SoundCloudがクリエイターのためのツールを集めた専用アプリを発表

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iOSとAndroidの両方で音楽アプリのトップ5のひとつであるSoundCloudが、アーチストやクリエイターのためのアプリSoundCloud Pulseを今日(米国時間11/2)リリースした。このアプリを使ってユーザは、作品を共有したり、人気情報を調べたり、コメントに答えたり、他のユーザをフォローしたりできる。共有は、一般公開でも、会員登録制でもどちらでもできる。もっと高度な機能も今準備中なので、今後のアップデートにご期待を、ということだ。

現時点ではSoundCloud PulseはAndroidのみで、iOSバージョンはまだだ。

しかし今後リリースされるバージョンでは、より詳しい人気情報や、曲の情報の編集、曲のアップロード、拡張メッセージングなどの機能がサポートされる。

SoundCloudのコミュニティをいつも盛り上げているクリエイターたちのためのモバイルツールが出るのは、今回が初めてだ。

SoundCloudは今、完全な合法化を目指してレーベルと交渉したり広告のない有料会員制をやろうとしている。そんなとき、アーチストとの関係を深めることができれば、同サイトはインディー音楽のさらに良いソースになり、また新人クリエイターたちの登竜門にもなる。これまでのような法律のグレーゾーンで、一部のレーベルに嫌われて音楽を引き上げられるサイトではなくなるだろう。ただしそのほかのレーベルは同社とすでに売上共有契約を結んでいる。

SoundCloudのメインのアプリケーションも最近改作され、SoundCloudと同じくインディーのアーチストも参加できるApple Musicに対抗しようとしている。

SoundCloud本体アプリには、音楽の発見と全体的なユーザ体験を改良するための機能が盛りだくさんだが、これまで、クリエイターが自分のアカウントを管理するためのツールは、増えなかった。

Pulseは、そのほかの要望にも対応している。まず、これまでの数年間で、クリエイターが頼りにしてきた機能の多くがなくなっている。SoundCloud Pulseの発表を告げるブログ記事のコメントにも、この不平がある。SoundCloud Pulseなんていう別のアプリを出さずにSoundCloudアプリ本体が充実すれば、それでいいじゃないか、というわけだ。SoundCloudのマーケティング部長Brendan Codeyは、こう答えている:

それは、社内でも激しく議論しました。クリエイターとリスナー両方のニーズを満たすためには、アプリを二つに分けるのがベスト、という結論に達しました。機能豊富でしかも使いやすくメンテナンスしやすいツールを作ることは、大仕事でしたが、アプリを二つに分けたことによって、双方が互いの邪魔をすることなく、今後の改良を進められるようになりました。

SoundCloudの登録ユーザ数は1億5000万に達し、月間リスナは1億7500万いる。年齢層は、SpotifyやPandoraより若い、と最近のBloombergが報じている

さきごろ同社は、“今年の終わりごろ”有料会員サービスを始める、と言っている。でもまだ、公式日程の発表はない。クリエイターのためのアプリをまず改良してから、そのような有料サービスをローンチする、という心算なのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Pandoraが時価総額の1/3以上を失う…Apple Musicに敗れたか

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【抄訳】
インターネットラジオサービスPandoraの株価が金曜日(米国時間10/23)に36%暴落した。

昨日(米国時間10/22)同社が8600万ドル近い損失を報告してから、この激落は生じた。それは6月30日にApple Musicがローンチしてから初めての同社の決算報告であり、金曜日の市場の結果は、このカリフォルニア州オークランドの企業に対し投資家たちが、Apple対策が不十分と感じていることの表れだ。

Pandoraの損失とは対照的に、Appleの発表では、その音楽サービスが650万の有料会員を獲得し、830万人が今も3か月の無料お試しを利用している。批判も多いサービスだが、でもこの数字はオンライン音楽分野のほかの選手たちにとって大打撃だ。それでも有料会費制のトップ企業Spotifyには、6月の有料会員が2000万いたが、Pandoraはわずかに400万だ。

会費がかなり違う。Pandoraの新サービスPandora Oneは月額会費が4ドル99セントだが、Spotify PremiumとApple Musicは10ドルだ。

ちょっと前まではPandoraの月間アクティブユーザ数が約8000万もいて、同社は十分に生き残ると思われていた。しかしSpotifyの追い上げも激しく、そのユーザ数は7500万近くに達した。Appleはまだそこまで達していないが、これまでの4か月の成長ぶりは驚異的だ。

AppleとSpotifyの急伸に対してPandoraは低迷していた。昨日の決算報告によると、Pandoraのアクティブリスナ数は7810万だが、前四半期…Apple Musicがローンチした日に終わった四半期…には7940万だった。

AppleとSpotifyはPandora的なサービスでPandoraに勝ちつつある。2000年に創業されたPandoraは、初期のiPhoneのころからモバイルの音楽ストリーミングを支配し、ユーザのエンゲージメントはFacebookよりも多かった。そのエンゲージメントは、大きな広告収入に結びついた。

しかし、エンゲージメントの伸びも鈍化している。リスナ時間の増加率は今四半期がわずかに3%、6月30日に終わった前四半期には5%だった。

【中略】

現状の大きな問題は、若いリスナが、これまでのようなラジオ型のストリーミングサービスに満足しているのか?という点だ。SpotifyとAppleは、ラジオサービスだけでなく、オンデマンドの音楽サービスも提供している。ラジオサービスは、音楽の発見、という位置づけだ。Pandoraのラジオステーションは今でもすばらしいが、そこで見つけたAdeleのニューシングルを、涙で顔がぐしょぐしょになるほど何度でも聴きたい、と思ったとき、Adeleのステーションにそれは期待できない。それ‘だけ’を聴きたいのに。

【後略】

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Spotifyはすでに東京に4名のスタッフを擁し、経理担当者を探し中…日本でのサービス開始日程は未定

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【抄訳】
音楽ストリーミングのSpotifyがアジア進出を開始したのは2年あまり前だったが、今同社は、アジアの二大市場への進出を準備している。それは、音楽ストリーミングの将来性に光が見えてきた日本と、2億5000万という世界で4番目に大きな人口を抱えるインドネシアだ。

現在のSpotifyは、7500万のユーザ(有料は2000万)が世界の60か国あまりに分布している。しかしそんな中でアジアは、2013年にシンガポールと香港とマレーシア、その後フィリピンと台湾というように展開の歩みはのろい。アジアでも急速に市場展開したApple Musicとは対照的だ。

Spotifyはこのところ、日本にねらいをつけていた。Quartzによると同社は昨年、日本でメディアリレーション担当を雇用し、進出が近いことをうかがわせた。同社が本誌に語ったところによると、現在東京に4名のスタッフがおり、現在は経理担当者を探しているそうだ。

内部情報筋によると、それは日本における最初の財務スタッフであり、音楽ストリーミングはライセンス関連事務が複雑で、しかも日本では比較的若い業界だけに、その確保はきわめて重要だ。日本ではまだ、CDが音楽の売上のトップである。

日本は難しい市場だが、Spotifyはすでに競争に遅れつつある。日本のモバイルメッセージングのトップ企業Lineが、すでに6月にストリーミングサービスを開始し、Apple Musicもこの夏、参戦した。しかも、Soptifyにとって日本で手強いのは競合他社だけではない。日本進出が遅々として進まなかったのは、“日本では音楽のライセンス取得がきわめて難しい”せいでもある。

日本におけるサービス開始の日程は、まだ決まっていない。

【後略】

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Apple Musicの会員登録をキャンセルする方法

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Apple Musicがローンチした会員登録した、そして使った。3か月の試用期間が過ぎた(ぼくの場合)。デフォルトではアカウントが継続するが、ぼくのように止(や)めたい人もいる。

理由を知りたい? ぼくはずっとSpotifyのユーザなので、Apple Musicを十分に聴く機会がなかった。それに、再登録したくなればいつでもできる。

デスクトップでiTunesの登録状態を変えるには、次のようにする。すでに課金が始まっている人は、キャンセルは翌月から有効になる。

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「Account Info」をクリックする。

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「Subscriptions」をクリックする。

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Apple Musicの「Your Membership」をクリックしてエディットする。

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ご自分の意向を指定する。

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iOSでは、Apple Musicアプリを開いて、左上にある小さな顔(「Account Info」に相当)をタップすると、そこからいろんな設定ができる:

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これで終わり! ぼくがSpotifyにこだわる理由は、次の機会に。

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Google Play Musicにファミリープランが登場、6名で月額$14.99

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GoogleのGoogle Play Musicサービスにファミリープランが加わる。今日(米国時間9/29)のビッグイベントで同社は、月額14ドル99セントで家族が会員になれる、と発表した。‘家族’は最大6名までで、各自が自分の趣味にあった音楽のレコメンデーションを受け取れる。このプランの供用開始は、“今年の終わりごろ”だそうだ。

Apple Musicの家族会員も14ドル99セントだから、GoogleはAppleを真似たのかもしれない。人数も、Appleと同じく6名だ。

Google Play Musicは世界58か国で提供され、AndroidとiOSのアプリがある。WebブラウザやChromecast、Android TVなどのデバイスやプレーヤーでも曲をストリーミングして聴ける。同じ音楽サービスでも、Googleの方がずっとオープンである。

Apple MusicはAppleのデバイスを必要とする。Google Play MusicはAndroidスマートフォンでもiPadでも楽しめる。そのほかのサービス、たとえばSpotifyなどには、それほどお得な家族プランはない。Spotifyでは二人目から会費が半額になるので、アカウント2つなら14ドル99セント、3つなら19ドル99セント、等となる。

今Googleは音楽ストリーミングで先輩たちに追いつこうとしているが、SpotifyやRdioは歴史が長いから、すでに多くの音楽ファンを囲い込んでいる。彼らがGoogle Play Musicに乗り換える要素はあまりない。でも、そんなSpotifyのユーザも、今度のファミリープランには惹かれるかもしれない。

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3500万曲聴き放題の定額制音楽配信サービス「Google Play Music」が日本でもスタート

国産サービスの「AWA」や「LINE MUSIC」に続き、Appleが「Apple Music」を日本で開始するなど、サブスクリプション(定額)型音楽配信サービスのローンチが相次いでいるが、グーグルもここにきてその流れに乗ったようだ。同社は9月3日、音楽サービス「Google Play Music」を日本で提供開始した。Android端末のほか、iPhoneやiPadといったiOS端末(いずれもアプリで提供)、PC(ブラウザで提供)でサービスを利用できる。

Google Play Musicのトップ画面。おすすめのプレイリストや最近聴いた楽曲が並ぶ

Google Play Musicのトップ画面。おすすめのプレイリストや最近聴いた楽曲が並ぶ

Google Play Musicは、月額980円、3500万曲以上をラインアップするサブスクリプションサービスに加えて、1曲単位・アルバム単位で購入可能なストア、ユーザーが所有したり、購入したりしたデジタル音源5万曲を無料でクラウド上に保存できる無料のクラウドロッカーで構成する。

楽曲はソニー・ミュージックエンタテインメントやエイベックス・ミュージック・クリエイティブ、ユニバーサルミュージックをはじめとして国内外200レーベル以上が参加。なおサービス開始から1カ月間無料となるほか、10月18日までに契約したユーザーに対しては月額780円でサービスを提供する。

サブスクリプションサービスでは、ユーザーの好みに合わせて自動的に楽曲リストを作成する「ラジオ」や、サービスを担当するコンシェルジュが特定のシチュエーションに合わせて作成した「プレイリスト」などの機能を提供。アルゴリズム、そして人力を組み合わせてユーザーに最適な楽曲を提案していくという。また、各種のプレイリストや購入楽曲、ロッカーにアップロードした楽曲は「マイライブラリ」と呼ぶ機能で一括管理できる。

もちろんGoogleらしく検索機能も充実。例えば「ジュディマリ」の愛称で知られるアーティスト「JUDY AND MARY」であれば、「じゅでぃまり」とひらがなで検索できるし。「げすきわ」で「ゲスの極み乙女。」も検索できる。Googleらしく「I’m feeling lucky」の機能も用意。今まさにオススメという楽曲を表示してくれる。

レコメンドや検索はパーソナライズされているとのことで、ユーザーが使えば使うほどにユーザーの好みに合ったサービスになるのだそう。また、オフラインでの再生機能も用意。プレイリストから楽曲をダウンロードしておけば、オフラインでも楽曲を再生できる。

グーグルではこれまで世界59カ国でGoogle Play Musicのサービスを展開しており、日本が60カ国目となる。

Google Play Musicのパートナー

Google Play Musicのパートナー

ベース用プリアンプPerfect Stormは旧ソヴィエト空軍機の真空管を搭載してKickstarterに登場

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このKickstarterプロジェクト には、記事を書きたくない理由がたくさんある。まず、これはベース用のプリアンプだ。ベース奏者とアンプのあいだに置かれる小さな箱だ。ごく一部のミュージシャンしか関心を持たない。初期割引価格で1495ドルと高い。しかも、どう見ても、まともな増幅装置には見えない。

でもこの“Perfect Storm” は実は重要なオーディオ機器であり、今日(こんにち)見るものの中でも、もっともクールなハードウェアのひとつだ。特注音楽機器メーカーBlackie Paganoの製品で、このちっちゃなアンプには真空管6C45piが2本載っている。それは、冷戦時代にロシアが、ジェット戦闘機に搭載するために作った真空管だ。この真空管は感度が非常に良く、しかも高電圧にも無難に対応する。Paganoの説明から引用しよう:

外見は小さくて可愛らしいが、この狂気のようなデバイスは、温度華氏-45〜160度の環境で最大15Gまでの連続的な振動に耐える。核放射能にさらされても正常動作する。オーディオ信号への感度はきわめて高い(“トランスコンダクタンスが高い”と言う)。またサイズが小さいにもかかわらず、大型の電力増幅管(6L6, EL34, 6550など)で使用するような、とてつもない大電流でも動作する。

これらの驚異的な仕様と音波特性により、この6C45pi管はオーディオ界隈に大きな関心を喚起した。安くて極度に長寿命、そして入手しやすいため、さまざまな高級オーディオ製品に使われており、今や評価のきわめて高いFirefly DAC(デジアナ変換器)など有名製品にも使われている。

〔増幅率がきわめて大きく、また出力波形の入力波形に対する忠実度が非常に高い(いわゆるハイファイ)。〕

Paganoは17000ドルを募っているが、目下8000ドルぐらいだ。初期支援者には1495ドルで提供され、記念Tシャツ、それにハイエンドモデルもある。どれもこの、感動的な真空管が使われている。

これまで、真空管プリアンプは、最良のものでもこんなに高くはなかった。Ponoなどのメーカーは、ミュージシャンのためにミュージシャンが作る、という意味で独特だった。真空管にもプリアンプにも興味のない方でも、クラウドファンディングの威力を知る良い機会ではあるだろう。ここなら、奇妙な製品でも、こうやって世に出すことができるのだ。それでは、ちょっと失礼して、ぼくの真空管アンプを久々に鳴らしてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleのプロ用電子音楽制作ツールLogic Pro Xがアップデート、シンセAlchemyが加わりApple Musicとの接続性も

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Appleのプロ用音楽制作ツールLogic Pro Xが今日(米国時間8/25)、大型アップデートを行い、バージョン10.2になった。すでに多くの人が知っているAlchemyシンセサイザーが加わり、また作品をApple MusicのConnectで、より簡単にファンとシェアできるようになった。

Logic Pro Xの大型アップデートは今年で二度目だが、前のアップデートと同じく既存のオーナーには無料だ。新規購入価格は、前と同じく199ドル。

サンプル操作ができるAlchemyシンセは、今回の最大のアップグレードだ。ときどきしか使わないユーザでも新しいサンプルを見つけやすいし、パワーユーザには完全な音を作るための高度な方法が提供されている。

技術面では、Alchemyには複数の合成音エンジンがあり、また高度なモーフィング(変形)機能により、作者が最初に心に描いたとおりの音が作れるし、あるいは、納得のいくまで試行ができる。Transform Padという機能を使うと、最大8つのサンプルを選んでそれらを画面上のコントロールにロードし、画面上のカーソルを操作して音の形を変えられる。

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Appleは、シンセの複雑高度なテクニックを知らない人でも十分に利用できるために、今回のアップデートでさまざまなパフォーマンスコントロールを導入している。だから、たまにシンセを使う程度の人でも、比較的容易に、自分が納得のいく音を作れる。

Logic Pro X 10.2ではさらに、14GBのコンテンツをユーザのハードディスクに落とせる。Appleが提供している数千種類もの音は、明らかに、EDMやトラップやヒップホップを作る電子のアーチストにねらいを定めている。

Logic Pro X 10.2は、贅沢なシンセを盛り込んだこと以外に、Apple Musicとの連携性も良くなっている。アーチストは、完成した曲と完成途上の作品の両方を、Connect機能により、直接、ファンと共有できるようになった。

また今回のLogic Pro Xの大型アップデートと併せて、iPad用のLogic Remoteが1.2.2へアップデートされ、Mac用のMainStageが3.2へアップデートされた。前者はApp Storeで、後者はMac App Storeで入手できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TuneInプレミアムが登場。広告が消え、MLBやプレミアリーグのチーム毎ステーションも開設。さらにオーディオブックのストリーミングにも対応

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人気の音楽サービスおよびアプリケーションを提供するTuneInが新たなサブスクリプションサービスを開始した。月額7ドル99セントのTuneIn Premiumで、申し込むとステーションからの広告がなくなると同時に、いくつかのプレミアムコンテンツにもアクセスできるようになる。

読者の方はご存知だろうが、TuneInのアプリケーションはiOSでもAndroidでも大人気となっている。世界中のラジオ局番組を聴くことができるようになっている。ライバルはiHeart Radioだろうが、インターネット上で好みの音楽ラジオ番組を聴くのには、いずれかを使っているという人がかなりの部分を占めるはずだ。

これまでもTuneInは「プロ版」を提供していた。録音ができて、バナー広告が非表示となるものだったが、どうやらTuneInに大きな利益をもたらすものとはならなかったようだ。

そこでTuneInが考えたのが次の一手だ。新たなストリーミングサービスを自ら立ち上げるような方法ではなく、ラジオステーション側からの広告を取り去るという方法を考えついた。TuneInでサポートしている600局からの放送中、流れるCMを音楽に差し替えてしまうのだ。

差し替える音楽はサーバー側から送られるようになっていて、DJ側の作業は何もないそうだ。TuneInが視聴状況に基づいて適切な音楽を選択するようになっていて、局側では差し替え時の候補曲を用意しておく必要もない。これはある種の「広告ブロッカー」としても機能するものとなる。それにともないプレミアムサービスからの収益を放送局側とシェアしたりするのかどうかについては、今のところ情報はない。

さらに、TuneInはメジャーリーグベースボール(MLB)およびプレミアリーグとの提携も行った。TuneInにて大リーグ(野球)およびプレミアリーグ(サッカー)を楽しめるようになったわけだ。これらスポーツ中継については、すでにチーム毎のラジオ局が用意されていて、そこでゲームおよび解説を楽しむことができる。

それだけでなくTuneInはPenguin Random HouseおよびHarperCollingsとも提携した。これはオーディオブックを放送するための措置だ。プレミアムに登録した人は、4万冊のオーディオブックを再生することができる。これによりTuneInは電子書籍版Netflix的なサービスにピボットしたScribdと競合することとなる。

有料サービスに切り替えようと思う人はどの程度だろうか。提供が開始されるプレミアムコンテンツのすべてに興味があるという人は少ないのではないかと思う。そうであれば、特定のコンテンツにしか興味のないという人は、なかなか有料版に切り替えようとは思わないかもしれない。しかし車で毎日音楽ラジオ局を再生しているという人なら、広告がなくなるというのは嬉しく感じることだろう。あるいは熱心なスポーツファンなのであれば、チーム毎に用意されたラジオ局というのはとても魅力的だろう。オーディオブックに興味のある人も、膨大なライブラリからストリーミングサービスを受け取ることができるということには「おいしい」と感じるかもしれない。

長い目でみれば、プレミアム版の導入はTuneInの成長のきっかけとなるのではなかろうか。今後も機能やコンテンツを加えていくことになるのだろう。遠からず「must have」なサービスに育つことも考えられる。

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(翻訳:Maeda, H

オバマ大統領の音楽ストリーミングのお気に入りはSpotify―ホワイトハウスがプレイリスト2種類を公開

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この週末、合衆国大統領は音楽ストリーミング・サービスのユーザーであることを明らかにした。ホワイトハウスはオバマ大統領本人が選んだという2種類のプレイリストを公開した。

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そのプレイリストはどのサービスのものだっただろうか? Appleミュージック?

ノー。

Tidal?

でもなかった。

「大統領のこの夏のプレイリスト」は2種類あり、ひとつは昼、もうひとつは のバージョンだ。サービスは他ならぬSpotifyだった。

この発表は大統領がマサチューセッツ州マーサズ・ビンヤード島での恒例の夏休みを取っている間に行われた。ホワイトハウスの広報スタッフは、選曲をリラックスした(フローレンス・アンド・ザ・マシーンの曲が入っている)安全な曲(ダイ・アントワードは入っていない)にするよう気を配ったようだ。おかげで世界の人々はアメリカの大統領が世間から隔絶した1200万ドルの豪邸でどんな音楽を聞いてつかのまの休暇を楽しんでいるのか知ることができるようになった。

プレイリストの内容だが、のんびりした夏休みのお供としてはなかなかよく考えられている。もっとも私としては自由世界の指導者ともあろうものが貴重な休息時間にザ・ルミニアーズやジャスティン・ティンバーレイクのPusher Love Girlなどを聞いているなどとは信じたくない。しかしそれを除けば、ジョニ・ミッチェル、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、ジョン・コルトレーンなどの名曲ぞろいだ。

オバマ大統領はTidalのプレイリストは公開しなかったが、ビヨンセの曲は入れている。さてオバマ大統領もストリーミングのユーザーに加わったわけだが、ストリーミングに断固反対しているニール・ヤングはどう考えただろう?

PonoMusicはお気の毒。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

頑丈な防水スピーカーDrifterはSpotifyやApple Musicなどなどを内蔵、スマホを海水で濡らす心配なし

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防水性で水に浮くスピーカーは、ボートに乗る人や釣り人や、そのほかの濡れるスポーツが好きな人には重宝すると思うが、これまでの製品はBluetoothを利用するものが多くて、だから同じく防水性の手荒く扱えるスマートフォンを近くに置かないと使えなかった。

しかしFreedom Audio(元FreshETech)の人たちは、これを何とかしようと考え、新製品を開発し、それをDrifterと名づけた。

TechStarsのアクセラレータ部門R/GA Acceleratorが最近、10のプロダクトをローンチしたが、Drifterはその一つだ。このスピーカーが斬新なのは、音楽をロードしたり再生する機能を自分自身が持っていて、スマートフォンの助けを必要としないことだ。

すなわちDrifter本体の中でAndroidが動き、ストレージが16GBあり、SpotifyやBeats、Apple Musicなどの音楽サービスを利用できる(Pandoraはない)。つまりSpotifyアプリなどをスマホ上で動かす、という手間が要らない。

防水性があり、水に浮き、頑丈にできていて、ユーザが音楽をコントロールするためのタッチスクリーンもある。

ファウンダのAdam Schwartzによると、夏はひと月に一回以上水辺に行く人が合衆国全体で3700万人いる(釣り、サーフボード、などなど)。Drifterは、彼ら全員をマーケットと見なす。彼ら全員が、音楽を聴きながらレクリエーションに興じたいと願っているが、そのために水に弱いスマートフォン様の心配をするのはかったるい、と感じている。

ただしもちろん、WiFiやBluetoothを使って、お家(うち)でDrifterを楽しんでもよい。

Drifterは今、Freedom AudioのWebサイトで199ドルで予約購入できる。発売は、今年の夏が終わっている10月だ。なお、発売後の一般小売価格は299ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オイル缶ギターのBohemian Guitarsから今度は缶ウクレレと缶ベースが登場…女性市場もねらう

Bohemian Guitarsは最初、あのユニークなオイル缶ギターでわれわれの心をとらえたが、でもそれは、素朴であると同時に驚くほど高度な楽器だった。ぼくがプレイしたのは、もう2年前になるけど、今回彼らは新しい楽器二つと、オイル缶のアップデートを引っさげて再登場した。

今クラウドファンディングをやってるBoho 2.0は、オイル缶ベースと、同じくオイル缶をボディとするウクレレだ。オイル缶ウクレレの音は、下のビデオで、カンサスのすべては風の中に、みたいなやつを聴いていただけば分かる。

オイル缶ベースの方は、最初のビデオに登場する。ウクレレとベースはそれぞれ、99ドルと349ドルだ。オイル缶ギターのアップデートの方は、音とデザインが改良されている。なお、クラウドファンディングの目標額は、すでにとっくに突破している(本稿を書いてる時点で51000ドル)。

ギターの方は、スタイルをカスタマイズでき、また音の好みに合わせてピックアップのタイプも選べる。すでにZZ TopやHozierも愛用しているから、今度のウクレレによって、”It’ll Be A Blue Christmas In Honolulu Bay”や”Do The Hipster Hula”みたいなハワイアンふうのノベルティソングが復活するとおもしろい。なんと言っても、男の人生は夢の追求だからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleはApple Musicを敵視しているのだろうか…アクション広告で差別?

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音楽をもっぱらストリーミングで聴きたい人にとって、今やオプションが数えきれないほどある。Spotifyがあり、Rdioがあり、MicrosoftのXBox Musicがあり、Amazon、Apple MusicGoogle Playがある。もちろん、まだまだほかにもある。この戦線に参加しているGoogleは、たまたま世界最大の検索エンジンだが、音楽ストリーミングサイトのごく一部しか認識しないようだ。

今Googleがテスト中の広告企画”PlayListen Now”では、ユーザが曲名を入力すると、Google Play、Spotify、Amazonなど、いくつかのストリーミングサイトを教えてくれる。

しかしApple Musicは登場しない。AppleがオーナーであるストリーミングアプリBeats はあるのに。下図でもお分かりのように、GoogleのテストはAppleを完全に黙殺している:

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こういういわゆる“アクション広告”に、Googleは力を入れようとしている。これまでのように単純にリンクだけがある広告よりも、おもしろいからだ。”PlayListen Now”と似たやり方で、ビデオの”Watch Now“があるし、検索結果からの食品の配達もある。

ここで、SpotifyやAmazonなど特定のストリーミングサイトだけが登場する理由は、よくわからない。彼らとパートナーしたのか、それとも彼らはお金を払っているのか?

Taylor Swiftはストリーミングの連中と仲良しではないが、Appleでさえ、Googleほど険悪ではない:

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というか、彼女の最新アルバム「1989」は、Google Play Musicからストリーミングできない。個々の曲は買えるけど。ストリーミングできるのは、Appleだけだ。こりゃー、へんだぜ。

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でも、これが現実だ。

やれやれ。

Googleは、検索のシェアがつねに60%以上あるから、一般的に言えば、企業はGoogleを無視できない。Appleだけは、GoogleなしでMusicは成功すると思っているのかもしれないが、GoogleもApple Musicのローンチを助けたって一文の得にもならい。曲をクリックしたユーザをiTunesに送るのは、簡単なはずなのに、それをしなかった。YouTubeには、iTunesで買え、というリンクがあるのに。

あるいはGoogleは、SpotifyやAmazonを敵と思っていないのかもしれない。Appleほど怖くないから、平気でリンクを載せるのかも。

Googleはこの件でコメントをくれないが、PlayListen Nowはあくまでも、まだテスト中のプロダクトだ。公式ローンチしたときApple Musicの扱いがどうなるか、それが興味津々だね。

Googleも、Taylor Swiftともっと仲良しになった方が、いいと思うけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

久しぶりのニューバージョンRock Band 4ではフリースタイルのギター・ソロができる

 

Rock BandのデベロッパHarmonixが先週ニューヨークで、最新バージョンRock Band 4のプレビューを行った。

上のビデオでは、HarmonixのPR担当Nick Chesterが、新機軸フリースタイル・ギター・ソロを披露している。その名のとおり、演奏者がかなり自由な演奏ができ、必ずしもその曲とゲームが要求する“そのときの”正しい音程でなくてもよい。ただし、一定のガイドラインはある。フリースタイルの部分でも点がつくが、ただし失敗はない。

フリースタイル機能を自分でも試してみたが、自分でも何をやってるのかよくわからないまま終わってしまったけど、音はまあまあだったんじゃないかな(と自分では思う)。でも、演奏をカメラに撮られたのがChesterだけ、ってのはホント良かったと思うよ!

Rock Band 4はPlayStation 4とXBox Oneで10月にリリース。発表されたのは3月で、新曲は昨日発表された

日本語参考(?)記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a.
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YouTube CEOのスーザン・ウォシッキー曰く「成長の鍵はモバイル、モバイル、そしてモバイル」

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YouTubeのCEOであるスーザン・ウォシッキー(Susan Wojcicki)が、Fortuneの主催するBrainstorm Techカンファレンスにて、YouTubeの将来について話をした。FacebookやTwitterなど、ライバルの動向に関する質疑も行われた。

まず現状については、大方の予想通り「YouTubeへのアクセスのうち50%はモバイルデバイスからのものです」とのこと。こうした状況をうけ、YouTubeが考慮すべき優先事項は「1にモバイルであり、2番目にモバイル。そして3番目にもやはりモバイルということになります」とのこと。

「もし適切な企業がYouTubeを買収したいと名乗りを上げれば、それもひとつの可能性としてはアリなことでしょう」ともウォシッキーは述べた。「わたしたちの目標を早期に達成する方法があるのなら、その方法を採用すべきだと考えているのです」とAdam Lashinskyのインタビューに応えた。

ウォシッキーはさらにMusic Keyについても話をしていた。Music Keyとは、YouTubeが昨年ベータ版として立ち上げた、広告なしのサービスだ。オフラインでも、そしてバックグラウンド(他のアプリケーションを操作中)であっても音楽を聴くことができる。

サービスを当初の予定通り月額10ドルで開始するつもりなのかどうかについては質問も、あるいはウォシッキー自らの言及もなかった。広告なしに音楽を楽しみたいという利用者に向けた各種サービスと同じ程度の価格となっており、価格はこの線となるのだろう。ちなみに他のサービスと比べ、楽曲に関連するビデオをシェアしたり、あるいはアマチュアによるカバー楽曲などを閲覧することもできるわけで「他サービスに比してかなり幅の広いサービスを提供できると考えています」という発言も理由のないものではなさそうだ。

ところでウォシッキーは、今回もYouTubeの成長具合について具体的な数字では説明してくれなかった。たとえば2014年、YouTubeは40億ドルを売り上げたが利益は0だったと伝えられているが、この情報の詳細に関する質問にも回答はなかった。YouTubeの収支については、話してしまった方が本当はらくなのだけれども、と述べている。しかし「パートナーの売上には大いに貢献している」と述べるに留まった。

ちなみに「YouTubeとして専任タレントを抱えるつもりはあるのか。そしてそれは望ましいことと思うか」という質問も出た(過去において、クリエイターに対して複数年の独占提供契約を持ちかけたことはある)。直接的な返答は避けたが、トップタレントとの独占契約は意味のあることだと思うと述べていた。「必要かどうかは難しい話ですが、YouTubeから生まれてくるタレントというのはいます。そしてYouTubeをホームとして活躍してくれる人がいれば嬉しい話です」。

ファンたちも、トップタレントの姿を、その「ホーム」で見てみたいと思うのではないでしょうか、とのことだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

インターネット上の音楽をソフトウェアで自動的にマスタリングするLANDRが$6.2Mを調達

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自分の曲をSoundCloudにアップロードしたけど、音がいまいち、Timbalandがプロデュースしたような、パワフルな音にしたい、と思っているミュージシャンは多いはず。そんな彼らのためにビッグデータ分析を利用して音楽のマスタリングをするLANDRが、620万ドルの資金を調達した。

このシリーズAのラウンドをリードしたのはWarner Music Groupで、前からの投資家Real VenturesとYUL Venturesが参加した。ラッパーでレコードプロデューサーのNasや、DJのRichie HawtinとTigaとJohn AcquavivaとPete Tongが始めたファンドPlus Eight Private Equity、そしてHDGLも参加した。

マスタリングというのは、アルバム制作の最後の段階で、それまでに録音したすべての音を、ミックスして一つにまとめる仕事だ。レコードやCDの原盤(マスター)を作る、という意味でマスタリングと呼ぶ。

LANDRのCEO Pascal Pilonはこう説明する: “マスタリングは要するに音に臨場感を与える仕事で、まるでバンドが自分の目の前で演奏しているような音を作り出すんだ。ふつうはいろんな楽器やボーカルなどをばらばらに録音して、それらをミキシングするから、その段階ではナマの臨場感はまったくない”。

プロのレコーディングアーチストはマスタリングの技術者を起用して、各楽器の音量や、低音のレベル、曲の圧縮(無駄を削ぎ落とす)などをやってもらう。そのために、一曲あたり数千ドルかかることもある。

“ナマのステージでは、できるだけ良い音が出るように、セッティングに時間をかけることができる。でもインターネット上のストリーミングは、そこが弱いね”、DJでLANDRに投資もしているJohn Acquavivaはこう述べる。

LANDRはインターネット上の音楽をナマなみの迫力にするために、人工知能によるマスタリングエンジンを利用する。そのサービスの料金は、ユーザが求める音のクォリティによって、月額6ドルから39ドルまでだ。

Pilonは曰く、“これまでの50年ぶんぐらいの、何万ものファイルや曲を分析して、マスタリングの技術者たちが下(くだ)している意思決定のタイプを理解した。そしてそういう意思決定を、リアルタイムで再現できるようにした”。

マスタリングは、技術的なプロセスであると同時に、クリエイティブな仕事でもある。たとえばEDMの曲をアコースティックギターでカバーした場合、マスタリングは原曲とはまったく違ったものになる。

だからLANDRも、少なくとも今のところは、人間技術者を超えた、とは豪語しない。これまで同社はおよそ50名のオーディオやマスタリングの専門家たちによってその技術を磨いてきたが、現状では25万人のユーザの多くが、お金を払ってマスタリングの専門技術者を起用することのできない、アマチュアたちだ。

“ミュージシャンやプロデューサーの多くがGarageBandなどのソフトウェアを使って曲を作っているが、低予算のため、最後のマスタリングの工程を省くことが多い。だから、まとまりのない、未完成な曲が、そのままアップロードされるのだ”、とPilonは語る。

最近は、プロのアーチストがLANDRを使って、途中の段階の試作的なミキシングやマスタリングを素早く行う、という例が増えているそうだ。彼らは制作のいちばん最後に、金と時間をかけて、人間技術者を起用するのだ。

LANDRのマスタリングエンジンIonianは、今1.0だが、Pilonの究極の目標は、SpotifyやSoundcloudなどのストリーミングサービスが、そのすべてのオンラインオーディオに、マスタリングのいわばスタンダードとして、LANDRを使ってくれることだ。

“うちを使うと、どんなクリエイターの音でも良い音になるから、LANDRはインターネット音楽のための、誰もが使う標準技術になりたい。今後は、音楽だけでなく、ビデオの画質向上にも挑戦したい”、とPilonは語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SoundCloudがApple Musicに対抗して音楽発見機能を充実…関連曲再生やソーシャルな共有で

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今週のたぶん最大の話題がApple Musicのローンチだろう。しかしその同じ週に、人気の高い音楽ストリーミングサービスSoundCloudも、そのモバイルアプリを大幅にアップデートした。アップデートの内容には、関連曲の紹介、シャッフル、プレイリストの直接編集などがあり、主に音楽をより見つけやすくすることと、ユーザ体験の向上に力を入れている。

Apple MusicはSoundCloudのテリトリを侵そうとしている。インディーのレーベルをたくさん集めたし、インディーのアーチストたちはソーシャルな共有サービスConnectを利用して、音だけでなく画像やビデオもアップロードできる。Appleの人気アプリケーションGarageBandから直接、Apple Music Connectに作品を発表できるようになった。インターネットラジオサービスBeats1は、その新曲紹介‘番組’が好評だ。

というわけでSoundCloudは、大急ぎでサービス内容やインタフェイスの微修正を迫られたのだ。

プレイリストの編集や、好きな曲やプレイリストのシャッフルは、音楽ストリーミングサービスの定番のような機能だから、まあ、あるのが当たり前だ。でも最大の変化は、SoundCloud独自の新曲発見機能、‘関連曲紹介’だ。

聞きたい曲を指定したあとで”Play Related Tracks”(関連曲を再生する)をタップすると、音楽発見の旅が始まり、SoundCloudのアルゴリズムが、そのユーザが好むかもしれない曲を次々とピックアップしてストリーミングする。今、世界最大の音楽ストリーミングサービスと言われるSoundCloudには1億あまりの曲があり、どんな曲でも見つかるだろう。その中には、無名の宝石のようなアーチストもいるから、この新しい機能は彼らのファン獲得にもきっと貢献する。

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SoundCloudのソーシャル共有機能も改良され、ユーザは検索画面や好きな曲リストから直接、ソーシャルネットワーク上での共有をSoundCloudに指示できる。それはSoundCloud上のユーザのエンゲージメントを活発にするための工夫だが、曲の発見機能にも寄与する。共有がしやすくなればなるほど、SoundCloudのユーザでなかった人もこのアプリを知るようになり、またすでにユーザである人も、再訪のきっかけを得る。

アップデートはすでに可利用だが、当面はSoundCloudのiOSアプリのみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

テイラー効果広がる―プリンスもストリーミング条件に反発してSpotify他から楽曲を引き上げ

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テイラー効果と呼ぶべきだろうか?  著名アーティストが音楽ストリーミングの現状を厳しく批判する事態が続いている。Prince はSpotify、Rdio、Deezerから楽曲を引き上げることに決めた。この記事を書いている時点ではDeezerではまだストリーミングが配信されているが、われわれの取材に対して「Princeから配信停止の通告を受けており、停止の手続き中だ」と確認した。

ただしGoogle Music All AccessとTidalではストリーミングが続いている。これはハイレゾのストリーミング・サービスで、今年3月にラッパーのJay-ZとSoftbank他の投資家によって買収された。

どうやらPrinceは無料の音楽ストリーミングから楽曲を引き上げることにしたようだ。

SpotifyはPrinceのアーティスト・ページに「Princeのレコード・レーベルはすべてのストリーミング・サービスに対してカタログの削除を求めてきた。われわれはこの要請に従う。できるだけ早い時期にPrinceの楽曲のストリーミングが再開できることを願っている」と書き込んだ。Rdioもわれわれの取材に対して「要請にしたがって楽曲を削除した」と確認した(RdioのPrinceのページは空白)。

Googleにも取材したが、「現在までにそのような通告は受けていないのでストリーミングを継続中だ」という。

われわれの問い合わせに対してTidalからは回答がない(Princeからもコメントはない)。

一方、Apple MusicはBeatlesと並んでPrinceは始めから参加していない

TwitterでPrinceをフォローしていたファンはこういう事態になることを予期していたようだ。

6月26日にPrinceはテイラー・スウィフトは新しいPrinceだというThe Daily Beastの記事をリツイートしていた。この記事はテイラーに先立ってPrinceがメジャー・レーベルを始めとする音楽産業に対して抗議する活動を続けていることを詳しく報じた。Spotifyなどのストリーミング・サービスがアーティストに対してアンフェアであるというPrinceのコメントが記事に引用されたが、Prince自身がその部分をリツイートした。

「レコード・レーベルはSpotifyの20%の大株主だ。音楽ストリーミングというのはレーベルにとっては楽曲のセールスを補完する二重取りであるのに対して、アーティストに対する支払は1ドルの売上に対して数セントという現状を1ドルに対して1セントの何分の1に引き下げるという改悪となっている」とPrinceは批判している。 Spotifyはアーティストに対する支払額を定期的に発表しているが、全員が満足しているわけではないようだ。

Princeのワーナー・ミュージックに対する以前の戦いはThe Daily Beastの記事にも詳しく報じられているが、Princeは単なる金銭的条件以上に、アーティストは作品が聴き手に届けられるプロセス全体に強い権限を持つべきだと主張し、活動してきた。Princeは司法省がデジタル音楽のライセンスに関する条項を見直しているBillboardの記事もリツイートしている。

Prince他のデジタル・サービスにおけるアーティストの権利も強く主張している。昨年11月にPrinceはTwitterとFacebookのアカウントを停止し、YouTubeから公式トラックの大部分を引き上げた。〔現在はTwitterに復帰している〕この点から考えると、Google Music All Accessには単に取り下げ通告が届くのが遅れているだけではないかと思う。

これまでもPrinceは海賊版サービスや海賊版を拡散するユーザーに対して厳しい態度を取ってきた。2014年1月には、コンサートを録音した海賊版に対するリンクを公開した22人のファンに対しそれぞれ100万ドルの損害賠償訴訟を起こしている。2010年にはデジタル音楽産業を手厳しく批判するインタビューがイギリスのDaily Mirrorに掲載された(一読の価値あり)。

【後略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Musicはメインストリームを狙う―ターゲットは「何を聞いたらいいかわからない」カジュアルな音楽ファン

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音楽ファンのすべてがDJレベルの知識があるわけではない。その点が音楽ストリーミングで最大の問題だった。なるほど検索窓は設けられているが、その向こうにあるのがレコード音楽の歴史のすべてでは一般の音楽ファンは戸惑ってしまう。次に何を聞いたらいいかどうやって知ったらいいのだろう? 

この点に着目したのが先ほど公開されたApple Musicのたいへんに巧妙なところだと思う。

Apple Musicはユーザーに次に何を聞いたらいいか教えてくれるのだ。

Appleは複雑なテクノロジーを誰でも簡単に使えるようにする能力で並ぶものがない。 使いにくいMP3プレイヤーを洗練されたiPodにした。スマートフォンをiPhoneで実現した。今回もAppleは使いにくい検索窓に代るスマートな推薦手段を用意することで音楽ストリーミングを万人が楽しめるものにしようとしている。

Apple Music For You

Apple Musicには次のような機能がある。

  • それぞれのユーザー向けにカスタマイズされたお勧めの“For You”
  • 新着やトップチャートを集めた“New”
  • さまざまな好み、場面、気分に合わせて専門家が編集する多彩なプレイリスト
  • ユーザーの既存のiTunesコレクションと同期する“My Music”
  • 著名アーティストがホストするBeats 1ラジオ
  • TアーティストやジャンルでカスタマイズできるPandoraスタイルのラジオ
  • 独自のコンテンツがアーティストから直接配信される“Connect”

こうした機能を活用すればユーザーは次に何を聞いたらよいかと空白の検索窓をにらんで悩む必要がなくなる。

つまりApple Musicは音楽の好みを尋ねられて「ああ、音楽は好きだよ。カントリー以外ならなんでも聞くね」などと答える一般的な音楽ファンを想定している。壁一面にCDのカセットが並んでいたり、何箱ものレコードを収集していたりするような熱狂的なファンではなく、通勤の車の中で音楽ファンの友達が作ったミックスCDを何千回もかけるような平均的な人々のためのサービスだ。

Appleがストリーミング・サービスを始めるにあたってもっとも重要な課題は、ユーザーを無料トライアル期間終了後も月額料金を払い続けたいと思う気にさせる点にある。それに失敗すればユーザーはSpotifyやYouTubeのような広告ベースの無料サービスに行ってしまうだろう。

ファン vs 友達ネットワーク

Apple MusicはSpotifyから熱狂的な音楽ファンを奪う試みではない。だからこそAppleはBeats 1もConnectもApple Musicの会員でなくても無料で利用できるようにしている。Spotifyのユーザーは長年かかって作り上げたカスタマイズやソーシャルグラフを捨てることはしないだろう。

Streaming Social

左側のApple MusicのConnectはファンがアーティストをフォローする。右側のSpotifyではユーザーが友達をフォローする。

6000万の登録ユーザー、2000万の有料ユーザーを擁する音楽ストリーミングの王者、SpotifyとAppleの新サービスの本当の違いはソーシャルな側面にある。Apple MusicはConnectを通じてユーザーをアーティストに結びつけようとする。ファンはアーティストの投稿する記事を読んだり、Connect独占で提供されるビデオや楽曲を楽しんだりする。これに対してSpotifyでは友達同士のネットワークが重要だ。好みの合う友達が何を聞いているかを知り、そのプレイリストを利用させてもらったりする。

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こうした差別化は双方にとってきわめて理にかなっている。Apple Musicが「次に何を聞いたらいいかわからない」カジュアルな音楽ファンを主としてターゲットにするのであれば、その友達も大した知識を持っていないに違いない。それなら友達同士でフォローしあってもあまり役に立たないだろう。これに対してSpotifyはもっと深い音楽経験を持ち、十分に知識があるファンが対象だ。こういうファンは別にプレイリストのキュレーターやアーティストから次に何を聞くべきかいちいち教えてもらう必要はない。それよりも好みの似た他のユーザーの動向をモニタできる方が有益だ。

これはAppleにとって賢明な戦略だろう。一般ユーザーの大部分はストリーミング・サービスに馴染みがなく、いきなり膨大な選択肢を与えられても戸惑うばかりだ。Appleはストリーミング・サービスのアーリー・アダプターである熱狂的な音楽ファンに訴えることには重きを置いていない。FM局やPandoraラジオのリスナーで、iTunesで時折曲を買ったりするユーザー、つまり膨大な人数のカジュアルな音楽ファンが対象なのだ。Spotifyの6000万のユーザーも数十億台に上るiOSデバイス、何億人というiTunesのユーザー数とは比べものにならない。

Appleはニッチを狙わない。Apple Musicは単なる音楽ストリーミングではない。メインストリームの音楽ストリーミングたらんとしているのだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple MusicとiOS 8.4公開―日本でも無料トライアル受付中

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Appleがついに音楽ストリーミングに参入する日が来た。今日(米国時間6/30)、Apple Musicがスタートした。このサービスはiPhone、iPadの場合、同時に公開されたiOS 8.4にアップデートすると、ビルトインされたMusicアプリから利用できる。個人なら月額9.99ドル、6人までの家族プランなら月額14.99ドルの料金で膨大な楽曲がオンデマンドで楽しめる〔日本ではそれぞれ980円、1480円〕。最初の3ヶ月は無料トライアル期間なので、このサービスが自分の求めているものであるかどうか、ゆっくり試すことができる。

Apple Musicは6月初めに、AppleのWWDCデベロッパー・カンファレンスで発表された。このサービスにはオンデマンドの音楽ストリーミングに加えて、人間の専門家が作成するプレイリスト、Beats 1を含む24時間ライブ放送のインタネットラジオが含まれる。ラジオは世界的に有名なアーティストや人気DJがホストする。さらにユーザーの既存のライブラリとiTunes Matchを通じて同期する。

Apple MusicはSpotify、Rdio、Google Play Musicなどの既存のストリーミングサービスに対して直接のライバルとなる。既存サービスは先着の利の他に、SpotifyやGoogleなどは広告表示による無料サービスの提供という優位性がある。

しかしAppleはテイラー・スウィフトの1989をストリーミングで提供できる。小さなことのように思えるかもしれないが、これはAppleが人気あるインディーのアーティストを惹きつける力があることを証明するものとして象徴的だ。またApple MusicのConnect機能により、アーティストはファンに対してソーシャル・ネットワークのニュースフィードのスタイルでビデオや楽曲を含む独自のコンテンツを提供することができる。ConnectはApple Musicアプリの一部として提供される。

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Beats 1ラジオもユニークなサービスだ。著名アーティストが自らホストを務める24時間放送のインターネット・ラジオは他のどのサービスも提供できないものだ。また専門家によって作成、編集され、常に最新の状態にアップデートされるプレイリストもAppleのサービスにユーザーを惹きつける上で効果があるだろう。

Apple Musicに参加するには、iOSデバイスで「設定」を開き、「一般、ソフトウェア更新」と進む。Apple Musicをサポートするデスクトップ版のiTunesも今日中に公開される。Android版アプリのリリースは今年の後半になるもようだ。読者のデバイスでアップデートが成功しない場合は、くりかえし試みることだ。Appleのメジャー・アップデートは膨大なトラフィックの殺到のため当初、遅延を生じることがある。

〔日本版〕日本のAppleサイトでもApple Musicの無料トライアルを受け付けている。料金は個人980円、家族1480円。RadioとConnectも提供される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+