンアプリは結果報告の時間を短縮するために作られたことを報じたが、電子投票機やその他のシステム基盤のハッキングに対する脆弱性の懸念が渦巻く中、投票にスマートフォンを使用する方法を批判していた。アプリのセキュリティーに関する懸念は問題になったが、開発者の名前もセキュリティー慣行もハッカーの侵入に利用されることを恐れて公開されていない。

しかし、このアプリにバグが多く問題があることは、最終結果が出る何時間も前に当局者が指摘していた。

現在は削除されているツイートのスクリーンショットには、現地時間の午後6時時点でアプリに問題があることが示されていたことをTechCrunchは確認している。

シェルビー郡のある投票区責任者は、アプリの代わりに自分の計数結果を使うと言っていた。

アイオワ州は民主党大統領候補指名にとって重要な最初の投票が行われる場所だ。最終候補は今年中に選ばれて、共和党候補になるであろうドナルド・トランプ大統領と戦う。

画像クレジット:Brendan Hoffman / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

大統領選挙戦でデジタル広告担当だった私がTwitterの政治広告禁止を支持する理由

2020年大統領選挙キャンペーンで、当時は大統領候補だったセス・モルトン下院議員(8月に撤退を表明)のデジタル・ディレクターとして私は、インターネット上で行われるあらゆるキャンペーン活動を取り仕切っていた。嫌われ者の電子メール、拡散して欲しいと願う動画、実地で活動してくれる支援者をまとめるオンラインインフラなどいろいろあるが、中でも時間的にも資金的にも最大の投資先はデジタル広告だった。

私たちのキャンペーンでは他の多くの候補者の場合と同様、給与を除き、単独で最も多くの資金が費やされるのがデジタル広告だった。ところが、そうした広告は、キャンペーンにとっては非常に厄介なものだ。民主主義にとって有害であり、それで利益を得ている企業にとっても害悪だ。先週、Twitter(ツイッター)のCEOジャック・ドーシー氏は政治広告を禁止するという、大胆にして初めての一歩を踏み出した。Facebook(フェイスブック)のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏とGoogle(グーグル)のCEOであるサンダー・ピチャイ氏も、それに続くべきだ。

デジタル広告は、新しい支持者を得るためには最も重要なチャンネルのひとつであり、「10ドル、5ドル、または、できることならなんでも構わないのでご支援いただけますか?1ドルでも大助かりです!」といった極めて重要なお願いをすることができる。米民主党全国委員会がこの2月に、大統領候補者が最初の2回の討論会に参加するためには、少なくとも6万5000人の個人寄付者を集めなければならないと発表して以来、そのような少額の寄付をしてくれる人たちがキャンペーンの生命線になった。

関連記事:デジタル政治広告の禁止は極端主義者を明らかに利する(未訳)

困ったことに、民主党の寄付市場で競合する企業は、2016年にはたったの5社だったものが今では25社となり、どの陣営も新しい寄付者を集めようと必死になっているため、費用が高騰している。激増だ。

私たちは(他所も同じだと推測するが)、本来は利益を生むはずの広告で、10ドル、20ドル、あるいは30ドルを出費して、わずか1ドルの新しい寄付者を獲得するという赤字の運営を日常的に続けていた。キャンペーンにおいて、これは最悪の取引だ。金を失うために大量の資金を投入して、数週、数カ月と、高価なキャンペーンの花道を伸ばす。そこで儲けているのはFacebookだけだ。大きなスケールになると、その結果は膨大なことになる。残っている18名の民主党候補者もこの悪循環にはまり、Facebookとグーグルにすでに5300万ドル(約58億円)以上を投じている。そのほとんどが、政治広告費用だ。

この5300万ドルの資金があれば(これに前候補のクリステン・ギルブランド上院議員とジェイ・インスリー、ワシントン州知事の数百万ドルを加えれば)、誰が候補者になろうとも有権者の支持を民主党に集めるためのインフラ整備や、11月の民主党候補者討論会に役立てることができたはずだ。ところが、そのすべてがFacebookとグーグルの懐に入ってしまった。

政治広告は民主主義の敵だ。ネット上での関心の移り変わりの素早さ、それを助長する文字数制限、そしてデジタル世界の門番となっているエンゲージメントアルゴリズムにより、キャンペーンでは複雑な政治的課題をたったの2行の骨子もどきに凝縮しなければならず、それにで討論会の司会者も説得できない。誰かに政治広告をクリックして欲しいと願うなら、できるだけ扇状的な内容にするべきだ。人は怒りを覚えるとクリックするものだ。

それを一番簡単にやるには、話をでっち上げるだけでいい。ほとんどの候補者が思いも寄らないことをだ。幸いなことに、11月第2週に開かれた米議会の公聴会で、ザッカーバーグ氏は、Facebookは喜んでそれを受け入れると明言していた。

Facebookやグーグルなどの企業は、白か黒かだけの世界を有権者に提示するよう私たちに強要する。そこでは、その中間の微妙な感覚など邪魔者に過ぎず、ほんの1ドルをスマートフォンから寄付することが、市民の社会参画(エンゲージメント)ということになる(毎月継続的に寄付をしたいという人などは、かつてないほど貴重な支持者だ!)。これは、十分に情報に基づく健全な民主主義のあり方とは言えない。

政治広告は、それを出す企業にしても、良いものではない。ドーシー氏の発表と同じ日に開かれた四半期の収支報告会でザッカーバーグ氏は、大統領選挙の候補者による政治広告の収益は、2020年のFacebookの予想収益の0.5パーセントに過ぎないと見積もっていた。それを過去12カ月間の収益と同等の660億ドル(約7兆2000億円)と想定するなら、政治広告による収益はおよそ3億3000万ドル(約360億円)となる。

その代償として、Facebookはこの数年間、悪評に悩まされてきた。米議会の積極的な議員たちは、これを国家の安全保障上の問題と見なすようになり、規制のリスクが高まっている。しかも大統領候補のエリザベス・ウォーレン上院議員は、大統領に選出されたならFacebook を解体すると宣言し、生存の危機まで浮上している。それだけの収益があっても、議会の公聴会のために何時間も準備を重ねるザッカーバーグ氏の潜在的コストは正当化されないだろう。

それでは、こうした広告で利益を得るのは誰なのだろうか?それは、事実は主観的なものであり、現実ははかなく、信頼できる唯一の情報はソーシャルメディアを操る人たちが流すものという、支離滅裂な情報環境をアメリカ合衆国にもたらしたいと考える人物だ。

そのため、ドーシー氏の決断を最初に非難した団体が、ロシアの後ろ盾になっている通信社ロシア・トゥデイであったことはうなづける。わずかな収益と生存の危機との間で、アメリカの民主主義のバグの修正とロシアのプロパガンダの幇助との間で、ドーシー氏は、自身の収支と国の両方のために賢明な決断をした。ザッカーバーグ氏とピチャイ氏も、ドーシー氏に従って欲しい。

【編集部注】著者のAaron Bartnick(アーロン・バートニック)はセス・モルトン米下院議員の選挙キャンペーンでデジタル・ディレクターを担当していた。現在は、大学院大学ハーバード・ケネディー・スクール・オブ・ガバメントで勉学中(@AaronBartnick)。

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(翻訳:金井哲夫)

ギャバード米大統領候補が広告アカウント停止でGoogleを提訴

トゥルシー・ギャバード氏の選挙運動組織であるTulsi Now(トゥルシー・ナウ)は、Google(グーグル)が彼女の言論の自由を妨害したとして今週提訴した。2020年大統領選挙の民主党候補は、第1回候補者ディベートのあと、合計6時間にわたって選挙運動アカウントを停止されたことについてオンラインの巨人を非難した。

「私のキャンペーンに対するGoogleの差別的行動は、インターネット検索における彼らの完全な支配がいかに危険であり、公共の議論に対する巨大IT企業の影響が大きくなることがアメリカの基本理念を揺るがすものであることを如実に表すものだ」とギャバード氏がTechCrunch宛ての声明で語った。「これは言論の自由、公正な選挙、ひいてはわれわれの民主主義に対する脅威であり、私は米国のすべての国民を代表して戦うつもりだ」。

Googleによると、ギャバード議員のアカウントは「支出の急激な変化」によって自動不正防止システムが作動した結果「異常な活動」であると認定された。同議員の選挙運動は6月27~28日にかけて夜間に約6時間停止した。比較的短い時間だったが、民主党の大票田で重要な2つのディベートが行われた直後の非常に貴重な時間帯だった。

ギャバード陣営は出馬表明後、巨額の費用を検索につぎ込んできた。「今日に至るまでGoogleは、何百万人もの人たちが聞きたがっていたギャバード氏の政治発言が妨害された理由について、信用できる答えはもちろん、単純な説明すら提供していない」と同陣営は訴状に書いた。

民間企業であるGoogleは、憲法が定める言論の自由に違反する立場にない。しかしギャバード氏は、最近類似の問題についてIT企業を非難している多くの政治家と同様の行動をとった。ただし、これまでの訴えはそのほとんどが共和党陣営によるものであり、TwitterやFacebookの民主党寄りを指摘したものだった。

その後ギャバード陣営は、資金集めの強化に方針転換している。「米国の基本理念である言論の自由と公正な選挙のために戦うギャバード氏にどうかご支援を」と同陣営は訴える。「大企業は自身の行動に責任を持つべきであり、そのためにホワイトハウスはギャバード氏を必要としている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ムラー特別検察官報告の公表で民主党ヒラリー候補の大統領選に新しい光

米国時間4月18日に公表されたムラー特別検察官の報告書は、ロシア政府が2016年の大統領選でヒラリー・クリントン候補の選対と民主党全国委員会のコンピューターをいかにハックしていたかに関する新しい情報を含んでいた。

ある時点でロシア機関は大量の機密情報をハッキングするために 米国内に設置されたサーバーから作戦を実行していたと報告は述べている。

今回公表された情報の多くはビクトル・ボリソビッチ・ネティクショ(Viktor Borisovich Netyksho)らに対する2018年7月の起訴状によって知られていた。 ネティクショはロシア軍情報機関GRUのサイバー作戦部署のユニット26165のメンバーで、ムラー特別検察官の起訴状はコロンビア地区連邦裁判所大陪審に付され「起訴相当」と認められている。

しかし今回司法省から発表された488ページに上る報告書には新しい情報も含まれており、GRUの米国に対するハッキングに新しい光を当てるものとなっている。

GRUのエージェントは、ヒラリー選対のコンピュータシステムに侵入するために、わずか5日間でスピアフィッシング(特定標的攻撃)メールを選対の職員、ボランティアに大量に送りつけていた。

GRUのハッカーはヒラリー選対の委員長、ジョン・ポデスタ氏のメールアカウントにも侵入しており、この内容は後に公開された。

GRUはハッキングで得られたパスワードなどの認証情報を利用して数日後には民主党議員選挙対策委員会のシステムに侵入することに成功した。GRUのハッカーはシステム管理者のログイン情報を得てサーバーに対する「無制限のアクセス」が可能になり、数週間で民主党ネットワーク内の29台のコンピューターに侵入することができた。

GRUのハッカーはファンシーベア(Fancy Bear)というニックネームで知られていたが、内部には特定の任務を担当するユニットが存在した。ムラー報告は特にユニット26165を米政府、政党のハッキングを行うグループとして認定している。報告ではこのユニットを「DCCC(民主党議員選対)、DNC(民主党全国委員会)およびヒラリー・クリントン選対と関係者を主たるターゲットとする組織」と述べている。

ハッカーは参加ユーザーのパスワードなどの情報を入手するためにMimikatzなど数種類のツールを用いていた。MimitatzははWindowsコンピューターのメモリをダンプしてパスワードなどの認証情報を入手するハッキングツールだ。X-Agentはユーザーのコンピューターのスクリーンショットとキー入力ログを得られる。X-Tunnelはハッキングしたネットワーク内の大量のデータを素早くGRUのサーバーにコピーできる。

ムラーはユニット26165はGRU自身のサーバーとターゲットのサーバーの間に「中間サーバー」を何段階か挟むことで直接の関連を隠そうとしたと認定している。ムラーによれば、こうした中間サーバーはアリゾナに設置されていたという。これは注目を避け、外国勢力介入の証拠を残さないためだったのだろう。

この作戦でヒラリー・クリントン選対のサーバーに保存されちた情報70GBのすべてと民主党全国委員会の300GBのデータの一部がロシアの手に渡った。

一方、ハッキングで入手した情報を公表、拡散すためにGRUは別の組織を作っていた。ユニット74455は不正に入手したデータを拡散するとあめに2つの架空の組織、人物を作り上げた。DCLeaksはハッキングされた資料をホストするウェブサイトで、Guccifer 2.0はジャーナリストに対応するハッカー代表の役割だった。

米政府の圧力を受けてソーシャルメディアはこの2組織のアカウントを停止した。その後、ハッキングされた数千のファイルの内容はWikiLeaks.を通じて公開されている。

