夜の駐車場をよく使う人, 安全のためにLEDファッションFosを着よう

ファッションとテクノロジが完全に融合するのは、時間の問題だろう。もはや服をインターネットで買うだけではなく、GoogleやNikeやFitbitなんかは人の顔や腕にテクノロジをくくりつけようとしている。

しかし、それよりも上手(うわて)がいる。

最近気になる傾向は、LEDで光る服、たとえばAdafruitの手作りネクタイや靴、ThinkGeekのWifiシャツなどだ。

今Kickstarterで資金を募集しているFosは、アスリートたちを対象に同じことをしようとしている。

FosはLEDで光る布製のパッチで、ほかの服、たとえばジャケットやシャツに着けて使う。

表示はユーザがプログラミングできるから、たとえば消費カロリーや、ゴールまでの残り距離などなどを表示させられる。Fosのデモアプリケーションからグラフィクスやビデオを選んで、その64000階調60fpsのLEDパッチに表示させてもよい。作者によると、重さはゴルフボールより軽いそうだ。

目的は、自分をスーパークールに見せることだけではなく(もちろん電子服以上にクールなものはこの世にないが)、都市部における安全の確保だ。しかもファウンダのAnders Nelsonによると、都市における安全性が重要なのは、夜の路上で練習中のアスリートだけではない。

たとえばFosは、パーティーで派手に目立つために使ってもよい。DJたちは全身にFosを着て自作のグラフィクスを表示し、体全体をイルミネーションにしてもよいだろう。でももちろん、Fosが人気商品になることが先決だ。

そしてそのためには、まずKickstarterで4週間以内に20万ドルを集めなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GIFアニメよりも高品質なPNGアニメAPNG, そのエディタツールがKickstarterで資金募集中

GIFは今でも大健在で、ありとあらゆるアプリや、ミームや、職場厳禁のTumblr的エロ画像やらにあふれているから、この、ビットの集合で表した画像フォーマットが今年で25歳以上になると知ると、けっこう驚きだ。でも新しいフォーマットに比べると、とくにアニメGIFは、パレットの制約や画像の歪みなどが、その年齢を感じさせる。そこで、今Kickstarterで資金を募集しているapngasmは、PNGをアニメ化したAPNG(animated PNG)フォーマットと、それをアプリケーションがサポートするためのデベロッパライブラリを提案している。基本的な原理はアニメGIFと同じだが、PNG画像の色質、画質、そして自由性を具有する。ただし現状では、ほとんどのWebサイトがサポートしていないし、PNGを開発した連中からの公式の賛助もない、という大きな問題がある。

APNGを作るための画像エディタの名がapngasmで、その名はMax Stepinが開発したAPNG Assemblerに由来している。

そのStepiは曰く、“GIFの制約に不満な人は多い。色は256色しかないし、透明度は1ビット、それは1980年代にはよくても、今は2013年だ。もっと良い規格に、みんなが合意してもよい頃合いではないか”。

APNGの普及努力がドンキホーテ的なのは、PNGを作った人たちからの公式のサポートがないことが大きい。APNGは2004年にMozillaが作ったが、それは、サポートするコードが複雑膨大になりがちなMNG(multiple-image network graphics)アニメーションを彼らが捨てた直後だった。しかしPNGグループはその後も、APNGを標準規格にすることを拒んでMNGに固執した。その理由は、pngという一つのファイルタイプでスチールとアニメの両方があるのは良くない、と思われたからだ。このブログ記事には、APNGをめぐる複雑な経緯が簡潔に書かれている。筆者のThomas Boutellは、昔PNGの仕様を書いた人で、彼自身はAPNGを支持している。

でも、apngasmをKickstarterに載せた人たちは、アニメGIFの制約に不満を抱いている人の多くがAPNGを支持するだろう、と考えている。そこで彼らは二つの戦略を推進しようとしている。ひとつは、apngasmをもっと使いやすくして、アニメGIFを作るよりも簡単にAPNGファイルを作れるようにすること。もう一つは、デベロッパたちが自分のサイトでAPNGを容易にサポートできるためのオープンソースのソフトウェアツールを作ること。APNGのサポートはFirefoxとOperaにあり、ChromeはAPNG extensionでサポートされる。APNGとアニメGIFの違いが、このページにデモされている。

apngasmをKickstarterに出したデベロッパRei Kagetsuki(影月零)は、絵文字プロジェクトPhantom Openのアニメ画像の配布方法を探していたときにAPNGの支持者になった。Phantom Openの人たちは最初、GIFコンバータを書いたが、画質が悪すぎると感じた。SVGによるアニメも検討したが、十分なサポートがない、と判断した。しかしKagetsukiは、APNGの画質とその背景談に魅せられた。

“これが標準規格にならずに、それどころか反対論がある、それが信じられないね。ぼくは、絶対的に支持するよ”、とKagetsukiは言ってる。

PNGグループのメンバーの多くに拒否されたAPNGは、それでも“はみ出し規格”として生き残った。Redditに集まる連中に人気のある画像ホスティングサービスImgurはAPNGをサポートしており、それに今Kagetsukiが住んでいる日本では、多くのアーチストたちがこのフォーマットを使って作品を作り、それらをPixivで共有している。

Kagetsukiも、APNGの本格普及は難しい、と認めている。GIFに慣れているユーザが、あまりにも多いからだ。Kickstarterも、apngasmのサンプルAPNG画像をふつうのPNGに変えてしまったので、オフサイトのサンプルサイトのリンクを載せるしかなかった。でもKagetsukiは、FacebookやTwitterがサポートしたらAPNGが大普及する、と思っている。

“何でもそうだけど、普及を阻む最大の原因が、ツールがないことだ。apngasmでは、ユーザがコンテンツを作れるためのツールを提供する。APNGの制作がうまく行かなかったときのアドバイスもする。apngasmのライブラリを利用すれば、実装も容易なはずだ”、とKagetsukiは言う。

彼によると、APNGはGIFをリプレースするのが狙いではない。デベロッパやWebサイトデザイナーやアーチストたちの手元にあるアニメーション用ツールが増えてより充実すればそれでいいんだ、と。

“GIFのレトロな感じは悪くない。昔のゲームのピクセルアートみたいに、かわいいし、懐かしさもある。だからAPNGが普及しても、GIFの魅力は生き残るだろう”。

apngasmのKickstarterページはすでに最初の目標5000ドルを達成し、今は7500ドルの拡張を狙っている。そのお金で、PhotoshopのアニメツールからAPNGにエクスポートできるプラグインを作りたいと考えている。10ドル以上出資した人はそのプラグインのライセンスが得られる。今後もAPNGのツールが売れれば売れるほど、開発のための獲得資金は増える。資金募集の締切りは9月8日だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPadをデスクトップのワークステーションに変身させるキーボードモジュールModus III

業界の垢で曇ってない目で見ると、テクノロジの進化と呼ばれている現象は無意味な発振現象のように思えるかもしれない。ラップトップというものを使っていた私たちは突然キーボードを捨てて画面だけで仕事をするようになった。すると今度はタブレットのタッチスクリーンでタイプするのはやりにくいと決めつけ、物理キーボードをまた持ち出し、画面を老いたる忠僕ラップトップの画面の角度に立てるための支柱を加え、それでやっと納得する。以上はすべて、テクノロジの進化ではなく人間の本性なのかもしれないが、それはどうでもよい。ここでご紹介するMeet Modus IIIは、iPadをワークステーションふうに仕立ててタブレットの生産性の低さを解消する究極の小道具だ。

Modus IIIはまだプロトタイプで、今Kickstarter で95000ドルの資金を募集している。今日からだからあと31日ある。でもiPadはすでに、いろんなキーボードケースが山ほどあるんでないの?。でもModus IIIは、いろんな機能を加えることによって、それらどんぐりたちの中で目立とうとしている。Modus IIIを使うと、下の図のように、iPadを使って、もっと苦痛の少ない姿勢で仕事ができるようだ。

でも、Steve Jobsが天国からこのModus IIIを見たら、きっとこんなことを言うのではないかな。

Modus IIIでは、画面の角度を180度変えられる。iPadは、クリップみたいな入れ物に入れてからそれをワークステーションに収める。そこには、Bluetooth内蔵のキーボードとiPhone用(スマートフォン用)のドックがある。スマートフォンを、小型のセカンドスクリーンとして使えるのだ。そのほか、充電器用のケーブルとか背面スタンドなど、細かいものもいろいろある。

Modus IIIは1.2″ x 11.5″ x 15.75″と大きい(重さ2.4lbs)。持ち運びタイプではないかもしれない(よりシンプルな競合製品はすでにいろいろ出回っている)。こんだけのものを持ち運ぶのなら、MacBook Airでも買った方がましか。だからこの製品が似合う場所は、家の中のデスクの上だ。そういうのが欲しかった、必要だった、という人もきっといるはず。

タブレットをクリップするモジュールを変えれば、どんなタブレットでも使える。Modus IIIの作者たちも、いずれAndroidやWindowsのタブレットにも対応する、と言っている。現行品はiPad2, 3, 4対応だ。iPad 5用のモジュールもすでにある。スマホドックには、iPhone全機種とマイクロUSBありのAndroid携帯を入れられる。

Modus IIIの“Kickstarter価格”(出資価格)は169ドルだ。標準製品はアルミとプラスチックだが、高級品としてカーボンファイバーや節材(ふしざい、バール)製、などなどがある。希望の材質やデザインを特注してもよい。その場合は、あっと驚く999ドル。個人の趣味に徹底的に対応する姿勢は、この種の製品では珍しいし、人によっては出資動機の決め手になるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Cirlceは、家族のインターネットを制御して人間性を取り戻す(Kickstarter)

はっきり言っておこう。われわれはインターネットをコントロールしていない。インターネットがわれわれをコントロールしている。これに対するいかなる反論も無用だが、新しいKickstarterプロジェクト、Circleは、家庭内LANに接続されたデバイスを個々に制御するハードウェアとソフトウェアを使って、インターネットの遍在に逆襲する家族たちの力になろうとしている。

Circleはルーターではない。Xerox PARC出身のPowerCloud Systemsが、類似のコンセプトに基づいて作ったSkydogとはそこが異なる。ルーターおよびそこに接続された全デバイスとやりとりすることによって、家族のデバイスとインターネットの間にフィルターをかけ、子供たちのデバイスに年齢、時刻、広告コンテンツ等によって制限をかける。インターネット上の様々な行動に関して、自分のパソコンに通知させることができる。「ネガティブ」および「ポジティブ」な閲覧、どちら関しての通知も受けられる、とCircleは説明する。

言い換えれば、Circleは、NSAのPRISMプログラムの家庭版にファイアーウォールの要素を加えたものだ。サイトのカテゴリー別にアクセス時間をスケジューリングし、FacebookやYouTubeの利用時間がとんでもないことにならいよう、Pauseモードを使って寝る時間になったら全アクセスを遮断できる。子供の使う端末の広告を全部ブロックすることもできる。管理はすべてiPhoneアプリから行う。

彼らのソリューションの特長は、ユーザープロフィールを設定したり、個々のデバイスに監視ソフトウェアをインストールしなくてもよいところだとCirlceは言う。そして、既存のルーターと共にに動作するため、高価なデバイスを買ったりネットワーク設定を変更したりする必要がない。

Circleを支えるチームには、元国防省向けネットワークセキュリティー技術者のTiebin Zhang、HoneywellのWi-Fi制御システムエンジニア、およびデザイン、スポーツ、ビジネス開発その他多くの経験を持つ起業家、Jelani Memoryらがいる。Circleの外観は間違いなく美しく、おそらくこれは、ファウンダーでプロダクトマネージャーのSean Kellyのおかげだろうが、このルックスに負けない性能を出せるかどうかはまだわからない。

Circleは、Kickstarterで150ドルのプレッジ(支援金)を出せば予約注文が可能で、出荷予定は2014年8月。ハードウェアのスタートアップが、出荷までに十分な期間を置くのは良いことだ。同スタートアップは、プロジェクトのために総額25万ドル程度の資金を調達し、現在のプロトタイプを元に量産化するつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


自宅に個人用Dropboxを作るLima(元Plug)がChromecastに対応, Kicistarterの資金獲得額10位に

Plugが資金募集Kickstarterで開始してから、その後の36日は、驚異的だった。まず、Plugは商標権問題で名前を変えLimaになった。でもそのほかはすべて、元のままだ。その69ドルのアダプタをUSBのハードディスクにつなぐと、ディスクがパーソナルなDropboxになり、そこらのいろんなデバイスから使える。そして今度は、Chromecastでも使えるようになる。

使い方は、まずその小さなアダプタをルータと、一つまたは複数のUSBハードディスクにつなぐ。そして自分のコンピュータの上でLimaのアプリケーションを立ち上げると、あなたのファイルシステムの完全なシンク模像がLimaの上に出現し、ほかのデバイスからもアクセスできるようになる。家でも、外出先でも。この‘おうちでDropbox’の唯一の制限は、ストレージの容量がUSBドライブの容量に限定されることだ。

Limaの実態は、Linuxが動いている小さなコンピュータだ。そのLinuxはLimaのアダプタとユーザのデバイス(ルータ、コンピュータなど)をVPNで接続する。そうすると実感としては、ブラウザで自分のDropboxファイルにアクセスしてるのと同じになる。ただし、フォルダをどれかのデバイスにキャッシュできる、という便利なオプションがある。それは、Spotifyのオフラインのプレイリストボタンに似ている。また、料金を払う必要がないし、ファイルはAmazon S3など未知の場所に保存されず、あくまでも自分のデバイス上にある。Limaのアダプタは12月発売予定だ。

GoogleのChromecast対応は、SDKを利用してメディアのコンテンツを携帯やタブレットからテレビにストリーミングする。音楽でも写真でもビデオでもOKだ。100ドルちょっと(69ドル+35ドル)で、自分のコンピュータにあるものを、ソファに寝そべって見れるようになるのだ。

“Limaに保存されていたビデオはどれも自動的に再エンコードされる”、と協同ファウンダでCEOのSéverin Marcombesが教えてくれた。“各ビデオのh.264バージョンがLimaのキャッシュに保存される”。

この再エンコード(エンコード変換)は前から、Limaのユーザが自分のビデオを携帯やタブレットで見るために必要だった。とくに、ストリーミングビデオはh.264だけというiOSデバイスではそうなる。そこでチームは、それをさらに一歩進めてChromecastのサポートをiOSやAndroidのアプリに構築したのだ。

Limaのデバイスよりも印象が鮮烈なのが、Kickstarterでの資金募集だ。7月にぼくはこう書いた: “Kickstarterで資金募集が始まったが、目標額は69000ドルと比較的低い。このパリのスタートアップにはすぐに1000人ぐらいの支援者が集まり、目標額を達成するだろう”。ところが結果は、そんな生ぬるいものではなかった。

わずか12時間で、Limaは目標額69000ドルを突破した。24日で85万8000ドルを集めたLimaは、Kickstarterのテクノロジ部門で集めた資金額の第10位にのし上がった。10位内には、Form1(3Dプリンタ)やOculus Rift(拡張現実ヘッドセット)なども登場している。今野次馬たちの心は、100万ドルを突破するかどうかで、やきもきしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


靴ヒモのスタートアップ、Hickiesに学ぶKickstarter成功の秘訣。1年で50万セットを出荷

そう、タイトルにはたしかに「靴ヒモのスタートアップ」と書いてある。Hickiesは、アルゼンチンのMariquel WaingartenとGaston Frydlewski夫妻らのファウンダーチームが作ったKickstarterプロジェクトだ。同サイトで15万9167ドルのクラウドファンドを集めたおかげで、スタートアップはニューヨーク市に移転して量産に入ることができた。Hickiesは、ほどく必要のない靴ヒモで、しっかり靴を固定しながらスリップオンのように着脱が可能だ。

キャンペーンの資金調達は2012年6月14日に終了し、それ以来会社がやってきたことはニューヨーク移転だけではない。プロトタイプと曖昧な市場調査だけで流通に売り込むには型破りすぎるこの製品も、Kickstarterの熱意によって多くの販売契約を結ぶことができた。その中には空港内で人気のちょっと変わった便利グッズの店、Brookstoneも入っている。

「Kickstarterがもたらしてくれた認知度は、そこで調達したお金と同じかそれ以上に重要だった」とFrydlewskiがインタビューに答えて言った。「BrookstoneがHickiesに関心を持ったのはわれわれのKickstarterキャンペーンの直後だった。Hickiesプロジェクトの成功によって、Brookstoneは試行期間をおかずすぐに全国展開する確信を持った」

求愛してきたのはBrookstoneだけではない。Hickiesは、日本、韓国、カナダ、中南米で販売契約を獲得し、9月にはヨーロッパ拠点の子会社による事業拡大を計画している。Frydlewskiは、Kickstarterの極めて国際的なユーザー層が米国以外への販路拡大に大きく役立ったと言う。Kickstarterの独特なプラットフォーム特性がなければ成し得なかったことだ。

Kickstarterは商品開発段階でも支援を続けている。そこで作られたコミュニティーは継続的であり、キャンペーン実行中に有用であるだけでなく、その後も見返りのあるものだとFrydlewskiは言う。

「Kickstarterの素晴らしいところは、真のコミュニティーとして機能し、支援者たちとの対話を続けられることだ。このためわれわれはHickiesがどう使われているか、どう改善すべきかの理解を深められる」と彼は言った。「つい最近発売した第2世代製品は、支援者からもらったフィードバックを数多く反映して開発した。今後も製品の改善を続け、ワクワクする製品を開発するつもりだ」

Frydlewskiと仲間たちは、Hickiesを作る過程でKickstarterキャンペーンの運営方法に関する貴重な教訓を得た。彼はこのプラットフォームを使うスタートアップに対して、販売契約を急ぎすぎないよう警告する。高まる関心に圧倒されかねないからだ。適正評価を行い、前もって適切な拡大戦略を練ることがハードウェアスタートアップにとってのカギだと彼は言う。また、基本的には資金を要求し始める前に出荷準備を整えておくべきであることも彼らは知った。

「Kickstarterキャンペーンをスタートする最良のタイミングは、まさに生産開始準備が完了した時か、サービスや製品を供給可能になった時」だと彼は言った。「市場に入る準備が100%完了していないならKickstarterキャンペーンを始めないことを推奨する」。

Hickiesは、昨年Kickstarterで資金調達を終えて以来、その独創的靴ヒモを50万セット販売することに成功し、現在3大陸7ヵ国で小売りされている。Kickstarterプロジェクトがこの会社ほどうまく働くことは稀なので、彼らが正しいことをしたのは間違いない。おそらく同じ道を歩もうとする人たちには模倣する価値があるだろう。

HICKIES Overview from HICKIES – love your kicks on Vimeo.

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(翻訳:Nob Takahashi)


庭で飛ばす手作り無人ヘリに超高精度(誤差1センチ)のGPSを載せたい人はPiksiに出資を

GPSはほとんどの場合、あまり正確なツールではなくて、あなたの現在位置をだいたい数メートルの誤差で当てる。特殊な信号分析方法によって、その誤差を1センチ以内にまで縮小する技術が、Real Time Kinetics(RTK)だが、その実装製品は通常、一般消費者が気軽に手を出せるお値段ではない。Kickstarterに登場したPiksiプロジェクトは、オープンソースのソフトウェアとハードウェアを組み合わせることによって、無人機(UAV)のホビイストなどにこの、1センチ以内という精度を安価に提供しようとしている。

安価とはいっても、最初のお値段が500ドルだから、デパートのバーゲン品感覚ではない。しかもRTKの1センチという精度を得るためにはデバイスが二台必要だから、お値段は900ドルになる。しかしそれでも、これまでのRTK製品に比べると、はるかにお安い。

しかもPiksiの目的は手作りの無人機の編隊を無事故で飛行させることだけではない。ロケット工学のホビイストにとっても便利だし、航空写真に正確な位置タグを付ける、自動芝刈り機ロボットを作る、などなど、さまざまな用途がある。オープンソースのハードウェアはDIYの世界に浸透していくから、Piksiの用途はユーザの想像力に乗って無限に広がる。

RTKの技術的な詳細は相当難解だが、でもPiksiのホームページには一般向けの比較的分かりやすい説明がある。しかし、それをここで孫引きしてもしょうがないだろうから、なにしろそれは、とっても巧妙なサイエンスだ、とだけ言っておこう。

Piksiを作ったSwift Navigationはサンフランシスコのハードウェアスタートアップで、ファウンダのColin BeighleyとFergus Nobleはそれまで、Joby Energyという会社で商用のRTK GPSシステムを作っていた。Nobleはケンブリッジ大学で物理学の理学修士号、Beighleyはカリフォルニア大学サンタクルーズ校で電気工学の理学士号を取得している。二人とも過去数年、GPS関連の仕事をしていたが、2012年に自分たちの会社Swift Navigationを創業した。

Kickstarterの目標額14000ドルはすでに達成しているから、製品が作られることはもはや確実で、しかもデリバリは今年の9月を予定している。もちろん今からでも追加出資者となって、高精度GPSマニアのお仲間に加わることは可能だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Fuel3Dは1000ドル以下でテクスチャーも取り込める高速立体スキャナ―Kickstarterで予約募集中

3Dプリンタのメーカーやユーザーは、上の動画で紹介されているガジェットを使えば現実世界の対象を簡単に3Dデータ化することができる。形状だけでなく、表面の色やテクスチャーも同時に取り込める優れものだ。このFuel3Dは高精細度のハンドヘルド3Dスキャナーだ。現実世界の対象を3D写真に撮り、クリエーターの使用するソフトと連動して、フルカラーの正確な3Dモデルを作り上げる。

3Dプリンターが離陸しつつある現在、3Dスキャナの需要はかつてなく高まっている。特に一般ユーザーでも手が届く低価格製品は有望な市場だ。Fuel3Dのチームはこのハイレゾ3Dスキャナーを1000ドル以下で市場に出そうと努力している。そのため7万5000ドルを目標にKickstarterで資金集めをしているところだ。キャンペーン期間はあと31日残っているが、もうあと 1万ドル集めればよいところまで来ているという。

1000ドル以下という価格帯はわれわれが4月に紹介したPhoton 3Dスキャナーなどに比べると安くはない。こちらはIndiegogoプロジェクトで、予定価格は399ドルだった。 だがこのデバイスは比較的小さな対象をターンテーブルに載せてスキャンするタイプだった。Fuel3Dはもっと自由が効くデザインで、たとえば人間の顔をキャプチャーすることもできる。Fuel3Dを構えて写真を撮るだけでよいという手軽さだ(小さいマーカーを顔の横にセットする必要がある)。

利用しているカメラは高精細度で表面形状の3Dデータに加えて詳細なテクスチャー情報もキャプチャーされる。これによって3Dプリンタからの出力ばかりでなく、アニメーション、ゲーム、製品開発など3Dイメージが必要とされるさまざまな場面で利用することができる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


コードを読めない/書けない人でもプログラミングの理解と参加ができるヴィジュアルツールNoFlo

NoFloという会社が、1970年代にIBMが提唱した“フローベースのプログラミング”*というコンセプトに基づく、オープンソースのヴィジュアルプログラミングツールを作り、多くのプログラミング言語に対応する本格的な開発環境に仕上げるための資金10万ドルを、Kickstarterで募金している。〔*: flow-based programming, プログラムの構造を処理の流れ(flow)で表す(下図)。〕

一見するとNoFloは、簡単なWeb開発ではなくもっと高度なプログラミングのためのWYSIWYGエディタみたいだ。いろんな部位をドラッグ&ドロップで並べて、求める計算処理を完成させる。しかし実際にはそれは、コードを書いたり読んだりした経験のない人たちでもプログラム/プログラミングを理解できるための、ヴィジュアルな仕掛けだ。今では企業の役員でも管理職でも一般社員でも、プログラミングの経験や知識があることが求められる。これからは誰もが、デベロッパたちがやってることを見て何をしているのか理解でき、プログラミングや開発の過程に何らかの形で関われなければならない。NoFloは、そういう時代要請に即したツールだ。

同社によれば、“それは新しいタイプのフローベース開発環境であり、中でもとくに、どこを新しくしたいかというと、もっとコラボレーション型の環境にしたいのだ”、という。つまり、“企業やチームの人たちに、彼らのソフトウェアがどのように動くのかを示すマップを提供したい。たとえばそのソフトウェアがインターネットに接続されたら、いろんなものが流れて(flowして)いく。プログラムを流れ(flow)でとらえて表現する方法は70年代に発明されたが、うちはそれを、インターネットやクラウドAPIなんかがある現代の環境向けにリニューアルしたいのだ”、ということ。

これと似たプロプライエタリなツール*は前からすでに、大型のプログラミングプロジェクトで使われていたし、映画Lord of the Ringsなど大衆的なメディアに登場したことがある。それらではこのソフトウェア開発プラットホームが、特殊効果のデザインや開発フロー用に使われていた。NoFloはそれらと同じツールを、一般的なオープンソースコミュニティに初めて持ち込むことになる。Kickstarterで資金募集に成功したら。〔*: もしかして、フローチャート(flow chart)のことか?〕

Kickstarterに出た目的は、関心を集めることと、今JavaScriptしかサポートしていないこのツールを、さらにJavaやObjective C対応にするための資金集めだ。つまり、iOSアプリやAndroidアプリを作れるようにしたいのだ。同社によるとそれはScrabbleをLegoに変えるようなもので、基本的に、一般の人には全然分からないもの(プログラム/プログラミング)を、誰にでも分かり会話にも参加できるものに変えるのだ。

NoFloがKickstarterのページで述べているように、Webサイトの場合は、デザイナーがヴィジュアルの仕事をしたら、あとは完全にプログラマの仕事になり、言語を理解できない者には口出しすらできないものになってしまう。NoFloが望むのは、デザイナーが全工程に参加して、本格的なプログラミング教育を受けなくてもプログラミングに参加できることだ。肩越しからプログラマの仕事をちょっと覗くのではなく、正規にチームの一員として会話に参加できること。

出資約束95ドル以上で、プライベートなプロジェクトライセンスが得られる。つまり、コミュニティでオープンに共有されるプロジェクトにはこのツールが提供される。金額が多いとライセンスの期間が長くなり、特典も増える。ソフトウェアでしかも消費者製品でないものに、目標額10万ドルは厳しいが、NoFloのねらい自体はきわめて社会的に重要であり、とくに、技術部門と管理部門とクリエイティブ部門、この三者のコミュニケーションを建設的に円滑にしたいと願っているデザインスタジオやデベロッパショップからは、支持を得られそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


コードを読めない/書けない人でもプログラミングの理解と参加ができるヴィジュアルツールNoFlo

NoFloという会社が、1970年代にIBMが提唱した“フローベースのプログラミング”*というコンセプトに基づく、オープンソースのヴィジュアルプログラミングツールを作り、多くのプログラミング言語に対応する本格的な開発環境に仕上げるための資金10万ドルを、Kickstarterで募金している。〔*: flow-based programming, プログラムの構造を処理の流れ(flow)で表す(下図)。〕

一見するとNoFloは、簡単なWeb開発ではなくもっと高度なプログラミングのためのWYSIWYGエディタみたいだ。いろんな部位をドラッグ&ドロップで並べて、求める計算処理を完成させる。しかし実際にはそれは、コードを書いたり読んだりした経験のない人たちでもプログラム/プログラミングを理解できるための、ヴィジュアルな仕掛けだ。今では企業の役員でも管理職でも一般社員でも、プログラミングの経験や知識があることが求められる。これからは誰もが、デベロッパたちがやってることを見て何をしているのか理解でき、プログラミングや開発の過程に何らかの形で関われなければならない。NoFloは、そういう時代要請に即したツールだ。

同社によれば、“それは新しいタイプのフローベース開発環境であり、中でもとくに、どこを新しくしたいかというと、もっとコラボレーション型の環境にしたいのだ”、という。つまり、“企業やチームの人たちに、彼らのソフトウェアがどのように動くのかを示すマップを提供したい。たとえばそのソフトウェアがインターネットに接続されたら、いろんなものが流れて(flowして)いく。プログラムを流れ(flow)でとらえて表現する方法は70年代に発明されたが、うちはそれを、インターネットやクラウドAPIなんかがある現代の環境向けにリニューアルしたいのだ”、ということ。

これと似たプロプライエタリなツール*は前からすでに、大型のプログラミングプロジェクトで使われていたし、映画Lord of the Ringsなど大衆的なメディアに登場したことがある。それらではこのソフトウェア開発プラットホームが、特殊効果のデザインや開発フロー用に使われていた。NoFloはそれらと同じツールを、一般的なオープンソースコミュニティに初めて持ち込むことになる。Kickstarterで資金募集に成功したら。〔*: もしかして、フローチャート(flow chart)のことか?〕

Kickstarterに出た目的は、関心を集めることと、今JavaScriptしかサポートしていないこのツールを、さらにJavaやObjective C対応にするための資金集めだ。つまり、iOSアプリやAndroidアプリを作れるようにしたいのだ。同社によるとそれはScrabbleをLegoに変えるようなもので、基本的に、一般の人には全然分からないもの(プログラム/プログラミング)を、誰にでも分かり会話にも参加できるものに変えるのだ。

NoFloがKickstarterのページで述べているように、Webサイトの場合は、デザイナーがヴィジュアルの仕事をしたら、あとは完全にプログラマの仕事になり、言語を理解できない者には口出しすらできないものになってしまう。NoFloが望むのは、デザイナーが全工程に参加して、本格的なプログラミング教育を受けなくてもプログラミングに参加できることだ。肩越しからプログラマの仕事をちょっと覗くのではなく、正規にチームの一員として会話に参加できること。

出資約束95ドル以上で、プライベートなプロジェクトライセンスが得られる。つまり、コミュニティでオープンに共有されるプロジェクトにはこのツールが提供される。金額が多いとライセンスの期間が長くなり、特典も増える。ソフトウェアでしかも消費者製品でないものに、目標額10万ドルは厳しいが、NoFloのねらい自体はきわめて社会的に重要であり、とくに、技術部門と管理部門とクリエイティブ部門、この三者のコミュニケーションを建設的に円滑にしたいと願っているデザインスタジオやデベロッパショップからは、支持を得られそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマホ風速計のVaavud、いよいよ出荷開始

Kickstarterの成功例、Vaavudは美しき一品である。デンマークの進取的発明家グループが作ったこの製品は、iPhoneまたはAndroidのヘッドホンジャックに差し込まれ、アプリと連携して風速を教えてくれる。電源は一切使用せず、端末とは、最近のスマートフォンに内蔵されている磁場センサーを経由してワイヤレスでやりとりする。

Vaavudは7月30日に出荷が開始され、bitemyapple、Grand St.、その他のガジェットや最新機器を扱う業者で販売されるが、私は事前に使用する機会を得た。Vaavudは屋外の風速や、室内で私がどれほど強く息を吹きかけられるかを教えてくれた。後者はとても楽しかったので、私は何度も繰り返した。

Vaavudは、殆どのスマートフォンにそのまま装着できるが、Samsung Galaxy S2向けに微修正を加えるためのキットも付属している。カラビナ付のソフトキャリングケースも付いてくる。登山や急流下りに持っていくために作られた製品だからだ。

Vaavudは、同社自身が作ったアプリで使う以外に、サードパーティーアプリもサポートしていて、最初にAPIを活用したのはWeendyだ。これは気象情報をクラウドソースするためのアプリで、世界中のVaavudを使う人からデータを集めて地域毎の風速プロフィールを作ろうとしている。これは理想的な統合だが、Vaavud自体がニッチな製品なので、多くの場所のデータが多数集まるまでには時間がかかりそうだ。

データは正確だと思われるが、他に風速を測る術を持っていないので比較は難しい。Vaavudのネイティブアプリが作るグラフは見やすくてよくできており、電池不要であることは、このデバイスが最も利用価値を持つであろうアウトドアや辺境地での使用に最適だ。40ユーロ(約61ドル)という価格は、ノベルティーには少々高価だが、環境調査を行う人や、気象に興味のある人たちは大いに楽しめるだろう。

多くのKickstarterプロジェクトは、成功したものもそうでなかったものも、何か特定のニッチを目指している。それは伝統的な資金調達経路に向いていない理由でもある。Vaavudがアピールするのはごく小さなセグメントだろうが、多くのKickstarterプロジェクトと異なり、賢実に実行されており作りもデザインも美しい。Vaavudが必要だと思った人は、迷わず入手するべきだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


スマホ風速計のVaavud、いよいよ出荷開始

Kickstarterの成功例、Vaavudは美しき一品である。デンマークの進取的発明家グループが作ったこの製品は、iPhoneまたはAndroidのヘッドホンジャックに差し込まれ、アプリと連携して風速を教えてくれる。電源は一切使用せず、端末とは、最近のスマートフォンに内蔵されている磁場センサーを経由してワイヤレスでやりとりする。

Vaavudは7月30日に出荷が開始され、bitemyapple、Grand St.、その他のガジェットや最新機器を扱う業者で販売されるが、私は事前に使用する機会を得た。Vaavudは屋外の風速や、室内で私がどれほど強く息を吹きかけられるかを教えてくれた。後者はとても楽しかったので、私は何度も繰り返した。

Vaavudは、殆どのスマートフォンにそのまま装着できるが、Samsung Galaxy S2向けに微修正を加えるためのキットも付属している。カラビナ付のソフトキャリングケースも付いてくる。登山や急流下りに持っていくために作られた製品だからだ。

Vaavudは、同社自身が作ったアプリで使う以外に、サードパーティーアプリもサポートしていて、最初にAPIを活用したのはWeendyだ。これは気象情報をクラウドソースするためのアプリで、世界中のVaavudを使う人からデータを集めて地域毎の風速プロフィールを作ろうとしている。これは理想的な統合だが、Vaavud自体がニッチな製品なので、多くの場所のデータが多数集まるまでには時間がかかりそうだ。

データは正確だと思われるが、他に風速を測る術を持っていないので比較は難しい。Vaavudのネイティブアプリが作るグラフは見やすくてよくできており、電池不要であることは、このデバイスが最も利用価値を持つであろうアウトドアや辺境地での使用に最適だ。40ユーロ(約61ドル)という価格は、ノベルティーには少々高価だが、環境調査を行う人や、気象に興味のある人たちは大いに楽しめるだろう。

多くのKickstarterプロジェクトは、成功したものもそうでなかったものも、何か特定のニッチを目指している。それは伝統的な資金調達経路に向いていない理由でもある。Vaavudがアピールするのはごく小さなセグメントだろうが、多くのKickstarterプロジェクトと異なり、賢実に実行されており作りもデザインも美しい。Vaavudが必要だと思った人は、迷わず入手するべきだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


FitBarkを見れば犬のための健康トラッカーがジョークでないことが分かる

自分の自己を定量化する*のには飽きた? では、ご自分のペットを定量化するのはどう? FitBarkFitbitのようなヘルストラッカー(health tracker, 健康追跡機)だけど、それを使うのはあなたの運動不足のイヌ科のお友だちだ。本誌はこの(率直に言って)少々イカれたギズモを、この前5月に取り上げたことがある。それは、TechCrunch Disrupt NYのHardware Alleyに登場したときだ。しかし今回はKickstarterに現れて、これを一般商品として売り出すための資金を募集している。懲りずに。〔*: 自己を定量化, quantifying self, 自分(状態、能力、ほか)を量==数値で表すこと。〕

FitBarkがKickstarterに登場するのは、これが二度目だ。Gigaomによると、前回はビジネスモデルを再検討するために資金募集を途中で取り下げた。そして今回は、前回のような月額会費制ではなく、ふつうの売りきりタイプで再登場した。Kickstarterからなら69ドル、一般小売価格は99ドルだ。

最初の製造コストを得るための目標額は35000ドルだが、まだ期限まで31日あるのにすでに30000ドルを突破している〔日本時間7/26 19:00〕。みんな、すこし頭がおかしいのか、それともすごく真剣なのか。この、“公園を一周しましょう”マシンが最初の製造費用を獲得することは、もはや絶対確実だ。

でも私がイカれてると言ったのは半分冗談で、ペットオーナーのお金を釣り上げようとねらうヘルストラッカーは、これが初めてではない。WhistleはすでにシリーズAで600万ドルを獲得し、わずか1か月前に99ドルの犬用着脱型アクティビティトラッカーを発売した。またTaggは、GPS内蔵のアクティビティトラッカーを作っている。アクティビティ+ロケーショントラッカーだ。だから、ペットのために費消されるお金を無視したいなら、自己責任で。

それで、FitBarkは一体何をするのか? 犬の首輪につけてやると、毎日の運動量をチェックして、そのデータをFitBarkのサーバに送る(ユーザのスマートフォンがその圈域内なら)。圈域外なら、FitBarkの専用ベースステーションを買って、外出時には犬を監禁しておく。このベースステーションを使うやり方では、家にいなくても、いつでもリモートで犬の運動量をチェックできる。ただし、お犬様用に運動場のように広大なマンションを買ってあげましょう。犬のための便利屋さん、ドッグウォーカー(犬の散歩師)を頼んでもいいかも。FitBarkはユーザから送られてきたデータを分析して、今後の目標運動量などをアプリ経由で教えてくれる。ここまでは、きわめて正常。

しかし、ほんとうにイカれてると思うのは、FitBarkでは人間が自分のフィットネスと犬のフィットネス運動を比較できるのだ(同社は両者を“一体化する(unify)”と言う)。自分の忠犬よりもうまく痩せられたら、満足し、自慢しても良いのである。

FitBarkはまた、既存の人間用フィットネストラッカーのAPIを利用してご自分のフィットネスレベルとあなたの犬のそれを、一緒に見ることのできる、初めてのプラットホームです。FitBarkはそもそもの最初から、あなたのNike FuelbandやFitbit、Withings Pulse、Bodymedia Fitなどからの入力をシームレスに受信できるように、作られております。今後、新たなAPIを知り、あるいはパートナーシップの機会が増えるたびに、対応機種は増やしてまいります。あなたが愛犬家であるだけでなく、ご自分のための熱心なフィットネス愛好家でいらっしゃるなら、この機能をお気に入りになられると思います。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Lomographyの新Kickstarterプロジェクトは伝説のポートレートレンズ、Petzvalの復刻

LomographyはKickstarterでiPhone向けフィルム・スキャナーへの出資を募って成功したニューヨークの光学機器メーカーだが、今回はPetzvalという19世紀の名レンズのデジタル一眼向け復刻版のKickstarterプロジェクトを立ち上げた。

Petzvalレンズは19世紀を代表する写真レンズで、独特のボケ味と極めて浅い被写界深度が特徴で、慣れればこのレンズで撮影された写真はひと目見てそれと判別できる。現代のデジタル一眼のセンサーと画像処理能力と組み合わせると一段と強い印象を与える写真になる。

Lomography版はオリジナルの特徴的なデザインを継承する。マウントはCanon EFとNikon Fが用意される。オリジナルより1段以上明るいf/2.2で、Lomographyによれば「色ののりもコントラストもすばらしい」という。焦点が合った部分の描写は極めてシャープだ。周辺減光は大きいが、これはオリジナルのPetzvalが芸術的意図からそのように設計されているという。

Petzvalレンズはポートレート写真で人物を浮き上がらせるのに効果的なように焦点深度がきわめて浅くデザインされている点もユニークだ。LomographyのPetzvalはオリジナル同様、ケーシングは真鍮で作られている。このクラシックでユニークな外観もボーナスだ。

Lomographyはこの10年にわたって主として復刻版のレンズや低解像度カメラを作ってきた。Petzvalは野心的な試みだが、今までの路線の延長にある。今回のキャンペーンでは10万ドルの調達が目標だが、すでに半額が集まったという。 レンズを予約できる出資額は300ドルからだが、この枠はもうすぐ売り切れる。350ドル、400、それ以上の枠が用意されている。

Kickstarterには失敗プロジェクトも多いが、財布のヒモのゆるいアーリー・アダプター層を対象に中規模の実績のあるブランドがユニークな新製品を売り込むにはかっこうのプラットフォームだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


パソコンを多機能測定機/表示器に変える小型マイコンボードRed Pitaya

科学おたくを目指していてぼくは、オシロスコープとか波形発生器とか、いろんなセンサ類に魅了されていた。でも、足し算すら満足にできない(電卓を使っても)ぼくは、学校でもどこでも、誰にもそんな装置を使わせてもらえなかった。でもこれからは…誰の許可もいらなくなる。

スロベニアの人たちが作ったRed Pitayaは、一台のコンピュータをありとあらゆる種類の計測装置に変えてしまう。使うためにはある程度の知識が必要だが、この小さな基板一つが、オシロスコープにも、スペクトルアナライザにも、波形発生器にも、周波数応答解析装置(FRA)にもなる。Bazaarと名づけたオープンソースのアプリストアもあるので、このボードで使うためのプログラムも入手できる。

デュアルコアのARM Cortexチップを使用し、アナログ入力2、アナログ出力2、低速I/Oポートが4ある。EthernetとMicro SDのスロットもある。

かなりハッカー的な品物だし、こういう低レベルI/Oになじみのない人は楽しめないかもしれない。でも、ハッカー趣味のある人や、子ども向けの電子工学教材を探していた人は、299ドルでも安いと思うだろう。今彼らはKickstarterで50000ドルを募集しており、初日ですでに(日本時間7/23 am12:00)で22000ドルあまりが集まっている(残59日)。誰もがパソコンを使える今の時代に、なぜこれまで、こんな多機能化製品がなかったのか、不思議なぐらいだが、高嶺の花だったオッシロがこれからは好きなように使えるのは、とっても嬉しいね。

〔訳注: パソコンにUSB接続するオシロスコープ(単機能)なら、2~3万円である。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブリンクする小さなプログラマブルUSBライトBlink(1), バージョン2がKickstarterに登場

1年前にローンチしてKickstarterの人気者になったBlink(1)が、またKickstarterに戻ってきた。USBスロットに差し込んでコマンドでブリンクさせるだけの製品だが、今は25ドルの出資約束で売っている。アップデートの内容はUSB 3.0のサポートと、両面LED、そしてデザインの改良だ。

Kickstarterにプロジェクトのバージョン2をこんなに早く、しかも成功裏に載せた例をほかに知らないが、とにかく、今度のBlink(1)はChromebooksなどサポートする機種が増え、IFTTTが改良された。両面LEDにより、片方でステータスを示し、他方でほかのプログラムからの入力を示す、といったことができる。ハンサムなメタルとプラスチックのケースを着た点滅ライトが、マルチタスクになったのだ。

最初のBlink(1)は、持ってるけどいまだに、やりたいことが見つからない。でも今回のも必ず買って、やはり用途で迷い、そのうち、デスクの上のガラクタの中に紛れ込んでしまうだろう。でもなにしろこいつは、オープンソースのインジケータであり、アラームやセンサなどの警報器であり、あるいは、外は今暑いよ、とか荷物が遅れずに着いたよ、などを教えてくれるシステムでもある。また、サーバファームを抱えている人には、だめになったマシンや停止したジョブを教えてくれるだろう。

今回の目標金額は28000ドルで、すでに9000ドルに達している。発売は10月の予定だ。しかも完全にオープンソースだから、独自のブリンクを自作したり、筐体も作れる。楽しくてかわいくてそれほど高くもないデバイスだが、ぼくと違ってやる気のある人にとっては、実用性も万点だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


若きマッドサイエンティスト、シルビアが水彩画ロボットでKickstarterに登場

12歳の「メーカー」、Super Awesome Sylvia(彼女はスーパーイケてる)は、水彩画ロボット、WaterColorBotを作るために5万ドルを集めようとしている。パソコンのお絵描きソフトでデザインしたものならほぼ何でも描くことができる。なぜ、ふつうに筆と絵具と手で描かないのか、というのは愚問だ ― これは、ロボティック水彩プロッターなのだ。何か?

SylviaはEvil Mad Scientist Laboratoriesと協力してこのキットを開発中で、275ドルのプレッジを出せば、昔ながらのプロッターのように動くWaterColorBotが手に入る。完成は間近でEMSLはこう書いている。

キットを組み立てるためには、小と中のプラスドライバーと先の尖ったハサミが必要だ。小学校低学年以下の子供たちは大人と一緒に作って始めるのがよい。

このシステムは、SVG形式のベクターベースのファイルを「筆で描く」ので、サイズ変更の容易な絵を用意する必要がある。しかし、おばあちゃんへの手紙や、飼いネコの美しいベクトルグラフィックを量産するには何の問題もない。

via BoingBoing

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(翻訳:Nob Takahashi)


キーリングに付けられるスマートフォンカメラのリモートシャッター、Muku ShuttrがKickstarterで資金調達中

スマートフォンで自画撮りするのは難しい。ネットは腕をいっぱいに伸ばして撮った顔が妙なぐあいに歪んだ写真で溢れている。現在Kickstarterで出資者を求めているMuku ShuttrはiOSとAndroid向けのBluetoothを利用した小型のリモートシャッターだ。

開発者は香港のスタートアップ、Muku Labs。すでに目標額は集まっているが、99ドルの出資で注文者の名前入りのMuku Shuttr1台が入手できる。出荷は10月の予定。

Muku Labsのファウンダーは香港在住のエンジニア、Kevin Leung. Leung。

厚さ6mmと薄いのでShuttrは撮影時には手の中に隠せるし、キーリングなどに付けておける。 有効距離は9m程度。無線接続なので見通せなくてもよい。つまりポケットの中からシャッターを切ることもできる。

対象はすべてのiOSデバイス、SamsungのGalaxy S3、S4、Note 2、Tab 10.1、LGのNexus 4を始め3.0以降のBluetoothを備えた多数のAndroid4.1以降のデバイスで作動する。またiOSのCamera+、645 Proアプリをサポートしており、iPhoneの内蔵カメラをバイパスして撮影することができる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートウォッチのPebble、Kickstarterと予約注で27.5万台を販売。アプリは100万ダウンロード達成

スマートウォッチのスタートアップ、Pebbleは、同社のウェアラブル・コンピューター・アクセサリーが、昨年著しい成功を収めたKickstarterプロジェクトで19万台の予約注文を受けたことを初めて公表した。これでスマートウォッチの予約総数は27万5000台になる。未開の市場に向けて売られているデバイスとして印象的な結果だ。

Pebbleの共同ファウンダー、Eric Migicovskyは私に、総注文数を発表したかった理由は、同社がBest Buyでの販売を発表したことに合わせ、Kickstarter支援者向けに出荷することの挑戦について少しでも伝えたかったからだと話した。Best Buyでの反応も非常に良好だが、具体的な数字はまだ言えないとMigicovskyは言った。Pebbleは、すでに多くのBest Buy店舗で売り切れている。

Kickstarterキャンペーン完了後の6~10ヵ月間は、出荷だけに集中していた。Migicovskyによると、それは優先事項ではなく「唯一」事項だったと言う。今、スタートアップはその焦点を会社の長期的目標達成に向け始めた。この中には、需要を満たし、予約注文した人全員が間違いなくデバイスを受け取ることも含まれており、来年にかけて実現する計画だ。しかし、もう一つの重要な優先事項は開発者のサポートであり、Pebbleは今それに注意を向け始めている。

「今わが社の焦点は、サードパーティー開発者にシフトしつつある」とMigicovskyは言う。同社によると、これまでに100万本以上の時計アプリがPebbleデバイスにダウンロードされていることが、iOSおよびAndroidアプリ経由のインストール記録からわかっている。すでにPebble SDKに関する活発なコミュニティーも出現しており、Pebbleはそこに費用や開発努力を注いでいる。

「これはデベロッパーの作るアプリが良くなっていくという意味だ。われわれはデベロッパーのアプリをどうユーザーに届けるかに集中する。こうした考えを伝えることは、わが社だけでなくデベロッパーの関心事でもある」

Pebbleは市場への参入に成功した今、このスマートウォッチを長続きする堅牢なプラットフォームにするための2つのゴールに集中することになる。もちろん、27万5000という彼らにとっては魅力的な数字も、準備中と噂されるiWatchをAppleが発売すば、さほど驚くものではなくなる。しかしそれは未知の話であり、Pebbleとしては現市場での位置を確立することが今できる最良の行動だ。

Migicovskyは、今日RedditでAsk Me Anythingを行うので、彼がPebbleの将来について詳しく語る良い機会になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


自分のUSBハードディスクを自分専用無料のDropboxにしてしまえるPlug, Kickstarterで資金募集中

Plugの69ドルのアダプタがKickstarterで資金募集を開始した。このアダプタにUSB接続の外付けドライブをつなぐと、自分のあらゆるデバイスからそれに“私家版Dropbox”としてアクセスできる。ドライブは通常のファイルシステムの一部としてアクセスされ、この機能のための特殊なフォルダや仮想ドライブを作る必要はない。Plugのアプリケーションを立ち上げたら、そのあとは外見的には通常のファイルシステムがあるだけなので、ワークフローは従前どおりで何も変わらない。ただし、自分のすべてのデバイスに、同じファイルがあることになる。

TechCrunch Disruptの先輩Bitcasaにたいへんよく似ていて、フォルダやファイルをローカルのハードドライブにキャッシュしたり、あるいはそれらをPlugからストリーミングできる。Plugの場合の唯一の制約は、容量がそのUSBドライブの容量に制限されることだ。〔Bitcasa参考記事: (1)(2)(3)。〕

Plugの物理的な実体は小型のLinuxマシンで、それがVPNを作っている。たとえばiPhoneから自分のファイルにアクセスしたくなったら、Plugのクライアントソフトが黙ってそのVPNにアクセスし、ファイルを見せてくれる。その点ではDropboxのアプリとそっくりだが、ただしファイルは自分の家に保存されているので会費などを払う必用がない。要するに自分のストレージデバイスがネットワークに接続されていると考えればよいのだが、ただしPlugのソフトウェアが完全なユーザ自身のファイルシステムの仮象を提供する〔上のビデオ参照〕。

だから協同ファウンダでCEOのSéverin Marcombesは、“うちがPlugでやったイノベーションはハードウェアのイノベーションというよりソフトウェアのイノベーションだ”、と言う。“それは、クラウドがもっと安上がりで速ければクラウドで実装してもよかったのだ”。

Plubのアプリケーションを立ち上げると、すべてのファイルアクセスがPlug経由になる。USB 2.0とEthernet 100だから映画のストリーミングはちょっときびしい。アダプタに複数のドライブがぶら下がっているときは、とくに遅くなるだろう。そこで、ファイルを各デバイスにキャッシュすることもできる。まるでローカルなファイルのようにアクセスできる、とPlugは主張しているが、でも実際にそう思えるようになるまでは時間がかかるだろう。Marcombesはキャッシングの機能を、Spotifyのオフラインプレイリスト機能になぞらえる。Spotifyのユーザならよく知っているあのボタンだ。

Kickstarterでの資金募集は始まったばかりだが、目標額が6万9000ドルと少ないから、このパリ生まれのスタートアップにおそらく1000人ぐらいの出資支援者が集まるのではないか。ただし、実際にアダプタが手に入るのは12月だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))