アリババが12年続いた音楽ストリーミングアプリXiamiを閉鎖

かつて中国では、Xiamiを使うことは音楽のセンスが良いことと同義だった。2008年頃にデビューし2013年にAlibaba(アリババ)に買収(Tech in Asia記事)されたXiamiは米国時間1月5日、ストリーミングサービスを終了するとユーザーへの通知で発表した。

中国語で「小さなエビ」を意味するXiamiは、スマートな発見機能、エレガントなデザイン、ソーシャル機能、インディーズミュージシャンのサポートで知られ、中国の芸術的かつヒップスター的なタイプのファンを引きつけるのに役立った。そしてその衰退の始まりは、中国での音楽著作権をめぐる争いと重なった。2016年にTencent(テンセント)がChina Music Groupの株式の過半数を取得(WSJ記事)したことでデジタル音楽業界の巨大グループが形成され、Tencentが音楽取引を独占した。2017年、テンセントの音楽アプリは中国の音楽ストリーミング市場の75%ものシェアを支配(RADII China記事)した。

一方、Xiamiは音楽の権利を大量に失ったため、ユーザーはしぶしぶながらよりリソースの豊富なプラットフォームに移行した。

一方、NetEase Musicのような新規参入者はTencentの音楽帝国との戦いを続けているが、その支配は今日まで続いている。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アリババ創業者ジャック・マー氏が2カ月間公の場から姿を消す、Twitterで話題に

世界の関心がJack Ma(ジャック・マー)氏の行方に集まっている。Alibaba(アリババ)とAnt Group(アントグループ)の億万長者創業者が2020年10月下旬以降、公の場で姿を見せていないと報道されている。

2020年10月24日にマー氏は、中国の金融システムに対する激しい批判を高官の前で行った。数日後に中国当局はAntのIPOを突然停止したが、これはマー氏の演説が物議を醸したためだと考えられている。その後、中国政府は比較的規制の緩い環境で繁栄してきたフィンテック大手に対して、法に基づいて事業を「修正」するようにと命じた。これにより、Ant Groupの未来は宙に浮いている。

同時に、中国の規制当局は、独占的行為の疑いについてAlibabaに対する前例のない調査を開始している。

歯に衣着せぬ物いいで知られているマー氏は脚光を浴びることが好きなことでも知られているため、彼が制作したアフリカのテレビ番組の最終回(Bloomberg記事)を含む最近のイベントでその姿を見せないことが話題になっていることは驚くに当たらない。経済学者からジャーナリストまで、Twitter(Twitter)の世界では、次のように注目している。

「アフリカのコンペ番組Business Heroesに関しては、マー氏はスケジュールの都合で最終回を欠席せざるを得なかった」とAlibabaの広報担当者は述べている。

中国のツイッターと呼ばれるWeiboは「ジャック・マー 行方不明」の検索をブロックしなかったが、投稿には「いいね」や「再投稿」がほとんどない。中国のインターネットのどこかでは、WeChatの複数のグループの中では、マー氏が「消された」か、または国外逃亡したという憶測が飛び交っている。

しかしながら、かなり前からマー氏がAlibabaの日常的な経営活動から退いていることを忘れてはならない。2019年10月に彼は、同社の会長としての権限を公式に後継者のDaniel Zhang(ダニエル・チャン)氏に渡している。しかし実際には彼は、いわゆる上級管理職のグループで、取締役の任命権があるAlibaba Partnershipの終身パートナーとして、同社のeコマース事業に相当な指揮権を持っている。

中国では、大物が難事を避けるために身を隠すことがよくある。AlibabaのライバルであるJD.comの派手好きの創業者Richard Liu(リチャード・リュウ)氏は、レイプの罪で訴えられた後、2020年は重要な政治的イベントを欠席した(South China Morning Post記事)。Tencentの創業者Pony Ma(ポニー・マ)氏は、すでに世間の注目を集めておらず、1年近く公の場に姿を見せていない。情報筋によると、彼は背中に慢性の疾病を抱えているというが、2020年は一部のイベントに音声メッセージでバーチャル出演した(The Paper記事)。

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カテゴリー:その他
タグ:Jack MaAlibabaAnt Group中国

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

2021年スマートフォン市場がゆっくり回復するもファーウェイに恩恵なしとTrendForceが予測

陰鬱な年を経て、2021年、世界のスマートフォン市場はゆっくりと回復を始めると、TrendForce(トレンドフォース)は予測する(TrendForceリリース)。しかし、Huawei(ファーウェイ)はその恩恵にあずかることができないどころか、同調査会社が作成した生産台数による世界のスマートフォンメーカー上位6社のリストから脱落するという。

2020年、世界のスマートフォン生産量は前年比で11%低下し、12億5000万台だった。2021年は古い機種の買い換えで新興市場での需要が高まることから、9%増加して13億6000万台になるとTrendForceは見ている。しかし、そんなささやかな回復ですら、経済と現在ほぼ全世界の電子機器業界に生産の遅延をもらしている世界的なチップ不足(Reuters記事)に、パンデミックがこのまま影響をおよぼし続けるか否かによって左右される状況にある。

2020年、生産台数トップ6のブランドは、Samsung(サムスン)、Apple(アップル)、ファーウェイ、Xiaomi(シャオミ)、OPPO(オッポ)、Vivo(ヴィーヴォ)だった。だが2021年は、このランキングからファーウェイが脱落し、新トップ6はSamsung、アップル、Xiaomi、OPPO、VivoそしてTranssion(トランシオン)になるとTrendForceは予測した。

この6社は、2021年には世界のスマートフォン市場の80%を占め、ファーウェイは7位に落ち込むと見られている。

ファーウェイ脱落の主な原因は、格安スマートフォンブランドのHonor(オナー)の売却だ。ファーウェイは2020年11月、Honorを企業コンソーシアムに売却し、その部門のサプライチェーンを米国政府の取引制限による打撃から保護する計画があることを認めた。

Honorの独立は、ファーウェイの事業に損害を与えた制裁から同ブランドを守るための対策だ。しかし「新しいHonorがファーウェイの支援なしに消費者の関心を集められるか否かは未知数であり、しかもファーウェイと新しいHonorは、Hoaweiへの米国の制裁が解かれた将来、互いに直接競い合う関係になる」とTrendForceの報告書は伝えている。

Honor売却が発表された直後に公開された前回の報告書では、その取引が、世界的なチップ不足と相まって、2019年には17%、2020年には14%と見積もられていたファーウェイの市場占有率を、2021年にはわずか4%にまで落ち込ませるとTrendForceは予測していた。ファーウェイのハイエンドスマートフォンのシェアの一部はアップルが奪取を目論んでいる。Xiaomi、OPPO、Vivoもその恩恵に浸ろうとしている。独立したてのHonorは、2021年には2%の市場占有率を獲得するとTrendForceは見積もっている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンHuawei中国

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(翻訳:金井哲夫)

中国の適応制御ロボットメーカーFlexivが103億円調達、北米進出も視野

世界中の事業所が生産ラインとサプライチェーンの自動化に目を向けるにつれ、ロボットを製造する企業が投資家の関心を大いに集めている。資金調達した最新例がFlexiv(フレックヒブ)だ。TechCrunchが入手した情報によると、同社は中国のオンデマンドサービス大企業Meituanなどの投資家から1億ドル(約103億円)超を調達してシリーズBラウンドをクローズした。

他の主な投資家には中国のベンチャーキャピタルファームMeta Capital、中国の大手農業法人New Hope Group、プライベートエクイティファームLongwood、Jack Ma(ジャック・マー)氏のYF Capital、名高いベンチャーキャピタルファームGaorong CapitalGSR Ventures、そしてPlug and Playの中国と米国のベンチャーなどが含まれる。今回のラウンドによりFlexivの累計調達額は1億2000万ドル(約124億円)超になった。

