Google+、5歳になって今もどうにか生きている

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Google+が好きな人たちは、本当にGoogle+が好きだ。それは、Googleが信頼できるFacebook競合として、2011年6月にこのサービスをスタートした時から変わっていない。もしあなたがGoogle+ファンなら、今日はめでたい日だ。あらゆる予想を覆して、あなたの好きなソーシャルネットワークは今日5歳になった。それ以外の人にとっては、Google+が今もオンラインでいることが驚きかもしれない。

PDP_FiveAlive_59このサービスを愛し続ける人たちの数は、2011年夏のめまぐるしい日々を過ぎてから急速に減った。Googleはあらゆる面で正しいことをした。デザインはすばらしく(そして、当時としては、極めて高度なウェブ技術を使っていた)、サークルを利用したプライバシーへの配慮は、Facebookへの強力な対抗手段と思われた。人々は心からGoogle+に期待していた。

ハネムーンは長く続かなかった。サークルは殆どの人にとって複雑すぎる結果になり(友達をバケツに分けるアイデアは奇異に感じられた)、Googleの匿名を認めない(仮名すら)方針は、直ちに反感を買い、Googleがポリシーを変更した後も、当時の苦い思い出は多くの人の心に残った。

スタート当時、Googleはサービスの改善よりも、Google+のユーザー数を増やすことに集中していたように思える。

Twitterと異なり、Googleはこのサービスをサードパーティーデベロッパーに対して、殆ど開放しなかった。それはGoogleが、「非常に特別でマジカルな何か」を壊したくなかったからだ。

Googleが同社の全サービスにソーシャル(即ちGoogle+)を盛り込むことへのこだわりは、プロジェクトリーダー、Vic Gundotraによって強く進められたが、少々行きすぎていたようで、2014年4月にGundotraがチームを去った後、各サービスからGoogle+統合機能を取り除く作業には、当初の開発と同じくらいの工数がかかった。

Gundotraが去った後、コミュニティーとコレクションに焦点を絞って昨年再スタートするまで、Googleはこのサービスのことを殆ど忘れていたようだ。その反響は、夏の暑い日の心地良いコオロギの声のようだった。

Googleの他の社会実験、例えばあの不運なBuzzとは異なり、Google+は5年後の今も生きている。これは、それ自体一つの成果だ。公平のために言うと、Google+はHangoutやあの完璧なGoogleフォトを生んでいる。それがGoogleの経験したあらゆる激しい苦痛に値するものだとは思わないが、少なくとも何らかの価値はあった。

ハッピーバースデー、 Google+!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Messengerの送金機能を推進するオプションをテスト中

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Facebookは、同社のチャットアプリ、Messengerでピアツーピア[個人間]支払いができる機能の利用を促進するための、新たなオプションをテストしている。同社はメインアプリのメニューに、新たなオプションとして “Send or Request Money” を追加したことを正式に認めた。「この機能はFacebookユーザーが、Messengerで支払い手続きすることを促進し、Messengerをまだインストールしていないユーザーは、ダウンロードするためにApp Storeへ誘導する」と言っている。

Messengerによるピアツーピア支払いは現在米国内でのみ利用できるため、新たな “Send or Request Money” 機能も米国のFacebookユーザーにのみ表示されるものと思われる。テストは2週間前に始まった。

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Facebookがピアツーピア支払いを導入したのは昨年の3月だった。これによってFacebookは、VenmoやPayPalなどの大手支払いサービスに対抗する立場を明らかにした。ユーザーは支払い用カード(Visa、Mastercard等)を登録し、Messenger内のボタンをタップすることで友達に送金することが可能で、手数料はかからない。

しかし、現在MessengerアプリのチャットUIには、スタンプやGIFや写真、音声メッセージ等、数多くの機能が満載されているため、支払いオプションは “more” オプションの奥深くに隠されている。

つまり多くのMessengerユーザーは、アプリに送金する機能があることに気付いていない。Facebookはこれを変える必要がある。そこで、メインアプリの力を借りて支払いサービスに光を当てることにした。同社はこれまでにも、ナビゲーションを利用して、Moments、イベント、グループ、ショップ、過去のこの日、Moves等、推進したいアプリへの誘導を行ってきた。

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ピアツーピア支払いは、Facebookが本格的支払い市場に進出するための第一歩にすぎない。ただし同社は、支払いビジネスそのものに参入するつもりはないと言っている ― 求めるのはリーチだ。昨年秋のWiredのインタビューで、前PayPal社長で現在Messengerチームを率いるDavid Marcusは、最終的にFacebookは、企業に手数料なしの支払い機能を提供にし、広告や紹介によって収益を上げたいと考えている、と語った。

しかし、消費者がFacebookを通じてお気に入りのEコマースサービスと取り引きするためには、まずFacebookに支払いカードを登録する必要がある…そして、第一ステップは、Messengerを使った支払いサービスの存在を知ることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Memoriesにスライドショー機能―GoogleやAppleに対抗してミニムービー作成

2016-06-28-facebook-ios-slideshow

普通のユーザーの大部分はあまりうまくビデオが撮れない。といって動かない写真ばかりでは退屈だ。そこでテクノロジーの巨人はそれぞれに工夫してユーザーの素材から自動的にミニムービーを編集する機能を提供している。

今月、AppleはiOS 10でMemories機能を発表した。Googleフォトにはすでに同様の機能を持つアシスタント機能が実装されている。これらに対抗して、今日(米国時間6/27)、FacebookはiOSアプリにスライドショー機能を追加した。

昨年8月にリリースされた写真共有アプリ、Momentsで、Facebookは12月から少数のユーザーを対象にスライドショーのテストを始めていた。今後は、24時間以内に5枚以上の写真やビデオを撮って近況に投稿するとFacebookはSlideshowを利用するように提案してくる。また友達がSlideshowを投稿した場合、Try It(「試す」)というオプションを選択できる。

それぞれのSlideshowはユーザーの撮った写真とビデオを素材にBGMや遷移効果を付して自動的に編集される。ユーザーはスライドに場面を付け足したり、削除したりできる。またテーマを変更することもできる。Facebookが用意しているテーマは、Nostalgic、Playful、 Night Out、 Birthday、 Epic、Thankful、 Tropical、 Bollywood)、Ampedの10種類だ。

こうしたスライドショーはユーザーが撮影した保存した素材から選ばれる。SnapchatのStoriesは過去24時間にユーザーが投稿した素材を作成時間順に編集したものだが、スライドショーはFacebookがSnapchatに対抗してする機能だろう。Facebookでは、「このあいだの週末にやったことが、久しぶりの家族の集まりであろうと、友達とドライブに行ったのであろうと、ブランチであろうと、われわれは写真をスナップして共有するのが好きだ。この新しい機能はこうした写真をその写真の雰囲気に合わせた適切な方法でスライド化する」と説明している。

報道によれば、Facebookはこの数年、個人のコンテンツの共有が低下する傾向にあるという。その代わりにニュースフィードではニュース記事へのリンクが増え始めているようだ。カジュアルな日々の生活の一コマのリンクはSnapchatに移行する傾向が見えいる。Facebookは生活体験のユニークでリッチな共有の場であろうとしているので、Slideshowの新設は助けになる。

Facebookのユーザーは一連の写真を撮っても、その中でいちばん出来のいい写真を選んで投稿するのが普通だ。Facebookのアルゴリズムもこれに対応しており、Twitterのユーザーが出来事の写真を時間の順に次々に投稿していくのと対照的だ。FacebookのSlideshowは動きもあり、BGMや遷移効果も付加されて、写真の見栄えを大きくアップするので、ただの写真の投稿より注目を集めることは間違いないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Liveにリモート・インタビューや視聴者の待合室など重要な新機能追加へ

2016-06-24-facebook-live-broadcast

今日(米国時間6/22)からカリフォルニア州アナハイムで開催されるVidConカンファレンスで、 Facebookはライブのビデオ・ストリーミング・プラットフォームであるFacebook Liveに3つの大きな新機能を追加することを事前告知した。

これにより、別々の場所にいる2人が対話的にビデオをストリーミングする機能、ストリーミング・スケジュールの事前発表機能、それにオーディエンスが待機し、交流できるバーチャル待合室機能がもうすぐこのプラットフォームから利用できるようになる。また先ごろFacebookが買収したMSQRDのバーチャル・フェイス・マスクを着用してストリーミングする機能も追加される。

友達とリモート会話をストリーミング

最大のアップデートはやはり異なる場所にいる2人が会話するビデオが配信できるようになることだろう。これはネットワーク・テレビ局が多用しているリモート・インタビューのFacebook Live版と考えるとわかりやすい。

簡単にいえば、ビデオ・ストリーミングを実行するユーザーが友達をそこに「招待」する形だ。マーク・ザッカーバーグは先週のライブのQ&Aセッションで「ライブのビデオ・ストリーミングに友達やセレブをゲストとして呼べたらすてきだろう」と新機能の追加を示唆していた。

コンテンツの投稿者は新機能を利用してリモート・インタビューができるのはもちろん、友達とライブでデュエットを歌うなどさまざまなクリエーティブな利用法を考え出せる。この機能はこの夏、まず身元確認ずみページのユーザーに公開され、その後一般ユーザーも利用できるようになる。

待合室、ストリーミング・スケジュールの事前発表

Facebookはまたバーチャル待合室機能を発表した。ユーザーはこの待合室に入ってストリーミングの開始を待つことができる。同時に、配信側のクリエーターはストリーミングが開始される日時を事前に決定して周知できる。具体的にはFacebookがユーザーに通知を送るので、ユーザーは配信が始まるのを待つことができる。

この2つの新機能は私がこの記事で指摘したライブ・ストリーミングに付き物の問題を解決しそうだ。つまり、配信者はできるだけ多くの視聴者が集まるまで本番の配信を始めたくないが、最初から見始めた視聴者は配信が始まったものの、なかなか本番にならないので飽きて見るのを止めてしまうというジレンマだ。典型的な「ニワトリが先かタマゴが先か」という状況だが、ライブ配信ではこれまでもずっと問題となっていた。

Facebookが追加する機能により、視聴者は配信が始まる日時を事前に正確に知ることができるようになった。また配信がライブになるまでの時間を配信の視聴を希望する仲間といっしょに待合室で過ごすこともできる。

マスクを着用してライブ・ストリーミング

最後に、ちょっと愉快な新機能を紹介しておこう。Facebookでビデオを配信するクリエーターはMSQRD 〔マスカレード〕アプリを利用してライブで顔にマスクを貼り付けることができる。

MSQRDは、去る3月にFacebookが買収したビデオ・フィルター・アプリで、機能はSnapchatのレンズに似ている。ユーザーはライブ配信の最中でもさまざまなマスクを試してみることができるし、MSQRDが開発したエフェクトも利用できる。

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ライブでのビデオ・ストリーミングは配信側にかなりタフな精神力が必要だ。ユーザーは友達の興味を強くひきつけておけるようなコンテンツを常に持っているわけではない。MSQRD〔マスカレード〕製のおかしなマスクを着用して配信してよいということになれば、ビデオ・ストリーミングに挑戦してみようという勇気をもっと多くのユーザーが奮い起こすようになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

モバイルの全画面に展開されるFacebook Canvas、広告以外のページからも利用可能に

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FacebookのユーザーはCanvas投稿をもっと頻繁に目にすることになる。

Facebookには無数に広告フォーマットが存在するが、 Canvasは簡単にいえば全画面に展開されるリッチメディアのモバイル広告だ。

このフォーマットはInstant Articles〔インスタント記事〕 同様、メディア側がFacebookのサーバーに予めコンテンツを登録しておくことによりモバイル・デバイスへのロード時間を大幅に短縮できるとされる)。Facebookではこのフォーマットの実験を成功と認め、今年2月にすべての広告主に開放した。来る6月22日にはCanvasフォーマットは広告主以外の通常のFacebookページからも利用可能となる。

NFLのマイアミ・ドルフィンズやNPOのDignity Healthを始めとして、多くの企業やブランドがすでにCanvasフォーマットを利用している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、Messengerのデザインを改訂

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今週、AndroidユーザーがMessengerアプリでSMSを使えるようになったニュースに続き、Facebookは今日(米国時間6/16)、モバイルメッセージングアプリで最近の会話を表示する以上のことを目指す、新しいデザインの発表した。画面のトップから、お気に入りの連絡先や友達の誕生日、”Active Now”等の新しいセクションへ行けるようになった。

Active Nowエリアでは、現在オンライン中のユーザーが、デスクトップ版のチャットサイドバーでお馴じみの、名前横のグリーンのドットで表示される。そして、”See All”ボタンを押すと、チャットできる相手を全員見ることができる。

Favorite[お気に入り]セクションには、Facebook曰く、最もよくメッセージを交わす相手が並び、こうした友達と新たに会話を始めるためのショートカットとして利用できる。

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以上の2つの追加はおそらく便利なのだろうが、誕生日セクションはあまり嬉しくない。みんなの誕生日は、既にFacebookで散々知らされているが、Messengerはそれを増やそうとしているようだ。もちろんFacebookがやりたい理由はわかる。友達の誕生日を祝うよう促すことで、人々がFacebookよりもモバイルメッセージを多く使うようになっている今、Messengerの利用を増やすことができるからだ。

新しいセクションへは、画面下の[Calls/通話][Group/グループ][People/友達][Me/パーソナル]の左にある[Home/ホーム]ボタンから行くことができる。

Facebookによると、こうした変更はMessengerでユーザーが「シンプルかつ簡単」に会話を始められるようにするためだと言う。しかし彼らはMessengerを単なる「受信箱」以上のものにしたいと考えている。今やMessengerは、ロボットの導入から、企業とチャットするためのツールとなるまで幅広く機能している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがプラットフォームの「オール・ビデオ化」を望んでいることについて

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Facebookはプラットフォームの中心となるコンテンツを文字からビデオに置き換えようと引き続き全力を挙げていることは覚えておく必要がある。

Quartzによれば、Facebook EMEA〔ヨーロッパ・中東・アフリカ〕副社長、Nicola Mendelsohnは昨日(米国時間6/15)、ロンドンで開催されたカンファレンスで「5年後にFacebookは「たぶんすっかりビデオ化しているだろう」と述べた。

Mendelsohnはまた360度パノラマビデオは「ごく普通になっている」とし、VRハードウェアの成長も予言した(もちろんFacebookはVRヘッドセットのRiftのメーカーであるOculusを傘下に持つのだから当然の主張ではある)。

Mendelsohnは「これほど大量の情報が氾濫する世界でストーリーを効果的に語る方法はビデオだ。短時間に大量の情報を伝達することができる。ビデオに向かうトレンドは私たちが情報を消化する速度を速めるために役立つだろう。ここ数年、テキストの役割は低下を続けている。…私が賭けるとしたらビデオだ。ビデオ、ビデオ、ビデオ、と言いたい」」と述べた。

しかしもちろん、ハンガー・ゲームの戦闘アリーナと同じで、Facebookは「壁に囲まれて」おり、Faceookの完全なコントロール下にある。

つまりMendelsohnはFacebookのユーザーが自発的に選ぶであろう未来を推測しているのではなく、Facebookという企業の至上命題がプラットフォームのビデオ化であることを再確認したにすぎない。Mendelsohnはビデオを他のあらゆるメディア・コンテンツの上位に置いたが、ビデオがコマーシャルを表示する媒体としてきわめて有効であることも見逃せない(そういえばSnapchatという例もある…)。

インスタント記事(Instant Articles)のフォーマットを利用している広告主は、 Facebookのプラットフォームは書かれた文字に対してほとんど敬意を払っていないことに留意すべきだろう)。

最近、Facebookはメインのアプリからメッセージ機能をほぼ完全に追放した。Facebookで特定の友達に情報を文字で送信したい場合は別アプリのFacebook Messengerを利用する必要がある(一部の地域ではFacebook本体のモバイル・アプリからテキスト・メッセージを共有できるが、少なくともアメリカでは不可能だ)。

またビデオの情報量は巨大であり、モバイル・ビデオは世界中どこでもアメリカでのようにありふれたものとはなっていない。Facebookの「オール・ビデオ化」という戦略は途上国の多数のユーザーに対してドアを閉ざすものとなるだろう。Facebookはこうしたユーザーの獲得にあれほど熱心だったにもかかわらず、ビデオ化は逆の効果を生む可能性がある。

つまり現実的には、Facebookアプリのオール・ビデオ化は アメリカその他の先進国に限られ、途上国のモバイル・アプリはもっと混合的な性格とならざるをえない。【略】

なるほど〔テキストだけの〕SMSの役割は減少傾向だ。ユーザーはビデオや写真を添付できるもっと進歩したチャット・アプリにシフトしている。しかし文字の役割が低下している? そんなことがあるわけがない。テキスト・メッセージのやり取りは過去に例を見ない水準に高まっている。

結論は、「文字の役割は低下していない」だ。文字の役割が低下しているのはFacebookのメインのアプリ内だけで、その理由はFacebookというビジネスはユーザーにもっとビデオを利用させる必要があるからだ。

ユーザーをビデオに慣れさせビデオの利用に誘導しようとする目的で、Facebookはビデオ・コンテンツを優遇する新しい表示アルゴリズムを開発し、テキスト・ベースの表示を格下げすることでユーザーがメイン・アプリでテキスト・メッセージを共有することを妨げようと試みている。

人間にとって文字の役割が減少するということはない。文字の役割が減少しているのはFacebookであり、ビデオ消費を増大させるスペースを生み出すために文字を削ろうとしている。われわれは友達と常にテキストで情報を交換しあっている一方、Facebookはビデオというリッチメディアの闘技場に変わる(Snapchat風になるのか?)ことを目指している。

「オール・ビデオ化」というのはFacebookがプラットフォームとして目指す方向ではあっても、人間のコミュニケーションの現実はまた別だ。これは一つのキーワードで括れるような簡単なものではない。会話体験のフォーマットは多層的であり、いわば〔神話の怪物のように〕多数の頭を持った存在だ。Facebookがどんな未来を望もうと、この現実は変わらないだろう。

画像: Twin Design/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookの自殺防止ツールが多言語化、プライバシー保護とのバランスが難しい

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Facebookが、その自殺防止ツールをアップデートし、今それを全世界で利用できるようにしている。

友だちからの投稿が自損行為や自殺を示唆していたら、このツールを使って警告/警報できる。前は英語のみで、そのほかのユーザーは特定のフォームを使う必要があった。しかしアップデートされたツールでは、その過程が迅速になり、そして簡単になった。

Facebookが発表で言っているのは、まず、自殺防止のためのリソースが、このプラットホームがサポートしているすべての言語で利用できることだ。同社の安全性部門のグローバル担当Antigone Davisと、研究員のJennifer Guadagnoが、このツールは“精神衛生に関する諸団体との共同開発であり、また自損や自殺を過去に経験した人びとから得た情報を活用している”、と書いている。

ツールはまず昨年、一部のアメリカのユーザーが利用できるようになり、Forefront, Lifeline, Save.orgなどが支援した。Facebookによると、同社は今後も世界各国の自殺防止および精神衛生関連の団体との協力関係を維持する。

もうすぐ、世界中どこのユーザーでも、ドロップダウンメニューから、自損や自殺で悩んでいそうな友だちの投稿に警報できる。その際に付けられるオプションには、自殺防止団体の相談電話番号など関連リソースのリスト(匿名でシェアできる)や、お助けメッセージがある(Facebookが文案を提供している)。

その投稿を、Facebookのグローバルコミュニティチームがレビューすることもある。そして彼らが、“その人に連絡して助けになりそうな情報を提供する”、とそのHelp Centerが言っている。今まさに自損行為に及びそうなときには、Facebookは警察への連絡を忠告している。

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Facebookの自殺防止ツールは実際に命を救うこともありえるだろうし、あるいは少なくとも重要な問題への気づきを喚起するだろう。自殺率は世界的に増加傾向にあり、多くの国で公衆衛生上の問題になっている。アメリカではここ30年間自殺率が過去最高で、とくに、男性は全年齢層、女性は45〜64歳の層で多い。

Facebookの月間アクティブユーザー数は今や16億5000万人にもなるが、同社は自殺の防止とプライバシーへの配慮のあいだで、バランスを取らなければならない。とくに、Facebookの投稿が心理学者たちのための貴重なデータと見なされるようになってから、この問題が顕在化してきた。Facebook自身も、2014年には、ユーザーに対し心理学的な実験を行ったとして、謝罪せざるを得ない状況に追い込まれた。

2014年の秋にはイギリスのチャリティ団体Samaritansが、その自殺防止アプリをローンチからわずか1週間後に取り下げた。それは友だちのTwitterフィードを見て鬱(うつ)の兆候を感知する、というものだったが、プライバシーの問題や、‘ネットいじめ’による悪用が懸念された。

この、人助けとプライバシーの尊重との均衡について、本誌TechCrunchは今Facebookに、同社の考えを問い合わせ中だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、チャットの制覇に急ピッチ―Android版MessengerですべてのSMSメッセージが送受信できる

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Facebookの戦略は当初から「包囲して征服せよ」だったが、SMSについても同様らしい。FacebookはこれまでSMSのユーザーをMessengerに誘導しようと努力してきたが、今後はAndroid版のFacebook Messenger内から既存のSMSが読めるようになる。

ほぼ全世界にリリースされたこのSMA機能により、SMSを使う友達を持つFacebookユーザーはFacebookとSMSアプリの間を忙しく往復せずにすむようになる。

Facebookのプロダクト・マネージャー、Andrea Vaccariは私にインタビューに対して、「Facebookの外には非常に人気の高いSMSクライアントが存在する。カスタマイズに特化して成功しているプロダクトもいくつかある(GO SMS ProやQKSMSなどはカラーテーマなどを選べる)。一方、Facebookが提供しようとしているのは使いやすさだ」と語った。

SMSのスレッドをすべて一箇所で管理できることになれば便利だ。FacebookはMessangerでSMSが使えるという能力を強調することによってSMSのユーザーをFacebookの世界に取り込もうとしている。

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最初にFacebookがAndroid版MessengerにSMS能力をもたせようとしたのは2012年だった。これはユーザーのデフォールトのメッセージ・アプリに着信したSMSメッセージをMessengerでも表示できるようにしたものだ。しかしあまりユーザーを集めることができず、2013年にこのサービスは停止された。この頃からFacebookの戦略はMessengerの使える場面を拡大することに集中し始めていたようだ。 2016年の2月、MessengerMessengerから利用できるSMSの新バージョンを発表した。

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今日から世界中たいていの地域でAndroid版Messengerの「設定」を開くと「SMS」の項目が現れる。ここで「標準のSMSアプリ」オプションをオンにするととMessengerですべてのSMS会話がFacebook Messengerで処理されることになる。SMSのメッセージはMessengerでは紫色に着色されたスレッドとなる(Facebook内のチャットは従来通り空色表示)。この設定を行っても、Androidデバイスの標準メッセージ・アプリを含むSMSアプリでSMSメッセージを受信し読むことはできる。ただしメッセージの送信はMessengerからのみ可能となる。料金がかかる場合は従来通り。

SMSの受信側については従来通りで何も変更はない。すべてのプラットフォームのユーザーがSMSを受信でき、それがMessengerから発信されたのか他の標準アプリから発信されたのかを区別することはできない。ただしAppleはデベロッパーに対する制限が厳しく、
サードパーティーは標準のSMSクライアントを切り替えることができない。つまりMessengerでSMSを処理刷る機能はiPhoneでは利用できない。

既存SMSユーザーに巧みな誘い

AndroidデバイスでSMSアプリにMessengerを指定するとFacebookが提供するスタンプを送信できる。また写真、ビデオ、オーディオを添付ファイルにできる。ホームスクリーンその他に表示されるチャットヘッドにもSMSの着信が表示され、返信も可能になる。他のアプリを利用している最中でもチャットヘッドはその上に表示される。ただし、送金、GIF、VoIP通話、ビデオ通話の発信やサードパーティーのアプリを経由してUber、Lyftなどを呼ぶ場合にはSMSは利用できず、Messenger本来のFacebookチャットを利用することになる。

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Facebookの Messengerプロダクトの責任者、David Marcusは、「Androidのテキスト・アプリにはメッセージ・テクノロジーの進歩に取り残されているものが多い。そこでわれわれはAndroidで本当にベストとなるSMSクライアントを作ることにした」と説明する。FacebookはまたMessengerを通じたチャットは一切無料であり、必要とされるデータ量もごく少ないということも指摘する。 これに対して一部のキャリヤではSMS1通あたりかなり高額な料金を課している。

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またユーザーのプライバシーを保護するため、FacebookのサーバーではSMSを処理することも保管することもしない。「〔SMSの〕データ自体はFacebookを経由しない」とVaccariは説明する。またたとえ同一の発信者からのメッセージであっても、SMSのスレッドとMessenger本来のスレッドは別個に扱われる。同じ相手から同時にSMSとFacebookチャットを受信した場合にはかなり困惑させられることになるかもしれない。

VaccariによればSMSとFacebookチャットを統合することは「将来はあり得るかもしれない。しかし当面われれわれはSMSの振る舞いに手をつけるつもりはない。SMSの機能に変更はなく、単にMessenngerが新しいクライアントとして追加される」だけだという。

そうであってもFacebookはSMSのユーザーに対し微妙な方法でFacebookチャットをプロモーションしている。新しいメッセージを送信しようとして宛先の名前をタイプすると、Facebookに登録しているユーザー名が電話番号の上に表示される。相手がFacebookのメンバーであればSMSを送信するよりFacebookのチャットを選ぶことになるかもしれない。

一方、FacebookがチャットについてMessengerアプリをユーザーに使わせようとする努力は猛烈だ。2014年にFacebookは本体のアプリからチャットのタグを除去し、チャットをするならMessengerアプリを使うよう仕向けた。さらに今月に入ると、モバイル・デバイスからm.facebook.comを通じてチャットすることが不可能になった。Facebookではチャットをソーシャルメディアの未来と見ており、一部のユーザーが反発することなどは気にしていないらしい。

Messengerには9億人のユーザーがいる。Facebook傘下のWhatsApp at overのユーザーは10億人を超える。Facebookは現代のチャット・ビジネスで圧倒的な地位を占めている。WeChat市場を独占している中国を別にすれば、Facebookのチャットには深刻なライバルは存在しない。ユーザーが昔ながらのSMSを使い続けることはあり得るが、気づいてみると使っているアプリはMessengerだったということになりそうだ。

〔日本版〕6/15朝の訳者の環境ではまだFacebookのAndroid版MessengerアプリにSMSのタグは表示されていない。なおSMSは2段階認証などに用いられており、利用頻度は高いものの設定方法はまちまちなのでデバイスごとに確認する必要がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookでは投稿にビデオでコメントできるようになった

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今日(米国時間6/9)、Facebookは360 Photosと並んでビデオによるコメント機能をスタートさせた。これはオンライン・ビデオの生成、投稿が驚くべきスピードで成長し、さらに拡大中であることへの対応だ。

2020年までにインターネットのビデオは全トラフィックの 82%を占めるようになるとCisco Visual Networking Indexは予測している。

ソーシャルメディアのプラットフォームとしては、ビデオ・コメントの導入によってFacebookはSnapchatに追いつこうとしているといえる(Snapchatは1日当たりビデオ視聴時間でFacebookの先を行っていた)。2016年のインターネットのトレンドについてのメアリー・ミーカーの詳細なレポートにもあるとおり、2016年第1四半期におけるソーシャルメディアのビデオ利用ではSnapchatはFacebookよりも成長が著しかった。

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Facebookのブログによれば、ビデオ・コメント機能はFacebookの第50回ハッカソンで開発されたという。

ビデオ・コメントとなる機能を開発したプログラマーのチームは、 Bob BaldwinとHermes Piqueをリーダーとし、、Sameer MadanがiOS、Muhammed Ibrahimがウェブ版 、Billy NgがAndroid版を担当したという。

Baldwinは以前、FacebookハッカソンでユーザーがFacebookのコメントに写真やスタンプを含める機能を開発したチームのリーダーだった。

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ALS治療の資金集めに大勢が氷水を浴びる写真をアップして反響を呼んだアイスバケツ・チャレンジだが、もしコメントにビデオを投稿することが可能だったら。、おそらくは世界でもっとも長いコメント・スレッドになっていたことだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookで360 Photosがスタート―スマートフォンを傾けるだけでパノラマが見られる

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やっとズームイン、ズームアウトを繰り返す必要がなくなる。FacebookはようやくパノラマやVR写真をスマートフォンで表示するための当たり前の方法を採用した。360 Photosと名付けられた機能がiOS、Android、ウェブ、Gear VRでスタートする〔日本版注参照〕。これでパノラマやVR写真の作成にもはずみが付くだろう。

1ワールドトレードセンター・ビルの頂上からニューヨークを見渡したマーク・ザッカーバーグのパノラマはここで見ることができる

iPhone、Samsung Galaxyのパノラマ機能、あるいはリコーThetaなどで撮影した360°アプリの写真を普通の写真と同様に投稿できるようになった。Facebookはこれらの写真を自動的に360 photoに変換する。ユーザーが360 photosの写真を表示するとコンパスのアイコンが表示される。ユーザーはデバイスを傾けるだけで写真を隅々まで眺めることができる。クリックないしタップしてドラグすることももちろん可能だ。Gear VRを持っていれば、上部右側の“View in VR”ボタンを押すとヘッドセット用の画像に切り替わる。ヘッドセットを着用したユーザーは頭を動かして周囲を見回すことができる。

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Facebookでは大勢の有名人やサイトのパブリッシャーが360 photosを利用した写真の公開のために列を作っている。国際宇宙ステーションの内部写真を公開したNASAには10万人ものファンがいる。ポール・マッカートニーNew York Timesのアカウントも要チェックだ。NYTは最高裁判所の知られざる内部を撮影している。

360 Photo Viewing

Facebookのプロダクト・マネージャー、Andy Huangはブログに「Facebookに写真を投稿できるようになったのは10年以上前だが、たちまちユーザーが体験を共有するための主要な方法になった」と書いている。Facebookでは写真同様にビデオ、360°パノラマ、拡張現実が体験共有のための主要なプラットフォームになると信じており、ニュースフィードにそうした機能を採用してきた。将来、Instagramも360°パノラマ写真をサポートするかもしれない。

ユーザー生成コンテンツの投稿先としてFacebookが非常にポピュラーな存在であることはパノラマ写真の共有でも有利に働く。Snapchatでは投稿写真を誰でも見るわけにいかない。Twitterもまだテキスト中心のプラットフォームだという印象が強い。360°パノラマ写真が優れたコンテンツだと認められてFacebookで人気を得るなら、これもまたFacebookを毎日使う理由の一つになるだろう。

Facebook 360 Photos

同時に、 360 Photosは企業やブランドに取っても注目を集めるマーケティング手段となりそうだ。映画のセット、旅行の目的地となる有名スポットなどが360
photosの広告となって登場する日も近い。

Facebookでは、Samsung Gear VRの月間ユーザーが100万人を超えたというニュースと共に360 Photosという新機能を追加することを先月予告していた。ただしその時点では見ることができるパノラマ写真のバリエーションが少なく、有力ソフトメーカーのゲームや映画などに限られていた。

Facebookではこの点に対処すべく、360°サラウンド・カメラを開発し、デザインをオープンソース化し、3万ドルの資金があるプロが自分で最高品質のVRを撮影できるデバイスを作れるようにした。しかし一般ユーザーがFacebook向けのVRコンテンツを作ろうとする場合はFacebook傘下のOculusのRiftとSamsung Gearヘッドセットが依然、主要な手段となるようだ。

〔日本版〕パノラマ写真はデスクトップ、モバイルともウェブ版では表示可能。360 Photoは円形の中に視野を示す扇型のアイコンが表示される。ドラグして周囲を見ると視野を示す扇型も同期して動く。ただし記事翻訳の時点では「傾けてパノラマを見回す」機能は訳者の環境には実装されていなかった。アップデート後に有効となるようだ。 ザッカーバーグの投稿によれば、1ワールドトレードセンターから見渡したニューヨークの写真は、Michael FranzとJonathan D. Woods がTIMEのために撮影したものという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Conversableは消費者と企業の関係を深めるチャットボット…ただ買うだでけでなくアレルギーの質問なども

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[筆者: John Mannes]
商業者と消費者の関係を強化する会話のためのチャットボットConversableが今日(米国時間6/7)、鶏の手羽先料理専門のレストランチェーンWingstopとのパートナーシップを発表した。これでユーザーは、Facebook MessengerやTwitterなどのアプリの中から、注文をしたり、アレルゲンについて問い合わせたり、最寄りのお店を尋ねたりできる。

デベロッパーにAPIを提供する方式ではなく、Conversableは同社自身のプラットホームでFortune 500社に力を与えようとする。そのプラットホームは、ほとんどどんなアプリケーションにもアドオンできる。最初のユーザー企業がWingstopだが、同社は、人びとの買い物や、航空券の購入、企業との対話などを変えていきたい、と言っている。

協同ファウンダーのBen LammとAndrew Buseyは、前にも二度、一緒に仕事をしたことがある。まずテクノロジースタジオChaotic Moonで成功し、次にゲームデザインのスタジオTeam Chaosを作った二人は、その後、自動化チャットボットで企業/商品/お店(広義に“ブランド”)へのアクセス性を向上させる、というアイデアに魅力を感じた。

“このアイデアが気に入ったのは、それによって企業の新しい会話ツリーが時間とともにどんどん増えていくことだ。モバイルアプリの構築に年月と巨費を投じなくても、ますますいろんなことに応答できるようになる”、とConversableのCEO Ben Lammは語る。“自分の消費者体験からも言えるが、消費者のブランド体験がますます良くなり、これまでできなかったことも、できるようになる”、とConversableが提供するユーザー体験を彼は褒めそやす。

200万ドルのシード資金は、15人のチームを養うのに当面は十分だ。今は、Fortune 500社の国内企業を、顧客としてつかまえようとしている。チャットソリューションの課金方式は定額の会費制だが、カスタム化のための専門サービスも提供できる。

私たちの多くが、応答性が悪くてお粗末な、劣悪なチャットボットを使わされてきた。Conversableは、バックエンドシステムの統合を強化することによって、この罠にはまることを避けようとしている。このチャットボットは、ユーザー体験とブランドエンゲージメントの改良を、機械学習やAIを使わずに実現することを、マーケティングの核にしている。

“機械学習やAIに関心はあるけど、でもブランドが求めるのは、質問や応答の個々のノードにおけるコンテキストの理解なんだ。企業はそれらの分析によって事業を強化し、人びとが何を求めているのかを理解できるようになりたい、と願っているのだ”、とLammは付言した。

今、このテキサス出身の企業が志向しているのは、Amazon Echoのような、大きな将来性がありそうなプラットホームとの深い統合だ。これからは、便利に自動化された会話友だちに、本格的なテキサス・バーベキューを注文できるようになるんだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook Messengerに会話の内容を変えられるバグがあった(現在は修復済み)

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Facebook MessengerのAndroidアプリとデスクトップの(Web上の)Facebookチャットに、バグが発見された。このバグを悪用するとチャットのテキストや画像やリンクなどのデータを変えたり削除したりできる。それによりMessengerの9億人のユーザーの一部が、不正行為の脅威にさらされることになる。

バグを発見したセキュリティ企業Check Pointの研究者たちによると、このバグを利用して会話の内容を変えたり、マルウェアを広めたりできる。Androidアプリとデスクトップではチャットのコンテンツを変えることができるので、会話に参加している人たちが実際に言ってないことを言ってるようにもできる。また、リンクを書き換えて(それをクリックすると)ユーザーがマルウェアに汚染されるようにもできる。リンクが書き換えられていることが分からなければ、クリックしてしまう可能性はとても大きい。

すでに知られているマルウェアやフィッシングサイトについては、Facebookがそれらの送付を以前からブロックしていた。同社はそういう情報を、Threat Exchangeの上でセキュリティの研究者たちと共有している。それは、デベロッパーのためのソーシャルメディアプラットホームだ。でも、新しい、まだ知られていないマルウェアはこの関門をすり抜けるだろう。

会話に加わっている者だけがこのバグを悪用できるので、信頼できる友だちだけが相手なら、たぶん危険はない。バグがあるのはMessengerアプリと、ブラウザー上で利用するFacebook.comのチャットだけだから、Messenger.comなどMessengerの他のバージョンなら正しい会話ができる。チャットがいじられていることが分かっても、Messengerの他のバージョンの上なら元のテキトにアクセスできる。

Check Pointでプロダクトの脆弱性の調査を担当しているOded Vanunuが、声明文の中でこう述べている: “この脆弱性を悪用するとサイバー犯罪者たちがチャットのスレッドの全体を、被害者に気づかれることなく変えられる。さらにまずいことに、ハッカーが自動化テクニックを実装して長期間セキュリティ対策を出しぬき、チャットの書き換えを続けることもできる。このたびFacebookが迅速に対応し、ユーザーのセキュリティを守ったことを賞賛したい”。

Check Pointにこのバグを報告されたFacebookは、5月にMessengerにパッチを当てた。Facebookには以前からバグ報告報奨制度(bug bounty program)があり、セキュリティの研究者や善人のハッカーたちからの問題報告を奨励している。Facebookのスポークスパーソンによると、この制度は“きわめて価値があった”。

Facebookはこのバグをブログで説明し、会話の変更は恒久的ではなかった、と述べている。“アプリケーションがメッセージデータをサーバーから再取り出しすると、Android上でコンテンツが自動的に修復されることを確認した。したがってそれは、恒久的には変えられていない”、と。

この記事は6月7日午後1時のアップデートにより、Facebookのブログ記事の詳細と、バグのデモビデオが加えられた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、友達のタグ付けに代わる「配慮ある」通知方法をテスト中

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今日の午前、友達が私をタグ付けしたFacebookの投稿には、どこかの女性がフラフープを…お尻で回しているところが写っていた。彼はこれを面白いと思ったようだ。幸い私はタイムラインレビューをオンにしているので、この種のコンテンツがいきなりプロフィールに表示されて友達や家族全員に見られることはない。しかし将来は、この種のタイムラインスパムの恐れなしに、相手に見てほしい投稿を知らせる方法ができるかもしれない。Facebookは、友達にFacebook通知経由で投稿を知らせる「配慮ある」方法をテストしていることを認めた。

最初にこれを伝えたのはSocialTimesで、読者の一人が送ってきた写真(下図参照)には、投稿作成時に表示された新しいオプションが写っている。オプションには「この投稿について少数の友達に通知する」とあり、メガホンの小さなアイコンが描かれている。

投稿やコメント内で友達をタグ付けする代わりに、この新しいリンクをクリックして、注意を喚起したい友達を選ぶことができる。こうすることで以前と同じように通知が送られる。しかし、投稿にダグ付けされた場合と異なり、コンテンツが自分のプロフィールページに表示されることはない。

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一方、投稿やコメントで友達をタグ付けする必要がなくなることで、コメント欄はすっきる(イベントの告知やニュースを知らせるために友達をタグ付けすることは、頻繁に行われている)。

こうすることで、読者は友達に伝えるために付けられたタグの山を見ることなく、話題に集中できる。

Facebookはこのテストの存在を認めたが、実際に機能を公開するかどうかについては何も言っていない。

しかし、実際にはカナダ、英国、およびフランスでは、少数のiOSおよびウェブユーザーがこの機能を試行している(これは、残念ながら私は当分トライアルに参加できないことを意味している。タイムラインレビューは続く!)

もちろん、これまでにもFacebookは全員に公開されることのなかった物をたくさんテストしてきたが、これは有望だ。新機能は現在Facebookが抱える厄介な状況 ― 注意を引くためにタグ付けしなくはならない ― を解決しようとしている。より直接的な通知の方が受け手にとってはずっといい。ただしこの機能は投稿する側の協力も必要とする。また、もし今後もタグ付けの方が簡単で、わかりやすければ、ユーザーは新機能を無視して使い慣れたものを選ぶだろう。しかし、それこそがこのテストの決めることだ。

Facebookの広報担当者は、以下の声明でテストの存在を認めた。

「特定の友達が特に興味を持ちそうな記事を投稿する時 ― 相手には必ず見てほしいものだ。記事やコメント欄で友達をタグ付けする代わりに、より配慮ある方法で通知を送れるようになる」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Live、ゲームストリーミングでTwitchに挑む

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もし、人々がインターネット上で何かに多くの時間を費やしているなら、そこにFacebookが一枚加わろうとすることは間違いない。彼らの新たな探究の旅はゲームストリーミング。TwichとYouTubeに支配されている分野だ。今日(米国時間6/6)Facebookは、World Of Warcraftのメーカー、Blizzardと提携して、同社のゲームにソーシャルログインとFacebook Liveビデオストリーミングを組み込むことを発表した。まずは最新大ヒット作品のOverwatchから。

BlizzardのゲーマーはFacebookでログインできるようになるので、一緒にプレイする友達を探したり、ゲーム内コンテンツをニュースフィードでシェアしたりするのが簡単になる。Facebook Live APIにはプレイ中の画面をライブストリームする機能が含まれている。Facebookユーザーはゲーマー友達がモンスターと戦ってレベルを制覇するのを見ながら、リアルタイムでコメントを残すことができる。

Amazon傘下のTwitchサービスは、毎月1億人が利用しているが、Facebookとつながっているゲームは6.5億人がプレイしているので、この新機能の膨大な可能性が想像できる。

今やビデオゲームは観戦スポーツとなり、FacebookはESPN[米スポーツ専門TV局]への道を進もうとしている。

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FacebookはTwitchに追いつかなくてはならない。Twitchはその〈プレイヤーピクチャー・イン・ゲームプレイピクチャー〉ビデオストリーミングとライブチャット機能を何年もかけて磨いてきた。専用のインターフェース、ビデオクリエーターのための広告や定期利用収益化オプション、および繁栄するゲーマーコミュニティー等、追いつくのは容易ではない。

しかしFacebookは、その巨大なユーザー基盤と高度なストリーミング用バックエンドを活用し、ソーシャルグラフを武器に戦う。

Twitch's dedicated game streaming interface

Twitch’s dedicated game streaming interface

もしFacebookが、ゲームのライブストリーミングはゲーマーだけでなく、一般視聴者にとっての次の大物だと本気で信じているなら、他では得られないようなビュー数をプレイヤーに与えられるだろう。

その昔Facebookは、FarmVilleに後押しされたデスクトッププラットフォームを持つカジュアルゲーム世界の中心地だった。人々は自分のデジタル都市や牧場を維持するために、何時間も考えることなくクリックし続けた。Facebookによる次のゲーミングへ界参入は、ユーザーにとってさらにシンプルかもしれない。自分はプレイすることがない。ただ観戦するだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マーク・ザッカーバーグのTwitter、Pinterest、LinkedInがハックされる―Facebookアカウントは無事

2016-06-07-zuckerberg-hacker

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグがハッカーに攻撃され、短時間だがいくつかのアカウントを乗っ取られた。一部のサービスには不愉快な投稿が表示された。

EngadgetよるとザッカーバーグのFacebookアカウントは無事だったが、Pinterest、 Twitter、LinkedIn wereはハックされた。記事にはアカウントが回復される前のハックされた状態のスクリーンショットも何枚が掲載されている。

乗っ取られたPinterestのページによると犯人グループはOurMine Teamと名乗っている。リンクされたTwitterアカウントは現在、停止されている。

ハッカーたちはザッカーバーグのInstagramアカウントの乗っ取りも試みたようだ。攻撃されたアカウントの中でザッカーバーグの企業グループに属する唯一のSNSだが、TechCrunchが知る限りでは、Instagramのセキュリティー・システムが乗っ取りを防止した。

先月はLinkedInがハックされ、大量のメールアドレスとパスワードのデータが漏洩した。ハッキングは2012に遡るもののようだが、当時LinkedInはパスワードとソルトなしのSHA-1ハッシュで保存しており、何十万というパスワードが簡単に解読されてしまったようだ。この大規模なセキュリティー上の失態によりハッカーは生のパスワード情報を入手し、パスワードをハッキングする能力を大きく向上させたと見られている。

今回のザッカーバーグのアカウントのハッキングがLinkedInから流出したメール、パスワードのデータと関連しているかどうかは明らかではない。しかし、タイミングを考えると、またハッカーグループが乗っ取ったザッカーバーグのTwitterアカウントからのメッセージでLinkedInからのリークについて触れているところからも何らかの関係があることは考えられる。メッセージはこうだ。:“Hey @finkd [Zuckerberg’s Twitter account name], you were in Linkedin Database”〔おい、(ザッカーバーグのTwitteアカウント名)〕、お前はLinkedinのデータベースにあったぞ〕

ハッカーはまたザッカーバーグのLinkedInのパスワードだと主張するものも投稿していた。

ザッカーバーグはメールのパスワードと他のいくつかのソーシャル・ネットワークのパスワードを共有していたのかもしれない。複数のアカウントが同時に乗っ取られたのはそのためだととも考えられる。パスワードの使い回しは、新しいSNSに登録を求められる際に平均的なユーザーが陥りがちなセキュリティー上のエラーだが、世界最大のNSNのファウンダー、CEOもこの罠にかかっていたとするなら驚きだ。ただしザッカーバーグがハックされたのは利用頻度の低いアカウントのようだった。

Facebookの広報担当はこの件に関してコメントすることを避けた。

先月末、Twitter最大のフォロワーを誇るケイティー・ペリーのアカウントが乗っ取られてファンに衝撃を与えたばかりだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookはモバイルウェブからメッセージ機能を削除して、Messengerを押しつけようとしている

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Facebookは、モバイルウェブサイトからメッセージング機能を削除しようとしていることが、ユーザー向けの警告メッセージでわかった。「あなたの会話はMessengerに移動されます」と書かれている。そもそもMessengerがイヤでウェブアプリに切り替えた私のような人々数百万人にとっては願ってもない迷惑な話だ。

現時点では、警告を無視してそのまま使うことができる。しかしこの夏には、警告が貫通不可能な壁に変わり、唯一の選択肢は公式Messengerアプリをダウンロードすることだけになる。

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私は少々心配している。なぜなら、モバイルサイトを使う多くの人たちには、アプリをダウンロードしない正当な理由があるからだ。公式クライントアプリを持っていない人や、OSを最新バージョンにアップグレードできない人は、ウェブ経由でアクセスする必要がある。

そして実際私にとって、これはかなり敵対的なやり方に感じる。以前メインアプリからメッセージ機能を取り去った時と同じだ。もしこの会社の全員がマントラのように、世界をつなぎたいと唱え続けているのなら、アクセス方法の多様性もそこに含まれるべきではないだろうか。

いつもFacebook広報から聞かされている言い訳。会社は可能な限り最高のメッセージ体験を提供したく、Messengerアプリは彼らがそれを提供するために選択したプラットフォームである ― よって混乱を避けるために全員をそこに集結させる(アップデート:実際その通りの声明を受け取った。「最高の体験」とまで言っていた)。

そんなたわ言を真に受ける人など一人もいないだろう。Messengerのように強力なプラットフォームを飾り立て、機能を充実させ、そしてもちろん、収益化するのが簡単なことは誰にでもわかる。一方テキストベースのチャットで、それはほぼ不可能だ。

言い換えれば、あるサービスはユーザーに有用な価値を提供するが、Facebookには価値を提供しない。そんなサービスはいらない!

デスクトップとモバイルではFacebook体験自体が大きく異なる ― それは問題ない。投稿の見え方が違っても、操作方法が違っても、一部の機能かなかったり使いにくかったりしても構わない。メッセージングについてもそうあるべきだ。ただのテキストチャットだけ使わせてくれればいい。ユーザーはそれで感謝するし、Messengerの成長を邪魔することもない。

もちろんMessengerを大きく宣伝すればいいし、テキストベースでは一部のコンテンツが使えないことも言えばいい。Messengerは機能満載だ。ビデオも、スタンプも、そうチャットボットだって使える。しかし、切り替える決断をするのはユーザーであるべきだ。その権利を奪うことは、Facebookが注意深く守るべき信頼を損うことになる。

この際もう一つ言っておきたい。Facebook Liteをダウンロードさせてほしい(ちなみにメッセージングはまだ可能)。いまいましい地域制限をなくすべきだ。ユーザーの中には機能の低い端末を持っている人もいて、彼らは公式アプリと呼ばれる大食らいアプリのペアを走らせたくない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramの新アルゴリズムがライブに―いちばん興味を引く写真をトップに表示

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今日(米国時間6/3)、Instagramを開いたユーザーはいつもと違っていることに気づいたかもしれない。昔からフォローしている相手や親しい友だちの投稿が、それよりも新しい他の投稿を押さえてトップに表示されているはずだ。「ベストの写真を最初に表示する」というInstagramの新アルゴリズムがいよいよライブになった

TechCrunchでは以前からInstagramが表示順を変えようとしていること報じてきた。

3月に Instagramはそれまでの「厳密に投稿時刻の逆順(一番新しい投稿がトップ)」というアルゴリズムを捨てることを発表した。新しいアルゴリズムは「ユーザーと投稿者との関係や投稿のタイムリーさなどを考慮し、ユーザーがコンテンツを気に入る可能性の高さの順」となるとIInstagramは説明した。

この考え方がInstagramの親会社であるFacebookのニュースフィードの表示アルゴリズム」に似ていると考えるなら、それは正しい。だいぶ以前からFacebookは人々がいちばん見たがる投稿は必ずしも最新の投稿ではないことに気づいていた。ある投稿にどれほどの関心が寄せられるかは、それぞれのユーザーの状況によって異なる。

一方、どんな熱心なファンでも1日24時間サイトにへばりついているわけではない―睡眠時間も必要だ。そういうわけでわれわれは親しい友だちの投稿や重要なニュースに関する投稿を見逃しがちになる。海外旅行などで異なる時間帯にいる場合は特にこの傾向が強くなる。

Instagramが木曜日に発表した短い記事によれば、ユーザーは平均してフィードの70%を見ていないという。Instagramは今や月間ユーザー4億人の巨大サービスに成長した。それに伴って投稿される写真やビデオの数も増加しつづけている。そこでさらなる効率化のためにアルゴリズムのアップデートが必要になったわけだ。

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Instagramがアルゴリズムの変更を行うことを発表した当初、当然ながらInstagramのプロ・ユーザーやブランドの間には強い懸念が広がった。投稿が以前ほど頻繁にユーザーの目に触れなくなることを恐れて、通知機能を利用するようユーザーに頼むブランドも多かった。

ある意味でこの不安は正しいといえる。もしユーザーがブランドの投稿に興味を示さず、ほとんど見ていなかったとすれば、今後の投稿はフィードのはるか下の方に埋められてしまう。

しかしこれは同時に Instagramの広告ビジネスに好影響を与えるはずだ。

今週Instagramはまさにこの問題を解決するためのビジネス向けの新しいツールを発表した。どんぴしゃのタイミングだ。

このInsightsツールを使うことにより、ブランドはユーザーの性別、年齢、居住地などの人口動態情報や主としてアクセスする時間などのエンゲージメント情報を分析できる。ある投稿の人気が高いと判明すれば、ブランドはアプリ内で数回タップするだけで投稿をInstagram広告に変換することもできる。

すでに報じたとおり、新ツールは数ヶ月以内にまずアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに導入され、今年一杯かけて世界各地に順次展開されるという。

ユーザー向けの新しいアルゴリズムはすでに導入が開始されている。もし読者のInstagramがまだ新しいアルゴリズムを採用していなくても、すぐにそちらに移行することになるだろう。「すぐ」というのはいつ頃かという疑問が生じるが、Instagramの広報によれば、世界のユーザーへのアップデートが完了するには「数ヶ月かか」るという。

〔日本版〕記事中にも既報へのリンクがあるが、Instagramのビジネス向けツールについては6月1日のTechCrunch Japanの翻訳記事を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、Twitter、YouTube、Microsoftの4社が、EU全体でのヘイトスピーチ排除に合意

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Facebook、Twitter、GoogleのYouTube、Microsoft、および欧州委員会(EC)は、新たな行動規範公表し、当該ソーシャルメディアプラットフォーム上では、同委員会ガイドラインに沿ってヘイトスピーチを24時間以内に削除することを定めた。EUは、最近ブリュッセルとパリで起きたテロ攻撃を受け、この行動規範への取り組みを急いでいた。

ISISは、ここ数年ソーシャルメディアを利用した兵士の採用に成功している。それに加え、ヨーロッパの経済不況によって極右党が勢いを増し、ネット上のユダヤ人差別や外国人嫌悪を助長している。

IT企業は、おそらくヘイトスピーチの責任を負いたくはなく、強くヘイトスピーチに反対する立場を取っている。多くのソーシャルネットワークが表現の自由を謳い、これまでコンテンツやアカウンとの削除を拒んできたことを踏まえると、驚きではある。

しかしそれは、ゆっくりだが着実に変化していた。すでにTwitterは2015年中頃以来、12万5000のISIS関連アカウントを停止している。 Facebookは、2015年9月に、ドイツ政府と反ヘイトスピーチで合意している。GoogleとTwitterも2015年12月に、Facebookとドイツ政府に仲間入りした。そしてこのたびIT企業4社は、ヨーロッパ全体を通じて反ヘイトスピーチを正式に誓約する。

「最近のテロ攻撃は、違法なオンラインヘイトスピーチへの早急な対応の必要性を喚起した」と、EUの司法、消費者および性平等担当委員、Vĕra Jourováは、欧州委員会のプレスリリースに書いた。「残念ながら、ソーシャルメディアはテロリストグループが若者たちを過激化させ、人種差別者が暴力と憎悪をまきしらす道具として使われている。この協定は、インターネットがヨーロッパの価値と法を尊重し、自由で民主的表現の場であり続けるための重要な一歩である」

IT企業は、表現の自由と嫌悪なコンテンツの適切なバランスを見つけなくてはならないだろう。行動規約に基づき、各社は問題ある記事を検閲する専門チームを持つことになる(毎日ひどい記事を見なくてはならない社員たちは気の毒)。

テクノロジー企業はさらにユーザーを教育して、憎悪に満ちたコンテンツの投稿が禁止されていることを伝える必要がある。各会は協力して最善の行動を共有する。彼らは意意あるコンテンツを検閲すると共に、悪意ある表現に対抗する反論スピーチも広めていく。

この問題が表面化し、欧州委員会がこれほど早くに行動規範を定めるに到ったことは喜ばしい。IT各社が欧州諸国と個別にやりとりする代わりに、EU全体の規則に合意することができる。

同時に、IT企業がこの種の繊細な問題に協力して取り組んでいることも心強い。これは良い出発点であり、将来新たなソーシャルプラットフォームが出来たときには、この行動規範に同調することを願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagram、近くビジネス向けにアプリ内広告ツールをリリース―投稿がその場で広告になる

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今朝(米国時間5/31)、Instagramはビジネス・ユーザー向けツールをリリースすることを公式発表した。これには新しいフォーマットのビジネス・プロフィール、アナリティクス、そしてInstagramアプリ内からの投稿をそのまま広告にする機能などが含まれる。

今回のローンチについてはしばらく前から情報が流れていた。全般的にみて新しいプロフィールアナリティクスを通して得られるユーザー情報などに関する事前の情報は正しかったようだ。

Instagramではツールの正式公開前に何百社ものベータテスターから広告プラットフォームに関するフィードバックを得ていた。ビジネス・オーナーからの各種の要望が新しいプロフィールやInsightsと呼ばれるアナリティクスになったものだろう。

Instagramのビジネスとブランド開発のグローバル責任者、James Quarlesは、今回のビジネス・ツール発表の背景をこう説明する。「われわれの広告のアクティブ・ユーザーは20万に成長した。その大部分はスモール・ビジネスや中規模のビジネスだ。それに加えて、Instagramのユーザーの50%はなんらかのビジネスをフォローしている。60%のユーザーはプロダクトやサービスに関してInstagramで情報を得ている」

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われわれが以前報じたとおり、ビジネス・オーナーは新しいプロフィールにアップグレードすると拡張されたビジネス・ツールを利用することができるようになる。これには消費者がビジネスに電話、メール、メッセージで問い合わせできる能力、所在地が簡単に分かるナビゲーション付の地図などが含まれる。

ただしInstagramaのユーザーが誰でもこの機能を使えるわけではない。すでにFacebookページを開設しているビジネス・オーナーだけが、このページをInstagramのビジネス・アカウントに変換することができる。

「この方法ならば、Instagramのアカウントを作成する際にわれわれはユーザーの身元や支払情報に関する情報を得ている。またユーザーが望む場合はFacebookページのビジネス名、住所、電話番号、ウェブサイトのURLなどを再入力せずに利用できる」とQuarlesは説明する。

さらにこの方式であればビジネスを運営していないにも関わらず、Instagramを利用して売名行為に走る困り者を排除できる。こういしたユーザーはInsights(アナリティクス)のようなInstagramのすぐれた新機能を利用できない。ただし機能の詳細は利用コミュニティーの拡大とともに多少変更される可能性がある。

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Insightsを利用するとビジネス・オーナーは投稿した広告のパフォーマンスを調べられるだけでなく、顧客の人口動態統計もモニターできる。既報のとおり、このツールでは閲覧者属性、閲覧者数、インプレッション数、エンゲージメント数などが分かる。またフォロワーの性別、年齢、居住地域に関する統計も表示される。

Insightsはモバイル第一主義でデザインされている。つまり大企業の場合、担当者が出先から手軽に利用できること、スモール・ビジネスの場合はモバイル・デバイスがInstagramの主要な利用手段になるということなどを念頭に置いている。

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また今回、Instagramは手軽なモバイル広告作成手段の提供を始めた。ユーザーは投稿のアナリティクスを調べ、人気の高い投稿をアプリ内から広告に変換できる。アプリはまたオーディエンスの反応と広告予算をベースに適切な広告方法を提案する。ビジネス・オーナーはこうした機能の数回のタップで利用できる。ただしFacebookが提供する本格的な広告ツールであるAds ManagerPower Editorと比較するとアプリからの出稿には機能面でやや制限がある。

たとえばFacebookのデスクトップの広告ツールの場合、ユーザーはターゲットとなるユーザーを指定するためにメールアドレスのリストを送信したり、ランディングページでFacebook Pixelなどの高度なトラッキング機能が利用できた。Instagramのアプリ内広告ツールはこうした機能が省かれているかわりに使い勝手とスピードとが大きく改善されている。

ただし、InstagramがFacebookグループの一員であるというメリットをフルに利用するためには、豊富なk情報が得られるFacebookのデスクトップ広告ツールを併用するのが効果的だろう。【略】

Instagramの新しいビジネス・プロフィールはこの数ヶ月以内にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで公開される。年末までには全世界で利用可能になるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+