Nikolaがゼロエミッションの電動ゴミ収集トラック2500台受注を発表、フル充電で約241km走行可能

電動トラックメーカーのNikola(ニコラ)は8月10日、ゴミ収集トラック2500台の受注を発表した。これを受け同社の株価は急上昇した。受注したトラックは、2022年にロードテストを実施し、翌2023年に生産が始まる見込みだ。

Republic Services(リパブリック・サービシーズ)が発注し、所有トラック台数は5000台に増える。同社は米国で2番目に大きなリサイクル・ゴミ処分サービス会社とされている。

受注のニュースにより、取引開始と同時にNikolaの株価は22%上昇し、記事執筆時点で14%のアップだ。同社は今年初めに上場し、IPO時に10.16ドル(約1076円)だった株価は数週間で93.99ドル(約9960円)になり、注目株となった。

プレスリリースによると、電動トラックはNikolaのTreパワートレインシステムを搭載し、1回のフル充電で150マイル(約241km)走行できる。バッテリーパックの容量は720kWh、一方のパワートレインはソフトウェアで1000HPに制限される。Nikolaはトラックのキャシーとボディの生産・組み立てを請け負う。

「これはゲームチェンジャーになる」とNikolaのCEOであるMark Russell(マーク・ラッセル)氏は声明で述べた。「ゴミ収集トラックの顧客はこれまでいつもトラックOEMにキャシーを、他のサプライヤーにボディを発注していた。Nikolaはキャシーとボディを完全に統合させていて、1つの工場で作業を行う。トラックにはいずれも自動化されたサイドローダーとフロントローダーが搭載される。すべてゼロエミッションだ」

ゴミ収集トラックのような産業マーケットは電気自動車メーカーにとってチャンスが広がる大きなエリアだ。メーカーはさほどデザインを追求せずにテクノロジーを生かせる。ゴミ収集会社は外観ではなく、能力を重視する。

産業用Treパワートレインとともに、NikolaはNikola Badgerという消費者向けピックアップトラックも展開する計画だ。現在プレオーダーを受け付けているNikola Badgerは2タイプあり、1つは航続距離300マイル(約482km)のバッテリーバージョン、もう1つは燃料電池バージョンでこちらの航続距離は600マイル(約965km)とされている。

画像クレジット:Nikola Motor Company

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(翻訳:Mizoguchi

米国TikTok事業の売却でByteDanceとマイクロソフトが合意、米国内ではマイクロソフト以外の企業が運営か

ロイターの報道によると、中国のByteDance(バイトダンス)が米国でのTikTok(ティックトック)事業を売却することで合意したという。この取引では、Microsoft(マイクロソフト)は米国に拠点を置くユーザーのデータの管理を引き継ぐことになる。またこの契約により、マイクロソフト以外の別の会社が米国でTikTokを運営することが可能になる。これによりTikTokは、トランプ大統領が脅したとされる執行命令の疑惑を回避し、米国内でのサービス運営を継続することができるようになる。

執行命令の疑惑とは、ByteDanceは以前に同社の少数株主を維持できるような取引を模索していたこと。結局はホワイトハウスがこの提案を却下したため、この計画は最近になって頓挫したようだ。

今回の新しい取引のもとでは、マイクロソフトは米国に拠点を置くユーザーのデータ保護を担当し、米国に拠点を置く別の会社がTikTok の運営を許可されることになる。ただし、この契約でTikTokが米国内での運営を継続することができるかどうかは不明だ。

マイクロソフトとホワイトハウスにコメントを求めたが現在のところ得られていない。

このニュースは、トランプ大統領が中国系アプリの米国内での運営を禁止する執行命令に署名(未訳記事)すると記者団に語った数時間後に発表された。これを受けてByteDanceは以下の声明を発表した。

1億人の米国人、特に新型コロナウイルスの感染拡大の時期には、エンターテイメントや人との繋がりを求めてTikTokに来ています。今年だけでByteDanceは1000人近くのスタッフを米国チームに採用し、さらに1万人の従業員を全米の企業の中でも厚待遇で採用できたことを誇りに思っています。当社が設立した10億ドル(約1050億円)のクリエイターファンドは、当社のプラットフォームで生計を立てている米国のクリエイターをサポートしています。TikTok USのユーザーデータは米国内に保管され、従業員のアクセスは厳重に管理されています。TikTokの最大の投資家は米国から来ています。TikTokの広報担当者は「私たちは、私たちのプラットフォームで創作する人たちに家族の喜びと有意義なキャリアをもたらすために活動を続けているので、ユーザーのプライバシーと安全性の保護に努めています。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / AFP (opens in a new window)/ Getty Images

GMはHummer EVのライバルにフォードのBroncoとテスラのCybertruckを想定

この記事の下にある動画では、間もなく発売される電動GMC Hummer(ハマー)がチラリと紹介されている。短いプレビューで、ありきたりのバズワード満載だが引きつけられる。GMがこの新型ハマーのライバルと定めている車は明らかだ。それは、Ford(フォード)のBronco(ブロンコ)とTesla(テスラ)のCybertruck(サイバートラック)の2車種。

Hummer EVが発表されたのは、コロナ禍に襲われる前のスーパーボウルの開催中だった。当時、電動パワートレーンにより1000HP(英馬力)を発生するとGMは確約していた。それ以来、この新型車の話はほとんど聞かれなくなったが、GMは2021年秋の生産開始に向けて、予定通り着実に準備を進めていた。

動画では、期待されている機能や性能のほんの一部を見ることができる。面白いのは、それらがモータリング領域の両端を示していることだ。分類するならば、それらは2つのグループにきっちり分けられる。オンロードの興奮と、オフロードの冒険だ。GMはHummer EVのライバルを、性能とデザインに大きな注目を集めているテスラのCybertruckとフォードのBroncoと定めていることが、この動画から明確に伺える。

Cybertruckに対抗する側面としてGMは、出力1000HP(1014PS)、トルク11500ポンド・フィート(1587kg・m)というHummer EVのパワーをうたっている。ただしこれらの数値は通常とは違う形で算出されている。

また、この巨大なトラックは3秒で時速60マイル(時速約96km)に達するという。これはもう高級スポーツカーの世界だ。さらにこの動画は、Hummer EVには「Adrenalin」(アドレナリン)モードが搭載されていると伝えている。これはテスラの「Ludicrous」(ルディクラス、イカレてるという意味)モードに高度な自動運転機能が付属したみたいなものだと簡単に察しがつく。

