翻訳プラットフォームのGengoがIntel Capital等から1200万ドルを調達

Gengoは人気上昇中のオンライン翻訳サービスで、7500名以上の事前審査、評価済みの翻訳者のネットワークを利用して33の言語で質の高い翻訳を提供している。このほど1200万ドルの資金調達ラウンドを完了した。リードしたのはIntel Capitalで、他にIris CapitalInfocommNTT-IP、およびSaudi Telecom Venturesが参加した他Atomicoも再出資した。

本ラウンドに通信会社が複数含まれていることは、「通信会社がGengoの国際的可能性を『理解』していることを示している」とGengoのCEO・ファウンダー、Robert Laingがメールで私に伝えた。

「Gengoチームは、Intel Capitalのリードによってアジア、米国、ヨーロッパ、中東の投資家と仕事ができることを喜んでいる。各社の国際経験や起業家を支援してきた実績に期待している」とLaingが今日の発表資料に書いている。

GengoのCTO・共同ファウンダー、Matthew Romaineもこう付け加えた。「大規模な翻訳における技術的要素は大きいため、歴史あるIntel Capitalと仕事ができることは光栄だ」。

現在Gengoの売上は、日本と米国が約40%ずつを占めている。現在同社は東京に30名、カリフォルニア州サンマテオに9名の従業員がいる。

Laingは同社が急成長を続けていると言う。Gengoでは2013年に入ってこれまでに、2012年全体よりも多くのテキストを翻訳している。成長の理由の一部はもちろん、GoogleのYouTubeとの提携によるものであり、最近の3Play Mediaとの提携と合わせて、YouTubeの2大統合有料翻訳サービスとなっている。

Laingによると、Gengoではビデオの他に、旅行やEコマースサイトからも大量の翻訳依絡があり、多くの「大手Eコマース、オンライントラベル、コミュニティー・ポータル」が現在Gengoを利用しているという。

Gengoでは今回の新ラウンドの資金を、海外展開の加速と、翻訳プラットフォームおよび翻訳プロセス速度の改善に利用する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ホワイトハウス・サイエンスフェアで表彰された感動的発明3点

[ホワイトハウスが若き学者たちを招待してNCAAチャンピオンみたいに扱っているのは嬉しいね!!!]

アメリカの若き天才の何人かが今日(米国時間4/22)、毎年恒例のホワイトハウス・サイエンスフェアで表彰された。毎春ホワイトハウスでは子供たちを招待し、主に市販の材料から作った生活を一変させる革新的発明を披露する場を提供している。私は毎年この話題を報じているが、才気あふれる子供たちが世界的問題に取り組む姿勢に感動せずにいられない。「大統領の公的な立場で言わせてもらうが、これは本当にクールだ」とオバマ大統領は言った。

本誌では、感動的ですばらしいプロジェクトを3点選んで以下に要約した。

1. 3Dプリンター製、脳波制御義手 – 17歳のEaston LaChappelleは、脳波制御方式による義手を、3Dプリンターで安価に複製した部品を活用して250ドルという低価格で実現した。下のVineのビデオで、若者が製品レベルの脳波検知デバイス、Neuroskyを使ってロボットアームの握手するところを見ることができる。LaChappeleは私に、この義手はまばたきと脳波を使った高度なシステムによって制御されていると説明してくれた。Neuroskyは、さまざまなレベルの精神集中度やまばたきを検知する。例えば両目をまばたきすることで腕を収縮する準備をし、集中度のレベルによって収縮の度合いを調節する。高度なソフトウェアがユーザーの日常行動パターンを学習することによって、昼頃にはランチを食べる、といった特定の時間の動作を容易にしている。

2. がん検出装置 - Googleグローバル・サイエンスフェアの勝者、17歳のBrittany Wengerは、初期がんの検出精度を劇的に高める低価格な手法を発見した。Wengerのプロジェクトは、ヒトの脳のニューラルネットワークをモデルにしたコンピューター処理を利用して、皮膚標本のがん検出精度を99%にまで高め、医師が早期治療によって命を救う手助けをする。ソフトウェアはクラウド上に置かれており、多くの医師がデータを供給するほど精度が高くなる。

「人工知能に出会った時、私はすぐに心を奪われました。翌日家に帰ってプログラミングの本を買い、独学することを決心しました」と彼女は言った。中学1年生以来、この大志ある若き科学者は、主としてウェブと身近にいる先生の助けを借りながら高度な人工知能を独学で習得した。

3. 触知サウンドデバイス – カリフォルニア州の中学2年生、Jonah Kohnは、聴覚障碍者が音楽を楽しむための触知型サウンドデバイスを開発した。音が実際に皮膚の振動を通じて伝わることを、Kohnは自分のエレキギターをかみしめた時に発見した(若さと実験的精神の意味を思い出してほしい)。この発見は、同じ体験が聴覚障碍者に役立つのではないかというヒントをKohnに与えた。「彼らは自分では聞こえなくても歌のメロディーをハミングすることができるんです」とKohnはホワイトハウスで科学ジャーナリストのBill Nyeに言った。彼のプロジェクトに関連した研究によると、聴覚障碍のある被験者の自己採点による音楽品質が93%上昇したという。

多く参加者が、科学に対する驚くべき精神力と打ち込む姿勢を見せた。16歳のJack Andrakaも高精度のがん検知システムを開発したが、大学の研究室を利用させてもらえるまでに99回頼んだという。「君たちが高校で何をやっていたか私は知らない。Jackがやっているのがそれだ。私が高校でやっていたことよりすばらしいことだけは確かだ」と大統領は冗談を言った。

さらにオバマ大統領は、AmeriCorpsとの共同によるテクノロジー業界指導プロジェクト、US2020を発表した。これはCiscoをはじめとする諸企業が2020年までに、従業員の20%が20時間以上を指導や教育に費やすことを誓約するものだ。

悲しみにくれた一週間だった。しかし、われわれが直面する挫折の数だけ次の世代が世界をさらに良くしようと奮闘しているのだと知るのは喜ばしいことだ。

[画像提供:White House]

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(翻訳:Nob Takahashi)


自閉症の人たちがハイテクの仕事で成功

自閉症の人にとって、社会的に孤立して一日中コンピュータの画面を見つめることは、むしろ良い環境かもしれない。アメリカの公共放送NPRのサイトに載ったこの勇気づけられる記事では、アスペルガー症候群で社会適応力に問題を抱える技術者たちが技術的な仕事で成功している。知的障害者を12名雇用しているAlliance Data社の副社長Jim Pierceによると、“たとえばこの子なんか、前にいた健常者よりも3倍も生産性が高い。エラーレートは2%、つまり精度は98%だから、すごいよ”、と言う。

アスペルガー症候群は自閉症の各タイプの中では“高機能な”障害と見なされており、社会的な適応力に問題があっても、技術的な仕事への集中力は高い、と言われている。ダラスの児童医療センターのPatricia Evansドクターによると、“人との関係や対話の少ない技術的な仕事やコンピュータを使うデザインなどは、とても上手にできることがある”、という。

詳しくは、この記事を。

[画像クレジット: nonPerell]

〔訳注: 障害者ではないが、山口県の美祢社会復帰促進センター(“刑務所”はもはや死語)では入所者にJava/JBossを教えて、高い国家試験合格率を誇っている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アメリカでもっともグリーンな家をシリコンバレーのVCが建てた

シリコンバレーを取り囲む丘陵地帯に、その“アメリカでもっともグリーンな家”Tah.Mah.Lahは建っている。この家を企画し住んでいるのは、Foundation CapitalのパートナーでVCとしての経歴の長いPaul Hollandと彼の妻Linda Yatesだ。本誌TechCrunchが“住宅”の取材に招かれたのにはわけがあるが(後述)、とにかく彼らがこの国でいちばん持続可能な家を建てた理由とその方法を聞いてみよう。

そもそも、この家のどこが“アメリカでもっともグリーンな家”なのか? まず、名前がピューマまたはアメリカライオン(クーガー)を意味するアメリカ原住民オーローン族(オーローンインディアン)の言葉であるこの家は、環境負荷が最小であるように建てられている。第二にこの家は、LEED認定でこれまでの最高得点をとった。アメリカでグリーンな建物を名乗るためには、この機関の認定が必要だ。

そしてHolland/Yates家に関して興味深く、しかもまさにTechCrunch的でもあるのは、7つのグリーンテクスタートアップがこの家の建設に関わり、その多くにFoundation Capitalが投資していることだ。それらは、CalStar Products(建築材料)、Control 4(ホームオートメーションとエネルギー管理)、Serious Materials(建築材料)、Silver Spring Networks(エネルギー)、Sun Run(ソーラー)、Tigo(ソーラー)、Xicato(照明)。

では、良いアースデー(Earth Day)を。上のビデオを見て、Holland/Yates家を探検しましょう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


非テック職種に必要なスキルをリストアップし、オンライン学習のための情報にリンクするMBAx.me

ゲストに記事を書いてもらって、その記事がそのままスタートアップ設立に繋がるようなことは、そうあることではない。しかし今回は記事の内容がそのままスタートアップ化することとなった。その記事とはGoogleのAditya Maheshが執筆したものだ。テック業界で働くことになったビジネスコースの学生たちが、スキル面でどのような準備をしておくべきかを記した記事だ。Googleで働き出す前に、Excel、HTML/CSSの基礎、ウェブ解析、フォトショップ、iMovieなどについて知識を得ておけば、より効率的に仕事を進めることができたのにという個人的な体験に基づく。「技術者」ではないので、コンピュータサイエンスの学位までは必要ないが、それでもこうした基本IT知識が大いに仕事をやりやすくすると感じたそうだ。

そしてその記事が、Mahesh自身の手によってスタートアップとして結実した。同じくGoogleのSaleh Altayyarと組んでMBAx.meを立ち上げたのだ。これは、職種によって必要なスキルを身につけるためのオンラインコースを発見するためのサービスだ。Google社内のみならずFacebook、Twitter、Ciscoなどの従業員にもインタビューを行なって、必要とされるスキルをまとめあげたのだそうだ。取り上げている職種はビジネスディベロップメント、PR、マーケティング、HRなど、テック部門以外の多岐にわたっている。

MBAx.meには、必要とされるスキルのリストにみならず、そうしたスキルを学ぶことのできる無料オンラインコースへのリンクも掲載されている。各コースは有用性やクオリティによってランク付けもされている。すなわちサイト利用者は、必要とされるスキルが何なのかを知るだけでなく、実際にそのスキルを身につけることもできるわけだ。

MBAx.meの目的等については、記事冒頭に掲載したインタビュービデオの中でも述べられているので、ぜひご覧頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H)


モバイルアプリのクラッシュテストをローンチ前に行うLittle Eye Labs; コンテキストの詳細把握のために


モバイルアプリのクラッシュテストは、Crashlytics、Crittercism、Bugsenseなどいろいろある。でも、本番ローンチ前のテストはどうか?

インドのアクセラレータGSF出身のLittle Eye Labsは、デベロッパたちがポストプロダクションのフェーズに入る前にクラッシュテストを行う。同社は、そのテストサービスとアプリを数週間前にローンチした。

協同ファウンダのKumar Rangarajanは、“アプリがアプリストアに並ぶ前にバグをつかまえたい”、と言う。

同社のサービスを利用してデベロッパは、一台または複数のデバイスの上でアプリのパフォーマンスをモニタし、テストランによりメモリや電力の消費量、ワイヤレスの通信量などを調べる。

テストは、携帯電話をコンピュータに接続して行うやり方と、単独で30分間アプリを走らせて行うやり方がある。Crashlyticsなどの競合製品はアプリがリリースされたあとにクラッシュテストを行うが、そのときはアプリは一般消費者の手に渡り、何千台ものデバイスの上で使われている。

Little Eyeでは、メモリの利用などのデータがリアルタイムで画面上に表示される。テストランが終わるとデベロッパは、チャート(図表)と、画面のビデオ記録の両方を見て、アプリの実行中に何が起きたかを知る。

“アプリのテストをするときには、そのときユーザが何をしていたのか、に関するコンテキスト情報が十分に必要だ。うちのサービスでは、デベロッパが自分の目の前でテストランを行い、また複数のデバイスの上で複数のアプリを動かしてみることもできる。画面のビデオも撮るから、うちの売りは、コンテキストが細部まで明瞭に分かることにある”、とRangarajanは言う。

Rangarajanは、“Little Eyeに近いサービスはAndroid用のDalvik Debug Monitor Serverだ”、と言う。これはAndroidデベロッパがデフォルトで利用できるツールだ。

“でもあれは、とても原始的で、うちのはもっとビジュアルだし、機能が高度だし、しかも使いやすい”。

Rangarajanとそのほかの協同ファウンダたちは以前、Rational Softwareでデベロッパツールを作っていた。Rational Softwareは2003年に、IBMが21億ドルで買収した企業だ。

Little Eyeはフリーミアムで、有料制の年会費はデベロッパ一人当たり500ドル、月額50ドル弱だ。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BBCのオンデマンドサービスiPlayerで初めてタブレットがモバイルを抜く

ここにも、タブレットの急速な普及の兆候が見られる。イギリスのBBCがインターネットから番組をオンデマンドで提供しているサービスiPlayerでは先月、初めてタブレットがモバイルを抜いた。番組リクエスト数はタブレット4100万に対して、モバイルからが4000万だった。PCなどすべてのデバイスを合わせると3月の番組リクエスト数は2億7200万だった(番組本体のみ、紹介編などを除く)。

3月のリクエスト総数の中でタブレットとモバイルはどちらも約15%を占める。下のグラフを見ると、長期的な傾向としてタブレットとモバイルは、これまでの主なiPlayerアクセスデバイスであるコンピュータ(PC)のシェアを蚕食していることが分かる。2012年3月ではPCのシェアは59%、今年の3月では47%だ。同じ時期にタブレットは6%から15%に、モバイルは9%から15%に伸びている。

これはBBCだけの特異な現象ではなく、業界全体としてもPCの売上は落ち込み、タブレットやスマートフォンのようなネット接続型のスマートデバイスが売れている。Gartnerの予測では今年の全世界のタブレットの売上台数はほぼ2億で、前年比70%の伸びとなる(IDCの予測では78.4%増)。これに対しPCの売れ行きは今年7.3%減少する。今回のBBCの数字と似た例としては、先月Adobe Digital Indexの場合、やはりタブレットからのアクセスが初めてスマートフォンを抜いている。

BBCのオンデマンドTVは、今放送中のテレビ番組と放送後の過去番組を見られるサービスだが、デバイスの形状やサイズからして、いかにもタブレット向きのアプリだ。ポータブルでありながら、画面サイズと解像度は不満感を与えない。BBCのiPlayerのデータでも、タブレットは圧倒的にラジオよりはテレビ番組用に使われている。

上記のデータはすべてiPlayer全体だが、テレビコンテンツに限ると、タブレットは3月の番組リクエストの19%を占め、モバイルは17%だった。一方ラジオだけでは、タブレット4%に対してモバイル10%だ。ラジオではPCのシェアが68%と高く、iPlayerが主に仕事などのバックグラウンドとして利用されていることがうかがわれる。PCの画面は、お仕事用に使われているのだろう。

iPlayerの利用のされ方でもうひとつおもしろいのは、テレビは主に(3月ではリクエストの88%)過去番組を見るために使われ、今放送中の通常番組の視聴は少ない。これに対しラジオでは、リクエストの83%でその日の通常番組が聴かれている。

iPlayerで今放送中の通常番組を見るためには視聴料を払わなければならない(ラジオは無料)。しかしその通常番組の視聴料収入はこのところ一貫して減少傾向にある。また通常のテレビ視聴者に比べてiPlayerの視聴者の年齢は下の方に偏っていて、2012Q4ではiPlayerユーザの76%が55歳以下だった。昨年8月にはiPlayerの通常番組視聴者がテレビリクエスト全体の32%(平常時の倍以上)に急増したが、それはおそらくオリンピックのためだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


山ほどあるパーソナルアシスタントアプリの中でDonnaの独自性は”ユーザのニーズの先取り”にあり

新しいタイプのモバイルパーソナルアシスタントアプリDonnaについては、この前本誌も取りあげた。でもそれは実際に使ってみないと、記事を読んだだけでは、今や世の中に非常にたくさんあるスマートカレンダーやアシスタントアプリと比べてどこがどう違うのか、なかなか分からないと思う。

そこで今日はデベロッパのIncredible LabsのCEO Kevin Chengを本誌のスタジオにお招きして、Donnaのデモを撮らせていただいた。Donnaのキモは、ユーザがその必要性を自覚する前にヘルプを提供することだ。それが、Donnaが提供する新しいコンセプトであり、またその実装もかなりいい線をいっている。

“ユーザが情報を見つけるのではなくて、アプリが情報をお届けすることが重要なんだ”、とChengは言う。“アシスタントというものは、ご主人自身がいちいち気にすべきことを減らしてあげて、ご主人の神経の負担を軽減してさし上げるのが仕事だ。今は、情報が足りないのではなくて、情報のフィルタが足りないのだ。Donnaは、ユーザが必要とする情報を正しいタイミングでお届けする”。

どうやって? 上のビデオを見ると、Donnaがユーザのニーズに正しく対応して、ユーザの人生を楽にしてくれる仕組みが分かる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


充電時間が従来の1/1000, 蓄電量が30倍の超高性能電池をイリノイ大が開発

イリノイ大学アーバナシャンペーン校の研究者たちが、通常の電池の1/1000の時間で充電でき、携帯電話はもとより、電気自動車用にも使える、という強力な微小電池を作った。研究者集団のリーダーWilliam Kingは、“クレジットカードのように薄い”デバイス用に使える電池を研究していた。

この電池の設計では、正極と負極の表面面積が従来よりも相当大きくなり、放電と充電のレートが上がる。正極(プラス側)の改良は前から行われているが、負極(マイナス側)も改良したのは今回が初めてである。

この電池は寿命も従来電池の30倍、同サイズなら出力電力も大きい。これまでの電池は、ハイパワー(高出力)であるかハイエナジー(高蓄電量)であるかのどちらかだが、この電池は両方の性質を備える。たとえばコンデンサは蓄電が高速で放電も速い。リチウムイオン電池は蓄電量は大きいが、一挙の高出力はできない。出力も蓄電量もともに大きいこの電池では、これら二つの良いところを両方持っている。

“箱型の製品、という制約がなくなる”、とプロジェクトに携わる院生のJames Pikulが言う。“まったく新しい技術であり、既存技術の漸進的改良ではない。エネルギー源に関するパラダイムを一新する。まったく新しい電池利用製品の誕生が期待される”。

論文をちゃんと読みたい人はここへ。ただし、かなり難解だし、ダウンロード料金も高い。

出典: Extremetech

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マイクロソフト2013年Q3決算:1株当たり利益0.72ドルは予測以上、売上204.9億ドルは予測に届かず、CFOは退任

Microsoftが2013会計年度第3四半期の収支を発表した。売上は予測をわずかに下回る204.9億ドルだったが、1株当たり利益は0.72ドルで予想を上回った。Windows 8の反響の少なさや 低調の続くパソコン販売にもかかわらず、アナリストの総意は、Microsoftの売上は前年同期の13%増だった。予測数値は、今期売上205.6億ドル、1株当たり利益0.68ドルで、2012年Q3の実績は売上174.1億ドル、1株当たり利益0.60ドルだった。

「クラウドサービスへの大胆な賭けが功を奏し、人々はOffice 365、Windows Azure、Xbox LIVEおよびSkypeといったMicrosoftのサービスを益々選ぶようになった」とMicrosoftのCEO Steve Balmerが発表会見で言った。「まだやるべき仕事はあるが、Windowsデバイスに関する賭けが、長期的にわれわれをよい位置に導いてくれると楽観している」

伝統的に非常に好調な前四半期、同社の実績は、GAAP売上215億ドル、純利益63.8億ドル、希薄化後1株当たり利益0.76ドルだった。

今日の発表の中でMicrosoftは、同社CFO Peter Kleinが在任4年、在籍11年を経て同社を去ることを明らかにした。Microsoftは、同社の財務部門から選出される後任CFOを近く発表する。

Windows 8の発売、低迷するパソコン市場を受け、Windows部門の実績には間違いなく多くの注目が集まっていた。昨期、Microsoftは同グループの売上が対前年比24%増(58.8億ドル)を記録したと報告した。今期、Windows部門の売上は57億ドルと、前年同期比23%増だった。

部門別の四半期実績は以下の通り:

  • Microsoftビジネス部門:売上63.2億ドル、前年比8%増
  • サーバー・ツール部門:売上50.4億ドル、同11%増
  • Online Services Division reported revenue of オンラインサービス部門:8.32億ドル、18%増
  • エンターテイメントおよびデバイス部門:25.3億ドル、56%増

昨四半期、サーバー・ツール部門は売上9%増の51.9億ドルだった。一方ビジネス部門は10%減、オンラインサービス部門とエンターテイメントおよびデバイス部門(Xboxの拠点)はいずれも11%増だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleのラリー・ペイジ:モバイルアプリは検索にとってさほど害ではない。「情報は見つけられたがっている」

Googleの収支報告を検討する会見で、幹部らはモバイルがどう同社のビジネスに影響を与えるかを問われた ― 検索利用一般、およびGoogleの広告売上・利益それぞれについてだ。

CEO Larry Pageはこれに応じて、モバイルアプリの普及がGoogle検索に及ぼす影響について「必ず」聞かれるが、彼はそれに関して「さほど心配していない」と語った。

「われわれはその問題について長い間検討してきた。そもそも検索は、ウェブオーナーやソフトウェア開発者や他のアプリにとって驚くべき存在だ。一般論として、情報は見つけられたがっている、と私は考えている」とPageは言った。

さらに多くの利用場面がモバイルへ移ることは課題ではあるが、Googleはそれを乗り越えるとPageは言う。

モバイルが同社の利益に与える影響について、最高事業責任者のNikesh Aroraは、Googleの現在のクリック単価といった細部に注目することは、一連の質問を考える上で「誤ったやり方」であると指摘する(彼は以前クリック単価について一般論を語ったことがある)。「正しいやり方」は、「みんなが複数の画面を持っているという新しい現実」を理解することだ。この新しい現実下でGoogleは、一日を通じてユーザーに正しい答を提供する必要がある、そしてもしそれに成功すれば「みんなのパイが大きくなるだろう」とAroraは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazon S3は2兆のオブジェクトを保管―昨年6月の1兆から倍増、ピーク時には毎秒110万のリクエストを処理

今日(米国時間4/18)、ニューヨークで開催されたAWSサミットでAmazonは、S3ストレージには2兆以上のオブジェクトが保存されていると発表した昨年6月には1兆、11月には1.3兆だった。前回の数字はre:Inventカンファレンスで発表されたものだ。

Amazonの AWSチーフ・エバンジェリストJeff Barrは今日のブログ記事で、「AWSが保管するオブジェクトが1兆に達するのに6年かかったが、さらに1兆増加するのに1年もかからなかった。また日常的にピーク時には毎秒110万以上のリクエストを処理している」と書いている。

Amazonはこの数字を「われわれの銀河系には4000億の星がある。S3に保管されているオブジェクトの数は銀河系の星の数の5倍だ」と説明した。S3オブジェクトはひとかたまりのデータであり、サイズは1バイトから5テラバイトまでいろいろだ。残念ながらAmazonはS3オブジェクトのサイズの平均については明らかにしなかった。

Amazonは今月に入ってAPIリクエストの処理単価を引き下げるなど値下げ努力を続けている。しかし料金の安さはS3の成功の理由のひとつの要素にすぎない。たまにダウンすることがないわけではないが、AWSは企業が大量のデータをクラウドに保管しようとするとき真っ先に考慮するサービスとなっている。また新機能も次々に追加されており、小さなスタートアップからPinterestDropboxのような急成長サービスまで広くホスティングしている。AWSは2020年ままでに200億ドルのビジネスになると一部のアナリストは予測している

MicrosoftのAzureプラットフォームはじめライバルも挑戦を続けているが、この分野でのAmazonの圧倒的優位はゆらいでいない。Microsoftは最近、AWSの料金引き下げに対応して料金を引き下げると約束した。 Microsoftによれば、現在Azureには20万のユーザーがあり、毎日新たに1000ユーザーが加入しているという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


HTML5のWebSocketでコミュニケーション製品を作るKaazingが$15Mを調達

“ライブWeb”とモバイル通信を提供しているKaazingは、主としてHTML5のWebSocketを使ったプロダクトを開発している。同社はこのほど、1500万ドルの資金を調達して総資本額が3900万ドルになった。今回の新たな投資家は、New Enterprise Associates(NEA)とColumbus Nova Technology Partners、これに既存の投資家たちも参加した。新資金は同社の業容拡大に充てられる、という。

“新たな資本が注入されたことによって業務のグローバルな展開に勢いがつき、弊社の製品であるHTML5のWebSocket規格に基づく企業向けWeb通信プラットホームの市場の、さらなる拡大が期待される”、とKaazingのCEOで協同ファウンダのJonas Jacobiが声明文で述べている。

NEAのパートナーRohini Chakravarthyは上に加えて、“iPadなどのスマートモバイルデバイスが急速にPCに置き換わりつつあり、またクラウドの普及が進んでいる。このような環境変化においては、企業のアプリケーションの現代化が急務となっている。今日までの静的な(スタティックな)Webのアーキテクチャは、高価につき実効性にも乏しく、市場のこの大規模な激変を支えることができない。Kaazingの高度なコミュニケーションプロダクトは、これからのクラウドおよびモバイルのアーキテクチャにとってきわめて重要である。この分野の指導的企業に投資できることは、大きな喜びである”、と述べている。

同社のこの前の資金調達は6月で、1700万ドルを獲得した。そのときKaazingは、WebSocketを使用するリアルタイム通信製品の開発に資金を投じたい、と言った。また昨年同社は、CiscoのベテランJohn Donnellyを営業と企業向け事業開発の強化のためにスカウトした。

同社の本社はカリフォルニア州Mountain Viewにあり、ほかに事業所がニューヨークとロンドンにある。Kaazingのプロダクトとサービスは、Google、Bechtel、Oracle、HSBCなどにおいてリアルタイムWebとモバイル通信を駆動している。創業は2007年で、同社の創業チームはHTML5 WebSocket の規格策定にも貢献した。WebSocketを利用すると、古い二者間リクエスト/リスポンス型の通信を旨とするWebの上で、複数者間の全二重通信が可能となる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Toshiba Kirabookに触ってみた:最高のハードウェアと驚異のディスプレイはWindowsパソコンを救うのか?

【筆者はMichael Seo】
ノートパソコンの出荷台数が7.3%減少すると予測される今年、Windows 8マシンには強力なアドレナリン注射が1本何本かは必要だ。Toshiba Kirabookがまさにそれかもしれない。

KirabookはToshibaが新たに立ち上げた高級Ultrabook製品ラインの第一弾だ。一見して細心の注意を払われてデザインされていることがわかり、それはクパチーノ風味の調和と仕上がりを醸しだしている。Toshibaからこの種の質を感じたのは(あったとしても)かなり久しぶりだ。

それはKirabookがデザインに関して何か新しいものを提供しているという意味ではない。依然としてMacbook Airの陰がそこかしこに見え隠れしているのは、Windows Ultrabook全般に言えることだ。

Kirabookの輪隔はMacbook Airよりもやや小さいが、その中にレティナ品質の2560 x 1440 WQHDタッチスクリーン画面を収めることに成功している。レティナMacbook Pro、あるいはその意味ではChromebook Pixcelとも、並べて比較する機会はなかったが、発売されれば市場で最高のノートパソコンディスプレイの一つになることは間違いない。

このディスプレイは、Kirabookの看板機能であることは言うまでもなく、Toshibaの少々問題のある価格設定を正当化する主な理由でもある。それについては後ほど触れる。

Kirabookの内部には、Core i5 または i7 プロセッサー、RAM 8GB、および256GBのSSDか入っている。さらにKirabookには、Adobe Photoshop ElementとPremiere Elementのフルバージョンが同梱され、2年間の無料サポートはToshibaがApplecareと同等だと言っている。

少なくともスペックではKirabookはその「贅沢」の名に恥じない。しかし、それは同機が贄沢な価格に支えられていることも意味している。

非タッチスクリーン、Core i5のKirabookは1599ドルから。ここからは少々狂気じみてくる。タッチスクリーン付Core i5は1789ドルで、タッチスクリーン、Core i7、Windows Pro版はなんと1999ドルだ。この種のプライシングはPCやAppleの相当製品を驚かせる。

比較のために挙げると、13インチ・レティナMacbook Proは 1499ドルから、但しSSDは128GBと小さい。Lenovo ThinkPad x1 Carbonは1187ドルからで、タッチスクリーン付モデルは1319ドルから。Asus Zenbook Primeはタッチスクリーンおよびレティナに近い品質のディスプレーを装備して、現在の小売価格はAmazonで1253ドルだ。

Toshibaの広報担当者は私に、Kirabookが市場でノートパソコンのベストセラーになることは期待していないと語った。彼らも少々ニッチな製品であることを認識している。少なくともKirabookは、Toshibaが最高級のハードウェアを非常に魅力的な製品として作れること示す公式表明ではある。

Kirabookが価格に見合う価値を持つかどうかについては何とも言えないが、本誌で近々完全レビューをお送りすることを約束する。店頭には5月5日に並ぶ予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


PanaCastは、220度パノラマビデオ会議体験を可能にする

【筆者:Michael Seo】
ビデオ会議は頭痛のタネ、職場環境にあっては特にそうだ。しかしPanaCastは、他のビデオ会議プラットフォームと異なり、本当に楽しくことのほか便利らしい。

PanaCastはクラウドファンディングで作られたビデオ会議プラットフォームで、昨年12月にRoss Rubin“Backed Or Whacked” コーナーで取り上げた。Rossは心からこのプロジェクトを支援し、それ以来PanaCastのKickstarterプロジェクトは当初の調達目標額の1万5000ドルを大きく上回りその3倍に達した。

今日(米国時間4/17)PanaCastは、彼らが言うところの「市場を破壊する価格」、599ドル、プラス月額購読料19.99ドルで一般向けに販売を開始する。

PanaCastが提供するのは、ユニークなパノラマビデオ会議体験だ。三脚に載った奇妙な外見のUFOのよう、Rossが言う専用ウェブカムを利用する。カメラはスタンドに取り付けた状態で高さ約60センチでかなり携帯性はよい。

ウェブカムの設定は簡単だ。iOSデバイスが携帯またはWiFiに接続されている状態でPanaCastアプリを立ち上げ、ウェブカムの上にあるバーコードをスキャンして接続する。

このウェブカムは、6種類のカメラから成り、ビデオ出力は同期されて200度をカバーする2700×540ピクセルのビデオ映像が作られる。映像はくっきり鮮明で歪みも全くなく、PanaCastのiOSアプリではライブビデオフィードのどの部分でもスクロールやズームができる。

PanaCastを製造するAltia Systemが見せてくれたライブデモは、レスポンスも極めて良好だった。スクロールやズームの際の遅延は一切なかった。アプリでは複数フィードの切り換えもごく簡単にできる。

現在PanaCastはiOSデバイスでのみ利用できる。Windows、Mac、およびAndroid版も近く公開する予定だ。

PanaCastアプリはiOS App Storeから無料でダウンロードできる。PanaCastカメラはAltiaのウェブサイトで注文できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google、Chromeブラウザーの警告を強化。悪質な機能拡張のインストールを阻止

近くChromeは、ブラウザーの拡張機能の取扱いを変更する可能性のあるソフトウェアをダウンロードしようとするユーザーに警告を与えるようになる。具体的にこれは、ユーザーの知らない間に悪質な拡張機能がインストールされるようにするプログラムを監視する同社のセーフブラウジングシステムを強化するものだ。新機能は今後数日以内に配布される。

昨年12月、すでにGoogleは拡張機能のサイレントインストールをデフォルトで無効にしている。今日の発表によると、この保護機能を有効にすることによって「Chromeに明らかな性能改善が見られユーザー体験も改善される」。

新機能はこれを基点に、悪質な機能拡張がブラウザーに侵入するのを未然に防ごうとしている。

Googleによると、新機能は「Chromeが機能拡張を配布する標準的しくみを侵害するコードを識別し、そのコードがマルウェアである旨をユーザーに警告する」。これらの悪質な機能拡張の大半は、サイレントインストール・ブロッカーを回避しようとする。ひとたびここを通過するとユーザーは機能拡張のアンインストーラや無効化ができなくなる。コードはChromeの設定を操作してブラウザーがサイレント・インストールを再び許すように変更すると共に、付随する悪質な機能拡張ももちろんすぐにインストールしようとする、とGoogleは言っている。

「最新の対策」は、この種の悪質な機能拡張を検知してブロックするとGoogleは言っているが、方法の詳細は明らかにしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitterがツイート内容に連動するキーワード広告をローンチ

今日(米国時間4/17)、Twitterは今年の売上が10億ドルに達すると予測されている広告事業をさらに一歩前進させる新広告を発表した。このキーワード・ターゲティング広告では、企業やブランドはユーザーのツイートに含まれる特定の単語をベースに広告を表示することができる。

Twitterの説明によれば、この新広告は、デスクトップ、モバイルを含むすべての既存の広告ネットワーク上で現在順次公開中だという。またTwitter広告が運用されている15ヶ国語すべてがサポートされる。「ただし、新広告によって今までより広告が増えるわけではない」とTwitterでは念を押している。広告のボリュームは今までと変わらず、ただユーザーが使ってキーワードを利用することで広告主は今までよりも効果的に広告を表示できるようになったということだ。

Twitterは公式ブログ記事で「新広告でおそらくもっとも重要な特長は広告の対象を精密にターゲットできることだろう」として次のように書いている。

たとえばユーザーがあるバンドのファンで、その最新アルバムを聴いているとツイートしたとしよう。たまたまそのバンドがユーザーの地元で近くコンサートを開く予定があったとする。コンサートの主催者は地域を指定するだけでなく、ツイート中にそのバンドの名前が含まれるユーザーにコンサートのチケット販売サイトへのリンクを含めた広告ツイートを表示させることができる。ユーザーが好きなバンドの新しいアルバムについてツイートするとやがてタイムラインに近所のコンサートの広告が表示されるというわけだ。

Twitterの初期テスト協力者、Everything Everywhere、日本マイクロソフト、Walgreensはみなキーワード連動方式によるプロモート・ツイートが他の方式に比べてはっきりと効果が高かったと報告しているという。

eMarketerによるTwitterの今年の売上予測はやや控えめだ。これによると、2013年の全世界ベースの売上は5億8280万ドルで10億ドルに近づくのは2014年だという。2012年の世界での売上は2億8830万ドルだった。そのうち83%はアメリカ市場によるもとeMarketerでは推定している。各種の広告方式が世界でリリースされた結果、今年は外国市場の比重が高まるかもしれない。eMarketerは2015年には外国での広告売上が3億1900万ドルに上ると予測している。

Twitterを訪問はするが自分ではめったにツイートしない人々が膨大な数に上る。キーワード連動方式の欠点はこういう人々を対象にできないところだ。もうひとつの問題はタイミングだ。ツイートが投稿されてから長い時間が経ってからそれに関連した広告が表示されても有効ではないだろう。そのときそのときの関心を140文字で次々に語っていくというTwitterの本質を考えると、たとえ自分のツイートであってもその中に含まれるキーワードを長く記憶している場合は少ないかもしれない。ユーザー自身がすっかり忘れてしまった後でターゲット広告が表示されれば古臭い話題と思われるか、あるいは気味悪がられかねない。

キーワード・ターゲット広告を作成するツールはTwitter AdsのダッシュボードでもAPI経由でも利用できる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


嫌いな勉強をゲームで糖衣してもだめ, Recuriousは子どもの好奇心で進行するゲームを作る

子どもたちの好奇心というものを見直したい、と考えているゲームデベロッパRecuriousが、Greylock Partners(LinkedInのReid Hoffman)が率いる投資ラウンドにより150万ドルを調達したと発表した。

James Miaoが創業したRecuriousは、子どもたちのためのもっと良い教育的ゲームを作りたいと願っている。Miaoによると、子どものための良質なゲームデザインは、まだきわめて少なく、需要を満たしていない。現状は、子ども向けゲームのほとんどが教育にゲームという衣裳を着せているだけだ。それはまるで、子どもの嫌いなブロッコリをチョコレートでコーティングしてるようなもの。

彼の考えでは、子どもたちのゲームをもっとよく考えてデザインし、子どもたちの自発的なモチベーションで学習が進むようにすることが、重要だ。子どもたちが夢中になり、本物の好奇心が芽生え、好奇心が情報への飢えを喚起する…これが本当の学習の道だ。つまり、ゲームで遊びながら子どもたちが本当に学習するとしたら、そこに好奇心があるからなのだ。

同社の最初のタイトルDinoramaは、対象年齢が7〜12歳だ。子どもたちに恐竜パークを作らせ、そして経営させる。つまり、お金の面から見てパークが成功するために、子どもたちはゲームをしながら想像力と創造力を発揮しなければならない。

Dinoramaをプレイしながら子どもたちは、来園者のための演し物を考え、恐竜たちの世話をし、また暴風雨のようなネガティブな要因にも対応しなければならない。そのようにして子どもたちは、収入、支出、節約、修理費用、チケットの売り上げの上がり下がり、などを擬似体験しながら学習していく。

恐竜への給餌もするし、ツアーガイドを雇う、ポップコーンを作って売る、風船をふくらませる、来園者の写真を撮る、パークの掃除や修理をする、来園者を彼らの好きな恐竜のところへ案内する、などなど、いろんなことをする。子どもたちは恐竜に名前を付け、餌を与え、お金を投じてパークを作り、恐竜たちの生活環境を良くする、などのこともする。それはまるで、Farmville+Petsville+恐竜たちだ。

Miaoはこのゲームのねらいを、“子どもたちが自ら進んで、ああしたいこうしたいと思えるような環境を作り、その中で、自然に学習が進むこと”、と語る。子どもたちは、お金を持った起業家になる。そして次々と問題解決に取り組む(雨天対策、餌不足、バスの事故で観光客が来れなくなった、などなど)。

Miaoは前にも、thesixtyoneというゲームスタートアップを創ったことがある。そこでは、インディーの音楽を発見することとゲームの要素をブレンドした。彼はそこでゲームについて多くを学び、学んだことを子ども向けゲームにも応用できると考えた(彼はEAにいたこともある)。

Recuriousの次の課題は、子どもがクリエイティブにプレイできるゲームをさらにローンチするとともに、会社をもっと大きくしていくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


古いWebアプリを自動的に古いブラウザで開ける–Chromeの企業ユーザ向け設定

Googleが今日(米国時間4/16)加えた新しい機能により、Google Apps for Businessのユーザは、Chromeブラウザを企業にとってもっと使いやすくできる。Google Apps for Businessと〜〜for EducationのためにGoogleがクラウドから提供している管理ツールによりITのアドミニストレータは、標準のGoogle AdminパネルやWindows Group Policiesから、100項目以上のChromeのポリシー(方針項目)やプリファレンス(選好項目)をカスタマイズできる。

さらに、Googleが今日新たにローンチしたChromeのエクステンションにより企業は、昔のブラウザを必要とするサイトを見るために自動的にレガシーブラウザに切り替えることができる。それらのサイトは、ITの管理者が定義する。Chrome Frameを使うとChromeのレンダリングエンジンを古いブラウザで使えるが、Googleの今日の注記では、“Legacy Browser Supportがあることにより企業のITアドミンは〔安心して〕現代的なWebへの完全移行ができる”、という。

Chrome for Businessのクラウド上の管理システムは、 Google Apps for Businessと〜〜for Educationの全ユーザが利用できる。そのポリシーの設定は、Windows、Mac、そしてLinux上のビジネスアカウントでChromeにサインインするユーザに自動的に適用される。

その企業のChromeユーザに対しては、どこでChromeを使っていても同じポリシーにより、IT部門が決めたWebアプリケーションやエクステンション、スタートアップのURL等のセットアップが行われる。さらにITの管理者は、WebGLコンテンツの視聴や共有の可否、セーフブラウジングモードの設定、シークレットモードの設定、画像を見ることの可否など、より詳細なセットアップもできるし、またURLのブラックリストによる管理もできる。

Googleは今日の発表声明の中で、“Webとブラウザは最近の20年で大きく変わった”、と言っている。“Chromeブラウザは現代のWebで可能なことの範囲を継続的に拡大しつつあるが、そのイノベーションはどこにいる誰にとっても、とりわけ職場において、可利用にならなければならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本のKDDI、boundioを閉鎖してTwilioと提携

2012年4月、KDDIウェブコミュニケーションズ(日本第2位の通信会社KDDIの子会社)は、boundioを立ち上げた。デベロッパーが電話回線を利用してサービス(単純なコールセンター等)を構築するためのサービスで、言うなればあまりすごくないTwilioだった。

1年後、同社はboundioを閉鎖し、これを・・・何とTwilioで置き換えた。

本誌は同社とTwilioの提携を昨年10月に報じたが、それがライバル製品にとって何を意味するのか当時は明確にはわからなかった。今日(米国時間4/16)日本で行われたプレスイベントで、同社はboundioの新規登録を中止し、既存のboundioユーザー全員をTwilioのプラットフォームに移行することを発表した。

私はこの手のB2B関連の提携にはおよそ疎い方なのだが、実際これはTwilioにとってものすごく大きい。理由はこうだ。

  • Josh Constineが昨年10月に指摘したように(またGrouponが中国進出直後に気付いたように)、アジアへの進出は〈難事〉だ。いや、〈本当に〉難しい。ビジネスカルチャーは尊敬と信用に基づいている。製品を翻訳してプレスリリースを出して終り、というわけにはいかない。KDDIのような大物と組むことはTwilioに信用を与え、支社を構える必要すらなくなる。
  • 日本の大企業の殆どはすでにKDDIと取引きがある。Twilioを直接使うためには、これらの大企業が新たな取引先としてTwilioを承認する必要がある。KDDIはすでに必要な関係を築いているので、Twilioは準備の整っている大量の潜在顧客を直ちに引き継ぐことができる。

ちなみにboundioは、通信キャリアの作ったソフトウェアが閉鎖された数多い例の一つにつぎない。

WAC — AT&T、Verizon、China Mobile、Sprint、その他がジョイントで立ち上げた「統一オープンプラットフォーム」 — は、ゲートを出る前につまづいた. Orangeは、先月静かにAPIサービスを打ち切り、TelefonicaのBlueViaのような話はいくらでもある。

デベロッパーは、避けられるのであれば通信キャリアーとは仕事をしたがらないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)