Blue Originの新ロケットエンジン生産施設が2月17日に開所

Blue Origin(ブルー・オリジン)は米国時間2月17日の月曜日に、ロケットエンジン生産施設をアラバマ州ハンツビルに開所すると、14日にツイッターで明らかにした。新施設ではロケットエンジンを現在よりも早く生産できる見込みだ。同社は開発中のBE-4エンジンを自社のNew Glennロケットに採用する予定で、エンジンの生産スピードアップは有用だ。新ロケットVulcanの開発を進めるUnited Launch Alliance(ULA)への供給にも貢献する。

Blue Originは2011年にBE-4の開発を始めた。当初は自社のNew Glennロケット向けにデザインされていた。New GlennロケットはBlue Originの初の軌道打ち上げ機となる。2014年、ULAは次世代VulcanのエンジンとしてもBE-4を採用すると発表。BE-4は、燃料として液化天然ガスと酸素を使い、推力は55万ポンド(約25万キロ)で、重量貨物を打ち上げられるようにデザインされている。

Blue Originは生産するBE-4エンジンのうち最初の2つを2020年にULAへ納入する、と話している。ULAは初の静的点火試験を行うべくBE-4エンジンをVulcanに搭載する。Blue Originはまた、このエンジンを積んだNew Glennロケットの初テストフライトを2021年に行うことを目指している。これはエンジンの性能を証明するために長期にわたって行われるテストのプロセスで、ライフサイクルテストを通じて品質を保証するのが目的だ。ライフサイクルテストは、ハードウェアが実際に使用期間中に受けるであろうストレスや動作条件を模して行われる。

Blue Originのテストプロセスには新部品の追加導入と、NASAマーシャル宇宙飛行センターにあるTest Stand 4670のアップグレードが含まれる。アップグレードによりBlue Originは片側でBE-3エンジンを、別の側でBE-4エンジンをテストできる。

Blue OriginとBE-4にとってはエキサイティングな時期であり、このエンジンがマーケットに出回ってしばらく経つ。自社の打ち上げ機の計画が進捗にかかわらず、今後BE-4は米国の宇宙打ち上げプログラムを前進させる中心的なものとして位置付けられるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

宇宙船の液体極低温化技術や空中回収でNASAが$44Mの助成金をBlue Originらに

NASAがアメリカの宇宙企業数社と、総額4400万ドルの巨額なパートナーシップを結んだ。Blue Origin, Astrobotic Technology, United Launch Alliance(ULA)などの各社が、宇宙利用の安全性と効率性を探求する複数のプロジェクトで、それぞれ最大1000万ドルを受け取る。

その10種類の懸賞金はNASAの言う“転換点となる”技術を対象とし、将来性はきわめて高いが、地上または飛行時のデモに資金を要する。言い換えるとそれらは、研究室を出て実用レベルに達したものでなければならない。

ULAがここでは大きな勝者で、三つのプロジェクトに計1390万ドルを受け取る。内1000万ドルは、月面着陸船を単純化し改良する液体燃料の極低温化管理システムに向けられる。残りは、長期間のミッションのための極低温液体プロジェクトと、最大8000ポンド(3632キログラム)までの、帰還船の空中回収のデモンストレーションに充てられる。帰還船は帰還の直前まで軌道を定常速度で周回していたものでなければならない。三つのうち、最後のがいちばん‘安い’プロジェクトだなんて、信じられないね!

1300万ドルをもらうBlue Originも、着陸船の極低温液体管理システムを探求する。どうやらNASAは、月の表土に執着関心があるようだ。残りの額は、月面着陸を容易にするための一連の高度なセンサーの試験に充てられる。同社はこれら二つのシステムを、100キロメートル上空のNew Shepard機上でテストする。

もう一社Astrobotic Technologyにも1000万ドルが行く。こちらはBlue Originと同じく、Terrain Relative Navigation(地形照合航法, TRN)のための一連のセンサーを開発する。これは着陸船に“地形の安全性の判定”という知性を与える技術で、着地直前の具体的な状況下で、実観測により、安全性を確保する。

Mars 2020 Roverは、独自のTRNシステムを使用するが、今回の資金はより高度な方式を対象とする。でも下図のGIF画像を見れば、TRNの概念を理解できるだろう。

今回のNASAの研究資金提供事業では、これら以外のプロジェクトも対象になっている。詳細を知りたい方は、このパートナーシップの発表ページへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa