Airbnb、「歩いてライオンに会いに行く」などの冒険ツアー事業をスタート

オンライン宿泊サービスのAirbnbが新しい旅行体験プログラムをスタートさせた。「Airbnbアドベンチャー(Adventures)」は、簡単にいえばAirbnbが提供する新しいツアーのコレクションだ。3日から1週間かけ、多くは徒歩で、ありきたりの観光スポット以外の興味深い場所を訪れる。

ケニヤのワイルドライフ・サファリがこうしたエキサイティングなツアーの一例だ。3日のコースのハイライトはナイロビ近郊の野生動物保護センターに泊まり、専門家のガイドで、徒歩で自然の環境で暮らすライオンに会いに行くのだという。キャンプファイヤーを囲んでブッシュティーを飲むなどのアトラクションも用意されている。ツアー料金500ドルには5回の食事、飲み物、テントでの2泊などが含まれている。

これまで提供してきた「体験(Experiences)」とは異なり、こうした冒険ツアーではAirbnbは大規模な旅行代理店ではなく、現地の専門家やツアーガイドと直接提携している。エキサイティングな要素を含むツアーの場合、旅行代理店を介在させることが保険その他事故責任に関して適当でないのだろう。またツアーの安全性を確保するため、Airbnbは第三者機関とも密接に協力しているという。

Airbnbのビジネスの中心はオンラインの短期宿泊先共有サービスだが、「体験(Experiences)」でツアー企画をデビューさせた。Airbnbアドベンチャーはツアー・ビジネスをさらに強化するものだ。ロイターによれば、Airbnbは5億人のユーザーベースを活かして動画ストリーミング事業に乗り出す計画で、サービスは年内にスタートするという。また同社は最近、ビジネス全体の黒字化を達成したと発表している。

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滑川海彦@Facebook

米カーシェアのGetaround、アメリカ・欧州以外の地域での展開も既に視野に

Getaroundの創業者でCEOのSam Zaid氏

アメリカでカーシェアリング事業を展開するGetaroundは4月、パリに本社を置くDrivyを3億ドル(約325億円)で買収したと発表。Getaroundは2018年8月、ソフトバンク主導のシリーズDラウンドで3億ドルを調達したと発表していた。Getaroundはトヨタの未来創生ファンドからも出資を受けている。

Drivyの買収により、Getaroundは欧州にも本格進出した。500万人ものユーザーを抱え、アメリカとヨーロッパの300を超える都市でサービス展開されるグローバルな企業へと成長を遂げたGetaroundだが、同社の創業者でCEOのSam Zaid氏いわく、Drivyの買収は「アメリカとヨーロッパだけでなく、グローバルを狙える企業になるためのステップ」。

「正式なアナウンスはできない」が、人口の多さなどを考えると、次に展開するエリアがアジアである可能性は「高い」、とZaid氏は話し、日本に関しては、「東京は我々にとって興味深い市場だ」と加えた。Zaid氏は自ら日本に訪れたこともあり、その際には価格設定や車両の配置エリアに疑問を感じたのだという。

Getaroundはp2pのカーシェアリングサービスを展開している。同社は米TechCrunchが開催したDisrupt 2011のピッチバトルの優勝社だ。GetaroundではGetaround Connectと呼ばれる「コネクテッド・カー」テクノロジーにより、スマホで利用可能な車両を探し、鍵を開ける。車両のオーナーから鍵を受け取るなど無駄なアクションは必要ない。Drivyのサービス利用方法も同様だ。

Zaid氏いわく、Getaround最大の特徴は前述のテクノロジーによる「最初から最後まで即時性のある」ユーザー体験。加えて、同氏いわく、「大都市において、他社よりも利用可能な車の数が多い」そうだ。

競合のTUROは56ヵ国の5500以上の都市で利用することが可能できるなど対応エリアの広さは圧倒的。だが、同社ホームページによると、スマホで車両を予約し鍵を開けるTURO Goが利用できるのはロサンゼルスとサンフランシスコのみ。

Getaroundは「ライドシェア、電動キックボードからシェア自転車まで、消費者は『車の所有』から逃れるため、変わりゆくライフスタイルに適した、よりフレキシブルで低価格な選択肢を探している」と説明。

同社によると、現時点で、カーシェアリング市場はレンタカーと比較すると小規模。だが、2025年までには110億ドル規模に成長するポテンシャルがある。また、ヨーロッパはカーシェアリングの世界的な市場の50パーセントに値し、ユーザー数は2020までに1500万人以上、2025までには2300万人ほどの規模に増える見込みだという。

IPO価格を初日に90%上回ったフリーランスためのマケプレ「Fiverr」が目指す目標とは?

フリーランスのマーケットプレイスのFiverrはギグエコノミーと密接に関わる存在となった。しかしCEOのMicha Kaufman(ミカ・カウフマン)氏は「すべてのギグエコノミー企業が平等につくられているわけではない」と主張する。

Fiverrがニューヨーク証券取引所にデビューした昨日の午後に私はカウフマン氏と話した。Fiverrの株価はその日、IPO価格を90%上回った。

関連記事:フリーランスマーケットプレイスFiverrの株価は上場初日に90%アップ

Fiverrのフリーランサーのコミュニティについての話しの中で、私はUberのIPO前にあったドライバーによるストライキの例を挙げて、いかにフリーランサーたちがFiverrの上場で恩恵を受けられるようにするのかカウフマン氏に尋ねた。それについて彼は「Fiverrセラーは往々にして非常に高い技術を持っていて、彼らが仕事の契約や支払いを決める」と指摘した。

そして「これが、ギグエコノミーと呼ばれている他のプラットフォームと異なる点だ」と話した。この構造では、例えば、サンフランシスコに住んでいるフリーランスデザイナーは、より安く仕事を引き受ける世界のどこかにいる誰かの価格についてさほど心配しなくてもいいことになる。

「入札にかけるマーケットでは必ず売り圧力がある。しかしフリーランサーが自らの専門範囲やタイミング、価格を決めるマーケットでは逆の動きがみられる。実際、我々のプラットフォームでは世界中のフリーランサーが毎年、たくさん稼ぐようになっている。それは反直感的で、むしろ反循環的なレースだ」と彼は語った。

さらに具体的にみてみよう。FiverrのS-1書類には個人セラーの収入について取り上げられておらず、プラットフォーム上での取引総額が2017年に2億1300万ドルだったのが2018年には2億9350万ドルに増え、2019年第1四半期末時点のアクティブセラーは25万5000人と示されている。

S-1ではまた、2018年の売上高は7550万ドルで、損失が3610万ドルだったことも報告されている。しかしカウフマン氏は、損失が縮小していると指摘し「我々は順調に黒字化に向かいつつある。その黒字を維持したい。そのために、成長にフォーカスしつつ、長期的に収益をあげられる事業を構築する」と語った。

また彼は、ウォールストリートの投資家たちに好感を与えた要素の一つが、Fiverrが従来の雇用サイトとは異なり、必要なサービスをブラウズしたり購入したりできるEtsyやAmazonのようなeコマース事業に類似しているという事実だ、と示唆した。

上場が会社にどう影響を与えるかについては、カウフマン氏は「より多くの得意先を抱えること」を意味する、と語った。しかし「上場により事業のカルチャーや我々のフォーカスが変わるとは思っていない。我々が作り出そうとしているのはデジタルサービスのためのエブリシングストアだ」と話した。

カウフマン氏は地理的に拡大する余地が特に英語を母国語としない国であり、新たな仕事のカテゴリーを加える余地もあると考えている。「フリーランサーの多くがオフィスチャネルを通じて仕事を得ている状況を変えたい」と語った。

「Fiverr上でサービスをオーダーするのにかかる時間は平均15分だ。どうして他のやり方でより時間をかける必要があるだろう」。

イメージクレジット: Fiverr

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(翻訳:Mizoguchi)

Kickstarterがプロジェクトの説明や主張のコピーライティングのガイドラインを発行

10周年とCEOを一緒に迎えたKickstarterが、売る側の言葉遣いに改革をもたらそうとしている。

そのHonest and Clear Presentation in Projects(プロジェクトの正直で明快な提示)と題されたページは、こう述べている。

プロジェクトを提示するために選ぶ言葉は、支援者たちの期待感を盛り上げます。プロジェクトの説明は支援者たちに、あなたがこれまでにやったことのリアルで正確な像を与えるものでなければなりません。今、開発のどの段階にあるのか、支援をもとに何を作りたいと考えているのか、それらが明確に分かる説明でなければなりません。

ここで標的になっているのは、最終製品ではなくアイデアとしてのプロジェクトを提示することだ。そして、誇張やいかがわしい主張を避けること。どちらもKickstarterだけの問題ではなく、広告についても一般的に言えることだ。

こんな忠告もある。「形容詞の最上級や大げさな賛辞などを使ってプロジェクトを説明しないように。例えば、世界最高、最小、最速、最初の、究極の、無敵の(他社が追随できない)、革命的な、などなど」。(原文: the world’s best / smallest / fastest / first / the ultimate / unrivaled / revolutionary / etc.)

だから、これらを「世界最高のルール」と呼ぶのもいけない。

Kickstarterはこのガイドラインに関してとても真剣だ。同社のシステム整合性チームのトップであるMeg Heim氏が、The Vergeでこう述べている。「これを一時的な応急処置とは考えておりません。キャンペーンを見た人たちがそのクリエイターを長期的に支援する気になるような、良質な期待感を醸成する提示をしてほしいのです」。

コミュニティガイドラインは各所にあるが、それには罰則のような強制力がない。しかしKickstarterの場合は、これらの忠告を守らないプロジェクトを大きく取り上げたり推奨しないようにすれば、効果があるかもしれない。それはかなりソフトなやり方だが、でもKickstarterのページやニューズレターに載る推奨や紹介、特集などのプロモーション効果は、プロジェクトを成功に導くことが多いのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

タクシー配車のDiDiが天気割に続く攻勢、今週末は「◯◯PAPA」で初乗り無料に

タクシーの配車サービスを東京、大阪、京都、兵庫の各エリアで提供しているソフトバンク系のDiDiモビリティジャパンは6月14日から、「父の日初乗り無料キャンペーン」を開始した。クーポンの配布期間は父の日である6月16日23時59分までの3日間限定だ。

具体的には、対象期間中に「DiDi」アプリにクーポンコードを入力すると、初乗り無料相当ぶんの割引クーポンが取得できるというもの。

クーポンコード「TOKYOPAPA」なら410円相当のクーポンがもらえる

利用者は父親でなくてもよく、1母親でも学生で社会人でも誰でもいい。クーポンが取得できるのは3日間だが、利用可能期間はクーポン取得後から7日間となる。

左から、「OSAKAPAPA」「KYOTOPAPA」「HYOGOPAPA」 の各クーポンコードで取得できるクーポン。地域によって初乗り料金が異なるため、クーポンの割引金額もそれぞれ、680円、650円、680円となる

初乗り無料になる金額はエリアによって異なり、東京は410円、大阪は680円、京都は650円、兵庫は680円。クーポンコードは、東京が「TOKYOPAPA」大阪が「OSAKAPAPA」、京都が「KYOTOPAPA」、兵庫が「HYOGOPAPA」だ。

クーポンをセットするとメイン画面で確認できる

DiDiはこのキャンペーンのほか天気割も実施中で、当日午前11時の時点で雨予報の日は500円、4日連続雨予報なら4000円のクーポンコードを公式Twitterアカウント(@DidiJapan)から配布している。

フリーランスマーケットプレイスFiverrの株価は上場初日に90%アップ

フリーランスマーケットプレイスのFiverrは、上場したニューヨーク証券取引所で幸先のいいスタートを切った。

Fiverrは昨夜、IPO価格を21ドルに決め、これによる調達額は1億1100万ドル(約120億円)だった。しかし今朝の取引は26ドルで始まり、日中、株価は上昇する一方で、IPO価格を90%上回る39.90ドルでひけた。

Fiverrは、いわゆるギグエコノミーを促進する代表的な企業の一つだ。先月、上場の書類を提出したとき、同社は550万社のバイヤーとフリーランス83万人の間での取引をこれまでに5000万件をプロデュースした、と述べた。

同社は2018年に売上高7550万ドル、損失3610万ドルを計上して赤字だったにもかかわらず、投資家は喜んで同社の未来に賭けようとしているようだ。今日午後のインタビューで、創業者で CEOのMicha Kaufman氏は同社のマイナスのEBITDAは縮小している(少なくとも2018年の第1四半期と2019年の第1四半期を比べたときはそうだ)と指摘した。

「我々は黒字化に向かいつつある。その黒字を維持したい。そのために、成長にフォーカスしつつ、長期的に収益をあげられる事業を構築する」とKaufman氏は語った。フルインタビューを明日アップする。

イメージクレジット: Fiverr

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(翻訳:Mizoguchi)

1日70円の傘シェア「アイカサ」がJR東日本系などから資金調達、駅周辺への設置加速へ

1日70円で傘を使用できる“傘のシェアリング”サービス「アイカサ」を展開するNature Innovation Groupは6月12日、JR東日本スタートアップと三井住友海上キャピタルを引受先とする第三者割当増資により、総額で約3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

JR東日本スタートアップとは業務提携も締結し、駅や駅ビルなどへのアイカサ導入を加速させる方針。まずは本日よりJR上野駅・御徒町駅にアイカサが設置される。

これまでも何度か紹介しているアイカサは傘のシェアリングエコノミーサービスだ。ユーザーはLINEアプリから専用の傘が設置されている「アイカサスポット」を探し、QRコードを読み取り傘のロックを解除する。

借りた傘はどのアイカサスポットで返却しても良く、1日に何回借りても料金は70円。1ヶ月の上限金額は420円のため、6日以上使った場合もそれ以上追加で課金されることはない。決済はクレジットカードまたはLINE Payを通じて行う。

遊休スペースをアイカサスポットとして提供する事業者などはアイカサ利用料の一部をレベニューシェアとして受け取れるほか、顧客との新たな接点を作るためのチャネルとしても活用できる仕組みだ。

2018年12月の正式リリースから約半年、当初は渋谷の50箇所からスタートしたアイカサスポットは上野エリアを含めると200箇所を突破。設置している傘の本数も3000本〜4000本ほどに増え、登録ユーザー数も2万人を超えた。

利用するには決済情報とLINEのIDが必要なこともあり、今の所は返却率に関してもほぼ100%だという(一部で買取りたいというユーザーや、間違って持って行ってしまうユーザーはいるとのこと)。

Nature Innovation Group代表取締役の丸川照司氏いわく「リリース前には1箇所ずつ飛び込み営業をして何とかスポットを開拓していた」状態だったが、シェアリングエコノミーやSDGsの認知が広がっていること、少しずつ提携の事例が積み上がってきたことで、直近では当初思い描いていた以上にスポットの開拓が進んでいるようだ。

「インバウンドで問い合わせを頂いたり、こちらから話をするとすでに知ってくださっていたり。(タッグを組む)企業からの反応が半年で大きく変わり、お金を払ってでもアイカサを置きたいと言ってくれる事業者も出てきている。単に数が増えているだけでなく、自分たちにとって重要な場所に設置できるようになってきた」(丸川氏)

ローソン TOC大崎店に開設されているアイカサスポット

2月には都内にあるローソン5店舗にアイカサを設置した。以前丸川氏に取材した際に「日本では年間で約8000万本のビニール傘が消費されていて、それをリプレイスしていきたい」という話をしていただけに、実証実験段階ではあるものの正式にコンビニとタッグを組めたことは大きな変化と言えるだろう。

この実証実験を通じて成果が見込めるようであれば、今後はより多くの店舗へアイカサを設置する計画だという。そのほか多店舗展開する事業者としてはメガネスーパーとも提携オフィスに無料でアイカサを導入できる法人向けのプランも始めている。

加えて直近では自治体や街の交通インフラを担う鉄道会社、不動産デベロッパーとも提携に向けて動いているそうだ。5月には福岡市やLINE Fukuokaと協力して福岡に上陸。福岡市営地下鉄天神駅や西鉄福岡駅、キャナルシティ博多など約50箇所のスポットに1000本の傘を設置した。

本日6月12日からは冒頭でも触れた通り上野での本格展開もスタート。JR上野駅・御徒町駅に加え京成上野駅や東京国立博物館、東京都美術館、アトレ上野店、松坂屋など約50箇所が追加されることになる。

福岡ではすでに先行して駅への設置が始まっていたけれど、都内では今回の上野エリアが初めて。これが広がれば毎日のように電車移動するビジネスパーソンや学生などにとっては、より使い勝手がよくなりそうだ。乗車駅と降車駅双方にアイカサスポットがあれば、電車内に濡れた傘を持ち込まずにも済むだろう。

「JRでは全グループを合わせると推定で数千万本の傘を毎年処分しているという。忘れた傘をわざわざ取りに行く人もいないので、一定の処分コストもかかる。シェア傘の場合は処分することなく、同じ傘がぐるぐる回って行くので『移動を便利にすることで都市を快適にする』という考え方にもフィットして、今回の業務提携に至った」(丸川氏)

Nature Innovation Groupは京浜急行電鉄のアクセラレータープログラムにも採択されていて、今後は京急品川駅などへの設置も予定しているそう。アイカサをプラットフォームとして浸透させていくためには「各鉄道会社や事業者が(別のサービスではなく)共通してアイカサを導入していることが必要」(丸川氏)であり、今年はそのための提携に力を入れていく方針だ。

西鉄福岡駅

「半年間運営する中で、いい場所に傘を置ければしっかりと使われることはわかってきた。まずは駅周辺を中心にスポットを増やし、商業施設やオフィスビル、レジデンスまで広げていきたい。外出中に雨が降ってもすぐに傘を貸し借りできるような環境を作ることができれば、雨の日でも手ぶらで移動できるようになる。アイカサを雨の日のインフラにしていきたい」(丸川氏)

今後は新しい取り組みとして、サブスクリプションモデルのプランも計画しているとのこと。まずは今回調達した資金も活用して傘の製造とエリアおよびアイカサスポットの拡大を進める予定で「東京五輪が開催される2020年に3万本の設置を目指す」という。

上野エリアでは「パンダ柄」のオリジナル傘も設置する

三陸や北陸の朝獲れウニ・エビを品川で夕方買える、フーディソンとJR東日本が新幹線物流の実証実験

フーディソンとJR東日本スタートアップは6月11日、新幹線を利用した鮮魚輸送の実証実験を報道関係者に公開した。

写真に向かって左がJR東日本リテールネットが運営するエキュート品川で店長を務める清水 理三郎氏、中央がフーディソンの代表取締役を務める山本 徹氏、右がJR東日本スタートアップの代表取締役社長を務める柴田 裕氏

フーディソンは、ITを活用して市場流通システムを再構築し海産物に対する消費者の需要喚起を目指す、2013年設立のスタートアップ企業。具体的には、鮮度を保ったままでの提供はもちろん、適切な価格設定を実現している。そのほか、中目黒、都立大学、中延、エキュート品川店の都内4カ所で直営の鮮魚店も展開している。


JR東日本スタートアップは、JR東日本のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)。鉄道資源を活用した新規事業を支援しており、2017年からは「JR東日本スタートアッププログラム」を開催。これまでもさまざまなスタートアップとの実証実験を進めてきた。フーディソンはこのプログラムの採択企業の1社であり、20194月に同社とフーディソンが資本提携したことで今回の実証実験が実現した。

実証実験では、岩手県の三陸沿岸や新潟県の佐渡沖で水揚げされた海産物を新幹線で東京に運ぶことで輸送時間を短縮。ユーザーはショッピングサイト「ネットでエキ ナカ」もしくは店頭で事前予約すると、獲れたての海産物を鮮魚店「sakana bacca エキュート品川店」で受け取ることができるというもの。実証実験は、6月11日、13日、14日、18日、20日、21日の6日間となる。なお在庫状況によっては予約なしでも店頭購入が可能だ。

新幹線を使って輸送される海産物は、ウニと南蛮エビ(甘エビ)。ウニは、岩手県宮古市の田老漁港で前日に水揚げ・瓶詰めされたもので、当日朝7時30分にバスに乗せて盛岡駅に輸送。盛岡駅からは東北新幹線で東京に運ぶ。盛岡駅までのバス移送については、地元のバス会社の協力により実現したそうだ。

南蛮エビは、新潟県佐渡市の佐渡両津港で朝4時に水揚げされたものを、朝9時30分にジェットフォイル(水中翼船)で新潟港に。そして、新潟港からトラックで新潟駅に輸送する。新潟駅からは上越新幹線で東京駅に運ぶ。ちなみに新幹線内では、ウニ、南蛮エビともに発泡スチロールの箱に氷詰めされた状態で車内販売のバックヤードのスペースに格納されているとのこと。

東京駅からはウニと南蛮エビをまとめて品川駅までトラックで配送し、店舗(sakana baccaエキュート品川店)にその日の16時ごろに届けられる。今回新幹線で運ばれたのは発泡スチロールの箱が6つ。現地でフーディソンが委託している仲買人が買い付けたウニ2箱と南蛮エビ4箱だ。

エキュートでの売価は、160g入りのウニの瓶詰めが3600円。南蛮エビが200gで1600円。ネット注文では断然ウニが人気だったとのこと。なお、今回の実証実験には両社のほか、駅ナカ店舗のエキュート品川の運営元であるJR東日本リテールネット、東京駅から品川駅までのトラック移送を担うジェイアール東日本物流も協力している。

今回の実装実験の物流経路

新幹線物流を使う理由としてフーディソンで代表取締役/CEOを務めるの山本 徹氏は「これまでは鮮度落ちが早く主に地元で消費されていた地産品を、いち早く東京にとどけることで商品の価値を高めることが狙い」とのこと。今回の実証実験は消費者の反応やコスト感を見ることが目的だが、JR東日本スタートアップで社長を務める柴田 裕氏によると「小売りの海産物を新幹線で運ぶのは今回が初」だそうだ。

今後の展開についてフーディソンの山本氏は「魚種によっては熟成させたほうが旨味が増すこともあるので、今後取り扱っていく商品としてはウニと甘エビなど鮮度によって商品価値が高まるものが中心になる」という。需要があれば法人向けの販売も進めたいとのことだが、小売り中心で考えると大型魚などの新幹線輸送は現実的ではなさそうだ。東北・上越新幹線の終着駅である東京で販売してほしいところだが、今回の実証実験ではフーディソンの店舗がある品川エキュートが販売場所に選ばれたそうだ。

JR東日本スタートアップの柴田氏は「(JR東日本管轄の新幹線と)線路で繋がっている北海道・函館や石川・金沢で採れた海産物も新幹線物流に載せることはできるが、JR北海道やJR西日本との協議が必要になる。まずは今回の実証実験の反応を見極めたい」とコメント。

羽田空港を拠点とした飛行機を使った海産物輸送が実現している近年では、首都圏の居酒屋やレストランで朝獲れの魚介類が食べられるのはもはや珍しいことでない。しかし、首都圏から離れた地域の朝獲れ海産物を直送するには、空港から近い漁港でないと物流網の構築が難しく、現在のところ宮崎などの一部地域からの空輸に限られている。

今回の実証実験で、三陸沿岸や日本海沿岸の漁港で朝に水揚げされた海産物を最寄りの新幹線駅まで運び、はやぶさ、やまびこ、ときで東京駅に運ぶという新幹線物流網が整備されると、空輸よりも多くの産地の新鮮な海産物を、より多くの消費者が楽しめるようになるはずだ。

Airbnbが新宿区と提携、民泊の環境と意識のレベルアップ目指す

Airbnbと東京都新宿区は6月6日、住宅宿泊事業者(民泊事業者)の適正な運営を促すための提携を発表した。これにより同社は、ホストとなる民泊事業者への法令遵守の啓発、ホストとゲスト(利用者)への防災情報の提供、そして新宿区の観光・地域イベントの情報提供などを新宿区と進めていくとのこと。

Airbnbの共同創業者兼CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)、そしてAirbnb Chinaの社長を務めるネイサン・ブレチャージク(Nathan Blecharczyk)氏。同氏によると、東京と大阪はトップ10の旅行先に入っているとのこと

訪日外国人にとって、緊急時の避難場所などの情報は重要。国内でも特に地震が多い東日本に滞在する観光客にとって、今回のような自治体との提携が増えることは、安心材料の1つになるはずだ。

Airbnbは同日、Airbnb Partnersの参画企業が117社になったことも発表。具体的には、Airbnbホスト向けに宿泊時のトラブル対応や部屋の運用代行などのサービスを提供するエアトリスティや手間いらずとは、運用の効率化を図るためのツールとしてPMS(Property Management System)を共同開発。

不動産の売買仲介やハウスリースなどの事業を展開するハウスドゥとは、ハウスドゥが管理している空き物件を民泊として運用できるように前述のエアトリスティの協力の下で実現している。

地域イベントの盛り上げのために観光客を呼び込む「イベント民泊」にも力を入れているという。例として、ラグビーワールドカップの開催地の1つである岩手県・釜石市や幕張メッセを擁する千葉市、熊本県、大分県とパートナーシップを締結。自治体の要請を受けることで、一般人が旅館業法に基づく営業許可なしで宿泊サービスを提供することを可能に制度を確立している。

さらにLINEとベンチャーパブリックと提携し、「LINEトラベルjp」でのプロモーションを開始した。そのほかのパートナー企業との協業により、Tポイントの付与や各種保険の加入にも対応している。

Uber株が持ち直し、ついに上場売出し価格を超えた

米国時間6月5日、 オンライン配車サービスのUberの終値は5%アップし、1株当たり45ドルとなった。5月10日にニューヨーク証券取引所に上場して以来、初めて売り出し価格を上回って取引されたことになる。

この値動きは、上場にあたってUber株を引き受けた証券会社がいっせいにポジティブな見通しを流し始めたことによる。インサイダー取引防止規定により、こうした証券会社は四半期終了前の4週間は意見の公表を禁じられていた。四半期決算の発表によってこの禁止が外れた証券会社はUber株について一斉に「買い」をシグナルした。

Uberは5月の上場で81億ドル(8800億円)を調達し、時価総額70億ドル(7600億円)前後を達成したものの、上場としては失敗だったと見る意見が強かった。上場初日の株価は売出し価格から大きくアップするのが普通なのに、売出し価格を下回って42ドルに下落したからだ。Uberは創立後10年間でベンチャーキャピタルから巨額の資金を調達しており、上場直前の会社評価額は72億ドル(7800億円)だった。

ただし上場後4週間の値動きは比較的安定しており、40ドルから43ドルの間を往復していた。

Uberについての最初の業績見通しは著名なアナリスト、Raymond James Financialのジャスティン・パターソン氏によるもので、Uber を「オフライン・アプリの時代のリーダー」として高く評価し、予想価格を50ドルに設定した。CNBCによれば、パターソンはこう述べている。

他の伝統的企業とは対照的に、Uberはデジタルアプリで人々のオフラインの行動に大きな変化をもたらしている。これには当初膨大な資金を必要とするが、長期的にみればこのコストは容認しうるものだ。

Uberが先週発表した初の四半期決算では、2019年第1四半期に31億ドルの収入があったが、10億ドルの損失を出していたことが判明した。この数字はおおむね予想どおりで、アナリストは1株あたり調整済み純損失は0.76ドルと計算した。UberのCEOであるダラ・コスロウシャヒ氏は四半期決算に対して次のようにコメントした。

今月始めに我々は株式上場という重要な一歩を踏み出した。今後は地域内の移動と配送のためのワンストップサービスを目指すというビジョンの実現に全力を挙げていく。第1四半期におけるユーザーのUber利用はすべての分野で予想を上回り、平均して1日あたり1700万回に上っている。粗収入を通年換算すると590億ドルに相当する。

画像:pencer Platt / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

電動キックボードのBirdが2人乗りの電動「クルーザー」を発表

Bird Cruiser

電動キックボードのシェアリング事業で知られるBirdはアメリカ時間6月4日、自転車とモペットの中間のような電動の乗り物、Bird Cruiserを発表した。同社が「シートあり」の乗り物を発表するのはこれが初となる。

Bird Cruiserのパッド付きシートには大人が2人まで乗ることができる。電動アシストもしくはペグの2択が用意されており、油圧式ディスクブレーキと52Vのバッテリーを装備している。タイヤは20インチで、フルサスペンション。電動キックボードよりも乗り心地は良さそうだ。

Bird Cruiserがシェアリング事業で展開されることは確認できているが、1299ドルの電動キックボードBird Oneのように一般販売されるかについては発表されていない。

Bird One

Bird Cruiserは今夏より少数のテストマーケットにて展開される予定だ。

Birdの創業者でCEOのTravis VanderZanden氏は以下のようにコメントしている。

「『街をより住みやすくする』という我々のミッションをさらに加速させるべく、私たちはBird Cruiserを含む環境に優しいマイクロモビリティの選択肢を増やしてきている。今夏より、人々は車に乗ることなく、共に、街を移動したり新たなエリアを探索することができるようになる。カリフォルニアでデザインされ設計されたBird Cruiserは、親しみやすく乗りやすい、でこぼこ道でも快適な電動のオプションだ」

日本人創業の居住シェアリングのAnyplaceが約2.7億円を調達

家具付きのアパート、ホテルの一室を短期間シェアリングする新しい賃貸システムを提供するスタートアップ、 AnyPlaceが250万ドル(約2億7000万円)のシード資金の調達に成功したことを発表した。

共同ファウンダー、CEOのスティーブこと内藤聡氏は自身のニーズからこのスタートアップを創立した。内藤氏は町から町へ数ヶ月ごとに引っ越しするのが好きだという。

「自分のために作った会社です。長期間の賃借契約に縛られるのが嫌いなんです。ただし部屋を借りたらWi-Fiやひと通りの家具は部屋に備わっていてほしい」と内藤氏はいう。「簡単に契約できて設備も整っている」理想の部屋はホテルだ。もちろんホテルに住み込むのは内藤氏の専売特許ではない。実は2006年には私もジャーナリストになるための夏のインターンの仕事をする間、ホテルに泊まっていた。

Anyplaceはホテルや家具付きアパートの部屋を月単位で住居として利用するためのオンライン・マーケットとしてスタートした。ホテルの部屋は高いが、Anyplaceを通じて借りると1日単位の料金に比べて、30%から50%も割引となる。今朝Anyplaceのサイトをチェックしてみたが、ニューヨークでの月あたり料金は1331ドル(14万3773円)から4157(44万9034円)ドルだった。Airbnbなどと対抗しなければならないホテルや家具付きアパートにとってAnyplaceは安定した収入を確保する格好のサービスとなっている。

Anyplace App

ビジネスモデルとしては従来の家具付きアパート賃貸業やWeLiveのようなルームシェアリングと似ているが、内藤氏は「Anyplace自身は不動産を一切所有せず、オンライン・マーケットプレイスのサービスのみを提供する。つまりホテルや家具付きアパート、ルームシェアリング・サービスなどの企業と提携して顧客を送り込む手助けをします」と説明する。

Anyplaceは貸出し、料金支払などの手続きを代行し、10%の手数料を得る。また借り手のバックグラウンド調査を行い、不動産所有者側のリスクを軽減する。内藤氏は立ち退きに関するコストを最大1万ドルまでカバーする保険も提供する計画だ。

また常連の借り手に対し「ノーマッド・ロイヤルティー」という特典を提供する。これは航空機チケットの割引や新しい地域に引っ越したときに友だちを見つける手助けができるオンライン・コミュニティーへの参加などが含まれる。

「ありきたりの退屈な不動産業者になるつもりはありません。われわれのマーケットプレイスが提供したいのは単なる居住スペースではなく、住みたいところに住む自由なのです」と内藤氏はいう。

内藤氏に取材したところでは、現在100人ぐらいがこのサービスを利用しているという。昨年の賃貸手数料収入は130万ドル(約1億4000万円)前後だった。

「デジタル・ノーマッドというのはとても響きのいいフレーズだが現実ににはかなりニッチな市場」だという。そこでAnyplaceは長期の出張やインターンの仕事など誰であれ短期の住居を必要とする人々のニーズに答えていこうと考えている。

Anyplaceに対して著名なエンジェル投資家のジェイソン・カラカニス氏をはじめ、FundersClub、UpHonest Capital、East Ventures、Global Brain、本田圭佑、笠原健治、家入一真、Bora Uygunらの諸氏がシード資金を投資している。

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滑川海彦@Facebook

建設現場×職人マッチングの「SUSTINA」が登録社数1万社突破、登録職人はまもなく11万人に

ユニオンテックは6月3日、同社が運営する「SUSTINA」を導入する企業が1万社を突破したことを発表した。SUSTINAは、建設職人と建設現場をマッチングするサービス。

同社は2000年設立の建設会社だが、2016年4月にSUSTINAの前身となる「TEAM SUSTINA」のサービスを開始後、ネット事業に力を入れてきた。2019年2年には、会社設立20年目にして米国のベンチャーキャピタルから10億円を資金調達するなど、スタートアップ的な動きを加速させている。

今回、1万の大台に乗ったのは建築現場などを監督する建設会社の社数だが、登録している職人はすでに11万人近くとなっている。

SUSTINAは、建設職人が希望する地域や職種など検索条件にすることで、スマホやPCで建設現場を探せるのが特徴だ。同様に建設会社も、職種や地域を選んで協力会社(建設職人)を選ぶことができる。

建設職人は、知人からの紹介で仕事が決まるケースが多く、これまでは新しい仕事を受注する機会が限られていた。一方で、建設職人は職種が細分化されており、建設現場では工事に必要な職人を集めるためにコストと時間がかかっていた。SUSTINAは、これらの問題を解決するサービスの1つだ。

登録している企業は、関東が56%と最も多く、次いで近畿の20%、中部の10%。

登録している職人の職種は、1位が内装、2位がクロス、3位が塗装となっている。

そのほかの詳しいデータは、ユニオンテックのウェブサイトで公開されている。

Factory Berlinは欧州最大のスタートアップ向けクラブ

Factory Berlinのスタートアップによると、ここは単なるコワーキングスペースではない。ニューヨーク市にあるAndy Warholの著名なスタジオ「Factory」から名前をとったこの会社は、「ヨーロッパ最大のスタートアップのためのクラブ」だと自称している。

昨年末、我々はGörlitzer Parkにある、Factory Berlinの5階建て/1万4000平方mの拠点を訪れた。この建物は、スタートアップがワークスペースを借りることができるが、ツアーの最中に複数の起業家と話す機会を得て、彼らはここが本当のコミュニティだと説明した。

「コミュニティの一員であることは、外の世界から孤立しないことを意味します」Code University設立者のTom Bachem氏は語る。「あるいは特にベルリンにおいて、素晴らしいスタートアップのエコシステムがコミュニティに統合されているのです」。

DonutのNeel Popat氏は、Factoryのブロックチェーンイベントやショーケースが大いなるメリットだとし、またNew SchoolのKip Carter氏は彼のチームが子供と共に働くエキスパートを見つけるために、Factoryのメッセージアプリを使っていると語った。

|Pipe|設立者でCEOのSimon Hossell氏は、Factoryがベルリン出身でない起業家にとって素晴らしい拠点だったとしている。「初めてきた場所や外国人にとって、お互いに助け合い、励ましあうスマートで知的な同士のグループが、常に存在することは事実です」。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

本命ライドシェアが伸び悩むUber、Eatsやマイクロモビリティは大成長

Uberのライドシェア事業は、同社の新しい事業よりも成長が遅い。Uberの2019年第1四半期の決算報告では、そのほかの事業の前年同期比総予約売上成長率230%に対して、ライドシェアはわずか22%の成長率だった。総予約売上は収益(売上)から税や経費、賃金などを引いた額だ。

2019年第1四半期のその他事業の総予約売上は1億3200万ドルで、貨物輸送と自転車やスクーターなどを使う新しい移動サービス(マイクロモビリティ)を含む。Uberは新しい移動サービスの内訳を公表していないが、CEOのDara Khosrowshahi氏が株主会議で言ったところによると、その新しい移動サービスは「全四半期比でも強力に成長した」そうだ。

一方、Uber Eatsは今なおUberの稼ぎ頭で、総予約売上は108%伸びて30億7000万ドルだった。

Uberのコアビジネスの成長鈍化は、前から予想されていた。昨年のTC DisruptでKhosrowshahi氏は、ライドシェアはUberの総取引額の50%を切るだろうと述べた。

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Uber lost another $1B last quarter(Uberの前四半期損失は10億ドル、未訳)

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(翻訳:iwatan、(a.k.a. hiwa

Uberが低レート乗客の非アクティブ化を導入

Uber(ウーバー)は現在、長らくドライバーに期待されていたように、乗客にも同じく良い振る舞いを求めている。Uberの乗客は常にレート付けられていたが、これまで非アクティブ化されることはなかったーこれまでは。米国時間5月29日から、米国やカナダの乗客は自分のレートが市の平均を大幅に下回ると、非アクティブ化のリスクを背負うことになる。

「尊重は双方向であり、また責任も同様である」と、UberのSafety Brand and Initiatives部門を率いるKate Parker氏はブログに投稿している。「ドライバーは、市ごとに異なる最低レートを満たすように長らく求められてきた。おそらく少数の乗客のみがレートにもとづく非アクティブ化の影響を受けると予測されるが、それは正しい実装だ」。

2015年に流出した資料によると、レートが4.6を下回るとドライバーは非アクティブ化されるリスクがある。ただし、平均レートは市によって異なる。Uberは平均レートを公開していないが、「リスクに直面している乗客には複数の通知が送られ、レートを改善する機会が与えられる」と、TechCrunchへと伝えた。

例えば、Uberは乗客に対して車両を清潔に保ち、礼儀正しい振る舞いをするためのヒントを表示する。「最終的に、非常に少数の乗客が影響を受けると予測される」と、スポークスパーソンは述べている。これはUberの刷新されたコミュニティ・ガイドラインの一部で、Uberアプリの前面中央に表示され、認証を確認する必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

キャンセル予定の宿泊予約を販売できる「Cansell」が韓国や台湾に進出

ホテル予約権を売買できるサービスを運営するCansellは5月27日、国外5カ国のホテルへの対応を発表した。

新たに、韓国、台湾、香港、フィリピン、ニュージーランドのホテルに対応。従来の日本、米国、オーストラリア、シンガポール、カナダを含めて計10カ国のホテルの予約権を売買できる。なお海外で売買できるのは、フロントが英語対応できるホテルの予約権に限られる。

Cansellが提供しているのは、急に宿泊できなくなったホテルの予約権を売買できるサービス。一般的に当日のキャンセル料は宿泊料金の100%に設定されているほか、数日前でも数十%のキャンセル料を徴収するホテルもある。

予約の売買が可能なホテルには、キャンセル料の支払いが必要、販売価格は予約時の価格より高く設定できない、という条件を設けている。審査のうえで出品することで高額転売を目的とした売買を防いでいる。

予約権の売買方法としては、予約権を自ら価格設定して買い手が見つかれば取引が成立する「出品」と、同社に予約権を所定の価格で販売することで取引が成立する「買取」がある。出品のほうが予約権を高値で売れる可能性があるが、取引が成立しないと予約したホテルにキャンセル料を支払う必要がある。後者の場合、買取価格は低めに設定されるものの、あとの手続きを同社が代行してくれる。なお、海外のホテルは出品にしか対応していない。

GitHubのSponsors機能はオープンソースにお金で支援参加できる新たな寄付形式

GitHub(ギットハブ)は米国時間5月22日、オープンソースのデベロッパーに誰でも経済的な支援ができるツールSponsorsを立ち上げた。デベロッパーは自分のGitHubリポジトリにある「Sponsor me」ボタンを押し、オープンソースプロジェクトへの支援モデルを選ぶ。それはデベロッパーへの個人的な支援でもいいし、あるいはPatreonやTidelift、Ko-fi、Open Collectiveなどを利用するかたちでもいい。

GitHubの言うそのミッションは「オープンソースへの参加や構築の機会を拡張すること」だ。お金を出すことも参加と見なす。

一部のオープンソースデベロッパーは、金で人の仕事を左右されるのは嫌だとか言うだろう。それに、金のことなど考えずに自分にとって面白い、やりがいのあるプロジェクトをやっていたデベロッパーが、経済的な支援を得やすいプロジェクトに乗り換えたりすることがあるかもしれない。この件をGitHubに聞いてみたが、まだ確答は得られていない。

この支援事業はオープンソースのデベロッパーだけが対象だ。デベロッパーがこの制度に参加してから最初の1年は、GitHubと親会社のMicrosoft(マイクロソフト)も最大5000ドルを寄付する。さらに次の1年を過ぎるとGitHubは手数料を課金する。

支払いはGitHub自身がビジネスをしている国ならどこでも得られる。「そのチームに参加する機会を増やすことが中心的な目的だから、世界中のデベロッパーがこのツールを利用できるようにしたことを、誇らしく思う」と同社は言っている。

なお支援対象はコードとデベロッパーだけでなく、オープンソースへのいろんなコントリビューター、たとえばドキュメンテーションを書いたり、新人デベロッパーの指導やメンター役をしたりする人たちも含まれる。それらの人たちもGitHubのプロフィールがあれば、支援対象になる。

支援を受けやすくするためにGitHubは、「Community Contributors」と名付けた浮遊カードで、例えばあなたが使っているアプリケーションが依存しているコードを書いた人(デベロッパー)をハイライトする。

さて、コミュニティはこのSponsorsツールにどんな反応を示すだろうか。このアイデアは完全に新しいわけでもないし、すでにGitHubはBeerpayのような寄付アプリケーションを統合している。でもオープンソースがお金を得られる従来のルートは、プロジェクトに協賛するであろう企業に正社員またはパートタイムで就職することだった。

Sponsorsのほかに、GitHubは新しいセキュリティ機能をいくつか導入した。まず、今日買収を発表したDependabotは、プロジェクトがつねに最新のライブラリを使ってるようにするツールだ。GitHub Enterpriseは監査機能を改善して一般公開、またメンテナーはGitHubの中のプライベートスペースという機能のベータにアクセスできる。

これはハッカーに知られたくないセキュリティの話題などを議論できるスペースだ。トークンスキャンニングも一般公開された。これはデベロッパーがうっかり自分の認証情報を、Alibaba CloudやAmazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud、Mailgun、Slack、Stripe、などのサービスからリークするのを防ぐ。

GitHubのエンタープライズエディションも、パーミッションの細粒度化とその一般公開(脱ベータ)などいくつかのアップデートが行われた。Enterpriseアカウントも一般的に供用化、そして内部的リポジトリや組織のインサイトは今回ベータ入りした。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

渋谷発の傘シェア「アイカサ」が福岡上陸、LINE Pay連携も

Nature Innovation Groupは5月21日、福岡市内で傘のシェアリングサービス「アイカサ」を本格的に展開開始した。

具体的には、福岡市営地下鉄天神駅や西鉄福岡駅などの公共交通機関、ソラリアステージ、キャナルシティ博多などで天神・博多を中心に41スポットにアイカサが設置され、福岡オリジナルデザインの傘1000本で展開する。今後はスポット数を現在の10倍から100倍、傘の本数も数万本まで拡充することを狙う。

アイカサは昨年12月に東京・渋谷エリアから始まった、1日70円で傘を借りられるサービス。専用アプリは不要でLINEでアイカサと友だちになることですぐに使えるのが特徴だ。アイカサスポットに設置されている施錠状態の傘に張られているQRコードをスマホで読み取ることで解錠・決済が可能。

1日ごとに70円が加算されていくが、6日以降からは1カ月間は420円。ゲリラ豪雨など想定外の雨であっても、コンビニで傘を購入するより安価に利用できる。傘の返却は最寄りのアイカサスポットに返却すればいい。決済方法は、クレジットカードのほかLINE Payを選べる。

今回の福岡でのサービス展開を記念してLINE Fukuokaと協業。「福岡限定でLINE Pay支払いで利用料が1日1円になる特大キャンペーン」を実施する。6月20日までの期間限定でアイカサの利用料金をLINE Payで支払った場合、1日1円で傘を借りられる。

福岡でのサービスローンチには、福岡市とLINE Fukuokaのほか、We Love天神協議会、博多まちづくり推進協議会が協力しており、以下の場所にアイカサスポットが設置されている。

  • 福岡市
    福岡市地下鉄天神駅(1カ所)
    福岡市庁舎(3カ所)
    福岡市中央区役所(1カ所)
  • LINE Fukuoka
    福岡市内オフィス(3カ所)
  • 西日本鉄道
    西鉄福岡(天神)駅(1カ所)
    ソラリアステージ(4カ所)
    ソラリアプラザ(2カ所)
    天神コア(1カ所)
    西鉄イン福岡(1カ所)
  • 福岡地所
    キャナルシティ博多(4カ所)
    博多センタービル(1カ所)
    クラスけやき通り(1カ所)
  • 三菱地所リテールマネジメント
    イズム(4カ所)
  • イオンストア九州
    イオンショッパーズ福岡店(2カ所)
  • パルコ 福岡店
    本館(1カ所)
    新館(1カ所)
  • オー・エイチ・アイ
    ノース天神(2カ所)
  • 博多大丸
    本館1階インフォメーションセンター(1カ所)
  • 西日本新聞ビルディング
    西日本新聞会館(2カ所)
    エルガーラホール(1カ所)
    エルガーラビル(1カ所)
  • 西南学院
    クロスプラザ(1カ所)
    2号間玄関(1カ所)

BMWやベンツを自分の駐車場に駐めて一定回数タダで利用できる「0円マイカー」

ディー・エヌ・エーとSOMPOホールディングスの合弁会社である、DeNA SOMPO Mobilityは5月16日、同社が運営する個人間カーシェアサービス「Anyca」(エニカ)において「0円マイカー」のオーナー募集を開始した。

「0円マイカー」は、DeNA SOMPO Mobilityが所有する、レンタカー登録およびカーシェア受け渡し用機器を取り付けた車をオーナーが管理。レンタカーとしてカーシェアをサポートすることを条件に、オーナーは一定回数を無料で利用できるサービス。提供車種は、BMW、メルセデス・ベンツ、レクサスなど外車を含む人気13車種。実際には、エリアなどの条件から分析してAnycaが提示する。

オーナーは駐車場を提供し、洗車、清掃などを含む管理によって付与されるポイントの範囲で、同社から貸与された自動車をマイカー代わりに使える。ガソリン代や道路料金などは、一般的なレンタカーと同様に利用者が負担する。

対象地域は、港区(六本木、南麻布、麻布十番、白金、元麻布など)、江東区(豊洲、東雲など)、渋谷区(恵比寿、恵比寿南、広尾、本町、西原、上原など)、世田谷区(三軒茶屋、太子堂など)、中央区(勝どき、月島など)、品川区(上大崎など)、目黒区(祐天寺、青葉台、大橋、下目黒など)、新宿区(西新宿、四谷など)、中野区(中央、本町、弥生町など)の東京23区中9区。同社が用意している車種は以下のとおり。

車種候補一覧

  • セダン
    BMW 3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラス、トヨタプリウス
  • SUV
    メルセデス・ベンツGクラス、レクサスNX、トヨタランドクルーザープラド
  • コンパクト
    MINI、BMW 1シリーズ、メルセデス・ベンツAクラス、日産ノート、トヨタアクア
  • ミニバン
    トヨタアルファード、日産セレナ

建物の種類にもよるが、自宅の車庫やマンションの共同駐車場を駐車スペースに指定して0円マイカーのオーナーになるのは、防犯上や管理上で悩ましい問題が出てきそうだ。一方、自宅から離れた場所に駐車場を借りている、一軒家で屋根のない駐車スペースが近くにあるといった場合は、0円マイカーを活用できそうだ。