アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

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アップルは新型コロナや誤報に関するガイドラインに違反したとして、反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除しました。このアプリは「医療の自主性と言論の自由を支持する、志を同じくする人々」のための場所と自称しており、記事執筆時点ではAndroid版は今なおGoogle Playで公開されています。

Bloomberg報道によると、このUnjectedアプリは5月にサービスを開始したもの。ユーザーはプロフィールの作成や他の人とのマッチング、メッセージのやり取りなどを行うことができたと説明されています。

本アプリは基本的には反ワクチン主義者のための出会い系サービスであり、その公開は偶然にもTinderやBumbleといったマッチングアプリが新型コロナワクチン接種をユーザーに勧める特典を追加した時期と重なっており、そのため「アンチワクチン主義者向けのTinder」と呼ばれていたそうです。

また最近UnjectedはFacebookやTwitterのようなソーシャルフィードを追加したところ、これが(Android版では)Google Playによる審査のきっかけとなり、ユーザーが投稿した誤報を含むコンテンツを十分に取り締まっていないと判明したとのことです。GoogleはUnjected社へのメールで、ワクチンが「実験的なmRNA遺伝子改変剤」や「生物兵器」だという主張、人々を5Gネットワークに接続する「ナノテクノロジーマイクロチップ」などの投稿にフラグを立てた(規約違反と判断した)と伝えられています。

そして7月16日、GoogleはUnjected社に対して、それら投稿を削除するか、あるいはアプリをストアから削除されるかを選ぶ2週間の猶予を与えることに。それを受けてUnjectedの共同創設者シェルビー・トムソン氏は「私たちは検閲の綱渡りをしなければなりませんでした」と語りつつ、最終的にはソーシャルフィードを削除しています。

しかしトムソン氏は、フラグが立てられた投稿とともにソーシャルフィードを復活させる予定であり「レーダーに探知されないようにしたい」と語っており、反ワクチン活動を諦めるつもりはなさそうです。

一方、iOS版のUnjectedアプリは最近までApp Storeで配信されており、この件につきBloombergがアップルにコメントを求めたところ、削除されたとのことです。アップルはUnjectedの開発者に、削除理由を「コンセプトやテーマにおいて、COVID-19感染拡大に言及していることが不適切である」と伝えたそうです。

アップルの広報担当者いわく、最初の審査プロセスではUnjectedを拒否し、新型コロナ関連アプリのポリシーに準拠するよう変更した後にアプリを承認したとのことです。が、それ以降「開発者がユーザーに対して対外的に発言したり、アプリを更新しましたが、その結果、再びコンプライアンスから外れることになりました」と述べられています。

さらにアップル広報は、Unjected社がユーザーに対して、検出を避けるために特定の言葉を使わないように勧めていたとも付け加えました。こうした行いは、App Store Reviewガイドラインにある「システムに対して不正を働こうとした場合は(中略)そのデベロッパのAppはApp Storeから削除されます」の箇所に抵触するというわけです。それらアップルの回答は、米Engadgetも確認しています。

新型コロナのワクチン接種に反対する人々は世界各地でデモを起こすなど、少なからず社会問題となっています。すべての人々がどのように考え、どういった思想を持つことも自由ですが、あくまで正しい知識に基づいて行動し、誤った情報を拡散しないよう心がけたいところです。

(Source:Bloomberg。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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第2四半期のChromebook出荷数は前年同期比75%の増加

2021年第1四半期にChromebookの売上台数は前年同期比275%増の1200万台となった。調査会社Canalysの最新の調査によると、第2四半期はそこまで大きな数字ではないが、それでも前年同期比75%の成長で1190万台を出荷した。

コロナ禍でPC市場全体が成長する中、Chromebookはこの市場の一角を占めるようになってきた。消費者が緊急に在宅勤務の体制を整えなくてはならない状況で一般的なタブレットやPCが堅調に成長する一方、GoogleのOSは学校がリモート学習を始めたことからさらに大きく伸びている。

コロナ禍の発生から1年以上経って多くの学校が再開しているが、Chromebookの売上の伸びは依然として目覚ましい。GoogleはこのOSを教育分野にとどめずさらに範囲を広げて、この成長を足がかりにしようとしていると見られる。

Googleは間違いなくエンタープライズ分野に注目している。デプロイもロックダウンも簡単なシステムはエンタープライズから歓迎されるだろう。

画像クレジット:Canalys

CanalysのBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は発表の中で「Chromeが教育分野で比較的堅調を維持し、2021年にGoogleは商用分野に大きく乗り出しています。Google Workspaceの『個人用』サブスクリプションや、古いPCを転用して既存のChromebookと共存させるCloudReadyライセンスのプロモーションといった新たなサービスで、スモールビジネス対策を強化していると見られます」と述べた。

AppleもM1ベースのシステムを複数発売してからはビジネス分野に力を入れている。同社は最近、新しいApple at Workのサイトを公開した。

Appleは企業向けITの取り組みについてサイトに次のように書いている。「組織でお使いのデバイスが10台でも1万台でも、Appleは既存のインフラと簡単に統合できます。IT部門はゼロタッチ導入によってリモートで構成と管理を行い、あらゆるチームに合わせて設定プロセスを調整できるので、すべてのMac、iPad、iPhone、Apple TVを、すぐに使い始めることができます」。

2021年後半にはWindows 11が登場し、Microsoftはリモートなども含めた職場での優位性を維持するために独自の主張をしていくはずだ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)

フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け

Google(グーグル)のSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは、米国時間7月28日、同社が従業員に対し、現場で仕事に復帰する前にワクチン接種を義務付けることを発表した

このことは、GoogleおよびAlphabet(アルファベット)のスタッフに送られた手紙に書かれており、新型コロナウイルスのデルタ変異型が世界的に流行し続けていることから、同社が在宅勤務ポリシーを10月18日まで延長することにも言及している。

また、Facebook(フェイスブック)のVPであるLori Goler(ローリー・ゴーラー)氏は、TechCrunchへ送られたメッセージの中で、このソーシャルメディアの巨大企業が同様のポリシーを採用していることを認めた。

「オフィスの再開にともない、米国内のすべてのキャンパスに出勤する人には、全員にワクチン接種をお願いする予定です」と、ゴーラー氏は書いている。「このポリシーをどのように実行するかは、地域の状況や規制によって異なります。医療上の理由やその他の理由で予防接種を受けられない人々にはプロセスを用意し、状況の進展に応じてそれ以外の地域でアプローチを評価していく予定です。当社は引き続き専門家と協力して、すべての人の健康と安全を優先したオフィス復帰計画を立てていきます」。

この声明と同様の同様の文言で、ピチャイ氏が書いた長文の手紙にも「医療上またはその他の保護された理由で」という例外を分けている。Facebookでは当初、9月に半数、10月までに全員の職場復帰が計画されていたが、ゴーラー氏のコメントには、この復帰時期の変更については示されていない。

先週、同社の広報担当者は、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙に「専門家のガイドラインでは、デルタ変異を含む新型コロナウイルスの変異種の予防にはワクチンが非常に有効であるとされています。オフィス再開までのスケジュールに変更はありません」とコメントしている。

両社の声明とも、地域や州の規制、医学的または個人的な懸念、そしておそらくは地域によって大きく異なるワクチンへのアクセスなどに基づき、会社の方針にある程度の幅を持たせている。

また、Amazon(アマゾン)もTechCrunchの問い合わせに対し「アマゾンの従業員や契約社員には、新型コロナウイルスワクチンが入手可能になり次第、ワクチンを接種することを強く勧めます」と回答している。

同社の現在のガイドラインでは、オフィスに戻るためにワクチン接種が必要というわけではないようだが、ワクチンを接種していない従業員にはマスクの着用が義務付けられている。ワクチン接種を完了したことが証明されている人は、顔を覆うことは任意となっている。

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ユーザーのプライバシーを護るGoogle Play「セーフティセクション」の詳細をグーグルが発表

Apple(アップル)はプライバシーの保護に関してApp Tracking TransparencyApp Storeのプライバシーラベルなどの企画でこのところ前進しているが、最近はGoogleも、Google Playに新たな「セーフティセクション」を導入する計画を発表している。それは、アプリが集めて共有するデータや、その他のセキュリティとプライバシーに関する情報をユーザーに提供することが目的だ。米国時間7月28日、同社は初めてこの新しいセクションのユーザーインタフェイスや、開発者への要求などを明らかにした。

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Googleは2021年5月に、セーフティセクションはアプリがデータをどのように取り扱うかをユーザーに伝え、ユーザーが情報に基づく選択をできるようにすると説明した。それによるとアプリの開発者は、データの暗号化などのセキュリティ実践をアプリが使っているか、子どもを対象とするGoogle Playのファミリーポリシーに従っているか、データの共有に関してユーザーが選択できるか、アプリのセーフティセクションをサードパーティが検査しているか、アプリはアンインストールのときユーザーにデータ削除のリクエストを認めているかといった事項を開示しなければならない。

Googleが本日発表したユーザーインタフェイスのコンセプトでは、これらのプライバシー保護機能がユーザーにはどのように見えるかを、開発者が知りうるものでなければならない。

画像クレジット:Google

セーフティセクションでは、アプリが収集しているデータに関する開発者からの詳細情報をユーザーが見られるものでなければならない。それぞれの詳細情報は、独自のアイコンによって所在を明らかにしなければならない。

要約部分をユーザーがタップすると、場所や連絡先、名前やメールアドレスなどの個人情報、経済情報といった収集、共有されているデータに関するその他の詳細を見ることができる。

また、それらのデータの使われ方もユーザーに開示される。アプリの機能性向上のため、やパーソナライズのためなどだ。そしてデータの収集は、ユーザーに決定および承認権のある選択事項でなければならない。

画像クレジット:Google

Googleによると、Play Storeのこれらの変更に対応するために開発者には十分な時間を与えたかったので、今やっと、データタイプの定義やユーザーインタフェイス、そして新しい機能に関するポリシーの要件などの情報を、共有できるようになった。

それによると、すべての開発者が2022年4月までにプライバシーポリシーを提供しなければならない。これまでは、個人的あるいは機密性のあるユーザー情報を集めるアプリのみが、それを要請されてきた。開発者はまた、自分のセーフティセクションにあるすべてのデータに関して、そのデータをアプリのサードパーティライブラリやSDKがどのように使っているかなどに関する正確で完全な情報を共有しなければならない。これは、Appleがアプリに対して要求している情報と整合している。

画像クレジット:Google

開発者は、Google Playに自分のセーフティセクションをローンチする2022年の第1四半期になる前に、2021年10月には自分の情報をGoogle Play Consoleで開示し、レビュー可能にしなければならない。

Googleによると、セーフティセクションのローンチと、それをGoogleが承認するまでには若干の猶予期間を設ける。ただし承認の最終締め切りは2022年の第2四半期であり、それが守られなければアプリの提出やアップデートが拒否されるリスクをともなう。そしてアプリが承認されたセーフティセクションを提供できなければ、そのアプリは「No information available」(情報がありません)と表示することになる。

この変更はGoogle Play上に存在する活動中のデベロッパーの数を明らかにするだろう。なぜなら、そんなデベロッパーは必ず新しいポリシーを採用し、アプリが集めて使用するデータに関する正直な情報を開示するはずだからだ。

残る問題は、Googleがこの新しいガイドラインを、どのように、そしてどの程度強制するのか、個々のアプリをどこまで細心に検査するのかという点だ。しかしGoogleの態度がどうであれ、良心的なデベロッパーは自分のセーフティセクションをサードパーティのレビューに対してオープンにし、ユーザーにはアプリのデータプライバシーとセキュリティに関して前向きの宣伝ができるようになる。

