ツイッター、スペースの聴きどころ30秒を共有するクリッピングツールをiOSで限定テスト中

Twitter(ツイッター)は米国時間3月17日、スペース(Spaces)用の新しいクリッピングツールのテストを開始したと発表した。iOS版の一部のホストは、録音したスペースから30秒間のオーディオを切り取って、Twitter上で他のユーザーと共有することができるようになった。iOSのすべてのユーザーは現在、タイムライン上でクリップを見たり聴いたりすることができ、Androidとウェブ版のユーザーは、まもなくアクセスできるようになる。また将来的には、ホストだけでなく、すべてのユーザーにクリップ機能を展開する予定だ。

Twitterの広報担当者は、メールでTechCrunchにこう語った。「作成できるオーディオクリップの数に制限はなく、クリップはプラットフォーム上で30日間動作します。「現在、iOSユーザーはすでにタイムライン上でスペースのクリップを見たり聴いたりすることができ、AndroidやTwitter.comのユーザーも近々アクセスできるようになります。フィードバックを見ながら、近い将来、スペースのクリッピング機能をTwitter上のすべてのユーザーに拡張する予定です」。

ホストは、録音されたスペースからオーディオクリップを作成し、ツイートで共有できるようになり、クリップはそのスペース全体の録音にもリンクされる。この新ツールは、ホストが自分のスペースへの関心を高めると同時に、録音全体を共有することなく放送の特定の部分を強調するための方法だ。

Twitterスペースの登場を促したソーシャルオーディオアプリClubhouse(クラブハウス)は、2021年9月にクリッピング機能を展開した。この機能は、パブリックルームにいるライブリスナーが、直近の30秒間のオーディオを切り取って、どこでも共有できるようにするものだ。それらのクリップは、他のソーシャルメディアプラットフォームで共有することができる。

Twitterは過去数カ月間、スペースの機能を新たにいくつか導入し、サービスの充実を図ってきた。同社は、ホストが過去に録音したスペースの音声をツイートで共有できる機能「Spaces Recordings」に取り組んできた。2022年初め、Twitterは録音されたスペースを共有したホストに対して、何人のリスナーがライブ参加したか、また何人がその録音を後から再生したかを確認できる機能を提供し始めた

世界的なパンデミックで人々が家に閉じこもることを強いられていた中、ライブオーディオの人気は高まった。しかし、多くの国で規制が解除され、対面式のイベントが復活したため、TwitterやClubhouseなどライブオーディオルーム機能を提供する企業は、新機能を投入することでユーザーの囲い込みを図ろうとしている。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

ロシアの検索大手Yandex、メディア事業からの撤退を検討中と投資家に説明

ロシアのインターネット大手Yandex(ヤンデックス)は、同社のメディア製品について「戦略的オプション」を模索していると投資家に語った。その中には、ニュースアグリゲーターのYandex Newsや、ユーザー生成コンテンツの推薦とブログの「インフォテインメント」プラットフォームであるZenの売却の可能性も含まれている。

このディスクロージャーは、米国時間3月16日に報じた、YandexがYandex NewsとZenの売却に向けて協議中であるという情報筋の話を裏付けるものだ。

この動きは、ウクライナ侵攻開始以来、ロシア国家による表現の自由に対する規制が強化されていることによるリスクと関連していると、情報筋は指摘する。この中には、ロシア軍に関する「偽」情報(クレムリンが好む「特別軍事作戦」という表現ではなく、ウクライナでの「戦争」に言及するなど)を流した者に長期の禁錮刑を科す恐れがある新しい法律が含まれている。

Yandexは中央ヨーロッパ時間3月18日、投資家向けの声明の中で、「ニュースアグリゲーションサービスとインフォテインメントプラットフォームのZenについて、売却を含むさまざまな戦略的オプションを検討します」と記している。

「当社は、その他のテクノロジー関連事業および製品(検索、広告、自動運転、クラウドなど)、トランザクションサービス(ライドヘイリング、eコマース、ビデオ / オーディオ、ストリーミングなど)の開発に注力する意向です」と同社は付け加えた。

Yandexの広報担当者は、Yandex NewsとZenの売却について協議中であることを確認した。

「ニュースアグリゲーションサービスとインフォテインメントプラットフォームのZenについて、売却を含むさまざまな戦略的オプションを検討していることを確認します」と同担当者は述べた。

同社はメディア製品の買い手候補について公のコメントを出していないが、内情に詳しい情報筋は先に、ロシアのソーシャルメディア大手VKが有力候補だと話していた。

Yandexは投資家向けの将来予測に関する声明で、売却プロセスが「初期段階にある」ことを示唆し「買い手の特定、許容できる条件の交渉、取引の締結に成功する保証はない」とも投資家に警告している。

オランダに籍を置くロシア企業である同社は、時価総額が68億ドル(約8106億円)だった2月25日に取引を停止している。

画像クレジット:Alexander RyuminTASS / Getty Images(Image has been modified)

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Den Nakano)

PayPalがウクライナ人への直接送金を可能にするサービスを拡充

PayPal(ペイパル)は、ユーザーがウクライナ人に送金できるようにサービスを拡充すると、米国時間3月17日に発表した。この拡充以前は、ウクライナのユーザーはPayPalを使用して国外に送金することしかできなかった。これにより、ウクライナのPayPalアカウント保有者は、世界中の友人や家族と送金し合うことができるようになる。PayPalウォレットでお金を受け取ったウクライナの顧客は、対象となるMastercardまたはVisaのデビットカードやクレジットカードをリンクすることで、自分の銀行口座に資金を移すことができるようになる。

また、PayPalは、6月30日まで、ウクライナのPayPal口座への送金、またはウクライナのPayPal口座への入金の手数料を一時的に無料にすると発表している。同社の国際送金サービスであるXoom(ズーム)も、ウクライナの受取人に送金する際の取引手数料を無料にする予定だ。

今回のPayPalの発表は、ウクライナ政府から同国の人々が支払いを受けられるような新サービスを展開するよう同社に要請があったことを受けてのものだ。

ウクライナの副首相兼デジタル変革担当大臣のMykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)氏は、Twitterでこの拡大を称賛し、PayPalから受け取った手紙を公開した。

PayPalからの手紙には「我々のチームは、PayPalがどうやったらウクライナの人々に最善かつ迅速に追加サービスを提供することができるかを見極めるために集中的に取り組んできました」と書かれている。「このサービスは、ウクライナの人々が世界中の友人や親戚からお金を受け取るために役立つと信じています。また、他の国にいるウクライナ人難民にとっても、現在住んでいる場所でお金を受け取ったり、引き出したりすることができるので、助けになると思います」。

ウクライナの顧客は、ウクライナのPayPalウォレットからUSD、CAD、GBP、EURで送受信することができるようになる予定だ。顧客がPayPalウォレットから対象のデビットカードやクレジットカードに資金を送金するとすぐに、そのカードに関連する通貨で資金を利用できるようになる。

今回の発表は、PayPalが今月初めにロシアでのサービスを停止したことを受けて行われたものだ。PayPalだけでなく、Mastercard(マスターカード)とVisa(ビザ)もロシアでのネットワークサービスを停止しており、同国から撤退した決済企業はPayPalだけでない。

戦争が始まって以来、人々はウクライナの人々を経済的に支援する方法を探してきた。Airbnb(エアービーアンドビー)のCEOであるBrian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏は、世界中の一部の人々が、ウクライナのホストに経済的支援を送るため、宿泊するつもりがなくてもウクライナのAirbnbを予約していると述べた。また、ウクライナは、対ロシア戦の援助を求める人々から数千万ドル(約数十億円)相当の暗号資産による寄付を受けている

PayPalのサービス拡充により、ウクライナの人々を支援する、より直接的な方法が促進されることになるだろう。同社によると、これらの新サービスは本日から利用可能になるとのことだ。

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ロシア、YouTubeに「反ロシア」広告を止めるよう警告

2月末にウクライナに侵攻して欧州で陸戦を開始したロシアが、外国のソーシャルメディア大手に対する最新の攻撃として、反ロシア的な「情報攻撃」がYouTubeを通じて広まっていると主張し、同国のインターネット検閲当局からGoogle(グーグル)に警告を発した。同国は動画共有プラットフォームの広告がロシア国民への脅しに利用されることをGoogleが許容しているとして、米国のハイテク企業が「テロ行為」に関与していると非難している。

ロシアの通信情報技術監督庁Roskomnadzorは現地時間3月18日、同庁ウェブサイトに掲載した声明の中で、YouTubeがロシアとベラルーシ間の鉄道接続を遮断するよう人々に呼びかけるターゲティング広告を配信していると主張している。

「YouTube管理者の行為はテロ行為であり、ロシア国民の生命と健康を脅かすものです」と規制当局は書いている(ロシア語から機械翻訳)。

「このようなアピールの発信は、米国企業であるGoogle LLCの反ロシア的な立場を明確に示しています」とも。

規制当局はまた「反ロシア動画」の配信をできるだけ早く停止するよう、Googleに警告した。

その声明はさらに、米国のIT企業全般、特にテック大手のGoogleとFacebook(フェイスブック)を所有するMeta(メタ)が「ロシア軍、メディア、公人、国家全体の信用を落とす」ことを目的とした「情報攻撃」の標的キャンペーンを展開し、ロシアとの「対立の道」を選んでいると非難している。

「Meta Platforms Inc.とGoogle LLCによる同様の行為は、ロシアの法律に違反するだけでなく、一般に受け入れられている道的規範にも反しています」とRoskomnadzorは付け加えている。

Roskomnadzorの警告について、YouTubeからすぐにコメントを得ることはできなかった。

国家インターネット検閲機関からGoogleへの直接の警告は、ロシアがYouTubeへのアクセスをブロックする前兆である可能性がある。

最近、FacebookInstagram(インスタグラム)がRoskomnadzorによってブロックされている。ウクライナ戦争と並行して、ロシア政府がデジタル情報領域への支配を強化しようとしているためだ。

FacebookとInstagramは、Metaがヘイトスピーチポリシーを緩和し、特定の地域のユーザーがロシアに向けた特定の種類の殺害脅迫を投稿できるようにすると発表した後にブロックされた。Metaのグローバルアフェアーズ担当社長であるNick Clegg(ニック・クレッグ)氏は、これを「自衛の表現としての言論の権利」を守るために行われた一時的変更だと弁明した。

ここ数週間、RoskomnadzorはTwitter(ツイッター)にも制限を加えている。

しかし、YouTubeはウクライナ侵攻以来、同社がロシアでのサービスにいくつかの制限を加えているにもかかわらず、大きな検閲を受けずに済んでいる。例えばユーザーへの支払いサービスを停止するなどだ(同社はロシアの銀行に対する西側諸国の制裁の結果、この措置を取った)。

この状況が変わりつつあることを示す1つのシグナルとして、18日ロシアの報道機関が、Roskomnadzorに近い情報筋の話として、早ければ今日か来週にもYouTubeがブロックされる可能性があると伝えており、ブロックが迫っていることを示唆している。RIA Novostiの情報筋は、来週末までにYouTubeがブロックされる可能性が「最も高い」と述べている。

ロシアとウクライナの間で激化しているサイバー戦争のもう1つの小さな指標かもしれないが、今日この記事を執筆していた際、Roskomnadzorウェブサイトの読み込みが著しく遅かった。また、CAPTCHAを導入したようで、DDoS攻撃を防止・軽減しようとしている可能性がある。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Den Nakano)

ロシアの「グーグル」Yandex、メディア事業から撤退か

プーチン政権はウクライナでの戦争に関するロシア国内の情報共有について締め付けを続けており、その影響でFacebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)と同じくメディア分野の主要プレイヤーでもあるロシア国内のハイテク大手がメディア資産の再編に着手している。

現地時間3月15日のロシアの報道では、往々にして「ロシアのGoogle」と呼ばれる同国の大企業Yandex(ヤンデックス)がメディア部門の売却交渉に入っており、ロシアのソーシャルネットワーキング大手VKが買い手候補に挙がっていると報じている。

この件に詳しい情報筋はTechCrunch に、ニュースアグリゲータのYandex Newsと、レコメンダーエンジンと連携したブログプラットフォームのYandex Zenを含むメディア部門の売却交渉が「最終段階」にあることを認めている。今後あり得る売却の時期については確認できなかった。Yandexは報道についてのコメントを拒否した。

この噂は、欧州連合(EU)内部でYandexに制裁を加えるよう圧力がかかっている中でのものだ。ニュース部門はすでに、Yandexの主要幹部(現在は元)Tigran Khudaverdyan(ティグラン・フダヴェルディヤン)氏に関連した制裁を通じて、EU規制当局から目をつけられている。

フダヴェルディヤン氏は3月15日、ロシアのウクライナへの正当な理由なき侵攻に関してEUの制裁を受ける個人リストに加えられた。EUは、Yandexのニュース事業の元責任者であるLev Gershenzon(レフ・ゲルセンゾン)氏の告発を引用し、Yandex Newsがプーチン政権のプロパガンダを広める役割を担っていることを強調した(ゲルセンゾン氏は現在ベルリンを拠点としていて、LinkedInのプロフィールによると2013年にYandexを退社している)。

この発表に続いて、今度はYandexから別の発表があった。フダヴェルディヤン氏は、Yandex NV(オランダに本拠を置き、NASDAQで株式公開しているYandexの親会社)の副CEOおよび取締役を退任する(取締役会は、同氏がEUの制裁対象者となったことを知り「ショックを受け、驚いている」と述べている)。

EUは「我々は、政権に実質的な収入源を提供している経済部門に関与しているオリガルヒ(新興財閥)や政権所属のエリート、その家族、著名なビジネスパーソンをさらに制裁リストに追加している」と述べた。「この制裁は、プーチン大統領のウクライナ人に対する戦争にともなう誤情報やプロパガンダにおいて主導的な役割を担っている人々も対象としている。我々のメッセージは明確だ。ウクライナへの侵攻を可能にした者は、その行動の代償を払うことになる」。制裁対象者への罰則は、資産の凍結や欧州への渡航禁止などだ。

フダヴェルディヤン氏が制裁対象個人リストに加えられた理由は2つある。1つは、プーチン政権とその対ウクライナの戦争をほう助したと考えられるYandexと、そのニュース部門の経営監督を行ったこと。もう1つは、2月24日にクレムリンで行われたオリガルヒとロシア高官の会合にフダヴェルディヤン氏が出席し、差し迫った制裁の影響について話し合ったことだ。

Yandex NVは2月25日に取引を停止したが、その時の時価総額は68億ドル(約8110億円)だった。

「ティグラン・フダヴェルディヤンは、機械学習によるインテリジェントな製品とサービスを専門とする、ロシアを代表するテクノロジー企業であるYandexの執行役員だ」と、EUは公式通知で述べている。「Yandexの元ニュース部門責任者は、同社がウクライナでの戦争についてロシア人から『情報を隠すための主要な役割』を担っていると非難した」とある。

EUはまた、Yandexの検索エンジンのユーザーが検索結果に基づいてウクライナに関するより広範なニュースを読むことを抑止しているとほのめかす製品決定にも言及し、こう書いている。「さらに同社は、ロシア政府がロシアメディアの掲載内容に関して脅迫した後、同社の検索エンジンでウクライナに関するニュースを探しているロシア人ユーザーに対して、インターネット上の信頼できない情報について警告している」。

さらに、2月24日に西側制裁の影響について話し合う会議にフダヴェルディヤン氏が出席したという事実そのものが「同氏がウラジーミル・プーチンに近いオリガルヒの内輪メンバーの1人であり、ウクライナの領土保全、主権、独立、またウクライナの安定と安全を損ねたり脅かす行動や政策を支持または実行している」ことを示していると指摘した。

これに加え、Yandexの幹部として、フダヴェルディヤン氏はロシアのテック分野でトップ幹部の1人であり、EUは「クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うロシア連邦政府にかなりの収入源を提供している経済部門」の1人だと説明している。

フダヴェルディヤン氏が役職から離れることが現実的な動きなのかは明らかではない。同氏はもう国際的に活動できないのか、あるいはYandexがEUの直近の非難から経営陣を遠ざけようとするためにこれを行ったのか。

同社に関してはここ数週間、国際的にさらに孤立するような動きがいくつもある。NASDAQ市場での取引停止に加え、投資家のEsther Dyson(エスター・ダイソン)氏とスタンフォード大学の経済学者Ilya Strebulaev(イリヤ・ストレブラエフ)氏という、国際的に知名度の高い長年にわたる2人の取締役が3月初めに取締役を辞任した。Yandexは、財務的にも制裁の範囲に関しても同社は安全な状態にあると主張している。

いずれにせよ、ニュース事業を完全に切り離すことは、Yandexをすべてのドラマから遠ざける1つの方法といえるかもしれない。

その点では、VKは興味深い買い手となるだろう。VKの創業者 Pavel Durov(パーヴェル・ドゥロフ)氏が会社のトップから追い出されようとしていたときのことを思い出して欲しい。クレムリンにつながる企業が支配するMail.ruがソーシャルメディアのプラットフォームを支配下に置いた後(現在はVKを所有している)、政府がすでにビジネスにおいて強い役割を果たしているとドゥロフ氏が考えたことが内部紛争の一因だった。当時クリミア半島に集中していたウクライナでの紛争勃発が転機となった、とドゥロフ氏は当時述べた。

Yandexは長年にわたり、国際的な事業展開に意欲を燃やしてきた。実際には、ロシア語圏の国々への進出や、トルコでの事業展開が主なものだった。同社は、法律に則って事業を行わなければならないと主張しているプーチンのロシア内で開発されている「中立的」なプラットフォームであるという姿勢を維持しようとしてきた。

しかし、現在のロシアの体制下で、Yandexあるいはどの企業も中立であり続けることができるかどうかは疑問だ。

中立の幻想

オンラインに適用される法的規制には、大規模なニュースアグリゲーターに適用されるメディアライセンス規則が含まれる。つまり、Yandex Newsは国のメディア規制当局が監督する公式登録に記載されたニュースソースしか表示できないため、本質的に「中立」はまだ政府の公式監査人によって認定されたものだ。独立系メディアも、その過程で締め出される。その最新例が、調査報道サイト「Bellingcat」(ウクライナに対する戦争について報道し、プーチンのプロパガンダに長年苦しめられてきた)の国内での禁止だ。

Yandex NewsとZenの売却計画に詳しい情報筋はTechCrunchに、Yandexは5年も前にメディア部門の売却を検討していたと語った。しかし、これらの製品と他のYandexの資産との統合をほどくことの複雑さが、メディア部門からの撤退に向けた動きを先送りした可能性が高いという。

それ以来、プーチン政権はロシアのメディアに対する規制を強化し、2021年はニュースアグリゲーターに外国のメディアソースを「外国のエージェント」とラベル付けすることを要件とするなど、規制強化の動きは明らかだ。

TechCrunchの情報筋によると、ウクライナに関する言論を制限する新しい規制が導入された後、Yandexのこの分野からの撤退の決定が最終的に加速したという。ロシア議会は2022年3月初め、ロシア軍に関する「虚偽」情報を広めたとみなされた人に最高で15年の懲役刑を科すという新しい法律を承認した。

この法律は、Yandex Zenのようなプラットフォームのブロガーに明白なリスクをもたらすだけでなく、テックプラットフォーム自体にも、そのアルゴリズムが制裁対象コンテンツを拡散させていると見なされた場合リスクをもたらす。

RTBが報じたように、Yandexは近年、ニュースの選別アルゴリズムについてロシアの政治家たちから注目されていて、トップニュースの結果に影響を与えたと非難されている(同社は繰り返し否定している)。

Yandexは最近、Zenプラットフォームにいくつかの変更を加えた。おそらく、そうした政治的リスク、そしていまや法的リスクを少なくするための措置で、開かれたオープンインターネットからコンテンツを取り込んでいたオープンレコメンデーションモデルから、購読ベースのコンテンツのみを推薦するように変更したが、これはレコメンデーションによる収入に依存しているブロガーの怒りを買った。

しかし、TechCrunchの情報筋は、Yandexが中立性を主張しながらメディア領域で事業を継続することが実行可能だとはもはや考えておらず、代わりに、メディアの影響をそれほど大きく受けない検索やその他のテックに焦点を当てたサービスに力を注ぐことを示唆した。

「このような規制への対処は、技術的なものだけでなく非常に難しい仕事です」と売却計画に詳しい情報筋は付け加えた。

検索大手の同社は、広告収入からの多角化を図るため、他にもさまざまなサービスや事業を行っている。クラウドやeコマースサービス、翻訳技術、自動運転車技術、さらに配車やフードデリバリーサービスなどだ。

ある人は、Yandexがテックにもっと集中するためにメディアをあきらめ「事業を再構築する方法を再調査」する必要があり、クレムリンの管理強化や対ロ制裁が強まる国際情勢に適応しようとしていると語った。

VKの参入

ロシアのソーシャルメディア大手VKが、Yandexのメディア資産を購入する可能性があると言われている

TechCrunchの情報筋3人はVKがYandexのメディア事業買収を交渉している企業の1社であることを認め、VK内部の情報筋によると、同社は2021年もYandexと取引の可能性を議論していたという。

「2021年、Yandex NewsとZenの買収について議論しました。しかし、Yandexが売却を望んでいるため、今が買収する良い機会です」とこの情報筋は匿名を条件に話した。

別の情報筋は、VKを現時点でのYandex NewsとZenの「最も近い」買い手候補とし「Yandexにとって時間が重要だ」と述べ「数カ月以内に」取引が行われる可能性も示唆した。

TechCrunchは、VKがYandex NewsとZenの買収を交渉しているという噂についてVKに公式コメントを求めたが、本稿執筆時点で回答はない。

VKはすでに、同社の消費者向けソフトウェア製品群の中にニュース製品を持っており、インターネットポータル「Mail.ru」を通じてニュースコンテンツを表示している。

VKの関係者は、Instagram(インスタグラム)がロシア市場から締め出されたことで生じたソーシャル分野の空白でYandex Zenが成長する可能性を指摘し、ビジネスの観点からすれば、欧米の大手ソーシャルメディアへの規制は、トラフィックを獲得できるため喜ばしいことだと述べている。

「我々はロシア、ベラルーシ、および他のロシア語圏の国々で唯一のメディアかつソーシャル(プレイヤー)になりたいのです」と情報筋は付け加えた。

Yandexとは異なり、VKは国際的な事業を拡大する野心を表明しておらず、成長努力を地元市場に集中している(ただし、Yandexが国際的に大きく成長する見込みは、欧米のロシアに対する制裁が強化されるにつれて低くなる可能性がある)。

一方、Yandex検索は、プーチン政権が好まないウェブサイトやアプリをすべてブロックし、ユーザーに提供できるコンテンツを制限できるインターネット規制の下で運営しなければならない(実際、そうなっている)。

例えば2021年9月、Yandexは政府の禁止措置に従うため、獄中のクレムリン批判者Alexei Navalny(アレクセイ・ナヴァルニー)氏が作成した戦術的投票アプリを検索結果から排除することを余儀なくされた。

また、ロシアの裁判所は、Yandexがキーワード検索システムで「スマート投票」というフレーズを使用することを禁止した。つまり、そのフレーズに関連するコンテンツを提案することはできない。だが、Yandexは判決を不服として控訴した。

クレムリンの規制と欧米の制裁がロシア経済に打撃を与え続ければ、技術系人材の流出につながる可能性がある。ITコミュニティは、数千人のテックワーカーが個人的なリスクを冒して最近の公開嘆願書で戦争反対の意志を公にしたように、最も外向きでグローバルなつながりを持つプロフェッショナルの 1 つであることを考えると特にそうだ。

そのため、クレムリンが自国のテック企業に対する業務上の制限をどこまで強化するかという問題がある。強化すれば、企業全体が海外に移ることもあるかもしれない(Telegramの創業者ドゥロフ氏が自身の会社だったVKをロシアに残したように)。

クローンの攻撃

国際的な事業展開を目指すロシアのハイテク企業は、ロシアが世界からますます孤立していく中で、選択肢を考えているに違いない。すでにクレムリンの勢力圏に完全に組み込まれている企業もあれば、制裁によって外国人が残した空白にローカル成長の新たな機会を見出そうとしている企業もある。

