ドローンで設備点検や災害対策を効果的に、ブイキューブロボティクスが12億円を調達

企業や自治体向けにドローンを活用した業務用ソリューションを提供するブイキューブロボティクス。同社は6月29日、Eight Roads Ventures Japan、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、Drone Fundから総額で約12億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

調達した資金をサービス開発投資や組織体制の強化に用いて、さらなる事業成長を目指す方針。合わせて7月1日より社名をセンシンロボティクスへ変更することも発表している。

以前Drone Fund代表の千葉功太郎氏に日本のドローン市場について聞いた時、インフラ検査などB2B領域でのドローンの活用が大きく発展していくという話があった。インフラの老朽化などが進むとより多くの人材が必要になる一方で、今後国内の労働力人口が減っていくからだ。

ブイキューブロボティクスが展開しているのは、まさに設備点検や災害対策、警備・監視といった業務における課題を、ドローンなどのロボティクス技術を活用して解決する事業。たとえば主要サービスのひとつである「リアルタイム映像コミュニケーションサービス」では、ドローンで撮影している映像を、遠隔かつ複数の拠点でリアルタイムに共有する。

災害が発生した際やインフラ周りの設備点検をする際も、共有された映像を見ながらコミュニケーションをとることで、現場に人が近づくことなく状況判断や意思決定を行えるのが特徴だ。

その他にも機体や搭載するカメラ、定期メンテナンス、部品交換、ドローン保険など“ドローンを業務に活用する場合に必要となるもの”をパッケージ化したサービスや、ドローンを用いて太陽光発電施設の点検に関する一連の業務を自動化する「SOLAR CHECK」などを提供している。

ブイキューブロボティクスは2015年にブイキューブの子会社として設立。2016年にもグロービス・キャピタル・パートナーズとツネイシキャピタルから資金調達を実施している。

Parrotから折りたたみ式ドローン、Anafi登場――DJI Mavic Airに対抗

今朝(米国時間6/6)、フランスのドローン・メーカー、ParrotがAnafiを発表した。これは明らかにDJIのMavic Airに対抗するモデルだ。Parrotによれば、このポータブル・ドローンの開発に2年間かけたという。「ユーザーからのフィードバックに応えようとすると同時に昆虫の仕組みからインスピレーションを受けた」そうだ。

このドローンは携帯性を最大限に高めるため、DJI Mavicと同様、320グラム前後と軽量で折りたたみ式だ。フォトグラファーだったら他の撮影機材といっしょに持ち歩ける。ジャケットのポケットに入れておくこともできる。21メガピクセルの4K HDRカメラがジンバルを介して搭載されている。

Parrotではバッテリー駆動時間を25分程度と計算しているが、このクラスのドローンとしては優秀だ。バッテリーは簡単に交換できる(価格99ドル)。またきわめて静粛になった。もちろん無音というわけではないが、芝刈り機のようなブーンという音は前のモデルに比べて3分の1減少しているという。

AnafiドローンのコントローラーはiPhoneまたはAndroidのスマートフォンを取り付けFreeFlight 6アプリをインストールして使用する。ここに搭載カメラの映像が写し出されタッチスクリーンによる操作ができる。Mavicシリーズと同様、撮影対象を追尾するなど撮影目的に応じた多様なコントロール・モードを持つ。もちろんセルフィー撮影モードもある。

価格もコンシューマー向け製品として妥当な699ドルだ。 これはMavic Airより100ドル安い。ただ一見した印象ではメインストリーム向けドローンとしてDJIの製品のほうがいかにもスパーテクノロジーという感じがする。Anafiの出荷は7月1日で、Parrot自身とAmazonの他に「いくつかの販売チャンネル」が用意されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Skydioの新ドローンは自動飛行で自動車を空撮

13基ものカメラを搭載したスーパークールかつスーパー高価なドローン、 Skydioに最初のメジャーアップデートが来た。高速で自動追尾しながら撮影できる対象が増えた。自動車だ。

サンフランシスコ周辺のベイエリアを本拠とするスタートアップのプロダクト、R1は人間や自転車だけでなく、いまや自動車の追尾が可能になった。ただしドローンの飛行速度は時速40キロのままなのでNascarのレーシングカーを追尾するわけにはいかない。しかし高度な自動飛行テクノロジーのおかげで、従来はベテランのドローン操縦者でも困難だった曲がりくねって障害物の多い地形でも自動車をトラッキングして空撮できる。

われわれのR1のレビュー記事でも触れているが、ドローンの強みはハードウェアの品質と同時にソフトウェアのアップデートによって能力が拡張できるところにある。実際、2ヶ月たたないうちに今回のアップデートで重要な能力が追加されたわけだ。

SkydioのCEO、Adam Bryはプレスリリースで「Skydio R1では映像体験はソフトウェアによって決められる。つまり現在のユーザーも未来のユーザーもわれわれのソフトウェアのアップデートによって根本的に新しい能力を獲得できる」と説明している。

自動車追尾モードに加えて、Skydioには新しくリード・モードが提供された。これは実際に撮影する前に飛行経路を設定し、それにしたがって実際の撮影が行われる。同社では「今回のアップデートによってドローンの動作がさらに賢くなり障害物を避ける能力が向上した」としている。またクォーター・フォロー、クォーター・リードなどのモードが加わり、真後ろからの追尾以外の映像が得られるようになった。

Skydio R1 Frontier Editionはこうした能力を考えればおそらく適切であろう2499ドルという価格で提供される。ソフトウェアのアップデートは今日から可能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ドローンのローターによる負傷を防止する簡便なシステム登場――ビデオあり

IEEE Spectrumによれば、クオドコプターの操縦者に必須のクールなシステムが開発された。回転式のメカニカル・センサーで指や身体の一部が触れると直ちににローターの回転をストップさせる。これによりドローンの操縦者自身や友達、特に小さい子供が負傷するのを防止できるという。

ドローンのモーターがますます強力になる中、オーストラリアのブリスベーンのクイーンズランド大学の研究者チームは重大事故を防止するセーフティー・ローターを開発した。このシステムははローターの外周をメカニカルセンサーが回転し、指(ビデオではウィンナーソーセージ)が接触すると0.077秒以内にローターをストップさせる。このセンサーの回転はローターより遅いが、常時異物の接近を見張っている。IEEE Spaectrumの記事はこう解説している。

接触の探知があってから[セーフティー・ローダーにブレーキがかかり始まるまで]のレイテンシーは0.0118秒と測定された。ローターが完全に停止するまでにはさらに0.0474秒を必要とした。回転エネルギー(角速度から推定)の90%は0.0216秒以内に失われた。99%が失われるには0.032秒を必要とした。.

実験室におけるセーフティー・ローターの機能テストには調理済み肉製品を「指」として用い、センサー・フープに接触させた。またこの指をセンサー・フープを装着していないローターにも接触させて結果を比較した。ローターは通常のホバリング状態で回転(1100rads/sec)しており…「指」とローターのもようは毎秒480コマでビデオ撮影した。セーフティー・システムの場合、ローターは0.077秒で停止し、「指」にはセンサー・フープが当たった際の軽い跡がついただけだった。「指」がローター本体に接触したときにはローターは完全に停止していた。これに対してセンサーを装備しないオープン状態のローターの場合、「指」は完全に破壊された。

セーフティー・ローターのキットは重量が22グラム、価格が20ドルということなのでさほど高価でも重くもない。取り付けも難しくないという。血の通った本物の指を高速回転するローターから守るためには非常に役立つシステムのようだ。

〔日本版〕Spectrumは米国電気電子学会(IEEE=アイ・トリプル・イー)が発行する専門誌。記事によればチームはこのシステムを既存のクアドコプターに後付けで装備した。チューニングの必要はあるがさほど困難な作業ではないという。研究者を代表してPaul Poundsは「こうしたシステムの商用化にあたって最大の障害は大手ドローン・メーカーがドローンの安全性を高めるためのコスト増を受け入れる用意ができていないことだろう」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Uberの空飛ぶタクシー、料金がどれくらいになるか最新情報

Uberは、空飛ぶタクシー事業についての情報共有を目的とした大規模な会議Uber Elevateを今日8日からロサンゼルスで開いている。この事業についてよく知らない人のために説明すると、Uberは2020年に垂直離着陸可能な機体のテストフライトを実施し、最終的には2023年に商業運転を開始するという計画を立てている。今日の会議では、空飛ぶタクシー事業の最高責任者Eric Allisonがコンシューマー向け空飛ぶタクシーのライドシェアuberAIRのコストについて言及した。

Allisonが言うには、乗客が払う1マイルあたりのコストは、車を所有したときのコストと比べても競争力を持つものでなければならない、とのこと。全米自動車協会によると、自家用車を所有した場合、1マイルあたりのコストは0.464〜0.608ドルになると試算されている。

しかし、uberAIRのサービス開始時の乗客1人が支払う1マイルあたりの料金は自家用車のコストほどにはならなさそうだ。当初は1マイルあたり5.73ドルになると見込む。0.44ドルというのが理想で、そこにたどり着く前にまずは1.86ドルにすることができると踏んでいる。

Allisonは、今後空での移動が早く安くなり、車を所有するのはコスト的に見合わなくなるはずだ、と述べた。一方で、空でのライドシェア需要は驚くほど大きい、とも語った。もしuberAIRを今使える状況であれば7億人が利用するだろう、というUberが実施した調査の結果に基づく発言だ。

私はいま、Elevateに来ているが、この後も新たなニュースが出てくるかアンテナを張っておこう。

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(翻訳:Mizoguchi)

自律型攻撃ドローンによる果てしない復讐戦を避けよ

西側が中東を空爆した:デジャビュ以外のなにものでもない。20年前、米国はトーマホーク巡航ミサイルでスーダンとアフガニスタンを攻撃した。そして2日前、米国はシリアを攻撃した…やはりトマホーク巡航ミサイルで。各攻撃のメリット/デメリットはともあれ、この20年の間に小規模戦略戦攻撃のための技術が変化していなかったというのは、少々驚くべきことではないだろうか?

とは言うものの、次の10年で、戦略は大幅に変化するだろう。しかもおそらくそれは良い方向にではない。先週Kelsey Athertonがツイートしたこの鋭い1行に思いを馳せてみて欲しい:

戦争の未来は100ドルのクワッドコプター(四角形)たちを迎撃する100万ドルの灰色の三角形たちとなるだろう

もちろん、安価なドローンたちは、すでに戦場で小規模には用いられている:ISISが、ヒズボラが、ハマスが、そして麻薬カルテルたちがそれを利用している。そしてもちろん世界中の、従来の国家の軍隊によっても。しかしそれらは、人間の操縦するドローンであり、かつ短距離、しばしば場当たり的な方法で使用されている。興味深いが実際には戦略的に重要ではない。

その一方で、現在世界は人工知能とオートメーション技術のカンブリア大爆発の真っ最中である。たとえば、自動運転者の1人開発プロジェクトとして始まったスタートアップのComma.aiのことを考えてみて欲しい。あるいは驚くべきSkydioについて考えてみるのも良いだろう。この自律飛行ドローンは障害物を避けて飛行しながら、あなたの後をどこまでも追う。

…私たちがどこに向かっているかおわかりだろうか?現在は、強大な軍事力だけが数発の爆弾を遠くの敵に投げつけて、政治的論点を強調することができる。だが、大きなSkydiosの群れを想像してみてほしい。それらは指定されたGPSの位置、もしくは視覚的ランドマークをめがけて飛ぶ、もしくは特定のナンバープレートの車を追いかけるように再プログラミングされている。もちろん大量の爆発物を抱えてだ。

トマホーク1基の費用は187万ドルである。個人的には、ISIS、ヒズボラ、ハマス、そしてシナロア・カルテル(メキシコの犯罪組織)などの有能で裕福な非国家勢力…その他のあらゆる好ましからざる勢力が、自律飛行で対象を狙う攻撃型ドローンの群れを生み出す日は、それほど遠くないのではと思っている。そうしてその群れを目標となる場所へと送り込むのだ…1基のトマホークよりも遥かに少ない費用で。自律飛行と目標追跡のためのソフトウェア/AIモデルは、自動運転車のような完璧さを求められることはない。武力を誇示してパニックを起こしたいだけなら、50%の失敗率でも効果は十分以上だ。

国家やテロ勢力、麻薬カルテル、夢想的カルト集団などが、何千人もの人びとに犠牲を与え、数百万人に絶え間ない恐怖を与える能力を持つ多極化した世界で、果てしない相互テロの応酬を想像することは、ぞっとすることながら極めて容易である。強い復讐の炎に包まれた沢山の様々な勢力が、散発的に果てしない攻撃を加えてくる。それぞれの攻撃での犠牲者はせいぜい100人程度だとしても、攻撃を受ける側に底なしの恐怖と怒りを引き起こす。制御することの難しい怒りだ。ハッキングのように、自律ドローンによる攻撃は非常に防ぎにくい。

おそらくこれをSF的な妄言と笑うこともできるだろう。それにも一理ある。このようなことがまだ起こっていないことは事実だ、しかし商用ドローンの兵器への応用例は、はっきりとした警告のサインなのだ。ドローンの馬がまだ1匹もやってきていないのに、納屋のドアを固く閉ざそうとするのは、間違っているし馬鹿げた先走りだという意見には同意する。西側諸国が、研究の制限やハードウェアやソフトウェアのコントロールを考え始めるべきだと言いたいわけではもちろんない(まあ、たとえそれが上手く行ったとしても、それは結局は無意味だ、ドローンのハードウェアは安く、研究開発はグローバルに行われているからだ)。

しかし、もし自律飛行する攻撃型ドローンが、非対称戦略攻撃を可能にした場合には、それらにどのように対処すべきかについて考え始めることは、時期尚早ではない。そして、それが起こる前に、武力行為を最小限に抑えようと努力することも早すぎることはない。理想的には、大きな怒りを感じる度にミサイルを投げつけて解決しようとするのではなく、世界中で燃え盛る紛争の根本原因を解消するように務めることが大切なのだ。なぜなら、私たちが力で対抗しようとするなら、それほど遠くないある日、私たち自身の災厄となって跳ね返ってくるからだ。

(本記事の原題は “Mutual assured dronestruction” というものである。これは “Mutual assured destruction” (MAD:相互確証破壊、2つの核保有国が核戦争を起こせば確実に双方とも滅んでしまう状況)のもじりで、ドローン群による果てしないゲリラ的復讐戦に対する心配を表現したものである)

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(翻訳:sako)

ドローン撃退銃DroneShieldがピョンチャンに次ぎ全米ストックカーレースNASCARで採用

NASCARレースの実況で、ドローンから撮ったすてきな画面を見たくても、そのクァッドコプターは不思議な力によって地上に釘付けになっているだろう。DroneShieldのそのドローン退治技術は、Texas Motor Speedwayで行われるNASCARのイベントで起用される。

同社が作っている数種類の製品はどれも、飛ぶべきではないところを飛んでいるドローンを見つけて安全に停止させる。もちろんこの問題は激化しており、しかも場所は空港や空軍基地だけではない。大きなスポーツイベントに現れた迷子のドローンが、落ちてゲームの邪魔をするかもしれない。人に当たるかもしれない。カーレースなどでは、重大事故の原因になるかもしれない。

同社の手持ち型ドローン捕獲銃“DroneGun”の最新バージョンはUAV(無人飛行体)のシグナルをスクランブルするから、ドローンはおとなしく駐機してるしかない。最初からそのようにプログラムしておけばよい。それは、個人が買うと違法だが、警察は買える。

最近DroneShieldの技術は、ブリスベーンで行われたイギリス連邦競技大会やピョンチャンのオリンピックで起用された。そして同社の発表によると、今度はテキサス州の当局により、ストックカーレースNASCARの警護に採用された。

ピョンチャン冬季オリンピックで起用されたDroneShield

“有名なイベントをアシストできて光栄だ”、とDroneShieldのCEO Oleg Vornikが発表のメールで言っている。“しかもこれは、弊社の三機種(DroneSentinel, DroneSentry, DroneGun)すべてを警察がひとつのイベントで実際に使う最初の機会になる”。

もちろんそれは、同社にとっても市場拡大のチャンスになるだろう。ドローン市場は今後もまだまだ右肩上がりだから、その機会をうまく捉えたスタートアップだと言えるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DARPAは自律型ドローン群のための新しいアイデアを募集中

米国防総省の研究部門は、ドローン(無人機。必ずしも飛行するものだけとは限らない)の投入を真剣に検討している。しかも1機ずつではなく、連携した一群としての投入である。The Offensive Swarm-Enabled Tactics(OFFSET)プログラムは第2の「スプリント」(アイデア募集短期プロジェクト:OFFSETプログラムには全部で5回のスプリントが予定されている)を開始しようとするところだ。この期間に、その回のスプリントの中心テーマに基いたシステムの、ラピッドプロトタイプを募集する。この春のスプリントのテーマは「自律性」に関するものだ。

ここでの目的は、センサ、ソフトウェア、あるいはより良いプロペラブレードといった新しいテクノロジーが、ドローンたちが集団として互いに調整し行動する能力を、どのように向上させることができるかに関するアイデアを数多く集めることだ。

具体的には、50機の群れが、お互いにあるいは地上のロボットたちと協力することによって、30分以内程度で「都市内の目的地を確保する」必要がある。これは少なくとも、これから参入を考えている者たちに対して、自身の技術が適用可能か否かを判断させるための「作戦背景」ガイドと成る。

ということで、農場にトラクターよりも素早く種を蒔くことができるドローンは、農民にとっては有益でも、ペンタゴンが興味を持つものかどうかは分からない。一方、都市の戦場に、自律センサーを投下するドローン群のアイデアを売り込むことができるなら、彼らはそれを気に入ってくれるかもしれない。

あるいは、単にコンパクトな地上のライダー(lidar)システムを使って、低コストで可視光も使わず、群れの連動を改善する方法を示すこともできる。あるいは、人間の介入なしに、群れを構成する機体たちに、空中で充電できるようなシステムをデザインするのも良いだろう。

実際、それらはかなり面白いアイデアたちとなるだろう。本プログラムのマネージャーであるTimothy Chungには、この5月にバークレーで開催される私たちのロボットイベントのステージ上で、それらを披露して貰えたらと思っている。Chungはこれだけではなく、Subterranean Challengeその他の沢山のプログラムをDARPA で指揮している。この新しいスプリントの基本ルールを説明するビデオを見る限り、進行は順調のようだ。

参加するために、実際に50機のドローンを所有している必要はない。シミュレータがあるし、それ以外にも価値を示す方法は用意されている。プログラムに関する詳細と、審議のためにあなたの仕事を提出する方法は、FBOのこのページを参照して欲しい

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(翻訳:sako)

画像:Dan Bruins

Fordのコロンブスの卵: 自動運転車のセンサーシステムをドローンでバックアップする

未来の自動車は、自分が正しく動くために大量のセンサーに依存するだろう。今日すでに彼らは、カメラや超音波機器やレーダーの配列などなどを山のように積み込んでいるが、しかしそれらの多くは、やや規格から外れたようなドライバーのアシストが主な目的で、しかもそれらが万一動作しなくても、いざというときは人間ドライバーが持っている感覚器に頼る、という前提だ。

しかし、そのかんじんの、人間の感覚器が役に立たないときもある。そこでCNETの報道によるとFordは、車載センサーのバックアップとして、人間の感覚器官に代わる新しい方法を編み出し、特許を出願した。このことが重要なのは、自動運転車、とくにそのレベル5の車両は、まさかのときでも人間には頼らない/頼れないことが基本だからだ。Fordはこの制約を、車にドローン・ドックを設けることによって回避する。そしてそれによって、自動運転車が本来搭載しているセンサーシステムに、フェイルセーフ性を持たせる。

これは、高度に自動化されている車の外部に冗長性を持たせるという、超頭のいい問題回避ソリューションだ。つまり、未来の仮想的自律ドライバーは、そのセンサー部位のバックアップをオフサイトに持つことになる。

このシステムは今のところ、特許の出願にすぎないが、今後はドローンの視覚機能をもっともっと単純化して、見なくてもよいものは見なくしていくだろう。でも、完成まではまだまだ時間がかかりそうだ。自動運転車の大衆的普及そのものが、どんなに短く見積もっても10年以上先だから、時間がかかるのは構わないけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ディズニー、スター・ウォーズ・ランドのドローン撮影ビデオ公開――「銀河外縁」エリアは広大だった

アナハイムでもオーランドでもいいが、ディズニーランドに行ったら、 ある地点である方向を見るといい。あるいはアトラクションに乗ったときにある方向を何度か見るのでもいい。ディズニーが建設中のスター・ウォーズ・ランド(正式な名前はStar Wars: Galaxy’s Edgeというのだそうだ)が見えるはずだ。もちろんほんの一部がちらりと見えるだけだが、それでも「うん、たしかに足場が組んであった」という報告はできるだろう。

ディズニーはこの新しいアトラクション・エリアをドローンで空撮したビデオを公開した。これなら現状が十分よくわかる。もちろん建築物はまだ基礎工事ないし足場に覆われている状態だ。それでもスター・ウォーズ・ランドが非常に広大な面積を占めていることに驚かされる。

去年ディズニーが公開したコンセプトモデルとドローン・ビデオを比較してどこがどの部分になっているのか推理してみるのも面白い。ゲストごとに異なるストーリーが提供されるという没入的スター・ウォーズ体験ホテルはどのあたりだろう?

Star Wars: Galaxy’s Edgeアトラクション・エリアは2019年オープンの予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Airbusの空飛ぶタクシーVahanaが地上5メートルの初のテスト飛行に成功

つい昨日(きのう)のことのようだが、Airbusの電動で自動操縦の垂直離着陸機Vahanaは、単なる絵に描いた餅のようなコンセプトだった。それが今や、実際に飛んだ。実物サイズのプロトタイプのテスト飛行は1分にも満たなかったが、その間Vahanaは完全に自動操縦で地上16フィート(5メートル弱)を滑空した。

Vahana VTOLは、見る角度によっては複雑なヘリコプターのようだし、あるいは着陸しているドローンのようだ。開発したのは、Airbus社のシリコンバレーのR&D部門A³で、都市内交通機関としての実用化を目指している。路上の渋滞を無視できるし、従来の航空機と違って、短い停留所間距離にも適していることを、売りにしている。

まだまだ実際の商用化にはほど遠いが、最初の飛行が成功した、とは言えるのであり、次の日にもまた飛んだから、開発は正しい路線を進んでいるようだ。

次のテスト飛行の課題は、単なるホバリングではなく、指定された方向へ飛ぶことだ。人や物をA地点からB地点に運ぶためには、もちろんその機能が欠かせない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ロボット・スワンがシンガポールの水質調査をお手伝い

シンガポールの国立シンガポール大学の研究者は自律航行が可能な水質検査ロボットを開発した。この水上ドローンはSmart Water Assessment Network、SWANと呼ばれる。実際、驚くほど本物のハクチョウそっくりだ。

ロボットはシンガポールの港湾や川、池に浮かべられセンサーで水温、汚染物質などを検査し、リアルタイムで情報を送り返してくるという。スワン・ロボットにしたのはむき出しのドローンに比べて親しみやすく、風景にもうまく溶け込むからだという。

現在スワン・ロボットはシンガポールの貯水池などで水質検査の実験を始めている。ボートその他の障害物と衝突しても耐えられるデザインだという。従来のようにボートを使って人手で水質サンプルを集めるよりはるかに低いコストで多数の地点の水質が検査できる。将来はまったく人手を介さず完全自動で水質を見張るようになるはずだ。

本物のハクチョウをびっくりさせないといいのだが。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DJIの新ドローン、Mavic Airは799ドルでスマホサイズ――新機能満載で出荷は28日から

DJIはドローンの新製品の秘密保持という点ではこれまでもあまりいい成績を収めていないが、今回のMavic Airも直前に写真がリークされた。今朝(米国時間1/23) ニューヨークで開催され、リアルタイムでストリーミングされたプレスイベントで発表されたMavic Airの内容はだいたいわれわれの予想どおりだった。ハイエンドのMavic Proと普及版のSparkの中間の位置づけとなる製品で、DJIが一般消費者向けに力を入れていることを示すものとなった。

DJIによれば「われわれはポケットに収まるほど小型で十分な空撮能力がある製品を作るために一から設計した」という。たしかにスマートフォンのサイズのプロダクトで、北アメリカ事業の責任者はイベントでベストのポケットに2台のAirを入れてみせた。Proのほぼ半分のサイズで重さは41%に過ぎないという。

Airの本体には3軸(自由度)のジンバルで4Kカメラが搭載されている。静止画は12メガピクセルで撮影でき、低照度の条件にも強い。HDR機能も内蔵されており、露光条件が場所によって大きく変わる風景撮影などでは特に威力を発揮する。DJIによれば静止画を貼り合わせてパノラマ写真を作成するなどソフトウェアにもいくつかのアップデートが行われたという。

動画安定化の要となるジンバルは本体同様、まったく新しく設計された。システムは本体内に完全に収まるので全体のサイズは驚くほど小さい。8GBのメモリーを備え、microSDカードを追加しなくても動画、静止画を記録できる。

AirはGoProが突然ドローン市場から退場して以来、この市場で初の新製品だ。GoPro KarmaはMavic Proにきわめて近い製品で、実際この製品はGoProとDJIの提携から生まれたものだった。

AirはActive Trackという機能を備えており、移動する対象を自動的に追尾できる(Karmaにこの機能が欠けていた)。アクションビデオを撮影しようとするユーザーはドローンの操作を友達に頼まずに自分を撮影できる。AsteroidとBoomerangという機能はボタンを1回押すだけで予めプログラムされたスタイルでパノラマ動画が撮影ができる。

Mavic Proは出荷が遅延するなどつまづきがちなスタートだったが、結局、優秀な製品であることが判明し、成功を収めた。これによりDJIは続いてスマートフォンサイズでユーザーが手の平を見せて動かすなどジェスチャーで簡単に操縦できるドローンを昨年5月に発表した。

残念ながら、われわれはこのドローンをテストしているときにブレードが当ってビデオのプロデューサーが指を怪我するトラブルに見舞われた。ジェスチャーによる操縦は「当たるも八卦」の傾向があり、あまり信頼性が高くなかった。たしかに一般消費者を意識した製品として意欲的だが、未完成という印象だっった。
第一世代のプロダクトから教訓を得て前モデルにおける問題が今回Airでは改善されているよとよいのだが。
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Airではドローンに向かって両手を伸ばし、閉じることでフライトを終了を命令できる。ユーザーが片手を伸ばして地面を指差すとドローンはその場所に着陸する。この機能は5.8メートル程度の距離まで有効だという。操縦にスマートフォンを使えば80メートルまで、リモコン・ブースターを使えば4キロメートルの距離から操縦できる。スポーツモードではドローンは時速68キロメートルで飛行する。一回の充電による飛行時間は21分だ。

前モデルはmicroUSB.だったがAirはUSB-Cポートを備える。ミニサイズのボディーながらさまざまな安全機能、位置トラッキング機能が組み込まれているという。

【略】

Airの価格は799ドルからとなっている。399ドルのSparkと999ドルのProの中間だ。Airには999ドルのコンボパックも用意されており、2個のバッテリー、予備のプロペラ、充電ハブ、携行用バッグがセットになっている。Airは今日からDJIのサイトで予約注文ができる。出荷は来週、1月28日からだという。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッドの3種類だ。【略】

空撮のプロにとっては799ドルは手頃な価格だろう。アマチュア・フォトグラファーやアクション・スポーツ愛好家も大いに興味を持つだろう。一般消費者への浸透に関しては、ジェダイ・マスター式のハンドジェスチャーによる操縦が今後どれだけ信頼性を高めるかによりそうだ。ともあれ昨年のわれわれの場合のようにビデオ番組のプロデューサーの指を切るような事態を引き起こさないことを期待したい。

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ただし、誰にも使いやすい信頼性の高いジェスチャー・コントロールが採用されたとしても、799ドルから999ドルというのは、一般人が趣味として利用するガジェットとしては(クールなおもちゃであることは間違いないが)やはりまだ高価だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DJIの最新ドローン、明日の発表前に写真がリーク

DJIは明日、新型ドローンを発表すると見られているが、いち早く「これがそうだ」という写真が流れ始めた。Mavic Airというモデル名になるらしいが、現行の折畳式小型ドローン、MavicProと低価格のSparkのミックスのような感じだ。私は興味を惹かれた。

DroneDJによれば、この小型ドローンは折畳式の4脚と4kカメラ、3軸ジンバル、障害物自動回避システムを備えるという。肝心の価格と後続距離は? DJIは明日朝のイベントでこうしたスペックを発表するものと思われる。

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この製品は小型ドローンに期待される能力をほぼすべて備えているようだ。現行のSparkは低価格ドローンとしては優秀なプロダククトではあるものの、能力はあまり高くない。新しいMavic Airは折畳脚と3軸ジンバルによるカメラの安定化でSparkの欠点をほぼすべて解消しているようだ。Mavic Airが新シリーズではなく、Sparkの後継モデルだとよいのだが。DJIのドローン製品は数が多く、非常にわかりづらいものになりつつある。

明日朝、DJIが製品を発表次第報告する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ボーイングのプロトタイプ・ドローンは227kgを空輸する

ボーイングはさきほどドローンを開発していることを明らかにした。従来のドローンとは異なり、カメラなどよりはるかに重い貨物を搭載できるという。同社のエンジニアのチームがデザインした貨物ドローンのプロトタイプは500ポンド(227kg)の重量を空輸できる。

ボーイングのドローンはDJIなどが市販しているものよりはるかに大型だ。自重は340kg、長さ4.6メートル、幅5.5メートル、高さが1.2メートルあり、4本のアームの先端にそれぞれ二重反転プロペラを備える。このドローンを設計、開発するのにボーイングのエンジニアは3ヶ月しかかからなかった。ドローンはミズーリ州のボーイングのテスト施設で試験飛行を済ませたという。

ボーイングの最高技術責任者、Greg Hyslopは声明で「この貨物ドローンは、ボーイングのVTOL〔垂直離着陸〕テクノロジーに大きな新しい一歩を印すものだ。われわれは航空運輸のあり方を大きく変える入り口にいる。後で振り返って、このドローンが飛んだ日こそ大きな変革の始まった日だと思い起こすことになるだろう」と述べた。

ボーイングはまだこのプロトタイプについてスピード、航続距離などの具体的能力を明かしていない。技術的詳細はやがて発表されるとしても、この航空機がそのまま商用ベースで生産されるようになることはないだろう。しかしドローンの輸送能力をテストするプラットフォームとして重要な役割を果たすものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

千葉大発のドローンスタートアップACSLが未来創生ファンドなどから21億円を資金調達

空撮などで主に使われる一般向けの民生用ドローンでは、安価な中国製の製品が世界的にもシェアを取っているのが現状だ。そうした中で、土木建築現場での点検や測量・測地、物流・宅配といった産業用途に特化した国産ドローンを開発するのが、千葉大学発のドローンスタートアップである自律制御システム研究所(以下ACSL)だ。

そのACSLが1月9日、未来創生ファンドおよびiGlobe Partnersが運営するファンド、みずほキャピタルが運営するファンド、投資家の千葉功太郎氏が運営するDrone Fund東京大学エッジキャピタルが運営するファンドを引受先とする、総額21億2000万円の第三者割当増資の実施を発表した。

ACSLは2013年11月、当時、千葉大学教授だった野波健蔵氏により設立された。研究室で1998年から行われていた独自の制御技術とドローン機体開発・生産技術をベースに、大手企業向けの産業用ドローンに特化して開発を進めてきた。2016年3月には楽天およびUTECから総額7.2億円の資金調達を実施し、共同でゴルフ場での実証実験を行っている。今回の調達で、ACSLの累計資金調達額は約28億円となる。

ACSLが2016年後半にリリースしたドローン「PF1」は、さまざまな用途に対応できるのが特徴。高解像度カメラとジンバルを搭載すれば建物やインフラの点検に、キャッチャーを搭載すれば物流に……といった感じで、農薬散布や測量、災害対策などにも活用できる。

 

2017年前半には、周囲をレーザーでスキャンして周辺環境の3Dマッピングを行う「SLAM」画像処理を実装した、非GPS環境対応ドローン「PF1-Vision」も提供。この機体では、例えばGPS信号の受信できない橋桁下やトンネル、屋内といった環境でも自律飛行でき、施設内壁の撮影による点検作業が可能だ。

また、ドローンを活用して業務改革・無人化を実現したい顧客に対して、最新ドローンとパイロットによる検証環境を提供するサービスも、ACSLでは行っている。本格導入の前に、ドローン導入による効果、有用性の評価検証が実施できる。

ACSLは今回の調達資金について「今後の海外進出によるグローバル環境での競争、技術革新の加速を見据えた、中期的な経営資本の増強」と位置付け。「画像処理やAIによるエッジコンピューティング、自律制御の進化、さらに、目視外や第3者上空飛行を見据えた安全性・信頼性の向上、IoT等最新技術の統合のための開発激化を見通し、中期的な成長戦略の実現を目指す」としている。

悪者ドローンを撃墜するFortemのDroneHunterが最終製品を完成、まず政府関連に売っていく

ドローンの利用が増えるにつれて、企業や政府機関などは悪意あるドローンから建物などを守る方法が欲しくなる。そしてFortemが開発したシステムDroneHunterは、その名のとおりドローンをハントする。DroneHunterは、指定された方向にドローンを見つけることと、見つけたドローンを撃ち落としたり、別のドローンで捕らえることをする。それはまさに、ドローンが演ずる空中戦だ。

そのシステムはレーダーを使って指定された領域をモニタし、そこに悪玉を探す。ターゲットが見つかったら、回転翼が6つある大型ドローンに何種類かの撃墜用装置を搭載して展開する。このドローンが悪漢ドローンに立ちふさがり、弾丸ではなくネット(網)を発射してドローンを撃墜したり、さらに大きなドローンで曳航したりする。Fortemによると、敵機の速度は時速最大160キロメートルまで対応できる。

昨年説明したように、Fortemは2016年にレーダーの技術をIMSARからに買収し、昨年1年をかけて、世界各国で使えるように、つまり各国に輸出できるように改造した。また企業などのセキュリティ予算に応じた価格にして、他のセキュリティ用ドローンとも共用できるようにした。

ユタ州に拠を置く同社は、昨年550万ドルを調達して、同社製品の市場化に努めてきた。

今では一般的に売れるまでに完成したが、お値段は利用状況によって変わるようだ。当面の顧客は、国防関連や連邦政府の省庁に限定されるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ドローンは「どこまでも飛んでいける」 長距離自律飛行・無人充電実験にKDDIが成功

eng-logo-2015長距離を人の操縦なしに自律飛行する「スマートドローン」の実用化を目指すKDDI。同社は、新潟県で実施したドローンの長距離自律飛行の実証実験に成功したと発表しました。

KDDIが推進する「スマートドローン構想」では、auの携帯基地局をドローンが自動充電可能な「ドローンポート」として活用。さらに携帯のネットワークセンターを、ドローンの発着場や整備機能を備える「ドローンステーション」として、それぞれ整備するといいます。

また、これらを等間隔に設置し、電力鉄塔の上などを飛行ルートとして設定する「ドローンハイウェイ」構想などと組み合わせることにより、例えば災害発生時にすぐに自律飛行ドローンが急行したり、きめ細やかな宅配サービスなども可能になるといいます。

6kmの自律飛行、ドローン途中充電に成功

この構想を実現すべく、KDDIが新潟県長岡市で実施したスマートドローンの実証実験では、LTEに繋がるドローンを用い、総距離6.3km、高低差100mの目視外長距離飛行に成功したとのこと。

具体的には、鯉を飼育する棚池への薬剤散布を目的に、ドローンステーションからスマートドローンが離陸。ゼンリンの提供する3次元地図を活用し、起伏の激しい山間地でも、安全な高度を保ちながら目視外飛行を達成したといいます。

途中、ドローンを無人充電できる「ドローンポート」にスマートドローンが自律的に着陸。自動充電し、航続距離を延長した上で、任務を果たし無事ドローンステーションに帰還できたといいます。

「今回は満充電しなかったが、ドローンポートで仮に満充電すれば、あと20キロは航続距離を延長できる。この実証実験でどこまでもドローンを飛ばすことができるという手応えを感じた」(KDDI 山本泰英 執行役員常務 商品・CS統括本部長)

ドローンを自動充電する「ドローンポート」のシステムは、ドイツのスカイセンス社製。非接触ではなく接触充電で、ヒトや生物が上を歩いても安全な設計。さらに、雨に濡れても壊れないように、耐候性を付与することも可能です。上位モデルでは、2時間でドローンを満充電できるといいます。

なお日本政府は、2018年をめどに過疎地でドローン宅配の実用化をめざしています。これについて「絶対実現できる」とKDDI山本氏は語ります。さらに、2020年を目標としている人口過密エリアでのドローン宅配については「飛行騒音や安全性などの課題がある」(山本氏)としつつも「ドローンがどんな要因で墜落し、要因別にどのような落ち方をするのかをしっかり検証」(スマートドローンを開発するテラドローン担当者)したうえで、安全性を担保しつつ実現を目指したいと語りました。

なおKDDIは「スマートドローン構想」の実現に向け、新たに気象情報会社のウェザーニューズと提携。ドローン向けの気象予測情報や、auの基地局に設置した気象観測システム「ソラテナ」を活用し、ドローン向けの気象予測情報の提供などを目指すとしています。

Engadget 日本版からの転載。

AIが操縦するドローンにレースで柔軟機敏に反応できる人間パイロットが勝った

人間にできることなら何でも、AIの方が上手にできる。最後には。

10月12日に行われたNASAのデモで、AIが操縦するレース用ドローンが有名なドローンパイロットKen Looと対戦した。

NASAのJet Propulsion Laboratory(ジエット推力研究所)の研究者たちは、Googleが研究資金を提供したドローンの自律飛行をこの2年間研究し、障害物を避けながら高速で飛ぶ三機のドローンを完成させた。いずれも、自分の視力としてカメラを搭載している。

三機のドローンはBatman, Joker, Nightwingと名付けられ、AIを3D空間にマップするGoogleのTango技術を組み込んだアルゴリズムを使用した。

それらのドローンは、直線飛行では最高時速130キロメートルだが、曲がりくねったテストコースでは時速65キロメートルが精一杯だった。

NASAのプレスリリースは、自律ドローンと人間パイロットの長短を論じている。AIが操縦するドローンはより堅実な飛行をするが、より慎重でもあり、高速時にはモーションブラーが問題になることもあった。一方、人間のLooは、数回の周航でコースをおぼえ、自律ドローンよりもずっと機敏に飛行できたが、疲労の影響が現れた。

“これまでの中で、断然最高に難しいコースだった”、とLooはプレスリリースで言っている。“パイロットとしてのぼくの欠点は、疲れやすいことだ。頭が疲れると、すでに10回も飛んでいるコースでも、間違えてしまう”。

最初のうちは、AIも人間も同じぐらいのラップタイムだったが、徐々にLooとの差は開き、最後には人間が勝利した。

今回の結論としては、自律ドローンは観測監視や緊急時対応などには使えそうだ。倉庫で在庫を調べるのも、向いているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DJIに脆弱性報告のハッカー、報奨金3万ドルを突き返す。実績公表禁じる契約、法的措置ちらつかされ反発

eng-logo-2015Phantomシリーズを始めとしたセミプロ~プロ向けドローンで知られるDJIは、この8月からバグ報奨金プログラムを開始しました。ところが、重大なシステム上の問題と欠陥を発見し、報告したとあるハッカーは、DJIの姿勢に疑問を感じてプログラムから離脱、賞金の受け取りを辞退したことを明らかにしました。

ハッカーが発見したバグを公表前に報告してもらい、かわりに報奨金を出す取り組みは、Googleやマイクロソフトアップルなどをはじめとして、いまや多くの企業が取り入れ、製品やサービスのセキュリティ向上に役立てています。

Kevin Finisterre氏は、DJIがGitHubに誤って公開していたSSL証明書の秘密鍵を入手し、その鍵を使ってDJIのサーバーに保存される機密情報にアクセスできることを発見しました。そしてDJIに対しこの発見がバグ報奨金プログラムの対象かどうかを尋ねたところ、報告書と引き換えにプログラムの最高額となる3万ドルを支給するとの返答を得ました。

ところが、31ページにもわたる詳細な報告書を作って提出したFinisterre氏を待ち受けていたのは、DJIとのセキュリティ改善に向けた協力ではなく、脆弱性に関する内容を公にしないよう求める契約でした。

Finisterre氏のようなホワイトハッカーにとって、自身が発見した脆弱性を活動実績として公表することが重要です。しかし、契約に関して交渉を試みたFinisterre氏をDJIの法律チームは脅威と認識し、脆弱性の発見は不正アクセス行為に該当するとしてコンピュータ犯罪取締法をちらつかせたとされます。

Finisterre氏は、この契約が不誠実であり、どう見ても不利だとする弁護士の指摘を受け、結局3万ドルを放棄してプログラムから離脱する道を選択、その経験を公開するにいたりました。

通常、バグ報奨金プログラムの多くは協力者がやって良いことと悪いことに関する取り決めや条件があらかじめ公開されているものです。しかしDJIの場合はプログラム開始当初、情報受付のためのページを公開してはいたものの、そこに諸条件など細かい取り決めを記載していませんでした。このため、Finisterre氏との間の条件の詰めに齟齬が生じた可能性は否定できません。

Finisterre氏が手記を公開したあと、DJIはバグ報奨金プログラムの公式サイトを立ち上げ、条件も明確化しています。そして声明において「我々は脆弱性の公開前に機密データの保護および脆弱性の分析と解決を実施するバグ報奨金プログラムの基準に従うよう報告者に求めている。しかし問題のハッカーは、DJIの条件に関する交渉を拒否して、自身の要求を満足させるよう我々を脅した」としました。

どちらが脅しているのかはさておき、発見した脆弱性を悪用せずに報告したホワイトハッカーを脅威とみなしていたのでは、本来の目的はどこへやらです。より多くの問題報告を得るためにも、バグ懸賞金プログラムで報告者たちと良好な関係を築くことのほうが、本来優先すべき事のはず。そういう意味では、DJIはもう少しじっくりと準備してからバグ報奨金プログラムを開始すべきだったかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。