アリババ創業者ジャック・マー氏が2カ月間公の場から姿を消す、Twitterで話題に

世界の関心がJack Ma(ジャック・マー)氏の行方に集まっている。Alibaba(アリババ)とAnt Group(アントグループ)の億万長者創業者が2020年10月下旬以降、公の場で姿を見せていないと報道されている。

2020年10月24日にマー氏は、中国の金融システムに対する激しい批判を高官の前で行った。数日後に中国当局はAntのIPOを突然停止したが、これはマー氏の演説が物議を醸したためだと考えられている。その後、中国政府は比較的規制の緩い環境で繁栄してきたフィンテック大手に対して、法に基づいて事業を「修正」するようにと命じた。これにより、Ant Groupの未来は宙に浮いている。

同時に、中国の規制当局は、独占的行為の疑いについてAlibabaに対する前例のない調査を開始している。

歯に衣着せぬ物いいで知られているマー氏は脚光を浴びることが好きなことでも知られているため、彼が制作したアフリカのテレビ番組の最終回(Bloomberg記事)を含む最近のイベントでその姿を見せないことが話題になっていることは驚くに当たらない。経済学者からジャーナリストまで、Twitter(Twitter)の世界では、次のように注目している。

「アフリカのコンペ番組Business Heroesに関しては、マー氏はスケジュールの都合で最終回を欠席せざるを得なかった」とAlibabaの広報担当者は述べている。

中国のツイッターと呼ばれるWeiboは「ジャック・マー 行方不明」の検索をブロックしなかったが、投稿には「いいね」や「再投稿」がほとんどない。中国のインターネットのどこかでは、WeChatの複数のグループの中では、マー氏が「消された」か、または国外逃亡したという憶測が飛び交っている。

しかしながら、かなり前からマー氏がAlibabaの日常的な経営活動から退いていることを忘れてはならない。2019年10月に彼は、同社の会長としての権限を公式に後継者のDaniel Zhang(ダニエル・チャン)氏に渡している。しかし実際には彼は、いわゆる上級管理職のグループで、取締役の任命権があるAlibaba Partnershipの終身パートナーとして、同社のeコマース事業に相当な指揮権を持っている。

中国では、大物が難事を避けるために身を隠すことがよくある。AlibabaのライバルであるJD.comの派手好きの創業者Richard Liu(リチャード・リュウ)氏は、レイプの罪で訴えられた後、2020年は重要な政治的イベントを欠席した(South China Morning Post記事)。Tencentの創業者Pony Ma(ポニー・マ)氏は、すでに世間の注目を集めておらず、1年近く公の場に姿を見せていない。情報筋によると、彼は背中に慢性の疾病を抱えているというが、2020年は一部のイベントに音声メッセージでバーチャル出演した(The Paper記事)。

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カテゴリー:その他
タグ:Jack MaAlibabaAnt Group中国

画像クレジット:Jack Ma

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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