ムラーの報告には2016年7月のトランプ(当時)候補の発言とハッキングの関係についても述べている。「ヒラリー・クリントン候補のサーバーから行方不明になっている3万通のメールが発見されることを望む」とトランプ候補が記者会見で述べた。クリントン候補は国務長官になった後も私的サーバーで公的メールをやり取りしていたが、調査時に大量のメールが紛失していることが問題となった。ムラーによれば、トランプ発言の「およそ5時間後」にGRUのハッカーはヒラリー・クリントン候補のオフィスをターゲットにし始めたという。

Unit 26165のターゲットにはヒラリー選対の幹部も含まれていた。ムラーは「これらのメールアカウントは一般に知られていなかった。GRUがどのようにしてこれらのアカウントの存在を知ったのかは不明」だと述べている。

ムラーによればトランプ選対は「ヒラリー・クリントン(が国務長官だった時代の)私的サーバーから消えたメール」を発見しようと努力していたと述べている。トランプはマイケル・フリン氏(安全保障担当補佐官に任命されたがロシア疑惑で辞任)との私的会話でこうしたメールの内容をロシアから得ることができないか尋ねている。この紛失メールを探した人物の1人が2017年5月に自殺したピーター・スミス氏だった。iスミスはロシアのハッカーと接触があったと非難されていたが、ムラー報告は事実ではないとしている。

こうしたトランプ選対の行動はキャンペーン全体を違法なものとするものだったとはいえない。ではすべて合法的だったか?そうではないかもしれない。

CNNの法律千専門家、Elie Hon氏によれば、 「現行法規の下では、ハッキングによって得られた情報を公表しても公表者自身がハッキング行為を共謀したのでないかぎり違法とはならない。特別検察官の報告はトランプ選対の関係者がハッキングで得られた情報を拡散したことがないとは言っていない」ということだ。

画像:Gattyimages

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

中間選挙はボットに歪められた2016年の大統領選挙の尾を引くのか?

[著者:Tiffany Olson Kleemann]

Distil NetworksのCEO。SymantecとFireEyeの元役員であり、ジョージ・W・ブッシュ大統領の下でサイバーセキュリティー・オペレーション首席補佐官代理を務めていた。

ロシアのボットがソーシャルメディアに侵入し、2016年の米大統領選挙に影響を与えたという事実は、これまでにも数多く報道されてきたが、いまだにその手口の詳細を伝えるニュースが後を絶たない。

実際、10月17日、Twitterは、2016年に4611件のアカウントによる海外からの妨害があったと発表している。そのほとんどは、ロシアのトロル集団であるInternet Research Agencyによるもので、100万件を超える疑わしいツイートや、200万件を超えるGIF画像、動画、ペリスコープ動画配信があった。

現在、もうひとつの重要な選挙が行われているが、最近の世論調査では、アメリカ人の62パーセントが、2018年の中間選挙は人生でもっとも重要な中間選挙になると考えているという(公的機関も一般市民も、2016年の教訓を学んでいるのかを疑うのは自然なことだ)。こうした国家単位の不正行為を撃退するために、何ができるのだろうか。

ここに、いいニュースと悪いニュースとがある。まずは悪いほうからお話ししよう。

2016年の大統領選挙から2年が経ったが、ソーシャルメディアはいまだに『熱狂する広告塔』というリアリティー番組を流し続けているように見える。自動化されたボットが、特定の観点を誇張するコンテンツを生成し増幅させることなくして、この世界では大きな地政学的イベントは起こりえない。

10月中旬、Twitterは、ジャーナリストのジャマル・カショギ失踪に関するサウジアラビア寄りの話題を一度に大量にツイート、リツイートしたとして、数百件のアカウントを停止した。

10月22日、ウォール・ストリート・ジャーナルは、NFLの選手が国歌演奏中に片膝をついて抗議の態度を示したことに関する論争を、ロシアのボットが煽っていたと報じた。クレムソン大学の研究者が同紙に伝えたところによると、Internet Research Agencyに属する491のアカウントから、1万2000件以上の投稿があり、2017年9月22日、トランプ大統領が、国歌演奏中に片膝をついた選手はチームのオーナーがクビにすべきだと話した直後に、その数はピークに達している。

この問題はアメリカ国内だけにとどまらない。2016年のイギリスのEU離脱に関する国民投票にボットが影響を与えたと指摘された2年後、スウェーデンの総選挙を目前にした今年の春と夏に、移民に反対するスウェーデン民主党を支持するTwitterのボットが急増した

この他にも、ボットによる偽情報の問題は続いている。しかし、そんなに悲観することもない。前進している部分もある。

写真提供:Shutterstock/Nemanja Cosovic

第一に、問題解決には意識を変えることが第一歩となる。ボットによる妨害が新聞の大見出しを騒がせるようになったのは、ここ2年ほどのことであることを認識しよう。

ピュー研究所が今年の夏に、成人のアメリカ人4500名を対象に行った調査では、アメリカ人のおよそ3分の2がソーシャルメディアのボットについて聞いたことがあり、その人たちの大半が、ボットが悪用されることを恐れているという(ただし、偽アカウントを見破る自信があると答えた人は非常に少なかったことは気がかりだ)。

第二に、政治家も行動を起こしている。カリフォルニア州知事ジェリー・ブラウンは、9月28日、人工物であることを隠してボットを使用すること禁止する法律に署名した。これは2019年1月から発効される (選挙民の判断に影響を与えないように、またその他のあらゆる目的での使用を阻止するのが狙いだ)。これは、チケットを自動的に購入するボットを禁止する全国的な動きに追随するものだ。アメリカにおいて、チケット購入ボット禁止の先駆けとなったのは、ニューヨーク州だった。

政治家がこの問題を認識し関心を高めるのは良いことだと思うが、カリフォルニアの法律には穴があるように思える。通常、ボットネットワークを操っている人間を特定することは非常に困難であるため、この法律の実効性が疑われる。罰則も曖昧だ。国家的な、または国際的な事柄に攻撃を加える者に対して、ひとつの州ではそもそも力が及ばない。とは言え、この法律はよい出発点になるだろう。この問題を真剣に考えているという政府の態度を示すことにもなる。

第三に、2016年のボットの活動に適切に対処できなかったソーシャルメディア・プラットフォームは、議会の厳しい調査を受けることで、悪質なボットをピンポイントで特定し排除することに積極的に取り組むようになった。

TwitterもFacebookも、ある程度の責任はあるものの、それらも被害者であることを忘れてはならない。こうした商用プラットフォームは、悪い人間に乗っ取られて、彼らの政治理念や信条の宣伝に利用されたのだ。

TwitterやFacebookは、人間か、人間ではない偽の存在が人間を装っているのかを見破るための努力をもっと早く始めるべきだったと言う人もいるが、ボットは、つい最近知られるようになったサイバーセキュリティー上の問題だ。従来のパラダイムでは、ハッカーがソフトウエアの脆弱性を付いてセキュリティーを突破するという形だったが、ボットは違う。ボットはオンラインビジネスの処理過程に攻撃を仕掛けるため、通常の脆弱性検査方式では検出が難しいのだ。

Twitterの10月17日のブログには、2016年の偽情報の不正操作の範囲に関する情報が書かれていて、その透明性には素晴らしいものがあった。「情報操作と組織的な不正行為が収束することはないことは明らかだ」と同社は話している。「この種の戦術は、Twitterが生まれるずっと前からあった。地政学的な地域が世界に広がり、新しい技術が登場するごとに、彼らはそれに順応して形を変える」

これが、私が楽観視する第四の理由につながる。技術の進歩だ。

1990年代後半から2000年代前半にかけてのインターネットの黎明期においては、防護技術が未発達だったため、ネットワークは、ワームやウイルスといった攻撃を受けやすかった。今でも侵入事件は起きているが、セキュリティー技術はずっと進歩し、攻撃を許してしまう理由は、防護システムの不具合よりも人間の操作ミスのほうが多いという状況になっている。

ボットを検出し被害を抑える技術は進化を続けている。今日のメールのスパムフィルターのように、自動的に効率的にボットを排除できる技術がいずれ確立されるものと、私は思っている。今はネットワークの中だけで働いているセキュリティー機能の統合が進み、プラットフォーム全体に及ぶようになれば、より効率的にボットの脅威を検知し排除することが可能になる。

2018年のうちはまだ、ボットに気をつけなければならないが、世界はこの課題に本気で取り組でいて、明るい未来を予感させる素晴らしい行動が見え始めている。

健全な民主主義と、インターネットでの企業活動は、そこにかかっている。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

下院民主党、ロシア発のFacebook広告3500点以上を公表

下院諜報特別委員会の民主党議員らは、ロシア拠点のインターネット調査機関、IRAがFacebook に掲載された広告数千点を公開した。

民主党によると、本日(米国時間5/10)公開したのは2015~17年にかけて掲載された広告3519点。ここにはIRAが一般投稿としてFacebookでシェアした記事8万件は含まれておらず、民主党は後日これも公開する予定だ。

これらの広告が実際にどれほど世論に影響を与えたのかは未だに不明だが、1140万人以上の米国民の目に触れたと民主党は言っている。

問題の広告はここですべて見ることができるが、ダウンロードするだけでもかなり時間がかかる。以前(少数)公開されたIRA広告についても指摘されたように、広告はトランプ支持むき出しではなく、 幅広い範囲のユーザーを対象に、目もくらむ数の意見や議論が書かれている。

「ロシアはソーシャルメディアを武器としてアメリカを分裂させるべく、2016年選挙を揺さぶろうとした」と、下院諜報特別委員会の有力メンバーである民主党のアダム・シフ議員はツイートした。「彼らは偽アカウントで偽のページやコミュニティーを作り、対立を呼ぶようなオンラインコンテンツとビデオを拡散し、アメリカ人を実際に動かそうとした」

議員はさらに、「ロシアが作ったFacebook広告をこうして公開することで、正当な政治的表現が守られ、アメリカ市民の求める情報が海外の広告主によって汚染されることが防がれることを願っている」と付け加えた

この公開にあわせFacebookも投稿で、2016年選挙の際に「このような情報運用妨害に気づくのが遅すぎた」ことを認め、今後の再発防止策(政治広告の公開データベースの構築など)の概要を示した。

「われわれの相手は決意の固い創造的で資金豊富な敵であり、これは永久に解決しない問題だ。それでも事態は着実に進展している」とFacebookは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

大統領選に干渉したロシアのボットファームがMueller特別検察官により訴追

昨年の大統領選挙のときの、ロシアの行動を調べている特別検察官Robert Muellerが今日(米国時間2/16)、13名のロシア人と3つのロシア企業に対し、彼らの2014年までさかのぼる行為により、アメリカの大統領選挙を妨害した廉(かど)で起訴状を発行した。

起訴状は、アメリカ社会に分裂を作り出すための、偽(にせ)のアカウントの出所(でどころ)の一つとして、サンクトペテルブルグのボットファームで偽情報の〔載っている広告の〕散布も行っているInternet Research Agencyを指名している。それらのアカウントは当時、Facebook, Twitter, およびInstagram上でアクティブであり、起訴状は、これらのテクノロジー企業が議会に提出した内部レビューの具体的な例も引用している。

議会はこれらの広告とにその散布に関わった企業に強い関心を持ち、10月にはFacebookとGoogleとTwitterのトップを上院の司法委員会に喚(よ)んで証言をさせた。選挙妨害についてそれぞれ独自の捜査をしている下院と上院の諜報委員会は、これらの偽アカウントの中身と、それらの拡散に至った状況について調査した。

Muellerは、2016年のアメリカ大統領選挙を現在、広範囲に調べている。これら早期の訴追はロシア国民を対象としているが、Muellerはトランプの選挙運動に加わったメンバーにも関心を持っている。今マネーロンダリングで起訴されているかつての選挙参謀Paul Manafortも、その一人だ。

今回の起訴は、彼らが、外国の個人や法人がアメリカの連邦選挙に影響を与えるために金を拠出してはならない、というアメリカの法律に違反している嫌疑が中心だ。その訴追案件は複数にわたり、アメリカに対する詐欺行為の陰謀や、通信と銀行に関わる詐欺、6件の加重的本人性窃盗〔いわゆる‘なりすまし’〕、などが含まれている。

訴状の原文を、ここに転載しよう:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookは選挙広告に関する市の条例に違反したとシアトルが主張

シアトルの選挙管理委員によると、Facebookは市の条例に違反して、選挙戦のときの広告費の出所を公表しなかった。Reutersの記事は、シアトルの倫理および選挙管理委員会の事務局長Wayne Barnettが、Facebookは昨年の市の選挙の広告支出の情報を明らかにすべきであり、それをしなければ広告の購入一件につき5000ドルの罰金を課せられると述べた、と報じている。

Facebook, TwitterおよびGoogleは上院における証言を要求され、大統領選をロシアが妨害するためにソーシャルメディアをどのように利用したかを明かすよう求められてきた。昨年の秋にFacebookは、同プラットホーム上の政治的広告に関する透明性を高めると約束し、広告費をどこが払ったかユーザーに分かるためのツールなどを用意した。その前にFacebookは、2016年の大統領選に関連した3000あまりの広告が、ロシアと関連のあるバイヤーによって買われた、と認めた。

FacebookのVP Will CastleberryがReutersに語ったところによると、同社は“政治的広告の透明性を強力に支持している。シアトルの選挙管理委員会からの求めに応じて、適切な情報を提供した”、という。しかしBarnettによると、Facebookは市の職員に会って部分的な支出データを彼らに与えたものの、あれでは“公共の義務を満たすレベルにはほど遠い”、という。

Facebookは、選挙戦時の広告支出に関するもっと詳しい情報を提供する、と誓っているが、それをFacebookに強制した自治体はシアトルが初めてかもしれない。問題の核心は、ラジオやテレビやケーブル企業などが政治的広告を扱う場合のやり方、たとえば、どの候補にも平等に放送時間を配分し局の政治委員会は広告支出を公表すべし、といったことを定めている国や地方の法律がすべて、ソーシャルメディアの勃興以前に書かれたものであることにある。その結果、Facebookのようなオンラインのプラットホームに法を適用しようとすると、多くの混乱が生ずるのだ。

本誌TechCrunchは今、シアトルの倫理および選挙管理委員会とFacebookにコメントを求めている。

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Facebookの社員がトランプのロシア疑惑で特別検察官の聴取を受けたらしい、その詳細はまだ不明

2016年の選挙に対してあったかもしれないロシアの妨害行為を調べる捜査の一環として、Facebookの社員少なくとも一人が、特別検察官Robert Mueller(上図)の事情聴取を受けた、とWired誌が報じている。ただしまだ、共同謀議があったという結論には到達していない。

Wiredの情報筋によると、Facebookのそのスタッフは、トランプの選挙戦に関係していたが、関係の具体的な内容は明らかでない。選挙活動もソーシャルメディアの重要なお得意さんだから、FacebookもGoogleもTwitterもそしてその他も、大量に広告を売ってそのクライアントとの‘関係’を維持しようとする。それは当然だ。

Facebookはロシア関連で上院の聴聞も受けているから、同社とトランプの選挙活動を取り持った誰かが今回聴取を受けたとしても不思議ではない。その者が、何か悪事を働いたという意味ではない。

Facebookのそのスタッフは、トランプの選挙戦の支出〔Facebook上の広告支出〕に関する情報の主たる情報源なのだろう。だからロシアとの関係についても、何かを知っていたかもしれない。彼や彼女が何かを‘した’という意味ではなくて、何かを‘知っていた’かもしれない、という意味だ。

Facebookは選挙期間中、ロシアのボットやトロルのおいしいカモにされていたから、今回のように事情聴取に呼ばれるのも不思議ではない。でも、さらにほかの人たちも、特別検察官のチームに聴取されたかもしれない。今Facebookには、コメントを求めている。

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Twitterがロシアに結びついた選挙妨害ボットの数を13000から50000にアップデート

Twitterが、2016年の同プラットホーム上における、ロシアによる選挙妨害に関する調査結果の詳細をアップデートした。選挙関連のツイートをしたロシアと結びつきのあるボットの数13000あまりは、トータルで50000あまりとなった。同じく昨年秋の報告で1000だった、今や悪名高いInternet Research Agency(IRA)によるボットの数は、3800になった。

しかしそれでもTwitterは、これらのアカウントは重大な問題ではない、と言っている:

この追加調査の結果は、これまでの結果と整合している: ロシアに結びついている選挙関連の自動化コンテンツは、2016年の選挙に先立つ10週間におけるTwitter上の全アクティビティの、きわめて小部分を表しているにすぎない。

それが微小であると強調したいためか、Twitterのブログ記事は話題を変えて、Twitter全体としてのボットや不審なアクティビティに対する対策努力を述べている。

なお、それら3800のIRAのボットは、10週間のあいだに約17万6000回ツイートし、うち15000弱が選挙関連だった。同じ期間に67万7775名が、これらのアカウントのどれかをフォローしたりリツイートし、そして通知された。

Twitter上のIRAボットによるコンテンツの例。

しかしある意味でそれは、バケツの水の一滴にすぎない。

同社は曰く: “2017年12月に私たちのシステムは、一週間あたり640万を超える不審なアカウントを見つけ、対応した。2017年の6月以降、私たちは弊社の規則に違反している22万あまりのアプリケーションを削除したが、それらは合わせて22億あまりの粗悪なツイートを発していた”。

すべてを同列に扱うことはできないが、それらは本格的な攻撃ではなくて、マーケティングのプロモーションであることが多い。そんな単純なスパマーが数万のボットを作って展開できるのなら、ロシアの諜報機関がもっと大量にそれをやらかすのは、朝飯前だろう。

もちろん、Facebook上の数はもっと大きい。Facebook上でトロルのアカウントにやられた人は、約1億5000万人と推計されている。

最後にTwitterは、2018年の選挙〔中間選挙〕をもっと妨害に強くするための対策の一部を説明している。その妨害は、規模はそれほどでもなかったとしても、確かに予想以上に広範囲に及んでいた。

今年の同社の対策の中には、候補者全員の検証がある。また、なりすましやハイジャックを防ぎ、情報の操作やボットの仕業を防ぐために、選挙関連の会話を詳しくモニタしていく。

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ロシアがFacebookに出稿したフェイク広告の一部を下院の委員会が公表、その画像もある

どれだけの量のロシアによるコンテンツがソーシャルネットワーク上に流通したのか、今テクノロジー企業はそれを探り当てようと焦っているが、正確な計量は不可能だろう。しかしここにご紹介する議会資料は、アメリカ社会に怒りと分断をもたらそうとした、外国勢力によるFacebook上の広告操作の、実態の一端を見せてくれる。

今日(米国時間11/1)下院の諜報委員会が、ロシア政府とつながりのある団体等が出稿したFacebookとInstagram上の政治広告の事例集を公開した。これらの広告はすべて、アメリカ社会の分断を教唆しており、政治的な個人攻撃臭のあるものも少なくない。同委員会は先月、Facebookが提供した3000件の広告をすべて公開すると匂わせたが、今回はロシア政府筋の出稿と思われる、人物ではなく政治的案件に関わる広告のサンプル25件にとどまった。読者がPDFを扱わずにすむために、本誌はそれらをここにまとめた。

下表でお分かりのように、あらゆるものが攻撃にさらされている。それらロシアからの広告は、極右と極左の両方、黒人人権活動家やムスリム、キリスト教徒、LGBTQの人びと、銃の保有者、そしてIvanka Trumpのジュエリー製品まで標的にしている。

ご存知のとおり広告費は、その広告が生成したインプレッション数とクリック数にほぼ比例するが、これらの広告の中には、それが1000ドルを超えたものも少なくない。もちろん、‘すべて’ではないが。

それらの‘成功広告’がどれか、それも分かっているが、ここでは広告の代表的な例だけでなく、それらのコストとターゲット層、そしてその成績を表にまとめた。これのWebバージョンとして、読者がソートできる表もあり、そこにはそれらの広告の画像へのリンクもある。お楽しみを!