Broncoに対抗する側面としては、Hummer EVのオフロード性能を見せている。これには、Broncoの段階的に取り外せる屋根に匹敵する、Open Air Infinity Roof(オープンエアー・インフィニティー・ルーフ)とModular Sky Panel(モジュラー・スカイ・パネル)と呼ばれる機能が含まれる。さらに動画では、「Crab」(クラブ、カニの意味)モードも紹介されている。岩場をよじ登るときのための高トルクモードだ。尋常ではないトルクを発生することで、Hummer EVは相当な急勾配も登れるようだ。

価格と正確な販売時期はまだ発表されていない。それはテスラのCybertruckも同じだ。フォードには電動F-150が控えていることも忘れてはならない。間もなく、電動ピックアップの戦いが始まる。その様子は逐一お知らせしよう。

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(翻訳:金井哲夫)

フォードがテスラの挑発に乗り1400馬力のEVマスタングMach-Eを発表

スピードは売りものになる。 テスラが新しい車両を発売したり、既存の車両をアップデートしたりする際には、しばしば0-60mph(停止状態から時速約96.6キロへ)の加速時間が引き合いに出される。こうした数値は、電気モーターが動力を発揮する方法の違いで、ガソリン車の数値を上回ることがしばしばだ。日常の運転にこうした 0-60mph 加速はほとんど無関係ではあるが、それでもテスラは、他の多くのメーカー同様に、これを重要な市場性のある数値とみなしている。

米国時間7月21日フォードは、近日発売予定の4ドアEVマスタングの、特別仕様車を発表した。上で述べたように、スピードが売り物になるため、これは速いマシンだ。7つのモーターが合計1400馬力を生み出す。要するにバカみたいにパワフルだということだ。

フォードはこの特別仕様車を売るつもりはない。フォードはこの車をEV技術の限界を探るために開発したのだという ―― そして、もちろんそれを世間に見せつけるためだ。

フォードマスタングMach-E(マッハ-E)は、パワー調整を行って、市場にはGTという名前で登場することになる。そして、それは7つではなく2つのモーターしか搭載しないものの、それでも決して軟弱なマシンにはならないだろう。2つのモーターは459馬力を生み出すが、これはスリル満点の十分なパワーだ。

今回のものはフォードの2番目の特別版マスタングMach-Eだ。今年初めに発表されたマスタングCobra Jet(コブラジェット)も1400馬力を誇っていたが、主に直線を高速に走る構成でデザインされていた。

これらのコンセプト版マスタングは、テスラの「Insane mode」(非常識モード)や「Ludicrous mode」(不条理モード)がその車に興奮をもたらしたように、コアなユーザー層に興奮を巻き起こすだろう。フォードのマスタングMach-Eは窮地に追い込まれており、買い手に対してこの4ドアEVが、マスタングの名に恥じないことを示す必要があるのだ。そもそも、マスタングを有名にしたのは何か?手頃な価格で手に入る興奮だ。

マスタングMach-Eはフォード初のモダンEVになる予定で、これまでのところ、ゼネラルモーターズ(GM)が発売した初のEVであるChevy Bolt(シェビー・ボルト)とは異なる道を辿っている。誰に聞いても、Chevy Boltは低価格で、バランスが良く高速な素晴らしいEVだ。しかしChevyは自身を、凡庸な移動手段として位置付けている。マスタングMach-Eも人間の移動手段としては似たような能力を持つが、フォードはマスタングの名前と性能を押し出したマーケティングで興奮を高めている。

レースでの勝利は売り上げを生み出すという、古い自動車業界の格言がある。「日曜日に勝ち、月曜日に売る」という言葉は、NASCARの車両が、市販車と似通ったものであった時代に言われていた。とはいえ今ではそれは昔話だ。現在のNASCARの車両は、市販車に使われている部品をほとんど利用することはないが、格言自身は依然として意味を持っている。NASCARの代わりに、自動車メーカーはYouTubeの世界での勝利を目指している。そこで視聴回数がチェッカーフラッグと同じ位重要なのだ。

テスラの最初の車両は、改造されたロータスクーペだった。当時、ほとんどのEVは人や物を運ぶためにデザインされた 実用的なものだったのだ。テスラロードスターには実用性はほとんどなかったものの、大きな興奮を巻き起こした。そしてテスラはModel Sを発表し、すぐに強力なモーターを追加してパフォーマンスを絞り出し、ポルシェを0-60mphの性能で打ち負かすようにチューニングした。テスラがModel X SUVを発売したときには、ドラッグレースでスーパーカーを打ち負かす様子を頻繁に見せつけた。改めて言うが、オーナーがその能力を使うことは滅多にないとしてもスピードは売りものになるのだ。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:sako)

フォード・Broncoの自由自在にスマホやドラレコが取り付けられるアクセサリーマウンティングバーがすごい

Ford(フォード)のSUVである2021 Bronco(ブロンコ)は(未訳記事)、オーナーがガジェットをたくさん持っていることを知っている。ダッシュボードの上、フロントガラスの手前にアクセサリーマウンティングバーがある。iPhoneをマウントする。レーダー検知器やGoProやドライブレコーダーなどなんでも取り付ける。これは素晴らしい!他の車も同じようなソリューションを採用してくれることを願うばかりだ。

Ford Broncoには気の利いた仕掛けがたくさんあり、このシンプルなアクセサリーバーがそれを物語っている。フォードは自分たちの顧客をよく知っている。

Jeep Wrangler(ジープ・ラングラー)を見てみよう。まるで無地のキャンバスのように、オーナーはさまざまなアクセサリーや装備品を取り付ける。新しいフェンダーからラック、カメラ、ステッカーにいたるまで、多くのオーナーが自分好みに車をカスタマイズし続ける。

対局にあるのが、トラックやセダンに乗る日常的なオーナーだ。誰もが携帯電話を持っているが、ほとんどの車には携帯電話を置くための専用スペースがない。ドライブレコーダーの価格が下がり、その有用性が認識されるにつれ急速に普及している。多くのドライバーがフロントガラスに設置してしばしば運転時の視界を妨げている。

Broncoのアクセサリーマウンティングバーは多くのドライバーにとって有効だろう。フロントガラスのあちこちに吸盤式マウントを設置するかわりに、フォードが安全だとみなした場所に小さなガジェットをしっかり取り付けることができる。バーの横にはUSBと12Vのソケットもある。

自動車メーカーは長らくガジェットを無視してきた。よくても携帯電話のワイヤレス充電パッドをつけるくらいだが、多くの場合スマートフォンの利用を妨げる場所にある。好むと好まざるとにかかわらず、ドライバーは運転中に地図やメディア再生などのためにスマートフォンを使うので、車は安全に設置できるように設計すべきだ。

このバーはほとんどのモダンな車には似合わないだろうが、同じような発想で他の車向けにデザインされたものが出れば、多くの車に歓迎されるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoProの「Hero 8 Black」が約2.7万円のウェブカメラになる

アクションカメラのGoPro Hero 8が、ソフトウェアユーティリティのおかげでウェブカメラとして使用できるようになった(Engadget記事)。ソフトウェアはまだベータ版だが、ユーザーはHero 8カメラをUSB接続してウェブカメラとして使用できる。このユーティリティの登場以前は、コンピューターとカメラをドングルとHDMIケーブルで接続(未訳記事)しなければならなかった。

GoProアプリがリリースされたのは、ほとんどのカメラ会社が最新のデジタル一眼レフカメラ用に同様のユーティリティをリリースしているためだ。ソニーは顕著な例外だ。対応メーカーのリストは別の記事(未訳記事)で確認できる。

GoProのこの新しいソフトウェアを使えば、Hero 8カメラとその便利な広角レンズを使って、ZoomやMicrosoft Teams、Discord、その他多くのビデオチャットで使用できる。Chromeを介するとWebex、Skype、Slackなどでも動作する。

新型コロナウイルスの大流行により、在宅勤務への需要増からウェブカメラが不足していた。世界経済がホームオフィスにシフトしていく中、Logitech(日本名ではロジクール)やMicrosoft(マイクロソフト)のウェブカメラはすぐに売り切れた。DLSRをウェブカメラとして動作させることができる数少ないHDMIアダプタも完売していた。そしてカメラメーカーは急遽、HDMIではなくUSBを介してウェブカメラとして動作させるためのソフトウェアの改造を始めた。

GoProの対応はスマートだ。249ドル(約2万7000円)という新たな価格によりGoPro Hero 8 Blackは、ウェブカメラとして高画質なカメラを使用するための最も安価なルートの1つとなった。今のところソフトウェアはMacでしか動作しない。GoProによればWindows版も開発中だという。Hero 8をウェブカメラとして使用するには、GoProから最新のファームウェアをダウンロードし、GoProの新しいWebcam Desktop Utilityアプリを入手する必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Lucidが電気自動車の販売・サービス拠点を20カ所に開設

電動セダンのLucid Airは2020年9月9日にデビューする予定だが、米国時間7月8日にLucidはそれらの車を販売し、サービスする計画の詳細を発表した。同社によると、2021年までに20カ所のいわゆる「スタジオ」とよばれるサービス拠点を開設するという。これらの拠点は北米全域に設置され、Tesla(テスラ)の顧客拠点と似たような役割を果たす。

現時点で明かされているスタジオとサービスセンターの所在地は、カリフォルニア州ビバリーヒルズの2拠点、サンノゼ、ウェストパームビーチ、ニューヨーク市、DCメトロエリア、カリフォルニア州ニューアークにあるLucidのシリコンバレー本社だ。

Lucidはこれらの販売店に電話をかけないように注意している。なぜなら、販売会社は州の規制を遵守する必要があるからだ。多くの州では、実店舗をつうじて直接顧客に自動車を販売することを禁じている。その代わり州の規制により、自動車メーカーは第三者、つまり独立したディーラーを利用して取引を行うことが義務付けられている。テスラと同様、Lucidのこれらのロケーションはブランド認知度を高め、顧客のオンライン購入を支援する。

サービスに関しては、Lucidはモバイルサービスプロバイダーや衝突修理センターを含む認定サービスセンターのネットワークを構築している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Apple Watchに睡眠トラッカー機能が近日追加、WWDC20で発表

Apple(アップル)は長らく要望の多かった睡眠トラッキング機能を、Apple Watchに搭載すると発表した。これにより、ユーザーは睡眠状態を追跡できるだけでなく、アップルによると睡眠を改善するための総合的なアプローチを作成することもできる。

睡眠トラッキング機能はiPhoneと連動して、より良い睡眠習慣を習得するのに役立つ。この機能は「Wind Down」と呼ばれ、iPhoneやApple Watchによる邪魔を減らすためのものだ。機能を有効にすると、電話はロック画面に就寝までの残り時間(ユーザーがあらかじめ設定した時間)などの追加情報を表示し、おやすみモードがオンになる。そして画面では、ユーザーにウェブブラウジングではなくリラックスして瞑想するように促す。 そして目覚める時間になるとアラーム画面が復帰し、Shortcutsへのリンクが表示され、日常的なアプリの起動が簡単になった。

Apple WatchでWind Downを有効にすると、ユーザーのデフォルトのコンプリケーションがシンプルな文字盤に置き換えられる。

睡眠を追跡するために、Apple Watchはユーザーの細かな動きや呼吸を追跡する。この情報は、Apple WatchまたはiPhoneで表示できる。

アップルが睡眠トラッキング機能に参入するのは、これが初めてではない。2017年に同社は、マットレスで寝起きを記録するデバイスを開発していたBedditを買収した。会社はまだ営業しており、購入も可能だ。現時点では、アップルの内部でなんらかの技術や戦略が共有されているかどうかは不明だ。

睡眠トラッキング機能は今年後半にiOS 14とwatchOS 7でリリースされる。iPhoneとはApple Watchは独立して動作し、Apple Watchを持っていないユーザーでもベッドタイム・起床機能を利用できるようになる。

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カテゴリー:ヘルステック

タグ:Apple WWDC Apple Watch

アップルはiPhoneをクルマの鍵に変える、WWDC20で発表

米国時間6月22日にApple(アップル)はWWDCにて、iPhoneで車をコントロールする機能を発表した。まもなくリリースされるソフトウェアアップデートにより、iPhoneは車のロックを解除したり、あるいは標準的なキーのように車を始動できるようになる。もしあなたの車がサポートしていれば、だ。なお、詳細はまだ明らかになっていない。

当面からこの機能をサポートするのは次期BMW 5シリーズだけだ。Apple(アップル)は将来的には、他のメーカーも機能をサポートすることを期待している。

もちろん、セキュリティが最優先だ。アップルは、いわゆるデジタルキーは所有者のiPhoneの安全な領域に保存されると主張している。つまりクラウドには保存されず、ローカルのiPhoneに保存されるのだ。これは、FaceIDやWalletと同じセキュアな隔離された環境だ。

車のキーがiPhoneに追加されると、オーナーはiMessageをつうじて他のiPhoneと鍵を共有できる。共有する際には、所有者はキーの権限を制限することもできる。詳細はまだ不明だが、これにより親がティーンエイジャーへと車の使用を制限することができるようになりそうだ。自動車メーカーは以前から同様のオプションを提供しており、オーナーは運転速度やラジオの音量、その他の機能に上限を設けることができる。アップルの制限の範囲は、現時点では不明だ。

アップルは自動車メーカーと協力して、iPhoneの超広帯域チップ「U1」をこのシステムに統合しようとしている。もしこれが実現すれば、通信範囲は大幅に拡大されるだろう。一方でU1チップがなければ、所有者はスマートフォンを車に近づけ、スマートフォンのNFCチップを読み取ラセル必要がある。アップルはオーナーが車に近づき、バッグから携帯電話を取り出さずにロックを解除する例を示した。

この機能はiOS 14でロールアウトされるが、iOS 13搭載のデバイスにも提供される。

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カテゴリー:ハードウェア

タグ:Apple WWDC

2020年ベントレー新型フライングスパー:極上の乗り心地とパフォーマンス

なんと言ってもBentley(ベントレー)なのだ。最高である。

ベントレーの新型フライングスパーはラグジュアリーを極めた高級セダンである。ほとんどのスポーツカーよりも大きなエンジンを搭載し、極上の座り心地の4つの座席を備え、まるでシャワーフロアを滑る石鹸のようになめらかに道路を滑走する。27万9000ドル(約3000万円)という価格を掲げたさすがの仕様である。

パワフルであるにもかかわらずこの上なく快適なのがこのセダンの特徴だ。ベントレーによると、同車はW型12気筒エンジンを搭載しており時速は207mphに達するとのことだが、それを確かめようという気にはなれなかった。速く走るということは、目的地に早く着いてしまうということだからだ。新型フライングスパーを試乗した1週間、ずっと運転していたいとどれほど願ったことか。

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レビュー

新型フライングスパーはベントレーのセダンにおける長い歴史を反映している。ベントレーの4つのラインナップの中でフライングスパーは、豪華なミュルザンヌモデルのひとつ下のより手頃な価格のモデルとして格付けされており、よりドライバーにフォーカスしたセダンである。サイズは若干小さく少し控えめではあるものの、それでも仕上がりは秀逸である。

ボンネットのクリスタルオーナメントに至るまで、フライングスパーの全ては極上の体験を叶えるためにデザインされている。後部座席のヘッドレストのピローは、著者のベッドにある枕よりも柔らかくサポート力がある。マッサージシートの機能は的確。オーディオは響き渡る低音とクリアな高音が楽しめる驚きのクオリティだ。

フライングスパーが持つ快適性は、格下クラスの車種でも提供されている。大型セダン向けのマッサージシート、贅沢な素材、大型セダンにして卓越したドライビングダイナミクスは、8万ドル(約860万円)のキャデラックや15万ドル(約1600万円)のメルセデスベンツでも体験できるのだ。私はこれらの車を全て運転したことがあり、どれも素晴らしいのだが、フライングスパーはどの点においても少しずつ他社を上回っている。しかし、他社よりもはるかに高額なこの価格が正当性を持つか否かは、お金を払う人が決めれば良いことである。

ラグジュアリーで惹きつけ、パフォーマンスで心を掴む

フライングスパーの走りは堂々たるものだ。ボンネットの下に搭載されたW型12気筒エンジンがクルージングに十二分なパワーを提供。最高出力626hpと663フィートポンドのトルクを発揮し、パワーは底なしだ。これこそが堂々たるセダンに必要とされているものなのである。車両の俊敏性を高めるために再構成されているものの、過去のモデルと同様、今回アップデートされた フライングスパーも全輪駆動を採用している。今回の仕様では、ほとんどの動力が後輪に送られる。前輪に動力が供給されるのは、主に車が後部のスリップを検出した場合だ。その結果、高速のスタートを切っても十分な安定性を確保できるようになった。

高速時にフライングスパーはその実力を発揮する。なめらかなシフトと驚くほどの惰性能力で道路を走り抜ける。アクセルオフ時には余力で延々と惰性走行を続けていられるような感覚だ。実際に機械面で同社は卓越した成功を収めており、ドライバーと同乗者双方に比類ない乗り心地を提供している。フライングスパーの乗車体験を極上のものにするために熟練した運転手は必要ない。ベントレーはあらゆる問題点を細やかに解決。アグレッシブな運転であっても乗り心地を快適なものにしてくれる。

新型フライングスパーでの居眠りは禁物だ。この車は3.7秒で時速60マイルに達するのだ。これより速い車はあるが、このベントレーほど大きな車でこの実力はほぼ存在しない。スピードを出してもサイズ感が安定感をもたらし、音の遮断効果のおかげで運転席のすぐ目の前で起きているエンジンの激しいドラマからドライバーを隔離。誤解のないよう言うと、フライングスパーは高速ではあるものの素早いという感覚とは違う。これは素晴らしいことである。ベントレーがもたらすエクスペリエンスは、首の折れるような高速スタートとは一線を画すものなのだ。

ヘッドレストピローが最高だ

インテリアには期待通りの設備が整っており、広さも余裕のある造りだ。ドライバーは快適かつ見晴らしの良い位置にゆったりと収まり、後部座席の乗客は5つ星ホテルにある枕と同じくらい柔らかいヘッドレストで快適に過ごすことができる。

セダンにモダンな要素をプラスすべく、車載インフォテインメントスクリーンが中央に埋め込まれている。超ワイドスクリーンにユーザーコントロールのほとんどが表示されるが、これは少し時代遅れに感じられる。フォルクスワーゲンブランド全体(VWはベントレーを製造している)の他のトップクラスの車両と比較すると、触覚フィードバックやエアージェスチャーなどの先進的な機能やデザインの洗練性において同システムは劣っている。

しかし画面自体には驚かされる。ボタンを押すだけで画面が逆回転し、木製のトリムに埋め込まれた3つのアナログダイヤルが姿を表す。モダンな要素を隠し、ベントレーが誇る時代を超えたエレガンスを演出する上品なクラフツマンシップである。

ベントレーフライングスパーの車内はある意味、馴染みのあるものだ。回転するインフォテインメントシステムを除くと、フィット感やトリムは、アウディ、メルセデス、レクサスによるトップクラスのセダンと変わらない。他とは違うインテリアを望む場合は、ベントレーミュルザンヌにステップアップするしかない。

後部座席にもリクライニングリアシート、マッサージャー、車内温度とメディアを調節するタッチスクリーンを備え、前部座席と同様の心地良さを実現。しかし大型セダンにしては後部座席の足元の余裕は少ない。快適ではあるものの、身体の大きい大人は予想よりも窮屈に感じるかもしれない。少なくとも現時点では、フライングスパーでは拡張ホイールベースを備えていない。後部座席に座ると前部座席よりも特別な体験を得ることができる。何せこのヘッドレストピローが極上なのである。

フライングスパーの約27万9000ドル(約3000万円)という価格は、BMW、アウディ、メルセデスのトップクラスのセダンをはるかに上回っている。これら自動車メーカーのスーパーセダンも同レベルのパフォーマンス統計と豪華な仕様を備えているため、売り上げは難航するだろう。生で見るとフライングスパーは競合他社とは異なる威厳を放っているのが分かる。フライングスパーはテクノロジーを内部に秘めつつ、時代を超えたエレガンスを体現しているのだ。

フライングスパーはドライバーと同乗者双方に素晴らしい体験をもたらしてくれる。一部の高級車は豪華さかパフォーマンスかのどちらかに重点が偏っており、これを両立させるのは簡単なことではないが、ベントレーのセダンは見事にこれを実現してくれた。ドライバーはほとんどのスポーツカーに劣ることのない素晴らしいスポーツセダンを運転することができ、同乗者はこの上ない快適な乗り心地を体験できるのだ。

関連記事:フォードがハンズフリー運転機能を2021年導入、まずはマスタングEVに

カテゴリー:モビリティ

タグ:ベントレー 自動車 レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

NSXはタイヤ付きのすばらしいスマホホルダーだ

アキュラのNSXは、ものすごい馬力を発生するハイブリッドパワートレーンを搭載した爽快なスポーツーだ。しかし、これは車の性能を語る記事ではない。この車の最大の機能のひとつである、スマホホルダーの紹介だ。今や、ほとんどの人にとってスマートフォンは体の一部として必要不可欠なものとなり、車ももっと統合を進めなければならないという現実に自動車メーカーが気づくべきときにある。

専用のスマホホルダーの採用は、自動車メーカーがようやくカップホルダーを採用したのによく似ている。こんなジョークがあった。熱いマクドナルドのコーヒーを置ける場所をユーザーに提供できるようになるまで、自動車メーカーは何十年も要した。

NSXには、ドライバーの視線を直接遮ることなく、それでいて操作が可能なスマホホルダーが装備されている。ホルダーはセンターコンソールに設けられ、スマートフォンは縦に置く。これならスマホをすぐに手に取り、またすぐに元に戻せる。

長い間、自動車メーカーは、一部のドライバーだけが使う物としてスマートフォンを見てきた。これは現実離れしたスタンスだ。運転中にスマホをいじれば交通違反になる地域は多いが、それでもスマホをナビゲーションやメディアに使う人は大勢いる。自動車メーカーの対応は、せいぜいラジオの下かセンターコンソールのシフトレーバーの後ろに汎用のポケットを設けるぐらいだった。

スマホホルダーの対応に遅れた理由はいくつかあるが、そのひとつに、車両の開発は何年間にも及ぶが、スマホはもっとずっと短いサイクルで新機能が追加されたり形状が変わるという問題がある。自動車メーカーは、スマホのような家電製品がどう変化するかを予測し、現在のものだけでなく5年先のものにも対応できるよう車をデザインしなければならないという難題を抱えているのだ。

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NSXの性能に関しては、簡単な概要しかお伝えできない。この車を72時間使わせてもらったが、そんな短い時間運転しただけで、この車の結論を出すのは気が引ける。加速は猛烈だが、ボディ剛性は平均的だ。ステアリングにはムラがあり、あるときは重かったり、あるときは敏捷だったりと安定しない。日常のドライブなら我慢できるが、コース上では問題が多いだろう(実際にコースでは走っていないが)。

エンジン音には失望した。標準の走行モードである「Sport」では、エギゾーストが錆び付いたサターンのような音がする。「Sport+」モードと「Track」モードでは少し音は改善されるが、それでもまだむきだしの感情が伝わってこない。

全体として、NSXのドライビングダイナミクスについてはよくわからない。NSXと過ごした短い時間に、私は曲がりくねった田舎道とハイウェイの長い直線を走った。それでもまだ結論が出せない。ある意味、それが私の結論なのかもしれない。NSXは17万9000ドルという価格に相応したすばらしい車だが(日本では2420万円より)、ドライビングダイナミクスの点でポルシェ911ターボやアウディR8やAMG GT Rを上回る何かを提供してくれているだろうか?私にはわからない。しかし、すばらしいスマホホルダーが搭載されていることだけは確かだ

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(翻訳:金井哲夫)

アクションカメラのGoProがなぜ?最大200ルーメンで防水仕様のライト「Zeus Mini」を発売

GoProは5月20日、個人用の照明という競争が熾烈な業界に参入した。GoPro Zeus Miniだ。小気味いい小さなライトのようだが、アクションカメラ企業が発売するものとしては興味深いプロダクトだ。

防水仕様のZeus Miniの価格は69.99ドル(約7500円)で、磁力スプリングクリップが付いてくる。ライトはGoProの全マウントで使える。Zeus Miniで最も優れているのは多機能なマウントかもしれない。このライトはGoProの製品に投資した人にとっては納得のいくものだ。すでにGoProのマウントを自転車に設置しているなら、そこにカメラもしくはライトを取り付けられる。

照明マーケットの競争は激しさを増す一方だ。過去数年で、Subreddit(サブレディット、ニュースサイトRedditで特定のトピックの議論を目的とするサブフォーラム)、フォーラム、ファンサイトが立ち上がり、そこでは人々が、Fenix、Nitecore、Sofirn、Olightといったブランドからの最新プロダクトについてあれこれ意見を交わしている。筆者のような素人にとってはZeus Miniはそうしたブランドのベストな製品と同レベルのように見える。

Zeusの明るさは4段階で調整でき、最大200ルーメンで照らす。ライトに詳しい人なら「200ルーメンというのはOKだが、でもすごいいいというわけではない」と即座に指摘するだろう。ライトで重要なのは明るさのレンジと照らす範囲だ。直接目にしたわけではないが、GoProのプロダクトなので防水仕様でコンパクト、そして頑丈なように見える。

GoProの株価は上昇中で、2020年における最高値を更新した。この記事執筆時点で、3%増の1株あたり4.14ドル(約445円)で取引されている。同社は新型コロナウイルス(COVID-19)の打撃から立ち直りつつある。しかし株価は過去52週間の最高値7.33ドル(約789円)のおおよそ半分だ。

GoProのマウントで使える似たようなライトを提供している他社をGoProは後追いしている。他社のライトはさまざまなオンライン小売で入手でき、かなり明るいものもあれば、安価なものもある。

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(翻訳:Mizoguchi

DJIの最新産業用ドローン「Matrice 300」は飛行時間55分、最大伝送距離15km

ドローン最大手のDJIは米国時間5月7日、最新機種のベールをはいだ。産業向けドローンのMatrice 300は、同社のMatriceシリーズを基に作られ、長寿命バッテリーと6面に配置された障害物検出センサーに加え、最大15kmのビデオ通信範囲を備える。

Matriceは長年続いているDJIのオールインワン産業用製品シリーズだ。このシリーズのモデルは消費者向けやプロシューマー向けよりもずっと大きく実用的で、市場に合わせた機能を備えている。消費者がドローンを主にビデオ撮影に使うのに対して、企業や公共サービスはドローンによるデータ収集に目を向け始めている。

Matrice 300はデータ収集と航空測量向けにつくられている。カメラモジュールは2種類用意されていて、H20モデルには2000万画素で光学23倍ズーム付カメラと、広角1200万画素カメラに加えて、3~1200m先の距離を測れるレーザー・レンジファインダーが搭載されている。H20Tモデルでは、センサーアレイにサーマルカメラが加えられている。

さまざまな機能を統合することで、このドローンは定点撮影などの自動化機能をもっている。コントローラーの画面にマークをつけるだけで、ドローンが自動的に同じ場所同じ角度から撮影するように指示できる。移動する物体を追跡する機能もある。

DJIの他のハイエンド機種と同じく、Matrice 300にはデュアルオペレーターモードがあり、2人でドローンを操作することができる。必要なら、Matrice 300の行動範囲の反対の端にいるパイロットに制御を渡すことも可能で、そうすることで飛行範囲と安全性が飛躍的に向上する。

DJIはこの最新ドローンに数々の改善を盛り込んでいる。衝突検出センサーをドローンの6面に配置することで360度の保護が可能だ。Matrice 300に付属する新しいコントローラーには最新のフライトソフトウェアが搭載されているので、パイロットの操作も改善されるだろう。

バッテリー寿命も大きく改善された。DJIによるとMatrice 300の飛行時間は55分で、Matrice 200の38分やプロシューマー向けInspire 2の27分を大きく上回っている。デュアルバッテリー機構によって、ドローンが地上にいる間に電源を切ることなくバッテリーをホットスワップできる。

価格は公表されていない。Matrice 300は2020年後半にDJIディーラーを通じて販売される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元アップル社員が開発した無接触水パイプを喫煙器具メーカーのGrenco Scienceが買収

多様な加熱式の喫煙器具(ヴェポライザー)と関連製品を開発・販売しているGrenco Science(グレンコ・サイエンス)が、Stündenglass(シュトゥンデングラス)という企業を買収して、同社の製品ラインアップに加えた。Stündenglassは元アップル社員のTracey Huston(トレーシー・ヒューストン)氏が創業した企業。手の動きと水、そして逆方向の気流を利用する奇抜な形の水パイプを開発しており、無接触の独特な経験を作り出していた。

買収の正確な条件は公表されていないが、価額は100万ドル(約1億700万円)以下で、Stündenglassの創業者と社員一人がGrenco Scienceのチームに加わる。

Grenco ScienceのCEOで創業者のChris Folkerts(クリス・フォルケルツ)氏は「トレーシー・ヒューストンの才能と、ビジョンを実際の形にする能力はよく知っている。Grenco Scienceはその製品をグローバルな拡張計画に含めることによって事業を拡大できるだろう。最新のデザインを我々の製品にも生かしたいし、彼らの今後の製品にも注目したい」と語る。

Stündenglassのプロダクトは、複数のユーザーが1つのマウスピースを共有し、マウスピース自体に接触しなくてもいい設計になっている。一種の水煙管(みずぎせる)のシステムで、ユーザーは別々のマウスピースを使えるので、新型コロナウイルス蔓延の現在に必要とされているソーシャルディスタンス(社会的距離)にはぴったりだ。同社によると、特許を取ったこのシステムは水をその重力で運んでふるいにかけるので気化した素材をスムーズに利用できる。

Stündenglassの創業者でCEOのヒューストン氏は声明で「Grencoのチームに加わればこのデバイスの開発スピードがアップするだろう」とコメントしている。

Grenco Scienceは2012年創業の企業で、これまで数種類の新しいヴェポライザーをリリースしてきた。最近発売したのはポケット型のウォーターヴェポライザーで出先で濃縮物を吸える。同社は2019年に、Serruya Private EquityとStable Road CapitalによるシリーズAの資金調達を完了した。

以下は、旧型Stündenglassのデモだ(日本では正規の医薬以外には使用不可)。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ポルシェがビンテージ向けのCarPlay対応ユニットを発表、1960年代モデルにも搭載可能

クラシックのポルシェをお持ちですか?皆さん、お持ちですよね?米国時間4月23日、ポルシェはBluetooth、DAB+、アップルのCarPlayといった最新の接続機能を有しつつビンテージな外観を再現したヘッドユニットのラインアップを発表した。

これはポルシェの公式ハードウェアで、1DINと2DINにそれぞれ対応しているため、1960年代から1990年代の車に搭載できる。

確かにタッチスクリーンだけのインターフェイスは1976年の911Carrera(カレラ)には少し場違いかもしれない。そのため、ユニットはボタンやダイヤルを備え、全体に統一されたビンテージ感を演出する。1990年代にポルシェはサイズの大きい2DINの設計に移行したため、この時期のモデルに対応するヘッドユニットはボタンやダイヤルに加えて大画面のタッチスクリーンを備える。

どちらのユニットもポルシェのディーラーから購入できる。これはビンテージの車にできるだけ長く走っていてほしいというポルシェのスタンスを表している。このユニットで、オーナーは最新のテクノロジーの利便性を利用できるようになる。自動車メーカー各社はクラシックカー向けのパーツを長年提供しているが、ドライバーが最新の接続機能を活用できるものはほとんどない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

世界最大の大麻企業Medicine ManがSchwazzeにリブランド、積極的買収も発表

急成長する米国コロラド州の大麻(カナビス)企業の最大手、Medicine Man Technologies(MMT、メディスンマン・テクノロジーズ)がSchwazze(シュヴァッツェ)という新ブランドを発表した。SchwazzeはMMTおよび同社のさまざまなブランドを包括する親会社になる。公開企業である同社は、今後ティッカーシンボル「SHWZ」として店頭取引される。

Schwazzeは栽培技術に由来する名前で、同社の新CEOはTechCrunchに、社名変更は会社の重点目標を反映していると語った。「これは植物の育成、成長における重要なプロセスであり、葉を注意深く取り除くことによって幹の成長と広がりを促し、花に多くの養分を送ることができる」。

「これは極めて重要だ。こうすることで大麻の成長を促進し健康状態を保つことができる」とSchwazzeのCEOを務めるJustin Dye(ジャスティン・ダイ)氏がSchwazzeメソッドについて語った。

同社はMedicine Man Technologiesブランドを専門的サービス部門として今後も継続する。

2019年末、同社は数多くの買収計画を発表し、Dダイ氏を新しいCEOとして採用した。今週同氏は、同社がMesa Organics(メサ・オーガニクス)とPurplebee’s(パープルビーズ)を買収したことを発表した。いずれもコロラド州の大麻会社で、コロラド・カレッジの教授であるJames Parco, Ph.D.(ジェームズ・パーコ博士)が設立した。Parco氏はSchwazzeの経営チームに加わる。この買収によって、Schwazze傘下に調剤薬局と高度な抽出業者が新たに加わる。

「両社は素晴らしい会社だ。急成長中で、収益性が高く、経営陣もすばらしい。2社を率いる偉大なリーダーが我々の経営チームに加わる」とDye氏が語った。

Schwazzeは新型コロナウイルス(COVID-19)危機が同社の成長を妨げることを許すつもりはない。同社はコロラド州での成長を糧に、マリファナ薬局、栽培者、製造者をさらに増やしていく意向だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

データで室内家庭菜園を管理する約1万円のMendel Air Sensor

Mendel Air Sensor(メンデル・エアー・センサー)は、私が朝一番に開くアプリだ。RedditよりもGmailよりもニューヨーク・タイムズよりも先に見る。ごろりと寝返りを打ってスマホを手に取り、植物たちの状態を確認する。私からこれほどの栄誉を与えられたアプリは他にない。

Mendel Air Sensorは、室内園芸の流れを変える。これは、植物の成育環境に欠かせない重要な情報を収集する複数のセンサーが組み込まれた洗練された製品だ。価格は99ドル(約1万600円)。この価格帯で、これと同等のデータ収集能力を備えた製品は、まず見つからない。

このMendel Air Sensorを開発した企業は、もともとは家庭用アクアリウム水槽のためにこのセンサー技術を開発していた。Mendel Air Sensorを開発し出荷するために、データ収集に詳しいグループと熟練の製造業者とが手を組んだのだ。

私には、屋内での植物栽培に関する知識はほとんどない。YouTubeでいくつか動画を見て、あれこれブログ記事を読んで、友だちにアドバイスを求める程度だ。それでも、私は地下室で小さな菜園を作り、トマト、ロメインレタス、ニンジン、それにいくつかの葉物を育てている。

数週間のうちに、私は植物を育てるにはデータが重要であると理解するようになった。気温、照明の種類や量、湿度、または、植物が湿度に対する反応を飽差(VPD)の計算から割り出すなど、考えなければならないことが山ほどある。

私はMendel Air Sensorを、ひとつの植物栽培テントの中で使っている。その緑色の小さなデバイスが、15分ごとに4つのデータポイントを収集し、ウェブアプリまたはスマートフォンアプリに表示する。これを参考にして、換気扇や照明の位置や湿度などを調整して、テントの中の人工的な環境を整えてやるのだ。

私も気付いたのだが、このデータを1日中監視していることが極めて重要だ。一度セットしたら後は放っておけるというレベルにまでは、私の菜園の環境は安定していない。だいたい1日に2回、Mendel Air Sensorのおかげで、私は植物栽培テントの微調整をしている。このデータがなければ、植物が危険信号を発するまで、何かが不足していてもわからなかっただろう。その信号に気付いたときには、もう手遅れだ。

99ドルという価格はお値打ちだ。競合製品はわずかしかない。しかもそのほとんどは、より完成度が高いように見えるものの、価格は2倍から3倍する。

CEOのNate Levine (ネイト・レビン)氏は、Mandelはもう1つの自己資金で創設されたサンフランシスコ湾岸地区の企業RapidLED(ラピッドエルイーディー)とのフィフティー・フィフティーのパートナーとしてスタートした、とTechCrunchに話してくれた。この企業は、数年前から室内植物栽培のための照明器具の販売をしていて、この分野では既に顧客ベースを確立している。だがレビン氏は当初、植物をモニターする製品を作ろうとしていたわけではない。彼は、アクアリウム水槽用のモニターFishBit(フィッシュビット)を作っていた。

2つの市場が類似していたことから、レビンとその仲間たちは、室内園芸の分野に飛び込むことができた。レビン氏がTechCrunchに話したところによると、顧客の要求はよく似ていて、アクアリウムと同じく、室内園芸の世界でも人々は自らの能力をもっと高める方法を探っているという。そこで彼らは、魚を生かすことから、もっとたくさんトマトを(またはカナビスを)収穫する方へと目を向けた。

アクアリウムと違うのは、室内園芸家は比較的金払いがいい点だが、今のところ、カナビスに関してはとんとんだとレビン氏は話す。ゴールドラッシュとまでは行かないが、とくにカナビス市場は、いくつもの企業が新製品を投入する絶好の場所になっていると彼は指摘する。

同社は、家庭園芸家や職業園芸家にも同じ製品を売り込んでいるが、そのためには今のウェブアプリが課題になると思われる。彼らの製品には強力な機能が欠けている。私のような小規模な園芸家なら問題ないが、プロの場合は、もっと細かい分析や、15分おきとはいわず、もっと頻繁なモニターサイクルによる詳細なロギングを欲しがるのではないかと思われる。

海外のユーザーに対応させようとすれば、USBによる給電方法を変える必要もあるだろう。

これは転換点ではない。少なくともレビン氏は転換点だとはいっていない。彼はTechCrunchに対して、もし起業のためのピッチを再び行うとしても、以前と同じFishBitのゴールを目指すと主張すると話していた。Mendelで学んだあらゆる見識を、FishBitに活かすともいっていた。目標は、屋内で生き物を育てるための、スマートなハードウェアとソフトウェアの総合的な製品ラインを築くことにある。

RapidLEDは、アクアリウムのカンファレンスでレビン氏とそのチームに接近し、レビン氏がソフトウェアを作るならハードウェアを作りたいと申し出てたそうだ。この2つの企業が手を結んでくれたおかげで、私の植物たちは幸せでいられる。

私は、Mendel Air Sensorにいくつかのことを教えられた。1つは、うちの植物育成ライトは想像以上に熱を発していたことだ。安い照明セットを外して、ブランド物のちゃんとしたセットを購入しなければならない。もう1つは、湿気が思っていたよりもずっと低かったことだ。そこで加湿器を置いた。最後にVPDのモニターは、計算を自動化すれば見た目よりずっと簡単にできるということだ。

植物を育てるのは難しいが、Mendel Air Sensorのデータがあれば、少し楽になる。

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(翻訳:金井哲夫)

Nintendo Switchが待望のアップデート、DLゲームをSDカードに転送可能に

任天堂は同社の人気ゲーム機Nintendo Switchのファームウェア「10.0.0」をリリースし、発売以来ユーザーが待ち望んでいた機能をついに追加した。このアップデートにより、ダウンロードしたゲームをSDカードに転送できるようになり、ユーザーにより高い柔軟性と自由度がもたらされる。

ゲーム機のストレージ容量が足りなくなった場合、Nintendo Switchユーザーにはこれまでほとんど選択肢がなかった。最良の方法はゲームを削除して、SDカードに再度ダウンロードすることだが、この手順はスマートではない。そして今回のアップデートでは、ストレージ容量が少なくなってきた場合、ユーザーはゲームをSDカードに直接転送できるようになっている。

現時点でデータ移動に対応しているのは「ダウンロードソフト」「更新データ」「追加コンテンツ」のみで、一部のユーザーセーブポイントやアップデートデータは転送することができない。

物理メディアとダウンロードデータが共存するNintendo Switchにとって、この変更は歓迎すべきものだ。これにより、ユーザーはローカルストレージを利用したり、オンラインでゲームを購入したりしつつ、物理メディアにデータをバックアップできるという安心感が得られる。

また今回のアップデートでは、コントローラのボタンの割り当てが変更可能になり、最大5種類のボタンレイアウトを保存したりする機能も追加された。

10.0.0.0のアップデートはNintendo Switchの設定から行うことができる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが車載コンピュータやエアタンクで人工呼吸器を作るプロセスをビデオで紹介

Tesla(テスラ)は、他の自動車メーカー同様、設備を再編成して、新型コロナ危機のために人工呼吸器を作っている。下のビデオで同社は、人工呼吸器の設計プロセスの裏側を紹介している。

Ford(フォード)、General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)と同じく、Teslaの技術者は自動車用の部品を使って人工呼吸器を作っている。理由は単純、自動車部品がそこにあるからだ。自動車会社というものは、最終組立てにむけて執拗なほどに部品を準備する。さもないと、例えばドアのハンドルがなければ生産ラインは停止する。ビデオの中でテスラのエンジニアは、できるだけ多くの自動車部品を使おうとしていると言っている。

たとえば、テスラの人工呼吸器はModel 3のインフォテイメントシステムを使ってModel 3の車載コンピューターを動かし、呼気マニホールドの気流調節に使う。サスペンションのエアータンクは酸素混合チャンバーとして利用する。Model 3のタッチスクリーンもコントローラーとして使っている。

テスラは、いくつかの米自動車メーカーと人工呼吸器を作るための部品と人材を供給するとともに、自社の資源を利用して人工呼吸器、レスピレーター、フェイスシールドなどを作ることを約束した。GMは、インディアナ州の自動車工場で人工呼吸器を製造する意向であり、まもなく1日当り5万枚のマスクを作れるようになると最近発表した。テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、近々同社のニューヨーク工場を人工呼吸製造のために、再稼働すると発言した。おそらく上のビデオで見られる人工呼吸器もそこで作られるのだろう。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

5分で新型コロナの検査ができるAbbot Labsの検査装置をデトロイトが米で初めて利用

米国デトロイトのMike Duggan(マイク・ダガン)市長は4月1日、CNNのWolf Blitzer(ウルフ・ブリッツァー氏)の番組で、デトロイト市はAbbott Labsの5分で結果がわかる新型コロナウイルス(COVID-19)検査装置を使用する最初の都市になると発表した。市長によるとその装置は、ファーストレスポンダー(広義の救急対応要員)が利用する。目標は、自己隔離中でまだ検査で陽性ではないファーストレスポンダーを検査することだ。

デトロイト市はAbbott Labsの検査装置を今日すなわち4月1日に受け取った。24時間以内に使用可能になる、と市長は言っている。

このAbbottのシステムには、米食品医薬品局(FDA)の緊急時使用免除が下りている。それは小さな台所用品ぐらいのサイズの検査装置で、小型で結果が早い点ではほかの方法より有利だ。

デトロイト市は新型コロナウイルスの被害が特にひどい。最近の数字では、デトロイト周辺の郡がミシガン州の7615名のコロナウイルス患者の81%を占めている。2500名強の警官の20%以上が、新型コロナウイルスの検疫を受けている。デトロイトの患者数がとても多いため、市長は行政の正規の調達ルート以外から誰よりも真っ先に検査装置を入手した。

The Washington Post紙によると、ダガン市長はAbbot Labsの会長で前CEOのMiles White(マイルス・ホワイト)氏の携帯電話の番号を入手して、米国時間3月29日の朝に彼を起こし、検査装置の提供を懇願したという。この早朝の電話によって市は、5台のマシンの入手と5000件の検査を可能にした。

本日のAbbot Labsのツイートによると、すでに同社の検査装置のある地域における緊急看護活動の一環として、システムを新型コロナウイルス向けに利用できるようにしていく。同社によると同社の製品はすでに米国において、最も多く利用されているポイントオブケア分子診断装置(現場で用いる分子生物学的診断装置)だ。そしてそれは、医師のオフィスや、緊急ケアクリニック、救急救命室などの医療施設で広く使われている。

Abbottの予測では、4月には500万件の検査を作り出せる。それは新しい高速検査と、3月18日にFDAの緊急時認可が下りた従来的な検査機関による高速検査を合わせた数字だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa