新型コロナと戦う500 Kobe Accelerator 2020の参加スタートアップ17社が決定、国内からは6社が選出

神戸市は8月27日、米国・シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」と共同開催の 「500 KOBE ACCELERATOR」の2020年の参加チームが決定したことを発表した。5回目となる今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止をテーマに「500 KOBE Accelerator 2020 for COVID-19 Emerging Technology」という名称で、社会課題の解決を目指すスタート アップを募集した。

プログラムをすべてオンラインで実施され、9月7日から10月30日の8週間に渡ってメンタリングや講義、コミュニティ形成支援などを実施。11月12日に開催するデモデイで投資家や事業会社に成果を発表することになる。

今回は応募総数は 237社で、国内は75社、海外は162社という内訳となった。今回参加企業に選ばれたのは17社で、国内6社、海外 11社となった。以下、参加スタートアップを国別に紹介する。

なお、メンターは500 Startupsが担当するが、神戸市からはスペシャルメンターとしてビジョンケア代表取締役社長の高橋政代氏が加わる。

日本

Sportip
AIによる動作解析やコミュニティ機能を備えた、フィットネスクラブ・整体医院向けの指導効率化サー ビス「Sportip Pro」および個人向けサービス「Sportip Meet」の提供。

Zenu
スマートフォンで飲食店での注文や決済が可能となる飲食店向けの簡易デジタルメニュープラット フォームを提供。飲食店は購買データの分析も可能。

Pocket Passport
オンラインで特別な英語レッスンを簡易に作成しスケジュール管理も行える教育者向け授業管理プラッ トフォームの提供。

Kalkul
空間音を活用してデジタルとフィジカルを融合を図る新たなオーディオ機器の提供。

Dream Drive
カスタムキャンピングカーのオンラインリースサービスの提供や日本国内のロードトリップ情報を発信。

Langualess
動物の心拍を計測し、心拍データをアルゴリズム解析することで、動物の状態や感情を読み取ることの できる機器の開発・販売。

米国

Humaxa
AIによるチャットボットやレコメンド機能を活用し、従業員の定着率向上や管理の効率化を実現するリ モートワーク向けAIアシスタントツール「Max」の提供・開発。

LearningPal
AIの活用により事務作業の80%を削減可能とする、紙資料のデジタル化と文書管理のための企業向けプ ラットフォームを提供・開発。

台湾

AESOP Technology
過去の処方箋データを用いた機械学習システムにより、投薬誤りを特定する精度を向上させ、医療に関 わる不必要なコストの削減を図る。

Brain Navi Biotechnology
AIによるデータ解析、コンピュータビジョン、ロボットアームを活用した手術ナビゲーションシステム 「NaoTrac」や感染症の検査ロボット「Nasal Swab Robot」など医療機器の開発。

インド

Health Sensei
バイタルデータの遠隔モニタリングと患者データのオンライン管理を行える遠隔治療プラットフォーム の提供。

Chezuba
60か国以上のNGOと100か国以上の専門的なスキルを持つ個人をつなぐオンラインボランティアプラッ トフォームの提供。

シンガポール

Meracle
薬の管理と投薬効果のデータの解析により慢性呼吸器疾患の治療効果を高める治療ツール「Meracle」 の提供・開発。

SenzeHub
体温、心拍数、血中酸素量、血圧など、バイタルデータのリアルタイムモニタリングによる健康管理を 行う、ウェアラブルデバイスの販売・開発。

アルゼンチン

Osana Salud
オフラインとオンラインの双方で日々の健康管理を行う、サブスクリプション型プライマリーケアサー ビスの提供。

フィリピン

Parmazip
薬局向けのオンライン無料POSおよび在庫管理システムの提供を通じ、薬データをオンラインで共有 し、薬のオンライン受注と配送を可能にする。

オーストラリア

Yondo
1対1のビデオ通話やグループウェビナー、オンデマンド動画など、様々な業種に向けオンライン動画に よるセールスソリューションを提供するEコマースサービスを提供。

神戸市と500 Startupsの支援プログラムが6月開始、新型コロナと戦うスタートアップを国内外から募集

神戸市長の久元喜造氏は4月23日、神戸市と米国のベンチャーキャピタルである500 Startupsと連携したスタートアップ育成プログラム「500 KOBE ACCELERATOR」の参加募集を6月から開始することを明らかにした。新型コロナウイルス蔓延のため、プログラム自体は完全にオンラインで実施され、プログラムの成果を発表する場であるDemo Dayも現在のところオンラインでの開催を検討しているとのこと。

なお、すでに4月20日から神戸市独自で同様のプログラムの募集が始まっているが、重複して応募することも可能とのこと。

関連記事:神戸市が新型コロナと戦うスタートアップを募集、2営業日以内のオンライン一次審査後に社会実装へ
500 KOBE ACCELERATORは、約6週間の短期集中型起業家支援プログラムで、日本発のスタートアップエコシステムを神戸から生み出すことを目指して2016年から開催しているもの。第4回の昨年は、ヘルステック領域に特化。神戸市は、人工島であるポートアイランドに先端医療技術の国際的な研究開発拠点として神戸医療産業都市を有しており、医療関連のスタートアップを育成する環境が整っていることからテーマが決まったそうだ。申込数は174社で、そのうち半数以上が海外からの申し込だったとのこと。第1回からの採択企業の累計資金調達額は100億円を超える。そのうち3社はM&Aによる事業買収を受けたほか、8社は現在も神戸を拠点に活動している。

5回目となる今年は、さらにジャンルを絞り込み新型コロナウイルス(COVID-19)と戦うスタートアップ企業を募集する。開催概要は以下のとおりだが、コロナウイルス感染への治療や創薬、一部の医療機器開発などの事業は対象外となる。

また投資プログラムではないため、採択された企業への500 Startupsの基本的に出資はない。プログラムは原則として英語で実施されるが、講義ビデオは日本語字幕付きで、メンタリングは必要に応じて逐次通訳でサポートする。

  • プログラム名:500 KOBE Accelerator 2020 for COVID-19 Emerging Technology
  • 募集期間:2020年6〜7月(予定)
  • プログラム期間:2020年8月から10月(予定)
  • 開催方法:オンライン(デモデイの開催方法は社会状況に応じて今後検討)
  • 対象領域:ウイルス感染予防、公衆衛生などに関する正確な情報発信(デマ防止)、健康管理、リモートワーク・学習、食品物流、オンラインイベントなど
  • 参加資格:国内外の起業家または起業家候補でシード(最小限のプロダクト・モデルを開発済み)、アーリー(製品開発済み、顧客あり、第三者からの投資を獲得する段階)期にある ※すでに製品やサービスを持っており、チーム活動しているスタートアップを推奨
  • 参加者枠:20チーム

プログラム内容は以下のとおり。

  • メンタリング:500 Startupsのグローバルスタッフによる1対1形式のメンタリング
  • 講義:マーケティングやマネタイズ手法、UX/UI、資金調達などに関する専門家による講義
  • コミュニティ:選抜されたスタートアップのコミュニティ形成支援
  • 神戸医療産業都市のサポート

記者会見で久元市長は、新型コロナウイルス感染症対策で1624億円の緊急補正予算を組むことも発表。

この予算により、医療や教育、ひとり親やDVの被害を受けている人、中小企業への支援などを進める方針だ。そして、500 KOBE ACCELERATORプログラムでスタートアップの力も借りて戦後最悪ともいえる難局を乗り越える。

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NextView Venturesがスタートアップ向けリモートアクセラレーターを開始

シリコンバレーのリーダーであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は先週末、いつもの沈黙を破りシリコンバレーに向けいくつかのアドバイスを送った。「It’s time to build(構築するのは今だ)」。有名な投資家である同氏はCEO、起業家、投資家すべてに新しい企業を迎えようと呼びかた。

ブログの投稿で数々の野心的な提案を披露しているが、読者の立場によって受け取り方は異なるだろう。だが、自分はビジネスにオープンであると証明したがるベンチャーキャピタリストを試すにはもう少し地に足のついた方法がある。タームシートにサインして、小切手を切れるかどうかだ。

ブログで語られた言葉は、ボストンに本拠を置くベンチャーキャピタルであるNextView Venturesの理論、そして4月20日に発表された新しいリモートアクセラレータプログラムと不気味なほどに似ている。

「現在の新型コロナウイルス(COVID-19)危機の間に多くのVCが『ビジネスにオープン』であると公言するのを見てきたが、当社は投資に関して言行一致でありたい」とパートナーのDavid Beisel(デイビッド・ベイゼル)氏は語る。

NextViewは、既存ファンドから資金を一部振り向け、10に満たない数のプレシードおよびシードスタートアップの株式の8%に20万ドル(約2150万円)を投資する。プログラムは完全にバーチャルで行われ、「市井の人々の日常の生活」を変える力になる創業者に投資する。

NextViewの共同創業者であるRob Go(ロブ・ゴー)氏は、プログラム開始についてツイートした。

NextViewアクセラレータの立ち上げは、Y Combinator500 Startupsなどの従来の名だたるインキュベーターが自身の戦略を考え直しているこの時期に行われる。Y Combinatorは4月20日、次のバッチが完全にリモートになると発表した。500 Startupsは2020年3月にコホートモデルを廃止すると発表した。

同社はまた、大きなバッチサイズや派手なデモデイなど、従来のアクセラレータープログラムのどこが悪いかについてコメントを出した。「アクセラレーターは小規模で親密な雰囲気なら最高だ。YCの最初のバッチはわずか8社だった」とベイゼル氏は参加者の少なさについて語った。「だが時間が経つにつれ、アクセラレーターは数字ゲームのようになった」。

ベイゼル氏はこう付け加えた。「もともとアクセラレーターのデモデイは、スタートアップをフォローしたい投資家への紹介手段として始まったが、最近は多くの関係者を満足させる念入りなショーへと進化した」。

とはいえ、デモデイについて避けられない真実は、それがスタートアップと創業者を結び付け、うまくいけば最初の小切手をもたらすきっかけになるということだ。ジャーナリストやベンチャーキャピタリストが集まる場所で創業者の顔にスポットライトが当たるような機会がなければ、ディールに成功をもたらすことなどできるだろうか。

YCと500 Startupsが2020年に初めてバーチャルデモデイを開催した後、筆者らはさまざまな不平を耳にした。Y Combinator先週、YCの卒業生に常に投資する方針を変え、原則としてケースバイケースでレビューする方針とした。アクセラレーター内部にある保守主義をほのめかす例だ。

NextViewはアクセラレータープログラムの後の資金調達にも控えめに取り組んでいる。同社は、小規模なコホートを次のラウンドに参加する投資家につなげるものの「次のラウンドの資金調達をリードすることはあえてしない」と述べている。同社がプログラム後の投資ラウンドをリードしない方針を明らかにしたのは「将来の資金調達で何らかのシグナルを送ってしまう可能性を回避する」ためだという。ただ同社は、コホートを支援するため、プログラム後のすべての企業の資金調達ラウンドに少なくとも同じ割合で参加する。

この決定を楽観的に捉えるなら、NextViewは自身のアクセラレーター機能を投資会社とは別のものと見ており、ディールフローのパイプラインを厚くするというよりは助けになればいいと考えているのかもしれない。あるいはそうではなくて、今後の景気が予測不可能な時期に投資に過剰にコミットしたくないだけかもしれない。ただ、バッチの中に宝石を見つけたとしてもNextViewがその会社に投資しないのは驚くべきことだ。

はっきりしているのは、NextViewがアクセラレーターを立ち上げ、多くのVCが投資を控える中でNextViewはスタートアップに投資しようとしているということだ。すばらしいリターンをもたらす若いスタートアップの育成に同社がどれだけ成功するかは時を待たなければならないが、今のところ、同社は何かを構築しているといえる。今日のニューノーマルの下では、構築することは歓迎すべき兆候だ。

画像クレジット:erhui1979 / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Googleのベテランことトニー・ワン氏、マネージングパートナーとして500 Startupsに参加

サンフランシスコを拠点とするアクセラレーターの500 Startupsは、Tony Wang(トニー・ワン)氏を雇い、経営チームを拡大する。

ワン氏は2014年からCOO(最高執行責任者)を務めていたColor Genomics(カラー・ゲノミクス)というスタートアップ企業から500 Startupsに移る。Color Genomicsはベンチャーキャピタルから支援を受けている遺伝子検査キットの会社だ。Color Genomicsの前は、Twitter(ツイッター)でグローバルパートナーシップ&開発担当バイスプレジデントを務め、またGoogle(グーグル)の国際事業の法律顧問も務めていた。

ワン氏は声明にて「ベンチャーキャピタルの世界は、500 Startupsが過去十年間に渡ってリーダーとして投資してきた場所で、グローバル化という劇的な変化の最中にあります」と述べた。「世界中に才能ある起業家がいることは、500 Startupsが投資するユニコーン企業の数からも明らかだ」。

CEOのChristine Tsai(クリスティン・ツァイ)氏が率いる500 Startupsは、TalkDeskやTwilio、GitLab、Canvaなどに初期から投資している。

500 Startupsのシードファンドは4カ月のシードプログラムを通じて、6%の株式と引き換えに参加企業に15万ドル(約1600万円)を投資する。こちらでは500 Startupsの最新のプログラムを完了させたスタートアップの詳細が確認できる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

神戸市がヘルステック強化へ、医療系に特化したアクセラレータープログラムの募集開始

神戸市は7月29日、米国シリコンバレーのVC(ベンチャー・キャピタル)である500 Startupsと共同で、「500 Startups Kobe Accelerator」の募集を開始した。今年で4回目となるアクセラレータープログラムで、過去3回で計56社のスタートアップを育成し、資金調達額は計80億円超となっている。

アクセラレータープログラムの正式名称は「500 Startups Kobe Accelerator with a focus on Health」。過去3回は特にジャンルを決めずデジタル分野全般を対象としていたが、今回はヘルステック関連に絞ったスタートアップ育成に特化する。

神戸市は、雇用の確保や経済活性化、市民の健康・福祉の向上、そしてアジア諸国の医療技術向上への貢献を目的とし、阪神・淡路大震災の震災復興事業として1995年から神戸医療産業都市という取り組みを進めている。

具体的には、医薬品、医療機器再生医療を重点的な研究分野として、研究機関、医療機関、企業などの誘致や共同研究などを実施。同市によると、現在約350拠点の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積が進んでいる。

この取り組みの一環として神戸市が開発した人工島であるポートアイランドには、先端医療研究センター、神戸臨床研究情報センター、国際医療開発センター、神戸ハイブリッドビジネスセンター(レンタルラボ施設)などが集まっている。これらの施設にら、神戸空港からはポートライナーを使って1〜2駅、10分以内に行けるという立地のよさは注目だ。

今回のアクセラレータープログラムは、この神戸医療産業都市の目的に沿ったかたちで開催される。選抜されたスタートアップは、神戸市が主導することにより、通常は難易度の高い医療機関や医療系企業との連携や情報共有が可能になる見込みだ。

募集期間は8月31日までで、専用ウェブサイトで参加者を受け付ける。書類と面談で選考を進め、最終的には約20社に絞り込む予定だ。同プログラムは、すべて英語(日本語同時通訳あり)で実施され、海外からの参加申込も積極的に受け付けている。昨年は海外スタートアップが半数を超え、全体では237社が集まったとのこと。なお、8月5日19時〜20時30分にはオンライン説明会も開催する。この説明会では、概要説明のほか、過去参加者によるQ&Aなどが予定されている。

参加資格は以下のとおり。

  • 国内および海外の起業家または起業家候補
  • シード(最小限のプロダクト・モデルを開発済み)、アーリー(製品開発済み、顧客あり、第三者からの投資を獲得する段階)のステージ
  • 診断・治療支援、病院等の業務改善、健康増進、栄養管理、介護支援、障害者支援などヘルステック(医療機器などハードウェアを含む)でベンチャーキャピタルなどの外部資金が調達可能なビジネスを持っている(創薬や医療機器の一部のように事業化までに数年を要するものは対象外)
  • すでに製品やサービスを持っており、チーム活動しているスタートアップを推奨

プログラム期間は11月4日~12月16日までだが、前半2週間(11月4日~11月15日)、後半2週間(12月2日~12月13日)に分かれる。最終日の12月16日は、デザイン・クリエイティブセンター神戸KIITO(神戸市中央区小野浜町1-4)でデモデイが開催される。

American Expressが日本のレストラン予約サービスPocket Conciergeを買収

American Express(‘アメックス’)が日本で買収を行い、レストラン予約サービスPocket Conciergeを手に入れた。その価額は公表されていない。

買収は日本語で発表され、日本で最初の投資先としてPocket Concierge等を選んだ500 Startups JapanのトップJames Rineyによる英語の発表記事もある。

2013年にローンチしたこのサービスは、ミシュラン星付きや数か月の予約待ちとなるような特別のレストランのみを対象とする。今では800店のレストランを扱い、日本語と英語と中国語で利用できる。コンペティターはOpenTableや、日本のTableAllなどだ。

American Expressによると、Pocket Conciergeは完全子会社として操業を続ける。そして、同社のカード会員サービスとの統合も計画している。

Pocket Conciergeを経営しているPocket Menuは、シードラウンドで60万ドルを調達した。投資家は、500 Startupsおよびその他大勢だ。さらにその後額面非公開のシリーズAやそのほかの投資も、ものにしてきた。ファウンダーのKei Tokado(戸門慶)はシェフ出身で、2015年には協同ファウンダーでCFOのTatsuro Koyama(小山達郎)が加わった。

Rineyはこう書いている: “日本で始めたときは、日本における、国境をまたぐM&Aについて話をしていた。外国企業が日本の企業を買収する形は、この国で価値を解き放つ有効な方法である。しかし疑う人が多いのも当然であり、したがって数も少ない。Pocket Conciergeは、それができることを実証しただけでなく、世界でもっともよく尊敬されている企業群を事業運営のホームグラウンドにしている”。

American Expressは昨年、トラベルアシスタントMeziイギリスのフィンテックCakeなども買収している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPadで問診、医師と看護師の働き方改革を目指すCAPSが資金調達

写真中央がCAPSで最高医療責任者を務める白岡亮平氏

CAPSは12月20日、第三者割当増資による500 Startups Japanからの資金調達を発表した。調達額は1億円を超えない額。

同社は、かかりつけの医療機関向けの総合支援サービス「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメント」を提供する創業4年目の企業。これはクリニックを開業する際の不動産の選定・取得から、経営システム、電子カルテの構築・運用、医師や看護師の募集をまとめてアウトソージングできるサービス。365日、夜間対応も可能な診療体制を支援する。

現在は、CAPSの最高医療責任者・白岡亮平氏が理事長を務める医療法人社団ナイズ向けにサービスを提供中だ。ナイズは、西葛西、北葛西、代官山、紀尾井町、柏の葉の首都圏6拠点でクリニックを運営しており、のべ16万人以上(2017年実績)の患者がいる。CAPSとしては当面、同サービスを導入しているナイズの拠点を増やしていく方針だが、将来的にはほかのクリニックへの提供を積極的に進め「2021年ぐらいに100拠点を目指す」とのこと。

白岡氏によると「医療機関は全国に10万拠点ほどあるが、その95~96%が個人経営」だそうだ。個人経営のクリニックでは、カルテの記録や保管、医師や看護師のシフト管理、給与計算、患者の予約管理など、医療行為以外の業務を院長や少数の看護師が自ら行うこともある。働き方改革が叫ばれる中、これらの業務負担により夜間診療が難しいうえ、時間外労働時間を減らせないのが現状なのだという。

ネット経由の予約システムはもちろん、問診のシステムも提供

ナイズでは、「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメント」の導入により、1時間あたりで診療できる患者数を68人から、最大1516人に増やせたそうだ。具体的には、問診にiPadを活用することで時間短縮を実現している。問診はウェブ経由でも利用できるため、移動中にスマホで問診を済ませることも可能だ。白岡氏によると「ナイズでは、受付、問診、診察、会計のそれぞれの業務にかかった時間をログとして記録しており、どこで待ち時間が多く発生しているかを分析して最適な人員の配置を実現している」とのこと。現在、医師や看護師の時間外労働は月10時間以内で、離職率も低下したそうだ。

さらに小児科がメインの西葛西では21時まで、亀有と柏の葉では20時30分まで、北葛西では20時までの夜間診療を実施している。一般的に18時~22時の診療は「時間外加算」のため診療報酬点数が上がり、クリニックを個人経営するうえでのインパクトは強い。患者にとっては診療費は少し上がるものの、会社帰りでも医師の診断を受けれるという直接的なメリットのほか、蓄積された各種データにより自分の健康維持に役立てられ、病気の予防にもなる。「プライマリケア・クリニックチェーンマネジメントの導入により、セルフメディケーションで治療できる患者を増やしたい」と白岡氏。

500 Startupsから資金調達を受けた理由について白岡氏は「資金調達なしでもサービスの運営を続けられるが、500 Startupsとの提携で知名度を上げて優秀なエンジニアを確保するのが1つの狙い」とのこと。過酷な労働環境としてメディアにも頻繁に取り上げられる医療の現場が、こういったサービスの広がりで改善されることを期待したい。

神戸市が国内外のスタートアップを強力支援する「500 KOBE ACCELERATOR」

神戸市と500 Startupsが組んだアクセラレーションプログラム「500 KOBE ACCELERATOR」のデモデイが12月11日、東京・御茶ノ水で開催された。500 KOBE ACCELERATORとは、神戸から世界へはばたくスタートアップのためのアクセラレーションプログラム。500 Startups500は、シリコンバレーを拠点に世界60カ国1800社以上に投資するシードベンチャーキャピタルで、神戸市との取り組みは今年で3年目となる。

500 StartupsマネージングパートナーのBedy Yang(ベディ・ヤン)氏

最初に、500 StartupsマネージングパートナーのBedy Yang(ベディ・ヤン)氏が登壇。神戸市との取り組みについて語った。500 Startupsは、各国の行政関係者と仕事をすることが多いが、神戸市はエコシステムを含めた変革について非常に理解があると語った。

500 KOBE ACCELERATORの責任者を務めた500 StartupsのAaron Blumenthal(アーロン・ブルーメンタール)氏

今回で3期目となる500 KOBE ACCELERATORの責任者を務めたAaron Blumenthal(アーロン・ブルーメンタール)氏は、イノベーションとエコシステムの両立は難しいが、神戸の素晴らしいサポートに感謝すると述べた。

神戸市長の久元喜造氏

神戸市長の久元喜造氏は英語のスピーチで、社会にイノベーションを起こすスタートアップを国内外から神戸に集めて盛り上げたいと語った。KOBEアクセラレーションの取り組みは2016年からだが、もともとは500スタートアップの米国サンフランシスコの拠点を訪問したことがきっかけとのこと。こういったプログラムを日本でやるならぜひ神戸でと自ら申し出たそうだ。

開会の挨拶のあとは、500 KOBE ACCELERATORで選ばれた18社のピッチとなった。起業したばかりの会社からすでに海外で実績を上げている起業までバラエティーに富んだ内容となった。

Tokyo Techies

アプリやロボットを開発する技術者のパーソナルトレーニングサービスを提供する会社。実践的な教材を使ってトレーニングすることで、短期間でエンジニアを育てられるのがウリ。

Bonyu

岐阜大学と連携して母乳の分析サービスを提供。調査によると、子供を産んだ女性の75%は母乳の成分を知りたいと回答しているそうで、実際に半分以上の母親の母乳が栄養不足という事実があるそうだ。母乳の成分分析のほか、母乳に足りない栄養素を補うサプリメントや機能性おかしなどの販売も手がける予定という。

Jenio(Kiara)

安価かつインタラクティブなビデオ会議ツール「Kiara」を開発。お互いの母国語で話せば同時通訳の字幕が出るのが特徴だ。現在は10カ国に対応しており、将来的には120カ国を対応予定とのこと。

Lizuna(Beacon)

ネットコマース詐欺を防止するサービス「Beacon」を開発。ビッグデータ分析して、住所や送り先、注文履歴などにおかしなところがないを自動検知してくれる。

OKKO(Honey Magazine)

イケメンキャラのストーリーを提供するマンガアプリ。ユーザーは主にフランスとアメリカの女性で、1日に平均26分の使用実績があるとのこと。

T-ICU

遠隔操作による集中治療室向け医療サービス。日本では多くの病院では専門のICU医が不在という現状を解決するため、医学部教授を含むチームを結成してサービスを提供する。現在は、千葉県の柏の葉にある病院で実施中。ちなみに米国では、同様のサービスが20%のシェアがあり、死亡率が26%低下したというデータがあるそうだ。

NOBORDER(TeamFinder)

質と量を兼ね備えた人材マッチングサービス「TeamFinder」を提供。チャットボットを利用したインタビューシステムにより、履歴書だけではわからないスキルや経験などのデータを取得するのが特徴。独自のスコアリングによりマッチングを実施することで、企業側の採用コストが最大で10分の1に圧縮できるという。

forent(ExCamp)

理想のキャンプがしたいという想いで起業したAirbnbのキャンプ版ともいえるサービス「ExCamp」を提供。多くの人が集まるキャンプ場ではなく、使われていない土地、島などを時間単位で借りることが可能で、キャンプやバーベキューなどを楽しめる。現在、50カ所以上登録されており、同社のInstagramフォローしている1万人に情報提供を行っているそうだ。

Buyandship

低価格かつ簡単に利用できる国際転送サービスを手がける会社。同社が所有する各国の倉庫を配送先に指定することで、日本に居ながらにして海外通販サイトでショッピングを楽しめる。倉庫に配送された荷物は、業界最安値の配送料で日本に転送できるとのこと、同社は1000万ドルの売り上げを達成しているそうだ。

doot

南アフリカ発の地元の人が旅行者を飲食店などに案内するサービス。旅行者は、旅行先でお勧めの飲食店を地元に案内人に教えてもらうだけでなく、一緒に食事を楽しめるのが特徴。案内人への謝礼もある、

Clarity

結婚や子育てなどで勤務条件が合わずに仕事を辞めざるを得ない女性をターゲットにしたマッチングするサービス。育児や介護のための時短勤務、フレックスタイム制、子供の看護時間、託児室の有無など、子育てや介護に理解のある企業を絞り込めるのが特徴だ。

Web2ship

各国で最適な配送網や配送ルート、価格などを比較検討できるサービス。大手以外ではなかなか難しい発送コストの圧縮を実現する。

SAgri

農家の時間効率を30%、収益を30%上げる農業支援サービス。野菜の品種、農薬、肥料などのデータベース化したうえで、衛星から得られる日射量や雨量、土壌の肥沃度、タンパク質など情報を組み合わせて畑の状況をモニタリングする。

ELXR

遺伝子情報に基づいたトレーニング検査サービス。日本では遺伝子検査キットを販売するGENELIFEを組んで、遺伝子情報に基づいた個々人の最適なトレーニング方法を教えてくれる。

職人さんドットコム

職人のシェアリングサービス。同種のサービスと異なるのは、18年の職人経験で培った人脈や知識を基にオフラインとオンラインをつなぎ合わせているの点と、そのマネタイズ方法。職人が使う電動工具の防犯登録システムを構築し、職人にはまず無料でサービスを提供しつつ、メーカーやプロショップなどに対価をもらうSaaS型サービスとなっている。特に盗難にあった工具の所有者を特定できる防犯登録システムがキモだ。

Pisces

VRで安価に構築できるインタラクティブなテレビ会議システム。リモートワークをしている人の44%が対面での仕事ではないことに不安を感じているという調査があるほか、音声だけのコミュニケーションでは欠落してしまう、視線や表情などを3Dで実現する。

Visual Design Cafe

ゲーム開発期間を短縮するための3Dモデルのライブラリを提供する会社。ゲーム開発のほとんど時間は3Dモデルの制作に費やされるそうで、同社のライブラリを使えば効率的な作業が可能とのこと。このライブラリは3Dのゲーム開発環境であるUnityの全バージョンで利用可能だ。

Pegara(GPU EATER)

GPUによる効率的な機械学習を手助けするサービス「GPU EATER」を提供。AWSのGPUインスタンスコストを最大80%削減できるほか、同社のサービスを利用することで最大で1.5倍のパフォーマンスアップを見込めるという。

 

デイブ・マクルーア、500 Startupsのゼネラル・パートナーも辞任

TechCrunchはデイブ・マクルーアが500 Startupsのゼネラル・パートナーを辞任したという情報を得た。リミッテッド・パートナーに送られた書簡によれば、共同ファウンダーのChristine Tsaiがマクルーアに辞任を求め、マクルーアもこれを受け入れたという。

われわれは500 Startupsに対しコメントを求め、マクルーアの辞任を確認した。マクルーアはすでに500の経営から離れている〔訳注〕。

リミッテッド・パートナーに送られた書簡によれば、Tsaiおよび経営陣は長期的な見地から500 Startupが成功を収めるためにはマクルーアが500グループのすべてののゼネラル・パートナーの職を含め同社から完全に離れることが最善であるという結論に達したという。500はアメリカだけでなく全世界に10を超える投資機関を持っている。

Tsaiはまた(当初報じられたものとは)別のセクハラが報告されたことについても調査を行い、「受け入れがたい行動であったという結論に達した」と述べている。。

Tsaiによれば、500はマクルーアに今後さらに同種の問題が発覚する可能性がないとはいえず、マクルーアを降板させことが必要だと考えた。しかしマクルーアは共同ファウンダー、ゼネラル・パートナーであり、そうするためには本人の同意が必要だった。マクルーアは辞任に同意した。

先週、マクルーアは500を襲った嵐の中心だった。 ニューヨークタイムズの記事でファウンダーのSarah Kunstに対してマクルーアが不適切な性的ほのめかしを行ったことが報じられた。マクルーアは500の運営中、女性に対して不適切な行動を取ったことが複数回あることを公開状で認め、謝罪した。昨夜、500 Startupsはオーストラリアの投資パートナー、LauchVicに対し、マクルーアのセクハラの苦情に対する社内調査を隠していたことについて謝罪した

社内調査が行われた時期、マクルーアの降板の経緯、また500との関係等についてはまだ不明な点がある。さらに取材中だ。

リミッテッド・パートナーに対するTsaiの書簡は下記のとおり。

〔日本版〕 原文はstepped down as CEOだが、500 Startup JapanによればCEOの職は新設されたものでマクルーアはもともとCEOではなかったという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

500 Startupsの21期チーム、31社を紹介

500 Startupsの20期でプロダクトをブラッシュアップした各チームはデモデーでプレゼンを行った後、現実のビジネスをスタートさせているところだ。今回のチームは全体として以前よりバラエティーが豊富だと感じられた。

20期のバッチのテーマはVR、ヘルスケア、フィンテックからドローンまで多彩だった。 ファウンダーの43%はアメリカ以外の外国から来た。これは500 Startupsがプログラムに参加するスタートアップを選ぶ際の一つのトレンドを現しているようだ。

500 Startupsによれば、参加期間を通じてチームの成長とマーケティングを助けるのが他のアクセラレータ・プログラムと異なる点だという。今年はGeneral Motorsがスポンサーとなって自動車関連向けコースも設けられた。

20期のスタートアップでわれわれがもっとも興味深いと感じたチームについてはこちらから

では新しく500 Startupsの21期に選ばれたチーム31社を紹介しよう。

AA Audience — モバイル・デバイス利用のフィンテック

Adventure Bucket List — 旅行関連の予約や購入を効率化するプラットフォーム 

Avision Robotics — 商用ドローンの管制システム

BillTrim — 領収書を毎月アップロードして節約に役立てる

Chatter Research — 店舗やAirbnbのようなホスピタリティ・サービス向けの顧客フィードバック・システム

ContactOut — 西側のメールユーザーの65%の個人アドレスを提供する

Croma — ニュースメディア向けコンテンツ配信アナリティクス.

ElleBox — 女性向けオーガニック衛生用品の定期配送サービス

FactoryFour — どこでもオートメーションによる量産が可能になる

Folia Water — 10ドル/日以下の収入の40億人のための安価な水フィルター

Georama — 旅行を体験できるモバイルのライブビデオ・プラットフォーム

GlobeKeeper — 警察、セキュリティー企業における職員間の共同作業プラットフォーム

Improvado.io — さまざまな広告データを数分でビジュアル化する

Lumotune — ガラス窓その他物理的対象をデジタル・ディスプレイに変える

MedStack — ヘルスケア・アプリの開発、プロモーション、統合を助ける

Meya.ai — ボットの開発、訓練、導入のためのプラットフォーム

Muzzley — 一般ユーザー向け IoTを利用したビジネスのためのB2Bのプラットフォーム(PaaS) 

OurHealthMate — インドにおけるヘルスケア・サービスの検索、支払、医療情報の交換を行うサービス

Pellego — 不動産投資家のためのリサーチ・プラットフォーム

Pluma — ミレニアム世代のモバイル専門職向けリーダーシップ養成サービス

Prolaera — 継続的専門教育のライセンスを管理し、プログラム参加時間を積算するなど効率化を図る

Radiomaze — 既存の家庭用Wi-Fiを用いたモーションセンサー・システム

rakam — あらゆるデータを一箇所で解析できるフルスタックのアナリティクス

RealAtom — 借り手と貸し手をオンラインで直接仲介する不動産ローンのマーケットプレイス

Resonance — スマートフォン、コネクテッド・デバイス、各種アプリからのデータを総合し、人間の行動を予測する

Swept — ビルの清掃、メンテナンス企業の業務改善プログラム

Tripplus — マイレージと獲得ポイントをベースに適正な航空運賃、ホテル料金を提供する旅行コンシェルジェ

Vacayo — 長期賃貸物件を快適な短期バケーション・ホームに変えてオンラインで貸し出す

VR Motion Corp — 交通運輸分野のVRのマーケットプレイス

WeFitter — 社員の健康をアップし企業ヘルスケア費用を節約するプラットフォーム.

WeTipp — 簡単にコミュニティーを作り、メンバーのスキルや情熱をビジネスに生かすプラットフォームにする

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

500 Startupsの21期チーム、31社を紹介

500 Startupsの20期でプロダクトをブラッシュアップした各チームはデモデーでプレゼンを行った後、現実のビジネスをスタートさせているところだ。今回のチームは全体として以前よりバラエティーが豊富だと感じられた。

20期のバッチのテーマはVR、ヘルスケア、フィンテックからドローンまで多彩だった。 ファウンダーの43%はアメリカ以外の外国から来た。これは500 Startupsがプログラムに参加するスタートアップを選ぶ際の一つのトレンドを現しているようだ。

500 Startupsによれば、参加期間を通じてチームの成長とマーケティングを助けるのが他のアクセラレータ・プログラムと異なる点だという。今年はGeneral Motorsがスポンサーとなって自動車関連向けコースも設けられた。

20期のスタートアップでわれわれがもっとも興味深いと感じたチームについてはこちらから

では新しく500 Startupsの21期に選ばれたチーム31社を紹介しよう。

AA Audience — モバイル・デバイス利用のフィンテック

Adventure Bucket List — 旅行関連の予約や購入を効率化するプラットフォーム 

Avision Robotics — 商用ドローンの管制システム

BillTrim — 領収書を毎月アップロードして節約に役立てる

Chatter Research — 店舗やAirbnbのようなホスピタリティ・サービス向けの顧客フィードバック・システム

ContactOut — 西側のメールユーザーの65%の個人アドレスを提供する

Croma — ニュースメディア向けコンテンツ配信アナリティクス.

ElleBox — 女性向けオーガニック衛生用品の定期配送サービス

FactoryFour — どこでもオートメーションによる量産が可能になる

Folia Water — 10ドル/日以下の収入の40億人のための安価な水フィルター

Georama — 旅行を体験できるモバイルのライブビデオ・プラットフォーム

GlobeKeeper — 警察、セキュリティー企業における職員間の共同作業プラットフォーム

Improvado.io — さまざまな広告データを数分でビジュアル化する

Lumotune — ガラス窓その他物理的対象をデジタル・ディスプレイに変える

MedStack — ヘルスケア・アプリの開発、プロモーション、統合を助ける

Meya.ai — ボットの開発、訓練、導入のためのプラットフォーム

Muzzley — 一般ユーザー向け IoTを利用したビジネスのためのB2Bのプラットフォーム(PaaS) 

OurHealthMate — インドにおけるヘルスケア・サービスの検索、支払、医療情報の交換を行うサービス

Pellego — 不動産投資家のためのリサーチ・プラットフォーム

Pluma — ミレニアム世代のモバイル専門職向けリーダーシップ養成サービス

Prolaera — 継続的専門教育のライセンスを管理し、プログラム参加時間を積算するなど効率化を図る

Radiomaze — 既存の家庭用Wi-Fiを用いたモーションセンサー・システム

rakam — あらゆるデータを一箇所で解析できるフルスタックのアナリティクス

RealAtom — 借り手と貸し手をオンラインで直接仲介する不動産ローンのマーケットプレイス

Resonance — スマートフォン、コネクテッド・デバイス、各種アプリからのデータを総合し、人間の行動を予測する

Swept — ビルの清掃、メンテナンス企業の業務改善プログラム

Tripplus — マイレージと獲得ポイントをベースに適正な航空運賃、ホテル料金を提供する旅行コンシェルジェ

Vacayo — 長期賃貸物件を快適な短期バケーション・ホームに変えてオンラインで貸し出す

VR Motion Corp — 交通運輸分野のVRのマーケットプレイス

WeFitter — 社員の健康をアップし企業ヘルスケア費用を節約するプラットフォーム.

WeTipp — 簡単にコミュニティーを作り、メンバーのスキルや情熱をビジネスに生かすプラットフォームにする

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

500 Startupsは1000万ドルのファンドでラテンアメリカへの投資を継続

500 Startups は、グローバル投資へのコミットメントを新たなラテンアメリカファンドによって積み増ししている。目標金額は1000万ドルでその名称はLuchadores IIというものだ。これはスペイン語でレスラーを意味する。このファンドは、500 Startupsによるこの地域を対象にした2番目のもので、欧州、アジア、アメリカの中で、不十分な対応しか行われていない市場を対象にして、その数を増やしつつあるシード投資の一環だ。

アクセラレーターは2010年以降、様々な形でラテンアメリカへの投資を継続してきた。新ファンドのマネージングパートナーであるSantiago Zavalaは、ラテンアメリカにおけるユニコーンの数を倍増させる希望を胸に、約120社のラテンアメリカの新星たちに投資を行う。

500 Startupsの創業パートナーであるDave McClureは、国際投資を通して得ることのできる利益に対して、長期間強気の姿勢を保っている。米国内での取引、特にシリコンバレーでの取引は、その競争力故にプレミアム価格が付き易いからだ。

「私たちは、追加投資では10倍の利益を得ることを目指しています」とMcClureは国際的な投資について語った。500 Startupsのラテンアメリカに対する投資は、追加を含めて9500万ドル以上に達する。

しかし、ラテンアメリカの新興企業への投資の課題は、彼らが強力なエコシステムのサポートを欠いていることだ。より大きなB、C、Dラウンドを、この地域で見かけることは少ない。また起業家向けエコシステムへの強みを持つローカルな買収者も限られている。

これこそ、International Finance Corporation(IFC)が、新しいファンドに対するリミテッドパートナーとして加わった理由だ。従来IFCは、より後段のステージの企業への投資を行ってきたが、過去2年以上に関しては、リミテッドパートナーとしてシードステージのファンドにも自ら関わるようになった。

「私たちは、すべての発展途上マーケットの中で、マイクロファンドの最高の種を見つけようと努力しています」と、語るのはIFCのVC投資グローバルヘッドのNikunj Jinsiだ。

McClureは、 Accel Partners、Index Ventures、Sequoia Capital、そしてTiger Globalの名を、スタートアップの立ち上げからエグジットのための国際的なパイプラインを構築しているファンドとして挙げた。

「それ以外のファンドは、始めるのが遅すぎましたし、既に出来上がった企業を相手にしようとしているのです」とMcClureは付け加えた。

ラテンアメリカの中には、他の地域よりも速く成長しているエリアが存在する。500 Startupsの拠点が置かれているメキシコシティは成熟しているが、他の都市ではまだ、強力なメンターネットワークやその他の必要なリソースが不足している。

500 Startupsは、シードプログラムを通じて、国際的な提携と共に強力な関係を保とうとしている。同社はスタートアップを指導するために、定期的に、様々な地域にパートナーを送り出して、海外の企業にシリコンバレーを訪問する機会を提供している。

McClureはコミットしていないものの、本日(米国時間3月15日)のラテンアメリカファンドのアナウンスは、アジアへの展開を強く匂わせるものだった。同社は最近、中国での存在感を増したところだ。とはいえ、まだ同地域内での特定のファンドについては発表されていない。

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(翻訳:Sako)

政情不安の中にもチャンス―、私がトルコに戻ってシード投資をする理由

The Republic of Turkey flag hangs on the side of a building as show of solidarity following a July 15 Coup. (DoD Photo by Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro)

【編集部注】執筆者のRina Onurは、500 Startups Istanbulのファウンディングパートナー。

トルコでビジネスを拡大したり、スタートアップを立ち上げて資金調達をしようとしているときに、「トルコは今一体どうなってるの?」と国外に住む友人や家族に尋ねられると、げんなりしてしまう。

さらに、ベンチャーファンドを組成しようとしているときに、この地域の複雑さ(さらには自分たちが提供できる価値)を説明するというのもなかなか骨が折れる。

テロ事件に悩まされ、国内や周辺地域の内政問題で不透明感が高まっているトルコが、最近世間を騒がせている。かつては、中東にある世俗的かつ民主的なイスラム国家として、希望の光のように考えられていた国が、今はこのような状態にあるのだ。

また、最近トルコで起きた政権交代によって、この国の「普通」の状態は人に不安感を抱かせるまでになった。クーデーターが発生してから数日後に、私は500 StartupsのDaveからメッセを受け取ったのを覚えている。彼はまず最初に私の安否を尋ね、その次に私たちがその数ヶ月前にローンチした、1500万ドルのアーリーステージ企業向けマイクロVCファンド500 Istanbulをどうするのかを聞いてきた。

turkey_protests_instagram

私は、当初の予定から変更はなく、前進あるのみだと答え、それから1週間後の7月22日に、500 Istanbulは最初のクロージングをむかえた。色んな人が私の家族の安否を尋ねるメールを送ってくれる中、私はキャピタルコールのメールを送っていた。国外からトルコを見て何かしらの結論にたどり着くのは簡単だが、トルコに拠点を置く投資家として、私はこの巨大で若く、VCの資本やインフラを貪欲に求める国には、まだ望みがあると思いたい。

未来が見えづらい国であるがゆえに、トルコのスタートアップには十分に投資が行き渡っておらず、結果として大きな成長可能性がまだ秘められているのだ。そもそも私には、この市場で社会的な活動を行う気はない。

500 Istanbulの資金やサービスは、今までにないくらい必要とされているが、それと同時に競合する投資家があまり見当たらないことから、チャンスもこれ以上ないくらいに広がっている。トルコで活動している数少ない既存の大手VCが、レーターステージの企業にばかり投資していることから、アーリーステージの企業は未だ手付かずの状態なのだ。

この背景には、オペレーション上のリスクを抑えようとする、新興国で活動中のVCの戦略もあるだろう。この地域の不確実性から、既にかなりのリスクにさらされていると感じているかもしれない彼らが、実績のあるレーターステージへの投資に専念するというのも理解できる。そこで500 Istanbulがそのギャップを(一部ではあるが)埋めようとしているのだ。

istanbul birds

イスタンブル

上記のような状態にあるトルコのアーリーステージの投資環境で、私は以下の2つのカテゴリーにチャンスがあると考えている。

現地に特化したビジネス

過去10年にわたって、トルコは既に確立された欧米のビジネスモデルを現地市場で上手くコピーしてきた。7500万人に及ぶ人口の平均年齢は26歳で、彼らは驚くくらいインターネットをよく利用しており、支払のための手段も持っている(クレジットカードの保有率はヨーロッパでは第2位)。「クローン」ビジネスを興すというのはあまり魅力的でないというのはわかるが、これは上手くやればかなり儲かる。

さらに、サービスのローカライズや現地社員の採用、サプライヤー探しや規制団体との交渉などのせいで、外資系企業は現地企業に比べて、新興市場でスケールするのが難しい。Gittigidiyor(2011年にeBayが2億1500万ドルで買収)やMarkafoni(2011年にNaspersが2億ドル以上で買収)、Pozitron(2014年にMonitiseが1億ドルで買収)、Yemeksepeti(2015年にDelivery Heroが5億8900万ドルで買収)、Mars(2016年にCJ-CGVが8億ドルで買収)といった例を見ると、グローバル企業が現地のプレイヤーからトルコ市場を奪うことができなかったというのがすぐにわかる。

これはトルコに限った話ではなく、東南アジアでも同じようなパターンが見られた。市場の拡大とともに優秀な企業が巨大化していくという、この地域のマクロ経済的な性質がその背景にある。

世界を相手にしたビジネス

ユニコーン企業のUdemy(500 Startupsが投資)を例として、500 Startupsが過去にトルコで行った、国外に目を向けたスタートアップへの投資は、幸いなことにかなり上手くいっている。このカテゴリーに含まれる企業は、全てトルコ人起業家によって設立され、資金調達やグローバルな成長を求めてアメリカに渡った。UdemyとMobile Actionに関しては、未だにかなりの数のディベロッパーがアンカラで仕事を続けており、彼らはトルコとサンフランシスコを行き来している。

このような企業にとってトルコ市場は、海外市場への進出前に、プロダクトのコンセプト化、テスト、改良を行うテストの場として大きな意味を持っている。結果的に次世代のトルコのディベロッパーは、トルコとシリコンバレー両方で技術を身に付け、将来自分たちが革新的な企業を立ち上げるときのための肥やしにすることができるのだ。

世界に目を向けているアーリーステージ企業への投資の利点は、企業のパフォーマンスとトルコ周辺地域の不確実性の間に関連性があまりないということだ。

移民ファウンダーや、海外のユーザーへプロダクトを届けようとしているファウンダーに投資するということは、トルコ発のテクノロジーの拡散や、未来のトルコのスタートアップエコシステムに寄与しているのと同じことなのだ。

世界に目を向けているアーリーステージ企業への投資の利点は、企業のパフォーマンスとトルコ周辺地域の不確実性の間に関連性があまりないということだ。

WixFiverrWazePlaytikaSimilar Webなど、数々のグローバルプレイヤーを輩出してきたイスラエルがその証拠だ。イスラエルは素晴らしい人材やスタートアップの故郷であり、私はトルコにも同じくらいのポテンシャルがあると信じている。

不確実性によって、今後トルコ周辺地域のイノベーションや投資チャンスが全て消え去ってしまう、とは私は考えていない。長きにわたる激動の時代を生き抜いてきたためか、大多数の欧米人と比較して、私達には粘り強さがあると感じることがある。悪いことが起きたとしても世界は動き続け、人々は何かをつくり、そして消費していくのだ。

これこそ、8年前に私がトルコに戻ってきた理由であり、500 Istanbulが(5年以内に85社へ投資するという目標を掲げ)過去半年の間に15社へ投資を行った理由だ。私は向こう10年の間に、トルコ人起業家の手によって、多くのトルコ発ケンタウルス企業(評価額1億ドル以上の非上場企業)が誕生すると自信を持っており、さらにはいくつかのユニコーン企業も生まれるのではないかと考えている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

GMは500 Startupsと手を組み、アーリステージの投資機会を模索する

The Golden Gate Bridge from Baker's Beach in San Francisco, California, USA

過去数年間、GMは大規模な買収や出資を行ってきた。今年には自動運転車のCruiseを買収し、Uberの最大のライバルであるLyftには5億ドルを出資している。CTOのJon Lauckerner氏によれば、GMは新しい自動車体験を提供する分野にどのように入り込むべきか模索している最中だという。

しかし、どのような企業も、かつては創業されたばかりの小さな企業だった。そしてGMは、大きくなった企業に大規模な出資をする機会だけでなく、創業されたばかりの企業を見つける機会を探している。だからこそGMは、500 Startupsと手を組むことで様々な分野の有望企業を見つけ出し、同社が資本参加する分野をこれまでに以上に広げようとしているのだ。

GMのスポークスパーソンによれば、同社が参加するのはシード投資ではなく、シリーズAかそれ以降のラウンドだ(そして、そのような出資はGM Venturesを通して行なわれる)。出資を決めるうえでの判断基準は、その企業が成果を残しているどうかだという。このパートナシップによって、500 Statupsがこれまでに提供してきたメンターシップに加え、GMがもつネットワークを活用したメリットをスタートアップに提供することが狙いだ。

今後、GMは各バッチから有望な企業を5社見つけ出し(Lauckner氏によれば、この数字は固定化されたものではない)、その企業に500 Startupsと共同で出資していく。先日19番目のバッチに参加する企業を公開した500 Startupsは、GMとのパートナーシップによって他のアクセラレーターとの差別化を狙うことができる。実際、500 Startupsは他社とのさらなる差別化を図り、同社が運営するプログラムの名前から「accelerator」の文字を消している。このパートナーシップは、500 Startupsがもつコネクションを利用できるGMにとってもメリットがあるものだが、バッチに参加する企業にこれまで以上の価値を提供できる500 Startups側にとってもメリットがあるものなのだ。

GMはこれまでに何百もの企業を輩出してきた500 Starupsと手を組むことで、このアクセラレーターがもつ巨大なコネクションを有効活用して有望な投資先を見つけ出すことができる。また、500 Startupsはアメリカ国外で活躍する企業にもコネクションを持っている。

GMからの出資は自動車関連の分野に限られたものではない。GMのコアビジネスを間接的にサポートする「インフォテイメント」や機械学習などの分野で活躍するスタートアップにも出資が行なわれる可能性もある。GMがアーリーステージのスタートアップとのネットワークを構築することで、将来的には同社がスタートアップとパートナシップを結んだり、もしくはそのスタートアップを買収するというような機会が生まれることだろう。

アップデート:GMのスポークスパーソンは、同社が参加するのはシードラウンドではなく、それ以降の資金調達ラウンドであると明らかにした。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

糖尿病患者の健康状態を常時チェックして警報をスマホに送るSiren Careの“スマートソックス”

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糖尿病の健康チェックサービスSiren Careが、糖尿病患者が温度センサーで炎症や傷害を、リアルタイムで検出する、スマートソックス(靴下)を作った。

協同ファウンダーのRan Maは、ノースウェスタン大学にいるときに傷めた背中の皮膚を回復するため、バイオマスを育てていたとき、糖尿病患者の足の処置について勉強を始め、怪我を調べたり防ぐためにウェアラブルを作ることを思いついた。

糖尿病患者はタイプ1の人も2の人も足に問題を抱えることが多く、とくに、足がむくみがちである。それは放置すると、感染症や足の切断手術など深刻な事態になることもある。重大な合併症を防ぐためには早期発見がきわめて重要であり、そこでMaと彼女に協力する協同ファウンダーVeronica Tranは、衣服などへのセンサーの内蔵が鍵だ、と考えた。

しかし糖尿病患者の足の傷害を見つけるウェアラブルは、Sirenのソックスが初めてではない。SurroSense Rxは糖尿病患者のための靴の中敷きで、Tillges TechnologiesのPressureGuardianは、問題を検出するよう設計されたブーツだ。

でもブーツは扱いが面倒だが、Sirenのソックスは靴の中敷きよりも皮膚によく密着する。センサーはソックスの生地に織り込まれていて、炎症があるとそれを検出する。その情報はユーザーのスマートフォンにアップロードされ、問題を警報する。

ソックスが異常な高熱を検出すると、そのデータはソックスとアプリとクラウドに保存される。それは足に傷害があるというサインなので、足を調べろという警報がユーザーに送られる。

“靴紐と同じぐらい、単純でふだんは気にならない存在だけど、傷害があればそれを知らせてくれる”、とMaは語る。

ウェアラブルだけど、ソックスを充電する必要はない。最初から電池内蔵で、それは6か月もつ。またその電気が消費されるのは、実際にそれを履いているときだけだ。寝るときなどに脱げば、ソックスも寝てしまう。洗濯機で洗えるし、丈夫だから少なくとも6か月は使える。

Maは曰く、“わが社のSmart Textile(電脳織物)技術は、さまざまなセンサーや電子回路を織り込める。湿度センサー、圧力センサー、光センサー、LED、RFID、MCU、BLEなどなど、何でもシームレスに布地と一体化する”。糖尿病患者のための炎症検出ソックスは、同社のこんな大きな技術の、ひとつの利用例だ。夢はもっと大きい。

炎症や傷害の検出だけでも、ほかにさまざまな体の部位があるから、製品開発の幅は広い。

Sirenは500 startupsのバッチ18から巣立ち、ソックスは来春発売する。予約は、ここで受け付けている。週の各曜日用、という考え方で、7足がワンセットだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

未来のヒット製品があるかも! 500 Startupsデモデーから本誌お気に入り4つを紹介

screen-shot-2015-05-12-at-4-34-12-pm

今年もこの時期がやってきた ― われわれは今マウンテンビュー市のスタートアップアクセラレーター500 Startupsのデモデー会場にいる。

今日(米国時間5/12)30の会社が、自分たちの製品とビジネスモデルを投資家と報道陣に売り込み、売上、対象市場、成長について魅力的なデータを見せた。中でも、いくつかの会社の口上がわれわれの琴線に触れた。

われわれを唸らせた以下の4組(発表順)を紹介する。

Alfred 500 Startups demo dayAlfred ― 古いAndroid端末を、Dropcamスタイルのどこかれでもアクセスできるホームセキュリティーカメラとして再利用する。初年度に100万台の端末がサービスに参加し、文字通り何トンもの電子部品がゴミになるのを防いだ。彼らのアプリは、ユーザーにとって毎日の習慣にもなり、家のネコや子供や留守宅を1日平均10回チェックしている。

Raur 500 Startups demo dayRaur ― 人気番組のフィードをを自分のライブや録音コンテンツと組み合わせて、スマートフォンのアプリ1つだけでポッドキャスティングサービスを作れる。この組み合わせによるアプローチは、今すぐ楽しめるコンテンツたくさんあるだけでなく、将来はオーディオのためのPerisocpeやMeerkatになり得ることを意味している。

GridCure 500 Startups demo dayGridCure ― スマート電力グリッドの分析システム。彼らの主張によると、電力会社は何十億ドルもまけて家庭や会社にスマートメーターを設置したが、大量のデータを活用するためのソフトウェアを作っていない。GridCureを使えば、電力会社はどこの電力を再配置すべきか(全体のエネルギー損失を減らす)を調べたり、「盗電」を示す不自然な動きを検知することができる。

Yellowdig 500 Startups demo dayYellowdig ― 「学校現場のSlack」(チャットアプリ)。90年代かと思われる寄せ集めのバックエンドソフトウェアと誰もチェックしない大学のEメールを置き換える。これまでに7000人の学生によるテストを終え、2016年までに100校の大学で使われることを目標としている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビデオの複数のパートを埋め込めるVideogram技術のCinemacraftが$3.9Mを調達

【抄訳】

ページへのビデオ埋め込みを従来とは違う方法で提供する東京のCinemacraftが、海外市場進出と製品開発により力を入れるために、シリーズAで390万ドルを調達した。前からの同社の投資家500 Startupsがこのラウンドを仕切り、これにやはりこれまでの投資家NTT DoCoMo VenturesSamsung Ventures、およびTurner Broadcasting’s Media Campが参加した。セレブのモデルTyra Banksの投資企業Fierce Capitalが、新たな投資家として加わった。同社は2013年9月に150万ドルを調達し、その前にはシードラウンドで50万ドルを獲得している。

Cinemacraftの動的埋め込み(dynamic embeds)技術はVideogramと呼ばれ、これまでのように単一のフレームを埋め込むのではなく、一つのビデオのいろんな箇所を見せることができる(下図)。そしてどれか一つをクリックすると、ビデオのその部分の再生が始まる。Cinemacraftによると、これによりユーザの参加性(エンゲージメント)と対話性が劇的に増加する。

これまで同社は主に消費者向けWebアプリケーションのパブリッシャーに訴求してきたが、CEOのSandeep Casiによると、最近は、いちばん適したユーザ層はB2B2C企業だ、と認識している。

同社の技術は、ビデオだけでなくTwitterのカードやFacebookのポストなど、ソーシャルメディアを埋め込むことができる(下図)。それは一般的にWebサイトやブログが利用できるだけでなく、広告配信サービスのツールとしても利用価値は大きい、という(すでにskyscrapper, Adsenseなどで利用)。

同社はインドのムンバイにも事業所があり、とりわけ、ハリウッドならぬボリウッド(Bollywood)を抱えるインドでは、映画会社がVideogramによる宣伝を愛用している。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidアプリをデスクトップ(Windows, Mac)で動かすAndy OSに500 Mobile Collectivが初の投資

500 Startupsのモバイル専門の小型ファンド500 Mobile Collectiveが、その最初の投資先として、モバイルアプリをデスクトップに持ち込むAndy OSを選んだ。このAndroidベースのオペレーティングシステムにより、モバイルアプリをWindowsやMac、それにクラウドで動かすことができる。

Andy OSによりユーザは、Google Playのストア上の好きなアプリやコンテンツにWindows等のプラットホーム上でアクセスできる。理論的にはアプリが、すでにある何十億台ものパーソナルコンピュータに持ち込まれるわけだから、デベロッパにとって新しいユーザが一挙に増える。

このオペレーティングシステム自身はクラウド上で動き、UIのカスタマイズやデスクトップへの通知などの機能を提供する。またデスクトップで動いているゲームを、ユーザのスマートフォンからリモートコントロールできる。

協同ファウンダでCEOのSean Murphyによると、Andy OSを作った動機は、ユーザがモバイルの電話機でアクセスするものと、デスクトップでアクセスするものとのあいだに、連続性を持たせたかったからだ。AppleのiPhoneとMacとのあいだには”continuity”という機能があるが、AndroidとWindowsやMacとのあいだには、それらしきものがない。

彼のこの考えに飛びつく人は、とても多い。このプロダクトは誕生後まだ9か月未満だが、すでに世界中に300万あまりのユーザがいる。その約60%が毎日アクティブで、一日平均23分、Andy OSを使っている。

しかも、モバイルアプリのアカウントにデスクトップ上でアクセスできるだけでなく、デベロッパは自分の既存のモバイルアプリを素早く容易にデスクトップへポートできる。あるいは最初から、Androidベースのデスクトップ用アプリケーションを作ることもできる。

その急成長がEdith Yeungと500 Mobile Collectiveの目にとまり、300万ドルのラウンドを回すことになった。参加したそのほかの投資家は、DeNA、China Rock Ventures、Weiming Angels、Cherubic Ventures、そしてSEA Venturesだ。

Yeungは曰く、Andy OSの初期からの成長は、Dolphin Browserを思い出させる。彼女はそこで、マーケティングとビジネス開発を担当していた。Andy OSが利用しているエンタプライズ分野の仮想化技術は、数十年前から存在している、と彼女は言う。

“消費者向けのモバイルの世界では新しいコンセプトだけど、エンタプライズでは新しくないわ”、だと。

しかし同社は、その仮想化技術を生かしてビジネスに結び付けたい、と願っている。今同社は、Andy OSのプラットホームや、それへのアプリのインストールを、Androidデベロッパにライセンスする、というビジネスモデルを検討している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブロックチェーンを利用する多様なアプリケーションのためのインフラやAPIを提供するBlockCypherが多方面からシード資金を獲得

Bitcoinの公開台帳、ブロックチェーンの利用を、どんなアプリケーションにも容易に導入できるためのサービスを提供するBlockCypherが、初めての資金調達として310万ドルを獲得した。

そのタイミングはたまたま、昨年来Bitcoinの価格が急落を続けてきた時期と一致する。そのため、市場の人気はいまいちだった。

しかしBitcoinの急落がBlockCypherに大きく影響することはないだろう。協同ファウンダのCatheryne Nicholsonによれば、同社の技術はどんな暗号通貨でも利用できるからだ。

Nicholsonは曰く、“うちがやってるのは要するにブロックチェーンのためのWebサービス、つまりブロックチェーンのアプリケーションを作るデベロッパのためのソフトウェア的インフラストラクチャであり、それが、アプリケーションの構築やモニタリング、セキュリティの確保などを支え、それらを容易にする”。

つまりBlockCypherを利用するデベロッパは、ゼロ地点から始める必要がない。カリフォルニア州サンマテオで創業された同社は、Nicholsonと協同ファウンダMatthieu Riouのそれまでの仕事から生まれた。

“うちはワレットというものを初めてインストールした企業の一つだけど、暗号通貨に関してはいろんな人たちがもっといろんなことに取り組んでいるはずだ、といつも考えていた。うちのワレットはとても使いづらかったから、それを何とかすることから始めるべきだ、と悟った。それが、インフラストラクチャの方に手を染めるきっかけになった”、そうNicholsonは語る。

同社の技術を使うと、デベロッパは暗号通貨のワレットを一日足らずで作れる。“うちはマルチシグネチャのAPIや決済のAPIを提供しているから、デベロッパはそれらを利用すればよいので楽だ。自分で作らなくてもよい。デベロッパは、アプリケーションの層だけ作ればよい。インフラは、うちが提供する”。

その最初のアプリケーションでは同社は、Bitcoinの処理に要するトランザクションの時間を短くする方法を考えた。そしてそのために、ブロックチェーンがトランザクションを承認するかを事前に予測判断するツールを作った。

Nicholsonはさらに述べる: “実際のデータスループットに対応したマイクロペイメントができるようになれば、そのとき初めてWebビジネスの収益化の未来を築くいろんなイノベーションが可能になる。したがって、アプリケーションの種類や数も爆発的に多くなる。収益化が足かせになっている現状は、決して、多様なWebビジネスが本格的に花咲いている状態とは言えない”。

Bitcoinのブロックチェーン上に起きていることを分析し洞察するCoinalyticsのような企業や、アジアの最速トランザクションプロセッサと呼ばれるシンガポールのBitcoin取引所CoinHako、それにフィリピンの送金サービスPalarinなどが、そういった新しいアプリケーションの先駆けだ。

“完全に信じているのは、決済や金融はそういう膨大な種類のアプリケーションの、氷山の一角にすぎないこと。うちを利用してヘルスケアの記録のためのレジストリを作っているデベロッパもいる。彼らはブロックチェーン上にハッシュの置き場を設けている。分散ホスティングを構築しているスタートアップは、それによってアルゼンチンの内陸部にあるサーバでも利用できる。ブロックチェーン上に法律文書を置くアプリケーションを、スリランカの人たちが作っている”。

Nicholsonの興奮した話しぶりは、人を惹きつける。Draper一族の三代にわたるVCの資金も、彼女の企業に吸い寄せられた。

このラウンドのそのほかの投資家は、Foundation Capital、New Enterprise Associates、Yahoo!の創業者Jerry YangのAME Cloud Ventures、Upside Partnership、Streamlined Ventures、そしてFenox Ventureだ。

Tim Draperの娘で通称Valley GirlのJesse Draper、それに通称Mrs.Brook ByersのShawn Byersも、このラウンドで投資した。

Valley Girl VenturesのCEO Jesse Draperはこう言う: “女性の起業家に投資をすることが、テクノロジ世界の女性人口を増やす最良の方法だ。女の子たちが、自分の役割モデルとして女性のファウンダを知ったら、彼女らもファウンダになる。BlockCypherが今ブロックチェーンでやってることは、世界を変える。それには、女性も関与すべきだ”。

実のところ、ブロックチェーンの技術は、今後暗号通貨にできるいろんなことの、道を切り開く先陣部隊だ。Foundation CapitalのがゼネラルパートナーCharles Moldowは、そういう言い方をする。

彼はこう言っている: “Bitcoinでいちばん将来性に富んでいる技術が、ブロックチェーン関連の部分だ。その上で今後、数々の重要なイノベーションが起こっていくが、BlockCypherは、それのエキスパートなのだ”。

BlockCypherにはさらに、Ben NarasinとTriplePoint Capital、YahooのCFO Ken Goldman、WSO2のCEO Sanjiva Weerawarana、VoyLét Capital、Granite Ventures、Boost VC、500 Startups、Crypto Currency Partners、Michael Liou、ヒップホップのアーチストNasなども投資している。Nasはどうやら、自分を代表するものとして、死んだ大統領以上のものを、探しているようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))