1つだけはっきりしていることは、ウクライナでのロシアの戦争が、ロシア国内のデジタル経済のあり方に大きな影響を及ぼしているということだ。

西側諸国は、ウクライナ侵攻を受けてプーチン政権に圧力をかけるための重要な手段として、テクノロジーをターゲットにしている。ウクライナのハッカー集団「IT Army」のような草の根活動が、ロシアの多くの機関や企業のウェブサイトやインターネット事業を組織的に狙ってダウンさせる一方で、米国とEUはロシアの銀行や企業幹部、その他Internet Research Agencyとして知られる悪名高い企業などの団体に制限を加えている。

欧米の制裁ではロシアの決済が崩壊し、サービス撤退を求めるかなりの圧力が強まったため、多くの外国のハイテク大手がロシアから撤退した。

活動の変化の一部は、ロシア自身によって起こった。Facebook、Instagram、Twitterなどの主要ソーシャルメディアプラットフォームは、ロシアのインターネットおよびメディア検閲機関であるRoskomnadzorによってブロックまたは制限されており、プーチン政権はデジタル情報領域に対する支配を強めている。

欧米の大手ハイテク企業に対する制限の必然的な帰結として、そのギャップを埋めるためにロシア企業が参入する機会が生まれるということがある。

例えば、ロイターは3月16日、InstagramのクローンであるRossgram(ロスグラム)が地元の起業家によって立ち上げられ、3月28日に開始予定だと報じた。ロイターは、この構想のPRディレクターがソーシャルネットワークVKontakteに投稿した文章を引用ている。「我々の開発者グループはすでに準備ができており、我々の同胞に愛される人気のソーシャルネットワークのロシア版アナログを作成する機会を逃さないことにした」。

一方、戦略イニシアチブ機関(これ自体はロシア政府が設立した非営利団体)が設立したベンチャーファンドのIIDFは、ロシアから撤退したり、事業を禁止されたりしているサービスを代替したり、真似したりする、すでに存在するか構築されているテックサービスの登録を開始した。この登録は、IIDFのアクセラレータという形で行われているため、そのギャップを埋めるために、新しいスタートアップに資金を提供するプログラムも展開していることが想像できる。

画像クレジット:Lilyana Vynogradova / Shutterstock

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(文:Natasha Lomas、Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

Meta、企業が広告の掲載場所をコントロールできる新ツールのテストを2022年後半から開始

Facebook(フェイスブック)から社名を変更したMeta(メタ)は、FacebookとInstagram(インスタグラム)のフィードに表示される広告の位置を、広告主がコントロールできるようにする新しいコンテンツツールのテストを開始すると発表した。このツールを使うことで、企業は自社の広告が、政治、悲劇、暴力に関する投稿など、不適切なコンテンツの隣に表示されるのを防ぐことができるようになる。

同社は2022年後半から、この新しいコンテンツコントロールのテストを開始し、2023年初頭より正式に展開を計画している。Metaによると、テスト段階では主に英語圏の市場に注力するとのこと。2023年中に、ストーリー、ビデオフィード、Instagramのエクスプローラーページなどに設置される広告のコントロールを拡大していき、最終的には他の言語にも展開する予定だ。

「広告主が広告を表示する場所をコントロールできるように、Meta全体で適合性コントロール機能を開発しています」と、Metaはこの発表に関するブログ記事に書いている。「私たちは以前、広告がブランドの好みに合わないコンテンツに隣接して表示されるという広告主の懸念に対処するため、コンテンツベースの適合性コントロールを構築するという取り組みを発表しました。我々はGARM(Global Alliance for Responsible Media、責任あるメディアのための世界的同盟)と緊密に協力しながら、GARM Suitability Framework(GARM適合性フレームワーク)に沿ったこれらのコントロールを開発しています」。

Metaは、企業がブランドの適合性を測定できるプラットフォームのZefr(ゼファー)と提携し、Facebookに表示される広告のコンテクストを監視・報告することも発表。広告が適切なコンテンツの隣にのみ表示されるように検証していく。MetaとZefrは、2022年の第3四半期に小規模なテストの開始を予定している。

この新ツールは、広告が好ましくないコンテンツに隣接して表示されないように、広告掲載の管理強化を繰り返し求めてきた広告主からの高まる要望に応えるものだ。

同社はこれまでも、こうした懸念に対応するための取り組みを進めてきた。

2021年11月、Metaは英語で広告を掲載している広告主に対して、ニュースフィードのコントロールを拡大し「トピック除外コントロール」を利用できるようにすると発表した。このトピックとは「ニュースと政治」「社会問題」「犯罪と悲劇」の3つで、広告主がこれらのトピックのいずれかを選択すると、最近これらのトピックに関わった人には広告が表示されないようになる。Metaは当時、このツールでは広告主の抱えるすべての懸念に対応できない可能性があることは認識していると述べ、将来的にはコンテンツベースのコントロールを開発すると約束していた。

Facebookのアルゴリズムは、扇動的なコンテンツや危険な誤報を助長することで悪評が高い。そのため、Metaにはプラットフォームを浄化し、その方法をより透明化するように求める規制当局からの圧力が強まっている。現代のニュースサイクルやオンライン広告の状況では、ブランドが不適切なコンテンツの隣に広告を表示されてしまうことを避けるのは難しい。ほとんどの企業は、広告を作成してMetaの広告オークションに送信するというやり方で広告を購入しているため、広告の配置をコントロールする手段がなかった。これから導入される新しいツールは、そんな状況を変えてくれるはずだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アパレル事業者向けクラウドを展開するpark&portがプレシリーズAファーストクローズとして8000万円調達

アパレル・ライフスタイル製品事業者へ向けた業務クラウド「PORTUS CLOUD」(ポルタスクラウド)を展開するpark&portは3月17日、プレシリーズAラウンドのファーストクローズとして、第三者割当増資による8000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、新規投資家のHIRAC FUND(マネーフォワードベンチャーパートナーズ)、BDJキャピタル。調達した資金は、プロダクト開発および拡大に向けた人材採用にあてる。引き続きセカンドクローズへ向けて動き、必要資金を調達する予定。

PORTUS CLOUDでは、アパレル事業者の中心的業務が「商材」にひも付いていることに着目し、商材情報のデジタル化を起点とした業務効率化・フローのデジタル化を実現させたという。park&portによると、アパレル業界は、消費者の趣味嗜好が多様化していることを受け、今後小売企業はより細分化し、商材品種も増えると見ているそうだ。PORTUS CLOUDでは、そうした商材情報をデジタル化することで既存業務を効率化するとともに、リソースの最適が図れるとしている。さらにデジタル化した商材情報をアセットとした、新しいビジネスの可能性も切り開く。

park&portは、「自分のスキを手に取れる世界の実現」をパーパスに据え、「ファッションプロダクトの流通最適化」をミッションとして掲げるスタートアップ。アパレル業界出身の代表とITベンチャー出身の共同創業者により、2019年4月に設立された。PORTUS CLOUDの開発と運営を事業として展開している。

NICTとトヨタ自動車、工場の無線通信安定化を目指す「製造現場をガッカリさせない無線評価虎の巻」実証実験で有効性確認

NICTとトヨタ自動車、工場の無線通信安定化を目指す「製造現場をガッカリさせない無線評価虎の巻」の実証実験で有効性を確認

情報通信研究機構(NICT)は3月16日、工場内での無線環境の評価方法「製造現場をガッカリさせない無線評価虎の巻」の実証実験をトヨタ自動車高岡工場の部品搬送工程において実施し、その有効性を確認したと発表した。この評価方法を利用することで、無線システムの導入を検討している現場おいて、本格導入までの検証ステップを短縮できるという。

工場の部品搬送工程では、複数の無線システムが混在し電波干渉を起こしたり、金属の遮蔽物が多い場所で人や物が動くことにより無線環境が動的に変化したりなど、設計どおりの機能が発揮されないことが多いのだが、その原因の特定には手間がかかる。そうした課題に対処すべく、NICTは2021年6月、「製造現場をガッカリさせない無線評価虎の巻」を策定した。今回の実証実験では、部品搬送機器の自動運転化のために無線システムの導入を計画しているトヨタの工場で、「情報収集」「処理」「制御」の3段階で電波環境を評価し対策を行った。

まずは「情報収集」の段階として、搬送機器に計測システムを設置し、「搬送機器と工場内のアクセスポイントとの間の電波到達距離と受信信号強度」「通信遅延と通信のパケットロス数」を調査した。すると、「無線システムが現場で必要なスペックを下回っていること」と「適切なアクセスポイントにつながらないことによるパケットロスや通信遅延があること」が明らかになった。次に「処理」の段階として、搬送機から遠いアクセスポイントを除外し、「制御」の段階として、電波強度が大きく変化する状況での通信の自動切り替えを行った。こうして、無線システムが不安定化する要素を1つずつ排除することで、安定化wp実現した。

通信の遅延時間とパケットロス数を時間ごとに表したグラフ。左は対策前。パケットロスが現れた部分では往復遅延時間が1秒を超えている。右は対策後。遅延時間は1秒以内に収まっている

通信状態を実際に測定してみると、搬送車が走行中に接続するアクセスポイントは、もっとも近くにあるものとは限らず、同じルートを走行する場合でも、毎回同じアクセスポイントを使うわけでないことがわかった。これが、通信品質の劣化を招いていた。今回は「通信遅延1秒以内」という指標を想定して評価を行ったが、通信が不安定になるとパケットロス数が増加し、遅延が1秒を超えることがあった。これは、電波が不安定になっても同じリンクを使い続けようとするローミングの特性ということだ。そこで、遠くのアクセスポイントは選択しないようにフィルタリング設定を行い、不安定なリンクは早めに手放して別のアクセスポイントを選択できるよう安定化機構を有効にするという対策を施した。

今後は、専門家がいなくても無線環境の把握とシステムの安定運用ができる可視化技術の研究開発を進めてゆくという。また、NICTとトヨタ自動車は、引き続き搬送自動化のための無線通信の安定化に取り組んでゆくとのことだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領主演ドラマ「国民の僕(しもべ)」、米ネットフリックスが再放送

ウクライナのゼレンスキー大統領主演ドラマ「国民の僕(しもべ)」、米ネットフリックスが再放送―同氏を大統領に押し上げた作品

米ネットフリックスが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が主演を努めた人気ドラマ「国民の僕(Слуга народу:Servant of the People)」の米国における再配信を開始しました。

国民の僕(しもべ)は、さえない歴史教師の政治批判が隠し撮りされ、ネットでブームになったことから、あれよあれよという間に大統領に……というストーリーから始まるコメディ・ドラマシリーズです。

このドラマのストーリーをなぞるように、ゼレンスキー氏は大統領選に出馬して当選し、現在も苦境のウクライナを率いていることは、もはやおなじみかとおもいます。

この作品はもともと、ウクライナでは2015年から2019年まで放映されていたシリーズ。アメリカのNetflixでも以前に配信が行われていました。今回は、その配信が再開されたかたちとなります。

一方でネットフリックスは、ロシアにてそのサービスを停止しています。また国民の僕はYouTubeでも視聴することが可能で、こちらでは自動翻訳による日本語字幕も利用できます(再生リストはこちら)。

コメディアンから大統領へと転身し、自ら前線に立ちウクライナを鼓舞するゼレンスキー氏の出世作となった本ドラマ、今だからこそチェックしておきたいものです。

(Source:the VergeEngadget日本版より転載)

ウクライナのゼレンスキー大統領が降伏するフェイク動画をMetaが削除

ウクライナ大統領Volodymyr Zelensky(ウォロディミル・ゼレンスキー)氏が軍に降伏を命じているフェイクビデオを、Metaは米国時間3月16日に削除した。動画は、ロシアによる隣国ウクライナへの残忍な侵攻と並行して行われている情報戦争において警戒を要する最新の出来事だが、以前からウクライナ政府とソーシャルメディア企業が予期瞬間でもある。

MetaのセキュリティポリシーのトップであるNathaniel Gleicher(ナサニエル・グレイチャー)氏の説明によると、そのコンテンツは「操作されたメディア」に対する規則を破っているため削除された。マルチメディアによる偽情報の形式の1つで、公人が実際には口にしていないことを言ってるように編集した動画で表現されている。

このビデオは、誤解を招く操作されたメディアに対する、弊社のポリシーに違反しているため迅速に検討して削除し、他のプラットフォームの同僚たちにも通知した。

この誤解を招く動画のMetaによる削除はかなり早かったが、ロシア版FacebookであるVKontakte上ではすでに広まっているようだとAtlantic Councilのデジタル犯罪捜査研究所はいう。同研究所はさらに、Telegramのロシア寄りチャンネルが3月16日にゼレンスキー氏が国の降伏を呼びかけているディープフェイクを掲載したともいう。

国営テレビネットワークのUkraine 24も、ニュース表示が3月16日に同じ目的でハックされたと報じている。その表示は、Zelenskyからと称するメッセージがウクライナ国民に、ロシアの侵略軍への抵抗をやめるよう呼びかけている。

ロシアのハイブリッド戦争が始動。Ukraine 24のテレビチャンネルがハックされた。ニュース表示がゼレンスキー大統領の偽の降伏宣言を表示されるようになった。@ZelenskyyUaはすでにこのフェイクに反論して、彼が武器を置けと要求できるのはロシア軍に対してだけだと述べている。

ウクライナの大統領はすばやくその偽情報を否定して、侵攻の開始以来ゼレンスキー氏のコミュニケーションのスタイルとなったセルフィービデオで、Telegram上でメッセージした。

2022年3月初めにウクライナの戦略的コミュニケーションセンターが、ロシアは変造したビデオを使って侵攻の一般大衆の受け止め方を歪曲するかもしれないと警告した。そのセンターはウクライナ政府の文化情報政策省に属し「外部の脅威、中でも特にロシア連邦の情報攻撃を阻止する」ことに注力している。

同センターは3月2日にFacebookページで次のように述べている。「ウォロディミル・ゼレンスキーがテレビで降伏声明を述べているところを、自分が見ていると想像してみよう。姿も見えるし声も聞こえるからそれは事実だが、しかしこれは本当ではない。用心しよう。これはフェイクだ!」。

画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images/Bloomberg, Getty Imagesより/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ブラウザー上で共同編集できるデザインプラットフォーム「Figma」(フィグマ)を提供するFigma,Inc.は3月16日、アジアで初の拠点となる日本法人Figma Japanの設立を発表した。今後数カ月をめどに日本語版をリリースする予定。Figma製品が英語以外で公式に利用できるようになるのは、今回が初。またカントリーマネージャーとして、ブライトコーブのシニアバイスプレジデントおよび日本法人代表を務めていた川延浩彰氏が就任する。

これまでサンフランシスコとロンドンにオフィス拠点を設けてきたFigmaは、日本国内でも採用活動を強化するという。
Figmaの日本進出への背景には、2019年末にFigma本社の製品並びに営業チームが日本へ市場調査に訪れたことや、直近1年間で(ユーザーの登録数ベースで)約2倍に拡大した活発なデザイナーコミュニティの存在がある。

同社によると、日本について、デザインとテクノロジーのグローバルリーダーとしてのポジションだけでなく、デザイン思考を持つ多くの顧客が存在する重要な市場と位置付け。このため、アジア最初の拠点として日本でのFigma Japan設立を決定したという。

Figma共同創業者兼CEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は、「日本法人を設立し、日本市場向けのローカライズを行うことにより、この重要なコミュニティにFigmaがより一層普及し、『すべての人がデザインを利用できるようにする』という私たちのビジョンの実現に近づけてくれると考えています」と述べている。

アマゾンが約1兆円でMGMの買収を完了、「007」「ロッキー」「ロボコップ」などがプライム・ビデオで配信予定

Amazon(アマゾン)は85億ドル(約1兆円)でのMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の買収を完了したと、米国時間3月17日に発表した。この買収完了により、4000本以上の映画と1万7000本以上のテレビ番組が、Amazonのストリーミングサービスであるプライム・ビデオの一部となる予定だ。

このリストには「007」や「ロッキー」シリーズ「ファーゴ」「ロボコップ」「羊たちの沈黙」などの名作が含まれている。これらの新タイトルは、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、HBO Maxなどのライバルに対して、プライム・ビデオを優位に立たせることになる。

2021年5月に初めて発表されたこの取引は、2日前に欧州連合の反トラスト規制当局から認可を受けた。規制当局は、AmazonとMGMの重複が限定的なため、この取引が競争を著しく低下させることはないだろうと判断した。Amazonは、米連邦取引委員会が合併に異議を唱える3月中旬の期限が切れた後、取引を進めている。

「MGMは、100年近くにわたって優れたエンターテインメントを生み出してきた歴史があり、私たちは、世界中の視聴者に幅広いオリジナル映画やテレビ番組を提供するという彼らの取り組みを共有しています」と、プライム・ビデオおよびAmazon Studioの上級副社長Mike Hopkins(マイク・ホプキンス)氏は声明で述べた。「我々はMGMの社員、クリエイター、タレントをプライム・ビデオとAmazon Studiosに歓迎します。我々のお客様に質の高いストーリーテリングを届けるより多くの機会を創出するためにともに働くことを楽しみにしています」。

Disney(ディズニー)+のようなスタジオストリーミングプラットフォームの立ち上げに見られるように、この契約により、既存の契約が終了すれば、競合するサービスからコンテンツが引き抜かれる可能性もある。

「MGMとその象徴的なブランド、伝説的な映画やテレビシリーズ、そして我々のすばらしいチームとクリエイティブパートナーがプライム・ビデオファミリーに加わることに興奮しています」と、MGMの最高執行責任者であるChris Brearton(クリス・ブレアトン)氏は声明で述べた。「MGMは、過去 100年間で最も有名で高い評価を得た映画やテレビシリーズの制作を担ってきました。私たちは、この伝統を引き継ぎ、次の章に向かい、プライム・ビデオとAmazon Studiosのすばらしいチームと協力して、今後何年にもわたって視聴者に最高のエンターテインメントを提供していきたいと考えています」。

Amazonはここ数年、大きな成功を収めているが、MGMはそれ以上の困難を経験している。2010年、同スタジオは、何度も手を変え品を変え、連邦破産法第11章の適用を申請した。スタジオは再建され、債権者が経営権を握った。

Amazonは、100年近い歴史を持つこのスタジオが、プライム・ビデオとAmazon Studiosのコンテンツを補完し、両者が協力することで、加入者により質の高いエンターテインメントの選択肢を提供するとしている。

さらに、Amazonは自社の制作スタジオや配給を通じて、オリジナルコンテンツへの積極的な取り組みを進めている。映画分野では、アカデミー賞脚本賞を受賞した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」など注目作を制作している。また、9月2日に公開予定の「ロード・オブ・ザ・リング」を題材にしたシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング 力の指輪」にも着手している。このシリーズは、プライム・ビデオが現在提供している「マーベラス・ミセス・メイゼル」「フリーバッグ」「ザ・ボーイズ」「ジャック・ライアン」などの人気テレビ番組と合流する予定。

画像クレジット:Amazon

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

MetaがVRヘッドセット発売から3年近く経ちようやく基本的な保護者向け管理ツールを追加

Meta(当時はFacebook)が最初にVRヘッドセットをリリースしたのは2019年5月だったが、ここにきてようやくMeta Questに保護者向け管理ツールを追加する。

Metaは2021年に驚きのリブランドをして以来、VRへの投資は社名変更の価値があったことを証明しようとしていると注目されている。しかし米国政府の最上層部が安全性を重要視する中で、Metaはさまざまな保護者向け管理ツールを公開することで子どもたちにとってより安全なプラットフォームにしようと取り組んでいる。

Meta Quest 2は2021年の年末商戦で販売数を大きく伸ばし、クリスマス後の2週間でOculus Questのモバイルアプリはおよそ200万回ダウンロードされたと推計される。しかしMetaのヘッドセットが普及するにつれ、ペアレンタルコントロール機能の欠如が問題視されるようになった。英国個人情報保護監督機関はこのヘッドセットがオンラインでの子どもの安全規定に違反している恐れがあるとして圧力を強めている。

画像クレジット:Meta

現在、Questヘッドセットではデバイスへのアクセスに関してパスコードなどのロック解除パターンを設定することができる。Metaによれば、4月にこの機能を拡張して特定のアプリに適用できるようにするという。つまり、保護者が共有使用しているヘッドセットで子どもに特定のゲームをプレイさせたくないなら、そのアプリ専用のロック解除コードを設定できるようになる。

同社は5月には、IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)がその年齢層には不適切とみなしたアプリを10代がダウンロードできないように自動でブロックする機能を追加する予定だ(QuestのプロフィールがFacebookアカウントと関連づけられて年齢が判断される)。ティーンが保護者のログイン情報と関連づけられているアカウントを使用している場合は、この保護機能は動作しないかもしれない。

今後数カ月かけて、MetaはQuestのペアレンタルコントロールを強化していく方針だ。Oculusのモバイルアプリで保護者はペアレントダッシュボードにアクセスし、このダッシュボードで子どものアカウントとリンクする。

Metaはさらに、ツールや保護者向けリソースを集めたファミリーセンター公開した。

画像クレジット:Meta

Metaはブログ記事でアカウントのリンクに関し「プロセスを開始するのはティーンで、保護者とティーンの双方がエクスペリエンスに同意する必要があります」と記している。

モバイルアプリにVR管理ツールを含めるのは、VRヘッドセットよりもモバイルアプリの操作に慣れている保護者にとってはスマートな方法だ。保護者はこのモバイルダッシュボードでティーンのアカウントに対し、例えば全年代向けアプリのダウンロードを事前に承認するというようにレーティングをもとに子どもがダウンロード可能なアプリを管理できる。ティーンが有料アプリを購入したい時に、保護者はそのリクエストを承認または拒否する設定もある。ウェブブラウザや、ヘッドセットをPCのVRゲームに接続するLinkアプリといった特定のアプリを子どもが利用できないようにブロックする機能もある。さらに、保護者が子どものスクリーンタイム、フレンドリスト、ダウンロード済みアプリを見ることもできる。

Questヘッドセットは13歳以上のユーザーを対象にしているが、もちろん13歳未満の子どもも必然的にバーチャルリアリティを利用するようになるだろう。ただし13歳以上のティーンであっても、MetaのソーシャルVRアプリである「Horizon Worlds」や「Horizon Venues」など一部のアプリには年齢制限がかけられている。

「Horizon Worlds」のウェルカムプラザだけは人間のモデレーターがいるが、モデレーターはメタバースでのセルフィーの撮り方に関する質問をするユーザーのサポートに忙しいようだ。

「Horizon Worlds」はすでにコンテンツモデレーションシステムの不備を悪用されている。BuzzFeedによれば、Qアノンの陰謀説のようなFacebookやInstagramで禁止されているコンテンツが満載のテスト用のワールドを作っても、Metaのコンテンツモデレーションシステムはガイドラインに違反していないと判断したという。このプラットフォームでセクハラや痴漢行為に遭ったと報告しているユーザーもいる。この種のハラスメントは残念ながらテキストベースのウェブのフォーラムでも起きるが、没入型の不慣れなバーチャルワールドではことさら強烈に感じられることもあるだろう。これまでMetaはこうした行為を抑制するための試みとして、オプションで他人との距離を一定以上に保つ個人境界機能を導入した。

TechCrunchはMetaに対し、多くのユーザーがすでに子どもたちがこのプラットフォームをうろついていると報告し、Quest Storeのアプリのレビューでは行儀の悪い子どもたちにつきまとわれたという苦情が散見されることから、18歳未満のユーザーが「Horizon Worlds」などのアプリを利用できないようにする方法についてコメントを求めた。

Metaの担当者はTechCrunchに対し「現時点では長いジャーニーの第一歩を踏み出したところであり、今後さらにオプションを増やしていく予定です」と述べた。Metaはアプリごとのロック解除パターンは解決策としてあり得るとしているが、これは保護者に知識と予見があれば18歳以上向けのプラットフォームを子どもが使えないようにするだけのものだ。Metaは「保護者とティーンが当社のプラットフォームに対して何を必要としているかをさらに把握しながら、保護者向け管理ツールの機能を引き続き開発し拡張していきます」と述べた。

結局のところ、ペアレンタルコントロールは保護者とティーンがそれをきちんと使って初めて効果を発揮する。しかし、こうしたガードレールの設置はMetaにできる最低限のことだ。

画像クレジット:Meta / Facebook

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

Netflixが同一世帯以外のアカウント共有に追加料金を試験導入

Netflix(ネットフリックス)は、会員が同一世帯の人以外とサービスを共有する場合、追加料金を支払わせる新しいオプトイン機能のテストを開始する。この機能では、Netflixの正規料金を下回る料金で最大2つの「サブアカウント」を追加できる。この新しいオプションはまずチリ、コスタリカ、ペルーでテストされ、今後数週間かけてこれらの市場で展開される。同社は、この機能が全世界の会員に展開されるかどうか、またいつ展開されるかは明らかにしていない。

テスト市場のNetflixのスタンダードとプレミアムの会員には、サービス開始時に、同居していない人に対しサブアカウントを追加するオプションが提供される。各サブアカウントは、通常通り独自のプロフィールを持ち、パーソナライズされた「おすすめ」が提供される。しかし、この機能の特徴はサブアカウントにも独自のNetflixのログイン名とパスワードが用意されていることだ。さらに、サブアカウント利用者が自分の名前と請求先情報を使って自分のNetflixサービスを設定する場合、視聴履歴、ウォッチリスト(「マイリスト」)、パーソナライズされた「おすすめ」が引き継がれる。

この機能を実現するために、NetflixはGPSのような位置情報ベースのデータは使っていない。代わりに、IPアドレス、デバイスID、および家庭内のNetflixアカウントにサインインしているデバイスに関するその他の情報など、現在エンドユーザーにサービスを提供するために使用している情報と同じものを活用する。そうした情報を利用することで、Netflixは同一世帯外で継続してアカウントが共有されている場合、それを特定することができる。

新しいサブアカウントを有効にするために、メインアカウントの所有者はコードが記載された電子メールを受け取る。そのコードは、追加のデバイスが世帯の一部であることを証明するために必要となる。

テスト市場において、世帯外の追加ユーザーの料金は、チリで2380ペソ(約350円)、コスタリカで2.99米ドル(約350円)、ペルーで7.9ソル(約250円)だ。これは、Netflixのフルアカウントプランよりも安いが、これまで誰かのNetflixアカウントをタダで共有していた場合はそれより高い。Netflixは、追加ユーザーがサブアカウントの料金をNetflixに対して支払うことはないと述べている。つまり、Netflixからの請求書はこれまで通りメインアカウント所有者に送られる。メインアカウント所有者が追加ユーザーに料金を請求したい場合、その処理と回収はその人次第だ。

Netflixは以前、ユーザーが自分のNetflixアカウントを肉親以外の友人や家族と共有するという一般的な慣習にほとんど目をつぶっていた。実際、当時CEOだったReed Hastings(リード・ヘイスティングス)氏は、アカウント共有は新しい人々がサービスの魅力を発見するチャンスであり、「ポジティブなこと」だと話したこともある。「ストレンジャー・シングス」や「イカゲーム」など、Netflixが提供する番組の多くは世界的な人気を博している。一方、同社の真の課題は競争の激化に直面しながらも、会員と収益を増やし続けることだ。例えば、同社の年末の四半期はここ数年で最も低い会員数の伸びとなり特に厳しかった

理論的には、今回の新たな移行オプションによって、追加ユーザーが正規会員になる道を開くことは、Netflixの有料会員数を長期的に増加させることにつながるだろう。しかし、短期的には、他人のアカウントを使用したままでは、追加ユーザーが会員としてカウントされないことに留意する必要がある。

Netflixはこれまで、アカウント共有を喜んで受け入れてきたが、現在の立場は異なる。Netflixの現在の利用規約では、共有は世帯内で行われるべきものであり、世帯間で行われるものではないとしている。また、同社は2021年3月に「パスワード共有制限機能」なるものをテストしており、おそらくより広範な制限措置が課されることを示唆している。

しかし、Netflixはこの新しいテストを制限だとは考えていないようだ。これは1つのオプションで、会員にとって合理的かどうかを確認したいだけだという。ユーザーから反発を受ければ、同社はこのアイデアを棚上げし、代わりに別の方法を試す可能性もある。あるいは会員がこの機能を取り入れれば、より広範囲に展開すると決めるかもしれない。いずれなのかは後からわかるだろう。

「私たちは、人々には多くのエンターテインメントの選択肢があることを理解しています。従って、どんな新しい機能であっても、会員にとって柔軟で有用なものにしたいと考えています。なぜなら、会員の購読料が私たちのすばらしいテレビや映画を資金的に支えているからです」とNetflixの製品革新ディレクターのChengyi Long(チェンギ・ロング)氏はブログ投稿に書いた。「世界の他の場所で変更を実施する前に、これら3カ国の会員向けに2つの機能が機能するかを理解するべく取り組みます」とロング氏は付け加えた。

画像クレジット:Krisztian Bocsi / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

お店のキャッシュレス決済サービス「STORES 決済」が自動入金の振込手数料を完全無料化

お店のキャッシュレス決済サービス「STORES 決済」が自動入金の振込手数料を完全無料化

STORES(ストアーズ)プラットフォームを運営するへイ(hey)は3月16日、お店のキャッシュレス決済サービス「STORES 決済」(ストアーズ決済。Android版iOS版)において、2022年3月分の売上入金時より、「自動入金」の振込手数料を完全無料化すると発表した。従来売上合計に応じて必要だった振込手数料の完全無料化することで、長引くコロナ禍の影響を受ける事業者の負担を軽減し、より柔軟なキャッシュフローを提供する。

STORES 決済は、お店の方向けのキャッシュレス決済サービス。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応しており、インターネット環境があれば屋内外問わず、いつでも・どこでも・誰でも利用できる。

STORES 決済では、「手動入金」「自動入金」の2種類の入金サイクルを提供しており、両サイクルとも売上合計が10万円未満の場合は200円の振込手数料を事業者が負担する必要があったが、今回の対応により「自動入金」の振込手数料が売上合計に関わらず無料になる。

お店の売上規模や事業状況にあわせて、着金までのサイクルが短い「手動入金」と、振込操作が不要な「自動入金」を効果的に活用することで、さらなるお店のキャッシュフロー改善に役立てることが可能としている。

また今後も、多様化する店舗・中小事業者のニーズに応え、入金に関する改善を行うことで、お店のキャッシュフロー改善およびデジタル化を促進するとしている。お店のキャッシュレス決済サービス「STORES 決済」が自動入金の振込手数料を完全無料化

「自動入金」振込手数料の無料化について

  • 対象売上:2022年3月分の売上から適用(入金日:2022年4月20日)
  • 対象入金サイクル
    ・自動入金
    ・自動入金の場合、振込手数料が売上合計金額に関わらず無料
    ・口座の制限はなく、地方銀行・ゆうちょ銀行を含めた国内すべての金融機関に対応
    (手動入金は、従来通り売上合計が10万円未満の場合200円の振込手数料を事業者が負担)
  • 入金方法の設定:初期設定は手動入金。用途に合わせて設定変更が可能
  • 自動入金への設定変更方法:手動入金から自動入金に変更する場合は、ウェブ管理画面かアプリで切り替え操作が必要。すでに自動入金を設定している場合は、変更は不要。振込手数料の無料化は自動的に適用される
  • 詳細売上の入金について

Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Slackがロシア国内のアカウント停止措置を開始、親会社Salesforceの対応に追従

Oscar Wong via Getty Images

業務用コミュニケーションツールのSlackが、ロシア国内のアカウントを停止する措置を開始しました。Slackの親会社であるSalesforceはすでにロシアからの撤退を表明しており、これに準じた対応と考えられます。

ニュースサイトAxiosによると、Slackのアカウント停止は主に米国からの制裁対象になった会社や組織を対象に予告なく行われており、一切のデータのダウンロードやバックアップの機会も与えられなかったとのこと。

Slackは数多くの企業に浸透しており、社内におけるコミュニケーションやファイルのやりとりなど、利用する企業にとって重要なデータを多く取り込んでいます。そのためバックアップ手段を講じていない状態で突然利用できなくなった場合、業務への影響は非常に大きなものとなりそうです。

SlackはAxiosに対し「われわれは、事業を展開する他の国々における米国の制裁規制を遵守することを法律で義務付けられており、状況によっては事前通知なしにアカウントを即時停止するなどの行動を起こすことが求められている」と述べました。そして「法律で許可されている場合には、これらのアクションの影響を受ける顧客と連絡を取っている」とコメントしています。

なお、Slackとしては遮断した企業のアカウントのデータを削除はしていないものの、制裁によって遮断された組織はそれが解除復旧されるまではデータにアクセスすることもできません。

ちなみにSalesforceは、撤退は先週から開始しているものの、ロシア国内の顧客はごく少数であり「ロシアには重要な事業はない」と述べています

(Source:AxiosEngadget日本版より転載)

おや、TikTokにFacebookが現れた

Facebook(フェイスブック)はTikTok(ティックトック)で何をしているのだろう?競合の偵察?TikTokの人気スター、Charli(チャーリー・ダミリオ)にメッセージを送る?ベータテスターのリクルート?広告を買うの?きっと直にわかるだろう。FacebookはTikTokのアカウントを作成し、動画をまだ1本も投稿していないのに本記事英語版執筆時点ですでに1万5100人(日本語版翻訳時点では1万8600人)のフォロワーを集めているのだから。このアカウントはTikTokが認証済みで、Facebookもこれが本物であることを認めている。

ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏が数日前にFacebookのTikTok(妙な言い方ですが)を発見した。

このアカウントは認証済みであることを示す青いチェックマークをすでに獲得している。しかしコンテンツはなく、プロフィールも「We believe people can do more together, than alone.(一緒ならもっと多くのことができると信じています、1人よりも。)」とコンマも含めてなんだか不思議な感じで、これが本当にFacebookのアカウントなのかどうかと疑ってしまう。しかも、このアカウントのプロフィールに書かれているリンク先はFacebookのアプリだ。Facebookのウェブサイトでも、何らかの公式なコミュニケーションチャネルでもない。

それに、FacebookはMetaになったはずでは?

どういうことかというと、FacebookはすでにTwitter.com/Facebookを非公開にしている。Instagram.com/Facebookは存在せず、Instagram.com/Metaとなっている。

しかしFacebook、ではなくてMetaは、TechCrunchに対しTikTokのアカウントは本物であると述べた。

Metaの広報は「ブランドは、当社のソーシャルメディアプラットフォームも含め、さまざまなチャネルを活用して日々自社の製品やサービスを利用する人々に対しリーチし、エンゲージします。ブランドのプレゼンスを確立しTikTokなどのプラットフォーム上でコミュニティを育てようとする当社の意図も同じです」と述べた。

画像クレジット:FacebookのTikTok

最近、Facebookは直前の四半期でアクティブユーザー数が横ばいとなり、さらに注目すべきことに1日のアクティブユーザーが初の減少と転じたと報じられた。このことから、FacebookはTikTok(とその広告プラットフォーム)を活用してZ世代のユーザーベースを強化したいと考えている可能性はある。

大手ブランドがマーケティングやコミュニケーションにさまざまなチャネルを使うのは確かにその通りだが、Facebookが最近TikTokについて重大な競争上の脅威であるとしばしば言及していることを考えれば、FacebookがTikTokに現れたのはちょっと奇妙だ。

Metaの2021年第4四半期決算発表でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は投資家に対し、こうした点を繰り返し語った。

同氏は「人々が時間を使う選択肢はたくさんあり、TikTokなどのアプリは急速に成長しています」と述べた。そして「TikTokはすでに巨大な競合であり、極めて大きな基盤からさらに急速な成長を続けています」とも述べた。

MetaはTikTokでの計画に対し、どのようなコンテンツを準備しているのか、このアカウントに広告を掲載するのかどうかなど、詳しい情報を明らかにしなかった(でも何か見かけたら筆者にメッセージをください!)。

TikTok上にあるMetaのブランドはFacebookだけではない。Instagram(インスタグラム)が広告を掲載し、Instagram Creatorsも最近アカウントを開設したようだ。

当面、私たちの気持ちとしてはこんな感じ……。

@angiebhandal

#howdoyoudofellowkids #30rock #stevebusemi #meme

♬ original sound – Angie B

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

AI契約審査クラウドのGVA assistがdocx形式に加えてdoc形式も対応、Wordファイルの形式を問わず契約審査が可能に

AI契約審査クラウドのGVA assistがdocx形式やPDFに加えてdoc形式も対応、Wordファイルの形式を問わず契約審査が可能に

リーガルテックサービスを開発・提供するGVA TECHは3月16日、AI契約審査クラウドサービス「GVA assist」(ジーヴァアシスト)がdoc形式のWordファイルにも対応したことを発表した。

GVA assistは、docx形式のWordファイルとPDFファイルにすでに対応しているが、ユーザー企業からの「doc形式にも対応してほしい」との声に応え、doc形式への対応を実装した。このアップデートにより、doc形式ファイルをGVA assistのウェブブラウザー版にアップロードすることで契約審査が行なえるようになった。

GVA assistは、契約審査のナレッジを雛形ベースでまとめたノウハウ集「プレイブック」を基に、契約書審査における「読む」「直す」「仕上げる」といった業務の負担を軽減するクラウドサービス。GVA TECH所属の弁護士が作成・監修した200種類以上の「GVAプレイブック」と、ユーザー独自の契約審査ノウハウをまとめた「自社プレイブック」の2つを備え、それぞれのプレイブックを通じてリスク把握、修正例・譲歩案などに活用できる。

また、フリーワードで参考条文を探せる「条文検索」機能、条番号ずれ・表記揺れを一括修正する「形式チェック」機能、400種類以上の契約書ひな型をダウンロードできる「ドラフト」機能があり、契約書のドラフト作成からレビュー業務までの効率的化をサポートする。

GVA TECHでは、今後もユーザーからの声を参考にしてプロダクト開発を進め、より早く、より正確な契約審査の実現を望むユーザーを支援するという。

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsが2億円の追加資金調達

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsは3月15日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の追加資金調達を実施したと発表した。引受先は井本商運、東京汽船、古野電気、三菱造船を含む5社。

調達した資金は、内航海運向けに提供する3つのコア事業「船員働き方改革」「船員と船舶の安全向上」「船員の健康向上」を実現する各種ソリューション開発の加速、人材獲得にあてる。また出資者との事業シナジーを活用し、各種サービスの使い勝手向上、価格低廉化を加速させる。

日本の基幹物流として国内貨物輸送のおよそ45%を担う内航海運は、「船員高齢化による人材課題」「船舶の事故増大という安全課題」「地球温暖化への対応に伴う環境課題」という3つの課題を抱えている。Marindowsでは、これら課題を解決するサービスを10月より開始するため開発を進めている。具体的には以下のとおり。

  • 船員働き方改革:船員向けに最適化した業務サポート端末を展開。年齢やスキルに関わらず使えるよう配慮したという。2022年度から施行される改正船員法で求められる労務管理アプリも備える
  • 船員と船舶の安全向上:通信機能によりネットワークと連携することで安全性と利便性を向上させた内航標準ドライブレコーダーと、内航標準ポータブル電子海図を用意。これら機器により、船舶の安全性の確保と、船主やオペレーション業務との連携強化による業務効率向上にもつなげられる
  • 船員の健康向上:船員の健康を守るため、遠隔診療、遠隔処方、ストレスチェック、デジタル船員手帳連携を備えたサービスを提供する。船員の医療格差を解消し労働環境の向上を図る

また同社は、船員向け業務端末に便利な機能を追加提供していく予定という。2022年後半サービス開始予定の衛星ブロードバンド通信を普及させるための取り組みも進めている。

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達ダークストア型スーパーマーケット「Mesh」を開発するMeshは3月16日、シードラウンドとして約2億円を調達したと発表した。引受先は、Coral Capital、Delight Ventures、W ventures、堀井翔太氏(スマートバンク代表取締役CEO、エンジェル投資家)。調達した資金により、「アプリで注文したら20分以内に商品をお届け」するデリバリー専門スーパーを構築し、世界のコマースを次のステージに押し上げるとしている。

ダークストアとは、英語で「倉庫」を意味し、ユーザーが来店しないデリバリー限定の店舗を指す。同社は、調達した資金を基にMeshの開発を推進する。取り扱い商材は一般のスーパーと同様の食品・飲料・日用品とし、注文はスマートフォンアプリ経由のみ、配達時間は注文後20分以内という業態のスーパーを構築する。また当初は東京23区内でサービス提供を開始し、順次日本全国および海外にエリアを拡大する。

Meshは「頼んだら、いま、届く」体験を作ることで、生鮮食品をはじめ商材のさらなるEC化を押し進め、次のコマースのインフラを作るという。