中国の適応制御ロボットメーカーFlexivが103億円調達、北米進出も視野

世界中の事業所が生産ラインとサプライチェーンの自動化に目を向けるにつれ、ロボットを製造する企業が投資家の関心を大いに集めている。資金調達した最新例がFlexiv(フレックヒブ)だ。TechCrunchが入手した情報によると、同社は中国のオンデマンドサービス大企業Meituanなどの投資家から1億ドル(約103億円)超を調達してシリーズBラウンドをクローズした。

他の主な投資家には中国のベンチャーキャピタルファームMeta Capital、中国の大手農業法人New Hope Group、プライベートエクイティファームLongwood、Jack Ma(ジャック・マー)氏のYF Capital、名高いベンチャーキャピタルファームGaorong CapitalGSR Ventures、そしてPlug and Playの中国と米国のベンチャーなどが含まれる。今回のラウンドによりFlexivの累計調達額は1億2000万ドル(約124億円)超になった。

同社は中国のいくつかの主要都市とカリフォルニア州で事業を展開し、従業員の3分の2は中国に配置している。AIスタートアップに共通の戦略は、米国で働いたか教育を受けた中国人の創業者によって練られている。

スタンフォード大学のBiomimetics and Dexterous Manipulation Lab(生体模倣技術および高度活用に関するラボ)の卒業生であるWang Shiquan(ワン・シークアン)氏は2016年、製造業のための適応制御ロボットを専門とするFlexivを創業した。今回調達した資金で同社はAIで動く多目的のロボットをサービス業や農業、ロジスティック、医療ケアといった他の分野で応用する計画だ。

たとえばMeituanの戦略投資を通じて、FlexivはMeituanのフードデリバリー事業にソリューションを提供できるかもしれない。フードデリバリー業務には繰り返し作業や、かなりのボリュームの作業が含まれ、オトメーションが導入されつつある。

FlexivのロボットRizonによる曲面作業(画像クレジット:Flexiv)

その一方で従来の製造業においてはオートメーションを導入する余地はまだかなりある、とワン氏はTechCrunchとのインタビューの中で述べた。特に家電は高精度でデリケートな製造プロセスを要するため、往々にして製造ラインは新製品のために刷新される必要がある。力覚フィードバックとコンピュータービジョンシステムを備えているFlexivのロボットは新しい環境に適応でき、新装置のセットアップにかかる時間とお金を節約できるかもしれない、とワン氏は主張した。

同社のフレキシブルなロボットは競合他社のものとは異なる、とも同氏は述べた。

「従来のロボットアームは周辺に障壁がない時は安全にタスクをこなせます。しかし複雑な環境での作業になるとやや能力は落ちます。皿洗いなどシンプルに見えるタスクの多くは実際にはかなりのAIベース認識と判断力を必要とします」。

Flexivは2020年下半期に大量生産を開始し、これまでに約100のロボットを製造した。ロボット販売、ソフトウェアのライセンス貸し、アフターサービスの提供で収益を上げる計画だ。今後の課題は、同社の新しいテクノロジーを信じてくれるパートナーや顧客をさまざまな業界で探すこととなる。

同社にとってまだ中国が最大のマーケットだが、海外展開においては北米が主要マーケットだ。ワン氏は「それぞれの国にロボティクスの先端をいく競合企業があります」との考えを示した。「中国の強みは製造、サプライチェーン、人件費です」。

「従来のロボティクスと適応制御ロボティクスの分野における各国間のギャップは確実に狭まっています」とも述べている。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Flexiv資金調達中国

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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