同社は中国のいくつかの主要都市とカリフォルニア州で事業を展開し、従業員の3分の2は中国に配置している。AIスタートアップに共通の戦略は、米国で働いたか教育を受けた中国人の創業者によって練られている。

スタンフォード大学のBiomimetics and Dexterous Manipulation Lab(生体模倣技術および高度活用に関するラボ)の卒業生であるWang Shiquan(ワン・シークアン)氏は2016年、製造業のための適応制御ロボットを専門とするFlexivを創業した。今回調達した資金で同社はAIで動く多目的のロボットをサービス業や農業、ロジスティック、医療ケアといった他の分野で応用する計画だ。

たとえばMeituanの戦略投資を通じて、FlexivはMeituanのフードデリバリー事業にソリューションを提供できるかもしれない。フードデリバリー業務には繰り返し作業や、かなりのボリュームの作業が含まれ、オトメーションが導入されつつある。

FlexivのロボットRizonによる曲面作業(画像クレジット:Flexiv)

その一方で従来の製造業においてはオートメーションを導入する余地はまだかなりある、とワン氏はTechCrunchとのインタビューの中で述べた。特に家電は高精度でデリケートな製造プロセスを要するため、往々にして製造ラインは新製品のために刷新される必要がある。力覚フィードバックとコンピュータービジョンシステムを備えているFlexivのロボットは新しい環境に適応でき、新装置のセットアップにかかる時間とお金を節約できるかもしれない、とワン氏は主張した。

同社のフレキシブルなロボットは競合他社のものとは異なる、とも同氏は述べた。

「従来のロボットアームは周辺に障壁がない時は安全にタスクをこなせます。しかし複雑な環境での作業になるとやや能力は落ちます。皿洗いなどシンプルに見えるタスクの多くは実際にはかなりのAIベース認識と判断力を必要とします」。

Flexivは2020年下半期に大量生産を開始し、これまでに約100のロボットを製造した。ロボット販売、ソフトウェアのライセンス貸し、アフターサービスの提供で収益を上げる計画だ。今後の課題は、同社の新しいテクノロジーを信じてくれるパートナーや顧客をさまざまな業界で探すこととなる。

同社にとってまだ中国が最大のマーケットだが、海外展開においては北米が主要マーケットだ。ワン氏は「それぞれの国にロボティクスの先端をいく競合企業があります」との考えを示した。「中国の強みは製造、サプライチェーン、人件費です」。

「従来のロボティクスと適応制御ロボティクスの分野における各国間のギャップは確実に狭まっています」とも述べている。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Flexiv資金調達中国

画像クレジット:Flexiv

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(翻訳:Mizoguchi

Tencentが518億円のラウンドで中国のヘルスケアポータルDXYを支援

中国の消費者のためのオンラインヘルスケアコミュニティで、Pfizer(ファイザー)のようなヘルスケア企業でもある創業20年のDXYが今週、プライベートエクイティ企業Trustbridge Partnersが率いるシリーズEのラウンドで5億ドル(約517億9000万円)を調達したことを発表した。

このラウンドには、これまでの投資家であるTencent(未訳記事)と、Hillhouse Capitalのアーリーステージ部門であるGL Venturesが参加し、DXYの総調達額はこれで6億8000万ドル(約704億4000万)あまりになる。DXYの初期の投資家にはXiaomiの創業者Lei Jun(レイ・ジュン)氏のShunwei CapitalやLegend Capital、DCMがいる。

同社は医師同士が知識を共有するプラットフォームとしてスタートし、徐々に健康に関する一般向けのアドバイスや医療相談、病院へ行く前の自宅療養のやり方などを加えて、消費者向けのプラットフォームにもなったた。

パンデミックの長期化にともない、世界中の病院や人びとが大急ぎで活動をオンラインにシフトし、ヘルスケアアプリの需要が急増した。DXYもすばやく反応し、感染拡大の初期には中国でリアルタイムの新型コロナウイルス(COVID-19)検査を導入した初の企業になった。

今日では、ヘルスケア企業がDXYを広告のチャネルや学習のプラットフォーム、また求人サイトとして利用しており、それらが同社の売上に寄与している。

創業以来現在まで、同社のサイトはおよそ1億3000万人の消費者を惹きつけ、またオンラインのコンサルテーションを提供する医療機関や医師は累計で9000機関5万人に達している。同プラットフォームの現在のユーザーベースは2000万で、主要クライアントにはEli LillyやPfizer、AstraZenecaなどが含まれている。

DXYは今回新たに得られた資金を、ヘルスケアプロフェッショナルのサポートと消費者サービスという同社事業の2つの柱の補強に費やす計画だ。そのために、病院と消費者製品の企業、そして製薬企業との協力関係を強化し、プロダクトや新しい消費者アプリケーションの開発に共同出資していく。

消費者部門では、SoftBankが支えるPing An Good Doctor(Reuters記事)やAlibaba Health、JD Health、そして同じくTencentが支援するWeDoctorといった強力なライバルがいる。

【更新】この記事は米国時間2020年12月29日に、投資に関する詳報によりアップデートしている。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:DXY資金調達Tencent中国

画像クレジット:DXYウェブサイト

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

中国のオンライン教育アプリ「Zuoyebang」が約1656億円を調達

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、中国トップクラスのオンライン学習アプリの競争がさらに激化した。ここにきて大型の資金調達を果たした企業がZuoyebang(作业帮)だ。同社は米国時間12月28日、シリーズEでAlibaba Groupを含む投資家から16億ドル(約1656億円)を調達したと発表した(微信サイト)。これまでに投資していたTiger Global Management、SoftBank Vision Fund、Sequoia Capital China、FountainVest Partnersも参加した。

Zuoyebangはわずか半年前の2020年6月に、Tiger GlobalとFountainVestが主導するシリーズEで7億5000万ドル(約776億2500万円)を調達したと発表していた。今回の調達により、Zuoyebangのこれまでの調達金額の合計は29億3000万ドル(約3032億5500万円)となった。Zuoyebangは最新の評価額を明らかにしていないが、ロイターは9月にバリュエーションを100億ドル(約1兆350億円)と報じていた

Zuoyebangの有力なライバルの1つであるYuanfudao(猿輔導)は10月に、Tencentが主導した22億ドル(約2277億円)のラウンドの完了後にバリュエーションが155億ドル(約1兆6000億円)に達したと発表した。これによりYuanfudaoは世界で最も価値の大きいEdTech企業であるByju’sを超えた。中国には人気のオンライン学習アプリとしてもうひとつ、シンガポールのTemasekが投資しているYiqizuoye(一起作业)がある。

Zuoyebangは幼稚園生から12年生向けにオンラインコース、ライブレッスン、宿題のサポートを提供している。同社によれば月間アクティブユーザーはおよそ1億7000万人で、そのうちおよそ5000万人はサービスを毎日利用しているという。比較のために挙げておくと、中国教育部の発表では中国のK-12(幼稚園生から12年生)の人数は2019年現在で約2億人だった。

2020年秋にZuoyebangの有料ライブストリーミングクラスを受講した学生の人数は合計で1000万人を超え、業界記録を達成したと同社は述べている。成長の大きな要因は新型コロナウイルスの影響だが、Zuoyebang創業者のHou Jianbinm(侯建彬)氏は資金調達の発表の中で、オンライン教育には長期的な成長が見込まれ、K-12のクラスに投資しプロダクトのカテゴリーを拡大していくと述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

中国政府のAnt、Alibabaへの規制強化を受けて世界の投資家は中国のハイテク株から脱出中

ジャック・マー(馬雲)氏が設立したAntとAlibabaは最近まで中国のテクノロジー・エリートの最高の達成点として歓迎されていた。しかしこの世界的企業グループが中国政府から厳しい取り締まりを受けたことで世界の投資家は中国のテクノロジー株から脱出し始めている。

中国の主要テクノロジー企業の株価は急激に下落している。Alibaba、Tencent、JD.com、Meituanは数日で時価総額2000億ドル(20.7兆円)を失ったとBloombergは推計している。

中国を代表するフィンテック企業であるAntグループの株式上場が土壇場で政府から中止を命ぜられたことで関連企業である電子商取引の巨人も大きく動揺していた。中国政府の市場監視機構は反競争的行為の疑いでAlibabaの捜査を始めたと伝えられる。

Antグループ自身は12月26日に政府の召喚を受け、ビジネス慣行を「修正」する計画を提出することを余儀なくされた。

Alibabaの株価は、10月下旬の直近の高値から約30%下落している。さらに中国国内市場におけるテクノロジー株も広範囲に下落している。 中国のテクノロジーに焦点を当てた上場株投資信託の1つは、今日の取引による1.5%の下落を含めて直近高値から約8%ダウンした。

投資家がAlibaba株式に投資するために利用した米国預託証券(ADR)はニューヨーク証券取引所での12月23日の取引終了時の1株あたり256ドルからわずか1日で約222ドルに下落した。 同社は今日、さらに0.5ポイント下落している。 今四半期当初には1株あたり319ドル以上だった。

中国でハイテク企業と中国共産党との間で緊張が高まっていることは明らかでこれまでも投資家を強く懸念させていた。しかしジャック・マー氏の中国政府との関係は他の有名起業家の場合と比べても一層険悪化なものとなった。Tencentのファウンダー、ポニー・マー(馬華騰)氏、百度の共同ファウンダー、エリック・ヨン(徐永)氏とロビン・リー(李延紅)氏はジャック・マー氏とくらべて脚光を浴びまいとしている。

Bloombergは現在の市場の状態を簡明にまとめている。それによれば、最も直接的に政府の標的となっているのはジャック・マー氏のように見えるが、別の機会に中国の規制当局はTencentのゲームにおける影響力を減殺しようと焦点を当てている。

特にAlibabaの事態は悪化の一途をたどっており、大規模な自社株買いプログラムによっても出血を止めることができなかった。

今回の新たな規制は、単発的、一過的なのか、それとも中国政府がハイテク企業を国益に従属させようする努力の表れなのかはまだはっきりと見極められない。アメリカと中国の間でテクノロジー上の対立が激化しする中、これまで政治を避けて成長を遂げてきた多くの企業が外交と国家安全保障の十字砲火にさらされることになるかもしれない。

一方、新たに中国政府から後押しされて幸運が微笑んでいる企業もある。

これはCPU分野では以前から明白で、中国がテクノロジーの自立化を推進する中で新たな事業と新たな富豪が生まれつつある。Liu FengFeng(刘峰峰)氏は国内に新しい半導体メーカーを建設しようとするTsinghon(清鸿光科)を設立してすぐに500万ドルを調達することができた。機械学習アプリケーションに特化したチップセットを製造すIntellifusion社は、4月に1億4100万ドルを追加調達している。

非政府投資家は、中国政府の規制の風向き次第で危機に直面するリスクがある中国のテクノロジー・スタートアップを支援することに意欲を失うかもしれない。 この地域の他のスタートアップ市場(とりわけインド、日本)が中国の規制強化から恩恵を受けるかどうかは、2021年に津注目すべきトピックの一つとなるだろう。
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滑川海彦@Facebook

中国政府がジャック・マー氏のフィンテック帝国Ant Groupの「修正」計画を発表

Jack Ma(ジャック・マー)氏と彼のフィンテック帝国にとって、なんと慌ただしい休日だったのだろうか。中国の中央銀行である中国人民銀行は米国時間12月26日、規制に関する話し合いのためにAnt Groupを呼び出し、フィンテック企業が規制違反を「是正」するための包括的な計画を発表した。

この会合は、中国の金融当局が規制遵守問題を理由に、記録的な新規株式公開(IPO)を突然中止してから2カ月も経たないうちに行われた。Alibaba(アリババ)のオンラインマーケットプレイスにおける決済処理会社として始まり、2011年にスピンアウトした同社は、健全なガバナンス体制を欠き、規制要件に反し、裁定取引を違法に行い、市場での優位性を利用して競合他社を排除し、消費者の権利を侵害したと、中国人民銀行は述べている

同時に、ジャック・マー氏のeコマース大手であるアリババは、独占的行為の疑いで中国の市場規制当局から調査を受けている

銀行当局は、億万長者であるアリババ創業者のジャック・マー氏が支配するよって管理されているAnt Groupに対して「フィンテック企業は決済の原点に立ち返り、取引の透明性を高めること」「クレジット事業に必要なライセンスを取得し、ユーザーデータのプライバシーを保護すること」「金融持株会社を設立し、十分な資本を確保すること」「法律に従ってクレジット、保険、資産運用などの金融事業を見直すこと」「証券業務のコンプライアンスを強化すること」という5つのコンプライアンスアジェンダを提示した。

非公開会議後、Ant Groupはすべての規制要件に取り組むための社内に「従業員調整」のチームを設置したと述べている

この再編が完了するまでには数カ月かかる可能性があり、Ant Groupの評価額を下げる可能性もある(Reuters記事)。評価額は上場予定時期に3000億ドルを(約31兆円)を超えていた。たとえば政府は最近、消費者へのローンを提供するための基準を引き上げる計画(Reuters記事)。を発表していた。これはAnt Groupの年間収益の約35%を占める(未訳記事)セグメントだ。中国政府の債務リスク管理努力の一環として提案されているこの変更では、オンライン小口融資業者が銀行と共同で、融資する資金の少なくとも30%を提供することが新たな要件となり、Antのキャッシュフローを圧迫する可能性がある。

しかし、Ant Groupの将来について楽観的な意見もある「(Antは)多くの勝ちを生み出している。長い目で見れば、IPOの一時的な停止が同社のビジネスに与える影響は限定的だ」とクロスボーダー決済事業者であるXTransferの創業者であり、Antの元幹部であるBill Deng(ビル・デン)はTechCrunchに語っている。

「規制当局の観点から見ると、「(Antの)融資規模は非常に大きくなっており、従来の規制範囲を超えて拡大している。また、伝統的な金融関係者の核心的利益をある程度侵害している」とデン氏は付け加えた。

Ant Groupに対する取り締まりは、間違いなく業界全体に警告でもある。Antへの挑戦者であるJD.comのフィンテック部門は、驚くべき動きとして、元チーフコンプライアンスオフィサー(Caixin記事)を新たな最高経営責任者として同社の舵取りに任命している。

Tencentの海外フィンテック事業のパートナーの匿名希望者は、Tencentはフィンテック事業を拡大(未訳記事)しているが、このソーシャルとゲームの巨人はその推進に対して「Antほど積極的ではない」ためAnt Groupと同じレベルの調査を同社は受けていない可能性があると述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

The Sandboxがイーサリアム基盤のデジタル不動産オークションによりユニセフ暗号資産ファンドに寄付

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年12月13日~12月19日の情報から。

中国・香港拠点のゲーム開発会社「Animoca Brands」(アニモカブランド)は12月18日、ブロックチェーンゲームプラットフォーム「The Sandbox」において、NFT(Non Fungible Token。ノン ファンジブル トークン)にあたるデジタル不動産を販売するチャリティーオークションを開催した

収益は、UNICEF(ユニセフ。国連児童基金)暗号資産ファンド(UNICEF CryptoFund)に寄付され、UNICEF Innovation Fundを介し子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術・デジタル公共財への資金提供に使用される。

チャリティーオークションは、12月18日午後10時(日本時間)より3日間開催。The SandboxのユーティリティトークンSANDのみの入札に限定されており、最終的に70万SAND相当のデジタル不動産が落札された。落札時点のSAND相場価格で換算すると、落札価格は約3万2373米ドル(334万円相当)になる。

The Sandboxは、ブロックチェーン基盤のメタバース(仮想空間)にあたる、コミュニティ主導型ゲームおよびゲーム作成プラットフォーム。すでに過去に仮想空間内のLANDを販売する複数回のプリセールが行われており、The SandboxのLANDは人気のNFTとなっている。今回のチャリティーオークションでは、Animoca BrandsがNFTマーケットプレイス「OpenSea」(オープンシー)と提携し、12×12(144個)のLANDで構成されたエステート(土地)と呼ばれる区域を出品した。土地はThe Sandboxの中心にあたる人気かつ需要の高いロケーションが出品された。

オープンソース技術とデジタル公共財の開発を支援する、UNICEFの暗号資産ファンドおよびイノベーションファンド

今回のチャリティーオークションの収益はすべて、UNICEFの暗号資産ファンドに寄付され、UNICEF Innovation Fundを介して世界中の子どもや若者に影響する可能性があるオープンソース技術やデジタル公共財への資金提供に使用されるという。

UNICEFは暗号資産ファンドを2019年に設立。この2020年6月などにも新興国のテクノロジー企業に法定通貨と暗号資産による投資を実施しているものの、ブロックチェーン技術を基盤としたNFTを慈善事業に活用するのは今回が初の試みという。

UNICEF フランスのエグゼクティブディレクターSebastien Lyon氏は「UNICEFは暗号資産ファンドを持つ最初の国連機関であり、最先端の技術を活用し、慈善事業に役立てています。Animoca Brandsのようなパートナーと、世界中の子どもたちの生活を向上させる手段として、オープンソースで革新的なソリューションを生み出す暗号資産を利用できることを誇りに思っています」と語っている。

The Sandboxとデジタル不動産「LAND」

The SandboxのユーティリティトークンSANDは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で発行されたERC-20準拠トークンで、メタバースにて利用できる主要トークンとなる。暗号資産取引所BinanceのIEOプラットフォームBinance Launchpadを通じ、300万ドル(約3億1700万円)相当のSANDが販売され、すでに上場も果たしている。

これらによりThe Sandboxユーザー(コンテンツ制作者)は、アセットを使用しゲームを作ったり、他人の作ったゲームをプレイしたりできる(ゲーム体験)。また、所有する土地(LAND)やキャラクター、アイテムなどデジタルアセットについても、NFTとしてマーケットプレイスにて売買可能(収益化可能)となっている。

LANDは、Ethereum上で発行されたNFT(ERC-721)。The Sandboxにおけるデジタル不動産であり、プレイヤーはその上にエクスペリエンス(デジタルアセット)を構築するために購入できる。発行上限が16万6464LANDと決まっており、すでに多くのLANDがプレセールによって販売済みになっている。

より早くプレセールに参加してLAND所有権を得たユーザーは、The Sandbox内の限られたLANDの中でも人気のロケーションを確保可能。LAND所有者は、The Sandboxでゲームプレイに参加できるほか、自分のLANDにおいて他のプレイヤーに対して独自のゲーム体験を提供できる主催者になれる。さらに、LANDの一部を他のプレイヤーにレンタルをしてSANDを稼ぐことも可能という。

また、メタバースガバナンスに参加できるといった様々な権利を得られるほか、それら権利をNFTマーケットプレイスなどで売買できる。

プレシーズン0のリリース予定を変更、具体的な開始日を2021年1月に発表予定

なお、The Sandboxは現在開発中で年内にローンチ予定だったが、公式ブログにおいてプレシーズン0のリリースを2021年の初めに行うと、予定を変更した。具体的な開始日は、2021年1月に発表するという。

現在、The Sandboxはプラットフォームの一部として3Dボクセル(ブロック)アセットを作成できる「VoxEdit BETA」と、VoxEditで作成されたゲーム内アセットを取引できる分散型マーケットプレイスを公開。メタバース内で3Dゲームを作成できるビジュアルスクリプトツールボックスGame Makerのアルファ版も提供している。

プレシーズン0へのアクセスは、LAND所有者のみの限定公開となる。開始タイミングは事前登録をすることでメール通知を受けることができ、事前登録をしたLAND所有者に対して、順次アクセスを可能にしていくという。

プレシーズン0では15日間のイベントが開催され、プレイヤーは$SAND賞品のほか、NFTを含むその他の限定賞品を獲得できる。

また、ソーシャルハブ、派閥レベル、ギャラリーやGame Makerファンドで制作された「UGCゲーム」40以上が公開され、プラットフォーム制作、戦闘、謎解き、調査、探検、タイムアタック、収集など、ゲーム性を持った体験もプレイ可能という。

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タグ:Animoca BrandsNFT(Non Fungible Token)オープンソース / Open Source(用語)The Sandboxブロックチェーン(用語)メタバースUNICEFUNICEF Innovation FundUNICEF CryptoFund中国(国・地域)

中国eコマース大手アリババの独禁法違反調査始まる

中国の最高市場監視機関が、eコマース企業の反競争的慣行の疑惑をめぐりAlibaba(アリババ)の調査を開始。これは拡大を続ける同国のインターネット大手に歯止めをかけようとする中国政府の最新の取り組みだ。

12月24日、国家市場監督管理総局は短い声明の中で、企業がAlibabaでの独占販売を余儀なくされ、競合するJD.comやPinduoduoを避けるという「2つの中から1つを選ぶ」という方針に関して同社を調査していると述べている。

Alibabaからのコメントは得られていない。

同日、Alibabaの関連企業であるAnt Groupが金融当局に召喚され「コンプライアンス」業務について話し合われたと中国国営の新華社通信は報じている

金融サービスと顧客の仲介役を務めるAnt Groupは、中国当局が2020年11月に巨額の新規株式公開を突然中止したことを受け、債務リスクを抑制する措置を講じると約束した。

同社は声明で「本日、Ant Groupは規制当局から会議通知を受け取った。私たちは、あらゆる規制要件を真剣に検討し、厳格に遵守し、関連するすべての業務を遂行するために全力を尽くします」と述べている。

関連記事:Antの超大型IPOが延期、中国当局がアリババ創業者から事情聴取

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タグ:AlibabaAnt Group反トラスト法中国

画像クレジット:Andrea Verdelli / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

中国の自動運転技術スタートアップ、WeRideがバスメーカー宇通から207億円を調達

中国で自律運転技術を開発しているスタートアップの中でも、最も多くの資金を集めている会社の一つであるWeRideは水曜日、中国のバスメーカーYutong(宇通客車)からストラテジックラウンド資金2億ドル(約207億円)を調達したと発表した。

WeRideのように次世代のレベル4運転基準を開発している企業では、大規模な投資は珍しくないが、これは車が人間の介入なしに大部分の運転状況を独立して処理できることを示している。

同社の広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、WeRideはシリーズBラウンドの第一トランシェである今回のラウンドのバリュエーションを公開していない。

今回の新たな資金提供により、WeRideは創立57年の宇通客車と提携し、自律走行ミニバスや市営バスの製造に加え、研究開発、車両プラットフォーム、モビリティサービスの共同開発を行う。両社はすでに量産用の前置き型無人運転ミニバスを共同開発している。ハンドル・アクセル・ブレーキのないこのモデルは、都市部の公道での運行を想定して設計されているとWeRideは述べている。

中国の顔認証大手SenseTimeが一部を出資したシリーズAラウンドの完了を受けて、ルノー・日産・三菱の戦略的ベンチャーキャピタル部門であるAlliance Venturesは、2018年にWeRideのストラテジックインベスターとなった。

中国の自動運転スタートアップは軒並み、支出ばかりの事業のために資金を誘致しようと、競ってその進歩を披露している。例えば、アリババの出資を受けたAutoXは、大胆な動きで深圳の道路に無人運転車を配備し始めた。WeRideとそのライバル企業は、地方政策が未来志向の交通技術を支援している米国と中国の主要都市の両方で、さまざまなレベルの自律走行車をテストしている。

「(中国での)COVID-19のパンデミックを受けて、首府の態度は変化しており、自動運転とその商業的な将来にますます強気になっています。投資家は自動運転の潜在的なリーダーを逃したくないため、この分野では多くの投資が行われています」とWeRideの広報担当者は述べている。「当社のシリーズBラウンドは、多くの関心を集めています。」

WeRideの競合他社には、距離的にも近い広州のPony.ai、深圳のAutoXとDeeproute.ai、蘇州のMomenta、北京のBaiduなどが挙げられる。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:資金調達 自動運転 中国

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(翻訳:Dragonfly)

中国のオンデマンド物流企業LalamoveがシリーズE投資533億円を調達

オンデマンド物流企業Lalamove(ララムーブ、啦啦快送)は、シリーズE投資5億1500万ドル(約533億円)を調達し、中国国内のさらに多くの小規模都市にネットワークを拡大すると同社サイトで発表した。このラウンドはSequoia Capital Chinaが主導し、Hillhouse CapitalとShunwei Capitalが参加している。これら3社は、いずれも以前からの投資者だ。

Crunchbaseのデータによれば、これによりLalamoveの調達額は総額で9億7650万ドル(約1010億円)となった。同社が最初に資金調達の発表を行ったのは2019年2月。このときのシリーズD投資3億ドル(約310億円)で、ユニコーン企業の仲間入りを果たしている。

Bloombergが先週伝えたところによると、Lalamoveは評価額80億ドル(約8280億円)で、少なくとも5億ドル(約517億円)の新規投資ラウンドを目指しているという。これは2019年に調達した額の4倍だ。

地元の街でオンデマンド物流事業を行おうと2013年に設立されたLalamoveは、それ以来、貨物サービス、企業向けロジスティックス、引っ越し事業、車両レンタルへとビジネスを拡大してきた。中国本土の352の都市に加え、本拠地の香港、台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイでも事業を展開している。2020年10月に初めて米国へ進出し、現在は月間48万人の実働ドライバーを擁し、月間720万件のアクティブユーザーがある。

今回のシリーズD投資の一部は、インド進出の資金として確保されているが、Lalamoveのアプリはインド政府がサイバーセキュリティー上の懸念があるとして禁止した43のアプリのなかの1つに加えられている。

LalamoveのCEOであるShing Chow(周勝馥、チョウ・シン)氏は、このシリーズE投資を使って中国の4級、5級の都市へ進出すると話している。「中国物流業界のモバイルインターネットへの移行は、まだまだ終わりません」と彼は言い足した。

中国の物流業界で、最近巨額の投資ラウンドの資金調達を果たした企業には、この他にManbang(マンバング)やYTOがある。

Lalamove(中国ではホウララと呼ばれている)の今回のシリーズEラウンドの発表によれば、2020年初め、新型コロナウイルスのパンデミックにより貨物量が93%落ち込んだが強力な回復を見せ、注文量は11月前の段階ですでに前年比82%を記録したということだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Lalamove物流中国

画像クレジット:Lalamove

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(翻訳:金井哲夫)

2021年のCES代替イベントがアジアのカジノ都市マカオで開催予定

マカオの夜景。カジノビルがライトアップされている(画像クレジット:Getty Images)

現在世界最大のギャンブルセンターとなっている旧ポルトガルの植民地のマカオが、例年ラスベガスで開催されている有名なCESに匹敵するテックフェアを2021年に開催する予定だ。

この「Beyond(ビヨンド)」会議のブレーンを務めるのは、TechCrunchの元中国パートナーである、中国のテックニュースメディアTechNodeの創業者Lu Gang(ルー・ガン)氏と、マカオのベンチャー投資家であり、中国のトップ政治諮問機関であるCPPCC北京のメンバーであり、マカオ政府にも深いコネクションを持つJason Ho(ジェイソン・ホー)氏だ。

マカオ政府が一部出資するこのイベントは、現在カジノを中心としたその経済を、60万人の住民のために多様化させたいこの地域の長期戦略を示す一端となっている。この会議は深圳、香港、マカオなどの周辺都市で構成される「グレーターベイエリア」を標榜する広東省政府からも、サンフランシスコのベイエリアに張り合うために「支持」を得ている。

「マカオは、エンターテインメント産業やホテルといったインフラが充実していますので、人びとを惹きつけるイベントを行うにはとても適していると思います」とホー氏はTechCrunchのインタビューで語っている。

CESとは異なり、今回のテックフェアでは、消費者や企業向けの電子機器だけでなく、政府向けの技術にも焦点が当てられるとホー氏は述べる。現在同フェアは社会・環境技術、生命科学、先端技術、そして5G、スマートシティ、交通機関などのイノベーションを意味する中国の流行語「new infrastructure(新しいインフラ)」を専門とする企業を世界中から招いている。

マカオが地政学的に「中立」な立場にあることを考えると、このイベントは中国と世界の架け橋になることができるとホー氏は考えている。

「マカオは他の国が中国本土に進出したり、中国本土の企業がアジア太平洋地域や中東諸国に進出するためのプラットフォームになることができると思います」とホー氏は語る。

「多くの人たちが参加したいと思い、かつそれほど政治的なイベントだと感じないで済むような、国際的で中立なイベントを開催できるのは、香港とマカオだけだと思います」。

多くの人が、北京政府が旧英国植民地に対する締め付けを強化しているため、半自治区域としての香港の特別な地位が危うくなっている(The New York Times記事)と主張している。Web Summit(ウェブ・サミット)が、2019年まで香港で開催していた人気テックカンファレンスRise(ライズ)は、香港の政治的緊張が続いていることを受けて、クアラルンプールに移転した

ホー氏は、マカオも同様の課題に直面する可能性があることを認めながらも、香港のRiseから上海のCES Asiaに至る主要な国際的テックフェアが米中貿易戦争の影響もあって(South China Morning Post記事)行われなくなったことで、マカオがアジアのテックコミュニティからの参加者や、中国に関心を持つ人びとを引き付ける機会が増えるはずだと考えている。

「いずれはシンガポールと並ぶようになりたいという、大きな夢をいつも持っています」とホー氏はいう。さらにマカオ政府は海外企業に優しい政策の導入にも取り組んでいると付け加えた。

Beyondは2021年6月中旬に開催される予定だが、イベントの実施可能性は、今後数カ月間に進められる新型コロナウイルス対策の状況にかかっていることは間違いない。

Beyondはテック企業やスタートアップ以外にも、中国全土の学界、社会、省政府から影響力のあるメンバーを集めようとしている。イベント主催者はByteDance(バイトダンス)、DJI、SenseTime(センスタイム)、Alibaba(アリババ)、Tencent(テンセント)、Foxconn(フォクスコン)、BMWなどと交渉中であり、他の大企業幹部の招待も進めているという。

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カテゴリー:イベント情報
タグ:CES中国

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(翻訳:sako)

アリババがウイグル人を識別する自社クラウド部門の民族検知アルゴリズムに「がく然」

中国の巨大テック企業数社は、権力機構のためにウイグル人イスラム教徒を識別する技術を有しているとの調査結果を受け、国際的な批判にさらされている。

Alibaba(アリババ)のクラウドコンピューティング部門であるAlibaba Cloud(アリババ・クラウド)は、民族やその人が「ウイグル人」であるか否かを識別できる顔認識アルゴリズムを開発していたことが、映像の監視を行う業界団体IPVMの調査でわかった。

ウイグル人やカザフ人などのイスラム教少数民族向けの悪評高い中国の「職業訓練プログラム(中国外務省リリース)」を、中国政府はテロ対策だとして擁護(中国外務省リリース)を繰り返してきた。

アリババは声明の中で、Alibaba Cloudが「アルゴリズムとしての民族性」や「いかなるかたちにせよアリババのポリシーと価値観に反した人種または民族の差別や識別」などを含む技術のテストを行っていたことを知り「がくぜんとした」と述べている(Alibabaリリース)。

「私たちは、自社技術が特定の民族に対して使われることを決して意図しておらず、それを許すつもりも毛頭ありません。私たちは、自社製品が提供するものから、民族を示すタグを一切排除しています。この試験的技術が、いかなるお客様にも使用されたことはありません。私たちの技術が特定の民族を対象に使われること、特定の民族を識別することに使われることはなく、それを許可することもありません」と同社はいい加えた。

2019年のセキュリティ侵害事件で、Alibaba Cloudがホスティングしていた「スマートシティー」監視システムに民族の識別やイスラム教ウイグル人にラベル付けできる能力があることが発覚したと、TechCrunchでもお伝えした。当時、アリババは、公共のクラウドプロバイダーとして「顧客のデータベース内のコンテンツにアクセスする権限を持たない」と話していた。

IPVMはまた2020年12月の初め、Huawei(ファーウェイ)と、顔認識製品Face++で知られる人工知能のユニコーン企業Megvii(メグビー)が、システムがウイグルコミュニティーのメンバーの顔を認識すると中国政府に通報する技術を共同開発していたことを突き止めた(The Washington Post記事)。

これらの中国テック企業は海外進出を目指しているが、北京からの要求と、その人権問題への態度に対する国際的な監視の目との間に挟まれて、ますます苦しい状況に追い込まれている。

クラウドコンピューティングは、アリババで一番の急成長セグメントであり、海外の顧客をより多く呼び込みたいと同社は目論んでいる。調査会社Gartner(ガートナー)の調査(Alibabaリリース)によれば、Alibaba Cloudは2019年、アジア太平洋地区の最大手企業となり、世界で3番目に大きい(Alibabaリリース)サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)提供企業になった。

アリババのクラウド部門は、前年比で60%の成長を果たし、9月までの3カ月間(Alibabaリリース)、全社の収益10%を支えた。この四半期の時点で、中国本土に拠点を置き人民元で取引を行っているA株上場企業のおよそ60%がAlibaba Cloudの顧客になっていると、同社は主張している。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Alibaba中国顔認証差別

画像クレジット:Alibaba Databases In Hebei / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

不正会計の中国「ラッキンコーヒー」が罰金186億円支払いで米証取委と和解

多くの問題を抱えた中国のコーヒーデリバリースタートアップであるLuckin Coffee(ラッキンコーヒー)は、売上高や経費、損失を数億ドル(数百億円)水増しした件で1億8000万ドル(約186億円)の罰金を支払うことに同意して米証券取引委員会(SEC)と和解した。

SECが米国時間12月16日夜に発表した(WSJ記事)。Luckinの不正会計は2020年初めに米投資会社のMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)が最初に指摘した。疑惑に対し、Luckinは4月に内部調査を立ち上げると話した。6月にはSECがLuckinの上場廃止を検討すると述べ、7月にLuckinは粉飾を認めた(未訳記事)。

一連の騒ぎのわずか1年前にLuckinはNASDAQ上場を通じて6億5100万ドル(約670億円)を調達した(未訳記事)。同社は2017年10月に創業され、スタートアップから最速で上場企業となった企業の1社だった。

Starbucks(スターバックス)の中国におけるかなりのシェアの一部を取り込もうとしていたLuckinは、少なくとも2019年4月から2020年1月にかけて売上高を3億ドル(約309億円)超水増しした疑いがある、とSECは発表した。一部の従業員が、同社の経費を1億9000万ドル(約196億円)超を水増し、「事業データベースを捏造して、虚偽の売上高を反映させるために会計・銀行記録に手を加えた」ことも発覚した。

Luckinは、ニューヨーク州南部地区地方裁判所に提出された訴状にある疑いを肯定も否定もしていない。和解は裁判所の判断次第であり、証券保有者への資金振込は中国当局の承認が必要だ。

Luckinの不正会計の事実が調査で明らかになったことを受け、中国の当局は9月にLuckinと同社の不正に関わった45社に計900万ドル(約9億円)の罰金を科している(Reuters記事)。

詐欺スキャンダルにもかかわらず、Luckinの事業は現在も通常通り展開されている。同社と店舗のオペレーションは現在「安定かつ普通」だと同社は12月17日の発表文で述べた。

「Luckinは引き続き当局に協力し、コンプライアンスを優先します。一方で経営陣と従業員は社の安定経営に努めます」。

空売りを行う投資会社は2020年、米国で上場している中国企業を追いかけ回した。Wolfpack Research(ウルフパック・リサーチ)はレポートでBaidu(バイドゥ)が出資する中国の大手ビデオストリーミングサービスiQiyiが決算を粉飾していると指摘し、SECが調査する事態となった(CNBC記事)。中国のオンライン塾運営会社GSX Techeduも、Citron Researchによる不正会計の指摘を受けて同様にSECの調査を受けた(WSJ記事)。

「外国企業とその役員、ディレクターに米国の企業や役員と同じような責任を持たせることに多くの課題がある一方で、外国企業が連邦証券法に違反したときは投資家を保護するために我々は利用できるあらゆるリソースを今後も活用します」とSECのディレクターであるStephanie Avakian(ステファニー・アヴァキアン)氏はLuckinについての声明文の中で述べている。

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カテゴリー:その他
タグ:Luckin Coffee米証券取引委員会中国

画像クレジット:Luckin

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(翻訳:Mizoguchi

アリババのライバルPinduoduoはなぜ中国の農業に投資するのか

Pinduoduoのスマート農業コンペ温室で作物の生長を見守る監視装置

2018年、Pinduoduo(拼多多、ピンドゥオドゥオ)は、創設3年目の企業(未訳記事)でありながらNASDAQ上場で16億ドル(約1660億円)を調達(未訳記事)し、投資コミュニティに衝撃を走らせた。中国のオンラインショッピング利用者は、長年市場を独占してきたAlibaba(アリババ)やJD.comに取って代わる新サービスの登場に歓喜した。

しかし、Google(グーグル)の元エンジニアColin Huang(コリン・フアン)が創設したこのスタートアップ企業は、その野心をeコマースの先に据えていた。同社は、中国の農業の近代化と地方経済の活性化を目指す中国政府の要請に応えたのだ。

中国の日常生活は小売り、娯楽、教育、医療に至るまで、さまざまな側面が高度にデジタル化されてきた。しかし、農業だけが取り残されている。2017年後半からのMcKensey(マッケンジー)の報告を見ると、農業は中国で最もデジタル化が遅れている産業であることがわかる。Pinduoduoはこのギャップを好機と考えて、オンラインで果物を売ることから事業を始めた。時が経ち、PinduoduoはAlibaba(アリバナ)と並ぶ総合eコマースプラットフォームに成長した。しかし農業は「創業以来、ずっとPinduoduoの中心的な位置にあります」と、同社上級副社長Andre Zhu(アンドレ・ズー)氏はいう。

「スマート農業への投資は、私たちの事業の延長線上にあり、デジタル包括性を促進するという私たちの目標に沿ったものです」。

独立した部署を置くことはせず、同社はこの農業事業を、全社をあげたそして社会をも捲き込んだ取り組みとしている。その戦略および投資担当チームは、農業のあらゆる段階において、規模拡大のために同社が協力し得るソリューションの特定を主導している。実装段階では、実働部隊の力を借りて、さまざまな地方行政機関と、テクノロジーを試したいと考える伝統的な農家との仲立ちをしている。

「少なくとも下流の流通面、eコマースの農業製品用マーケットプレイスでは、中国は諸外国に比べて比較的進んでいるといえます」とPinduoduoの持続可能性および農業インパクト担当エグゼクティブディレクターXin Yi Lim(シン・イ・リム)氏はTechCrunchのインタビューに応えて話した。

2019年、60万件近い業者が農作物をPinduoduoを通して販売した。それは、1200万件もの農家がその業者に果物や野菜を供給したものと解釈できる。2020年8月、Pinduoduoは、2025年までに年間1450億ドル(約15兆円)相当の農作物を扱うと宣言した。2019年時点では、その額は210億ドル(約2兆1700億円)だった。

「しかし、私たちがさらなる投資を奨励し増やしたいと思っているのは、実は上流部です」とリム氏はいい加えた。

そのためこのeコマースの巨大企業は、農業のライフサイクルを遡る旅を続けている。それはつまり、流通インフラの構築や、農家にマーケティングの知識を与えるなどの事業だ。2019年には、同社のオンラインeコマースビジネス学校が、およを50万の農業経営者に教育を施した。

Duo Duo大学にて、Pinduoduoに店舗を開設し運営する方法を学ぶ雲南省の農家(画像クレジット:Pinduoduo

生産面では、Pinduoduoは数億人の購買者の購買行動を追跡し、何を植えて、どれほどの値を付けて販売するべきかを農家に教えている。このアプローチは、中間業者のコストを削減するための、同社の大規模な消費者直販戦略に従っている。

Pinduoduoはまた、農家のために農業の専門知識を収集したいとも考えている。同社は2020年、スマート農業コンテストを開催し、人工知能やネット接続機器を活用したイチゴの栽培を競うチームが世界中から参加した。評価はイチゴの甘さ、使用したエネルギーと肥料の量、AI戦略で審査された。優勝者のシステムは、Pinduoduoと雲南省政府との合弁プロジェクトであるAI管理のDuo Duo Farm(デュオデュオ・ファーム、Pinduoduoリリース)で展開され、同eコマースプラットフォームで農家が作物を直販できるようにする。

こうした例は、Pinduoduoの長期にわたる農業ゲームという氷山のほんの一端に過ぎない。この分野に投資(Pinduoduoリリース)する具体的な金額を同社は公表していないが、リム氏はこう話す。「この業界の他のプレイヤーと比較しても、私たちの農業への関与は、間違いなくずっと大局的です」。

同社は、中国国外にも投資のチャンスを探している。国内では、ドローンやセンサーなどに代表されるハードウェアの導入を安価に提供する企業が増えてきたものの、作物モデルや予測に関しては、大型の商業農場が広がる西側諸国に見られるソリューションのほうが成熟度は高いとリム氏は指摘する。

Pinduoduo農家の間でも、アグリテックを受け入れるところはまだ「比較的少ない」。なぜなら、同社のスマート農業の取り組みがまだ初期段階にあるからだ。しかし、eコマースの新参企業であるPinduoduoは、中国のアグリテックを促進するよい立ち位置にあるともいえる。

米国やオーストラリアと違い、中国では小規模農家がほとんどであるため、高度な農業機械を買える余裕がない。需要がなければ、アグリテックのスタートアップは資金調達が難しくなり、顧客を増やして販売価格を下げるための投資もできなくなるとリム氏は説明する。

「Pinduoduoは、すでにアグリテックのスタートアップ企業と幅広い潜在顧客プールとを結び付ける用意ができています。これで、最初の難関が少しでも楽に通過できるようになると思います」とリム氏。

もう1つ、農業にテクノロジーを投入すれば、広大な中国の農村地帯から若い人材が豊かな大都会に流出してしまうのを防ぐこともできる。

「長期的には、私たちは農業をより効率的で楽なものにします。農業という産業の構造を、全体的に変革してしまう可能性もあります。若い人たちが、自分も起業家になれる、このツールを使えば生産をもっとしっかり管理できる、と感じられるようになるでしょう」とリム氏は訴えた。

「いまは農家でなくても、現実的な新事業として農業を考える人も現れる可能性もあります」

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinduoduo中国農業

画像クレジット:Pinduoduo

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(翻訳:金井哲夫)

中国のドローン大手DJIが支援するアグリテック企業FJ DynamicsにTencentが投資

2018年にTencentは、中国の伝統的な産業が最近ますますテクノロジーを利用して生産性を上げているため、自分たちもエンタープライズへの注力を増やすと宣言した(未訳記事)。同社の産業プロジェクトは、AIを利用して医療画像を選別したり、同社のメッセージサービスWeChatを利用して小売企業のための顧客管理ツールを作るなどさまざまだ。

最も新しいところでは、TencentはFJ Dynamicsに投資した。この中国のスタートアップは、スマートトラクターや田植え機など農業を自動化するソリューションを販売しているほか、港や工場用の無人車を世界中の顧客に販売している。Tencentとそのほかの匿名投資家からの投資は数億元(数十億円)に達している、とTencentは12月15日に発表している

2017年に創業されたFJ Dynamicsは、中国の複数の有名企業とつながりがある。たとえば同社の株主の中には、ドローンのメーカーであるDJIや中国の国有自動車製造企業であるDongfeng Asset Managementがいる。FJ Dynamicsは、その名前にも同社を知る手がかりがある。すなわちFJは「Feng」と「Jiang」の省略形であり、さらにそれらはDongfengとDJIの中国語綴から取られている。創業者でCEOのWu Di(ウー・ディー)氏もDJI出身で、氏はそこでチーフサイエンティスト(搜狐)としてチップの研究開発を率いた。

 

おもしろいことに、DJI自体も最近では農業用ドローンを強力にプッシュしている。

Tencentの投資部門のマネージングディレクターであるJeffrey Li(ジェフリー・リー)氏は、2020年4月のスピーチで次のように述べている。「中国社会はいま、生産性の向上に向けて舵を切りつつあり、そこにエンタープライズサービスの成長機会がある。米国では大量のベンチャー資本とプライベートエクイティ投資がエンタープライズにフォーカスした企業に投じられているが、中国では消費者を対象とする企業に比べるとエンタープライズにフォーカスしたビジネスは投資全体のごく一部でしかない。この傾向が変わって、投資が産業分野にも向かっていくためには時間がかかるだろう」。

中国で登記している企業であるFJ Dynamicsによると、同社はR&Dセンターが中国とスウェーデンとオランダにある。

カテゴリー:その他
タグ:FJ DynamicsDJITencent投資農業中国

画像クレジット:FJ Dynamics

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

中国が独禁法違反でアリババとテンセント子会社に罰金処分

中国政府は、国内で最も影響力のあるインターネット企業のパワーを抑えにかかっている。市場監督管理総局は米国時間12月14日、過去の買収案件で当局に申請して承認を得なかったとしてAlibaba(アリババ)とTencent(テンセント)のスピンオフのeブック(未訳記事)会社China Literature(チャイナ・リタラチャー)に罰金を科すと発表した。

Alibabaの中国大手モール運営会社Intownへの株式投資(未訳記事)、China LiteratureのフィルムスタジオNew Classics Media買収(未訳記事)が対象だ。公告によると、Alibaba、China Literatureともに50万元(約800万円)の罰金が科される。何十億ドル(何千億円)という買収規模に比べて罰金の額は取るに足りないものだが、今回の罰金は業界にとって警告となるはずだ、と当局の広報担当は記者会見で述べた。

Alibabaは近年、積極的な買収を通じてオフライン小売に事業を拡大してきた。デジタルエンターテイメント帝国を築いたTencentも同様に事業を拡大するために外部パートナーに投資してきた。

AlibabaとChina Literatureは当局に買収を申請しなかった。しかし買収はいずれも「マーケットの競争を阻害するもの」とみなされなかった。そのため、市場管理当局は中国の独禁法に則って買収を破棄するのではなく罰金を科した、と述べた。

China Literatureはコンプライアンスと申請の要件に取り組むために当局の命令に厳密に従っていると話した。Alibabaにもコメントを求めたが連絡がなかった。

一方、Tencentが出資しているゲームストリーミング大手HuyaとDouyuの合併もまた当局の調査を受けている。

AlibabaとChina Literatureは、市場集中違反で「持分変動事業体(VIE)である企業に中国が罰金を科した初のケースとなる。VIEの企業構造は、外資企業がコントロールしつつ国内企業として運営することができるため、中国のインターネット企業では人気だ。しかしこれは規制の抜け穴となるとして議論を呼んでいる。

2019年1月にパブリックコメントの募集を開始した中国の独禁法は現在、見直しが進んでいる、と当局は記者会見で述べた。先月、中国政府はインターネット企業の独占的な行動に照準を合わせた規制の草案を公開した(未訳記事)が、業界専門家はこの規制は複雑なものになると指摘した。

カテゴリー:その他
タグ:AlibabaTencent買収中国

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

趣味のオンラインレッスンmiroomが中国育児メディアBabilyと提携、日式美甲としてネイル講座販売

趣味のオンラインレッスンmiroomが中国育児メディアBabilyと提携、日式美甲としてネイル講座販売

趣味のオンラインレッスンサービス「miroom」運営のミコリーは12月10日、中国・育児メディア「Babily」(ベイビリー、中国名「贝贝粒」)運営のOnedot(上海万粒)と中国展開について業務提携を開始したと発表した。第1弾として、中国において日式美甲として知られるネイル関連のレッスン販売を開始する。

同社は、国外に多くのファンを抱えている先生方のレッスンをより多くの方が楽しめるよう、企業の中国向けデジタル戦略構築やマーケティング展開について支援を行っているOnedotと協業で、中国市場での展開を推進する。

その第1弾として、中国で日式美甲として親しまれているネイル関連レッスンの販売を開始。中国にはネイル関連の職業人口が260万人以上(2017年時点。2017美甲互联网行业报告より)とされ、多くの方に日本の著名ネイリストのアートレッスンを楽しんでもらえる見込みという。業務提携の内容は以下のとおり。

  • 中国市場調査
  • 中国向けの共同事業立ち上げ
  • マーケティング展開
  • 中国向けコンテンツ制作
  • 越境EC

東京および上海の2拠点体制をとるOnedotは、「世界中の子供と家族を笑顔に。」をコーポレートミッションとして、2017年より育児メディアBabily事業ならびに、中国向けデジタル戦略・マーケティング支援事業を主力事業として展開。

Babilyでは、子育てや家族生活に役立つ様々なコンテンツやツールを自社で制作・開発し、主に中国のSNSや動画プラットフォーム、WeChatやAlipay向けミニプログラム(ミニアプリ)の仕組みを使い自社アプリを展開している。中国で1500万以上のユーザーを抱えているという。

また同社は、Babilyで培った中国デジタル事業に関する知見を活用し、企業の中国向けデジタル戦略構築やマーケティング展開を支援。中国向けの共同事業立ち上げやソーシャルメディアマーケティング、越境ECの戦略構築、運営支援などを中心に提供している。

ミコリーは、2015年創業のITスタートアップ企業。「Enjoy a New Thing, Find a New You.」というビジョンの下、人々の余暇の時間が拡大していく中で、その過ごし方の変化と、個人が力を持ち自己実現をしていく時代を捉え、SNS時代のワンストップレッスンサービスを提供している。

レッスンを受けたり、その中で作品を作ったり見せたりする習慣は、世界共通としており、miroomを通じて、人々の余暇の楽しみを最大化できるよう、日々取り組んでいる。

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中国で約1500万ユーザーを抱える育児メディア「Babily」が10.5億円調達、ユニ・チャームからカーブアウト

カテゴリー:EdTech
タグ:Babily美容(用語)miroomミコリーOnedot日本(国・地域)中国(国・地域)

中国のインターネット規制当局は強制的なユーザーデータの収集を標的に

中国は、アプリの開発者によるデータの不正な収集の取り締りに一歩近づいた。今週、国のサイバーセキュリティ監視当局は、ライドシェアサービスやインスタントメッセンジャーなどさまざまなアプリが集めても良いとされるユーザー情報の範囲について、人民からのコメントを求めている(中国政府プレスリリース)。

この動きは、10月に公表されて今レビューされているデータ保護法案のための活動だ(China Law Transrate記事)。「その包括的なデータプライバシー法は、成立すればひとつの節目になる」と中国共産党の公式メディアであるChina Dailyの社説に掲載されている(China Daily記事)この法律は、民間企業のデータ慣行だけでなく、政府省庁におけるそれも制限する。

その党機関紙は「個人情報の遺漏は、その情報が金銭の詐取に利用された場合、個人の経済的損失に結果する。技術の進歩と高度化に伴い、個人情報の収集は個人の顔や、遺伝子など生物学的情報に対しても行われ、誤用による深刻な結果を招いている」。

中国のアプリは往々にして、同意を拒否すればアクセスを断るなどの方法で、ユーザーを屈服させて過剰な個人情報を出させている。今週発表されたルールの草案はデータ収集のタイプを定義して、このやり方をやめさせようとしている。すなわち、「合法的で妥当で必要な」データの収集ならいいと。

その草案によると、「必要な」データとは、「アプリの基本的な機能の正規の運用」を確保するものだ。ユーザーが必要なデータの収集を許せば、アプリは彼らにアクセスを認めなければならない。

以下は、さまざまタイプのアプリの「必要」と見なされる個人データの例だ。英語への翻訳はChina Law Translateによる。

  • ナビゲーション・アプリ:位置データ
  • ライドシェア:登録ユーザーの本物のID(中国では通常、携帯電話の番号)と位置情報
  • メッセージング:登録ユーザーの本物のIDと連絡先リスト
  • 決済:登録ユーザーの本物のIDと支払人/払受人の銀行情報
  • オンラインショッピング:登録ユーザーの本物のID、決済の詳細、氏名住所電話番号など受取人の情報
  • ゲーム:登録ユーザーの本物のID
  • デート:登録ユーザーの本物のID、年齢、性別、結婚やデートを求める者の婚姻状態

アプリのカテゴリーによっては、最初に個人情報を集めることなくユーザーのアクセスを認めるべきアプリがある。それらのカテゴリーは、ライブのストリーミング、ショートビデオ、ビデオや音楽のストリーミング、ニュース、ブラウザ、写真編集、アプリストアだ。

なお、草案はアプリが従うべき明確なルールを挙げているが、強制の方法や罰則の詳細はない。アプリストアは、その承認プロセスにベンチマークを含めるべきか?インターネットのユーザーが監視者になるのか?これらが、まだわからない。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:中国データ保護

画像クレジット:Kevin Frayer / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa