国際宇宙ステーション(ISS)の新型ロボットは宇宙を浮遊するAlexaみたいでヤバイな

Cimonをご紹介しよう。3Dプリントで作ったこの浮遊するロボットは、AirbusがGerman Space Agency(ドイツ宇宙局)のために作ったものだ。彼は6月から国際宇宙ステーションのクルーだが、Gizmodoによれば、彼の活躍が一般公開されるのはこれが初めてだ。

実はこの、IBM Watsonで動いている浮遊する顔型ロボットは、宇宙における人間と機械の対話を研究する役目を担う、ものすごく高価なAmazon Echoを思わせる。下のビデオは主に、CimonとEuropean Space Agency(EU宇宙局, ESA)の宇宙飛行士Alexander Gerstとの対話を映している。

Gerstが彼の“好きな曲”をリクエストすると、CimonはKraftwerkの“Man Machine”をかける。すると宇宙飛行士は彼と‘握手’する。そしてロボットに、ビデオを撮るよう要求する。Cimonはそれにも成功するが、明らかに曲の中断にとまどっているようだ。二人の共同作業チームの、ちょっと荒っぽい出会いでした。

“彼の最初の出番には満足している。CimonのデベロッパーとAlexanderは二人とも、Cimonがまた仕事に戻ってくることを期待している”、とESAは言っている。“このHorizonsミッションの現段階では今後のセッションは予定されていないが、宇宙飛行士とロボットアシスタントとのすばらしいコラボレーションの始まりを告げたと言える。人工知能の、宇宙におけるあり方の好例だろう”。

次回は、ものごとがもっとスムーズにいくと良いね。絶対にやってはいけないのは、宇宙ロボットを怒らせることだぞ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

NASA「月への物資定期便」に民間9社を選出。早ければ来年にも打ち上げ

eng-logo-2015NASAのジム・ブライデンスタイン長官が、有人での月ミッション再開にあたり、定期的に物資を送り込むための輸送船開発に関わる民間企業9社を発表しました。Commercial Lunar Payload Services(CLPS)と称するこのプログラムに選ばれた9社のなかには、航空宇宙産業大手ロッキード・マーティンなどが含まれます。

リストには、Google Lunar XPRIZEに参加していたことで知られるAstrobotic TechnologyとMoon Express、人工衛星打ち上げ用宇宙往還機 DARPA XS-1の入札に加わっていたMasten Space Systems、ほかDeep Space Systems、Draper、Firefly Aerospace、Intuitive Machines、Orbit Beyondといった名前が記載されています。

なお、共同通信はこの9社に日本のispaceが含まれると報じています。しかし上記リストにその名前は見当たりません。実は、NASAはプログラムの主契約者は米国拠点でなければならないと定めているため、ispaceはDraperとのパートナーシップという格好でこのプログラムに加わっているわけです。

ispaceはDraperほか数社とのチームで輸送船の全体的な設計を受け持つことになっています。また、Draperには実際にアポロやスペースシャトルのミッションに携わったエンジニアが在籍しており、輸送船の着陸装置や航行システムを開発する予定です。

NASAは、早ければ2019年にもミッションを開始するとして、この10月に研究提案の受付を開始しました。「この初期ミッションは将来の有人探査に必要な着陸機や探査機器のに関する重要な技術のデモンストレーションを可能とし、さらには人類を火星探査へと送り込むのを助けることになるだろう」とNASAは述べています。

CLPSプログラムには上記9社だけでなく、今後いくつかの企業が加わる可能性もあるかもしれません。ブライデンスタイン長官は「この発表は、米国が月面に戻りそこに根付くための第1歩だ」「米国の航空宇宙企業が科学探査および有人探査において、協力を密にして大きなゴールを目指すことは、月で驚くべき成功を収め、さらに火星へ足を伸ばすために大いに役立つだろう」と語りました。

Engadget 日本版からの転載。

re:Inventで衛星通信地上局システム発表――AWSの新しいSaaSはサテライト・アズ・ア・サービス

Amazonはラスベガスで開催中のre:Invent 2018カンファレンスでAWS Ground Stationを発表した。これは世界で初となる衛星通信の利用者向けに総合的な地上局の機能を提供するサテライト・アズ・ア・サービスだ。

このサービスのユーザーは衛星通信アンテナを始めとして世界すべてのリージョンに張り巡らされたAWSの通信ネットワークとデータ処理能力を利用できる。これによって衛星を経由するデータ送受信がンがきわめて簡単にできるようになるという。通信事業者だけでなく、衛星を利用するあらゆる企業がターゲットだという。

衛星通信を行うには基地局で衛星からの電波を受信し、各種のソフトウェアで利用できるデータ形式に変換しなければならない。仕組みそのものは各種のIoTデバイスを利用する場合と同様だが、ドアノブと違って相手は宇宙のかなたを周回しているというのが大きな違いだ。

CEOのAndy JassyによればAWS初めからこういうサービスを作ろうと考えていたわけではなかったが、顧客からの強い要望を受けて検討を始めたのだという。Jassyはこう述べている。

われわれは顧客から「衛星から大量のデータが降ってくる。そのデータを利用するアプリケーションも無数にある。ところがその処理は非常に大変だ。これをもっと簡単にできるようなサービスを提供して欲しい」と要望された。検討した結果、世界に広がる既存のAWSネットワークを利用してこの問題を解決できるのでないかということになった。

これまで衛星通信を行う事業者は衛星の電波を受信できる地域に自前で地上局を建設する必要があった。地上局で受信した電波をデジタルデータに変換し、ネットワークに送り出すことになる。事業者は土地やすべてのハードウェアを手当し、さらにデータ処理のためのソフトウェアを開発しなければならない。システムが完成した後も運用とメンテナンスのために膨大なりソースを必要とする。

Constellation Researchのアナリスト、Holger Muellerによれば、AWSの新サービスによってデベロッパーは衛星からのデータを簡単に利用できるようになる。TechCrunchの取材に対してMuellerは「各種の商用アプリケーションが衛星データを利用しようとする場合、データを利用可能な地域、時間をリアルタイムで知る必要がある。〔AWSの新サービスでは〕まさにこうした点がわかりやすくマップ表示される」と答えた。

どのようなタイプであれ、クラウド・サービスの価値はそれを利用することによってユーザーがどれほどリソースを節約できるかにかかっている。AWS Ground StationではAWSが電波の受信からデジタル化処理まで衛星データ取得に関するすべての作業をユーザーに代わって実行する。これはコスト削減だけでなく、衛星通信に関わる技術的な困難も大幅に軽減する。

AWSはこのオンデマンド・サービスを利用することにより、独自設備を所有することに比べて80%もリソースを圧縮することができるとしている。手始めに今日(米国時間11/07から地上局2局が運用を開始する。来年半ばまでに地上局は12箇所に拡大される予定だ。

AWSの新衛星サービスの顧客やパートナー企業にはLockheed Martin、Open Cosmos、HawkEye360、DigitalGlobeなどが含まれる。

画像:Jose Luis Stephens / EyeEm / Getty Images

more AWS re:Invent 2018 coverage

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

NASAの探査機、InSight、火星着陸に成功――ライブビデオあり

NASAの新しい探査機、Insightは無事火星に着陸した!  観測機器を含め探査機の状態が完全であるかどうか確認するにはまだ多少時間がかかる。しかし宇宙を4億6000万キロも飛行した後で火星の大気圏に突入するという、もっとも危険な部分はクリアされた。Insightのチームにおめでとうを言いたい。もっと詳しいことが分かり次第アップデートする。

地球の外の宇宙の神秘は科学者(そして科学に興味があるものなら誰でも)の興味を何世紀もひきつけてきた。今日(米国時間11/26)のInSightの着陸で赤い惑星の成り立ちに関して多くの事実が判明するだろう。

着陸は太平洋時間で今朝の明け方、 3時に行われ、オペレーション成功の方にNASAのジェット推進研究所のコントロールルームには歓声が溢れた。

今回の火星探査ミッションの目的は何だったのか?

火星といえば、われわれの多くは地球外生命が存在するかどうかに関心を抱きがちだが、Insightの使命はこれとは異なる。この探査機には火星の地表jを分析する多数の観測機器が搭載されている。また人工地震によって火星内部の構造を探査することも重要な目的だった。

宇宙バンザイ!

〔日本版〕TechCrunch Japanの詳しい紹介記事

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクの秘密の屋根裏部屋、NASAのSpaceX立入検査を呼ぶ

Elon Muskが9月のラジオインタビューで口走ったマリファナとの関わりは、彼の信奉者たちを離れらせただけでは済まなかった(人工知能やソーシャルメディア、発明、宇宙などにまつわる 興味深い会話もあった)。

Washington Postによると、NASA当局はMuskの屋根裏部屋話を喜んではいられず、CEOの派手も悪ふざけを受けてSpaceXとBoeingの安全審査を命じた。

NASA の有人探査担当副長官William GerstenmaierはWashington Postのインタビューに答えて、審査は来年開始されBoeingおよびSpaceX両社の「安全カルチャー」を調査すると語った。

ロケットそのものの安全性ではなく、この審査では従業員の労働時間、薬物ポリシー、リーダーシップおよび経営スタイル、従業員の安全への懸念に対する会社の対応などに目を向ける、Post紙は伝えている。

審査の指揮を執るのはNASAの安全ミッション保証部で、これまでに同様の審査を行ってきた部門だ。

NASA当局者によると、審査手順は「かなり踏み込んだ」もので、会社が活動している全所在地にわたり、あらゆる地位の従業員から数百回もの聴き取りを行う可能性がある。

2014年に有人宇宙飛行復活のために両社が受託した68億ドルの契約が危機にひんしている。SpaceXは同プログラムでNASAから26億ドルを受け取り、残りがBoeingに渡った。

両社ともに、NASA宇宙飛行士を軌道に送り込む有人システムのテスト中につまづきがあった。Boeingは宇宙船の断熱材とパラシュートシステムのテストと、緊急中止プロセス中に起こる可能性のある推進剤漏出への対応が必要だ。

SpaceXもパラシュートシステムに問題を抱えている。

SpaceXはPost紙に送った声明で、「これまでNASAと共に成し遂げてきたすべての仕事に大きな誇りを持っており、アメリカに有人宇宙飛行を取り戻す日を楽しみにしている」と言った。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Virgin Orbitの747、ロケット吊り下げ飛行に成功――LauncherONe衛星打上システムさらに前進

Virgin OrbitはLauncherOne発射母機のロケットを吊り下げて飛行することに成功した。これによりVirginグループの宇宙事業は新しい低軌道衛星打ち上げシステムの実現に向けてさらに一歩前進した。

この発射母機はVirgin航空を退役した747-400を改造したものだ。発射母機が翼下に全長21メートルのカーボンファイバー製の2段ロケットを吊り下げて飛行できることが実証された。

Virgin Orbitが来年に予定している実際の衛星打ち上げに向けてこのテストは必須の段階だった。

テスト飛行はカリフォルニア州ロングビーチの Virgin Orbit工場に近いモハーベ・エア・スペースポートで行われた。実際の衛星打ち上げもこのスペースポートが利用される予定だ。

Virgin Orbitのチーフ・テストパイロット、Kelly Latimer空軍中佐(退役)は声明で「今日の飛行は万事順調だった。機上のクルーも地上のスタッフも機体、吊り下げパイロン、ロケットそのものから得られたデータに大いに満足した。コックピットからの感触では機体は信じられないほどスムーズに反応した。シミュレーターで訓練されたとおりの反応だった」と述べた。

同社では、LauncherOneロケット搭載、非搭載、双方の状態で747-400母機の飛行テストをさらに数回続けるという。山場はドロップ・テスト、すなわち747母機(Cosmic Girlと命名されている)からロケットを実際に投下する実験だ。

ドロップテストでは747側システムの状態と共に自由落下状態のロケットの挙動についても詳細なデータを収集する。

 

Virgin Orbitは最近急速に数を増やしつつある低軌道衛星打ち上げを目指す民間企業の一つだ。これにはVirgin Orbitを始め、RocketLab、Relativity Space、ARCA、AstroSpace、Blue Origin、Generation Orbitに加えてロッキード・マーティンやノースロップ・グアマン(Orbital ATK)などの大企業も加わり、巨額の投資が行われている。

画像: Virgin Orbit

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXの7518個のミニ衛星ネットワークをFCCが承認

何千個ものミニ衛星で地球全体をカバーするStarlinkコミュニケーションシステムを構築するSpaceXのプロジェクトがFCC(通信委員会)からを承認を受けた。ただしSpaceXが実際にこの衛星の打ち上げを開始するまでにはしばらくかかる見込みだ。

今日(米国時間11/15)、FCCは今月の定例会で承認されたプロジェクトを発表した。Starlinkの他にKepler(衛星140基)、Telesat(117基)、LeoSat(78基)が含まれている。しかし打ち上げ予定衛星数ではStarlinkが文字通り桁違いに大きい。これ以外にももっと小規模な衛星コミュニケーション計画がいくつか承認を受けている。

SpaceXが発表した計画では最終的に7518基の衛星を軌道に投入される。これとは別に、われわれが2017年3月に報じたとおり、4409基のプロジェクトがすでに承認を受けている。先月、FCCは決定のドラフト (PDF)を公開し、申請があった衛星コミュニケーション・プロジェクトを承認する意向であることを示唆していたが、今回の発表で公式な決定となった。

SpaceXのの衛星は340キロという(衛星としては)非常に低い軌道に打ち上げられる。これは他のプロジェクトにくらべて550キロも高度が低い。

低軌道の衛星は大きな空気抵抗を受けるため寿命が短い。打ち上げてから大気圏に突入して燃え尽きるまで数年とみられている。.しかし地表に近いということはそれだけ通信のレイテンシーも必要とする電力も小さくてすむ。その代わり1基のカバー範囲が狭くなるため多数の衛星が必要となる。しかし計画どおりに運用できるのならコミュニケーション需要が大きい地域に高速かつ信頼性の高いネットワーク接続を提供できる。ただしSpaceXがこれまでに打ち上げたのは2基の実験用衛星に過ぎないので、現実に可能かどうかは今後検証されることになる。

Starlinkの衛星は現在主流のKa/KuバンドではなくVバンドを使う。これは総計1万2000基にもなる衛星の電波でKa/Ku帯域を飽和させないようにという配慮だ。

Starlink衛星の打ち上げは来年中に始まるはずだ。このスケジュールが守れないとStarlinkの幹部はイーロン・マスクの怒りを買うことになるだろう。しかしネットワークを機能させるためには非常に多数の衛星を打ち上げる必要があり、部分的にでもシステムが稼働するまでには相当の年月を必要とする。

こうした多数のミニ衛星打ち上げはそれでなくとも混雑している宇宙をさらに混雑させ、宇宙ゴミを大量に作り出すことになるのではないかという懸念を抱く読者もいるかもしれない。この点ではSpaceXは優等生だ。まず一段目ブースターを再回収することにより、海洋の粗大ゴミとなることを防ぐ。また現在ほとんど使われていない低軌道を利用するため他の衛星と干渉する可能性も低い。

奇妙に聞こえるかもしれないがFCC宇宙ゴミを所管する主要な官庁の一つで、現在これに関する規則の見直しに着手している。【略】

新規則は最終決定に至るまでまだ時間がかかるもようだが、近々ドラフトが公開されるはずだ。宇宙デブリが深刻な危機に発展する前にFCCがどのような対策を考えているのか注目だ。

画像:Moment / Getty Images

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

火星の日の出が音楽になった

アングリア・ラスキン大学のDr. Domenico VicinanzaとDr. Genevieve Williamsの二人が、火星探査車Opportunityがとらえた5000日目の日の出を“音化”した。その音楽は、赤い砂丘の向こうに昇る太陽と、この惑星の大気を貫く光を見る体験を、音で表現している。

美しい。

彼らのリリースより:

研究者たちは、画像を構成するすべての画素を左から右へスキャンし、その明度や色の情報と標高を組み合わせたデータを音に変えた。彼らのアルゴリズムは、その一つ一つの成分に特定のピッチとメロディーを割り当てた。

静かなゆっくりとした和声は暗い背景の結果であり、明るくてピッチの高い音は、曲の中ほどで、明るい日輪から作られた音だ。

車輪が複数ある小さなロボットのおかげで、砂の上に太陽が昇る火星の日の出を見物でき、しかもそのすばらしいブレークスルーを音で聞けるという経験は、人類が暗い場所へ向かっていることを忘れさせる。次のブレークスルーではたぶん、火星にオーケストラを送って、本物の楽器でこの曲を演奏できるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソユーズロケットが事故から復活。来月初めにISSへの有人ミッション実施

10月、幸い死者は出なかったものの大きな注目を集めたソユーズロケット有人飛行ミッションの事故は徹底的な調査が終わり、米国、欧州、ロシア各国の宇宙開発機関はこの歴史ある発射システムの利用に前向きだ。ロスコスモス(ロシア連邦宇宙局)は、12月3日に国際宇宙ステーションへの有人飛行ミッションが発射されると発表した。事故からまだ2ヶ月も過ぎていない。

Nick Hague、Alexey Ovchininの両宇宙飛行士が軟着陸したその事故以来、あらゆる宇宙開発は速く実行する必要があることが明らかだ。ソユーズは現存する唯一の実績ある有人発射システムであり、もし長期間停止することがあればISSはすぐに空き家になってしまう。

幸いロスコスモスは事故の原因究明を優先的に行い、本日(米国時間11/1)調査結果を発表した。

ストラップオンブースター(ブロックD)の一つが、分離異常によりコアステージ(ブロックA)の燃料タンク部分に先端が衝突したためにその結果減圧が起きロケットの姿勢制御が効かなくなった。

分離の異常は、ブロックDの酸化タンクを切り離すためのノズルのふたが、分離センサーピンの変形(曲がり角度6度45分)のために開かなかったことが原因だった。バイコヌール宇宙基地で行われたストラップオンブースターをコアステージ(パケット)に取り付ける際に損傷したものだ。

つまり、ブースターのひとつが外れなくなりステージの分離が正しく行われなかった。事故の状況は本日ロスコスモスが公開した映像で見ることができる。 私が作った関連部分のGIF動画を下に貼った。

カプセルの中では、あらゆるものが横倒しになったに違いない。

問題は調査員によって突き止めらられ、影響を受けた可能性のあるロケットは除外され、すでに別のソユーズロケット(異なるモデル。非常によく似た名前のロケットがいくつかある)が飛び立っている。

さらに重要なことに、当局がこの説明に十分自信を持っており、2つのミッションがすでに計画されている。11月16日の貨物ミッションと12月3日の有人ミッションだ。

ロシアのOleg Kononenko飛行士とNASAのAnne McClain飛行士、カナダ宇宙局のDavid Saint-Jacques飛行士が搭乗予定。彼らは最近の事故のために神経質になっているのか、十分すぎる検査のおかげでむしろ緊張が少ないのか? おそらく両方が少しずつだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「スペースペン」、50周年を迎える

スペースペンのことは誰もが知っているだろう。NASAが無重力で使える究極のペンを作るために数百万ドルの開発費をかけた結果、この驚くべき道具が出来上がった。いや、違う。事実はといえば、1966年にあるボールペンメーカーが作った——しかしそれが軌道に乗ってスペースペンの運命を全うしたのは1968年10月のことだった。

そのペンを作ったのはペン職人のPaul Fisherで、彼は100万ドルの私費を注ぎ込みそのAG-7反重力ペンを作った。ご存知かもしれないが、そのイノベーションは加圧されたインクカートリッジとゲルインクによって、方向、温度、そしてもちろん重力の有無によらず確実にインクを送り出すしくみだった。

FisherはそのペンをNASAに送った。もちろんそこは、ものごとが微小重力下で働くかどうかを間違いなく心配する唯一の組織であり、そのペンを大いに気に入った。実際、間もなくしてロシアでも使われるようになった。

Walt Cunningham、Wally Schirra、Donn Eiseleの3人は、1968年10月11日に打ち上げられたアポロ7号ミッションにこのペンを持っていき、その後軌道上で11日間使い続けた。

ペンの50周年記念エディションが、裕福で金製品を愛する人たちのために作られた。価格は500ドルで限定500本、「金色の窒化チタン張り真鍮」製で、ケースにはCunningham飛行士のことばが入った記念プレートがついている。

「50年前、初めて宇宙を飛んだスペースペンと共にアポロ7号に乗った。私はこのペンを信頼し、今でも地球上で信頼できる唯一のペンだ。

うん、いい話だ。宇宙飛行士たちが生涯これを供給され続けるのであればの話だが。

Fisher Space Penに乾杯! 半世紀にわたり使われ続けポップカルチャーに支持された、独創的でシンプルで信頼あるアメリカングッドデザインの代表例だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ホーキングのブラックホールに関する最終論文がオンライン公開された

スティーヴン・ホーキングは今年76歳で死去したが、彼の驚くべき知性の科学界への貢献はまだ終わっていない。著名な物理学者の最終論文がオンラインで誰にでも読めるように公開され、博士の輝かしい経歴を明らかにした物質界の謎を振り返ることができる。

Black Hole Entropy and Soft Hair“[ブラックホールのエントロピーと柔らかい髪]と題されたその論文は、ホーキング博士と共同研究者のSasha Haco、Malcolm Perry、およびAndrew Stromingerの共著による。論文保存公開サイトのArXivから無料でダウンロードが可能で、ホーキングへの心のこもった賛辞も載せられている。

「私たちは最愛の友で共同研究者だったスティーヴン・ホーキングを亡くし深い悲しみにくれています。ブラックホール物理学に対する博士の貢献は、最後の最後まで絶大な刺激を与え続けるでしょう」

この論文は、ホーキングの経歴にとって一種のブックエンドといえるものであり、ブラックホールの量子構造に関する博士の最近の業績が集められている——ホーキングが 過去40年間追究してきたテーマだ。

ホーキングの最終論文が、物理学最大の未解決問題の一つへの挑戦となったことは実にふさわしいことだ。その問題は博士自身が提起したものでもある:ブラックホールに落ちていく物体は本当に消滅するのか、たとえ物理の法則がそれを不可能だとしていても? このパラドックスが悩ましいのは、量子力学の法則と一般相対性理論の法則を戦わせることになるからだ。

論文中ホーキングらは、「柔らかい髪」と呼ばれるものがその矛盾を解決することを示唆している。「髪」とは」とはブラックホールの縁である事象の地平線に存在する光子を意味している。柔らかい髪バージョンの事象においては、ブラックホールの縁にあるその「髪」が、ブラックホールに落下した物体に関する情報を保管する。これは、物質に付随していた情報は宇宙から消滅したのではなく、見かけ上の地平線の彼方に消えたように見えるだけであることを意味している。

「これは道半ばの一歩であり、決して完全な答えではない」と共同研究者のMalcom PerryがGuardianに語った。「これまでより若干パズルの数は減ったが、厄介な問題がいくつか残っていることは間違いない」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアのロケットの失敗にもかかわらず、NASAはソユーズの打ち上げ予定を変えない

米国時間10月11日に起こった、通常は信頼性が高いソユーズロケットの打上げ失敗は、様々な意味で宇宙コミュニティに衝撃を与えた(今回は国際宇宙ステーションへ向かう有人ミッションだった)。だがNASAの担当官Jim Bridenstineは、いずれにせよ新しい乗組員を12月にソユーズで打ち上げる予定だと語った。

モスクワの米国大使館でBridenstineは記者たちに向かい「全ての失敗ミッションがこんなに上手く終わるわけではない」と語った。実際故障したロケットは、組み込まれた脱出システムは設計通りに働いたために、幸運にも何の人的被害も出さなかった。

宇宙飛行士であるNick HagueとAleksey Ovchininは、発射後約90秒で切り離されパラシュートを開いたカプセルと共に、発射場から約250マイル(約402キロ)離れた場所に安全に着陸した。

調査官たちが何が原因かを述べるのは時期尚早だが、Bridenstineはソユーズシステムとロスコスモスの彼のチームを信頼しているようで、新しい有人カプセルが年内にも打上げられることを示唆した。

「私は、ソユーズロケットの再度の打上げを十分に予想していて、現段階ではこの先の予定が変わると考える理由はない」と彼は語る。

そのミッションは12月に行われる予定である。すなわち現在ISSに搭乗している3人の乗組員たちは、一部で心配されたようにその滞在を延ばす必要はなく、ISSがしばらくのあいだ無人で飛行を続ける必要もないということだ。後者の可能性は様々な不安を引き起こしていた。ISSはしばらくの間無人で飛行できるように設計されてはいるが、問題が起きた時にその場に誰も居ないことはリスクとなる、そして多くの実験も失敗する可能性がある。

ソユーズの打ち上げシステムは、人間を宇宙に送るために現在利用可能な唯一のものである。SpaceXとBoeingがその状況を変えるために懸命に働いているが、彼らのソリューションの完成にはまだ長い道のりが待ち受けている。仮にソユーズシステムに重大な欠陥が発見された場合には、その解決策が見つかるまで人類は基本的に地球に閉じ込められることになるだろう。だが幸いなことに、ソユーズは何度も実証されているため、すぐに再飛行が行われる確率は高いだろう。

もちろんBridenstineの自信だけでロケットを打ち上げるわけではない。ロケットの調査は続いており、2つの宇宙機関は元々の予定に先立ち、どのように新しい乗組員をステーションへ送り込むかについて協議しなければならない。しかし、現段階では、宇宙はまだ私たちの手の届くところに留まっているようだ。

[原文へ]
(翻訳:sako)

NASAの次世代計画は私たちを月と火星に連れて行く…きっといつかは

NASAは太陽系を探査するための公式計画を要約した報告書を発行した。それはとても楽しく読むことができる ―― もしそれが現実味を帯びているかどうかを気にしないならばだが。月の表面への有人ミッション、月を周回する半永久的な基地、火星のサンプルを持ち帰るミッション…これら全てとそれ以上のものがそこには書かれている…それらが次の10年では実現できないかも知れないとしても。

The National Space Exploration Campaign(国家宇宙探査キャンペーン)は低軌道(LEO:low Earth orbit)や国際宇宙ステーション(ISS)のことは忘れて、次の月へのレースに勝利し、火星への道を描くNASAの包括的プランだ。これは、ある意味では、NASAに太陽系全体への拡大と探査に焦点を当てるよう指示した大統領のSpace Policy Directive-1(宇宙政策指令-1)に応えたものである。これは、幸いなことに、政府が既に長期に渡って追求してきていた良い目標の1つである。

したがって、今後の10から20年の計画は、過去数年に渡って行われていたものと似通っているものに見えるだろう。なにしろこうしたことは、極めて長期間に渡って追求され続ける必要があるからだ。

単純な真実は、たとえ全部が上手く行ったとしても、10年以内に月の表面に人間が降り立つことは、危険であることは言うまでもなく、極めて難しいということだ。私たちは単に「できた」と言うためにそのミッションを行うことはできない。私たちのこれからの月ミッションは、月の周回軌道と、惑星間旅行のための着陸船を活用する長期的な戦略の一部でなければならないのだ。言い換えると、短期的なアポロスタイルの派手な着陸(タッチダウン)に数十億ドルを費やすこともできるし、あるいは数多くの分野で有意義な支配力を発揮するために、長期的なインフラに数十億ドルを投資することもできるということだ。

その目的のために、NASAは野心的だが達成可能な短期的な目標をいくつも抱えていて、そうした仕掛中の目標の向こうに、Lunar Gatewayや月着陸船のような未来のプロジェクトが控えている。結局のところ、もしOrion宇宙船とSpace Launch System(SLS)の計画が遅れる(あるいは期待を上回る)ならば、そうしたシステムを使って、月の軌道上に半永久的な施設を建設し人間を送り込もうとする計画に重大な波及効果が及ぶだろう。

その優先度合いは基本的に3つの計画に沿っている:

1. 商業的取り組みを強化する

NASAは数十年に渡って、例えば国際宇宙ステーション(ISS)への補給任務などの、低軌道(LEO)に向けての打ち上げを行ってきている。いつでも行うことができる準備は整っており、商業的取り組みが引き継ぐ準備も整っている。

「これからの数年のうちに、LEO経済における、NASAの歴史的かつ中心的な役割に取って代わる、幅広い顧客基盤が出現することが非常に重要だ」と報告書には記されている。これからの数年の目標は、有効性や競争力などの研究を行いながら、基本的には資金調達と契約を指揮することである。

この動きに依存する形ではあるが、米国は2025年までにISSに対する直接的な資金注入を中止し、その代わりに商業的プロバイダーに依存できるようにする可能性がある。これは私たちがISSを完全に見放すということを意味するわけではない ―― NASAがただ消耗品と宇宙飛行士の供給をやめるというだけのことだ。

実際には、潜在的にはISSを完全に置き換えることを目指した新しい商用LEO開発プログラムに資金を提供するために、1億5000万ドルが確保されている ―― 少なくともその一部がそのために執行されている。それはほぼ同じ規模である必要はないが、私たちのものであると呼べる軌道上プラットフォームが1機ないし2機あることは良いことだろう。

より一般的な観点から見れば、LEO事業から撤退することで、より野心的なプロジェクトに向かうための巨額の資金とリソースがNASAに与えられることになる。

2. 月を攻略する

月は計画された太陽系探査計画のための、すばらしい足場となるエリアだ。そこは地獄のように環境が厳しい。つまりそこでは火星のような生活環境や宇宙線被曝などのテストを行うことができるのだ。月を覆う地表の下には大量の有用なミネラルがある筈で、おそらくは利用可能な水さえも見つかる筈だ。このことで基地建設が大いに単純化されるだろう。

残念ながら、人類が最後に月へ足を踏み入れたのは数十年前であり、ロボット着陸船による帰還さえも、数えるほどしか行われて来なかった。だから私たちはそれを正しい方向へ向かわせようとしているのだ。

2019年に始まる商業的な月面着陸船とローバーの計画もある。すなわち着陸ではなく、開発が始まるということだ。これらの努力と成功に基づいて、さらに多くのミッションが私たちの月面に対する基礎知識を向上させるために開始または遂行される予定だ。こうした基礎知識は、ドリルや掘削などへの応用という観点からは、まだほとんど何も知られていないのだ。

一方、Orion宇宙船とSLSは、2020年に初めて軌道上のテストが行われる予定であり、もし全てが順調に進んだならば、数年のうちに宇宙飛行士たち(とおそらくは少量の貨物)を月の周回軌道の上に送り込むことができるだろう。それが証明された後、Orionの変種である貨物宇宙船が、一度に10トンのペイロードを軌道に乗せることができるようになるだろう。

これらは皆、月の周回軌道に乗る宇宙ステーションLunar Gatewayを投入するための前準備に相当するものである。Lunar GatewayはNASAの宇宙飛行士たちが搭乗し、深宇宙へのテストベッドならびに実験室として利用されることになる。彼らは、来年までに体積、質量、材料、技術の基礎を確定しようとしており、2022年までには月の軌道上に最初のコンポーネントを乗せたいと考えている。

3. 皆に、私たちが既に火星にいることを思い出させる

NASAは科学者で溢れている。そして彼らに将来の火星ミッションについて質問したならば、彼らは既に取り組んでいる多くの火星ミッションを激しく指さしながら、熱い言葉を語り始めることだろう。驚くようなことではないが、政府のロードマップは、はるかな未来ではなく比較的近い未来に焦点を当てている。ここでの事実は、火星はすでに優先課題であり、すでに重要なミッションが計画されているが、有人ミッションや基地設置に関しては、何を語っても時期尚早で無責任なものになるということだ。

Insightはすでにルートに乗っており11月には着陸する予定である。またMars 2020 Roverは来年の夏に打上げ予定である。両者は将来のミッションを計画する上で、重要で興味深い沢山の結果を生み出してくれるだろう。Mars 2020は、数年後に計画されている別のミッションで持ち帰るためのサンプルを収集する予定だ。火星の岩石でいっぱいの貨物船で、何ができるか想像できるだろうか?遠くにチームを送り出す前に、それらの試料をまず実験室に送り込んで分析をしたいと思うのは当然だ。

NASAにとっては2024年が、おそらく2030年代の火星有人ミッションについて決定を下すことを約束しているもっとも早い時期である。その段階でも決定されるのはおそらく軌道周回を行うミッションだろう。当然のことながら、そのミッションから得られる信じられないほど貴重な観測と学んだ教訓に基いて、新しいミッションが計画されることだろう。おそらく2030年代の終わりには火星に人間の足跡を残せるのではないだろうか。

それは少々残念だろうか?まあ、商業区間で物事が進行する速さを考えると、それ以前にプライベートな火星ミッションを目にする可能性は高い。しかし、NASAはある種の義務を負っている。それは科学機関であり、納税者からの資金提供を受けている以上、民間企業が選択しないようなレベルまでその仕事を正当化しテストする必要があるのだ。

この報告書は約束されている内容は重いものの、実際の施策と厳密な日程に関しては扱いが軽い。すなわち多くのゴールがまだ遠く「2024年にはっきりする」以上のことは自信をもって明らかにすることができないと思われる。宇宙に関する急速な進歩が見られるこの時代に、そうした遠く漠然としたゴールを持つことは、少々不満かもしれないが、それがこのビジネスの性質というものなのだ。

一方、NASAや業界全体を再編している数多くの商用宇宙産業たちによる、エキサイティングな開発のネタが枯渇する心配はない。もしNASAの慎重なアプローチが気に入らないのなら、宇宙へと自分のミッションで乗り出すことができる ―― 本当に。そう考えるのはあなた1人ではない。

[原文へ]
(翻訳:sako)

SpaceXのBFRに乗って月を周回飛行する最初の民間人乗客はYusaku Maezawa(前澤友作)だ

日本人の億万長者で起業家のYusaku Maezawa(前澤友作)が、SpaceXのBig Falcon Rocket(BFR)で月の周回飛行をする初の民間人になる。その24万マイル(約39万キロメートル)の旅は、早くも2023年に決行される予定だ。

月曜日(米国時間9/17)にロサンゼルス近くのSpaceXの本社で行われたイベントで、彼は大声で興奮と喜びのスピーチを語った: “ぼくは月へ行きたいんだ!”。

SpaceXがBFRの…今後の長期に亙る…テストと開発に成功したら、Maezawaは1972年にアメリカが行ったアポロ計画以来初の、月旅行の乗客になる。月に行ったことのある人は、わずか24名だ。SpaceXによると、旅程はおよそ1週間で、月面から125マイル(約200キロメートル)の至近距離に達したら月旅行を終えて地球へ帰還する。

Muskは、発表後の記者会見で、“彼は最高の冒険家だと思う”、と語った。

Maezawaはこれまでの人生で、ありとあらゆることに挑戦してきた。今の彼は、起業家であり、ミュージシャンであり、デザイナーであり、アーチストであり、美術蒐集家であり、そしてオンラインのファッションリテイラーZozotownのCEOだ。

彼は曰く、“これはぼくの一生の夢です。子どものころから月が好きで、月を見るだけでいろんなことを想像します。月はいつでもそこにあって、ぼくにインスピレーションを与え続けています”。

Maezawaによると、彼は6人から8人のアーチストを同行して、彼らに宇宙や月に刺激された作品を作ってほしい、という。彼はそのプロジェクトを、#dearMoonと呼んでいる。“彼らの傑作がぼくたち全員の中のドリーマーにインスピレーションを与えるだろう”、と彼は語る。まだ同行者を具体的には決めていない。たぶん、ミュージシャンとフォトグラファーと絵描きと建築家の混成チームになるだろう、と言っている。

BFRがMaezawaを宇宙に送り出すまでにSpaceXには、やるべきことと、調達すべき資金がたくさんある。現在は、SpaceXのリソースのわずか5%がBFRに投じられている。BFRの開発費用は、50億ドルと見積もられている。

MaezawaもMuskも、まだ彼の“運賃”を明かさない。でもMuskは、これは本物の商契約であり、彼は“大金を”払っている、と言う。

BFRはまだ、できていない。Muskによると、成功の鍵は売上、中でもとくに有料顧客の数にかかっている。BFRは定員100名だが、最初の飛行では備品等の量も多いので旅客の数は10名強が妥当、という。

Muskは木曜夜のツイート(米国時間9/13)で、新しいBFRの設計を前触れした。“SpaceXはBFRによる月周回旅行の世界初の民間人乗客と契約した”。これはSpaceXが発表する三度目のBFRの設計だ。Muskは月曜日(米国時間9/17)の夜、“これはBFRの概略構造設計としては最終作だ”、と言った。

その月曜夜にMuskは、BFRの詳細をさらに明かした。月曜日に見せた設計ではBFRは長さ118メートルの二段式再利用可能な宇宙船で、100トンの荷重を火星へ運べる。

SpaceXはまだ、BFR宇宙船の“グラスホッパー”試験を来年行なう計画だ。そのあと2020年に、高高度高速飛行を行なう。

BFRはBig Falcon Rocketの頭字語ではないのかもしれないが、とにかく、持続可能な惑星間宇宙船として設計されている。いずれそれは、SpaceXのそのほかのロケット、Falcon 9やFalcon Heavyなどをリプレースするのだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

宇宙船の液体極低温化技術や空中回収でNASAが$44Mの助成金をBlue Originらに

NASAがアメリカの宇宙企業数社と、総額4400万ドルの巨額なパートナーシップを結んだ。Blue Origin, Astrobotic Technology, United Launch Alliance(ULA)などの各社が、宇宙利用の安全性と効率性を探求する複数のプロジェクトで、それぞれ最大1000万ドルを受け取る。

その10種類の懸賞金はNASAの言う“転換点となる”技術を対象とし、将来性はきわめて高いが、地上または飛行時のデモに資金を要する。言い換えるとそれらは、研究室を出て実用レベルに達したものでなければならない。

ULAがここでは大きな勝者で、三つのプロジェクトに計1390万ドルを受け取る。内1000万ドルは、月面着陸船を単純化し改良する液体燃料の極低温化管理システムに向けられる。残りは、長期間のミッションのための極低温液体プロジェクトと、最大8000ポンド(3632キログラム)までの、帰還船の空中回収のデモンストレーションに充てられる。帰還船は帰還の直前まで軌道を定常速度で周回していたものでなければならない。三つのうち、最後のがいちばん‘安い’プロジェクトだなんて、信じられないね!

1300万ドルをもらうBlue Originも、着陸船の極低温液体管理システムを探求する。どうやらNASAは、月の表土に執着関心があるようだ。残りの額は、月面着陸を容易にするための一連の高度なセンサーの試験に充てられる。同社はこれら二つのシステムを、100キロメートル上空のNew Shepard機上でテストする。

もう一社Astrobotic Technologyにも1000万ドルが行く。こちらはBlue Originと同じく、Terrain Relative Navigation(地形照合航法, TRN)のための一連のセンサーを開発する。これは着陸船に“地形の安全性の判定”という知性を与える技術で、着地直前の具体的な状況下で、実観測により、安全性を確保する。

Mars 2020 Roverは、独自のTRNシステムを使用するが、今回の資金はより高度な方式を対象とする。でも下図のGIF画像を見れば、TRNの概念を理解できるだろう。

今回のNASAの研究資金提供事業では、これら以外のプロジェクトも対象になっている。詳細を知りたい方は、このパートナーシップの発表ページへ行ってみよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

あと9年で僕たちは宇宙に行けるかもしれないーー民間による有人宇宙飛行を目指すSPACE WALKER発足

「2027年にスペースプレーンで人間を宇宙に飛ばす」ーーそんな大きな目標をかがけた日本のスタートアップがいる。本日プロジェクトの発足を発表したSPACE WLAKER(スペースウォーカー)だ。同社はこれから、九州工業大学、IHI、JAXA、川崎重工業などと共同で2021年に無人のサブオービタル宇宙飛行用の機体を飛ばし、2027年には民間事業として有人宇宙飛行の実現を目指す。

SPACE WALKERのプロジェクトのルーツとなったのは、2005年より開始した九州工業大学の有翼ロケットプロジェクトだ。この研究は現在も継続中で、8月末には実験機である「WIRES #014-3」の打ち上げが予定されている。

WIRES#014-3の全長はわずか1.7メートル、総重量も42キログラムとその規模は小さい。だが、SPACE WALKERと九州工業大学は今後も機体の共同開発を続け、有人飛行に耐えうる安全性と性能をもった機体の開発をめざす。2027年の有人飛行では、IHI製のLNGエンジンを3基搭載した、全長15.9メートル、総重量18.7トンの機体が開発される予定。このスペースプレーンに乗り、乗員2人、乗客6人の計8人が宇宙に飛び立つことになる。

8月末に打ち上げられる「WIRES#014-3」の実機

有人飛行用のスペースプレーンは、発射から約4分ほどで高度120キロメートルに到達する。地球が丸く見え、無重力状態となる高度だ。乗客は約3〜4分のあいだ無重力状態を楽しみ、その後地球に帰還する。ちなみに、この「スペースプレーン」とは一般的な航空機と同じように特別な打ち上げ設備を必要とせず、自力で滑走し離着陸および大気圏離脱・突入を行うことができる宇宙船のことを指す。

この壮大なプロジェクトを構想したSPACE WALKERの創業メンバーは全部で10人。ファウンダーで九州工科大学教授の米本浩一氏(SPACE WALKERファウンダー)、宇宙ステーション「きぼう」の運用会社のJAMSSで代表取締役を務めていた留目一英氏(同取締役会長)など、創業メンバーの約半数は宇宙領域の専門家だが、残りの半数はスペースプレーンのデザインやブランディングなどを手がけてきた大山よしたか氏(同CEO)、元ミクシイ執行役員の辻正隆氏(同取締役)など専門領域や世代を超えたメンバーで構成されている。

代表取締役COOの眞鍋顕秀氏は、「ベンチャー企業であるSPACE WALKERの役割は、これまで日本が培ってきた宇宙関連技術をインタグレーターとして取りまとめて、民間事業として有人宇宙飛行を実現すること」と話し、そのために世代や業種を超えた組織体制を構築したという。

今後SPACE WALKERが開発予定のスペースプレーン

オールジャパンの技術と人材により、民間による宇宙旅行事業の実現を目指すSPACE WALKER。でも正直なところ、少なくとも現時点では同プロジェクトはまだブループリントの域を出ないという印象だった。

米本氏は「2021年の無人飛行には100億円規模の開発費用が必要。2027年の有人飛行では、1000億円を超える規模まで考えないと、安心して人間を乗せられるレベルのものはできない」と話す一方、設立段階のSPACE WALKERの資本金はわずか100万円。現在同社はいわゆるエンジェルラウンドとしてエンジェル投資家、シード投資家を対象とした資金調達ラウンドを実施中としているが、そこで資金が集まるかもまだ定かではない。

また、民間企業として宇宙飛行ビジネスを行うと聞けば、事業化まで食いつなぐための資金調達計画や、事業を立ち上げたあとのマネタイズ方法が気になるところだけれど、眞鍋氏は「これまではとにかくチームの構築に注力してきた」として、資金調達計画や宇宙飛行事業の“値段感”を具体的に示すことはなかった(値段が分からなければ、貯金のしようもない!)。

それでも、テクノロジー好きのTechCrunch Japan読者のみなさんがSPACE WALKERの話を聞いてワクワクしないはずがない。“2027年”と書くとなにか遠い未来のように感じるかもしれないけれど、彼らの計画では、あと9回だけ年を越せば僕たちが宇宙に行ける未来がやってくる。その胸踊る未来が実現するために、SPACE WALKERはこれから今のブループリントを現実味を帯びたロードマップにしていく必要がある。これから、その過程に注目が集まりそうだ。

さて、先日ニュースにもなった「スターウォーズ」を見返して、宇宙旅行の予習をしておくとしよう。

Momentus、水噴射ロケットをマイクロ衛星でテストへ――ロシア生まれの連続起業家、新テクノロジー開発

Y Combinatorが支援するロケット・テクノロジーのスタートアップ、 Momentusのファウンダー、Mikhail Kokoricの野心は単に月に到達する以上のものだ。Kokoricはロシア生まれで同国を代表する大学の一つ、ノボシビルスク大を卒業した物理学者であり、ソ連崩壊語は連続起業家として資産を築いた。

Momentusのテクノロジーの核心は、ロケットの推進物質として高価な化学薬品ではなく、水を利用する点にある。

画像提供:Momentus

Kokoricによれば水の利用にはいくつもの利点があるという。まず、水は宇宙空間で豊富に入手可能な物質であり、水を噴射薬として利用することは地球外の低重力環境では極めて効果的になる。「化学推進薬で何かを月に送り込むことを考えてみよう。化学推進薬は強力な推進力を得るには適切な方法だ。しかし宇宙船がひとたび地球の重力井戸の外に出れば水のほうがはるかに効果的な推進薬となる」とKokoricは言う。

Phase 4のような会社はマイクロ衛星を定位置に誘導するためにキセノンのような希ガスをイオン化して推進力とする方法を用いている。Kokoricによれば、こうした方法ははるかにコストがかかりであり速度も得られないという。「イオン化推進は静止衛星を定位置に配置するために用いられるが、数ヶ月の時間を要する。水噴射なら半分の時間ですむ」という。

「われわれのテクノロジーを用いれば10トンの衛星を静止軌道にずっと早く送り込むことができる」とKokoricは述べた。

Momentusはすでにドイツを本拠とする衛星打ち上げサービス、ECM Spaceと契約を結んでおり、2019年初頭にマイクロ衛星にこの推進装置を搭載して初のテストを行う計画だ。

最初のロケットはZealと呼ばれ、最高出力30ワットのインパルス・ロケットで持続時間は150秒から180秒が予定されている。

Kororichはロシアで連続起業家として成功を収めていたが、「2011年に私はいわゆる中年の危機に襲われた。そこで私は(長年の関心の的だった)宇宙企業の創立に転じた」という。【略】

Utilisは衛星写真の解析により地下の漏水を探知する

クリミア併合以後のロシアと西側の関係の緊張の高まりに伴い、スタートアップの運営にも多大の影響が出たため、Kokoricはサンフランシスコに移ってアメリカで民間宇宙企業を創立することにした。【略】

それでもKokorichの抗議が功を奏し〔西側の対ロ経済制裁にも関わらず〕、Momentusはロシアにおけるパートナーとの関係をある程度維持することに成功している。
ロシアからの投資はOden Holdings Ltdを通じて行われている。同社に対しKokoricはロシア国外で創立した初の民間宇宙企業、,カナダに本拠を置くHelios Wireを通じて持ち分を所有している。Heliosはブロックチェーン・テクノロジーによってデータを暗号化し、安全な衛星通信のよるIoTの実現を目指している。

Kokoricがアメリカに移ってから2番目に起業した宇宙企業はAstra Digitalという衛星通信サービス会社だった。そして現在のMomentusでKokoricはロケット推進という宇宙ハードウェア技術の革新に挑んでいる。「移動のコストが低下するにつれて新たなビジネスモデルが多数生まれている。Momentusの推進テクノロジーは宇宙旅行のコストをさらに大きく削減する。これにより小惑星における採鉱事業や月の利用などに可能性が広がるはずだ」という。

Momentusのチームの目標は静止衛星の誘導にとどまらず、ビジョンははるかその先に広がっている。

Momentusでは水噴射ロケットのテクノロジーは月往復あるいは他の惑星への往復の基礎を築くはずだと考えている。

〔日本版〕記事には水を「燃料」と呼ぶなどいくつか不正確な表現があり、Koloric自身が投稿して疑問に答えている。Zealはプラズマ推進ではなく、水を推進物質に利用する電気抵抗加熱によるサーマル・スラスターであり、衛星を静止軌道の所定の位置に安定させることを目標としているため、ISP(比推力)はさほど大きい必要はないという。ただしMomentusが開発中のArdoride、Fervoride(一番下のイラスト)はプラズマ推進であり、比推力1000秒以上が実現できると書いている。別のコメントはFervorideのパワーソースは太陽光発電だろうとしている。また水を推進物質に利用する最大のメリットは地表から大重量の推進薬を軌道上に運び上げる必要がなく、月その他低重力の環境で調達できることだと推定している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ジェフ・ベゾスのBlue Originの打ち上げテスト成功――カプセル、ブースターとも予定どおり無事回収

今日(米国時間7/18)、ジェフ・ベゾスの宇宙企業、Blue Originはテキサスの基地でこれまででもっとも重要な発射実験の一つを実施した。今回のテストでは上空で乗員カプセルの脱出用ロケットが点火され、カプセル、ブースター双方を無事回収することに成功した。ブースターからの切り離し直後に乗員カプセルのロケットが予定どおりのタイミングで点火され、カプセルはこれまでで最高の高度を達成した。

このテストの成功はジェフ・ベゾスの宇宙企業にとって非常に大きな意味がある。Blue Originでは、このテストが成功すれば今年中に最初の有人飛行に進めるとしていた。

今日のテストはBlue Originとしては9回目、New Shepardロケットとしては3回目の打ち上げだった。2万人以上がYouTubeでのライブ中継を見た。Blue Originによるハイライトを下にエンベッドしてある。回収されたカプセル、ブースターとも再利用を前提にデザインされているという。

ブースターのロケットは2分半程度作動し、噴射停止直後にカプセルの脱出モーターが作動し、カプセルはさらに上昇した。ブースターは降下し、着陸脚を展開し、逆噴射によって降下速度にブレーキをかけ、着陸パッドにタッチダウンした。一方、カプセルは3基のメイン・パラシュートを展開して地上に戻った。ビデオを見るかぎり、双方とも理想的な状態で作動したようだ。

テストは全体で11分程度かかり、カプセルは最高時速3600キロ、高度は宇宙との境界とされる100キロを超えて118.8キロを達成した。

今回のテストでは情報収集のためにSkywalkerと呼ばれるダミー人形がカプセルに搭載された。 Blue Originでは近い将来、人間の宇宙飛行を予定している。ビデオストリーミングでガイドを務めたAriane
Cornelは「[ダミーは] 最大で10G程度を経験するかもしれない。しかしこれは十分人間が耐えられる範囲内だ。ことに今回のようにごく短時間であり、リクライニングシートに着座してうればまったく問題ない。われわれは乗員を無事に帰還させることを最大の目的としている」と述べている。乗員カプセルの脱出用ロケットは静止状態から宇宙空間まであらゆる状況で作動するようデザインされているという。今回のテストの大きな目的は高高度で脱出ロケットが正常に作動し、カプセルを安全に地上に戻せるこを確認するところにあった。

Blue Originでは早ければ今年末には有人飛行を開始する。商用飛行の開始についてはまだスケジュールが発表されていないが、「皆さんを宇宙にご案内するのが待ちきれない」とCornellは付け加えた。

下はテストのストリーミング中継の録画〔7:00ごろから中継が始まる。全50分程度〕。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

エアバスが火星の土を地球に持ち帰るローバーの開発に着手

eng-logo-2015Engadget US版より(原文へ)

今年の4月、NASAと欧州宇宙機構(ESA)は、火星の土を地球に持ち帰ることが可能かどうかを共同研究することで合意しました。それにともないESAは、火星の土壌サンプルを回収するローバー(車両)のコンセプトモデルを設計するために、エアバスとの520万ドル(約5億7000万円)の契約を承認しました。

ESAは、イギリスのスティーブネージにあるエアバスを指名したのには理由があります。彼らはすでに、2021年に火星に向けて打ち上げられる予定の「エクソマーズ」ローバーの製造を行っているからです。しかし、エクソマーズ自体や、それに搭載された科学調査機材とは、今回の回収ローバーの目的は大きく異なります。その使命とは、NASAの「マーズ2020」ローバーが置いていく土壌サンプルの容器をすべて拾い集めることにあります。だからと言って、この車両の開発が簡単だということはありません。

マーズ2020は、火星の地面に穴を開けて土壌を掘り出し、試験管に入れていろいろな場所に30本置いていきます。計画どおりなら2026年に火星に向かう予定のこの回収ローバーは、遠くからその試験管を探し、そこへ自律的に移動し、ロボットアームで拾い上げて格納庫にしまいます。このローバーは、毎日の移動ルートを自分で考える必要もあります。

エアバスの実現可能性チームを率いるBen Boyesは、こう話しています。

比較的小さなローバーになります。およそ130キログラムですが、その要求は非常に高いものです。毎日事前に探査ルートを自分で計画して、高度な自律走行によって、広い範囲を網羅しなければなりません。

下の図は、エアバスの回収ローバーの初期のデザインです。

マーズ2020が置いていったすべての試験管を回収するまでに要する時間は、およそ150日と見られています。その後、ローバーは自分が乗ってきたロケットを探し、ロケットにサンプルの試験管を手渡した後、ロケットの打ち上げを撮影します。つまり、今から10年以内に、私たちは火星からの初めてのロケット打ち上げを見ることができるということです。ロケットは、火星の周回軌道を回るオービーターとドッキングし、地球にサンプルを持ち帰ります。もちろんESAが、この計画の実現が可能であり、推進する価値があり、なおかつ必要な技術が開発できると確認されなければ、実行に移されることはありません。

編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文著者:Mariella Moon

Engadget 日本版からの転載。

米軍の中に宇宙軍ができる、国防長官の反対を押し切って

【抄訳】
大統領のDonald J. Trumpは米軍の中に宇宙軍(Space Force)を作るつもりだ。この驚愕の発表は、ホワイトハウスでこのほど再召集された宇宙評議会(Space Council)の三度目の会議で行われた。

“空軍とは別に、それと同格なものとして宇宙軍を持ちたい。それには十分な理由があり、きわめて重要だ”、と大統領は言った。

昨年議会がこのアイデアを初めて提案したとき、国防長官のJames “Mad Dog” Mattisは、軍に新しい部門を作ることに反対した。

議会の第一党が昨年、宇宙戦を専門とする、軍の6番目の部門を作るという説を最初に流した(残念ながらエイリアンの昆虫の侵入日本語Wikipedia)は防げないようだが)。そのときMattisは直ちに、そのアイデアを激しく非難した。

議会における宇宙軍構想のリーダーの一人である、オハイオ州選出共和党議員Mike Turnerに宛てた書簡で、Mattisは述べている:

省の複合的戦闘機能を統一すべく努力しているこのときにあたって、宇宙の作戦に狭くて偏ったアプローチを提示しかねない単独の部門を加えることを、私は望まない。

どうやら大統領は、その後の数か月で考えを固めたようだ。

Trumpは今や、“軍の6番目の部門としての宇宙軍の設立に必要なプロセスを直ちに開始するよう、国防総省とペンタゴンに指示している”。

【中略】

“アメリカを守るためには、宇宙にアメリカのプレゼンスがあるだけでは不十分だ。われわれは宇宙に、アメリカの支配力を持つ必要がある”、と大統領は言った。

【後略】

〔訳注: さまざまな‘宇宙セレブ’が招かれているSpace Councilに、テクノロジー界隈から参加しているのは、今のところ、Jeff BezosのBlue OriginのCEO Bob Smithのみ。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa