Facebookページでコメントへの返信が可能に。スレッドの優先表示も

Facebookは、Facebookページおよび有名人のプロフィールに、ファンや読者との対話を促進するための新機能として「返信」を提供する。これまでFacebookページでは記事にコメントを付けることはできたが、コメントに返信することはページ管理者にもできなかった。Facebookは昨年11月以来この新機能をテストしてきたが、情報筋によると7月の一般公開に先立ち、3月25日にオプトイン方式で公開するらしい。

送られてきた新機能のスクリーンショットはこれだ。

同時に提供予定の新機能には、これもベータテスト中のアクティブスレッドの優先表示がある。これは、アルゴリズムを使って最もアクティブなスレッドをコメントのトップに表示するものだ。

返信とアルゴリズムによる並べ替えは、どこでも利用できわけではない。Facebookページの記事と、フォロワー1万人以上のプロフィールだけで、個人アカウントでは利用できない。また、当面モバイルでは使えないが、将来的にグラフAPIおよびモバイルにも返信が採用される予定だ。

返信機能は、既にFacebookのコメントプラグインには導入済みで、サードパーティーのサイトで利用できる(TechCrucnchでも以前は使ってた)。しかし、Facebookサイトで提供されるのは初めてだ。

返信機能を導入する最大の理由は、Facebookページの管理者が、個々のコメントに直接対応ができ、他のユーザーにもどの会話がいちばんアクティブかがわかるようにことだ。これはコメントによる会話の質を向上させるだけでなく、ページの書き込み全体のエンゲージメントを高める効果がある。Facebookにとって、宣伝費の使い方を決める重要なデータであるユーザー滞留時間を定量化する手段として、エンゲージメントは今も重要な指標だ。

Facebookは、ページ管理者に対して新しい返信機能を3月25日からオプトインで提供し、7月10から一般公開する。

Facebookが配布しているFAQには、会話スレッドのしくみが簡単に書かれており、これを見ると単に返信のいちばん多いコメントを上にするのではなく、ユーザーのソーシャル関係や好みに応じて順位付けされるようだ。

「各ユーザーのつながり方によって表示が変わることもある」とFacebookは書いている。例えば、ある読者がたまたま特定のスレッド中の人知っていれば、その読者にはそのスレッドがトップに表示される。これは読者がそのスレッドに参加したいだろうとFacebookが予想するからだ。

これとは別に、いいね!や返信の多い記事にも重みが付けられる。逆に、スパムのフラグが付けられたスレッドやコメントの順位は下がる。Facebookは、スパム常習者のコメントを「ランクダウン」させることもあると言っている。

しかし、これからはモバイルが中心だと高らかに宣言している会社としては、返信に関して少々一貫性を欠くことになりそうだ。

返信は当初モバイルでは機能しないので、iOSとAndroidの専用アプリでは、返信も通常のコメントとして表示される。グラフAPI経由で表示されるスレッドについても同様だ。これは、サードパーティーのページ管理アプリも返信を書けないため、不利を強いられることを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookがハッシュタグを採用すれば、グラフ検索をはるかに上回る発見が生まれる

ハッシュタグ(#)といえばコンテンツを分類したいTwitterユーザーたちの象徴だが、近々これがFacebookのグラフ検索に導入されるという噂がある。同社はこの機能をあれこれ検討しているらしいが、どこまで本気なのかはわからない。

ハッシュタグは、Twitterだけに特有なコンセプトというわけではないが、一般ユーザーの間に普及させたことは間違いない。ちなみに、ハッシュタグの最も重要な使い道はブランディングのためではなく、未分類の情報をまとめて、発見しやすく見渡しやすくするためにある。

本誌情報筋によると、果たしてこの機能がFacebookのユーザー体験に取り入れられるかボツになるのかを決めるにはまだ早すぎるという。しかし、ニュースフィード改訂ではっきりした情報を分別してフィードに流すという同社の方針と、ハッシュタグの導入はつじつまが合う。現在グラフ検索では、全書き込みのインデックス化がまだなので、ハッシュタグの採用はその後になるかもしれない。

しかしFacebookはハッシュタグの威力を目の当たりにしている。Instagramでは驚くほどよく使われているからだ。写真にハッシュタグをているのは全く異なる層のユーザーたちだが、退屈した人々がタグをクリックすることによって、どれほど写真の魅力が喚起されるかをFacebookは知っている。

グラフ検索を使っていて、空っぽのボックスの中に文字を入力することはソーシャルネットワークには馴じまないと感じている。リンクやハッシュタグのようなヒントから自分の探訪をスタートする方がずっと好みだ。これはWikipediaなとのサイトに広く行き渡っている現象だ。リンクをたどって記事から記事へと何時間も没頭してしまう。このようにリンクには巨大なソーシャルネットワークを小さく感じさせる効果がある。これはTwitterがハッシュタグをうまく取り込んで以来経験してきたことだ。


もしFacebookがリンク付ハッシュタグを採用すれば、人気テレビ番組には「#○○○」を貼り付けたCMが溢れて、視聴者を巻き込もうとすることは間違いない。本来ハッシュタグは、ワンタップ、ワンクリックの発見を通じて人々の時間を大量に消費させるためにある。そうなればTwitterも大いに恩恵に預かることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、グラフ検索向けにハッシュタグ導入か。プライバシー対索が必要

Facebookには今でも人やFacebookページや場所のタグがあるが、近くユーザーが記事にハッシュタグを付けられるようにして、グラフ検索のインデックスや検索をしやすくするかもしれない。ある情報筋はTechCrunchに、Facebookがプロジェクトを進めていると伝え、すぐ後にThe Wall Street Journalも同じようなニュースを報じた。

しかし、この機能が実現するのはまだ遠い先のことかもしれない。Facebookは、グラフ検索の検索対象として、記事を追加する必要が出てくる可能性が高い。現在Facebookの内部検索エンジンが返すのは、人、場所、Facebookページ、アプリ、メディア、および興味だけだ。ただしFacebookは、いずれ記事の検索も実施すると言っているので、ハッシュタグはその機能を益々便利にするかもしれない。

ハッシュタグがないと、人気の話題に関する記事を探すためには、そこで使われている用語を正確に推測する必要がある。ハッシュタグの導入によって、自分の記事をグラフ検索が見つけやすくしたい人は、記事にハッシュタグを付ければ、別のユーザーが検索する際に関連するタグを見つけやすくなる。ニュースフィードで記事内のハッシュタグがクリックされた時に、Twitterと同じように、そのハッシュタグを含むグラフ検索結果を表示できる。

ハッシュタグは、ブランドやイベントがFacebookどの話題を誘導するのにも役立つ。ブランドのイベントやマーケティングキャンペーンを紹介する人にハッシュタグを入れるよう頼むことができる。Facebookはニュースフィードに、複数の友達が参照しているタグを表示する。広告主は、自社のビジネスに関係のあるハッシュタグが検索結果に表れるために喜んで料金を支払うだろう。Twitterでもよく行われていることだ。Mark Zuckerbergは、スポンサー付検索結果がグラフ検索収益化の自然な形であると認めている。

ハッシュタグと共に、グラフ検索に記事が入る時には、トレンドトピックの一覧も来るかもしれない。

しかし、Facebookのハッシュタグには大きな課題がある。殆どのユーザーが全体公開のTwitterとは異なり、Facebookではほぼ全員が何らかのプライバシー設定をしている。このためハッシュタグをクリックした時には、そのタグを含むもののうち、公開あるいはクリックした人が見ることのできる記事だけが表示されなくてはならない。プライベートな記事は内容だけ表示して作成者を見せないという方法もあるが、反発は必至だろう。

ハッシュタグとトレンドトピックの運用方法を考えることは、世界最大のソーシャルネットワークにとって、一つの社会学的挑戦である。うまくやれば、Facebookの時代精神を浮かび上がらせることができる。やり方を間違えれば、人々は記事にあのシャープ印を付けることを警戒するようになるだろう。しかしグラフ検索が記事を対象にするまで、ハッシュタグがFacebookで威力を発揮することはできない。

[画像提供:LeaveYourHashtagOnTwitter, People who make memes]

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(翻訳:Nob Takahashi)


ネット業界最強の4社に学ぶ起業家的教訓

Apple、Amazon、Facebook、そしてGoogle、、、今日のネット業界を代表する最強の4社であり、米国では「4社のギャング」ともいわれ常に注目を浴びる存在です。今回はそんな4社にスタートアップ・起業家的教訓を学んでみようという興味深い記事を。今ではネットを超えて世界を代表する企業に成長した4社ですが(Facebookは実績はまだまだですが)、Appleといえばガレージから始まったベンチャーで有名、AmazonとGoogleは90年代に生まれ、Facebookに至っては創業10年にも満たない会社です。どれもかつてはスタートアップだったわけで、それが急成長した理由、そしてそこに学べる秘訣が何か見つかるかもしれません。 — SEO Japan

FastCompany.com より、ギャング・オブ・フォーのCEO達の画像

成熟したビジネスと同様、全てのスタートアップは、今日のビジネス界において急成長と成功のスタンダードを築いたAmazonとAppleとFacebookとGoogleからできる限り多くのことを学ぶ必要がある。数年前にEric Schmidtによって“ギャング・オブ・フォー”と名付けられたこれらの企業は、疑いもなく、今日のインターネットで消費者およびビジネスの革命を推し進めている。

The Age of the Platform”の著者Phil Simonを含む多くのテクノロジー評論家によると、これらの4社は、1つの製品もしくはサービスというよりも、ビジネスモデルとしてのアプリケーション付きプラットフォームの台頭を実証している。あなたは、彼の結論を信じられないかもしれないが、説得力のあるビジネスモデルを築く方法に関して彼が提供する教訓から多くのことを学ぶことができる:

  1. 小さく動け。“大きいこと”とそれに付随する全ての問題―官僚体制、政治、内紛など―がどんなビジネスモデルをも危険にさらす。官僚体制と過度な民主主義はスピードを殺す。堅苦しく柔軟性のないマネージメント構造を避けるために組織を再編成するのだ。
  2. オープンで協力的になれ。大企業もスタートアップも、あらゆる種類の新しいベンチャーやパートナーシップやオファリングに対してオープンでなければならない。アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)をオープンにして、デベロッパーやパートナーや消費者が自由に使えるようにするのだ。
  3. 合理的な買収、拡張、運営を探し求めよ。底深さと幅広さの両方の観点から、自分のコア・コンピテンシーを強化するために、戦略的な買収をすることを計画すること。拡張には、一から作るのではなく、既存のソリューションとプラットフォームを活用するのだ。
  4. 小さく賭け、実験を奨励せよ。この時代に将来有望な企業は、数多くの異なる小さなプロジェクトと数多くのアイディアを開発する。確かに、大部分が失敗をすることになるのだが、最も成功する製品は小さなアイディアやサイドプロジェクトから生じることが多い。
  5. 失敗をし、不確かさを受け入れろ。賭けが小さければ、失敗は悪いことではないし、そこから学ぶことができる。公開前に完璧を求めることは、助けになるというよりも害を与える。モデルを作るためには、いちかばちかやってみる意思がなければならない。安全は、新しいリスクだ。
  6. テクノロジーに対する期待を和らげる。効果的なプラットフォームを築くことは時間がかかるし、通常、それはゆっくりとけん引力を示す。常に自分が必要とするよりも多くのコンピューターリソースを買うこと。良い第一印象のためには足りないよりは多すぎる方が良い。
  7. 賭けに出る時を知れ。断固として、新しい経済、ビジネスの実体、テクノロジーに適応することを誤って拒む人や企業が多い。テーブルの上にある大金を手放したい人などいないが、一千を節約して大金を無駄にしないようにすること。
  8. 幅の広さは底の深さに勝る。真のプラットフォームは、多角的だ。1つのニッチなエリアにおいてかなりの底深さを持つことは重要だが、強固なプラットフォームは、既存ユーザーと顧客に新しいユーザーインターフェースを学ぶことやデータの転換を要求せずに、数々の製品を追加して進化する。
  9. ニッチに狙いを定めている時は、素早く決断力を持って動け。忍耐と惰性を混同するな。あまりにも長く待ちすぎることは、チャンスが永遠に消えてなくなること、または他の誰かがあなたの先を越すかもしれないことを意味する。期待は和らげるが、賭けに出るのだ。
  10. 既存のツールを使用せよ。ゼロから独自のツールや基本機能(政策)を作ることは、全ての会社にとって、時間がかかり、お金もかかる、単に不必要なことだ。開拓地を使うことによって、ビジネスは、セレンディピティと露出と相互作用を増やす。

新しいプラットフォームを築くことは、必ずビジネスの成功を保証するものではない。プラットフォームは、コンピューターの出現以来、オペレーティングシステムやネットワークやAPIという形で存在してきたにもかかわらず、今日では新しいプラットフォームがテーブルステークスになっていると、懐疑派の人は指摘するかもしれない。旧式のサイトを持つビジネスは、信頼性と顧客を犠牲にし、世界全体の目に触れなくなるというリスクがある。

新しいプラットフォームビジネスモデルは決して終わることはない。それぞれが、様々なやり方や方向に拡大し続けなければならない。今日のめまいがするような変化のペースは、弱まる兆しを見せない。だから、今日これらの教訓に注意を払い、大いに異なる明日のためにできる限り備えるために、自分にできる全てのことをするのだ。


この記事は、My Venture Padに掲載された「10 Entrepreneurial Lessons From the ‘Gang of Four’」を翻訳した内容です。

まず「アプリケーション付きプラットフォーム」という考え方は面白いですね。そして紹介されている10のアドバイスは、どれも起業家が常に心に留めていたいものばかりだったと思いますが、どちらかというと苦戦している日本の大企業に実践してほしい内容のような気もしたのは、私だけでしょうか。 — SEO Japan [G+]

Facebookのエッジランクの仕組みを理解する

気づいてみれば日本でも見事に普及したFacebookですが、そのマーケティング活用となると、まだまだ米国に比べても取り組みが遅れているようです。SEO的な観点から見ると、Facebook上の情報露出に多分に影響を与えるといわれるエッジランクに注目すべきですし、SEO Japanでもエッジランク最適化の記事を紹介したことがあります。最近の仕様変更でエッジランクがますます重要になったともいわれるFacebook、今回は改めてそのエッジランクについて解説した記事をブライアン・ソリスからご紹介します。 — SEO Japan

先日、フェイスブックは、ブランドが重要な投稿やアップデートのリーチを高めることが可能な機能を導入した。しかし、この機能を利用するには、料金を支払う必要がある。価格は、ファンの人数によって異なる。この新しい機能の追加は、エッジランクアルゴリズムの変更と同時期に行われた。エッジランクとは、ストリーム内外の投稿を自動的に絞り込むシステムである。結果を整理して検索の意図にマッチさせるグーグルのページランクと同じように、フェイスブックは、エッジランクを使って、エンゲージメントを最適化し、スパムを最小限に抑えている。

この一連の変化が加えられた後、多くのマーケッターやエグゼクティブが、無料投稿のリーチが大幅に落ちたと指摘するようになった。マーケッター達は、フェイスブックが、リーチを確保するためには、有料機能を利用しなければいけない環境を作り出すために、変更を加えたと考えたため、当然、フェイスブックは非難の矢面に立たされたのであった。

この問題が最も大きな注目を集めたのは、億万長者のダラス・マーベリックスのオーナー、マーク・キューバン氏が、脅しとも取れる攻撃的な批判を行い、全てのコミュニティの取り組みをその他のソーシャルネットワークに移すと述べた時であった。

ツイッターの中で、キューバン氏は「フェイスブックは大きなへまをした!」と述べ、さらに、続きのツイートで「これは1つ目のステップだ。マーベリックスの主要なサイトを、タンブラや新しいマイスペースに移すことを検討している」と告げ、フェイスブックに警告を与えた。同氏は、マーベリックスのフェイスブックのページが、23万人のファンに接触するためには、3000ドルから1万ドルのコストがかかる点を指摘したスクリーンショットをツイートで公開した。しかし、実際に計算すると、一人当たりにかかるコストは0.003ドルであり、妥当であることが分かる。残念ながら、多くのエキスパートはこのポイントを見逃していた。

 

しかし、批判はこれで終わらなかった。ソーシャルメディアエージェンシーの、We Are Social、そして、分析用の観測 & 追跡ツールを開発するSocialbakersが、エッジランクがアップデートされた後、自然の投稿のリーチが平均で40%減少したと発表した。

それでは、全体的に無料の投稿のリーチは下がったのだろうか?

その通りだ。

その結果、全体的なスパムの量は下がったのだろうか?

その通りだ?

フェイスブックは、リーチを減らし、より多くの広告を売るためにエッジランクを変更したのだろうか?

それは考えられない。

全てのブランドが、マーク・キューバン氏と同じようなリアクションを起こしていたら、利益もファンも失ってしまうだろう。これは、2012年の年明けに、GMがフェイスブックの広告から撤退した(日本語)際に投稿した記事で説明した。

エッジランクの仕組み

批判を行う前に、あるいは、実りの少ない議論に拍車をかける前に、エッジランクの仕組みを理解してもらいたい。ペイドメディア(有料)の戦略、アーンドメディア(無料)の戦略、あるいは、オウンドメディア(自己保有)の戦略を統括しているにせよ、目標および適切なメトリクスに関して、情報を得た上で決断を下すためには、まずは、難題と機会を理解する必要がある。

単刀直入に言わせてもらうと、フェイスブックは、エッジランクだけでなく、企業およびコミュニティ全体にとって有意義な手法で、ネットワークを活用する方法をブランドに理解してもらえるようにもっと努力するべきである。いずれにせよ、私達はどこかで行動を起こさなければならない。

ニュースフィード、エンゲージメント、そして、有料投稿: その仕組み」と題された記事の中で、フェイスブック広告のエンジニア、フィリップ・ジゴリス氏は、マーケッターを教育しつつ、作り話を一掃しようと試みた。このエントリでは、エンゲージメントおよび最適化のストーリーが展開されている:

どのようなタイプの投稿が良い反応を得ているのか観察する取り組みが、今まで通り、鍵を握っている。ページインサイトを使って、良いエンゲージメントをもたらしているのは、どのタイプのコンテンツ – 動画、投稿、質問等 – なのか、反応が鈍いのはどのタイプのコンテンツなのかを特定しよう。ページパブリッシングガイドに目を通し、投稿のベストプラクティスを学んでもらいたい。また、ページ投稿のターゲティング機能を使って、メッセージに反応を示す可能性が高いオーディエンスに接触しよう。そして、反応の良い投稿に対しては、宣伝して、リーチを拡大し、より多くのユーザーのニュースフィードに届けることを薦める。

ニュースフィードに投稿が掲載されるかどうかを判断するエッジランクの基本的な要素は、何だろうか?

1) フェイスブックは、ユーザーが以前作者の投稿に参加したことがあるかどうか、または、友達が投稿に反応をしめしているかどうかを見ている。

2) ユーザーのソーシャルグラフおよびネットワークが、コンテンツに反応を示すか否かで、ニュースフィードに表示されるコンテンツが左右される。

3) エッジランクは、例えば、写真、動画、調査等、過去に同じようなタイプの投稿に参加したことがあるかどうかを確認している。

4) コンテンツやページのホストが、その他のユーザーから苦情を受けている場合、そのコンテンツがユーザーに表示される可能性は低くなる。

ソーシャルメディアの最適化 = 新たなSEO

エンゲージメントは、リーチを拡大する上で重要な役割を担う。

今回の議論は、遥かに重要であり、生産的な議論を隠してしまっている。企業は、通信社に料金を支払ってプレスリリースを出したり、テレビやラジオの広告枠を買って、出来るだけ大勢の人達に接触する方法と同じような方法で、フェイスブックがメッセージを配信する上で手を貸してくれるものだと誤解している。フェイスブックはソーシャルネットワークであり、コミュニケーション、共有、そして、発見に手を貸すサービスである。10億人以上のユーザーがフェイスブックをデジタル版の家と見なしていることから、ソーシャルな経済活動が発生するのは当然である。そのため、この関係は努力して手に入れるものであり、双方の価値、娯楽、そして、権限を基にコミュニティが構築される点を学ばなければならない。

1回いいね!しただけで、オプトイン、または、マーケティングスパムを購読したことにはならない。これはあくまでも表現の一つであり、あらゆる情報を求めていると宣言したわけではない。コミュニティのサイズに関わらず、ユーザーはマーケティングのメッセージを待っているわけではない。現実として、ブランドのメッセージを目にするのは、コミュニティのほんの一部である。いいね!したことがあったとしても、ユーザーは、友達、家族、その他のブランド、そして、重要な団体やイベントもフォローしている。その全てがコンテンツを配信しているなら、リアルタイムで注目を争うことになるが、適切なコンテンツを使って、適切なタイミングで注目を求めると言う考えに切り換えるべきである。

関連性をベースとして、反響を呼ぶことを考慮し、エッジランクにアプローチしよう。有料であれ、無料であれ、ソーシャルメディアの最適化(SMO)を通して、投稿を最適化することで、リーチを拡大することが可能だ。エンゲージメントがリーチにプラスの影響を与えているなら、読む/見る/聞くことが出来るだけではなく、共有可能なコンテンツを提供する必要がある。いいね!、コメント、シェア、タグ等は、ソーシャルエフェクトに拍車をかけ、アップデートの寿命と量を改善するだろう。共有が可能かどうか、または、SMOが完了しているかどうかを考えずに、単純に配信、または、有料投稿を行っているだけでは、無駄に終わってしまう。

これはあらゆるソーシャルネットワークに共通する。

有料のオプションを利用するにせよ、自然なエンゲージメントに投資するにせよ、それぞれの戦略の裏にある意図は同じでなければならない。有益で、意味のあるコンテンツを提供する必要がある。ユーザーに関連するコンテンツを与える取り組みに力を入れることで、共感を得られる可能性は高くなる。この共感こそが、時間の経過とともにエッジランクにプラスの影響を与えていくのだ(RRS)。

この記事は、もともとAT&TのNetworking Exchangeに投稿されたものである。


この記事はBrian Solisに掲載された「What Your Business Needs to Know About Facebook’s EdgeRank」を翻訳した内容です。

基本的な内容でしたが、最新のFacebook、特にニュースフィード周りの仕様を理解するのにちょうど良い記事でした。エッジランク最適化を実践するなら、やはりこちらのエッジランク最適化も併せて読みたいところです。 — SEO Japan [G+]

企業にとってFacebookデザイン改訂の意味は、広告の大型化とページフィードの顕在化。しかし「友達のみ」のセクションも

Facebookが今日(米国時間3/7)大々的に発表した新しいニュースフィードでは、ユーザーの写真が大きくなったが、ニュースフィード中の広告も大きくなる。「われわれはユーザーがフィード内で見るあらゆるコンテンツを、今まで以上に没入的にする。これはあらゆるものが対象であり広告もそこに含まれる」とFacebookの製品デザイン責任者、Julie Zhuoは言った。Facebookページは「フォロー中フィード」のおかげでペーシビューが増えるかもしれない。しかし今回Facebookには、「Facebookページのない」フィードもできた。

Mark ZuckerbergをはじめとするFacebookの幹部らは、プレゼンの中で広告に関して一切言及しなかった。話をしたのは、Q&Aセッションで質問された時だ。

しかし、このデザイン変更が広告主に影響を与えるのはこの部分だ。FacebookはUIを整理整頓して、中央のフィードで多くのスペースを写真に与えた。企業は写真を載せたフィード広告を買えば、その写真も大きく表示される。これには、大型のホームページ全面広告や高級雑誌の広告を使い慣れている高級ブランドを呼び寄せる効果がある。

Facebook以外のウェブサイトは、自分たちのコンテンツを見せびらかす良い機会を得ることになる。Facebookは、Pinterestからシェアされたコンテンツが豪華に表示されるところを披露したが、これはこの画像共有サイトにとっても、そこからトラフィックを誘導されるEコマース店舗にとっても有難いはずだ。Zuckerbergは、Quoraをはじめ他のサイトにとっても後押しになるだろうと言った。シェアされたリンクに表示される抜粋が以前より長くなるため、内容のある優れたサイトは恩恵を受けるが、人々が勘違いしてクリックすることを狙った釣り見出しにとっては不利になるだろう。

Pinterest Share

さらにFacebookは、ユーザーが様々なコンテンツ別フィードを選べるようにした。これは、ユーザーがどのフィードを常用するかによって、ビジネスページやプロのライターを有利にも不利にもする。Facebookページのみの「ページフィード」は、格上げされて「フォロー中」フィードに名前が変わった。ここには、ユーザーが「いいね!」を付けたFacebookページやフォロー中の著名人の最新情報が流れてくる。これは、Facebookページやプロのコンテンツ制作者にとっては有利だ。なぜなら以前はFacebookが標準ニュースフィードをフィルターする方式のために、最新情報の一部しかユーザーの目に触れなかったからだ。これで情報に貪欲な人々にとっては、効率よく記事を見つける方法ができた。

一方で、Facebookの中にFacebookページや著名人の入り込めない領域もできた。友達のみフィードは、企業にとって特に問題だ。もしユーザーがこれを常用すれば、企業ページへの関心を表すために気軽にいいね!を付けたり、サードパーティーをパーソナル化したりしても、それらの記事をフィードで見なくてもよくなる。

全体で見れば、ユーザーにとっては選択肢が増えただけだ。企業発のコンテンツを見たければ、以前よりも簡単にそれが可能になった。見たくなければ、スキップできる。企業にとって後者は好ましいことではないかもしれないが、今回の改訂は人々がサイトで過ごす時間を増やし、Facebook体験全般を向上させる。これは、日々そして今後何年にも渡って、企業がユーザーに売り込む機会が増えることを意味している。、

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話題のFacebookリニューアル。さらなる利便性を目指すデザイン方針は「Mobile-Inspired」

Facebook、内容別ニュースフィードを公開。写真、音楽、友達のみ、等々

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

話題のFacebookリニューアル。さらなる利便性を目指すデザイン方針は「Mobile-Inspired」

photo-2巷ではFacebookの新ニュースフィードに関する話題が花盛りだ。ちなみにFacebookでプロダクト部門バイスプレジデントを務めるChris Coxによると、Facebookの新デザインは「統一性」に重点をおいたものだとのこと。Facebook内ではこれを「mobile-inspired」と呼んでいるのだそうだ。今回リリースしたニュースフィード面での変化も、あるいは写真フィードの変更も、確かにデバイスによらない統一性を意識したものであることがお分かりになるだろう。これまでのFacebookとは確かに違う狙いをもってのリニューアルのようだ。

昨今の風潮として「デスクトップオンリー」のデザインというのは流行らない。少なくともメンローパークにあるFacebook HQ内ではそのように考えられている様子。時代はやはり「モバイル」であるらしい。ところで「時代はモバイル」といったとき、何を心がければ良いのだろう。より関係の深い情報を、タッチ操作などで簡単に、そしてすっきりとしてデザインで見せることが、一層大切になっているのだろう。

「Facebook内のいずれのページにも、わざわざホームページに戻ることなく移動できるようになりました」とCoxは言っている。フロッグデザインのマーク・ロルストンも、利用者の関わるところからは「技術」的な要素を消してしまうことが大事であるというようなことを言っている。美しい、レスポンシブなデザインとはつまりそういう方向性にあるものだろう。そして今回のFacebookが目指すところも同じだと言ってよさそうだ。

なぜこうした方向性をとるようになった理由のひとつとして、Coxは次のような例を挙げている。すなわちFacebook利用者の35%は、画面サイズの関係もあって右側に表示されるチャットバーを全く見ていないのだそうだ。そのせいで、メッセージ関連トラフィックが伸びていないこともあるのだとのこと。こうしたことを新たなレスポンシブデザインにより解決しようと考えているわけだ。

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新たなフィード画面は、本日よりウェブ上で展開されている。モバイルデバイスでは来月から適用していきたいとのこと。但し、利用者からのフィードバックを受け取りつつ、新デザインの摘要はゆっくりと進めて行きたいと考えているそうだ。

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今回の更新をまとめれば、すなわち「ごちゃごちゃにサヨナラ!」ということになる。

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ちなみに発表の席で広告についての話は何もなかった。「ごちゃごちゃ」という面ではもっとも不満の声が大きい部分でもある。広告の提示方式につき、どのように考えているのかは今後の様子を見て行きたいと思う。もし広告出現頻度が増えてくるようであれば、結局利用者の感じる「ごちゃごちゃ」と、Facebookが考えるところのものが異なるということになるわけだろう。Facebookが10億以上の人びとと同じように感じることができているのかどうか、今後に注目してみたい。

リニューアルの理由を説明するビデオを掲載しておこう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

Facebook、内容別ニュースフィードを公開。写真、音楽、友達のみ、等々


今日(米国時間3/7)Facebook本社で、Mark Zuckerbergが最新版のニュースフィードを披露した。そこには「モバイルから始まった」デバイス間共通のデザインが使用され、フィードはコンテンツの種類別に分かれ、画像は大きくなった。フォトアルバムも没頭型に改訂され、シェアしたリンクのプレビューも大きくなった。

これらの変更は今日から公開され、数週間のうちに行き渡る予定だ。Facebookが好評不評のフィードバックを得られるよう、公開はゆっくりと慎重に行われる。ここに本誌がいち早く使ってみたビデオがあるので新デザインのルックスと使用感をご覧いただきたい。

他のニュースフィードの改訂としては、チェックインした場所の地図が大きくなり、人々がどこにいるかが正確に表示されるようになった。PinterestからFacebookへの投稿がより鮮明になり、Facebookでの見映えが「Pinterestで見た時に近く」なった。ビデオも大きく表示される。複数の友達が同じ記事をシェアした時は、記事の左側にシェアした友達の顔が表示される。

Facebookは、今話題のコンテンツも注目しやすくした。ファンは様々なニュースソースによる「テイラー・スウィフトに関する最新記事」を見ることができる。

Photos Feed

ユーザーがフィードを選べるようになった。FacebookのニュースフィードチームのChris Struhaがこの内容別フィードを披露してくれた。フィードは、ユーザーがチェックする頻度に基づいて並べ替えられるので、いちばんよく見るフィードをすぐに使える。ウェブ、モバイルの両方で提供される。フィードの種類は以下の通り。

  • 友達のみ:友達の書き込みだけを最新順に表示する
  • 音楽:友達が聴いている曲、新しくリリースされたアルバム、気に入りそうなアーティストの紹介など
  • 写真:写真だけ。Facebookに直接アップロードされたものだけでなく、Instagramなど他の写真アプリからシェアされたものも含まれる
  • フォロー中:ページフィードの改訂版で、いいね!を付けたFacebookページの記事をすべて表示する
  • ゲーム
  • 親友
  • 趣味・関心、友達リスト

Feed List

Mark Zuckerbergはこう説明した。「パーソナルなレベルで、われわれは利用者が気にかけている人々や友達のことを見たり感じたりできるサービスを作っている。われわれの目標は、世界中の人たちにパーソナル化された新聞を届けることだ。新聞には1面が必要で、そこから興味のある記事を堀り下げていけるべきだ。ビジュアルで、リッチで、魅力的であるべきだ。単なるテキスト以上のものが掲載されるべきだ。開始当初からニュースフィードにおけるわれわれのゴールは、他のどんなサービスが提供しようとしてきたものとも異っていた。ユーザーが望めばどんな種類のコンテンツでも・・・そしてどんな視聴者に向けてもシェアできるべきだ。写真が伝えるものは全く別物だ」

誰もがポケットの中にカメラを持っている今、ニュースフィードの主役はビジュアルなコンテンツだ。ニュースフィードのコンテンツは50%近くがビジュアルだ。Facebookページのコンテンツがニュースフィードに占める割合は30%近い。誰もが友達とシェアしたいが、興味のあるメディアやアーティストや世界のリーダーたちの最新情報も見たがっている。

今回の新機能は、数日前私が記事で予想したものに近かった。ウェブの新デザインが届いたユーザーには、ニュースフィードの上部に切り替えボタンが表示される。公開は今日から始まるが、数週間数ヶ月をかけて徐々に広まっていくだろう。Facebookモバイルアプリのアップデートは数週間のうちに公開される。

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Hands-On With The New Facebook And Its Boredom-Killing Feeds [TCTV]

For Businesses, Facebook’s Redesign Means Bigger Ads, A Pages Feed, But A Friends-Only Section Too

Facebook’s Focus On Mobile-Inspired Consistency Is All About Getting Facebook “Out Of The Way”

Facebook Updates Its Photo Experience To Be More “Immersive” In News Feed, Timeline And Albums

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

信頼を勝ち取るために、Facebookはニュースフィードの変更をGoogle PageRankのように公表すべきだ

ネガティブな報道とユーザーの混乱が多すぎる。それはFacebookがニュースフィードを黙っていじった結果だ。Biltonゲート事件が我慢の限界だった。Facebookは公開ニュースフィードのアルゴリズム変更に関する情報提供を、GoogleがPageRankで行っているようにするべきだ。Facebookは、フィードをいじることがユーザーに役立ち、もっと広告を売るためではないことをユーザーを説得すべく、教育と透明性が必要だ。

Facebookは綱渡り状態にある。彼らは、マーケター、コンテンツ制作者、アプリ開発者、会社の利益、そして何よりも大切なユーザー体験のバランスを取らなくてはならない。時と共に、その権力、普遍性、富、そしてプライバシー問題のために、人々は何かの変更を見るそはから最悪の結果を想定するようなってくる ― Facebookはもっと個人情報を搾取してもっと稼ぎたいだけだ。

それは半分だけ正しい。データと金が欲しいのは間違いない、しかしFacebookは基本的に使命に駆られる会社た。Facebookの記事を書いて3年間、数十人もの従業員をインタビューし、サンフランシスコでの出来事も知り、私は彼らが世界をもっとオープンで繋がったものにしたいと本気で考えていると、心から信じている。

そうすることは、もっと個人情報をむさぼり金を稼ぐことを意味している。そのデータはサービスをパーソナル化するために使われ、お金はそれを作る人を雇うために使われる。しかし注目すべきなのは、彼らが使命を果たして財を成す唯一の方法は、ユーザー体験を最優先させることだという事実だ。もし広告主やバイラルアプリの開発者がFacebookを支配するようになれば、数年後には彼らが広告を見せたりアプリを売ったりする相手がいなくなってしまう。

このため、Facebookがニュースフィードを変える時、それはエンドユーザーの利益のためである場合が普通だ。問題は、多くの場合にそれがFacebookページ管理者やプロのコンテンツ制作者、例えばNew York TimesのNick Biltonの犠牲を伴うことだ。Facebookは、ユーザーがいいね!をつける可能性の高い記事がニュースフィードに流れるよう、アルゴリズムに変更を加える。それは読者の数を求めるジャーナリストや企業ページの記事が減ることを意味する場合もある。

transparency over fearFacebookは、そうした変更を加えた理由を伝えるやり方が下手で、変更も黙って行ってきた。いずれも人々に、欲深さのためであると思わせた。Facebookはこれに関して昨年夏以来大きな問題を抱えてきた。スパム通報されたFacebookページに対する罰則を強化し、全般的にファン1人当たりのいいね!が少ないFacebookページのリーチを減らした。同時期に、Facebookページがより多くのユーザーにリーチできるプロモーテッドポストを導入した。人々は直ちに、Facebookはプロモーテッドポストを買わなければリーチを減らすと言ってFacebookページを脅していると言って、彼らを非難した。Dangerous Mindsのあるブログ記事(右に貼ってある)は、Facebookを「史上最大のおとり商法」と呼び、16万2000件のいいね!を得た。

実際には、元々FacebookはスパムまがいのFacebookページを排除しようとしていたし、プロモーテッドポストは、ずっと以前からあるスポンサー記事を簡単に買う方法の一つにすぎない。仮にアルゴリズム変更と広告が関係していたとしても、意図的にフィードの質を下げることはFacebookの利益にならない。人々の読む量が減れば、プロモーテッドポストから得た収益は利用量の減少によって打ち消されてしまう。

この問題は先週末Biltonが長文記事で、彼のフォロワーに表示される記事が1年前より減っていて、それはFacebookが広告を増やしたためであると示唆したことによって再び浮上した。Facebookは、一部の有名ライターのエンゲージメントが減っていることを認めたが、それはたまたまユーザーがBiltonの記事を見たくなかっただけであり、殆どの著名人は露出を増やしていると主張した。しかし、最終的にFacebookは、言うなれば世界最強の会社とは思えない防御的態度を取った。、

もしFacebookが、スパム対策や公開フィードのリーチに関するコミュニケーションで先手を打っていれば、こんな状態になることはなかっただろう。Facebookは既に気付いていると私は感じており、少なくともニュースフィードの主要なアルゴリズム変更を行う前にはアナウンスをするようになるのではないかと思っている。利用規約の変更についても書いたように、「人は理解できないことを恐れる」ものなので、Facebookのゴールは理解を深めるさせることにある。

Google Inside Search

Googleではうまくいった。彼らは数ヵ月毎に、「検索クオリティーハイライト:8、9月で65箇所を変更」のような記事を掲載して、PageRankに関わる数十箇所の変更を概説するので、ウェブマスターは自サイトのGoogle検索ランクが変動することを知る。

例えば、昨年8月に載ったある変更は「システムの精度と適用範囲を改善することによって地元ウェブ検索でより関連性の高い結果を得られるようにした。検索結果がユーザーの地元であることを識別する方法が改善され、適切にランク付けできるようになった」というものだった。これによって地元以外のサイト管理者は、Googleが地元を優先したために自分のトラフィックが減るかもしれないことを知る。

Facebookは、小さな変更を頻繁に行い、時としてフィードに大きな変更を加える。明日発表される新しいコンテンツ別ニュースフィードもその一つだ。この大型変更に関しては、リアルタイムの更新一覧や詳細な解説記事が出るかもしれない。あるいは、Googleのように定期的な変更一覧を公開すると共に、主要な変更点を発表するかもしれない。Facebookはこれらと同時に、そもそもなぜ変更するかを説明するユーザー教育が必要だ。理想的なトーンは、「私はユーザーのために戦う!」的で、かつマーケターやパブリッシャーや開発者に、利己的スパマーの罪を着せることのないもの。

陰謀論者を説得することはFacebookにとって容易な仕事ではない。その多くは企業は邪悪だと体質的に考えているだけだ。透明性の推進が唯一効果を発揮するのは、自分が勝ち企業が勝つための最優先事項は、そこを人々が喜んで時間を過ごす場所にすることであると、Facebookが人々に伝えられる時だ。

関連記事:

Facebookのニュースフィードは、あてにならない贈り物

Facebook Admits Likes Are Down For Some Celebs

Facebook Will Launch Content-Specific News Feeds, Bigger Photos And Ads On Thursday

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(翻訳:Nob Takahashi)

ソーシャルメディアとブランドに関する10の統計グラフ

ブランドにとっても気にならざるえないのが今や誰もが当たり前に使うようになったソーシャルメディア。様々な消費者の意見や感情が一瞬にしてネットやスマホを介して飛び交い、時には仲間同士のコミュニケーションを超えてターゲットコミュニティやネット全体に広がることもある時代です。ソーシャルを無視できない全てのブランドマーケッターに贈る、ソーシャルメディアとブランドにまつわる多種多様な統計データをグラフ形式で10紹介した記事を。英語圏のデータではありますが、日本でも参考になる点は多々あると思います。 — SEO Japan

消費者はソーシャルメディア上でブランドをどのように見ているのか

あなたは、顧客がソーシャルメディア上のどこで参加するか、彼らが何をしているか、どうやって参加するか知っているだろうか?

もっと重要なことに、彼らがあなたのブランドのソーシャルメディアエンゲージメントをどのように見ているかを知っているだろうか?あなたが多くのマーケッターと同じなら、さっぱり分からないだろう。

消費者がソーシャルメディア上でどのようにブランドを見るかについてのマーケティングの見解を提供するため、ここでは、2013 Digital Influence Reportのために1,200以上の顧客からのデータを集めたTechnorati Mediaの調査、およびcomScoreの2013 US Digital Future調査の分析をする。

1.ソーシャルメディアとコンテンツ:顧客は何をし、何を言うのか

comScoreによると、2012年、最も訪問者数が多かったのはGoogleだったが、エンゲージメントに関してはFacebookが勝った。全体の時間に対する割合が1%のコンテンツリッチなコマースサイトAmazonが訪問者数で5位につけたことは注目に値する。加えて、13歳~24歳の層を引き付けることが理由で大部分のマーケッターに見過ごされている傾向のあるプラットフォームTumblrは、全体のエンゲージメントの0.7%だった。

消費者にとっては、YouTube (80%)とFacebook (74%)が他のコンテンツに勝る。YouTubeの高い順位は、ソーシャルメディアサイトとしてというよりは動画消費手段として使われることが理由のようである。人々は、小売店サイト(50%)、Google+ (47%)、ブログ(45%)でもコンテンツを消費する。マーケティング予算を急いでシフトする前に、Google+の比較的高い順位は、名前の認知に基づく検索エンジンとの混同が原因かもしれないことを考慮しよう。さらに、メディアサイト―ニュース(36%)およびオンラインマガジン(15%)―は混雑を突破することを要求される。

実用的なマーケティングのアドバイス:動画を作ってYouTubeで共有する。また、まだブログをやっていないのなら、自分のコンテンツマーケティングミックスにブログを追加する。さらに、もしあなたのビジネスが25歳以下の層をターゲットにしているのなら、すぐにでも自分のソーシャルメディアポートフォリオにTumblrを含めること!

2.Facebookは今でもソーシャルメディア上の参加時間を支配している

いまだにFacebookはソーシャルメディアで過ごす参加時間の大きな割合を占める。驚くのは、PinterestやTwitterやLinkedInよりも目立たないTumblrが、ソーシャルネットワーキングサイトで過ごす時間の5.7%を占めて2位に入っていることだ。

2012年の間、TwitterとLinkedInは合計ユニークビジター数に関して比較的近かった。面白いのは、立ち直るのを難しくするような6月から9月のTwitterの下降である。注目すべき重要な点は、Twitterがソーシャルメディアプラットフォームとして頭打ちになったのかどうかということだ。

真っ直ぐな道ではないものの、LinkedInは成長し続けてきた。FacebookやTwitterとは違って、LinkedInにはより多様化した収益モデルがある―プレミアム登録料と広告のコンビネーションだ。一方、Facebookはその収益モデルを多様化しようとしているし、Twitterはその広告提供を定義することにいまも努めている。

写真がなかったらソーシャルメディアはどうなるのだろう!他の測定と同様に、Facebookが完全に画像数を独占している。とは言っても、Tumblr、Pinterest、Instagram(今ではFacebookに所有されている)は全て画像中心のソーシャルネットワーキングサイトだ。以下に示されているように、TumblrはPinterestとInstagramと比較して安定した成長を経験している。

実用的なマーケティングのアドバイス:ソーシャルメディアプレゼンスを多様化する。Facebookは大部分のメトリクスによると今も800パウンドのゴリラであるため、あなたはそこでの存在を必要とする。マーケッターとしてあなたは、自分の得意分野を主張して、自分のブランドとビジネスのために相応しいソーシャルメディアエンティティを築き始めたことを保証する必要がある。

3.消費者によるソーシャルシェアは信用にはつながらない

Technoratiの調査によると、客は小さなプラットフォームよりも大きなサイトを信用するが、一般的にはソーシャルメディアを信用しない。回答者のおよそ5分の1が信用するブランドサイトは並みである。

信用性の相対的欠如にもかかわらず、消費者はソーシャルメディアサイトからコンテンツを共有することに前向きだ。4分の1の人がブログ(ソーシャルメディアの1つの形式)から情報を共有するが、客はブランドサイトからはコンテンツを共有しない。

実用的なマーケティングのアドバイス:動画とブログコンテンツを作って、自分のブランドのウェブサイトに頼るよりもソーシャル共有を奨励する。どのようにして自分のコンテンツをオーディエンスにとって便利なものにするか検討する。

4.消費者はソーシャルメディアでブランドをフォローする:その理由は?

ブランドがソーシャルメディア上に存在しなければならない理由は、消費者がそれらの場所を使ってブランドや製品の情報を探し求めるからだ。これは、あなたがプロモーションを使って彼らにスパムを送るべきだという意味ではないので、注意すること!

  • YouTube (61%)は製品とサービスについて知ることにおいて勝っている。これは、Blendtec’s Will It Blendのような面白い動画の他に、ハウツーや製品の360度ビューを意味する。
  • ソーシャルメディアとはディスカウントのある場所だ!消費者が積極的にディスカウントを探し求めていることを理解しよう。(ディスカウントが高い順位にある価格設定調査がある。)これらの値引きを自分の価格設定に含めることを忘れずに。
  • 回答者のおよそ4分の1がコミュニティの一員になることに興味を持っていた。(以下参照)
  • あらゆるコミュニケーションポイントと同様、顧客のフィードバックは、ネガティブなものとポジティブなものの両方を予期すること。ソーシャルメディア上では、批判する人は他の人が耳にするメガホンを持っているということを理解すること。これは、ソーシャルメディアプラットフォーム上のカスタマーサービスに返答する準備の整っている人々を持つことにつながる。

ソーシャルメディア投稿に関しては、大部分の消費者はブランドがアクティブすぎると考えている。もしあなたが自分のブランドソーシャルメディア投稿を疑わしいと思うなら、ファンにあまりにも頻繁に投稿しすぎている可能性が高い。

実用的なマーケティングのアドバイス:自分の製品の使い方やスタイルを見せる動画を作ってソーシャルメディア上に配信する。さらに、自分の価格設定にソーシャルメディア上で使用するディスカウントとプロモーションを組み込んで、それが競争に勝てるものであるようにする。さらに、見込み客のコンバートに役立つような状況に応じたランディングページを作る。

5.小さなコミュニティほど消費者に大きな影響を及ぼす

見込み客、顧客、ファン、一般大衆との関わりを求めているブランドにとっては、コミュニティの規模を検討することが非常に大切だ。グループが大きくなるにつれて、同じレベルのエンゲージメントで互いに交流し合うことはより難しくなる。

実用的なマーケティングのアドバイス:自分のソーシャルメディアコミュニティを築く前に、どのように参加者に関与して欲しいか、どのようにそれが自分のビジネスゴールを前進させるのかを決める。

自分のターゲットオーディエンスがソーシャルメディア上のどこにいるか、彼らがどのようにあなたのコンテンツを見て使用するのかを理解することは、マーケティングのゴールを達成する重要な部分だ。見込み客と顧客が探し求め、共有する情報を作ることがカギだ。

ソーシャルメディアプラットフォーム上でのあなたのブランド観は何だろう?


この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Social Media and Brands: 10 Charts You Need」を翻訳した内容です。

最初のサービス利用率ですが、日本では相変わらず流行らない動画マーケティングですが、海外で当たり前に使われていることも納得の数字ですね。日本も見られていることは見られていると思うのですが。。。2番はFacebookの圧倒さが目立つデータも、日本や東南アジアなどLineを始めとするマイクロメッセンジャーが人気のエリアだとグラフがどう変わるのか気になります。このように日本で全て同様と判断するのは危険ですが、ソーシャルメディアの風景を知るという意味ではマーケティングをプランニングする前に知っておくと少しは参考になるかもしれない内容でした。 — SEO Japan [G+]

「いいね!」が欲しければTwitter経由のFacebook投稿はやめること

NY TimesでのNick Biltonの記事によると、Facebookに投稿したコンテンツのが、従来よりも少ない人びとにしか届けられなくなっているそうだ。Facebookでのフォロワー数は増えているのに、「いいね」の数が急速に減っているのだとのこと。ちなみに本件についてはJosh Constineも記事を書いている。

Biltonは、Facebookが有料プロモーションを導入したことで、対象外の発言の配布範囲を狭めたのだろうと推測している。Hunter Walkは、また別の考えを主張している(確かに彼の主張も理にかなっている部分があるようだ)。

オッカムの剃刀を適用してみると、Biltonの意見が正しいのかもしれない。無料投稿記事の配布範囲を狭めることで、有料プロモーションのニーズを高めることができるからだ。本当のところはわからない。ところで昨年11月に有料プロモーションのテストをしたところでは、投稿の閲覧者数が969倍になったと表示された。

ところでひとつ確からしいことがある。もしFacebookで「いいね」を集めたいと考えているのなら、Twitterへの投稿が自動的にFacebookにも投稿されるようにはしない方がいい。私の経験によると、そうした投稿に対しては、Facebookが厳しく「ペナライズ」するようなのだ。投稿のリーチが大幅に狭まることになるようだ。

私は自分のFacebookページに、Twitterへの投稿が自動的に流れるように設定している。Facebookに直接投稿することもある。そして傾向をみてみると、直接Facebookに投稿した記事の方が「いいね」の数が多くなるのだ。これまでは平均データなどをとってはいなかったが、今回、過去数週間分の投稿について平均をとってみた。

それによるとTwitter経由でのFacebookへの投稿の平均「いいね」数は13.6だ。Facebookに直接投稿した記事については、その数が81.1となっている。

私自身については、これからも投稿スタイルを変更するつもりはない。しかし「ぜひとも変更しよう」と思う方もいるのではないかと思う。

情報開示:私はベンチャーファームのCrunchFundのパートナーという立場にある。CrunchFundおよび私はFacebookの株式を保持している。またCrunchFundはTwitterの株式も保有している。詳細についてはこちらに開示している。

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(翻訳:Maeda, H)

Facebook、グラフ検索のサンプルを公開―もっと本質的なユーザー体験の改良に力を入れるべきでは?

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Facebookでユーザーがいちばんひんぱんに訪問するのは写真とニュースフィードの部分だろう。それに比べて、最近鳴り物入りで追加された2つの大型プロダクト、タイムラインとグラフ検索は比較的ニッチな機能にとどまっている。

今日(米国時間2/28)、Facebookは グラフ検索をデモするため、サンプルを公表した。しかしその結果はグラフ検索はユーザーが毎日使うようなものではないという印象を強めただけだった。

Facebookが検索機能を強化する必要があるのは間違いない。しかしこれまでのところ、Facebookでは先進的なテクノロジーを見せびらかすのに熱心な一方でユーザー体験の改善ががおろそかにされているのではないだろうか。

先週私はFacebookを取材したところでは、グラフ検索はすでに何十万人ものユーザーに公開されているという話だった。スタートの時点でのユーザーは10万人前後だったようだ(ベータ版への登録はこちら)。しかしユーザーはこの機能を利用するのにあまり熱心でないらしい。そこで、Facebookのユーザーで現在グラフ検索が利用できるのは1000人に1人くらいなのだが、Facebookはいっそうの利用を促すために検索結果のサンプルを紹介するブログ記事を公開した。

紹介されている検索例には、友達の昔の写真やビデオ、大手メディアからの話題のコンテンツなどが含まれている。その他検索されているのは、付近のホテルやレストラン、友だちが訪問したスキーリゾート、自分が以前に訪問した観光名所、友だちが「いいね!」したアプリやビデオ、有名人のホビー、自分と似たような「いいね!」をしている人々、などの情報だ。

Facebook graph Search Examples

しかしこのリストをよく見ていただきたい。読者が毎日検索しそうな項目が1つでも含まれているだろうか? たまにはノスタルジックな気持ちになって過去のコンテンツを引っ張りだしたり、バカンスの計画を立てようとして情報を集めたり、また単に暇つぶしのために検索したりすることはあるだろう。しかしどう考えても近況アップデートや親しい友だちの写真アルバムほどの利用度合いになるとは思えない。

2011年9月にタイムラインが発表された。すばらしい機能には違いない。しかし読者はどのくらいの頻度でタイムラインを使って自分や友だちの過去の投稿を過去に遡って読んでいるだろうか? 全ユーザーの全投稿履歴を表示できるようにするためにFacebookは膨大な資源を振り向けた。しかしそのメリットは? 私が他のユーザーのプロフィール・ページをを訪問するのはほとんどの場合「基本情報」を確認したり最近の投稿や写真を見るためだ。しかしそれならタイムライン導入以前のバージョンでも問題なく表示されていた。それならカバー写真を設定できるようにするだけでアップデートは十分だったかもしれない。

もちろん別の見方もできる。タイムラインとグラフ検索はユーザーの人生の記録をまとめて世界に示すための基礎となる。そこには大きなビジネスチャンスが潜んでいるのかもしれない。グラフ検索連動広告も考えられる。また人々がなにに「いいね!」し、どんな場所を訪問するのかについて高い精度で情報を与えてくれるだろう。グラフ検索は長期的にはFacebookにとってきわめて重要な資産になるかもしれない。繰り返すがグラフ検索はFacebookの保有する膨大なデータを横断的に結びつけるきわめて強力な手段となり得る。

GS Examples

しかし、そうではあっても、やはりこうした検索が必要になる局面はそう多くない。Facebookはグラフ検索をお披露目するイベントを華々しく実施し、第3の柱だと主張した。しかしむしろ「高度な検索」をリニューアルする形で地味にユーザー体験を改善する道を選んだほうがよかったのではないだろうか。友だちの検索を居住地や名前、趣味などをキーワードにして自由に絞りこめるようにしてもらいたかった。どこかで会ったがファースト・ネームしか覚えていない相手をすぐに探せたら便利だろう。そういう機能こそFacebookのユーザーが現実に必要としている検索だと思う。

一方で、ニュースフィードは…2006年のリリース以来ほとんど変わっていない。写真共有も2010年のリニューアル以後だいたいそのままだ。うまく統合、選択された写真ストリーム(ときおり写真による広告が入る)が提供されれば、平均的ユーザーでさえ毎月何時間かはそれを眺めるだろうと思う。これは膨大な広告収入を得るチャンスだ。今のニュースフィードはまだ文字中心だが、写真ストリームはエンゲージメントを高める上で効果があるだろう。さいわい、Facebookは先月私がレポートしたように、モバイル版のニュースフィードについては根本的にビジュアルなものにアップデートしようと準備を進めている

Facebookはユーザー体験に関して豊富な経験を持っている。写真とニュースフィードがいつでもその中心にあることは十分承知しているだろう。それなのに最近はなぜニッチな部分にオーバーエンジニアリング気味の凝った機能を実装することにばかり熱心なのか? Facebookは10億人のユーザーをないがしろにする方向に脱線してはならないと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Facebook、購売データ業者を利用した「車を買いそうな人」などのターゲティングを可能に

オンライン、オフラインの購売データ提供会社大手のDatalogix、Epsilon、Acxiom、およびBlueKaiと新たに提携したFacebookは、今後広告主が、既存・潜在顧客のハッシュ化リストや、RPGゲーマー、炭酸飲料好きなどのカテゴリーを使ってターゲティングすることを可能にする。この拡張されたCustom Audiencesプログラムは、本当の購入者にマッチした広告を打つことによって売上の拡大をもたらし広告主を引きつけることができるだろう。

先週AdAgeは、DatalogixEpsilon、およびAcxiomとの提携を初めて報じたが、その後BlueKaiを含めて正式に確認された。これは、Facebookの広告は単なるブランドマーケティングもどきではなく、企業の製品を買う真の顧客にリーチできる、ということを企業に知らしめたい同社の探究の一環だ。

これまで少々苦戦しているのは、複雑な製品、ターゲティングの制約に加えて広告主の体験の少なさゆえに、結果を出せない企業もあったからだ。それらの企業が、Facebookの広告プラットフォームは効果がないと言いふらして他の大広告主を怖がらせることもあった。

helpこれはFacebookが昨年9月にCustom Audiencesプログラムをスタートした理由の一つでもある。広告主のウェブサイトを訪れたユーザーをcookieベースでリアルタイムに再ターゲットするFacebook Exchangeを補完するものだ。データプロバイダーはcookeiを使ってCustom Audiencesに人を追加できるだけでなく、メールによる登録や他の連絡先情報を使用することもできる。

新しいパートナー4社は、すでに多くの世界最大級ブランドのために、メールマーケティングやダイレクトメールその他のオンライン広告でターゲティングを行っている。今後彼らは、同じデータを使ってFacebook広告を正確に狙い打ちできるようになると同社のStudioブログで語っている。企業はデータパートナーに対して、顧客あるいは潜在顧客のメールアドレス等の情報を、プライバシー保護されたハッシュ化リストにしてアップロードするよう依頼できる。これを使ってそのグループの人々をターゲットできるが、リーチしている相手を特定する個人情報を知ることはない。

これらのデータプロバイダーを利用したのことのない企業であっても、今回の提携の恩恵を受けることができる。Facebookは、定義済みカテゴリーとして自動車購売予定者、高級ファッション購売者等を用意しており、どの企業でも利用できる。

Facebook Data Provider Ad Custom Audiences

Facebookが行ったケーススタディーによると、シカゴの自動車ディーラー、Castle Auto Groupが既存顧客のCustom AudiencesをターゲットしたFacebook広告を組み合わせることにより、宣伝費の24倍の見返りがあった。香港のゲームデベロッパー、Klingnetは自社タイトルをプレイしそうな人々のCustom Audiencesを使用してインストール当たりのコストを40%削減した。

データ保護とハッシュ化によって広告主が個人を特定できなくしたのに加えて、Facebookはユーザーがこのプログラムからオプトアウトする手段も用意している。Facebookは、プライバシーページの注意書きで、Custom Audiences広告をクリックして、どの広告主が自分をターゲットしているのかを見て、その広告主の広告を今後受け取らなくしたり、そのデータプロバイダーのターゲティングから外れる方法まで詳しく説明している。

もしこのCustom Audiencesプログラムがうまく行けば、ホンダのディーラーは「シカゴ在住でホンダの好きな人」から「シカゴ在住で自動車販売ウェブサイトを訪れたことがあるか、ディーラーのメールに登録したか、3~10年前の間にホンタ車を購入した人」までターゲットできる。ご想像の通り、後者の方が販売につながる可能性はずっと高い。企業はFacebook広告で利益を上げることができれば、Facebook広告に宣伝費をかけるようになる。

これはみな、オンライン広告がより正確になっていく大きな動きの一環だ。時間と共にオフライン、オンライン双方の購売と行動が、特定の層や個人に結びつけられていく。テレビや印刷媒体によるターゲットの曖昧な掃射的アプローチは消え、やって来るのは商品にお金を払うつもりのある人々にレーザー照準された広告だ。これは、人々が多くの時間を費やすオンライン広告プラットフォームであれば、Twitterやその他のメディアサイトにとっても良い兆候だが、何といってもFacebookである。もし企業が、いつもそこにいる熱心な視聴者を捕えておくことができれば、ひとたび測定やターゲティングの技術が進化した時幸運を得ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Instagram、スタートから28ヵ月でアクティブユーザー数1億人を達成(売却は成功だったのか?!)

Instagram 100 million2人で間借りしつつ始めたサービスが、Facebookに7億1500万ドルで買収されるようなサービスになった。Android版でも人気を集め、プライバシー絡みの騒動も乗り切った。そしてInstagramの月間アクティブ利用者数が1億人を突破したのだそうだ。InstagramはiOS環境での成功の後、サービスを売却することでサービス拡充をはかった。Instagramが何を売り渡したのかについてはいろいろ言われるところもあるが、ともかくサービスが成功をおさめていることについては議論の余地はない様子だ。

困難な時期も振り返りつつ、共同ファウンダーでCEOのKevin SystromがInstagramのこれまでについてブログ記事に書いている。曰く「写真により世界中が繋がり、そして相互理解も進んでいます」とのこと。

今回のブログ記事には記されていないが、Android版をリリースした4月3日の直後に、Instagramは重大な発表を行なっている。そう、Facebookにサービスを売却したのだ。Android版をリリースする頃、InstagramはiOS環境で3000万台にインストールされていた。そしてInstagramとしては、デザイン性を重視したiOS環境の外に出ても成功をおさめることができるかどうか、全くのギャンブルだと考えていたようだ。利用者が減ってしまい、競合他社に打ちのめされてしまう可能性も考えていた。実のところ、Android版は最初の12時間で100万人の新規利用者を獲得したのだが、大失敗になるリスクもあると考えていた。そこにFacebookから10億ドルの買収オファー(現金と株式)があった。従業員13名のビジネスにとっては十分過ぎるものだった。さまざまなリスクのことを考えつつ、Facebookへの売却を決めたのだった。

もしSystromが未来を予見できたのであれば、売却は見送っていただろうか。Androidアプリケーションは大ブレイクし、そしてiPhone版も大いに人気を集め続けた。Facebookの力などなくとも、あるいはFacebookのCameraと競合していったとしても、Instagramの独走は続くこととなったかもしれない。

売却時に比べた利用者数は3倍以上となっている。Instagramの地位が直ちに揺らいでしまうようなことはなさそうに見える。今、売却するとすれば、価格は20億ドルないし30億ドルになるという可能性すらあるのかもしれない。まだInstagramが独立した存在であったならば、誰か数十億ドルの購入資金の調達に動くだろうか。ちなみにInstagramの買収は、FacebookのIPO前のことだった。上場によって大金を手にするのが普通であると考えられていた時期でもあった。

しかしSystromは賭けに乗るよりも、目の前にある成功を掴むという選択を行った(従業員にとっても「成功」を掴み取ることのできる選択だった)。世界最大のソーシャルネットワークと協業することで、サービスの影響力拡大を狙ったわけだ。結局、今でもInstagramはFacebookと独立して動いているところもある。すなわちSystromにとっては一石二鳥ということになったのかもしれない。

Twitterの共同ファウンダーであるEv Williamsは先週「会社を売る3つの理由」という記事(英文)を寄稿してくれている。3つの理由のうち、1つがあれば売却を考えて良いのだそうだ。挙げられているのは、企業価値を大幅に上回る提案が成されたとき、ないし切迫した危機を乗り越えるためであるときといったものだ。また、創業者として手放してしまいたくなったのなら売れば良いとも言っている。Instagramについて見ると、Android版で壊滅的失敗をしてしまう可能性を考えた上での保険的意味、またFacebookそのものから仕掛けられるであろう競争を避ける意味、そしてまたザッカーバーグのように、広い世界を相手にしてみたいというSystrom本人の望みもあった。これを考えれば、1億のアクティブユーザーを抱えることになった10ヵ月後から見ても、売却は成功であったのかもしれない。

1億ユーザーを記念するKevinのブログ記事を転載しておこう(英文ママ)。

Instagram’s first office had few redeeming qualities—and insulation was not one of them. There were only two of us, so we rented desks in a co-working space on a pier over San Francisco Bay. At night, it was common to find us working in winter jackets huddled over our laptops where the air was so cold we could see our breath. It was October 2010 when we launched Instagram, and San Francisco had dealt us a particularly unforgiving and chilly fall.

One night soon after launch, about a half-mile away, Giants Stadium was full of fans cheering on their team in a race for the NLCS against the Philadelphia Phillies. You see, having so little insulation in the office had an unintended consequence of being able to hear the crowd roar every time someone hit a long ball out towards McCovey Cove. Back in the office, we’d lift our heads up from code with every eruption of the fans, wondering who was at bat, what had happened, and whether the ball had made it or not. We never knew, but that wasn’t the point.

While we may only have had a few thousand people around the world using Instagram that night, we had a sense that maybe through Instagram we could tune in to what was happening just a few steps away. With a few quick commands at his terminal, my co-founder Mike’s screen filled with images of the game: the bullpen, dugout, concession stands, cheering fans and a panoramic view from somewhere up high. In a matter of hours, the people in that stadium had recorded moments in time through Instagram and allowed us to tune into an event while we sat a half a mile away, working—winter coats and all.

For the first time, we understood why Instagram was going to be different. We understood the power of images to connect people to what was happening in the world around them. And, although Instagram had a fraction of the user base it does today, that night we saw a preview of what Instagram would enable at a much larger scale down the road.

Now, nearly two and a half years later, over 100 million people use Instagram every month. It’s easy to see this as an accomplishment for a company, but I think the truth is that it’s an accomplishment for our community. Now, more than ever, people are capturing the world in real-time using Instagram—sharing images from the farthest corners of the globe. What we see as a result is a world more connected and understood through photographs.

Of the 100 million people on Instagram, there are stories that awe us: stories like Kathryn Mahoney’s (@nineteenfiftyone). Kathryn is an aid worker for the United Nations in the most remote refugee camp in Southern Sudan. She shares vivid photos of the day-to-day life of the people who live in Yida as well as the struggles and triumphs of the UN’s work there. From thousands of miles away, Kathryn reminds us of the power of images to educate and inspire.

There are love stories that move us, like the story of Cory (@withhearts) and Bethany (@bethanyolson) who began following each other a year and a half ago at the suggestion of a mutual photographer friend. After trading likes on photos, meeting for coffee, and finally joining up for a photowalk, a mutual interest in photography turned into dating. To this day, they still go on photography adventures and explore the world together with Instagram in tow.

And there are inspiring stories of small businesses and artisans. Mission Bicycle (@missionbicycle), a small, independent manufacture in san Francisco, has amassed nearly 50,000 followers as they share the photos from their daily work of making beautiful bicycles by hand. Similarly, Sightglass Coffee (@sightglass) shares photos from their harvesting grounds in El Salvador and Ethiopia to remind us that even a local business has global connections.

Images have the ability to connect people from all backgrounds, languages and cultures. They connect us to aid workers halfway across the world in Sudan, to entrepreneurs in San Francisco and even to events in our own backyards. Instagram, as a tool to inspire and connect, is only as powerful as the community it is made of. For this reason, we feel extremely lucky to have the chance to build this with all of you. So from our team to the hundred million people who call Instagram home, we say thank you. Thank you for sharing your world and inspiring us all to do the same.

Kevin Systrom

Co-founder, Instagram

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(翻訳:Maeda, H)

Apple、Facebookと同じハッカー集団の標的にされたことを発表。対策ソフトウェア公開へ

Appleは、最近Facebookネットワークのセキュリティー侵害を試みたのと同じグループから攻撃を受けたことを発表した。同社は、「少数の」従業員のMacが影響を受けたが「Appleからいかなるデータが流出した形跡もない」と言っている。ロイターの報道による。Appleは、顧客が同じ方法で攻撃されることを防ぐためのソフトウェアを公開予定であると言っている。

Appleの発表は、先週金曜日にFacebookが、中国で活動中のハッカーの標的にされたニュースに続くものだ。Facebookは攻撃によって侵害されたユーザーデータはないと報告している。Appleは警察と協力してハッキングの出所を探すと共に、同社顧客向けに未確認襲撃者が使ったマルウェアからMacを守るためのソフトウェアを公開する予定だ。

Apple、Facebook両社にとって、自社への攻撃に関する情報源となっている今のゴールは、メディアより早く情報を公開し、保有データのセキュリティー保全に全力を尽していることを顧客に知らせて安心させることだ。恐らくSony PlayStationネットワークの侵入被害と、攻撃に関するその後の情報提供の「遅さ」が招いた批判と訴訟いう実地教育が、サイバーセキュリティーの脅威に曝された両社が透明性を高めた理由の一つだろう。

Appleがセキュリティー侵害を認めることは稀だ。同社は2010年に顧客からの苦情に応じて400件のiTunesアカウントが襲われたことを認めた。しかし、この種の機先を制した行動から、今回はレベルの違うセキュリティー侵害が起きていることが伺われる。プラス面としては、ユーザーデータの流出がなかったらしいこと、およびこれで警察当局は犯人を追跡するために、業界の巨人2社とその膨大な人員の協力を得られることだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

ソーシャルネットワークの「利用者層別」調査:Pinterest、Twitterを捕える。情報格差は縮小

実に面白い統計データを見つけた。Pew Researchは、2012年12月時点でアメリカ人のどの層が、様々なソーシャルネットワークにはまっているかを調べた興味深いデータを公開した。そこにはビジネス的にもカルチャー的にも大きな意味が潜んでいる。

Pinterestは実質的にTwitterを捕えた。米国の成人インターネット利用者中、利用率はそれぞれ15%と16%だった。Pinterestは2009年の開業以来爆発的成長を続けており、特に白人、女性、富裕層にユーザーが多い。Pinterestの方が女性では5倍(25% vs 5%)、大学卒の白人ではほぼ2倍利用率が高い。Pinterestは、流行に敏感な都会人が最先端のウェディングドレスやアパートの装飾を探す必携ツールとなっている。しかし、Twitterの方がずっと注目度は高い。大統領選挙運動や中東の活動家は、国の政権再編のためにスタイルカタログを活用しない。

ソーシャルメディア利用における少数民族とのギャップはなくなった。調査対象のグループ(白人、ラテンアメリカ人、アフリカ系アメリカ人)は、全成人の68%程度をカバーしている。アフリカ系アメリカ人(26%)は白人(14%)の約2倍、Twitterを使っている。このアフリカ系アメリカ人による不均衡なTwitter利用は、カルチャー評論家や学者たちを魅了した。ある調査は、アフリカ系アメリカ人の有名人報道への登場は、Twitterの利用に強く影響を与えているとしている。The Onionの元編集長、Baratunde Thurstoは、「黒人コミュニティーには、口頭での悪口の言い合いに長い伝統があり、Twitterはそのコールアンドレスポンス文化と極めて相性が良い。短かくて経済的なので自分の貢献の質をすぐに検証できる」と語った。

皮肉なことに、ソーシャルメディアを使わないことがエリート的かもしれない。大学卒は、中退・短大卒等よりもソーシャルネットワークを使う割合がわずかに少ない(65% vs 69%)。この相違は統計的に有意ではないが、少なくとも1つの調査結果が、高学歴ユーザーの間では、道徳的、政治的、あるいは文化的理由でFacebookをやめるトレンドがあることを検証している。「Facebook拒絶者の多くは、主流との違いを楽しみ、それを差別化、優越感、エリートソーシャル層の証の一つと考えている」とニューヨーク大学のLaura Portwood-Stacer教授は言っている。

流行人は主流すぎると感じ、プライバシーポリシーに問題があると感じる人たちもいる。要するに、ソーシャルメディアを使わないことは、受けた教育の〈多さ〉の結果であり利用環境の不足のためではない。

各ソーシャルネットワークの総計。 オンライン成人の67%がFacebookを使っていると答え、15%がPinterest、13%がInstagram、6%がTumbler、16%がTwitterを使っていると答えた(2012年8月には、20%がLinkedInを使っていると答えた)。本調査結果を要約した表を下に貼った。

statgraph

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(翻訳:Nob Takahashi)

シェリル・サンドバーグはどこ? Facebookの社員が本社の庭で「江南スタイル」のパロディー、「ハーレムシェイク」を踊る

Facebookの何人かの社員が上のビデオをYouTubeで共有した。大勢の Facebook社員が本社の庭でハーレムシェイクを踊っているところだ。InstagramチームのメンバーとCOOのシェリル・サンドバーグも加わっていたということだが、私は確認できなかった(読者もシェリルを探してみていただきたい)。ザッカーバーグはレモン色のニコニコ仮面だろうか?

TechCruchのオフィスの同僚たちはFacebookのビデオが大評判になったことに大いに嫉妬している。Ryan Lawlerは「なぜわれわれは『江南スタイル』の後継となるようなインターネット・ミームを生み出せないのか? 今後がんばらなければいけない」と反省を口にしたほどだ。

ところでこのハーレムシェイク(Harlem Shake)をまだ知らないようだったら以下の対策を取るようお勧めする。 a) インターネットをよく利用する友人を増やすb) この「ハーレムシェイク・ビデオの作り方」を読む

「ハーレムシェイク」というのは最近Youtubeにアップロードされた「江南スタイル」のパロディーだが、あっという間に大評判になった。こうしたインターネットのミーム(流行りもの)についてはKnow Your Memeに詳しい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

ビジネスを成功に導く5つのPの秘密とは―「ザックのように考えよう」の著者インタビュー

言うまでもなく、Facebookはファウンダーのマーク・ザッカーバーグの過激なまでに広範囲の情報が透明になり、公開される社会という理想を基礎にして建設された。しかしザッカーバーグのビジネスの天才としての側面はそれほど広く理解されていない。彼はいかにしてこれほど短期間にこれほど巨大なビジネスを築くことに成功したのか?

マーク・ザッカーバーグのビジネスにおける成功の原理をインテルのマーケティング幹部であるEkaterina Walterが本にまとまとめた。「ザックのように考えよう―Facebookの天才CEOのビジネス成功の5原則(Think Like Zuck: The Five Business Secrets of Facebook’s Improbably Brilliant CEO)」はWall Street Journalの最新ベストセラーとなっている。

では具体的に「ザックのように考える」とはどういうことなのだろう? 私はWalterをわれわれのサンフランシスコのスタジオに招いて話を聞くことができた。Walterによればザッカーバーグの成功の原則は5つのPだという。この5つの単語で表される原理をしっかり理解すればわれわれも2012年にTechCrunchのCrunchyベストCEO賞にも輝いたザッカーバーグのように行動することができるというのだ。

〔日本版〕ウォルターによれば5つのPとは次のとおり。

情熱(PASSION)—自分の信じるところに向かって常に全力を傾ける情熱
目的(PURPOSE)—優れたプロダクトを創造するだけでは足りない。偉大な目的に向かっての運動を起こせ。
人材(PEOPLE)—ビジョンを実現できるような強力なチームを作れ
プロダクト(PRODUCT)—イノベーティブで今までのルールを破壊し、広く創造的変化を起こすようなプロダクトをめざせ
パートナー(PARTNERSHIPS)—ビジョンの実現に力を与え、想像力をかきたててくれるようなパートナーを選べ

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Facebookは成長し続けることができるか?

グラフ検索のリリースで久々に盛り上がったFacebookですが、株価低迷からは脱却できず多くの人はまだまだ前途多難な未来を感じているようです。とはいえ、そんな予測を打ち砕きさらなる大成長を引き起こす可能性にもまた満ちている、ということで、今回はFacebookの成長の可能性について考えてみた記事を。 — SEO Japan

ゲスト投稿by:Ekaterina Walter (@ekaterina)―Intelのソーシャル・イノベーター、“Think Like Zuck: The Five Business Secrets of Facebook’s Improbably Brilliant CEO Mark Zuckerbergの著者

この質問は、この会社が1千億ドルで評価されるのを目にした2012年のIPO以来、投資家たちの大きな関心になっている。Facebookはすでに世界中に10億人のユーザーを所有していて、インターネットユーザーの44%がプロフィールを持っている。インターネット上のページビューの5回に1回はFacebookページだ。

では、この成長に限界は存在するのか?

国際的な成長

現在5人中4人のユーザーがアメリカ国外で、それはFacebookが今後その最大の成長を目にする場所である。インドにはすでに5100万人のFacebookユーザーがいるが、10億人を超える人口を考えると、成長の可能性は膨大だ。

しかし、成長は永久には続かない:世界の人口70億人のおよそ35%がインターネットへのアクセスを持っていて、中国は今のところこのサイトの使用をブロックしている。Facebookアカウントの数は、インターネット使用が成長し続けるにつれて、2倍、さらには3倍になるかもしれないが、それでも上限は存在する。

では、もしもFacebookアカウントを持つことができる人の数に限りがあるとしたら、このサイトは、ひとたび飽和点に達したら、どのように成長し続けることができるのだろうか?

“[Facebook]は広範囲なウェブを形作っている”と、FacebookのCEO、Mark Zuckerbergは言う。“過去5年もしくは7年を振り返ると、ソーシャルネットワーキングに関する話は人々を繋げることが全てだった…しかし、5年先を見ると、人々が今から5年を記憶することになる話は、この1つのサイトがどのように作られたかではなく、どのようにしてあなたが使用する1つ1つ全てのサービスがあなたの友人と共に良くなっていくのかだと思うのだ…。人々は振り返って‘スゴイ。ここ5年でこれらの全てのサービスは良くなった。なぜなら、私はこの全てを一人でやっているのではなく、友人と一緒にやっているのだから。’と言う。それが、私が最も楽しみにしていることだ。”

この疑問に対する回答は、ある種の成長だが、大規模な成長ではない。Markのコネクティビティの夢は、Facebookがより深くインターネット体験に埋め込まれるようになることを意味する;ユーザーは自分が買ったものや、エンターテイメントや、ネットワーキング習慣についてもっと多く共有し続け、それらを供給するブランドにより多くの情報をフィードバックできるようになる。

もっと大きなインテグレーション

FastCompany.comのライター、Farhad Manjooは、Facebookが「あなたのパーソナルデータを誰かに売ることは決してないだろう。それはユーザーが決して受け入れないことの1つだ。しかし、Facebookはそうする必要はない。集められたユーザー情報の束の巨大マーケットが存在する可能性がある。」と予測する。ますます多くのアプリがFacebookにインテグレートされるため、ユーザー自身およびそのネットワークに関する広範囲に及ぶ人口統計情報と共に、ユーザーが広告からページやエンターテイメントまで全てのことと情報をやり取りする手段のための膨大で成長するソースがある。そして、Facebook利用者はただクリックをしているのではなく、積極的にコメントをし、自分たちが利用しているものに関して議論している。これはみんな、Facebookのより大きな収益の可能性を意味するが、ユーザーにとっても関わりがある:不適切な広告にプレッシャーをかけられたい人などいないが、自分の友人の関心やお薦めについては知りたいかもしれないのだ。

ブランドページ

今ではアメリカ企業の10社中8社がFacebookページを所有しているが、最近導入されたFacebookのグローバルページは、企業が同じような数字を達成するためにアメリカ国外に目を向けていることを示している。非個人のプロフィールは、Facebookの膨大な範囲の成長を示す。そして、友達がブランドプロフィールにいいね!をしたりコメントをする時の人々のタイムラインへのより大きなフィードバックを考えると、企業が新しいオーディエンスに手を伸ばす可能性は膨大だ。

Fコマース

Farmvilleを超越して、サードパーティアプリには成長の可能性がある。製品購入からチケット予約、エンターテイメント視聴、ソーシャルのやり取りまで全てのことにおいて、人々がFacebookを介して情報にアクセスしたり共有したりするのに費やす時間の量は急増することもあり得る。さらに、fコマースのチャンスがある。2011年には、彼らの37億ドルの合計収入からするとわずかだが5億5700万ドルをもたらした。Facebookは、それを販売のためのプラットフォームとして使用するサードパーティアプリから収益の30%を取り、その可能性を探索し始めたところだ。

モバイル

Facebookユーザーの60%は、モバイルデバイスを介してこのサイトにアクセスしているが、Facebookはここでの可能性を探り始めたばかりだ。主要な鎖は2つある:1つは、まだ広告から収益化されていないモバイル使用としての利益。1つは、ユーザーが自分の周囲の世界とやり取りするために全く新しいFacebook体験を作り出す位置情報アプリの可能性。

Facebookのグローバル・ブランド・エクスペリエンス・マネージャー、Paul Adamsは、人々がインターネットを利用する方法からのシフトとより大きなソーシャルネットワーキングへ向かった動きを説明している:“[ウェブ]は、コンテンツ周辺に作られることから離れて、人周辺に再構築されている。

Facebookは成長し続けることができるが、成長の定義はこれまでとは違うかもしれない。人々が自分の周りの世界とやり取りするネットワークにより多くの時間を費やすようになると、彼らのFacebook体験は変化するだろう。ユーザーの絶対数には限りがあるかもしれないが、Facebookの成長は人々の生活のより大きな領域に染み込み続けることができる。そして、それがどこまで行けるかの限度を設定するかどうかは、Mark Zukerbergとそのチーム次第だ。


この記事は、Brian Solisに掲載された「Facebook: Can It Keep Growing?」を翻訳した内容です。

グローバル展開、Fコマース拡大、モバイル革新、ブランド利用、データ活用、とどこかでいわれてきたトピックばかりではありましたが、2013年初め、改めてFacebookの今後の可能性を整理するには手ごろな記事でした。成長ばかりかグローバルレベルでは、LINE等のマイクロメッセンジャーサービスの台頭による脅威もあるわけですが、今後の展開に注目していきたいですね。 — SEO Japan [G+]

Facebook、利用者毎売上げは地域により大きな隔たり。北米が一番で対欧州比で3-4倍、対アジア比ではほぼ6倍(しかし米国内の利用者増加率は頭打ち)

fb-earthFacebookの利用者は、ホームであるアメリカの外で大きく伸びている。但し、少々問題もあるようだ。アメリカ国内での利用者に比べて海外の利用者は「稼ぎ」が悪いのだ。第4四半期についての報告(PDF)によると、この四半期のアメリカおよびカナダにおける利用者毎利益(ARPU)は4.08ドルだったとのこと。これがヨーロッパでは1.71ドルとなり、アジアでは0.69ドル、さらにその他の地域では0.56ドルにまで落ち込んでしまうのだ。アメリカでの成績に比べると、あまりに低い数値となってしまっている。

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利用者毎の広告売上げについても同じことが言える。アメリカでの広告売上げは639ドルで、ヨーロッパは約半分の374ドル、そしてアジアが168ドルで、他地域は156ドルということになっているのだ。

全体として見ると、アメリカおよびカナダがFacebookの売上50億ドルのうち半分の25億ドルほどを賄っていることになる。ちなみに両国の利用者数の割合は全体の18%に過ぎない。

これは、利用者数が増加傾向にある国が、アメリカほどに裕福ではないことによるものだ。また、アクセスに用いているデバイスの性能によって受信できない広告もある(スマートフォンやPC向けの広告で、フィーチャーフォンでは表示されないケースもある)。さらにFacebook上のゲームでクレジットを購入するなどという消費習慣もないケースが多い。Facebook Giftで15ドルの出費など考えることすらできないという人もいるのだ。こうした利用者が増えていく中、今後どういった収益構造を構築していくのかは大きな課題だ。

「ヨーロッパの、あまり豊かではない国々でも利用者が増加しつつあります。サービスに出費することはあまりなく、そのおかげでFacebook全体の平均的売上額を押し下げる方向に作用しています」とFacebook CFOのDavid Ebersmanは言っている。また、ゲームやゲーム売上の点では、アメリカや、他の成熟市場においても成長が鈍化しつつあるようだ。「従来の市場においても、利用者数が大いに伸びているという状況にはありません」とのこと。

Facebookの月間アクティブ利用者数は10億5600万程度だ。そしてQ4ではアメリカの月間アクティブ利用者数が1億9300万ということになった。Facebook全体の18%程度をアメリカが占めるということになるわけだ。

この四半期における増加数は400万で、一昨年同四半期との比較で7.8%の伸びを示したに過ぎない。成長率についていえばアメリカ以外の方が高いものとなっている。ヨーロッパの月間アクティブ利用者数は2億6100万人で、増加数は800万。一昨年同四半期比較で10.5%増となっている。アジアでの増加数は2100万で、総利用者数は2億9800万となった。また、その他の地域を見ると昨年における成長率は40.6%となっている。Q3からの増加数は1600万で総利用者数は3億400万だ。一昨年同四半期比の成長率は35%とのことだ。

開発途上国でもスマートフォンの普及が始まっている。この流れにのって利用者を増やしていけるかどうかが、まずはひとつの課題だ。そしてさらに、そうした利用者にアクティブに使ってもらい、そしてそこから利益を上げていくことが、今後の大きな課題となる。

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(翻訳:Maeda, H)