【レビュー】2022年のフォード・マーベリックは可能性を秘めたコンパクトトラック

Ford(フォード)のFシリーズピックアップは、米国のトラックである。少なくとも数字を見る限りその事実は間違いない。

半世紀近くにわたって米国で最も売れているトラック、それがフォードのFシリーズピックアップだ。Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)やRam(ラム)のピックアップシリーズも立派な競争相手ではあるが、フォードはいまだにそのどちらよりも数万台多く販売している。

一度実際に乗ってみると、その魅力がわかるかもしれない。大きくてパワフルなトラックは、モバイルオフィスとしても作業台としても機能し、あらゆるタスクやあらゆる地形に対応することができるからだ。しかしフォードも、このオールインワンのユーティリティービークルがすべての人に向いているわけではないことくらいわかっている。

このトラックに対して否定的な人にとって、Fシリーズは大きすぎて面倒で無駄が多い。不愉快な気持ちにさえしてしまうかもしれない。フォードが必要としていたのは、フォードのNo.1セラーに嫌悪感を抱いている人たちのために向けたトラックであり、ピックアップのあるべき姿という一般的な期待から外れた、常識にとらわれないクルマだったのである。

そこで登場したのが、Ford Maverick(フォード・マーベリック)である。

フォードはおよそ10年間にわたって北米のコンパクトピックアップトラック市場を放棄してきたが、同社はマーベリックによってそのブランクを破り市場に戻ってきた。先代モデルのRanger(レンジャー)は中型トラックに改良されて戻ってきたが、新型マーベリックはこれまでの流れを継承している。ちなみにマーベリックという名前は、1970年代にフォードがコンパクトセダンのシリーズに初めて使用したものである。

基本概要

画像クレジット:Alex Kalogianni

ユニボディ構造の同新型トラックは、4ドア5人乗り の「SuperCrew」キャビンと約54.4インチ(140cm強)の荷台を備えている。比較のために書くと、この長さはSuperCrewキャビンを持つレンジャーよりも15cmほど短いものとなっている。

TechCrunchが試乗したマーベリックは、ハイブリッド化された2.5リッター4気筒エンジンを標準搭載し、191馬力と155ポンドフィートのトルクを発揮。無段変速機と組み合わされて、前輪にパワーを送る仕組みだ。

標準的な構成を持ちながらも、この小さなトラックは優れた燃費性能を実現している。都市部では推定40mpg、1タンクで500マイルの航続距離となっている。また、1500ポンド(約680kg)の荷物を積み、2000ポンド(約900kg)の荷物を牽引することが可能だ。

さらなるパワーを求めるなら、オプションの2.0リッターEcoBoostエンジンにアップグレードすることで最高出力250馬力、最大トルク277ポンドフィートを発揮する。このエンジンはより伝統的な8速オートマチックギアボックスと組み合わされ、前輪または4輪を駆動できる。性能面ではペイロードの数値は変わらないものの、単体で2000ポンドの荷物を牽引し、オプションの「4K Tow Package」(AWDモデルのみ)を付ければその2倍の荷物を引くことができるという。

EcoBoostを搭載したマーベリックのAWD(全輪駆動)車には、オフロードでの活動をサポートするアンダーボディプロテクション、サスペンションのチューニングの調整、オフロードに特化した追加のドライブモードを揃えたFX4パッケージを加えることも可能だ。

XL、XLT、Lariatの各トリムレベルは、フォードファミリーらしい馴染みのあるものだ。マーベリックではXLとXLTに大きな違いはないが、XLTにはより豊富なアクセサリーが装備されている。どちらも布製シートで、パワートレインは好みのものを選択できる。

Lariatトリムでは複数の付属品が追加されている他「activeX」と呼ばれる合成素材を使用してキャビンに若干のプレミアム感を与えている。マーベリックの初値はベースとなるハイブリッド車で2万ドル(約223万円)を下回り、その他のトリムは2万ドルから3万ドル(約335万円)の範囲に収まっている。フル装備の場合でも最大で3万5500ドル(約396万円)程度となっている。

搭載テクノロジー

画像クレジット:Alex Kalogianni

同社の大型版と同様に、このコンパクトトラックにも最新の安全技術や便利なテクノロジーが搭載されている。しかし感心させられるような技術はほとんどがオプションだ。歩行者検知機能つきの自動緊急ブレーキや衝突警告機能は標準装備されているものの、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、ヒルディセントコントロールなどの、さまざまな運転支援機能を希望する場合は追加のテクノロジーパッケージとして装備する必要がある。

車内にはApple CarPlayとAndroid Autoに対応した8インチのタッチスクリーンが搭載されている。内蔵のWi-Fiホットスポットでは、最大10台のデバイスがFordPass Connectを介してインターネットにアクセス可能だ。ちなみにFordPass Connectは契約が必要になる前の3カ月間、無料トライアルが用意されている。

一方で、スマートフォンのアプリを使ってクルマにアクセスできるなど、便利な機能を備えているFordPassは無料だ。スマートフォンのアプリでクルマにアクセスすると、クルマの始動やドアのロック解除、クルマの状態の更新などが遠隔操作で行える。

マーベリックの真骨頂は、多様なニーズに対応するために構築された標準装備の荷台「Flexbed(フレックスベッド)」にある。マルチポジションのテールゲートや内蔵式の収納スペース、フォルスロードフロア用のスロット、リアカーゴを固定するための複数のアタッチメントポイントなど、細やかな工夫が施されている。

マーベリックは柔軟性を重視し、あらゆる面で実用性を高められるように設計されている。例えばユニボディ構造を採用したことで、燃料タンクを後方に移動させることができ、後部座席の下にかなりの量の収納を確保することができた。また、今人気のマルチユースのドリンクボトルを想定してドアを設計したり、空いているスペースをすべて収納機能として活用したりしているのである。

マーベリックのデザインには、フォードのトラックオーナーのDIY精神が反映されている。

ユーザーたちが自分のトラックを最大限に活用するために考え出したユニークなソリューションを観察した同社。その結果としてマーベリックは、ユーザーが配線するためにテールランプをハッキングしたり、ブラケットを取り付けるためにトラックの荷台にドリルで穴を開けたりする必要がないよう改めてレイアウトされたのである。マーベリックオーナーは車内各所に設置されたQRコードから、ハウツー動画が掲載されたサイトにアクセスすることが可能だ。また、一部の部品のCADファイルもアップロードされ、3Dプリンターでオリジナルのアクセサリーを作ることもできるようになる。

ユーザーエクスペリエンス

F-150のような大型トラックの走りを敬遠してしまう人にも、マーベリックはフレッシュな親しみやすさを感じさせてくれる。半分はクルマ、半分はトラックというデザインのため、ボディオンフレーム車のような走りではなく、シートポジションを高くしたサブコンパクトカーのような感覚になっている。ユニボディ構造のサスペンションにはしっかりとした安定感があり、重厚なピックアップにありがちな車体のロールはない。スポーツカーではないが乗り心地は良く、楽しい道も無駄なく楽しむことができる。

前輪駆動のこのハイブリッド車は、ノーマルモードでもスポーツモードでもよく走る。後者は効率を重視したアトキンソンサイクルエンジンにもう少しスロットルレスポンスを求める人のためのものだ。また、CVTトランスミッションとの相性も良く、良い意味で普通である。ハイブリッドのマーベリックのドライビングエクスペリエンスを表現するには「無難」という言葉が最適かもしれない。マーベリックは日常の足として期待を裏切らずに仕事をこなしてくれるが、特に何かが優れているわけではない。期待を裏切らないという意味では勝利と言えるだろう。

ある意味十分なパフォーマンスを発揮してくれたため、EcoBoostを搭載したマーベリックのパワーに大きな期待を抱く必要もなかったが、クルマを乗り換えたときに良く分かった。ちょっとしたパワーがあるのはいいことだが、ハイブリッドを差し置いて選ぶほど路上でのダイナミクスが劇的に変化することはなかったのだ。オフロードでは別の話だろうが、それはまた複雑な話になってくる。

ハイブリッドへのためらい

フォードはマーベリックのオフロード性能に対して慎重に言葉を選んでいる。「Built Ford Tough」ではあるものの、このトラックはドライバーを冒険のスタート地点に連れて行くためのものであり、トラック自体が冒険なのではない。これは、マーベリックがフォードのオフロード性能ランクの下の方に位置することを遠回しな言葉で伝えているのである。

どこまでも旅をしたい冒険家はBroncoを、また放浪好きなドライバーにはBronco Sportがおすすめだ。マーベリックと同じプラットフォームを採用していながら、ホイールベースの短さとクリアランスの面で、コンパクトトラックよりも優れている。

実際には、スロットルとホイールのスリップを制御するドライブモードが追加され、より高性能なタイヤと組み合わされたマーベリックは、試乗会のオフロードでも活躍を見せた。大きな岩がゴロゴロしたヒルクライムを除けば、平坦な砂利道と草原の中のよく整備された道では特に難しいことはなかった。

マーベリックは荒れた道でも問題なく走破した。オフロード経験者にとってはなんてことのない道だろうが、まだ慣れないクルマに乗っているドライバーにとっては一瞬躊躇するほどの岩場である。

全輪駆動のEcoBoostバージョンのマーベリックが、軽い障害物を乗り越えられるというのは疑う余地もない。しかしハイブリッドは別の話である。今のところフォードは全輪駆動のハイブリッドを提供していない。また、前輪バージョンをオフロードで走らせることはできなかった。

メカニズム的には、マイルドハイブリッドシステムは非常にインパクトの少ないシステムだ。大雑把に言えば、大容量のパワーパックを搭載したマルチモーターのPHEVとは逆に、ドライブトレインに組み込まれた小型モーターと小型バッテリーを組み合わせて、軽快な動力回復を実現するというものである。ハイブリッドマーベリックに独自の全輪駆動を搭載することは、不可能ではなさそうではないか。オフロードではEcoBoostよりも性能が落ち、燃費が下がるのは間違いないだろうが、その落差はごくわずかなものだろう。

例として燃費を見てみよう。フォードは前輪駆動のハイブリッドマーベリックで40mpgの燃費を実現したと大々的に発表している。より重く、よりパワーを必要とする全輪駆動システムは、このリターンを下回る可能性が高いが、とは言え30または25といったところだろう。40とはいかなくとも、コンパクトトラックとしてはかなり良い数値だと言えるのではないだろうか。

フォード自身も認めている通り、最もたくましいマーベリックでもオフロード機能に関しては限界がある。オフロードで最も重要な数値である277ポンドフィートのトルクというのは、150ポンドフィートに比べれば間違いなく優れているが、それでもマーベリックが必要とするパラメーターを考えれば十分である。

FX4を搭載したEcoBoost AWDマーベリックの方が優れていることは間違いないが、ハイブリッドシステムが標準搭載され、かつ最も魅力的であることを考えると、ハイブリッドのマーベリックが最も売れるであろうことは明らかであり、ドライバーたちが試乗しようと思うのはまずはハイブリッドだろう。

ライバルたち

フォードはマーベリックをデザインするにあたり、トラックからダウングレードしようと考えている人に向けてというよりは、乗用車をアップグレードしたい人に向けてデザインしている。中型のレンジャーとマーベリックの間には顧客がオーバーラップする部分があるかもしれないが、厳密には対立するものではないだろう。

都市部や郊外での使用を想定しているため、マーベリックの最も近いライバルとなるピックアップは、Honda Ridgeline(ホンダ・リッジライン)と言ったところだろうか。洗練されたクルマのような中型トラックとしての実績は、今のところ他の追随を許していないが、マーベリックや新型Hyundai Santa Cruz(ヒュンダイ・サンタクルス)がその地位を揺るがす可能性もある。

フォード・マーベリックは、その実力というよりも、可能性を秘めた「白紙状態」のクルマとしての魅力が高いトラックである。

このトラックは、コストパフォーマンスに優れた低燃費のコンパクトユーティリティービークルであるのと同時に、そこそこの性能を持つオフローダーでもあるわけだ。新たな家族にと犬を探す際、セントバーナードではなくテリアを選ぶのと同様、トラックのような実用性を持ちながらも価格や物理的な制約が少ないクルマを探している人の目に留まるのだろう。

乗用車のように扱えるため、初めて運転する人にも、重厚なSUVやフルサイズのピックアップを運転するのが苦手だという人にも親しみやすいのがこのトラックだ。フォード・マーベリックは 極めて「無難」であり、またその可能性は無限大なのである。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Alex Kalogiannis、翻訳:Dragonfly)

マイクロソフトがTeamsのアップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成も

マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

米マイクロソフトはビデオ会議ツール「Microsoft Teams(以下、Teams)」における、今後の機能追加のスケジュールを明かしています。

今年5月に企業向けだけでなく、個人向けにも提供が始まったTeams。また同月には大画面スクリーンや専用カメラ、空間オーディオなどを組み合わせた未来のビデオ会議のコンセプトも披露されています。