それを考えれば、このようなセーフティセクションは実効がないとする批判をかわせるだろう。それはAppleにとってもApp Storeのプライバシーラベルのローンチ以来の問題であり、The Washington Postの記事によれば、虚偽の情報を表示しているアプリがとても多くて、データを保護したいと真剣に願うユーザーの役に立っていない、というのだ。

このセーフティセクションの、サードパーティによる検査についてGoogleに問い合わせたが、それに関する詳しい情報はまだ得られていない。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルが米社員に新型コロナワクチン接種を義務付け、オフィス勤務再開は延期

リモートワーク向けのツールを作り出したテック企業にとっても、オフィスでの業務再開は大きなチャレンジだ。Google(グーグル)のような企業は、2020年3月にいち早く在宅勤務を推奨したのちにオフィスを閉鎖し、自宅から仕事するよう求めた。(世界の大半とともに)バランスを取ることをともなった日々だったが、同社は2020年5月に一部の従業員向けにオフィス勤務再開計画の作成を開始した。

デルタ株や他の新型コロナウイルス変異株が予定していた正常復帰を脅かす中で、AlphabetのCEOであるSundar Pichai (サンダー・ピチャイ)氏は同社のニューノーマルについて明らかな見解を示した。Google Keywordブログにも掲載された従業員に宛てたレターの中で、ピチャイ氏はGoogleの社屋で働く従業員はワクチンを接種する必要がある、と述べている。

「数週間内に米国でこの規則を導入し、今後数カ月で他の地域にも拡大します」とピチャイ氏は述べた。「導入は地域の状況と規則によって異なり、ワクチンがその地域で広く利用できるようになるまでは規則は適用されません」。

問題を複雑にしているのは2番目のポイントだ。デルタ株の流行により同社の在宅勤務は10月18日まで延長された一方で、その日以降ワクチンを接種していない従業員がどうなるのかについてはまだ完全に明らかではない(新型コロナによるさらなる在宅勤務措置の延長はないと仮定して)。ワクチンを接種していない人はGoogleのオフィスやリモートで働くことができないかもしれない。

しかしピチャイ氏のレターは「健康上の理由、その他考慮すべき理由」があるワクチン未接種者向けの特例に言及している。Googleはそうした特例を何に適用するのかについて明確にしていない。

「特異な状況にある人のために、2021年末まで自宅から働くことを申し込める、拡大した一時的な労働オプションを間もなく共有します」とピチャイ氏は書いている。「また、育児や介護をしている人のためにExpanded Carer’s Leave(育児・介護者の一時休職)を年末まで延長します」。

Apple(アップル)などの他のテック大企業もまた、新型コロナ感染の高まりを受けて規制が導入される中で、オフィスに戻る計画を後ろ倒しにし、小売店舗でのマスク着用を義務付けた。Facebook(フェイスブック)を含む他の企業は元々決めていた秋再開の計画を維持している。

「専門家のガイドラインには、デルタ株を含む新型コロナ変異株の予防にワクチンが極めて効果的であると書かれています」とソーシャルメディア大企業Facebookの広報担当はつい最近ウォールストリートジャーナル紙に述べた。「オフィスを再開するという我々のタイムラインに変更はありません」。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Alphabetが第2四半期決算で予測超え、Google Cloudが売上54%増で損出減少

主要テクノロジー企業の決算報告が相次ぐ中、Alphabet(アルファベット)は米国時間7月28日株式市場終了後に第2四半期決算を発表した。検索・サービスの巨人は、2021年6月30日締め四半期に619億ドルの売上を計上し、純利益は185億ドル(約2兆300億円)、1株当たり利益は27.26ドルだった。売上は62%増、純利益は166%増だった。もちろんこれはパンデミックに影響された2020年第4四半期との比較だが、それでもこの成長は注目に値する。

Androidメーカーの結果は、予想を打ち砕いた。ウォール街はGoogle(グーグル)の親会社の売上を560億ドル(約6兆1500億円)、1株当り利益を19.14ドルと予測していた。しかし時間外取引でのAlphabet株の値上がりは1桁パーセント前後であり、Microsoft(マイクロソフト)の公式予想売上を上回る結果に対する市場の静かな反応と似ている。

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Alphabetはいくつか変動要素を持つ会社なので、もう少し数字を分解してみよう。

YouTubeの売上70億ドル(約7700億円)は対前年比84%増だ。これはYouTubeの年齢を踏まえると率直にいって好調な結果だ。それでも、ライバルサービスに食われるまでにどれほど多くの広告をYouTubeに載せられるのかは気になるところだ。別の報告でYouTubeは、YouTube Shorts(ユーチューブ・ショート)が「日間グローバルビューが150億回を超えた」ことを発表した。2021年3月に詳しく伝えられた日間ビュー65億回の131%増だ(誰もがTikTokを食べたがっているらしい)。

Google Cloud(グーグル・クラウド)の売上は46億ドル(約5050億円)、対前年比54%増だった。この成長率はMicrosoftが同社のクラウド製品であるAzure(アジュール)について報告した数字よりわずかに大きい。しかし、Microsoftの売上規模はGoogleよりも大きいと考えられているため、投資家はAlphabetの報告よりも大きい成長率を期待していたのかもしれない。Google Cloudは営業損失を1年前の第2四半期の14億ドル(約1540億円)から、今四半期の5億9100万ドル(約650億円)へと縮小した。これは素直に良い結果だ。

Other Bets(その他の投資)部門では売上が上昇した!ただし損失も。Alphabetのskunkworks(最先端技術開発)グループは売上1億9200万ドル(約210億円)を計上し、1年前の1億4800万ドル(約160億円)を上回った。しかし、さまざまな試行錯誤は四半期で14億ドルを失い、前年同期の11億ドル(約1210億円)より悪化した。

営業利益194億ドル(約2兆1300億円)には、Other Betsコストセンターが「含まれている」ため、Alphabetは将来の形ある売上につながるプロジェクトに余裕をもって投資し続けることができる。

しかし、AlphabetのGoogle主要サービス(検索、YouTubeなど)以外のすべての部分が同四半期で損を出している。

>画像クレジット:Alphabet

しかし、真実はAlphabetが報告した2020年第2四半期から2021年第2四半期にかけての壮大な営業利益増だ。営業利益の加速ぶりを見て欲しい!これは少々混乱させるわかりにくい内容だ。

その他の注目ポイント。Googleの株式再購入プログラムは一部変更されたが、一般投資家に影響を与えるものではない。というわけでAlphabetの決算報告記事は、今のところ時間外取引で株価を上げることはできていないが、1兆7500億ドル(約192兆1500億円)を超える時価総額を守るのに十分な好成績だった、としておこう。

巨大テック企業にとってすばらしい時だ。

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カテゴリー:ネットサービス
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画像クレジット:Michael Short/Bloomberg / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

さらに成長するインドのeコマースを動画やクリエイターの力でサポートするSimsimをYouTubeが買収

米国時間7月20日、GoogleがオーナーであるYouTubeは、ソーシャルコマースのスタートアップSimsimの買収を発表した。両社は買収の価額などを公表していないが、情報筋によると、買収に際してSimsimの評価額は7000万ドル(約77億円)ほどだった。

創業2年のSimsimは、本日の発表前までにおよそ1700万ドル(約18億7000万円)を調達し、2020年のシリーズBでは5010万ドル(約55億円)と評価されていた。

グルガオンに本社のある同社は、インドの小企業が、ビデオやクリエイターの力を活用してeコマースに移行する努力をサポートしている。その社名と同名のアプリは、プラットフォームとして各地の小企業や店舗、インフルエンサーと顧客を結びつける。

Simsimを初期から支援しているGood CapitalのRohan Malhotra(ロハン・マルホートラ)氏によると「特定のオーディエンスに的を絞って成長し、楽しい体験を提供して常連客になってもらい、信頼を築いて高額商品を買わせ、メッセージングを個人化してコンバージョンを促進するには、マイクロインフルエンサーの利用が最も効果的です。消費者対象のソーシャルプラットフォーム(Facebook、YouTube、Instagramなど)のような、広告を収益源とする経営がインドでは成り立ちにくいため、どうしても商取引を統合したプラットフォームになりがちです。インドで新たにインターネットユーザーになる人たちは、売り手が主導する対話的な体験を必要とし、この市場の慣行であるオフラインのコマースのネット版を求めることになります」という。

マルホートラ氏も買収の価額などは明かさず、またSimsimのCEOも米国時間7月19日に提出した買収に関する質問には応じなかった。

しかしSimsimの共同創業者であるAmit Bagaria(アミット・バガリア)氏とKunal Suri(クナル・スリ)氏、そしてSaurabh Vashishtha(サウラブ・ヴァシシュタ)氏は、共同声明で次のように述べている。「Simsimを始めたときのミッションは、インド中のユーザーがオンラインで簡単に買い物できるようにすることでした。そのためには、信頼されているインフルエンサーが作ったコンテンツのパワーにより、売り手やブランドが商品を展示し販売できなければなりません。今回、YouTubeとGoogleのエコシステムの一員になったことにより、Simsimのミッションをさらに強力に推進できます」。なお、バガリア氏とヴァシシュタ氏は以前、Paytmに在籍していた。

彼らによると「今後のSimsimを作っていく上で、技術や顧客へのリーチ、クリエイターのネットワーク、そして企業文化において、ここにまさるエコシステムは他にありません。YouTubeの一員になることが待ち遠しいし、世界で最も賞賛されているテクノロジー企業の中でSimsimを開発し続けていけるのは本当にうれしいことです」という。

YouTubeにとっては、このビデオストリーミングの巨人がインドの小企業と小売業を助けていくことにより、従来よりも強力な方法で新たな顧客にリーチできる。YouTubeのアジア太平洋担当副社長Gautam Anand(ゴータム・アナンド)氏が、ブログでそう述べている。

このビデオストリーミングサービスは、インドだけでも月間アクティブユーザーが4億5000万を超えるが、さしあたってSimsimを変える意図はなく、Simsimのアプリがそのまま使える状態を続ける。そしてアナンド氏によると「YouTubeのビューワーにSimsimをどのように見せていくか、そのやり方を検討したい」とのこと。

以前から、Googleはさまざまな形でインドに地歩を築く努力を続けているが、7月20日の発表はその最新の動きだ。これを含めてGoogleのインドへの投資は、向こう2年間で100億ドル(約1兆1000億円)に達する。Googleは他にも、インドのスタートアップGlanceとDailyHuntを支援しており、いずれもショートビデオのアプリだ。

「YouTubeには2500を超えるクリエイターがおり、サブスクライバーは100万を超えています。また、インドで最初にローンチしたYouTube Shortsの成功により、私たちはYouTubeの最良の部分をインドに持ち込むことにコミットしており、新世代のモバイルファーストのクリエイターたちがスタートしやすい環境を作って、クリエイターのコミュニティを大きくしていきたい」とアナンド氏はいう。

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画像クレジット:Simsim/YouTube

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

YouTubeの動画レコメンドAIは依然として悪行を重ねていることが大規模調査で判明

YouTubeの動画推薦アルゴリズムは長年、さまざまな社会悪を煽ってきたとして非難されてきた。YouTubeには、AIで増幅されたヘイトスピーチ、過激な政治思想、そして同社の広告インベントリに数十億人の目を釘付けにして荒稼ぎするための策略やデマの類があふれている。

YouTubeの親会社であるGoogle(グーグル)は、YouTubeのアルゴリズムが反社会的な動画を推薦していることをめぐって、ひどくなる一方の非難に対して時折対応策を講じているものの(いくつかのポリシー変更憎しみに満ちたアカウトの制限や削除など)、ひどく不健全なクリックベイトを表示するYouTubeの傾向がどの程度復活しているのかは不明だ。

だが、そうした傾向が復活している疑いは限りなく強い。

Mozilla(モジラ)によって公開された新しい調査も同じ考えを支持している。YouTubeのAIによって「他人の不幸を利用して利益を得る」、低級で、争いの種になる、偽情報の動画コンテツが増え続けている。人々の怒りに火をつけ、分裂や分断を縫い合わせ、根拠のない有害な偽情報を拡散するといった行為によって人の目を引く類の動画だ。これらは、悪質な動画を推薦するYouTubeの問題が同社の体質的なものであることを暗示している。つまり、動画の再生回数を増やして広告の表示回数を稼ぐ同社の強欲さの副作用だ。

YouTubeのAIは依然としてひどい行為をしているというモジラの調査結果は、グーグルが少なくとも表面的には改善を行っていると主張することでうまく批判を和らげていることを示唆している。

このようにYouTubeの戦略が曲がりなりにも成功しているのは、推薦エンジンのアルゴリズムの仕組み(と関連付けられたデータ)を世間の目と外部の監視から隠す主要な保護メカニズムが「経営上の機密事項」という都合の良い隠れ蓑によって機能しているためと思われる。

しかし、このYouTube独自のAIブラックボックスをこじ開ける可能性のある規制が、少なくとも欧州では、採択されそうだ。

YouTubeのアルゴリズムを修正するために、モジラは「常識的な透明性を規定した法律、監視の強化、消費者による圧力」を求めており、YouTube AIの過剰機能による最悪の事態を抑制するために、AIシステムに透明性を強制的に導入し、独立した研究者を保護してアルゴリズムによる影響を調査できるようにし、堅牢な制御権(「パーソナライズ」された推薦をオフにする権利など)をYouTubeのユーザーに付与するといったさまざまな法律の組み合わせが必要になることを示唆している。

YouTubeユーザーが観たことを後悔する残念な動画

YouTubeユーザーに対して行われている具体的な推薦に関するデータ(グーグルはこのデータを外部の研究者に対して定期的に公開していない)を収集するため、モジラはクラウドソーシングによるアプローチを採用した。具体的には、ブラウザーの拡張機能(RegretsReporter)を使用して、ユーザーが視聴したことを後悔しているYouTube動画を自己報告できるようにした。

このツールを使用すると、ユーザーに対して推薦された動画(以前再生された動画も含む)の詳細情報を含むレポートを生成して、YouTubeの推薦システムがどの程度機能している(場合によっては「機能していない」)のかを示す実態を構築できる。

クラウドソースで自主的に回答した(モジラの調査にデータが使用された)ユーザーたちは、感染拡大する新型コロナウイルスの恐怖を利用した動画、政治的なデマ「極めて不適切な」子ども向け漫画など、さまざまな「残念な動画」を報告している。レポートによると、最も頻繁に報告されたコンテンツカテゴリーとして、デマ、暴力 / グラフィックコンテンツ、ヘイトスピーチ、スパム / スキャムなどがある。

残念動画のレポートの圧倒的多数(71%)がYouTubeのアルゴリズムによって推薦された動画に対するものだった。これは、YouTubeのAIがユーザーにゴミのような動画を押し付けるのに大きな役割を果たしていることを明確に示している。

また、この調査によって、推薦された動画のほうが調査回答者が自分で探した動画よりも報告される可能性が40%以上高かったことも判明した。

モジラによると、動画推薦アルゴリズムが、YouTube自身のコミュニティガイドラインに違反しているコンテンツまたは以前視聴された動画と関係のないコンテンツをユーザーに提示しているケースがかなり多数見つかったという。つまり、明らかに推薦に失敗したケースだ。

今回の調査結果で特筆すべき点は、視聴して後悔する残念なコンテンツは、非英語圏国のYouTubeユーザーにとって、より大きな問題となるらしいという点だ。モジラによると、YouTube動画を視聴して後悔する確率は英語が一次言語ではない国のほうが60%高かったという。具体的には、ブラジル、ドイツ、フランスではYouTubeの動画視聴で後悔するレベルが「とりわけ高かった」(この3か国は国際市場として決して小規模ではない)。

レポートによると、パンデミック関連の残念な動画もやはり、非英語圏国でより広く見受けられた。これは、世界中で健康危機が継続している今大いに懸念される点だ。

今回のクラウドソーシングによる調査(モジラによるとYouTubeの推薦アルゴリズムに関する調査では最大規模)は、前述の拡張機能をインストールした3万7000人を超えるYouTubeユーザーのデータに基づいているが、このうち実際に動画を報告したのは91カ国、1162人の回答者で、彼らが指摘した3362本の視聴して後悔した動画に基づいてレポートが作成された。

これらのレポートは2020年7月から2021年5月の間に生成された。

モジラのいうYouTubeの「残念な動画」とは実際のところ何を意味するのだろうか。モジラによると、これは、YouTube動画を視聴したときの悪い体験のユーザによる自己報告に基づくクラウドソーシング型概念だという。しかし、モジラによると、この「人力」方式のアプローチでは、インターネットユーザーの実際の経験に重点を置いているため、社会的に主流ではない、あるいは弱い立場の人たちやコミュニティの声をすくい上げるのに効果的だ(狭義の法的な意味での「有害」という言葉を当てはめて終わるのとは対照的だ)。

モジラのアドボカシー担当上級マネージャーで、今回のプロジェクトの主任研究者であるBrandi Geurkink(ブランディ・ゲルキンク)氏は、今回の調査の目的について次のように説明してくれた。「我々は、YouTube動画視聴の泥沼にはまり込んでしまう人々の体験を掘り下げて調査し、よく言われる不快な体験を率直に確認して、そこに埋もれている傾向を把握したかったのです」。

「この調査を実施して、我々が予想していたことの一部が事実であることが確認されたことは本当にショックでした。調査対象人数も少なく使用した方法にも制限のある調査ですが、それでも結果は極めてシンプルでした。データは我々が考えていたことの一部が確認されたことを示していたのです」。

「例えばコンテンツを推薦するアルゴリズムというのは基本的に誤りを犯すものという事実が確認されました。推薦した後で、『おっと、これは当社のポリシーに違反しているじゃないか。これをユーザーに積極的に推薦すべきではなかったな』という具合に。非英語圏のユーザーベースではもっとひどい体験をしているということもあります。こうしたことは事例としてはよく議論されるのを聞きますし、活動家はこれらの問題を取り上げています。しかし、私が今回の調査結果で感じたのは『すごい!データにはっきりと現れているじゃないか』ということです」。

モジラによると、今回のクラウドソーシングによる調査で、ヘイトスピーチや政治的 / 科学的なデマなど、YouTubeのコミュニティガイドラインに違反する可能性が高い、あるいは実際に違反する膨大な数のコンテンツ例が報告され明らかになったという。

またレポートでは、YouTubeが「ボーダーライン上のコンテンツ」とみなす可能性のある多くの動画が指摘されていたという。つまり、分類するのは難しいが、おそらく許容範囲を逸脱していると思われる低質の動画、アルゴリズムによるモデレーションシステムでは対応するのが難しい動画だ(こうしたコンテンツは削除のリスクを逃れ長期に渡って掲載されたままになる可能性がある)。

これに関連してレポートで指摘されているのは、YouTubeは(ガイドラインの中で説明はしているものの)ボーダーライン上のコンテンツの定義を提供していないという問題だ。このため、多くの回答者が「残念」として報告している動画の大半はYouTubeのいうボーダーライン上のコンテンツというカテゴリーに含まれるのだろうという研究者の仮説を検証する手立てがない、とモジラはいう。

グーグルのテクノロジーとプロセスの社会的影響を独自に研究するのを困難にしているのは、研究の基盤となるテーマに掴みどころがない点だ。ただし、モジラのレポートによると、YouTubeへの批判に対するグーグルの対応は「無気力で不透明」だとして非難されてもいる。

問題は、それだけに留まらない。批評家たちは、YouTubeの親会社であるグーグルが、憎しみに満ちた怒りや有害なデマによって生まれるエンゲージメントから利益を得ていることを長い間非難してきた。グーグルが、ユーザー生成コンテンツという名目の下で低質コンテンツビジネスを擁護している間にも、AIによって生成された憎しみの泡によってさらに有害な(それだけに見るものを強力に惹きつける)コンテンツが出現し、疑うことを知らない無防備なYouTube視聴者はますます不快で過激なコンテンツに曝されることになる。

実際「YouTube動画の泥沼にはまる」という表現は、無防備なインターネットユーザーが暗く不快なウエブの片隅に引きずり込まれるプロセスを説明する常套文句となっている。このユーザーの思考回路の修正(洗脳)はAIによって生成された推薦によって白昼公然と行われており、YouTubeという主流ウエブプラットフォームから陰謀論のパンくずリストをたどるよう人々に叫んでいるのである。

2017年、オンラインテロとソーシャルメディアでのISISコンテンツの拡散について懸念が高まっていた頃、欧州の政治家たちはYouTubeのアルゴリズムを自動過激化と称して非難していた。

とはいえ、個々のYouTubeユーザーが過激なコンテンツや陰謀論動画を再生した後「過激化」されているという事例レポートを裏付ける信頼できるデータを取得するのは依然として難しい。

YouTubeの前社員Guillaume Chaslot(ギヨーム・チャスロット)氏は、algotransparencyプロジェクトによって、これまでYouTubeの独自テクノロジーを詳細な調査から保護してきた障害を排除する取り組みを続けてきた著名な批評家の1人だ。

モジラのクラウドソーシングによる調査は、チャスロット氏の取り組みを基礎として、ユーザー自身の不快な体験の各レポートを照合して、いろいろと問題の多いYouTube AIの全体像を浮かび上がらせようとしたものだ。

もちろん、グーグルのみが(詳細度と量の両面において)全体を保持しているプラットフォームレベルのデータを外部からサンプリングするだけで全体像は得られない。それに、自己報告では、モジラのデータセットにバイアスが導入される可能性もある。しかし、モジラはプラットフォームのパワーの適切な監視を支持する立場をとっているため、テック大手のブラックボックスを効果的に研究するという問題は、今回の調査にともなう重要なポイントだ。

レポートでは、一連の推奨事項として「堅牢な透明性、精密な調査、ユーザーに推薦アルゴリズムのコントロール権を付与すること」を求め、適正な監視なしでは、精神的損害を与え人を脳死状態にするコンテンツに、何も考えずにユーザーを晒すことで、YouTubeは今後も有害であり続けると主張している。

YouTubeの大半の機能において問題となっている透明性の欠如は、レポートのその他の詳細部分からも見て取れる。例えばモジラは推薦された残念な動画のうち約9%(200本近い動画)が削除されていることを確認した。削除の理由はさまざまだが、いつも明確な理由があるわけではない(コンテンツが報告され、おそらくYouTubeが同社のガイドラインに違反していると判断した後に削除されたものもある)。

合計すると、こうした一部の動画だけで、何らかの理由で削除される前の合計再生回数は1億6000万回にもなる。

また、残念な動画ほどYouTubeプラットフォーム上で高い収益を上げる傾向があることも今回の調査で判明した。

狂っているとしか思えない数字だが、報告された残念な動画は、回答者が視聴した他の動画よりも、1日あたりの再生回数が70%も多い。この事実は、YouTubeのエンゲージメント最適化アルゴリズムが、単にクリック回数を稼げるという理由だけで、(よく考えられた、有益な情報をもたらす)高品質の動画よりも扇動的な、あるいは誤解を与えるコンテンツのほうを偏って選択するという主張に説得力を与える。

これはグーグルのビジネスにはすばらしいことかもしれない。しかし、民主社会では、ばかげた情報よりも本物の情報に、人工的な / 増幅されたコンピュータ上のデータよりも正真正銘の公開された議論に、争いの種となる部族主義よりも建設的な市民の団結に価値を見出す。そのような民主社会にとって、YouTubeのアルゴリズムは明らかにマイナスだ。

しかし、広告プラットフォームに対する法的な強制力のある透明性要件がないかぎり、そして何より、監査当局による規制の監視と実施がなければ、今後もこうしたテック大手に、無防備なユーザーに目をつけ、社会的犠牲と引き換えに収益を上げる動機を与え続けることになる。

モジラのレポートでは、YouTubeのアルゴリズムが明らかに、コンテンツ自体とは無関係のロジックによって動いている実例も強調している。回答者が残念な動画を報告する前に視聴した動画についてのデータを研究者が持っているケースのうち、実に43.6%で、以前視聴した動画とまったく無関係の動画が推薦されているという結果が得られた。

レポートでは、このような理屈に合わないAIによる推薦コンテンツの急転換の実例を上げている。例えば米国軍の動画を見た人が、その直後に「口コミ動画でフェミニストを侮辱する男性」というタイトルの女性蔑視動画を推薦された例などだ。

ソフトウェア所有権に関する動画を見た後、銃所有権に関する動画を推薦された例もある。2つの権利(right)によって、YouTubeの推薦間違い(wrong)がまた増えたわけだ。

さらには、Art Garfunkelのミュージック動画を見た後「トランプのディベート司会者が民主党と深いつながりがあることが判明、メディアの偏向が限界点に」というタイトルの政治関連動画を推薦された例もある。

こうした間抜けな推薦に対しては「何だって?!」と反応するしかない。

こうした事例のYouTubeの出力は、控えめにいっても「AIの屁のようなもの」としか思えない。

寛大に解釈すれば、アルゴリズムが混乱して間抜けな推薦をしてしまったということなのかもしれない。とはいえ、レポートでは、こうした混乱によって、YouTubeユーザーが、右寄りの政治的偏向のあるコンテンツを見るよう仕向けられている多くの例が紹介されているのは、興味深い。

モジラのゲルキンク氏に最も懸念される点を尋ねると、次のように答えてくれた。「1つは、デマがYouTubeプラットフォーム上で明らかに大きな問題として浮上しているという点です。モジラの支持者や世界中の人たちに聞いた話によると、人々がオンラインに流れるデマについて懸念していることは明白です。ですから、その問題がYouTubeアルゴリズムで最大の問題として浮上しているという事実は大いに懸念されるところです」。

同氏は、もう1つの大きな懸念材料として、推薦動画の問題が非英語圏のユーザーにとって、より深刻になっている点を挙げ、YouTubeプラットフォーム上における世界的な不平等によって「十分に配慮してもらえない」という問題が、そうした問題が議論されているにもかかわらず起こっていることを示唆した。

モジラのレポートに対してグーグルの広報担当にコメントを求めたところ、次のような返事が返ってきた。

当社の推薦システムの目標は、視聴者をいつでもお好みのコンテンツと結びつけることです。ホームページ上だけで2億本を超える動画が推薦されています。システムには、視聴者に好みの動画を尋ねたアンケートの回答を含め、800億を超える情報が入力として与えられています。当社はYouTube上での体験を改善するための取り組みを継続的に行っており、2020年だけで有害コンテンツの推薦を削減するために30カ所を超える変更を実施しました。この変更により、システムによってボーダーライン上のコンテンツが推薦され、ユーザーがそのコンテンツを再生する率は1%をはるかに下回るようになっています。

グーグルはまた、YouTubeに対する調査を歓迎するとし、プラットフォーム調査のために外部の研究者を迎え入れるオプションを検討していることを示唆したが、具体的な内容については触れなかった。

同時に、モジラの調査における「残念な」コンテンツの定義について疑問を呈し、グーグル独自のユーザー調査では、ユーザーはYouTubeの推薦するコンテンツに概ね満足していると主張した。

さらに、実際の発言は引用できないが、グーグルは2021年はじめ、 YouTube向けに「違反再生率」(VVR)という指標の公開を開始した。これは、YouTubeのポリシーに違反しているコンテンツのYouTube上での再生回数割合を初めて公開したものだ。

最新のVVRは0.16~0.18%で、これは、グーグルによると、YouTube上で1万回動画が再生されるたびに、16~18本の違反コンテンツが見つかることを意味する。この数字は、2017年の同四半期と比較して70%以上低下しており、機械学習に投資したことが大きな低下の要因だとしている。

ただし、ゲルキンク氏が指摘しているとおり、グーグル自身のルールにYouTube上で再生すべきではないと明記されているコンテツの再生回数の増加に、どの程度AIが絡んでいるかをコンテキスト化および定量化するためのデータをグーグルが公開しないかぎり、VVRは指標としてはあまり役に立たない。この重要なデータがないかぎり、VVRは大きな見当違いとなる疑いが強い。

「VVRよりも奥深く、本当に役に立つのは、こうしたことに推薦アルゴリズムが果たしている役割を理解することです」とゲルキンク氏は指摘し、次のように付け加えた。「この点は未だに完全なブラックボックスです。透明性が向上しなければ、改善されているというグーグルの主張は話半分に聞いておく必要があります」。

グーグルは、YouTubeの推薦アルゴリズムが「ボーダーライン上のコンテンツ」(つまり、ポリシーには違反していないがグレーゾーンに入る問題のあるコンテンツ)を処理する方法について、2019年に同社が行った変更についても指摘した。この変更によって、この種のコンテンツの視聴時間が70%減少したという。

グーグルは、こうしたボーダーラインカテゴリーは固定されていないことを認めており、変化するトレンドやコンテキストを考慮に入れ、専門家と協力してボーダーラインに分類される動画を決定しているという。ということは、測定の基準となる固定ベースラインが存在しないということだから、上記の70%の減少という数字はほとんど意味がないことになる。

モジラのレポートに対するグーグルの反応で、英語圏以外の市場のアンケート回答者によって報告された経験の質の低下について言及していない点は注目に値する。ゲルキンク氏が示唆しているとおり、一般に、YouTubeが行っているという多くの緩和策は、米国や英国などの英語圏市場に地理的に限定されている(あるいは、まずそうした英語圏市場で対応策を実施してから、その他の市場に徐々に展開されていく)。

例えば2019年1月に米国で実施された陰謀論コンテンツの増殖を抑える変更は、数カ月後の8月になってようやく英国市場にも拡張された。

「YouTubeはここ数年、米国および英語圏市場についてのみ、有害な、またはボーダライン上のコンテンツの推薦について改善を実施したことを報告してきました」と同氏はいう。「この点について疑問を呈する人はほとんどいませんが、英語圏以外の市場はどうなったのでしょうか。個人的には、そちらのほうがもっと注目および精査されてよいと思います」。

我々はグーグルに対して、2019年の陰謀論関連の変更を全世界の市場に適用したのかどうかを確認する質問をした。同社の広報担当によれば、適用したという。しかし、非英語圏市場のほうが、より広範な残念なコンテンツが報告される率がはるかに高いままであることは注目に値する。

明らかに不釣り合いな高いレポート件数を見ると、その他の要因が作用している可能性もあるが、今回の調査結果によってもう1つわかったことは、YouTubeのネガティブな影響に関するかぎり、グーグルは、同社の評価を下げるリスクとコンテンツを自動分類する機械学習テクノロジーの能力が最も高い市場と言語に最大のリソースを投入しているということだ。

AI関連のリスクに対するこうした不平等な対応によって、一部のユーザーが有害な動画のより大きなリスクに曝されることは明白だ。現時点でも多面的で多岐に渡る問題に、不公平という有害な側面が追加された形だ。

これは、強力なプラットフォームが、自身のAIを自身で評価し、自身の宿題を自身で採点し、心底心配しているユーザーに利己的なPRで対抗する状態を放置していることがいかにばかばかしいかというもう1つの理由でもある。

(グーグルは、記事の背景を埋めるだけの上記の言葉だけでなく、自身を、検索と発見アルゴリズムに「権威」を組み込んだ業界で最初の企業であると説明している。ただし、そのような取り組みを正確にいつ行ったのか、そのような取り組みが「世界中の情報を編成し、世界中でアクセス可能かつ有益なものにする」という同社の掲げるミッションを情報源の相対価値を考慮に入れることなく、どのようにして実現できると考えているのかについては説明されていない。そうした主張には当惑してしまう。おそらく偽情報でライバル企業を惑わす不器用な試みである可能性が高いと思うが)。

規制の話に戻ると、EUの提案しているDigital Services Act(DSA、デジタルサービス法)は、説明責任の手段としての広範なパッケージの一部として、大手デジタルプラットフォームにある程度の透明性要件を導入するものだ。この点についてゲルキンク氏に質問すると「DSAは高い透明性を実現するための有望な手段」であると説明してくれた。

しかし、YouTube AIのような推薦システムを規制するには、さらなる法制化を進める必要があることを同氏は示唆した。

「推薦システムの透明性、ユーザーが自分自身のデータの使用許諾を与える権限を持つこと、そして推薦の出力は非常に重要だと考えています。これらは、現在のDSAでは、対応しきれない手薄な部分でもあります。ですから、この部分に腰を据えて取り組む必要があります」と同氏はいう。

同氏が支持を表明している1つの考え方は「データアクセスフレームワーク」を法律に組み込むことで、チェックを受けた研究者が強力なAIテクノロジーを調査するために必要な情報を十分に取得できるようにするというものだ。このアイデアは「透明性に関するさまざまな条項と適用可能とすべき情報の長いリスト」を法律で提示しようとする方法とは対照的だ。

また、EUは現在、AI規制に関する草案を審議中だ。法制化には、人工知能の特定分野への適用の規制に対するリスクベースのアプローチが必要となる。ただし、YouTubeの推薦システムが、より入念に規制されるカテゴリーの1つに収まるのか、あるいは、計画されている法律のまったくの範囲外になるのかは未定だ。(初期の委員会提案では少なくとも)後者の可能性が高そうだが。

「この提案の初期の草案では、人の振る舞いを操作するシステムについて規定しており、これはまさに推薦システムのことです。と同時に、それはある意味、一般に広告の目標であると考えることもできます。ですから、推薦システムがそうしたシステムのどこに分類されるのかを理解するのは簡単ではありませんでした」。

「DSAにおける堅牢なデータアクセスの提供と新しいAI規制の間には、うまく調和する部分があるのかもしれません」と同氏は付け加えた。「最終的に求められるのは透明性ですから、そうしたより高い透明性を実現できるのであれば、良いことです」。

「YouTubeもやろうと思えば十分な透明性を実現できたはずです。我々は、もう何年もこの問題に取り組んでいますが、同社がこの問題について何か有意義な対策を講じたのを見たことがありません。この点は我々も心に留めておきたいと思います。法制化には数年かかります。ですから、我々が推奨したことが一部でもグーグルに採用されれば、それは正しい方向への大きな一歩となるでしょう」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTubeGoogle動画人工知能Mozilla

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

グーグルがpringを買収した理由とは? 「米IT大手が日本の決済市場を席巻」は本当か

グーグルがpringを買収した理由とは? 「米大手ITが日本の決済市場を席巻」は本当か7月13日、Googleはモバイル金融サービスを提供する「pring(プリン)」の全株式を取得するための契約に合意したことを発表した。

同社には親会社のメタップスをはじめ、ミロク情報サービス、日本瓦斯(ニチガス)、伊藤忠商事、ファミマデジタルワン、SBIインベストメント、みずほ銀行、SMBCベンチャーキャピタルなどメガバンクを含む複数の資本が入っており、株式譲渡が完了するとみられる8月中には実質的にGoogle傘下の企業となる。

Googleによる買収が発表された「pring(プリン)」

Googleによる買収が発表された「pring(プリン)」

pringでは買収後も既存のサービスに変更はないと説明しているが、同件の最初に報じた日本経済新聞では「Google、日本で金融本格参入へ 国内スマホ決済買収」のタイトルで、Googleがpringをベースに日本国内における送金・決済サービスの分野に本格参入することを伝えており、いわゆる「GAFA」などの名称で呼ばれる米IT大手の金融分野での日本進出が本格化しつつあることを予感させる流れになっている。

「pring(プリン)」とはどういうサービスか

pringの会社設立は2017年、サービス開始はiOS版アプリの登場した2018年3月と、「○○Pay」などが多数リリースされた時期に登場した金融スタートアップの1社となる。

pringに関してよく誤解されている1点を挙げれば、同社が志向しているのは「○○Pay」が提供しているような「QRコード(バーコード)決済サービス」ではなく、「送金」を中心とした「シンプルなお金の移動サービス」だ。

以前に筆者が同社代表取締役の荻原充彦氏にインタビューしたときに、同氏は「純粋に送金に特化しているサービスは少ない。目指すのは早くて便利でどこでも使えるSuicaのようなサービス」とpringの特徴を説明している。

JCBの提供しているSmartCodeの仕組みなどを通じてQRコード決済が行える機能もあるものの、主眼はあくまで「個人間送金」、あるいは企業が経費精算などで従業員への支払いなどに利用する「業務用プリン」といったサービスとなる。

「なぜGoogleはpringに興味を持ったか」「pringをどのようにGoogleの金融サービスに組み込んでいくのか」という2つの疑問があるかと思うが、後者については比較的簡単に説明できる。

pringをGoogle Payの「ウォレット(Wallet)」とし、ここを基点にして送金や、決済など他の金融サービスと連携していくのが将来的な計画だろう。

送金などで受け取ったお金はいったんウォレットにプールされ、再び他者に送金したり、そのまま買い物や銀行口座などから引き出すことができる。pringの場合は銀行口座と連携せずともセブン銀行ATM経由でウォレットへのチャージや現金の引き出しが可能なため、この仕組みを手軽に利用できる。

セブン銀行との提携で会見したpring代表取締役の荻原充彦氏(右)

セブン銀行との提携で会見したpring代表取締役の荻原充彦氏(右)

セブン銀行ATMでアプリから出金する

セブン銀行ATMでアプリから出金する

ただ興味深いのは、この送金機能が現在提供されているのは米国とインドの2ヶ国のみだ。Google Pay自体は本稿執筆時点で40ヶ国でのサービス提供が行われているにもかかわらず、2015年のサービス開始(当時は「Android Pay」の名称)から6年経過した現在においてなおこの状態となっている。

多くの国ではGoogle Payにカードを登録してオンラインやオフラインの店舗での支払いに利用できるのみだ。またインドで提供されているサービスは(2017年のサービス開始当初は「Tez」のブランド)、登録された銀行口座間の送金が基本となっており、いわゆるウォレット方式とは異なる。モバイル送金それ自体は非常に便利な仕組みだが、Google Payのような決済サービスと組み合わせることで残高の利用機会が増え、互いに相乗効果をもたらす。

日本におけるGoogle Payは登録可能な対応カードや決済手段が限られており、どちらかといえばFeliCaチップを使った「おサイフケータイ」に依存する部分が大きい。個人的意見でいえばGoogle Payを使う場面は自ずと限られているという認識だが、今後「送金」の仕組みが加わることで、より活用場面は増えるだろう。

Google Payの店頭決済において利用可能なカード一覧。選択肢としては決して多いとはいえない(出典:Google)

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金融端境期のGoogleによるpring買収

「送金」サービスと一口にいうが、実際に使い勝手のいいサービスを提供するのは難しい。「マネーロンダリング防止の観点から送金の監視が必要」という話に加え、「異なるサービス間でどのように送金を行うのか」という問題がある。

同一サービス間であればアカウント同士の残高を移し替えるだけなので問題ない。ところが送金先が同一サービスにアカウントを持っていない場合、異なるサービスのアカウントを指定して送金を行う必要がある。現状、そのような仕組みが実装されているケースはほとんどなく、例えば「割り勘」のような仕組みを実装する際の障壁となっている。

皆が皆使っているサービスなら問題ないが、そこまでユーザーを獲得しているサービスはそうない。Google Payがもし送金機能を標準で実装し、さらに日本において多数のユーザーが存在する“iOS向け”のGoogle Payアプリをリリースすれば、この問題を解消できるかもしれない。

pringアプリのメイン画面

pringアプリのメイン画面

送金サービス提供にあたってもう1つの問題が振込手数料の存在だ。前述のように同一サービス間であれば残高の付け替えだけで済み、ほとんどコストのかからない作業だが、アカウントへの出入金や他のサービス(あるいは銀行口座)への送金が発生した場合、振込手数料が必要となる。

pringを含む“送金”や“出入金”の機能を提供する「○○Pay」の金融サービス事業者は改正資金決済法における「資金移動業者」と定義される。資本規制を含むさまざまなルールが規定される免許事業者の銀行と比べて参入障壁は低いものの、100万円以上の資金の移動に制限を受けたり、「預金」にまつわるサービスが提供できないなど、決済や送金に特化した認可事業者の扱いだ。

位置付けとしては、資金移動業者は特定の銀行の支店に口座を持ち、そこを通じて他のサービスや銀行と精算業務を行っている。銀行間の資金決済処理は全銀システムを通じて行われているが、その際に必ず手数料が発生する。

一般に、銀行口座振込で1回あたり2百数十円の振込手数料が要求されるが、これは全銀システムを経由していることによる。近年、この全銀システムの手数料の高さや、システムへの接続が銀行以外のサービス事業者(資金移動業者など)に開放されていないことが問題視されており、手数料値下げや緩和の方向に向かいつつある。

また、全銀システムなどの利用料が1回利用あたりの一律料金で設定されていることにより、特に小額送金や決済において「手数料が相対的に非常に高くなる」という点も、キャッシュレス化の進展において小額決済が現金からキャッシュレス決済に移行する際の障害になっていると考えられている。

小額決済や送金を可能にする「ことら」という仕組みがメガバンクらを中心にJ-Debitの仕組みをベースに検討されており、こうしたニーズとのギャップを埋めるべく金融業界の新しい動きとなっている。つまり、オンラインシステムが稼働を開始してから長らく変化の少なかった銀行業界だが、ここ最近になり急速な変化が起きつつある。

これはインターネット事業者など業界外からの参入が増え、競争が激化しつつあることと無縁ではない。Googleのpring買収はこの日本での金融端境期の中で起きた大きなイベントの1つであり、2016年のApple Payの日本でのサービスインと合わせ、少なからぬ影響を業界に与えることになると考える。

米IT大手が日本の金融市場を席巻するという話は本当か

この手のニュースが報じられると、毎回話題になるのが「米国のIT大手が日本の金融市場も席巻し、銀行は過去のものになる」というテーマだ。

実際のところ、金融業界は規制に大きく縛られた業界であり、国ごとにルールや商習慣も大きく違う。仮に先進的で革新的なサービスであっても、そう簡単に複数の地域や国に一度に展開が可能なほど甘い世界でもない。

例えば、Googleがpringを買収したところで銀行の代わりにはなれないし、Google自身が銀行免許を取得して日本で自ら本格的な金融サービスを提供するような面倒な道は選ばないだろう。それよりは、すでに日本ですでに地場を固めている複数の金融機関と手を組み、すばやく必要で手軽なサービスを展開する方が効率がいい。

Appleがあくまで既存金融機関などとの提携で「Apple Pay」を日本に持ち込んだように、方法としてはそちらの方が圧倒的にスマートだ。一方で、今後給与デジタル払いが解禁されたタイミングで、pringのような仕組みを利用するケースはさらに増えるとみられ、“地ならし”という点で今回の買収は大きな意味を持つ。

実際のところ、こうした地域間でのルールや文化の違いが金融サービスの提供にあたっては大きな障壁となる。例えば、先日ゴールドマン・サックスの日本支社が国内で銀行業免許を取得したことが話題になったが、これが必ずしも「日本でのリテールバンク参入」や「Apple Cardの国内発行」に即つながるわけではない。

ゴールドマン・サックスは「Marcus」ブランドで2016年に米国でリテールバンク市場に参入しつつ、2019年にはカード発行の外販事業で初の顧客として「Apple Card」の発行を請け負った。

Apple Cardはスマートフォン(iPhone)利用に特化した分かりやすいUIと、最大3%の“キャッシュ還元”が特徴のクレジットカードだが、日本と米国でカード利用のビジネスモデルが大きく異なっていることから、同じ商品性で日本にサービスを投入するのは難しいと考えられている。将来的には分からないが、この仕組みが日本の消費者に受け入れられるかも含め、参入に時間のかかるビジネスと思われる。

Marcus by Goldman Sachsのページ

Marcus by Goldman Sachsのページ

また、Appleについては米国で「Buy Now, Pay Later(BNPL)」への市場参入が米Bloombergによって報じられている。これはApple Payの支払いオプションとしてクレジットカードやデビットカードによる一括決済だけでなく、「4回払い」の指定が可能になるもの。市場背景などの詳細は筆者の別の記事を参照いただきたいが、米国のクレジットカードでは一括決済後に弁済金を自ら少しずつ返済していく仕組みが一般的であり、指定期日を過ぎるとその分が利息として請求される。

「ミニマムペイメント」とは毎月やってくる返済期日に最低限弁済しないといけない金額のことであり、早めに返済すればするほど手数料は低くなる。いわゆる「リボ払い」と呼ばれるものだが、日本では分割払いの回数や手数料は最初の決済時に決定されるものなので、BNPLのような仕組みは馴染みにくいだろう。

近年、米国を含め欧米を中心にBNPLの仕組みがブームになっているが、その理由として「クレジットカードの与信枠が少ないので、それを超える買い物をしたい」「そもそもクレジットカードを使いたくない」といったユーザーのニーズを反映したものとなっている。

小売店側も販売機会の増加や決済単価を増やすため、本来のカード決済手数料よりも高い(米国ではクレジットカードと比較して1.5-2倍程度とされる)BNPLをあえて導入し、売上全体を伸ばすことに利用している。

BNPL市場興隆の例。オーストラリアでの調査報告で、クレジットカード発行枚数の減少とともにBNPLの決済額が増えつつある(出典:ネットプロテクションズ)

BNPL市場興隆の例。オーストラリアでの調査報告で、クレジットカード発行枚数の減少とともにBNPLの決済額が増えつつある(出典:ネットプロテクションズ)

このように、「GAFAが日本金融を席巻する」という話はそう単純なものではなく、これまで変化の少なかった金融業界のビジネスモデルに影響を与えつつも、あくまで相互関係に則って展開されるものだということが分かるだろう。

過度な警戒は必要ないが、これら米IT大手が日本の金融市場にサービスを提供することでどのような影響を与えるのか、自分の生活をどう変化させるのかを考えつつ、今後の思索につなげていきたい。

(鈴木淳也。Engadget日本版より転載)

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TikTokのライバル、最大60秒の動画を投稿できる新サービス「YouTube ショート」が日本を含む100か国以上で利用可能に

TikTokのライバル、最大60秒の動画を投稿できる新サービス「YouTube ショート」が日本を含む100か国以上で利用可能に

YouTube

YouTubeは7月13日、短い動画を投稿できる新サービス「YouTube ショート」が、日本を含む100か国以上で利用可能になると発表しました。

YouTube ショート自体はまだベータ版という位置付け。2020年にインドで最大15秒の動画サービスとしてスタートしましたが、その後米国など26か国で提供されていました。

15秒の短い動画を作成できるYouTube Shorts発表。インドでベータ版を提供開始

日本でも以前から視聴は可能でしたが、今後は複数の動画をつなぎ合わせるマルチセグメントカメラ、楽曲を追加する機能、速度の設定などを含む動画作成ツールが利用可能になります。

また、YouTube ショートのグローバル展開にあわせ、動画の特定のポイントにテキストを追加したり、自動でのキャプション追加、最大60秒までの動画投稿、ギャラリーからのクリップ追加、フィルター機能が追加されます。

なお、いまのところYouTube ショートはパートナープログラムの収益対象外となっていますが、収益化する方法は検討しているとのこと。その一つとして、YouTube ショートファンドが発表済みです。これは2021年から2022年にかけて、再生数の多いYouTube ショート動画のクリエイターに対して合計1億ドルの報奨を送るというもの。

YouTubeによると、YouTube ショートのグローバルでの再生回数は1日当たり65億回を超えているとのこと。一方で、TikTokは動画の時間を最大3分まで延長しています。今後も同様のサービスが増えていけば、最適なショート動画の長さに関して知見が得られていくのかもしれません。

(Source:YouTubeEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Google / グーグル(企業)ショートビデオ(用語)TikTok(製品・サービス)YouTube ショート(サービス)日本(国・地域)

フランスがグーグルに650億円の罰金、記事使用料交渉で命令に従わず

コンテンツ使用対価の支払いに関するメディアとの協議で重大な違反が認められたとして、フランスはGoogle(グーグル)に5億ユーロ(約650億円)の罰金を科した。コンテンツ使用での対価支払いは、著作隣接権をニューススニペットにも拡大したEU新デジタル著作権指令で求められている。

制裁金は、Googleが2020年10月に発表したニュース対価総額10億ドル(約1110億円)の半分を上回り、この規模はかなりのものだ。Googleは自社プラットフォームに表示される「高品質のコンテンツを制作してキュレートする」ためにメディアに対価を支払うと述べていた。

関連記事:グーグルがニュース新サービス立ち上げ、今後3年間で記事使用料約1050億円支払いへ

当時、Googleのそうした動きは、コンテンツを「ショーケース」する幅広い権利をGoogleに与える取引条件を受け入れるようメディアに迫ることで、コンテンツ再使用のためにメディアに対価を支払う法的義務を小さくしようという意図があったようだ。

フランスの監視当局はいま、声高にその慣行に制裁を科した。

ロイターによると5億ユーロという額はGoogleがフランスのメディアに払うとすでに同意した額をかなり上回り、このことも注目に値する。ロイターは2021年2月、Googleが今後3年にわたって7600万ドル(約84億円)を支払うことで121のメディアと契約を交わした、と報じた。

フランスの競争当局は7月13日、メディアの保護されたコンテンツの表示の対価を支払うためにメディアと誠実に協議するようGoogleに命じた2020年4月の決定に関して、同社が数多くの命令に従わなかったとして制裁金5億ユーロを科すと発表した

当初、GoogleはフランスでGoogle Newsに表示していたリンクとともにコンテンツのスニペットの表示を停止することで著作隣接権を回避することを模索した。しかし監視当局は、それは支配的な地位の乱用だととらえ、Googleに対し法律の回避をやめて誠意を持ってコンテンツ再使用の対価を払うためにメディアと交渉するよう命じた。

ただ、Autorité de la Concurrence(フランス競争委員会)はGoogleがこの命令に関して取った対応について快く思っていない。

多くのメディアが、交渉は誠実なものではなかった、Googleは支払いを知らせるのに必須の鍵となる情報を提供しなかった、と競争委員会に苦情を申し立てた。

雑誌出版社組合(SEPM)、出版社団体Alliance de Presse d’Information Générale(APIG)、フランス通信社(AFP)は2020年8〜9月に苦情を申し立て、監視当局による調査が始まった。そして7月13日の重大違反の発表に至った。

もしGoogleが監視当局の命令に反し、2カ月以内にメディアに必要な情報すべてを提供しなければ、1日あたり最大90万ユーロ(約1億2000万円)という罰金を追加で科すこともあり得る。

調査についての詳細を説明するプレスリリースの中で、競争委員会はGoogleが著作隣接権を「別の資産価値をともなわない付随するもの」として組み込むことを求めて、メディアとの協議の中でPublisher Curated Newsと呼ぶ提携のもとに「Showcase」というグローバルの記事ライセンスプロダクトを一方的に押し付けることを模索したと述べた。

競争委員会の調査によると、メディア側は著作権報酬の交渉は拒否されたとして対応することを求めている。

競争委員会はまた、Googleが保護されたニュースコンテンツの表示で発生する収入の範囲に関して、協議の幅を「不当に」狭めたとした。Googleはメディアにニュースコンテンツを表示するGoogle Searchページからの広告収入のみが報酬支払いのレベル決定で考慮される、と伝えていた。

他のGoogleサービスからの収入とコンテンツに関連する非直接的な全収入の排除は著作権法違反であり、先のコンプライアンス命令に反するものだと当局は判断した。

Googleはまた、政治および一般情報証明を持たないコンテンツを排除することで、著作隣接権に関する法律の範囲を「故意に制限した」。この点について監視当局は知的財産に関する基準の「誠意のない」解釈としてとらえた。

そして監視当局は、Googleがサードパーティのメディアによって使用された場合、そのコンテンツに関する支払いから通信社を排除しようと模索したことも確認した。「フランスの議員は通信社を含める必要性についてかなりはっきりとした考えを示してきました」と指摘することで、当局はGoogleのこの試みが2020年4月の命令に従わないものと強調した。

その他には、Googleは「報酬の透明性ある評価」のために「部分的」で「不十分」な情報をメディアに提供しただけだったとも指摘した。さらには、命じた期限のわずか数日前まで情報提供を遅らせ「遅い」とも非難した。

当局の調査は、著作権法で保護されているコンテンツがいかにGoogleのプラットフォームで表示されるかという点での中立の義務に関連する別の命令のコンプライアンス問題を強調している。これについて監視当局は次のように述べている。「Googleが導入した戦略はこのように、メディアにShowcaseサービスの契約条件を受け入れ、保護されたコンテンツの現在の使用に特に関連する交渉を放棄するよう、強く促してきました。これは、提案された条件を受け入れた競合相手より見劣る表示と支払いを行っているという違反に基づく差止命令の対象でした。ゆえに、Googleは保護されたコンテンツを自社のサービスで表示することに交渉が影響しないようにする必要な方策を取ったと主張することはできません」。

別の命令は、著作隣接権のためにメディアに支払った対価を相殺することで支配的な地位の利用をGoogleに模索させないようにするものだった。

これに関して監視当局は、Googleのプラットフォームでの表示のためにShowcaseがメディアにコンテンツのスニペットの制作だけでなく「大量のエキス」と全記事すら求めていると指摘し、このアプローチについても問題視した。

GoogleはShowcaseプログラムの参加を、Subscribe with Google (SwG)という別のサービスとリンクさせていることもわかった。これはGoogleが著作隣接権に関する交渉を、自社の収入につながり得る新しいサービスのサブスクと結びつけられるようにしている。

「極めて深刻な慣行」と糾弾している小見出しの下で、当局はGoogleの「意図的で念入り、かつ組織的な遵守しない戦略、そしてすでに数年にわたって展開している著作隣接権の原則とは「逆の戦略」の継続、そしてEUとフランスの法律に織り込まれた後に「著作隣接権の具体的な範囲をできるだけ最小化することを模索したこと」を非難した。

Googleは、メディアへの支払いを「可能な限り回避あるいは制限する」ための口実としてShowcaseを使い、と同時にサブスクやプレスタイトルなど、さらなる収入確保につながり得るメディアの新たなコンテンツへのアクセスを入手する機会として著作隣接権にかかる交渉を使うことを模索し、コンテンツ対価を国レベルで交渉するメディアの能力をなくすためにグローバル戦略を使うことを検討した、と当局は主張する。

「罰金5億ユーロの制裁は、確認された反則の重大さと、Googleが著作隣接権についての法律の正当な適用をさらに遅らせた行為を考慮しています。これはメディアや通信社のコンテンツの価値をさらに考慮に入れることを目的としています。当局は命令の適切な遂行について非常に神経を尖らせていて、不履行は過料につながります」と競争委員会の委員長Isabelle de Silva(イザベル・デ・シルバ)氏は声明で述べた。

5億ユーロの罰金と、もし当局の指示を無視し続けた場合、その慣行が1日ごとに科せられる罰金につながるという警告は、商業取引の詳細がフランスでは認められないことをGoogleに知らしめている。

「コンプライアンス」の利己的バージョンを形成しようという試みはおそらく当局からのさらなる制裁につながる。これは最近、Googleの広告事業の数多くの相互運用性の要件に適用され(2億6800万ドル、約296億円の罰金を科した)、メディアからの苦情に対処している。

Googleがフランスで著作隣接権問題に関して同意していることは、商業取引で少なくとも他のEUマーケットで達成できるものに対する基準を設けることだろう。EUマーケットでは著作権延長法も適用される。

フランス当局の制裁に関する声明で、Googleは調査の結果に失望を表明し、メディアとの交渉は誠意を持ってあたったと主張した。

「決定に非常に失望しています。当社はプロセス全体を通じて誠実に対応してきました。罰金は当社の合意を図る努力、ニュースがいかにGoogleプラットフォームで機能しているかという現実を無視しています。Googleはこれまでに著作隣接権に関する合意を発表した唯一の企業です。当社はまた、AFPとの合意をまとめるところでもあり、この合意にはグローバルライセンス契約、AFPの出版物の隣接著作権に対する報酬も含まれています」。

Googleは、当局の決定が「主に」2020年5〜9月に行われたフランスでの交渉に関するものであるとも指摘し、同社がそれ以降も「ソリューション」を見つけるためにメディアや通信社と引き続きやり取りしていると主張した。

その例として同社は、Alliance de la Presse d’Information Généraleと結んだ2021年1月のフレームワークエンゲージメントを指摘した。Googleはまた、Le MondeやCourrier International、L’Obs、Le Figaro、Libération、L’Expressなどを含むフランスの他のメディアとの合意も挙げた。

Googleはまた、AFPとのグローバルライセンス提携を結ぶことができるという自信も繰り返し示した。この提携に関してGoogleは、AFPの出版物の隣接著作権の対価も含めたい、と述べた。

フランス競争当局の「フィードバックを考慮し、当社のオファーを適応させる」と話し「当社の目的は変わりません。正式契約で物事を前に進めたいと考えています」と付け加えた。「CPPAPに認められている出版物をカバーすることで、『オンラインプレスサービス』として当社はすでにIPGを超えてメディアや通信社と関わっていて、我々の取り組みを評価する立場の独立したサードパーティを持つという申し入れを繰り返し、これにより事実についての議論をベースとできます」。

Googleが近年フランスで科された主要な罰金には、前述の広告テックの不正使用に関する先月の2億6800万ドル、2020年12月の同意なしのCookie使用に対する1億2000万ドル(約133億円)、2019年12月の不透明で一貫性のない広告ルールに対する1億6600万ドル(約184億円)、2019年1月のプライバシー違反での5700万ドル(約63億円)などがある。

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EU以外ではオーストラリアがこのほど、商業取引条件に同意しなかった場合、メディアのコンテンツ再使用に関してGoogleとFacebookにメディアとの強制仲裁を求める法律を成立させた

いかにパワフルなテックプラットフォームを制御し、インターネットによるデジタル出版への移行で収入面で打撃を受けてきた従来のメディア企業の持続可能性を確かなものにするかに議員たちが取り組むなかで、オーストラリアの法律は世界中からかなり注目された。

たとえば英国の競争・市場当局は、戦略的な市場支配力を使ったプラットフォームの乱用に積極的に競争当局が取り組めるようにするために英政府が前もって規制体制を整えるのに取り組んでいる中で、商業取引条件の交渉がうまくいかなかった場合の強制仲裁というオーストラリアの安全装置を「道理に適った」アプローチと表現した。

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オーストラリアの法律が採択されるのに先立ち、Googleはもし議会がそのまま法案を通せばオーストラリアでのサービスを停止せざるを得ないかもしれいないと警告し、加えてプロダクトの質を下げたりプロダクトを有料としなければならないかもしれないと示唆した。結局、Googleはオーストラリアでのサービス提供をやめなかった。

同社はまた、EUのニュースコンテンツのスニペットをカバーするためのデジタル著作権の拡大計画に対し、積極的なロビー活動を展開した。そして2019年にはニュースに決して支払わないと誓っていた。

それから数年後、コンテンツのライセンスを得るためにメディアに支払う10億ドルを発表した。しかしGoogleの他のジャーナリズムに便乗した広告事業のための最終的な請求書は10億ドルよりも大きな額になるかもしれない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:フランスGoogleメディア著作隣接権

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがQR決済・送金アプリの「pring」を買収

グーグルがQR決済・送金アプリの「pring」を買収

メタップスは7月13日、同日開催の取締役会において、同社持分法適用関連会社pringの全株式をGoogleに譲渡すると決定したと発表した。同社はpring株式を45.3%保有しており、譲渡額は約49億2000万円となっている。株式譲渡実行日は、7月下旬~8月下旬。同日、22.7%保有のミロク情報サービス、18.6%保有の日本瓦斯(ニチガス)も全株式譲渡を発表した。

pringは、友人・知人などと個人間送金が行える送金アプリを提供。経費精算・報酬支払いなど法人から個人に送金できる法人向けサービスや、QR決済事業なども展開している。

メタップスは今回、Googleによるpringの全株取得の意向を受け、メタップスが保有するpring全株式を譲渡する決定を行った。メタップスは、B2B事業およびストック型ビジネスに注力するための、事業ポートフォリオの見直しの一環としている。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:送金(用語)Google / グーグル(企業)買収 / 合併 / M&A(用語)pring日本(国・地域)

Android 12ではゲームのダウンロード完了前にプレイ開始が可能に

Google(グーグル)は米国時間7月12日、Game Developer Summit(ゲーム開発者会議)で、Android(アンドロイド)ゲーム開発者向けの新機能を発表した。これは、Google Play(グーグル・プレイ)ストアでダウンロードを開始してからゲームが起動するまでの時間を、少なくともAndroid 12搭載端末では、約2倍に短縮する。この新機能は「Play as you download(ダウンロードしながらプレイ)」という名前からもわかるように、ゲームのアセットがすべてダウンロードされる前に、プレイヤーはゲームをプレイ開始することができるというものだ。

最近の平均的なゲームは、ダウンロードするアプリの中で最も容量が大きい。ダウンロードに数分かかると、ゲームがプレイできるようになる前に、次のTikTok(ティックトック)セッションが始まってしまうかもしれない。Googleはこの新機能によって、400MB程度のゲームであればプレイを開始するまでにかかる時間を半分に短縮すると約束している。家庭用ゲーム機で遊んでいる人なら、Sony(ソニー)が「PlayStation(プレイステーション)」のゲームで同様のことを行っているので、このコンセプトには馴染みがあるだろう。

もっとも、ゲームのロード時間を短縮する試みは、Googleにとって初めてのことではない。Google Play Instant(グーグル・プレイ・インスタント)は、Playストアからゲームをすぐに始められる機能だが、これはインストールのプロセスを完全に排除し、潜在的なプレイヤーに新しいゲームをすぐに試す機会を提供することを目的としている。

Play Instantと同様に、この新しい「Play as you download」機能は、従来のAPK規格に代わるAndroid App Bundle(アンドロイド・アップ・バンドル)フォーマットで可能となるものだ。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新型コロナ後遺症の検出にFitbitデバイスやApple Watchなどウェアラブル機器が役立つとの研究結果が公表

新型コロナ後遺症の検出にFitbitデバイスやApple Watchなどウェアラブル機器が役立つとの研究結果が公表

Apple

新型コロナウイルス感染拡大が始まって以降、Apple Watchなどウェアラブル機器で感染の初期症状が検出できるかどうかを調べる研究はいくつか行われてきました

そして新たに、感染した人々への長期的影響(いわゆる後遺症)もウェアラブル機器により追跡調査ができ、患者の回復に役立てられるかもしれないとの研究結果が公表されています。

医学専門誌「JAMA Network Open」に掲載された新たな論文(The New York Times経由)が根拠とするデータは、米カリフォルニア州のスクリプス研究所(生物医療科学の研究と教育を行う非営利の医療研究施設)の科学者たちが実施した試験から得られたもの。

この試験は2020年3月25日から2021年1月24日まで実施され、Fitbitsの機器やApple Watchなどを着用した3万7000人が参加し、研究用アプリ「MyDataHelps」が使われたとのことです。

この試験に関わった研究者らは、10月にウェアラブルの収集したデータと患者の自己申告を組み合わせることで、新型コロナの症状をより正確に検出できることを報告していました。

そして最新の報告では、感染から回復した後の持続的な健康への影響( ロング・コビッド(long COVID)とも呼ばれています)に焦点を当てて、データをさらに深く掘り下げています。

まず注目されたのはFitbitユーザーのデータであり、持続的な変化を検出できると示されたとのことです。感染症の専門家であるJennifer Radin博士は「新型コロナに感染した人の安静時心拍数の変化は、他のウイルス感染に比べてはるかに大きい」とともに「歩数や睡眠にも、より劇的な変化が見られます」と述べています。

また、新型コロナに感染した被験者は、最初に症状を訴え始めてから約9日後に安静時の心拍数が低下したことも判明。その後に心拍数は数ヶ月間も上昇し続け、正常に戻るまで平均79日もかかったとのことです。それに対して新型コロナではない(他のウイルス感染の)グループではわずか4日でした。

そして睡眠や身体活動のレベルも、他の疾患を持つ人に比べて、新型コロナに感染した人は基準値に戻るのが遅かったとも述べられています。

今回の研究はFitbitのデータに焦点を当てたものですが、Radin博士いわく「これは予備的な研究であり、将来的には他の多くの研究の可能性を秘めています」とのこと。

新型コロナ感染はたとえ軽症で済んだとしても、回復後に倦怠感や脱力、脱毛や味覚異常、動悸や食欲不振などの後遺症が長引くとの報告もあり、追跡調査や手厚いケアも必要なはず。こうした研究成果が日本でも反映されるよう祈りたいところです。

(Source:JAMA Network Open。Via 9to5MacThe New York TimesEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Apple / アップル(企業)Apple Watch(製品・サービス)ウェアラブルデバイス(用語)Google / グーグル(企業)新型コロナウイルス(用語)スマートウォッチ(用語)Fitbit(企業)

グーグルがGoogle Playの課金をめぐり大規模な反トラスト訴訟に直面

37人の司法長官からなるグループが米国時間7月7日、複数州にまたがる2件目の大規模な反トラスト訴訟をGoogle(グーグル)に対して起こした。

ニューヨーク州のLetitia James(レティシア・ジェームズ)司法長官は、テネシー州、ノースカロライナ州、ユタ州の司法長官と共同でこの訴訟を主導している。超党派の連合体は、カリフォルニア、フロリダ、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューハンプシャー、コロラド、ワシントン、およびコロンビア特別区を含む、米国の36の州を代表している。

「Googleは、その違法行為により何億ものAndroid(アンドロイド)ユーザーが携帯電話やタブレットにダウンロードする何百万ものアプリケーションを確実にGoogleだけに頼るよう動きました」と、ジェームズ氏はプレスリリースで述べた。「さらに悪いことに、Googleは、ただ競争を求めているだけの何百万もの中小企業の活力を奪っています」。

2020年12月には、35の州がGoogleが検索ビジネスの独占を維持するために違法行為を行っているとして、Googleに対して別の反トラスト訴訟を起こした。司法省は同年10月、検索に焦点を当てた独自の独禁法訴訟を起こした。

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超党派の州連合は、この新しい訴訟の中で、Googleが「誤解を招くような」セキュリティ警告を用いて、消費者や開発者を壁に囲まれた同社のアプリガーデンであるGoogle Play Store(グーグルプレイストア)内に留めるようにしていると主張している(下の埋め込み資料参照)。しかし、GoogleがAndroidアプリの開発者から徴収している手数料が、この訴訟の本質であると思われる。

「Googleは、潜在的なライバルがGoogle Play Storeに対抗するのを妨害する違法行為を行っただけでなく、アプリ開発者や消費者をGoogleの決済システムに不当に閉じ込め、高額な手数料を請求することで利益を得ています」と、コロンビア特別区司法長官のKarl Racine(カール・ラシーン)氏は話した。

Googleは、Apple(アップル)同様、すべてのアプリの決済処理を自社のサービスであるGoogle Play Billingに集約し、すべての決済から30%を徴収することで利益を得ている。ここで批判されていることは、アプリのエコシステムをさらに厳しく管理しているAppleにもあてはまり、今後もそうあり続けると思われる。Googleは、iMessageに相当する専用アプリを持っていないため、同じようにユーザーを囲い込むことはできない。

この訴訟ではアプリ市場におけるGoogleの「独占力」が議論されているが、部屋の中の象のような存在はAppleだ。Appleは、モバイルソフトウェア分野におけるGoogleの強力な直接の競合相手である。訴訟では、消費者がAndroidのエコシステムに留まるよう圧力を受けていると主張しているが、少なくともAndroidに関しては、その多くが最終的には慣れとサンクコスト(すでに発生し回収不能な費用のこと)に起因している。Appleに対する主張の方がはるかに強いと思われる。

テック企業がアプリ開発者から高額なモバイル決済手数料を搾取しているという声は、ますます大きくなっている。今回の複数州にまたがる訴訟は最新のものだが、この話題は、Epic GamesがAppleの手数料を回避したいがためにApp Store以外でモバイル決済を行うことを求めてAppleと裁判を起こして以来、白熱している。Epicが回避策を確立したとき、AppleはEpicをApp Storeから追い出し、Epic Games対Appleの構図が生まれた

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司法省は、Appleのアプリストアでの商慣習にすでに関心を持っていると言われている。いつでも同社に対して別の訴訟を起こすことができる多くの州の司法長官も同様だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogle Play反トラスト裁判Androidアプリ

画像クレジット:nurphoto

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

トランプ氏がツイッター、フェイスブック、グーグルを提訴、アカウント停止は不当な検閲と主張

2021年初めに不名誉な形でホワイトハウスを去ってから初の記者会見で、前大統領のDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏はTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)とこの3社のCEOに対して集団訴訟を起こすと発表した。3社が米憲法修正第1条に違反した、と主張している。

同氏はニュージャージー州ベッドミンスターに所有するゴルフクラブで開いた記者会見で「シャドーバン(アカウント凍結に近い状態)の終了、みなさんがよく知っている沈黙強制やブラックリスト掲載、追放、取り消しの停止を求める」と述べた。

米連邦議会議事堂で1月6日に起きた暴動を受け、ソーシャルメディアプラットフォームはすぐさま当時のトランプ大統領の投稿権限を禁じた。何年にもわたり、トランプ氏は誤情報と暴力的な脅しに関するプラットフォームの規約の限界を試してきたが、議事堂暴動があった日のトランプ氏の役割は一線を超えた。そして間もなく同氏は、Twitter、Facebook、YouTubeでの何百万というフォロワーにリーチするためのメガフォンを失った。

Twitter上でのトランプ氏の運命は知られている。前大統領は生涯Twitterの使用を禁じられている。しかしFacebookとYouTubeでは、トランプ氏のアカウントは復活する可能性がある。Facebookは外部の規約決定機関であるFacebook Oversight Boardがこの問題を同社に差し戻したことを受けて、まだ判断の審議を続けている。Facebookは現在、トランプ氏の無期限停止の期間を永久とするのか、それとも一定期間にするのかを決める必要がある。

トランプ氏は、フロリダ南部地区裁判所に起こす訴訟の原告代表になる。訴訟では「補償的損害賠償と懲罰的損害賠償」、そしてトランプ氏のソーシャルメディアアカウントの回復を求める。FacebookとTwitterはこの件に関するコメントを却下し、GoogleはTechCrunchのコメント要求に反応しなかった。

訴訟はすでに注意を引くという意図した効果を得たが、それ以上のものにはならなさそうだ。トランプ氏は米憲法修正第1条がうたう権利を侵害したとしてFacebook、Twitter、Googleを非難しているが、米憲法修正第1条は企業ではなく政府による言論の検閲に関係するものだ。

3社はまた、米通信品位法230条によっても守られている。230条はホストするコンテンツに対する法的責任からプラットフォームを守り、また現職大統領をプラットフォームから追放する決定も含め、コンテンツモデレーションの判断を行う権限をプラットフォームに与えている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Donald TrumpTwitterFacebookGoogleSNS

画像クレジット:Photo by Michael M. Santiago/Getty Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

「Google マップ」の屋内ARナビ「インドア ライブビュー」が東京駅や渋谷駅などJR東日本の主要駅で提供開始

「Google マップ」の屋内ARナビ「インドアライブビュー」が東京駅や渋谷駅などJR東日本の主要駅で提供開始

Google

「Google マップ」での屋内ARナビゲーション「インドア ライブビュー」が東京駅や渋谷駅など、JR東日本の主要駅で提供が開始されました。

この機能は、5月のGoogle I/Oで発表されていた機能。ARを利用したライブビューは、周囲の風景をカメラで認識し、そこに画像を重ねることで目的地までのナビゲーションを行うというもの。地図ではなく、実際の風景の中に進む方向が示されるので、地下鉄の出口から出た際など、地図上で自分の向いている方向が分からないといった場合にも便利な機能です。

インドアライブビューは、この機能を建物内でも利用可能にするもの。建物内であっても正確な位置や高度を判別でき、空港や駅での乗り換え、ショッピングモールなど、これまでナビゲーションが難しかった屋内施設でもスムーズなナビゲーションが行えるとしています。確かに、内部が複雑な巨大ターミナル駅などでは、乗換ホームを探すのに苦労することもなくなるかもしれません。

現在、JR東日本の駅では、東京駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅、上野駅、池袋駅、新橋駅、秋葉原駅、高田馬場駅、五反田駅、恵比寿駅、日暮里駅、中野駅、北千住駅、立川駅、大宮駅、浦和駅で利用でき、今後も順次拡大予定とのことです。

(Source:GoogleEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:iOS(製品・サービス)Android(製品・サービス)Google / グーグル(企業)Google I/O 2021(イベント)JR東日本 / 東日本旅客鉄道(企業)地図(用語)日本(国・地域)

グーグルのアップデートで新型コロナワクチン接種記録と検査結果をAndroid端末に保存

Googleは、新型コロナウイルスの検査結果とワクチンカードをAndroidデバイスにデジタルで保存できるようにしている。米国時間7月1日の発表で、同社は現在、Passes APIをアップデートしており、それによりヘルスケア団体や政府機関、および公衆衛生当局が認可しているその他の団体のデベロッパーは、検査やワクチンカードの情報のデジタルバージョンを作成し、それをユーザーのデバイスに直接保存できるようになる。Passes APIは通常、搭乗券やポイントカード、ギフトカード、チケットなどをユーザーのGoogle Payウォレットに保存するために使われている。ただし今回の場合では、Google Payアプリは要らない。

Google Payアプリのない人は新型コロナウイルスカードのデジタル版をデバイスに直接保存可能で、ホーム画面のショートカットからアクセスできる。Googleにカードのコピーはないので、複数のデバイスに新型コロナウイルスのカードを保存する必要のある人は、ヘルスケアプロバイダーなどのアプリからそれぞれにダウンロードしなければならない。

カードの上部にはヘルスケアプロバイダーのロゴや名前があり、その下に本人の名前と誕生日、そしてワクチンのメーカーや接種または検査した日付などの情報がある。Googleが提供している文書によると、ヘルスケアプロバイダーや関連団体は、カードをメールやテキストメッセージ、モバイルのウェブサイト、アプリなどからダウンロードできることをユーザーに伝えてもよい。

事例写真でGoogleは、ロサンゼルス郡で患者管理サービスを提供しているHealthvanaの新型コロナウイルスワクチンカードを例示している。ただしこの新しい技術に関心があったり採用する計画のあるヘルスケアプロバイダーの案内はない。この件でGoogleに問い合わせると、すでに大手のパートナーや州からの利用申し込みはあるが、現時点ではその名前を公表する許可がないという。数週間後に、いくつかの名前が公表されるようだ。

Passes APIが更新されても、Androidのユーザー自身が新型コロナウイルスのワクチンカードのデジタル版を作れるわけではない。これまで多くの人が、バックアップの手段としてカードの写真を撮ったり、良くない例としてカードをラミネートしていた。2回目以降の接種でもカードが必要なので、ラミネートはしない方が良い。

APIの更新では、デベロッパーが自分のシステムにある新型コロナウイルスの検査や予防接種のデータを、Androidデバイス上のローカルなデジタルカードにエクスポートするツールを作れるようになる。なるべく広く使われているデジタルカードを選んで採用することが、デベロッパーの仕事になる。

この機能の利用には、Androidのバージョンが5以上、そしてデバイスがGoogleの真正のアプリを使っていることを証明するライセンスプログラムであるPlay Protectの証明が必要だ。ユーザーはまた、セキュリティを確保するために、画面をロック画面にセットする必要がある。

Googleによると、APIのアップデートは米国に始まり、その後、他の国でも行われる。

ワクチンカードのデジタル化では、米国は他の国に後れを取っている。今日では、個人のワクチン接種状態や検査結果、発病後の回復状態などを示すEUの新型コロナウイルス証明書が使われている。そのEUDCCと呼ばれる証明はすべてのEU加盟国が認識し、国境を越える旅を可能にする。またイスラエルは2021年の初めにワクチンパスポートというものを発行して、予防接種が要件となっている場所で提示する「通行証」を提供している。日本も、海外旅行用のワクチンパスポートを2021年7月中に発行するようだ。

米国では、ごく一部の州がワクチン証明アプリを提供している。その他の多くの州は、ワクチンパスポートそのものを否定したり、それが政治問題になっているので不採用を検討している。

Googleのデジタルワクチンカードもこんな状況を反映して、紙のカードのデジタルコピーだ。政府のその他の計画との連係はなく、「ワクチンパスポート」でもない。

関連記事:EUが新型コロナ「デジタル証明書」を本格運用、ワクチン接種や検査陰性を証明

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Googleワクチン新型コロナウイルスアメリカ

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Googleが新型コロナ「デジタルパス」をAndroid標準機能としてサポート、「Google Pay」で接種情報表示可能に

Googleが新型コロナ「デジタルパス」をAndroid標準機能としてサポート、「Google Pay」で接種情報表示可能に

Google

Googleは6月30日(現地時間)、Android端末上で新型コロナウイルスのワクチン接種証明書を保存・表示が可能になったと発表しました。まずは米国で提供され、今後他の国でも提供予定です。

海外では、ワクチン接種を条件にマスクの非着用や経済活動の再開などの規制緩和も行われていますが、そこで問題となるのがワクチンを接種したという証明です。

紙の証明書が発行される場合も、常にそれを持ち歩かなければいけないというのがデメリット。一部では専用アプリ、いわゆるワクチンパスポートなどを利用するケースもありますが、個人情報を含めプライバシーの問題も懸念されています。

このため、AppleはiOSで利用できるワクチンパスポートアプリを、公的な保健医療機関に認められた組織またはその組織と提携する開発者に限定しています。

アップル、「コロナ陰性証明書アプリ」のApp Store提出は信頼できる機関または提携開発者に限定へ

これに対してGoogleは、OSの標準機能としてサポートする形となりました。Google Payで会員カードなどを表示するのに使われるPasses APIをアップデートして対応します。ワクチン接種の情報はクラウドには保存されず、端末内にのみ保存されます。

自分が所有する複数デバイスへの保存も可能ですが、同期はされないため、各デバイスで手動で保存する必要があります。なお、当然ながら、この情報をサードパーティと共有したり、ターゲッティング広告に利用することはないとしています。

これを利用するには、当然ながら医療機関等の情報提供側でも対応が必要です。情報提供側がWeb上に公開しているワクチン接種情報の仕組みをAPIに対応させると、その情報を端末上に保存可能になります。

この機能はセキュリティの観点から、利用できるのはAndroid 5.0以上でPlay Protect認定を受けている必要があり、加えてパスワードやPIN、生体認証などの登録が必要です。なお、Google Payアプリのインストールは必須ではないとのことです。

ちなみに、日本でのワクチン接種証明書は、現在議論が進められており、7月の中旬から下旬を目途に、まずは書面での交付が開始される予定。将来的にはアプリの利用も検討されています。

iPhoneユーザーはどうするのかという問題はありますが、接触確認アプリの場合と同様、AppleとGoogleで歩調を合わせて、利便性の高い仕組みを提供してほしいところです。

(Source:GoogleEngadget日本版より転載)

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ARメイクアプリ「YouCam メイク」がGoogleとタッグ、検索結果ページで40以上のブランドのメイク体験が可能に

ARメイクアプリ「YouCam メイク」(Android版iOS版)など手がけるPerfect Corp(パーフェクト)は6月29日、Google開催の「Marketing Livestream 2021 Conference」において、Googleとのパートナーシップにより検索結果ページ上にバーチャルメイク体験機能が導入されたと発表した。米国で開始し、日本国内では順次対応予定。

同機能はGoogleの検索結果ページに埋め込まれており、ユーザーはその場で自分のデバイスのインカメラを起動し顔を撮影することで、すぐにバーチャルで気になる製品の色味などを試せる。また、肌のトーンが異なる既存モデル画像を利用することで、様々な肌で商品の色味がどのような発色となるか確認することも可能だ。

また現在、同サービスはEstee Lauder、MAC Cosmetics、Charlotte Tilbury、Black Opalなどを含む40以上の化粧品ブランドのリップとアイシャドー製品に対応しており、順次対応商品カテゴリーを拡充する予定。

Perfect Corpは現在、台湾(本社)、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドに拠点を構え、YouCam メイクを筆頭に、累計9億ダウンロードを超えるビューティーアプリシリーズを開発。さらに、コスメブランドや小売店向けに高度な顔認証技術とAI技術を利用して開発したバーチャル メイクアップサービスを提供している。現在、300以上のコスメブランドをパートナーとして迎え、10万を超えるコスメ商品を60カ国以上で展開しているという。

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