カリフォルニア州でデバイスのデフォルトパスワードを禁ずる法律が成立

良いニュースだ!

California州が2020年から、すべての新しい消費者電子製品に、“admin”, “123456”, あるいは古くからお馴染みの“password”といった、デフォルトのパスワードを設けることを禁ずる法律を成立させた。

その法律によると、ルーターやスマートホーム製品など、同州で生産されるすべての新しいガジェットは、最初から“リーズナブル”なセキュリティ機能を持っていなければならない。とくにパスワードについては、各デバイスが、あらかじめプログラミングされたユニークな(他機と共通でない)パスワードを持っていなければならない。

また、新しいデバイスはどれも、ユーザーがデバイス固有のユニークなパスワードを入力してそれを最初に使用するとき、新しいユーザー固有のパスワードの設定を求め、その設定を終えたあとにのみ、最初のアクセスを認めるものでなければならない。

何年も前から、ボットネットたちが、セキュリティのいい加減なデバイスを利用して、大量のインターネットトラフィックでサイトを襲撃してきた。その大量のトラフィックによる攻撃は、分散型サービス妨害攻撃(distributed denial-of-service, DDoS)と呼ばれている。ボットネットが目をつける‘いい加減なセキュリティ’の典型が、デバイスに最初から設定されている、そしてユーザーがそれを変えることもない、デフォルトパスワードだ。上に例を挙げたような、よく使われるデフォルトパスワードは、そのリストがどこかに公開されているので、マルウェアはそれらを利用してデバイスに侵入し、そのデバイスをハイジャックする。そして、ユーザーの知らないうちにそのデバイスは、サイバー攻撃の道具にされてしまう。

2年前には、Miraiと呼ばれる悪名高きボットネットが、何千台ものデバイスを悪用してDynを攻撃した。Dynは、多くの大型サイトに、ドメインネームサービス(DNS)を提供している。DDoSでDynが麻痺してしまうと、これに依存しているサービスに誰もアクセスできなくなる。被害サイトの中には、TwitterやSpotify, SoundCloudなどもいた。

Miraiは、比較的単純素朴な、しかし強力なボットネットで、デフォルトパスワードを悪用していた。今度の法律でデフォルトパスワードというものがなくなれば、このタイプのボットネットは防げるが、でもセキュリティの問題はほかにもたくさんある。

もっと高度なボットネットは、パスワードには見向きもせず、個々のIoT(物のインターネット)デバイスの脆弱性につけこむ。その典型的なデバイスは、スマート電球、アラーム、家庭用電子製品などだ。

IT評論誌The Registerの指摘によると、今回のカリフォルニア州法は、バグが見つかったときのソフトウェアのアップデートを、デバイスのメーカーに義務付けていない。大手のデバイスメーカー、Amazon、Apple、Googleなどはソフトウェアを常時アップデートしているが、無名に近いブランドの多くはやっていない。

しかし、そんな現状でも、この法律は、何もないよりましである。今後もっともっと、改定していただきたい。

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強力なDIYボードUDOO BOLTは小さいけどMacやPCを超えてワークステーション並の性能

この前会ったときのUDOOは、Raspberry Piを使った強力なDIYボードで、多くのポートがあり、良いプロセッサーを選び、いろんな機能を用意していた。そして今日(米国時間7/3)彼らが発売したUDOO BOLTは、“AAA(スリーA)ゲーム”を動かせると称するDIYボードで、AMD Ryzen Embedded V1202B 3.2 GHz SoCプロセッサーとRadeon Vega 3グラフィクスカードを搭載している。Arduinoと互換性があるので、ロボティクスをはじめ、さまざまな電子工作プロジェクトをこれに接続できる。

BOLTに大量のRAMを載せれば、作者たちに言わせると、“Intel i5を搭載した13インチのMacBook Proの2倍、Mac Miniの3倍のパワーがある”そうだ。これだけでほとんど完全なコンピューターだから、ケースに収めてUSBキーボードや、マウス、モニタ用のHDMIなどがあれば、ミニ・ワークステーションになる。BOLTは4つのモニターをドライブでき、内二つは4KのHDMI、二つはUSB-Cだ。LinuxやWindowsを、動かせる。

発売は2018年12月を予定している。Kickstarter上で、スターターキットは298ドル、電源と4GBのRAMがある。8GB RAMでSATAとワイヤレスをサポートするタイプは、409ドルだ。

DIYボードにこれだけのプロセッサーとグラフィクスを載せるのは、やり過ぎだろうか? もちろん、やり過ぎだ。でもこのシステムは実験やオンザフライの設計用を想定しているから、商業用やワークステーションとしても十分使える。しかも、すごくポータブルだから、学校のデスクに数台置いて、子どもたちに好きなことをやらせるのも良いね。この、ピーナッツバターやジェリービーンズのパッケージぐらいのサイズのマシンで、VRゲームを楽しむこともできる。

UDOOのチームは長年、Raspberry PiやArduinoにいろんなものを足すことを仕事にしてきたから、ベーシックなボードをさらにさらにパワフルにすることのエキスパートだ。初期のモデルでもAndroidの上でドローンや多足ロボットを動かせたから、今度の強力な新製品は特級品だ。

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これはAppleの次期iPhone用USB-C高速充電器かもしれない

今現在、新しいiPhoneについてくるケーブルは、新しいMacBook Proにドングルなしではつながらない。#donglelifeは現実だ。しかし、もしこのリークが本当なら、その誤りはまもなく正される。

このたび明るみに出た写真は、Apple 18 W USB-C充電器のプロトタイプで、次期iPhoneに同梱されると思われる。もし本当なら、オーナーはiPhoneの高速充電機能を何も買い足すことなく利用できることになる。しかも、iPhoneとMacBook Proを買ってきたままでつなぐこともできる。

この噂は昨年にもあったが、それを裏付ける写真はなかった。

もし本当なら、このアダプターはiPhoneの電源アダプターにとって初めての大変更となる。Appleは長年5Wの充電器をiPhoneに同梱してきた。これは十分役目を果たしているが最高速で充電するために必要な電力は供給できない。仮にこの写真が公式Apple製品ではなかったとしても、Appleが似たようなものを準備している可能性はある。以前のリークでも同じような写真があった。

Appleは高速充電機能をiPhone 8/8 PlusおよびiPhone Xに搭載したが、その能力を利用するために必要な充電器はついてこない。ユーザーはサードパーティー製充電器にするAppleの30W充電器を50ドルで買う必要がある。

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二台のドローンとWi-Fi信号で厚い壁の中の状況を3D画像化できる、Google Tangoも活躍

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者Yasamin MostofiとChitra R. Karanamが作ったシステムは、二台のドローンと大きなWi-Fiアンテナと、少々の補間計算によって、厚い壁を透視できる。

このシステムは二台のドローンの共同作業で、片方が構造物へWi-Fiを照射し、他方がその信号を拾う。そして二台はその構造物の周囲を飛びながら、各地点で信号の強度の違いを記録していく。そうすると、その情報から閉じた建物の3Dモデルを作れる。

下のビデオでは、ドローンたちがレンガの構造物の回りのんびりと飛んでいる。彼らにその内部は見えない。電波がレンガを貫通し、壁の向こう側にある別の構造物を通過すると、信号が変わる。何度かそのデータを計測したあとで、ドローンたちは構造物の全体を高い解像度で図像化し始める。

“われわれが提案しているやり方では、無人航空機がWi-Fiの信号だけで壁を3Dで透視し、詳細な画像を作れる”、とMostofiは語る。“利用するのはWi-FiのRSSIだけで、事前の測定などはいっさい行わない。また画像を作るためにオブジェクトを動かす必要もない”。

最初はオブジェクトの2Dのモデルを作ったが、すぐに3Dにアップグレードできた。使用したのはシンプルなWi-FiルーターやGoogle Tangoを実装したタブレットなど、一般市販のデバイスだ。受信側は、Raspberry PiとWi-Fiカードを使っている。二台のドローンは対話しながら自力で行動する。

壁の向こうに見えるものは、映画「プレデター」のような像ではないが、でも災害などの緊急時には、ドアをぶち破らなくても建物の中を知ることができる。研究者たちは、考古学の調査にも使えるはず、と言っている。

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モジュール構造の本格的な電子工作を容易にできる補助ボードAtomoがクラウドファンディング中

Raspberry PiやArduinoでいちばん難しいのは、いろんな部位の具体的な配置だ。どちらも、ボード本体とインターネットがあれば、たくさんの楽しいことができるすぐれものだが、でもプリンターとか画面など、ほかの部位を加えたらさらに楽しい。問題は、それらの部位の置き方まとめ方だ。そこで、Atomoが助けてくれる

このモジュールキットは香港のメイカーJonathan Bufordの作で、製造大手のArrow Electronicsが採用した。

“AtomoはArduinoに代わるもの、あるいはRaspberry Piのアクセサリだ”、とBufordは語る。彼は、エレクトロニクスの広範なノウハウのない者でもRaspberry Piの複雑なプロジェクトを作れることを、期待している。

モジュールはいろいろあって、I/Oボード、ネットワーク拡張ボード、大きなプロジェクト用の電源ボードもある。たとえば下図のプロジェクトは、I/Oアダプターを4つと電源をPiに接続している。このやり方なら、本格的なロボットや水耕栽培装置などの、本当におもしろいプロジェクトの回路を、チーズの塊ぐらいのサイズで作れる。

このキットは初期支援者には39ドルで、発売予定は6月だ。パッケージを複数買って、大きな構成を作ってもよい。

“コントローラーはすべてRaspberry PiのHATの規格だから、Piのプログラムを書いてコントローラーをアップデートできる。あるいはAtomoそのものをHATにしてもよい。そうすればROSのロボットを作るなど、本格的な電源とI/Oとリアルタイムのコントロールを必要とするプロジェクトを、Piが処理またはインタフェイスできる”、とBufordは書いている。

これなら、Raspberry PiやArduinoのロボットが人類を支配することも可能だね。

 
 

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Pixel 2.0 Arduinoボードには1.5インチのOLEDスクリーンが載ってるからウェアラブルのゲーム機なども作れる

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この小さなPixel 2.0は要するにArduinoボードに1.5インチという小さな128×128のカラーOLEDスクリーンをくっつけたものだ。このままでウェアラブルに応用できるし、このArduinoボードから直接スクリーンにアクセスできる。これまでのような、後からスクリーンを半田づけして、うまくいくよう神様にお祈りする電子工作からの卒業だ。

このちっちゃいかわいいボードはKickstarterで75ドル、発売は6月だ。完全にオープンソースだから配線図を詳しく見られるので、いろんな応用製品を作れる。SDカードのスロットがあるからゲームやビデオなどのデータを保存できるし、Arduino SDKを使えばスクリーンのグラフィクスをプログラミングできる。

すでに目標額の5000ドルは突破しているから、製品化はほぼ確実だ。

これは、ボストンのRabid Prototypesが作ったPixelボードのバージョン2だ。同社のNeutrinoと呼ばれるハイスピードなArduinoボードには、ライトやモーターなど、もっといろんなDIY要素が載っている。昔のアーケードゲームがこのPixelで動けばめっちゃ楽しいだろう。画素密度も、そんなにちゃちくはない。今すでに、不安な要素はない、と思うね。

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Arduino MKRZeroはハードウェアハッカーのための小さな小さなDIYボードだ

mkrzero

すでに何でも持ってる人には、どんなギフトを買うべきだろう? ピンク色のヒメアルマジロか、それともArduino MKRZero。ぼくは、Arduinoをおすすめするな。

The MKRZeroは要するに、小さな小さなマイクロコンピューターで、出力端子とヘッダーがいくつかあり、バッテリー管理システムとUSBコントロールがある。32ビットのアプリケーションを勉強するのに適しているし、小さいからどんなものにも収められる。

これで、何ができるだろうか? いっぱいあるけど、DIYのテルミンとか、手をたたくとお金を吐き出す“Make It Rain”マシン*は? もちろん、ほかにもいろんな発想があるだろう。〔*: Make It Rainの意味。〕

こういう小さなボードは、なにしろ楽しいし、実験やハッキングのツールとしても貴重だ。わずか22ドルで、余暇時間にArduinoのプログラミングを勉強できるけど、ピンクのヒメアルマジロではできないね。でもあの小さな生き物は、もう一度、愛し方を教えてくれるかもしれない。

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SFホラーの世界から現れたような手作りLEDライトはハロウィーンのデコレーションにぴったり

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あなたと、あなたの友だち全員が、ストレンジャー・シングスの、頭から出血している女の子に恋してるかな? その子は、ワッフルが好きかな? きみはモンスターが怖いかな? …そんなあなたの感性にぴったりの、ハロウィーンデコレーションがあるんだ。この手作りのLED照明があれば、あなたは(もしくは女優のWinona Ryderなら*)、子どもたちとコミュニケーションして、Arduinoボードと巧妙な電子回路を使った(SF映画)Upside Downの世界へ彼らを連れていけるんだ(上図)。〔*: Winona Ryder, ストレンジャー・シングスの主演女優。〕

このプランはInstructableの教材製品として売られていて、コンピューターのメモリーのようにアドレスを指定できるLEDの列と、Arduinoのボードでできている。LEDは個別にコントロールでき、Arduinoがそのための信号を送る。子どもたちはその点滅のパターンでママに、“モンスターが来るよ”とか、“チップスをちょうだい”と伝えることができるだろう。

コードは残念ながら、ちょっとややこしいが、でも一種のランダムなパターン生成器としてはよくできている。構造はきわめて単純だから、子どもたちにも理解できるし、カスタマイズできるだろう。ハンダごてを握って、LEDの数を増やすなんて簡単だね。そしてきわめつけは、Arduinoをインターネットにつないで、そこへメッセージを送れることだ。子どもたちがその機能を使って、モンスターに庭の物置小屋に閉じ込められた話を始めたら、あなたの頭が、おかしくなってしまうだろうけどね。

arduino-rulez

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Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

battletoads

Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

  1. wireless.jpg

  2. duckhunt.jpg

  3. oldschooltv.jpg

  4. jackal.jpg

  5. craftsmanship.jpg

  6. nt-mini-nes-1.jpg

  7. nt-mini-nes-2.jpg

Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

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Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

battletoads

Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

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  2. duckhunt.jpg

  3. oldschooltv.jpg

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  5. craftsmanship.jpg

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  7. nt-mini-nes-2.jpg

Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

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電子回路工作の課題を毎月一つずつ送ってくる学習サービスTron-Club

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ここでご紹介するTron-Clubは、名前だけ見るとTronのファンクラブみたいで、毎週全員がユニタードを着て集まり、「シュー」という音を発声しながら目に見えないライトサイクルに乗ってるふりをするパーティーを、連想する。でも実はこのサービスは、電子回路をユーザのご家庭にお届けするのだ。なんのために? それは、あなたが電子工学を勉強するためだ。今では、そろばんの学習よりも、そちらが万人の義務だよ。

ハードウェアは日に日に、作るのも理解するのも容易になり、プログラミングの方が難しいと思うこともある。でもPythonの文を一行書くのは簡単だが、電子回路を作るのはそんなに簡単ではない。Tron-Clubの‘生徒’になると、たとえば圧電式ブザーを鳴らす回路なんかを作れてしまう〔製品例〕。今役に立たなくても、こんなレパートリーは、そのうちきっと役に立つだろう。

教育目的の電子回路玩具は、もともとそれほど好きではない。昔からあった電子工作キットに毛が生えたようなのは、全然つまらない。でも今では大人も子どももArduinoやRaspberry Piで勉強できるし、とくにTron-Clubのキットは、具体的な目的があって回路を作りたい大人を助ける。

サービスの料金は月額14ユーロ(年額150ユーロ)+送料だ。キャンセルは、いつでもできる。

電子工作は大きな音を出したり、おかしな煙を出すことだ、と思っていた人も、Tron-Clubならもっと楽しく電子工学を学べるだろう。目をいためないように、気をつけようね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a.
hiwa

日本発のKisai Linkは、ギーク風味を消したBluetoothウェアラブルだ

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ファッションの奴隷である私は、常に格好よくいる必要がある。しかし、こう多くのウェアラブルを身に付けなくてはならない今、いったいどうすればいいのか。ファッションとエレクトロニクスは両立しない。幸いなことに、Tokyoflashがまさにそのための商品を作った。Kisai Linkは小さなBluetoothデバイスで、手首に着けて使用する。電話やメッセージの着信を、LEDの様々な点滅とバイブレーションのパターンで知らせてくれる。画面はないので1回の充電で5日間使え、複数のファッショナブルなスタイルが用意されている。

Tokyoflashは、その明らかに奇妙なファッションウォッチで最もよく知られており、本誌でも過去数年間に何度も取り上げた。しかしこのLinkは違う。過去のデバイスの異常なオタク的スタイリングをほぼ完全に排除し、より流行に敏感な人たちをターゲットにしている。Linkは見た目がふつうのブレスレットなので、サイボーグのように見られずに「つながって」いられる。

Linkは79ドルで発売中。ファッショナブルな男女に向けたスタイルがいくつも用意されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

未来のヒット製品があるかも! 500 Startupsデモデーから本誌お気に入り4つを紹介

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今年もこの時期がやってきた ― われわれは今マウンテンビュー市のスタートアップアクセラレーター500 Startupsのデモデー会場にいる。

今日(米国時間5/12)30の会社が、自分たちの製品とビジネスモデルを投資家と報道陣に売り込み、売上、対象市場、成長について魅力的なデータを見せた。中でも、いくつかの会社の口上がわれわれの琴線に触れた。

われわれを唸らせた以下の4組(発表順)を紹介する。

Alfred 500 Startups demo dayAlfred ― 古いAndroid端末を、Dropcamスタイルのどこかれでもアクセスできるホームセキュリティーカメラとして再利用する。初年度に100万台の端末がサービスに参加し、文字通り何トンもの電子部品がゴミになるのを防いだ。彼らのアプリは、ユーザーにとって毎日の習慣にもなり、家のネコや子供や留守宅を1日平均10回チェックしている。

Raur 500 Startups demo dayRaur ― 人気番組のフィードをを自分のライブや録音コンテンツと組み合わせて、スマートフォンのアプリ1つだけでポッドキャスティングサービスを作れる。この組み合わせによるアプローチは、今すぐ楽しめるコンテンツたくさんあるだけでなく、将来はオーディオのためのPerisocpeやMeerkatになり得ることを意味している。

GridCure 500 Startups demo dayGridCure ― スマート電力グリッドの分析システム。彼らの主張によると、電力会社は何十億ドルもまけて家庭や会社にスマートメーターを設置したが、大量のデータを活用するためのソフトウェアを作っていない。GridCureを使えば、電力会社はどこの電力を再配置すべきか(全体のエネルギー損失を減らす)を調べたり、「盗電」を示す不自然な動きを検知することができる。

Yellowdig 500 Startups demo dayYellowdig ― 「学校現場のSlack」(チャットアプリ)。90年代かと思われる寄せ集めのバックエンドソフトウェアと誰もチェックしない大学のEメールを置き換える。これまでに7000人の学生によるテストを終え、2016年までに100校の大学で使われることを目標としている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このUSBメモリーはパソコンを物理的に破壊する


決して得体の知れないUSBメモリーを使ってはいけない。あなたのパソコン、いやあなたの命を損うかもしれない侵入ソフトウェアが山ほどある。そしてこのUSBメモリーは、USBコントローラーに過大な電圧負荷をかけることによって、パソコンを物理的に破壊する。アニメの腹ペコおおかみのACME人間大砲みたいなものだ。ドッカーン!

このUSBドライブの基本的アイデアは極めて単純だ。パソコンのUSBポートにつながると、反転DC/DCコンバーターが作動してコンデンサーをマイナス110Vに帯電させる。その電圧になるとDC/DCコンバーターは切断される。それと同時に電解トランジスタが作動する。これが -110 VをUSBインターフェースの信号線に送り込む。コンデンサーの電圧が -7Vになると、トランジスタが切断されDC/DCが動きだす。このループは破壊できる限りのものを破壊し終えるまで続く。電気に詳しい人なら、なぜ負電圧を使うのかもう想像できるだろう。それ以外の人のために説明すると、負電圧の方が整流が容易で、それを使うNチャネル電解トランジスタは、Pチャネルと比べて同じサイズでより大きい電流を作ることができる。

要するに、このUSBメモリーには巨大な電力を引き出して蓄積するしかけが入っている。あるレベルに達すると、その電力を元の供給源に戻し、それは専用のUSBコントローラあるいはCPUそのものだ。これは悪いニュースだ。戻された電力は回路に過負荷をかけ、使いものにならなくしてしまう。多くのUSBコントローラーはCPUに内蔵されているので・・・バイバイ、コンピューター。

恐ろしい。幸い作者はこのUSBメモリの設計図を公開していない。

世の中には注意するに足るほど数多くの侵入USBメモリーが出回っている。知らぬ間にマルウェアや侵入ソフトウェアをインストールするものもあるが、現在少なくとも1つ、実際にパソコンを破壊するものが存在する。これはコリン・ファレルのスパイ映画から抜け出てきたような話であり、Appleの未来へのビジョンにとっても興味深い話題だ。

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本物の電子回路を物の内部へ3DプリントできるRabbit Proto

Stanford(スタンフォード大学)の学生Alex JaisとManal DiaとRohan Maheshwariが作った3Dプリンタは、電子回路のトレース…配線を構成する薄い金属板やワイヤ…を作る。彼らのRabbit Protoプリンタは、通常の3Dプリンタのプラスチックを押し出す部分(エクストルーダ)が、剛体の中へ配線を“プリント”し、それによって電導性のある構造物を作れる。

このプロジェクトはデザインのクラスで始まり、そこで彼らは“3Dの面に導電性インクをプリントする”装置を作った。そして、ふつうの3Dプリンタに取り付ける簡単なエクストルーダと導電性インクから成るキットの価格を、エクストルーダ1基 なら350ドル、2基なら450ドルに抑えることができた。後者のデュアルエクストルーダの方(Super Rabbit)は、配線とプラスチックの両方を同時にプリントできる。

3Dプリンタ本体も、彼らが作った2499ドルのRepRapプリンタがあり、それにはエクストルーダがすでに装備されているから、キットを取り付けたりする手間が要らない。Rabbitの配線図とファームウェアをダウンロードして、キットを自作してもよい。

なぜこの発明が重要かというと、最初から一体的なオブジェクト(分解~組み立てをしないもの)でありながら、その中に電子回路の配線がある、という品物を3Dプリントでほんの数分で作れるからだ。従来、そういう品物は、オブジェクトの内部を空洞にして、その中にPCBを収める、という方法で作っていた。しかしRabbitの方法なら、内部に電子回路のあるもっと薄くて丈夫なオブジェクトでも、後からの配線を要さずに作れる。

物の内部に配線をプリントする3Dプリンタ、という話を聞いて、まだぴんと来ない人は、3Dプリンタでピーナッツバターをプリントすることだってできる、ということを考えてみよう。そうすると、3Dプリンタが自動サンドウィッチメーカーに早変わりするのだ。


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ブラウザ上でコンパイル, テスト, エラー報告もやってくれるArduino用IDE CodeBender.CC

Arduinoは今や至る所で見かける、とってもクールなマイコンボードだが、その公式IDEでコードを書いてアップロードするのは一(ひと)苦労だ。その、ネットワーク接続のないスタンドアロンのアプリケーションは、ルックスも良くない。でも、ブラウザ上にArduinoのIDEがあって、コードを共有できたり、プログラムをアップロードできたら便利ではないかな? それをまさに、CodeBender.ccがやってくれるのだ。

ブラウザ上のIDE CodeBenderを使えば、どんなArduinoボードでもアップロードできる。サンプルコードのコピー、ほかのユーザがアップロードしたコードの閲覧、それに非公開のコード片を保存することもできる。それは基本的にはコラボレーションの場なので、だれかのコードを自分のプロジェクトに利用したり、またコード片のリストから目的のコードを見つけることもできる。

Vasilis GeorgitzikisとAlexandros Baltasが創ったこのサイトは、ヨーロッパのシードファンドLAUNCHubから生まれた。Georgitzikisは曰く、“ふだんは最新の先進的な開発ツールばかり使っていたから、そういうツールのないArduinoは使い辛かった。世界各地のハッカー集会でArduinoのインストラクターもしたが、わずか3時間のワークショップで2時間半をいろんなもののインストールに費やさなければならない”。

“このWeb IDEと並行して、ネットワークに接続しているArduinoをプログラミングしコントロールするツールも作った(Arduino Ethernetなど)。これもブラウザ上で使い、HTML5の技術(WebSocketなど)だけで作られている。それを使うと、IoT(Internet of Things, 物のインターネット)デバイスをリモートでプログラミングできる”、と彼は言った。

このシステムはコンパイルとエラー報告を行うので、最終的にはプロジェクトの完動コードをアップロードできる。Circuits.ioのようにプロジェクトをシミュレートするだけでなく、Arduinoを使ったハードウェア全体をブラウザから完全にコントロールできる。Arduinoになんとなく近寄り難(がた)かったぼくみたいな人間も、このIDEがあれば、いろんなことを積極的に試してみる気になるだろう。

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Adafruitが子ども向け電子工学教育をYouTubeビデオで開始

電子回路/電子製品を自作あるいはプロトタイピングする人たちに素材を提供しているAdafruitがこのほど、YouTube上の短編ビデオシリーズで、電子工作に対する若者や子どもたちの関心喚起努力を開始した。そのシリーズはCircuit Playground(回路の遊び場)と名付けられ、電子回路とその部品や概念の基礎を、子どもたちにアルファベット順の項目で教えようとしている。これを見たおちびさんたちが、技術者にあこがれたり、電子工作を趣味にしてくれたら、しめたものである。

初回はAだからampere(アンペア)だ。回路を流れる電流の測度単位のこと。‘番組’のホストは、子ども向けにかわいいロボット人形のAdabotくんと、AdafruitのファウンダLimor Friedだ。Limorは子ども相手臭くないふつうの口調で、わかりやすい説明をしている。最初は、回路の部品を表すたくさんのアニメキャラクターが登場する。さらにその後、アンペアの語源になったAndré-Marie Ampère氏がスペシャルゲストとして出演する。だから、科学史のお勉強でもある。

ビデオの長さは5分弱だから、十分に子どもたちの忍耐の限界内だ。これから電子回路の基礎を勉強したいと思っている、もっと年上の子にとっても、もちろん見る価値はある。

〔Adafruit社に関する本誌記事。日本のスィッチサイエンスは単なるネットショップだが、それなりにおもしろい。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))