さて今回の発表によれば、Teamsにはプレゼンテーションツール「PowerPoint」の画面共有ツール「PowerPoint Live」におけるカメオ機能が追加されます。これはピクチャー・イン・ピクチャーのように、PowerPoint資料映像に自分の顔や上半身映像(動画)を合成する機能で、来年初頭にリリースされる予定です。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

さらに2022年初頭には、AI(人工知能)を利用したスピーチの改善機能「スピーカーコーチ」も導入されます。同機能ではスピーチのペースや出席者に確認するタイミングをアドバイスしてくれたり、あるいは聴衆にチェックインするようにリマインダーを表示したりします。

今月末には、米アップルのCarPlayによる音声での会議参加が可能に。自動車の中からでも、Siriを利用してミーティングに加わることができます。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

照明の自動調整ツールも、数ヶ月以内に導入されます。Teams Mobileのコンパニオンモードも改善され、チャットやライブリアクションなどの機能への簡単なアクセス、さらにカメラなどの接続デバイスのコントロールが可能になります。

Jabra、Neat、Poly、Yealinkなどが提供する、インテリジェントカメラへの対応も予定。AIによる会話者の判断機能では音声だけでなく視覚的な合図も利用し、画面を切り替えられます。また同じ場所にいる会話者をそれぞれのビデオペインに配置する複数ビデオストリームや、会話者のプロフィールを下部に表示する人物認識ツールなども、数ヶ月以内に導入される予定です。2022年に導入されるOutlookのRSVP(簡易返答)機能では、自分が会議に直接参加するのか、あるいは遠隔地から参加するのか、勤務時間にいつ、どこで仕事をできるのかを記入できるようになります。

このように、新機能が次々と導入される予定のTeams。ビデオ会議ツールとしてはTeamsだけでなく、Zoomや米GoogleのGoogle Meetが激しいシェア争いを繰り広げており、今後もさらなる機能改善が業界全体で実施されることになりそうです。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

GoogleマップがApple WatchとCarPlayダッシュボードに対応

GoogleマップApple Watchに対応し、徒歩や自転車、車の経路を手首で確認できるようになった。

ただしフル機能のマップを手首で利用できるわけではない。新しいアプリは保存されている場所(家や職場など)への経路案内を主眼としている。それ以外の場所へのナビゲーションを開始するには、まずiPhoneで経路を調べてから「続きをApple Watchで見る」とGoogle(グーグル)は説明している。

数年前にグーグルはApple Watch向けのマップを提供していたが、2017年にサポートを終了した(Lifewire記事)。watchOS向けのGoogle Mapsアプリは今後数週間で全世界に公開される。

watchOS向けの新しいマップに加え、Apple(アップル)のCarPlayとの連携も若干強化された。iOS 13.4でCarPlayのダッシュボードが他社製アプリに対応したためだ。CarPlayでGoogleマップをよく使っている人なら、ダッシュボードでアップルのマップに戻されてしまうだけなのでイライラを感じていたかもしれない。

アップルはもともとiOS 12のリリース時(未訳記事)にCarPlayで他社製のナビゲーションアプリをサポートした。ただしその時点では、他社製アプリはフルスクリーンモードのみに限定されていた。今回のアップデートではGoogleマップのナビゲーションをそのまま利用し続け、さらにメディアコントロールやカレンダーも同時に表示できるようになった。

画像クレジット:Google

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(翻訳:Kaori Koyama)

ポルシェがビンテージ向けのCarPlay対応ユニットを発表、1960年代モデルにも搭載可能

クラシックのポルシェをお持ちですか?皆さん、お持ちですよね?米国時間4月23日、ポルシェはBluetooth、DAB+、アップルのCarPlayといった最新の接続機能を有しつつビンテージな外観を再現したヘッドユニットのラインアップを発表した。

これはポルシェの公式ハードウェアで、1DINと2DINにそれぞれ対応しているため、1960年代から1990年代の車に搭載できる。

確かにタッチスクリーンだけのインターフェイスは1976年の911Carrera(カレラ)には少し場違いかもしれない。そのため、ユニットはボタンやダイヤルを備え、全体に統一されたビンテージ感を演出する。1990年代にポルシェはサイズの大きい2DINの設計に移行したため、この時期のモデルに対応するヘッドユニットはボタンやダイヤルに加えて大画面のタッチスクリーンを備える。

どちらのユニットもポルシェのディーラーから購入できる。これはビンテージの車にできるだけ長く走っていてほしいというポルシェのスタンスを表している。このユニットで、オーナーは最新のテクノロジーの利便性を利用できるようになる。自動車メーカー各社はクラシックカー向けのパーツを長年提供しているが、ドライバーが最新の接続機能を活用できるものはほとんどない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

BMWがようやくAndroid Autoを採用へ

BMWは米国時間12月11日、ようやく2020年7月からAndroid Autoを同社の車に搭載することを発表した。これにより同社の車では、AppleのCarPlayと併せて利用できるようになる。

BMWによるAndroid Autoの最初のライブデモは、来月のCES 2020で行われる。その後、BMW OS 7.0を搭載した車で、20か国のドライバーに対するアップデートとして利用可能になる予定だ。ただし、BMWはAndroid Autoをワイヤレス接続でサポートするので、一般のものとまったく同じにはならない。

わずか2年前には、同社はAndroid Autoのサポートに興味がないと述べていた。当時、デジタルサービスおよびビジネスモデル担当の上級副社長だったDieter May(ディーター・メイ)氏は独占インタビューで「車内のインターフェイスを完全に掌握するため、自社の純正アプリにこだわっている」と語っていた。従って、BMWではAndroid Autoの採用に興味はないと。メイ氏はその後退社したが、Android Auto自体、その後の2年間で大幅に洗練されたものになったことも頭に入れておく必要があるだろう。

「Android Auto上でGoogleアシスタントを利用すれば、道順の検索も簡単で、人との連絡を保ち、生産性を維持できます。多くのお客様が、BMW独自の機能とサービスに加えて、Android Autoが車内で利用できるようになることの重要性を指摘しています。運転から気を散らすことなく安全に、多くの使い慣れたAndroidスマートフォンの機能が使えるようになるからです」と、BMWの製品管理担当の上級副社長であるPeter Henrich(ペーター・ヘンリッヒ)氏は、発表の場で述べた。

これによりBMWは、早くからAlexa、Cortana、そして独自にMicrosoft(マイクロソフト)のAIスタックの上に構築したBMW Assistantのサポートに手を出してきた後、ついにGoogleアシスタントもサポートすることになった。同社はずっと、一般に使われているデジタルアシスタントは、すべてサポートしたいと表明してきた。Googleアシスタントをサポートするには、少なくとも今のところ、Android Autoを利用するしかなかった。

BMWの場合、Android Autoは、BMWのInfo Displayと道順表示用のヘッドアップディスプレイに加えて、車のデジタルコックピットにも統合されることになる。これは非常に深い統合であり、現在ほとんどの自動車メーカーが実現しているものを超えている。

「BMWと協力して、来年には世界中のBMWのお客様に、ワイヤレスのAndroid Autoをお届けできることを楽しみにしています」と、Googleのエンジニアリング担当副社長であるPatrick Brady(パトリック・ブレイディ)氏は、述べている。「AndroidスマートフォンからBMWの車へのシームレスな接続により、お客様は、ご愛用のアプリやサービスへのアクセスを安全に維持したまま、車に乗り込んですぐに運転を始めることができるのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

CarPlayやAndroid Autoを使い株取引の情報を車中で収集

オンライン株取引のTD Ameritradeは、車載用ソフトウェアのプラットフォームであるアップルのCarPlay、グーグルのAndroid Auto、アマゾンのEcho Autoと統合して、運転しながらポートフォリオや最新ニュースをチェックできるようにした。

TD Ameritradeは今週、投資家が車の中で音声コマンドやタップ操作により株価などの金融情報にアクセスできるさまざまな機能を発表した。同社の最高情報責任者であるVijay Sankaran(ヴィジャイ・サンカラン)氏によれば、これは「自然な進化」であり、「複雑なテクノロジーを使って投資を日常生活にシームレスに組み込む」方法のひとつであるという。

今のところ顧客は車内で取引をすることはできない。同社のこれまでの歩みを考えると、これもまた「自然な進化」かもしれない。電話、デスクトップコンピュータかモバイルアプリ、アマゾンのAlexa対応デバイスで取引をすることはできる。

車内で利用できる機能はプラットフォームにより異なる。アップルのCarPlayの場合、TD Ameritrade NetworkがCarPlayに最適化したオーディオストリーミングでニュースライブをブロードキャストするため、TDAN Radioアプリで最新のマーケットニュースを聞くことができる。

Android AutoとEcho Autoの場合は、音声コマンドで株価の動きの概略や業界の最新情報、リアルタイムの相場、口座残高と資産運用成績をチェックできる。

TD Ameritradeの戦略的パートナーシップおよびテクノロジー活用の責任者、Sunayna Tuteja(スナイナ・ツタージャ)氏は声明で次のように述べている。「我々のようにつながりを必要とする世界では、投資家が家からでもオフィスからでも出先でもサービスを利用できるようにしなくてはならない。車載用テクノロジーによって新しいタイプのつながりを得ることができ、金融情報や市場にアクセスするハードルはさらに低くなる」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルのCarPlayがアップデート、新しいホーム画面やSiriからの提案を搭載

アップルはWWDCで、CarPlayの登場以来最大のアップデートを発表した。CarPlayは劇的に改善され、これまでのiPhoneを模した画面レイアウトではなく、車内で使うのにずっと適したものになっている。

CarPlay2014年の登場以来、あまり変わっていなかった。CarPlay互換の車は増えたが、ほかの車載システムはアップルが開発したものよりもずっと進化してきた。CarPlayの今回のアップデートは、正しい方向への大きな一歩といえるだろう。

最大の変更点は、CarPlayで表示できる情報量だ。これまでのバージョンのホーム画面にはアプリのアイコンが並んでいるだけで、あまり役に立たなかった。新バージョンでは、ホーム画面にマップ、メディアの再生、車庫のドアやライトといったHomeKitデバイスが表示される。

先月、グーグルはAndroid Autoプラットフォームの大規模アップデートを発表し、CarPlayを大きくリードした。Android Autoは車に適した方法でタスクを処理したりアプリを表示したりすることができる点で、CarPlayとは大きな差があった。しかし新バージョンのCarPlayは、グーグルのシステムが備えている機能の多くに対応したようだ。

新しいCarPlayは、古い車や古いハードウェアで動作するのか。iPhoneのどのモデルで動作するのか。車によって画面の解像度が異なるがどう調整されるのか。このように、今回の発表ではまだ不明点が多い。

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(翻訳:Kaori Koyama)

トヨタのレクサスが2019年モデルで遂にCarPlayに対応

トヨタはこれまでCarPlayに背を向けていた。ご存じない方のために説明すると、これはAppleが提供しiPhoneと連動するインフォテインメントシステムだ。トヨタとその高級ブランドのレクサスは、他のほとんどの自動車会社が、少なくとも数種類の車種に搭載しているにもかかわらず(そして徐々に搭載車種が広がっているのにもかかわらず)、これまでどのモデルにもCarPlayを搭載してこなかった。

しかし、2019年型トヨタ・アバロンはCarPlayを搭載することになる。この車は本日(米国時間1月15日)発表され、トヨタは同車種が発売時にAppleのシステムをサポートすることを明言した。残念ながらAndroid Autoについては言及されていない、GoogleのモバイルOSのスマートフォンのファンたちにとっては、まだまだ良いニュースはおあずけのようだ。

トヨタは、Entune 3.0(トヨタ)とEnform 2.0(レクサス)インフォテインメントシステムに、一部の車種にはアップデートによってAlexaが入ることをアナウンスしていた。しかしこの先、いくつかの車両には、CarPlayもこれらのシステムのパッケージの一部として搭載されて行くことが分かった。2019年モデルうちCarPlayをサポートするのが何種類になるのかはまだはっきりしない。同様にEntune 3.0とEnform 2.0のアップデートを取り込む古い車種にも適用されるのかも分かっていない。

自動車メーカーたちは当初、彼らのプラットフォームに、Android AutoもCarPlayも載せたがってはいないようだったが、そのほとんどは方針を変更している。もちろん顧客のフィードバックがその大きな理由であることに、間違いはないだろう。

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(翻訳:sako)

Sonyの500ドルのインダッシュレシーバーはAndroid AutoとCarPlayをサポートして値頃感あり

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Sonyの、ダッシュボード埋込み型(in-dash, インダッシュ)カーステレオXAV-AX100は、あなたの車にAndroid AutoやCarPlayを安上がりに導入するためのベストの方法かもしれない。11月末に、499ドル99セントで発売される同機は、6.4インチ800 x 480のタッチスクリーンを搭載、NFCとBluetoothとaux入力をサポートし、また音声入力を起動する専用ボタンがある。

このXAV-AX100は、仕様を見るかぎり、競合機に比べて明白なアドバンテージがいくつかある。Pioneerの、仕様的にいちばん近い競合機はAppRadio 4かと思われるが、こちらは6.2インチのスクリーンで物理ボタンがなく、CarPlayしかサポートしていない。お値段は600ドルだ。Alpineにも、これぐらいから上の価格の製品がある。

デバイスを特定せず、値段が手頃な、タッチスクリーンをぜいたくに奮発したインダッシュレシーバーを出す、というSonyの決定は賢明だ。カーステレオに代表されるような各種二次製品はメーカー数も多く、とくに初期は競争が激しかったが、このところ、それほど飛び抜けた強力な製品はない。Sonyは、そこに目をつけたようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FordとDJIがドローンと自動車のコミュニケーションシステムで賞金10万ドルの懸賞

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ドローンが車と対話できたら、どうだろう? そんなことは考えたこともない人が多いと思うが、たとえばもしもあなたが国連などの救難機関にいて、ピックアップトラックの床からドローンを発進したいとき、どうするか?

Fordと世界最大のドローンメーカーと言われるDJIが今日(米国時間1/4)、FordのAppLinkやOpenXCでドローンと車両がコミュニケーションする技術の開発で、賞金10万ドルの懸賞を発表した。

FordのResearch and Advanced Engineering部門のVP、Ken Washingtonは、声明文の中でこう述べている: “Fordはその事業のあらゆる部分で、人間の生活を快適便利にするためのイノベーションに取り組んでいる。このたびはDJIと国連とのパートナーシップにより、人間の乗り物とドローンが共通の目的に向かって協働する、これまでにない新しい技術に挑戦しようとしている”。

懸賞の対象は、Ford F-150のタッチスクリーンから運転者がドローンを発進できるシステムで、スマートフォンのアプリにもリンクしていること。

Fordはこう説明している: “運転者のスマートフォンを使ってF-150は、ドローンとトラックとクラウドとのリアルタイムのリンクを確立し、車両のデータを共有できるようにする。データはドローンに中継され、運転手は次々と行くべき目的地を見つける。ドローンはトラックに追いつき、トラックとドッキングできる”。

Fordはこの懸賞によって、デベロッパ受けの良い企業になろうとしている。今週同社は、車とモバイルアプリが通信するための同社独自のソフトウェアAppLinkのオープンソースバージョンSmartDeviceLinkを発表したが、これをトヨタなど多くの自動車メーカーが採用して、AppleのCarPlayやAndroid Autoに代わるものまたはそれらとの併用をねらっている。Fordはさらに、そのプラットホームのデベロッパ知名度の向上を願っており、DJIとの協働や、ドローンという人気の高いトピックに取り組むことが、その願いの実現に貢献するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

安全運転のために運転時にiPhoneの機能を制限する方式でAppleが特許を取得

AppleInsiderによると、Appleにこのほど認められたパテントは、多くの不注意運転を防止するかもしれない。その技術は、携帯電話に搭載されているセンサや、あるいはBluetoothなどによる車への直接接続により、デバイスの機能を制限し、運転中にはSMSやメールなどにアクセスできないようにする。

このパテントは加速度計などデバイス搭載のセンサからの情報により、車が走行中か停車中かを判断し、それに従って機能をロック/アンロックする。最近はそんな機能が最初からある車もあるから、そんな車なら携帯をBluetoothで接続するなどの手間は要らない。Appleのシステムは、デバイス上のセンサではなく、車から直接、今走ってる/止まってるの情報を得ることもできる。

またこのパテントが記述している機能の中には、“今運転者以外のほかの人が携帯を使ってるから大丈夫”、とシステムに教える機能がある。それは顔認識を利用して、今自分を使っている人間が運転者でないことをデバイス自身が判断するのだ。そして運転者ではない、と判断したら、走行中でもメールなどをロックしないのだ。

しかしこのパテントは、車の運転以外の領域もカバーしている。すなわち運転モードのほかに親業モードがあって、子どもがSMSなどを使おうとしたときにはパスワードの入力を求める、といった使い方ができる。親が一部の機能を要パスワードに設定できる機能はiPhoneに前からあるが、今回のはその機能の拡張だろう。

でも、現段階では、Appleがこういうものを製品に実装することはないと思われる。今のAppleは、iOS 7.1におけるSiriによるCarPlayの統合のように、コミュニケーションの安全オプションを運転者に提供することに、関心があるようだ。単純に何かの機能をロックしたら、それが運転時の安全に寄与するものであっても、ユーザの大半がフラストレーションを感じるだろう。むしろCarPlayの今後のバージョンではますます、コミュニケーションをスマートフォンがアシストする、という方向に進むだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


メルセデス・ベンツ、CarPlay搭載の新Cクラス発表―このビデオで機能が詳しくわかる

ジュネーブで開催中のモーターショーでメルセデス・ベンツがAppleの車載iOSシステム、CarPlayを搭載したCクラスの新モデルを発表した。上にエンベッドしたビデオは繰り返しが多く、おそらくデモビデオに編集する前の素材集のようだが、それだけにメルセデスのCarPlayの機能が詳しく分かる。

ドライバーは車に乗り込むとセンターアームレストを開いてLightningケーブルを引き出し、自分のiPhoneを接続してアームレスト内にしまう。続いて、Siriを利用して電話をかける、メッセージを送信する、カーナビを設定する、iTunesでメディアを再生するところが紹介されている。

CarPlayの発表は自動車産業にとって一大イベントのはずだが、これまでのAppleの重要プロダクトの発表に比べるといささか地味な印象のスタートとなった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


フォード、AppleのCarPlayとMicrosoftの関係について官僚的発言

車載iOSがついに現実のものになった。その名はCarPlay。Appleは、自動車メーカー数社と共に今日(米国時間3/3)のジュネーブ・モーターショウに先立ちこのプラットフォームを発表した。パートナーのフェラーリ、メルセデス・ベンツ、およびボルボはいずれもCarPlay対応車を今週にも提供開始すると発表した。

Appleは、他にも同プラットフォームに対応予定の自動車メーカーをいくつか発表し、その中には以前からMicrosoftの車載システムを熱烈に支持してきたフォードも含まれている。しかしフォードは、今後もApple同様、Microsoftとも協力していくと私に語った。

フォードはAppleのCarPlayを統合すべく開発を進めている。われわれはApple、Microsoft、他多数のIT企業と協力して車内連携システムの改善を続けていくつもりだ。SYNCのすばらしい点の一つは、デバイスに依存せず、AppleのiOSやGoogleのAndroidを含め、事実上あらゆるモバイルOSと互換性があることだ。

フォードは実質的に選択の自由を残している。最近の噂によると、フォードは同社のSYNC情報システムをMicrosoftのプラットフォームからBlackBerryのQNXに乗り換えることを検討しているという。同社はこの噂を否定し、様々なメーカーの提案を受ける姿勢であることを表明した。

フォードのSYNCは2007年に提供開始された。Microsoftが設計しWindows Embedded Automotive OSが走るこのプラットフォームは、発売以来数多くのアップデートや改善を繰り返してきた。早期からサードパーティーアプリもサポートしていた。これは、最初のスマート・インフォテイメント・システムと言ってよいものだが、改訂後も基本的なUI問題が解決されていない。最新のMyFord Touchは使用に耐えない。

ボルボによるCarPlayのデモが何らかの兆候だとすれば、新システムは既存の車載インフォテイメント・システムの上で動作する。CarPlayは、理論的にはMicrosoft SYNC上でも走る。しかし、iOSをWindows変種の上で動かすことは、フェラーリ F138のF1エンジンをスプリントカップ出場車に塔載するがごとき冒涜に思える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ジュネーブ・モーターショーでAppleの車載iOSシステム発表―自動車がiPhone アクセサリーになる

自動車のエンタテインメントとコミュニケーションをiOSでコントロールするCarPlay iOS in the Carを改名)はAppleのモバイル・エコシステムを新段階に拡張するものだ。これによっていわば自動車がiPhoneのアクセサリーの一つになる。

CarPlayシステムは今日(米国時間3/3)、ジュネーブで開催中のモーターショーで発表された。パートナーのフェラーリ、メルセデス・ベンツ、ボルボは、いずれもCarPlay搭載車を今週から出荷すると発表した。2014年中にCarPlay採用メーカーはホンダ、ヒュンダイ、ジャガーに拡大する。さらにBMW、シボレー、フォード、キア、ランドローバー、三菱、日産、オペル、プジョー・シトロエン、スバル、スズキ、トヨタも参加予定だ。

フィアット、米国クライスラー、フォルクスワーゲン・グループなどまだ動向を明らかにしていないメーカーもいくつかある。近く世界で昨年1500万台の新車が販売されたが、Appleは近くその大部分のダッシュボードにiOSデバイスを据え付けることに成功する可能性があるわけだ。

iPhoneとの接続はLightningポートを使うので、CarPlayで利用できるのはiPhone 5、iPhone 5s、iPhone 5cのみとなる。

【後略】

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+