Tencentが518億円のラウンドで中国のヘルスケアポータルDXYを支援

中国の消費者のためのオンラインヘルスケアコミュニティで、Pfizer(ファイザー)のようなヘルスケア企業でもある創業20年のDXYが今週、プライベートエクイティ企業Trustbridge Partnersが率いるシリーズEのラウンドで5億ドル(約517億9000万円)を調達したことを発表した。

このラウンドには、これまでの投資家であるTencent(未訳記事)と、Hillhouse Capitalのアーリーステージ部門であるGL Venturesが参加し、DXYの総調達額はこれで6億8000万ドル(約704億4000万)あまりになる。DXYの初期の投資家にはXiaomiの創業者Lei Jun(レイ・ジュン)氏のShunwei CapitalやLegend Capital、DCMがいる。

同社は医師同士が知識を共有するプラットフォームとしてスタートし、徐々に健康に関する一般向けのアドバイスや医療相談、病院へ行く前の自宅療養のやり方などを加えて、消費者向けのプラットフォームにもなったた。

パンデミックの長期化にともない、世界中の病院や人びとが大急ぎで活動をオンラインにシフトし、ヘルスケアアプリの需要が急増した。DXYもすばやく反応し、感染拡大の初期には中国でリアルタイムの新型コロナウイルス(COVID-19)検査を導入した初の企業になった。

今日では、ヘルスケア企業がDXYを広告のチャネルや学習のプラットフォーム、また求人サイトとして利用しており、それらが同社の売上に寄与している。

創業以来現在まで、同社のサイトはおよそ1億3000万人の消費者を惹きつけ、またオンラインのコンサルテーションを提供する医療機関や医師は累計で9000機関5万人に達している。同プラットフォームの現在のユーザーベースは2000万で、主要クライアントにはEli LillyやPfizer、AstraZenecaなどが含まれている。

DXYは今回新たに得られた資金を、ヘルスケアプロフェッショナルのサポートと消費者サービスという同社事業の2つの柱の補強に費やす計画だ。そのために、病院と消費者製品の企業、そして製薬企業との協力関係を強化し、プロダクトや新しい消費者アプリケーションの開発に共同出資していく。

消費者部門では、SoftBankが支えるPing An Good Doctor(Reuters記事)やAlibaba Health、JD Health、そして同じくTencentが支援するWeDoctorといった強力なライバルがいる。

【更新】この記事は米国時間2020年12月29日に、投資に関する詳報によりアップデートしている。

関連記事:中国で注目が集まるオンライン医療、AlibabaとJD.comのヘルスケア部門を比較する

カテゴリー:ヘルステック
タグ:DXY資金調達Tencent中国

画像クレジット:DXYウェブサイト

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。