Twitterの暗号通貨詐欺の元凶は内部ツールに不正アクセスした一人のハッカー

Twitter(ツイッター)で発生した連続アカウント乗っ取り事件は、この事件に関する直接的な知識を持つ情報筋によると、米国時間7月15日にTwitterネットワークの「管理者」ツールに不正アクセスした一人のハッカーの犯行と思われる。そのハッカーは、著名人のアカウントを乗っ取り暗号通貨詐欺のツイートを拡散した。

このアカウント乗っ取りの被害に遭ったのは、Twitterプラットフォームでも大変に名の知れたユーザーだった。そこには有力な暗号通貨サイトも含まれていたが、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾズ)氏、Elon Musk(イーロン・マスク)氏、民主党大統領候補のJoe Biden(ジョー・バイデン)氏といった超有名人も餌食にされた。7月15日、ViceはそのTwitterの管理者ツールに関する詳細を伝えている(Vice記事)。

Twitterの広報担当者にこの主張に関して質問したがコメントは得られなかった。後にTwitterは、一連のツイートを発表し、攻撃は「弊社の従業員に狙いを定め、首尾良く内部システムとツールへのアクセスを成功させた人たちによる組織化されたソーシャル・エンジニアリング攻撃」だったと語った。

地下のハッキング事情に精通する情報筋は、そのハッカーは「Kirk」(カーク)というハンドル名で知られる人間(もちろんハッカーの常として本名ではない)で、Twitterがアカウントの管理に使っている内部ツールにアクセスしてから、ものの数時間で10万ドル(約1070万円)以上を稼いだとTechCrunchに話した。ハッカーはそのツールを使い、本人が自分のアカウントをコントロールできなくするために、アカウントに登録された電子メールアドレスをリセットした。そして、暗号通貨詐欺のツイートを投稿した。金額に関わらず投資額を「2倍にして返します」というものだ。

その情報筋がTechCrunchに伝えたところによると、カークはまず、どうでもよさそうなTwitterアカウントへのアクセス権を販売するところから始めたという。ユーザーネームが短く、簡単で推測しやすいものだ。違法ではあるものの、それは大きなビジネスになった(Vice記事)。盗んだユーザーネームやソーシャルメディアのハンドル名には、数百ドルから数千ドルの値が付く。

カークは、盗まれたソーシャルメディアのハンドル名の売人に人気(Vice記事)のフォーラム「OGUsers」の「信頼できる」メンバーと通じているという。カークは、盗んだユーザー名を売りさばく手伝いをしてくれる頼りになるメンバーを必要としていた。

TechCrunchに掲載したDiscord(ディスコード)でのチャットのスクリーンショットには、「@とBTCを送って」というカークの書き込みが見られる。Twitterアカウントと暗号通貨のことだ。「そうすれば代わりに仕事してあげる」と彼は言う。Twitterアカウントの乗っ取りを示唆している。

そしてその日の遅く、カークは「あらゆるものへのハッキングを開始した」と情報筋はTechCrunchに話した。カークは、Twitterネットワークの内部ツールにアクセスしたものと思われる。そこは、Twitterの担当者がユーザーのアカウントを効率的に管理できる場所だ。TechCrunchが公開したスクリーンショットを見ると、あきらかに管理者ツールだとわかる。なおTwitterは、このツールのスクリーンショットをシェアしたユーザーのツイートを削除しアカウントを凍結(Vice記事)した。

Twitterの内部アカウント管理ツールと思われるスクリーンショット(提供された画像)

このツールは、表向きはTwitter内部の担当者が使用するもので、ユーザーアカウントにアクセスでき、アカウントに登録されたメールアドレスの変更やユーザーのアカウント凍結なども行える(実際のユーザーが特定できないようTechCrunchで写真を加工した)。

情報筋は、カークがどのようにTwitterの内部ツールにアクセスしたのか、その具体的な方法については話さなかったが、Twitter従業員の社員アカウントが乗っ取られたとも推測できる。従業員のアカウントを乗っ取れば、カークはTwitterの内部ネットワークに自由に入れるようになる。情報筋は、Twitterの従業員の一人がアカウント乗っ取りに加担したとは考えにくいとも指摘していた。

彼らのハッキング攻撃の一環として、カークは最初に暗号通貨交換サイトBinance(バイナンス)のアカウント「@binance」をターゲットにしたと情報筋は話す。そしてすぐに人気の暗号通貨アカウントに飛んだ。情報筋によれば、カークはユーザーネームの販売額を超える金額を1時間で稼いだという。

プラットフォームのコントロールを取り戻すために、Twitterは一部のアカウント操作を一時停止し、さらに検証済みのユーザーがツイートできないようにした。これは、アカウントの乗っ取りを食い止めようとしたあからさまな対応だ。Twitterは「できるだけ早く事態を平常に戻すための処置」だったと後にツイートしている。

関連記事:著名Twitterアカウントが暗号通貨詐欺にハックされる、アップルやバイデン氏、マスク氏などに被害

画像クレジット:Josh Edelson / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterが利用約款を改正 、フィッシングや詐欺の詳細が通報できるように

米国時間9月23日、Twitterは利用約款を改正して詐欺的行為の禁止を含めたことを発表した。まだ禁止されていなかったのかと驚くが、明文での禁止はまだだったようだ。

詐欺的行為はこれまでもスパム報告ツールを通じて処理されていた。これは昨年、偽アカウントなどツイートの詳細を通報できるよう改正されている。通報のオプションにはなりすましなどの偽アカウントに加えて、悪意あるサイトへのリンクやハッシュタグなどが含まれる。しかしTwitter上に蔓延している詐欺的行為を直接禁じる条項は含まれていなかった。

約款の改正はTwitterが詐欺行為を取り締まるために力を入れていることを示すものだ。新約款は詐害的方法により経済的利益や個人的財務情報を得ようとする行為にTwitterを利用することを明文で禁じた。ユーザーはこのような目的のためにアカウントを作成し、ツイートし、ダイレクトメッセージを利用してはならない。

Twitterではユーザーのオンライン行動の変化に対応して随時利用ルールをアップデートしてきた。今日、われわれは経済的詐害行為を禁止するよう利用約款を拡大した。

Twitterではどのような行為が詐欺として分類されるのか詳しく述べている。これには偽の情報によって信頼を得ようとすること、容易に高額の収入を約束するビジネスや不正な割引の宣伝、フィッシング行為などが含まれる。詳細はヘルプセンターのこのページを参照

今回の約款改正は、Twitterが暗号通貨詐欺を野放しにしているという強い批判を受けたことによるものだろう。ユーザーに容易に大金が得られると約束する詐欺の多くは偽アカウントによるなりすまし、ツイートへのリプライ機能などを悪用している。今年、Twitterでは偽のPayPalサイトへの誘導を試みるフィッシングが発覚しており、監視を強めるべきだという批判が出ていた。

ユーザーが不正なツイートを発見した場合、新約款でも報告の必要があるのは従来と同様だ。投稿上部右側のドロップダウンメニューを開き「ツイートを報告」をクリックすると「このツイートの問題の詳細をお知らせください」というメニューが開くので適切な項目を選択する。

Twitterは通常の経済的クレームの処理には介入しないことを再確認している。通販における返金や返品、商品の瑕疵に関する苦情などなどは新約款の適用範囲外だ。

Twitterでは他の不正利用同様、詐欺行為やフィッシングを含むツイートが繰り返された場合、アカウントの無期限凍結を招く恐れがあることを指摘している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ABCテレビ、空前の大型ハイテク詐欺、Theranosの栄光と転落を放映へ

Theranosは一滴の血液から数多くの病気の検査ができるテクノロジーを開発したとしてアメリカでもっとも有名なスタートアップに急成長した。しかしその内実は大掛かりな詐欺だったという。

これについてはTechCrunchも何度も報じてきた。なかでも決定的だったのはピューリッツァー賞を2度受賞している調査報道のベテラン、ジョン・カレイルー記者がTheranosの内実を暴いた経緯をBad Bloodという大部のノンフィクションにまとめたことだろう。

このほど、ABCテレビのニュースショー、 NightlineがTheranosとファウンダーのエリザベス・ホームズ、二人三脚で会社を運営したサニー・バルワニについてのドキュメンタリーを製作した。同時に6回連続のポッドキャストの1回目が公開された(毎週水曜日に順次公開される予定)。

Nightlineの特集、ポッドキャストの製作者でABCのビジネス、テクノロジー、経済担当主任、Rebecca Jarvisはこの3年間、Theranos問題を精力的に調査してきた。ファウンダーのエリザベス・ホームズはホームズはスタンフォード大学のドロップアウトで、いっときみずから資産を築いた最年少の女性ビリオネとなった。スティーブ・ジョブズの再来とも称賛された。しかしすべては徐々に崩壊していった。

TechCrunchはRebecca Jarvis (RJ)にインタビューすることができた(読みやすくするために若干の編集を加えてある)ABCの番組のオンエア日程はまだ公開されていないが予告編はこちらで公開されている。

TC: あなたはこの3年間、Theranos問題を深く掘り下げてきたわけだが、いちばん責任があるのは誰だと思うか? ホームズだろうか、バルワニにだろうか? ジョン・カレイルーの本ではバルワニは強欲な催眠術師として描かれている。

RJ: これまでわれわれは主として公開ずみの情報に頼らざるを得なかった。しかしインタビューの多くはホームズを擁護しようとする環境だったり、テクノロジーについて直接尋ねることを避けていた。しかし何百時間分もの宣誓供述のビデオや録音が公開され、詳しくチェックすることができるようになった。ホームズはこれまで答えることを避けてきた質問に答えざるを得なくなっていた。

タイラー・シュルツ(シュルツ元国務長官の孫でTheranosの社員、後に内部告発者)が述べているとおり、タイラーはホームズとバルワニに会社運営に疑念を抱いいた。しかしホームズはこれを無視し、サニーは腕力係としてタイラーに「自分の身に気をつけろ」と脅してこの問題を追求させないようにした。

TC: 2人は長年恋人関係にあったといいうことだが、本人たちも認めていたのか?

RJ: イェス。この番組では2人がロマンティックな関係にあったことを認める供述をしているのが見られる。

TC: 多数の供述に目を通してきたと思うが、いちばんショッキングだったのはどういう部分だったろうか?

RJ: 「Theranosの分析装置は病院、救急ヘリ、その他さまざまな医療施設で利用されている」とホームズが繰り返した述べていたことは多くの人々が証言している。ところが今回明らかになった宣誓供述では、その答えは一貫してノーだった。Theranosの装置は使われていなかった。【略】一滴の血液で診断ができるというのは願望であり現実ではなかった。誰がも知るとおり、願望と現実の間のギャップは深い。

TC: 司法省は2人を昨年6月に刑事訴追したが、ドキュメンタリーではこれも扱っているのか?

RJ: 2人とも司法省の訴追に対して無罪を主張している。ホームズのSECとの和解には「不法行為に関して認諾するものではない」という条項が入っていた。Balwaniは依然SECと争っている。いずれにせよ2人とも司法省の訴追に対して法廷で対決せざるを得ない。現在の政府の部分閉鎖で手続きは遅れている。

【略】

TC: ホームズには人格障害があったと思うか?

RJ:精神医ではないのでそれに答えられる資格はないが、ホームズをよく知る人々は「ソシオパス」という言葉を使っていた。

ホームズ家の友人で子供の頃のエリザベスを知る人々は「非常に早熟だった」という印象を語っている。「ぜがひでも成功する」と考えるようになったのは家族の歴史が関係があったと考える人々もいる。ある種の「失楽園」の物語だ。ホームズ家はイースト酵母で巨富を築いたチャールズ・フライシュマンの子孫だ。世代を重ねるに従って資産は失われ、父親のクリスチャン・ホームズの代に至る。これがエリザベスの性格に影響を与えたと考える人は多い。

TC: 調査の期間中、身の安全に不安を感じることはなかったか? ホームズは自分に都合の悪い人間を繰り返し脅迫したことで知られている。

RJ: それは別に感じなかった。われわれは何度もTheranosを訪れててはそのつど追い返されたのは事実だ。栄光の時代から転落に至る時代のすべてについてTheranosで働いていた経験のある人々にインタビューできた。ある証言者の女性は友達の家に転がり込んで数日ソファーで眠った。この住所は母親にも告げなかったのに法的文書が送達された。そのため彼女は「尾行されている」と確信したという。

【略】

TC: Theranosには著名人を含む大勢の人々が投資した。こうした投資家に同情を感じるか? 投資にあたってはデューデリジェンスの必要性が強調されてきたが、投資家はなぜやすやすと騙されることになったのだろう?

RJ: 残念ながらアーリー・ステージのスタートアップへの投資ではあまり詳細なデューデリジェンスは行われないのが普通だ。番組では200人の投資家の代理人を務める弁護士にインタビューしている。この人物は(投資詐欺で服役中の)バーニー・マドフを訴えた原告の弁護人をしたこともある。彼によれば、どちらも「社会的親近感を利用した詐欺」だという。尊敬すべき社会的サークルに属していれば投資しても安心だと思いこんでしまう。(アムウェイ創業家の財産を継ぐ)ベッツィ・デヴォスもメディア王のルパート・マードックも巻き込まれた。プロフットボールのニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート、クラフト、ウォルマートのウォルトン一族もだ。しかし損失を被った投資家はそうしたビッグネームばかりではない。企業幹部の元秘書は「これが次のAppleになる」という情報を聞いて退職後の資産の大部分を投資し、すっかり失ってしまたという。

(名門ベンチャー・キャピタリスト、DFJの共同ファウンダー) ティム・ドレイパーはホームズがスタンフォードからドロップアウトした直後に100万ドルを投資した。これがホームズが調達した最初の資金だった。ドレイパーの娘、ジェシーがエリザベスの友人だったからだという。しか2011年に著名人を集めた取締役会を組織できたのはスタンフォードの工学部長だったチャニング・ロバートソンの支援を取り付けたからだ。ロバートソンは非常に尊敬されている教授だったので取締役会に加わったことがホームズへの信頼性を大きく高めることになった。しかしスタンフォードの教授の多くは 学部で2年に満たない教育しか受けていない学生が革命的な医療機器をどうやって開発できたのか不審に感じていた。

(日本版)Uberの最初期の投資家として知られるVC、ジェイソン・カラカニスは著書、エンジェル投資家でTheranosへの投資を断ったことについて触れ「医療のような困難な分野で19歳のドロップアウトが革命を起こせると思うのが間違っている」と厳しく批判している。

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滑川海彦@Facebook Google+

Chromeにモバイルの会員登録詐欺(キャリア課金!)を防ぐ警告機能が登場

Googleが今日(米国時間11/8)、近くChromeブラウザーにモバイルの会員登録詐欺を防ぐ機能を設ける、と発表した。それは、ユーザーに電話番号を入力するよう求め、それに応じると勝手に月額の会費が発生し、それがキャリアへの毎月の支払額に自動的に含まれてしまう。12月のChrome 71より、そのサイトが、モバイルの会員登録であることを明示しない場合、警告をポップアップする。

ユーザーに会員登録をさせようとするサイトが一律にこの仕組みに引っかからないようにするために、Googleはデベロッパーのためのベストプラクティスを今日公開した。それによると一般的にデベロッパーは、課金情報をユーザーの目につきやすい場所・形で表示しなければならない。具体的な金額と料金体系も、表示すること。

その情報がない場合、Chromeはフルページの目立つ警告を表示する。それがユーザーにとって問題のないサイトなら、先へ進めばよい。Googleは警告表示をする前にSearch Consoleで詐欺の可能性をWebマスターに通知するが、もちろんそれが擬陽性である場合もある。

この新しい機能はモバイルとデスクトップの両方で提供され、AndroidのWebView(アプリ内Webブラウザー)にも表示される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、盗んだコンテンツのサイトをニュースフィードで降格

Facebookは、低俗なニュースパブリッシャーや他の情報源から不正に記事を転載するウェブサイトのランキングを下げる。本日(米国時間10/16)同社は、コンテンツの信憑性に関するこの新基準に加えて、クリックベイトや低俗広告満載のランディングページのサイトへのリンクを、ニュースフィードで目立たなくすることをTechCrunchだけに伝えた。これはFacebookが行ったアンケート調査と対面インタビューで、かき集めコンテンツをユーザーが嫌っているとわかったことを受けての動きだ。

不正入手された知的財産がニュースフィードで配信されにくくなれば、参照トラフィックが減り広告収入も減るので、悪党共が記事や写真やビデオを盗む動機づけがそもそもなくなる。その結果ウェブ全体でコンテンツの信憑性が改善される効果が期待できる。

そして、 最近起きたFacebookの大規模セキュリティー侵害によって2900万ユーザーが盗まれたプロィールデータが万一オンライン公開されたたときに備えて、Facebookはデータへのリンクをフィードから事実上排除するポリシーをすでに制定している。

Facebookの最新ニュースフィードポリシー変更によって降格されるタイプのサイトは、たとえばこれだ。”Latest Nigerian News” は、最近の私のTechCrunch記事を抜き取り、山のような広告で包み込んだ。

An ad-filled site that scraped my recent TechCrunch article. This site might be hit by a News Feed demotion

「当社は本日より、他サイトのコンテンツを複製、転載するだけで独自の価値を持たない低級なサイトにリンクする投稿を、ユーザーが見ることが少なくなるアップデートを公開する。これに伴い当社のパブリッシャー向けガイドラインを修正する」とFacdbookが低俗広告満載サイトの降格について書いた2017年5月の投稿への補遺書いた。Facebookは新しいガイドラインで、報道機関はコンテンツを転載する際に独自コンテンツや価値を付加しなければFacebookコミュニティーの怒りを買う、と警告するつもりだと本誌に語った。

個人的には、こうした話題に関する透明さの重要性を考えると、Facebookは元記事の更新だけでなく、新たな記事を書くべきだと私は思う。

さて、Facebookはどうやってコンテンツが盗まれたものだと決めるのか? システムはあるページのテキストコンテンツが他のあらゆるコンテンツと一致しているかどうか比較する。この一致の程度に基づいてサイトがコンテンツを盗んだかどうかを予測する。この予測値を、サイト見出しのクリックベイト加減やサイト広告の質と量と組み合わせて盗難コンテンツを決定する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク、TwitterでSECを挑発

木曜日(米国時間10/4)の午後、Tesla CEO Elon Muskは米国証券取引委員会(SEC)を挑発するツイートを発信し、わずか数日前この億万長者起業家に対する証券取引詐欺告発の和解に合意したばかりの相手を怒らせた。

木曜日の午後1時16分(西海岸時刻)に発信されたツイートにはこう書かれていた:

「あのShortseller Enrichment Commission[空売り推進委員会/SEC]は素晴らしい仕事した。名称変更もキマっている」

elon musk trolls sec twitter

SECはコメントを拒んだ。Teslaはコメント要求にまだ応じていない。

Tesla株は4.4%安で引けた後、時間外取引で2.5%下落し、その後わずかに戻した。

その後Muskは謝罪した。ただしそれは嘲りのツイートについてではなかった。それどころか彼は挑発に輪をかけるようにタイプミスについて謝った。、

elon musk twitter sec typo tweet

Muskの支持者たちでさえ一連のツイートを喜ぶ人ばかりではなく、CEOは株価を台無しにしたと責めた。Muskのアドバイスはこうだった:「いまは我慢の時。本物の長期投資家なら心配はいらない」

ほんの数日前、MuskはSECに訴えられた証券詐欺の和解に合意した。それはTeslaとその株主を壊滅させかねない告発だった。9月29日に成立した和解の結果、MuskはTeslaの会長職を辞すとともに罰金2000万ドルを支払うことに合意した。

罰は課されたものの、MuskはCEOの地位を守り、取締役会の席も維持できたことで、これはこれはおいしい取引だったと見られている。MuskはSECの主張を承認も否定もしていない。

Muskは合意形成から45日以内にTeslaの取締役会会長の役職を退かなくてはならない。今後3年間彼は再度選任されることも指名を受けることもできない。社外の会長が指名されることが和解契約で決まっている。

SECによると、Teslaは別途2000万ドルの罰金を支払うことに同意している。Teslaに対する告発と罰金は、情報開示義務の不履行およびMuskのツイートに関連する手続きによるものであるとSECは言った。

訴状の中でSECは、Muskが8月7日に同社を1株あたり420ドルで非上場化するための「資金を確保」したとツイートした際、嘘を言ったと告発している。同委員会はツイートの一週間後に、Teslaに召喚状を送った。その6週間後に訴状が提出された。

告発されたのはMuskおよびTesla取締役会が、SECとの合意を突然撤回した後だった。取締役会は合意を破棄しただけでなく、訴追後もMuskを擁護する大胆な声明を発行した。New York Timesの報道によると、Muskは取締役会に対して最後通告を出し、もし取締役会が合意を強要するなら辞任すると脅したという。

結局和解は成立したが、罰は当初の合意案よりも重くなった。

それでもウォール街はこの合意を好意的ニュースとして扱い、その結果Tesla株は上昇しSECの主張によって生じたそれまでの損失を帳消しにした。

木曜日の一連のコメント後、連邦判事はSECおよびTeslaに対して、裁判所がこの同意判決を承認すべき理由を説明する共同文書を提出するよう求めた。

連邦地方裁判所のAlison Nathan判事は、同意判決が「公正かつ妥当」であるかどうかは地方裁判所が決定すべきであると言い、10月11までに説明文書を提出するよう両者に指示した。

Muskのツイートが、裁判官の命令に対する反応であったかどうかは不明だ。

画像クレジット:Mark Brake / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

“Amazonで売れば誰でも儲かる”システムを無知な消費者に売る詐欺集団をAmazonとFTCが訴訟

Amazonによると、同社は今、連邦取引委員会(Federal Trade Commission, FTC)による消費者詐欺の捜査に協力している。詐欺容疑者のSellers Playbookはミネソタ州の企業で、Amazon上の出店者(出品者)のお金儲けを助ける、と称していた

FTCとミネソタ州は今日(米国時間8/6)、Sellers PlaybookとオーナーのJessie TievaおよびCEOのMatthew Tievaを、起訴したことを発表した。結婚している二人はAmazonとの提携関係等はないが、大掛かりな儲け話を被害者たちに持ちかけていた。FTCとミネソタ州法務長官室は、Sellers Playbookが消費者を騙して、Amazonに店を出して製品を売れば毎月数千ドル儲かる、という嘘の仕組みを売りつけていた、と申し立てている。

FTCとミネソタ州は、訴状にこう書いている: “被告は消費者を勧誘して彼らに高価なビジネス機会(“儲け話”)を買わせ、‘この完全なサービスとすぐに使えるパッケージ’で、4000億ドルのAmazonのパイの一切れを手にすることができる、と誘ったが、そのシステムのユーザーのほとんどがそのような収益を達成できず、実際には多くが金を失った”。

一方Jessie TievaとMatthew Tievaは訴状によれば2017年4月から2018年5月までの間に1500万ドルあまりを獲得し、一部の消費者は彼らに32000ドル以上もつぎ込んだ。

FTCによると、Jessie Tievaと彼女にビジネスの一つ、Exposure Marketing Company (Sellers OnlineとSellers Systemとしても知られる)は過去にも同様の“Amazonでお金を儲ける”仕組みFBA Storesを宣伝して売り、多くの購入者が大金を失った。FTCはSellers Playbookに対する訴状で、こう言っている: “Tievaはお決まりの手口として、FBA Storesを売り込むライブイベントで毎回、実体のない偽りの商機を主張した”。

FBA Storesは3月に運用を停止し、その前にはFTCと1億200万ドルの和解に達した。Amazonとワシントン州もFBA Storesに対して同様の訴訟を起こし、彼らが消費者を“食い物にした”と非難した。FBA Storesの事件では、Tieva夫妻は被告ではなかった。

この事件でAmazonはこう声明している: “Amazonの上で売っている起業家や小企業は、弊社とその顧客にとってきわめて重要である。弊社は彼らの販売体験を害することを試みる者たちを強く追及する。弊社は弊社のストアの真正性を保護し、また顧客と売り手を保護するために大きな投資をしている。またそのために、消費者保護機関や法執行当局とも密接に協働している。詐欺や不正行為に対して弊社は完全に不寛容であり、今後も継続的に、法執行当局と協力して犯罪者を追及していきたい”。

本誌TechCrunchは今、Sellers Playbookにコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大型ICO関係者、証券詐欺で起訴――ボクシングの元チャンプ、メイウェザーもCentra Techの広告塔だった

ICOで3200万ドルを集めたCentra Techの共同ファウンダーに有線通信詐欺、証券詐欺等の容疑がかかっているとはすでに報じたが、このほど3人が正式に起訴された。有罪になれば最低でも5年の刑期が課せられる。

共同ファウンダーはRaymond Trapani、Sohrab Sharma、Robert Farkasの3名で、ICOによって投資家を騙そうとしたという。Centra Techの詐欺行為ではトークン販売を助けるためにVisaとMasterCardと提携したという虚偽の宣伝をしたとされる。ニューヨーク南部地区連邦検事、Robert Khuzamiによれば、容疑者たちは「暗号通貨関連の資産を販売すると称し、有線通信詐欺、証券詐欺を構成すべき計画を予謀し、かつ実行した。これにより複数の被害者に重大な情報の隠蔽、捏造によりCentra Techが発行したものと称して暗号通貨トークンを用いて無登録の証券を販売し、数百万ドルの損害を与えた」と述べている。

ボクシングの元世界チャンピオン、フロイド・メイウェザー・ジュニアや著名なアーティストのDJキャレドのようなセレブもをInstagramにCentra TechのICOを支援する投稿を掲載し、同社のクレジットカードを使ってBitcoin、Ethereum、「その他のコイン」による支払ができると述べていた。メイウェザーの投稿はこちらだったが、現在は削除されている。

3人の共同ファウンダーの行為はことの他悪質とされ、SECもきわめて厳しく追求している。Khuzami検事によれば、3人はトークンを販売するためにさまざまな捏造を行ったが、その中には偽のCEOをでっち上げることが含まれていたという。【起訴状略】

FBIは詐欺チームが所有していた9万1000 Ether(9000万ドル相当)を差し押さえた。3人は「長期5年の刑となるべき証券詐欺の謀議1件、長期20年の刑となるべき有線通信詐欺の謀議1件、長期20年の刑となるべき証券詐欺1件、長期20年の刑となるべき有線通信詐欺1件」の容疑に直面している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ベトナムのICOで6.6億ドルと首謀者7人が消えた――愚か者とその金は…?

ベトナムに本拠を置くスタートアップ、Modern TechはPincoinというトークンを売り出してICOを行い、3万2000人から6億6000万ドルを集めた。Modern TechはPincoin ICOの後、投資に対する継続的利益を約束しつつ、続いてiFan(セレブ向けソーシャルネットワーク・トークンとやらいうもの))を売り出した。Picoinの出資者は当初、キャッシュで配当を受けるが、その後iFanのトークンが利益として支払われるはずだった。

その後、連中は姿を消した。

こういう手口はエグジット・スカムと呼ばれるが、その中でも今回の事件は近年稀に見る規模だ。またICO市場の今後を考える上でも大いに示唆するものがあった。ベトナム国籍の7人組は、騙されたと知った大勢の投資家が本社に押しかける中、密かに国を脱出していたという。

Tuoi Treの報道によれば、

この事件の首謀者はベトナム国籍の7人で、チームはハノイやホーチミン市、さらに地方都市でもカンファレンスを開き、投資家を釣り寄せていた

7人組は投資家に対して最初の出資に対して月48%の利益が得られるとし、4ヶ月後には投資元本が回収できると説明していた。また新たな投資家を紹介できた場合、その投資額の8%がコミッションとして与えられると約束した。

この「新たなメンバーを引き込むとボーナスが支払われる」というPincoinの仕組みはどこかで聞いたことがある人も多いだろう。スカム屋どもはこの1月までは約束どおりキャッシュで支払っていたが、その後は支払をiFanトークンに変えた。そして先月、洒落たオフィスはもぬけの殻になった。後に残ったのは作りかけではあるが妙に出来のよいウェブサイトだけだった。

そのサイトを詳しく観察すると、ビジネスモデルが巧みなごまかしの上に成り立っていたことがよくわかる。「PINプロジェクトの使命は、共有経済の原則の上に世界のコミュニティーのために共同消費のプラットフォームを構築することであり、これにはブロックチェーン・テクノロジーによる暗号通貨が用いられる…」といった空中のパイ〔絵に描いた餅〕の羅列だけで、どこを探してもファウンダーやアドバイザーについての言及がない。しかも多国語の洒落たホワイトペーパーにさえファウンダーの身元をはっっきりさせるような情報がない。簡単にいえば7人組が力を入れたのはもっともらしいウェブサイトを作ることで、これによって大勢にちゃんとした会社であると信じ込ませることに成功した。

Viet Baoによればチームは以下の7人だという。Bui Thi My Ngoc、Ho Phu Ty、Ho Xuan Van、Luong Huynh Quoc Huy、Luu Trong Tuan、 Nguyen Duc Trong、Nguyen Trung Hieu、Vu Huu Loi。彼らはPincoinとiFanをゼロから立ち上げて数ヶ月で数千万ドルの規模にした。【略】

口先巧みに人を丸め込もうとした興味ある例がiFanのページに見出される。ページの中ほどに彼らのトークンは「Ethereumプラットフォームを利用している」とあり、続いてEthereumの値動きやビジネスの規模が紹介されている。つまりiFanトークンの価値がEthereumと直接連動しているかのように思い込ませようとした表現だ。

このくだりは7人組のホワイトペーパーの中にも出てくる。

現在のような規制のないICOビジネスは「愚か者とその金はすぐに別れる」ということわざの興味深い実例となる雲行きだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+