DJIの最新産業用ドローン「Matrice 300」は飛行時間55分、最大伝送距離15km

ドローン最大手のDJIは米国時間5月7日、最新機種のベールをはいだ。産業向けドローンのMatrice 300は、同社のMatriceシリーズを基に作られ、長寿命バッテリーと6面に配置された障害物検出センサーに加え、最大15kmのビデオ通信範囲を備える。

Matriceは長年続いているDJIのオールインワン産業用製品シリーズだ。このシリーズのモデルは消費者向けやプロシューマー向けよりもずっと大きく実用的で、市場に合わせた機能を備えている。消費者がドローンを主にビデオ撮影に使うのに対して、企業や公共サービスはドローンによるデータ収集に目を向け始めている。

Matrice 300はデータ収集と航空測量向けにつくられている。カメラモジュールは2種類用意されていて、H20モデルには2000万画素で光学23倍ズーム付カメラと、広角1200万画素カメラに加えて、3~1200m先の距離を測れるレーザー・レンジファインダーが搭載されている。H20Tモデルでは、センサーアレイにサーマルカメラが加えられている。

さまざまな機能を統合することで、このドローンは定点撮影などの自動化機能をもっている。コントローラーの画面にマークをつけるだけで、ドローンが自動的に同じ場所同じ角度から撮影するように指示できる。移動する物体を追跡する機能もある。

DJIの他のハイエンド機種と同じく、Matrice 300にはデュアルオペレーターモードがあり、2人でドローンを操作することができる。必要なら、Matrice 300の行動範囲の反対の端にいるパイロットに制御を渡すことも可能で、そうすることで飛行範囲と安全性が飛躍的に向上する。

DJIはこの最新ドローンに数々の改善を盛り込んでいる。衝突検出センサーをドローンの6面に配置することで360度の保護が可能だ。Matrice 300に付属する新しいコントローラーには最新のフライトソフトウェアが搭載されているので、パイロットの操作も改善されるだろう。

バッテリー寿命も大きく改善された。DJIによるとMatrice 300の飛行時間は55分で、Matrice 200の38分やプロシューマー向けInspire 2の27分を大きく上回っている。デュアルバッテリー機構によって、ドローンが地上にいる間に電源を切ることなくバッテリーをホットスワップできる。

価格は公表されていない。Matrice 300は2020年後半にDJIディーラーを通じて販売される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DJIがカメラとバッテリー寿命をアップグレードした新型ドローン「Mavic Air 2」を発表

DJIは、このような大変な時機に、大きな発表を控えるという手もあったかもしれない。しかし同社は、世界的なパンデミックのために発表を遅らせるようなことはしなかった。軽量版のMavic Airを発売してから2年ちょっとが経った今、その後継機を発表した。

発表の直後に最初のAirをレビューした際には、私は製品自体の有用性に大きな不満を抱いた。確かに、それは優秀なエンジニアリングの見本のような製品だったが、魅力はそれだけに留まっていた。今回DJIは、少なくとも最初の製品が抱えていた問題のいくつかに対処した。中でも、バッテリー容量の増加は重要だ。

わずか21分というバッテリー寿命は、この最初の製品に対する私の不満の最大のものだった。同社によれば、新バージョンは、1回の充電で最長34分間飛ばすことが可能となったという。実際に製品を試用できるようになったら、それが現実にもたらす効果について、改めて報告するつもりだ。

私も当初、いくつか動作に関わるバグを見つけた。それらに関しては、幸いなことにソフトウェアのアップデートによって対処されている。特に、Active Trackのバージョンは3.0になった。この機能では、飛行中に物体をトラッキングする機能が向上しているという。たとえば、トラッキング中の物体が一時的に、木などの障害物に隠れてしまうことがあっても、追跡を続ける能力が向上した。POI(Point of Interest)やSpotlight機能もアップグレードされている。

そして、やはりイメージングは重要だ。もちろん、最大の性能向上は、写真とビデオに関するもの。新しいAirは、毎秒60フレームで4Kビデオを撮影できる。静止画については、最大49メガピクセルで撮影できる。3軸のジンバルによってドローンの揺れの影響を軽減する効果も期待できる。8倍のスローモーション撮影や、HDRで写真やビデオの撮影も可能となっている。さらに、低照度に対応する設定や、シーン認識機能も備えている。

本体の改善点としては、他にもワイヤレス通信の強化や、障害物回避機能の進化などがある。後者は、特に初心者にとって有効だが、どんなレベルのユーザーにも歓迎されるはずだ。

Mavic Air 2は4月27日に中国で発売された。新型コロナによる危機のため、米国を含み、世界的な配送事情はかなり複雑なものとなっている。現時点では予約注文を受け付けており、5月中旬には出荷される予定となっている。ただし、今のところDJIでも確信が持てないのは当然だろう。日本版の基本システムは10万5600円で、充電ハブ、3本のバッテリー、専用ショルダーバッグなどを含む「Fly More コンボ」は13万2000円となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

DJIが地上でもトップを狙う、カメラ搭載オフロード車の特許を出願

DJIはカメラドローンにおいて圧倒的にトップに位置する企業だが、地上を走る移動型カメラでは、トップと呼べる企業はほとんど存在しない。後者では、むしろブランド不在な状況だ。そこでDJIは、そのすき間を自らうめる気なのかもしれない。同社は最近、スタビライザーを搭載したカメラを持つ小型のオフロード車で特許を出願した。

DJIの中国における特許を最初に見つけたのはDroneDJ(ドローンDJ)だが、図によると小型のオフロード車はかなり本格的なもので、太いタイヤとカメラとジンバルがスタビライザーに搭載されている。上図からもわかるように、カメラの取り付け台はスプリングと気圧装置で衝撃から保護されている。突然の動きでも、カメラはぶれないのだろう。

この図は、製品の概念を示すものとしては複雑過ぎる。本物の設計図面に手を加えただけかもしれない。そうだとしても、すぐに市場に出てくるとは限らない。しかし、DJIの技術者たちが実際に取り組んでいる本物のプロジェクトであることは確実だろう。

空を飛ぶドローンで十分なのに、なぜ地上用のドローンが必要なのか? ひとつの理由はバッテリー寿命だ。空を飛ぶドローンは、空を飛ぶからこそ運用時間が短い。さらに重いカメラやレンズがバッテリー寿命の短さに貢献する。ドローンが上空からの視点を諦めて地上を走ることにしたら、もちろん運用時間は長くなる。

さらに重要なのは、地上を走るドローンはおそらく空撮が不可能な場所でも利用できることだ。安全点検のために、施設や機器装置の内部や下を走らせることができる。住宅の点検もその例のひとつだ。また、人がいるところでは離陸と着陸を頻繁に繰り返すドローンは危険で使いづらい。

おそらくDJIは蓄積されたドローンの経験から、市場にはたくさんのニッチが存在していること学んだのだろう。しかもドローンの普及によって人々は、どんなところでも自動ロボットで撮影できるはず、と考えている。たとえばDisrupt Berlinで優勝したScaled Robotics(スケールロボテックス)は、骨が折れる建設現場の点検を自動化する。

関連記事: Scaled Robotics keeps an autonomous eye on busy construction sites…建設現場を自動運転で監視するロボット(未訳)

実のところ、DJIにはすでにRoboMaster S1という地上型ロボットがある。それは教育玩具に近いものだが、その使われ方の中には今回の地上型ドローンの開発のヒントになったものが、きっとあるのだろう。

この小さな車が本当に市販されるのか、それはまだわからないが、カメラを搭載した小さな自動運転車が、家やオフィスで本格的な仕事をこなす可能性を、本気で考え始める契機にはなるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スマホ用ジンバルDJI Osmo Mobile3をベイエリアでテスト

TechCrunchによるビデオレビューの時間だ。今回、DJIはスマートフォン向けのジンバルの最新モデルを送ってきたので、数週間使用してみた。Veanne Cao(ベアン・カオ)記者がブダペストとウィーンを訪れている間、Gregory Manalo(グレゴリー・マナロ)記者はサンフランシスコのベイエリアでテストを実施した。

ジェスチャーコントロール、ストーリーモード、ヒッチコックのドリーズーム、ハイパーラプスなどのツールが追加されたOsmo 3は、単調な映像に変化を与え、撮影をより楽しくする。これはDJIにとって素晴らしいハードウェアデザインのアップグレードであり、コンテンツ制作者、インフルエンサー、そして一般人にとっても魅力的だ。ただしアナログ時代から映像制作を続けてきた我々には、もう少し自由なコントロールが必要だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

DJI Mavic Miniの日本向け特別仕様は199gで気軽に飛ばせる

Mavic Miniは399ドル(日本では4万6200円)という低価格ながら、基本的な機能をすべて実現している。優れたカメラ、長い飛行距離、よくできたコントローラーなど、高品質のドローンとしての重要な条件をすべて満たしている。風にも強く、飛行速度も速くて楽しめる。サイズは非常に小さく、さっとバッグに入れて簡単に持ち運べる。Instagram用の撮影にもぴったりだ。

Mavic Miniの最大のセールスポイントは、もちろんサイズが小さいこと。離陸重量は249g(日本仕様は199g)だ。もちろんこの半端な数字は偶然ではない。重量が250g(日本では200g)以上のドローンを飛ばすには事前の登録や許可が必要となる場合があるからだ。Mavic Miniは軽量で折りたたみも可能なタイプだが、基本的な仕様は優れている。30分間(日本仕様は18分)の飛行時間、4kmまでのHDビデオ送信、2.7Kカメラを保持する3軸ジンバル、AndroidおよびiOSデバイスと組み合わせて動作する物理コントローラーなどを装備している。DJIの他のドローンと比べると、欠けている機能もあるが、399ドル(日本では4万6200円)という価格に対しては、十分な仕様のドローンと言える。

もっと高い金額を出せば、より多くの機能を搭載したドローンが買える。私自身、そうしたドローンのほとんどを所有している。豊富な機能も楽しいことは楽しいが、数年前からDJIの製品も、だんだん機能過多という感じになってきた。今では製品ラインも複雑になってしまい、DJI製ドローンの製品ごとの違いを理解するには、スプレッドシートが必要なくらいだ。ほとんどの製品には、オーナーがけっして使うことのないような、数え切れないほどの機能が搭載されている。Mavic Miniは、そうした製品とは一線を画している。これが基本であり、私は気に入った。

省略された機能を挙げてみよう。衝突検出、超長距離接続、4Kカメラ、ジェスチャーによるコントロール、そして高度なカメラ機能として、追跡フォロー、パノラマ、タイムラプス、光学ズームといったあたりだ。

Mavic Miniは十分に速く、楽しいドローンだが、もちろんあらゆる面で優れているわけではない。応答性は高く、十分に高速だ。軽くて扱いやすい。ただし、Mavic 2と比較すると、やはり小さくてパワーが少ないと感じる。実際、その通りだからだ。とはいえ、小さ過ぎたり、パワーが小さくてもの足りないという感じはない。Mavic Miniはバランスがとれているので、実際に飛ばすのは楽しいはずだ。

小さなサイズにもかかわらず、Mavic Miniは強風にもかなり耐える。米国中西部特有の風の強い秋の日に、200mの上空まで上げてみた。木々から葉をもぎ取るほどの強い風で、私自身は帽子と手袋で身を守っていた。突風も吹いた。Mavic Miniはびくともしなかった。もっとずっと大きなドローンのように離陸し、強風の中を堂々と飛んだ。さらに、ビデオもまったく影響を受けなかった。ジンバルがカメラを安定して保持し、秋の風景をしっかりと記録できた。

Mavic Mini用に、DJIは新しいアプリを用意している。今回のテストには、そのベータ版を使用した。これは、DJI Flyと呼ばれるアプリで、DJI Goを簡略化したもの。そこに、いくつかの機能強化を盛り込んでいる。セーフフライゾーンもアプリに統合されていて、従来のアプリよりも詳細な情報が内蔵されている。空撮共有アプリ、SkyPixelのサポートも強化している。ただし、このバージョンは簡略化されているだけに、DJI Goでは標準的な情報の多くが省かれている。最も目立つのは、画面底部の角にあったミニマップが表示されないこと。DJIには、このアプリのリリース後に、機能を追加してくれることを望みたい。

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カメラは価格に見合った品質だ。上の写真は、このドローンで撮影したもので、改変や調整は加えていない。やや曇のある晴れた日に撮影した。ダイナミックレンジは驚くほど広く、青い空と暗いハイライト部分を同時に表現できる。直射日光が当たっている部分では、色褪せたようになってしまうことがあった。

「現に今手にしているカメラこそ最高のカメラだ」とよく言われる。Mavic Miniにもそれが当てはまる。今手に持っているドローンこそ、最高のドローンなのだ。何年もの間、私は巨大なPelican(ペリカン)ケースに、Phantom 2や、後にはPhantom 3を入れて、無理やり持ち歩いていた。それが最高にクールだと思っていたのだ。いざというときには、すぐに車のトランクを開けて、空飛ぶカメラの入ったスーツケースを取り出すことができた。数分後には、スマホとドローンを同期させ、コントローラーをドローンのネットワークに接続できる。それで、飛行時間は15分だった。その後、折りたたみ式のMavicが登場した。これは大きめの望遠レンズくらいの大きさで、カメラ関係の装備といっしょに収納できた。他にもいくつかのドローンが来て、去っていった。一時期は、GoPro Karmaに凝っていたこともあった。

この小さなMavic Miniは、ゲームチェンジャーになる。小さいから、どこにでも持っていける。小さくて軽いので、パソコン用のバッグに入れても、ちょっと大きめのコンパクトカメラくらいに感じられる。

ポータブルなサイズで、もっと多くの機能と、より良いカメラが欲しいなら、Mavic Airがある。今年初めにDJIが発表した折りたたみ可能なモデルで、4Kカメラと5マイル(約8km)のビデオ送信能力を備え、価格は919ドル(日本では10万5820円)だ。

多くのオプションを同梱した「Mavic Mini Fly More コンボ」という製品も用意されている。価格は499ドル(日本では5万9400円)で、感じのよいケース、2つの予備バッテリー(合計3個)、よくできた充電用ハブ、プロペラガードなども付属している。Mavic Miniのカメラは驚くほど優れているが、本体はDJIのもっと高価なドローンほどパワフルでないのは認めざるを得ない。本機は、初めてドローンを購入する人にも、経験豊かなドローン愛好者にも薦められる。DJIは、249g(日本向けは199g)のボディに十分な機能を詰め込み、誰にとっても素晴らしいドローンを作ることに成功した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

DJIが超小型軽量ドローン「Mavic Mini」を発表、1回の充電で30分間飛行、障害物回避機能はなし

DJIが3年前に発表したMavic Proは衝撃的な新製品だった。折り畳み可能なドローンはこのテクノロジーをもっと大衆に広めるために業界が必要としていたカンフル剤だった。

去る7月私は深圳を訪れて、そのデザインが業界全体にさらには大衆のドローンに対する概念に大きな影響を与えてきたことを確信した。DJIは過去数年、Mavicの製品ラインを洗練し、堅牢なソフトウェアの開発に努めてきた。

MavicのデザインはDJIの他の製品にも影響を与えた。代表的なのがDJI Sparkだ。しかし、表面的な類似性とは裏腹に、このセルフィー用ドローンはMavicシリーズの一員とはみなされていない。つまるところ、このハイエンド機は小さな体にもかかわかず長時間の撮影が可能であることからプロフェッショナルに長く愛されてきたということだろう。

mavic mini 004米国時間10月30日に発表されたMavic Miniは、そんな進化の中で起きた次の論理的ステップだ。Sparkと同じく、新しいドローンは手のひらに無理なく収まる小ささだ。しかしSparkとは異なり、250gを切る本製品は本格的な映像機材として設計されており、2.7 Kビデオを30fps、1080p ビデオを60fpsで撮影できる。静止画は2.3分の1インチセンサーを搭載して1200万画素で撮影する。すべてが3軸モーター式ジンバルの上に載っている。

もちろん、どこをとっても最新のMavic Proに載せられたハッセルブラッドカメラとは比較にならないが、重量と価格が重要だ。Proの存在を踏まえ、DJIとしては両者の間に差を付けたいのかもしれない。もうひとつ、購入を考えている人にとって重要な違いがある。Miniには障害物回避システムが内蔵されていない。そのためのセンサーがおそらく上記の理由から搭載されていないためだ。

mavic mini 006コスト削減などの事情は理解できるものの、2つの理由でこれはかなり大きい欠点だ。第一に、DJIはこの機種を多くの人の最初のドローンとして位置づけている。第二に、このドローンは非常に小さいため、視界から突然消えることが容易に起こる。

Mavic Miniは小さいサイズにも関わらず、あるいは、だからこそ扱いは比較的容易だ。DJIはデモソフトウェアも無料公開していて、本物を犠牲にする前にバーチャルドローンで練習することもできる。とはいえ、障害物回避機能がないことは重大な欠陥だと私は思う。

mavic mini 009それでも気に入っている点はたくさんある。バッテリーは1回の充電で30分間飛行可能で、撮影モードにはさまざまな種類がありボタンを押すだけで本格的な撮影ができる。

Mavic Miniは10月30日から予約可能で価格は399ドル(約4万3400円)。バッテリー3台、予備のプロペラ、キャリングケース、スマホも充電できる充電ハブ、頑丈なプロペラケージをセットにして499ドル(約5万43000円)のパッケージもある。出荷は11月11日からだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DJIの新スマホジンバルはスリム&シンプルに

先月の記事でも触れたように、DJIのカメラスタビライザー製品はドローンから派生したものだ。しかし現在、一眼レフカメラからスタンドアロンのポケットサイズ製品まで、非常に大きな規模にまで成長した。

当然、Osmo Mobileは人気モデルの一つだ。スマートフォンユーザー向けに設計されたこの製品は、最も購入しやすいDJI製品であり、iOSユーザーとAndroidユーザーの両方が利用できる。

同社によれば、最新バージョンのハンドヘルドジンバルは「基本へと戻った」としているが、Osmo Mobile 3は実際には進化している。顧客からのフィードバックを受け止め、いくつかの重要な変更をくわえた。この新しいデバイスは小型かつ折りたたみ式なので、バックパックに入れやすくなっている。DJIの担当者はポケットに入るかもと伝えたが、それは少し言い過ぎだろう。

もう1つの大きな改善点は、DJIがシステムを片手で操作しやすくしたことだ。バックトリガーや、フロントのサムボタンの組み合わせで多くの機能が利用できる。新しいクイックロール機能では、ボタンをクリックするだけでランドスケープ(水平)とポートレイト(垂直)が切り替えられ、またトリガーをトリプルクリックすることでセルフィーが利用できる。トリガーはまた、カメラを中央に戻したり、あるいはロックができる。

ストーリーモードやジェスチャーコントロール、アクティブトラック、タイムラプス、ハイパーラプスなど、同社のドローンやハイエンド製品のRoninから受け継がれた機能が数多くある。長期間試用することはできなかったが、ビデオチームによるレビューを近日予定している。

全体的に見て、これは小さなアップデートにもみえる。また若干値下げされており、スタンダードバージョンは119ドル(約1万3000円)、トリポッド(三脚)が付属するモデルは139ドル(約1万5000円)で発売される。Osmo Mobile 3は本日から購入可能だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

DJIが米政府の懸念払拭目的に組立工場をカリフォルニアに設置へ

Huawei(ファーウェイ)やZTEなど中国のメーカーへの圧力の高まりを受け、深セン拠点のドローン大手DJIは間違いなく懸念材料を抱えている。2017年後半に米移民・関税執行局はDJIのカメラを搭載したドローンがデータを中国に送っているかもしれない、との懸念を示した。

数週間前、米国土安全保障省は中国の商用ドローンについて同様に注意を喚起した。その一方で、先週開かれた「ドローンセキュリティ:イノベーションの促進とサプライチェーンリスクの抑制」という名称のヒアリングで、National Defense大学のHarry Wingo氏は上院の交通小委員会で「米国の地理空間情報が前代未聞のレベルで中国のデータセンターに送られている。これは文字通り、中国企業に我々の国土を上空から眺めさせている」と述べた。

DJIはTechCrunchへの文書で以下のように反論している。

ドローン産業は米国の中小事業者、そして米国全体の経済にとってなくてはならない原動力になりつつあるため、この産業の主要素に影響を及ぼす決断は事実に基づくことが不可欠だ。小委員会のヒアリングで示されたチェックされていない根拠のない推測や不正確な情報が、米国全体のドローン産業をリスクのある状態に追いやり、経済成長を妨げて社会保護や救命のためにDJIのドローンを使用している公的機関を無力にすることを我々は深く懸念している。

文書では論点についてさらに細かく述べている。

・ドローン操縦者が意図的に共有を選択していない限り、DJIドローンはフライトのログや写真、ビデオを共有しない。DJIドローンはフライトデータを中国やその他のところに自動送信しない。データは完全にドローン内とパイロットのモバイルデバイスにとどまる。DJIは受け取っていない顧客のデータを送信することはできない。

・デリケートなフライトを操作するパイロットが特別に用心できるよう、DJIのプロフェッショナルパイロットアプリは全てのインターネット接続を断つ設定がビルトインされている。一部のテック企業のように、DJIは顧客のデータを売ってそれで収益をあげたりはしない。

・DJIはパスワードとデータの暗号機能を製品のデザインに含めている。これにより顧客はドローンや保存データに安全にアクセスできる。米国のドローンユーザーがデータ共有を選択する場合、データは米国のクラウドサーバーにアップロードされるだけだ。

・DJIは、世界のセキュリティ研究者が不測のセキュリティ問題を特定できるよう、Bug Bounty Programを展開している。そして我々はプロダクトをテストするために独立したセキュリティ専門家を雇っている。こうしたことは、顧客が我々のプロダクトを安心して使えるようにするために我々が行っている取り組みの一部にすぎない。

憶測の高まりを受け、DJIは一部の製品の組み立てを米国で行おうとしている。米政府の規則にさらにそぐうようにするため、米国で販売されるドローンのモデルをカリフォルニア州セアリトスにある倉庫で製造する。

DJIはTechCrunchに以下のように述べている。

DJIは米国への投資、そして政府関係者や救急部署、公的サービスに特異なセキュリティ、安全、調達のニーズに対応するカスタマイズされたソリューションを提供することに専心している。2015年にパロアルトに研究・開発施設を設置して以来続いている我々の米国への長期的なコミットメントの一部として、新たな生産施設をカリフォルニアに設置し、米国貿易協定へのコンプライアンスを満たすことにした。この新たな投資は米国におけるDJIの存在を大きなものにし、これにより我々は今まで以上に顧客にサービスを提供して雇用を創出し、米国ドローン経済を強化できる。我々のアプリのレビューでは米税関・国境警備局に喜んで協力する。

DJIはカリフォルニアでのプロダクト組み立てで貿易協定をこれまで以上に満たすことにつながることを期待している。これは、Mavic Proドローンを政府当局の使用向けにしたDJI Government Editionのリリースに備えた動きとなる。

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(翻訳:Mizoguchi)

DJIが教育用戦闘ロボット「S1」を発売

つい1カ月足らず前、DJIOsmo Actionを発売して、ジンバルとドローンの世界から手を広げ、この新しい アクションカメラによってGoProを射程圏内に捉えた。そして今度はさらに新しいカテゴリーに挑戦する。教育用戦闘ロボットだ。

RoboMaster S1は一見畑違いにも思えるが、ロボティクスはDJIのDNAの一部であると同社はすかさず指摘した。ファウンダーでCEOのFrank Wang氏は、大学でロボティクスを学び、最近では中国でRoboMasterという戦闘ロボット競技会を毎年開催している。

S1は、同社のMavicシリーズと同じく消費者向けに焦点を絞った商品だ。教育分野に初めて本格参入する商品でもあり、46の部品を組み立てる必要がある。さらに価値を発揮させるためにはコーディングも学習しなくてはならない。

S1(DJI曰く、Step 1の省略形)の対象年齢は14歳以上で、実際非常に魅力的なロボットだ。4つの車輪がついていて、時速8マイル(13km)で走ることができる(ハックすればもっと速くなるらしい)。上部には戦車を思わせる回転可能な砲塔を備え、毒性のないゲル弾を発射する。散らからない戦いのために赤外線砲も用意されている。

センサーを31個搭載し戦闘中に撃たれたことを検出する。操縦者は専用アプリを使って車載カメラ経由の一人称視点でロボットを操作する。また画像認識を利用して障害物を検知したり他のS1ロボットから信号を受け取ることもできる。

ロボットには6種類の認識機能がある。フォローモード(他のS1ロボットを追いかける)、ジェスチャー認識、S1認識、拍手(音声)認識、線の追尾、および目印を使って移動するためのマーカー認識だ。ユーザーはアプリ経由でロボットを手動で操作することもできる。

ハードウェアのカスタマイズはあまりできないが、後部にパルス幅変調(PWM)ポートを6基備えているので、上級者はサードパーティー製ハードウェアを追加してロボットを強化できるだろう。ソフトウェアに関しては、Scratch 3.0またはPythonを利用して、「撃たれたら後方転回」(後方から撃たれたときに砲台を後ろに向ける)などの機能をプログラムできる。

ロボットは本日から購入可能で、価格は499ドル(日本では6万4800円)。また同社は標準PlayMoreキットも発売し、予備バッテリーとコントローラーにたくさんの砲弾ビーズが入っている。こちらは来月から出荷予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DJIがエンタープライズ向けのドローン搭載用コンピューターを発表

DJIは米国時間5月28日、最新バージョンとなるドローン用のオンボードコンピューター「Manifold 2」を発表した。第2世代となるこのデバイスは、研究から日常的な検査まで、さまざまなエンタープライズ向け用途にプログラムが可能だ。

Manifold 2はIntel(インテル)のCore i7か、Nvidia(エヌビディア)のJetson TX2を搭載し、DJIのドローン「Matrice 210」「Matrice 600シリーズ」の内蔵センサーと統合される。またUSBやUART、CANといったさまざまなポートを搭載し、ユーザーは処理性能向上のために複数のデバイスを接続することが可能だ。

このシステムは基本的に、ドローンに数多くの必要な処理を任せ、リアルタイムでのデータや画像処理といった複雑なタスクを可能にする。また、障害物を避けるようにシステムをプログラムしたり、あるいはアクセスできない場所を自律的に飛行する事もできる。

このシステムはDJIのサイトから、インテルバージョンが1379ドル(約15万円)、Nvidiaバージョンが1099ドル(約12万円)にて入手可能。これは既成品のドローンをより活用したいと考える企業にとって、魅力的な提案だ。また、日常的な検査や高所での退屈、あるいは危険な作業のための技術が必要になるにつれ、より重要度の増すカテゴリとなるだろう。

すべての企業がカスタムドローンをソリューションを開発するノウハウを持っているわけではないので、多くの企業がDJIによりアクセスしやすいソリューションを求めていることは間違いない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

DJIは今後のドローンほぼ全機種に航空機接近感知機能を実装する

米国時間5月22日、ワシントンD.C.で行われたイベントでDJIが、ドローンによる人身事故を防ぐ計画を発表した。そのリストのトップにあるのは、AirSense技術を重量250グラム以上のすべての機種に実装することだ。それを来年の1月1日から有効にする。

この機能はAutomatic Dependent Surveillance-Broadcast(ADS-B)信号を受信して、ヘリや飛行機の圏域内ならドローンの操縦者に警報する。航空機が発するその信号は数マイル先からでも検出できるので、地上のドローン操縦者よりも早く気づく。DJIによると、これはこれまでで最大のADS-Bのデプロイメントだそうだ。

ADS-B受信機をドローンに載せる前には、空港でドローン関連の問題が度々起きている。1月にはヒースローの近傍で滑走路近くにドローンが目撃された。ドローンの保有者が爆発的に増えているので、多くの政府が危険な接近を避けるための法整備に苦労している。

計画は10項目から成り、そのトップが上記ADS-B受信機だが、そのすべてを挙げると以下のようになる:

  1. 250g以上のすべての新機種にADS-Bレシーバーを搭載する
  2. ドローンの長距離飛行をしている操縦者のための新しい自動警報を開発する
  3. DJIの社内に安全性標準化グループを作り規制当局と顧客の要求に対応する
  4. 航空機産業の各種業界団体はドローンのインシデントを報告するためのスタンダードを開発すべきである
  5. すべてのドローンメーカーがジオフェンシングと遠隔識別機能をインストールすべきである
  6. 政府は遠隔識別機能を必ず有すべし
  7. 政府は新人ドローン操縦者のためのユーザーフレンドリーな知識試験を行うべきである
  8. 政府は危険な制限空域を明確に指定すべきである
  9. 地方行政は、明確で深刻なドローンの脅威への対応能力と権能を持つべきである
  10. 政府は安全でないドローン運用を取り締まる法執行能力を強化すべきである

ここでのDJIは、当然ながらきわめて先見的だ。同社は消費者用ドローンの大手だから、今後は行政や消費者団体などからの監督が厳しくなるだろう。上のリストはやるべきことを、ドローンのメーカーと政府に割り振っている。ただしもちろん、どんな安全策も、実効の鍵を握るのはドローンの操縦者自身だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

DJI Osmoの新しいアクションカメラをテスト、GoProキラーになれるか?

DJIの新しいアクションカメラ、Osmo Actionの実機を外に持ち出してテストするチャンスがあった。撮影したフッテージをご紹介しよう。デバイスのスペックと私の印象は以下のとおりだ。

スペック

  • 画素 12MP、4K
  • スローモーション、タイムラプス、ハイパーラプス
  • 音声操作
  • 防水
  • マウント多数

大きな特徴はリアだけでなくフロント側にも小型のモニターがあることだ。これは自撮りに便利でビデオブロガーには欠かせない。

HDRに加えてDJIお得意の電子手ブレ補正、EIS(RockSteady)も搭載されている。ただしHDRとEISを同時に使うことはできない。おそらく処理に負荷がかかりすぎるのだろう。ビデオではHDRオン、EISオフとHDRオフ、EISオンを並べて比較できるようにしてみた。それぞれはっきり効果が確認できる。HDRとEISが同時に利用できるようになるアップデートを期待したい。

操作は簡単だ。背面モニターでHDRなど効果を選び、ボディー上部のスタートボタンに触れるだけでいい。水中撮影に便利なレンズキャップや外部マイクアダプターなども効果が期待できる。我々の詳しいレビューはこちら

米国での販売価格は349ドルで5月19日から発売予定。米国以外では5月23日から。

【Japan編集部追記】DJIの日本サイトによれば、Osomo Actionの販売価格は4万4820円となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

海洋ドローンのSofarは海のDJIになれるのか?

暗い深海の下には何が潜んでいるのだろう? SolarCityの共同創業者であるPeter Rive氏は、一般の人や科学コミュニティによる探索を手助けしたいと願っている。彼は、新しいスタートアップSofar Ocean Technologiesに対する700万ドル(約7億7000万円)のシリーズAの資金調達を主導した。同社は水中ドローンメーカーOpenROVと、海中センサーを開発するSpoondriftとの合弁によって誕生した。その合併を仕組んだのも彼だ。彼らは協力して、1080pでの撮影が可能なTridentドローンと、太陽電池で動作するSpotterセンサーを組み合わせ、海中および海面上のデータを収集できるようにした。それらを使えば、素晴らしいビデオ映像を撮ったり、波動と天候の変化を追跡したり、釣りやダイビングに適したスポットを見つけたり、船舶やインフラの損傷を調べたり、海洋牧場の様子を監視したり、場合によっては密輸業者を捕まえるのに役立つこともあるだろう。

SofarのTridentドローン(左)とSpotterセンサー(右)

「空を飛ぶドローンは、私たちがよく知っているものを、異なった視点で見せてくれます。海洋ドローンは、私たちが本当にまったく知らないものを見せてくれるのです」と、元Spoondriftの、そして今はSofarのCEO、Tim Janssen氏は語った。「Tridentドローンは、科学者がフィールドワークに使用するために設計されたものですが、今では誰でも使えます。これによって、未知の領域に踏み込むことが可能となります」。

Rive氏は、DIY的な海洋探査が生態系におよぼす影響を心配しているものの、すでに海には競合するドローンがひしめいている。たとえば、プロの研究調査用として開発された、ずっと高価なSaildrone、DeepTrekker、SeaOtter-2などのデバイスや、コンシューマー用としても800ドル(約8万8000円)のRobosea Biki、1000ドル(約11万円)のFathom ONE、5000ドル(約55万円)のiBubbleなどがある。1700ドル(19万円弱)のSofar Tridentは、海上に浮かんだブイにケーブルで接続して電源を供給する必要があるが、3時間の潜水時間と毎秒2mという潜行速度を実現している。価格的にはちょうど中間あたりに位置する。しかし、Sofarの共同創立者、David Lang氏に言わせれば、Tridentはシンプルで頑丈、耐久性の点で、他よりも優れている。問題は、Sofarが水のDJIになることができるかどうかだ。この分野のリーダーになれるのかどうか。それとも、単なる一種のコモディティ化されたハードウェアメーカーとして、模造品の中に溺れてしまうのか。

左から、Peter Rive(Sofarの会長)、David Lang(OpenROVの共同創立者)、Tim Janssen(Sofarの共同創立者兼CEO)

Spoondriftは2016年に創立され、気象データを追跡することのできる手軽な価格のセンサーを開発するとして、35万ドル(約3850万円)を調達した。「このブイがSpottersです。驚くほど簡単に設置でき、非常に軽く、扱いも楽です。釣り糸を使って、手で水中に潜らせることもできます。それにより、ほとんどどんな状態でも設置することが可能になります」と、MetOcean SolutionsのAitanaForcén-Vázquez博士は説明した。

OpenROV(ROVは、Removable Operated Vehicleの略)は7年前に設立され、True VenturesとNational Geographicから、130万ドル(約1億4300万円)の資金を調達した。「船を持っている人なら、みんな船体検査に使える水中ドローンを持つべきでしょう。そして、すべてのドックは、風と天候のセンサーを備えた自前の測候所を設けるべきです」と、Sofarの新しい会長、Rive氏は主張している。

Spotterは海洋に関する大規模なデータ収集の道を切り開く

Sofarは、Rive氏の使命を達成するためにも成長する必要がある。その使命とは、気候変動の進行や、その他の生態系の問題に関して、より多くのデータを収集するのに十分なセンサーを海洋に設置するというもの。「私たちには、この海について、わずかな知識しかありません。データが足りないからです。大げさなシステムを海に配置するのは、非常に高く付きます。センサーと船舶だけで、数百万ドル(数億円)はかかるでしょう」と、彼は訴える。みんなにGPSセンサー付きのカメラを持たせれば、より良い地図が手に入る。低コストのセンサーを民家の屋上に設置することができれば、大量の気象予報データが得られる。同じことがSpotterで可能になる。一般的な海洋センサーが10万ドル(約1100万円)もするのに対し、たった4900ドル(約54万円)で済むからだ。

Sofarのハードウェアを購入した人は、必ずしも同社とデータを共有する必要はない。しかしRive氏によれば、多くのオーナーが進んでそうしているという。仲間の研究者と共有できるように、データの可搬性の向上をずっと求めていたのだ。同社は、将来的にはそうしたデータを収益化につなげることができると考えている。それが、Riva氏本人や、その他の投資家、つまりTrue VenturesとDavid Sacks氏のCraft Venturesからの資金を得ることができた要因の一つだ。その資金によって、データビジネスを構築することになるだろう。また、Tridentドローンが、行くべきでない場所に行かないようにするための保護機能をSofarが開発することも可能になる。ロンドンのGatwick空港が、不法侵入したドローンのために閉鎖されたことを思い出せば、その重要性は明白だろう。

Spotterが収集した天候や、その他の気候データは、スマホに転送できる

「当社の究極の使命は、人類と海を結びつけることです。私たちは心からの自然保護主義者なのです」と、Rive氏は締めくくる。「商業化がさらに進み、多くのビジネスが参入してきたら、そうした活動が海にとっての利益につながるのかどうか、話し合う必要が出てくるでしょう。地球を守るためには、モラルの羅針盤を正しい方向に向けておくことが重要になるはずです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

警察のドローンが空から落ちてくる…DJIはファームウェアのアップデートを推奨

イギリスの民間航空局(Civil Aviation Authority, CAA)が、警察やそのほかの緊急事態対応省庁に対し、特定の機種のドローンの運用をやめるよう警告した。一部のデバイスが予期せざる動力喪失により、航行中に墜落しているからだ。

CAAの安全性警告は、イギリスでこれまで一部の緊急時サービスに使われていたDJIのMatrice 200シリーズのドローンに適用される。事故が最初に報告されたのはウェストミッドランズの警察局からだが、ほかにもノーフォーク、デボン、およびコーンウォールの警察がDJIのドローンを使っている。BBCによると、デボンとコーンウォールはそれぞれ20機のうち2機が地上に落下した。

CAAによると、“計器では電池寿命がまだ十分残っているにもかかわらず、航行時に動力を完全に失った機体が最近報告されている”、という。負傷者は報告されていないが、“突然の揚力喪失により、遠隔操縦のパイロットはその後の飛行経路の制御が不可能になった”。

今のところアメリカでは類似の報告はないが、バード大学の調査によると、アメリカの61の公共安全機関(警察、消防、救急など)が、同じくDJIの、Mavicドローンを使用している。使われているドローンのほとんどがDJIの機種だが、Matrice isはもっとも多い機種ではない。

メーカーは報告に応えて、Matriceのオペレーターは、問題を修復したファームウェアアップデートをプッシュするよう、促(うなが)している。同社のプロダクトウォーニングは、“DJIのPilotアプリでプロンプトが出たら、そこで顧客に、そのアプリ上またはDJI Assistant 2でインターネットにアクセスし、使用機のファームウェアとすべての電池をアップデートして、安全な飛行を確保するよう、勧めている”、と書いている。

DJIは昨年同じような問題に遭遇し、消費者品質のドローンDJI Sparkが突然動力を失い、空から落下した。

画像クレジット: DJI

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DJI Mavic Pro、ビデオレビュー

DJIは先週ブルックリンで開催されたプレスイベントでハイエンド・ドローンの最新モデル、Mavic 2を発表した。今回のアップデートではカメラ周りに重点が置かれている。

Pro(1449ドル)はハッセルブラッドのカメラ(1インチ撮像素子)を搭載しており映像作家の利用に耐える。Zoom(1249ドル)はその名のとおりコンシューマー向けドローンとしては初めてのズームレンズ搭載モデルだ。

現行Mavic同様、折りたたみ式のコンパクトなデザインで、カメラは3軸安定化ジンバルに搭載されている。カメラを交換できるモジュラー式ジンバルが搭載されるのではないかという噂があったが、今回は見送られた。ドローンの最高追尾速度は72km/hだという。障害を感知して空中で停止する機能がある。ただテストではドローンが視界から離れたときにクラッシュを経験した。

〔日本版〕DJIの日本向けプレスリリースによればProが189,000円(税込)、Zoomが162,000円(税込)だという。TechCrunchでのフルレビューはこちら

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滑川海彦@Facebook Google+

DJI、SparkドローンにLine Friendsのクマのブラウンをフィーチャー

7月に予定されていたDJI Mavic 2のリリースは延期され、新しい期日はまだわからない。 待っている間にちょっとした発表があった。Sparkにクマの顔がついた。

DJI Sparkについてはすでに非常に詳しいテストレポートを書いているので興味ある読者はそちらをご覧いただきたい。小型軽量で多機能、コストパフォーマンスも良いモデルだ。これに見たところ面白くなさそうな表情のクマをフィーチャーしたモデルが加わった。

このモデルはDJI初の「キャラクター・ドローン」だ。動物モチーフのかわいいLINEスタンプを多数を作ってきた日本のLine Friendsとの提携だという。どうやらこの「クマのブラウン」に続いてDJIでは動物キャラの製品をシリーズ化する計画らしい。

ブラウンの顔がついた他はスタンダードのSparkと変わりはない。

DJI上席コミュニケーション・マネージャー、Monica Sukによれば「私たちがバッグの中にいつも持ち歩くあれこれ同様、ドローンはライフスタイル・アクセサリーになってきました。このブラウンのバージョンはLine Friendsとのコラボによるもの。キャラクター・ドローンによってビデオによる日々のストーリーテリングと情報共有がさらにエキサイティングになると期待しています」という。

うれしいことにブラウン版も現行Sparkと同一価格で399ドルだ。

〔日本版〕DJIのサイトではまだ日本向けに販売していないもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これは、DJIの次期Mavicドローンなのか?

これだけは確かだ:DJIはもうすぐビッグイベントを開く。当初は7月18日に予定されていたが、「(同社の)イノベーション基準に合致したものを届けるために」延期された。このタイミングは2016年のMavic Proの後継機にぴったりであり、イベントのポスターに書かれた”bigger picture” ということばもも画像処理に焦点を合わせていることを示唆している。

ここから先は憶測が交じるが、DroneDJの記事には、(比較的)大型の折りたたみドローン、”Mavic 2″の画像が載せられている。このデバイスは交換可能らしきカメラジンバルを搭載しているので、現在のオンボードバージョンに取って代わるのかもしれない。

これは、カメラバッグの中にほかの機器と一緒に放り込める、ポータブルソリューションを探しているプロフェッショナルにとっては歓迎すべき変更だ。広角オプションが追加されたことも、”bigger picture”のコンセプトに合っている。

CNETの記事は、360度障害物回避の可能性にも言及している。実現すれば新しいMavicは、Playground Globalが支援するスタートアップ、Skydioが作り(明らかに高価ではあるが)ドローンコミュニティーのハートを掴んだ R1とも競合する。

もちろんDJIは、今も消費者向けドローン市場の圧倒的リーダーであり、Mavicシリーズは長年消費者製品の先頭を走っている。しかし、最近の競争の激しさは間違いなく同社の気を張り詰めさせている。

DJIにとって、リークはいつものことで、過去いくつかの機種もリリース前に何らかの形でネットに掲載されてきた。それでも同社は当然ながら当社のコメント要求を拒否した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Parrotから折りたたみ式ドローン、Anafi登場――DJI Mavic Airに対抗

今朝(米国時間6/6)、フランスのドローン・メーカー、ParrotがAnafiを発表した。これは明らかにDJIのMavic Airに対抗するモデルだ。Parrotによれば、このポータブル・ドローンの開発に2年間かけたという。「ユーザーからのフィードバックに応えようとすると同時に昆虫の仕組みからインスピレーションを受けた」そうだ。

このドローンは携帯性を最大限に高めるため、DJI Mavicと同様、320グラム前後と軽量で折りたたみ式だ。フォトグラファーだったら他の撮影機材といっしょに持ち歩ける。ジャケットのポケットに入れておくこともできる。21メガピクセルの4K HDRカメラがジンバルを介して搭載されている。

Parrotではバッテリー駆動時間を25分程度と計算しているが、このクラスのドローンとしては優秀だ。バッテリーは簡単に交換できる(価格99ドル)。またきわめて静粛になった。もちろん無音というわけではないが、芝刈り機のようなブーンという音は前のモデルに比べて3分の1減少しているという。

AnafiドローンのコントローラーはiPhoneまたはAndroidのスマートフォンを取り付けFreeFlight 6アプリをインストールして使用する。ここに搭載カメラの映像が写し出されタッチスクリーンによる操作ができる。Mavicシリーズと同様、撮影対象を追尾するなど撮影目的に応じた多様なコントロール・モードを持つ。もちろんセルフィー撮影モードもある。

価格もコンシューマー向け製品として妥当な699ドルだ。 これはMavic Airより100ドル安い。ただ一見した印象ではメインストリーム向けドローンとしてDJIの製品のほうがいかにもスパーテクノロジーという感じがする。Anafiの出荷は7月1日で、Parrot自身とAmazonの他に「いくつかの販売チャンネル」が用意されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DJIの新ドローン、Mavic Airは799ドルでスマホサイズ――新機能満載で出荷は28日から

DJIはドローンの新製品の秘密保持という点ではこれまでもあまりいい成績を収めていないが、今回のMavic Airも直前に写真がリークされた。今朝(米国時間1/23) ニューヨークで開催され、リアルタイムでストリーミングされたプレスイベントで発表されたMavic Airの内容はだいたいわれわれの予想どおりだった。ハイエンドのMavic Proと普及版のSparkの中間の位置づけとなる製品で、DJIが一般消費者向けに力を入れていることを示すものとなった。

DJIによれば「われわれはポケットに収まるほど小型で十分な空撮能力がある製品を作るために一から設計した」という。たしかにスマートフォンのサイズのプロダクトで、北アメリカ事業の責任者はイベントでベストのポケットに2台のAirを入れてみせた。Proのほぼ半分のサイズで重さは41%に過ぎないという。

Airの本体には3軸(自由度)のジンバルで4Kカメラが搭載されている。静止画は12メガピクセルで撮影でき、低照度の条件にも強い。HDR機能も内蔵されており、露光条件が場所によって大きく変わる風景撮影などでは特に威力を発揮する。DJIによれば静止画を貼り合わせてパノラマ写真を作成するなどソフトウェアにもいくつかのアップデートが行われたという。

動画安定化の要となるジンバルは本体同様、まったく新しく設計された。システムは本体内に完全に収まるので全体のサイズは驚くほど小さい。8GBのメモリーを備え、microSDカードを追加しなくても動画、静止画を記録できる。

AirはGoProが突然ドローン市場から退場して以来、この市場で初の新製品だ。GoPro KarmaはMavic Proにきわめて近い製品で、実際この製品はGoProとDJIの提携から生まれたものだった。

AirはActive Trackという機能を備えており、移動する対象を自動的に追尾できる(Karmaにこの機能が欠けていた)。アクションビデオを撮影しようとするユーザーはドローンの操作を友達に頼まずに自分を撮影できる。AsteroidとBoomerangという機能はボタンを1回押すだけで予めプログラムされたスタイルでパノラマ動画が撮影ができる。

Mavic Proは出荷が遅延するなどつまづきがちなスタートだったが、結局、優秀な製品であることが判明し、成功を収めた。これによりDJIは続いてスマートフォンサイズでユーザーが手の平を見せて動かすなどジェスチャーで簡単に操縦できるドローンを昨年5月に発表した。

残念ながら、われわれはこのドローンをテストしているときにブレードが当ってビデオのプロデューサーが指を怪我するトラブルに見舞われた。ジェスチャーによる操縦は「当たるも八卦」の傾向があり、あまり信頼性が高くなかった。たしかに一般消費者を意識した製品として意欲的だが、未完成という印象だっった。
第一世代のプロダクトから教訓を得て前モデルにおける問題が今回Airでは改善されているよとよいのだが。
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Airではドローンに向かって両手を伸ばし、閉じることでフライトを終了を命令できる。ユーザーが片手を伸ばして地面を指差すとドローンはその場所に着陸する。この機能は5.8メートル程度の距離まで有効だという。操縦にスマートフォンを使えば80メートルまで、リモコン・ブースターを使えば4キロメートルの距離から操縦できる。スポーツモードではドローンは時速68キロメートルで飛行する。一回の充電による飛行時間は21分だ。

前モデルはmicroUSB.だったがAirはUSB-Cポートを備える。ミニサイズのボディーながらさまざまな安全機能、位置トラッキング機能が組み込まれているという。

【略】

Airの価格は799ドルからとなっている。399ドルのSparkと999ドルのProの中間だ。Airには999ドルのコンボパックも用意されており、2個のバッテリー、予備のプロペラ、充電ハブ、携行用バッグがセットになっている。Airは今日からDJIのサイトで予約注文ができる。出荷は来週、1月28日からだという。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッドの3種類だ。【略】

空撮のプロにとっては799ドルは手頃な価格だろう。アマチュア・フォトグラファーやアクション・スポーツ愛好家も大いに興味を持つだろう。一般消費者への浸透に関しては、ジェダイ・マスター式のハンドジェスチャーによる操縦が今後どれだけ信頼性を高めるかによりそうだ。ともあれ昨年のわれわれの場合のようにビデオ番組のプロデューサーの指を切るような事態を引き起こさないことを期待したい。

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ただし、誰にも使いやすい信頼性の高いジェスチャー・コントロールが採用されたとしても、799ドルから999ドルというのは、一般人が趣味として利用するガジェットとしては(クールなおもちゃであることは間違いないが)やはりまだ高価だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DJIの最新ドローン、明日の発表前に写真がリーク

DJIは明日、新型ドローンを発表すると見られているが、いち早く「これがそうだ」という写真が流れ始めた。Mavic Airというモデル名になるらしいが、現行の折畳式小型ドローン、MavicProと低価格のSparkのミックスのような感じだ。私は興味を惹かれた。

DroneDJによれば、この小型ドローンは折畳式の4脚と4kカメラ、3軸ジンバル、障害物自動回避システムを備えるという。肝心の価格と後続距離は? DJIは明日朝のイベントでこうしたスペックを発表するものと思われる。

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この製品は小型ドローンに期待される能力をほぼすべて備えているようだ。現行のSparkは低価格ドローンとしては優秀なプロダククトではあるものの、能力はあまり高くない。新しいMavic Airは折畳脚と3軸ジンバルによるカメラの安定化でSparkの欠点をほぼすべて解消しているようだ。Mavic Airが新シリーズではなく、Sparkの後継モデルだとよいのだが。DJIのドローン製品は数が多く、非常にわかりづらいものになりつつある。

明日朝、DJIが製品を発表次第報告する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+