〔ここに表が表示されない場合は、Webバージョンをご覧ください。〕

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Facebookの“広告透明性機能”は来月発効、政治広告出稿者の説明責任を重視

ロシアが昨年の大統領選に影響を及ぼすべく、Facebookの広告を使った、という懸念に応えて同社は、広告の透明性を増進して、広告の出元を誰が見ても分かるようにする、と発表した。

今日(米国時間10/27)同社はその計画の具体的な詳細を明らかにし、その新しい透明性機能は来月から動き出す、と述べた。それ以後はFacebook Pageに“View Ads”(広告を見る)というボタンが登場し、それをクリックすると今Page上にあるすべての広告が一覧される(下図)。

Facebookによると、近くそのテストをカナダで開始する。アメリカの場合は、国の選挙に関する広告のアーカイブも含まれ、それは向こう4年ごとに更新される。また広告費の累計と平均、各広告が受け取ったインプレッション数、広告のターゲットの層特性、などの情報も開示される。

さらに、政治広告は出稿者の身元確認、住所、選挙関連であることの明記、などを必要とする。またそれらの広告には、“paid by”(誰が広告費を出しているか)のリンクがあって、その詳細情報を見れる。また機械学習のツールを使って、身元を明かしていない政治広告の出稿者を見つける。

これらの機能が、多くのFacebookユーザーの利益になるだろうか? それはないと思うが、でも広告担当のVP Rob Goldmanはこう言っている: “透明性はみんなを助ける。とくに政治の監視グループや記者などの役に立つ。広告主たちに説明責任を持たせることによって、どこの誰が何のためにこんな主張を(広告で)しているのか、分かるようになる”。

この同じ時期に議会は、ネット広告に対する規制を超党派で法制化しようとしている。そして少し前にはTwitterが、これと同じような透明性対策を発表した。

Facebook View Ads

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トランプの元選挙参謀の家族のテキストメッセージがハックされ闇サイト上で公開

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トランプの選挙戦とロシアとの関係をめぐる疑問が高まる中、大統領の元側近の少なくとも一人が、DNC的扱い*を受けたようだ。〔*: DNC, Democratic National Committee, 民主党全国委員会; DNC的扱い, ハックされたこと〕

Politicoの記事によると、今闇サイト(dark web)に出回っているデータダンプの中には、Paul Manafortの娘Andreaが送受した28万あまりのテキストメッセージがある。Manafortは2016年の8月までトランプの選挙参謀だったが、ウクライナの親ロシア派たちとの仲が明らかとなって以降、退いた。

そのテキストの中でAndrea Manafortは、彼女の父親の“ウクライナにおける仕事と報酬は法的にも疑義がある”と述べ、彼がウクライナの前大統領Viktor Yanukovycとの関係を通じて蓄積した富を “血で汚れた金(blood money)”と呼んでいる。Yanukovycは現在ウクライナで国事犯として訴追され、ロシアに逃亡している。

このハックはAndrea ManafortのiPhoneのデータにアクセスして行われた、と見られており、そのデータはローカルに保存されるか、またはiCloudのアカウントへシンクされていたもののようだ。Politicoの記事は、ファイルをポストした“活動家ハッカー集団(hacktivist collective)”の名を挙げていないし、自分たちが最初の発見者だとも言っていない。先週のPoliticoの記事は、Manafortがトランプの大統領選に仕えていた間、恐喝されていた、と報じている。これも、今回のテキストと同じWebサイトがニュースソースのようだ。

8月にPaul Manafortは、娘の一人がフィッシングによりハックされたと疑い、Andreaにこう警告したらしい: “お前の姉〔妹?〕がハックされた。今日彼女から来たメールは、‘重要なドキュメント’があった、Googleのスプレッドシートを共有した、と言っている。もちろん、それを開いてはいけない!”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ホワイトハウスのWebサイトからLGBTの人権ページが消えた

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そして、権力の移行が始まる。まず、WhiteHouse.govのサイトでは、いくつかのページが変えられたり、完全になくなっている。その中には、レズビアンやゲイ、バイセクシャル(両性指向者)、トランスジェンダー(性転換者)…LGBT…に関するページもある。

Trumpの大統領就任式が終わって1時間後には、whitehouse.gov/lgbtのページがTrumpの政権移行促進ページにリプレースされた。

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アップデート: 移行促進ページもなくなった。ホワイトハウスのLGBTページは完全に消えてしまった。〔404ページのみ〕

Obama政権は、重要な法案の成立と、法廷での歴史的な勝利、そしてゲイや性転換者などのための重要な政策変更を強調するために、ホワイトハウスのWebサイトにLGBTのページを導入した。そのページは、“It Gets Better”などのゲイの人権活動にも光を当て、LGBTの人たちが悩みに悩んで自殺まで考えてしまうことを、防ごうとした。

今その人権活動のページは、“Strengthening Civil Rights”アーカイブされているページへリダイレクトされるが、それも今後変わるかもしれない。なにしろ、LGBTの言及はすべて消え去った:

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Trumpの新しいホワイトハウスWebサイトが完成したときには、そこにTrump独自の、LGBT肯定ページがあるのだろうか? Trumpは共和党内の小グループLog Cabin Republicansから、“共和党の歴史においてもっとも積極的なLGBT擁護派の大統領指名候補者だ”と賞賛されている。でもこの、LGBTを擁護する小グループは、本選候補者としてTrumpを推すことを拒否した。

LGBTのコミュニティはTrumpが大統領になることに懸念を表明していた。とくに副大統領のPenceは、インディアナ州の州知事時代に、LGBTを保護する法律に反対した

関連のニュースとして、気候変動に関するすべての言及が、このサイトの全域から削除されたようだ

ゲイや性転換者などの人権に関するObama政権の業績は、過去のプレスリリースに見ることができる。この問題を今、Trumpの政権移行チームに問い合わせているので、情報が得られ次第、あるいは新しいページが出現次第、この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トランプ次期大統領の戦略政策フォーラムにUberのカラニック、TeslaとSpaceXのマスクも参加

SARASOTA, FL - NOVEMBER 07:  Republican presidential nominee Donald Trump holds up a rubber mask of himself during a campaign rally in the Robarts Arena at the Sarasota Fairgrounds November 7, 2016 in Sarasota, Florida. With less than 24 hours until Election Day in the United States, Trump and his opponent, Democratic presidential nominee Hillary Clinton, are campaigning in key battleground states that each must win to take the White House.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・ J・トランプ次期大統領が設置する戦略政策フォーラム(Strategic and Policy Forum)が2人のスーパー経営者を選んだことが判明した。もっとも高い能力と成功への強い意思を持つ経営者のリストにテクノロジー界からトラビス・カラニックとイーロン・マスクが加わった。

今日(米国時間12/14)の発表によれば、カラニックとマスクの2人は非上場の巨大投資ファンドThe Blackstone Groupの創立者スティーブン・シュワルツマンが議長を務めるフォーラムに参加する。なお今回の発表ではPepsiCoのCEO、会長のインドラ・ヌーイもメンバーに加わっている。

今月初め、トランプ次期大統領のが設置を決めたこのフォーラムのメンバーにはアメリカ・ビジネスのビッグネームが並ぶ。 GMのトップ、メアリー・バラ、 JP Morgan ChaseのCEO、会長のジェイミー・ダイモン、資産運用会社BlackRockのCEO、会長ラリー・フィンク、Walt Disney Companのボブ・アイガー、Boston Consulting GroupのCEO、リッチ・レッサー、 IBMの会長、ジニ・ロメッティなどに加え、現役を退いていたGEの元CEO、ジャック・ウェルチ、ボーイングの元会長、ジム・マクナニーの名前もみえる。

フォーラムがどの程度ひんぱんに開かれるのかは明らかではないが、最初の会合は2月に予定されているという。

カラニックは声明で「このフォーラムのメンバーとなり、次期大統領にUberの乗客、ドライバー、運営している450以上の都市に影響を与えることがらについて意見を述べられることを楽しみにしている」と述べた。

SpaceXはマスクに任命を確認したがそれ以上のコメントは避けた。

マスクとカラニックの任命は、今日この後ニューヨークのトランプ・タワーで予定されているテクノロジー業界のトップとの会談の直前に発表されたことが興味深い。この会談にはOracleのサフラ・カッツ、Appleのティム・クック、Alphabetのラリー・ペイジ、Facebookのシェリル・サンドバーグ、Microsoftのサティヤ・ナデラらが参加する。

Kalanickが参加を決めたのはUberが株式上場を控えてそのプロセスをできるだけ円滑に進めたいという戦略的狙いがあったかもしれない。Twitterを活用し株式市場を操れるトランプとの衝突は避けたかったに違いない。一方、Muskの動機についてははっきりしない。

SpaceXとTesla Motors(7年前のクリーンテック・ブームの際のベンチャーキャピタルの投資先で生き残ったほぼ唯一のスター企業)の創業者でトップであるマスクは選挙期間中はトランプの激しい批判者だった。

マスク以外にも、特に地球温暖化に関して、トランプと見解を異にする参加者は多い。

エネルギーの専門家、ダニエル・ヤーギンは『石油の世紀―支配者たちの興亡』(The Prize)で ピューリッツァー賞を受賞しており、『探求――エネルギーの世紀』(The Quest)もベストセラーとなったが、代替エネルギーに関して詳しく述べている。Wal-MartのCEO、ダグ・ミロンはオバマ大統領の政策を支持する活動を行ってきた。またフィンクとアイガーは民主党の選挙運動への献金者だ。

現実を見れば、この委員会はビジネスの世界に向けた超党派的な飾り窓だろう。シリコンバレーが重視する課題についてのトランプ政権の態度は閣僚級人事をみれば明らかだが、テクノロジー系の任命はまったくない。

次期政権の閣僚は、たとえばエネルギー省長官の候補、リック・ペリー・テキサス州知事は以前その解体を主張していた(本人は忘れているのかもしれないが)。教育省長官候補のベッツィ・デヴォスは公立学校が非効率的だと主張してきた。国務長官候補のレックス・ティラーソンは非常に親露的人物だ(ロシア政府はハッキングによって統領選挙に影響を与えたことを疑われている)。

気候変動、教育、インターネットのセキュリティーはいずれもシリコンバレーが重視する課題だが、トランプ政権の閣僚候補はいずれも戦略政策フォーラムのメンバーの多くとは政策的にも倫理的にも反対の立場を取っている。

このような事実からすると、戦略政策フォーラムの提言がさほどの重みを持つとは考えにくい。

今月初めにこのフォーラムの設置を発表した大統領政権移行チームは、「重要な課題に関して…官僚主義を排し、率直かつ超党派的な意見を大統領にインプットする」ことが目的だと述べている

画像: Chip Somodevilla/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オバマの選挙戦で分析を担当したDan Wagnerのデータ活用コンサルCivis Analyticsが$22Mを調達…‘なぜデータの専門家がTrump勝利を当てられなかったのか’

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Barack Obamaの2012年の選挙戦で主席分析官を務めた人物が創業したCivis Analyticsが、このほどシリーズAで2200万ドルの資金を調達した。

ファウンダーでCEOのDan Wagnerが選挙後に語ったところによると、彼が選挙戦の期間中に直面したさまざまな問題は、今多くの組織(企業だけでなく政党や政府機関なども含む)が対応に腐心している問題でもある。

今Civisの顧客たちが悩んでいる問題も、まさにそれで、それは、データから得られた情報の現実的な活用(“operationalize data intelligence”)、という目の前の生きた課題だ。たとえば、企業が抱える問題の典型が、“データからどうやって真実と予測を確立するのか、そして、その真実をどうやって行動指針に結びつけるのか”、だ。そこでCivisが作ったのは、顧客の企業等がデータを理解し、そのデータを利用して予測を作り出し、次に取るべき推奨ステップを得るための、“ワンストップショップ”だ。

そしてWagnerによれば、“今世の中には十分な数のデータサイエンティストが存在しない”。そこでCivisは本来のコンサルティングビジネスをより充実させるとともに、今では、“100名のデータサイエンティストの知識を集めてそれをワンセットの技術へとラップする”、ということをやっている。そういう、知識と技術をパッケージ化したツールによって、少人数のデータサイエンティストのチームがこれまでよりも効率的に、より多くのクライアントに対し、仕事ができるようになっている。

Civis Analyticsの顧客は公共部門と民間部門の両方にいて、その中にはAirbnb, 2020年国勢調査(Young & Rubicamとパートナー)、Verizon(本誌TechCrunchのオーナー)などもいる。

Wagnerによると、同社はありとあらゆるデータサイエンスの問題を解こうとしているわけではない。むしろ同社が望むのは、顧客を支援して“人間を本当に理解することによって、これから行うべき正しい態度や行動を予測できるように”していくことだ。企業の場合は、顧客や潜在的な顧客を理解しなければならないし、政府機関なら住民や国民を、そして選挙戦なら投票者を理解しなければならない。

Civis media optimizer

Civis Analyticsは以前、シード資金をAlphabetの執行会長Eric Schmidtから調達したが、それまでの3年半はほとんど自己資金のみでやってきた。Wagnerが語る思い出話によれば、資金を提供する時Schmidtは彼に、“きみはこれで苦しむ必要がある”、と言った。〔投資家への責任という重荷を負うべき、の意。〕

ではなぜ、今また資金を調達するのか? Wagner曰く、今の同社の収益で社員を135名に増員することは可能だが、でも今は、もっと積極的に会社を大きくすべきタイミングだ、と。

今回の新たな投資ラウンドはDrive Capitalがリードし、Schmidt, Verizon Ventures, そして世界最大の広告持ち株企業WPPが参加した*。DriveのChris Olsenが、Civisの取締役会に加わる。〔*: 複数の有力広告代理企業を傘下に抱える。〕

同社は今年の大統領選には関与しなかったが、Wagnerの経歴を知る者としては、選挙について聞かないわけにはいかない。彼は、結果には“大いに落胆した”と認め、しかし、Donald Trumpの、選挙人団(Electoral College)制度*による意外な勝利で、選挙戦におけるデータサイエンスが無意味になるわけではない、と主張する。〔*: 選挙人団制度にはアメリカ国内でも批判がある。問題の性格が、日本の“一票の格差問題”とやや似ている。〕

“Trumpはテクノロジーで一風変わった予想外のことをした”、とWagnerは言う。“それによって選挙戦とデータ分析の関係が変わることはないが、選挙戦のあるべきやり方がたぶん変わるだろう”。

彼によれば、“壊れていたのは”、分析の方ではなく測定の方だ、それは“変わらなければならない”、という。

“電話による世論調査を政治的測定の手段にすることは、たぶん、もうだめだろう。それは今や死に体だし、誰もがそのことを知っている。国内では、商業的にも公共的にも、電話だけに限定されないマルチモード、そしてオンラインのパネル〔討論場, Twitterなど〕に移行が進んでいる。そういう新しい状況に適応する必要があり、しかも非常に迅速に適応しなければならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トランプ次期大統領、12月14日にニューヨークでテクノロジー・ビジネスのトップとミーティング

New York City - USA - April 27 2016: Republican presidential candidate Donald Trump gestures while speaking to press after his five-state super Tuesday win

IT起業家、ベンチャーキャピタリスト転じて大統領政権移行チームの重要メンバーとなったピーター・ティールとのブロマンス〔男の友情〕はさておき、選挙期間中のドナルド・トランプとテクノロジー界の関係はかなり緊張したものだった。シリコンバレーは全体として対立候補を支持しており、逆にトランプ候補はAppleからAmazonのジェフ・ベゾスに至るまでテクノロジー企業のトップに手荒い言葉を浴びせた。

しかし11月に選挙結果が出てからはAppleのティム・クックも和解と統一を呼びかけており、トランプも腰を下ろしてテクノロジー・ビジネスのトップ・リーダーたちと話し合う機会を持とうとしているようだ。ピーター・ティール、大統領主席補佐官に決まったレインス・プリーバス、女婿で顧問のジャレド・クシュナーは連名でテクノロジー企業のトップをラウンドテーブル形式でのミーティングに正式に招待した。会合はニューヨークのトランプタワーで12月14日に開催される。

このニュースはPoliticoが報じ、USA Todayが確認したが、参加者、議題も含めて具体的な内容はほとんど明らかになっていない。しかし最近のトレンドを考えれば、サイバー・セキュリティー、ネット中立性はもちろん職をいかに増やすかも議題となると考えていいだろう。

選挙期間中にも目立った次期大統領の論争的な性格からして、招待された人物と同時に招待されなかった人物、企業の名前も同様に重要だ。われわれは関係者にコメントを求めているので新たな情報が得られ次第アップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アメリカ緑の党のJill Steinがウィスコンシン州の大統領選で票の数え直しを請願

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Green Partyの大統領候補Jill Steinと、Independent Partyの候補Rocky De La Fuenteがウィスコンシン州で、投票の集計のやり直しを求める請願を提出した。その前にSteinは、クラウドファンディングサイトNationBuilder.comで、“正しい選挙”を実現させるために、520万ドルあまりの資金を獲得した。

Steinのクラウドファンディングキャンペーンが寄付を集めたのは、法律とサイバーセキュリティの専門家たちのグループが、ウィスコンシン州など三つの州の投票結果に対して疑念を提示したあとのことだ。専門家グループは、結果はハックされたか、または操作されていたかもしれない、と示唆した。

そのグループには、弁護士のJohn Bonifazと、ミシガン大学コンピューターセキュリティセンター(Center for Computer Security and Society)のディレクターJ. Alex Haldermanがいる、とNew York Magazineが報じている

ウィスコンシン州選挙管理委員会の公式Twitterアカウントは、金曜日(米国時間11/24)の東部時間午後5時前に請願受け取った、と確認している。

Steinからまだコメントは得られていないが、彼女はGreen Partyを代表して、ウィスコンシン州のあと、他の二つの州、ペンシルベニアとミシガンでも集計やり直しを求めたい、と言っている。

[選挙管理委員会、請願受け取り確認]

Trumpはこの三つの州すべてで、僅差で勝った。国の選挙結果への異議が認められるためには、ほかのすべての州で票の集計が正しく、ウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガンの三州の再集計でHillary Clintonの当選が実証されなければならない。

これまでの集計では、TrumpはClintonに、ペンシルベニアでは70010票、ミシガンでは10704票、ウィスコンシンでは27257票、上回っている。

ウィスコンシンは、12月13日の締め切りに間に合うように再集計を完了しないと、その投票は無になる。それが国のセーフハーバー法の規定だ。

もちろんアメリカの選挙は一般投票の総投票数では決まらず、選挙人団(Electoral College)というもので決まる。彼らは州ごとの結果に基づいて、12月19日に最終投票を行う。

Hillary Clintonは再集計について公的声明や、その要求を行っていない。

Jill Steinの計画では、FacebookのLive Q&Aで再集計キャンペーンに関する質問に答えるつもりだ。ただしそのイベントの時間は、まだ決まっていない。

(こんなドラマを見ると、国が、選挙後の投票の監査と再集計を選挙運用の標準手続きになぜしないのか、と疑問に思う。)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))